JP2017079688A - 人工土壌粒子、人工土壌粒子の製造方法、及び人工土壌培地 - Google Patents

人工土壌粒子、人工土壌粒子の製造方法、及び人工土壌培地 Download PDF

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英樹 高馬
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Abstract

【課題】土壌としての基本性能を維持しながら、高い耐久性を有し、且つ取り扱いが容易な人工土壌粒子を提供する。【解決手段】繊維10とフィラー20とを含む粒状物50を備えた人工土壌粒子100であって、粒状物50において、繊維10及びフィラー20は、ポリオレフィン系樹脂及び親水性ラテックスを含むバインダー30により結合され、バインダー30に含まれるポリオレフィン系樹脂(A)と親水性ラテックス(B)との含有比率(A:B)は、重量比で1:10〜10:1である。【選択図】図1

Description

本発明は、繊維とフィラーとを含む粒状物を備えた人工土壌粒子、人工土壌粒子の製造方法、及び当該人工土壌粒子を用いた人工土壌培地に関する。
人工土壌は、これまで植物工場での野菜の栽培等に利用されてきたが、近年、人工土壌に対するニーズが多様化し、例えば、人工土壌を使用して観葉植物や花卉等の様々な植物が栽培されるようになってきている。人工土壌には、土壌としての基本性能(保水性、保肥性等)が優れていることは勿論のこと、耐久性があり、且つ取り扱いが容易であること等が求められる。例えば、人工土壌を用いて観葉植物や花卉を室内で栽培する鉢植え商品が市販されている。このような室内用の鉢植え商品は、一旦使用を開始すると基本的に土壌を交換することが想定されていない。このため、潅水による水分環境の変化や、温度環境の変化等によって人工土壌の構造が徐々に崩壊し、保水性、保肥性、及び耐久性等の性能を長期に亘って維持することが困難となることがある。
これまでに開発された人工土壌として、有機物、無機物、及び土壌のうち少なくとも一種の成分、並びに石こう等の固形物を水溶性ウレタンポリマーの硬化物によって結合した多孔性人工土壌体があった(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1の多孔性人工土壌体は、固形物を部分的に結合させて水を保持可能な空孔を形成することにより、人工土壌体の保水性を向上させたものである。
また、粉状のゼオライトを水溶性高分子からなる結合材で結合した団粒構造ゼオライトがあった(例えば、特許文献2を参照)。特許文献2の団粒構造ゼオライトは、ゼオライトを団粒構造化して水を保持可能な孔隙を形成することにより、団粒体の保水性を高めたものである。
特開平5−244820号公報 特開2000−336356号公報
上述のように、観葉植物や花卉等の栽培に利用される人工土壌は、保水性や保肥性等の基本性能を備えていることは当然のこと、高い耐久性を備え、且つ取り扱いが容易であることが望まれる。この点、特許文献1の人工土壌体は、水溶性ウレタンポリマーの硬化物による結合形態が部分的であることから、十分な強度を有しているとは言えない。このため、水分環境や温度環境の変化によって人工土壌体の構造が破壊され、その結果、土壌としての基本性能が低下したり、微粉等が発生して取り扱い難くなる可能性がある。
特許文献2の団粒構造ゼオライトは、水の存在下で粉末のゼオライトと結合材とを混合して乾燥させただけのものであるため、ゼオライトの粒子間の結合力が十分であるとは言えない。この団粒構造ゼオライトを用いて観葉植物等の植栽作業を行うと、外的な圧力等により団粒構造が破壊され、保水性や保肥性が低下したり、微粉等が発生して取り扱い難くなる虞がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、土壌としての基本性能を維持しながら、高い耐久性を有し、且つ取り扱いが容易な人工土壌粒子、及びその製造方法を提供することを目的とする。また、当該人工土壌粒子を用いた人工土壌培地を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係る人工土壌粒子の特徴構成は、
繊維とフィラーとを含む粒状物を備えた人工土壌粒子であって、
前記粒状物において、前記繊維及び前記フィラーは、ポリオレフィン系樹脂及び親水性ラテックスを含むバインダーにより結合されていることにある。
本構成の人工土壌粒子によれば、粒状物に含まれる繊維及びフィラーが、ポリオレフィン系樹脂及び親水性ラテックスを含むバインダーにより結合されているため、人工土壌粒子にはポリオレフィン系樹脂による高い剛性と、親水性ラテックスによる適度な弾性とが付与される。その結果、例えば、灌水時に人工土壌粒子が水分を吸収して膨潤したり、植栽時に人工土壌粒子が締め固められても、人工土壌粒子の構造が崩壊したり、破壊されることがなく、長期に亘って保水性や保肥性等の基本性能を発揮し続けることができる。そして、人工土壌粒子の構造が維持されることにより微粉等が発生しないため、取り扱いも容易なものとなる。
本発明に係る人工土壌粒子において、
前記バインダーに含まれる前記ポリオレフィン系樹脂(A)と前記親水性ラテックス(B)との含有比率(A:B)は、重量比で1:10〜10:1であることが好ましい。
本構成の人工土壌粒子によれば、繊維及びフィラーを結合するバインダーが、ポリオレフィン系樹脂と親水性ラテックスとを適切な含有比率で含んでいるため、剛性と弾性とのバランスに優れた人工土壌粒子とすることができる。また、ポリオレフィン系樹脂は撥水性を示す材料であるが、親水性ラテックスが親水性を有するため、上記の適切な含有比率に調整すれば、人工土壌粒子の吸水性を阻害することなく表面のベタツキが抑制され、使い勝手がよい製品となる。
上記課題を解決するための本発明に係る人工土壌粒子の製造方法の特徴構成は、
繊維、フィラー、及びポリオレフィン系樹脂粉末を混合する第一混合工程と、
前記第一混合工程により得られた混合物に、親水性ラテックス及び増粘剤を含む造粒液を混合する第二混合工程と、
前記第二混合工程により得られた混合物を造粒する造粒工程と、
前記造粒工程により得られた造粒物を乾燥する乾燥工程と、
乾燥後の造粒物を熱処理する熱処理工程と、
を包含することにある。
本構成の人工土壌粒子の製造方法によれば、ポリオレフィン系樹脂による高い剛性と、親水性ラテックスによる適度な弾性とが付与された取り扱いの容易な人工土壌粒子を製造することができる。ここで、ポリオレフィン系樹脂粉末と親水性ラテックスとは、別々の工程で分けて混合されるため、夫々の特性を人工土壌粒子に効果的に発現させることができる。
本発明に係る人工土壌粒子の製造方法において、
前記造粒工程は、撹拌造粒により行われることが好ましい。
本構成の人工土壌粒子の製造方法によれば、造粒工程を撹拌造粒により行うことにより、繊維とフィラーとがバインダー中で均一に混合した人工土壌粒子を製造することができる。
本発明に係る人工土壌粒子の製造方法において、
前記造粒工程は、押出造粒により行われることが好ましい。
本構成の人工土壌粒子の製造方法によれば、造粒工程を押出造粒により行うことにより、粒度のバラツキが少ない人工土壌粒子を製造することができる。
本発明に係る人工土壌粒子の製造方法において、
前記乾燥工程は、70℃以下で実施されることが好ましい。
本構成の人工土壌粒子の製造方法によれば、バインダーとして使用されるポリオレフィン系樹脂粉末及び親水性ラテックスは、従来バインダーとして使用されていた寒天等と比較して乾燥し易いため、比較的低温の70℃以下でも効率よく乾燥させることができる。
本発明に係る人工土壌粒子の製造方法において、
人工土壌粒子の粒度分布を0.5〜12mmに調整する粒度調整工程をさらに包含することが好ましい。
本構成の人工土壌粒子の製造方法によれば、粒度分布が上記の適切な範囲に調整された人工土壌粒子が製造されるため、人工土壌粒子間の間隙に適量の水分を保持することが可能となり、保水性に優れた人工土壌培地を形成することができる。
上記課題を解決するための本発明に係る人工土壌培地の特徴構成は、
上記記載の人工土壌粒子を用いたことにある。
本構成の人工土壌培地によれば、本発明の人工土壌粒子を用いているため、取り扱いが容易であり、長期に亘って使用しても、その性能を持続することができる。従って、本構成の人工土壌培地は、培地を交換することが少ない観葉植物や鉢植えの花卉等の育成培地として好適に使用することができる。
図1は、本発明の人工土壌粒子の模式図である。 図2は、本発明の人工土壌粒子の製造方法の手順を示したフローチャートである。 図3は、本発明の人工土壌粒子の顕微鏡による拡大画像の一例である。
以下、本発明の実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。ただし、本発明は、以下の説明や図面に記載される構成に限定されることを意図しない。
<人工土壌粒子>
図1は、本発明の人工土壌粒子100の模式図である。人工土壌粒子100は、繊維10とフィラー20とを含む粒状物50を備え、当該粒状物50において、繊維10及びフィラー20は、バインダー30により結合されている。
繊維10は、有機繊維が好適に使用され、天然由来繊維、再生繊維、半合成繊維、及び合成繊維の何れも使用可能である。ただし、人工土壌粒子100が一定以上の保水性を維持できるように、親水性繊維を使用することが好ましい。好ましい親水性繊維は、天然由来繊維ではセルロース、綿、羊毛等が挙げられ、再生繊維ではレーヨン等が挙げられ、半合成繊維ではアセテート等が挙げられ、合成繊維ではビニロン、ウレタン、ナイロン等が挙げられる。これらの親水性繊維うち、セルロース、綿、ビニロンは、外観が白色を呈していて見栄えがよく、着色性も良好であり、さらには価格的にも安価であるため、大量に使用する人工土壌用材料として特に好ましく使用される。繊維10は、複数種の繊維を混繊したものでも構わない。
フィラー20は、無機フィラーが好適に使用され、多孔質鉱物、無機発泡体、無機多孔質骨材等の無機多孔質体が好ましい。多孔質鉱物としては、珪藻土、パーライト、バーミキュライト、パミス等が挙げられる。無機発泡体としては、ガラス発泡体、頁岩発泡体、シラスバルーン等が挙げられる。無機多孔質骨材としては、発泡コンクリート、発泡レンガ等が挙げられる。これらの無機多孔質体のうち、多孔質鉱物である珪藻土及びパーライトは、保水性に優れており、外観が白色を呈しているため見栄えがよく、着色性も良好であり、さらには価格的にも安価であるため、大量に使用する人工土壌用材料として特に好ましく使用される。人工土壌粒子100の保肥性を高めたい場合は、フィラー20としてイオン交換能を有する鉱物が使用される。イオン交換能を有する鉱物としては、陽イオン交換性鉱物(例えば、モンモリロナイト、ベントナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト等のスメクタイト系鉱物、雲母系鉱物、バーミキュライト、ゼオライトなど)、陰イオン交換性鉱物(例えば、ハイドロタルサイト、マナセアイト、パイロオーライト、シェーグレン石、緑青等の主骨格として複水酸化物を有する天然層状複水酸化物、合成ハイドロタルサイト及びハイドロタルサイト様物質、アロフェン、イモゴライト、カオリン等の粘土鉱物など)が挙げられる。フィラー20は、二種以上を混合したものでも構わない。例えば、フィラー20として珪藻土とゼオライトとを選択し、両者を適切な配合比で混合したものを使用すれば、比較的安価でありながら、保水性及び保肥性の両方を兼ね備えた人工土壌粒子100を設計することができる。
繊維10及びフィラー20を結合するバインダー30は、夫々異なる特性を有する複数種の樹脂の混合物が使用される。本発明においては、バインダー30として、ポリオレフィン系樹脂と親水性ラテックスとを含むものが使用される。このような樹脂の組み合わせを選択することで、人工土壌粒子100を構成する粒状物50に、ポリオレフィン系樹脂による適度な剛性と、親水性ラテックスによる弾性とを付与することができる。
ポリオレフィン系樹脂は、後述する「人工土壌粒子の製造方法」の第一混合工程において添加したポリオレフィン系樹脂粉末が熱処理工程により溶融し、その後冷却されて硬化したものである。ポリオレフィン系樹脂粉末としては、ポリエチレン樹脂(PE)、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)等のポリオレフィン樹脂からなる樹脂粉末が挙げられる。ポリオレフィン樹脂からなる樹脂粉末は、強度に優れているため、人工土壌粒子の用途には好適である。
親水性ラテックスは、天然ラテックス、ポリクロロプレンラテックス、スチレン−ブタジエンラテックス、スチレン−ブタジエン−ビニルピリジンラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンラテックス、カルボキシル変性スチレン−ブタジエンラテックス、カルボキシル変性スチレン−ブタジエン−ビニルピリジンラテックス、カルボキシル変性アクリロニトリル−ブタジエンラテックス、カルボキシル変性メチルメタクリレート−ブタジエンラテックス、アクリレート系ラテックス、水系ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらの親水性ラテックスのうち、アクリレート系ラテックスが好ましく使用される。
人工土壌粒子100の特性(特に、機械的特性)は、ポリオレフィン系樹脂と親水性ラテックスとの含有比率に影響される。含有比率が適切な範囲にあれば、人工土壌粒子100は、剛性と弾性とのバランスが良好なものとなり、例えば、灌水時に人工土壌粒子100が水分を吸収して膨潤したり、植栽時に人工土壌粒子100が締め固められても、人工土壌粒子100の構造が崩壊したり、破壊されることがなく、長期に亘って保水性や保肥性等の基本性能を維持し続けることができる。また、人工土壌粒子100の構造が崩壊して微粉等が発生することがないため、取り扱いも容易なものとなる。ここで、バインダー30中のポリオレフィン系樹脂の含有量をAとし、親水性ラテックスの含有量をBとすると、ポリオレフィン系樹脂と親水性ラテックスとの含有比率(A:B)は、重量比で1:10〜10:1、好ましくは1:5〜5:1となるように調整される。含有比率が1:10より小さい場合、すなわち、ポリオレフィン系樹脂が親水性ラテックスに対して不足している場合、人工土壌粒子100が柔らかくなり過ぎて栽培植物を安定して支持することが困難となる。含有比率が10:1より大きい場合、すなわち、ポリオレフィン系樹脂が親水性ラテックスに対して過剰である場合、人工土壌粒子100の吸水性が悪化するため、灌水の頻度が多くなり取り扱いが不便なものとなる。含有比率が上記の範囲に調整された人工土壌粒子100は、吸水性を阻害することなく表面のベタツキが抑制され、使い勝手がよい製品となる。
繊維10及びフィラー20がバインダー30により結合された状態の粒状物50は、本発明の人工土壌粒子100としてそのまま使用することができるが、粒状物50の表面に膜を設けたり、粒状物50の表面をコーティングしたりすることも可能である。例えば、粒状物の表面に水分が通過可能な多孔質膜(図示せず)を設けると、周囲の水分環境に応じて水分吸放出特性をコントロール可能な人工土壌粒子を設計することができる。また、粒状物の表面を変色防止剤でコーティングすれば、水分、紫外線、摩擦等による劣化を防止することができ、人工土壌粒子が着色剤で着色されたものである場合は、変色、色落ち、色褪せ等を防止することができる。
粒状物50は、繊維10及びフィラー20の合計配合量と、バインダー30の配合量とが、重量比で2:1〜30:1、好ましくは3:1〜20:1となるように調整される。上記重量比が2:1より小さい場合(すなわち、繊維10及びフィラー20の合計配合量がバインダー30の配合量に対して2倍未満となる場合)、バインダー30の配合量が過剰となるため、繊維10及びフィラー20がバインダー30の中に埋没し、最終的に得られる人工土壌粒子100の保水性や保肥性が低下する虞がある。一方、上記重量比が30:1より大きい場合(すなわち、繊維10及びフィラー20の合計配合量がバインダー30の配合量に対して30倍を超える場合)、バインダー30の配合量が不足するため、繊維10及びフィラー20の結合力が不足し、最終的に得られる人工土壌粒子100が崩壊し易くなる。
<人工土壌粒子の製造方法>
これまでの人工土壌粒子の製造方法においては、繊維及びフィラーを造粒する際に、水、寒天、アルギン酸カリウム、及びポリオレフィン系樹脂エマルジョンを含む造粒液が使用されていた。このうち、寒天は人工土壌粒子に湿潤性を付与するために添加されるものであるが、寒天を造粒液に溶解させるためには造粒液を80℃まで加熱する必要があった。これに対し、本発明では、造粒液に寒天が含まれておらず、代わりに親水性ラテックスを使用することで、造粒液の加熱を不要としながら、人工土壌粒子に高い湿潤性を付与するものである。
本発明の人工土壌粒子は、繊維とフィラーとが互いに混ざり合った状態で粒状物内に存在し、その混合状態を維持したままバインダーによって結合され、粒子としての形状が維持されている。かかる人工土壌粒子を得るため、本発明の人工土壌粒子の製造方法では、第一混合工程、第二混合工程、造粒工程、乾燥工程、及び硬化工程を実行する。これら一連の工程により、土壌としての基本性能を維持しながら、剛性と弾性とのバランスに優れ、取り扱いが容易な人工土壌粒子を製造することができる。以下、図2のフローチャートに基づいて、本発明の人工土壌粒子の製造方法について説明する。なお、図2中に示す記号「S」はステップを意味する。
〔第一混合工程〕
初めに、繊維、フィラー、及びポリオレフィン系樹脂粉末を混合する(S1:第一混合工程)。第一混合工程は、繊維、フィラー、及びポリオレフィン系樹脂粉末を攪拌機(造粒機)に投入し、原材料が十分に混ざり合うように攪拌する。すなわち、第一混合工程では、人工土壌粒子の原材料のうち固体原材料を混合する。攪拌機への固体原材料の投入順序は、すべて同時でもよいし、別々であってもよい。例えば、繊維及びフィラーを投入して攪拌し、両者が十分に馴染んでからポリオレフィン系樹脂粉末を投入してもよい。ポリオレフィン系樹脂粉末を混合する際には、界面活性剤等を添加する必要がないため、最終的に得られる人工土壌粒子は潅水等で湿潤状態になっても泡立ちが発生せず、使い勝手が良いものとなる。繊維、フィラー、及びポリオレフィン系樹脂粉末は、夫々上述の「人工土壌粒子」の項目で説明した有機繊維、無機フィラー、及びポリオレフィン樹脂からなる樹脂粉末を使用することができる。ポリオレフィン系樹脂粉末は、50%含有粒径範囲が15〜355μm、好ましくは75〜180μmのものが使用される。ここで、x%含有粒径範囲は、中位粒径が示された樹脂粉末の粒径分布において、当該中位粒径を中央値として総粒子数のx%が含まれる粒径の範囲を意味する。例えば、中位粒径が20μmの場合、50%含有粒径範囲は15〜35μm、80%含有粒径範囲は10〜40μmとなり得る。中位粒径が130μmの場合、50%含有粒径範囲は75〜180μm、80%含有粒径範囲は40〜250μmとなり得る。中位粒径が250μmの場合、50%含有粒径範囲は180〜355μm、80%含有粒径範囲は50〜500μmとなり得る。50%含有粒径範囲を15〜355μmとするためには、中位粒径が20μm、130μm、250μmの三種のポリオレフィン系樹脂粉末を適切な配合比で混合すればよい。また、ポリオレフィン系樹脂粉末の特性としては、JIS K7210に準拠して測定されるメルトフローレート(温度:190℃、荷重:2.16kgf)が50g/10分以上、好ましくは58g/10分以上とする。このようなメルトフローレートを有するポリオレフィン系樹脂粉末を使用すれば、繊維やフィラーの結合力を効果的に高めることができ、最終的に得られる人工土壌粒子の基本性能を維持しながら、耐久性を向上させることができる。固体原材料の配合量は、後述する親水性ラテックスの配合量を考慮し、繊維及びフィラーの合計配合量と、ポリオレフィン系樹脂粉末の配合量とが、重量比で1:1〜100:1、好ましくは3:1〜30:1となるように調整される。
〔第二混合工程〕
次に、第一混合工程により得られた繊維、フィラー、及びポリオレフィン系樹脂粉末の混合物に、造粒液を混合する(S2:第二混合工程)。造粒液には、親水性ラテックス及び増粘剤が含まれる。すなわち、第二混合工程では、人工土壌粒子の原材料のうち、残りの液状の原材料を混合する。親水性ラテックスは、上述の「人工土壌粒子」の項目で説明したアクリレート系ラテックスを使用することが好ましい。アクリレート系ラテックスは、適切な溶媒に分散させた分散液の状態で添加される。増粘剤は、ポリアクリル酸カリウム、ポリアクリル酸ナトリウム等のポリアクリル酸塩類、カルボキシメチルセルロース等の多糖類、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル等の水溶性高分子を水に溶解又は分散させたものが好適である。造粒液には、その他、抗菌剤、防カビ剤、消臭剤、酸化防止剤、染料、顔料、香料等の添加剤や、粘度調整のための水、アルコール等の溶媒を添加することもできる。造粒液の配合量は、第一混合工程におけるポリオレフィン系樹脂粉末の使用量を考慮して設定される。ここで、最終的に得られる人工土壌粒子において、バインダーに含まれるポリオレフィン系樹脂の含有量をAとし、親水性ラテックスの含有量をBとすると、ポリオレフィン系樹脂と親水性ラテックスとの含有比率(A:B)が、重量比で1:10〜10:1、好ましくは1:5〜5:1となるように調整される。このような含有比率とするためには、造粒液中の親水性ラテックスの含有量を1.0重量%以上とし、この造粒液を、繊維、フィラー、及びポリオレフィン系樹脂粉末の混合物100重量部に対して、100〜500重量部添加すればよい。これにより、剛性と弾性とのバランスに優れた人工土壌粒子を調製することができる。このような人工土壌粒子は、その吸水性を阻害することなく表面のベタツキが抑制され、使い勝手がよい製品となる。
〔造粒工程〕
第二混合工程の後、得られた混合物を造粒する(S3:造粒工程)。造粒工程は、以下の二つの造粒法が代表的である。第一の造粒工程は、原材料を撹拌しながら造粒する撹拌造粒である(S3−1)。撹拌造粒は、第一混合工程及び第二混合工程で用いた攪拌機を使用し、そのまま混合物の攪拌を継続することにより行われる。この場合、第一混合工程で混合した繊維及びフィラーが第二混合工程で混合した造粒液を巻き込みながら徐々に造粒され、人工土壌粒子(粒状物)の原形が生成する。このように、撹拌造粒では、撹拌機により原材料を粒子形状に整えながら、当該原材料に含まれる繊維及びフィラーをバインダーにより結合させる。
第二の造粒工程は、原材料を押し出しながら造粒する押出造粒である(S3−2)。押出造粒は、第一混合工程及び第二混合工程により得られた原材料の混合物を押出造粒機に充填し、当該混合物を押出造粒機のノズルから押出し、さらに押出した混合物を適切なサイズに切断及び成形して人工土壌粒子(粒状物)の原形とするものである。このように、押出造粒では、混合物の成形(造粒)を型によって行うため、サイズ及び形状が揃った人工土壌粒子を製造することができる。
人工土壌粒子に肥料成分を担持させる場合は、肥料成分を含む造粒液を用いて造粒工程を実施する。この場合、第二混合工程で使用する造粒液に肥料成分を添加しておけばよい。肥料成分を含む造粒液を用いて造粒工程を行うと、肥料成分が繊維及びフィラーに付着し、最終的に得られる人工土壌粒子は表面から内部にかけて肥料成分が保持されたものとなる。この肥料成分が保持された人工土壌粒子を用いて植物を栽培すると、初めに灌水や植物の根酸等によって粒状体の表面から肥料成分が溶出し、次いで粒状体の内部に保持された肥料成分が徐々に溶出する。このような肥料の徐放性を備えた人工土壌粒子は、長期に亘って栽培がなされる観葉植物や鉢植えの花卉等の育成培地として好適である。なお、フィラーとしてイオン交換能を有する材料を使用すると、肥料成分は繊維及びフィラーに付着するだけでなく、フィラーにイオン交換によって担持されるため、肥料の徐放期間をさらに延長することができる。ちなみに、本発明の人工土壌粒子は、後述の硬化工程により構造が固定化されているため、肥料成分が抜けた後も人工土壌粒子としての構造を維持している。従って、人工土壌粒子の構造の崩壊して微粉等が発生することが防止され、取り扱いが容易なものとなる。
〔乾燥工程〕
次に、造粒工程により得られた造粒物を乾燥する(S4:乾燥工程)。乾燥工程における造粒物の乾燥温度は、ポリオレフィン系樹脂の溶融温度より低温であることが好ましい。例えば、乾燥時に発生した水分を外部に送りながら乾燥を行う送風式の棚式乾燥器を用いて乾燥工程を実施する場合、乾燥温度は40〜90℃、好ましくは60〜80℃に設定され、乾燥時間は5〜30時間、好ましくは6〜16時間に設定される。乾燥温度が40℃より低い場合、あるいは乾燥時間が5時間より短い場合、造粒物中に水分が過剰に残留するため、次の熱処理工程において造粒物を100℃以上で熱処理しても、バインダーに含まれるポリオレフィン系樹脂が繊維及びフィラーを十分に結合することができなくなり、その結果、人工土壌粒子に必要な耐久性や強度等の性能が得られ難くなる。一方、乾燥温度が90℃より高い場合、あるいは乾燥時間が30時間より長い場合、バインダーに含まれるポリオレフィン系樹脂が溶融して流れ出し、人工土壌粒子内の空隙を閉塞する虞がある。空隙が閉塞された人工土壌粒子は、内部に水が侵入し難いため、良好な保水性が得られない。
〔熱処理工程〕
次に、乾燥工程が完了した造粒物に対して熱処理を行う(S5:熱処理工程)。熱処理工程における造粒物の熱処理温度は、繊維及びフィラーをバインダーで確実に結合するため、バインダーの溶融温度(融点)より高い温度に調整される。例えば、バインダーの一成分であるポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン樹脂、又は低密度ポリエチレン樹脂)は、融点が100〜110℃、メルトフローレートが50〜80g/10分である。一方、バインダーの他成分である親水性ラテックス(アクリレート系ラテックス)は、前段の乾燥工程で水分が十分に除去されるため、水分除去後の親水性ラテックス(固形分)と繊維及びフィラーとが接触するだけで高い接着強度が得られる。従って、例えば、バインダーとしてポリエチレン樹脂とアクリレート系ラテックスとの混合物を使用する場合、熱処理温度は、100〜150℃が好ましい。熱処理により繊維及びフィラーにバインダーを融着させた後、造粒物を冷却し、バインダーを固化させて繊維及びフィラーを固定する。これにより、繊維、フィラー、及びバインダーを含む造粒物が粒子形状を維持したまま硬化する。その他の硬化工程として、例えば、バインダーが加熱や光照射によって架橋(硬化)する架橋性樹脂を含む場合は、熱硬化反応や光架橋反応により、繊維、フィラー、及びバインダーを含む造粒物を粒子形状に硬化させることができる。
熱処理工程により得られた粒状体は、当該粒状物に含まれる繊維及びフィラーが、ポリオレフィン系樹脂及び親水性ラテックスを含むバインダーにより結合されているため、人工土壌粒子にはポリオレフィン系樹脂による高い剛性と、親水性ラテックスによる適度な弾性とが付与される。その結果、例えば、灌水時に人工土壌粒子が水分を吸収して膨潤したり、植栽時に人工土壌粒子が締め固められても、人工土壌粒子の構造が崩壊したり、破壊されることがなく、長期に亘って保水性や保肥性等の基本性能を維持し続けることができる。そして、人工土壌粒子の構造が維持されることにより微粉等が発生しないため、取り扱いも容易なものとなる。
〔粒度調整工程〕
人工土壌粒子を用いて人工土壌培地を構成する場合、人工土壌粒子の粒度分布が適度に揃っていると、人工土壌粒子の内部だけでなく、人工土壌粒子間に形成される間隙にも適度に水分を保持することができる。そこで、人工土壌培地を構成する場合は、人工土壌粒子の粒度分布が0.5〜12mm、好ましくは0.7〜6mmに調整される(S6:粒度調整工程)。人工土壌粒子の粒子径が0.5mmより小さいものを多く含むと、人工土壌粒子間に形成される間隙が小さくなり、当該間隙に栽培植物が利用可能な水分(易効水)が強く吸着されて通気性が低下する。その結果、栽培植物の根に酸素を十分に供給することができず、根腐れが生じる虞がある。一方、人工土壌粒子の粒子径が12mmより大きいものを多く含むと、人工土壌粒子間に形成される間隙が大きくなり、当該間隙に水分を保持する力が弱まって保水性が低下する。そのため、栽培植物への潅水の頻度を上げる必要があり、観葉植物や鉢植えの花卉等を栽培する場合には人の手間を要することになる。粒度調整工程は、篩がけ等により行うことができるが、前述の造粒工程において、繊維、フィラー、及びバインダーを含む造粒物を生成する際に、粒度分布をおおよそ0.5〜12mmに調整することができれば、改めて粒度調整工程を行わなくてもよく、この場合、造粒工程が粒度調整工程を兼ねることになる。粒度分布が適切に調整された人工土壌粒子は、観葉植物や鉢植えの花卉等の育成培地として好適に利用することができる。
本発明の人工土壌粒子の製造方法に従って、繊維及びフィラーがポリオレフィン系樹脂(粉末タイプ)及び親水性ラテックス(液タイプ)を含むバインダーにより結合されてなる人工土壌粒子(実施例1〜6)を作製した。また、比較のため、繊維及びフィラーがポリオレフィン系樹脂を含むが親水性ラテックスを含まないバインダーにより結合されてなる人工土壌粒子(比較例1)、及び繊維及びフィラーが親水性ラテックスを含むがポリオレフィン系樹脂を含まないバインダーにより結合されてなる人工土壌粒子(比較例2)を作製した。そして、実施例及び比較例にかかる各人工土壌粒子の特性を評価した。
なお、人工土壌粒子の原材料として、以下を使用した。
・繊維:セルロース繊維(KCフロック(登録商標)W−100GK、日本製紙株式会社製)
・フィラー:珪藻土(ラヂオライト(登録商標)♯300、昭和化学工業株式会社製)
・ポリオレフィン系樹脂粉末:ポリエチレン樹脂粉末(PR1030C60PASS、東京インキ株式会社製、中位粒子径:130μm、50%含有粒径範囲:75〜180μm、80%含有粒径範囲:40〜250μm、メルトフローレート:58g/10分)
・親水性ラテックス:アクリレート系ラテックス(Nipol LX851C、日本ゼオン株式会社製、中位粒子径:250μm、ガラス転移温度:15℃)
・水:水道水
・増粘剤:アルギン酸カリウム(株式会社キミカ製)
寒天(MS−700、マリンサイエンス株式会社製)
〔実施例1〕
表1に示す原材料の配合(単位:重量部)に従って、人工土壌粒子の固体原材料を攪拌混合造粒装置(有限会社G−Labo製MGS12型)に投入し、数分間攪拌及び転動した後、液状原材料を含む造粒液を加えてさらに約10分間攪拌及び転動し、造粒体を形成した。すなわち、実施例1では、撹拌造粒により人工土壌粒子を製造した。造粒体を60〜80℃の温風で乾燥し、さらに130℃で2時間熱処理を行うことによりポリエチレン樹脂粉末を溶融させてセルロース繊維及び珪藻土を結合させ、これを冷却して実施例1の人工土壌粒子を得た。
〔実施例2〕
表1に示す原材料の配合(単位:重量部)に従って、固体原材料、及び液状原材料を含む造粒液を調製し、実施例1と同様の撹拌造粒により、人工土壌粒子を製造した。撹拌造粒によって得られた造粒体を実施例1と同様の乾燥条件及び熱処理条件で処理し、これを冷却して実施例2の人工土壌粒子を得た。
〔実施例3〕
表1に示す原材料の配合(単位:重量部)に従って、固体原材料、及び液状原材料を含む造粒液を調製し、実施例1と同様の撹拌造粒により、人工土壌粒子を製造した。撹拌造粒によって得られた造粒体を実施例1と同様の乾燥条件及び熱処理条件で処理し、これを冷却して実施例3の人工土壌粒子を得た。
〔実施例4〕
表1に示す原材料の配合(単位:重量部)に従って、固体原材料、及び液状原材料を含む造粒液を調製し、実施例1と同様の撹拌造粒により、人工土壌粒子を製造した。撹拌造粒によって得られた造粒体を実施例1と同様の乾燥条件及び熱処理条件で処理し、これを冷却して実施例4の人工土壌粒子を得た。
〔実施例5〕
表1に示す原材料の配合(単位:重量部)に従って、固体原材料、及び液状原材料を含む造粒液を調製し、実施例1と同様の撹拌造粒により、人工土壌粒子を製造した。撹拌造粒によって得られた造粒体を実施例1と同様の乾燥条件及び熱処理条件で処理し、これを冷却して実施例5の人工土壌粒子を得た。
〔実施例6〕
表1に示す原材料の配合(単位:重量部)に従って、固体原材料、及び液状原材料を含む造粒液を調製し、実施例1と同様の撹拌造粒により、人工土壌粒子を製造した。撹拌造粒によって得られた造粒体を実施例1と同様の乾燥条件及び熱処理条件で処理し、これを冷却して実施例6の人工土壌粒子を得た。
〔比較例1〕
表1に示す原材料の配合(単位:重量部)に従って、固体原材料、及び液状原材料を含む造粒液を調製し、実施例1と同様の撹拌造粒により、人工土壌粒子を製造した。撹拌造粒によって得られた造粒体を実施例1と同様の乾燥条件及び熱処理条件で処理し、これを冷却して比較例1の人工土壌粒子を得た。比較例1の人工土壌粒子は、バインダーとしてポリエチレン樹脂粉末を使用するがアクリレート系ラテックスは使用せず、さらに寒天を使用したものである。
〔比較例2〕
表1に示す原材料の配合(単位:重量部)に従って、固体原材料、及び液状原材料を含む造粒液を調製し、実施例1と同様の撹拌造粒により、人工土壌粒子を製造した。撹拌造粒によって得られた造粒体を実施例1と同様の乾燥条件及び熱処理条件で処理し、これを冷却して比較例2の人工土壌粒子を得た。比較例2の人工土壌粒子は、バインダーとしてアクリレート系ラテックスを使用するがポリエチレン樹脂粉末を使用しないものである。
Figure 2017079688
<人工土壌粒子の構造>
本発明の人工土壌粒子の構造の一例として、図3に実施例6にかかる人工土壌粒子の顕微鏡による拡大画像を示す。本発明の人工土壌粒子は、バインダーの一成分であるポリエチレン樹脂粉末が溶融した状態で固化されており、これにより、ポリエチレン樹脂は人工土壌粒子内において島状に点在し(画像中の暗い領域)、繊維及びフィラーを強固に結合していることが確認された。なお、バインダーの他成分であるアクリレート系ラテックスは、粒径が非常に小さいため顕微鏡画像では明確に確認できないが、人工土壌粒子全体に散在しているものと推測される。
<人工土壌粒子の特性評価>
実施例1〜6、及び比較例1及び2の人工土壌粒子について、保水性、及び強度(圧縮強度)を評価した。保水性については、底部に多数の孔を有する孔付きカップに、粒径が2〜4mmの人工土壌粒子100ccを充填し、これに水50ccを注入してカップの底から排出された水の量より保水性を評価した。強度については、粒径が4〜6mmの人工土壌粒子を水に浸漬して飽和含水状態とし、人工土壌粒子の一粒を圧縮し、その破壊状態を確認した。保水性及び強度の評価基準は、不良(レベル1)、やや不良(レベル2)、標準(レベル3)、やや良好(レベル4)、良好(レベル5)の5段階で評価した。特性評価の結果を表2に示す。
Figure 2017079688
バインダーとしてポリオレフィン系樹脂及び親水性ラテックスを含む実施例1〜6の人工土壌粒子は、保水性及び強度のバランスに優れており、土壌としての基本性能を維持しながら、高い耐久性を有していることが示された。これに対し、バインダーとしてポリエチレン樹脂粉末を含むがアクリレート系ラテックスを含まない比較例1の人工土壌粒子は十分な性能が得られず、特に保水性が劣っていた。バインダーとしてアクリレート系ラテックスを含むがポリエチレン樹脂粉末を含まない比較例2の人工土壌粒子についても十分な性能が得られず、特に強度が劣っていた。このように、比較例1及び比較例2の人工土壌粒子は、何れも長期に亘って使用される観葉植物や花卉の栽培用の人工土壌培地には不向きであった。
本発明の人工土壌粒子の製造方法は、室内用の観葉植物や鉢植えの花卉等の育成培地に使用する人工土壌粒子を製造するために好適に利用されるが、植物工場等において栽培される野菜等の育成培地として使用する人工土壌粒子を製造する目的においても利用可能である。
10 繊維
20 フィラー
30 バインダー
50 粒状物
100 人工土壌粒子

Claims (8)

  1. 繊維とフィラーとを含む粒状物を備えた人工土壌粒子であって、
    前記粒状物において、前記繊維及び前記フィラーは、ポリオレフィン系樹脂及び親水性ラテックスを含むバインダーにより結合されている人工土壌粒子。
  2. 前記バインダーに含まれる前記ポリオレフィン系樹脂(A)と前記親水性ラテックス(B)との含有比率(A:B)は、重量比で1:10〜10:1である請求項1に記載の人工土壌粒子。
  3. 繊維、フィラー、及びポリオレフィン系樹脂粉末を混合する第一混合工程と、
    前記第一混合工程により得られた混合物に、親水性ラテックス及び増粘剤を含む造粒液を混合する第二混合工程と、
    前記第二混合工程により得られた混合物を造粒する造粒工程と、
    前記造粒工程により得られた造粒物を乾燥する乾燥工程と、
    乾燥後の造粒物を熱処理する熱処理工程と、
    を包含する人工土壌粒子の製造方法。
  4. 前記造粒工程は、撹拌造粒により行われる請求項3に記載の人工土壌粒子の製造方法。
  5. 前記造粒工程は、押出造粒により行われる請求項3に記載の人工土壌粒子の製造方法。
  6. 前記乾燥工程は、70℃以下で実施される請求項3〜5の何れか一項に記載の人工土壌粒子の製造方法。
  7. 人工土壌粒子の粒度分布を0.5〜12mmに調整する粒度調整工程をさらに包含する請求項3〜6の何れか一項に記載の人工土壌粒子の製造方法。
  8. 請求項1又は2に記載の人工土壌粒子を用いた人工土壌培地。
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