JP2017072243A - 逆入力遮断クラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】部品の製作および組立が行いやすく、小型化も容易なロック式の逆入力遮断クラッチを提供する。【解決手段】入力トルクに対しては、ハウジング本体部5aの内周円筒面に摺動回転可能に嵌め込まれたカム受け2が入力軸1と一体に回転し、カム受け2の偏心穴2aに相対回転可能に嵌め込まれた偏心カム4が偏心回転することにより、偏心カム4と一体に出力軸3が回転し、逆入力トルクに対しては、出力軸3が偏心カム4の偏心軸線O2のまわりの偏心回転をハウジング5の出力軸支持孔5dの周縁部で規制されてロックされ、出力軸3から入力軸1への回転伝達が行われないようにした。これにより、部品製作時の複雑な加工をなくすとともに部品点数を減らせるし、従来のローラやばねを組み込むスペースが不要となってクラッチ全体の小型化を図ることもできる。【選択図】図1

Description

本発明は、入力トルクが加えられたときは入力側部材の回転を出力側部材に伝達し、逆入力トルクに対しては入力側部材が回転しないようにする逆入力遮断クラッチに関する。
逆入力遮断クラッチは、入力側部材に入力トルクが加えられたときは、その回転を出力側部材に伝達し、出力側部材に逆入力トルクが加えられたときは、入力側部材が回転しないようにするものである。この逆入力遮断クラッチには、逆入力トルクに対して出力側部材をロックさせる方式(以下、この方式を「ロック式」と称する。)のものがある(例えば、特許文献1参照。)。
上記特許文献1に記載されたロック式の逆入力遮断クラッチは、同一軸心のまわりに回転する入力側部材と出力側部材との間に、入力側部材の回転を僅かな角度遅れをもって出力側部材に伝達するトルク伝達手段を設け、内周側に円筒面を有する固定外輪を出力側部材の径方向外側に配し、出力側部材の外周面に複数のカム面を設けて、固定外輪の内周円筒面と出力側部材の各カム面との間に周方向両側で次第に狭小となる楔形空間を形成し、これらの各楔形空間に一対のローラとそのローラを楔形空間の狭小部へ押し込むばねを組み込むとともに、各楔形空間の周方向両側に挿入される柱部を有する保持器を、入力側部材と一体回転するように連結したものである。
この逆入力遮断クラッチでは、各ローラがばねの弾力で楔形空間の狭小部に押し込まれているので、出力側部材に逆入力トルクが加えられても、回転方向後側のローラが固定外輪および出力側部材に係合することにより出力側部材がロックされ、出力側部材から入力側部材へ回転伝達しない。
一方、入力側部材に入力トルクが加えられたときは、入力側部材と一体に回転する保持器の柱部が回転方向後側のローラをばねの弾力に抗して楔形空間の広大側へ押し出すことにより、そのローラと固定外輪および出力側部材との係合が解除されて出力側部材がロック状態から解放された後、トルク伝達手段によって入力側部材から出力側部材に回転が伝達されるようになる(このとき、回転方向前側のローラは楔形空間の広大部に相対移動するので、固定外輪および出力側部材と係合することはない)。
特開平2−271116号公報
上記特許文献1のロック式逆入力遮断クラッチでは、出力側部材の外周面に複数のカム面を設けて、これらの各カム面と固定外輪の内周円筒面との間の楔形空間に一対のローラとそのローラを楔形空間の狭小部へ押し込むばねを組み込んでいるので、出力側部材を製作する際に複雑な加工(カム面の形成)が必要になるし、検査も精確に行う必要がある。
また、組立時には複数の楔形空間へ小型のローラやばねを組み込むのに手間がかかるという難点がある。特に、ばねは互いに絡みやすいため、多数が一緒に保管されている場所から1つずつ取り出して組み込むのが煩雑な作業となりやすい。
さらに、ローラやばねを組み込む楔形空間を形成するためのスペースを必要するため、クラッチ全体の小型化が難しいという問題もある。また、ばねを小型化するとローラを押すためのばね力が不足しやすいので、ばねはあまり小さくすることはできず、このこともクラッチ全体の小型化を妨げる一因となっている。
そこで、本発明は、部品の製作および組立が行いやすく、小型化も容易なロック式の逆入力遮断クラッチを提供することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明の逆入力遮断クラッチは、同一軸線のまわりに回転する状態で配されている入力軸および出力軸と、前記出力軸の軸線と平行な偏心軸線を有する状態で出力軸に設けられている円筒状の偏心カムと、前記入力軸の軸線と同一の軸線を有する状態で入力軸に設けられているカム受けとを備え、前記カム受けには前記偏心カムと同一軸線を有する偏心穴が形成されており、前記偏心カムは前記カム受けの偏心穴に相対回転可能に嵌め込まれており、前記入力軸およびカム受けを含む入力側部材の前記入力軸の軸線まわりの回転トルクが、前記出力軸および偏心カムを含む出力側部材の前記出力軸の軸線まわりの回転トルクよりも大きく、かつ前記入力側部材の前記入力軸線まわりの回転トルクが、前記出力側部材の前記偏心カムの偏心軸線まわりの回転トルクよりも大きく設定されており、前記入力軸に入力トルクが加えられたときは、前記入力軸と一体にカム受けが回転し、前記カム受けと前記カム受けの偏心穴に嵌め込まれている偏心カムが前記入力軸または前記出力軸の軸線まわりに回転して、前記偏心カムと一体に出力軸が回転し、前記出力軸に逆入力トルクが加えられたときは、前記出力側部材が前記入力側部材の前記入力軸の軸線まわりの回転トルクに抑えられて前記偏心カムの偏心軸線まわりに回転しようとして回転不能に固定された固定部材にロックして、前記出力軸から入力軸への回転トルクが遮断される構成を採用した。ここで、回転トルクとは、入力側部材や出力側部材を回転させるのに必要なトルクのことをいう(以下同じ)。
上記の構成によれば、製作時に従来のロック式逆入力遮断クラッチにおけるカム面形成のような複雑な加工が不要となるので、部品の製作や検査が容易になるし、従来のクラッチに複数組み込まれている小型のローラおよびばねがないので、部品点数が少なく組立も容易である。また、ローラやばねを組み込む楔形空間を形成するためのスペースも不要となるので、クラッチ全体を容易に小型化することができる。
ここで、前記入力側部材と出力側部材の回転トルクの大小関係を実現するための具体的な手段としては、前記カム受けと軸方向で対向する位置またはカム受けの径方向外側に、カム受けと摺接する固定部材が配されている構成を採用することができる。その場合は、前記カム受けを軸方向または径方向で前記固定部材に押し付ける弾性部材が組み込まれている構成とすれば、入力側部材の回転トルクの調整が容易になり、クラッチ動作の安定性の向上を図れるようになる。
また、前記偏心カムが前記カム受けの偏心穴に相対回転可能に嵌め込まれている状態とは、前記偏心カムとカム受けとの間に転がり軸受が配されている状態でもよいし、前記偏心カムとカム受けとが摺接している状態でもよい。
また、前記カム受けと偏心カムの周方向の同一位置にマーキングが施されている構成とすれば、クラッチ組立時には、これらのマーキングが径方向で対向するようにカム受けに偏心カムを組み込むことにより、入力軸と出力軸の軸線を容易に一致させることができ、その組込作業が効率よく行えるようになる。
本発明の逆入力遮断クラッチは、上述したように、従来のロック式のものに比べて、部品製作時の複雑な加工をなくすとともに部品点数を減らすことができ、製作および組立を容易に行えるうえ、部品を組み込むスペースが小さくてすむので、クラッチ全体の小型化を図ることもできる。
第1実施形態の逆入力遮断クラッチの縦断正面図 図1の要部の分解斜視図 図1のIII−III線に沿った断面図 図1のクラッチの逆入力遮断動作を説明する左側面図(出力歯車は省略) 第2実施形態の逆入力遮断クラッチの縦断正面図 図5の偏心カム組込構造の変形例を示す縦断正面図 第3実施形態の逆入力遮断クラッチの縦断正面図 図7の入力軸およびカム受けの外観斜視図 図7のIX−IX線に沿った断面図 図7の出力軸支持構造の変形例を示す縦断正面図 第4実施形態の逆入力遮断クラッチの縦断正面図 図11の偏心カム組込構造の変形例を示す縦断正面図 図12のカム受け組込構造の変形例を示す縦断正面図 aは第5実施形態の逆入力遮断クラッチの縦断正面図、bはaのXIV−XIV線に沿った断面図
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。図1乃至図4は第1の実施形態を示す。この逆入力遮断クラッチは、円筒状の入力軸1と、入力軸1の内端側に一体形成される円筒状のカム受け2と、入力軸1と同一軸線Oのまわりに回転する状態で配される出力軸3と、出力軸3の内端側に一体形成される円筒状の偏心カム4と、カム受け2の径方向外側に配されるハウジング5と、ハウジング5の一端部に嵌合する側板6とで基本的に構成されている。
前記ハウジング5は、内周に円筒面を有する筒状の本体部5aの一端に、後述するように側板6と嵌合するための切欠き5bを複数設け、本体部5aの他端の開口を塞ぐ円板部5cの中心に出力軸3を通す出力軸支持孔5dを設けたものである。また、前記側板6は、円板部6aの外周から径方向に張り出す複数の取付部6bに取付孔6cを設け、円板部6aの中心に入力軸1を通す入力軸支持孔6dを設けたものである。そして、このハウジング5と側板6とは、ハウジング本体部5aの内周に側板6の円板部6aを圧入すると同時に、ハウジング本体部5aの切欠き5bに側板6の取付部6bを圧入することにより嵌合一体化され、側板6の取付部6bの取付孔6cで図示省略した外部の部材に固定される固定部材となっている。
前記入力軸1は、その内端部を側板6の入力軸支持孔6dの周縁部に回転可能に支持されており、外端部が電動モータ7の回転を減速して出力する減速機8に接続されている。また、前記出力軸3は、その内端部をハウジング5の出力軸支持孔5dの周縁部に回転可能に支持されており、外端部の外周に出力歯車9が嵌合固定されている。
前記入力軸1と一体のカム受け2は、入力軸1および出力軸3と同一の軸線Oを有し、側板6の内側面に軸方向で摺接し、ハウジング本体部5aの内周面とは接触しない状態で組み込まれている。一方、前記出力軸3と一体の偏心カム4は、入力軸1および出力軸3の軸線Oと平行な偏心軸線Oを有し、軸方向で見れば外周の一点が出力軸3の外周と重なり、かつ外径が出力軸3の外径よりも大きくなるように形成されている。
そして、カム受け2には偏心カム4と同一軸線Oを有する偏心穴2aが形成され、この偏心穴2aに偏心カム4が玉軸受(転がり軸受)10を介して相対回転可能に嵌め込まれている。なお、出力軸3と偏心カム4との間には、玉軸受10を軸方向に位置決めするためのフランジ11が形成されている。
ここで、カム受け2と偏心カム4の間に配されている玉軸受10は、その他の転がり軸受や滑り軸受に代えることもできる。また、軸受を省略して、カム受けの偏心穴の内周面に偏心カムが摺接するようにしてもよい。
また、図示は省略するが、カム受け2と偏心カム4は、周方向の同一位置にマーキングが施されている。具体的には、例えば、カム受け2の出力軸3側の端面にその偏心穴2aの内周のうちで軸線Oから最も離れた位置を示すマーキングを施し、偏心カム4の入力軸1側の端面にはその外周のうちで軸線Oから最も離れた位置を示すマーキングを施せばよい。このようにすれば、クラッチ組立時には、カム受け2と偏心カム4のそれぞれのマーキングが径方向で対向するようにカム受け2に偏心カム4を組み込むことにより、入力軸1と出力軸3の軸線Oを容易に一致させることができ、その組込作業を効率よく行うことができる。
そして、入力軸1およびカム受け2を含む入力側部材の軸線Oまわりの回転トルクが、出力軸3および偏心カム4を含む出力側部材の軸線Oまわりの回転トルク、および出力側部材の偏心軸線Oまわりの回転トルクよりも大きくなるように設定されている。この回転トルクの大小関係は、主として、前述のようにカム受け2を固定部材の一部である側板6に軸方向で摺接させることによって実現しているが、これ以外の手段を採用することもできる。例えば、カム受けをハウジング本体部の内周に摺動回転可能に嵌め込むようにしてもよいし、電動モータや減速機の構成の変更等により入力軸の回転抵抗が大きくなるようにしてもよい。
この逆入力遮断クラッチは、上記の構成であり、電動モータ7から減速機8を介して入力軸1に入力トルクが加えられたときは、ハウジング本体部5aの内周円筒面に摺動回転可能に嵌め込まれたカム受け2が入力軸1と一体に回転し、カム受け2の偏心穴2aに玉軸受10を介して相対回転可能に嵌め込まれた偏心カム4が偏心回転(公転しながら自転)することにより、偏心カム4と一体に出力軸3が回転する。
一方、出力歯車9を介して出力軸3に逆入力トルクが加えられたときは、前記入力側部材の軸線Oまわりの回転トルクが前記出力側部材の軸線Oまわりの回転トルクおよび出力側部材の偏心軸線Oまわりの回転トルクよりも大きいため、図4に示すように出力軸3が偏心軸線Oのまわりに偏心回転しようとする。しかし、その出力軸3の偏心回転は固定部材であるハウジング5の出力軸支持孔5dの周縁部で規制されるので、出力軸3はロックされて回転せず、出力軸3から入力軸1への回転伝達は行われない。
なお、前述のようにカム受けをハウジング本体部の内周に摺動回転可能に嵌め込んでいる場合は、逆入力トルクを加えられた出力軸が偏心カムを介してカム受けを回転させようとすることにより、カム受けが傾いてカム受けのハウジング本体部との摺動抵抗が大きくなり、入力側部材が一層回転しにくくなるため、より確実に出力軸をロックすることができる。
そして、この逆入力遮断クラッチの構成では、小型のローラやばねを複数組み込んだ従来のロック式のものに比べて、製作時にカム面形成のような複雑な加工がないため、部品の製作や検査が容易になるし、部品点数が少なく組立も容易である。また、従来のローラやばねを組み込む楔形空間を形成するためのスペースも不要なので、クラッチ全体を容易に小型化することができる。
さらに、動作面においては、逆入力トルクが作用している状態で入力トルクを加えた場合に、従来のロック式のものでは、出力側部材のロック状態を解除してから入力側部材が出力側部材への回転伝達を開始するまでに、出力側部材が入力側部材よりも先に回転してしまう現象(先進み現象)が生じることがあるのに対し、この実施形態では、入力軸1が回転すると同時に出力軸3が回転し始めるので、先進み現象が生じるおそれがなく、スムーズに出力軸3への回転伝達を行えるという利点がある。
また、逆入力トルクを加えられたときに、出力軸3をロックしたハウジング5に生じる面圧が、従来のロック式の場合のローラと当接する部材に生じる面圧に比べて小さくなるので、ハウジング5の素材として金属よりも強度の低い樹脂材の採用も可能となる。そして、ハウジング5を含油樹脂材で形成すれば、クラッチ内部にグリース等の潤滑材を封入する必要がなくなり、潤滑材漏れの心配もなくなる。
図5は第2の実施形態を示す。この実施形態は、第1実施形態の偏心カム4の外径を出力軸3の外径と同じ寸法に形成し、偏心量(出力軸3の軸線Oと偏心カム4の偏心軸線Oとの距離)を大きくしたものである。
この第2実施形態でも、第1実施形態と同様、カム受け2と偏心カム4の間の玉軸受10は他のタイプの軸受に代えてもよいし、図6に示す変形例のように、玉軸受10を省略し、カム受け2の偏心穴2aの内周面に偏心カム4が摺接するようにして、図5の例よりもクラッチ全体の構造を簡略化するとともに径方向の小型化を図ることもできる。なお、図6の変形例では、玉軸受10の省略に伴い、その位置決めのためのフランジ11も省略され、出力軸3と偏心カム4とが直接に接続されている。
図7乃至図9は第3の実施形態を示す。この実施形態は、図7に示すように、第2実施形態の偏心カム4を延長して、カム受け2と偏心カム4の間に玉軸受10を2列組み込むとともに、図8および図9に示すように、カム受け2の周方向の一箇所にスリット2bを設けて、各玉軸受10の外輪の一部がハウジング本体部5aの内周面に直接対向するまでカム受け2の外径を小さくすることにより、クラッチ全体の径方向の小型化を図ったものである。
図10は上述した第3実施形態の変形例を示す。この変形例では、ハウジング5の円板部5cを厚くして、その円板部5cで玉軸受12を介して出力軸3を回転可能に支持する構造とすることにより、入力軸1から出力軸3への回転伝達がよりスムーズに行えるようにしている。なお、この図10の例では、出力軸3と偏心カム4との間に、偏心カム4側の玉軸受10を軸方向に位置決めするフランジ11のほかに、これに隣接する位置で出力軸3側の玉軸受12を軸方向に位置決めするフランジ13が設けられている。
図11は第4の実施形態を示す。この実施形態は、図10に示した第3実施形態の変形例の側板6とカム受け2との間に、カム受け2をハウジング本体部5aの内周側に形成された段差面5eに軸方向で押し付ける円環状の板ばね14(弾性部材)を組み込んだものであり、第1乃至第3の実施形態に比べて、入力側部材の回転トルクの調整が容易で、クラッチ動作の安定性向上が図れるという利点がある。
図12は上記第4実施形態の変形例を示す。この変形例では、図11のカム受け2を図2に示した形状のカム受け2に代えるとともに、カム受け2と偏心カム4の間の玉軸受10およびハウジング5の円板部5cと出力軸3の間の玉軸受12を省略して、カム受け2の偏心穴2aの内周面に偏心カム4が摺接し、ハウジング5の円板部5cの内周面に出力軸3が摺接するようにしている。そして、ハウジング5の本体部5aの一端の内周には、図11の側板6に代えて入力軸1を通す入力軸支持孔15aがあけられた蓋部材15を嵌め込み、この蓋部材15とカム受け2の間に板ばね14を組み込んでいる。なお、この蓋部材15およびハウジング5の円板部5cには、それぞれの外側面に入力軸1および出力軸3をより安定して支持するための筒状部が設けられている。また、ハウジング5は、本体部5aの他端側にフランジ部5fを一体形成し、このフランジ部5fに設けた複数の取付孔5gで図示省略した外部の部材に固定されるようにしている。
図13は、第4実施形態の図12の例をさらに変形した例を示す。この変形例では、図12のハウジング5の複数の取付孔5gを有するフランジ部5fの位置をハウジング本体部5aの一端側に変更するとともに、ハウジング本体部5aの内周面およびカム受け2の外周面をそれぞれ一端側が大径となるテーパ形状に形成して、板ばね14がカム受け2の外周テーパ面をハウジング本体部5aの内周テーパ面に押し付けるようにしている。このため、図12の例に比べて、カム受け2のハウジング5への押付面の面積が増えて、入力側部材の回転トルクが大きくなるので、板ばね14をばね力の小さい小型のものに代えてクラッチ全体の小型化を図ることができる。
図14(a)および(b)は第5の実施形態を示す。この実施形態は、第4実施形態の図12の例に対して、板ばね14でカム受け2をハウジング5に押し付ける方向を変えたものである。
すなわち、この第5実施形態では、カム受け2の肉厚が厚くなる側の周方向中央部に軸方向溝2cを設け、この軸方向溝2cに組み込んだ二つ折りの板ばね16により、カム受け2の肉厚が薄くなる側の外周面をハウジング本体部5aの内周面に押し付けるようにしている。このようにカム受け2を径方向でハウジング5に押し付けるようにしても、第4実施形態と同様、簡単に入力側部材の回転トルクを調整してクラッチ動作の安定性向上を図ることができる。
なお、上述した各実施形態では、逆入力トルクを加えられた出力軸3は、偏心カム4の偏心軸線Oのまわりの偏心回転がハウジング5の出力軸支持孔5dの周縁部で規制されることによってロックされるようになっているが、出力軸がハウジングに支持されていなくても、出力軸の偏心回転は出力歯車等を介して出力側の外部部材に規制されるので、逆入力トルクを加えられた出力軸がロックされて回転しないことに変わりはない。
また、第4および第5の実施形態においては、カム受け2をハウジング5に押し付ける板ばね14、16をほかの弾性部材に代えることもできるし、第4実施形態では、板ばね14あるいはこれに相当する弾性部材の組込位置を変えて、カム受け2をハウジング5の他端側から固定部材を構成する側板6、蓋部材15またはハウジング5に押し付けるようにしてもよい。
1 入力軸
2 カム受け
2a 偏心穴
2b スリット
3 出力軸
4 偏心カム
5 ハウジング(固定部材)
5a 本体部
5b 切欠き
5c 円板部
5d 出力軸支持孔
6 側板
6d 入力軸支持孔
7 電動モータ
8 減速機
9 出力歯車
10 玉軸受(転がり軸受)
14、16 板ばね(弾性部材)
15 蓋部材

Claims (6)

  1. 同一軸線のまわりに回転する状態で配されている入力軸および出力軸と、前記出力軸の軸線と平行な偏心軸線を有する状態で出力軸に設けられている円筒状の偏心カムと、前記入力軸の軸線と同一の軸線を有する状態で入力軸に設けられているカム受けとを備え、
    前記カム受けには前記偏心カムと同一軸線を有する偏心穴が形成されており、前記偏心カムは前記カム受けの偏心穴に相対回転可能に嵌め込まれており、前記入力軸およびカム受けを含む入力側部材の前記入力軸の軸線まわりの回転トルクが、前記出力軸および偏心カムを含む出力側部材の前記出力軸の軸線まわりの回転トルクよりも大きく、かつ前記入力側部材の前記入力軸線まわりの回転トルクが、前記出力側部材の前記偏心カムの偏心軸線まわりの回転トルクよりも大きく設定されており、
    前記入力軸に入力トルクが加えられたときは、前記入力軸と一体にカム受けが回転し、前記カム受けと前記カム受けの偏心穴に嵌め込まれている偏心カムが前記入力軸または前記出力軸の軸線まわりに回転して、前記偏心カムと一体に出力軸が回転し、
    前記出力軸に逆入力トルクが加えられたときは、前記出力側部材が前記入力側部材の前記入力軸の軸線まわりの回転トルクに抑えられて前記偏心カムの偏心軸線まわりに回転しようとして回転不能に固定された固定部材にロックして、前記出力軸から入力軸への回転トルクが遮断される逆入力遮断クラッチ。
  2. 前記カム受けと軸方向で対向する位置またはカム受けの径方向外側に、カム受けと摺接する固定部材が配されていることを特徴とする請求項1に記載の逆入力遮断クラッチ。
  3. 前記カム受けを軸方向または径方向で前記固定部材に押し付ける弾性部材が組み込まれていることを特徴とする請求項2に記載の逆入力遮断クラッチ。
  4. 前記偏心カムとカム受けとの間に転がり軸受が配されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の逆入力遮断クラッチ。
  5. 前記偏心カムとカム受けとが摺接していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の逆入力遮断クラッチ。
  6. 前記カム受けと偏心カムの周方向の同一位置にマーキングが施されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の逆入力遮断クラッチ。
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