JP2017003104A - 逆入力遮断クラッチ - Google Patents

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Seiichi Takada
声一 高田
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Abstract

【課題】逆入力トルクに対して安定して出力側を空転させることができる逆入力遮断クラッチを提供する。
【解決手段】入力トルクに対しては、入力軸1およびカム軸2が回転し、カム軸2と一体の偏心カム5aが偏心回転して、偏心カム5aの外周に軸受24を介して相対回転可能に嵌め込まれたスペーサ9が公転することにより、スペーサ9からカム受け7およびトルク伝達機構10を介してトルクを伝達される出力外環6が回転し、逆入力トルクに対しては、ロック式の逆入力遮断機構4の作用により入力軸1およびカム軸2が回転せず、偏心カム5aがスペーサ9の公転運動を規制することにより、出力外環6がトルク伝達機構10を介してスペーサ9を自転させながら回転する構成として、入力トルクの供給が停止したときにスペーサ9がロック状態とならず、安定した空転動作が得られるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、入力側から加えられた入力トルクは出力側に伝達し、出力側から逆入力トルクが加えられたときは、出力側部材を空転させて入力側部材が回転しないようにする逆入力遮断クラッチに関する。
近年、各種の電動機器においては、小型軽量化や効率の向上を図るために、小型の高速回転のモータと減速率の高い減速機を組み合わせて使用することが一般的になってきている。しかし、減速率の高い減速機を組み込むと、停電等によりモータで作動部を駆動できなくなったときに、作動部側から駆動部を動かすのに大きな力が必要になり、手動で作動部を操作することが困難になる場合が多い。
これに対し、一部の電動機器では、駆動部と作動部との間に、入力側部材に加えられた入力トルクは出力側部材に伝達し、出力側から逆入力トルクが加えられたときは、出力側部材を空転させて入力側部材が回転しないようにする方式(以下、この方式を「空転式」と称する。)の逆入力遮断クラッチを組み込んで、停電時等に駆動部を動かすことなく作動部を手動で楽に操作できるようにしている。
ここで、上記の空転式の逆入力遮断クラッチとしては、例えば特許文献1で提案されているものがある。この逆入力遮断クラッチは、入力外輪の径方向内側に出力軸を入力外輪と同軸に配し、入力外輪の内周面にカム面を周方向に複数設けて、出力軸の外周円筒面と入力外輪の各カム面との間に周方向両側で次第に狭小となる楔形空間を形成し、これらの各楔形空間に配したローラを入力外輪および出力軸と係合離脱可能に保持する保持器を設け、この保持器を入力外輪にセンタリングばねを介して連結し、保持器と係合した状態で固定部材と摺動する摺動ばねを組み込んだものである。
この逆入力遮断クラッチを組み立てたときには、センタリングばねの弾性力によって、ローラが楔形空間の中央の広大部で入力外輪および出力軸から離脱した状態で保持器に保持されており、この状態で出力軸に逆入力トルクが加えられても、ローラは入力外輪および出力軸と係合せず、出力軸のみが空転して入力外輪は回転しないようになっている。一方、入力外輪に入力トルクが加えられたときには、入力外輪と摺動ばねの摺動抵抗を受ける保持器との間でセンタリングばねが弾性変形して、入力外輪と保持器の回転位相差が生じることにより、保持器に保持されたローラが相対的に楔形空間の狭小部へ移動して入力外輪および出力軸と係合し、入力外輪のトルクが出力軸に伝達される。
特開2003−120715号公報
ところが、上記特許文献1で提案されている空転式の逆入力遮断クラッチでは、入力側から出力側にトルクを伝達した直後に、出力側から逆入力トルクが加えられたときに、出力軸をスムーズに空転させられないことがある。これは、入力側から出力側へのトルク伝達時には、ローラが入力外輪と出力軸との間の楔形空間の狭小部に入り込んで大きな圧力を生じる状態で入力外輪および出力軸と係合(ロック)しているため、入力トルクの供給が停止した後も、センタリングばねの弾性力で保持器およびローラを組立時の位置へ戻すことができず、ロック状態が保持される場合があるからである。
したがって、この逆入力遮断クラッチを駆動部と作動部との間に組み込んだ電動機器において、モータ停止中に出力軸を安定して空転させられるようにするには、モータを停止させる前に入力外輪を一旦わずかに逆転させてクラッチのロック状態を解除しておく必要があり、モータ制御が複雑になるという問題がある。また、停電時等でモータが意図せず停止した場合には、クラッチのロック状態が解除されず、手動等による作動部の操作ができなくなくなるおそれもある。
そこで、本発明は、逆入力トルクに対して安定して出力側を空転させることができる逆入力遮断クラッチを提供することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明の逆入力遮断クラッチは、入力軸とカム軸とを同一軸線上に配して回転伝達可能に連結し、前記カム軸にその軸線と平行な偏心軸線を有する円筒状の偏心カムを設け、前記偏心カムの径方向外側に出力外環を配し、前記出力外環の内周に挿入される円筒状のカム受けに、前記偏心カムと同一軸線を有する偏心穴を形成して、この偏心穴に前記偏心カムを挿入し、前記カム受けの偏心穴の内周面と前記偏心カムの外周面との間に円筒状のスペーサを相対回転可能に嵌め込み、前記スペーサと出力外環とをトルク伝達可能に連結するトルク伝達機構を設けるとともに、入力側から加えられる入力トルクに対しては前記入力軸およびカム軸を回転させ、出力側から加えられる逆入力トルクに対しては前記入力軸およびカム軸を回転させない逆入力遮断機構を設けて、入力側から入力トルクが加えられたときは、前記入力軸およびカム軸が回転し、前記偏心カムが偏心回転してスペーサが公転することにより、前記スペーサからカム受けおよびトルク伝達機構を介してトルクを伝達される出力外環が回転し、出力側から逆入力トルクが加えられたときは、前記入力軸およびカム軸が回転せず、前記偏心カムがスペーサの公転運動を規制することにより、前記出力外環がトルク伝達機構を介してスペーサを自転させながら回転する構成を採用した。
上記の構成によれば、カム受けの偏心穴の内周面と偏心カムの外周面との間に相対回転可能に嵌め込まれたスペーサは、入力トルクの供給が停止したときにもカム受けや偏心カムとロック状態となるおそれがないので、出力側から逆入力トルクを加えられたときに、出力外環はスムーズにスペーサを自転させながら回転することができ、安定した空転動作が得られる。
前記トルク伝達機構としては、前記スペーサの一端にフランジ状の連結部を設け、前記出力外環の一端に蓋部を設けて、前記スペーサの連結部と出力外環の蓋部とに軸方向で挟まれる平板状の連結部材を設け、前記連結部材とスペーサの連結部の互いの軸方向対向面に、スペーサの径方向に延びて互いに摺動可能に嵌合する第1の凹凸嵌合部を設けるとともに、前記連結部材と出力外環の蓋部の互いの軸方向対向面に、前記第1の凹凸嵌合部と直交する方向に延び、互いに摺動可能に嵌合する第2の凹凸嵌合部を設けたものを採用することができる。
また、前記逆入力遮断機構としては、前記入力軸とカム軸との間に、入力軸の回転を僅かな角度遅れをもってカム軸に伝達する回転伝達手段を設け、前記カム受けと一体回転する制動軸の径方向外側に固定外輪を配し、前記制動軸の外周面に複数のカム面を設けて、前記固定外輪の内周円筒面と制動軸の各カム面との間に周方向両側で次第に狭小となる楔形空間を形成し、これらの各楔形空間に一対のローラとそのローラを楔形空間の狭小部へ押し込むばねを組み込むとともに、前記各楔形空間の周方向両側に挿入される柱部を有するロック解除片を、前記入力軸と一体回転するように連結したものを採用することができる。
あるいは、前記逆入力遮断機構として、前記入力軸とカム軸とを一体化し、前記カム受けと一体回転する従動軸をカム軸の外周に摺動可能に嵌め込み、前記従動軸の外周に摺動可能に嵌め込まれる制動内輪に、従動軸およびカム軸に周方向の隙間をもって径方向に挿入される係合ピンを設け、前記制動内輪の径方向外側に固定外輪を配し、前記制動内輪の外周面に複数のカム面を設けて、前記固定外輪の内周円筒面と制動内輪の各カム面との間に周方向両側で次第に狭小となる楔形空間を形成し、これらの各楔形空間に一対のローラとそのローラを楔形空間の狭小部へ押し込むばねを組み込むとともに、前記各楔形空間の周方向両側に挿入される柱部を有するロック解除片を、前記入力軸と一体回転するように連結したものを採用することもできる。
本発明の逆入力遮断クラッチは、上述したように、逆入力トルクに対して安定して出力外環を空転させることができる。したがって、この逆入力遮断クラッチを駆動部と作動部との間に組み込んだ電動機器では、従来の空転式のものを組み込んだ場合に比べて、モータ制御が簡単になるし、停電時等でモータが意図せず停止した場合も手動等によって作動部を容易に操作することができる。
第1実施形態の逆入力遮断クラッチの横断平面図 図1の要部の分解斜視図 図1のIII−III線に沿った断面図 a〜dはそれぞれ図3に対応してロック式の逆入力遮断機構の動作を説明する断面図 図1のV−V線に沿った断面図 図5に対応してクラッチの空転動作を説明する断面図 第2実施形態の逆入力遮断クラッチの横断平面図 図7のVIII−VIII線に沿った断面図 a、bはそれぞれ図8に対応してロック式の逆入力遮断機構の動作を説明する断面図
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。図1乃至図6は第1の実施形態を示す。この逆入力遮断クラッチは、図1および図2に示すように、断面D字状の入力軸1と、入力軸1と同一軸線上に配されるカム軸2と、カム軸2の外周に摺動可能に嵌め込まれる円筒状の中間軸3と、入力軸1とカム軸2の間に設けられるロック式の逆入力遮断機構4と、カム軸2の長手方向中央部に一体形成される円筒状の偏心カム5aと、中間軸3の一端に一体形成される円筒状の従動偏心カム5bと、偏心カム5aおよび従動偏心カム5bの径方向外側に配される出力外環6と、出力外環6の内周に摺動可能に挿入される円筒状のカム受け7と、カム受け7に一体形成されて中間軸3の外周に嵌め込まれる制動軸8と、カム受け7の内周面と偏心カム5aおよび従動偏心カム5bの外周面との間に相対回転可能に嵌め込まれる円筒状のスペーサ9と、スペーサ9と出力外環6とをトルク伝達可能に連結するトルク伝達機構10とで基本的に構成されている。
前記入力軸1の外周には入力歯車11が嵌合固定され、出力外環6の外周には出力歯車12が一体に形成されている。また、出力外環6は、その他端側の内周にカム受け7を抜け止めする支持部材13が相対回転不能に嵌め込まれ、一端側にカム軸2の一端部を通す蓋部6aが設けられている。この出力外環6の蓋部6aと、スペーサ9の一端に設けられた内向きフランジ状の連結部9aとに軸方向で挟まれる位置に、後述するようにトルク伝達機構10の一部を構成する円板状の連結部材14が配されている。なお、出力外環は、その一端側の蓋部を別体で形成し、他端側の支持部材を一体形成するようにしてもよい。
前記偏心カム5aおよび従動偏心カム5bはカム軸2の軸線と平行な偏心軸線を有しており、カム受け7の一端側には偏心カム5aおよび従動偏心カム5bと同一の偏心軸線を有する偏心穴7aが形成されている。そして、カム受け7の偏心穴7aにスペーサ9を介して偏心カム5aおよび従動偏心カム5bを嵌め込むとともに、制動軸8の外周から中間軸3の外周に止めねじ15をねじ込むことにより、カム受け7および制動軸8と中間軸3および従動偏心カム5bとを一体化している。なお、止めねじ15がなくても、偏心カム5aが偏心回転すると、それに伴って制動軸8と中間軸3は一体に回転する。また、カム受け7および制動軸8と中間軸3および従動偏心カム5bとを一体形成してもよい。
前記逆入力遮断機構4は、図1乃至図3に示すように、入力軸1とカム軸2とを回転伝達可能に連結し、制動軸8の径方向外側に固定外輪16を配して、制動軸8の外周面と固定外輪16の内周面との間に挿入される複数の柱部17aを有する円環状のロック解除片17を入力軸1の一端に一体形成し、ロック解除片17の各柱部17a間にローラ18とコイルばね19を組み込んだものである。なお、ロック解除片は、入力軸と別体に形成して、入力軸と一体回転するように連結してもよい。
ここで、固定外輪16はハウジング20と一体に形成されており、ハウジング20の一端のフランジ部20aが2枚の固定板21、22に挟まれて固定されている。ハウジング20は、他端の内周に別体で形成された蓋部20bが嵌め込まれており、その蓋部20bの中央に入力軸1が通されるようになっている。
また、入力軸1の一端面中央には断面小判形の係合穴1aが設けられ、この係合穴1aにカム軸2の他端面に設けられた断面小判形の係合突部2aが周方向隙間をもって挿入されており、これにより入力軸1の回転が僅かな角度遅れをもってカム軸2に伝達されるようになっている。
また、制動軸8の外周面には径方向と直交する複数のカム面8aが設けられ、これらの各カム面8aと固定外輪16の内周円筒面との間に周方向両側で次第に狭小となる楔形空間23が形成されている。各楔形空間23には、一対のローラ18が各ローラ18を楔形空間23の狭小部に押し込むコイルばね19を挟んだ状態で配され、各楔形空間23の周方向両側(ローラ18を挟んでコイルばね19と対向する位置)にロック解除片17の柱部17aが挿入されている。
この逆入力遮断機構4において、入力軸1に入力トルクが負荷されていない状態で、出力側からカム軸2および偏心カム5aに逆入力トルクが加えられた場合は、カム受け7および制動軸8もカム軸2および偏心カム5aと一体に回転しようとするが、制動軸8と固定外輪16の間でローラ18がコイルばね19の弾性力によって楔形空間23の狭小部に押し込まれているため、制動軸8が回転方向後側のローラ18を介して固定外輪16にロックされ、制動軸8と一体のカム受け7もロック状態となる。そして、ロック状態のカム受け7がスペーサ9およびその内周に配された軸受24を介して偏心カム5aの偏心回転を規制するので、カム軸2は回転せず入力軸1も回転しない。
一方、入力側から入力軸1に入力トルクが加えられると、まず、図4(a)、(b)に示すように、入力軸1がわずかに回転し、これにより入力軸1と一体のロック解除片17の柱部17aが回転方向後方側のローラ18をコイルばね19の弾性力に抗して楔形空間23の広大部へ押しやるので、制動軸8と固定外輪16とのロック状態が解除され、カム受け7がフリー状態となって、カム受け7による偏心カム5aの偏心回転規制も解除される。そして、図4(c)、(d)に示すように、入力軸1がさらに回転すると、その係合穴1aの内壁がカム軸2の係合突部2aを周方向に押すようになり、入力軸1の回転がカム軸2に伝達される。
次に、前記トルク伝達機構10は、図1、図2および図5に示すように、連結部材14とスペーサ9の連結部9aの互いの軸方向対向面に、スペーサ9の径方向に延びて互いに摺動可能に嵌合する第1の凹凸嵌合部を設けるとともに、連結部材14と出力外環6の蓋部6aの互いの軸方向対向面に、第1の凹凸嵌合部と直交する方向に延び、互いに摺動可能に嵌合する第2の凹凸嵌合部を設けることにより、スペーサ9と出力外環6とをトルク伝達可能に連結したものである。
ここで、前記第1の凹凸嵌合部は、スペーサ9の連結部9aの外側面(連結部材14との軸方向対向面)に径方向に延びるように形成された凸部9bと、連結部材14の内側面(スペーサ9の連結部9aとの軸方向対向面)に形成され、スペーサ9の凸部9bが摺動可能に嵌まり込む凹部14aとからなる。
また、前記第2の凹凸嵌合部は、連結部材14の外側面(出力外環6の蓋部6aとの軸方向対向面)に内側面の凹部14aと直交する方向に延びるように形成された凸部14bと、出力外環6の蓋部6aの内側面(連結部材14との軸方向対向面)に形成され、連結部材14の凸部14bが摺動可能に嵌まり込む凹部6bとからなる。
なお、スペーサ9の連結部9aおよび連結部材14にはそれぞれカム軸2を通す同径の中心孔9c、14cがあけられており、その孔9c、14cの径は、連結部材14がトルク伝達のために平行移動するときにカム軸2と干渉しない大きさに設定されている。
この逆入力遮断クラッチは、上記の構成であり、入力歯車11を介して入力軸1に入力トルクが加えられたときは、前述の逆入力遮断機構4の作用により、制動軸8およびカム受け7がフリー状態となった後に、入力軸1の回転がカム軸2および偏心カム5aに伝達され、偏心カム5aの偏心回転に伴って、カム受け7および制動軸8、中間軸3および従動偏心カム5bも回転する。そして、偏心カム5aおよび従動偏心カム5bの偏心回転とカム受け7の回転により、カム受け7の偏心穴7aの内周面と偏心カム5aおよび従動偏心カム5bの外周面との間に嵌め込まれたスペーサ9が公転し、スペーサ9からカム受け7およびトルク伝達機構10を介して出力外環6にトルクが伝達され、出力外環6が出力歯車12と一体に回転する。
一方、出力歯車12を介して出力外環6に逆入力トルクが加えられたときは、出力外環6からトルク伝達機構10を介してスペーサ9にトルクが伝達され、このトルクが偏心カム5aおよびカム軸2にも伝わるが、前述の逆入力遮断機構4の作用により、制動軸8およびカム受け7がロック状態となって、カム軸2および偏心カム5aは(中間軸3および従動偏心カム5bも)回転せず、入力軸1も回転しない。このとき、偏心カム5aがスペーサ9の公転運動を規制することにより、図6に示すように、トルク伝達機構10の連結部材14が前記第1、第2の凹凸嵌合部でスペーサ9および出力外環6の蓋部6aと摺動して公転しながら自転するようになり、スペーサ9は公転することなくカム受け7と偏心カム5aおよび従動偏心カム5bとの間で自転する。すなわち、出力外環6がトルク伝達機構10を介してスペーサ9を自転させながら回転することになる。
上記のように、出力外環6が空転するときにはスペーサ9がカム受け7と偏心カム5aおよび従動偏心カム5bとの間で自転するようになっているので、入力トルクの供給が停止したときにも、スペーサ9がカム受け7や偏心カム5a、従動偏心カム5bとロック状態となるおそれがない。したがって、出力側から逆入力トルクを加えられたときには、出力外環6はスムーズにスペーサ9を自転させながら、ロック状態のカム受け7と摺動して回転することができ、安定した空転動作が得られる。
図7乃至図9は第2の実施形態を示す。この実施形態は、第1実施形態をベースとし、ロック式逆入力遮断機構4の構成を変更したものである。以下、主として、第1実施形態からの変更点を説明する。なお、第1実施形態と同じ機能を有する部材については、第1実施形態と同じ符号を付けて説明を省略する。
この第2実施形態のロック式逆入力遮断機構4は、図7および図8に示すように、入力軸1とカム軸2とを一体形成し、そのカム軸2の外周に、カム受け7と一体回転する従動軸25(第1実施形態の制動軸8)を摺動可能に嵌め込んでいる。なお、カム軸2および偏心カム5aに一体形成されている第1実施形態の中間軸3および従動偏心カム5bについては、符号を省略している。また、偏心カム5aはスペーサ9の内周に摺動可能に嵌め込まれ、第1実施形態の軸受24は設けられていない。
カム軸2および従動軸25にはそれぞれ径方向に貫通する通し孔2bおよび係合孔25aが同一内径で設けられており、これらの通し孔2bおよび係合孔25aに周方向の隙間をもって挿入される係合ピン26の両端部が、従動軸25の外周に摺動可能に嵌め込まれた制動内輪27に固定されている。そして、制動内輪27の径方向外側に固定外輪16が配され、ロック解除片17は入力軸1と一体回転するように連結されている。
また、制動内輪27の外周面には径方向と直交する複数のカム面27aが設けられ、これらの各カム面27aと固定外輪16の内周円筒面との間に、周方向両側で次第に狭小となる第1実施形態と同様の楔形空間23が形成されている。そして、第1実施形態と同じく、各楔形空間23には、一対のローラ18が各ローラ18を楔形空間23の狭小部に押し込むコイルばね19を挟んだ状態で配され、各楔形空間23の周方向両側にロック解除片17の柱部17aが挿入されている。
そして、出力側からカム軸2および偏心カム5aに逆入力トルクが加えられた場合は、カム軸2および偏心カム5aと一体にカム受け7および従動軸25がわずかに回転するが、従動軸25の係合孔25aの内壁が係合ピン26に当接すると、係合ピン26を固定した制動内輪27が第1実施形態の制動軸8と同じメカニズムで回転方向後側のローラ18を介して固定外輪16にロックされるので、カム軸2および従動軸25は停止し、カム軸2と一体の入力軸1も回転しない。
一方、入力側から入力軸1に入力トルクが加えられると、まず、図9(a)に示すように、入力軸1がわずかに回転し、入力軸1と一体のロック解除片17の柱部17aが回転方向後方側のローラ18をコイルばね19の弾性力に抗して楔形空間23の広大部へ押しやるので、制動内輪27と固定外輪16とのロック状態が解除される。そして、図9(b)に示すように、入力軸1がさらに回転すると、カム軸2の回転に伴って従動軸25の係合孔25aの内壁が係合ピン26を周方向に押すことにより、制動内輪27も入力軸1、カム軸2および従動軸25と一体に回転するようになる。
したがって、この第2実施形態では、逆入力遮断機構4の作用により、入力歯車11を介して入力軸1に入力トルクが加えられたときは、制動内輪27がフリー状態となって、入力軸1、カム軸2、従動軸25および制動内輪27が一体に回転するので、第1実施形態と同様に、偏心カム5aの偏心回転とカム受け7の回転により、スペーサ9が公転して出力外環6が出力歯車12と一体に回転し、逆入力トルクが出力歯車12を介して出力外環6に加えられたときは、制動内輪27がロックされて、カム軸2および従動軸25は停止するので、第1実施形態と同様に、停止した偏心カム5aとカム受け7の間でスペーサ9が自転して出力外環6が安定して空転する。
なお、本発明のトルク伝達機構は、上述した各実施形態のものに限らず、偏心カムの偏心回転に伴うスペーサの公転のトルクを出力外環に伝達し、偏心カム停止時に出力外環のトルクをスペーサに伝達してスペーサを自転させる機能を有するものであればよい。
また、逆入力遮断機構は、入力側から加えられる入力トルクに対しては入力軸およびカム軸を回転させ、出力側から加えられる逆入力トルクに対しては入力軸およびカム軸を回転させないものであればよく、例えば、セルフロック機能を有するウォーム機構等を採用することもできる。
1 入力軸
2 カム軸
3 中間軸
4 逆入力遮断機構
5a 偏心カム
5b 従動偏心カム
6 出力外環
6a 蓋部
7 カム受け
7a 偏心穴
8 制動軸
8a カム面
9 スペーサ
9a 連結部
10 トルク伝達機構
11 入力歯車
12 出力歯車
14 連結部材
16 固定外輪
17 ロック解除片
17a 柱部
18 ローラ
19 コイルばね
20 ハウジング
23 楔形空間
25 従動軸
26 係合ピン
27 制動内輪
27a カム面

Claims (4)

  1. 入力軸とカム軸とを同一軸線上に配して回転伝達可能に連結し、前記カム軸にその軸線と平行な偏心軸線を有する円筒状の偏心カムを設け、前記偏心カムの径方向外側に出力外環を配し、前記出力外環の内周に挿入される円筒状のカム受けに、前記偏心カムと同一軸線を有する偏心穴を形成して、この偏心穴に前記偏心カムを挿入し、前記カム受けの偏心穴の内周面と前記偏心カムの外周面との間に円筒状のスペーサを相対回転可能に嵌め込み、前記スペーサと出力外環とをトルク伝達可能に連結するトルク伝達機構を設けるとともに、入力側から加えられる入力トルクに対しては前記入力軸およびカム軸を回転させ、出力側から加えられる逆入力トルクに対しては前記入力軸およびカム軸を回転させない逆入力遮断機構を設けて、
    入力側から入力トルクが加えられたときは、前記入力軸およびカム軸が回転し、前記偏心カムが偏心回転してスペーサが公転することにより、前記スペーサからカム受けおよびトルク伝達機構を介してトルクを伝達される出力外環が回転し、
    出力側から逆入力トルクが加えられたときは、前記入力軸およびカム軸が回転せず、前記偏心カムがスペーサの公転運動を規制することにより、前記出力外環がトルク伝達機構を介してスペーサを自転させながら回転するようにした逆入力遮断クラッチ。
  2. 前記トルク伝達機構は、前記スペーサの一端にフランジ状の連結部を設け、前記出力外環の一端に蓋部を設けて、前記スペーサの連結部と出力外環の蓋部とに軸方向で挟まれる平板状の連結部材を設け、前記連結部材とスペーサの連結部の互いの軸方向対向面に、スペーサの径方向に延びて互いに摺動可能に嵌合する第1の凹凸嵌合部を設けるとともに、前記連結部材と出力外環の蓋部の互いの軸方向対向面に、前記第1の凹凸嵌合部と直交する方向に延び、互いに摺動可能に嵌合する第2の凹凸嵌合部を設けたものであることを特徴とする請求項1に記載の逆入力遮断クラッチ。
  3. 前記逆入力遮断機構が、前記入力軸とカム軸との間に、入力軸の回転を僅かな角度遅れをもってカム軸に伝達する回転伝達手段を設け、前記カム受けと一体回転する制動軸の径方向外側に固定外輪を配し、前記制動軸の外周面に複数のカム面を設けて、前記固定外輪の内周円筒面と制動軸の各カム面との間に周方向両側で次第に狭小となる楔形空間を形成し、これらの各楔形空間に一対のローラとそのローラを楔形空間の狭小部へ押し込むばねを組み込むとともに、前記各楔形空間の周方向両側に挿入される柱部を有するロック解除片を、前記入力軸と一体回転するように連結したものであることを特徴とする請求項1または2に記載の逆入力遮断クラッチ。
  4. 前記逆入力遮断機構が、前記入力軸とカム軸とを一体化し、前記カム受けと一体回転する従動軸をカム軸の外周に摺動可能に嵌め込み、前記従動軸の外周に摺動可能に嵌め込まれる制動内輪に、従動軸およびカム軸に周方向の隙間をもって径方向に挿入される係合ピンを設け、前記制動内輪の径方向外側に固定外輪を配し、前記制動内輪の外周面に複数のカム面を設けて、前記固定外輪の内周円筒面と制動内輪の各カム面との間に周方向両側で次第に狭小となる楔形空間を形成し、これらの各楔形空間に一対のローラとそのローラを楔形空間の狭小部へ押し込むばねを組み込むとともに、前記各楔形空間の周方向両側に挿入される柱部を有するロック解除片を、前記入力軸と一体回転するように連結したものであることを特徴とする請求項1または2に記載の逆入力遮断クラッチ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018197556A (ja) * 2017-05-23 2018-12-13 オリジン電気株式会社 歯車の空転を利用するフリータイプ双方向クラッチ
DE102022132606A1 (de) 2021-12-24 2023-06-29 Shimano Inc. Antriebseinheit für muskelkraftbetriebenes fahrzeug

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