JP2017049081A - ひげぜんまい及びその製造方法 - Google Patents

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池田  智夫
洋輔 阿部
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洋輔 阿部
優作 仁井田
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Abstract

【課題】機械式時計の調速機構において、シリコン製のひげぜんまいを採用しても衝撃に強いひげぜんまい及びその製造方法を提供する。
【解決手段】回転軸体と嵌合するための貫通孔3aを有するひげ玉3と、ひげ玉3と接続し、貫通孔3aを中心にしてひげ玉3に巻回されるコイル形状のぜんまい部2と、ぜんまい部2の外端をテンプ受けに固定するためのひげ持4とを有するひげぜんまい1であって、最外側湾曲部、又はひげ玉3との接続部を除いたぜんまい部2の少なくとも一平面に溝部7を有し、溝部7及びひげぜんまい表面に樹脂層6を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、時計用のひげぜんまい及びその製造方法に関する。
従来の機械式時計においては、機械式時計の運転を規則正しく一定の速度に保つために、ひげぜんまいとてん輪(てん真付)とで構成される調速機(てんぷ)が使われている。等時性のあるひげぜんまいの伸縮によりてん輪が規則正しく往復回転運動を行う。
てんぷには、がんぎ車とアンクルとで構成される脱進機という機構が接続されており、ぜんまいからエネルギーが伝達されて、てんぷが振動を持続するようになっている。
知られているひげぜんまいは、金属を加工して形成する場合が多い。このため、その加工精度のばらつきや金属が有する内部応力の影響などによって、設計通りの形状が得られない場合がある。
ひげぜんまいは規則的にてんぷを振動させて等時性を保つ必要があるから、ひげぜんまいが設計通りの形状が得られないと、てん輪も等時性のある運動ができなくなり、時計の歩度ずれが生じてしまう。時計の歩度とは、一日あたりの時計の進み又は遅れの程度を示すものである。
ところで近年、シリコン基板をエッチング加工することによって時計部品を製造する試みがなされている。従来の金属部品を用いる時計部品の製造に比べ軽量にできるという利点と、安価で大量生産ができる利点とがあると言われている。これにより、小型軽量の時計を製造することができると期待されている。
シリコン基板をエッチングする際、近年ではドライエッチング技術である反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching:RIE)技術が進歩してきた。中でも、深堀りRIE(Deep RIE)技術が開発され、アスペクト比が高いエッチングが可能になってきた。
この技術によると、エッチングがフォトレジストなどでマスクした部分の下に回り込まないために、垂直深さ方向にマスクパターンを忠実に再現できるようになり、シリコン基板をエッチングする際に、時計部品を設計通りの形状で精度よく製造することが可能となってきた。
そもそもシリコンは、金属よりも温度特性がよい。従来のひげぜんまいの材料として用いられる金属よりも環境温度に対して変形しにくいという特徴がある。このことから、時計の調速機構にもこの技術を応用することが考えられている。
しかしながら、こうした点に配慮したシリコン製のひげぜんまいは既に知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に示した従来技術は、良好な等時性を得るために、シリコンひげぜんまいの外側湾曲部の厚さを他の巻回よりも厚くして外側湾曲部の剛性を高めたものである。
特許5389999号公報(第2頁、図6)
しかし、特許文献1に示した従来技術では、時計に大きな衝撃が加わった場合に、ひげぜんまいの破損を十分に防ぐことができないことが分かった。すなわち、外側湾曲部の厚さが厚くなると、隣の巻回との間隔が狭くなってしまうため、ひげぜんまい同士が接触しやすくなり、その衝撃によってひげぜんまいが破損する可能性があった。
ひげぜんまいが破損すると、その破片が飛び散って時計機構に入り込むこともあり、ひげぜんまいが動かなくなるだけではなく、時計そのものに致命的な障害を起こす恐れもある。
本発明の目的は、上記従来技術の課題に鑑み、機械式時計の調速機構において、シリコン製のひげぜんまいを採用しても衝撃に強く、しかも等時性も良好なひげぜんまい及びその製造方法を提供することである。
前述した目的を達成するための本発明におけるひげぜんまいは、以下の構成を採用する。
本発明のひげぜんまいは、回転軸体と嵌合するための貫通孔を有するひげ玉と、ひげ玉と接続し、貫通孔を中心にしてひげ玉に巻回されるコイル形状のぜんまい部と、ぜんまい部の外端をテンプ受けに固定するためのひげ持とを有するひげぜんまいであって、最外側湾曲部、又はひげ玉との接続部を除いたぜんまい部の少なくとも一平面に溝部を有し、溝部及びひげぜんまい表面に樹脂層を設けることを特徴とする。
これにより、時計が大きな衝撃を受けたときに溝部及びひげぜんまい表面の樹脂層がひげぜんまいの破損を防ぐ働きをすると同時に時計に良好な等時性をもたらす。
また、ひげぜんまいは、シリコンであると良い。
このようにすれば、シリコンは比較的軽いため、軽量のひげぜんまいを構成できる。
樹脂層は、パラキシリレン系樹脂であると良い。
このようにすれば、樹脂層は比較的柔らかいため、衝撃を吸収しやすくなる。
また、溝部は、ぜんまい部の一平面からこれと対向する他方の平面まで貫通しているようにしても良い。
このようにすれば、樹脂層の体積を増やすことができ、ひげぜんまいの特性を調整できる範囲が広がる。
前述した目的を達成するための本発明におけるひげぜんまいは、以下の製造方法を採用する。
本発明のひげぜんまいの製造方法は、回転軸体と嵌合するための貫通孔を有するひげ玉と、ひげ玉と接続し、貫通孔を中心にしてひげ玉に巻回されるコイル形状のぜんまい部と、ぜんまい部の外端をテンプ受けに固定するためのひげ持とを有するひげぜんまいの製造
方法であって、ぜんまい部の、最外側湾曲部又はひげ玉との接続部となる箇所を除いて、基板に溝部を形成する工程と、基板をエッチングし、ぜんまい部に溝部を有する形状のひげぜんまいを形成するエッチング工程と、溝部及びひげぜんまい表面に樹脂層を形成する工程とを有することを特徴とする。
このような製造方法によれば、溝部及び表面に樹脂層を設けるひげぜんまいを容易に製造することができる。
ひげぜんまいを構成するぜんまい部が強靭になるので、時計が強い衝撃を受けたとしてもひげぜんまいが破壊しにくくなる、と同時に時計の等時性が良好になる。
本発明の第1の実施形態におけるひげぜんまいの構成を説明する平面図及び断面図である。 本発明の第1の実施形態におけるひげぜんまいの製造方法を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態におけるひげぜんまいの製造方法を示す断面図である。 本発明の第2及び第3の実施形態であるひげぜんまいの構成を説明する断面図である。 従来技術のひげぜんまいの平面図であり、問題点を説明するシミュレーション画像である。
本発明のひげぜんまいは、ひげ玉に巻回されるコイル形状のぜんまい部を第1の材料で構成し、ひげ持ち4につながる最外側湾曲部を除くぜんまい部の一平面に溝部を設けて、その溝部に第1の材料よりも粘靱性の高い第2の材料の樹脂層を設ける。
粘靭性とは、外部からの圧力に対して壊れにくい性質、粘り強さのことを言う。ぜんまい部の溝に、粘靱性の高い樹脂層を設けることにより、ぜんまい部のもろさが緩和され、強靭にすることができる。
以下、本発明のひげぜんまいについて、図面を参照して詳細に説明する。まず、第1の実施形態として、図1を用いて本発明のひげぜんまいの概略の構成を説明し、次に、図2を用いてぜんまい部の更に詳細な構成について説明する。
[第1実施形態]
[ひげぜんまいの構成の説明:図1]
図1を用いてひげぜんまいの第1実施形態を詳述する。図1(a)は樹脂層を形成する前のひげぜんまいの状態を示しており、ひげぜんまい1を図示しない回転軸体の軸方向から平面視したときの様子を示すものである。実際のひげぜんまいはもっと巻き数が多いが、ここでは簡略して4巻きのみを示している。
図1(a)において、ひげぜんまい1は、中心部に図示しない回転軸体であるてん真と嵌合するための貫通孔3aを有するひげ玉3と、貫通孔3aを中心にしてひげ玉3に巻回されるように設計されたコイル形状のぜんまい部2と、ぜんまい部2の巻き終わりと接続しているひげ持4とから構成されている。ぜんまい部2の巻き始めとひげ玉3とは接続部3bで接続している。
ひげぜんまい1の第1の材料としては、水晶、セラミックス、シリコン、シリコン酸化膜などを主成分とする材料から構成することができる。第1の材料をシリコンとすれば、軽いひげぜんまいを構成できて便利である。以後の説明にあっては、第1の材料を、軽くて加工しやすいという特徴を有するシリコンとする場合を例にして説明する。
ひげぜんまい1を構成する第1の材料がシリコンであるとすると、ひげぜんまい1の製造や加工に際して、シリコン半導体基板に対して行う深堀りRIE技術を用いることができ、半導体装置を製造する際と同様な公知の製造技術を用いることができる。
図1(b)は、樹脂層6を形成した後の図であり、図1(a)に示すぜんまい部2を拡大した図面であって、図1(a)に示すA−A´断面の様子を模式的に示す断面図である。ぜんまい部2は一体で形成されており、ひげ玉3の周囲を巻回されているような形状を有している。図1(b)ではぜんまい部2の4つの部分を拡大して示している。このぜんまい部2は1つの構造体であり、この図1(a)のA−A´断面に含まれる4つの部分に、ぜんまい腕20a、20b、20c、20dの名称を付与して説明する。
ひげ持ち4につながる最外側湾曲部のぜんまい腕20d、及びヒゲ玉3の接続部3bのぜんまい腕(図1(b)には図示せず)には溝部7が形成されておらず、その内側の巻回のぜんまい腕20a、20b、20cの一平面2aには溝部7が設けてある。上述の説明の通り、ぜんまい腕20a〜20dは一体の構造物であるから、溝部7及び樹脂層6も1つの構造体である。ひげぜんまい1の表面及び溝部7の内部に、シリコンよりも剛性が低い樹脂であるパリレン(登録商標)として知られているパラキシリレン系樹脂が第2の材料の樹脂層6として形成されている。第2の材料は、第1の材料よりも粘靱性の高い材料である。
特に限定するものではないが、1つのぜんまい腕は、例えば、幅eは60μm、高さhは100μmである。このように幅方向に薄いぜんまい腕であっても、溝部7内及びぜんまい腕20a〜20d表面に樹脂層6を形成することによって、ぜんまい部2はもろさが緩和され、強靭にすることができる。
[第1実施形態の効果の説明]
巻回の幅eと高さhは溝部7の有無に関係なく同一でありながら、パラキシリレン系樹脂はシリコンよりも剛性が低いので、溝部7の中に樹脂層6が形成されているぜんまい腕20a〜20cよりも溝部7のない最外側湾曲部のぜんまい腕20d及びヒゲ玉3の接続部3bのぜんまい腕の方が剛性を高くすることができる。また、最外側湾曲部のぜんまい腕20dの幅eを厚くする必要がないので、隣の巻回と接触する危険性が少なく、ひげぜんまい1の破損を防止できる。さらに、ぜんまい部2の表面全体に剛性が低い(柔らかい)樹脂層6が形成されているので、仮に接触したとしても、破損する危険性は更に低くなる。また、第1の材料をシリコンとすれば、軽いひげぜんまいを構成できて便利である。
上記のように形成したひげぜんまいについて、シミュレーションソフトウェア上でひげぜんまいのモデルを作成し、動作分析を試みると、ひげぜんまいの剛性が振動特性に影響を与えることが判った。図5はひげぜんまいの挙動を示すシミュレーション画像である。図5(a)は溝部7を設けずにひげぜんまいの剛性を均一にしたモデルの例であり、振動の伸縮運動時に偏心を生じている(ヒゲ玉の貫通孔がひげぜんまい全体の中心にない)。図5(b)は最外側湾曲部の剛性を高めた本発明のぜんまい1のモデルの例であり、この場合には振動の伸縮運動時に偏心を生じていない(ヒゲ玉の貫通孔がひげぜんまい全体の中心にある)。
図5(a)のように、伸縮運動時に偏心が生じてしまうと、時計の時間精度を悪化させ
る原因となり、等時性が悪くなってしまう。一方、図5(b)のように、最外側湾曲部に溝を形成せずに剛性を高めると伸縮運動時に偏心が生じず、時計の等時性が非常に良好になる。
さらに、ひげぜんまい1を動作させたときに偏心した運動となってしまうと局所的にぜんまい腕の間隔が狭い部分ができてしまい隣のぜんまい腕と接触する可能性が高まるが、本発明のモデルのように同心状の運動であれば隣のぜんまい腕と接触する危険性は低下する。
本発明のひげぜんまい1を実際に動作させ、伸縮運動をハイスピードカメラで撮影し、確認したところ偏心した運動は観察されず、同心状の運動であることを確認することができた。
[第1実施形態の製造方法の説明:図2〜図3]
次に、本発明の第1の実施形態であるひげぜんまい1の製造方法について、図2及び図3を用いて説明する。
初めに、溝部7を有するひげぜんまい1の形状を形成し、次の段階でひげぜんまいの表面及び溝部に樹脂層6を形成する。
まず、図2(a)に示すように、少なくともひげぜんまい1が取り出せる大きさの面積と厚みとを有するシリコンの基板200を準備する。ひげぜんまい1の生産性を考慮に入れれば、ひげぜんまい1が多数個取り出せる大きさの基板200である方が好ましい。
次に、図2(b)に示すように、基板200に、ひげぜんまい1のぜんまい部2に溝部7を形成するために、この溝部7に相当する部分が開口したマスク8を知られているフォトリソグラフィ技術で形成する。マスク8は、例えばシリコン酸化膜である。特に限定しないが、このマスク8は1μmの膜厚で形成する。
そして、処理時間を管理しながら混合ガス(SF+C)を用いて、基板200をRIE技術でドライエッチングすることにより、図1(a)に示すように、ひげぜんまい1のぜんまい部2と、ひげ玉3と、ひげ持4とは、一体で形成される。そして、ぜんまい部2には所定の幅と深さの溝部7が形成される。
その後に、マスク8のみを除去することで、図2(c)に示す基板200を得る。このマスク8の除去は、例えば、基板200をフッ化水素酸を主成分とする公知のエッチング液に浸漬して行う。
次に、図2(d)に示すように、基板200のぜんまい部2となるぜんまい腕20a〜20dの幅に相当する部分(溝部は覆われている)を覆うようにマスク9を知られているフォトリソグラフィ技術で形成する。上述の通りこのマスク9は図示しないがひげぜんまい1の全体を形作る形状である。マスク9は、例えばシリコン酸化膜である。特に限定しないが、このマスク9は、基板200の表面より2μmの膜厚となるように形成する。
その後に、混合ガス(SF+C)を用いて、基板200を深堀りRIE技術でドライエッチングする。これにより、図3(e)に示すように、基板200からぜんまい腕20a〜20dを離断する。この状態では、図示はしないが、ひげぜんまい1は基板200から独立して切り出されており、ひげ玉3の貫通孔3aも貫通している。
その後に、マスク9のみを除去することで、図1(a)に示すように、シリコンから成
る溝部7を設けたひげぜんまい1の形状を得る。このマスク9の除去は、例えば、基板200をフッ化水素酸を主成分とする公知のエッチング液に浸漬して行う。
次に、ひげぜんまい1に樹脂層6を形成する方法について説明する。溝部7を設けたひげぜんまい1を形成した後、公知の成膜技術である気相蒸着重合法の薄膜形成プロセスによって、処理時間を管理しながら、ひげぜんまい1の表面及び溝部7に対して同時にパラキシリレン系樹脂の樹脂層6を形成する。
気相蒸着重合法によって成膜されるパラキシリレン系樹脂膜は付きまわり性が良いので、ひげぜんまい1表面全体に均一な厚さで成膜され、且つ、溝部7の内部にも成膜される。このとき、薄膜(樹脂層6)の厚みが増加して溝部7が埋まるのであるが、溝部7のサイズとの関係で、樹脂層6が薄い段階では、図3(f)に示すように溝部7の内部を樹脂層6で充填した状態にはならないが、樹脂層6が厚くなると、図3(g)に示すように溝部7を樹脂層6で充填した状態となる。
パラキシリレン系樹脂膜からなる樹脂層6は、経時変化が少なく非常に安定した材料であるので、長期使用しても粘靭性が変わらず、高い信頼性を有する。
[第1実施形態の製造方法の効果の説明]
以上のように、ひげぜんまい1を構成する第1の材料がシリコンであるとすると、ひげぜんまい1の製造や加工に際して、シリコン半導体基板に対して行う深堀りRIE技術を用いることができ、半導体装置を製造する際と同様な公知の製造技術を用いることができるので便利である。また、ぜんまい部2表面及び溝部7に第2の材料である樹脂層6を形成する際にも公知のCVD技法を採用して同時に加工できるので好都合である。
[第2実施形態]
[第2実施形態におけるぜんまいの構成の説明:図4(a)]
次に、第1実施形態のひげぜんまい1と渠形状の異なる構成例を、第2実施形態として図4(a)を用いて説明する。説明にあたっては、1つのぜんまい腕を例にして説明する。
上述の通り、ぜんまい腕は1つの連続した構造体であるが、例えば、図4(a)に示すように、ぜんまい部2のぜんまい腕21aにはその一平面2aに溝部17aを設けてあり、この一平面と対向する他の平面2bにも溝部17bを設けている。これらの溝部17a、17b及びぜんまい腕21aの表面には、それぞれ樹脂層16が形成されている。すなわち、第1実施形態におけるひげぜんまい1と、第2実施形態におけるひげぜんまい11との違いは、ひげぜんまい1が一平面2aのみに溝部7を設けたいたにに対し、ひげぜんまい11では、二つの平面2a、2bの両方に溝部17a、17bが設けられていることである。
[第3実施形態]
[第3実施形態おけるぜんまいの構成の説明:図4(b)]
次に、第1実施形態のひげぜんまい1と渠形状の更に異なる構成例を、第3実施形態として図4(b)を用いて説明する。図4(b)に示すように、ぜんまい腕22aを貫通するように溝部27aを設けてもよい。すなわち、ぜんまい部2のぜんまい腕22aには、その一平面2aと対向する他の平面2bとを貫通する溝部27aを設けるのである。この溝部27a及びぜんまい腕22aの表面には樹脂層26が形成されている。すなわち、第1実施形態におけるひげぜんまい1と、第3実施形態におけるひげぜんまい21との違いは、ひげぜんまい1が一平面2aのみに溝部7を設けたいたにに対し、ひげぜんまい21では、ぜんまい腕22aを貫通した溝部27aが設けられていることである。なお、ひげ
ぜんまい1及び樹脂層26の材料はそれぞれ第1実施形態と同じである。
[第2、第3実施形態の効果の説明]
上記のように第2実施形態及び第3実施形態のような構成にすれば、第1実施形態のようにぜんまい部2の一つの平面に溝部7を設けただけではひげぜんまい1の特性が不十分である場合に、一定の断面積を有するひげぜんまい11又は21のぜんまい腕21a又は22aに対して、樹脂層16又は26の体積の比率を増やすことができ、ひげぜんまいの特性を調整できる範囲が広がって便利である。
なお、いずれの実施形態でも、最外側湾曲部のぜんまい腕及びひげ玉との接続部のぜんまい腕の両方に溝部を形成しない例を示したが、これに限定されない。最外側湾曲部のぜんまい腕だけに溝部を形成しなくても良いし、ひげ玉との接続部のぜんまい腕だけに溝部を形成しなくても良い。いずれの場合であっても、同様の効果が得られる。
本発明は、ひげぜんまいの強度を向上させることができるから、特に腕時計のような可搬型の装置においては、不測の衝撃が印加される機会があるので、特に有効である。また、本実施形態においてはシリコンのひげぜんまいに付いて説明したが、これに限定されるものではなく、セラミックや、金属製のひげぜんまいにおいても有効である。
1、11、21 ひげぜんまい
2 ぜんまい部
20a、20b、20c、20d、21a、22a ぜんまい腕
2a 一平面
2b 平面
3 ひげ玉
3a 貫通孔
3b 接続部
4 ひげ持
6、16、26 樹脂層
7、17a、17b、27a 溝部
8、9 マスク
200 シリコン基板

Claims (5)

  1. 回転軸体と嵌合するための貫通孔を有するひげ玉と、前記ひげ玉と接続し、前記貫通孔を中心にして前記ひげ玉に巻回されるコイル形状のぜんまい部と、前記ぜんまい部の外端をテンプ受けに固定するためのひげ持とを有するひげぜんまいであって、
    最外側湾曲部、又はひげ玉との接続部を除いた前記ぜんまい部の少なくとも一平面に溝部を有し、前記溝部及び前記ひげぜんまい表面に樹脂層を設けることを特徴とするひげぜんまい。
  2. 前記ひげぜんまいは、シリコンであることを特徴とする請求項1に記載のひげぜんまい。
  3. 前記樹脂層は、パラキシリレン系樹脂であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のひげぜんまい。
  4. 前記溝部は、前記ぜんまい部の前記一平面からこれと対向する他方の平面まで貫通していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載のひげぜんまい。
  5. 回転軸体と嵌合するための貫通孔を有するひげ玉と、前記ひげ玉と接続し、前記貫通孔を中心にして前記ひげ玉に巻回されるコイル形状のぜんまい部と、前記ぜんまい部の外端をテンプ受けに固定するためのひげ持とを有するひげぜんまいの製造方法であって、
    前記ぜんまい部の、最外側湾曲部又はひげ玉との接続部となる箇所を除いて、基板に溝部を形成する工程と、
    前記基板をエッチングし、前記ぜんまい部に前記溝部を有する形状のひげぜんまいを形成するエッチング工程と、
    前記溝部及び前記ひげぜんまい表面に樹脂層を形成する工程と、を有する
    ことを特徴とするひげぜんまいの製造方法。
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