JP2016173356A - シリコン製機械部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリコン製機械部品を、シリコン基板から精度よく且つ充分な耐衝撃性及び耐久性を有するように、しかも効率よく製造できるようにする。
【解決手段】部品形成工程でシリコン基板20をエッチング加工して機械部品であるひげぜんまい10を形成し、水素アニール処理工程で、そのひげぜんまい10に水素アニール処理を施して各角部にRを付ける。部品形成工程では、機械部品であるひげぜんまい10が、シリコン基板20のエッチングされなかった部分に接続部14である一部分だけで接続した状態で、そのエッチングされなかった部分に支持されるようにエッチング加工するとよい。水素アニール処理は、800℃から1200℃の高温水素雰囲気中で予め設定した時間だけ行う。
【選択図】図1

Description

この発明は、機械式時計用部品等のシリコン製機械部品の製造方法に関する。
機械式時計は、歩度(一日あたりの時計の進み又は遅れの程度)を一定に保つために、ひげぜんまいとテン輪等によって構成する調速機構(てんぷ)が用いられている。ひげぜんまいは、優れた等時性を有するように設計され、そのひげぜんまいのバネ力によって、てんぷは規則正しく往復運動を行う。
さらに、そのてんぷにはガンギ車とアンクルで構成される脱進機構が接続されており、ひげぜんまいからエネルギーが伝達されて、てんぷの往復運動が回転運動に変換される。
ひげぜんまいは、通常、金属を加工して形成されるが、加工精度のばらつきや金属が有する内部応力の影響などによって、設計通りの形状が得られない場合が多い。
そこで、金属材料ではなく、シリコン材料を用いて、エッチング技術によってひげぜんまいを製造する提案がなされている。エッチング加工技術は、よく知られているように、シリコン材料を高精度に加工することが可能であり、一般的な金属によるひげぜんまいよりも加工精度のばらつきが少ないので、設計どおりの形状のひげぜんまいを製造することができる。
また、シリコンは金属よりも温度特性が良好なので、金属よりも環境温度に対して変形しにくいという特徴がある。
しかしながら、シリコン等の結晶構造を有する材料は脆性材料であるので、それを用いたひげぜんまいは耐衝撃性や耐久性などに問題があった。
そのため、例えば特許文献1には、シリコン等の結晶構造を有する材料で形成したひげぜんまいの表面に、金属等の導電性材料層を成膜して機械的な強度を高めることが提案されている。
特開2007−256290号公報(第4頁、図2)
しかしながら、上述した方法でひげぜんまいの強度を高めるには、シリコン等をエッチング加工して形成したひげぜんまいの表面に、導電性材料層を均一に成膜する作業工程が不可欠となる。このような導電性材料層をひげぜんまいの表面に均一に形成することは難しく、ひげぜんまいの形状にばらつきが生じ、等時性が悪化してしまうことがある。また、ひげぜんまいの製造工程が複雑になり、量産性に大きな問題が生じる。
このような問題は、機械式時計に使用する他の部品、例えばガンギ車、アンクル、歯車等、あるいは一般の精密機器等に使用する機械部品をシリコン等で製造する場合にも、同様に生じる。
この発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、機械式時計用部品等のシリコン製機械部品を、精度よく且つ充分な耐衝撃性及び耐久性を有するように、効率よく製造できるようにすることを目的とする。
この発明によるシリコン製機械部品の製造方法は、上記の目的を達成するため、シリコン基板をエッチング加工して機械部品を形成する部品形成工程と、その部品形成工程で形成された上記機械部品に水素アニール処理を施して機械部品の角部を丸くする水素アニール処理工程とを有することを特徴とする。
上記部品形成工程では、上記機械部品が上記シリコン基板のエッチングされなかった部分に一部分だけで接続した状態で、該エッチングされなかった部分に支持されるようにエッチング加工するとよい。
上記表面処理を施す工程における表面処理が水素アニール処理であるとよく、その場合、800℃から1200℃の高温水素雰囲気中で予め設定した時間アニール処理を行うとよい。
上記機械部品として、機械式時計の調速機構又は脱進機構を構成する部品、特にシリコン製ひげぜんまいを製造するとよい。
この発明によるシリコン製機械部品の製造方法によれば、機械式時計用部品等の機械部品を、精度よく且つ充分な耐衝撃性及び耐久性を有するように、比較的短時間で効率よく製造することができる。
この発明による製造方法で製造するシリコン製機械部品の一例であるひげぜんまいの製造中の状態を示す平面図である。 図1のA−A線に沿う断面の端面図である。 この発明で実施する水素アニール処理に関する説明図である。 シリコン製機械部品に変位荷重を加えて、それによる最大主応力を計測する様子を模式的に示す斜視図である。 図4に示したシリコン製機械部品の各稜線に沿う角部を丸くしB−B線に沿って断面にした拡大断面図である。 変位荷重5μmのときのR径をパラメータとする最大主応力の計測結果を示す線図である。 酸化膜除去によってシリコン部材の角部を丸くする方法を説明するための断面工程図である。 ひげぜんまいを構成するぜんまい部の一部を示す斜視図である。 水素アニール処理を施す前のシリコン部材の試料の一部を示す断面図である。 第1の実験条件で水素アニール処理を施した後の図9と同様な断面図である。 第2の実験条件で水素アニール処理を施した後の図9と同様な断面図である。 この発明の一実施形態であるひげぜんまいの製造方法を説明するための工程を示す断面図である。 この発明の他の実施形態であるガンギ車の製造方法を説明するための平面図とそのD−D線に沿う断面の端面図である。 この発明のさらに他の実施形態であるアンクルの製造方法を説明するための平面図とそのE−E線に沿う断面の端面図である。 この発明によるアンクルの製造方法の他の実施形態を説明するための図12と同様な工程図である。
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
〔ひげぜんまいの製造方法〕
先ず、この発明による製造方法で製造するシリコン製機械部品の一例であるひげぜんまいについて、図1及び図2によって説明する。図1はそのひげぜんまいの製造中の状態を示す平面図、図2は図1のA−A線に沿う断面の端面図である。
ひげぜんまい10は、機械式時計の調速機構に使用する部品であり、細い渦巻き形状のぜんまい部11、そのぜんまい部11の中心に位置するひげ玉12、そのぜんまい部11の終端に位置するひげ持ち13が一体に構成されている。そして、この製造工程では、シリコン基板20をエッチング加工して形成されたひげぜんまい10が、ひげ持ち13に続く幅の狭い接続部14である一部分のみで、シリコン基板20のエッチングされなかった部分に接続されている。
したがって、接続部14を切り離すだけで、このひげぜんまい10をシリコン基板20から分離して取り出すことができる。
20aは、このひげぜんまい10を形成するために、シリコン基板20にエッチング加工によって形成された渦巻き形状の隙間(空間)である。
ひげ玉12は、回転軸体と嵌合する貫通孔12aを有している。また、ひげ玉12とぜんまい部11とは接続部15によって接続されている。すなわち、ぜんまい部11は、接続部15を介してひげ玉12を中心にひげ玉12を巻回している形状である。
このひげぜんまい10の大きさは特に限定されないが、その一例をあげると、図2に示すようにぜんまい部11の幅をb、厚みをtとしたとき、b=100〜300μm、t=20〜70μm程度であり、大凡の直径は5〜7mm程度の範囲である。
このように、シリコン基板をRIE(Reactive Ion Etching)技術等でエッチング加工して形成したひげぜんまい10のようなシリコン部材1は、そのRIE加工表面に図3の(a)に示すような連続した凹面状のえぐれ(スキャロップ)やマイクロクラック等のミクロな凹凸が発生しており、縁部はエッジ状の角になっている。それらが、このようなシリコン部材1の耐衝撃性や耐久性を低下させる原因となっている。
そこで、この発明による製造方法では、シリコン基板をエッチング加工して形成したシリコン製機械部品であるひげぜんまい10(図3ではシリコン部材1)に水素アニール処理を施して、角部に丸み(「R:アール」という)を付ける。その水素アニール処理は、高温の水素雰囲気中で行う。
水素アニールにおける水素の役割は未だ完全には解明されていないが、最近の研究で、シリコン基板表面を水素終端することによって、清浄なシリコン基板表面が得られるという報告がなされている。清浄なシリコン(Si)表面原子は、表面エネルギーが高い凸部から、表面エネルギーが低い凹部へ、つまりエネルギー的に安定な方向へ拡散して、図3の(b)に示すようにシリコン部材1の表面を平滑化し、角部を丸くする、すなわちRを付ける作用をなす。
それによって、シリコン製機械部品の形状及び寸法を保持したまま、エッチング加工のときに形成されたスキャロップ等の加工荒れを除去して平滑化し、角部に丸み(R)を付けることができ、シリコン製機械部品の強度を向上させ、耐衝撃性及び耐久性を高めることができる。
〔角部にRを付けた場合の効果について〕
ここで、シリコン部材の角部にRを付けた場合の効果について、図4〜図6を用いて説明する。
図4は、シリコン部材に変位荷重を加えて、それによる最大主応力を計測する様子を模式的に示す斜視図である。
このシリコン部材1は、図4でZ方向の長さa、Y方向の幅(高さ)b,X方向の厚みcの直方体の試料である。この試験例では、a=200μm、b=150μm、c=50μmの寸法のシリコン部材1を使用した。
このシリコン部材1のZ方向の両端部を、それぞれ三角柱の支持体2の頂部稜線で支持して固定端とする。そして、上面におけるZ方向の中央でX方向の厚み(太線で示す)の中央点に、太線矢印Lで示す方向に、この点を5μm押し下げる変位荷重を印加する。その際、シリコン部材1の下面の変位荷重印加点と対向する点に太い破線矢印Sで示す方向に発生する最大主応力を測定した。
図5は、図4に示したシリコン部材1の各稜線に沿う角部にRを付けてB−B線に沿って断面にした拡大断面図である。
図6は、図4及び図5に太線矢印Lで示す方向の変位荷重が5μmのとき、R径(図5で角部に付けたRの半径、「フィレット径」とも云う)をパラメータとする、太い破線矢印Sで示す方向の最大主応力の計測結果を示す線図である。横軸は図5でX方向の厚みcの中央点を原点とするX座標〔μm〕を、縦軸は最大主応力〔Mpa〕をそれぞれ示す。
各曲線は上から下へ順に、R径が0、1、2、3、4、5〔μm〕の場合の各最大主応力特性を示している。
この図6に示す計測結果から明らかなように、R径が0のとき、すなわちシリコン部材1の各稜線に沿った角部にRが付いておらず、角部が直角を成しているときに最大主応力が最も大きく、破損し易いことが分かる。そして、角部にRを付け、そのR径を大きくする程、最大主応力が減少して破損し難くなる。
したがって、シリコン製機械部品にも、その各稜線に沿う角部に部品の性能に影響を与えない範囲で適切なR径のRを付けることによって、その耐衝撃性及び耐久性を高めることができることが分かった。
〔酸化膜除去によりRを付けた場合の問題点〕
シリコン部材の角部にRを付ける方法としては、酸化膜除去による方法があり、それを図7によって説明する。図7は、酸化膜除去によってシリコン部材の角部にR付けする方法を説明するための断面工程図である。
まず、Step1の工程で、直方体のシリコン(Si)部材1を数時間から数日かけて熱酸化し、その表面に酸化膜(SiO膜)3を形成する。それによって、酸化処理後のシリコン部材1′の各稜線に沿う角部における酸化膜3の内側に内側Rが、外側に外側Rが形成される。
その後、Step2の工程で、フッ酸等によって酸化膜3を除去すると、シリコン部材1′の各稜線に沿う角部に内側Rが残り、各角部にRが付く。
例えば、1.1μm程度の膜厚の酸化膜を形成するとR径0.5μm程度のRをシリコン部材1′の角部に付けることができるが、酸化膜の形成に8時間程度を要する。
また、4.5μm程度の膜厚の酸化膜を形成するとR径2μm程度のRをシリコン部材1′の角部に付けることができるが、酸化膜の形成に約4日かかる。
また、シリコン部材1の表面に熱酸化によって酸化膜3が形成される際に、表面部のシリコンSiが酸化して二酸化珪素SiOになるため、その酸化膜3を除去した後のシリコン部材1′の外形寸法は、当初のシリコン部材1の外形寸法より全体に幾分小さくなる。R径を大きくするためには形成する酸化膜3の膜厚を厚くする必要があるので、その熱酸化処理に時間がかかるばかりか、シリコン部材の寸法の減少も大きくなる。
そのため、この方法でシリコン製機械部品の角部にR付けすると、その寸法が変化してしまい、高い寸法精度が要求される部品を製造することはできない。また、酸化膜の形成に長時間を要するため、製造効率が悪くなる。
寸法精度に関しては、例えば前述したひげぜんまいの場合に特に高い寸法精度が要求される。
図8はひげぜんまいを構成するぜんまい部11の一部を示し、図1及び図2に示したひげぜんまい10と対応する部分には同一の符号を付している。
ひげぜんまいのサイズと時計の振動数fの関係は、ひげぜんまいのバネ定数Kとテンワの慣性モーメントIとのバランスで決まり、振動数fは次の数1によって求めれられる。
Figure 2016173356

K=Ebt/12L であり、ひげぜんまいのサイズで決まる。(E:ひげぜんまいの材料のヤング率、L:ぜんまい部11の全長、b:図8に示す幅、t:図8に示す厚み)
例えば、振動数fが0.05%ずれると、1日は86400秒なので、
0.05%×86400秒=43秒
であり、1日に40秒以上も狂うことが概算できる。
ぜんまい部11の厚みt=50μmのとき、その厚みtが0.5μm変化すると1%の変化であり、tとfのディメンションを考慮して同様に計算すると、
1%×(2/3)×86400秒=1296秒
であり、1日に約1300秒(=1時間に54秒)ずれると見積もられる。
したがって、ひげぜんまいの寸法精度は非常にシビアであることが分かる。
〔水素アニール処理によるR付けとその効果〕
そこで、この発明によるシリコン製機械部品の製造方法では、シリコン基板をエッチング加工して形成した機械部品に、水素アニール処理を施して角部にRを付ける。
その基礎となる2つの実験結果について説明する。
図9に示す角部1aを有する断面が方形のシリコン部材1の試料に対して、水素アニール処理を施した。
第1の実験条件
・水素(H)ガス流量 0.5slm
・温度と時間 800℃で5分→1100℃で90分→800℃で5分→室温
・圧力 10kPa
この条件で水素アニール処理を行った結果、図10に示すように、シリコン部材1の角部にR径がR1=1μmのRが付いた。処理時間は100分である。
第2の実験条件
・水素(H)ガス流量 0.5slm
・温度と時間 800℃で5分→1100℃で90分→800℃で5分→室温
・圧力 50kPa
この第2の実験条件は、第1の実験条件より圧力を5倍に高めただけである。この条件で水素アニール処理を行った結果、図11に示すように、シリコン部材1の角部にR径がR2=0.5μmのRが付いた。処理時間は同じく100分である。
したがって、圧力が低い方がR径が大きくなる傾向がある。また、当然ながら処理時間が長い方がR径が大きくなる。しかし、同じR径であれば、前述した酸化膜除去によってRを付けるよりも遥かに短い処理時間ですむ。
しかも、表面が平滑になるが、角部以外の外形寸法は殆ど変化しないので、寸法精度が高い部品を製造することができる。
〔ひげぜんまいの製造方法の実施形態〕
そこで、この発明の一実施形態として、シリコン製機械部品であるひげぜんまいの製造方法を図12によって説明する。図12は、そのひげぜんまいの製造方法を説明するための工程図である。
この図12におけるひげぜんまい10は、図1のA−A線に沿う断面の図2に示した端面に相当するが、図示の便宜上大幅に簡略化して示している。
この実施形態のひげぜんまいの製造方法では、図12に示す(a)〜(l)の工程を順に実行する。
(a)の工程では、シリコン基板20としてSOI(Silicon On Insulator)基板(「SOIウエハ」ともいう)を準備する。SOI基板は、シリコンウエハによる支持層21の上面に二酸化珪素(SiO)によるエッチングストップ層であるボックス層22が、さらにそのボックス層22の上面にシリコン(Si)による活性層23が、順に積層された構造になっている。活性層23がひげぜんまいを形成するシリコン層である。
シリコン基板20として、SOI基板を使用せずに、単結晶シリコン基板の内部に、SiOの層(ボックス層に相当)を形成し、単結晶シリコンの層でこのSiOの層を上下(上が活性層、下が支持層に相当)から挟んだような基板を使用してもよい。
(b)の工程では、シリコン基板20の活性層23上にさらに、エッチングマスクを形成するための二酸化珪素(SiO)膜31を成膜する。
そして、(c)の工程で、その二酸化珪素膜31上の全面にフォトレジスト32を塗布し、それをフォトリソグラフィ技術によって、製造するひげぜんまいの平面形状にパターニングする。
(d)の工程では、そのひげぜんまいの形状にパターニングされたフォトレジスト32をマスクとして二酸化珪素膜31をRIE技術によってエッチングし、製造するひげぜんまいの平面形状にパターニングする。
(e)の工程ではさらに、そのパターニングされた二酸化珪素膜31をエッチングマスクとして、深掘りRIE(Deep-RIE)技術によって、活性層23をひげぜんまい10の平面形状に、ボックス層22に達するまでエッチングする。
その深掘りRIE技術は、エッチングガスとして六フッ化硫黄(SF)や、それと八フッ化シクロブタン(C)との混合ガスなどを使用する、アスペクト比が高いエッチングが可能なドライエッチングであるが、これは公知の技術である。
このとき、ひげぜんまい10は、その一部分が図1に示した接続部14によって、活性
層23のエッチングされなかった部分に接続した状態で支持されている。シリコン基板20をこのように加工した状態を加工基板20Aとする。
その後、(f)の工程で二酸化珪素膜31上のフォトレジスト32を除去する。ここまでの工程が、シリコン基板20をエッチング加工して、機械部品であるひげぜんまい10を形成する部品形成工程である。なお、ひげぜんまい10は、その一部分だけがシリコン基板20のエッチングされなかった部分に接続した状態で支持されるように、加工基板20Aを形成する。
ここまでは、シリコン基板をエッチング加工してひげぜんまいのような機械部品を製造する際の従来の工程と同様である。
次の(g)の工程からがこの実施形態に特有の工程である。
(g)の工程では、加工基板20Aの支持層21の下面の全面にフォトレジスト33を塗布し、それをフォトリソグラフィ技術によって、少なくともひげぜんまい10に対応する全領域を含む大きさの開口33aを形成するようにパターニングする。
そして、(h)の工程で、開口33aを形成したフォトレジスト33をマスクとして、加工基板20Aの支持層21を、RIE技術又は深掘りRIE技術によってボックス層22に達するまでエッチングする。それによって、フォトレジスト33の開口33aと同じ大きさの開口21aを支持層21に形成する。この状態のシリコン基板を加工基板20Bとする。
その後、(i)の工程でフォトレジスト33を剥離し、(j)の工程で、フッ酸によって加工基板20Bのボックス層22とマスクに使用した二酸化珪素膜31を除去する。ボックス層22は、支持層21と活性層23に挟まれた部分が、エッチングされずに僅かに残る。この状態のシリコン基板を加工基板20Cとする。
この加工基板20Cでは、ひげぜんまい10が図1に示した接続部14のみによって活性層23と接続された片持ち状態で、支持層21の開口21a内にすべて露出する。そのため、ひげぜんまい10は自重と弾性によって、ひげ玉12を設けた中央部が最も低くなるように下がって若干傾斜するが、支持層21の開口21a内で下がるため、支持層21に接触することはない。
上記(g)〜(j)の工程が、機械部品であるひげぜんまい10が加工基板20Cのひげぜんまい10以外の部分と接触しないように加工基板20Aを加工する工程である。
この状態で、次の(k)の工程で、ひげぜんまい10を保持する加工基板20C全体を水素アニール処理用のチャンバー内に配置し、そのチャンバー内全体を高温の水素雰囲気にして水素アニール処理を行う。その処理条件として、例えば、水素(H)ガスの流量を0.5slm、圧力を50kPaで、温度を800℃で5分→1100℃で15分→800℃で5分の処理を順次実施するとよい。
水素アニールの処理条件はこれに限るものではなく、求められる性能により800℃から1200℃程度の高温水素雰囲気中で、予め設定したガス流量、圧力、時間、例えばガス流量0.5〜2slm、圧力5〜100kPaで、15分〜9時間ほどアニール処理を行うとよい。
この水素アニール処理によって、ひげぜんまい10の表面のスキャロップ等の加工荒れが除去されて表面が平滑化し、角部に丸み(R)が付く。それによって、シリコンで形成されたひげぜんまい10の品質が向上し、耐衝撃性及び耐久性が高まる。
そして、ひげぜんまい10は水素アニール処理中、図1に示した接続部14以外は加工基板20Cのどこにも接触していないので、その全表面に均一に水素アニール処理を施すことができる。しかも、張り付きが発生することはない。
そのため、(l)の工程で、図1に示した接続部14を切断すれば、加工基板20Cから、ひげ玉12を設けたひげぜんまい10を、損傷することなく分離して容易に取り出すことができる。
この工程が、機械部品であるひげぜんまい10を、活性層23と接続した部分(接続部14)を切断して加工基板20Cから分離する工程である。
このようにして、水素アニール処理によって角部にRを付けて強度を高めたシリコン製のひげぜんまいを、容易且つ確実に製造することができる。
なお、このひげぜんまい10は、半導体部品を製造する場合と同様に、1枚のシリコン基板20から同時に複数個あるいは多数個製造することができる。その場合、加工基板20Bの支持層21の開口21aを、各ひげぜんまい10に対応する領域に個別に形成してもよいが、活性層23によって複数個あるいは全てのひげぜんまいを保持できる場合は、複数個のひげぜんまい10を含む領域に対して1個、若しくは全てのひげぜんまい10を含む領域に対して1個形成してもよい。
このようにすれば、水素アニール処理したシリコン製のひげぜんまいを効率よく製造することができる。
ところで、シリコン基板20の活性層23をエッチング加工してひげぜんまい10を形成した図12の(f)に示した状態で、加工基板20Aの二酸化珪素膜31とボックス層22を除去すると、ひげぜんまい10のひげ玉12を有する中央部が自重によって下がって支持層21の上面に接触してしまう。その状態で水素アニール処理を行うと、水素アニール処理中にその接触した部分のシリコン分子同士が反応して張り付きを起こし、水素アニール処理後ひげぜんまい10の回収が不能になる。
ひげぜんまい10を加工基板から取り出し、別のシリコン基板に支持させて水素アニール処理を行っても、ひげぜんまい10の下面がその別のシリコン基板の上面に接触するため張り付きを起こし、やはりひげぜんまい10の回収が不能になる。
そこで、シリコン以外の張り付きが発生しない支持部材を使用する方法も考えられるが、そうすると水素アニール処理中にその材料も水素と反応し、その分子によってシリコン部分が破壊されてしまうことがあるため好ましくない。
この実施形態によるひげぜんまいの製造方法は、上述したような問題を解消することができる。すなわち、シリコン基板をエッチング加工して形成したひげぜんまいを、その製造工程中に表面全体に水素アニール処理を施して、全ての角部にRを付けてその強度を高めることができる。しかも張り付きが生じないので、そのひげぜんまいを容易に回収することができる。
〔ガンギ車及びアンクルの製造方法の実施形態〕
この発明は、ひげぜんまいに限らず各種のシリコン製機械部品の製造に適用できる。その一例として機械式時計の脱進機構に使用するガンギ車及びアンクルの製造方法の実施形態について、図13と図14によって説明する。
図13は、ガンギ車の製造方法の実施形態を説明するための図であり、図12における(j)の工程に相当する工程を示し、(a)は平面図、(b)はそのD−D線に沿う断面の端面図である。なお、便宜上、シリコン基板20を加工した加工基板20Cと、それを構成する支持層21、ボックス層22及び活性層23は、図12に示した加工基板20Cと同じ符号を使用する。
図12における(a)〜(f)の工程と同様の工程によって、図13に示すように、シリコン基板の活性層23をエッチング加工してガンギ車50を形成する。このガンギ車50は、外周に一定間隔で多数の爪状の歯部51を設けたリング部52と、それを支持する
ハブ部53及び4本の支持アーム54からなる。ハブ部53の中心には軸孔53aが形成されている。
このガンギ車50は、図13の(a)に示すように、活性層23の開口23a内に残された先細り形状の接続部23bの先端部のみによって活性層23と接続されて、シリコン基板に保持されている。
そして、図13の(b)に示すように、シリコン基板の支持層21の少なくともガンギ車50に対応する領域に開口21aを形成し、ガンギ車50を下から支持していたボックス層22をエッチングによって除去する。この状態が加工基板20Cである。
それによって、ガンギ車50は自重と弾性によって、接続部23bと反対側(図13で左側)の端部が最も低くなるように若干下がって傾斜する。しかし、支持層21の少なくともガンギ車50と対応する領域には開口21aが形成されているため、ガンギ車50が支持層21に接触することはない。
この状態で、図12における(k)の工程と同様に、ガンギ車50を保持する加工基板20C全体を水素アニール処理用のチャンバー内に配置し、そのチャンバー内全体を高温の水素雰囲気にして水素アニール処理を行う。それによって、シリコンで形成されたガンギ車50の表面を平滑化し、全ての角部に丸み(R)を付けて強度を高めることができる。
そして、このガンギ車50は水素アニール処理中、接続部23bの先端部以外に加工基板20Cのどこにも接触していないので、ガンギ車50の全表面に均一に水素アニール処理を施すことができ、張り付きが発生することもない。
そのため、水素アニール処理後に、接続部23bを切断すれば、加工基板20Cから、ガンギ車50を損傷することなく容易に取り出すことができる。
このようにして、水素アニール処理によって全ての角部にRを付けて強度を高めたシリコン製のガンギ車を、容易且つ確実に製造することができる。
図14は、アンクルの製造方法の実施形態を説明するための図であり、図12における(j)の工程に相当する工程を示し、(a)は平面図、(b)はそのE−E線に沿う断面の端面図である。なお、この図14においても、便宜上、加工基板20Cとその各層には、図12に示した加工基板20Cと同じ符号を使用する。
図12における(a)〜(f)の工程と同様の工程によって、図14に示すように、シリコン基板の活性層23をエッチング加工してアンクル60を形成する。このアンクル60は、サオ61と腕62とがT字状に形成され、腕62の両端部にサオ61と反対方向に突出する爪部63を有し、腕62の中央部に軸孔64が設けられている。
このアンクル60は、図14の(a)に示すように、活性層23の開口23c内に延びる先細り形状の接続部23dの先端部のみによって活性層23と接続されて、シリコン基板20に保持されている。
そして、図14の(b)に示すように、シリコン基板の支持層21の少なくともアンクル60に対応する領域に開口21aを形成し、アンクル60を下から支持していたボックス層22をエッチングによって除去する。この状態が加工基板20Cである。
それによって、アンクル60は自重と弾性によって、接続部23dと反対側(図14で左側)の端部が最も低くなるように若干下がって傾斜するが、支持層21に開口21aが形成されているため、支持層21に接触することはない。
この状態で、図12における(k)の工程と同様に、アンクル60を保持する加工基板20C全体を水素アニール処理用のチャンバー内に配置し、そのチャンバー内全体を高温の水素雰囲気にして水素アニール処理を行う。それによって、シリコンで形成されたアンクル60の表面を平滑化し、全ての角部に丸みを付けて強度を高めることができる。
そして、このアンクル60は水素アニール処理中、接続部23bの先端部以外に加工基板20Cのどこにも接触していないので、アンクル60の全表面に均一に水素アニール処理を施すことができ、張り付きが発生することもない。
そのため、水素アニール処理後に、接続部23dを切断すれば、加工基板20Cから、アンクル60を損傷することなく容易に取り出すことができる。
このようにして、水素アニール処理によって全ての角部にRを付けて強度を高めたシリコン製のアンクル60を、容易且つ確実に製造することができる。
このようにガンギ車50あるいはアンクル60を製造する場合も、前述したひげぜんまいを製造する場合と同様に、1枚のシリコン基板から同時に複数個あるいは多数個製造することができる。その場合、加工基板20Cの支持層21の開口21aは、各ガンギ車50あるいはアンクル60に対応する領域に個別に形成することになる。しかし、活性層23によって複数個若しくは全てのガンギ車50又はアンクル60を保持できる場合は、支持層21の開口21aを、複数個のガンギ車50又はアンクル60を含む領域に対して1個、若しくは全てのガンギ車50又はアンクル60を含む領域に対して1個形成すればよい。
そのようにすれば、水素アニール処理したシリコン製のガンギ車又はアンクルを一層効率よく製造することができる。
〔アンクルの製造方法の他の実施形態〕
次に、この発明によるアンクルの製造方法の他の実施形態を図15によって説明する。図15は、そのアンクル製造方法の各工程を示す図12と同様な工程図であり、図12と対応する図分には同一の符号を付している。
この実施形態のアンクル製造方法では、図15に示す(a)〜(l)の工程を順に実行する。
(a)の工程では、シリコン基板25としてSOI基板ではなく、単結晶シリコン基板(「シリコンウエハ」ともいう)を準備する。
そして、(b)の工程では、そのシリコン基板25の上面に、エッチングマスクを形成するための二酸化珪素(SiO)膜31を成膜する。
(c)の工程で、その二酸化珪素膜31上の全面にフォトレジスト32を塗布し、それをフォトリソグラフィ技術によって、図14の(a)に示したような製造するアンクルの平面形状にパターニングする。
(d)の工程では、そのアンクルの形状にパターニングされたフォトレジスト32をマスクとして二酸化珪素膜31をRIE技術によってエッチングし、製造するアンクルの平面形状にパターニングする。
(e)の工程ではさらに、そのパターニングされた二酸化珪素膜31をエッチングマスクとして、前述した深掘りRIE(Deep-RIE)技術によって、シリコン基版25をアンクルの平面形状に、その厚さに達するまでエッチングする。
それによって、シリコン基板25の上半部にアンクル60となる部分と図14に示した接続部23dに相当する接続部25dとを残して開口25cが形成され、アンクル60となる部分の外周側面は、エッチングされなかった接続部25dのみでシリコン基板25の内周面に接続した状態になる。シリコン基板25をこのように加工した状態を加工基板25Aとする。
その後、(f)の工程で二酸化珪素膜31上のフォトレジスト32を除去する。ここまでの工程が、シリコン基板25をエッチング加工して、機械部品であるアンクル60を形成すると共に、その一部分だけがシリコン基板25のエッチングされなかった部分に接続した状態で支持されるように加工基板25Aを形成する工程である。
(g)の工程では、加工基板25Aの下面の全面にフォトレジスト33を塗布し、それをフォトリソグラフィ技術によって、少なくともアンクル60に対応する全領域を含む大きさの開口33aを形成するようにパターニングする。
そして、(h)の工程で、開口33aを形成したフォトレジスト33をマスクとして、加工基板20Aを、RIE技術又は深掘りRIE技術によってアンクル60となる部分に達するまでエッチングする。それによって、フォトレジスト33の開口33aと同じ大きさの開口25aを加工基板25Aに形成する。この状態のシリコン基板を加工基板25Bとする。
その後、(i)の工程でフォトレジスト33を剥離し、(j)の工程で、フッ酸によって加工基板25Bのマスクに使用した二酸化珪素膜31を除去する。この状態のシリコン基板を加工基板25Cとする。
この加工基板25Cでは、アンクル60が図14に示した接続部23dに相当する接続部25dのみによって、シリコン基板25のエッチングされなかった部分に接続した状態で片持ち状態で支持され、開口25a内にすべて露出する。そのため、アンクル60は自重と弾性によって、接続部25dと反対側(図15で左側)の端部が最も低くなるように若干下がって傾斜するが、加工基板25Cの開口25a内で傾斜するため、加工基板25Cのアンクル60以外の部分と接触することはない。
上記(g)〜(j)の工程が、機械部品であるアンクル60が加工基板25Cのアンクル60以外の部分と接触しないように加工基板25Aを加工する工程である。
この状態で、次の(k)の工程で、アンクル60を保持する加工基板25C全体を水素アニール処理用のチャンバー内に配置し、そのチャンバー内全体を高温の水素雰囲気にして水素アニール処理を行う。
水素アニールの処理条件は、求められる性能により800℃から1200℃程度の高温水素雰囲気中で、予め設定したガス流量、圧力、時間、例えばガス流量0.5〜2slm、圧力5〜100kPaで、15分〜6時間ほどアニール処理を行うとよい。
この水素アニール処理によって、アンクル60の表面のスキャロップ等の加工荒れが除去されて表面が平滑化し、全ての角部に丸み(R)が付く。それによって、シリコンで形成されたアンクル60の強度を高めることができ、耐衝撃性及び耐久性が高まる。
そして、アンクル60は水素アニール処理中、接続部25dの先端部以外に加工基板25Cのどこにも接触していないので、その全表面に均一に水素アニール処理を施すことができ、張り付きが発生することもない。
そのため、(l)の工程で、接続部25dを切断すれば、加工基板25Cから、アンクル60を損傷することなく分離して容易に取り出すことができる。
この工程が、機械部品であるアンクル60を、加工基板25Cと接続した部分(接続部25d)を切断して加工基板25Cから分離する工程である。
このようにして、水素アニール処理によって全ての角部にRを付けて強度を高めたシリコン製のアンクルを、容易且つ確実に製造することができる。
なお、この場合も1枚のシリコン基板25から同時に複数個あるいは多数個のアンクル60を製造することができる。その場合、加工基板25Bの開口25aを、複数個あるいはすべてのアンクル60を含む領域に対して1個形成すればよい。
この実施形態と同様に、単結晶のシリコン基板(シリコンウエハ)をエッチング加工して、ガンギ車やその他のシリコン製機械部品も製造することができる。
この製造方法では、前述したSOI基板を使用する製造方法と比較すると、深掘りRIE技術によって機械部品の厚さ方向のエッチングを行う際のエッチングストップ層となるボックス層がないため、機械部品の厚さ精度を出しにくい。しかし、アンクルやガンギ車のように比較的厚さ寸法が大きく、その精度も特に厳しくはない機械部品を製造する場合にはあまり問題にならない。むしろ、安価に効率よく各種の機械部品を製造できる。
この発明は、機械式時計に使用する他の機械部品、例えばテン輪や各種の歯車、指針などの製造にも同様に適用できる。さらに、時計以外のカメラや計測器、その他各種精密機械の部品の製造にも適用することができる。
以上、この発明の実施形態について説明してきたが、その実施形態の各部の具体的な構成や処理の内容等は、そこに記載したものに限るものではない。
また、この発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に記載された技術的特徴を有する以外は、何ら限定されるものではないことは言うまでもない。
さらに、以上説明してきた各実施形態の構成例、動作例及び変形例等は、適宜変更又は追加したり、一部を削除してもよく、相互に矛盾しない限り任意に組み合わせて実施することも可能であることは勿論である。
この発明によるシリコン製機械部品の製造方法は、機械式時計をはじめ種々の精密機器に使用する部品の製造に適用することができる。
1:シリコン部材(試料) 1′:酸化処理後のシリコン部材
2:支持体 3:酸化膜(SiO膜)
10:ひげぜんまい 11:ぜんまい部 12:ひげ玉 12a:貫通孔
13:ひげ持ち 14,15:接続部
20:シリコン基板(SOI基板) 20a:隙間(空間)
20A,20B,20C,20D:シリコン基板20の加工基板 21:支持層
21a:支持層の開口 22:ボックス層 23:活性層
23a,23c:活性層の開口 23b,23d,25d:接続部
25:シリコン基板(単結晶シリコン基板)
25a,25c:シリコン基板25の開口
25A,25B,25C:シリコン基板25の加工基板
31:二酸化珪素膜 32,33:フォトレジスト 33a:フォトレジストの開口 40:別のシリコン基板 50:ガンギ車 51:歯部 52:リング部
53:ハブ部 53a:軸孔 54:支持アーム 60:アンクル
61:サオ 62:腕 63:爪部 64:軸孔

Claims (5)

  1. シリコン基板をエッチング加工して機械部品を形成する部品形成工程と、
    該部品形成工程で形成された前記機械部品に水素アニール処理を施して前記機械部品の角部を丸くする水素アニール処理工程と、
    を有することを特徴とするシリコン製機械部品の製造方法。
  2. 前記部品形成工程では、前記機械部品が前記シリコン基板のエッチングされなかった部分に一部分だけで接続した状態で、該エッチングされなかった部分に支持されるようにエッチング加工することを特徴とする請求項1に記載のシリコン製機械部品の製造方法。
  3. 前記水素アニール処理を、800℃から1200℃の高温水素雰囲気中で予め設定した時間だけ行うことを特徴とする請求項1に記載のシリコン製機械部品の製造方法。
  4. 前記機械部品が、機械式時計の調速機構又は脱進機構を構成する部品であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のシリコン製機械部品の製造方法。
  5. 前記機械部品が、機械式時計のひげぜんまいであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のシリコン製機械部品の製造方法。

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