JP2017046595A - 塩味増強剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】食塩の使用量を低減しても飲食品の塩味や満足感を損なわない減塩技術を提供する。
【解決手段】塩味物質とメチオノールを10ppm以上の濃度で含む塩味増強剤またはその原料に添加して塩味の増強された飲食品を製造する。塩味物質は、塩化ナトリウム、塩化カリウムおよび/または塩化アンモニウムである。
【選択図】なし
【解決手段】塩味物質とメチオノールを10ppm以上の濃度で含む塩味増強剤またはその原料に添加して塩味の増強された飲食品を製造する。塩味物質は、塩化ナトリウム、塩化カリウムおよび/または塩化アンモニウムである。
【選択図】なし
Description
本発明は、塩味増強剤およびその利用に関する。
食塩の主成分である塩化ナトリウムは、必須ミネラルであるナトリウム源として、ヒトの生命維持に不可欠な物質である。食塩は、塩味(salty taste)の付与を始めとする種
々の用途で飲食品に利用されている。しかしながら、食塩の過剰摂取は、諸説あるものの高血圧、腎臓病、心臓病等の疾病を引き起こすリスクを高めると考えられている。そのため、健康面から、食塩摂取量、特にナトリウム摂取量を低減することが重要視されている。
々の用途で飲食品に利用されている。しかしながら、食塩の過剰摂取は、諸説あるものの高血圧、腎臓病、心臓病等の疾病を引き起こすリスクを高めると考えられている。そのため、健康面から、食塩摂取量、特にナトリウム摂取量を低減することが重要視されている。
食塩摂取量は、例えば、飲食品を製造する際の食塩の使用量を減らすこと(減塩)により低減できる。しかしながら、減塩時には、塩味の不足により満足感が低下するという問題が生ずる。そのため、食塩の使用量を低減しても飲食品の塩味や満足感を損なわない減塩技術の開発が強く求められている。
減塩技術としては、例えば、それ自体が塩味を呈する化合物(食塩代替物質)で食塩の一部を代替する方法が挙げられる。食塩代替物質としては、例えば、塩化カリウム等のカリウム塩、塩化アンモニウム等のアンモニウム塩、塩化マグネシウム等のマグネシウム塩、アミノ酸の塩酸塩、塩基性アミノ酸からなるペプチド類が知られている。しかしながら、これら食塩代替物質には、通常、苦味等の不快な呈味を示すという欠点があり、消費者のニーズにあった減塩技術には到達していない。
また、減塩技術としては、例えば、塩味を増強する化合物(塩味増強物質)を用いる方法が挙げられる。塩味増強物質としては、例えば、有機酸類やアルギニンが知られている。また、醤油にも塩味増強作用があり、醤油の添加により食品の減塩が可能との報告がある(非特許文献1)。醤油にはおよそ300種類の香気成分が確認されているが、それらの内、例えば、HEMF(4−ヒドロキシ−2(5)−エチル−5(2)−メチル−3(2H)−フラノン)とフルフリルアルコールは、相互作用により塩辛い匂いを呈することが知られている(特許文献1)。また、醤油の香気成分の1つであるメチオナールに塩味増強作用があることが知られている(特許文献2)。
また、メチオノールも醤油の香気成分の1つとして知られている。メチオノールは、例えば、調味料や香料の成分として、0.05ppm〜1.0ppm程度の濃度で使用される。メチオノールの添加により、飲食品の醸造風味を増強することができる。しかしながら、メチオノールに塩味増強作用があることは知られていない。
Kremer S, et al., J Food Sci. 2009 Aug; 74(6): S255-262.
本発明は、食塩の使用量を低減しても飲食品の塩味や満足感を損なわない減塩技術を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、メチオノールに塩味増強作用があることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
メチオノールを含む、塩味増強剤。
[2]
さらに、塩化ナトリウム以外の塩化物を含む、[1]に記載の塩味増強剤。
[3]
前記塩化物が、塩化カリウムおよび/または塩化アンモニウムである、[2]に記載の塩味増強剤。
[4]
さらに、塩化ナトリウムを含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の塩味増強剤。
[5]
メチオノールを、10ppm以上の濃度で含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の塩味増強剤。
[6]
[1]〜[5]のいずれかに記載の塩味増強剤を飲食品またはその原料に添加することを含む、塩味の増強された飲食品の製造方法。
[7]
メチオノールを飲食品またはその原料に添加することを含む、塩味の増強された飲食品の製造方法。
[8]
さらに、塩化ナトリウム以外の塩化物を添加することを含む、[7]に記載の方法。
[9]
前記塩化物が、塩化カリウムおよび/または塩化アンモニウムである、[8]に記載の方法。
[10]
さらに、塩化ナトリウムを添加することを含む、[7]〜[9]のいずれかに記載の方法。
[11]
メチオノールが、メチオノールの喫食濃度が0.5ppm〜50ppmとなるように添加される、[7]〜[10]のいずれかに記載の方法。
[12]
前記塩化物が、当該塩化物の喫食濃度が0.2%〜0.7%となるように添加される、[8]〜[11]のいずれかに記載の方法。
[1]
メチオノールを含む、塩味増強剤。
[2]
さらに、塩化ナトリウム以外の塩化物を含む、[1]に記載の塩味増強剤。
[3]
前記塩化物が、塩化カリウムおよび/または塩化アンモニウムである、[2]に記載の塩味増強剤。
[4]
さらに、塩化ナトリウムを含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の塩味増強剤。
[5]
メチオノールを、10ppm以上の濃度で含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の塩味増強剤。
[6]
[1]〜[5]のいずれかに記載の塩味増強剤を飲食品またはその原料に添加することを含む、塩味の増強された飲食品の製造方法。
[7]
メチオノールを飲食品またはその原料に添加することを含む、塩味の増強された飲食品の製造方法。
[8]
さらに、塩化ナトリウム以外の塩化物を添加することを含む、[7]に記載の方法。
[9]
前記塩化物が、塩化カリウムおよび/または塩化アンモニウムである、[8]に記載の方法。
[10]
さらに、塩化ナトリウムを添加することを含む、[7]〜[9]のいずれかに記載の方法。
[11]
メチオノールが、メチオノールの喫食濃度が0.5ppm〜50ppmとなるように添加される、[7]〜[10]のいずれかに記載の方法。
[12]
前記塩化物が、当該塩化物の喫食濃度が0.2%〜0.7%となるように添加される、[8]〜[11]のいずれかに記載の方法。
本発明により、飲食品の塩味を増強することができ、減塩時の塩味の不足と満足感の低下を改善できる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において、量比(濃度等)は、特記しない限り質量を基準とする比率である。すなわち、例えば、「%」は特記しない限り「%(w/w)」を、「ppm」は特記しない限り「ppm(w/w)」を示す。また、本発明において、ある成分の「喫食時の濃度」とは、当該成分を含有する飲食品を喫食する際の
、当該飲食品における当該成分の濃度をいう。
、当該飲食品における当該成分の濃度をいう。
<1>本発明の塩味増強剤
本発明の塩味増強剤は、メチオノールを含む塩味増強剤である。
本発明の塩味増強剤は、メチオノールを含む塩味増強剤である。
メチオノールとしては、市販品を用いてもよく、適宜製造して取得したものを用いてもよい。
メチオノールの製造方法は特に制限されず、例えば公知の方法を利用できる。例えば、メチオノールは、化学合成、酵素反応、またはその組み合わせにより製造することができる。また、例えば、メチオノールは、メチオノールの生産能を有する微生物を培養し、培養物からメチオノールを回収することで製造することができる。具体的には、例えば、メチオニンを含有する培地で酵母を培養することによりメチオノールを製造することができる(M. M. W. Etschmann et al., Appl. Microbiol. Biotechnol., 80, 579-587 (2008) 等)。また、例えば、メチオノールは、メチオノールを含有する農水畜産物やそれらの加工品から回収することで製造することができる。
メチオノールは、精製品であってもよく、そうでなくてもよい。メチオノールとしては、例えば、メチオノールを含有する素材を、そのまま、あるいは、適宜、濃縮、希釈、乾燥、分画、抽出、精製等の処理に供してから、利用することができる。すなわち、本発明において用いられるメチオノールとして、具体的には、例えば、メチオノールの生産能を有する微生物を培養して得られた培養物、該培養物から分離した培養上清、該培養物から分離した菌体、メチオノールを含有する農水畜産物、該農水畜産物の加工品、それらの濃縮物(濃縮液)や濃縮乾燥物、それらから分離したメチオノールの粗精製品や精製品、その他メチオノールを含有する画分が挙げられる。メチオノールは、所望の程度に精製されていてよい。例えば、メチオノールとしては、純度が30%(w/w)以上、50%(w/w)以上、70%(w/w)以上、90%(w/w)以上、または95%(w/w)以上のものを用いてもよい。
本発明の塩味増強剤は、メチオノールのみからなるものであってもよく、その他の成分を含むものであってもよい。
「その他の成分」は、経口摂取可能なものであれば特に制限されない。「その他の成分」としては、例えば、調味料、飲食品、または医薬品に配合して利用されるものを利用できる。
「その他の成分」として、具体的には、例えば、砂糖、蜂蜜、メープルシロップ、スクロース、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、異性化糖、オリゴ糖等の糖類;ソルビトール、還元麦芽糖(マルチトール)、キシリトール、エリスリトール、トレハロース等の糖アルコール類;天然または人工甘味料;食塩、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の無機塩類;酢酸、クエン酸、コハク酸等の有機酸類およびそれらの塩;グルタミン酸、グリシン等のアミノ酸類およびそれらの塩;イノシン酸、グアニル酸、キサンチル酸等の核酸類およびそれらの塩;食物繊維、pH緩衝剤、香料、食用油、エタノール、水が挙げられる。なお、本発明において、アミノ酸は、特記しない限りL−体であってよい。「その他の成分」としては、1種の成分を用いてもよく、2種またはそれ以上の成分を組み合わせて用いてもよい。
塩は、経口摂取可能なものであれば特に制限されない。例えば、カルボキシル基等の酸性基に対する塩としては、具体的には、アンモニウム塩、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属との塩、アルミニウム
塩、亜鉛塩、トリエチルアミン、エタノールアミン、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ジシクロへキシルアミン等の有機アミンとの塩、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸との塩が挙げられる。また、例えば、アミノ基等の塩基性基に対する塩としては、具体的には、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、臭化水素酸等の無機酸との塩、酢酸、クエン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、タンニン酸、酪酸、ヒベンズ酸、パモ酸、エナント酸、デカン酸、テオクル酸、サリチル酸、乳酸、シュウ酸、マンデル酸、リンゴ酸等の有機カルボン酸との塩、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸との塩が挙げられる。塩としては、1種の塩を用いてもよく、2種またはそれ以上の塩を組み合わせて用いてもよい。
塩、亜鉛塩、トリエチルアミン、エタノールアミン、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ジシクロへキシルアミン等の有機アミンとの塩、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸との塩が挙げられる。また、例えば、アミノ基等の塩基性基に対する塩としては、具体的には、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、臭化水素酸等の無機酸との塩、酢酸、クエン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、タンニン酸、酪酸、ヒベンズ酸、パモ酸、エナント酸、デカン酸、テオクル酸、サリチル酸、乳酸、シュウ酸、マンデル酸、リンゴ酸等の有機カルボン酸との塩、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸との塩が挙げられる。塩としては、1種の塩を用いてもよく、2種またはそれ以上の塩を組み合わせて用いてもよい。
本発明は、任意の減塩技術と組み合わせてもよい。例えば、本発明の塩味増強剤は、塩化ナトリウム以外の、それ自体が塩味を呈する化合物を含んでいてもよい。それ自体が塩味を呈する化合物としては、例えば、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化アンモニウム等の塩化物、グリシンエチルエステル塩酸塩やリジン塩酸塩等のアミノ酸の塩酸塩、オルニチルタウリン、オルニチル−β−アラニン、グリシルリジン等のペプチド類が挙げられる(特許文献2)。これらの中では、塩化物が好ましく、塩化カリウムおよび/または塩化アンモニウムがより好ましい。なお、本発明において、「塩化物」とは、特記しない限り、塩化ナトリウムを除く塩化物を意味する。塩化物は酸味やエグ味等の雑味を有し得るが、本発明においては、メチオノールと塩化物の併用により、塩化物の酸味やエグ味等の雑味がマスキングされ得る。また、例えば、本発明の組成物は、メチオノール以外の、塩味を増強する化合物を含んでいてもよい。塩味を増強する化合物としては、例えば、有機酸類やアルギニン、およびそれらの塩が挙げられる。これらの減塩技術に関連する成分としては、1種の成分を用いてもよく、2種またはそれ以上の成分を組み合わせて用いてもよい。
本発明の塩味増強剤は、塩化ナトリウムを含んでいてもよい。
本発明の塩味増強剤における各成分(すなわち、メチオノールおよび必要によりその他の成分)の濃度は、本発明の効果が得られる限り特に制限されない。「本発明の効果」とは、メチオノールにより飲食品の塩味が増強される効果をいう。また、例えば、メチオノールと塩化物を併用する場合には、「本発明の効果」とは、さらに、塩化物の酸味やエグ味等の雑味がマスキングされる効果を含んでいてもよい。
本発明の塩味増強剤におけるメチオノールの濃度は、メチオノールの喫食濃度や本発明の塩味増強剤の使用量等の諸条件に応じて適宜設定することができる。
本発明の塩味増強剤におけるメチオノールの濃度は、特に制限されないが、例えば、1ppm以上、10ppm以上、100ppm以上、または1000ppm以上であってよい。また、本発明の塩味増強剤におけるメチオノールの濃度は、特に制限されないが、例えば、100%以下、10%以下、または1%以下であってよい。
本発明の塩味増強剤におけるメチオノールの濃度は、例えば、喫食時のメチオノールの濃度が、0.5ppm以上、1ppm以上、3ppm以上、または5ppm以上となるような濃度であってよい。本発明の塩味増強剤におけるメチオノールの濃度は、例えば、喫食時のメチオノールの濃度が、50ppm以下、40ppm以下、30ppm以下、20ppm以下、または10ppm以下となるような濃度であってよい。本発明の塩味増強剤におけるメチオノールの濃度は、喫食時のメチオノールの濃度が、好ましくは0.5ppm〜50ppm、より好ましくは1ppm〜40ppm、さらに好ましくは3ppm〜20ppmとなるような濃度であってよい。
また、本発明の塩味増強剤におけるメチオノールの濃度は、例えば、喫食時の塩化ナトリウムに対するメチオノールの濃度比(メチオノール濃度/塩化ナトリウム濃度)が、1/12000〜1/120となるような濃度であってもよい。
本発明の塩味増強剤における「その他の成分」の濃度は、「その他の成分」の種類、「その他の成分」の喫食濃度、本発明の塩味増強剤の使用量等の諸条件に応じて適宜設定することができる。
本発明の塩味増強剤が塩化物(塩化ナトリウム以外)を含む場合、本発明の塩味増強剤における塩化物の濃度は、特に制限されないが、例えば、0.02%以上、0.05%以上、0.1%以上、1%以上、または10%以上であってよい。また、本発明の塩味増強剤が塩化物を含む場合、本発明の塩味増強剤における塩化物の濃度は、特に制限されないが、例えば、100%未満、10%以下、または1%以下であってよい。
本発明の塩味増強剤における塩化物の濃度は、例えば、喫食時の塩化物の濃度が、0.01%以上、0.05%以上、0.1%以上、0.2%以上、または0.3%以上となるような濃度であってよい。本発明の塩味増強剤における塩化物の濃度は、例えば、喫食時の塩化物の濃度が、0.7%以下となるような濃度であってよい。本発明の塩味増強剤における塩化物の濃度は、喫食時の塩化物の濃度が、好ましくは0.2%〜0.7%となるような濃度であってよい。
また、本発明の塩味増強剤における塩化物の濃度は、例えば、喫食時のメチオノールに対する塩化物の濃度比(塩化物濃度/メチオノール濃度)が、2000/7〜7000/3となるような濃度であってもよい。また、本発明の塩味増強剤における塩化物の濃度は、例えば、喫食時の塩化ナトリウムに対する塩化物の濃度比(塩化物濃度/塩化ナトリウム濃度)が、1/3〜7/6となるような濃度であってもよい。
本発明の塩味増強剤が塩化ナトリウムを含む場合、本発明の塩味増強剤における塩化ナトリウムの濃度は、特に制限されないが、例えば、0.02%以上、0.05%以上、0.1%以上、1%以上、または10%以上であってよい。また、本発明の塩味増強剤が塩化ナトリウムを含む場合、本発明の塩味増強剤における塩化ナトリウムの濃度は、特に制限されないが、例えば、100%未満、10%以下、または1%以下であってよい。
本発明の塩味増強剤の形態は特に制限されない。本発明の塩味増強剤は、例えば、粉末状、顆粒状、液状、ペースト状、キューブ状等のいかなる形態であってもよい。
本発明の塩味増強剤の成分(すなわち、メチオノールおよび必要によりその他の成分)は、互いに混合されて本発明の塩味増強剤に含まれていてもよく、それぞれ別個に、あるいは、任意の組み合わせで別個に、本発明の塩味増強剤に含まれていてもよい。
本発明の塩味増強剤は、飲食品の塩味を増強するために好適に使用できる。本発明の塩味増強剤は、例えば、塩味増強用の調味料として提供されてもよい。
本発明の塩味増強剤が塩化ナトリウムを含む場合、本発明の塩味増強剤は、飲食品に塩味を付与するために使用してもよい。すなわち、本発明の塩味増強剤の一態様は、塩味付与剤である。よって、一態様において、「塩味の増強」には「塩味の付与」が含まれていてよい。塩味付与剤は、例えば、塩味付与用の調味料(塩味調味料)として提供されてもよい。
<2>本発明の方法
本発明においては、メチオノールを利用して飲食品の塩味を増強することができる。すなわち、本発明の方法は、メチオノールを飲食品またはその原料に添加することを含む、飲食品の塩味を増強する方法である。また、本発明の方法の一態様は、メチオノールを飲食品またはその原料に添加することを含む、塩味の増強された飲食品の製造方法である。
本発明においては、メチオノールを利用して飲食品の塩味を増強することができる。すなわち、本発明の方法は、メチオノールを飲食品またはその原料に添加することを含む、飲食品の塩味を増強する方法である。また、本発明の方法の一態様は、メチオノールを飲食品またはその原料に添加することを含む、塩味の増強された飲食品の製造方法である。
本発明においては、具体的には、メチオノールを含む本発明の塩味増強剤を利用して飲食品の塩味を増強することができる。すなわち、言い換えると、本発明の方法は、本発明の塩味増強剤を飲食品またはその原料に添加することを含む、飲食品の塩味を増強する方法であってよい。また、本発明の方法の一態様は、本発明の塩味増強剤を飲食品またはその原料に添加することを含む、塩味の増強された飲食品の製造方法であってよい。
本発明の方法により、塩味の増強された飲食品が得られる。本発明の方法により得られる塩味の増強された飲食品を「本発明の飲食品」ともいう。
飲食品は、塩味を有する限り特に制限されない。すなわち、飲食品には、塩味を有するあらゆる飲食品が包含される。飲食品としては、例えば、例えば、鮭フレーク、辛子明太子、塩タラコ、焼魚、干物、塩辛、魚肉ソーセージ、かまぼこ、煮魚、佃煮、缶詰等の水産加工食品;ポテトチップス、ポテトスナック、コーンスナック、小麦スナック、煎餅、あられ等のスナック菓子;うどんつゆ、そばつゆ、ソーメンつゆ、ラーメンスープ、ちゃんぽんスープ、パスタソース等の麺類のつゆ;おにぎり、ピラフ、チャーハン、混ぜご飯、雑炊、お茶漬け等の米飯調理品;春巻き、シュウマイ、餃子、カレー、煮物、揚げ物等の調理食品;ハンバーグ、ソーセージ、ハム、チーズ等の畜産加工品;キムチ、漬物等の野菜加工品;醤油、ソース、ドレッシング、味噌、マヨネーズ、トマトケチャップ等の調味料;卵入りスープ、ワカメ入りスープ、ふかひれ入りスープ、中華風スープ、コンソメスープ、カレー風味スープ、お吸い物、味噌汁、ポタージュスープ等のスープ類が挙げられる。飲食品は、そのまま喫食可能な態様で提供されてもよく、濃縮品や乾燥品等の喫食前または喫食時に調製を要する形態で提供されてもよい。
本発明の飲食品は、本発明の塩味増強剤またはメチオノールを添加すること以外は、通常の飲食品と同様の原料を用い、同様の方法によって製造することができる。本発明の塩味増強剤またはメチオノールの添加は、飲食品の製造工程のいずれの段階で行われてもよい。すなわち、本発明の塩味増強剤またはメチオノールは、飲食品の原料に添加されてもよく、製造途中の飲食品に添加されてもよく、完成した飲食品に添加されてもよい。本発明の塩味増強剤またはメチオノールは、1回のみ添加されてもよく、2またはそれ以上の回数に分けて添加されてもよい。また、本発明の塩味増強剤を添加する場合、本発明の塩味増強剤が複数の成分をそれぞれ別個に、あるいは、任意の組み合わせで別個に含む場合には、それらの成分は同時に飲食品またはその原料に添加されてもよいし、それぞれ別個に、あるいは、任意の組み合わせで別個に、飲食品またはその原料に添加されてもよい。
本発明の方法は、さらに、その他の成分(メチオノール以外の成分)を添加することを含んでいてもよい。ここでいう「その他の成分」については、上述した本発明の塩味増強剤における「その他の成分」についての記載を準用できる。「その他の成分」としては、例えば、減塩技術に関連する成分が挙げられる。減塩技術に関連する成分としては、例えば、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化アンモニウム等の塩化物(塩化ナトリウム以外)が挙げられる。すなわち、本発明の方法の一態様は、例えば、メチオノールおよび塩化物を飲食品またはその原料に添加することを含む、塩味の増強された飲食品の製造方法であってもよい。また、本発明の塩味増強剤を「その他の成分」とさらに併用してもよい。
「その他の成分」を添加する場合、「その他の成分」の添加も、本発明の塩味増強剤ま
たはメチオノールの添加と同様に行うことができる。例えば、「その他の成分」と本発明の塩味増強剤またはメチオノールとは、同時に飲食品またはその原料に添加されてもよいし、それぞれ別個に、あるいは、任意の組み合わせで別個に、飲食品またはその原料に添加されてもよい。
たはメチオノールの添加と同様に行うことができる。例えば、「その他の成分」と本発明の塩味増強剤またはメチオノールとは、同時に飲食品またはその原料に添加されてもよいし、それぞれ別個に、あるいは、任意の組み合わせで別個に、飲食品またはその原料に添加されてもよい。
メチオノールを添加する場合、メチオノールの添加量は、本発明の効果が得られる限り特に制限されない。メチオノールの添加量は、本発明の飲食品の摂取態様等の諸条件に応じて適宜設定することができる。
メチオノールは、飲食品またはその原料に、例えば、メチオノールの喫食濃度が、0.5ppm以上、1ppm以上、3ppm以上、または5ppm以上となるように添加されてもよく、50ppm以下、40ppm以下、30ppm以下、20ppm以下、または10ppm以下となるように添加されてもよい。また、メチオノールは、飲食品またはその原料に、例えば、メチオノールの喫食濃度が、好ましくは0.5ppm〜50ppm、より好ましくは1ppm〜40ppm、さらに好ましくは3ppm〜20ppmとなるように添加されてもよい。また、メチオノールは、飲食品またはその原料に、例えば、喫食時の塩化ナトリウムに対するメチオノールの濃度比(メチオノール濃度/塩化ナトリウム濃度)が、1/12000〜1/120となるように添加されてもよい。
メチオノールは、飲食品またはその原料に、例えば、0.5ppm以上、1ppm以上、3ppm以上、または5ppm以上の量で添加されてもよく、50ppm以下、40ppm以下、30ppm以下、20ppm以下、または10ppm以下の量で添加されてもよい。また、メチオノールは、飲食品またはその原料に、例えば、好ましくは0.5ppm〜50ppm、より好ましくは1ppm〜40ppm、さらに好ましくは3ppm〜20ppmの量で添加されてもよい。
「その他の成分」を添加する場合、「その他の成分」の添加量は、本発明の効果が得られる限り特に制限されない。「その他の成分」の添加量は、「その他の成分」の種類や本発明の飲食品の摂取態様等の諸条件に応じて適宜設定することができる。
塩化物(塩化ナトリウム以外)を添加する場合、塩化物は、飲食品またはその原料に、例えば、塩化物の喫食濃度が、0.01%以上、0.05%以上、0.1%以上、0.2%以上、または0.3%以上となるように添加されてもよく、0.7%以下となるように添加されてもよい。また、塩化物は、飲食品またはその原料に、例えば、塩化物の喫食濃度が、好ましくは0.2%〜0.7%となるように添加されてもよい。また、塩化物は、飲食品またはその原料に、例えば、喫食時のメチオノールに対する塩化物の濃度比(塩化物濃度/メチオノール濃度)が、2000/7〜7000/3となるように添加されてもよく、喫食時の塩化ナトリウムに対する塩化物の濃度比(塩化物濃度/塩化ナトリウム濃度)が、1/3〜7/6となるように添加されてもよい。
塩化物は、飲食品またはその原料に、例えば、0.01%以上、0.05%以上、0.1%以上、0.2%以上、または0.3%以上の量で添加されてもよく、0.7%以下の量で添加されてもよい。また、塩化物は、飲食品またはその原料に、例えば、好ましくは0.2%〜0.7%の量で添加されてもよい。
本発明の塩味増強剤を添加する場合、本発明の塩味増強剤の添加量は、本発明の効果が得られる限り特に制限されない。本発明の塩味増強剤の添加量は、本発明の塩味増強剤におけるメチオノールの濃度や本発明の飲食品の摂取態様等の諸条件に応じて適宜設定することができる。例えば、本発明の塩味増強剤は、飲食品またはその原料に、0.5ppm〜50%の量で添加されてもよく、5ppm〜10%の量で添加されてもよい。
本発明の塩味増強剤の添加量については、上述したメチオノールや「その他の成分」の添加量に関する記載を準用してもよい。例えば、本発明の塩味増強剤は、メチオノールの喫食濃度が上記例示したような濃度となるように、飲食品またはその原料に添加されてよい。また、本発明の塩味増強剤は、喫食時の塩化ナトリウムに対するメチオノールの濃度比が上記例示したような比率となるように、飲食品またはその原料に添加されてよい。また、本発明の塩味増強剤は、メチオノールの量に換算して、上記例示したような量で、飲食品またはその原料に添加されてよい。本発明の塩味増強剤が塩化物を含む場合、本発明の塩味増強剤は、塩化物の喫食濃度が上記例示したような濃度となるように、飲食品またはその原料に添加されてよい。また、本発明の塩味増強剤は、喫食時のメチオノールに対する塩化物の濃度比が上記例示したような比率となるように、飲食品またはその原料に添加されてよい。また、本発明の塩味増強剤は、喫食時の塩化ナトリウムに対する塩化物の濃度比が上記例示したような比率となるように、飲食品またはその原料に添加されてよい。また、本発明の塩味増強剤は、塩化物の量に換算して、上記例示したような量で、飲食品またはその原料に添加されてよい。
本発明の飲食品は、塩化ナトリウムを含有するように製造される。すなわち、本発明の方法は、さらに、塩化ナトリウムを添加することを含んでいてもよい。塩化ナトリウムを含有する飲食品は、例えば、塩化ナトリウムそのものを添加して製造してもよいし、塩化ナトリウムを含有する調味料等の素材を添加して製造してもよい。また、本発明の塩味増強剤が塩化ナトリウムを含む場合、塩化ナトリウムを含有する飲食品は、本発明の塩味増強剤を添加して製造してもよい。塩化ナトリウムの添加も、本発明の塩味増強剤またはメチオノールの添加と同様に行うことができる。本発明の飲食品における塩化ナトリウムの含有量は、飲食品の種類等の諸条件に応じて適宜設定できる。また、本発明の飲食品は、減塩された飲食品であってよい。「減塩された飲食品」とは、通常より塩化ナトリウム濃度が低い飲食品をいう。「減塩された飲食品」としては、例えば、上記例示した飲食品を通常より塩化ナトリウム濃度が低くなるように製造したものが挙げられる。
本発明は以下の実施例によって、更に具体的に説明されるが、これらはいかなる意味でも本発明を限定するものと解してはならない。
実験例1:メチオノールによる塩味増強効果(1)
本実験例では、中華スープにメチオノールを添加し、メチオノールによる塩味増強効果を検証した。
本実験例では、中華スープにメチオノールを添加し、メチオノールによる塩味増強効果を検証した。
(1)評価方法
市販の中華スープ(凍結乾燥品;通常は160mlのお湯を注いで喫食する)に200mL(すなわち通常の1.25倍量)のお湯を注ぎ、ネットで固形具材を除去し、ネガティブコントロール(「20%減塩品」または「減塩品」ともいう)とした。ネガティブコントロールのNaCl濃度は、0.6%である。
市販の中華スープ(凍結乾燥品;通常は160mlのお湯を注いで喫食する)に200mL(すなわち通常の1.25倍量)のお湯を注ぎ、ネットで固形具材を除去し、ネガティブコントロール(「20%減塩品」または「減塩品」ともいう)とした。ネガティブコントロールのNaCl濃度は、0.6%である。
ネガティブコントロールに、NaCl濃度が通常の喫食NaCl濃度(上記中華スープに160mlのお湯を注いだもののNaCl濃度)と同じになるようにNaClを添加し、ポジティブコントロール(「通常食塩品」ともいう)とした。ポジティブコントロールのNaCl濃度は、0.75%である。
ネガティブコントロールにメチオノールを所定の濃度で添加し、評価サンプルを調製した。
各サンプルの「塩味の強さ」と「異風味の強さ」について、専門パネル3名により官能評価を実施した。「塩味の強さ」に関しては、ネガティブコントロールの塩味の強さを「0:変化なし」、ポジティブコントロールの塩味の強さを「5:塩味増強」とし、「0」〜「5」の範囲で評価を行った。「異風味の強さ」に関しては、「5:非常に異風味を感じる」、「2:異風味を感じるが許容範囲」、「1:わずかに異風味を感じる」、「0:異風味を全く感じない」として「0」〜「5」の範囲で評価を行った。
(2)結果
結果を表1に示す。メチオノールの添加により、「塩味の強さ」が向上した。すなわち、メチオノールが塩味増強効果を示すことが明らかとなった。特に、メチオノール濃度が0.5ppm〜50ppmの範囲で好ましい結果が得られた。
結果を表1に示す。メチオノールの添加により、「塩味の強さ」が向上した。すなわち、メチオノールが塩味増強効果を示すことが明らかとなった。特に、メチオノール濃度が0.5ppm〜50ppmの範囲で好ましい結果が得られた。
実験例2:メチオノールによる塩味増強効果(2)
本実験例では、各種スープにメチオノールを添加し、メチオノールによる塩味増強効果を検証した。
本実験例では、各種スープにメチオノールを添加し、メチオノールによる塩味増強効果を検証した。
(1)評価方法
市販の各種スープ(凍結乾燥品;通常は160mlのお湯を注いで喫食する)に200mL(すなわち通常の1.25倍量)のお湯を注ぎ、ネットで固形具材を除去し、ネガテ
ィブコントロール(「20%減塩品」または「減塩品」ともいう)とした。
市販の各種スープ(凍結乾燥品;通常は160mlのお湯を注いで喫食する)に200mL(すなわち通常の1.25倍量)のお湯を注ぎ、ネットで固形具材を除去し、ネガテ
ィブコントロール(「20%減塩品」または「減塩品」ともいう)とした。
ネガティブコントロールに、NaCl濃度が通常の喫食NaCl濃度(上記各種スープに160mlのお湯を注いだもののNaCl濃度)と同じになるようにNaClを添加し、ポジティブコントロール(「通常食塩品」ともいう)とした。
ネガティブコントロールにメチオノールを所定の濃度で添加し、評価サンプルを調製した。
各サンプルの「塩味の強さ」と「スープとしての好ましさ」について、専門パネル3名により官能評価を実施した。「塩味の強さ」に関しては、ネガティブコントロールの塩味の強さを「0:変化なし」、ポジティブコントロールの塩味の強さを「5:塩味増強」とし、「0」〜「5」の範囲で評価を行った。「スープとしての好ましさ」に関しては、ネガティブコントロールのスープとしての好ましさを「0:変化なし」、ポジティブコントロールのスープとしての好ましさを「5:嗜好性が非常に向上する」とし、「0」〜「5」の範囲で評価を行った。
(2)結果
結果を表2に示す。メチオノールの添加により、「塩味の強さ」が向上した。すなわち、中華スープ以外の飲食品においても、メチオノールが塩味増強効果を示すことが明らかとなった。
結果を表2に示す。メチオノールの添加により、「塩味の強さ」が向上した。すなわち、中華スープ以外の飲食品においても、メチオノールが塩味増強効果を示すことが明らかとなった。
実験例3:メチオノールと塩化物の併用効果(1)
本実験例では、中華スープにメチオノールおよび塩化物を添加し、メチオノールと塩化物の併用効果を検証した。塩化物としては、塩化カリウム(KCl)および塩化アンモニウム(NH4Cl)を用いた。
本実験例では、中華スープにメチオノールおよび塩化物を添加し、メチオノールと塩化物の併用効果を検証した。塩化物としては、塩化カリウム(KCl)および塩化アンモニウム(NH4Cl)を用いた。
(1)評価方法
実験例1と同様の手順で、市販の中華スープを用いて、ネガティブコントロールおよび
ポジティブコントロールを調製した。ネガティブコントロールにメチオノールおよび塩化物を所定の濃度で添加し、評価サンプルを調製した。
実験例1と同様の手順で、市販の中華スープを用いて、ネガティブコントロールおよび
ポジティブコントロールを調製した。ネガティブコントロールにメチオノールおよび塩化物を所定の濃度で添加し、評価サンプルを調製した。
各サンプルの「塩味の強さ」、「スープとしての好ましさ」、および「異風味の強さ」について、実験例1および2と同様の手順で、専門パネル3名により官能評価を実施した。
(2)結果
結果を表3に示す。メチオノールと塩化物を併用することにより、塩化物を単独で利用した場合よりも、「塩味の強さ」、「スープとしての好ましさ」、および「異風味の強さ」が改善された。すなわち、メチオノールと塩化物を併用した場合にも、メチオノールが塩味増強効果を示すことが明らかとなった。また、メチオノールと塩化物を併用することにより、塩化物の酸味やエグ味等の雑味をマスキングできることが明らかとなった。一方、KClとNH4Clの併用によっては、それらの酸味やエグ味等の雑味はマスキングさ
れず、併用効果は認められなかった。
結果を表3に示す。メチオノールと塩化物を併用することにより、塩化物を単独で利用した場合よりも、「塩味の強さ」、「スープとしての好ましさ」、および「異風味の強さ」が改善された。すなわち、メチオノールと塩化物を併用した場合にも、メチオノールが塩味増強効果を示すことが明らかとなった。また、メチオノールと塩化物を併用することにより、塩化物の酸味やエグ味等の雑味をマスキングできることが明らかとなった。一方、KClとNH4Clの併用によっては、それらの酸味やエグ味等の雑味はマスキングさ
れず、併用効果は認められなかった。
実験例4:メチオノールと塩化物の併用効果(2)
本実験例では、中華スープにメチオノールおよび塩化カリウム(KCl)を種々の濃度比で添加し、メチオノールとKClの併用効果を検証した。
本実験例では、中華スープにメチオノールおよび塩化カリウム(KCl)を種々の濃度比で添加し、メチオノールとKClの併用効果を検証した。
(1)評価方法
実験例1と同様の手順で、市販の中華スープを用いて、ネガティブコントロールおよびポジティブコントロールを調製した。ネガティブコントロールにメチオノールおよびKC
lを所定の濃度で添加し、評価サンプルを調製した。
実験例1と同様の手順で、市販の中華スープを用いて、ネガティブコントロールおよびポジティブコントロールを調製した。ネガティブコントロールにメチオノールおよびKC
lを所定の濃度で添加し、評価サンプルを調製した。
各サンプルの「塩味の強さ」、「スープとしての好ましさ」、および「異風味の強さ」について、実験例1および2と同様の手順で、専門パネル3名により官能評価を実施した。
(2)結果
結果を表4に示す。メチオノールとKClを併用することにより、KClを単独で利用した場合よりも、「塩味の強さ」、「スープとしての好ましさ」、および「異風味の強さ」が改善された。すなわち、メチオノールによる塩味増強効果および塩化物の酸味やエグ味等の雑味をマスキングする効果が認められた。特に、KCl濃度が0.7%以下の範囲で好ましい結果が得られた。
結果を表4に示す。メチオノールとKClを併用することにより、KClを単独で利用した場合よりも、「塩味の強さ」、「スープとしての好ましさ」、および「異風味の強さ」が改善された。すなわち、メチオノールによる塩味増強効果および塩化物の酸味やエグ味等の雑味をマスキングする効果が認められた。特に、KCl濃度が0.7%以下の範囲で好ましい結果が得られた。
実験例5:メチオノールとメチオナールの塩味増強効果の比較
メチオナールには塩味増強作用があることが知られている(特開2011-083262号公報)
。そこで、本実験例では、メチオノールとメチオナールの塩味増強効果を比較検証した。
メチオナールには塩味増強作用があることが知られている(特開2011-083262号公報)
。そこで、本実験例では、メチオノールとメチオナールの塩味増強効果を比較検証した。
(1)評価方法
実験例1と同様の手順で、市販の中華スープを用いて、ネガティブコントロールおよび
ポジティブコントロールを調製した。ネガティブコントロールにメチオノールまたはメチオナールを所定の濃度で添加し、評価サンプルを調製した。
実験例1と同様の手順で、市販の中華スープを用いて、ネガティブコントロールおよび
ポジティブコントロールを調製した。ネガティブコントロールにメチオノールまたはメチオナールを所定の濃度で添加し、評価サンプルを調製した。
各サンプルの「塩味の強さ」、「スープとしての好ましさ」、および「異風味の強さ」について、実験例1および2と同様の手順で、専門パネル3名により官能評価を実施した。
(2)結果
結果を表5に示す。メチオナールは、メチオノールよりも低い添加濃度で、強い異風味を呈した。同程度の異風味を感じる添加濃度(「異風味の強さ」の評点が0.0〜1.5の範囲)において比較すると、メチオノール添加時の「塩味の強さ」は3.5〜3.8であるのに対し、メチオナール添加時の「塩味の強さ」は1.5〜1.8であり、メチオノールは、メチオナールよりも高い塩味増強効果を示すことが明らかとなった。すなわち、メチオノールは、塩味増強成分として特に有用であると考えられる。
結果を表5に示す。メチオナールは、メチオノールよりも低い添加濃度で、強い異風味を呈した。同程度の異風味を感じる添加濃度(「異風味の強さ」の評点が0.0〜1.5の範囲)において比較すると、メチオノール添加時の「塩味の強さ」は3.5〜3.8であるのに対し、メチオナール添加時の「塩味の強さ」は1.5〜1.8であり、メチオノールは、メチオナールよりも高い塩味増強効果を示すことが明らかとなった。すなわち、メチオノールは、塩味増強成分として特に有用であると考えられる。
Claims (12)
- メチオノールを含む、塩味増強剤。
- さらに、塩化ナトリウム以外の塩化物を含む、請求項1に記載の塩味増強剤。
- 前記塩化物が、塩化カリウムおよび/または塩化アンモニウムである、請求項2に記載の塩味増強剤。
- さらに、塩化ナトリウムを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の塩味増強剤。
- メチオノールを、10ppm以上の濃度で含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の塩味増強剤。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の塩味増強剤を飲食品またはその原料に添加することを含む、塩味の増強された飲食品の製造方法。
- メチオノールを飲食品またはその原料に添加することを含む、塩味の増強された飲食品の製造方法。
- さらに、塩化ナトリウム以外の塩化物を添加することを含む、請求項7に記載の方法。
- 前記塩化物が、塩化カリウムおよび/または塩化アンモニウムである、請求項8に記載の方法。
- さらに、塩化ナトリウムを添加することを含む、請求項7〜9のいずれか1項に記載の方法。
- メチオノールが、メチオノールの喫食濃度が0.5ppm〜50ppmとなるように添加される、請求項7〜10のいずれか1項に記載の方法。
- 前記塩化物が、当該塩化物の喫食濃度が0.2%〜0.7%となるように添加される、請求項8〜11のいずれか1項に記載の方法。
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