JP5931375B2 - うま味成分の不快な後味改善方法 - Google Patents
うま味成分の不快な後味改善方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5931375B2 JP5931375B2 JP2011188906A JP2011188906A JP5931375B2 JP 5931375 B2 JP5931375 B2 JP 5931375B2 JP 2011188906 A JP2011188906 A JP 2011188906A JP 2011188906 A JP2011188906 A JP 2011188906A JP 5931375 B2 JP5931375 B2 JP 5931375B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- umami
- sucralose
- aftertaste
- acid
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Seasonings (AREA)
Description
一般的にうま味は他の基本味に比べ、後味に残りやすいという特徴があることが知られている。
これらのうま味成分は、適量用いることにより、飲食品に好ましい風味を付与することができるが、飲食品を口にしたときの初めのうま味を強くするために、アミノ酸系のうま味成分などを多く使用した場合などでは、例えばグルタミン酸ナトリウムなどではうま味がいつまでも口に残り、飲食品の味のバランスを崩したり、エグ味などが感じられたりする等、飲食品の風味がかえって悪くなってしまうという問題があった。
また、特許文献2には、グルタミン酸ナトリウムなどのナトリウム系うま味成分と、マンゴスチン抽出物を併用することにより、うま味の持続性を高めて後味を良好にできることが記載されている。
また、特許文献5には、スクラロースを添加することで、たんぱく質、脂質、ビタミンなどを含有する高栄養食の、エグ味、苦味及び不快臭をマスキングできることが記載されている。
さらに特許文献6には、ゴマなどの香味油脂を配合する液体調味料にスクラロースを用いることで、極めて香りの高い液体調味料が得られることが記載され、実施例には、ゴマ油やスクラロースと、グルタミン酸ナトリウムなどの調味料を含有するドレッシング調味料が記載されている。
しかしながら、これら特許文献のいずれにも、スクラロースを添加することにより、アミノ酸系、核酸系及び有機酸系から選ばれる1種以上のうま味成分の不快な後味を改善できることは記載されていない。
また、特許文献2では、グルタミン酸ナトリウムなどのうま味の持続性を高めて、後味を改善することは示されているが、エグ味などの不快な後味を改善できることは記載されていない。
項1.アミノ酸系、核酸系及び有機酸系から選ばれる1種以上のうま味成分に、スクラロースを添加することを特徴とする、うま味成分の不快な後味改善方法。
項2.アミノ酸系、核酸系及び有機酸系から選ばれる1種以上のうま味成分1質量部に対して、スクラロースを0.0001〜0.01質量部添加する、項1記載のうま味成分の不快な後味改善方法。
項3.アミノ酸系のうま味成分がグルタミン酸又はそのナトリウム塩であり、核酸系のうま味成分がイノシン酸、グアニル酸又はこれらのナトリウム塩であり、有機酸系のうま味成分がコハク酸又はそのナトリウム塩である、項1又は2記載のうま味成分の不快な後味改善方法。
本発明において、うま味成分の不快な後味改善とは、例えばグルタミン酸ナトリウムなどが有するエグ味や、強すぎるうま味の余韻などの好ましくない後味を改善して、スッキリとした後味にすることを意味する。
これらの中で、アミノ酸系うま味成分としては、グルタミン酸又はそのナトリウム塩が、核酸系うま味成分としては、イノシン酸、グアニル酸又はこれらのナトリウム塩が、有機酸系うま味成分としては、コハク酸又はそのナトリウム塩がそれぞれ好ましく、これらは2種以上を同時に使用することもできる。
これらのうま味成分は、飲食品中に通常0.001〜10質量%、好ましくは0.002〜5質量%、さらに好ましくは0.005〜3質量%添加される。
本発明において、アミノ酸系、核酸系及び有機酸系から選ばれる1種以上のうま味成分1質量部に対するスクラロースの添加量は、0.0001〜0.01質量部、好ましくは0.0002〜0.005質量部である。
スクラロースの添加量が、これらのうま味成分1質量部に対して0.0001質量部より少ないと、うま味の不快な後味の改善効果が十分ではなく、また、0.01質量部より多いと、甘味がつきすぎて、うま味の不快な後味の改善効果も十分に確認できず、いずれも好ましくない。
この調味料には、スクラロースと、これらうま味成分とが上記割合で添加されていればよく、粉末状、顆粒状、固形状、液状といった剤型を問わず、また、一剤であるか二剤であるかも問わない。
さらに、この調味料には、本発明の効果を阻害しない限度において、食塩、糖類、タンパク質、香料、色素、酸化防止剤、保存料、ビタミン類、カルシウム類、ミネラル類などを適宜含むことができる。
なお、以下の記載において、「部」は質量部を示し、「*」は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製を、「※」は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標をそれぞれ示す。
グルタミン酸ナトリウムの0.5質量%水溶液を調製し、それに表1のように、スクラロースの量を変えて添加し、コントロールと比べて、次の基準でグルタミン酸ナトリウムの不快な後味の改善効果を評価して、結果を表1に示した。
×:効果なし、もしくは甘味が強く出てしまう △:やや後味を抑える
○:後味を抑える ◎:より後味を抑える
スクラロースの添加量を0.0005質量%で固定し、表2のように、グルタミン酸ナトリウムの濃度を変えて、実施例1と同一の基準で不快な後味の改善効果を評価して、結果を表2に示した。
なお、グルタミン酸ナトリウムの濃度が0.05質量%未満では、エグ味などの不快な後味が認められない。
実施例1と同様に、表3の各うま味成分の0.5質量%水溶液を調製し、それにスクラロースを0.0005質量%添加して、実施例1と同一の基準で不快な後味の改善効果を評価して、結果を表3に示した。
グルタミン酸ナトリウムの0.5質量%水溶液を調製し、それに表4のように、各種の甘味料を、スクラロース0.0005質量%添加と同じ甘味になるような量を添加して、実施例1と同一の基準で不快な後味の改善効果を評価して、結果を表4に示した。
注2:ステビア抽出物100%製剤(守田化学株式会社製)
スクラロース以外の甘味料では、砂糖やアスパルテームで、ややグルタミン酸ナトリウムの不快な後味を抑える効果が見られたが、アセスルファムK、ネオテーム、サッカリンナトリウム及びステビアでは、不快な後味の改善効果が認められなかった。
表5の処方に基づき、めんつゆを製造し、それを5倍に希釈したものに、表6に記載の量のスクラロースを添加し、実施例1と同一の基準で不快な後味の改善効果を評価して、結果を表6に示した。
Claims (1)
- グルタミン酸又はそのナトリウム塩1質量部に対して、スクラロースを0.0001〜0.002質量部添加することを特徴とする、グルタミン酸又はそのナトリウム塩の強すぎるうま味の余韻の改善方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011188906A JP5931375B2 (ja) | 2011-08-31 | 2011-08-31 | うま味成分の不快な後味改善方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011188906A JP5931375B2 (ja) | 2011-08-31 | 2011-08-31 | うま味成分の不快な後味改善方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013048589A JP2013048589A (ja) | 2013-03-14 |
JP5931375B2 true JP5931375B2 (ja) | 2016-06-08 |
Family
ID=48011231
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011188906A Active JP5931375B2 (ja) | 2011-08-31 | 2011-08-31 | うま味成分の不快な後味改善方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5931375B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6949339B1 (ja) * | 2021-01-25 | 2021-10-13 | 株式会社Mizkan Holdings | 特定の香気成分を含有する食品およびその製造方法 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3439559B2 (ja) * | 1995-02-01 | 2003-08-25 | 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 | 食品の風味向上法 |
JP3916281B2 (ja) * | 1997-02-12 | 2007-05-16 | 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 | 酸味のマスキング方法 |
JP3929101B2 (ja) * | 1997-03-03 | 2007-06-13 | 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 | 酸味のマスキング方法 |
JP4540231B2 (ja) * | 1998-10-28 | 2010-09-08 | 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 | スクラロースを含有する組成物及びその応用 |
JP3498212B2 (ja) * | 2000-10-10 | 2004-02-16 | 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 | アントシアニン系色素含有食品 |
US20020193342A1 (en) * | 2001-05-09 | 2002-12-19 | Hamman John P. | Modifying undesirable tastes |
JP4619156B2 (ja) * | 2005-03-10 | 2011-01-26 | 日清フーズ株式会社 | 酸味・酸臭を低減させた低pH食品 |
JP2009240297A (ja) * | 2008-03-11 | 2009-10-22 | Dainippon Sumitomo Pharma Co Ltd | 呈味改善方法 |
-
2011
- 2011-08-31 JP JP2011188906A patent/JP5931375B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013048589A (ja) | 2013-03-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6449416B2 (ja) | 風味改良剤 | |
JP4308316B2 (ja) | 飲食品の塩味様呈味増強方法及び塩味様呈味増強剤 | |
TWI606786B (zh) | Composition for imparting rich taste to foods and beverages | |
JP4579168B2 (ja) | 容器詰液体調味料 | |
JP7367747B2 (ja) | コク味付与機能を有する組成物 | |
WO2019177003A1 (ja) | 塩味及び/又はスパイス感増強剤 | |
JPS609465A (ja) | こく味調味料又はこく味の増強された食品の製造法 | |
JP5931375B2 (ja) | うま味成分の不快な後味改善方法 | |
JP6314841B2 (ja) | コク味付与剤 | |
JP2017158543A (ja) | 塩味増強組成物 | |
JP4997365B1 (ja) | 塩味増強剤による塩味増強法及び食塩含有飲食品の減塩方法 | |
WO2015111428A1 (ja) | 塩味増強剤 | |
AU2005318566B2 (en) | Flavour enhancer | |
JP6553408B2 (ja) | 風味改善剤 | |
JP7031120B2 (ja) | コク味を付与するための組成物 | |
JP7398195B2 (ja) | 食品の塩味持続性向上剤 | |
JPWO2006062181A1 (ja) | 飲食品のこく味付与方法及び新規調味料組成物 | |
JP2023135861A (ja) | 塩味増強用組成物 | |
JP2017184732A (ja) | コク味付与機能を有する組成物 | |
JP2020074691A (ja) | 塩化カリウムまたは塩化マグネシウムによる異味を低減する方法 | |
JP2020103231A (ja) | 甘味増強剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140820 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150624 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150707 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150903 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20151208 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160303 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20160314 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160412 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160427 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5931375 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |