JP2017036202A - アルカリ金属比が最適化された低ホウ素でかつジルコニウム不含のニュートラルガラス - Google Patents

アルカリ金属比が最適化された低ホウ素でかつジルコニウム不含のニュートラルガラス Download PDF

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Abstract

【課題】製薬分野において好ましく使用される、ニュートラルガラスと呼ばれる、高い透明性、良好な機械的特性、低い透過性、良好な化学的耐久性を兼ね備えたガラスの提供。
【解決手段】低ホウ素でかつジルコニウム不含の、下記に示す範囲の組成を有するガラス。Bの含有量が好ましくは3〜6.5質量%、より好ましくは3.5〜5.5質量%であるガラス。
Figure 2017036202

【選択図】なし

Description

本発明は、好ましくは製薬分野において使用するための、酸化ホウ素含有率が低くかつ耐加水分解性が良好なジルコニウム不含のニュートラルガラスに関する。
発明の背景
製薬分野において、また診断用途や化粧品用途で、ガラスは包装材料として大規模で使用されている。特に、例えば高い透明性や良好な機械的特性や低い透過性と良好な化学的耐久性とを兼ね備えたその固有の材料特性は、例えば医薬品の品質やその有効性を保持する上で極めて重要である。
製薬用途、治療用途、診断用途および化粧品用途の容器は、通常は、収容されている作用物質と直に接触することから、厳しい要求が課されている。従って、こうした容器(これらは、例えば小瓶、アンプル、シリンジまたはカートリッジとして仕上げられることができる)は、一次包装材とも呼ばれる。作用物質を一次包装材内で貯蔵している間に、できる限り損失が生じずかつ該作用物質が変化しないことが望ましい。一次包装材と直に接触することによって、内容物の品質が、検証されかつ予め定められた閾値を超えてしまうような変化を生じることは、あってはならない。いかなる場合にも、ガラス材料が、作用物質の安定性を損なうか、あるいはさらには有毒であるか、あるいはさもなくば使用者にとって有害であり得る物質を多量に放出することのないように保証されなければならない。
医薬品および他の作用物質は、多くの場合、溶解した形態で、特に水性で、さらに処理されて貯蔵される。従って、ガラス製の一次包装材の特に重要な特性の一つとしては、溶解した作用物質と直に接触してこうした作用物質によって攻撃されうる内部表面が耐久性を示すことが挙げられる。それによって、ガラス表面から様々なイオンが溶出して、その中に存在する内容物や作用物質に悪影響が及ぶ可能性がある。従って、作用の損失や特に健康上のリスクを排除するためには、一般には、ガラスから溶出するイオンができるだけ少ないことが望ましい。最も一般的に使用されているのは水性溶媒であることから、ガラスを一次包装材として使用する上での重要な要求の一つとして、特に耐加水分解性が挙げられる。酸性や塩基性の溶液に関しては、包装材料の相応する耐酸性や耐アルカリ性に関する要求に留意すべきである。
加水分解等級は、欧州薬局方による製薬用途のガラスの種類の分類の基礎にもなっている。その際、一般的に使用されているガラスは複数の等級に分けられる。いわゆるI型ガラスは加水分解等級1に属しており、ニュートラルガラスとも呼ばれている。これには特にホウケイ酸ガラスも含まれる。このホウケイ酸ガラスは、主要量の酸化ホウ素、酸化アルミニウムまたはアルカリ土類金属酸化物を含む。
酸化ホウ素分を添加または増加させることによって、耐加水分解性が向上し、ガラス溶融物の粘度が低下し、かつ膨張係数が低下することが多いことが知られている。こうした特性は特に一次包装材としての使用にとって特に好都合であるため、公知のガラスは(20%までの)比較的高い酸化ホウ素分を含んでいる。ホウ素によって、存在するアルカリ金属イオンがガラス構造体に強固に結合する。しかしながら、酸化ホウ素が健康に有害であることが判明したことから、こうした構想はもはや是認しうるものではない。単離物質としての酸化ホウ素は、催奇形性の疑いがある。このことは、ガラスの製造方法にとって特に重要である。なぜならば、出発成分として酸化ホウ素を取り扱う際にコストのかかる労働災害防止対策が必要であり、これによって最終製品の製造コストが上昇するためである。ガラスから溶出したホウ素成分は、生体に対して毒性学的に懸念される影響を及ぼす可能性がある。
低酸化ホウ素の(ニュートラル)ガラスは、すでに知られている。
DE4430710C1には、酸化物ベースで以下の組成(質量%)を有する、化学的耐久性の高い低ホウ酸のホウケイ酸ガラスが開示されている:
Figure 2017036202
DE4430710C1におけるデータによれば、実施例で挙げられたガラスは(廃止されたDIN 12111による)加水分解等級HBK1を達成している。しかし、米国薬局方(USP、下記参照)による最近の方法に従って本発明の範囲で行われた測定において、この開示されているガラスの例は、加水分解等級1の閾値に対して単に中等度の範囲にあるに過ぎないため競争力のある製薬用ガラスではないことが判明した。記載されているガラスの例における化学的耐久性は、酸化ジルコニウム/ZrOの高い含有率(1.6質量%まで)および/または酸化ホウ素の比較的高い含有率(8.9質量%まで)によって達成されたものである。
アルカリ金属分としては、この例示的に示されているガラス組成物においては、ほぼ専ら酸化ナトリウムおよび酸化リチウムのみが示されている。その際、実施例における酸化ナトリウムの含有率は本発明による範囲を上回っている。酸化カリウムは実施例5でのみ使用されているが、これは、明らかに本発明による閾値を上回る酸化リチウム含有率と高い酸化ジルコニウム含有率とを伴っている。本発明の範囲で測定したところ、こうした組成物によって生じるガラスは、加水分解等級HBK1内での比較的劣悪な値を有する(アルカリ金属イオンが高度に放出する)ことが判明した。
DE102010029975A1の開示によれば、(酸化物ベースで質量%で)以下の組成を有する低酸化ホウ素のホウケイ酸ガラスが記載されている:
Figure 2017036202
耐加水分解性を達成すべく、この特許文献に記載されたニュートラルガラスは、酸化ジルコニウムと酸化チタンとを互いに調整された質量比で必須に含有する。その際、組成物の物理的および化学的特性を調整するために、ジルコニウム分はカリウム分をも伴っている。このガラスの良好な化学的特性は、必要な酸化ジルコニウム、酸化チタンおよび酸化カリウムの含有率、並びにガラスにおけるこれらの相互作用によるものである。
安定化作用を有する添加剤としての酸化ジルコニウムは、ガラスの化学的耐久性を促進することが知られている。これに関して、DE4430710C1およびDE102010029975A1においては意図的な使用がなされている。DE102010029975A1においては、耐加水分解性を向上させるために、この酸化ジルコニウムが必須成分として、相乗効果を達成すべく、特定の量比で酸化チタンと組み合わせて、および特定の量比で酸化カリウムと組み合わせて使用されている。しかし、こうしたガラスは特別な認可を必要とするといった理由や、ジルコニウムは特に僅量のウラン酸化物や他の放射性物質(例えば、トリウム化合物)を有しうるために望ましくない成分でありうるといった理由から、ジルコニウムは製薬分野におけるニュートラルガラスの成分としては問題がある。
本発明は、一次包装材として、特に製薬分野における一次包装材としての使用が望ましいガラスについての要求を高度に満たすガラス組成物を提示するという課題に基づく。これには特に、耐加水分解性が良好であること、すなわち水性媒体へのイオン放出が僅かであることも含まれる。
発明の説明
本発明によれば、上述の課題は請求項1のガラス組成物によって解決される。
この好ましくも製薬分野での使用に適したジルコニウム(Zr)不含のニュートラルガラスは、以下の組成(質量%)を有するかまたはこれらからなる:
Figure 2017036202
当然のことながら、このガラス組成物中の成分は、該成分が合計で100質量%となるように選択される。別段の記載がない限り、全ての割合のデータは、それぞれの酸化物をベースとした溶融ガラス状の完成ガラス組成物に対するものである(質量%)。
本発明によるニュートラルガラスは加水分解等級1に分類され、良好な耐酸性および耐アルカリ性をも示す。その際、この本発明によるニュートラルガラスは、本発明によれば、添加されたジルコニウムを含まない。その際、ジルコニウム不含とは、出発混合物にジルコニウム含有化合物が添加されないことを意味する。このガラス中には不純物が存在しうる。従って、本発明により提供されるガラスは、製薬用包装に関して提案されている他の一次包装材とは異なり、その内容物に関して特別な認可を必要としない。さらに、本発明によるガラスに含まれる酸化ホウ素は、特に、注射剤の貯蔵や包装に現在しばしば使用されているガラス(例えば、SCHOTTのFIOLAX(登録商標))と比較して、比較的僅かである。一次包装用の容器としては、特に、小瓶、アンプル、カートリッジおよびシリンジが使用される。これらは、通常はガラス管から熱間成形により製造される。本発明によるガラスは、その工業的および物理的特性に基づき、ガラス管の製造に適している。酸化ホウ素含有率が低いため、熱成形および成形の際に蒸発するボレートは、通常使用されているガラスの場合よりもはるかに僅かである。特に、小瓶をさらに加工する際に、内面の一部でホウ素が強度に蒸発することによって腐食作用が生じることがある。これによって、そうした損傷を受けた小瓶を後で使用する際に剥離のリスクが高まり(このことは、壁部から巨視的なガラスフレークが剥がれることを意味する)、またISO 4802−1および−2によるガラス容器からのアルカリ放出が増大する。こうした悪影響は、本発明によるニュートラルガラスの場合には低減される。
本発明の範囲においては、ガラス組成物中のナトリウム、カリウムおよび任意にリチウムといったアルカリ金属の酸化物の量を意図的に選択し、かつ酸化ナトリウムと酸化カリウムとの所定の比率を調整することによって、製造されるニュートラルガラスの予見不可能な耐加水分解性が生じ、しかも、これは従来技術によるガラスの場合には必要とされる酸化ジルコニウムの添加を行わずに生じるものであることが、意想外にも判明した。本発明のガラスが有する酸化ホウ素含有率が慣用のホウケイ酸ガラスに比べて比較的低いにもかかわらずこうした効果(ガラス構造体へのアルカリ金属イオンの堅固な結合)が生じることも、驚くべきことである。
示された範囲内に調節すべき上記のおよび以下に詳細に説明するKO/NaO比の他に、ガラス組成物の他の成分も役割を担っている。
ガラス組成物の主成分としてのSiOは主要なガラスフォーマーの一つであり、これによって該ガラスが十分な安定性と耐久性とを示す。本発明によれば、その割合は72〜82質量%の範囲内である。有利には、この割合は、75〜81質量%の範囲内であってもよく、好ましくは77〜80質量%の範囲内であってもよい。本発明による組成物においては、少なくとも72質量%のSiOが存在する。量が少ないほど、ガラスの耐加水分解性は損なわれる。本発明によれば、上限は82質量%である。SiOの割合がこれよりも高いと、ガラスの溶融温度および加工温度(すなわち、ガラスが、加工に適した約10dPasの粘度を有する際の温度)が過度に高くなってしまう。有利なガラス組成物におけるSiOの下限は、75質量%であってもよく、好ましくは77質量%であってもよい。SiOの上限として、有利な実施形態においては81質量%が選択されることができ、好ましくは80質量%が選択されることができる。
は、SiOと同様にガラスフォーマーの一つであり、ガラスにおいて、良好な耐加水分解性を達成するため、粘度を低下させるため、そして膨張係数を低下させるために使用される。本発明によれば、酸化ホウ素は、ガラス組成物中に、3〜8質量%の範囲内で、好ましくは3〜6.5質量%の範囲内で、特に好ましくは3.5〜5.5質量%の範囲内で存在する。酸化ホウ素がアルカリ金属イオンをガラス構造体に結合させるため、本発明によれば、ガラス組成物中には少なくとも3質量%のBが含まれている。特に容器の底部を形成する際にはボレートの上述の蒸発が僅かになるようにするために、そしてそれに付随する問題が僅かになるようにするために、ガラス中のBの本発明による割合は最高で8質量%に制限される。多くのガラスにおいては、酸化ホウ素の有利な下限として3.5質量%を選択することもできる。本発明の有利な実施形態は、最高で僅か6.5質量%のBしか含まず、特に好ましい実施形態においては僅か5.5質量%のBしか含まない。販売されている従来のI型の製薬用ガラス(例えば、SCHOTTからのFiolax(登録商標))と比べて、本発明によるガラスは酸化ホウ素の含有率が減少しているにもかかわらず、好ましくは大幅に減少しているにもかかわらず、比較してみると耐加水分解性が向上している。
本発明によるガラス組成物中のAl含有率は、5〜8質量%であり、好ましくは5〜7.5質量%である。アルミニウムはネットワークフォーマーとして使用され、ガラス構造体全体をまとめる。それにより、ガラスネットワーク内のカチオンのためのギャップが小さくなる。この構造体がタイトであるほど、その結果として水溶液による浸出の際にアルカリ放出が僅かになる。さらに、酸化アルミニウムの添加によって失透特性が改善される(下記参照)。本発明によれば、Alの最小含有率は5質量%を下回るべきではなく、それによって、成形の際(例えば、ガラス管の引抜き処理の間)に妨害的な結晶形成(失透とも呼ばれる)が生じなくなる。アルミニウムはガラス組成物の溶融温度および加工温度を上昇させるため、本発明によれば最高で8質量%の酸化アルミニウムが予定される。有利な実施形態は、最高で7.5質量%のAlを含むこともできる。ガラス組成物中の酸化アルミニウムの量の割合は、溶融ガラスの成形方法としてどのようなものを選択するか(例えば、管として引抜く)にも依存する。
カリウム、ナトリウムおよび任意にリチウムの酸化物は、熱膨張(熱膨張係数)を調整する役割を果たし、ガラスの溶融性を向上させ、かつ粘度を低下させる。本発明によれば、アルカリ金属酸化物の合計は、6.8〜14.6質量%の範囲内である。有利な実施形態において、アルカリ金属酸化物の合計は、6.8〜13.3質量%であってもよく、好ましくは7〜12.6質量%であってもよい。アルカリ金属酸化物の合計の下限は6.8質量%を下回るべきではない。なぜならば、さもなくば、得られるガラスの溶融性が過度に低下するためである。アルカリ金属酸化物の合計が14.6質量%を上回ると、ガラスの化学的耐久性が低下する。有利なガラス組成物の場合には、アルカリ金属酸化物の合計の下限は7質量%であってもよい。上限に関しては、アルカリ金属酸化物は、有利には合計で13.3質量%使用されてもよく、好ましくは合計で12.6質量%使用されてもよい。
本発明によれば、ガラス組成物には、酸化リチウムが0〜0.7質量%の割合で添加されていてよい。好ましくは、LiO含有率は0〜0.5質量%である。LiOは、加工温度を低下させるために多数のガラス組成物において使用されることができる。リチウムは極めて小さなイオン半径を有しているため、ガラス構造体のギャップから浸出するリスクがある。そのため、耐加水分解性を低下させないためにはLiOの最高割合は0.7質量%を超えてはならない。ガラス組成物が最高で0.5質量%のLiOを含む場合も好ましい。好ましくは、リチウムの添加は全く行われない。
ガラスにおいてはNaOが使用される。なぜならば、ナトリウムはアルミニウムと共にその耐加水分解性を向上させるためである。さらに、ナトリウムによって溶融温度が低下する。本発明によれば、酸化ナトリウム含有率は、2.5〜5.5質量%の範囲内であり、好ましくは2.8〜4.8質量%の範囲内である。従って、本発明によるガラスは、少なくとも2.5質量%の酸化ナトリウムを含有する。最高で5.5質量%というNaOの上限を上回ってはならない。なぜならば、さもなくば化学的耐久性が低下するためである。ガラス中のNaOを少なくとも2.8質量%と予定することが有利でありうる。好ましくは、酸化ナトリウムの上限は4.8質量%であってもよい。
本発明によるガラス組成物のKO含有率は、3.6〜8.4質量%である。好ましい一実施形態において、このKO含有率は4〜8質量%の範囲内であり、好ましくは4.2〜7.8質量%の範囲内である。カリウムによって良好な耐加水分解性が生じ、かつガラスの失透特性が改善される。こうした効果を達成するために、酸化カリウムの本発明による下限は3.6質量%である。本発明によれば、8.4質量%を上回るKOは使用されない。なぜならば、これを上回るとガラスの化学的耐久性が悪化するためである。有利なガラス組成物の場合には、KOの下限は、4質量%であってもよく、好ましくは4.2質量%であってもよい。上限として、有利な実施形態においては8質量%のKOが選択されることができ、好ましくは7.8質量%のKOが選択されることができる。
本発明の範囲において、化学的耐久性に関して重要な役割を果たしているのは、酸化ナトリウム、酸化カリウムおよび任意に酸化リチウムの上記の個々の量、並びにガラスにおけるその上記の合計のみではないことが判明した。さらに、本発明によれば、ガラス組成物において酸化カリウムと酸化ナトリウムの特定の比が調整される。本発明によれば、ガラスにおいて0.7〜3.4のKO/NaO比が存在する。驚くべきことに、そのような比に調整すると、ガラス組成物が酸化ジルコニウム(ZrO)を全く含有しておらずかつ酸化ホウ素を比較的少量しか含有していない場合であっても、アルカリ金属イオンがガラス構造体に堅固に結合される。このように構成されるニュートラルガラスは極めて良好な化学的耐久性を示し、特に卓越した耐加水分解性を示す。こうしたニュートラルガラスは加水分解等級1を有するだけでなく、この等級内で上限値に対して下方4分の1ないし3分の1にある(第1表参照)。このことは、製薬分野での使用にとって特に重要である。なぜならば、ガラスからのイオンの溶出は健康上のリスクをはらみうるためである。これに関して、本発明によるガラスは、従来技術から知られている低酸化ホウ素でかつジルコニウムを含有するニュートラルガラスよりもはるかに優れている。(DIN 12116により測定される)耐酸性、および(ISO 695により測定される)耐アルカリ性に関しても、本発明によるガラスは公知のニュートラルガラスよりも優れた値を有している。KO/NaO比を0.7未満に調節すべきではない。なぜならば、さもなくばナトリウム放出および失透特性が悪化するためである。KO/NaO比の上限は3.4に保たれるべきである。なぜならば、これを上回ると溶融時のカリウムの蒸発損失が過度に高くなるためである。
有利な実施形態において、KO/NaO比は好ましくは0.8〜2.9であり、より好ましくは0.9〜2.8である。KO/NaO比の下限は、好ましくは0.8であることができ、好ましくは0.9であることができる。KO/NaO比の上限は、有利には2.9であることができ、好ましくは2.8であることができる。
特に好ましいガラス組成物は、3.5質量%のNaOおよび6.5質量%のKOを有しており、従って1.86のKO/NaO比を有している。
ガラス組成物中には、僅量のアルカリ土類金属酸化物が含まれていてよい。本発明によるガラス中のCaO含有率は、0〜0.4質量%の範囲内である。本発明によるガラス中のMgO含有率は、0〜0.7質量%の範囲内である。上述の限度を上回ると、ニュートラルガラスの耐加水分解性が悪化する。好ましくは、ガラス組成物にはCaOおよび/またはMgOは添加されない。ガラス構造体からバリウムイオンが僅かな程度で浸出することがあるが、これは製薬工業において望ましくない。なぜならば、所定の充填材の場合に析出が生じるためである。好ましくは、ニュートラルガラスはBaOを含有しない。有利なガラス組成物はアルカリ土類金属酸化物を含有せず、すなわち、出発混合物にはアルカリ土類金属酸化物は添加されない。しかし、ガラス中には不純物が存在しうる。
本発明によるガラス中のTiO含有率は、0〜5質量%の範囲内である。酸化チタンによって、ニュートラルガラスの粘度を低下させることができる。さらに、この酸化チタンは、UV照射から保護しかつソラリゼーション(光の作用による黒ずみ)を防ぐ。5質量%というTiOの上限を上回るべきではない。なぜならば、さもなくば、得られるガラスの失透特性が悪化するためである。有利な実施形態は、添加されるTiOを含まない。
本発明によるガラスの製造方法においては、出発成分のブレンドに公知の様式でさらに、清澄剤(例えば、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化スズ、塩化物)および溶融促進剤(例えば、フッ化物)が公知の量で添加され、これは、使用される薬剤に依っては、完成したガラス中になおも含まれることがある(例えば、フッ化物0〜1質量%、塩化物0〜0.5質量%)。
ナトリウム、カリウムおよび任意にリチウムといったアルカリ金属の酸化物の本発明による特定の組み合わせと、酸化アルミニウムの狙い通りの量とによって、本発明による低ホウ素でかつジルコニウム不含のニュートラルガラスが提供される。この本発明による低ホウ素でかつジルコニウム不含のニュートラルガラスは、卓越した耐加水分解性と極めて良好な耐アルカリ性と耐酸性とに加えて、耐結晶化性であってかつ失透傾向を全く示さないかあるいは極めて僅かにしか示さないという点で傑出している。
本発明によるガラス組成物によってもたらされるニュートラルガラスは、管の形態に製造可能であり(例えば、管引き可能であり)、かつ有利には、さらなる加工によって、例えばアンプル、カートリッジ、シリンジ等といった容器にするのに適している。あるいは、このガラスから、例えば板ガラス、ガラスブロック等といった他の形態を製造することもできる。本発明によるニュートラルガラスは、公知のガラス(例えば、DE102010029975A1)と比較して、ボレートの蒸発が僅かである点と耐結晶化性がより高い点とにおいて傑出しているため、ダナー法による管引きも可能である。当然のことながら、他の管引き法も可能であり、例えばベロー引抜き法も可能である。
有利な一実施形態は、以下のもの(質量%)を含む組成を有する、耐加水分解性の高いジルコニウム不含のニュートラルガラスに関する:
Figure 2017036202
これに、通常の量の慣用の清澄剤が加わる。
特に有利な一実施形態は、以下のもの(質量%)を含む組成を有する、耐加水分解性の高いジルコニウム不含のニュートラルガラスに関する:
Figure 2017036202
これに、通常の量の慣用の清澄剤が加わる。
本発明は、本発明によるガラスからなるかまたはこれを含む引抜管にも関する。さらに、本発明は、引抜管を製造するための本発明によるガラスの使用にも関する。
製薬分野における本発明によるニュートラルガラスの使用も、本発明の対象である。特に、本ガラスを、小瓶、シリンジ、アンプルおよび/またはカートリッジに使用することができる。こうした本発明によるガラスから製造される容器も同様に、本発明の対象である。
さらに、本発明によるガラスは、化学的耐久性に基づき、製薬分野のみならず製薬以外の分野においても、(例えば、実験器具用の、例えば、ピペット、ビュレット、ガラスビーカー、試験管、フラスコ、メスフラスコ、シリンダー、メスシリンダー、冷却器、コールドトラップ、漏斗、シャーレ、U字管、デュワー瓶、温度計等のための)実験室用ガラスとしての使用が可能である。本発明によるガラスから製造される実験器具も同様に、本発明の対象である。
さらに、本発明の対象は、一次包装材としての、好ましくは医薬品用の一次包装材としての、特に水性医薬品または含水医薬品用の一次包装材としての、本発明によるニュートラルガラスの使用である。
「一次包装材」という概念は、本発明の範囲においては広範であるものと理解されるべきであり、極めて広義でのあらゆる種類、サイズおよび形態のガラス容器が包含される。これには、閉鎖可能であってかつ製薬分野において使用可能であるあらゆる種類のガラス製中空体(例えば、瓶、小瓶、バイアル、薬瓶、アンプル、カートリッジ、シリンジ等)が含まれる。
本発明の範囲において、「水性医薬品または含水医薬品」には、水を有するあらゆる種類の医薬品作用物質が包含され、また、水を有する複数の医薬品作用物質の混合物も包含される。
「水性医薬品」とは、その主成分が水である医薬品と理解される。例えば、分散媒の主成分が水であることができ、その中に医薬品作用物質が分散している。例えば注射液のように、中に医薬品作用物質が溶解している水溶液が存在することができる。
「含水医薬品」とは、主成分が水ではない医薬品とも理解される。例えばこれは、中に少なくとも1種の医薬品作用物質が分散または溶解している含水媒体であることができ、例えば、中に少なくとも1種の医薬品作用物質が分散または溶解しており、かつ水や例えばアルコールといった他の溶媒の割合を有する溶液であることができる。
医薬品は、液体の形態で存在することができる。しかし、必ずしもそうでなければならないわけではない。半固体または固体の医薬品処方物(例えば、粉末)もあり、これが本発明による一次包装材中に存在することができる。
本発明のガラスは、該ガラスを欠陥なしでかつ廉価に大量生産するのに必要な、特に製薬用一次包装材の製造に必要な、有利な特性を有する。本発明のガラスは、溶融特性、耐結晶化性、清澄特性、加工性および化学的耐久性(特に、耐加水分解性)に関して必要な要件を満たす。従って、本発明によるニュートラルガラスは、製薬用一次包装材の製造に特に適している。本発明によるニュートラルガラスは十分に溶融可能であり、かつ十分に管引き可能である。例えばガラス製の一次包装材のような製薬用容器は通常はガラス管から熱間成形により製造されるため、ガラス管の製造は特に重要である。全体として、本発明によるガラスを工業的規模で十分に良好な品質で経済的に製造することができる。
本発明は、本発明によるニュートラルガラスから成ることを特徴とする一次包装材にも関する。容器の内面は、本発明による一次包装材内に格納されている医薬品、特に水性医薬品または含水医薬品、例えば注射液によって言及に値するような攻撃を受けないため、該ガラスからのイオンの放出は全く生じないかあるいはごく僅かにしか生じない。
本発明によるニュートラルガラスは、水、作用物質および/または1〜11のpH範囲内の緩衝系との接触に際して化学的に耐久性を示す(化学的に不活性)であるため、製薬用容器(一次包装材)の製造に抜群に適している。従って、本発明によるガラスから製造される容器は、水、作用物質および/または1〜11のpH範囲内の緩衝溶液の貯蔵に特に良好に使用可能である。
本発明によるニュートラルガラスから製造される製薬用容器は、水および/または作用物質および/または4〜9のpH範囲内の緩衝溶液(例えば、約8のpH値を有する1Mまたは8.4%重炭酸ナトリウム(NaHCO)溶液)の貯蔵に有利に適している。
好ましくは、本発明によるニュートラルガラスから製造される製薬用容器は、作用物質および/または5〜7のpH範囲内の緩衝溶液(例えば、150mM NaClおよび0.005%Tween 20を含む10mMクエン酸緩衝液(pH=6)、または、150mM NaClおよび0.005%Tween 20を含む10mMリン酸緩衝液(pH=7))の貯蔵に適しており、かつ/または、水、特に注射用水(例えば、Satorius社の超純水、0.2μmのフィルターでフラッシュ、抵抗率18.2MΩ×cm)の貯蔵に適している。
従って、本発明によるニュートラルガラスから製造される一次包装材であって、水、作用物質、1〜11のpH範囲内の緩衝溶液の群から選択される少なくとも1つの成分を収容している前記一次包装材も、本発明の対象である。
本発明の対象はさらに、本発明によるニュートラルガラスから製造される一次包装材であって、水、作用物質、4〜9のpH範囲内の緩衝溶液の群から選択される少なくとも1つの成分を収容している前記一次包装材である。
本発明の対象はさらに、本発明によるニュートラルガラスから製造される一次包装材であって、水、作用物質、5〜7のpH範囲内の緩衝溶液の群から選択される少なくとも1つの成分を収容している前記一次包装材である。
本発明の対象はさらに、本発明によるニュートラルガラスから製造される一次包装材であって、注射用水を収容している前記一次包装材である。
以下に本発明を実施例により説明するが、これは本発明による教示の例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例
以下の表に記載の成分の量は、溶融ガラス中に存在する量であることに留意すべきである。かなりの数の成分(例えば、酸化ホウ素、(ホウ酸、アルカリ金属ホウ酸塩))が、ガラスの製造プロセスや成形プロセスにおいて蒸発傾向にあることは、当業者に知られている。従って、こうした成分の場合には、出発組成物中に存在する量は、後の段階での溶融ガラス中の量よりも多い。さらに、当業者は、必要とされる溶融温度や加工時の温度が蒸発の程度に影響を及ぼすことを知っているため、使用すべき量を狙い通りに算出することができる。揮発性成分の蒸発によって、溶融ガラス中に残存する不揮発成分がより多量となる。
本発明によるガラス組成範囲のうち、7つの実施例を例示的に選択した(第1表参照)。その際、製造方法は以下のステップを含んでいた:ガラス成分の混合、該ガラス成分の溶融、および該ガラス溶融物の清澄。次いで、管または管片を製造した(ダナー法により引抜き加工を行った)。
これらのガラス例から作製した試料について、物理的および化学的特性を測定した。
製薬分野用のニュートラルガラスにおいて特に重要な特性である耐加水分解性と等級を、米国薬局方による規格化された“Glass Grains Test”(USP 38,Kap.660“Containers−Glass”)により調べた。
以下の方法により、ガラスをUSP 38により3種類(I型、II型、III型)に分類する:
試験すべき出発ガラスを洗浄し、乳鉢またはボールミルで粉砕し、3つの異なる規格化された篩メッシュサイズでふるい分けし、超音波浴中でアセトンで数回洗浄し、かつ乾燥させ、これらをすべてUSPに厳密に定められた順序に従って行う。所定の粒径を有する粒状ガラスが得られる。
フラスコ内で、粒状ガラス10gを二酸化炭素不含の精製水50mlと混合する(ガラス試料)。粒状ガラスを含まない対応するブランク試料と同様に、閉鎖したフラスコを、特に定められた条件下に121℃(+/−1℃)で30分間(+/−1分間)オートクレーブ処理し、かつ冷却する。次いで、このブランク試料およびガラス試料と、(USPの規定に従って製造された)メチルレッド溶液0.05mlとを混合し、赤色から黄色へと色が変化するまで0.02M塩酸で滴定する。ガラス試料の滴定体積からブランク試料の滴定体積を差し引いた後、試料1g当たりの0.02M塩酸の消費量(ml)の結果を算出する。
試料1g当たりに消費された0.02M塩酸の体積が0.1ml以下である場合にはこれはI型ガラスであり、すなわち、これは加水分解等級1に属するガラスである。試料1g当たりに消費された0.02M塩酸が0.85ml以下であるガラスは、II型ガラスまたはIII型ガラスである。
滴定に要した塩酸の体積は、本発明によるガラスの(アルカリ)浸出の尺度である。以下の表から、USPの項目において、実施例の耐加水分解性(第1表)および比較例の耐加水分解性(第2表)を得ることができる。上記のガラスはいずれも加水分解等級1に属し、これらは主にUSP法によって測定したものである。DE102010029975A1の実施例1〜実施例4に相当する比較例V7〜V10は、公知のISO 719に従って測定したデータ(μg/g)を含む。異なる方法によって測定された加水分解データを比較できるようにするために、「閾値に対する%」のデータから、ガラスが加水分解等級1の中でどのような範囲に存在するのかを知ることができる。従って、この値はガラスの品質指標の一つである。この値が低いほど、各ガラスの耐加水分解性は良好である。従って、これらの表から、本発明により製造された実施例が、部分的に製薬分野で既に使用されている公知のニュートラルガラスよりも良好な耐加水分解性を示すことが明らかに分かる。このことは、他の製薬用ガラスから放出されるイオンよりも、本発明による低ホウ素でかつジルコニウム不含のニュートラルガラスから放出されるイオンの方が少ないことを意味する。
これらの加水分解等級のうちで、酸等級をDIN 12116により識別することができ、かつアルカリ等級をISO 695により識別することができる。全体として、実施例の測定値から、本発明によるニュートラルガラスが、耐アルカリ性および耐酸性に関しても従来の製薬用ガラスに勝っていることが判明した。
実施例においては、1例を除いて失透は生じない。失透、すなわちガラス内での結晶成長(結晶化速度KG(μm/分))を、公知の規格であるASTM C829−81により測定した。耐結晶化性が高いことから、本発明によるガラスはダナー法による引抜き加工に適している。熱膨張係数(CTE(10−6−1))も、特に製薬分野のためのニュートラルガラスに関する要求に適合している。変態温度Tg(℃)も同様である。
従って、これらの結果は、本発明によるニュートラルガラスが製薬分野における一次包装材としての好ましい使用に適しており、特に水性医薬品または水含有医薬品に使用できることを示している。本発明による容器に格納されている医薬品は、本ガラスに対して言及に値するほどの攻撃を与えない。
Figure 2017036202
Figure 2017036202

Claims (17)

  1. ジルコニウム不含であってかつ以下の成分を質量%で有する、好ましくは製薬分野で使用するためのニュートラルガラス:
    Figure 2017036202
  2. 請求項1に記載のニュートラルガラスであって、SiO含有率が75〜81質量%の範囲内であり、好ましくは77〜80質量%の範囲内であることを特徴とする、前記ニュートラルガラス。
  3. 請求項1または2に記載のニュートラルガラスであって、B含有率が3〜6.5質量%の範囲内であり、好ましくは3.5〜5.5質量%の範囲内であることを特徴とする、前記ニュートラルガラス。
  4. 請求項1から3までのいずれか1項に記載のニュートラルガラスであって、Al含有率が5〜7.5質量%であることを特徴とする、前記ニュートラルガラス。
  5. 請求項1から4までのいずれか1項に記載のニュートラルガラスであって、BaOを含有しないことを特徴とする、前記ニュートラルガラス。
  6. 請求項1から5までのいずれか1項に記載のニュートラルガラスであって、NaO含有率が2.8〜4.8質量%の範囲内であることを特徴とする、前記ニュートラルガラス。
  7. 請求項1から6までのいずれか1項に記載のニュートラルガラスであって、KO含有率が4〜8質量%の範囲内であり、好ましくは4.2〜7.8質量%の範囲内であることを特徴とする、前記ニュートラルガラス。
  8. 請求項1から7までのいずれか1項に記載のニュートラルガラスであって、3.5質量%のNaOおよび6.5質量%のKOを含有することを特徴とする、前記ニュートラルガラス。
  9. 請求項1から8までのいずれか1項に記載のニュートラルガラスであって、LiO含有率が0〜0.5質量%であることを特徴とする、前記ニュートラルガラス。
  10. 請求項1から9までのいずれか1項に記載のニュートラルガラスであって、該ガラス中のアルカリ金属酸化物の合計が、6.8〜13.3質量%であり、好ましくは7.0〜12.6質量%であることを特徴とする、前記ニュートラルガラス。
  11. 請求項1から10までのいずれか1項に記載のニュートラルガラスであって、KO/NaOの比が0.8〜2.9の範囲内であり、好ましくは0.9〜2.8の範囲内であることを特徴とする、前記ニュートラルガラス。
  12. 請求項1から11までのいずれか1項に記載のニュートラルガラスであって、アルカリ土類金属酸化物を含有しないことを特徴とする、前記ニュートラルガラス。
  13. 引抜管を製造するための、請求項1から12までのいずれか1項に記載のニュートラルガラスの使用。
  14. 製薬分野における、特に小瓶、シリンジ、アンプルおよびカートリッジのための、請求項1から12までのいずれか1項に記載のニュートラルガラスの使用。
  15. 製薬用一次包装材としての、特に水性医薬品または含水医薬品のための製薬用一次包装材としての、請求項14に記載の使用。
  16. 請求項1から12までのいずれか1項に記載のニュートラルガラスからなることを特徴とする、製薬用一次包装材。
  17. 請求項1から12までのいずれか1項に記載の本発明によるニュートラルガラスから製造された一次包装材であって、水、作用物質、1〜11のpH範囲内の緩衝溶液の群から選択される少なくとも1つの成分を収容していることを特徴とする、前記一次包装材。
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