JP2017034737A - 電力変換装置の制御装置、制御方法、制御プログラム及び電力変換システム - Google Patents

電力変換装置の制御装置、制御方法、制御プログラム及び電力変換システム Download PDF

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利春 大部
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Sho Sato
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Yukihisa Iijima
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Abstract

【課題】負荷変動による過度応答時などの非定常状態においても、これに対応する出力制御ができる。【解決手段】複数段のインバータ10、20を有する電力変換装置100に必要な所要出力を演算する出力演算部40、所要出力に基づいて、各インバータ10、20のパルス幅を設定するパルス幅設定部41、複数段のインバータ10、20の出力の位相差を設定する位相差設定部42、設定されたパルス幅及び位相差に基づいて、複数段のインバータ10、20におけるスイッチング素子1のスイッチングを制御するスイッチング制御部43、所要出力に基づいて、非定常状態であることを判定する判定部44と、非定常状態と判定されると、複数段のインバータ10、20の出力の位相差を変更することにより、複数段のインバータ10、20の合成出力を非定常状態に応じた出力とする変更部45を有する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、複数のインバータを有する電力変換装置の制御装置、制御方法、制御プログラム及び電力変換システムに関する。
交流と直流との間で相互に電力の変換を行う電力変換装置は、種々の用途に使用されている。たとえば、直流を交流に変換して負荷に電力を供給するインバータとしては、4つのスイッチを基本構成とするブリッジ回路から成る装置が使用されてきた。
このような電力変換装置において、オンオフの切り替えであるスイッチングを行うスイッチング素子としては、一般的には、GTO、IGBТなどのパワー半導体素子が用いられる。電力変換装置から出力される電圧は、このパワー半導体素子のスイッチングによる方形波の出力となる。
特開平9−205797号公報
上記のように、スイッチング素子のスイッチングにより出力される電圧波形または電流波形は方形波であるため、ひずみ波を含むことになる。一般的にインバータの出力周波数をfHzとすると、その奇数倍の3fHz(第3次高調波)、5fHz(第5次高調波)・・・のように、基本波の奇数倍の高調波が含まれる。高周波を多く含んだ電流が負荷へ流れると、その周辺機器等にノイズが流れ込み、悪影響を及ぼす可能性がある。
これに対処するため、インバータを多重化して数台の方形波インバータの出力を組み合わせる方法が知られている。これは、複数のインバータ出力の位相を変えることにより、高調波を低減するものである。但し、かかる方法では、インバータで出力できる電圧が制限されてしまう場合があるため、負荷変動による過渡応答時において、電流を制御装置からの指令値通りに制御できなくなる可能性がある。
本発明は、負荷変動による過度応答時などの非定常状態においても、これに対応する出力制御が可能な電力変換装置の制御装置、制御方法、制御プログラム及び電力変換システムを提供することを目的とする。
上記のような課題を解決するため、実施形態の電力変換装置の制御装置は、複数段のインバータを有する電力変換装置に必要な所要出力を演算する出力演算部と、前記出力演算部により演算された所要出力に基づいて、各インバータのパルス幅を設定するパルス幅設定部と、複数段のインバータの出力の位相差を設定する位相差設定部と、前記パルス幅設定部により設定されたパルス幅及び前記位相差設定部により設定された位相差に基づいて、複数段のインバータにおけるスイッチング素子のスイッチングを制御するスイッチング制御部と、前記出力演算部により演算される所要出力に基づいて、非定常状態であることを判定する判定部と、前記判定部が非定常状態と判定すると、複数段のインバータの出力の位相差を変更することにより、複数段のインバータの合成出力を非定常状態に応じた出力とする変更部と、を有することを特徴とする。
実施形態の電力変換システムの構成例を示すブロック図 定常状態における電力変換装置の各インバータ出力及び合成出力を示す波形図 非定常状態における電力変換装置の各インバータ出力及び合成出力を示す波形図 定常状態における電力変換装置の各インバータ出力及び合成出力を示す波形図 非定常状態における電力変換装置の各インバータ出力及び合成出力を示す波形図
本実施形態を、図1〜5を参照して説明する。図1は、電力変換システムSの構成例である。図2〜図5は、第1のインバータ10の出力P1、第2のインバータ20の出力P2、合成出力Psのパルス波を図示した説明図である。
[A.実施形態の構成]
図1に示すように、本実施形態の電力変換システムSは、電力変換装置100と制御装置400を有する。
[1.電力変換装置]
電力変換装置100は、複数段のインバータを有する。複数段のインバータを有するとは、複数のインバータが、各インバータの出力を合成した電力が得られるように接続されていることをいう。
このような電力変換装置100の一例を、図1を参照して説明する。図1の電力変換装置100は、電圧型の多重インバータの回路構成の一例である。電力変換装置100は、電源となる直流電圧源200に接続されている。また、電力変換装置100には、電力変換装置100から出力された交流電力を消費する負荷300が接続されている。電力変換装置100の出力は、負荷300で消費されるエネルギーを供給するという観点からは電力であるが、電圧型のインバータの出力及びその波形の比較においては電圧である。
電力変換装置100は、複数段のインバータとして、第1のインバータ10、第2のインバータ20を有する。第1のインバータ10は、4つのスイッチング素子1で構成されるブリッジ回路である。つまり、直列に接続された2つのスイッチング素子1からなる組が、2組並列に接続されている。スイッチング素子1としては、例えば、GTO、IGBT等のパワー半導体素子を用いることができる。
各スイッチング素子1には、フィードバック用のダイオード2が並列に接続されている。各組の2つのスイッチング素子1の間は、リアクトル11及びトランス12の1次側を介して接続されている。また、第2のインバータ20も、第1のインバータ10と同様の構成であり、各組の2つのスイッチング素子1の間は、リアクトル21及びトランス22の一次側を介して接続されている。
第1のインバータ10及び第2のインバータ20の入力側は、直流電圧源200に並列に接続されている。一方、第1のインバータ10及び第2のインバータ20の出力側は、負荷300に直列に接続されている。つまり、トランス12、22の二次側が、負荷300に直列に接続されている。
電力変換装置100は、直流電圧源200からの直流電圧を、単相の交流電圧へと変換する。このとき、第1のインバータ10、第2のインバータ20は、それぞれの対角線上のスイッチング素子1の組を、交互にオンオフすることにより、方形波の交流電圧を出力する。出力された交流電圧はトランス12、22を介して昇圧され、負荷300へ供給される。
[2.制御装置]
制御装置400は、電力変換装置100の運転を制御する装置である。この制御装置400は、出力演算部40、パルス幅設定部41、位相差設定部42、スイッチング制御部43、判定部44、変更部45、記憶部46を有する。
[出力演算部]
出力演算部40は、電力変換装置100に必要な所要出力を演算する処理部である。所要出力は、負荷300との関係で電力変換装置100が供給すべき出力である。出力演算部40は、例えば、外部から入力された情報に基づいて所要出力を演算する。外部から入力された情報とは、負荷電流の状態を示す各種のパラメータである。例えば、負荷に流れる電流を検出する検出部Tからの検出値とする。つまり、出力演算部40は、負荷電流をフィードバックにより制御することを可能にする。
[パルス幅設定部]
パルス幅設定部41は、出力演算部40により演算された所要出力に基づいて、各インバータのパルス幅を設定する処理部である。例えば、パルス幅設定部41は、電力変換装置100の出力が所要出力となるように、第1のインバータ10及び第2のインバータ20のパルス幅を演算により求めて設定する。
パルス幅は、方形波の正又は負の立ち上がりエッジから立ち下がりエッジまでの幅である。ここでは、説明の便宜上、立ち上がりエッジ幅、立ち下がりエッジ幅は考慮しない。また、本実施形態では、パルス幅を度数表記する。第1のインバータ10及び第2のインバータ20のそれぞれの出力のパルス幅は、最小が0°、最大が180°である。例えば、電圧型の第1のインバータ10及び第2のインバータ20が出力可能な電圧の範囲は、直流電圧源200の電圧とパルス幅で決定される。
[位相差設定部]
位相差設定部42は、複数段のインバータの出力の位相差を設定する処理部である。位相差は、所定の周波数の方形波の位相のずれである。本実施形態では、位相差設定部42は、第1のインバータ10の出力と第2のインバータ20の出力との位相差を設定する。例えば、第1のインバータ10及び第2のインバータ20の出力電圧の位相差は、立ち上がり又は立ち下がりのずれ幅である。本実施形態では、この位相差も度数表記する。なお、後述するように、この位相差は、変更部45により変更される場合がある。
[スイッチング制御部]
スイッチング制御部43は、パルス幅設定部41により演算されたパルス幅及び位相差設定部42により設定された位相差に基づいて、電力変換装置100におけるスイッチング素子1のスイッチングを制御する処理部である。スイッチングの制御とは、スイッチング素子1のオンオフの切り替えを制御することをいう。具体的には、スイッチング制御部43は、所定のタイミングで各スイッチング素子1のオンオフを切り替えるゲート信号を生成し、出力することにより、スイッチングを制御する。
[判定部]
判定部44は、出力演算部40により演算される所要出力に基づいて、非定常状態であることを判定する処理部である。ここで、定常状態と非定常状態について説明する。まず、定常状態は、安定して電力の供給を行うことができる状態である。例えば、検出部Tにより検出された負荷電流が安定していて、必要な電圧に急激な変化が生じていない場合は、定常状態に含まれる。この場合、出力演算部40が演算する所要出力は安定している。
一方、非定常状態とは、定常状態を逸脱した状態から安定化するまでの状態である。例えば、過渡応答による負荷変動が大きいため、検出部Tにより検出された電流値に基づいて出力演算部40が演算する所要出力が、定常状態のパルス幅又は位相差による複数段のインバータの合成出力の最大値を超える場合がある。本実施形態では、第1のインバータ10及び第2のインバータ20の出力電圧の最大値を超える場合である。このような場合は、非定常状態に含まれる。
判定部44による非定常状態か否かの判定は、例えば、所要出力としきい値との比較により行う。上記の出力電圧の最大値をしきい値として、出力演算部40の演算による所要出力が、このしきい値を超える場合、非定常状態であると判定できる。例えば、検出部Tが検出する負荷電流により、負荷が必要な電圧が急激に増大した場合、最大電圧−所要電圧がマイナスとなり、非定常状態と判定される。
[変更部]
変更部45は、判定部44が非定常状態と判定すると、複数段のインバータの出力の位相差を変更することにより、複数段のインバータの合成出力を非定常状態に応じた出力とする処理部である。例えば、変更部45は、最大電圧−所要電圧に必要な位相に変換するための係数を掛けた値だけ、位相を小さくする。これにより、不足している電圧相当分だけ、位相が変化し、非定常時のみ位相により電圧制御が可能となる。この時、パルス幅は180°である。
あるいは、位相を切り替えてもよい。たとえば、判定部44が非定常状態と判定すると、位相差設定部42が設定する位相差を、第1の位相差と第2の位相差との間で切り替える。これにより、出力電圧に余裕ができるため、パルス幅による出力電圧制御が可能となる。
第1の位相差は、定常状態のための位相差である。定常状態のための位相差とは、電力変換装置100が、定常状態に対応する出力を得られる位相差をいう。定常状態に対応する出力とは、定常状態において必要な負荷電流が得られる出力をいう。
第1の位相差としては、図2に示すように、例えば、60°とする。第1のインバータ10の出力P1及び第2のインバータ20の出力P2のパルス幅が180°で、位相差が60°であれば、導通角は、120°となる。導通角は、電圧が印加されて電流が流れる幅を度数表記したものである。本実施形態では、電力変換装置100の出力、つまり複数段のインバータの合成出力Psの導通角は、第1のインバータ10と第2のインバータ20の立ち上がりが重なる幅である。この幅は、合成出力Psのパルス幅となる。出力P1、P2のプラス・マイナスが打ち消されてゼロになる部分がなくなり、プラスが重なる部分で電圧が高くなる。
なお、位相差の設定により、各インバータの出力周波数に対して所定の次数の高調波を除去できる。例えば、位相差が60°であれば、後述するように、第1のインバータ10の第3次高調波R1、第2のインバータ20の第3次高調波R2を除去できる。
第2の位相差は、非定常状態のための位相差である。非定常状態のための位相差とは、電力変換装置100が、非定常状態に対応する出力を得られる位相差をいう。非定常状態に対応する出力とは、少なくとも定常状態に必要な負荷電流より大きく且つ非定常状態において必要な負荷電流以下の電流が得られる出力をいう。非定常状態において必要な負荷電流より大きな電流が得られる出力であってもよい。
第2の位相差としては、図3に示すように、例えば、50°とする。第1のインバータ10の出力P1及び第2のインバータ20の出力P2のパルス幅が180°で、位相差が50°であれば、合成出力Psの導通角は、130°になる。この場合、導通角は、定常状態よりも拡大するため、非定常状態に応じた出力を得ることができる。
この場合も、第1の位相差と同等を上限として、複数段のインバータの出力周波数に対する所定の次数の高調波低減の作用が得られる。例えば、位相差が50°であっても、後述するように、第1のインバータ10の第3次高調波R1、第2のインバータ20の第3次高調波R2の低減効果が得られる。
なお、変更部45による位相差の変更は、少なくとも非定常状態が判定されてから定常状態となるまでの間、変更されていればよい。従って、例えば、非定常状態に切り替えてから1秒〜数秒後に定常状態に戻せばよい。
[記憶部]
記憶部46は、制御装置400の処理に必要な各種の情報を記憶する処理部である。例えば、検出部Tにより検出された電流値、非定常状態を判定するためのしきい値等を記憶することができる。しきい値としては、上記のように、定常状態における複数段のインバータの合成出力の最大値とすることができる。
さらに、記憶部46は、第1の位相差記憶部46a、第2の位相差記憶部46bを有する。第1の位相差記憶部46aは、定常状態のための位相差である第1の位相差を記憶する処理部である。第2の位相差記憶部46bは、非定常状態のための位相差である第2の位相差を記憶する処理部である。なお、第2の位相差は、特定の位相差であってもよいし、第1の位相差に対する変動幅として設定されていてもよい。
このような記憶部46は、典型的には、内蔵された若しくは外部接続された各種メモリ等の記憶媒体により構成できるが、現在又は将来において利用可能なあらゆる記憶媒体を利用可能である。演算に用いるレジスタ等も、記憶部46として捉えることができる。
以上のような制御装置400は、CPU等を含むコンピュータを所定のプログラムで制御することによって実現できる。この場合のプログラムは、コンピュータのハードウェアを物理的に活用することで、上記のような処理部を実現するものである。
上記の処理部による処理を実行する方法、プログラム及びプログラムを記録した記録媒体も、本実施形態の一態様である。また、ハードウェアで処理する範囲、プログラムを含むソフトウェアで処理する範囲をどのように設定するかは、特定の態様には限定されない。例えば、上記の処理を実現するように構成された回路も、実施形態の一態様である。
また、制御装置400は、図示はしないが、入出力部等を備えている。入出力部は、例えば、操作パネル、キーボード、マウス、ディスプレイ、入出力用端末等により構成できる。この入出力部は、運転開始、運転停止、その他上記の処理に必要な情報の入力を行うことができるとともに、記憶部46に記憶された情報、各部の処理結果等を表示等させることができる。
[B.実施形態の作用]
以上のような本実施形態の作用を、図1〜5を参照して説明する。なお、以下の説明では、第1のインバータ10の出力P1及び第2のインバータ20の出力P2に生じる位相差を段間位相差と呼ぶ。
始動時から、スイッチング制御部43は、スイッチング素子1のスイッチングを制御して、第1のインバータ10及び第2のインバータ20の出力を制御する。つまり、直流電圧源200から供給される直流電圧を、スイッチング制御により交流電圧に変換して、負荷300に供給する。このスイッチング制御は、パルス幅設定部41により設定されたパルス幅及び位相差設定部42により設定された位相差に基づいて行う。
パルス幅設定部41は、出力演算部40により演算された所要出力に応じて、設定するパルス幅を適宜調整する。位相差設定部42に設定された位相差は、定常状態においては、第1の位相差である。これにより、負荷電流に応じた安定した合成出力が得られるように、パルス幅が制御される。
本実施形態のように、第1のインバータ10の出力P1、第2のインバータ20の出力P2を直列に接続したときの合成出力Psは、両者の出力を足し合わせたものに等しい。例えば、図2に示すように、電力変換装置100が、60°の段間位相差で駆動している場合、合成出力Psは最大120°の導通角となる。もし、段間位相差の制御を行わない場合、つまり段間位相差が0°の場合、合成出力Psは最大180°の導通角となる。このため、段間位相差の制御を行った場合は、段間位相差の制御を行わない場合と比較して、導通角が狭まり、出力電圧が制限されることになる。
但し、高調波に着目すると、段間位相差が生じるように複数段のインバータの出力を制御すると、複数段の出力における高調波が打ち消されるので、所望の次数の高調波を除去できる。例えば、図2に示すように、第3次高調波のみに着目すると、段間位相差を制御すると、第1のインバータ10の第3次高調波R1、第2のインバータ20の第3次高調波R2の位相もずれることになる。このため、第1のインバータ10、第2のインバータ20において発生する互いの第3次高調波R1、R2が打ち消されることになり、全体として第3次高調波を除去できる。
ここで、例えば、回路定数の制約等で出力に余裕がない電圧で制御を行っている際に、負荷変動等による過度応答が発生した場合を想定する。この場合、最大120°の導通角で所望の電流を負荷へ流す制御をしようとしても、電力変換装置100で出力できる電圧が制限されてしまう。このため、負荷に流す電流を指令値通りに制御できなくなる可能性がある。
このような場合、出力演算部40が演算する所要出力が、定常状態の位相差による第1のインバータ10及び第2のインバータ20の合成出力の最大値を超える。このため、判定部44は、出力演算部40が演算するパルス幅と、しきい値とを比較して、しきい値を超えるために、非定常状態であると判定する。
すると、変更部45は、位相差設定部42が設定する位相差を、第2の位相差に切り替える。これにより、段間位相差が狭まることになるので、出力電圧が大きくなり、過度応答時にも所望の電流を負荷に供給することが可能となる。例えば、図3に示すように、非定常状態に、50°の段間位相差とすることで、60°で行っていた場合の段間位相差よりも、合成出力のパルス幅を10°広げることができる。過度応答時にのみ、このように段間位相差を狭めることによって、負荷に必要な電流を供給できる。
非定常状態から定常状態に戻ると、判定部44は、出力演算部40が演算する出力が、しきい値以下となったと判定する。すると、変更部45は、位相差設定部42が設定する位相差を、第1の位相差に戻す。上記のように、非定常状態は、非常に短時間であるため、第2の位相差への切り替えから第1の位相差へ戻すまでの時間は短い。なお、第2の位相差へ切り替えてから、所定時間を経過した後、第1の位相差に戻すように設定してもよい。なお、説明では、第1の位相差から第2の位相差へ切り替えるように説明したが、連続的に変化させても同様である。
[C.実施形態の効果]
(1)以上のような本実施形態は、第1のインバータ10、第2のインバータ20という複数段のインバータを有する電力変換装置100に必要な所要出力を演算する出力演算部40と、出力演算部40により演算された所要出力に基づいて、各インバータのパルス幅を設定するパルス幅設定部41と、複数段のインバータの出力の位相差を設定する位相差設定部42と、を有する。そして、パルス幅設定部41により設定されたパルス幅及び位相差設定部42により設定された位相差に基づいて、電力変換装置100におけるスイッチング素子1のスイッチングを制御するスイッチング制御部43を有する。さらに、出力演算部40により演算される所要出力に基づいて、非定常状態であることを判定する判定部44と、判定部44が非定常状態と判定すると、複数段のインバータの出力の位相差を変更することにより、複数段のインバータの合成出力を非定常状態に応じた出力とする変更部45と、を有する。
このように、非定常状態に応じて位相差を変更することで、第1のインバータ10と第2のインバータ20による最大の合成出力の範囲を拡大することができるので、過度応答による負荷変動時のように出力が不足する場合でも、電力変換装置100の出力を上昇させることができる。
(2)本実施形態は、定常状態のための位相差である第1の位相差を記憶する第1の位相差記憶部46aと、非定常状態のための位相差である第2の位相差を記憶する第2の位相差記憶部46bを有する。そして、変更部45は、判定部44が非定常状態と判定すると、位相差設定部42が設定する位相差を、第1の位相差と第2の位相差との間で切り替える。
このため、定常状態における第1の位相差では、過度応答による負荷変動時に出力が不足する場合でも、非定常状態における第2の位相差に切り替えることで、所望の電流を負荷300へ流すように高速に応答することができる。
(3)第1の位相差及び第2の位相差は、各インバータの出力周波数に対して所定の次数の高調波が低減される位相差である。このため、定常状態においても、非定常状態においても、所望の電流を負荷300に供給しつつ、高調波による外部への影響を防止することができる。
(4)判定部44は、所要出力が、定常状態のパルス幅又は位相差による複数段のインバータの合成出力の最大値を超えるか否かを判定する。このため、要求される出力が定常状態に比べて過大であっても、これに応じた位相差制御又はパルス幅制御により、所望の電流を負荷300に供給できる。
(5)出力演算部40は、電力変換装置100に接続された負荷300に流れる負荷電流の検出値に基づいて、各インバータの出力のパルス幅を演算する。このため、出力電流のフィードバックによる出力電流の一定制御を行うことができ、出力不足を速やかに検出して、過度応答に対する制御を実現できる。
[D.他の実施形態]
(1)上記の実施形態では、複数段のインバータとして、第1のインバータ10、第2のインバータ20の2段の例で説明したが、2段よりも多くして出力を大きくできるように構成してもよい。4段、6段のように偶数段とする場合には、単純に2段のものを重ねて構成すればよい。また、奇数段とする場合には、トランスの巻数比を調整する必要がある。
(2)所要出力、パルス幅、位相差等の具体的な設定値は、上記の実施形態には限定されない。位相差を少なくすることによる合成出力の拡大効果と、位相差をずらすことによる高調波低減効果とのバランスで調整することが考えられる。位相差の設定によっては、5次等の他の次数の高調波を除去することもできる。
(3)上記の実施形態は、電圧型のインバータであったが、電流型のインバータであっても適用できる。つまり、上記の実施形態における出力、パルス幅、位相差の関係を出力電流のパルスとしても同様である。
(4)本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 スイッチング素子
2 ダイオード
10 第1のインバータ
11、21 リアクトル
12、22 トランス
20 第2のインバータ
40 出力演算部
41 パルス幅設定部
42 位相差設定部
43 スイッチング制御部
44 判定部
45 変更部
46 記憶部
46a 第1の位相差記憶部
46a 第2の位相差記憶部
100 電力変換装置
200 直流電圧源
300 負荷
400 制御装置
T 検出部
S 電力変換システム

Claims (8)

  1. 複数段のインバータを有する電力変換装置に必要な所要出力を演算する出力演算部と、
    前記出力演算部により演算された所要出力に基づいて、各インバータのパルス幅を設定するパルス幅設定部と、
    複数段のインバータの出力の位相差を設定する位相差設定部と、
    前記パルス幅設定部により設定されたパルス幅及び前記位相差設定部により設定された位相差に基づいて、複数段のインバータにおけるスイッチング素子のスイッチングを制御するスイッチング制御部と、
    前記出力演算部により演算される所要出力に基づいて、非定常状態であることを判定する判定部と、
    前記判定部が非定常状態と判定すると、複数段のインバータの出力を変更することにより、複数段のインバータの合成出力を非定常状態に応じた出力とする変更部と、
    を有することを特徴とする電力変換装置の制御装置。
  2. 定常状態のための位相差である第1の位相差を記憶する第1の位相差記憶部と、
    非定常状態のための位相差である第2の位相差を記憶する第2の位相差記憶部と、
    を有し、
    前記変更部は、前記判定部が非定常状態と判定すると、前記位相差設定部が設定する位相差を、前記第1の位相差と前記第2の位相差との間で切り替えることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置の制御装置。
  3. 前記第1の位相差及び前記第2の位相差は、各インバータの出力周波数に対して所定の次数の高調波が低減される位相差であることを特徴とする請求項2記載の電力変換装置の制御装置。
  4. 前記判定部は、前記所要出力が、定常状態の位相差による前記複数段のインバータの合成出力の最大値を超えるか否かを判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力変換装置の制御装置。
  5. 前記出力演算部は、前記電力変換装置に接続された負荷に流れる負荷電流の検出値に基づいて前記所要出力を演算することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電力変換装置の制御装置。
  6. コンピュータ又は電子回路が、
    複数段のインバータを有する電力変換装置に必要な所要出力を演算する出力演算処理と、
    前記出力演算処理により演算された所要出力に基づいて、各インバータのパルス幅を設定するパルス幅設定処理と、
    複数段のインバータの出力の位相差を設定する位相差設定処理と、
    前記パルス幅設定処理により設定されたパルス幅及び前記位相差設定処理により設定された位相差に基づいて、複数段のインバータにおけるスイッチング素子のスイッチングを制御するスイッチング制御処理と、
    前記出力演算処理により演算される所要電圧に基づいて、非定常状態であることを判定する判定処理と、
    前記判定処理により非定常状態と判定されると、複数段のインバータの出力の位相差を変更することにより、複数段のインバータの合成出力を非定常状態に応じた出力とする変更処理と、
    を実行することを特徴とする電力変換装置の制御方法。
  7. コンピュータに、
    複数段のインバータを有する電力変換装置に必要な所要出力を演算する出力演算処理と、
    前記出力演算処理により演算された所要出力に基づいて、各インバータのパルス幅を設定するパルス幅設定処理と、
    複数段のインバータの出力の位相差を設定する位相差設定処理と、
    前記パルス幅設定処理により設定されたパルス幅及び前記位相差設定処理により設定された位相差に基づいて、複数段のインバータにおけるスイッチング素子のスイッチングを制御するスイッチング制御処理と、
    前記出力演算処理により演算される所要出力に基づいて、非定常状態であることを判定する判定処理と、
    前記判定処理により非定常状態と判定されると、複数段のインバータの出力の位相差を変更することにより、複数段のインバータの合成出力を非定常状態に応じた出力とする変更処理と、
    を実行させることを特徴とする電力変換装置の制御プログラム。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電力変換装置の制御装置に、複数段のインバータを有する電力変換装置が接続されていることを特徴とする電力変換システム。
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