JP2017029044A - 食用油脂 - Google Patents

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Koichi Kubota
耕一 窪田
鈴木 陽
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陽 鈴木
佳明 関屋
Yoshiaki Sekiya
佳明 関屋
孝宏 岡田
Takahiro Okada
孝宏 岡田
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Abstract

【課題】解決しようとする課題は、程よい風味・コク味があり、加熱調理に適した食用油脂を開発することである。
【解決手段】軽度精製菜種油を0.1〜30質量%含み、不けん化物の含有量が0.8〜3質量%である食用油脂である。前記軽度精製菜種油の脱臭温度が200℃未満である食用油脂である。前記食用油脂が、米糠油および/またはコーン油を含む、食用油脂である。前記食用油脂が、揚げ油である食用油脂である。前記食用油脂が、炊飯油である食用油脂である。
【選択図】なし

Description

本発明は食用油脂、特に加熱調理に適した食用油脂に関する。
食用油脂の主な用途は、揚げ物、炒め物等の加熱調理であり、加熱調理の際に生じる臭気の抑制が、家庭用業務用を問わず作業環境改善の面で求められて来た。また、消費者の嗜好としても、あっさりとした風味が好まれる傾向にあり、加熱調理に使用される食用油脂は、精製工程の改善により、より雑味が取り除かれたものとなっている。また、近年では、酸化安定性に強く加熱臭の少ない高オレイン酸系の植物油脂が市場に浸透している。
一方で一面においては、揚げ物等があっさりとした風味であるがために物足りなさを感じる消費者もあり、程よい風味・コク味が求められているのも事実である。
風味調整された加熱調理に使用する食用油脂としては、例えば、ラード及び/又は融点20〜40℃の硬化油を添加した加熱調理用油脂(特許文献1)や、微量の酸化した長鎖高度不飽和脂肪酸を含有した植物油脂組成物(特許文献2)が提案されている。しかしながら、特許文献1の加熱調理油脂は、水素添加臭を特徴とするものであり、獣肉類のフライ物には比較的無難であるが、葉物や海産物の揚げ物には風味が合わないものであった。また、特許文献2の植物油脂組成物は、海産物の揚げ物には比較的無難であるが、獣肉類のフライ物には風味が合わないものであった。
特開2009−5681号公報 WO2003/094633号公報
解決しようとする課題は、程よい風味・コク味があり、加熱調理に適した食用油脂を開発することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、一定量の不けん化物を含む食用油脂は、風味・コク味が優れること、さらに、軽度精製菜種油を少量含有させることにより、雑味を打消し、さらに風味・コク味が引き立つことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下のようなものを提供する。
(1)軽度精製菜種油を0.1〜30質量%含み、不けん化物の含有量が0.8〜3質量%である食用油脂。
(2)前記軽度精製菜種油の脱臭温度が200℃未満である(1)の食用油脂。
(3)米糠油および/またはコーン油を含む、(1)または(2)の食用油脂。
(4)揚げ油である、(1)〜(3)の何れか1つの食用油脂。
(5)炊飯油である、(1)〜(3)の何れか1つの食用油脂。
(6)(1)〜(3)の何れか1つの食用油脂を含む食品。
本発明によれば、程よい風味・コク味があり、加熱調理に適した食用油脂を提供することができる。特に、揚げ油、炒め油、炊飯油としての使用に適した食用油脂を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の食用油脂は、軽度精製菜種油を0.1〜30質量%含有する。本発明における軽度精製菜種油は、菜種種子より圧搾乃至圧搾抽出により得られるものであるが、少なくとも脱臭処理を経たものである。菜種種子は焙煎処理されたものでも良いが、未焙煎油である方がよりマイルドな風味であり、広く一般に受け入れられ易くなるので好ましい。脱臭処理は、揮発性物質等を除去することができれば、その脱臭方法は特に限定されないが、例えば、油脂の精製に通常用いられる減圧水蒸気蒸留にて脱臭することが好ましい。
本発明の食用油脂に使用する軽度精製菜種油の脱臭処理は、その脱臭温度が、通常の食用油脂の精製における脱臭温度(200〜270℃)より低い温度、すなわち、200℃未満であることが好ましい。軽度精製菜種油の脱臭処理は、例えば、20トール未満の減圧下(好ましくは2〜10トールの減圧下)、脱臭温度180℃以下で行うことがより好ましく、100〜170℃で行うことがさらに好ましく、120〜160℃で行うことが最も好ましい。脱臭時間は、10〜120分間であることが好ましく、20〜90分間であることがより好ましく、30〜90分間であることがさらに好ましい。上記脱臭条件で脱臭処理することにより、軽度精製菜種油は、雑味・エグ味が取れ、適度なコク味・香味が残るので好ましい。本発明の食用油脂は、軽度精製菜種油を、0.5〜22質量%含有することが好ましく、1〜15質量%含有することがより好ましく、2〜10質量%含有することが更に好ましい。
本発明の食用油脂に使用する軽度精製菜種油の態様の1つとしては、菜種種子より圧搾乃至圧搾抽出された菜種油を、脱ガム処理した菜種油であることが好ましい。脱ガム処理としては、例えば、温度70〜80℃、水添加量約3質量%(対圧搾油乃至圧搾抽出油)の条件下、必要に応じてクエン酸もしくはリン酸を添加して、遠心分離機で遠心分離することでリン脂質の除去がなされる。必要に応じて水洗い、乾燥後、再度ろ過する等方法が挙げられるが、これに限定するものではない。
本発明の食用油脂に使用する軽度精製菜種油は、通常食用油脂の製造で行われる、脱酸、脱色処理は特に必須ではないが、脱酸、脱色処理を行うことで、脱臭後の菜種油の品質はより安定したものとなる。
脱酸処理においては、例えば、80〜90℃程度に加温した脱ガム処理油に、油脂中の遊離脂肪酸に対して中和当量で5〜40質量%過剰のアルカリ水溶液を添加攪拌し、遠心分離により、沈殿物を除去することにより、油脂中に含まれる遊離した脂肪酸を除去することができる。脱酸処理で使用するアルカリ水溶液は、特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等公知の種々のアルカリ水溶液を使用することができる。
脱酸処理に付随する後工程として、必要に応じて油脂中に含まれる石鹸(アルカリ成分)を除去するために水洗を行う(水洗工程)。水洗工程は、アルカリ成分を除去することができれば水洗でなくてもよく、例えば、湯を使用してアルカリ成分を除去してもよい。なお、水洗工程後必要に応じて、脱酸水洗された油脂を乾燥させてもよい。
脱色処理は、油脂に吸着剤を添加することにより行う。油脂に添加する吸着剤は、適宜変更することができるが、例えば、モンモリロナイトを主成分とする白色から黄褐色の粘土鉱物である白土を酸処理した活性白土、あるいは活性炭等公知の種々の吸着剤を使用することができる。これらは単独で使用してもよいが、複数組み合わせて使用してもよい。
吸着剤の添加量は、油脂中に含まれる着色成分量によって適宜変化させることができるが、例えば、活性白土の場合、油脂に対して0.05〜0.5質量%であることが好ましく、0.1〜0.4質量%であることが更に好ましい。吸着剤の添加量が上記範囲であると、脱臭処理後の風味が適度なものとなり好ましい。油脂と吸着剤との接触条件は、油脂によって適宜変更することができるが、例えば90〜120℃で10〜40分間接触させることが好ましい。この条件で効率的に脱色処理を行うことができる。
また、油脂と吸着剤とを接触させる際、水分の存在による吸着剤の吸着効率の低下を防止するとともに、酸素の存在による油脂の酸化を防止するために、減圧下で油脂と吸着剤とを接触させ、脱色処理を行うことが好ましい。脱色処理の終了には、フィルタープレス等によりろ過し、吸着剤を除去する。
本発明の食用油脂に使用する軽度精製菜種油は、未焙煎の菜種種子から圧搾乃至圧搾抽出した油脂を、上記記載の条件で、脱ガム、脱酸、脱色、脱臭処理したものが、食用油脂に配合した場合、良好な風味・コク味を付与することができるので好ましい。
本発明の食用油脂に使用する軽度精製菜種油は、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上であることが好ましい。ここで、ロビボンド比色計におけるY+10R値とは、1インチセル(25.4ミリセル)を使用して測定したY値と、同じく1インチセル(25.4ミリセル)を使用して測定したR値とから、Y値にR値の10倍の数を加えることによって導き出される値である。ロビボンド比色計におけるY値及びR値の測定は、日本油化学協会、基準油脂分析法2.2.1.1−1996のロビボンド法に準拠して行うことができる。
本発明の食用油脂に使用する軽度精製菜種油は、ロビボンド比色計におけるY+10R値が30以上であることが好ましく、40以上であることがより好ましく、50以上であることが更に好ましく、55以上であることが更により好ましい。Y+10R値の上限値は特に制限はないが、品質をより安定したものとするために、150以下であることが好ましく、120以下であることがより好ましく、100以下であることが更に好ましい。ロビボンド比色計におけるY+10R値は、軽度精製菜種油の品質の目安として使用できる。
本発明の食用油脂は、不けん化物を0.8〜3質量%含有する。食用油脂に含まれる不けん化物とは、通常、ステロール、トコフェロール、炭水化物、グリセリン、高級アルコール等のアルカリでけん化されない物質のことである。本発明の食用油脂は、程よい風味・コク味を得るために、不けん化物を0.9〜2.5質量%含有することがより好ましく、1〜2質量%含有することがさらに好ましい。なお、食用油脂の不けん化物の含有量は、例えば、日本油化学協会の基準油脂分析試験法の不けん化物測定法(2.4.8−1996)に準じて測定することができる。
本発明の食用油脂は、不けん化物を0.8〜3質量%含有する限りにおいて、不けん化物の含有量はどのように調製されてもよい。例えば、不けん化物の含有量が少ない、パーム油、紅花油、向日葵油等の油脂に、市販の製剤、例えば、築野食品工業(株)社製の商品名「ライステロールエステル」や、タマ生化学工業(株)社製の商品名「フィトステロールS」などを添加して、不けん化物の含有量を調製してもよい。また、米油(米糠油)、胡麻油、コーン油等の不けん化物の含有量が多い油脂をベースとして調製してもよい。特に、もともと不けん化物の含有量が多い油脂をベースとした方が、風味・コク味がより自然な風合いとなり、好ましい。
本発明の食用油脂の軽度精製菜種油を除いた部分、すなわち、残りの70〜99.9質量%の部分は、食用油脂として適したものであれば、どのようなものであっても構わないが、程よい風味・コク味を得るには、植物油脂であることが好ましい。例えば、従来食用に供される大豆油、菜種油、綿実油、ヒマワリ種子油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、胡麻油、イリッペ脂、サル脂、シア脂、パーム油、パーム核油、ヤシ油等、並びに、これらに、硬化、分別、エステル交換(油脂と脂肪酸または脂肪酸エステルとのエステル交換も含む)等の加工を加えた加工油脂の中から1種あるいは2種以上を選択して使用してもよい。特に、不けん化物の含有量が多い、米糠油、胡麻油、コーン油を含むことが好ましく、コーン油を含むことがより好ましい。硬化油は、水素添加臭(水添臭)が出る恐れがあるので使用しないか、極度硬化して使用するのが好ましいが、使用したとしても30質量%以下が好ましく、より好ましくは10質量%以下である。
本発明の食用油脂の軽度精製菜種油を除いた部分は、良好な風味・コク味を有するために、通常の精製処理された油脂を使用することが好ましい。すなわち、通常の油脂の製造工程である、脱ガム、脱酸、脱色、脱臭等の各処理を経て製造された油脂であることが好ましい。特に、脱色処理における吸着剤が活性白土である場合、その添加量は、油脂に対して0.3〜5質量%であることが好ましく、0.5〜3質量%であることがより好ましい。脱臭処理における脱臭温度は、200〜270℃であることが好ましく、220〜260℃であることがより好ましく、230〜255℃であることがさらに好ましい。
本発明の食用油脂の軽度精製菜種油を除いた部分は、ロビボンド比色計におけるY+10R値が、20未満であることが好ましく、10以下であることがより好ましく、5以下であることがさらに好ましい。Y+10R値の下限値は特に制限はないが、過剰精製による品質の劣化を防止するために、0より大きいことが好ましい。ロビボンド比色計におけるY+10R値は、本発明の軽度精製菜種油を除いた部分の、品質の目安として使用できる。
本発明の食用油脂は、軽度精製菜種油を0.1〜30質量%含み、不けん化物の含有量が0.8〜3質量%となるように、調製すればよく、その製造方法には特に制限はない。例えば、軽度精製菜種油とその他の食用油脂を混合し、上述の市販の製剤等を添加することにより、不けん化物の含有量を調整してもよい。また、軽度精製菜種油と、米油やコーン油などの不けん化物を多く含有する油脂とを適宜混合することにより、不けん化物の含有量を調整してもよい。
本発明の食用油脂は、本発明の構成および特徴を損なわない限りにおいて、必要に応じて通常の食用油脂に用いられる添加剤を適宜添加することができる。具体的には、保存安定性向上、酸化安定性向上、熱安定性向上、低温下での結晶析出抑制等を目的としたポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ビタミンE、アスコルビン酸脂肪酸エステル、リグナン、コエンザイムQ、オリザノール、ジグリセリド、シリコーン、トコフェロール、レシチン、着色料、香料等が挙げられる。添加剤の添加量は食用油脂100質量%に対して、3質量%以下であることが好ましい。
本発明の食用油脂は、食品の加熱調理用に適している。例えば、素揚げ、から揚げ、フライ、フリッター、天ぷら等の揚げ物や炒め物等の加熱調理、もしくは、食材の表面にコーティングしてオーブン等で輻射乃至対流加熱する加熱調理に好適に使用することができる。また、本発明の食用油脂は、程よい風味・コク味を有するため、加熱調理の1態様である炊飯油として使用することにより、風味のよい米飯を炊き上げることができる。
次に、本発明の食用油脂を使用した食品について説明する。本発明の食用油脂を使用した食品は、程よい風味・コク味を有するものである。具体例としては、例えば、素揚げ、から揚げ、竜田揚げ、カツ、コロッケ、フライ、ナゲット、フリッター、天ぷら、ドーナツ、せんべい、あられ、かりんとう、パン、ケーキ、ビスケット、クラッカー、クッキー、プレッツェル、コーンチップス、コーンパフ、コーンフレークス、ポップコーン、ポテトチップス、ナッツ、バターピーナツ、スナック菓子等が挙げられる。
以下、具体的な実施例に基づいて、本発明について詳しく説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例の内容に、何ら限定されるものではない。
油脂の不けん化物の含有量は、日本油化学協会の基準油脂分析試験法の不けん化物測定法(2.4.8−1996)に準じて測定した。また、油脂の色度Y値及びR値の測定は、ロビボンド比色計(ティントメーター社製、TINTOMETER MODEL F)で25.4ミリセル(=1インチセル)を用いて測定した。
(軽度精製菜種油の調製)
未焙煎の菜種種子から圧搾抽出された菜種粗油を、常法に従って、脱ガム、脱酸処理した後、活性白土を対油0.3質量%添加して、減圧下90〜110℃で20分間攪拌した後、ろ過により活性白土を除去して脱色(処理)油を得た。得られた脱色油を、5〜6トールの減圧下、140℃で60分水蒸気蒸留(脱臭処理)を行い、ロビボンド比色計におけるY+10R値が65である軽度精製菜種油を得た。
(その他の油脂の調製)
(菜種油)
圧抽菜種粗油を、脱ガム、脱酸した脱酸菜種油に対して、活性白土を対油0.7質量%添加して、減圧下90〜110℃で20分間攪拌した後、ろ過により活性白土を除去して脱色(処理)油を得た。得られた脱色油を、5〜6トールの減圧下、250℃で60分水蒸気蒸留(脱臭処理)を行い、ロビボンド比色計におけるY+10R値が0.7である菜種油を得た。
(大豆油)
抽出大豆粗油を、脱ガム、脱酸した脱酸大豆油に対して、活性白土を対油0.7質量%添加して、減圧下90〜110℃で20分間攪拌した後、ろ過により活性白土を除去して脱色(処理)油を得た。得られた脱色油を、5〜6トールの減圧下、250℃で60分水蒸気蒸留(脱臭処理)を行い、ロビボンド比色計におけるY+10R値が0.4である大豆油を得た。
(米糠油)
抽出米糠油を、脱ガム、脱蝋、脱酸した脱酸米糠油に対して、活性白土を2.5質量%添加して、減圧下90〜110℃で20分間攪拌した後、ろ過により活性白土を除去して脱色(処理)油を得た。得られた脱色油を、5〜6トールの減圧下、250℃で60分水蒸気蒸留(脱臭処理)を行い、ロビボンド比色計におけるY+10R値が8.2である米糠油を得た。
(コーン油)
抽出コーン油を、脱ガム、脱蝋、脱酸した脱酸コーン油に対して、活性白土を1.5質量%添加して、減圧下90〜110℃で20分間攪拌した後、ろ過により活性白土を除去して脱色(処理)油を得た。得られた脱色油を、5〜6トールの減圧下、250℃で60分水蒸気蒸留(脱臭処理)を行い、ロビボンド比色計におけるY+10R値が1.7であるコーン油を得た。
(パーム油)
RBDパーム油(ヨウ素価53)に対して、活性白土を対油1.5質量%添加して、減圧下90〜110℃で20分間攪拌した後、ろ過により活性白土を除去して脱色(処理)油を得た。得られた脱色油を、5〜6トールの減圧下、250℃で60分水蒸気蒸留(脱臭処理)を行い、ロビボンド比色計におけるY+10R値が4.0であるパーム油を得た。
(市販の製剤)
築野食品工業(株)社製の商品名「ライステロールエステル」を使用した。
(かりんとうの調製および評価)
軽度精製菜種油、その他の油脂および市販の製剤を、表1、2に示した配合で混合し、実施例1〜3および比較例1〜9の食用油脂を得た。実施例1〜3および比較例1〜9の食用油脂を、揚げ油として使用し、以下の方法により、かりんとうを調製した。各食用油脂で揚げた、かりんとうの風味を、以下の基準に従って、5名の専門パネラーが総合的に評価した。結果を表1、2に示した。

(かりんとうの製法)
強力粉100質量部に対して、上白糖4質量部、生イースト1質量部および水55質量部を、縦型ミキサーでミキシングし、その後、28℃で120分間発酵して生地を調製した。発酵した生地を冷蔵庫で30分間休ませた後、縦5cm×横8mm×厚さ4mmを目安にカットして揚げ種とした。揚げ種を180℃で10分間揚げて、かりんとうを得た。

(かりんとうの風味評価)
かりんとうの風味評価は以下の評価基準に従って行った。本発明においては、◎が合格である。

評価基準
コク味が感じられ、くどさや雑味が無く、非常に良好 ◎
コク味がやや弱いか、コク味はあるがややくどさや雑味が感じられる ○
コク味が弱い、または、コク味はあるがくどい △
コク味が感じられない ×
Figure 2017029044
Figure 2017029044
(炊飯油の調製および評価)
表3の配合に従って、実施例4〜5および比較例10〜11の食用油脂を調製した。実施例4〜5および比較例10〜11の各食用油脂100質量部に対して、乳化剤を1質量部添加し、炊飯油を調製した。生米100質量部に対して、調製した各炊飯油を1質量部とpH調整剤1質量部とを使用し、炊飯器でご飯を炊き上げた。炊き上げた各ご飯の風味を、以下の基準に従って、5名の専門パネラーが総合的に評価した。結果を表3に示した。

(ご飯の風味評価)
ご飯の風味評価は以下の評価基準に従って行った。本発明においては、◎が合格である。

評価基準
ほのかな香味があり、酸味がなく、非常に良好 ◎
ほのかな香味があるが、酸味をやや感じる ○
酸味を感じる △
酸味を強く感じる ×
Figure 2017029044

Claims (6)

  1. 軽度精製菜種油を0.1〜30質量%含み、不けん化物の含有量が0.8〜3質量%である食用油脂。
  2. 前記軽度精製菜種油の脱臭温度が200℃未満である請求項1に記載の食用油脂。
  3. 米糠油および/またはコーン油を含む、請求項1または2に記載の食用油脂。
  4. 揚げ油である、請求項1〜3の何れか1項に記載の食用油脂。
  5. 炊飯油である、請求項1〜3の何れか1項に記載の食用油脂。
  6. 請求項1〜3の何れか1項に記載の食用油脂を含む食品。
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