JP2017025047A - ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体、それを含むインク、及びそれを用いた有機エレクトロニクスデバイス - Google Patents

ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体、それを含むインク、及びそれを用いた有機エレクトロニクスデバイス Download PDF

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静士 時任
大介 熊木
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大介 熊木
正史 儘田
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正史 儘田
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康裕 田中
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秀好 島
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利一 町田
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Abstract

【課題】電子の移動度(電界効果移動度)に優れ、大気中での安定性にも優れる、新たな骨格のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体及び有機エレクトロニクスデバイスの提供。【解決手段】式(1)で示されるベンゾビス(チアジアゾール)誘導体。(Ar1はN、S、O、及びSeより選ばれた少なくとも1つの原子を含む五員環ヘテロアリーレン基;Ar2はフェニル基、Nを1つ以上含む六員環ヘテロアリール基又はN、S、O、及びSeより選ばれた少なくとも1つの原子を含む五員環ヘテロアリール基;但し、Ar1がチオフェン基、かつ、Ar2がフェニル基である場合を除く)【選択図】なし

Description

本発明は、ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体、それを含む有機半導体インク、並びにそれを用いた有機薄膜トランジスタ、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示デバイス、有機薄膜太陽電池、RFIDタグ及びセンサー等の有機エレクトロニクスデバイスに関する。
従来、有機薄膜トランジスタ(有機TFT)、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)又は有機薄膜太陽電池用の化合物としてベンゾビスチアゾール化合物が注目されており、ベンゾビス(チアジアゾール)を主骨格とする各種誘導体の研究開発が盛んに行われている。
特に、正孔及び電子の移動度や大気中での安定性を改良するために、強い電子吸引基を導入したベンゾビス(チアジアゾール)誘導体が提案されており、例えば、特許文献1並びに非特許文献1及び非特許文献2には、トリフルオロメチルフェニル基等がチエニレン基を介してベンゾビス(チアジアゾール)に結合している化合物が開示されている。この化合物は、強い電子吸引基であるトリフルオロメチルフェニル基等の導入によって、正孔及び電子移動度が向上している。
また、ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体としては、チオフェン基と結合したフェニル基上のメタ位に置換基を導入したn型有機半導体材料も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献3にも、n型有機半導体の材料として各種のベンゾビスチアジアゾール化合物が開示されているが、当該文献の実施例で実際に合成されたのは、4,8−ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ベンゾ[1,2−c;4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール(下記構造式参照)のみである。
国際公開2013/141182号 国際公開2015/041026号 特開2013−124231号公報
Chem.Commun.,46,3265(2010) Applied Physics Lett.,97,133303(2010)
特許文献3では、n型有機半導体の材料として各種のベンゾビスチアジアゾール化合物が開示されているが、合成されている化合物は前述の通り、4,8−ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ベンゾ[1,2−c;4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾールのみである。さらに、特許文献2には前記化合物のサイクリックボルタンメトリー(CV)測定結果は記載されているが、この化合物を用いて薄膜トランジスタ(TFT)等のデバイスを作製して特性を評価していない。このため特許文献3では、前記の実施例で実際に合成されている化合物についてすら、有機半導体材料として十分な特性を有しているかが確認されているとは言えない。
また、特許文献1〜2、及び非特許文献1〜2においては、フェニルチオフェン基を有するベンゾビス(チアジアゾール)誘導体のみしか検討されていない。有機半導体材料を素子化して、エレクトロニクスデバイスとして使用する場合、絶縁膜や基板、電極等と組み合わせる必要があり、求められる特性や装置に応じて組合せは異なる。したがって、求められる特性や装置に合致させるために、絶縁膜や基板、電極だけでなく、有機半導体材料の多様性も広げる必要があった。
そこで本発明の課題は、電子の移動度(電界効果移動度)に優れ、大気中での安定性にも優れる、新たな骨格のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を提供することにある。さらに本発明の課題は、当該ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を用いた、有機薄膜トランジスタ、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示デバイス、有機薄膜太陽電池、RFIDタグ及びセンサー等の有機エレクトロニクスデバイスを提供することにもある。
本発明は以下の事項に関する。
1. 下記一般式(1)で示されるベンゾビス(チアジアゾール)誘導体:

(式(1)中、Arは、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、及びセレン原子からなる群より選ばれた少なくとも1つの原子を含む複素芳香族五員環構造を有するヘテロアリーレン基であり、2つのArは同じであっても異なっていてもよい。Arはフェニル基、窒素原子を1つ以上含む複素芳香族六員環構造を有するヘテロアリール基、又は窒素原子、硫黄原子、酸素原子、及びセレン原子からなる群より選ばれた少なくとも1つの原子を含む複素芳香族五員環構造を有するヘテロアリール基であり、2つのArは同じであっても異なっていてもよい。Ar及びArは、置換基を有していてもよい。但し、2つのArが同一、且つ、2つのArが同一である場合において、Arがチオフェン基であり、かつ、Arがフェニル基である場合を除く。)
2.Ar及びAr上の全ての置換基が水素原子、アルキル基又は下記式(2)で示される基のいずれかであり、全ての置換基は同一であっても異なっていてもよい、前記1に記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体。

(式中、Rは、直鎖状または分岐状のアルキル基を示す。)
3.Arは下記式(3)で示される複素芳香族五員環構造を有するヘテロアリーレン基であり、Arは下記式(4)で示されるフェニル基、複素芳香族六員環構造を有するヘテロアリール基、又は複素芳香族五員環構造を有するヘテロアリール基である、前記1又は2に記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体。

(式中、水素原子と直接結合している任意の窒素原子又は任意の炭素原子は、ベンゾビス(チアジアゾール)環、又はArと結合する。また、式中水素原子と直接結合している任意の窒素原子及び任意の炭素原子は、ベンゾビス(チアジアゾール)環及びArと結合している窒素原子及び炭素原子を除き、アルキル基又は下記式(2)で示される基を有していてもよい。)

(式中、任意の炭素原子は、Arと結合する。ただし、Arと直接結合する炭素原子を除き、式中任意の炭素原子はアルキル基、又は下記式(2)で示される基を有していてもよい。)

(式中、Rは、直鎖状または分岐状のアルキル基を示す。)
4.ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体が下記式(A1)〜(M2)で示される誘導体である、前記1〜3のいずれかに記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体。

(式中、Arは下記式(a)〜(o)で示される基であり、2つのArは同じであっても異なっていてもよい。)

(式中、Arは前記式(A1)〜(M2)において、Arと直接結合した複素芳香族五員環構造を有するヘテロアリーレン基を示す。また、式中、R、R、及びRは、アルキル基、水素原子、又は下記式(2)で示される基を示す。ただし、2つのArが同一、且つ、2つのArが同一である場合において、ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体がチオフェン環(B1)であり、且つフェニル基(i)である場合を除く。)

(式中、Rは、直鎖状または分岐状のアルキル基を示す。)
5.上記1〜4のいずれかに記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む有機半導体インク。
6.上記1〜4のいずれかに記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む有機層を備える、有機エレクトロニクスデバイス。
7.基板上に、ゲート電極と、ゲート絶縁層と、有機半導体層と、ソース電極及びドレイン電極とを有し、前記有機半導体層が、上記1〜4のいずれかに記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む、有機薄膜トランジスタ。
8.基板上に、陽極と、発光層と、正孔輸送層及び/又は電子輸送層と、陰極とを有し、前記正孔輸送層及び/又は前記電子輸送層が、上記1〜4のいずれかに記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む、有機エレクトロルミネッセンス素子。
9.有機薄膜トランジスタを用いて有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動・点灯を行う表示デバイスであって、前記有機薄膜トランジスタが、上記7に記載の有機薄膜トランジスタである、表示デバイス。
10.基板上に、陽極と、正孔輸送材料及び電子輸送材料を含む電荷分離層と、陰極とを有し、前記電荷分離層が、上記1〜4のいずれかに記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む、有機薄膜太陽電池。
11.有機薄膜トランジスタを用いて作動するRFIDタグであって、前記有機薄膜トランジスタが、上記7に記載の有機薄膜トランジスタである、RFIDタグ。
12.有機薄膜トランジスタを用いて作動するセンサーであって、前記有機薄膜トランジスタが、上記7に記載の有機薄膜トランジスタである、センサー。
本発明により、電子の移動度(電界効果移動度)に優れ、大気中での安定性にも優れる、新たな骨格のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を提供することができる。本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、電子の移動度(電界効果移動度)に優れ、大気中での安定性にも優れることから、例えば、有機薄膜トランジスタ、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示デバイス、ディスプレイ、有機薄膜太陽電池、RFIDタグ、センサー等の有機エレクトロニクスデバイスに好適に使用することができる。また、その他多くのデバイスに好適に使用することができる。
本発明の有機薄膜トランジスタ(有機TFT)の一例の層構成を示す断面図である。 相補型インバーター(論理反転)回路の一例を示す図である。 本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)の一例の層構成を示す断面図である。 本発明の表示デバイスの一例の層構成を示す断面図である。 本発明の有機薄膜太陽電池の一例の層構成を示す断面図である。 実施例E−1の有機TFTの伝達特性を示す図である。 実施例E−2の有機TFTの伝達特性を示す図である。
以下、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体、有機半導体インク、及び有機エレクトロニクスデバイスについて、詳細に説明する。
<ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体>
本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、下記一般式(1)で示される。
以下、一般式におけるAr、及びArについて順に説明する。
(Arについて)
前記一般式(1)において、Arは、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、及びセレン原子からなる群より選ばれた少なくとも1つの原子を含む、複素芳香族五員環構造を有するヘテロアリーレン基である。また、2つのArは同じであっても異なっていてもよいが、合成及び精製上の観点から、2つのArは同じであることが好ましい。
前記複素芳香族五員環構造を有するヘテロアリーレン基として、具体的には、下記式(3)で示される複素芳香族五員環構造を有するヘテロアリーレン基が好ましく、チオフェン基、又はチアゾール基がより好ましい。ただし、2つのArが同一、且つ、2つのArが同一である場合において、Arが置換基を有するフェニル基であるときは、Arはチオフェン基である場合を除く。
このような複素芳香族五員環構造を有するヘテロアリーレン基とすることで電子の移動度(電界効果移動度)と大気中での安定性を向上させることができる。
なお、式中、水素原子と直接結合している任意の窒素原子又は任意の炭素原子は、ベンゾビス(チアジアゾール)環又はArと結合する。また、式中、水素原子と直接結合している任意の窒素原子及び任意の炭素原子は、ベンゾビス(チアジアゾール)環及びArと結合している窒素原子及び炭素原子を除き、水素原子、アルキル基又は下記式(2)で示される基と結合していてもよいが、電子の移動度(電界効果移動度)を向上させるという観点から、前記任意の窒素原子及び任意の炭素原子は、置換基を有さず、水素原子と結合していることが好ましい。
(Arについて)
前記一般式(1)において、Arは、フェニル基、窒素原子を1つ以上含む複素芳香族六員環構造を有するヘテロアリール基、又は窒素原子、硫黄原子、酸素原子、及びセレン原子からなる群より選ばれた少なくとも1つの原子を含む複素芳香族五員環構造を有するヘテロアリール基である。また、2つのArは同じであっても異なっていてもよいが、合成及び精製上の観点から、2つのArは同じであることが好ましい。ただし、2つのArが同一、且つ、2つのArが同一である場合において、Arがチオフェン基であるとき、Arがフェニル基である場合を除く。
以下、「フェニル基、窒素原子を1つ以上含む複素芳香族六員環構造を有するヘテロアリール基、又は窒素原子、硫黄原子、酸素原子、及びセレン原子からなる群より選ばれた少なくとも1つの原子を含む複素芳香族五員環構造を有するヘテロアリール基」を芳香族基と称する。
前記芳香族基として、具体的には、下記式(4)で示される芳香族基が好ましく、ピリジン基、フェニル基、又はピリミジン基がより好ましく、ピリミジン基、フェニル基がさらに好ましい。このような芳香族基とすることで、電子の移動度(電界効果移動度)と大気中での安定性を向上させることができる。
なお、式中、任意の炭素原子は、Arと結合する。ただし、Arと結合する炭素原子を除き、式中任意の炭素原子は水素原子、アルキル基、又は前記式(2)で示される基と結合していることが好ましい。さらに、後述する式(a)〜(o)に記載の通り、Arと結合する炭素原子に隣接した炭素原子は水素原子と結合していることが好ましい。
<ArとArの好適な組合せ>
以上のArとArのうち、好適な組合せとして、ArとArが、チアゾール基とフェニル基の組合せ、チオフェン基とピリミジン基の組合せなどが挙げられる。
前述の通り、ArとArを組み合わせることで、電子の移動度(電界効果移動度)と大気中での安定性を向上する、新規なベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を提供することができる。
<Ar及びArの置換基>
Ar及びArの置換基としては、水素原子以外に、一般的に知られた置換基ならば特に制限されないが、好ましくは、アルキル基又は下記式(2)で示される基が挙げられる。また、下記式(2)で示される基のうち、好ましくは下記式(5)で示される基であり、より好ましくはフッ素(−F)、塩素(−Cl)、トリフルオロメチル基(−CF)、トリフルオロメトキシ基(−OCF)、シアノ基(−CN)、ニトロ基(−NO)であり、さらに好ましくはトリフルオロメチル基(−CF)、トリフルオロメトキシ基(−OCF)、シアノ基(−CN)である。
前記式(2)及び(5)において、Rは直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す。
前記アルキル基としては、直鎖状若しくは分岐状のいずれでもよく、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体の電界効果移動度及び溶解度の向上の観点から、その炭素数は1〜30であることが好ましく、炭素数が3〜28であることがより好ましく、炭素数が5〜25であることが特に好ましい。また、分岐状のアルキル基については、分岐鎖及び主鎖部分が結合して環状構造を形成していてもよい。すなわち前記分岐状のアルキル基には、シクロアルキル基が含まれる。ただし、分岐状アルキル基のとき炭素数は2以上、環上アルキル基であるとき炭素数は3以上である。
直鎖状アルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、及びオクタデシル基等が挙げられ、さらに、下記に示す構造のものも挙げられる(なお、以上例示したものと重複しているものもある)。なお、これらのアルキル基上の水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
以上示した構造において、アスタリスクは結合手である。以下においても同様である。
次に、分岐状アルキル基の具体例としては、例えば、イソプロピル基、1−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、2−メチルオクチル基、2−エチルオクチル基、2−ヘキシルデシル基、2−オクチルドデシル基、2−デシルテトラデシル基、3−メチルオクチル基、及び3−エチルオクチル基などが挙げられ、さらに、下記に示す構造のものも挙げられる(なお、以上例示したものと重複しているものもある)。なお、これらのアルキル基上の水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
<ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体の例>
以上説明した本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体としては、例えば、以下の式(A1)〜(M2)で示される誘導体が挙げられる。但し、式中、Arは、下記式(a)〜(o)で示される基であり、Rは前記と同義である。
なお、R、R、及びRは、水素原子以外に、一般的に知られた置換基ならば特に制限されないが、好ましくは、アルキル基又は前記式(2)で示される基が挙げられる。また、前記式(2)で示される基のうち、好ましくは前記式(5)で示される基であり、より好ましくはフッ素(−F)、塩素(−Cl)、トリフルオロメチル基(−CF)、トリフルオロメトキシ基(−OCF)、シアノ基(−CN)、ニトロ基(−NO)であり、さらに好ましくはトリフルオロメチル基(−CF)、トリフルオロメトキシ基(−OCF)、シアノ基(−CN)である。
また、電子の移動度を向上させる観点から、分子全体のエネルギー準位より、好適なAr、Ar、及び置換基の組合せを見積もることもできる。計算方法により適宜調整されるが、n型有機半導体材料としては、LUMO(最低空軌道とも称する)のエネルギー準位が−3.5eVより深いことが好ましく、−4.0eVより深いことがさらに好ましい。したがって、LUMOのエネルギー準位が−3.5eVより深くなるAr、Ar及び置換基の組合せが好ましく、−4.0eVより深くなるAr、Ar及び置換基の組合せがさらに好ましい。なお、「−4.0eVより深い」とは、「負の方向で絶対値が4.0eVより大きい」ということを示す。
<ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体の合成方法>
本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、公知の原料及び反応を組み合わせることで合成することができるが、例えば、以下に示す反応スキームに従って合成することができる。
本発明のベンゾビス(チアジアゾール)化合物は、(1)Tetrahedron,53,10169(1997)、もしくは(2)Organic Lett.,12,3340(2010)等を参考にして、例えば、以下に示す反応スキーム(カップリング工程、スズ化工程、BBT化工程の3工程)に従って合成することができる。なお、以下のスキームでは、Arとしてチオフェン基を記載しているが、別の基でも同様に合成することができる。スキーム中、Arは前記と同義である。
(カップリング工程A)
(カップリング工程B)
(カップリング工程C)
(カップリング工程D)
式中、R、R及びRは前記と同義であり、Xは、ハロゲン原子を示し、臭素原子またはヨウ素原子であることが好ましい。また、パラジウム触媒(Pd catalyst)としてはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(PdCl(PPh)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(Pd(PtBu)、酢酸パラジウム(Pd(OAc))、塩化パラジウム(PdCl)等のパラジウム錯体の1種又は2種以上が好ましく、PdCl(PPh、Pd(Phがより好ましい。
(スズ化工程A)
(スズ化工程B)
式中、R、R及びRは前記と同義であり、NBSはN−ブロモスクシンイミドを示し、Buはブチル基を示す。また、塩基(Base)としてはn−BuLi(但し、Buはブチル基を示す。)、またはLDA(リチウムジイソプロピルアミド)が好ましい。
(BBT化工程A)
(BBT化工程B)
式中、Buはブチル基を示し、Phはフェニル基を示し、AcOHは酢酸を示し、Meはメチル基を示す。
本発明のベンゾビス(チアジアゾール)化合物の製造工程は、カップリング工程、スズ化工程、BBT化工程の3工程を含むが、特に限定されず、上記のカップリング工程A〜Dのうち任意の1つ、スズ化工程A〜Bのうち任意の1つ、BBT化工程A〜Bのうち任意の1つを適宜選択して組み合わせることができる。
反応終了後、得られた反応液から、例えば、濾過、濃縮、抽出、蒸留、昇華、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の一般的な操作によって、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)化合物を単離・精製することができるが、溶解度の異なる不純物を除去し、化合物純度を向上させるためには、有機溶媒によるソックスレー抽出を精製工程に組み込むことが簡便で好ましい。
以上説明した、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体の合成において使用されるパラジウム触媒としては、上記合成スキームに記載のもの以外にも、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(Pd(PtBu)、酢酸パラジウム(Pd(OAc))、塩化パラジウム(PdCl)等のパラジウム錯体の1種又は2種以上を用いることができる。パラジウム触媒の使用量としては、ベンゼン環位置に臭素原子を導入したベンゾビス(チアジアゾール)1molに対して、0.01〜0.5mol用いることが好ましい。より好ましくは0.1〜0.5mol用いることである。
さらに、使用することができる塩基、ハロゲン化剤等は、上記合成スキームに記載の試薬に限られず、上記で示された反応に従来使用されているものを特に制限なく使用することができる。
以上説明した合成スキームの反応終了後、得られた反応液から、例えば、濾過、濃縮、抽出、蒸留、昇華、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の一般的な操作によって、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を単離・精製することができる。溶解度の異なる不純物を除去し、化合物純度を向上させるためには、有機溶媒によるソックスレー抽出を精製工程に組み込むことが簡便で好ましい。
<ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体の溶解性>
本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、通常、水や、種々の有機溶媒、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、イソブタノール、2−ブタノール、2−エチル−1−ブタノール、n−オクタノール、ベンジルアルコール、及びテルピネオール等のアルコール類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、及びイソホロン等のケトン類:
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、安息香酸ブチル、サリチル酸メチル、マロン酸エチル、酢酸2−エトキシエタン、及び酢酸2−メトキシ−1−メチルエチル等のエステル類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、及びヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド類;
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、及び1,3−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオン等の尿素類;
ジメチルスルホキシド、及びジエチルスルホキシド等のスルホキシド類;
スルホラン等のスルホン類;
アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、及びベンゾニトリル等のニトリル類;
γ―ブチロラクトン等のラクトン類;
ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、tert−ブチルメチルエーテル、アニソール、フェネトール、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、1,4−ジメトキシベンゼン、1,2−メチルアニソール、1,3−メチルアニソール、1,4−メチルアニソール、1,2−メチレンジオキシベンゼン、2,3−ジヒドロベンゾフラン、フタラン、オクチルオキシベンゼン、ジフェニルエーテル、及びエチルセロソルブ等のエーテル類;
炭酸ジメチル、及び1,2−ブチレングリコールカーボネート等のカーボネート類;
チオアニソール、及びエチルフェニルスルフィド等のチオエーテル類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、プソイドクメン、ヘミメリテン、デュレン、イソデュレン、プレーニテン、エチルベンゼン、クメン、tert−ブチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、トリイソプロピルベンゼン、フェニルアセチレン、インダン、メチルインダン、インデン、テトラリン、ナフタレン、1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン、フェニルオクタン、及びジフェニルメタン等の芳香族炭化水素類;
フェノール、1,2−クレゾール、1,3−クレゾール、1,4−クレゾール、1,2−メトキシフェノール、1,3−メトキシフェノール、及び1,4−メトキシフェノール等のフェノール類;
クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、ブロモベンゼン、1,2−ジブロモベンゼン、1,3−ジブロモベンゼン、1,4−ジクロロトルエン、1−クロロナフタレン、2,4−ジクロロトルエン、2−クロロ−1,3−ジメチルベンゼン、2-クロロトルエン、2−クロロ−1,4−ジメチルベンゼン、4−クロロ−1,2−ジメチルベンゼン、2,5−ジクロロトルエン、m−クロロトルエン、1−クロロ−2,3−ジメチルベンゼン、4−(トリフルオロメトキシ)アニソール、及びトリフルオロメトキシベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;
ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、及びリモネン等の脂肪族炭化水素類;
ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,3−ジクロロプロパン、及び1,2−ジブロモエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;
2,6−ジメチルピリジン、及び2,6−ジtert-ブチルピリジン等のピリジン類
などに可溶である。
「水や有機溶媒に可溶」であるとは、常圧で、沸点以下、好ましくは80℃以下、より好ましくは15℃から30℃以下の水又は有機溶媒に対し、好ましくは0.01wt%以上、より好ましくは0.03wt%以上の溶解度を有することを意味する。なお、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、水及び全ての有機溶媒に可溶であることが求められるわけではなく、水、又は例えば上記に挙げた有機溶媒の少なくとも一種に可溶である。また有機溶媒には、複数の有機溶媒の混合溶媒も含まれるものとし、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体はいずれかの有機溶媒単独には可溶でないが、混合溶媒には可溶である場合もあり得る。
有機溶媒としては、以下に説明する本発明の有機半導体インクの有機半導体薄膜の製膜性およびその半導体特性の観点から、上記に挙げた中でも、ハロゲン化芳香族炭化水素類、芳香族炭化水素類、及びハロゲン化脂肪族炭化水素類を好適に使用することができる。
好適なハロゲン化芳香族炭化水素類としては、クロロベンゼン、及び1,2−ジクロロベンゼンが挙げられる。
好適な芳香族炭化水素類としては、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、シクロヘキシルベンゼン、及び1−メチルナフタレンが挙げられる。
好適なハロゲン化脂肪族炭化水素類としては、クロロホルム、及び1,2−ジクロロエタンが挙げられる。
さらに、上記と同様な観点から好適なその他の有機溶媒としては、安息香酸メチル、サリチル酸メチル、アニソール、4−メチルアニソール、及びメタクレゾールが挙げられる。
<ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体の半導体特性>
以上説明した本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、上記一般式(1)で示され、ベンゾビス(チアジアゾール)環を中心とする化合物であり、電子の移動度に優れ、優れたn型有機半導体材料として利用することができる。
しかも、ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、p型半導体特性よりもn型半導体特性を優勢に示すため、トランジスタ素子等における有機半導体材料として極めて有用である。
なお、本明細書において、「p型半導体特性よりもn型半導体特性を優勢に示す」とは、以下に挙げる条件を満たすときである。
n型の電界効果移動度が、p型の電界効果移動度に比べて10倍以上であること。
<ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体の安定性>
本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、熱に対する安定性が非常に高く、350℃まで加熱しても分解しない。また、当該誘導体は大気に対する安定性も高く、大気中で当該誘導体を使用したトランジスタ素子を作製しても高い移動度を得ることができる。また、作製したトランジスタ素子は大気中で放置しても、電子の移動度が変化しない。
<有機半導体インク>
以上説明したとおり、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体はn型半導体特性を示し、しかも大気中で安定で通常水や有機溶媒にも可溶であるので、水や有機溶媒に本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を溶解させ、得られた溶液を有機半導体インクとして利用することができる。なお、これらの水や有機溶媒は単独で使用してもよく、二種以上を混合して使用してもよい。
有機半導体インクとできると、扱いが容易であり保存も可能である。さらに有機半導体層の形成方法としては一般に蒸着及び塗布が挙げられるが、蒸着には高熱源かつ高真空が必要になるため、塗布に比べてコストが非常に高い。すなわち本発明の有機半導体インクを利用すれば、有機半導体層の形成コストを大幅に下げることができる。
さらに本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は大気中で安定であるので、塗布を大気中で行うことができ、アルゴンガスのような不活性ガス雰囲気を作り出す必要もなく、この点でもコスト削減が図れる。
本発明の有機半導体インクは、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体1種以上を含むものであり、さらに他の有機半導体1種以上を含むこともできる。さらに本発明の有機半導体インクには、インクの粘度を調整するための添加剤、インクの親水性もしくは撥水性を制御するための添加剤、酸化防止剤、光安定剤、表面調整剤(レベリング剤)、界面活性剤、保存安定剤、滑剤、濡れ性改良材及びカップリング剤など、インクの物性を制御する添加剤を含むことができる。
前記インクの粘度を調整するための添加剤としては、絶縁性の高分子化合物が挙げられる。絶縁性高分子化合物とは、合成樹脂、プラスチック、及び合成ゴムなどであり、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、フェノール樹脂、アクリル樹脂、アミド樹脂、ナイロン、ビニロン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、アクリルゴム、アクリロニトリルゴム、及びウレタンゴムなどである。これらの添加により、有機半導体インクの粘度の最適化や製膜性の向上などが図られる。
本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体の有機半導体インク中の含有量は特に限定されず、適宜選択することができ、例えば0.001wt%〜10wt%程度とすることができ、さらに0.01wt%〜1wt%程度が製膜性の観点から好適である。また、前記インクが他の有機半導体を含む場合には、これらと前記ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体の含有量の合計は、例えば0.001〜10wt%とすることができる。また、上記の各種添加剤の添加量は、従来公知の範囲から適宜選択することができる。
前記他の有機半導体としては、例えば、高分子半導体化合物が挙げられる。ここでの高分子半導体化合物とは、半導体特性を示すことを特徴とする高分子化合物であり、具体的には、ポリアセチレン系高分子、ポリジアセチレン系高分子、ポリパラフェニレン系高分子、ポリアニリン系高分子、ポリトリフェニルアミン系高分子、ポリチオフェン系高分子、ポリピロール系高分子、ポリパラフェニレンビニレン系高分子、ポリエチレンジオキシチオフェン系高分子、ナフタレンジイミドを一成分とする共重合高分子、ペリレンジイミドを一成分とする共重合高分子、及びジケトピロロピロールを一成分とする共重合高分子などが挙げられる。
これらの高分子半導体化合物の中でも、ポリアニリン系高分子、ポリチオフェン系高分子、ポリピロール系高分子、ポリパラフェニレンビニレン系高分子、ナフタレンジイミドを一成分とする共重合高分子、ペリレンジイミドを一成分とする共重合高分子、及びジケトピロロピロールを一成分とする共重合高分子などが好適である。
さらに他の有機半導体として、例えば、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体以外の低分子半導体化合物が挙げられる。ここでの低分子半導体化合物とは、半導体特性を示すことを特徴とする低分子化合物であり、具体的には、アセン、フェニレンビニレン、トリフェニルアミン、フルオレン、アザアセン、チエノアセン、チオフェン、ベンゾチオフェン、チエノチオフェン、チアゾール、チアゾロチアゾール、テトラチアフルバレン、フタロシアニン、ポルフィリン、ナフタレンジイミド、ペリレンジイミド、ベンゾチアジアゾール、ナフトビスチアジアゾール、ジケトピロロピロール、フラーレン及びこれらの誘導体などが挙げられる。
これらの低分子半導体化合物の中でも、アセン、チエノアセン、チオフェン、チエノチオフェン、テトラチアフルバレン、ナフタレンジイミド、ペリレンジイミド、ジケトピロロピロール、フラーレン及びこれらの誘導体などが好適である。
また、他の有機半導体として、例えば、Chem.Rev.,2012,Vol.112,pp.2208−2267に記載の有機半導体も挙げることができる。
さらに本発明の有機半導体インクは、必要に応じて、添加成分として、導電性の高分子化合物を含むことができる。ここでの導電性高分子化合物とは、電気伝導性を示すことを特徴とする高分子化合物であり、具体的には、ポリアセチレン系高分子、ポリジアセチレン系高分子、ポリパラフェニレン系高分子、ポリアニリン系高分子、ポリトリフェニルアミン系高分子、ポリチオフェン系高分子、ポリピロール系高分子、ポリパラフェニレンビニレン系高分子、ポリエチレンジオキシチオフェン系高分子、及びポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホン酸の混合物(一般名、PEDOT−PSS)などが挙げられる。
これらの導電性高分子化合物の中でも、ポリアセチレン系高分子、ポリパラフェニレン系高分子、ポリアニリン系高分子、ポリトリフェニルアミン系高分子、ポリチオフェン系高分子、ポリピロール系高分子、及びポリパラフェニレンビニレン系高分子などが好適である。これらの添加の効果としては、インクの粘度の最適化や製膜性の向上などに加えて電荷移動度の向上が挙げられる。
また、本発明の有機半導体インクは、必要に応じて、下記の低分子化合物をインクの物性を制御する添加剤として含むことができる。具体的には、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、及びイコサン等の脂肪族炭化水素、
ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、及びエイコサノール等の脂肪族アルコール、
ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、及びエイコシルアミン等の脂肪族アミン、
ヘキサンチオール、ヘプタンチオール、オクタンチオール、ノナンチオール、デカンチオール、ウンデカンチオール、ドデカンチオール、トリデカンチオール、テトラデカンチオール、ペンタデカンチオール、ヘキサデカンチオール、ヘプタデカンチオール、オクタデカンチオール、ノナデカンチオール、エイコサンチオール、フェニルメタンチオール、(2−メチルフェニル)メタンチオール、(3−メチルフェニル)メタンチオール、(4−メチルフェニル)メタンチオール、(2−フルオロフェニル)メタンチオール、(3−フルオロフェニル)メタンチオール、(4−フルオロフェニル)メタンチオール、及び2−フェニルエタンチオール等の脂肪族チオール、並びに、
ベンゼンチオール、2−メチルベンゼンチオール、3−メチルベンゼンチオール、4−メチルベンゼンチオール、2−エチルベンゼンチオール、3−エチルベンゼンチオール、4−エチルベンゼンチオール、2−アミノベンゼンチオール、3−アミノベンゼンチオール、4−アミノベンゼンチオール、2−イソプロピルベンゼンチオール、3−イソプロピルベンゼンチオール、4−イソプロピルベンゼンチオール、2−(ジメチルアミノ)ベンゼンチオール、3−(ジメチルアミノ)ベンゼンチオール、及び4−(ジメチルアミノ)ベンゼンチオール等の芳香族チオールが挙げられる。
これらの添加の効果としては、有機半導体インクの粘度の最適化や製膜性の向上などに加えて電荷移動度の向上が挙げられる。これらの低分子化合物の中でも、インクの濡れ性の向上により移動度の向上を図る目的で、脂肪族チオール、及び芳香族チオールが好適である。
以上説明した本発明の有機半導体インクを塗布することで、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体の層、又は薄膜を形成することができる。なお、本発明の有機半導体インクの塗布は、公知の方法、例えば、スピンコート法、ドロップキャスト法、キャスト法、及びラングミュア−ブロジェット法などで行うことができる。また塗布法として、一般に印刷の技法として知られる公知の方法を用いることも可能で、例えば、インクジェット法、スクリーン法、オフセット法、グラビア法、フレキソ法、及びマイクロコンタクト法などで印刷を行うことができる。
なお、本発明の有機半導体インクを基材上に塗布した後に、溶媒成分が除去されると、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む層、又は含む薄膜(以下、有機半導体層とも称する)が形成されるが、溶媒成分除去条件は適宜選択することができる。
例えば溶媒成分を室温下で自然乾燥若しくは風乾することが好ましいが、溶媒の沸点が高く除去しにくい場合は、室温付近で減圧下で溶媒除去するか、50℃〜200℃程度に加熱して溶媒除去するか、若しくは両者を併用し減圧下で加熱処理することができる。
さらに本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む層、又は含む薄膜の半導体特性を向上させる目的で、前記層又は薄膜を加熱処理することができる。この場合の加熱処理条件は適宜選択することができ、例えば、50℃〜250℃程度で、0.1時間〜24時間、加熱処理する方法が挙げられる。この工程は溶媒除去工程を兼ねてもよい。
また、前記層又は薄膜の半導体特性を向上させる目的で、当該層又は薄膜を溶媒蒸気に曝露する処理を施してもよい。
本工程に用いられる溶媒としては、水や、種々の有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、イソブタノール、2−ブタノール、2−エチル−1−ブタノール、n−オクタノール、ベンジルアルコール、及びテルピネオール等のアルコール類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、及びイソホロン等のケトン類:
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、安息香酸ブチル、サリチル酸メチル、マロン酸エチル、酢酸2−エトキシエタン、及び酢酸2−メトキシ−1−メチルエチル等のエステル類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、及びヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド類;
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、及び1,3−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオン等の尿素類;
ジメチルスルホキシド、及びジエチルスルホキシド等のスルホキシド類;
スルホラン等のスルホン類;
アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、及びベンゾニトリル等のニトリル類;
γ―ブチロラクトン等のラクトン類;
ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、tert−ブチルメチルエーテル、アニソール、フェネトール、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、1,4−ジメトキシベンゼン、1,2−メチルアニソール、1,3−メチルアニソール、1,4−メチルアニソール、1,2−メチレンジオキシベンゼン、2,3−ジヒドロベンゾフラン、フタラン、オクチルオキシベンゼン、ジフェニルエーテル、及びエチルセロソルブ等のエーテル類;
炭酸ジメチル、及び1,2−ブチレングリコールカーボネート等のカーボネート類;
チオアニソール、及びエチルフェニルスルフィド等のチオエーテル類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、プソイドクメン、ヘミメリテン、デュレン、イソデュレン、プレーニテン、エチルベンゼン、クメン、tert−ブチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、トリイソプロピルベンゼン、フェニルアセチレン、インダン、メチルインダン、インデン、テトラリン、ナフタレン、1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン、フェニルオクタン、及びジフェニルメタン等の芳香族炭化水素類;
フェノール、1,2−クレゾール、1,3−クレゾール、1,4−クレゾール、1,2−メトキシフェノール、1,3−メトキシフェノール、及び1,4−メトキシフェノール等のフェノール類;
クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、ブロモベンゼン、1,2−ジブロモベンゼン、1,3−ジブロモベンゼン、1,4−ジクロロトルエン、1−クロロナフタレン、2,4−ジクロロトルエン、2−クロロ−1,3−ジメチルベンゼン、2-クロロトルエン、2−クロロ−1,4−ジメチルベンゼン、4−クロロ−1,2−ジメチルベンゼン、2,5−ジクロロトルエン、m−クロロトルエン、1−クロロ−2,3−ジメチルベンゼン、4−(トリフルオロメトキシ)アニソール、及びトリフルオロメトキシベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;
ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、及びリモネン等の脂肪族炭化水素類;
ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,3−ジクロロプロパン、及び1,2−ジブロモエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;
2,6−ジメチルピリジン、及び2,6−ジtert-ブチルピリジン等のピリジン類
などが挙げられる。
これらの中でも、ハロゲン化芳香族炭化水素類、芳香族炭化水素類、及びハロゲン化脂肪族炭化水素類を好適に使用することができる。
好適なハロゲン化芳香族炭化水素類としては、クロロベンゼン、及び1,2−ジクロロベンゼンが挙げられる。
好適な芳香族炭化水素類としては、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、シクロヘキシルベンゼン、及び1−メチルナフタレンが挙げられる。
好適なハロゲン化脂肪族炭化水素類としては、クロロホルム、及び1,2−ジクロロエタンが挙げられる。
その他の好適な溶媒としては、安息香酸メチル、サリチル酸メチル、アニソール、4−メチルアニソール、及びメタクレゾールが挙げられる。
なお、これらの溶媒は、単独で使用してもよく、二種以上を混合して使用してもよい。
溶媒蒸気曝露処理工程は、例えば、ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む層、又は含む薄膜と溶媒とを、直接前記層又は薄膜と溶媒(液体状態のもの)とが触れないようにしつつ、密閉性のある空間に静置することで達成される。溶媒蒸気の量を増やすために、溶媒を40℃〜150℃程度に加温してもよい。この溶媒蒸気曝露処理工程の後には、当該工程で上記層又は薄膜に付着した溶媒を除去するために、上記と同様の乾燥や加熱処理を適宜選択して実施することができる。
<有機エレクトロニクスデバイス>
本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、電子の移動度(電界効果移動度)に優れ、例えば、有機薄膜トランジスタ、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示デバイス、有機薄膜太陽電池、RFIDタグ及びセンサー等の有機エレクトロニクスデバイスに好適に使用することができる。これらの各種デバイスのいずれも、その構成部材として有機半導体を含む有機層を備えており、この有機層が、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含んでいる。
また、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、バックライト、光通信、電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読取光源、標識、看板、インテリア、さらに、物流管理、在庫管理、商品管理、個体識別や、温度測定、圧力測定、荷重測定、明暗測定、及び生体情報測定等の広範に亘る各分野の用途に供することができる。以下では、前記の有機エレクトロニクスデバイスについて個別に説明する。
<有機薄膜トランジスタ>
次に、本発明の有機薄膜トランジスタについて説明する。本発明の有機薄膜トランジスタは、有機半導体層が上述のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含むものである。本発明に用いるベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、分子の配向方向を揃えやすく、高電界効果移動度を達成できるので、有機TFTの半導体層に用いると効果的である。
本発明の有機薄膜トランジスタは、半導体層が本発明に用いるベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む以外、公知の構造、材料を使用することができる。
半導体層の膜厚は、必要な機能を失わない範囲で、薄いことが好ましい。必要な機能を示すための半導体層の膜厚は、通常、1nm〜10μm、好ましくは5nm〜5μm、より好ましくは10nm〜1μmである。
図1に、本発明の有機TFTの一例の層構成を示す。図1の(1−1)に示す有機TFTは、ボトムゲート−トップコンタクト構造であり、基板11上に、ゲート電極12と、ゲート絶縁層13と、有機半導体層16と、ドレイン電極14およびソース電極15とをこの順に積層してなるものである。
また、ボトムゲート−トップコンタクト構造以外の構造として、図1の(1−2)に示す有機TFTのボトムゲート−ボトムコンタクト構造、(1−3)に示す有機TFTのトップゲート−ボトムコンタクト構造がある。トランジスタ素子の微細化および集積化の観点からは、通常、ボトムゲート−ボトムコンタクト構造、あるいはトップゲート−ボトムコンタクト構造が適している。なお、図1の(1−2)、(1−3)の各記号は(1−1)と同様である。
有機半導体層16を構成する有機半導体分子の分子配列の均一性が高い程、良好なトランジスタ特性を示すことが知られていることから、有機半導体層16を構成する有機半導体分子の分子配列の均一性を制御する目的で、有機半導体薄膜が接する界面の制御を行うとよい。ここでいう界面とは、具体的には、ゲート絶縁層13と有機半導体層16との界面、並びにドレイン電極14及びソース電極15と有機半導体層16との界面である。
基板11としては、下記A群に示す物質を用いることができる。
A群とは、ケイ素系無機化合物から成るシート又はフィルム、及び高分子化合物から成るシート又はフィルムである。
具体的には、A群の基板材料とは以下の材料を示す。ケイ素系無機化合物がガラス、石英、シリコン、セラミックであり、高分子化合物がポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリパラキシリレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエーテルスルホン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン等のポリフッ化炭素樹脂、ポリシロキサン等のシリコーン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、及びゴムである。なお、これらの材料のうち2種以上が化学的又は物理的に混合されている材料も含む。
前述の通り、本発明に用いるベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は通常水や有機溶媒に可溶であり、溶媒に溶解して有機半導体インクとして、これを塗布することで有機半導体層を形成することができる。塗布においては、200℃以下の比較的低温で有機半導体層を形成でき、従って、その他の電極等も高温でない環境下で形成できる場合、有機薄膜トランジスタを比較的低温プロセスで作製できることになり、基板11として耐熱性の低い材料も使用することができる。
そのため、本発明によれば、耐熱性の比較的低い各種プラスチック材料も基板11として利用可能になり、可撓性を有する材料を使用することができる。この場合には、基板11を可撓性(フレキシブル)基板とすることができ、これにより、有機TFTを平面上だけでなく曲面等の上にも配置することが可能になり、有機TFTを備える有機エレクトロニクスデバイス全体の設計自由度が高まる。この目的では、A群の中でもポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリパラキシリレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエーテルスルホン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン等のポリフッ化炭素樹脂、ポリシロキサン等のシリコーン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂が好適である。
以上、可撓性および低温プロセスでのトランジスタ作製という観点からは、A群の中でもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルが好適である。
一方、可撓性およびトランジスタ作製プロセスでの基板の寸法安定性という観点からは、A群の中でもポリイミドが好適である。
ゲート電極12、ドレイン電極14およびソース電極15としては、下記B群に示す物質を用いることができる。なお、ゲート電極、ドレイン電極、及びソース電極において、B群から選ばれる電極材料は同じでも異なっていてもよい。
B群とは、金属、金属酸化物、炭素材料、導電性高分子化合物、及びシリコン材料である。
具体的には、B群中の材料とは、以下の材料を示す。金属は金、銀、銅、白金、アルミニウム、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、亜鉛、タンタル、マグネシウム、カルシウム、リチウム、コバルト、インジウム、スズ、シリコン、及びニッケルであり、金属酸化物がスズドープ酸化インジウム、酸化インジウム、酸化スズ、及び酸化亜鉛であり、炭素材料がグラファイト、及びカーボンナノチューブであり、導電性高分子化合物がポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、及びPEDOT/PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホン酸の混合物)であり、シリコン材料がポリシリコン、及びアモルファスシリコンである。なお、これらの材料のうち2種以上が化学的又は物理的に混合されている材料も含む。
B群の中でも、金属として、金、銀、銅、アルミニウム、炭素材料として、カーボンナノチューブ、導電性高分子化合物としてPEDOT/PSSが好適である。
これらは真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、RFスパッタ法または印刷法等の周知の膜作製方法により形成することができる。
ドレイン電極14およびソース電極15の表面を修飾することで、ドレイン電極14およびソース電極15が接触する有機半導体層16との界面を制御することができる。この修飾は、図1の(1−2)に示す有機TFTのボトムゲート−ボトムコンタクト構造、(1−3)に示す有機TFTのトップゲート−ボトムコンタクト構造で好適である。
したがって、前述のBから少なくとも1つ選ばれた電極材料は、下記C群から少なくとも1つ選ばれる電極修飾材料と共に使用することが好ましい。
C群とは、有機化合物、アルカリ金属塩、及び金属酸化物である。
具体的には、C群の材料とは、以下の材料を示す。有機化合物が脂肪族チオール類、芳香族チオール類、脂肪族アルコール類、芳香族フェノール類、脂肪族アミン類、芳香族アミン類、脂肪族カルボン酸類、芳香族カルボン酸類、脂肪族ホスホン酸類、脂肪族リン酸類、ジスルフィド類、クロロシラン類、アルコキシシラン類、及びフッ素化テトラシアノキノジメタンであり、アルカリ金属塩が、フッ化リチウム、炭酸リチウム、フッ化セシウム、炭酸セシウム、金属酸化物が酸化モリブデン、及び酸化タングステンである。なお、これらの材料のうち2種以上が化学的又は物理的に混合されている材料も含む。
C群から選ばれた材料は、以下に示される方法等により、ドレイン電極14およびソース電極15の表面を修飾することができる。
・C群から選ばれた物質の蒸気に、ドレイン電極14およびソース電極15を暴露する。
・C群から選ばれた物質の溶液を調整し、ドレイン電極14およびソース電極15に塗布した後、溶媒を除去する。
・C群から選ばれた物質の溶液を調整し、ドレイン電極14およびソース電極15を溶液に含浸させ、C群に示す物質をドレイン電極14およびソース電極15の表面に吸着させた後、溶媒を除去する。
C群に記載の材料の内、脂肪族チオール類としては、ヘキサンチオール、ヘプタンチオール、オクタンチオール、ノナンチオール、デカンチオール、ウンデカンチオール、ドデカンチオール、トリデカンチオール、テトラデカンチオール、ペンタデカンチオール、ヘキサデカンチオール、ヘプタデカンチオール、オクタデカンチオール、ノナデカンチオール、イコサンチオール、フェニルメタンチオール、(2−メチルフェニル)メタンチオール、(3−メチルフェニル)メタンチオール、(4−メチルフェニル)メタンチオール、(2−フルオロフェニル)メタンチオール、(3−フルオロフェニル)メタンチオール、(4−フルオロフェニル)メタンチオール、2−フェニルエタンチオール、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−1−ヘキサンチオール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−オクタンチオール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロ−1−デカンチオール等が好適な例として挙げられる。
芳香族チオール類としては、ベンゼンチオール、2−メチルベンゼンチオール、3−メチルベンゼンチオール、4−メチルベンゼンチオール、2−エチルベンゼンチオール、3−エチルベンゼンチオール、4−エチルベンゼンチオール、2−アミノベンゼンチオール、3−アミノベンゼンチオール、4−アミノベンゼンチオール、2−イソプロピルベンゼンチオール、3−イソプロピルベンゼンチオール、4−イソプロピルベンゼンチオール、2−(ジメチルアミノ)ベンゼンチオール、3−(ジメチルアミノ)ベンゼンチオール、4−(ジメチルアミノ)ベンゼンチオール、2−メチル−3−フランチオール、5−メチル−2−フランチオール、2−チオフェンチオール、3−チオフェンチオール等が好適な例として挙げられる。
脂肪族アルコール類としては、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、イコサノール等が好適な例として挙げられる。
芳香族フェノール類としては、フェノール、2−メチルフェノール、3−メチルフェノール、4−メチルフェノール、2−エチルフェノール、3−エチルフェノール、4−エチルフェノール、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、2−イソプロピルフェノール、3−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、2−ジメチルアミノフェノール、3−ジメチルアミノフェノール、4−ジメチルアミノフェノール、4−プロピルフェノール、4−ブチルフェノール、4−ペンチルフェノール、4−ヘキシルフェノール、4−ヘプチルフェノール、4−オクチルフェノール、4−ノニルフェノール、4−デシルフェノール、4−ウンデシルフェノール、4−ドデシルフェノール、4−トリデシルフェノール、4−テトラデシルフェノール、4−ペンタデシルフェノール、4−ヘキサデシルフェノール、4−ヘプタデシルフェノール、4−オクタデシルフェノール、4−ノナデシルフェノール、4−イコシルフェノール等が好適な例として挙げられる。
脂肪族アミン類としては、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、イコシルアミン等が好適な例として挙げられる。
芳香族アミン類としては、アニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、2−エチルアニリン、3−エチルアニリン、4−エチルアニリン、1,2−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、2−イソプロピルアニリン、3−イソプロピルアニリン、4−イソプロピルアニリン、4−プロピルベンゼンアミン、4−ブチルベンゼンアミン、4−ペンチルベンゼンアミン、4−ヘキシルベンゼンアミン、4−ヘプチルベンゼンアミン、4−オクチルベンゼンアミン、4−ノニルベンゼンアミン、4−デシルベンゼンアミン、4−ウンデシルベンゼンアミン、4−ドデシルベンゼンアミン、4−トリデシルベンゼンアミン、4−テトラデシルベンゼンアミン、4−ペンチルデシルベンゼンアミン、4−ヘキサデシルベンゼンアミン、4−ヘプタデシルベンゼンアミン、4−オクタデシルベンゼンアミン、4−ノナデシルベンゼンアミン、4−イコシルベンゼンアミン等が好適な例として挙げられる。
脂肪族カルボン酸類としては、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、イコサン酸等が好適な例として挙げられる。
芳香族カルボン酸類としては、安息香酸、4−メチル安息香酸、4−エチル安息香酸、4−プロピル安息香酸、4−ブチル安息香酸、4−ペンチル安息香酸、4−ヘキシル安息香酸、4−ヘプチル安息香酸、4−オクチル安息香酸、4−ノニル安息香酸、4−デシル安息香酸、4−ウンデシル安息香酸、4−ドデシル安息香酸、4−トリデシル安息香酸、4−テトラデシル安息香酸、4−ペンタデシル安息香酸、4−ヘキサデシル安息香酸、4−ヘプタデシル安息香酸、4−オクタデシル安息香酸、4−ノナデシル安息香酸、4−イコシル安息香酸、等が好適な例として挙げられる。
脂肪族ホスホン酸類としては、ヘキシルホスホン酸、ヘプチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、ノニルホスホン酸、デシルホスホン酸、ウンデシルホスホン酸、ドデシルホスホン酸、トリデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ペンタデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、ヘプタデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、ノナデシルホスホン酸、イコシルホスホン酸等が好適な例として挙げられる。
脂肪族リン酸類としては、ヘキシルリン酸、ヘプチルリン酸、オクチルリン酸、ノニルリン酸、デシルリン酸、ウンデシルリン酸、ドデシルリン酸、トリデシルリン酸、テトラデシルリン酸、ペンタデシルリン酸、ヘキサデシルリン酸、ヘプタデシルリン酸、オクタデシルリン酸、ノナデシルリン酸、イコシルリン酸が好適な例として挙げられる。
ジスルフィド類としては、ジヘキシルジスルフィド、ジヘプチルジスルフィド、ジオクチルジスルフィド、ジノニルジスルフィド、ジデシルジスルフィド、ジウンデシルジスルフィド、ジドデシルジスルフィド、ジトリデシルジスルフィド、ジテトラデシルジスルフィド、ジペンタデシルジスルフィド、ジヘキサデシルジスルフィド、ジヘプタデシルジスルフィド、ジオクタデシルジスルフィド、ジノナデシルジスルフィド、ジイコシルジスルフィド、2,2‘−ジチエニルジスルフィド等が好適な例として挙げられる。
クロロシラン類としては、ヘキシルトリクロロシラン、ヘプチルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ノニルトリクロロシラン、デシルトリクロロシラン、ウンデシルトリクロロシラン、ドデシルトリクロロシラン、トリデシルトリクロロシラン、テトラデシルトリクロロシラン、ペンタデシルトリクロロシラン、ヘキサデシルトリクロロシラン、ヘプタデシルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、ノナデシルトリクロロシラン、イコシルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、4−メチルフェニルトリクロロシラン、4−エチルフェニルトリクロロシラン、4−プロピルフェニルトリクロロシラン、4−イソプロピルフェニルトリクロロシラン、フェニルメチルトリクロロシラン、フェニルエチルトリクロロシラン、フェニルプロピルトリクロロシラン、フェニルブチルトリクロロシラン、フェニルペンチルトリクロロシラン、フェニルヘキシルトリクロロシラン、フェニルヘプチルトリクロロシラン、フェニルオクチルトリクロロシラン、ペンタフルオロフェニルジメチルクロロシラン、3−(ペンタフルオロフェニル)プロピルジメチルクロロシラン、3−(ペンタフルオロフェニル)プロピルトリクロロシラン等が好適な例として挙げられる。
アルコキシシラン類としては、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘプチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ノニルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ウンデシルメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、トリデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、ペンタデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘプタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、ノナデシルトリメトキシシラン、イコシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、4−メチルフェニルトリメトキシシラン、4−エチルフェニルトリメトキシシラン、4−プロピルフェニルトリメトキシシラン、4−イソプロピルフェニルトリメトキシシラン、フェニルメチルトリメトキシシラン、フェニルエチルトリメトキシシラン、フェニルプロピルトリメトキシシラン、フェニルブチルトリメトキシシラン、フェニルペンチルトリメトキシシラン、フェニルヘキシルトリメトキシシラン、フェニルヘプチルトリメトキシシランフェニルオクチルトリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルジメチルエトキシシラン、11−(ペンタフルオロフェノキシ)ウンデカニルトリメトキシシラン等が好適な例として挙げられる。
ドレイン電極14およびソース電極15の表面を修飾することで、ドレイン電極14およびソース電極15が接触する有機半導体層16との界面を制御することができる。この修飾は、図1の(1−2)に示す有機TFTのボトムゲート−ボトムコンタクト構造、(1−3)に示す有機TFTのトップゲート−ボトムコンタクト構造で好適である。このための修飾としてC群から選ばれる物質を用いる方法とは別に、化学エッチング処理、物理エッチング処理、プラズマ処理、UVオゾン処理等、電極表面の物理的状態もしくは化学的組成を変えることができる処理を用いてもよい。
ゲート絶縁層13としては、下記D群に示す物質を用いることができる。また、下記D群から選ばれる2つ以上の材料で、複数の層を成し、積層していてもよい。
D群とは、金属酸化物、金属窒化物、及び非導電性高分子化合物である。
具体的には、D群中の材料とは、以下の材料を示す。金属酸化物及び金属窒化物がSiO、Si、SiON、Al、及びTaであり、非導電性高分子化合物がポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリビニルフェノール、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート樹脂、ジビニルテトラメチルシロキサンベンゾシクロブテン樹脂ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリパラキシリレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエーテルスルホン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン等のポリフッ化炭素樹脂、ポリシロキサン等のシリコーン樹脂、ナイロン樹脂、ビニロン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、シクロブテン含有ポリマー、シクロオレフィン含有ポリマー、フルオレン含有ポリマー、シルセスキオキサン含有ポリマー等のプラスチック、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、アクリルゴム、アクリロニトリルゴム、ウレタンゴム等のゴムである。なお、これらの材料のうち2種以上が化学的又は物理的に混合されている材料も含む。
D群の中でも、金属酸化物として、SiO、Al、非導電性高分子化合物として、ポリイミド、ポリフッ化炭素樹脂、ジビニルテトラメチルシロキサンベンゾシクロブテン樹脂、ポリパラキシレン、ポリビニルフェノールとメラミン樹脂の複合樹脂が好適である。
また、D群から選ばれる材料の2種以上で積層してゲート絶縁層を成す場合、SiO上にポリスチレン、SiO上にポリメチルメタクリレート、SiO上にポリフッ化炭素樹脂、SiO上にポリビニルフェノールとメラミン樹脂の複合樹脂、SiO上にジビニルテトラメチルシロキサンベンゾシクロブテン樹脂、が好適な例として挙げられる。
これらはゲート電極12と同様の周知の膜作製方法により形成することができる。
ゲート絶縁層13の表面を修飾することで、ゲート絶縁層13が接触する有機半導体層16との界面を制御することができる。この修飾は、図1の(1−1)に示す有機TFTのボトムゲート−トップコンタクト構造、(1−2)に示す有機TFTのボトムゲート−ボトムコンタクト構造で好適である。
したがって、前述のD群から少なくとも1つ選ばれたゲート絶縁膜材料は、下記E群から少なくとも1つ選ばれるゲート絶縁膜修飾材料と共に使用することが好ましい。
E群とは、有機化合物である。具体的には、E群の材料とは、以下の材料を示す。有機化合物が脂肪族チオール類、芳香族チオール類、脂肪族アルコール類、芳香族フェノール類、脂肪族アミン類、芳香族アミン類、脂肪族カルボン酸類、芳香族カルボン酸類、脂肪族ホスホン酸類、脂肪族リン酸類、ジシラザン類、ジスルフィド類、クロロシラン類、及びアルコキシシラン類である。なお、これらの材料のうち2種以上が化学的又は物理的に混合されている材料も含む。
E群から選ばれた材料は、以下に示される方法等により、ゲート絶縁層13の表面を修飾することができる。
・E群から選ばれた物質の蒸気に、ゲート絶縁層13を暴露する。
・E群から選ばれた物質の溶液を調整し、ゲート絶縁層13に塗布した後、溶媒を除去する。
・E群から選ばれた物質の溶液を調整し、ゲート絶縁層13を溶液に含浸させ、E群から選ばれた物質をゲート絶縁層13の表面に吸着させた後、溶媒を除去する。
E群に記載の材料の内、脂肪族チオール類としては、ヘキサンチオール、ヘプタンチオール、オクタンチオール、ノナンチオール、デカンチオール、ウンデカンチオール、ドデカンチオール、トリデカンチオール、テトラデカンチオール、ペンタデカンチオール、ヘキサデカンチオール、ヘプタデカンチオール、オクタデカンチオール、ノナデカンチオール、イコサンチオール、フェニルメタンチオール、(2−メチルフェニル)メタンチオール、(3−メチルフェニル)メタンチオール、(4−メチルフェニル)メタンチオール、(2−フルオロフェニル)メタンチオール、(3−フルオロフェニル)メタンチオール、(4−フルオロフェニル)メタンチオール、2−フェニルエタンチオール3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−1−ヘキサンチオール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−オクタンチオール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロ−1−デカンチオール等が好適な例として挙げられる。
芳香族チオール類としては、ベンゼンチオール、2−メチルベンゼンチオール、3−メチルベンゼンチオール、4−メチルベンゼンチオール、2−エチルベンゼンチオール、3−エチルベンゼンチオール、4−エチルベンゼンチオール、2−アミノベンゼンチオール、3−アミノベンゼンチオール、4−アミノベンゼンチオール、2−イソプロピルベンゼンチオール、3−イソプロピルベンゼンチオール、4−イソプロピルベンゼンチオール、2−(ジメチルアミノ)ベンゼンチオール、3−(ジメチルアミノ)ベンゼンチオール、4−(ジメチルアミノ)ベンゼンチオール、2−メチル−3−フランチオール、5−メチル−2−フランチオール、2−チオフェンチオール、3−チオフェンチオール等が好適な例として挙げられる。
脂肪族アルコール類としては、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、イコサノール等が好適な例として挙げられる。
芳香族フェノール類としては、フェノール、2−メチルフェノール、3−メチルフェノール、4−メチルフェノール、2−エチルフェノール、3−エチルフェノール、4−エチルフェノール、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、2−イソプロピルフェノール、3−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、2−ジメチルアミノフェノール、3−ジメチルアミノフェノール、4−ジメチルアミノフェノール、4−プロピルフェノール、4−ブチルフェノール、4−ペンチルフェノール、4−ヘキシルフェノール、4−ヘプチルフェノール、4−オクチルフェノール、4−ノニルフェノール、4−デシルフェノール、4−ウンデシルフェノール、4−ドデシルフェノール、4−トリデシルフェノール、4−テトラデシルフェノール、4−ペンタデシルフェノール、4−ヘキサデシルフェノール、4−ヘプタデシルフェノール、4−オクタデシルフェノール、4−ノナデシルフェノール、4−イコシルフェノール等が好適な例として挙げられる。
脂肪族アミン類としては、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、イコシルアミン等が好適な例として挙げられる。
芳香族アミン類としては、アニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、2−エチルアニリン、3−エチルアニリン、4−エチルアニリン、1,2−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、2−イソプロピルアニリン、3−イソプロピルアニリン、4−イソプロピルアニリン、4−プロピルベンゼンアミン、4−ブチルベンゼンアミン、4−ペンチルベンゼンアミン、4−ヘキシルベンゼンアミン、4−ヘプチルベンゼンアミン、4−オクチルベンゼンアミン、4−ノニルベンゼンアミン、4−デシルベンゼンアミン、4−ウンデシルベンゼンアミン、4−ドデシルベンゼンアミン、4−トリデシルベンゼンアミン、4−テトラデシルベンゼンアミン、4−ペンチルデシルベンゼンアミン、4−ヘキサデシルベンゼンアミン、4−ヘプタデシルベンゼンアミン、4−オクタデシルベンゼンアミン、4−ノナデシルベンゼンアミン、4−イコシルベンゼンアミン等が好適な例として挙げられる。
脂肪族カルボン酸類としては、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、イコサン酸等が好適な例として挙げられる。
芳香族カルボン酸類としては、安息香酸、4−メチル安息香酸、4−エチル安息香酸、4−プロピル安息香酸、4−ブチル安息香酸、4−ペンチル安息香酸、4−ヘキシル安息香酸、4−ヘプチル安息香酸、4−オクチル安息香酸、4−ノニル安息香酸、4−デシル安息香酸、4−ウンデシル安息香酸、4−ドデシル安息香酸、4−トリデシル安息香酸、4−テトラデシル安息香酸、4−ペンタデシル安息香酸、4−ヘキサデシル安息香酸、4−ヘプタデシル安息香酸、4−オクタデシル安息香酸、4−ノナデシル安息香酸、4−イコシル安息香酸、等が好適な例として挙げられる。
脂肪族ホスホン酸類としては、ヘキシルホスホン酸、ヘプチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、ノニルホスホン酸、デシルホスホン酸、ウンデシルホスホン酸、ドデシルホスホン酸、トリデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ペンタデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、ヘプタデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、ノナデシルホスホン酸、イコシルホスホン酸等が好適な例として挙げられる。
脂肪族リン酸類としては、ヘキシルリン酸、ヘプチルリン酸、オクチルリン酸、ノニルリン酸、デシルリン酸、ウンデシルリン酸、ドデシルリン酸、トリデシルリン酸、テトラデシルリン酸、ペンタデシルリン酸、ヘキサデシルリン酸、ヘプタデシルリン酸、オクタデシルリン酸、ノナデシルリン酸、イコシルリン酸が好適な例として挙げられる。
ジシラザン類としては、ヘキサメチルジシラザンが好適な例として挙げられる。
ジスルフィド類としては、ジヘキシルジスルフィド、ジヘプチルジスルフィド、ジオクチルジスルフィド、ジノニルジスルフィド、ジデシルジスルフィド、ジウンデシルジスルフィド、ジドデシルジスルフィド、ジトリデシルジスルフィド、ジテトラデシルジスルフィド、ジペンタデシルジスルフィド、ジヘキサデシルジスルフィド、ジヘプタデシルジスルフィド、ジオクタデシルジスルフィド、ジノナデシルジスルフィド、ジイコシルジスルフィド、2,2‘−ジチエニルジスルフィド等が好適な例として挙げられる。
クロロシラン類としては、ヘキシルトリクロロシラン、ヘプチルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ノニルトリクロロシラン、デシルトリクロロシラン、ウンデシルトリクロロシラン、ドデシルトリクロロシラン、トリデシルトリクロロシラン、テトラデシルトリクロロシラン、ペンタデシルトリクロロシラン、ヘキサデシルトリクロロシラン、ヘプタデシルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、ノナデシルトリクロロシラン、イコシルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、4−メチルフェニルトリクロロシラン、4−エチルフェニルトリクロロシラン、4−プロピルフェニルトリクロロシラン、4−イソプロピルフェニルトリクロロシラン、フェニルメチルトリクロロシラン、フェニルエチルトリクロロシラン、フェニルプロピルトリクロロシラン、フェニルブチルトリクロロシラン、フェニルペンチルトリクロロシラン、フェニルヘキシルトリクロロシラン、フェニルヘプチルトリクロロシラン、フェニルオクチルトリクロロシラン、ペンタフルオロフェニルジメチルクロロシラン、3−(ペンタフルオロフェニル)プロピルジメチルクロロシラン、3−(ペンタフルオロフェニル)プロピルトリクロロシラン等が好適な例として挙げられる。
アルコキシシラン類としては、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘプチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ノニルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ウンデシルメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、トリデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、ペンタデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘプタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、ノナデシルトリメトキシシラン、イコシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、4−メチルフェニルトリメトキシシラン、4−エチルフェニルトリメトキシシラン、4−プロピルフェニルトリメトキシシラン、4−イソプロピルフェニルトリメトキシシラン、フェニルメチルトリメトキシシラン、フェニルエチルトリメトキシシラン、フェニルプロピルトリメトキシシラン、フェニルブチルトリメトキシシラン、フェニルペンチルトリメトキシシラン、フェニルヘキシルトリメトキシシラン、フェニルヘプチルトリメトキシシランフェニルオクチルトリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルジメチルエトキシシラン、11−(ペンタフルオロフェノキシ)ウンデカニルトリメトキシシラン等が好適な例として挙げられる。
前述の通り、前記C群の電極修飾材料は前記B群から少なくとも1つ選ばれた電極材料と共に使用され、前記E群のゲート絶縁膜修飾材料は前記D群から少なくとも1つ選ばれたゲート絶縁材料と共に使用されるため、有機薄膜トランジスタは、C群から少なくとも1つ選ばれる電極修飾材料、及び前記E群から少なくとも1つ選ばれるゲート絶縁膜修飾材料を含むことが好ましいが、目的や用途に応じて、前記C群の電極修飾材料、又は前記E群のゲート絶縁膜修飾材料のいずれかを含むのみでも構わない。
ゲート絶縁層13の表面を修飾することで、ゲート絶縁層13が接触する有機半導体層16との界面を制御することができる。この修飾は、図1の(1−1)に示す有機TFTのボトムゲート−トップコンタクト構造、(1−2)に示す有機TFTのボトムゲート−ボトムコンタクト構造で好適である。このための修飾としてE群から選ばれる物質を用いる方法とは別に、化学エッチング処理、物理エッチング処理、プラズマ処理、UVオゾン処理等、電極表面の物理的状態もしくは化学的組成を変えることができる処理を用いてもよい。
本発明の有機薄膜トランジスタにおいて、有機半導体層16は、本発明に用いるベンゾビス(チアジアゾール)誘導体1種以上を含み、例えば、真空蒸着法やスピンコート等の周知の膜作製方法により形成することができる。本発明に用いるベンゾビス(チアジアゾール)化合物は有機溶媒に可溶であるため、塗布(印刷)法により有機半導体層16を形成することができる。また、有機半導体層16は、他の有機化合物1種以上を含むこともできる。
通常、本発明の有機TFTは良好なn型特性を示すので、p型の有機TFTと組み合わせて、図2に示す相補型インバーター(論理反転)回路を作製することができる。(NOT回路と称されることもある。)この図においてVinは入力信号線、Voutは出力信号線、Vddは電源線、GNDは接地を示す。また図中上側のトランジスタがp型TFTであり、下側がn型TFTである。
この回路を作動させるには、VddとGND間にこれらトランジスタの駆動可能な電位差を持たせる。VinがGNDと同じ電位の場合、p型TFTがon状態でn型TFTがoff状態となるので、VoutにはVddとほぼ同じ電位が出力される。一方、VinがVddと同じ電位の場合は、p型TFTがoff状態でn型TFTがon状態となり、Voutの電位はGNDとほぼ同じ電位となる。すなわちVinと反対の電位がVoutに出力されるので、反転回路と称される。この回路は、デジタル論理回路を構成する基本回路である。論理反転する瞬間にのみ、わずかな電流しか流れないので、消費電力の少ない論理回路を構成する観点から好適に用いられている。
また、良好なn型特性を示す本発明の有機TFTは、p型の有機TFTと組み合わせて、NAND回路、NOR回路、フリップフロップ回路などを作製することができる。これらの回路は目的に応じた設計を基に組み合わせて集積化することにより、集積化論理回路を構成し、ディスプレイ回路、RFID回路、センサー回路などに適用することができる。
<有機エレクトロルミネッセンス素子>
次に、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と称する)について説明する。本発明の有機EL素子は、その構成部材である正孔輸送層及び/又は電子輸送層が本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含むものである。本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、電子輸送性に優れているので、有機EL素子の、特に電子輸送層に用いると効果的である。
本発明の有機EL素子は、正孔輸送層及び/又は電子輸送層が本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含むこと以外、公知の構造、材料を採用することができる。
有機EL素子は、基板上で、陽極と陰極の間に、発光層、並びに正孔輸送層及び/又は電子輸送層を含む有機化合物層を形成した素子である。典型的には、(基板/陽極/正孔輸送層/発光層/陰極)、(基板/陽極/発光層/電子輸送層/陰極)、(基板/陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極)等の素子構造で構成される。
図3に、本発明の有機EL素子の一例の層構成を示す。図3に示す有機EL素子は、基板21上に、陽極22、正孔輸送層23、発光層24、電子輸送層25及び陰極26をこの順に積層してなるものである。
上記のように構成された有機EL素子に対して、陽極22と陰極26との間に所定の直流電圧を印加すると、発光層24から高輝度の発光が得られる。この発光のメカニズムは以下のように考えられている。
すなわち、上記2つの層間に所定の直流電圧が印加されると、陽極22から正孔輸送層23に流入された正孔が発光層24まで輸送される。一方、陰極26から電子輸送層25に注入された電子は発光層24まで輸送され、この発光層24中を拡散移動して正孔と再結合し、電気的に中和状態となる。この再結合が行なわれると所定のエネルギーが放出され、そのエネルギーにより発光層24内の有機発光材料が励起状態に励起される。その状態から基底状態に戻る際に光が放出される。
特に有機EL素子の電子輸送層25に高電界効果移動度の本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を用いることによって、電子を発光層中に効率よく注入することができ、発光効率を高めることができる。
上記基板21としては、例えば、ガラス、及びプラスチック等の透明材料を用いることができる。ここで、正孔輸送層23や電子輸送層25を、本発明の有機半導体インクを使用して塗布法により形成することができ、基板21として可撓性基板を使用可能であることは、上述の有機TFTの場合と同様である。
上記陽極22としては、通常、光を透過させる材料を用いる。具体的には、スズドープ酸化インジウム(ITO)、酸化インジウム、酸化スズ、酸化インジウム、及び酸化亜鉛合金を用いることが好ましい。また、金、白金、銀、及びマグネシウム合金等の金属の薄膜を用いることもできる。さらに、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、及びそれらの誘導体等の有機材料も使用可能である。陽極22は、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、RFスパッタ法又は塗布(印刷)法等の周知の膜形成方法により形成することができる。
上記陰極26としては、電子注入性の観点から、仕事関数の小さい、Li、K、及びNa等のアルカリ金属やMg、及びCa等のアルカリ土類金属を用いることが好ましい。また、安定なAl等を用いることも好ましい。安定性と電子注入性を両立させるために2種以上の材料を含む層にしてもよく、それらの材料については、例えば特開平2−15595号公報、及び特開平5−121172号公報等に詳しく記載されている。陰極26は、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、又はRFスパッタ法等の周知の膜形成方法により形成することができる。
上記発光層24としては、キノリノール錯体や芳香族アミン等のホスト材料に、クマリン誘導体やDCM、キナクリドン、又はルブレン等の色素材料を添加(ドーピング)したものを用いることが好ましいが、ホスト材料のみで発光層24を形成することもできる。また、イリジウム金属錯体をドーピングして発光層24を形成することで、効率の良い有機EL素子を作製することができる。発光層24は、真空蒸着法、スパッタ法又は塗布(印刷)法等の周知の膜形成方法により形成することができる。
正孔輸送層23及び/又は電子輸送層25は、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含むものであり、当該誘導体を含む場合には、正孔輸送層23及び電子輸送層25は、本発明の有機半導体インクを用いて塗布法により好適に形成することができる。
正孔輸送層23に本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を用いない場合、正孔輸送層23としては、例えば、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン(TPD)、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−2,2’−ジメチルベンジジン(α−NPD)、及び2,2−ビス(3−(N,N−ジ−p−トリルアミノ)フェニル)ビフェニル(3DTAPBP)等の材料を用いることができる。
電子輸送層25に本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を用いない場合、電子輸送層25としては、例えば、2−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサゾール(PBD)、1,3−ビス[2−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン(OXD−7)、及び2,2’,2’’−(1,3,5−ベンジントリイル)−トリス(1−フェニル−1−H−ベンズイミダゾール(TPBi)等の材料を用いることができる。
正孔輸送層23及び電子輸送層25の膜形成方法としては、上記発光層24の膜形成方法と同様の方法が用いられる。また、これらの厚みは従来公知の範囲から適宜選択されるが、通常1nm〜1μm、好ましくは1nm〜100nmである。
なお、本発明の有機EL素子は、上記各層の他、電子注入層、正孔注入層、電子ブロック層、正孔ブロック層、又は保護層等を設けるように構成することが可能である。これらの層も、上記発光層24の膜形成方法と同様の方法により形成することができる。
<表示デバイス>
次に、本発明の表示デバイスについて説明する。本発明の表示デバイスは、有機EL素子及びそれに電気的に接続した有機TFTを備え、有機TFTにより有機EL素子の駆動(スイッチングトランジスタ)及び点灯(ドライビングトランジスタ)を制御するものであり、有機TFTが上記のような本発明の有機TFTであるか、有機EL素子が上記のような本発明の有機EL素子である、表示デバイスである。本発明の表示デバイスにおいては、高電界効果移動度の観点から、有機TFTが本発明の有機TFTであり、且つ、有機EL素子が本発明の有機EL素子であることが好ましい。
図4に、本発明の表示デバイスの構成の一例を示す。図4に示す表示デバイスは、基板111上に、バリア層112を介して、陰極101、電子輸送層102、発光層103、正孔輸送層104及び陽極105から構成される有機EL素子120と、ゲート電極106、ゲート絶縁層107、有機半導体層108、ソース電極109及びドレイン電極110から構成される有機TFT121とを有する。そして、これらの層構造の上方部分が保護膜113により被覆されている。
この表示デバイスは、有機EL素子120の陰極101(基板111に近い側の電極)と、有機TFT121のドレイン電極110が電気的に接続された構造となっている。ゲート電極106に電圧を印加することによりソース・ドレイン電極間に電流が流れ、有機EL素子120が発光する。また、陽極と有機TFTのドレイン電極が電気的に接続された構造とすることもできる。
本発明においては、前述の通り、有機TFT、及び有機TFTにより駆動・点灯される有機EL素子の両方とも、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を用いた本発明の有機TFT及び本発明の有機EL素子であることが好ましいが、いずれか一方が本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含まない、公知の材料及び構成のものであってもよい。
さらに、図4に示すような、駆動・点灯の制御用の有機TFTと有機EL素子とを組み合わせた画素素子をマトリックス状に配置することでアクティブマトリックス方式の表示デバイスを作製することができる。アクティブマトリクス方式の表示デバイスは、画素数が多くなっても、非選択点に不要な電圧が印加されるおそれが小さく、また、高デューティ時においても電界効率低下や劣化を生じるおそれが小さく、応答性に優れているという利点を有している。
なお、本発明の表示デバイス(ディスプレイ)は、本発明の有機TFT及び/又は本発明の有機EL素子を用いていること以外は、公知の構造、材料を採用することができ、公知の方法により製造することができる。
<有機薄膜太陽電池>
次に、本発明の有機薄膜太陽電池(以下、有機PV素子と称する)について説明する。本発明の有機PV素子は、基板上に、陽極と、正孔輸送材料及び電子輸送材料を含む電荷分離層と、陰極とを有し、前記電荷分離層が、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含むものである。
さらに本発明の有機PV素子として、基板上に、陽極と、前記電荷分離層と、正孔輸送層及び/又は電子輸送層と、陽極とを有し、前記正孔輸送層及び/又は電子輸送層が本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む構成のものも挙げられる。
本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、電子輸送性に優れているので、有機PV素子の、特に電荷分離層や電子輸送層に用いると効果的である。
本発明の有機PV素子は、上記の構成以外、公知の構造、材料を採用することができる。
有機PV素子は、基板上で、陽極と陰極の間に、電荷分離層を含む少なくとも1層の有機化合物層を形成した素子である。典型的には、(基板/陽極/電荷分離層/陰極)、(基板/陽極/電荷分離層/電子輸送層/陰極)、(基板/陽極/正孔輸送層/電荷分離層/電子輸送層/陰極)等の素子構造で構成される。
図5に、本発明の有機PV素子の一例の層構成を示す。図5に示す有機PV素子は、基板31上に、陽極32、電荷分離層33及び陰極34をこの順に積層してなるものである。
上記のように構成された有機PV素子に光が照射されると、電荷分離層33において正孔と電子が発生し、陽極32と陰極34を接続すると電流を取り出すことができる。この発電のメカニズムは以下のように考えられている。
すなわち、上記電荷分離層33に光が照射されると、光が吸収され、そのエネルギーにより有機分子が励起されて電荷分離を生じ、正孔と電子が発生する。正孔は電荷分離層33中の正孔輸送材料により陽極32まで輸送され、電子は電荷分離層33中の電子輸送材料により陰極34まで輸送され、外部回路へ取り出される。
有機PV素子の電荷分離層33に高電界効果移動度の本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を用いることによって、正孔及び電子を電荷分離層33中から効率的に取り出すことができ、発電効率を高めることができる。また、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を電子輸送層に用いることによって、電子を陰極に効率的に輸送することができ、発電効率を高めることができる。
上記基板31としては、例えば、ガラス、プラスチック等の透明材料を用いることができる。ここで、電荷分離層33、正孔輸送層や電子輸送層を、本発明の有機半導体インクを使用して塗布法により形成することができ、基板31として可撓性基板を使用可能であることは、上述の有機TFTの場合と同様である。
上記陽極32としては、通常、光を透過させる材料を用いる。具体的には、スズドープ酸化インジウム(ITO)、酸化インジウム、酸化スズ、酸化インジウム、又は酸化亜鉛合金であることが好ましい。金、白金、銀、及びマグネシウム合金等の金属の薄膜を用いることもできる。さらに、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、及びそれらの誘導体等の有機材料も使用可能である。陽極32は、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、RFスパッタ法又は塗布(印刷)法等の周知の膜形成方法により形成することができる。
上記陰極34としては、電子取出性の観点から、仕事関数の小さい、Li、K、及びNa等のアルカリ金属やMg、及びCa等のアルカリ土類金属を用いることが好ましい。また、安定なAl等を用いることも好ましい。安定性と電子取出性を両立させるために2種以上の材料を含む層にしてもよい。陰極34は、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、又はRFスパッタ法等の周知の膜形成方法により形成することができる。
上記電荷分離層33には、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を有機半導体材料として用いる。使用するベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は1種類としてもよいし、複数種類としてもよい。さらに、電荷分離層33は、他の有機半導体化合物1種以上を含むこともできる。
ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体とともに電荷分離層を構成する材料としては、例えば、正孔輸送材料として、ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)(P3HT)、及びポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン](MEH−PPV)等が挙げられ、
電子輸送材料として、フラーレンC60、(6,6)−フェニル−C61ブチル酸メチルエステル(C61−PCBM)、フラーレンC70、及び(6,6)−フェニル−C71ブチル酸メチルエステル(C71−PCBM)等が挙げられる。
電荷分離層33は、真空蒸着法、スパッタ法又は塗布(印刷)法等の周知の膜形成方法により形成することができ、本発明の有機半導体インクを用いて塗布(印刷)法により電荷分離層33を形成することが好ましい。また、電荷分離層33の厚みは従来公知の範囲から適宜選択されるが、通常5nm〜1μm、好ましくは10nm〜500nmである。
本発明の有機PV素子には、さらに、正孔輸送層及び/又は電子輸送層を設けることができる。これらの層にも本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を好適に用いることができる。使用するベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は1種類としてもよいし、複数種類としてもよい。さらに、正孔輸送層及び電子輸送層は、他の化合物1種以上を含むこともできる。
正孔輸送層又は電子輸送層に本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を用いない場合、正孔輸送層としては、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT−PSS)等の材料を用いることができ、電子輸送層としては、例えば、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)等の材料を用いることができる。
正孔輸送層及び電子輸送層の膜形成方法としては、上記電荷分離層33の膜形成方法と同様の方法が用いられる。また、これらの厚みは従来公知の範囲から適宜選択されるが、通常1nm〜1μm、好ましくは1nm〜100nmである。
<RFIDタグ>
次に、本発明のRFIDタグ(Radio Frequency IDentification tag)について説明する。本発明のRFIDタグは、有機TFTを用いて作動するものであり、有機TFTが上記のような本発明の有機TFTであるものである。
RFIDタグは集積回路部(以下、IC部と称する)とアンテナ部とを有し、IC部に記憶されているID、すなわち個体識別情報等について、アンテナ部を介して、無線でリーダライタ機器と通信することができ、リーダライタ機器によってIC部に記憶されている情報を非接触で読み取ったり、逆にIC部に書き込んだりすることが可能な電子デバイスである。
RFIDタグを物品に貼り付ける、もしくは物品に印刷することで、物品の情報管理、流通管理、及び固体認証などが可能であり、様々な分野へ応用されている。本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、高電界効果移動度を達成できるので、RFIDタグのIC部を構成する有機TFTの有機半導体層に用いると、RFIDタグの応答性を高めることができる。
本発明のRFIDタグは、例えばSolid−State Electronics 84(2013)167-178に記載の、公知の回路を組合せて作成することができる。
なお、本発明のRFIDタグは、本発明の有機TFTを用いていること以外は、公知の構造、材料を採用することができ、公知の方法により製造することができる。
RFIDタグのIC部は、複数の有機TFTを備えるものであってもよい。その場合、複数の有機TFTのうち、すべての有機TFTが本発明の有機TFTであってもよく、また一部の有機TFTが本発明の有機TFTであってもよい。
(センサー)
次に、本発明のセンサーについて説明する。本発明のセンサーは、有機TFTを用いて作動するものであり、有機TFTが上記のような本発明の有機TFTであるものである。
センサーは、有機TFTに与えられる外部の刺激により、有機TFTを構成する有機半導体の物理状態が変化し、その結果、有機TFTから得られる電流及び/又は電圧が変化する系に適用することができる。
本発明のセンサーとして、例えば、有機TFTを構成する有機半導体が熱や光を受けて、その有機半導体の物理状態が変化することで温度や光を検知する温度センサーや光センサーが挙げられる。
また、有機TFTを構成する有機半導体が応力を受けて、その有機半導体の物理状態が変化することで応力や圧力を検知する曲げ応力センサー、及び圧力センサーが挙げられる。
また、有機TFTを構成する有機半導体が特定の化学物質、例えば水分子や酸素分子などの影響を受けて、その有機半導体の物理状態が変化することで、その化学物質を検知する化学センサーが挙げられる。
さらに、有機TFTを構成する金属電極が特定の化学物質により影響を受けて、有機TFTから得られる電流及び/又は電圧に変化が生じることで、その化学物質を検知する化学センサーも挙げられる。
本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、高電界効果移動度を達成できるので、センサーを構成する有機TFTの有機半導体層に用いると、センサーの応答性やダイナミックレンジを高めることができる。
なお、本発明のセンサーは、本発明の有機TFTを用いていること以外は、公知の構造、材料を採用することができ、公知の方法により製造することができる。
センサーは、用途に応じて、単一の有機TFTを備えるものであってもよく、複数の有機TFTを備えるものであってもよい。複数の有機TFTを備える場合、有機TFTのうち、すべての有機TFTが本発明の有機TFTであってもよく、また一部の有機TFTが本発明の有機TFTであってもよい。
以上説明した各種本発明の有機エレクトロニクスデバイスにおいては、基板として、プラスチック基板を使用することができる。基板として用いるプラスチックは、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、加工性、低通気性及び低吸湿性に優れていることが好ましい。このようなプラスチックとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、及びポリイミド等が挙げられる。
プラスチック基板の場合、基板の電極側の面、電極と反対側の面、又はその両方に透湿防止層(ガスバリア層)を設けることが好ましい。透湿防止層を構成する材料としては窒化ケイ素や酸化ケイ素等の無機物が好ましく挙げられる。透湿防止層はRFスパッタ法等の周知の膜作製方法により形成することができる。また、必要に応じてハードコート層やアンダーコー卜層を設けてもよい。
さらに、本発明の有機エレクトロニクスデバイスにおける基板に対しては、基板表面の表面エネルギーの調整や、基板に積層する材料との親和性を制御する目的で、ヘキサメチルジシラザンで処理したり、ポリスチレン等の樹脂をコーティングしたり、UVオゾン処理を施すなど、基板の表面修飾処理を施すことができる。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
[量子化学計算によるn型特性の評価]
量子化学計算は市販のGaussian09プログラムを用い、B3LYP/6−31Gで構造最適化し、B3LYP/6−311++G**でエネルギー計算を行い、HOMOとLUMOのエネルギー準位を求めた。
[有機TFTの作製・評価]
以下の実施例では、特に各項に記載のない限り、下記の有機TFTの作製手順に従い、シリコン基板上にボトムゲート−トップコンタクト素子を作製し、評価を行った。
<有機TFTの作製手順>
スピンコート法による有機半導体層の作製を経る場合、
(TFT基板の作製)−(スピンコート法による有機半導体層の作製)−(ソース電極及びドレイン電極の作製)
又は、
(TFT基板の作製)−(TFTの基板の表面修飾)−(スピンコート法による有機半導体層の作製)−(ソース電極及びドレイン電極の作製)
の手順で有機TFTを作製した。
真空蒸着法による有機半導体層の作製を経る場合、
(TFT基板の作製)−(真空蒸着法による有機半導体層の作製)−(ソース電極及びドレイン電極の作製)
又は、
(TFT基板の作製)−(TFTの基板の表面修飾)−(真空蒸着法による有機半導体層の作製)−(ソース電極及びドレイン電極の作製)
の手順で有機TFTを作製した。
(TFT基板の作製)
有機TFTの基板として、表面に膜厚200nmの熱酸化シリコンを形成した市販のシリコンウェハを用いた。シリコンウェハは低抵抗のものとし、有機TFTのゲート電極としても機能させた。また、酸化シリコン膜をゲート絶縁膜として用いた。このシリコンウェハは、過酸化水素水と硫酸の混合液で洗浄し、次工程で使用する直前にUVオゾン処理により表面を清浄して用いた。このように処理した基板を、以降「ベア基板」と表記する。
(TFT基板の表面修飾)
「ベア基板」を市販のヘキサメチルジシラザンに浸漬して12時間以上静置し、基板表面を修飾した。このように処理した基板を、以降「HMDS修飾基板」と表記する。
「ベア基板」に、市販の、ポリスチレンを0.5wt%でキシレンに溶解した溶液をスピンコートし、次いで150℃で1時間加熱して、基板表面におよそ20nmのポリスチレン薄膜を作製した。このように処理した基板を、以降「PS基板」と表記する。
「ベア基板」に、市販のポリビニルフェノールとメラミンから調製した、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをこれらの溶媒とする、ポリビニルフェノールとメラミンの混合溶液をスピンコートし、次いで180℃で1時間加熱して、基板表面におよそ20nmのポリビニルフェノール−メラミン薄膜を作製した。このように処理した基板を、以降「PVP基板」と表記する。
(スピンコート法による有機半導体層の作製)
合成した化合物(有機半導体化合物)を用いて、各項に記載の溶媒、溶質濃度の溶液(有機半導体インク)を作成し、その有機半導体インクを用いてスピンコート法により各項に記載の基板上に、膜厚約20〜50nmの有機半導体層を形成した。その後必要に応じて、各項に記載の条件で、熱アニールを施した。スピンコートと熱アニールは、特に各項に記載がない限り、窒素雰囲気下で実施した。
(真空蒸着法による有機半導体層の作製)
合成した化合物(有機半導体化合物)を用いて、各項に記載の基板上に、真空蒸着法により膜厚約50nmの有機半導体層を形成した。有機半導体層形成時の蒸着装置チャンバ内は圧力2×10−5Pa〜6×10−4Paとし、有機半導体化合物を坩堝に入れ、坩堝周囲に巻いたフィラメントにより加熱し、蒸着を行った。蒸着速度は0.2±0.1Å毎秒とした。
(ソース電極及びドレイン電極の作製)
上記有機半導体層上に、金属マスクを用いて金を真空蒸着法で製膜することにより、ソース電極とドレイン電極を形成した。有機TFTのチャネル幅及びチャネル長はそれぞれ1000μm及び70μmとした。また、ソース及びドレイン電極の膜厚は約50nmとした。
(電界効果移動度の評価)
電界効果移動度(μ)は、KEITHLEY社の半導体特性評価システム4200−SCS型を用いて、作製した有機TFTの伝達特性を測定した結果から求めた。
電界効果移動度(μ)は、ドレイン電流Iを表わす下式(式A)を用いて算出することができる。
=(W/2L)μC(V−V … (式A)
ここで、L及びWはチャネル長及びチャネル幅である。また、Cはゲート絶縁膜の単位面積当たりの電気容量である。Vはゲート電圧であり、Vはしきい値電圧である。上記伝達特性測定から、あるゲート電圧時におけるしきい値電圧とドレイン電流の値が示されるので、電界効果移動度を求めることができる。
<量子化学計算>
以下に示す化合物について前述の量子化学計算により半導体特性を評価した。計算結果は表1、表2に示す。
<実施例C−1>
下記式のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体B1を量子化学計算により半導体特性を評価した。
<実施例C−2>
下記式のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体A1を量子化学計算により半導体特性を評価した。
<実施例C−3>
下記式のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体H2、H5を量子化学計算により半導体特性を評価した。
<実施例C−4>
下記式のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体I1、I2、I5を量子化学計算により半導体特性を評価した。
<実施例C−5>
下記式のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体J3、J4を量子化学計算により半導体特性を評価した。
<実施例C−6>
下記式のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体L2、L3を量子化学計算により半導体特性を評価した。
<実施例C−7>
下記式のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体F1、F2を量子化学計算により半導体特性を評価した。
<実施例C−8>
下記式のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体G1を量子化学計算により半導体特性を評価した。
<実施例C−9>
下記式のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体D1、D2を量子化学計算により半導体特性を評価した。
<実施例C−10>
下記式のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体E1を量子化学計算により半導体特性を評価した。
<参考例C−11>
下記式のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体B1を量子化学計算により半導体特性を評価した。
本計算法による計算結果、後述の測定結果、及び公知の化合物の移動度との比較から、LUMOが好ましくは−3.5eVより深い化合物、さらに好ましくは−4.0eVより深い値を示す化合物が、大気安定なn型有機半導体として好適であると考えられる。
<実施例S−1>
[化合物F1j(前記100x41−1と同じ)の合成]
以下の合成スキームに従い、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体である化合物F1j(100x41−1)を合成した。以下、各工程について説明する。
(化合物(F1−2)の合成)
撹拌装置、及び温度計を備えた100mlの4口フラスコにアルゴン雰囲気下、亜鉛粉末4.95gと無水テトラヒドロフラン45mlを混合した液に、ジブロモメタン1.25gを加え、10分ほど50℃で加熱した。室温まで液を冷却し、トリメチルシリルクロリド0.38mlを滴下後、化合物(F1−1)4.2g(26mmol)を滴下した。15分撹拌後、4-トリフルオロメチルブロモベンゼン5.76g(25.6mmol)、ついで、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム2.96g(2.56mmol)を加え、55℃で2時間加熱した。反応液をセライトでろ過し、逆相カラムグラフィー(C18;アセトニトリル:水=40:60→50:50)で精製後、順相カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0→95:5)で精製して、白色固体として化合物(F1−2)3.84gを得た。
当該化合物(F1−2)の物性値は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz;CDCl;δ(ppm));7.41〜7.42(m、1H)、7.70〜7.72(m、2H)、7.90〜7.95(m、1H)、8.08〜8.10(m、2H)
EI―MS;229(M)
(化合物(F1−3)の合成)
撹拌装置、及び温度計を備えた50mlの3口フラスコにアルゴン雰囲気下化合物(F1−2)1.0g(4.4mmol),無水テトラヒドロフラン20mlを加え、−55℃以下に冷却したところに、1.58規定ノルマルブチルリチウムヘキサン溶液2.76ml(4.36mmol)を滴下し1時間撹拌後、トリブチルスズクロリド1.42ml(5.23mmol)を滴下し室温まで昇温し、エタノールを加えて反応を停止させて反応液Aを得た。化合物(F1−2)を2.84g使用したスケールアップした実験を行い反応液Bを得た。反応液A及びBを混合し、逆相カラムクロマトグラフィー(C18;アセトニトリル:水=40:60→95:5)で精製し、黄色液体として化合物(F1−3)を7.63g得た。
当該化合物(F1−3)の物性値は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz;CDCl;δ(ppm));0.89〜0.93(m、9H)、1.11〜1.24(m、6H)、1.26〜1.40(m、6H)、1.55〜1.70(m、6H)、7.68〜7.70(m、2H)、7.81〜7.86(m、1H)、8.09〜8.11(m、2H)
CI―MS;520(M+1)
(化合物(F1j)の合成)
撹拌装置、及び温度計を備えた100mlの3口フラスコにアルゴン雰囲気下化合物(F1−3)7.63g(14.7mmol)、化合物X:1.29g(3.68mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム774mg(1.10mmol)及びトルエン40mlを加え、110℃で6時間反応させた。反応終了後、精製を行い、緑色固体として化合物(F1j)120mgを得た。
当該化合物(F1j)の物性値は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz;CDCl;δ(ppm));7.61〜7.63(m、4H)、8.20〜8.22(m、4H)、9.72(s、2H)
EI―MS;648(M)
また、熱重量減少分析の結果、化合物F1j(前記100x41−1と同じ)の分解開始温度が384℃であり、示差走査熱量分析の結果、分解開始温度までに融点を含め相転移などに起因するピークを示さなかった。本結果により、化合物F1jは熱的に極めて安定な化合物であることが分かった。
<実施例S−2>
[化合物B1g(前記190x10−1と同じ)の合成]
以下の合成スキームに従い、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体である化合物B1g(190x10−1)を合成した。以下、各工程について説明する。
(化合物(B1−2)の合成)
撹拌装置、及び温度計を備えた100mlの4口フラスコにアルゴン雰囲気下、化合物(B1−1)4.0g(21.9mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム1.54g(2.19mmol),Aliquot 8.85g,2―トリブチルスズチオフェン10.4ml(32.8mmol)及び無水ジメチルホルムアミド80mlを加え、110℃で4時間反応させた。反応終了後、水300mlを加え、飽和塩化アンモニウム水溶液200mlを加えジエチルエーテル200mlで抽出した。反応液を順相カラムクロマトグラフィー(ヘキサン→クロロホルム)で精製後、炭酸カリウム/シリカゲルを混合した粉末で処理し、黄色液体として化合物(B1−2)を2.87g得た。
当該化合物(B1−2)の物性値は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz;CDCl;δ(ppm));7.16〜7.18(m、1H)、7.39〜7.40(m、1H)、7.54〜7.56(m、1H)、8.11〜8.12(m、1H)、8.91〜8.92(m、1H)
CI―MS;231(M+1)
(化合物(B1−3)の合成)
撹拌装置、及び温度計を備えた200mlの3口フラスコにアルゴン雰囲気下化合物(B1−2)2.87g(12.47mmol),無水テトラヒドロフラン100mlを加え、−70℃以下に冷却したところに、1.0規定リチウムジイソプロピルアミドテトラヒドロフラン溶液13.7ml(14.96mmol)を滴下し1時間撹拌後、トリブチルスズクロリド4.22ml(15.59mmol)を無水テトラヒドロフラン10mlに溶解した液を滴下し一時間反応させた後に室温まで昇温した。反応液を炭酸カリウム/シリカゲルを混合した粉末で室温処理し、逆相カラムクロマトグラフィー(C18;アセトニトリル:水=40:60→0:100→イソプロパノール100%)で精製し、黄色液体として化合物(B1−3)を1.48g得た。
当該化合物(B1−3)の物性値は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz;CDCl;δ(ppm));0.88〜0.91(m、9H)、1.09〜1.24(m、6H)、1.30〜1.40(m、6H)、1.52〜1.63(m、6H)、7.23〜7.24(m、1H)、7.35〜7.36(m、1H)、8.18〜8.19(m、1H)、8.90〜8.91(m、1H)
CI―MS;521(M+2)
(化合物(B1g)の合成)
撹拌装置、及び温度計を備えた100mlの3口フラスコにアルゴン雰囲気下化合物(B1−3):1.87g(3.6mmol)、化合物A:0.31g(0.9mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.19g(0.27mmol)及びトルエン50mlを加え、105℃で6時間反応させた。反応終了後、精製を行い、緑色固体として化合物(B1g)113mgを得た。
当該化合物(B1g)の物性値は以下の通りであった。
TOF−MS(ASAP+):650(M+1)
また、熱重量減少分析の結果、化合物B1g(前記190x10−2と同じ)の分解開始温度が370℃であり、示差走査熱量分析の結果、分解開始温度までに融点を含め相転移などに起因するピークを示さなかった。本結果により、化合物B1gは熱的に極めて安定な化合物であることが分かった。
<実施例E−1>
実施例S−1で得られた化合物F1j(前記100x41−1と同じ)を用いて、「HMDS基板」上に真空蒸着法により有機半導体層を形成し、さらにこの上に上述の方法でソース電極及びドレイン電極を形成して、有機TFTを作製し、評価を行った。
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTについて、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示し、一方、p型の半導体特性は示さなかった。得られた伝達特性を図6に示す。図6の横軸はゲート電圧(V)、縦軸はドレイン電流(A)である。灰色塗りのまるがつけられた曲線がforeであり、白抜きのまるがつけられた曲線がbackである。
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「HMDS基板」上の化合物F1jの有機TFTでは、2.2×10−1cm/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
<実施例E−2>
実施例S−2で得られた化合物B1g(前記190x10−2と同じ)を用いて、「PS基板」上に真空蒸着法により有機半導体層を形成し、さらにこの上に上述の方法でソース電極及びドレイン電極を形成して、有機TFTを作製し、評価を行った。
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTについて、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示し、一方、p型の半導体特性は示さなかった。得られた伝達特性を図7に示す。図7の横軸はゲート電圧(V)、縦軸はドレイン電流(A)である。灰色塗りのまるがつけられた曲線がforeであり、白抜きのまるがつけられた曲線がbackである。
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PS基板」上の化合物B1gの有機TFTでは、2.1×10−1cm/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
<実施例E−3>
実施例S−2で得られた化合物B1g(前記190x10−2と同じ)を用いて、空気中での安定性試験を行った。
実施例S―2と同様に作成した有機TFTを大気中で7日間保存した後、実施例E−2と同じ条件で伝達特性を測定したところ、1.2×10−1cm/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。本結果より、本発明の有機TFTは大気中で7日間安定であることが分かった。
この有機TFTをさらに大気中で7日間存した後、実施例E−2と同じ条件で伝達特性を測定したところ、1.2×10−1cm/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。本結果より、本発明の有機TFTは大気中で14日間安定であることが分かった。
この有機TFTをさらに大気中で14日間存した後、実施例E−2と同じ条件で伝達特性を測定したところ、1.1×10−1cm/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。本結果より、本発明の有機TFTは大気中で28日間安定であることが分かった。
本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、高い電界効果移動度を示すことが分かった。
本発明により、電子の移動度(電界効果移動度)に優れ、大気中での安定性にも優れた新たな骨格のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を提供することができる。
また、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、熱的に安定である上、高い電界効果移動度を有しているので、この化合物を有機TFTの半導体層に用いることで高い電界効果移動度特性が実現できる。また、この化合物を有機EL素子の、特に電子輸送層に用いることで、高い発光効率が実現できる。さらに、この化合物を有機薄膜太陽電池の電荷分離層や電子輸送層に用いることで、高い光電変換効率が実現できる。
また、本発明の有機TFTと、本発明の有機EL素子又はそれと他の有機EL素子とを組み合わせてなる画素素子を配列した表示デバイスは発光効率に優れ、かつ応答性にも優れるという利点を有している。また、本発明の有機TFTは、RFIDタグやセンサーを作動させる有機TFTとして好適に用いることができる。
11,21,31,111 基板
12,106 ゲート電極
13,107 ゲート絶縁層
14,110 ドレイン電極
15,109 ソース電極
16,108 有機半導体層
22,105 陽極
23,104 正孔輸送層
24,103 発光層
25,102 電子輸送層
26,101 陰極
112 バリア層
113 保護層
120 有機EL素子
121 有機TFT
32 陽極
33 電荷分離層
34 陰極

Claims (12)

  1. 下記一般式(1)で示されるベンゾビス(チアジアゾール)誘導体:

    (式(1)中、Arは、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、及びセレン原子からなる群より選ばれた少なくとも1つの原子を含む複素芳香族五員環構造を有するヘテロアリーレン基であり、2つのArは同じであっても異なっていてもよい。Arはフェニル基、窒素原子を1つ以上含む複素芳香族六員環構造を有するヘテロアリール基、又は窒素原子、硫黄原子、酸素原子、及びセレン原子からなる群より選ばれた少なくとも1つの原子を含む複素芳香族五員環を有するヘテロアリール基であり、2つのArは同じであっても異なっていてもよい。Ar及びArは、置換基を有していてもよい。但し、2つのArが同一、且つ、2つのArが同一である場合において、Arがチオフェン基であり、かつ、Arがフェニル基である場合を除く。)
  2. Ar及びAr上の全ての置換基が水素原子、アルキル基又は下記式(2)で示される基のいずれかであり、全ての置換基は同一であっても異なっていてもよい、請求項1に記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体。

    (式中、Rは、直鎖状または分岐状のアルキル基を示す。)
  3. Arは下記式(3)で示される複素芳香族五員環構造を有するヘテロアリーレン基であり、Arは下記式(4)で示されるフェニル基、複素芳香族六員環構造を有するヘテロアリール基、又は複素芳香族五員環構造を有するヘテロアリール基である、請求項1又は2に記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体。

    (式中、水素原子と直接結合している任意の窒素原子又は任意の炭素原子は、ベンゾビス(チアジアゾール)環、又はArと結合する。また、式中水素原子と直接結合している任意の窒素原子及び任意の炭素原子は、ベンゾビス(チアジアゾール)環及びArと結合している窒素原子及び炭素原子を除き、アルキル基又は下記式(2)で示される基を有していてもよい。)

    (式中、任意の炭素原子は、Arと結合する。ただし、Arと直接結合する炭素原子を除き、式中任意の炭素原子はアルキル基、又は下記式(2)で示される基を有していてもよい。)

    (式中、Rは、直鎖状または分岐状のアルキル基を示す。)
  4. ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体が下記式(A1)〜(M2)で示される誘導体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体。



    (式中、Arは下記式(a)〜(o)で示される基であり、2つのArは同じであっても異なっていてもよい。)

    (式中、Arは前記式(A1)〜(M2)において、Arと直接結合した複素芳香族五員環構造を有するヘテロアリーレン基を示す。また、式中、R、R、及びRは、アルキル基、水素原子、又は下記式(2)で示される基を示す。ただし、2つのArが同一、且つ、2つのArが同一である場合において、ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体がチオフェン環(B1)であり、且つフェニル基(i)である場合を除く。)

    (式中、Rは、直鎖状または分岐状のアルキル基を示す。)
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む有機半導体インク。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む有機層を備える、有機エレクトロニクスデバイス。
  7. 基板上に、ゲート電極と、ゲート絶縁層と、有機半導体層と、ソース電極及びドレイン電極とを有し、前記有機半導体層が、請求項1〜4のいずれか一項に記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む、有機薄膜トランジスタ。
  8. 基板上に、陽極と、発光層と、正孔輸送層及び/又は電子輸送層と、陰極とを有し、前記正孔輸送層及び/又は前記電子輸送層が、請求項1〜4のいずれか一項に記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む、有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 有機薄膜トランジスタを用いて有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動・点灯を行う表示デバイスであって、前記有機薄膜トランジスタが、請求項7に記載の有機薄膜トランジスタである、表示デバイス。
  10. 基板上に、陽極と、正孔輸送材料及び電子輸送材料を含む電荷分離層と、陰極とを有し、前記電荷分離層が、請求項1〜4のいずれか一項に記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む、有機薄膜太陽電池。
  11. 有機薄膜トランジスタを用いて作動するRFIDタグであって、前記有機薄膜トランジスタが、請求項7に記載の有機薄膜トランジスタである、RFIDタグ。
  12. 有機薄膜トランジスタを用いて作動するセンサーであって、前記有機薄膜トランジスタが、請求項7に記載の有機薄膜トランジスタである、センサー。
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