JP2018168138A - 含酸素炭化水素基を含むベンゾビス(チアジアゾール)誘導体、それを含むインク、及びそれを用いた有機エレクトロニクスデバイス - Google Patents

含酸素炭化水素基を含むベンゾビス(チアジアゾール)誘導体、それを含むインク、及びそれを用いた有機エレクトロニクスデバイス Download PDF

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田中 康裕
Yasuhiro Tanaka
康裕 田中
貴志 本間
Takashi Honma
貴志 本間
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Abstract

【課題】電子の移動度(電界効果移動度)に優れ、大気中での安定性にも優れ、且つ、室温で析出物を生じることがない、有機半導体インクを与えるベンゾビス(チアジアゾール)誘導体の提供。【解決手段】式(1)で示されるベンゾビス誘導体。(R1〜R4はトリフルオロメチル基、シアノ基、トリフルオロメトキシ基、アルキル基で置換/非置換の鎖中にエーテル結合を有するC2〜41のアルキル基、末端にフェニル基を有し鎖中にエーテル結合を有するC1〜40のアルキル基又はC1〜21のアルキル基;但し、R1〜R4の内の1つ以上は末端にフェニル基を有し、鎖中にエーテル結合を有するC1〜40のアルキル基)【選択図】図8

Description

本発明は、ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体、それを含む有機半導体インク、並びにそれを用いた有機薄膜トランジスタ、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示デバイス、有機薄膜太陽電池、RFIDタグ、センサー、熱電変換素子及び熱電変換用装置等の有機エレクトロニクスデバイスに関する。
従来、有機薄膜トランジスタ(有機TFT)、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)又は有機薄膜太陽電池用の化合物としてベンゾビスチアゾール化合物が注目されている。このため、ベンゾビス(チアジアゾール)を主骨格とする各種誘導体の研究開発が盛んに行われている。
特に、電子の移動度や大気中での安定性を改良するために、強い電子吸引基を導入したベンゾビス(チアジアゾール)誘導体が提案されている(例えば、特許文献1)。
また、特許文献2および特許文献3ではアルキル鎖を導入した誘導体が示されており、同じ主骨格を有する特許文献1に記載の化合物より、溶解性の向上が図られている。
溶解性を向上させる方法として、アルキル鎖を主骨格に付与することが効果的であるとされている。但し、溶解性は主骨格が示す分子間力などにも大きく依存するため、主骨格の分子構造により溶解性向上の効果は大きく左右されることも知られている。
国際公開2013/141182号 国際公開2015/041026号 国際公開2016/024567号
特許文献1、特許文献2及び特許文献3に記載の誘導体は高い電子の移動度や大気安定性を示しているが、溶媒への溶解性が充分ではない課題がある。特許文献2及び特許文献3においては、溶液状態を保つために加温が必要であり、産業利用の実用性を考慮すると、種々の溶媒に室温で溶液状態を保つことができる溶解性にまで向上することが極めて好適である。
ここで言う溶媒への充分な溶解性とは、当該誘導体の薄膜を溶液から製造するために必要な溶解性を指し、薄膜の製造に用いられる印刷方法により適宜調整されるが、溶液の全重量に対して0.03wt%から5wt%であることが好ましく、0.03wt%から1wt%であることがより好ましく、より広く印刷方法に適用させるために0.1wt%から1wt%であることがさらに好ましい。当該誘導体の溶解の際に加熱をしてもよいが、冷却後25℃付近(以後、室温と表記することもある。)で析出物のない溶液状態となっていることが、実用上極めて好ましい。
また、前記の通り、アルキル基の導入により溶解度が向上することは知られているが、アルコキシアルキル鎖等の基によっては溶解度が向上することは知られていない。n型有機半導体材料においては、そのn型特性の発現のためには、電子吸引基を導入することが好ましいが、アルキル基やアルコキシアルキル基は電子供与基であるため、n型特性の発現の観点では、好ましくない置換基であることが知られている。したがって、n型有機半導体材料において、n型特性を維持しながら、移動度と溶解度を同時に向上させることは極めて困難である。
なお、n型特性とは、半導体材料中において、負の電荷を持つ電子がキャリアとなる特性を指し、反対に正の電荷を持つ正孔がキャリアとなる特性はp型特性である。
本発明の課題は、電子の移動度(電界効果移動度)に優れ、大気中での安定性にも優れ、且つ、室温で析出物を生じることがない、有機半導体インクを与えるベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を提供することにある。
さらに本発明の課題は、これらのベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を用いた、有機薄膜トランジスタ、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示デバイス、有機薄膜太陽電池、RFIDタグ、センサー、熱電変換素子及び熱電変換用装置等の有機エレクトロニクスデバイスを提供することにもある。
本発明は以下の事項に関する。
1.下記一般式(1)で示されるベンゾビス(チアジアゾール)誘導体であって、R、R、R及びRのうち少なくとも一つは下記グループBから選ばれる基である、ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体。
(R、R、R及びRは、それぞれグループA、B及びCからなる群から選ばれる少なくとも1種の基である。また、グループAはトリフルオロメチル基、シアノ基及びトリフルオロメトキシ基からなる群である。グループBは、下記式(2)で示される基及び下記式(3)で示される基からなる群である。グループCは下記式(4)で示される基からなる群である。)
(式中、mは1〜20の整数、nは0〜20の整数を示し、波線は前記式(1)中のベンゼン環との結合を示す。メチレン炭素上の水素原子は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基に置換していてもよい。)
(式中、mは1〜20の整数、nは0〜20の整数を示し、波線は前記式(1)中のベンゼン環との結合を示す。Phはフェニル基を示す。)
(式中、nは0〜20の整数を示し、波線は前記式(1)中のベンゼン環との結合を示す。)
2.前記式(1)において、R及びRがグループAから選ばれる基であり、R及びRがグループBから選ばれる基である、前記1に記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体。
3.前記式(1)において、R及びRがグループAから選ばれる基であり、RがグループBから選ばれる基であり、RがグループCから選ばれる基である、前記1に記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体。
4.前記式(1)において、R及びRがグループBから選ばれる基であり、R及びRがグループAから選ばれる基である、前記1に記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体。
5.前記式(1)において、RがグループBから選ばれる基であり、RがグループCから選ばれる基であり、R及びRがグループAから選ばれる基である、前記1に記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体。
6.R及びR、並びに/又はR及びRが同一の基である、前記1〜5のいずれか一つに記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体。
7.グループAがトリフルオロメチル基及びシアノ基からなる郡である、前記1〜6のいずれか一つに記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体。
8.m及びmが1〜6の整数であり、n及びnが0〜3の整数であり、nが0〜8の整数である、前記1〜7のいずれか一つに記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体。
9.前記1〜9のいずれか一つに記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む有機半導体インク。
10.前記1〜8のいずれか一つに記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む有機層を備える、有機エレクトロニクスデバイス。
11.基板上に、ゲート電極と、ゲート絶縁層と、有機半導体層と、ソース電極及びドレイン電極とを有し、
前記有機半導体層が、前記1〜8のいずれか一つに記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む、有機薄膜トランジスタ。
12.基板上に、陽極と、発光層と、正孔輸送層及び/又は電子輸送層と、陰極とを有し、
前記正孔輸送層及び/又は前記電子輸送層が、前記1〜8のいずれか一つに記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む、有機エレクトロルミネッセンス素子。
13.有機薄膜トランジスタを用いて有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動・点灯を行う表示デバイスであって、
前記有機薄膜トランジスタが、前記11に記載の有機薄膜トランジスタであること、及び/又は前記有機エレクトロルミネッセンス素子が前記12に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子であることを備える、表示デバイス。
14.有機薄膜トランジスタと、有機エレクトロルミネッセンス素子とを備える画素素子が、マトリックス状に配置されていて、
前記有機薄膜トランジスタが前記11に記載の有機薄膜トランジスタであること、及び/又は前記有機エレクトロルミネッセンス素子が前記12に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子であることを備える、アクティブマトリックス方式の表示デバイス。
15.基板上に、陽極と、正孔輸送材料及び電子輸送材料を含む電荷分離層と、陰極とを有し、
前記電荷分離層が、前記1〜8のいずれか一つに記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む、有機薄膜太陽電池。
16.基板上に、陽極と、正孔輸送材料及び電子輸送材料を含む電荷分離層と、正孔輸送層及び/又は電子輸送層と、陰極とを有し、
前記正孔輸送層及び/又は前記電子輸送層が、前記1〜8のいずれか一つに記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む、有機薄膜太陽電池。
17.有機薄膜トランジスタを用いて作動するRFIDタグであって、
前記有機薄膜トランジスタが、前記11に記載の有機薄膜トランジスタである、RFIDタグ。
18.有機薄膜トランジスタを用いて作動するセンサーであって、
前記有機薄膜トランジスタが、前記11に記載の有機薄膜トランジスタである、センサー。
19.前記1〜8のいずれか一つに記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む、熱伝変換材料。
20.熱電変換層が独立したn型半導体を含む層とp型半導体を含む層から成り、n型半導体を含む層とp型半導体を含む層の一端が電極により接続され、n型半導体を含む層とp型半導体を含む層の他端が、独立した電流取出し電極で構成される双極型熱電変換素子であって、
n型半導体を含む層が、前記19に記載の熱電変換材料を含む、熱電変換素子。
21.前記20に記載の熱電変換素子を用いた熱電変換用装置。
22.さらに基板を備え、可撓性基板であることを特徴とする前記10に記載の有機エレクトロニクスデバイス、前記基板が前記11に記載の有機薄膜トランジスタ、前記12記載の有機エレクトロルミネッセンス素子、前記13もしくは14に記載の表示デバイス、前記15もしくは16に記載の有機薄膜太陽電池、前記17に記載のRFIDタグ、前記18に記載のセンサー、前記20に記載の熱伝変換素子、又は前記21に記載の熱電変換用装置。
本発明により、電子の移動度(電界効果移動度)に優れ、大気中での安定性にも優れ、且つ、室温の溶液中で析出物を生じることがない、ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を提供することができる。本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、電子の移動度(電界効果移動度)に優れ、大気中での安定性にも優れる。このことから前記誘導体は、例えば、有機薄膜トランジスタ、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示デバイス、ディスプレイ、有機薄膜太陽電池、RFIDタグ、センサー、熱電変換素子及び熱電変換用装置等の有機エレクトロニクスデバイスに好適に使用することができる。また、その他多くのデバイスに好適に使用することができる。
本発明の有機薄膜トランジスタ(有機TFT)の層構成の例を示す断面図である。 相補型インバーター(論理反転)回路の一例を示す図である。 本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)の一例の層構成を示す断面図である。 本発明の表示デバイスの一例の層構成を示す断面図である。 本発明の有機薄膜太陽電池の一例の層構成を示す断面図である。 本発明の熱電変換素子の一例として、熱電発電素子の構成を示す図である。 本発明の熱電変換素子の一例として、熱電冷却素子の構成を示す図である。 実施例E−1bの有機TFTの伝達特性を示す図である。 実施例E−3bの有機TFTの伝達特性を示す図である。
以下、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体、有機半導体インク、及び有機エレクトロニクスデバイスについて、詳細に説明する。
[ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体]
本発明のベンゾビス(チアジアゾール)化合物(ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体)は、下記一般式(1)で示される。ベンゼン環上のチエニレン基に対してメタ位(R及びR)及びパラ位(R及びR)が置換基で置換され、R、R、R及びRのうち少なくとも一つは、含酸素炭化水素基であることにより、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)化合物は、溶媒への溶解性に優れる。ただし、含酸素炭化水素基とは、下記のグループBから選ばれる基である。
(式中、R、R、R及びRは、それぞれグループA、B及びCからなる群から選ばれる少なくとも1種の基である。また、グループAはトリフルオロメチル基、シアノ基及びトリフルオロメトキシ基からなる群である。グループBは、下記式(2)で示される基及び下記式(3)で示される基からなる群である。グループCは下記式(4)で示される基からなる群である。)
(式中、mは1〜20の整数、nは0〜20の整数を示し、波線は前記式(1)中のベンゼン環との結合を示す。メチレン炭素上の水素原子は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基アルキル基に置換していてもよい。)
(式中、mは1〜20の整数、nは0〜20の整数を示し、波線は前記式(1)中のベンゼン環との結合を示す。Phはフェニル基を示す。)
(式中、nは0〜20の整数を示し、波線は前記式(1)中のベンゼン環との結合を示す。)
溶解度並びに移動度及びn型特性を向上させる観点から、R及びRがグループAから選ばれる基であること、及びRがグループBから選ばれる基であることが好ましく、RはグループB又はCから選ばれる基であることが好ましい。溶解度並びに移動度及びn型特性を向上させる観点、及び合成の容易性の観点から、R及びRがグループAから選ばれる基であるときは、R及びRが同一の基であることが好ましく、R及びRがグループBから選ばれる基であるときは、R及びRが同一の基であることが好ましい。
または、溶解度並びに移動度及びn型特性を向上させる観点から、R及びRがグループAから選ばれる基であること、及びRがグループBから選ばれる基であることが好ましく、RはグループB又はCから選ばれる基であることが好ましい。溶解度並びに移動度及びn型特性を向上させる観点、及び合成の容易性の観点から、R及びRがグループAから選ばれる基であるときは、R及びRが同一の基であることが好ましく、R及びRがグループBから選ばれる基であるときは、R及びRが同一の基であることが好ましい。
したがって、R及びR、並びに/又はR及びRが同一の基であることが好ましく、R及びR、並びにR及びRが同一の基であることがより好ましい。
(グループA)
グループAは、トリフルオロメチル基、シアノ基及びトリフルオロメトキシ基からなる群であり、溶解度並びに移動度及びn型特性を向上させる観点から、トリフルオロメチル基及びシアノ基からなる群であることが好ましく、トリフルオロメチル基であることがより好ましい。
(グループB)
グループBは、下記式(2)で示される基及び下記式(3)で示される基からなる群である。
式中、mは1〜20の整数、nは0〜20の整数を示し、波線は前記式(1)中のベンゼン環との結合を示す。mは1〜12の整数であることが好ましく、mは1〜8の整数であることがより好ましく、1〜6の整数であることがさらに好ましく、mは3〜6の整数であることがさらにより好ましい。nは0〜10の整数であることが好ましく、nは0〜6の整数であることがより好ましく、nは0〜3の整数であることがさらに好ましい。
メチレン炭素上の水素原子は、後述の通り、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基に置換していてもよいが、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基に置換していないことが好ましい。
式中、mは1〜20の整数、nは0〜20の整数を示し、波線は前記式(1)中のベンゼン環との結合を示す。Phはフェニル基を示す。mは1〜12の整数であることが好ましく、mは1〜8の整数であることがより好ましく、1〜6の整数であることがさらに好ましく、mは3〜6の整数であることがさらにより好ましい。nは0〜10の整数であることが好ましく、nは0〜6の整数であることがより好ましく、nは0〜3の整数であることがさらに好ましい。
メチレン炭素上の水素原子は、後述の通り、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基に置換していてもよいが、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基に置換していないことが好ましい。
(グループC)
グループCは、下記式(4)で示される基からなる、アルキル基の群である。
式中、nは0〜20の整数を示し、波線は前記式(1)中のベンゼン環との結合を示す。nは0〜16の整数であることが好ましく、nは0〜8の整数であることがより好ましく、nは3〜8の整数であることがさらに好ましい。
メチレン炭素上の水素原子は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基に置換していてもよいが、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基に置換していないことが好ましい。
前記式(2)、(3)、及び(4)において、メチレン炭素上の水素原子が置換していてもよい炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基とは、以下のものが挙げられる。
直鎖状または分岐状のアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、1−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、シクロペンチル基等が挙げられる。
本発明のベンゾビス(チアジアゾール)化合物としては、例えば、以下の式(1a)〜(44a)、(1b)〜(44b)、(1c)〜(44c)、(1d)〜(44d)、及び(1e)〜(32e)で示される化合物が挙げられる。
[ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体の合成方法]
本発明のベンゾビス(チアジアゾール)化合物は、(1)Tetrahedron,53,10169(1997)、もしくは(2)Organic Lett.,12,3340(2010)等を参考にして、例えば、以下に示す反応スキーム(カップリング工程、スズ化工程、BBT化工程の3工程)に従って合成することができる。
<カップリング工程>
(カップリング工程A)
(カップリング工程B)
(カップリング工程C)
(カップリング工程D)
(カップリング工程E)
式中、R及びRは前記と同義であり、X及びXはハロゲン原子を示し、臭素原子またはヨウ素原子であることが好ましい。Xもハロゲン原子を示し、臭素原子または塩素原子であることが好ましい。また、パラジウム触媒(Pd catalyst)としてはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(PdCl(PPh)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(Pd(PtBu)、酢酸パラジウム(Pd(OAc))、塩化パラジウム(PdCl)等のパラジウム錯体の1種又は2種以上が好ましく、PdCl(PPh、Pd(Phがより好ましい。
<スズ化工程>
(スズ化工程A)
(スズ化工程B)
式中、R及びRは前記と同義であり、NBSはN−ブロモスクシンイミドを示し、Buはブチル基を示す。また、塩基(Base)としてはn−BuLi(但し、Buはブチル基を示す。)、またはLDA(リチウムジイソプロピルアミド)が好ましい。
<BBT化工程>
(BBT化工程A)
(BBT化工程B)
式中、R、R、Rは及びRは前記と同義であり、Buはブチル基を示し、Phはフェニル基を示し、AcOHは酢酸を示し、Meはメチル基を示す。
本発明のベンゾビス(チアジアゾール)化合物の製造工程は、カップリング工程、スズ化工程、BBT化工程の3工程を含むが、特に限定されず、上記のカップリング工程A〜Eのうち任意の1つ、スズ化工程A〜Bのうち任意の1つ、BBT化工程A〜Bのうち任意の1つを適宜選択して組み合わせることができる。ただし、原料の入手が困難な場合等は、カップリング工程Eのように、目的のR及びRを有する芳香族化合物を合成した後、カップリング反応により合成する必要がある。
なお、カップリング工程A〜Eで原料として用いた、芳香族化合物を入手することが難しい場合、R及びRに変換し得る置換基を有する前駆体を使用し、前記カップリング工程、スズ化工程、BBT化工程を実施し、この過程で置換基をR及びRに変換してもよい。置換基をR及びRに変換する際、前記カップリング工程、スズ化工程、BBT化工程と同時に行ってもよいし、別反応により行ってもよい。
反応終了後、得られた反応液から、例えば、濾過、濃縮、抽出、蒸留、昇華、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の一般的な操作によって、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)化合物を単離・精製することができるが、溶解度の異なる不純物を除去し、化合物純度を向上させるためには、有機溶媒によるソックスレー抽出を精製工程に組み込むことが簡便で好ましい。
[ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体の溶解性]
本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、通常、種々の有機溶媒、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、イソブタノール、2−ブタノール、2−エチル−1−ブタノール、n−オクタノール、ベンジルアルコール、及びテルピネオール等のアルコール類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、及びイソホロン等のケトン類:
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、安息香酸ブチル、サリチル酸メチル、マロン酸エチル、酢酸2−エトキシエタン、及び酢酸2−メトキシ−1−メチルエチル等のエステル類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、及びヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド類;
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、及び1,3−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオン等の尿素類;
ジメチルスルホキシド、及びジエチルスルホキシド等のスルホキシド類;
スルホラン等のスルホン類;
アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、及びベンゾニトリル等のニトリル類;
γ―ブチロラクトン等のラクトン類;
ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、tert−ブチルメチルエーテル、アニソール、フェネトール、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、1,4−ジメトキシベンゼン、1,2−メチルアニソール、1,3−メチルアニソール、1,4−メチルアニソール、1,2−メチレンジオキシベンゼン、2,3−ジヒドロベンゾフラン、フタラン、オクチルオキシベンゼン、ジフェニルエーテル、及びエチルセロソルブ等のエーテル類;
炭酸ジメチル、及び1,2−ブチレングリコールカーボネート等のカーボネート類;
チオアニソール、及びエチルフェニルスルフィド等のチオエーテル類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、プソイドクメン、ヘミメリテン、デュレン、イソデュレン、プレーニテン、エチルベンゼン、クメン、tert−ブチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、トリイソプロピルベンゼン、フェニルアセチレン、インダン、メチルインダン、インデン、テトラリン、ナフタレン、1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン、フェニルオクタン、及びジフェニルメタン等の芳香族炭化水素類;
フェノール、1,2−クレゾール、1,3−クレゾール、1,4−クレゾール、1,2−メトキシフェノール、1,3−メトキシフェノール、及び1,4−メトキシフェノール等のフェノール類;
クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、ブロモベンゼン、1,2−ジブロモベンゼン、1,3−ジブロモベンゼン、1,4−ジクロロトルエン、1−クロロナフタレン、2,4−ジクロロトルエン、2−クロロ−1,3−ジメチルベンゼン、2-クロロトルエン、2−クロロ−1,4−ジメチルベンゼン、4−クロロ−1,2−ジメチルベンゼン、2,5−ジクロロトルエン、m−クロロトルエン、1−クロロ−2,3−ジメチルベンゼン、4−(トリフルオロメトキシ)アニソール、及びトリフルオロメトキシベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;
ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、及びリモネン等の脂肪族炭化水素類;
ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,3−ジクロロプロパン、及び1,2−ジブロモエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;
2,6−ジメチルピリジン、及び2,6−ジtert-ブチルピリジン等のピリジン類
などに可溶である。
「有機溶媒に可溶」であるとは、常圧で、沸点以下、好ましくは80℃以下、より好ましくは60℃以下、さらに好ましくは15℃から30℃以下の有機溶媒に対し、好ましくは0.03wt%以上、より好ましくは0.1wt%以上の溶解度を有することを意味する。なお、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、全ての有機溶媒に可溶であることが求められるわけではなく、例えば上記に挙げた有機溶媒の少なくとも一種に可溶である。また有機溶媒には、複数の有機溶媒の混合溶媒も含まれるものとする。本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体はいずれかの有機溶媒単独には可溶でないが、混合溶媒には可溶である場合もあり得る。
本発明のベンゾビス(チアジアゾール)化合物は、室温の溶媒に溶解しない場合、沸点以下、好ましくは80℃以下、より好ましくは60℃以下に加熱する操作を要するが、加熱し溶解した後に室温(25℃)まで冷却すると、加熱し続けることなく、室温の溶媒に対して溶液状態を保つことができる。
有機溶媒としては、以下に説明する本発明の有機半導体インクの有機半導体薄膜の製膜性およびその半導体特性の観点から、上記に挙げた中でも、ハロゲン化芳香族炭化水素類、芳香族炭化水素類、及びハロゲン化脂肪族炭化水素類を好適に使用することができる。
好適なハロゲン化芳香族炭化水素類としては、クロロベンゼン、及び1,2−ジクロロベンゼンが挙げられる。
好適な芳香族炭化水素類としては、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、シクロヘキシルベンゼン、及び1−メチルナフタレンが挙げられる。
好適なハロゲン化脂肪族炭化水素類としては、クロロホルム、及び1,2−ジクロロエタンが挙げられる。
さらに、上記と同様な観点から好適なその他の有機溶媒としては、安息香酸メチル、サリチル酸メチル、アニソール、4−メチルアニソール、及びメタクレゾールが挙げられる。
(ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体の半導体特性)
以上説明した本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、上記一般式(1)で示される、ベンゾビス(チアジアゾール)環を中心とし、含酸素炭化水素基を有している。そのため、当該誘導体は、電子の移動度(電界効果移動度)に優れ、大気中での安定性にも優れ、室温付近での溶媒への溶解性にも優れる
しかも、ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、p型半導体特性よりもn型半導体特性を優勢に示すため、トランジスタ素子等における有機半導体材料として極めて有用である。
なお、本明細書において、「p型半導体特性よりもn型半導体特性を優勢に示す」とは、以下に挙げる条件を満たすときである。
n型の電界効果移動度が、p型の電界効果移動度に比べて10倍以上であること。
[ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体の安定性]
本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、熱に対する安定性が非常に高く、320℃まで加熱しても分解しない。また、当該誘導体は大気に対する安定性も高く、大気中で当該誘導体を使用したトランジスタ素子を作製しても高い移動度を得ることができる。また、作製したトランジスタ素子は大気中で放置しても、電子の移動度が変化しない。
[有機半導体インク]
以上説明したとおり、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体はn型半導体特性を示し、しかも大気中で安定で通常有機溶媒にも可溶であるので、有機溶媒に本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を溶解させ、得られた溶液を有機半導体インクとして利用することができる。なお、これらの有機溶媒は単独で使用してもよく、二種以上を混合して使用してもよい。
有機半導体インクとできると、扱いが容易であり保存も可能である。さらに有機半導体層の形成方法としては一般に蒸着及び塗布が挙げられるが、蒸着には高熱源かつ高真空が必要になるため、塗布に比べてコストが非常に高い。すなわち本発明の有機半導体インクを利用すれば、有機半導体層の形成コストを大幅に下げることができる。
さらに本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は大気中で安定であるので、塗布を大気中で行うことができ、アルゴンガスのような不活性ガス雰囲気を作り出す必要もない。この点でも本発明の有機半導体インクの利用により、コスト削減が図れる。
本発明の有機半導体インクは、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体1種以上を含むものであり、さらに他の有機半導体1種以上を含むこともできる。さらに本発明の有機半導体インクには、インクの粘度を調整するための添加剤、インクの親水性もしくは撥水性を制御するための添加剤、酸化防止剤、光安定剤、表面調整剤(レベリング剤)、界面活性剤、保存安定剤、滑剤、濡れ性改良材及びカップリング剤など、インクの物性を制御する添加剤を含むことができる。
前記インクの粘度を調整するための添加剤としては、絶縁性の高分子化合物が挙げられる。絶縁性高分子化合物とは、合成樹脂、プラスチック、及び合成ゴムなどであり、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、フェノール樹脂、アクリル樹脂、アミド樹脂、ナイロン、ビニロン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、アクリルゴム、アクリロニトリルゴム、及びウレタンゴムなどである。これらの添加により、有機半導体インクの粘度の最適化や製膜性の向上などが図られる。
本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体の有機半導体インク中の含有量は特に限定されず、適宜選択することができる。例えば、前記含有量は0.001wt%〜10wt%程度とすることができ、さらに0.01wt%〜1wt%程度が製膜性の観点から好適である。また、前記インクが他の有機半導体を含む場合には、これらと前記ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体の含有量の合計は、例えば0.001wt%〜10wt%とすることができる。また、上記の各種添加剤の添加量は、従来公知の範囲から適宜選択することができる。
前記他の有機半導体としては、例えば、高分子半導体化合物が挙げられる。ここでの高分子半導体化合物とは、半導体特性を示すことを特徴とする高分子化合物である。その具体例としては、ポリアセチレン系高分子、ポリジアセチレン系高分子、ポリパラフェニレン系高分子、ポリアニリン系高分子、ポリトリフェニルアミン系高分子、ポリチオフェン系高分子、ポリピロール系高分子、ポリパラフェニレンビニレン系高分子、ポリエチレンジオキシチオフェン系高分子、ナフタレンジイミドを一成分とする共重合高分子、ペリレンジイミドを一成分とする共重合高分子、及びジケトピロロピロールを一成分とする共重合高分子などが挙げられる。
これらの高分子半導体化合物の中でも、ポリアニリン系高分子、ポリチオフェン系高分子、ポリピロール系高分子、ポリパラフェニレンビニレン系高分子、ナフタレンジイミドを一成分とする共重合高分子、ペリレンジイミドを一成分とする共重合高分子、及びジケトピロロピロールを一成分とする共重合高分子などが好適である。
さらに他の有機半導体として、例えば、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体以外の低分子半導体化合物が挙げられる。ここでの低分子半導体化合物とは、半導体特性を示すことを特徴とする低分子化合物である。その具体例としては、アセン、フェニレンビニレン、トリフェニルアミン、フルオレン、アザアセン、チエノアセン、チオフェン、ベンゾチオフェン、チエノチオフェン、チアゾール、チアゾロチアゾール、テトラチアフルバレン、フタロシアニン、ポルフィリン、ナフタレンジイミド、ペリレンジイミド、ベンゾチアジアゾール、ナフトビスチアジアゾール、ジケトピロロピロール、フラーレン及びこれらの誘導体などが挙げられる。
これらの低分子半導体化合物の中でも、アセン、チエノアセン、チオフェン、チエノチオフェン、テトラチアフルバレン、ナフタレンジイミド、ペリレンジイミド、ジケトピロロピロール、フラーレン及びこれらの誘導体などが好適である。
また、他の有機半導体として、例えば、Chem.Rev.,2012,Vol.112,pp.2208−2267に記載の有機半導体も挙げることができる。
さらに本発明の有機半導体インクは、必要に応じて、添加成分として、導電性の高分子化合物を含むことができる。ここでの導電性高分子化合物とは、電気伝導性を示すことを特徴とする高分子化合物である。その具体例としては、ポリアセチレン系高分子、ポリジアセチレン系高分子、ポリパラフェニレン系高分子、ポリアニリン系高分子、ポリトリフェニルアミン系高分子、ポリチオフェン系高分子、ポリピロール系高分子、ポリパラフェニレンビニレン系高分子、ポリエチレンジオキシチオフェン系高分子、及びポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホン酸の混合物(一般名、PEDOT−PSS)などが挙げられる。
これらの導電性高分子化合物の中でも、ポリアセチレン系高分子、ポリパラフェニレン系高分子、ポリアニリン系高分子、ポリトリフェニルアミン系高分子、ポリチオフェン系高分子、ポリピロール系高分子、及びポリパラフェニレンビニレン系高分子などが好適である。これらの添加の効果としては、インクの粘度の最適化や製膜性の向上などに加えて電荷移動度の向上が挙げられる。
また、本発明の有機半導体インクは、必要に応じて、下記の低分子化合物をインクの物性を制御する添加剤として含むことができる。その具体例としては、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、及びイコサン等の脂肪族炭化水素、
ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、及びエイコサノール等の脂肪族アルコール、
ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、及びエイコシルアミン等の脂肪族アミン、
ヘキサンチオール、ヘプタンチオール、オクタンチオール、ノナンチオール、デカンチオール、ウンデカンチオール、ドデカンチオール、トリデカンチオール、テトラデカンチオール、ペンタデカンチオール、ヘキサデカンチオール、ヘプタデカンチオール、オクタデカンチオール、ノナデカンチオール、エイコサンチオール、フェニルメタンチオール、(2−メチルフェニル)メタンチオール、(3−メチルフェニル)メタンチオール、(4−メチルフェニル)メタンチオール、(2−フルオロフェニル)メタンチオール、(3−フルオロフェニル)メタンチオール、(4−フルオロフェニル)メタンチオール、及び2−フェニルエタンチオール等の脂肪族チオール、並びに、
ベンゼンチオール、2−メチルベンゼンチオール、3−メチルベンゼンチオール、4−メチルベンゼンチオール、2−エチルベンゼンチオール、3−エチルベンゼンチオール、4−エチルベンゼンチオール、2−アミノベンゼンチオール、3−アミノベンゼンチオール、4−アミノベンゼンチオール、2−イソプロピルベンゼンチオール、3−イソプロピルベンゼンチオール、4−イソプロピルベンゼンチオール、2−(ジメチルアミノ)ベンゼンチオール、3−(ジメチルアミノ)ベンゼンチオール、及び4−(ジメチルアミノ)ベンゼンチオール等の芳香族チオールが挙げられる。
これらの添加の効果としては、有機半導体インクの粘度の最適化や製膜性の向上などに加えて電荷移動度の向上が挙げられる。これらの低分子化合物の中でも、インクの濡れ性の向上により移動度の向上を図る目的で、脂肪族チオール、及び芳香族チオールが好適である。
以上説明した本発明の有機半導体インクを塗布することで、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体の層、又は薄膜を形成することができる。なお、本発明の有機半導体インクの塗布は、公知の方法、例えば、スピンコート法、ドロップキャスト法、キャスト法、及びラングミュア−ブロジェット法などで行うことができる。また塗布法として、一般に印刷の技法として知られる公知の方法を用いることも可能で、例えば、インクジェット法、スクリーン法、オフセット法、グラビア法、フレキソ法、及びマイクロコンタクト法などで印刷を行うことができる。
なお、本発明の有機半導体インクを基材上に塗布した後に、溶媒成分が除去されると、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む層、又は含む薄膜(以下、有機半導体層とも称する)が形成される。このときの溶媒成分除去条件は適宜選択することができる。
例えば溶媒成分を室温下で自然乾燥若しくは風乾することが好ましい。しかし溶媒の沸点が高く除去しにくい場合は、室温付近で減圧下で溶媒除去するか、50℃〜200℃程度に加熱して溶媒除去するか、若しくは両者を併用し減圧下で加熱処理することができる。
さらに本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む層、又は含む薄膜の半導体特性を向上させる目的で、前記層又は薄膜を加熱処理することができる。この場合の加熱処理条件は適宜選択することができ、例えば、50℃〜250℃程度で、0.1時間〜24時間、加熱処理する方法が挙げられる。この工程は溶媒除去工程を兼ねてもよい。
また、前記層又は薄膜の半導体特性を向上させる目的で、当該層又は薄膜を溶媒蒸気に曝露する処理を施してもよい。
本工程で用いる有機溶媒としては、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体が溶解し得るものとして上述した有機溶媒が挙げられ、好ましい有機溶媒は上述の場合と同様にハロゲン化芳香族炭化水素類、芳香族炭化水素類、及びハロゲン化脂肪族炭化水素類であり、これらの好適な例も上述と同様である。なお、これらの有機溶媒は、単独で使用してもよく、二種以上を混合して使用してもよい。
溶媒蒸気曝露処理工程は、例えば、ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む層、又は含む薄膜と溶媒とを、直接前記層又は薄膜と溶媒(液体状態のもの)とが触れないようにしつつ、密閉性のある空間に静置することで達成される。溶媒蒸気の量を増やすために、溶媒を40℃〜150℃程度に加温してもよい。この溶媒蒸気曝露処理工程の後には、当該工程で上記層又は薄膜に付着した溶媒を除去するために、上記と同様の乾燥や加熱処理を適宜選択して実施することができる。
[有機エレクトロニクスデバイス]
本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、電子の移動度(電界効果移動度)に優れ、例えば、有機薄膜トランジスタ、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示デバイス、有機薄膜太陽電池、RFIDタグ、センサー、熱電変換素子及び熱電変換用装置等の有機エレクトロニクスデバイスに好適に使用することができる。これらの各種デバイスのいずれも、その構成部材として有機半導体を含む有機層を備えており、この有機層が、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含んでいる。
また、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、バックライト、光通信、電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読取光源、標識、看板、インテリア、さらに、物流管理、在庫管理、商品管理、個体識別や、温度測定、圧力測定、荷重測定、明暗測定、及び生体情報測定等の広範に亘る各分野の用途に供することができる。以下では、前記の有機エレクトロニクスデバイスについて個別に説明する。
<有機薄膜トランジスタ>
まず、本発明の有機薄膜トランジスタ(以下、有機TFTとも称する)について説明する。本発明の有機薄膜トランジスタは、有機半導体層が上述のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含むものである。本発明に用いるベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、分子の配向方向を揃えやすく、高電界効果移動度を達成できるので、有機TFTの有機半導体層に用いると効果的である。
本発明の有機薄膜トランジスタは、有機半導体層が本発明に用いるベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む以外、公知の構造、材料を使用することができる。
有機半導体層の膜厚は、必要な機能を失わない範囲で、薄いことが好ましい。必要な機能を示すための有機半導体層の膜厚は、通常、1nm〜10μm、好ましくは5nm〜5μm、より好ましくは10nm〜1μmである。
図1に、本発明の有機TFTの一例の層構成を示す。図1の(1−1)に示す有機TFTは、ボトムゲート−トップコンタクト構造であり、基板11上に、ゲート電極12と、ゲート絶縁層13と、有機半導体層16と、ドレイン電極14およびソース電極15とをこの順に積層してなるものである。
また、ボトムゲート−トップコンタクト構造以外の構造として、図1の(1−2)に示す有機TFTのボトムゲート−ボトムコンタクト構造、(1−3)に示す有機TFTのトップゲート−ボトムコンタクト構造がある。トランジスタ素子の微細化および集積化の観点からは、通常、ボトムゲート−ボトムコンタクト構造、あるいはトップゲート−ボトムコンタクト構造が適している。なお、図1の(1−2)、(1−3)における各符号は、(1−1)におけるものと同様である。
有機半導体層16を構成する有機半導体分子の分子配列の均一性が高い程、良好なトランジスタ特性を示すことが知られていることから、有機半導体層16を構成する有機半導体分子の分子配列の均一性を制御する目的で、有機半導体薄膜が接する界面の制御を行うと良い。ここでいう界面とは、具体的には、ゲート絶縁層13と有機半導体層16との界面、並びにドレイン電極14及びソース電極15と有機半導体層16との界面である。
有機TFTにおける基板11としては、下記A群に示す基板材料を用いることができる。
A群とは、ケイ素系無機化合物から成るシート又はフィルム、及び高分子化合物から成るシートまたはフィルムであるである。
具体的には、A群の基板材料とは以下の材料を示す。ケイ素系無機化合物がガラス、石英、シリコン、セラミックであり、高分子化合物がポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリパラキシリレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエーテルスルホン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン等のポリフッ化炭素樹脂、ポリシロキサン等のシリコーン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、及びゴムである。なお、これらの材料のうち2種以上が化学的又は物理的に混合されている材料も含む。
前述の通り、本発明に用いるベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は通常水や有機溶媒に可溶であり、溶媒に溶解して有機半導体インクとして、これを塗布することで有機半導体層を形成することができる。塗布においては、200℃以下の比較的低温で有機半導体層を形成でき、従って、その他の電極等も高温でない環境下で形成できる場合、有機薄膜トランジスタを比較的低温プロセスで作製できることになり、基板11として耐熱性の低い材料も使用することができる。
そのため、本発明によれば、耐熱性の比較的低い各種プラスチック材料も基板11として利用可能になり、可撓性を有する材料を使用することができる。この場合には、基板11を可撓性(フレキシブル)基板とすることができ、これにより、有機TFTを平面上だけでなく曲面等の上にも配置することが可能になり、有機TFTを備える有機エレクトロニクスデバイス全体の設計自由度が高まる。この目的では、A群の中でもポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリパラキシリレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエーテルスルホン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン等のポリフッ化炭素樹脂、ポリシロキサン等のシリコーン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂が好適である。
以上、可撓性および低温プロセスでのトランジスタ作製という観点からは、A群の中でもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルが好適である。
一方、可撓性およびトランジスタ作製プロセスでの基板の寸法安定性という観点からは、A群の中でもポリイミドが好適である。
ゲート電極12、ドレイン電極14およびソース電極15としては、下記B群に示す物質を用いることができる。
B群とは、金属、金属酸化物、炭素材料、導電性高分子化合物、及びシリコン材料である。
具体的には、B群中の材料とは、以下の材料を示す。金属は金、銀、銅、白金、アルミニウム、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、亜鉛、タンタル、マグネシウム、カルシウム、リチウム、コバルト、インジウム、スズ、シリコン、及びニッケルであり、金属酸化物がスズドープ酸化インジウム、酸化インジウム、酸化スズ、及び酸化亜鉛であり、炭素材料がグラファイト、及びカーボンナノチューブであり、導電性高分子化合物がポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、及びPEDOT/PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホン酸の混合物)であり、シリコン材料がポリシリコン、及びアモルファスシリコンである。なお、これらの材料のうち2種以上が化学的又は物理的に混合されている材料も含む。
B群の中でも、金属として、金、銀、銅、アルミニウム、炭素材料として、カーボンナノチューブ、導電性高分子化合物としてPEDOT/PSSが好適である。
これらは真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、RFスパッタ法または印刷法等の周知の膜作製方法により形成することができる。
ドレイン電極14およびソース電極15の表面を修飾することで、ドレイン電極14およびソース電極15が接触する有機半導体層16との界面を制御することができる。この修飾は、図1の(1−2)に示す有機TFTのボトムゲート−ボトムコンタクト構造、(1−3)に示す有機TFTのトップゲート−ボトムコンタクト構造で好適である。
したがって、前述のBから少なくとも1つ選ばれた電極材料は、下記C群から少なくとも1つ選ばれる電極修飾材料と共に使用することが好ましい。
C群とは、有機化合物、アルカリ金属塩、及び金属酸化物である。
具体的には、C群の材料とは、以下の材料を示す。有機化合物が脂肪族チオール類、芳香族チオール類、脂肪族アルコール類、芳香族フェノール類、脂肪族アミン類、芳香族アミン類、脂肪族カルボン酸類、芳香族カルボン酸類、脂肪族ホスホン酸類、脂肪族リン酸類、ジシラザン類、ジスルフィド類、クロロシラン類、アルコキシシラン類、及びフッ素化テトラシアノキノジメタンであり、アルカリ金属塩が、フッ化リチウム、炭酸リチウム、フッ化セシウム、炭酸セシウム、金属酸化物が酸化モリブデン、及び酸化タングステンである。なお、これらの材料のうち2種以上が化学的又は物理的に混合されている材料も含む。
C群から選ばれた材料は、以下に示される方法等により、ドレイン電極14およびソース電極15の表面を修飾することができる。
・C群から選ばれた物質の蒸気に、ドレイン電極14およびソース電極15を暴露する。
・C群から選ばれた物質の溶液を調整し、ドレイン電極14およびソース電極15に塗布した後、溶媒を除去する。
・C群から選ばれた物質の溶液を調整し、ドレイン電極14およびソース電極15を溶液に含浸させ、C群に示す物質をドレイン電極14およびソース電極15の表面に吸着させた後、溶媒を除去する。
C群に記載の材料の内、脂肪族チオール類としては、ヘキサンチオール、ヘプタンチオール、オクタンチオール、ノナンチオール、デカンチオール、ウンデカンチオール、ドデカンチオール、トリデカンチオール、テトラデカンチオール、ペンタデカンチオール、ヘキサデカンチオール、ヘプタデカンチオール、オクタデカンチオール、ノナデカンチオール、イコサンチオール、フェニルメタンチオール、(2−メチルフェニル)メタンチオール、(3−メチルフェニル)メタンチオール、(4−メチルフェニル)メタンチオール、(2−フルオロフェニル)メタンチオール、(3−フルオロフェニル)メタンチオール、(4−フルオロフェニル)メタンチオール、2−フェニルエタンチオール、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−1−ヘキサンチオール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−オクタンチオール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロ−1−デカンチオール等が好適な例として挙げられる。
芳香族チオール類としては、ベンゼンチオール、2−メチルベンゼンチオール、3−メチルベンゼンチオール、4−メチルベンゼンチオール、2−エチルベンゼンチオール、3−エチルベンゼンチオール、4−エチルベンゼンチオール、2−アミノベンゼンチオール、3−アミノベンゼンチオール、4−アミノベンゼンチオール、2−イソプロピルベンゼンチオール、3−イソプロピルベンゼンチオール、4−イソプロピルベンゼンチオール、2−(ジメチルアミノ)ベンゼンチオール、3−(ジメチルアミノ)ベンゼンチオール、4−(ジメチルアミノ)ベンゼンチオール、2−メチル−3−フランチオール、5−メチル−2−フランチオール、2−チオフェンチオール、3−チオフェンチオール等が好適な例として挙げられる。
脂肪族アルコール類としては、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、イコサノール等が好適な例として挙げられる。
芳香族フェノール類としては、フェノール、2−メチルフェノール、3−メチルフェノール、4−メチルフェノール、2−エチルフェノール、3−エチルフェノール、4−エチルフェノール、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、2−イソプロピルフェノール、3−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、2−ジメチルアミノフェノール、3−ジメチルアミノフェノール、4−ジメチルアミノフェノール、4−プロピルフェノール、4−ブチルフェノール、4−ペンチルフェノール、4−ヘキシルフェノール、4−ヘプチルフェノール、4−オクチルフェノール、4−ノニルフェノール、4−デシルフェノール、4−ウンデシルフェノール、4−ドデシルフェノール、4−トリデシルフェノール、4−テトラデシルフェノール、4−ペンタデシルフェノール、4−ヘキサデシルフェノール、4−ヘプタデシルフェノール、4−オクタデシルフェノール、4−ノナデシルフェノール、4−イコシルフェノール等が好適な例として挙げられる。
脂肪族アミン類としては、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、イコシルアミン等が好適な例として挙げられる。
芳香族アミン類としては、アニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、2−エチルアニリン、3−エチルアニリン、4−エチルアニリン、1,2−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、2−イソプロピルアニリン、3−イソプロピルアニリン、4−イソプロピルアニリン、4−プロピルベンゼンアミン、4−ブチルベンゼンアミン、4−ペンチルベンゼンアミン、4−ヘキシルベンゼンアミン、4−ヘプチルベンゼンアミン、4−オクチルベンゼンアミン、4−ノニルベンゼンアミン、4−デシルベンゼンアミン、4−ウンデシルベンゼンアミン、4−ドデシルベンゼンアミン、4−トリデシルベンゼンアミン、4−テトラデシルベンゼンアミン、4−ペンチルデシルベンゼンアミン、4−ヘキサデシルベンゼンアミン、4−ヘプタデシルベンゼンアミン、4−オクタデシルベンゼンアミン、4−ノナデシルベンゼンアミン、4−イコシルベンゼンアミン等が好適な例として挙げられる。
脂肪族カルボン酸類としては、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、イコサン酸等が好適な例として挙げられる。
芳香族カルボン酸類としては、安息香酸、4−メチル安息香酸、4−エチル安息香酸、4−プロピル安息香酸、4−ブチル安息香酸、4−ペンチル安息香酸、4−ヘキシル安息香酸、4−ヘプチル安息香酸、4−オクチル安息香酸、4−ノニル安息香酸、4−デシル安息香酸、4−ウンデシル安息香酸、4−ドデシル安息香酸、4−トリデシル安息香酸、4−テトラデシル安息香酸、4−ペンタデシル安息香酸、4−ヘキサデシル安息香酸、4−ヘプタデシル安息香酸、4−オクタデシル安息香酸、4−ノナデシル安息香酸、4−イコシル安息香酸、等が好適な例として挙げられる。
脂肪族ホスホン酸類としては、ヘキシルホスホン酸、ヘプチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、ノニルホスホン酸、デシルホスホン酸、ウンデシルホスホン酸、ドデシルホスホン酸、トリデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ペンタデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、ヘプタデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、ノナデシルホスホン酸、イコシルホスホン酸等が好適な例として挙げられる。
脂肪族リン酸類としては、ヘキシルリン酸、ヘプチルリン酸、オクチルリン酸、ノニルリン酸、デシルリン酸、ウンデシルリン酸、ドデシルリン酸、トリデシルリン酸、テトラデシルリン酸、ペンタデシルリン酸、ヘキサデシルリン酸、ヘプタデシルリン酸、オクタデシルリン酸、ノナデシルリン酸、イコシルリン酸が好適な例として挙げられる。
ジシラザン類としては、ヘキサメチルジシラザンが好適な例として挙げられる。
ジスルフィド類としては、ジヘキシルジスルフィド、ジヘプチルジスルフィド、ジオクチルジスルフィド、ジノニルジスルフィド、ジデシルジスルフィド、ジウンデシルジスルフィド、ジドデシルジスルフィド、ジトリデシルジスルフィド、ジテトラデシルジスルフィド、ジペンタデシルジスルフィド、ジヘキサデシルジスルフィド、ジヘプタデシルジスルフィド、ジオクタデシルジスルフィド、ジノナデシルジスルフィド、ジイコシルジスルフィド、2,2‘−ジチエニルジスルフィド等が好適な例として挙げられる。
クロロシラン類としては、置換トリクロロシラン化合物として、ヘキシルトリクロロシラン、ヘプチルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ノニルトリクロロシラン、デシルトリクロロシラン、ウンデシルトリクロロシラン、ドデシルトリクロロシラン、トリデシルトリクロロシラン、テトラデシルトリクロロシラン、ペンタデシルトリクロロシラン、ヘキサデシルトリクロロシラン、ヘプタデシルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、ノナデシルトリクロロシラン、イコシルトリクロロシラン、などのアルキルトリクロロシラン類、
フェニルトリクロロシラン、(4−メチルフェニル)トリクロロシラン、(4−エチルフェニル)トリクロロシラン、(4−プロピルフェニル)トリクロロシラン、(4−イソプロピル)フェニルトリクロロシラン、(ペンタフルオロフェニル)トリクロロシラン、などのアリールトリクロロシラン類、
(フェニルメチル)トリクロロシラン、(2−フェニルエチル)トリクロロシラン、(3−フェニルプロピル)トリクロロシラン、(4−フェニルブチル)トリクロロシラン、(5−フェニルペンチル)トリクロロシラン、(6−フェニルヘキシル)トリクロロシラン、(7−フェニルヘプチル)トリクロロシラン、(8−フェニルオクチル)トリクロロシラン、(3−(ペンタフルオロフェニル)プロピル)トリクロロシラン、などのアリールアルキルトリクロロシラン類、
置換メチルジクロロシラン化合物として、ヘキシルメチルジクロロシラン、ヘプチルメチルジクロロシラン、オクチルメチルジクロロシラン、ノニルメチルジクロロシラン、デシルメチルジクロロシラン、ウンデシルメチルジクロロシラン、ドデシルメチルジクロロシラン、トリデシルメチルジクロロシラン、テトラデシルメチルジクロロシラン、ペンタデシルメチルジクロロシラン、ヘキサデシルメチルジクロロシラン、ヘプタデシルメチルジクロロシラン、オクタデシルメチルジクロロシラン、ノナデシルメチルジクロロシラン、イコシルメチルジクロロシラン、などのアルキルメチルジクロロシラン類、
フェニルメチルジクロロシラン、(4−メチルフェニル)メチルジクロロシラン、(4−エチルフェニル)メチルジクロロシラン、(4−プロピルフェニル)メチルジクロロシラン、(4−イソプロピルフェニル)メチルジクロロシラン、(ペンタフルオロフェニル)メチルジクロロシラン、などのアリールメチルジクロロシラン類、
(フェニルメチル)メチルジクロロシラン、(2−フェニルエチル)メチルジクロロシラン、(3−フェニルプロピル)メチルジクロロシラン、(4−フェニルブチル)メチルジクロロシラン、(5−フェニルペンチル)メチルジクロロシラン、(6−フェニルヘキシル)メチルジクロロシラン、(7−フェニルヘプチル)メチルジクロロシラン、(8−フェニルオクチル)メチルジクロロシラン、(3−(ペンタフルオロフェニル)プロピル)メチルジクロロシラン、などのアリールアルキルメチルジクロロシラン類、
置換ジメチルクロロシラン化合物として、ヘキシルジメチルクロロシラン、ヘプチルジメチルクロロシラン、オクチルジメチルクロロシラン、ノニルジメチルクロロシラン、デシルジメチルクロロシラン、ウンデシルジメチルクロロシラン、ドデシルジメチルクロロシラン、トリデシルジメチルクロロシラン、テトラデシルジメチルクロロシラン、ペンタデシルジメチルクロロシラン、ヘキサデシルジメチルクロロシラン、ヘプタデシルジメチルクロロシラン、オクタデシルジメチルクロロシラン、ノナデシルジメチルクロロシラン、イコシルジメチルクロロシラン、などのアルキルジメチルクロロシラン類、
フェニルジメチルクロロシラン、(4−メチルフェニル)ジメチルクロロシラン、(4−エチルフェニル)ジメチルクロロシラン、(4−プロピルフェニル)ジメチルクロロシラン、(4−イソプロピルフェニル)ジメチルクロロシラン、(ペンタフルオロフェニル)ジメチルクロロシラン、などのアリールジメチルクロロシラン類、
(フェニルメチル)ジメチルクロロシラン、(2−フェニルエチル)ジメチルクロロシラン、(3−フェニルプロピル)ジメチルクロロシラン、(4−フェニルブチル)ジメチルクロロシラン、(5−フェニルペンチル)ジメチルクロロシラン、(6−フェニルヘキシル)ジメチルクロロシラン、(7−フェニルヘプチル)ジメチルクロロシラン、(8−フェニルオクチル)ジメチルクロロシラン、(3−(ペンタフルオロフェニル)プロピル)ジメチルクロロシラン、などのアリールアルキルジメチルクロロシラン類、
その他置換モノクロロシラン化合物として、トリフェニルクロロシラン、等が好適な例として挙げられる。
この中でもオクチルトリクロロシラン、ドデシルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、(4−メチルフェニル)トリクロロシラン、(ペンタフルオロフェニル)トリクロロシラン、(2−フェニルエチル)トリクロロシラン、(3−(ペンタフルオロフェニル)プロピル)トリクロロシラン、および、フェニルジメチルクロロシラン、(4−メチルフェニル)ジメチルクロロシラン、(ペンタフルオロフェニル)ジメチルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン、等がより好適な例として挙げられる。
アルコキシシラン類としては、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘプチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ノニルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ウンデシルメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、トリデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、ペンタデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘプタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、ノナデシルトリメトキシシラン、イコシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、4−メチルフェニルトリメトキシシラン、4−エチルフェニルトリメトキシシラン、4−プロピルフェニルトリメトキシシラン、4−イソプロピルフェニルトリメトキシシラン、フェニルメチルトリメトキシシラン、フェニルエチルトリメトキシシラン、フェニルプロピルトリメトキシシラン、フェニルブチルトリメトキシシラン、フェニルペンチルトリメトキシシラン、フェニルヘキシルトリメトキシシラン、フェニルヘプチルトリメトキシシランフェニルオクチルトリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルジメチルエトキシシラン、11−(ペンタフルオロフェノキシ)ウンデカニルトリメトキシシラン等が好適な例として挙げられる。
ドレイン電極14およびソース電極15の表面を修飾することで、ドレイン電極14およびソース電極15が接触する有機半導体層16との界面を制御することができる。この修飾は、図1の(1−2)に示す有機TFTのボトムゲート−ボトムコンタクト構造、(1−3)に示す有機TFTのトップゲート−ボトムコンタクト構造で好適である。このための修飾としてC群から選ばれる物質を用いる方法とは別に、化学エッチング処理、物理エッチング処理、プラズマ処理、UVオゾン処理等、電極表面の物理的状態もしくは化学的組成を変えることができる処理を用いても良い。
ゲート絶縁層13としては、下記D群に示す物質を用いることができる。また、下記D群から選ばれる2つ以上の材料で、複数の層を成し、積層していても良い。
D群とは、金属酸化物、金属窒化物、及び非導電性高分子化合物である。
具体的には、D群中の材料とは、以下の材料を示す。金属酸化物及び金属窒化物がSiO、Si、SiON、Al、及びTaであり、非導電性高分子化合物がポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリビニルフェノール、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート樹脂、ジビニルテトラメチルシロキサンベンゾシクロブテン樹脂ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリパラキシリレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエーテルスルホン、ポリウレタン、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリテトラフルオロエチレン等のポリフッ化炭素樹脂、ポリシロキサン等のシリコーン樹脂、ナイロン樹脂、ビニロン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、シクロブテン含有ポリマー、シクロオレフィン含有ポリマー、フルオレン含有ポリマー、シルセスキオキサン含有ポリマー等のプラスチック、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、アクリルゴム、アクリロニトリルゴム、ウレタンゴム等のゴムである。なお、これらの材料のうち2種以上が化学的又は物理的に混合されている材料も含む。
D群の中でも、金属酸化物として、SiO、Al、非導電性高分子化合物として、ポリイミド、ポリフッ化炭素樹脂、ジビニルテトラメチルシロキサンベンゾシクロブテン樹脂、ポリパラキシレン、ポリビニルフェノールとメラミン樹脂の複合樹脂が好適である。
また、D群から選ばれる材料の2種以上で積層してゲート絶縁層を成す場合、SiO上にポリスチレン、SiO上にポリメチルメタクリレート、SiO上にポリフッ化炭素樹脂、SiO上にポリビニルフェノールとメラミン樹脂の複合樹脂、SiO上にジビニルテトラメチルシロキサンベンゾシクロブテン樹脂、が好適な例として挙げられる。
これらはゲート電極12と同様の周知の膜作製方法により形成することができる。
ゲート絶縁層13の表面を修飾することで、ゲート絶縁層13が接触する有機半導体層16との界面を制御することができる。この修飾は、図1の(1−1)に示す有機TFTのボトムゲート−トップコンタクト構造、(1−2)に示す有機TFTのボトムゲート−ボトムコンタクト構造で好適である。
したがって、前述のD群から少なくとも1つ選ばれたゲート絶縁膜材料は、下記E群から少なくとも1つ選ばれるゲート絶縁膜修飾材料と共に使用することが好ましい。
E群とは、有機化合物である。具体的には、E群の材料とは、以下の材料を示す。有機化合物が脂肪族チオール類、芳香族チオール類、脂肪族アルコール類、芳香族フェノール類、脂肪族アミン類、芳香族アミン類、脂肪族カルボン酸類、芳香族カルボン酸類、脂肪族ホスホン酸類、脂肪族リン酸類、ジシラザン類、ジスルフィド類、クロロシラン類、及びアルコキシシラン類である。なお、これらの材料のうち2種以上が化学的又は物理的に混合されている材料も含む。
E群から選ばれた材料は、以下に示される方法等により、ゲート絶縁層13の表面を修飾することができる。
・E群から選ばれた物質の蒸気に、ゲート絶縁層13を暴露する。
・E群から選ばれた物質の溶液を調整し、ゲート絶縁層13に塗布した後、溶媒を除去する。
・E群から選ばれた物質の溶液を調整し、ゲート絶縁層13を溶液に含浸させ、E群から選ばれた物質をゲート絶縁層13の表面に吸着させた後、溶媒を除去する。
E群に記載の材料の内、脂肪族チオール類としては、ヘキサンチオール、ヘプタンチオール、オクタンチオール、ノナンチオール、デカンチオール、ウンデカンチオール、ドデカンチオール、トリデカンチオール、テトラデカンチオール、ペンタデカンチオール、ヘキサデカンチオール、ヘプタデカンチオール、オクタデカンチオール、ノナデカンチオール、イコサンチオール、フェニルメタンチオール、(2−メチルフェニル)メタンチオール、(3−メチルフェニル)メタンチオール、(4−メチルフェニル)メタンチオール、(2−フルオロフェニル)メタンチオール、(3−フルオロフェニル)メタンチオール、(4−フルオロフェニル)メタンチオール、2−フェニルエタンチオール3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−1−ヘキサンチオール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−オクタンチオール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロ−1−デカンチオール等が好適な例として挙げられる。
芳香族チオール類としては、ベンゼンチオール、2−メチルベンゼンチオール、3−メチルベンゼンチオール、4−メチルベンゼンチオール、2−エチルベンゼンチオール、3−エチルベンゼンチオール、4−エチルベンゼンチオール、2−アミノベンゼンチオール、3−アミノベンゼンチオール、4−アミノベンゼンチオール、2−イソプロピルベンゼンチオール、3−イソプロピルベンゼンチオール、4−イソプロピルベンゼンチオール、2−(ジメチルアミノ)ベンゼンチオール、3−(ジメチルアミノ)ベンゼンチオール、4−(ジメチルアミノ)ベンゼンチオール、2−メチル−3−フランチオール、5−メチル−2−フランチオール、2−チオフェンチオール、3−チオフェンチオール等が好適な例として挙げられる。
脂肪族アルコール類としては、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、イコサノール等が好適な例として挙げられる。
芳香族フェノール類としては、フェノール、2−メチルフェノール、3−メチルフェノール、4−メチルフェノール、2−エチルフェノール、3−エチルフェノール、4−エチルフェノール、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、2−イソプロピルフェノール、3−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、2−ジメチルアミノフェノール、3−ジメチルアミノフェノール、4−ジメチルアミノフェノール、4−プロピルフェノール、4−ブチルフェノール、4−ペンチルフェノール、4−ヘキシルフェノール、4−ヘプチルフェノール、4−オクチルフェノール、4−ノニルフェノール、4−デシルフェノール、4−ウンデシルフェノール、4−ドデシルフェノール、4−トリデシルフェノール、4−テトラデシルフェノール、4−ペンタデシルフェノール、4−ヘキサデシルフェノール、4−ヘプタデシルフェノール、4−オクタデシルフェノール、4−ノナデシルフェノール、4−イコシルフェノール等が好適な例として挙げられる。
脂肪族アミン類としては、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、イコシルアミン等が好適な例として挙げられる。
芳香族アミン類としては、アニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、2−エチルアニリン、3−エチルアニリン、4−エチルアニリン、1,2−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、2−イソプロピルアニリン、3−イソプロピルアニリン、4−イソプロピルアニリン、4−プロピルベンゼンアミン、4−ブチルベンゼンアミン、4−ペンチルベンゼンアミン、4−ヘキシルベンゼンアミン、4−ヘプチルベンゼンアミン、4−オクチルベンゼンアミン、4−ノニルベンゼンアミン、4−デシルベンゼンアミン、4−ウンデシルベンゼンアミン、4−ドデシルベンゼンアミン、4−トリデシルベンゼンアミン、4−テトラデシルベンゼンアミン、4−ペンチルデシルベンゼンアミン、4−ヘキサデシルベンゼンアミン、4−ヘプタデシルベンゼンアミン、4−オクタデシルベンゼンアミン、4−ノナデシルベンゼンアミン、4−イコシルベンゼンアミン等が好適な例として挙げられる。
脂肪族カルボン酸類としては、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、イコサン酸等が好適な例として挙げられる。
芳香族カルボン酸類としては、安息香酸、4−メチル安息香酸、4−エチル安息香酸、4−プロピル安息香酸、4−ブチル安息香酸、4−ペンチル安息香酸、4−ヘキシル安息香酸、4−ヘプチル安息香酸、4−オクチル安息香酸、4−ノニル安息香酸、4−デシル安息香酸、4−ウンデシル安息香酸、4−ドデシル安息香酸、4−トリデシル安息香酸、4−テトラデシル安息香酸、4−ペンタデシル安息香酸、4−ヘキサデシル安息香酸、4−ヘプタデシル安息香酸、4−オクタデシル安息香酸、4−ノナデシル安息香酸、4−イコシル安息香酸、等が好適な例として挙げられる。
脂肪族ホスホン酸類としては、ヘキシルホスホン酸、ヘプチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、ノニルホスホン酸、デシルホスホン酸、ウンデシルホスホン酸、ドデシルホスホン酸、トリデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ペンタデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、ヘプタデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、ノナデシルホスホン酸、イコシルホスホン酸等が好適な例として挙げられる。
脂肪族リン酸類としては、ヘキシルリン酸、ヘプチルリン酸、オクチルリン酸、ノニルリン酸、デシルリン酸、ウンデシルリン酸、ドデシルリン酸、トリデシルリン酸、テトラデシルリン酸、ペンタデシルリン酸、ヘキサデシルリン酸、ヘプタデシルリン酸、オクタデシルリン酸、ノナデシルリン酸、イコシルリン酸が好適な例として挙げられる。
ジシラザン類としては、ヘキサメチルジシラザンが好適な例として挙げられる。
ジスルフィド類としては、ジヘキシルジスルフィド、ジヘプチルジスルフィド、ジオクチルジスルフィド、ジノニルジスルフィド、ジデシルジスルフィド、ジウンデシルジスルフィド、ジドデシルジスルフィド、ジトリデシルジスルフィド、ジテトラデシルジスルフィド、ジペンタデシルジスルフィド、ジヘキサデシルジスルフィド、ジヘプタデシルジスルフィド、ジオクタデシルジスルフィド、ジノナデシルジスルフィド、ジイコシルジスルフィド、2,2‘−ジチエニルジスルフィド等が好適な例として挙げられる。
クロロシラン類としては、置換トリクロロシラン化合物として、ヘキシルトリクロロシラン、ヘプチルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ノニルトリクロロシラン、デシルトリクロロシラン、ウンデシルトリクロロシラン、ドデシルトリクロロシラン、トリデシルトリクロロシラン、テトラデシルトリクロロシラン、ペンタデシルトリクロロシラン、ヘキサデシルトリクロロシラン、ヘプタデシルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、ノナデシルトリクロロシラン、イコシルトリクロロシラン、などのアルキルトリクロロシラン類、
フェニルトリクロロシラン、(4−メチルフェニル)トリクロロシラン、(4−エチルフェニル)トリクロロシラン、(4−プロピルフェニル)トリクロロシラン、(4−イソプロピル)フェニルトリクロロシラン、(ペンタフルオロフェニル)トリクロロシラン、などのアリールトリクロロシラン類、
(フェニルメチル)トリクロロシラン、(2−フェニルエチル)トリクロロシラン、(3−フェニルプロピル)トリクロロシラン、(4−フェニルブチル)トリクロロシラン、(5−フェニルペンチル)トリクロロシラン、(6−フェニルヘキシル)トリクロロシラン、(7−フェニルヘプチル)トリクロロシラン、(8−フェニルオクチル)トリクロロシラン、(3−(ペンタフルオロフェニル)プロピル)トリクロロシラン、などのアリールアルキルトリクロロシラン類、
置換メチルジクロロシラン化合物として、ヘキシルメチルジクロロシラン、ヘプチルメチルジクロロシラン、オクチルメチルジクロロシラン、ノニルメチルジクロロシラン、デシルメチルジクロロシラン、ウンデシルメチルジクロロシラン、ドデシルメチルジクロロシラン、トリデシルメチルジクロロシラン、テトラデシルメチルジクロロシラン、ペンタデシルメチルジクロロシラン、ヘキサデシルメチルジクロロシラン、ヘプタデシルメチルジクロロシラン、オクタデシルメチルジクロロシラン、ノナデシルメチルジクロロシラン、イコシルメチルジクロロシラン、などのアルキルメチルジクロロシラン類、
フェニルメチルジクロロシラン、(4−メチルフェニル)メチルジクロロシラン、(4−エチルフェニル)メチルジクロロシラン、(4−プロピルフェニル)メチルジクロロシラン、(4−イソプロピルフェニル)メチルジクロロシラン、(ペンタフルオロフェニル)メチルジクロロシラン、などのアリールメチルジクロロシラン類、
(フェニルメチル)メチルジクロロシラン、(2−フェニルエチル)メチルジクロロシラン、(3−フェニルプロピル)メチルジクロロシラン、(4−フェニルブチル)メチルジクロロシラン、(5−フェニルペンチル)メチルジクロロシラン、(6−フェニルヘキシル)メチルジクロロシラン、(7−フェニルヘプチル)メチルジクロロシラン、(8−フェニルオクチル)メチルジクロロシラン、(3−(ペンタフルオロフェニル)プロピル)メチルジクロロシラン、などのアリールアルキルメチルジクロロシラン類、
置換ジメチルクロロシラン化合物として、
ヘキシルジメチルクロロシラン、ヘプチルジメチルクロロシラン、オクチルジメチルクロロシラン、ノニルジメチルクロロシラン、デシルジメチルクロロシラン、ウンデシルジメチルクロロシラン、ドデシルジメチルクロロシラン、トリデシルジメチルクロロシラン、テトラデシルジメチルクロロシラン、ペンタデシルジメチルクロロシラン、ヘキサデシルジメチルクロロシラン、ヘプタデシルジメチルクロロシラン、オクタデシルジメチルクロロシラン、ノナデシルジメチルクロロシラン、イコシルジメチルクロロシラン、などのアルキルジメチルクロロシラン類、
フェニルジメチルクロロシラン、(4−メチルフェニル)ジメチルクロロシラン、(4−エチルフェニル)ジメチルクロロシラン、(4−プロピルフェニル)ジメチルクロロシラン、(4−イソプロピルフェニル)ジメチルクロロシラン、(ペンタフルオロフェニル)ジメチルクロロシラン、などのアリールジメチルクロロシラン類、
(フェニルメチル)ジメチルクロロシラン、(2−フェニルエチル)ジメチルクロロシラン、(3−フェニルプロピル)ジメチルクロロシラン、(4−フェニルブチル)ジメチルクロロシラン、(5−フェニルペンチル)ジメチルクロロシラン、(6−フェニルヘキシル)ジメチルクロロシラン、(7−フェニルヘプチル)ジメチルクロロシラン、(8−フェニルオクチル)ジメチルクロロシラン、(3−(ペンタフルオロフェニル)プロピル)ジメチルクロロシラン、などのアリールアルキルジメチルクロロシラン類、
その他置換モノクロロシラン化合物として、トリフェニルクロロシラン、等が好適な例として挙げられる。
この中でもオクチルトリクロロシラン、ドデシルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、(4−メチルフェニル)トリクロロシラン、(ペンタフルオロフェニル)トリクロロシラン、(2−フェニルエチル)トリクロロシラン、(3−(ペンタフルオロフェニル)プロピル)トリクロロシラン、および、フェニルジメチルクロロシラン、(4−メチルフェニル)ジメチルクロロシラン、(ペンタフルオロフェニル)ジメチルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン、等がより好適な例として挙げられる。
アルコキシシラン類としては、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘプチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ノニルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ウンデシルメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、トリデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、ペンタデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘプタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、ノナデシルトリメトキシシラン、イコシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、4−メチルフェニルトリメトキシシラン、4−エチルフェニルトリメトキシシラン、4−プロピルフェニルトリメトキシシラン、4−イソプロピルフェニルトリメトキシシラン、フェニルメチルトリメトキシシラン、フェニルエチルトリメトキシシラン、フェニルプロピルトリメトキシシラン、フェニルブチルトリメトキシシラン、フェニルペンチルトリメトキシシラン、フェニルヘキシルトリメトキシシラン、フェニルヘプチルトリメトキシシランフェニルオクチルトリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルジメチルエトキシシラン、11−(ペンタフルオロフェノキシ)ウンデカニルトリメトキシシラン等が好適な例として挙げられる。
前述の通り、前記C群の電極修飾材料は前記B群から少なくとも1つ選ばれた電極材料と共に使用され、前記E群のゲート絶縁膜修飾材料は前記D群から少なくとも1つ選ばれたゲート絶縁材料と共に使用されるため、有機薄膜トランジスタは、C群から少なくとも1つ選ばれる電極修飾材料、及び前記E群から少なくとも1つ選ばれるゲート絶縁膜修飾材料を含むことが好ましいが、目的や用途に応じて、前記C群は、前記C群の電極修飾材料、又は前記E群のゲート絶縁膜修飾材料のいずれかのみを含んでいてもよい。
ゲート絶縁層13の表面を修飾することで、ゲート絶縁層13が接触する有機半導体層16との界面を制御することができる。この修飾は、図1の(1−1)に示す有機TFTのボトムゲート−トップコンタクト構造、(1−2)に示す有機TFTのボトムゲート−ボトムコンタクト構造で好適である。このための修飾としてE群から選ばれる物質を用いる方法とは別に、化学エッチング処理、物理エッチング処理、プラズマ処理、UVオゾン処理等、電極表面の物理的状態もしくは化学的組成を変えることができる処理を用いても良い。
本発明の有機薄膜トランジスタにおいて、有機半導体層16は、本発明に用いるベンゾビス(チアジアゾール)誘導体1種以上を含み、例えば、真空蒸着法やスピンコート等の周知の膜作製方法により形成することができる。本発明に用いるベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は有機溶媒に可溶であるため、塗布(印刷)法により有機半導体層16を形成することができる。また、有機半導体層16は、他の有機化合物1種以上を含むこともできる。
通常、本発明の有機TFTは良好なn型特性を示すので、p型の有機TFTと組み合わせて、図2に示す相補型インバーター(論理反転)回路を作製することができる。(「NOT回路」と称されることもある。)この図においてVinは入力信号線、Voutは出力信号線、Vddは電源線、GNDは接地を示す。また図中上側のトランジスタがp型TFTであり、下側がn型TFTである。
この回路を作動させるには、VddとGND間にこれらトランジスタの駆動可能な電位差を持たせる。VinがGNDと同じ電位の場合、p型TFTがon状態でn型TFTがoff状態となるので、VoutにはVddとほぼ同じ電位が出力される。一方、VinがVddと同じ電位の場合は、p型TFTがoff状態でn型TFTがon状態となり、Voutの電位はGNDとほぼ同じ電位となる。すなわちVinと反対の電位がVoutに出力されるので、反転回路と称される。この回路は、デジタル論理回路を構成する基本回路である。論理反転する瞬間にのみ、わずかな電流しか流れないので、消費電力の少ない論理回路を構成する観点から好適に用いられている。
また、良好なn型特性を示す本発明の有機TFTは、p型の有機TFTと組み合わせて、NAND回路、NOR回路、フリップフロップ回路などを作製することができる。これらの回路は目的に応じた設計を基に組み合わせて集積化することにより、集積化論理回路を構成し、ディスプレイ回路、RFID回路、センサー回路などに適用することができる。
(有機エレクトロルミネッセンス素子)
次に、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と称する)について説明する。本発明の有機EL素子は、その構成部材である正孔輸送層及び/又は電子輸送層が本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含むものである。本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、電子輸送性に優れているので、有機EL素子の、特に電子輸送層に用いると効果的である。
本発明の有機EL素子は、正孔輸送層及び/又は電子輸送層が本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含むこと以外、公知の構造、材料を採用することができる。
有機EL素子は、基板上で、陽極と陰極の間に、発光層、並びに正孔輸送層及び/又は電子輸送層を含む有機化合物層を形成した素子である。典型的には、(基板/陽極/正孔輸送層/発光層/陰極)、(基板/陽極/発光層/電子輸送層/陰極)、(基板/陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極)等の素子構造で構成される。
図3に、本発明の有機EL素子の一例の層構成を示す。図3に示す有機EL素子は、基板21上に、陽極22、正孔輸送層23、発光層24、電子輸送層25及び陰極26をこの順に積層してなるものである。
上記のように構成された有機EL素子に対して、陽極22と陰極26との間に所定の直流電圧を印加すると、発光層24から高輝度の発光が得られる。この発光のメカニズムは以下のように考えられている。
すなわち、上記2つの層間に所定の直流電圧が印加されると、陽極22から正孔輸送層23に流入された正孔が発光層24まで輸送される。一方、陰極26から電子輸送層25に注入された電子は発光層24まで輸送され、この発光層24中を拡散移動して正孔と再結合し、電気的に中和状態となる。この再結合が行なわれると所定のエネルギーが放出され、そのエネルギーにより発光層24内の有機発光材料が励起状態に励起される。その状態から基底状態に戻る際に光が放出される。
特に有機EL素子の電子輸送層25に高電界効果移動度の本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を用いることによって、電子を発光層中に効率よく注入することができ、発光効率を高めることができる。
上記基板21としては、例えば、ガラス、及びプラスチック等の透明材料を用いることができる。ここで、正孔輸送層23や電子輸送層25を、本発明の有機半導体インクを使用して塗布法により形成することができ、基板21として可撓性基板を使用可能であることは、上述の有機TFTの場合と同様である。
上記陽極22としては、通常、光を透過させる材料を用いる。具体的には、スズドープ酸化インジウム(ITO)、酸化インジウム、酸化スズ、酸化インジウム、及び酸化亜鉛合金を用いることが好ましい。また、金、白金、銀、及びマグネシウム合金等の金属の薄膜を用いることもできる。さらに、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、及びそれらの誘導体等の有機材料も使用可能である。陽極22は、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、RFスパッタ法又は塗布(印刷)法等の周知の膜形成方法により形成することができる。
上記陰極26としては、電子注入性の観点から、仕事関数の小さい、Li、K、及びNa等のアルカリ金属やMg、及びCa等のアルカリ土類金属を用いることが好ましい。また、安定なAl等を用いることも好ましい。安定性と電子注入性を両立させるために2種以上の材料を含む層にしてもよく、それらの材料については、例えば特開平2−15595号公報、及び特開平5−121172号公報等に詳しく記載されている。陰極26は、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、又はRFスパッタ法等の周知の膜形成方法により形成することができる。
上記発光層24としては、キノリノール錯体や芳香族アミン等のホスト材料に、クマリン誘導体やDCM、キナクリドン、又はルブレン等の色素材料を添加(ドーピング)したものを用いることが好ましいが、ホスト材料のみで発光層24を形成することもできる。また、イリジウム金属錯体をドーピングして発光層24を形成することで、効率の良い有機EL素子を作製することができる。発光層24は、真空蒸着法、スパッタ法又は塗布(印刷)法等の周知の膜形成方法により形成することができる。
正孔輸送層23及び/又は電子輸送層25は、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含むものである。当該誘導体を含む場合には、正孔輸送層23及び電子輸送層25は、本発明の有機半導体インクを用いて塗布法により好適に形成することができる。
正孔輸送層23に本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を用いない場合、正孔輸送層23としては、例えば、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン(TPD)、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−2,2’−ジメチルベンジジン(α−NPD)、及び2,2−ビス(3−(N,N−ジ−p−トリルアミノ)フェニル)ビフェニル(3DTAPBP)等の材料を用いることができる。
電子輸送層25に本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を用いない場合、電子輸送層25としては、例えば、2−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサゾール(PBD)、1,3−ビス[2−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン(OXD−7)、及び2,2’,2’’−(1,3,5−ベンジントリイル)−トリス(1−フェニル−1−H−ベンズイミダゾール(TPBi)等の材料を用いることができる。
正孔輸送層23及び電子輸送層25の膜形成方法としては、上記発光層24の膜形成方法と同様の方法が用いられる。また、これらの厚みは従来公知の範囲から適宜選択されるが、通常1nm〜1μm、好ましくは1nm〜100nmである。
なお、本発明の有機EL素子は、上記各層の他、電子注入層、正孔注入層、電子ブロック層、正孔ブロック層、又は保護層等を設けるように構成することが可能である。これらの層も、上記発光層24の膜形成方法と同様の方法により形成することができる。
(表示デバイス)
次に、本発明の表示デバイスについて説明する。本発明の表示デバイスは、有機EL素子及びそれに電気的に接続した有機TFTを備え、有機TFTにより有機EL素子の駆動(スイッチングトランジスタ)及び点灯(ドライビングトランジスタ)を制御するものであり、有機TFTが上記のような本発明の有機TFTであるか、有機EL素子が上記のような本発明の有機EL素子である、表示デバイスである。本発明の表示デバイスにおいては、高電界効果移動度の観点から、有機TFTが本発明の有機TFTであり、且つ、有機EL素子が本発明の有機EL素子であることが好ましい。
図4に、本発明の表示デバイスの構成の一例を示す。図4に示す表示デバイスは、基板111上に、バリア層112を介して、陰極101、電子輸送層102、発光層103、正孔輸送層104及び陽極105から構成される有機EL素子120と、ゲート電極106、ゲート絶縁層107、有機半導体層108、ソース電極109及びドレイン電極110から構成される有機TFT121とを有する。そして、これらの層構造の上方部分が保護層113により被覆されている。
この表示デバイスは、有機EL素子120の陰極101(基板111に近い側の電極)と、有機TFT121のドレイン電極110が電気的に接続された構造となっている。ゲート電極106に電圧を印加することによりソース・ドレイン電極間に電流が流れ、有機EL素子120が発光する。また、陽極と有機TFTのドレイン電極が電気的に接続された構造とすることもできる。
本発明においては、前述の通り、有機TFT、及び有機TFTにより駆動・点灯される有機EL素子の両方とも、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を用いた本発明の有機TFT及び本発明の有機EL素子であることが好ましい。また、これらのいずれか一方が本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含まない、公知の材料及び構成のものであってもよい。
さらに、図4に示すような、駆動・点灯の制御用の有機TFTと有機EL素子とを組み合わせた画素素子をマトリックス状に配置することでアクティブマトリックス方式の表示デバイスを作製することができる。アクティブマトリクス方式の表示デバイスは、画素数が多くなっても、非選択点に不要な電圧が印加されるおそれが小さく、また、高デューティ時においても電界効率低下や劣化を生じるおそれが小さく、応答性に優れているという利点を有している。
なお、本発明の表示デバイス(ディスプレイ)は、本発明の有機TFT及び/又は本発明の有機EL素子を用いていること以外は、公知の構造、材料を採用することができ、公知の方法により製造することができる。
<有機薄膜太陽電池>
次に、本発明の有機薄膜太陽電池(以下、有機PV素子と称する)について説明する。本発明の有機PV素子は、基板上に、陽極と、正孔輸送材料及び電子輸送材料を含む電荷分離層と、陰極とを有し、前記電荷分離層が、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含むものである。
さらに本発明の有機PV素子として、基板上に、陽極と、前記電荷分離層と、正孔輸送層及び/又は電子輸送層と、陽極とを有し、前記正孔輸送層及び/又は電子輸送層が本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む構成のものも挙げられる。
本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、電子輸送性に優れているので、有機PV素子の、特に電荷分離層や電子輸送層に用いると効果的である。
本発明の有機PV素子は、上記の構成以外、公知の構造、材料を採用することができる。
有機PV素子は、基板上で、陽極と陰極の間に、電荷分離層を含む少なくとも1層の有機化合物層を形成した素子である。典型的には、(基板/陽極/電荷分離層/陰極)、(基板/陽極/電荷分離層/電子輸送層/陰極)、(基板/陽極/正孔輸送層/電荷分離層/電子輸送層/陰極)等の素子構造で構成される。
図5に、本発明の有機PV素子の一例の層構成を示す。図5に示す有機PV素子は、基板31上に、陽極32、電荷分離層33及び陰極34をこの順に積層してなるものである。
上記のように構成された有機PV素子に光が照射されると、電荷分離層33において正孔と電子が発生し、陽極32と陰極34を接続すると電流を取り出すことができる。この発電のメカニズムは以下のように考えられている。
すなわち、上記電荷分離層33に光が照射されると、光が吸収され、そのエネルギーにより有機分子が励起されて電荷分離を生じ、正孔と電子が発生する。正孔は電荷分離層33中の正孔輸送材料により陽極32まで輸送され、電子は電荷分離層33中の電子輸送材料により陰極34まで輸送され、外部回路へ取り出される。
有機PV素子の電荷分離層33に高電界効果移動度の本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を用いることによって、正孔及び電子を電荷分離層33中から効率的に取り出すことができ、発電効率を高めることができる。また、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を電子輸送層に用いることによって、電子を陰極に効率的に輸送することができ、発電効率を高めることができる。
上記基板31としては、例えば、ガラス、プラスチック等の透明材料を用いることができる。ここで、電荷分離層33、正孔輸送層や電子輸送層を、本発明の有機半導体インクを使用して塗布法により形成することができ、基板31として可撓性基板を使用可能であることは、上述の有機TFTの場合と同様である。
上記陽極32としては、通常、光を透過させる材料を用いる。具体的には、スズドープ酸化インジウム(ITO)、酸化インジウム、酸化スズ、酸化インジウム、又は酸化亜鉛合金であることが好ましい。金、白金、銀、及びマグネシウム合金等の金属の薄膜を用いることもできる。さらに、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、及びそれらの誘導体等の有機材料も使用可能である。陽極32は、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、RFスパッタ法又は塗布(印刷)法等の周知の膜形成方法により形成することができる。
上記陰極34としては、電子取出性の観点から、仕事関数の小さい、Li、K、及びNa等のアルカリ金属やMg、及びCa等のアルカリ土類金属を用いることが好ましい。また、安定なAl等を用いることも好ましい。安定性と電子取出性を両立させるために2種以上の材料を含む層にしてもよい。陰極34は、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、又はRFスパッタ法等の周知の膜形成方法により形成することができる。
上記電荷分離層33には、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を有機半導体材料として用いる。使用するベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は1種類としてもよいし、複数種類としてもよい。さらに、電荷分離層33は、他の有機半導体化合物1種以上を含むこともできる。
ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体とともに電荷分離層を構成する材料としては、例えば、正孔輸送材料として、ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)(P3HT)、及びポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン](MEH−PPV)等が挙げられ、
電子輸送材料として、フラーレンC60、(6,6)−フェニル−C61ブチル酸メチルエステル(C61−PCBM)、フラーレンC70、及び(6,6)−フェニル−C71ブチル酸メチルエステル(C71−PCBM)等が挙げられる。
電荷分離層33は、真空蒸着法、スパッタ法又は塗布(印刷)法等の周知の膜形成方法により形成することができ、本発明の有機半導体インクを用いて塗布(印刷)法により電荷分離層33を形成することが好ましい。また、電荷分離層33の厚みは従来公知の範囲から適宜選択されるが、通常5nm〜1μm、好ましくは10nm〜500nmである。
本発明の有機PV素子には、さらに、正孔輸送層及び/又は電子輸送層を設けることができる。これらの層にも本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を好適に用いることができる。使用するベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は1種類としてもよいし、複数種類としてもよい。さらに、正孔輸送層及び電子輸送層は、他の化合物1種以上を含むこともできる。
正孔輸送層又は電子輸送層に本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を用いない場合、正孔輸送層としては、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT−PSS)等の材料を用いることができ、電子輸送層としては、例えば、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)等の材料を用いることができる。
正孔輸送層及び電子輸送層の膜形成方法としては、上記電荷分離層33の膜形成方法と同様の方法が用いられる。また、これらの厚みは従来公知の範囲から適宜選択されるが、通常1nm〜1μm、好ましくは1nm〜100nmである。
<RFIDタグ>
次に、本発明のRFIDタグ(Radio Frequency IDentification tag)について説明する。本発明のRFIDタグは、有機TFTを用いて作動するものであり、有機TFTが上記のような本発明の有機TFTであるものである。
RFIDタグは集積回路部(以下、IC部と称する)とアンテナ部とを有し、IC部に記憶されているID、すなわち個体識別情報等について、アンテナ部を介して、無線でリーダライタ機器と通信することができ、リーダライタ機器によってIC部に記憶されている情報を非接触で読み取ったり、逆にIC部に書き込んだりすることが可能な電子デバイスである。
RFIDタグを物品に貼り付ける、もしくは物品に印刷することで、物品の情報管理、流通管理、及び固体認証などが可能であり、様々な分野へ応用されている。本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、高電界効果移動度を達成できるので、RFIDタグのIC部を構成する有機TFTの有機半導体層に用いると、RFIDタグの応答性を高めることができる。
本発明のRFIDタグは、例えばSolid−State Electronics 84(2013)167-178に記載の、公知の回路を組合せて作成することができる。
なお、本発明のRFIDタグは、本発明の有機TFTを用いていること以外は、公知の構造、材料を採用することができ、公知の方法により製造することができる。
RFIDタグのIC部は、複数の有機TFTを備えるものであってもよい。その場合、複数の有機TFTのうち、すべての有機TFTが本発明の有機TFTであってもよく、また一部の有機TFTが本発明の有機TFTであってもよい。
<センサー>
次に、本発明のセンサーについて説明する。本発明のセンサーは、有機TFTを用いて作動するものであり、有機TFTが上記のような本発明の有機TFTであるものである。
センサーは、有機TFTに与えられる外部の刺激により、有機TFTを構成する有機半導体の物理状態が変化し、その結果、有機TFTから得られる電流及び/又は電圧が変化する系に適用することができる。
本発明のセンサーとして、例えば、有機TFTを構成する有機半導体が熱や光を受けて、その有機半導体の物理状態が変化することで温度や光を検知する温度センサーや光センサーが挙げられる。
また、有機TFTを構成する有機半導体が応力を受けて、その有機半導体の物理状態が変化することで応力や圧力を検知する曲げ応力センサー、及び圧力センサーが挙げられる。
また、有機TFTを構成する有機半導体が特定の化学物質、例えば水分子や酸素分子などの影響を受けて、その有機半導体の物理状態が変化することで、その化学物質を検知する化学センサーが挙げられる。
さらに、有機TFTを構成する金属電極が特定の化学物質により影響を受けて、有機TFTから得られる電流及び/又は電圧に変化が生じることで、その化学物質を検知する化学センサーも挙げられる。
本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、高電界効果移動度を達成できるので、センサーを構成する有機TFTの有機半導体層に用いると、センサーの応答性やダイナミックレンジを高めることができる。
なお、本発明のセンサーは、本発明の有機TFTを用いていること以外は、公知の構造、材料を採用することができ、公知の方法により製造することができる。
センサーは、用途に応じて、単一の有機TFTを備えるものであってもよく、複数の有機TFTを備えるものであってもよい。複数の有機TFTを備える場合、有機TFTのうち、すべての有機TFTが本発明の有機TFTであってもよく、また一部の有機TFTが本発明の有機TFTであってもよい。
以上説明した各種本発明の有機エレクトロニクスデバイスにおいては、基板として、プラスチック基板を使用することができる。基板として用いるプラスチックは、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、加工性、低通気性及び低吸湿性に優れていることが好ましい。このようなプラスチックとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、及びポリイミド等が挙げられる。
プラスチック基板の場合、基板の電極側の面、電極と反対側の面、又はその両方に透湿防止層(ガスバリア層)を設けることが好ましい。透湿防止層を構成する材料としては窒化ケイ素や酸化ケイ素等の無機物が好ましく挙げられる。透湿防止層はRFスパッタ法等の周知の膜作製方法により形成することができる。また、必要に応じてハードコート層やアンダーコー卜層を設けてもよい。
さらに、本発明の有機エレクトロニクスデバイスにおける基板に対しては、基板表面の表面エネルギーの調整や、基板に積層する材料との親和性を制御する目的で、ヘキサメチルジシラザンやオクチルトリクロロシランで処理したり、ポリスチレン等の樹脂をコーティングしたり、UVオゾン処理を施すなど、基板の表面修飾処理を施すことができる。
<熱電変換材料、熱電変換素子>
熱電変換材料は、熱エネルギーと電気エネルギーを相互に変換することが可能な材料であり、熱電発電素子やペルチェ素子に用いられている材料である。熱電変換材料としては熱電変換効率が高いことが好ましく、その性能は下記式で示される、性能指数又はパワーファクタで比較される。
性能指数 ZT = S・σ・T/κ
パワーファクタ P = S・σ
S (単位 V/K) 熱起電力(ゼーベック係数)
σ (単位 S/m) 電気伝導率
κ (単位 W/mK) 熱伝導率
T (単位 K) 絶対温度
本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は電子移動度に優れることから、n型半導体層として用いた、有機熱電変換素子を提供することができる。本発明で用いるベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は電子の移動度が高いため、熱電変換における発電効率を高めることができる。
次に、本発明の有機熱電変換素子について説明する。本発明の有熱電変換素子は、有機熱電変換層が前記式(1)で示されるベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含むものである。前記ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、耐熱性が高く、分子の配向方向を揃えやすく、高キャリア移動度を達成できるので、有機熱電変換材料に用いると効果的である。本発明の熱電変換素子として、具体的には、熱電発電素子や熱電冷却素子が挙げられる。
本発明の有機熱電変換素子は、n型半導体を含む層がベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む以外、公知の構造、材料を使用することができる。
図6に、本発明の有機熱電変換素子の一例の構成を示す。図6に示す有機熱電変換素子は、n型半導体を含む熱電変換層42とp型半導体を含む熱電変換層43がその一端で電極41で接続され、多端の電極44および45から適宜導線46を介して、外部負荷回路へ電気エネルギーを供給するものである。電極41を電極44および45より高温にすることで熱エネルギーが電気エネルギーへと変換されて供給される。
電極41、n型半導体を含む熱電変換層42、p型半導体を含む熱電変換層43、電極44および45は同一基材の上に置くことができ、また、電気的に同一の構成を直列に接続することにより多くの電気エネルギーを供給することができる。
図7に、本発明の有機熱電変換素子の一例の構成を示す。図7に示す有機熱電変換素子は、n型半導体を含む熱電変換層52とp型半導体を含む熱電変換層53がその一端で電極51で接続され、多端の電極54および55から適宜導線56を介して、直流電源に接続される。直流電源から供給される電気エネルギーが熱エネルギーへと変換され、電極51では吸熱となり、一方の電極54および55より放熱される。電極51、n型半導体を含む熱電変換層52、p型半導体を含む熱電変換層53、電極54および55は同一基材の上に置くことができる。
基材としては、ガラス板など絶縁性があれば良いが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリイミドなど各種樹脂基材を用いること、素子に柔軟性を付与することができ実用上好適である。
電極41、44、45、51、54、55としては、例えば、金、白金、クロム、タングステン、タンタル、ニッケル、銅、アルミニウム、銀、マグネシウム、カルシウム等の金属、あるいはそれらの合金、およびポリシリコン、アモルファスシリコン、カーボンブラック、グラファイト、スズドープ酸化インジウム(ITO)、酸化亜鉛、導電性ポリマー等の材料を用いることができ、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、RFスパッタ法又は印刷法等の周知の作製方法により形成することができる。
n型半導体を含む熱電変換層42、52は、本発明の熱電変換材料に含まれるベンゾビス(チアジアゾール)誘導体1種以上を含み、例えば、真空蒸着法やスピンコート等の周知の膜作製方法により形成することができる。本発明の熱電変換材料に含まれるベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は有機溶媒に可溶であるため、塗布(印刷)法によりn型半導体を含む熱電変換層42、52を形成することができる。また、n型半導体を含む熱電変換層42、52は、他の化合物1種以上を含むこともできる。また、n型半導体を含む熱電変換層42、52は他の化合物の層と多層構造を有しても良い。
n型半導体を含む熱電変換層42、52に、他の化合物1種以上を混合することで、電気伝導率を制御することができる。この目的で混合する化合物としては、ドナー性の化合物が候補として挙げられ、例えば、テトラチアフルバレン、炭酸セシウム、フッ化リチウムなどを挙げることができる。
n型半導体を含む熱電変換層42、52に、他の化合物の層と多層構造とすることで、電気伝導率を制御することができる。この目的で多層構造とする化合物としては、ドナー性の化合物が候補として挙げられ、例えば、テトラチアフルバレン、炭酸セシウム、フッ化リチウムなどを挙げることができる。
p型半導体を含む熱電変換層43、53は、公知のp型有機半導体1種以上を含み、例えば、真空蒸着法やスピンコート等の周知の膜作製方法により形成することができる。また、p型半導体を含む熱電変換層43、53は、他の化合物1種以上を含むこともできる。また、p型半導体を含む熱電変換層43、53は他の化合物の層と多層構造を有しても良い。
p型半導体としては、ペンタセン誘導体、ベンゾチエノベンゾチオフェン誘導体、ジナフトチオフェン誘導体、ジナフトチエノチオフェン誘導体、ポリチオフェン誘導体など公知の高移動度の半導体を用いれば良い。
p型半導体を含む熱電変換層43、53に、他の化合物1種以上を混合することで、電気伝導率を制御することができる。この目的で混合する化合物としては、アクセプター性の化合物が候補として挙げられ、例えば、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン、ジクロロジシアノベンゾキノン、三酸化タングステン、三酸化モリブデンなどを挙げることができる。
前述のn型半導体を含む熱電変換層、又はp型半導体を含む熱電変換層にドーパントを添加してもよい。一般に、ドーパントは、有機化合物の電気伝導率σを高めるために添加される。さらに、ドーパントの添加量は、特に限定されるものではなく、ドーパント及び有機化合物の種類、熱電材料に要求される特性等に応じて、最適な量を選択する。
ドーパントには、有機化合物から電子を受け取るアクセプタードーパント(p型ドーパント) と、有機化合物に電子を与えるドナードーパント(n型ドーパント) がある。
導電性高分子に添加するアクセプタードーパントとしては、具体的には、PF、BF 、BCl等のルイス酸;HSO、HClO、リン酸等のプロトン酸;2−ナフタレンスルホン酸、カンファースルホン酸等の有機酸;鉄、チタン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタルのハロゲン化物等の遷移金属化合物等が挙げられる。
また、ドナードーパントとしては、具体的には、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属;ユーロピウム等のランタノイド金属;RN、R、RAs、R(R:アルキル基)、アセチルコリン、等が挙げられる。
一般的な熱伝変換素子の評価方法等については、熱電変換技術ハンドブック、NTS,(2008)、特開2016−96242等に記載されている。
<可撓性基板>
本発明の有機エレクトロニクスデバイス、有機薄膜トランジスタ、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示デバイス、有機薄膜太陽電池、RFIDタグ、センサー、熱伝変換素子及び熱電変換用装置においては、基板を有し、その基板が可撓性基板であることが好ましい。可撓性基板を用いることで、印刷機を使ったデバイスの作製、電子機器の可撓化や軽量化、人体等への装着などが可能となる。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
[溶解性の評価]
合成した化合物の溶解性の評価は次の方法で行った。
約2−3mgの合成した化合物を精秤し、設定した溶質濃度(0.3wt%、0.2wt%、0.1wt%、0.05wt%、0.02wt%、0.01wt%、0.005wt%)になるように各溶媒を加え、所定の温度で30分撹拌した後、12時間室温下で冷却し、その後室温で溶質(合成した化合物)が完全に溶解しているか否かを外観目視で評価し、溶解性の評価結果とした。溶媒にはクロロホルム(沸点61℃)、トルエン(沸点111℃)、クロロベンゼン(沸点131℃)、アニソール(沸点154℃)、メシチレン(沸点165℃)、1−メチルナフタレン(沸点241℃)を用いた。なお、wt%とは重量%を示す。
[有機TFTの作製・評価]
以下の実施例では、特に各項に記載のない限り、下記の有機TFTの作製手順に従い、シリコン基板上にボトムゲート−トップコンタクト素子を作製し、評価を行った。
<有機TFTの作製手順>
スピンコート法による有機半導体層の作製を経る場合、
(TFT基板の作製)−(スピンコート法による有機半導体層の作製)−(ソース電極及びドレイン電極の作製)
又は、
(TFT基板の作製)−(TFTの基板の表面修飾)−(スピンコート法による有機半導体層の作製)−(ソース電極及びドレイン電極の作製)
の手順で有機TFTを作製した。
(TFT基板の作製)
有機TFTの基板として、表面に膜厚200nmの熱酸化シリコンを形成した市販のシリコンウェハを用いた。シリコンウェハは低抵抗のものとし、有機TFTのゲート電極としても機能させた。また、酸化シリコン膜をゲート絶縁層として用いた。このシリコンウェハは、過酸化水素水と硫酸の混合液で洗浄し、次工程で使用する直前にUVオゾン処理により表面を清浄して用いた。このように処理した基板を、以降「ベア基板」と表記する。
「ベア基板」に、市販のポリビニルフェノールとメラミンから調製した、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをこれらの溶媒とする、ポリビニルフェノールとメラミンの混合溶液をスピンコートし、次いで180℃で1時間加熱して、基板表面におよそ20nmのポリビニルフェノール−メラミン薄膜を作製した。このように処理した基板を、以降「PVP基板」と表記する。
(スピンコート法による有機半導体層の作製)
合成した化合物(有機半導体化合物)を用いて、各項に記載の溶媒、溶質濃度の溶液(有機半導体インク)を作成し、その有機半導体インクを用いてスピンコート法により各項に記載の基板上に、膜厚約20〜50nmの有機半導体層を形成した。その後必要に応じて、各項に記載の条件で、熱アニールを施した。スピンコートと熱アニールは、特に各項に記載がない限り、窒素雰囲気下で実施した。
(ソース電極及びドレイン電極の作製)
上記有機半導体層上に、金属マスクを用いて金を真空蒸着法で製膜することにより、ソース電極とドレイン電極を形成した。有機TFTのチャネル幅及びチャネル長はそれぞれ1000μm及び70μmとした。また、ソース及びドレイン電極の膜厚は約50nmとした。
(電界効果移動度の評価)
電界効果移動度(μ)は、KEITHLEY社の半導体特性評価システム4200−SCS型を用いて、作製した有機TFTの伝達特性を測定した結果から求めた。
電界効果移動度(μ)は、ドレイン電流Iを表わす下式(式A)を用いて算出することができる。
=(W/2L)μC(V−V … (式A)
ここで、L及びWはチャネル長及びチャネル幅である。また、Cはゲート絶縁層の単位面積当たりの電気容量である。Vはゲート電圧であり、Vはしきい値電圧である。上記伝達特性測定から、あるゲート電圧時におけるしきい値電圧とドレイン電流の値が示されるので、電界効果移動度を求めることができる。
[実施例S1]
<化合物(C11)の合成>
以下の合成スキームに従い、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体である化合物(C11)を合成した。以下、各工程について説明する。
(工程S1−1:化合物(C11−d)の合成)
攪拌装置を備えた容量250mLのガラス製反応容器に、ナトリウムメトキシド2.16g(40.0mmol)、及び脱水メチルアルコール160mL、1,5−ジブロモプロパン10.8mL(80.0mmol)を加え、室温から40℃に昇温し、40℃で24時間反応させた。メチルアルコールを減圧留去し、ノルマルヘキサン100mLを加えた後、吸引濾過し濾液を濃縮後、91〜94℃/50hpaで減圧蒸留する事で、無色透明液体として化合物(C11−d)を2.53g得た。
化合物(C11−d)の物性値は以下の通りであった。
EI−MS;181(M)
(工程S1−2:化合物(11−c)の合成)
攪拌装置を備えた容量250mLのガラス製反応容器に、炭酸ナトリウム7.2g(68.0mmol)、2−チオフェンボロン酸2.6g(20.4mmol)、4−ブロモ−2−クロロベンゾトリフルオライド2.5mL(17.0mmol)、脱水トルエン102mL、脱水エタノール51mL、及びテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム2.0g(1.7mmol)を加え、80℃で16時間反応させた。反応物に水を加え塩化メチレンで抽出した後、硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を減圧留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し白色固体として化合物(C11−c)をを4.4g得た。
化合物(C11−c)の物性値は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz;CDCl;δ(ppm));7.13−7.17(m、1H)、7.43−7.46(m、2H)、7.60−7.62(m、1H)、7.70(d、1H)、7.78(d、1H)
EI−MS;262(M)
(工程S1−3:化合物(C11−b)の合成)
攪拌装置を備えた容量50mLのガラス製反応容器に、マグネシウム160.4mg(6.6mmol)を加え、化合物(C11−d)1.09g(6.0mmol)、及び脱水テトラヒドロフラン6mLの混合溶液を滴下しながら加熱還流し、グリニャール試薬を調整した。攪拌装置を備えた容量50mLのガラス製反応容器に、化合物(C11−c)1.31g(5.0mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル410.5mg(1.0mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム228.9mg(0.25mmol)、及び脱水テトラヒドロフラン12mLを加え、内温−30℃を保ちながら先に調整したグリニャール試薬を滴下した後、室温で19時間、50℃で3時間反応させた。反応物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えジエチルエーテルで抽出した後、硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を減圧留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し薄黄色粘調液体として化合物(C11−b)を552.3mg得た。
化合物(C11−b)の物性値は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz;CDCl;δ(ppm));7.59−7.62(m、2H)、7.51−7.54(m、1H)、7.42−7.43(dd、1H)、7.37−7.39(dd、1H)、7.12−7.14(dd、1H)、3.34−3.39(t、2H)、3.29(s、3H)、2.78−2.82(t、2H)、1.57−1.72(m、4H)、1.40−1.51(m、2H)
EI−MS;328(M)
(工程S1−4:化合物(C11−a)の合成)
攪拌装置を備えた容量200mLのガラス製反応容器に、化合物(C11−b)2.96g(9.0mmol)、及び脱水テトラヒドロフラン45mLを加え、内温−73℃を保ちながら1.6規定のノルマルブチルリチウム−ヘキサン溶液を6.4mL加え、同温度で1時間攪拌した後、同温度でトリブチルスズクロリド2.7mL(9.9mmol)を加えて室温まで昇温し1時間攪拌した。メタノールを加えクエンチした後、溶媒を留去した。得られた反応粗生成物にヘキサンを加えシリカゲル50NH2を用いたカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)によって精製することにより、黄色液体として化合物(C11−a)を4.9g得た。
化合物(C11−a)の物性値は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz;CDCl;δ(ppm));7.58−7.60(m、2H)、7.51−7.53(m、2H)、7.15−7.22(m、1H)、3.34−3.38(t、2H)、3.29(s、3H)、2.77−2.81(t、2H)、1.44−1.68(m、16H)、1.28−1.41(m、4H)、1.06−1.24(m、4H)、0.89−0.93(t、9H)
FD−MS;617(M)
(工程S1−5:化合物(C11)の合成)
攪拌装置を備えた容量100mLのガラス製反応容器に、化合物(C11−a)4.9g(7.86mmol)、化合物(C10)であるジブロモベンゾビスチアジアゾール693.5mg(1.97mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)414.8mg(0.59mmol)、及び脱水トルエン31mLを加え、内温約100℃で7時間反応させた。反応液を濃縮しメチルアルコールを加え沈殿物を濾取することにより粗体1.5gを得た。得られた粗体をソックスレー抽出(トルエン)し抽出液を−26℃まで冷却、再結晶することを繰り返すことにより、暗緑色粉末として化合物(C11)を443mg得た。
化合物(C11)の物性値は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz;CDCl;δ(ppm));8.92(d、2H)、7.61−7.68(m、6H)、7.50(d、2H)、3.42−3.45(t、4H)、3.37(s、6H)、2.84−2.88(t、4H)、1.66−1.80(m、8H)、1.51−1.59(m、4H)
FD−MS;846(M)
熱重量減少分析の結果、化合物(C11)の分解開始温度が334℃であり、示差走査熱量分析の結果、融点が244℃であった。本結果により、化合物(C11)は熱的に極めて安定な化合物であることが分かった。
(化合物(C11)の溶解性評価)
化合物(C11)の溶解性を評価したところ、以下の結果を得た。
0.3wt%の化合物(C11)が室温(25℃)でクロロホルムに完全に溶解した。
0.1wt%の化合物(C11)が60℃でトルエンには完全に溶解し、室温放冷後も完全に溶解していた。
0.1wt%の化合物(C11)が60℃でクロロベンゼンに完全に溶解し、室温放冷後も完全に溶解していた。
0.1wt%の化合物(C11)が60℃でアニソールに完全に溶解し、室温放冷後も完全に溶解していた。
0.05wt%の化合物(C11)が室温(25℃)でアニソールに完全に溶解した。
0.1wt%の化合物(C11)が60℃でメシチレンに完全に溶解し、室温放冷後も完全に溶解していた。
0.3wt%の化合物(C11)が室温で1−メチルナフタレンに完全に溶解した。
[実施例S2]
<化合物(C12)の合成>
以下の合成スキームに従い、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体である化合物(C12)を合成した。以下、各工程について説明する。
(工程S2−1:化合物(C12−b)の合成)
攪拌装置を備えた容量200mLのガラス製反応容器に、マグネシウム1.2g(49.5mmol)を加え、1−ブロモ−4メトキシブタン5.8mL(45.0mmol)、及び脱水テトラヒドロフラン45mLの混合溶液を滴下しながら加熱還流し、グリニャール試薬を調整した。攪拌装置を備えた容量300mLのガラス製反応容器に、化合物(C11−c)7.88g(30.0mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル2.46g(6.0mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム1.37g(1.5mmol)、及び脱水テトラヒドロフラン105mLを加え、内温−30℃を保ちながら先に調整したグリニャール試薬を滴下した後、室温で19時間反応させた。テトラヒドロフランを減圧留去後、残渣物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えジエチルエーテルで抽出した後、硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を減圧留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し薄黄色粘調液体として化合物(C12−b)を5.2g得た。
化合物(C12−b)の物性値は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz;CDCl;δ(ppm));7.59−7.62(m、2H)、7.51−7.54(m、1H)、7.42−7.43(dd、1H)、7.37−7.39(dd、1H)、7.11−7.14(dd、1H)、3.38−3.41(t、2H)、3.30(s、3H)、2.80−2.82(t、2H)、1.63−1.76(m、4H)
EI−MS;314(M)
(工程S2−2:化合物(C12−a)の合成)
攪拌装置を備えた容量250mLのガラス製反応容器に、化合物(C12−b)6.4g(20.4mmol)、及び脱水テトラヒドロフラン101mLを加え、内温−73℃を保ちながら1.6規定のノルマルブチルリチウム−ヘキサン溶液を14.5mL加え、同温度で1時間攪拌した後、同温度でトリブチルスズクロリド6.1mL(22.4mmol)を加えて室温まで昇温し1時間攪拌した。メタノールを加えクエンチした後、溶媒を留去した。得られた反応粗生成物にヘキサンを加えシリカゲル50NH2を用いたカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)によって精製することにより、黄色液体として化合物(C12−a)を11.7g得た。
化合物(C12−a)の物性値は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz;CDCl;δ(ppm));7.58−7.60(m、2H)、7.51−7.54(m、2H)、7.15−7.22(m、1H)、3.38−3.41(t、2H)、3.30(s、3H)、2.79−2.83(t、2H)、1.46−1.74(m、12H)、1.24−1.41(m、6H)、1.06−1.17(m、4H)、0.87−0.93(t、9H)
FD−MS;603(M)
(工程S2−3:化合物(C12)の合成)
攪拌装置を備えた容量250mLのガラス製反応容器に、化合物(C12−a)11.6g(19.2mmol)、ジブロモベンゾビスチアジアゾール1.69g(4.8mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)1.01g(1.44mmol)、及び脱水トルエン77mLを加え、内温約100℃で7時間反応させた。反応液を濃縮しメチルアルコールを加え沈殿物を濾取することにより粗体4.0gを得た。得られた粗体をソックスレー抽出(トルエン)し抽出液を−26℃まで冷却、再結晶することを繰り返すことにより、暗緑色粉末として化合物(C12)を974mg得た。
化合物(C12)の物性値は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz;CCl;δ(ppm));9.26(d、2H)、7.98(s、2H)、7.76−7.84(m、6H)、3.55−3.58(t、4H)、3.47(s、6H)、3.07−3.11(t、4H)、1.98−2.05(m、4H)、1.85−1.92(m、4H)
FD−MS;818(M)
熱重量減少分析の結果、化合物(C12)の分解開始温度が336℃であり、示差走査熱量分析の結果、融点が256℃であった。本結果により、化合物(C12)は熱的に極めて安定な化合物であることが分かった。
(化合物(C12)の溶解性評価)
化合物(C12)の溶解性を評価したところ、以下の結果を得た。
0.1wt%の化合物(C12)が60℃でクロロホルムに完全に溶解し、室温放冷後も完全に溶解していた。
0.3wt%の化合物(C12)が室温で1−メチルナフタレンに完全に溶解した。
0.02wt%の化合物(C12)が室温(25℃)でアニソールに完全に溶解した。
0.05wt%の化合物(C12)が60℃でアニソールに完全に溶解し、室温放冷後も完全に溶解していた。
[実施例S3]
<化合物(C13)の合成>
(工程S3−1:化合物(C13−b)の合成)
攪拌装置を備えた容量50mLのガラス製反応容器に、リン酸カリウム2.65g(12.5mmol)、化合物(C11−c)1.31g(5.0mmol)、ヘキシルボロン酸974.9mg(7.5mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル410.5mg(1.0mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム228.9mg(0.25mmol)、及び脱水トルエン15mLを加え、80℃で15時間反応させた。反応物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えジエチルエーテルで抽出した後、硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を減圧留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し白色固体として化合物(C13−b)を1.53g得た。
化合物(C13−b)の物性値は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz;CDCl;δ(ppm));7.58−7.65(m、2H)、7.51−7.53(m、1H)、7.42−7.44(dd、1H)、7.37−7.40(dd、1H)、7.11−7.14(dd、1H)、2.77−2.81(t、2H)、1.61−1.69(m、2H)、1.31−1.46(m、6H)、0.88−0.93(t、3H)
EI−MS;312(M)
(工程S3−2:化合物(C13−a)の合成)
攪拌装置を備えた容量50mLのガラス製反応容器に、化合物(C13−b)937.2mg(3.0mmol)、及び脱水テトラヒドロフラン15mLを加え、内温−73℃を保ちながら1.6規定のノルマルブチルリチウム−ヘキサン溶液を2.1mL加え、同温度で1時間攪拌した後、同温度でトリブチルスズクロリド0.9mL(3.3mmol)を加えて室温まで昇温し1時間攪拌した。メタノールを加えクエンチした後、溶媒を留去した。得られた反応粗生成物にヘキサンを加えシリカゲル50NH2を用いたカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)によって精製することにより、無色透明液体として化合物(C13−a)を1.73g得た。
化合物(C13−a)の物性値は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz;CDCl;δ(ppm));7.58−7.60(m、2H)、7.51−7.53(m、2H)、7.15−7.22(m、1H)、2.76−2.80(t、2H)、1.56−1.67(m、6H)、1.27−1.52(m、16H)、1.13−1.17(m、4H)、0.88−0.93(m、12H)
FD−MS;601(M)
(工程S3−3:化合物(C13)の合成)
攪拌装置を備えた容量50mLのガラス製反応容器に、化合物(C13−a)1.31g(2.17mmol)、化合物(C11−a)1.34g(2.17mmol)、ジブロモベンゾビスチアジアゾール763.9mg(2.17mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル533.7mg(1.3mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム298.5mg(0.33mmol)、及び脱水トルエン17mLを加え、内温約90℃で7時間反応させた。反応液を濃縮しメチルアルコールを加え沈殿物を濾取することにより粗体1.75gを得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン)によって精製することにより、暗緑色粉末として化合物(C13)を355.7mg得た。
化合物(C13)の物性値は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz;CDCl;δ(ppm));8.88(d、2H)、7.58−7.65(m、6H)、7.46(d、2H)、3.40−3.43(t、2H)、3.35(s、3H)、2.81−2.86(m、4H)、1.35−1.78(m、14H)、0.91−0.95(t、3H)
FD−MS;830(M)
熱重量減少分析の結果、化合物(C13)の分解開始温度が349℃であり、示差走査熱量分析の結果、融点が160℃であった。本結果により、化合物(C13)は熱的に極めて安定な化合物であることが分かった。
(化合物(C13)の溶解性評価)
化合物(C13)の溶解性を評価したところ、以下の結果を得た。
0.1wt%の化合物(C13)が室温(25℃)でクロロホルムに完全に溶解した。
0.1wt%の化合物(C13)が室温でトルエンに完全に溶解した。
0.1wt%の化合物(C13)が室温でクロロベンゼンに完全に溶解した。
0.1wt%の化合物(C13)が室温でメシチレンに完全に溶解した。
0.3wt%の化合物(C13)が室温で1−メチルナフタレンに完全に溶解した。
0.02wt%の化合物(C13)が室温でアニソールに完全に溶解した。
0.05wt%の化合物(C13)が60℃でアニソールに完全に溶解し、室温放冷後も完全に溶解していた。
<実施例S4>
[化合物(C14)の合成]
以下の合成スキームに従い、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体である化合物(C14)を合成した。以下、各工程について説明する。
(工程S4−1:化合物(C14−e)の合成)
攪拌装置を備えた容量200mLのガラス製反応容器に、4−ブロモ−2−ヨード−1−(トリフルオロメチル)ベンゼン3.51g(10.0mmol)、脱水テトラヒドロフラン67mL、ジイソプロピルアミン8.4mL(60.0mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)701.9mg(1.0mmol)、及びヨウ化銅(I)190.5mg(1.0mmol)を加え、内温−30℃を保ちながら、3−ブチン−1−オール832μL(11.0mmol)を加えた後、室温で19時間反応させた。溶媒を減圧留去し、得られた反応粗生成物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えジエチルエーテルで抽出後、硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を減圧留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:2)で精製し薄黄色固体として化合物(C14−e)を2.5g得た。
化合物(C14−e)の物性値は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz;CDCl;δ(ppm));7.73(s、1H)、7.56−7.49(m、2H)、3.83−3.75(m、2H)、2.73−2.69(t、2H)、1.85−1.82(t、1H)
EI−MS;292(M+)
(工程S4−2:化合物(C14−d)の合成)
攪拌装置を備えた容量250mLのガラス製反応容器に、化合物(C14−e)2.5g(8.53mmol)、炭酸ナトリウム9.04g(85.3mmol)、2−チオフェンボロン酸2.73g(21.33mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム984.6mg(0.853mmol)、脱水トルエン57mL、及び脱水エチルアルコール28.5mLを加え、80℃で16時間反応させた。溶媒を減圧留去し、得られた反応粗生成物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出後、硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を減圧留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)で精製し茶色固体として化合物(C14−d)を2.5g得た。
化合物(C14−d)の物性値は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz;CDCl;δ(ppm));7.81(s、1H)、7.63−7.62(m、2H)、7.44−7.40(m、2H)、7.14−7.12(m、1H)、3.84−3.79(m、2H)、2.76−2.69(t、2H)、1.90−1.87(t、1H)
EI−MS;296(M+)
(工程S4−3:化合物(C14−c)の合成)
攪拌装置を備えた容量100mLのガラス製反応容器に、化合物(C14−d)2.5g(8.4mmol)、酢酸エチル36mL、エチルアルコール20mL、及び10%パラジウムカーボン840mgを加え、水素圧1気圧下、室温で72時間反応させた後、10%パラジウムカーボン840mgを追加し室温で更に47時間反応させた。パラジウムカーボンを濾別後、溶媒を減圧留去し、得られた反応粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)で精製し白色固体として化合物(C14−c)を2.02g得た。
化合物(C14−c)の物性値は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz;CDCl;δ(ppm));7.63−7.52(m、3H)、7.43−7.37(m、2H)、7.14−7.11(m、1H)、3.68−3.63(m、2H)、2.85−2.81(t、2H)、1.77−1.63(m、4H)、1.34−1.32(t、1H)
EI−MS;300(M+)
(工程S4−4:化合物(C14−b)の合成)
攪拌装置を備えた容量50mLのガラス製反応容器に、化合物(C14−c)1.51g(5.03mmol)、脱水テトラヒドロフラン25mL、及び60%水素化ナトリウム341.9mg(8.55mmol)を加え、50℃で7時間反応させた後、1−ブロモプロパン1.37mL(15.1mmol)加え、50℃で36時間反応させた。メタノールを加えクエンチした後、溶媒を留去し、得られた反応粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製し薄黄色液体として化合物(C14−b)を1.3g得た。
化合物(C14−b)の物性値は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz;CDCl;δ(ppm));7.62−7.51(m、3H)、7.43−7.37(m、2H)、7.14−7.11(m、1H)、3.47−3.42(t、2H)、3.36−3.33(t、2H)、2.84−2.80(t、2H)、1.76−1.51(m、6H)、0.92−0.88(t、3H)
EI−MS;342(M+)
(工程S4−5:化合物(C14−a)の合成)
攪拌装置を備えた容量50mLのガラス製反応容器に、化合物(C14−b)1.27g(3.71mmol)、及び脱水テトラヒドロフラン19mLを加え、内温−73℃を保ちながら1.6規定のノルマルブチルリチウム−ヘキサン溶液を2.6mL加え、同温度で1時間攪拌した後、同温度でトリブチルスズクロリド1.1mL(4.1mmol)を加えて室温まで昇温し1時間攪拌した。メタノールを加えクエンチした後、溶媒を留去した。得られた反応粗生成物にヘキサンを加えシリカゲル50NH2を用いたカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)によって精製することにより、薄黄色液体として化合物(C14−a)を2.19g得た。
化合物(C14−a)の物性値は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz;CDCl;δ(ppm));7.60−7.51(m、4H)、7.21−7.15(m、1H)、3.45−3.42(t、2H)、3.36−3.33(t、2H)、2.83−2.80(t、2H)、1.75−1.51(m、12H)、1.41−1.31(m、6H)、1.17−1.13(m、6H)、0.93−0.88(m、12H)
FD−MS;631(M)
(工程S4−5:化合物(C14)の合成)
攪拌装置を備えた容量50mLのガラス製反応容器に、化合物(C14−a)を3.4g(5.4mmol)、ジブロモベンゾビスチアジアゾール475.2mg(1.35mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)を284.3mg(0.41mmol)及び脱水トルエン22mLを加え、内温約100℃で7時間反応させた。反応液を濃縮しメチルアルコールを加え沈殿物を濾取することにより粗体1.0gを得た。得られた粗体をソックスレー抽出(トルエン)し抽出液を−26℃まで冷却、再結晶することを繰り返すことにより、暗緑色粉末として化合物(C14)を637mg得た。
化合物(C14)の物性値は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz;CDCl;δ(ppm));8.91(d、2H)、7.68−7.61(m、6H)、7.49(d、2H)、3.51−3.48(t、4H)、3.42−3.38(t、4H)、2.88−2.35(t、4H)、1.84−1.57(m、12H)、1.96−1.92(t、6H)
FD−MS;875(M)
熱重量減少分析の結果、化合物(C14)の分解開始温度が332℃であり、示差走査熱量分析の結果、融点が229℃でかつ室温から融点までに相転移などに起因するピークを示さなかった。
本結果により、化合物(C14)は熱的に極めて安定な化合物であることが分かった。
(化合物(C14)の溶解性評価)
化合物(C14)の溶解性を評価したところ、室温(25℃)で0.3wt% の化合物(C14)がクロロホルムに完全に溶解した。
0.3wt%の化合物(C14)がクロロベンゼンに室温(25℃)で完全に溶解した。
0.1wt%の化合物(C14)がメシチレンに室温(25℃)で完全に溶解した。また、0.3wt%の化合物(C14)がメシチレンに60℃で完全に溶解し、室温放冷後も完全に溶解していた。
0.1wt%の化合物(C14)がトルエンに室温(25℃)で完全に溶解した。また、0.3wt%の化合物(C14)がトルエンに60℃で完全に溶解し、室温放冷後も完全に溶解していた。
0.3wt%の化合物(C14)が1−メチルナフタレンに室温(25℃)で完全に溶解した。
0.05wt%の化合物(C14)がアニソールに室温(25℃)で完全に溶解した。また、0.1wt%の化合物(C14)がアニソールに60℃で完全に溶解し、室温放冷後も完全に溶解していた。また、0.2wt%の化合物(C14)がアニソールに60℃で完全に溶解し、室温放冷後も完全に溶解していた。
[比較例R1]
<化合物(C21)の溶解性評価>
化合物(C21)は、前記特許文献2の実施例10と同様の方法により合成した。
化合物(C21)の溶解性を評価したところ、以下の結果を得た。
0.1wt%の化合物(C21)が80℃加温でクロロホルムに完全に溶解したが、室温(25℃)放冷後に析出物を生じていた。
0.1wt%の化合物(C21)が60℃でトルエンに完全に溶解したが、室温放冷後に析出物を生じていた。
0.1wt%の化合物(C21)が80℃でアニソールに完全に溶解したが、室温放冷後に析出物を生じていた。
0.005wt%の化合物(C21)が室温(25℃)でアニソールに完全に溶解したが、0.01wt%では60℃まで加熱しなければ溶解せず、室温放冷後に析出物を生じていた。0.05wt%の化合物(C21)がアニソール中で60℃まで加熱しなければ溶解せず、室温(25℃)放冷後に析出物を生じていた。
0.1wt%の化合物(C21)が80℃でメシチレンに完全に溶解したが、室温放冷後に析出物を生じていた。
0.3wt%の化合物(C21)が80℃で1−メチルナフタレンに完全に溶解したが、室温放冷後に析出物を生じていた。
[比較例R2]
<化合物(C22)の溶解性評価>
化合物(C22)は、前記特許文献2の実施例24と同様の方法により合成した。
化合物(C22)の溶解性を評価したところ、以下の結果を得た。
0.1wt%の化合物(C22)が60℃でクロロホルムに完全に溶解したが、室温放冷後に析出物を生じていた。
0.1wt%の化合物(C22)が60℃でトルエンには完全に溶解し、室温放冷後も完全に溶解していた。
0.1wt%の化合物(C22)が60℃でアニソールに完全に溶解したが、室温放冷後に析出物を生じていた。また、0.02wt%の化合物(C22)が室温(25℃)でアニソールに完全に溶解したが、0.05wt%では60℃まで加熱しなければ溶解せず、室温放冷後に析出物を生じていた。
0.3wt%の化合物(C22)が加熱無く室温では溶解しなかったが、60℃まで加熱するとで1−メチルナフタレンに完全に溶解した。室温放冷後も完全に溶解していた。
[比較例R3]
<化合物(C23)の溶解性評価>
化合物(C23)は、前記特許文献2の実施例27と同様の方法により合成した。
化合物(C23)の溶解性を評価したところ、以下の結果を得た。
0.1wt%の化合物(C23)が60℃でクロロホルムに完全に溶解したが、室温放冷後に析出物を生じていた。
0.3wt%の化合物(C23)が60℃でトルエンに完全に溶解したが、室温放冷後に析出物を生じていた。また、0.1wt%の化合物(C23)が60℃でトルエンに完全に溶解したが、室温放冷後に析出物を生じていた。
0.1wt%の化合物(C23)が80℃でアニソールに完全に溶解したが、室温放冷後に析出物を生じていた。また、0.05wt%の化合物(C23)が80℃でアニソールに完全に溶解したが、室温放冷後に析出物を生じていた。0.005wt%の化合物(C23)が60℃でアニソールに完全に溶解したが、室温放冷後に析出物を生じていた。
0.3wt%の化合物(C23)が60℃でメシチレンに完全に溶解したが、室温放冷後に析出物を生じていた。
0.3wt%の化合物(C23)が60℃で1−メチルナフタレンに完全に溶解したが、室温放冷後に析出物を生じていた。
[実施例E−1a]
実施例S1で得られた化合物(C11)を用いて、「ベア基板」上に窒素雰囲気下でスピンコート法により塗布して有機半導体層を形成し、さらにソース電極及びドレイン電極を上述の通り形成して有機TFTを作製し、評価を行った。なお、有機半導体層の作製条件は以下の通りである。
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C11)をクロロホルムに濃度0.1wt%となるように加え、室温で溶解し調製した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを窒素雰囲気下で「ベア基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「ベア基板」を窒素雰囲気下で150℃で35分間加熱した。
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTについて、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示し、一方、p型の半導体特性は示さなかった。
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「ベア基板」上の化合物(C11)の有機TFTでは、5.0×10−2cm/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
[実施例E−1b]
実施例S1で得られた化合物(C11)を用いて、「PVP基板」上に窒素雰囲気下でスピンコート法により塗布して有機半導体層を形成し、さらにソース電極及びドレイン電極を上述の通り形成して有機TFTを作製し、評価を行った。なお、有機半導体層の作製条件は以下の通りである。
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C11)をクロロホルムに濃度0.1wt%となるように加え、室温で溶解し調製した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを窒素雰囲気下で「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を窒素雰囲気下で180℃で35分間加熱した。
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTについて、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示し、一方、p型の半導体特性は示さなかった。得られた伝達特性を図8に示す。図8の横軸はゲート電圧(V)、縦軸はドレイン電流(A)である。灰色塗りのまるがつけられた曲線がforeであり、白抜きのまるがつけられた曲線がbackである。
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C11)の有機TFTでは、1.8×10−1cm/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
<実施例E−2a>
実施例S−2で得られた化合物(C12)を用いて、「ベア基板」上に窒素雰囲気下でスピンコート法により塗布して有機半導体層を形成し、さらにソース電極及びドレイン電極を上述の通り形成して有機TFTを作製し、評価を行った。なお、有機半導体層の作製条件は以下の通りである。
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C12)をクロロホルムに濃度0.1wt%となるように加え、室温で溶解し調製した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを窒素雰囲気下で「ベア基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「ベア基板」を窒素雰囲気下で180℃で35分間加熱した。
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTについて、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示し、一方、p型の半導体特性は示さなかった。
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「ベア基板」上の化合物(C12)の有機TFTでは、1.5×10−2cm/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
<実施例E−2b>
実施例S−2で得られた化合物(C12)を用いて、「PVP基板」上に窒素雰囲気下でスピンコート法により塗布して有機半導体層を形成し、さらにソース電極及びドレイン電極を上述の通り形成して有機TFTを作製し、評価を行った。なお、有機半導体層の作製条件は以下の通りである。
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C12)をクロロホルムに濃度0.1wt%となるように加え、室温で溶解し調製した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを窒素雰囲気下で「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を窒素雰囲気下で180℃で35分間加熱した。
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTについて、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示し、一方、p型の半導体特性は示さなかった。
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C12)の有機TFTでは、6.4×10−2cm/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
<実施例E−3a>
実施例S−3で得られた化合物(C13)を用いて、「ベア基板」上に窒素雰囲気下でスピンコート法により塗布して有機半導体層を形成し、さらにソース電極及びドレイン電極を上述の通り形成して有機TFTを作製し、評価を行った。なお、有機半導体層の作製条件は以下の通りである。
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C13)をクロロホルムに濃度0.1wt%となるように加え、室温で溶解し調製した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを窒素雰囲気下で「ベア基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「ベア基板」を窒素雰囲気下で180℃で35分間加熱した。
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTについて、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示し、一方、p型の半導体特性は示さなかった。
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「ベア基板」上の化合物(C13)の有機TFTでは、9.8×10−2cm/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
<実施例E−3b>
実施例S−3で得られた化合物(C13)を用いて、「PVP基板」上に窒素雰囲気下でスピンコート法により塗布して有機半導体層を形成し、さらにソース電極及びドレイン電極を上述の通り形成して有機TFTを作製し、評価を行った。なお、有機半導体層の作製条件は以下の通りである。
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C13)をクロロホルムに濃度0.1wt%となるように加え、室温で溶解し調製した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを窒素雰囲気下で「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を窒素雰囲気下で180℃で35分間加熱した。
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTについて、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示し、一方、p型の半導体特性は示さなかった。
得られた伝達特性を図9に示す。図9の横軸はゲート電圧(V)、縦軸はドレイン電流(A)である。灰色塗りのまるがつけられた曲線がforeであり、白抜きのまるがつけられた曲線がbackである。
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C13)の有機TFTでは、4.2×10−1cm/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
<実施例E−4a>
実施例S−4で得られた化合物(C14)を用いて、「ベア基板」上に窒素雰囲気下でスピンコート法により塗布して有機半導体層を形成し、さらにソース電極及びドレイン電極を上述の通り形成して有機TFTを作製し、評価を行った。なお、有機半導体層の作製条件は以下の通りである。
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C14)をクロロホルムに濃度0.1wt%となるように加え、室温で溶解し調製した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを窒素雰囲気下で「ベア基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「ベア基板」を窒素雰囲気下で180℃で35分間加熱した。
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTについて、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示し、一方、p型の半導体特性は示さなかった。
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「ベア基板」上の化合物(C14)の有機TFTでは、7.2×10−3cm/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
<実施例E−4b>
実施例S−4で得られた化合物(C14)を用いて、「PVP基板」上に窒素雰囲気下でスピンコート法により塗布して有機半導体層を形成し、さらにソース電極及びドレイン電極を上述の通り形成して有機TFTを作製し、評価を行った。なお、有機半導体層の作製条件は以下の通りである。
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C14)をクロロホルムに濃度0.1wt%となるように加え、室温で溶解し調製した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを窒素雰囲気下で「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を窒素雰囲気下で150℃で35分間加熱した。
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTについて、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示し、一方、p型の半導体特性は示さなかった。
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C14)の有機TFTでは、1.8×10−1cm/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
以上の結果から、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、高い電界効果移動度を示すことが分かった。
本発明により、電子の移動度(電界効果移動度)に優れ、大気中での安定性にも優れ、しかも、通常有機溶媒に可溶で、塗布による薄膜形成が可能であるベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を提供することができる。特に、これまでn型の有機半導体材料は、有機溶媒に可溶のものでも、ハロゲン化芳香族炭化水素類やハロゲン化脂肪族炭化水素類にしか溶解しないものが多いことが知られていたが、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、芳香族炭化水素類にも可溶である。
これら有機エレクトロニクスデバイスの製造過程においては、有機半導体の薄膜の製造工程が含まれており、その薄膜製造には有機半導体インクを用いた各種印刷法を適用することができる。室温で析出物を生じることがない有機半導体インクは、析出を防ぐための特段の保温設備などを必要とせず、製造工程管理も容易になるため、産業利用上極めて好適である。
また、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、熱的に安定である上、高い電界効果移動度を有しているので、この化合物を有機TFTの半導体層に用いることで高い電界効果移動度特性が実現できる。また、この化合物を有機EL素子の、特に電子輸送層に用いることで、高い発光効率が実現できる。さらに、この化合物を有機薄膜太陽電池の電荷分離層や電子輸送層に用いることで、高い光電変換効率が実現できる。
また、本発明の有機TFTと、本発明の有機EL素子又はそれと他の有機EL素子とを組み合わせてなる画素素子を配列した表示デバイスは発光効率に優れ、かつ応答性にも優れるという利点を有している。また、本発明の有機TFTは、RFIDタグやセンサーを作動させる有機TFTとして好適に用いることができる。
11,21,31,111 基板
12,106 ゲート電極
13,107 ゲート絶縁層
14,110 ドレイン電極
15,109 ソース電極
16,108 有機半導体層
22,105 陽極
23,104 正孔輸送層
24,103 発光層
25,102 電子輸送層
26,101 陰極
112 バリア層
113 保護層
120 有機EL素子
121 有機TFT
32 陽極
33 電荷分離層
34 陰極
41 電極 高温側
42 n型半導体を含む熱電変換層
43 p型半導体を含む熱電変換層
44 電極 放熱側
45 電極 放熱側
46 導線
47 外部負荷回路
51 電極 吸熱側
52 n型半導体を含む熱電変換層
53 p型半導体を含む熱電変換層
54 電極 放熱側
55 電極 放熱側
56 導線
57 直流電源

Claims (22)

  1. 下記一般式(1)で示されるベンゾビス(チアジアゾール)誘導体であって、R、R、R及びRのうち少なくとも一つは下記グループBから選ばれる基である、ベンゾビス(チアジアゾール)誘導体。
    (R、R、R及びRは、それぞれグループA、B及びCからなる群から選ばれる少なくとも1種の基である。また、グループAはトリフルオロメチル基、シアノ基及びトリフルオロメトキシ基からなる群である。グループBは、下記式(2)で示される基及び下記式(3)で示される基からなる群である。グループCは下記式(4)で示される基からなる群である。)
    (式中、mは1〜20の整数、nは0〜20の整数を示し、波線は前記式(1)中のベンゼン環との結合を示す。メチレン炭素上の水素原子は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基に置換していてもよい。)
    (式中、mは1〜20の整数、nは0〜20の整数を示し、波線は前記式(1)中のベンゼン環との結合を示す。Phはフェニル基を示す。)
    (式中、nは0〜20の整数を示し、波線は前記式(1)中のベンゼン環との結合を示す。)
  2. 前記式(1)において、R及びRがグループAから選ばれる基であり、R及びRがグループBから選ばれる基である、請求項1に記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体。
  3. 前記式(1)において、R及びRがグループAから選ばれる基であり、RがグループBから選ばれる基であり、RがグループCから選ばれる基である、請求項1に記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体。
  4. 前記式(1)において、R及びRがグループBから選ばれる基であり、R及びRがグループAから選ばれる基である、請求項1に記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体。
  5. 前記式(1)において、RがグループBから選ばれる基であり、RがグループCから選ばれる基であり、R及びRがグループAから選ばれる基である、請求項1に記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体。
  6. 及びR、並びに/又はR及びRが同一の基である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体。
  7. グループAがトリフルオロメチル基及びシアノ基からなる郡である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体。
  8. 及びmが1〜6の整数であり、n及びnが0〜3の整数であり、nが0〜8の整数である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む有機半導体インク。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む有機層を備える、有機エレクトロニクスデバイス。
  11. 基板上に、ゲート電極と、ゲート絶縁層と、有機半導体層と、ソース電極及びドレイン電極とを有し、
    前記有機半導体層が、請求項1〜8のいずれか一項に記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む、有機薄膜トランジスタ。
  12. 基板上に、陽極と、発光層と、正孔輸送層及び/又は電子輸送層と、陰極とを有し、
    前記正孔輸送層及び/又は前記電子輸送層が、請求項1〜8のいずれか一項に記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む、有機エレクトロルミネッセンス素子。
  13. 有機薄膜トランジスタを用いて有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動・点灯を行う表示デバイスであって、
    前記有機薄膜トランジスタが請求項11に記載の有機薄膜トランジスタであること、及び/又は前記有機エレクトロルミネッセンス素子が請求項12に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子であることを備える、表示デバイス。
  14. 有機薄膜トランジスタと、有機エレクトロルミネッセンス素子とを備える画素素子が、マトリックス状に配置されていて、
    前記有機薄膜トランジスタが請求項11に記載の有機薄膜トランジスタであること、及び/又は前記有機エレクトロルミネッセンス素子が請求項12に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子であることを備える、アクティブマトリックス方式の表示デバイス。
  15. 基板上に、陽極と、正孔輸送材料及び電子輸送材料を含む電荷分離層と、陰極とを有し、
    前記電荷分離層が、請求項1〜8のいずれか一項に記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む、有機薄膜太陽電池。
  16. 基板上に、陽極と、正孔輸送材料及び電子輸送材料を含む電荷分離層と、正孔輸送層及び/又は電子輸送層と、陰極とを有し、
    前記正孔輸送層及び/又は前記電子輸送層が、請求項1〜8のいずれか一項に記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む、有機薄膜太陽電池。
  17. 有機薄膜トランジスタを用いて作動するRFIDタグであって、
    前記有機薄膜トランジスタが、請求項11に記載の有機薄膜トランジスタである、RFIDタグ。
  18. 有機薄膜トランジスタを用いて作動するセンサーであって、
    前記有機薄膜トランジスタが、請求項11に記載の有機薄膜トランジスタである、センサー。
  19. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体を含む、熱伝変換材料。
  20. 熱電変換層が独立したn型半導体を含む層とp型半導体を含む層から成り、n型半導体を含む層とp型半導体を含む層の一端が電極により接続され、n型半導体を含む層とp型半導体を含む層の他端が、独立した電流取出し電極で構成される双極型熱電変換素子であって、
    n型半導体を含む層が、請求項19に記載の熱電変換材料を含む、熱電変換素子。
  21. 請求項20に記載の熱電変換素子を用いた熱電変換用装置。
  22. さらに基板を備え、可撓性基板であることを特徴とする請求項10に記載の有機エレクトロニクスデバイス、前記基板が請求項11に記載の有機薄膜トランジスタ、請求項12記載の有機エレクトロルミネッセンス素子、請求項13もしくは14に記載の表示デバイス、請求項15もしくは16に記載の有機薄膜太陽電池、請求項17に記載のRFIDタグ、請求項18に記載のセンサー、請求項20に記載の熱伝変換素子、又は請求項21に記載の熱電変換用装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115141213A (zh) * 2021-03-31 2022-10-04 复旦大学 一类能产生拉曼光谱信号的有机化合物及其制剂

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