JP2017024991A - 抗カドヘリン17抗体及び胃がん体外イメージング剤 - Google Patents

抗カドヘリン17抗体及び胃がん体外イメージング剤 Download PDF

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隆雄 浜窪
宏子 岩成
Hiroko Iwanari
宏子 岩成
敏光 百瀬
Toshimitsu Momose
敏光 百瀬
桂太郎 古山
Keitaro Koyama
桂太郎 古山
健太郎 藤原
Kentaro Fujiwara
健太郎 藤原
浩平 津本
Kohei Tsumoto
浩平 津本
新井 修
Osamu Arai
修 新井
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暁 長門石
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【課題】胃がんに特異的であり、胃がん組織集積性が高い抗カドヘリン抗体及びそれを用いた診断薬及び治療薬の提供。【解決手段】重鎖が下記(a)〜(c)であり、軽鎖が下記(d)〜(f)である抗カドヘリン17抗体又はその改変体。(a)特定のアミノ酸配列を有する重鎖CDRを有する重鎖、(b)特定のアミノ酸配列の1〜数個のアミノ酸が欠失、置換、及び/又は付加された重鎖CDRを有する重鎖、(c)特定のアミノ酸配列と90%以上の同一性を有する重鎖CDRを有する重鎖、(d)他の特定のアミノ酸配列を有する軽鎖CDRを有する軽鎖、(e)他の特定のアミノ酸配列において21から数個のアミノ酸が欠失、置換、及び/又は付加された軽鎖CDRを有する軽鎖、(f)他の特定のアミノ酸配列と90%以上の同一性を有する軽鎖CDRを有する軽鎖。【選択図】なし

Description

本発明は、胃がん細胞に特異的な抗カドヘリン17抗体及びこれを用いた胃がん診断薬に関する。
胃がんは、我が国で最も多いがんであり、その死亡率も肺がんに次いで2番目に高い。胃がんの治療法は、原則外科的手術であり、内視鏡での早期がんの切除、腹腔鏡での手術も行われているものの、基本的には広範な切除が行われており、患者への負担は大きい。胃がんの切除術では、がん組織自体の切除に加えて、転移の可能性もありリンパ節も切除する必要がある。
しかしながら、胃がんの切除術においては、術中に胃組織が大きく移動し、脂肪組織中の胃がん組織の発見は容易ではない。さらに、転移可能性のあるリンパ節の発見も困難である場合が多い。従って、手術前及び手術中における胃がん部位及び転移部位の特定は、手術時間の短縮、患者への負担軽減の点から極めて重要である。
胃がん部位の特定手段として、がんのグルコース代謝を利用して18F−FDG(フルオロデオキシグルコース)を用いたPETイメージングによりリンパ節転移を診断する検査が広く行われている。
一方、モノクローナル抗体を用いたがん治療は、21世紀にはいって遺伝子工学によるヒト化や改変抗体などの技術の進歩とあいまって、有効な治療法として受け入れられるようになった。がん表面抗原をターゲットとする抗体は特異性が高く、バイオ医薬品として有効な親和性を有している。抗体を用いた診断技術としては、ハーセプチンにPET核種を付与したプローブにより、転移巣のイメージングが有効であることが報告されている(非特許文献1)。イメージングによりがんへの集積がみられれば、治療核種(β線核種あるいはα線核種)による放射線内用療法(RIT)の適応も考えられる。これまで、抗体を用いた診断は、セバリンによる悪性リンパ腫のRITを行う術前診断として、骨髄抑制などの副作用の診断として用いられるものが一般的であり、がんの診断目的で使用されるものは抗CEA抗体のFmb化したものなどがあるが、有効な診断法として一般化されていない。
また、カドヘリン(Cadherin)は、細胞表面に発現するCa2+依存的な接着分子である。当該カドヘリンには、Eカドヘリン、Nカドヘリン、Pカドヘリン(CDH3)等のクラシックカドヘリンの他にプロトカドヘリン、デスモソームカドヘリン等が知られている。これらのカドヘリンは、ホモフィリックに結合し、アドヘレンス・ジャンクションを形成し、細胞内のカテニンを介して細胞内骨格系(アクチン繊維)に連結することが知られており、このような機序により細胞接着を司っていると考えられる。
またカドヘリンは細胞接着以外に、胚発生、形態形成、シナプス形成、シナプス可塑性、さらには癌の浸潤、転移にも関与しているといわれている。従って、抗カドヘリン抗体は、癌治療に有用であることが報告されている(特許文献1〜3)。
特表2005−522982号公報 特表2008−538909号公報 特表2009−528257号公報
Breast Cancer, 28 April 2015, DOI 10. 1007/s 12282-015-0613-z
しかしながら、従来の抗カドヘリン抗体の癌治療効果は十分とは言えず、また診断薬としても十分なものとは言えなかった。
従って、本発明の課題は、胃がんに特異的であり、胃がん組織集積性が高い抗カドヘリン抗体並びにそれを用いた診断薬及び治療薬を提供することにある。
そこで本発明者は、数多くの抗カドヘリン抗体を作製し、その胃がん組織集積性、胃がん特異性を検討してきたところ、特定のCDRを有する抗カドヘリン17抗体が、胃がんに対する特異性が高く、かつ胃がん組織集積性に優れ、当該抗体の放射性金属標識体を用いれば胃がん組織のイメージング及び胃がん治療が可能になることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔5〕を提供するものである。
〔1〕重鎖が下記(a)、(b)又は(c)であり、軽鎖が下記(d)、(e)又は(f)である抗カドヘリン17抗体又はその改変体。
(a)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17及び19から選ばれるアミノ酸配列を有する重鎖CDRを有する重鎖、
(b)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17及び19から選ばれるアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸が欠失、置換、及び/又は付加された重鎖CDRを有する重鎖、
(c)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17及び19から選ばれるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有する重鎖CDRを有する重鎖、
(d)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18及び20から選ばれるアミノ酸配列を有する軽鎖CDRを有する軽鎖、
(e)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18及び20から選ばれるアミノ酸配列において21から数個のアミノ酸が欠失、置換、及び/又は付加された軽鎖CDRを有する軽鎖、
(f)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18及び20から選ばれるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有する軽鎖CDRを有する軽鎖。
〔2〕放射性金属元素が金属キレート試薬を介して〔1〕記載の抗カドヘリン17抗体又はその改変体に結合してなる、放射性金属標識抗カドヘリン17抗体又はその改変体。
〔3〕〔2〕記載の放射性金属標識抗カドヘリン17抗体又はその改変体を有効成分とする胃がん診断薬。
〔4〕胃がん体外イメージング剤である〔3〕記載の診断薬。
〔5〕〔2〕記載の放射性金属標識抗カドヘリン17抗体又はその改変体を有効成分とする胃がん治療薬。
本発明の抗体は、胃がん組織に特異的に結合し、かつ胃がん組織集積性が高いため、胃がん部位を選択的にイメージングでき、また胃がん治療薬としても有用である。
ヒト癌細胞株のカドヘリン17mRNAの発現を示す。 新規に取得した抗カドヘリン17モノクローナル抗体の反応特異性を既存の抗体と比較した結果を示す。 新規に取得した抗カドヘリン17モノクローナル抗体についてDOTA化した場合としない場合の反応性を比較し、DOTA化しても反応性に影響がないことを示す。 新規に取得した抗カドヘリン17モノクローナル抗体を競合法ELISAでエピトープ分類した結果、5種類のエピトープに分類されたことを示す。 64Cu−D2111によるAGS移植マウスのPETイメージングを示す。 各ROIにおける64Cu−D2111の集積率を示す。 AGS腫瘍およびMKN腫瘍における64Cu−D2111の腫瘍−心縦隔比を示す。 64Cu−D2101によるAGS移転マウスのPETイメージングを示す。 各ROIにおける64Cu−D2101の集積率を示す。 AGS腫瘍およびMKN腫瘍における64Cu−D2101の集積率を示す。
本明細書において、アミノ酸、ペプチド、タンパク質は下記に示すIUPAC−IUB生化学命名委員会(CBN)で採用された略語を用いて表される。また、特に断りがない限り、ペプチド及びタンパク質のアミノ酸残基の配列は、左端から右端に向かってN末端からC末端となるように記載される。
Ala又はA:アラニン
Val又はV:バリン
Leu又はL:ロイシン
Ile又はI:イソロイシン
Pro又はP:プロリン
Phe又はF:フェニルアラニン
Trp又はW:トリプトファン
Met又はM:メチオニン
Gly又はG:グリシン
Ser又はS:セリン
Thr又はT:トレオニン
Cys又はC:システイン
Gln又はQ:グルタミン
Asn又はN:アスパラギン
Tyr又はY:チロシン
Lys又はK:リシン
Arg又はR:アルギニン
His又はH:ヒスチジン
Asp又はD:アスパラギン酸
Glu又はE:グルタミン酸
本発明の抗体は、抗カドヘリン17抗体であり、好ましくは抗ヒトカドヘリン17抗体である。当該抗体には、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体が含まれるが、モノクローナル抗体が好ましい。また天然型抗体、遺伝子組み換え技術を用いて製造され得るキメラ抗体、ヒト化抗体、一本鎖抗体、F(ab’)2、F(ab)2、Fab、Fab’、Fv、scFv等が挙げられる。また、抗体の改変体としては、ダイアボディ、バイスペシフィックダイアボディ、ミニボディ、ペプチドボディ、シメティボディ等が挙げられる。
本発明の抗カドヘリン17抗体は、重鎖が下記(a)、(b)又は(c)であり、軽鎖が下記(d)、(e)又は(f)である。
(a)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17及び19から選ばれるアミノ酸配列を有する重鎖CDRを有する重鎖、
(b)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17及び19から選ばれるアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸が欠失、置換、及び/又は付加された重鎖CDRを有する重鎖、
(c)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17及び19から選ばれるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有する重鎖CDRを有する重鎖、
(d)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18及び20から選ばれるアミノ酸配列を有する軽鎖CDRを有する軽鎖、
(e)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18及び20から選ばれるアミノ酸配列において21から数個のアミノ酸が欠失、置換、及び/又は付加された軽鎖CDRを有する軽鎖、
(f)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18及び20から選ばれるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有する軽鎖CDRを有する軽鎖。
前記重鎖及び軽鎖の組み合わせは、配列番号1と2(D2101)、配列番号3と4(D2111)、配列番号5と6(D2005)、配列番号7と8(D2008)、配列番号9と10(D2105)、配列番号11と12(D2106)、配列番号13と14(D2107)、配列番号15と16(D2114)、配列番号17と18(D2025)、配列番号19と20(D2163)である。
このうち、配列番号1と2(D2101)、配列番号3と4(D2111)、配列番号5と6(D2005)、配列番号7と8(D2008)、配列番号9と10(D2105)、配列番号11と12(D2106)、及び配列番号13と14(D2107)がより好ましい。このうち、配列番号1と2の組み合わせ(D2101)、及び配列番号3と4の組み合わせ(D2111)がさらに好ましい。
前記アミノ酸が欠失、置換及び/又は付加される場合(改変)のアミノ酸の改変の個数は1〜数個であるが、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1〜3個である。また、改変されたアミノ酸配列の同一性は、前記各アミノ酸配列と90%以上であるが、92%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。
本発明の抗カドヘリン17抗体は、胃がん、特にヒト胃がん組織に特異的に結合し、かつ胃がん組織への集積性が高い点で、従来の抗カドヘリン17抗体、例えば市販の抗カドヘリン17抗体と明確に相違する。
本発明の抗カドヘリン17抗体は、任意の適当な方法、例えば、インビボ、培養細胞、インビトロ翻訳反応、および組換えDNA発現系により製造することができる。
モノクローナル抗体および抗体産生細胞(ハイブリドーマ)を製造する手法は当該技術分野においてよく知られている(Campbell,“Monoclonal Antibody Technology:Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology”、Elsevier Science Publishers,Amsterdam,The Netherlands,1984;St.Groth et al.、J.Immunol.Methods 35:1−21,1980)。カドヘリン17遺伝子によりコードされる蛋白質またはフラグメントを免疫原として用いて、抗体を生成することが知られている任意の動物(マウス、ウサギ等)に皮下または腹腔内注射することにより免疫することができる。免疫に際してアジュバントを用いてもよく、そのようなアジュバントは当該技術分野においてよく知られている。
ポリクローナル抗体は、免疫した動物から抗体を含有する抗血清を単離し、ELISAアッセイ、ウエスタンブロット分析、またはラジオイムノアッセイ等の当該技術分野においてよく知られる方法を用いて、所望の特異性を有する抗体の存在についてスクリーニングすることにより得ることができる。
モノクローナル抗体は、免疫した動物から脾臓細胞を切除し、ミエローマ細胞と融合させ、モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞を作製することにより得ることができる。ELISAアッセイ、ウエスタンブロット分析、またはラジオイムノアッセイ等の当該技術分野においてよく知られる方法を用いて、目的とする蛋白質またはそのフラグメントを認識する抗体を産生するハイブリドーマ細胞を選択する。所望の抗体を分泌するハイブリドーマをクローニングし、適切な条件下で培養し、分泌された抗体を回収し、当該技術分野においてよく知られる方法、例えばイオン交換カラム、アフィニティークロマトグラフィー等を用いて精製することができる。あるいは、ゼノマウス株を用いてヒト型モノクローナル抗体を製造してもよい(Green,J.Immunol.Methods 231:11−23,1999;Wells,Eek,Chem Biol 2000 Aug;7(8):R185−6を参照)。また、免疫を行わないファージディスプレイに基づいたモノクローナル抗体の作製も現在行われており、本発明のモノクローナル抗体は、単一の抗体産生細胞または、それから得られた抗体をコードするDNAを用いて生産される単一分子種の抗体を示し、前述の方法のいずれで製造されてもかまわない。
モノクローナル抗体をコードするDNAは、慣用な方法(例えば、モノクローナル抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを用いて)により容易に単離、配列決定できる。ハイブリドーマ細胞はこのようなDNAの好ましい出発材料である。一度単離したならば、DNAを発現ベクターに挿入し、E.coli細胞、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞または形質転換されなければ免疫グロブリンを産生しないミエローマ細胞等の宿主細胞へ組換え、組換え宿主細胞からモノクローナル抗体を産生させる。また別の態様として、McCaffertyら(Nature 348:552−554(1990))により記載された技術を用いて製造された抗体ファージライブラリーより抗体、または抗体断片は単離することができる。
モノクローナル抗体発現に使用する宿主細胞系は、哺乳動物起源のものを用いるのが好ましい。発現させたいモノクローナル抗体に最も適する宿主細胞系を選択できる。一般的な宿主細胞系としては、CHO由来細胞株(チャイニーズハムスター卵巣細胞系)、CV1(サル腎臓系)、COS(SV40T抗原をするCV1の誘導体)、SP2/0(マウスミエローマ)、P3x63−Ag3.653(マウスミエローマ)、および293(ヒト腎臓)、293T(SV40T抗原をする293の誘導体)が挙げられるがそれらに限定されない。宿主細胞系は商業施設やthe American Tissue Culture Collection(ATCC)から、または発表された文献の発表機関から入手することができる。
好ましい宿主細胞系はdhfr遺伝子の発現欠損であるCHO由来細胞株かSP2/0のいずれかである。Urland,G.ら、Effect of gamma rays at the dihydrofolate reductase locus:deletions and inversions,Somat.Cell.Mol.Genet.Vol.12,1986,p5555−566、および、Schulman,M.ら、A better cell line for making hybridomas secreting specific antibodies,Nature Vol.276,1978,p269−270をそれぞれ参照のこと。最も好ましくは、宿主細胞系はDHFR欠失CHOである。宿主細胞中へのプラスミドのトランスフェクションは、任意の技術を使って行うことができる。具体的な方法としては、トランスフェクション(リン酸カルシウム法、DEAE法、リポフェクション、およびエレクトロポレーションを含む)、センダイウイルス等のエンベロープを利用してDNAを導入する方法、マイクロインジェクション、およびレトロウイルスウイルスやアデノウイルス等のウイルスベクターを用いた感染が挙げられるがそれらに限定されない。Current Protocols in Molecular Biology,Chapter 9 Introduction of DNA into Mammalian Cells,John Wiley and Sons,Inc.を参照のこと。最も好ましいのは、エレクトロポレーションによる宿主中へのプラスミド導入である。
本発明の抗カドヘリン17抗体の改変体、例えばキメラ抗体、ヒト化抗体、scFv、ダイボディ、ミニボディ等の改変体もそれ自体公知の手段により製造することができる。
本発明の抗カドヘリン17抗体又はその改変体は、前述のように胃がん組織に特異的に結合し、かつ胃がん組織集積性が高いので、胃がん診断薬及び胃がん治療薬として有用である。胃がん診断薬とする場合には、放射性金属標識抗カドヘリン17抗体又はその改変体を用いる体外イメージング剤とするのが好ましい。また、胃がん治療薬とする場合は、放射性金属標識抗カドヘリン17抗体又はその改変体を用いるのが好ましい。
放射性金属標識抗カドヘリン17抗体又はその改変体としては、放射性金属元素が金属キレート試薬を介して前記抗カドヘリン17抗体又はその改変体に結合してなるものが好ましい。
前記抗カドヘリン17抗体と結合させる放射性金属としては、癌治療薬として用いる場合には細胞傷害性放射性金属が好ましく、癌診断薬として用いる場合には細胞非傷害性放射性金属であるのが好ましい。
このような細胞傷害性放射性金属としては、例えばイットリウム90(90Y)、レニウム186(186Re)、レニウム188(188Re)、銅67(67Cu)、鉄59(59Fe)、ストロンチウム89(89Sr)、金198(198Au)、水銀203(203Hg)、鉛212(212Pb)、ジスプロシウム165(165Dy)、ルテニウム103(103Ru)、ビスマス212(212Bi)、ビスマス213(213Bi)、ホルミウム166(166Ho)、サマリウム153(153Sm)、ルテチウム177(177Lu)などを挙げることができる。
これらの放射性金属の中でも、90Y、153Sm、177Luが、半減期、放射線エネルギー、容易な標識反応、標識率、錯体の安定性等の点から好ましい。
一方、診断薬に用いる細胞非傷害性放射性金属としては、テクネシウム99m(99mTc)、インジウム111(111In)、インジウム113m(113mIn)、ガリウム67(67Ga)、ガリウム68(68Ga)、タリウム201(201Tl)、クロム51(51Cr)、コバルト57(57Co)、コバルト58(58Co)、コバルト60(60Co)、ストロンチウム85(85Sr)、水銀197(197Hg)、銅64(64Cu)が好適に用いられる。
これらの放射性金属元素を抗カドヘリン17抗体に結合させるには、該抗体に金属キレート試薬を反応させ、これに放射性金属元素を反応させて錯体とするのが好ましい。このようにして得られた修飾抗体は、放射性金属元素が金属キレート試薬を介して抗カドヘリン抗体に結合している。
このような錯体形成に用いられる金属キレート試薬の例としては、例えば(1)8−ヒドロキシキノリン、8−アセトキシキノリン、8−ヒドロキシキナルジン、硫酸オキシキノリン、O−アセチルオキシン、O−ベンゾイルオキシン、O−p−ニトロベンゾイルオキシン、キノリン骨格を有するキノロン系化合物であるノルフロキサシン、オフロキサシン、エノキサシン、シプロフロキサシン、ロメフロキサシン、トスフロキサシン、フレロキサシン、スパルフロキサシン等のキノリン誘導体;(2)クロラニル酸、アルミノン、チオ尿素、ピロガロール、クペロン、ビスムチオール(II)、ガロイル没食子酸、チオリド、2−メルカプトベンゾチアゾール、テトラフェニルアルソニウムクロライド等の化合物;(3)エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)およびこれらに類似した骨格を有するジヒドロキシエチルグリシン、ジアミノプロパノール四酢酸、エチレンジアミン二酢酸、エチレンジアミン二プロピオン酸塩酸塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヘキサメチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、ジアミノプロパン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三プロピオン酸、ニトリロトリス(メチレンスルホン酸)三ナトリウム塩、トリエチレンテトラミン六酢酸、メチルDTPA、シクロヘキシルDTPA、アミノベンジルEDTA、イソチオシアノベンジルEDTA、イソチオシアノベンジルDTPA、メチルイソチオシアノベンジルDTPA、シクロヘキシルイソチオシアノベンジルDTPA、マレイミドプロピルアミドベンジルEDTA、マレイミドペンチルアミドベンジルEDTA、マレイミドデシルアミドベンジルEDTA、マレイミドペンチルアミドベンジルDTPA、マレイミドデシルアミドベンジルEDTA、マレイミドデシルアミドベンジルDTPA;(4)1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)、1,4,7−トリアザシクロノナン−1,4,7−三酢酸(NOTA)、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−1,4,8,11−四酢酸(TETA)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(Cyclen)、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン(Cyclam)、イソチオシアノベンジルDOTA、イソチオシアノベンジルNOTA等が挙げられる。
抗カドヘリン17抗体への放射性金属元素の結合は、常法に従って行うことができる。例えば抗カドヘリン17抗体に金属キレート試薬を反応させ、予め標識前駆体を調製しておき、次いで放射性金属元素を反応させることにより行うことができる。
例えば、抗カドヘリン17抗体のDOTA化は、次のようにして行なわれる。抗体を緩衝液に溶解して抗体溶液を得る。一方で、イソチオシアノベンジルDOTAを、DMSOに溶解する。これらの抗体溶液とイソチオシアノベンジルDOTA溶液を混合撹拌し、25℃で17時間程度撹拌する。反応後、脱塩カラムで精製する。
本発明の癌治療薬または癌診断薬は、既標識製剤として提供する方法と、標識前駆体を含有するキット製剤として提供する方法があるが、本発明ではいずれの方法でもよい。既標識製剤として提供する場合には、標識済みの抗カドヘリン17抗体を含有する癌治療薬または癌診断薬をそのまま投与に用いることができる。キット製剤として提供する場合には、所望の放射性金属元素で標識を行ってから投与に用いることができる。
本発明の癌治療薬は、水性溶液、好ましくはハンクス溶液、リンゲル溶液、または生理的食塩緩衝液等の生理学的に適合性の緩衝液中に溶解することができる。さらに、油性または水性のベヒクル中で、懸濁液、溶液、または乳濁液等の形状をとることができる。
本発明癌治療薬の投与量は、患者の症状、投与経路、体重、年令等によっても異なるが、例えば、成人の1回の投与量は37〜3700MBqであるのが好ましい。
本発明の癌治療薬は、通常非経口投与経路で、例えば注射剤(皮下注、静注、筋注、腹腔内注など)、経皮、経粘膜、経鼻、経肺などで投与される。
本発明の癌診断薬は、胃がんのイメージングに使用することができる。本発明の診断薬は胃がんに集積し、シングルフォトン断層撮像装置(SPECT)、ポジトロン断層撮像装置(PET)、シンチカメラ等の機器を用いて放射線を検出することにより胃がん部位を撮像することができる。
投与経路は、通常は静脈から血管内に投与されるが動脈を介して投与することもできる。投与量は患者の症状、投与経路、体重、年令等によっても異なるが、例えば、成人の1回の投与量は37〜1120MBqであるのが好ましい。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに何ら限定されるものではない。
実施例1(完全長ヒトカドヘリン17(以下CDH17)発現バキュロウイルス(以下CDH17 BV)の調製)
ヒトCDH17の完全長配列(アミノ酸No.1〜832)をコードするcDNAは、accession No.NM001144663の塩基配列を用いて化学合成した(GenScript社製)。化学合成を行なう際に、ヒトCDH17の塩基配列についてはsf9のコドンusageに一部改変し、N末端にFLAGタグ、C末端にMycタグをコードする配列を付加して合成した(配列番号21)。このcDNAをpFastBac1(Invitrogen Life Technologies社製)に組み込み、pFastBac1−FLAG−CDH17−Mycベクターを作製した。次に説明書(Bac−To−Bac Baculovirus Expression System)に従い、pFastBac1−FLAG−CDH17−MycベクターをDH10Bacコンピテントセルにトランスフォーメーションして、組換えバクミドDNAを作製した。このバクミドDNAをSf9細胞にトランスフェクションして、組換えバキュロウイルスを作成した。
CDH17遺伝子が導入された組換え発芽型バキュロウイルスの調製は、次のとおり行った。Sf9細胞(Invitrogen Life Technologies社製)を2×106/mLの細胞密度で500mL培養し、上記で作製した組換えウイルスをMOI(multiplicity of infction)=5で感染させ、72時間後に培養上清画分を40,000×g、40分遠心して、沈澱画分に発芽型ウイルス(CDH17 BV)を回収した。CDH17 BV におけるCDH17蛋白質の発現は、抗c−Myc抗体(9E10)Santacruz Biotechnology社製)を用いて下記の記述に従ってウエスタンブロットで確認した。このCDH17 BVを免疫原として使用した。
ウエスタンブロットは下記の方法で行なった。CDH17 BVを総蛋白量で1μg/mLとなるようにPBSで調製し、3%SDSと3% 2MEを含むSDS−ポリアクリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)用サンプル緩衝液で2倍希釈し、10%分離ゲルに10μL/laneアプライしてSDS−PAGEにより分離した。その後、ニトロセルロース膜(GE Healthcare社製)へ転写し、転写膜への非特異結合をブロックエース(大日本ファーマ社製)でブロッキングした後、40%ブロックエース/Tris buffered saline(以下TBS)で1μg/mLに調製した抗Myc(9E10)モノクローナル抗体を1次抗体として1.5mL加え、室温で1時間振とう反応させた。TBS−T(0.05% Tween20を添加した10mM TBS)で5分間3回洗浄後、2次抗体としてhorseradish peroxidase(以下HRP)標識ヤギ抗マウスIgG(H+L)抗体(Jackson ImmunoResearch Laboratories社製)を10%ブロックエース/TBSで10000倍希釈したものを1.5mL添加し、室温で1時間振とう反応させた。TBS−Tで5分間3回洗浄後、SuperSignal West Dura Extended Duration Substrate(Thermo社製) を用いて検出した。
実施例2(抗CDH17マウスモノクローナル抗体の作製)
CDH17 BV 70μgにアジュバントとして0.1μgの百日咳毒素(フナコシ社製)を混合し、gp64トランスジェニックマウス(自家調製,Saitoh R.et al.J.Immunol.Method,322,104−117,2007)の腹腔内に投与、免疫した。追加免疫はアジュバントを含まない70μgのCDH17BVを2週間間隔で1回または2回投与した。最終免疫から3日後に脾細胞を採取し、ポリエチレングリコール(ロッシュ社製)を用いた標準的な方法(Nature,256,495−497,1975)に従いマウスミエローマ細胞NS−1(大日本ファーマ社製)と細胞融合した。融合細胞はHAT選択培地(0.1mM hypoxanthine,0.1mM aminopterine,and 0.16mM thymidine)で7日間培養した。細胞融合から8日後、ハイブリドーマの培養上清を回収し、ヒト由来の癌細胞株を96 ウェルプレートに固相化したcell ELISA法によってスクリーニングを行なった。
Cell ELISAは下記(A−1)の記述に従って行なった。癌細胞株は、CDH17蛋白質を発現している株としてHuh6(肝臓癌)およびAGS(胃癌)、CDH17を発現していない株としてHepG2(肝臓癌)およびMKN74(胃癌)を用いた。各細胞株は、LSBMデータベース(図1)を参照してCDH17のmRNAの発現が陽性および陰性のものを選抜し、ATCC(American Type Culture Collection)より購入した。CDH17蛋白質の発現は、市販の抗ヒトCDH17モノクローナル抗体(R&D System社製)を用い後記段落(0053)に従ってフローサイトメトリーで確認した。Cell ELISAにより、CDH17を発現している細胞株に対して陽性、発現していない細胞株に対して陰性のウェルを選別した。計1759ウェルのハイブリドーマに対して、114の抗体産生陽性ウェルが選別された。
陽性114ウェルのうち32ウェルについてコロニーピッキングを行なった。陽性のコロニーをピッキングすることに成功した25ウェルについて、限界希釈法でクローニングを行い、25クローンの抗CDH17抗体産生ハイブリドーマを樹立した。
ハイブリドーマ細胞をBALB/cヌードマウス(日本クレア社製)に接種し腹水を調製し、50%硫酸アンモニウム塩析精製を2回行ない、150mM NaClに透析して抗体蛋白質を調製した。イメージング実験には、さらにHiTrap Protein G HP(GE Healthcare社製)を用いて精製を加えたものを使用した。
(A−1)マウスwhole抗体のbinding ELISA
ヒト癌細胞株Huh6およびHepG2をRPMI1640 10% FBS添加培地で、AGSおよびMKN74をDMEM 10% FBS添加培地でそれぞれ培養し、poly−D−lysineコート96穴プレート(BIOCOAT poly−D−lysine coated plate;Falcon 356461)に0.3×105cells/wellで播種し、37℃で16〜24時間培養した。培養上清を捨て、生理的食塩水を250μL/well加えて細胞を1回洗浄後、固定液(4%パラホルムアルデヒド/Phosphate buffered saline(以下PBS))を50μL加え、室温で10分間静置して固定化した。固定液を捨て、生理的食塩水を250μL/well加えて細胞を3回洗浄後、40%ブロックエース(大日本ファーマ社製)/TBSを100μL/well加えて室温で1時間静置し、ブロッキングを行なった。洗浄液(0.05%Tween20を添加した生理的食塩水)を250μL/well添加して細胞を3回洗浄後、1次抗体として抗CDH17抗体溶液(またはハイブリドーマ培養上清)を40%ブロックエース/TBSで適宜希釈調製したものを50μLずつに添加し、室温で1時間振とう反応を行なった。洗浄液を250μL/well添加して細胞を3回洗浄後、2次抗体としてHRP標識ヤギ抗マウスIgG F(ab’)2(Jackson ImmunoResearch Laboratories社製)を10%ブロックエース/TBSで1000倍希釈したものを50μL/well加え、室温で1時間振とう反応を行なった。洗浄液を250μL/well添加して細胞を4回洗浄後、生理的食塩水(Tween20無添加)で1回洗浄した。基質液(TMB Soluble Reagent;ScyTek Laboratories社製)を50μL/well添加し、室温暗所で30分静置して呈色反応を行なった後、反応停止液(ScyTek Laboratories社製)を50μL/well添加し、よく撹拌後マイクロプレートリーダー(Biotrak II,GE Healthcare社製)により450nmの吸光度(以下A450)を測定した。
実施例3(CDRの解析)
ハイブリドーマ細胞ペレットを氷上で融解後,RNeasy Mini Kit(Qiagen)を用いてmRNAを抽出した。κ鎖配列を解析する際には、ミエローマ細胞由来のpseudogeneにハイブリダイズする短鎖配列とのインキュベーション、RNaseHによる処理を行い、さらにRNeasy Mini Kitにより精製した。続いて、FirstChoice(登録商標)RLM Race Kit(Ambion)によって可変部領域をコードするcDNAを取得した。取得したcDNAはpGEM(登録商標)−t Easy Vector System(Promega)によりモノクローナルとし、シークエンサーによる配列解析を行った。その結果、各クローンのCDRは次表のアミノ酸配列を有することが判明した。
実施例4(scFvの作製)
可変領域をコードする遺伝子から、VH−(GGGGS)3−VLとなるように遺伝子を作製し、さらにこれをpGEM−2由来のベクターに載せ替え、C末端にHis−tagが付加された遺伝子とした。また、N末端には、pel−Bリーダー配列が付加される場合もある。このベクターをBL21(DE3)等の適切な大腸菌株へ形質転換し、培養し、イソプロピル−β−チオガラクトピラノシドによる誘導後、培地上清もしくは大腸菌体に発現しているscFvを精製した。
(1)D2111−scFvの作製
pel−Bリーダー配列を付加したベクターを用い、上記のプロトコルに従ってBL21(DE3)による発現後、大腸菌内に生成される封入体を超音波破砕、遠心分離し、さらに2%Triton−X100、アセトン、超純水で洗浄した。これを既報の手法(Tsumoto,K.et al.,J.Immunol.Methods,(1998))により巻き戻し、HiLoad 26/600 Superdex 75 prep grade(GEヘルスケア)によるゲルろ過クロマトグラフィーによって単量体として取得した。
(2)D2101−scFvの作製
pel−Bリーダー配列を付加したベクターを用い、さらに発現量向上のためのアミノ酸変換を行ったものに関して、(1)と同様の手法により取得した。D2101の軽鎖CDRのアミノ酸配列は、LS22R変異体が安定発現した。
(3)D2107−scFvの作製
pel−Bリーダー配列を有しないベクターを用い、さらに発現量向上のためのアミノ酸変換を行ったものに関して、上記のプロトコルにしたがってBL21(DE3)による発現後、大腸菌体を超音波破砕し、取得される可溶性画分を金属イオンアフィニティークロマトグラフィーにより精製後、HiLoad 26/600 Superdex 75 prep grade(GEヘルスケア)によるゲルろ過クロマトグラフィーによって単量体として取得した。D2107の重鎖CDRのアミノ酸配列はHC22A変異体が、軽鎖CDRのアミノ酸配列はLS22T変異体が安定発現した。
実施例5(反応特異性の評価)
新規に取得した抗CDH17モノクローナル抗体について、反応特異性をヒト由来の癌細胞株を用いてフローサイトメトリーで評価した。フローサイトメトリーは下記に記述の方法に従って行なった。癌細胞株は、CDH17蛋白質を発現している株としてHuh6(肝臓癌)およびAGS(胃癌)、CDH17を発現していない株としてHepG2(肝臓癌)およびMKN74(胃癌)を用いた。抗ヒトCDH17モノクローナル抗体(R&D System社製)および抗ヒトCadherin1(以下CDH1)モノクローナル抗体(LifeSpan BioScience社製)についても同様にフローサイトメトリーで評価し、新規に取得した抗体と比較した。
結果を図2に示した。新規の抗CDH17抗体(D2101、D2111、D2005、D2008、D2105、D2106、D2107、D2114、D2025及びD2162)については、いずれも、Huh6およびAGSに対しては良好なピークシフトが観られたが、HepG2およびMKN74に対してはピークシフトは全く観られず、CDH17に対して特異性高く反応することが確認された。一方、市販の抗CDH17抗体については、Huh6およびAGSに対しては新規抗体と同等に良好なシフトが観られたが、CDH17蛋白質の発現が陰性の細胞株HepG2およびMKN74に対しても弱いシフトが観られ、CDH17に対する特異性は新規抗体の方が優れていることが判った。
また新規の抗CDH17抗体は、胃がんの転移をイメージングで診断する目的で使用するので、正常な胃に高発現な他のカドヘリン、CDH1には交差反応しないことを確認する必要がある。まず上記の癌細胞株においてCDH1蛋白質が発現しているかどうかを、市販の抗CDH1抗体を用いたフローサイトメトリーにより確認したところ、Huh6、HepG2、MKN74においてピークシフトが観られ、CDH1が発現していることが確認された。特に胃がんの細胞株MKN74では高発現である事が判った。新規の抗CDH17抗体については、これらのうちCDH17の発現が陰性のHepG2とMKN74に対しては、前述のとおり全くシフトが観られなかったので、CDH1とは交差反応しないことが確認された。
以上により、新規に取得した抗CDH17モノクローナル抗体は既存のモノクローナル抗体よりも特異性が優れ、イメージングによる胃がん転移の診断用抗体として適していることが証明された。
フローサイトメトリーは下記の方法で行なった。ヒト癌細胞株(Huh6、HepG2、AGSおよびMKN74)の細胞2.5×105個に対して抗ヒトCDH17モノクローナル抗体(本特許に記載の新たに取得した抗体)、市販の抗ヒトCDH17モノクローナル抗体(R&D System社製)および抗ヒトCadherin1(以下CDH1)モノクローナル抗体(LifeSpan BioScience社製)を1次抗体として100μL添加し、室温で1時間静置反応させた。1次抗体は、PBSに2%ウシ血清アルブミンを添加した緩衝液(以下1% BSA/PBS)で3μg/mLに調製して用いた。1% BSA/PBSで3回洗浄後、2次抗体を100μL添加し、暗所で室温1時間静置反応させた。2次抗体は、fluorescein−isothiocyanate(以下FITC)標識抗マウスIgG抗体(Jackson ImmunoResearch Laboratories社製)を1% BSA/PBSで200倍希釈して用いた。細胞を1% BSA/PBSで3回洗浄後同緩衝液を200μL添加し、フローサイトメーター(GUAVA EasyCyte(登録商標) Plus System,Millipore社製)で分析した。
実施例6(イメージングのための抗体セレクション)
抗CDH17抗体は、放射性同位元素64Cuで標識してイメージング実験に用いられる。64Cu標識は、まず抗体に金属キレート試薬DOTA(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラ酢酸)を結合させ、次に64Cuを配位させるという方法で行なわれる。p−SCN−Bn−DOTA(Microcyclics社製)の−SCN基は、抗体蛋白質を構成するアミノ酸残基のうち、リジン残基の側鎖のアミノ基とアミド結合する。抗体をDOTA化した場合に、抗原認識にとって重要な部位にDOTAが結合すると抗原抗体反応に悪影響を及ぼす場合があるため、フローサイトメトリーの評価結果が良好であった5クローン(D2001、D2013、D2101、D2103、D2111)についてDOTA化を行い、DOTA化した場合としない場合(naked)の抗原に体する結合活性を、ELISAにて比較した。DOTA化は、前記の方法で行なった。ELISAについては、上記(A−1)の記述に従ってAGS細胞固定化プレートを調製し、抗CDH17抗体各種(DOTA化有り/無し)の希釈列を作製し1次抗体として反応させて行なった。
結果を図3に示した。いずれの抗体についてもDOTA化有り/無しで同等の反応曲線が得られ、DOTA化により結合活性は影響を受けないことが確認された。以上により、5種類の抗体のうちで反応曲線の立ち上がりの最も早いD2111およびD2101をイメージング用抗体として選別した。
実施例7(エピトープ分類)
まず初めに、新規に取得した25種類の抗CDH17抗体のエピトープが、D2111抗体と同じであるかどうかを調べた。
上記(A−1)の記載に従って調製したAGS固定化プレートに、新規に取得した抗体25種類(D2111を含む)の非標識抗体を終濃度20μg/mLとなるように添加した。次に下記(A−2)の記述に従ってビオチン標識D2111抗体を加え、競合法のELISAを行なった。非標識抗体のエピトープがD2111(ビオチン標識)と同じかあるいは至近である場合、各々の抗体がいずれもAGS細胞表面上のCDH17抗原の同じエピトープと反応しようとするが、非標識抗体の添加量の方が大過剰であるため、ビオチン標識D2111はAGS固定化プレートと反応できずA450のシグナルは出ない。一方非標識抗体のエピトープがD2111と異なる場合には、非標識抗体、ビオチン標識D2111抗体のいずれもAGS細胞固定化プレートと反応できるため、A450のシグナルが出る。結果、全25種類中19種類がD2111と同じかあるいは至近なエピトープを認識していることが判明した。
残り6種類の抗体(D2005、D2008、D2105、D2106、D2107、D2108)についてそれぞれにビオチン標識抗体を調製し、D2111を含む合計7種類の標識抗体に、同7種類の非標識の抗体をそれぞれ終濃度20μg/mLで添加し、競合法のELISAを行なった。ある標識抗体に対して別種の非標識抗体で競合が観られた場合には、両者は同じエピトープを認識する抗体として分類されるが、競合が観られない場合には別のエピトープを認識する抗体と分類される。
結果を図4に示した。D2111、D2005、D2008、D2016、D2107については同じ抗体同士では競合がかかるが、別種の抗体同士では競合がかからなかったので、それぞれに別のエピトープを認識している抗体であることが判った(A、B、C、D、Eの5グループ)。D2105、D2108においては相互に競合がかかったので、両者は同じエピトープを認識していることが判った。またD2105およびD2108のビオチン標識抗体に対してはD2111でも完全に競合がかかった。しかしD2111のビオチン標識抗体に対しては、D2105およびD2108ではある程度の競合はかかるが、完全には競合がかからなかったため、「D2111」と「D2105およびD2108」のエピトープは至近であるが完全に同じではないとして、グループA’と判定した。以上により、新たに取得した抗CDH17抗体については、合計5種類(AまたはA’、B、C、D、Eの5種類)の異なるエピトープを認識するグループに分類され、多様な抗体が取得できたことが判った。
(A−2)競合法ELISA
上記(A−1)の記述に従って、AGS細胞固定化プレートを作製し、ブロッキング、洗浄を行なった。1次抗体として、まずビオチン標識されていない抗CDH17抗体(クローンNo.D2111、D2005、D2008、D2105、D2106、D2107およびD2108)を、40%ブロックエース/TBSを用いて40μg/mLに調製し、25μL/well加えた。次にビオチン標識された抗CDH17抗体(クローンNo.D2111、D2005、D2008、D2105、D2106、D2107およびD2108)を、標識抗体毎に設定された濃度(後述)で25μL/well加えてよく撹拌し、室温で1時間振とう反応を行なった。洗浄液を250μL/well添加して細胞を3回洗浄後、2次反応試薬としてHRP標識ストレプトアビジン(GE Healthcare社製)を10%ブロックエース/TBSで1000倍希釈したものを50μL/well添加して室温で1時間振とう反応させた。洗浄液を250μL/well添加して細胞を4回洗浄後、生理的食塩水(Tween20無添加)で1回洗浄した。上記(A−1)の記載に従って呈色反応を行い、A450値を測定した。ビオチン標識抗体の添加濃度については各抗体毎に予め検討を行なった。すなわち、AGS細胞固定化プレートに対してビオチン標識抗体の希釈列を反応させた後、HRP標識ストレプトアビジンを反応させ、A450値を測定した。titration curveにおいて直線範囲のA450値を与える濃度を各抗体毎に求め、ビオチン標識抗体添加濃度として設定した。ビオチン標識は、Sulfo−NHS−LC−Biotin(Thermo社製)を用い、使用説明書に従って調製した。
実施例8(PETイメージング)
A.材料と方法
抗CDH17 IgG D2111およびD2101を使用した。抗体は1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)または1,4,7−トリアザシクロノナン−1,4,7−三酢酸(NOTA)によるキレート化の後、陽電子放出核種64Cuで標識し、それぞれ64Cu−D2111、64Cu−D2101としてPETイメージングに使用した。標識した抗体の結合活性が低下していないことを確認し、PETイメージング実験ではマウス1匹あたり7−8MBq(70−80μg)を尾静脈より投与した。
(1)64Cu−D2111のCDH17陽性腫瘍におけるPETイメージング実験
64Cu−D2111の腫瘍細胞表面抗原への結合性を確認するため、CDH17陽性AGS細胞株移植ヌードマウスに投与した。64Cu−D2111の投与直後から最大3日目まで、小動物用PET装置INVEON(Siemens,USA,Inc)を用いて、ヌードマウス全身の撮像を行った。ネガティブコントロールとして、CDH17陰性MKN細胞株移植ヌードマウスに64Cu−D2111を投与し、同様の撮像を実施した。
(2)64Cu−D2101のCDH17陽性腫瘍におけるPETイメージング実験
64Cu−D2101の腫瘍細胞表面抗原への結合性を確認するため、CDH17陽性AGS移植ヌードマウスに投与した。64Cu−D2101の投与直後から最大3日目まで、小動物用PET装置INVEON (Siemens,USA,Inc)を用いて、ヌードマウス全身の撮像を行った。
(3)画像再構成と画像データ解析
収集したPETデータは、上記Study 1、Study 2の一連のデータ収集後、Filtered Back Projection法または2D Ordered Subset Expectation Maximization法によって3D画像へと再構成した。画像表示、臓器および腫瘍の関心領域(ROI)の設定は、PET用解析ソフトウェアであるAsipro(Siemens,USA,Inc)またはPMOD(PMOD group)を用いて行った。各臓器および腫瘍への本薬剤の集積率は、単位組織重量当たりの投与放射能集積比率% Injected Dose/g(% ID/g)として算出した。
B.結果
(1)64Cu−D2111のPETイメージング実験
CDH17陽性AGS移植腫瘍への64Cu−D2111の集積は投与直後から時間経過と共に増強し、集積率は投与後6時間、24時間、48時間、72時間でそれぞれ4.01% ID/g、5.67% ID/g、6.16% ID/g、6.53% ID/gだった(図5、6)。血中の放射能濃度の代替として、心縦隔の集積率を算出したところ、投与後6時間、24時間、48時間、72時間でそれぞれ11.1% ID/g、7.3% ID/g、5.9% ID/g、4.4% ID/gであり、時間経過と共に低下した。肝臓における64Cu−D2111の集積率も時間経過と共に低下し、投与後6時間、24時間、48時間、72時間でそれぞれ15.2% ID/g、12.7% ID/g、11.4% ID/g、9.87% ID/gであった。
AGS移植腫瘍へのRIの集積が長時間維持、増強されたのに対し、心縦隔および肝臓への集積は比較的速やかに減少した。遊離したと思われる64Cuは投与6時間までに膀胱から速やかに***され、それ以外の非標的臓器への非特異的集積は認められなかった。このことから、本抗体のAGS腫瘍への特異的集積が達成される可能性が示された。
CDH17陽性AGS移植腫瘍とCDH17陰性MKN移植腫瘍への64Cu−D2111の集積を、集積の腫瘍−心縦隔比を指標として比較した(図7)。その結果、AGS移植腫瘍の腫瘍−心縦隔比は投与後6時間、24時間、48時間、72時間でそれぞれ0.36、0.78、1.04、1.50であった結果に対し、MKN移植腫瘍の腫瘍−心縦隔比は投与後6時間、24時間、48時間、72時間でそれぞれ0.17、0.52、0.63、0.89であり、AGS移植腫瘍の腫瘍−心縦隔比の方がいずれの時間でも大きかった。このことから、本抗体のCDH17陽性腫瘍への特異的集積が達成される可能性が示された。
(2)64Cu−D2101のPETイメージング実験
(1)で20.7%だった標識率を98.9%に向上させ、64Cu−D2101のPETイメージング実験を実施した。
AGS移植腫瘍への64Cu−D2101の集積は投与直後から時間経過と共に増強し、集積率は投与直後、投与後6時間、24時間、48時間、72時間でそれぞれ1.31% ID/g、8.14% ID/g、14.3% ID/g、20.6% ID/g、26.6% ID/gだった(図8)。血中の放射能濃度を測定するため、心縦隔にROIを設定し集積率を算出したところ、投与直後、投与後6時間、24時間、48時間、72時間でそれぞれ18.0% ID/g、14.3% ID/g、8.14% ID/g、6.76% ID/g、5.6% ID/gであり、時間経過と共に低下した。肝臓における64Cu−D2101の集積率は時間経過と共に低下し、投与直後、投与後6時間、24時間、48時間、72時間でそれぞれ10.6% ID/g、8.20% ID/g、6.43% ID/g、5.70% ID/g、5.53% ID/gだった(図9)。
AGS移植腫瘍へのRIの集積が長時間維持、増強されたのに対し、心縦隔および肝臓への集積は比較的速やかに減少した。また、非標的臓器への集積も認められなかった(図10)。このことから、本抗体により高い腫瘍−組織比率(tumor to tissue ratio)が達成できる可能性が示された。
(1)でネガティブコントロールとして実施した64Cu−D2111のMKN移植腫瘍への集積と比較を行った。64Cu−D2111のMKN移植腫瘍への集積は最大で6.43% ID/g(48時間)であり、64Cu−D2101のAGS移植腫瘍への集積率とは明らかな差が認められた。このことから、64Cu−D2101はAGS移植腫瘍への特異的な集積性を有していると考えられる。

Claims (5)

  1. 重鎖が下記(a)、(b)又は(c)であり、軽鎖が下記(d)、(e)又は(f)である抗カドヘリン17抗体又はその改変体。
    (a)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17及び19から選ばれるアミノ酸配列を有する重鎖CDRを有する重鎖、
    (b)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17及び19から選ばれるアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸が欠失、置換、及び/又は付加された重鎖CDRを有する重鎖、
    (c)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17及び19から選ばれるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有する重鎖CDRを有する重鎖、
    (d)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18及び20から選ばれるアミノ酸配列を有する軽鎖CDRを有する軽鎖、
    (e)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18及び20から選ばれるアミノ酸配列において21から数個のアミノ酸が欠失、置換、及び/又は付加された軽鎖CDRを有する軽鎖、
    (f)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18及び20から選ばれるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有する軽鎖CDRを有する軽鎖。
  2. 放射性金属元素が金属キレート試薬を介して請求項1記載の抗カドヘリン17抗体又はその改変体に結合してなる、放射性金属標識抗カドヘリン17抗体又はその改変体。
  3. 請求項2記載の放射性金属標識抗カドヘリン17抗体又はその改変体を有効成分とする胃がん診断薬。
  4. 胃がん体外イメージング剤である請求項3記載の診断薬。
  5. 請求項2記載の放射性金属標識抗カドヘリン17抗体又はその改変体を有効成分とする胃がん治療薬。
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