JP2017019211A - 木材処理方法及び木材処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理後の木材の割れを効果的に抑制し得る木材処理方法及び木材処理装置を提供する。【解決手段】木材処理方法は、被処理木材を、容器内において水に浸漬させた状態で前記容器内を昇圧昇温させて高圧高温下で処理した後、処理後の木材を、水に浸漬させた状態で前記容器内を大気圧以下に降圧して冷却する。【選択図】図1

Description

本発明は、被処理木材を高圧高温下で処理する木材処理方法及び木材処理装置に関する。
従来より、フリッチ材等の被処理木材を、容器内において高圧高温下で処理する木材処理方法が知られている。このような木材処理方法においては、高圧高温下で処理した後に冷却する必要があるが、急激に圧力を降下させれば、処理された木材内部の水分が急激に沸騰・気化して木材が急激に乾燥し、割れが生じ易くなることが考えられる。
例えば、下記特許文献1には、木材を高圧蒸気釜内部において高圧蒸気処理した後、水を供給して木材を水没させてから降温降圧処理する方法の開示がある。
特開2009−285875号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されたような方法では、高圧の蒸気釜内に、木材を水没させるための水を供給する必要があるため、加圧した水を供給する必要があり、更なる改善が望まれる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、処理後の木材の割れを効果的に抑制し得る木材処理方法及び木材処理装置を提供する。
上記目的を達成するために、本発明に係る木材処理方法は、被処理木材を、容器内において水に浸漬させた状態で前記容器内を昇圧昇温させて高圧高温下で処理した後、該処理後の木材を、水に浸漬させた状態で前記容器内を大気圧以下に降圧して冷却することを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る木材処理装置は、被処理木材を浸漬させる水を溜水可能な容器と、前記容器内において前記被処理木材を水に浸漬させた状態で前記容器内を昇圧昇温させた後に、該処理後の木材を水に浸漬させた状態で前記容器内を大気圧以下に降圧させる制御を実行する制御部と、を備えていることを特徴とする。
本発明に係る木材処理方法及び木材処理装置は、上述のような構成としたことで、処理後の木材の割れを効果的に抑制することができる。
本発明に係る木材処理方法の一例を模式的に示す概略フローチャートである。 (a)、(b)は、いずれも同木材処理方法を実行する本発明に係る木材処理装置の一例を模式的に示し、(a)は、同木材処理装置の一例を含むシステム構成の一例を模式的に示す概略側面図、(b)は、概略縦断面図である。 (a)、(b)は、同木材処理装置の変形例をそれぞれ模式的に示す概略縦断面図である。 同木材処理方法を用いた実施例と比較例とを評価試験の結果とともに示す表である。
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、以下の実施形態では、本実施形態に係る木材処理装置を設置した状態を基準として上下方向等の方向を説明する。
本実施形態に係る木材処理装置1は、図2に示すように、被処理木材2を浸漬させる水を溜水可能な容器10を備えている。また、木材処理装置1は、容器10内において被処理木材2を水に浸漬させた状態で容器10内を昇圧昇温させた後に、処理後の木材(処理木材)2Aを水に浸漬させた状態で容器10内を大気圧以下に降圧させる制御を実行する制御部17を備えている。
被処理木材2としては、長尺角柱状とされたフリッチ材としてもよい。この被処理木材2は、種々の樹種としてもよく、例えば、オーク等の比較的に乾燥によって割れが生じ易い樹種としてもよい。また、この被処理木材2の長さ、厚さ及び幅寸法は、加熱処理後や集成後になされる研磨等による寸法調整を考慮して適宜、設定された寸法としてもよい。なお、被処理木材2としては、長尺角柱状とされたものに限られず、平板状とされたものや、その他、種々の形状とされたものとしてもよい。
容器10は、耐圧性を有しており、図2(a)に示すように、一方向に開口する横長円筒形状の容器本体11と、この容器本体11の開口を密閉するように閉止する開閉蓋12と、を備えている。また、本実施形態では、木材処理装置1を、容器10内に収容され、被処理木材2を浸漬させる水を溜水可能な水槽18を備えた構成としている。この水槽18は、上方に向けて開口する箱状とされている。また、水槽18は、耐熱性を有し、比較的に熱伝導率が高い材料から形成されたものとしてもよい。
容器本体11には、被処理木材2を収容した水槽18が載置されるプレート状の載置部が設けられている。図例では、この載置部を、ローラー13を介して出し入れ自在とした例を示している。
開閉蓋12は、適宜の緊締手段によって、容器本体11を気密的に封止し、かつ容器本体11に対して着脱自在または開閉自在とされている。
この容器10(本実施形態では、水槽18)は、図2(b)に示すように、複数本の被処理木材2の収容が可能とされている。例えば、容器本体11の長手方向に長手方向を沿わせるように複数本の被処理木材2を配するようにしてもよい。図例では、水槽18内に複数本の被処理木材2を複数列状に横並びに配し、かつ複数段状に積み重ねるように配した例を示している。また、隣り合う被処理木材2同士の間に隙間が形成されるように配した例を示している。また、図例では、複数本の被処理木材2を、横方向に間隔を空けてかつ上下方向に桟部材3を介在させて配した例を示している。また、最下段の被処理木材2と水槽18の底面との間にも、桟部材3を介在させた例を示している。なお、容器10(水槽18)における被処理木材2の配置態様は、このような態様に限られず、その他、種々の変形が可能である。
また、本実施形態では、図2(a)に示すように、容器10内を昇圧昇温するために高圧高温水蒸気を容器10内に供給する高圧高温水蒸気供給源15を設けている。図例では、容器本体11の下部に、高圧高温水蒸気供給源15からの高圧高温水蒸気を容器10内に供給する水蒸気供給管を接続した例を示している。この水蒸気供給管は、容器10内において水槽18に溜められた水中において開口させずに、水槽18の下方側等において開口させた構成としてもよい。また、容器10内の複数箇所において開口させた態様としてもよい。また、高圧高温水蒸気供給源15としては、高圧ボイラー等としてもよい。また、容器本体11の下部には、液化した水蒸気等を容器10内から排出するドレン管や排水管等が接続されている。ドレン管には、スチームトラップやフィルタ等が設けられている。
また、容器本体11の上部には、給水元14からの水を容器10内に供給する給水管が接続されている。給水元14としては、給水タンクや水道管等としてもよい。また、この給水管は、容器10内の水槽18に給水可能なように設けられている。
また、容器本体11の上部には、容器10内を減圧する真空発生源16に接続された吸引管が接続されている。この真空発生源16としては、真空ポンプとしてもよく、エジェクタ装置等としてもよい。また、容器本体11の上部には、容器10内からの水蒸気乃至はガスを排出する排気管等が接続されている。
これら各管路には、開閉弁(ON/OFF弁)がそれぞれに設けられている。
なお、容器10には、容器10内の温度を測定する温度センサーや、圧力を測定する圧力センサー等が設けられている。
制御部17は、上記した高圧高温水蒸気供給源15や真空発生源16、各開閉弁等に信号線等を介して接続されており、これらを作動制御する構成とされている。
この制御部17には、例えば、CPU等の制御回路や、メモリ等によって構成され、後記する基本動作例を含む各種動作プログラム等を記憶する記憶部等が設けられている。
この制御部17によって後記する基本動作(本実施形態に係る木材処理方法)の実行がなされる。
本実施形態に係る木材処理方法は、図1に示すように、被処理木材2を、容器10内において水に浸漬させた状態で容器10内を昇圧昇温させて高圧高温下で処理する構成とされている。また、同木材処理方法は、被処理木材2を高圧高温下で処理した後、この処理木材2Aを、水に浸漬させた状態で容器10内を大気圧以下に降圧して冷却する構成とされている。また、本実施形態では、同木材処理方法は、容器10内に高圧高温水蒸気を供給して容器10内を昇圧昇温させて高圧高温下で被処理木材2を処理する構成とされている。
以下、同木材処理方法の具体的工程の一例について説明する。
まず、容器10内に、上記したように被処理木材2が配置された水槽18を収容させ、水槽18に水を供給し、容器10内において被処理木材2を水に浸漬させた状態とする(ステップ100)。つまり、本実施形態では、容器10内の水槽18内において被処理木材2を水に浸漬させるようにしている。この際、給水元14に接続された給水管の開閉弁を水槽18内が所定の満水レベルになるまで開放させて給水するようにしてもよい。
また、水に浸漬された被処理木材2を、水没させた状態とする浮き上がり防止部材を設けるようにしてもよい。例えば、浮き上がり防止部材としての重しや適宜の桟等によって被処理木材2を上方側から押さえつけるような態様としてもよく、また、浮き上がり防止部材としての金属製籠やワイヤー等によって被処理木材2を拘束するような態様としてもよい。
また、被処理木材2を浸漬させる水としては、水道水(清水)としてもよいが、寸法安定化成分を溶解させた水溶液を用いるようにしてもよい。このような構成とすれば、被処理木材2に寸法安定化成分を含浸させることができ、寸法安定化処理がなされた処理木材2Aを得ることができる。これにより、処理木材2Aの割れをより効果的に抑制することができる。また、寸法安定化成分を溶解させた水溶液が高温になることから粘度が低下するため、より効果的に寸法安定化成分を木材に含浸させることができる。特に、後記するように高圧高温水蒸気を間欠的に供給する態様とすれば、圧力変化によって寸法安定化成分をより効果的に木材に含浸させることができる。
上記寸法安定化成分としては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)や、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(PEGMA)等としてもよく、種々の寸法安定化成分を採用するようにしてもよい。また、水溶液中に含まれる寸法安定化成分の濃度は、処理木材2Aの寸法安定化を図る観点等から適宜、設定するようにしてもよく、例えば、0.5%〜50%程度としてもよい。また、この水溶液は、給水元14から直接的に供給される態様としてもよく、または、水槽18内において溶解させる態様としてもよい。
次いで、密閉された容器10内において被処理木材2を水に浸漬させた状態で、容器10内に高圧高温水蒸気を供給して容器10内を昇圧昇温させる加熱処理工程を実行する(ステップ101)。この際、水蒸気供給管、ドレン管及び排気管の開閉弁を開放させ、他の開閉弁を閉鎖した状態で、容器10内の空気を水蒸気に置換した後に、排気管の開閉弁を閉とし、昇圧昇温させるようにしてもよい。
また、この加熱処理工程においては、容器10内が所定の温度となるように高圧高温水蒸気を供給するようにしてもよい。また、容器10内の水温が所定の温度となるように高圧高温水蒸気を供給するようにしてもよい。
この加熱処理工程における目標となる処理温度(容器10内の雰囲気温度)は、105℃以上としてもよく、例えば、この処理温度を、105℃〜160℃程度、好ましくは120℃前後としてもよい。
また、本実施形態では、容器10内に高圧高温水蒸気を間欠的に供給する構成としている。高圧高温水蒸気を間欠的に供給する態様としては、例えば、所定時間が経過する毎に、所定量の高圧高温水蒸気を供給するようにしてもよい。また、例えば、容器10内の圧力(実測圧力値)が所定値を下回れば、所定量の高圧高温水蒸気を供給するようにしてもよい。この場合、加熱処理工程の初期の昇圧工程では、予め設定された所定傾きの昇圧時目標設定圧力値から所定値を下回れば、所定量の高圧高温水蒸気を供給するようにしてもよい。また、昇圧工程によって容器10内が徐々に昇圧し、容器10内の圧力が最終目標設定圧力値となれば、または、所定の処理温度となれば、所定時間が経過するまで加熱処理工程を継続させる保持工程を実行する。なお、高圧高温水蒸気の容器10内への間欠導入は、少なくとも保持工程において実行するようにしてもよい。例えば、昇圧時には、容器10内に高圧高温水蒸気を連続的に供給するようにしてもよい。
上記のように高圧高温水蒸気を容器10内に間欠的に導入すれば、容器10内の圧力は、急激な上昇と被処理木材2等に熱エネルギーが奪われることによる低下とを繰り返しながら、被処理木材2の処理が促進される。
なお、この加熱処理工程は、被処理木材2が心部まで均一に着色されるように、所定の加熱処理時間が経過するまで実行するようにしてもよい。
また、高圧高温水蒸気を容器10内に導入する際には、排気管の開閉弁を間欠的に開放させたり、または、排気管に流量調整弁を設け、僅かに排気(リーク)させながら導入したりする態様等としてもよい。
また、図3(a)に示すように、被処理木材2を浸漬させた水面の上方側を、透湿性を有する保水材19によって覆った状態で、容器10内に高圧高温水蒸気を供給するようにしてもよい。このような構成とすれば、容器10(本実施形態では、水槽18)内の水を効率的に加熱することを可能としながらも、蒸発した水蒸気を保水材19において結露させて捕捉し、返水することができ、容器10(水槽18)内の水が減少するようなことを抑制することができる。また、例えば、容器10内の水槽18内の水に被処理木材2を浸漬させた状態で、後記するように真空発生源16を用いて減圧して冷却する際には、水槽18内の水が急激に沸騰し、溢れたり、飛散したりするようなことも考えられるが、このようなことを抑制することができる。
図3(a)に示す木材処理装置1の一変形例では、上方側に向けて開口する水槽18の開口を覆うように保水材19を設けた構成としている。
この保水材19としては、水蒸気の透過性を有し、高温高湿雰囲気への耐性を有したものであればよく、また、水槽18の気化(蒸発)した水を結露させるものとしてもよい。例えば、この保水材19として、織布や不織布、各種発泡シート等を採用するようにしてもよく、例えば、綿製のタオルを採用するようにしてもよい。
次いで、加熱処理された処理木材2Aを、水に浸漬させた状態で容器10内を大気圧以下に降圧して冷却する冷却工程を実行する(ステップ102)。この際、水蒸気供給管の開閉弁を閉とし、排気管の開閉弁を開放させ、容器10内の雰囲気圧力が大気圧となるまで降圧するようにしてもよい。この際、容器10内の圧力が急激に変動しないように徐々に降圧するようにしてもよい。また、容器10内の雰囲気圧力が大気圧となった後、水槽18内の水を排水して、若しくは排水させることなく処理木材2Aを取り出すようにしてもよいが、所定の冷却目標温度となるまで処理木材2Aを水に浸漬させた状態で放置するようにしてもよい。この場合、水槽18内の水に処理木材2Aを浸漬させたまま水槽18を容器10外に搬出し、その状態で放置するようにしてもよい。
または、この冷却工程において、容器10内の圧力を大気圧よりも減圧状態とするようにしてもよい。この場合、真空発生源16を作動させ、吸引管の開閉弁を開放させて容器10内を減圧するようにしてもよい。また、この際、容器10内の圧力が大気圧を上回った高圧状態において強制的に減圧するようにしてもよいが、好ましくは、上記のように大気圧となるまで排気した後に、減圧するようにしてもよい。
このように容器10内の圧力を減圧すれば、容器10内の水の沸点が低下し、水槽18内の水や、処理木材2A中の水分が気化する際の気化熱によって水槽18内及び処理木材2Aの冷却が促進される。
また、この冷却工程は、容器10内の温度が所定の冷却目標温度となるまで実行するようにしてもよい。この冷却目標温度は、容器10内から取り出した処理木材2Aの割れを抑制する観点等から、また、樹種や処理条件、容器10外の温度等に応じて、適宜、設定するようにしてもよい。例えば、80℃〜10℃程度としてもよく、好ましくは、60℃〜30℃程度としてもよい。また、この冷却目標温度を、容器10外の温度との温度差が40℃以下となるように設定するようにしてもよく、好ましくは、容器10外の温度との温度差が20℃以下となるように設定するようにしてもよい。
このような冷却工程を実行した後、容器10(水槽18)内の水を排水し、処理木材2Aを取り出すようにしてもよい。
なお、容器10内の温度が所定の冷却目標温度となるまで冷却工程を実行する態様に代えて、例えば、容器10内の圧力が大気圧となるまで降圧して冷却した後、処理木材2Aを容器10から取り出すようにしてもよい。この場合、処理木材2Aの割れを抑制する観点等から、処理木材2Aを、処理木材2Aの温度(例えば、心部の温度)が上記程度の冷却目標温度となるまで、上記のような保水材19または不透湿性シート(フィルム)等でラッピングしておくようにしてもよい。つまりは、冷却工程を、処理木材2Aを水に浸漬させた状態と取り出した状態とで実行するような態様としてもよい。
また、上記のような処理がなされた処理木材2Aは、表面にスライサーや研磨等の平滑化処理や、その他、適宜、用途に応じた加工がなされるものとしてもよい。例えば、複数本の処理木材2Aを集成し、薄板状に研磨スライスしてスライス単板として用いられるものとしてもよい。また、このようなスライス単板を適宜の基材に積層した積層板、または、処理木材2A自体を、床材や壁材、天井材、造作材等の建材や、家具材、工芸品等として用いられるものとしてもよい。
本実施形態に係る木材処理方法及び木材処理装置1は、上述のような構成としたことで、処理後の木材(処理木材)2Aの割れを効果的に抑制することができる。
つまり、被処理木材2を、容器10内において水に浸漬させた状態で容器10内を昇圧昇温させて高圧高温下で処理した後、処理木材2Aを、水に浸漬させた状態で容器10内を大気圧以下に降圧して冷却する構成としている。従って、加熱処理工程及び冷却工程(の少なくとも初期)のいずれにおいても処理木材2Aの外周表面の略全面に水が接触した状態となり、処理木材2Aの割れを効果的に抑制することができる。また、容器10内を昇圧昇温する前に、被処理木材2を水に浸漬させる構成としているので、加圧した水を供給する必要がないため、加圧水を供給するポンプ等が不要となり、また、高圧の容器10内への水の供給による熱衝撃の発生を防止することができる。
また、本実施形態では、容器10内に高圧高温水蒸気を供給して容器10内を昇圧昇温させて高圧高温下で被処理木材2を処理する構成としている。従って、例えば、容器10全体を外部から加熱して昇温させたり、高温空気を容器10内に導入して昇温させたりするようなものと比べて、効率的に容器10内を昇圧昇温させることができ、容器10内の水を効率的に加熱することができる。
また、本実施形態では、容器10内に高圧高温水蒸気を間欠的に供給する構成としている。従って、間欠的に供給される高圧高温水蒸気によって容器10内の圧力が上下しながら昇温され、加熱処理がなされる。これにより、被処理木材2の導管等に含まれる空気が圧力変化によって収縮と膨張とを繰り返し、これに伴い被処理木材2内外を水が移動する。この結果、容器10内の水が撹拌され、容器10内の水の温度の均一化を図ることができる。なお、このような態様に代えて、容器10内に高圧高温水蒸気を連続的に供給する構成としてもよい。
また、本実施形態では、容器10内に収容された水槽18内において被処理木材2を水に浸漬させるようにしている。従って、容器10内に、直接的に水を溜めて被処理木材2を浸漬させる構成と比べて、水の量を効果的に少なくすることができ、処理時間の短縮化を図ることができる。また、上記のように高圧高温水蒸気を供給して容器10内を昇圧昇温させる際にも、水槽18の水面のみならず、水槽18の外側面に接触する高圧高温水蒸気によって水槽18内を加熱することができ、加熱効率を向上させることができる。
なお、本実施形態では、容器10内に収容させた水槽18に水を供給可能な態様とした例を示しているが、このような態様に代えて、容器10外において水槽18に水を供給するようにしてもよい。この場合は、給水元14に接続された給水管やこれを開閉する開閉弁を設けないようにしてもよい。このような構成とすれば、容器10自体の簡略化を図ることができる。
また、このように容器10内に収容された水槽18内において被処理木材2を水に浸漬させる態様に代えて、容器10内に、直接的に水を溜めて被処理木材2を浸漬させる態様としてもよい。例えば、図3(b)に示す木材処理装置1の一変形例では、水槽18を設けずに、容器10内に直接的に水を溜水可能な構成としている。この場合は、高圧高温水蒸気供給源15に接続された水蒸気供給管が水中において開口しないように、容器10の上部等に接続するようにしてもよい。
なお、この場合において、保水材19を設ける場合には、容器10内の水面を覆うように水面の上方側に所定間隔を隔てて保水材19を配置するようにしてもよい。
また、このように容器10内に、直接的に水を溜水可能とした態様に代えて、容器10内に堰等を設けて溜水可能とした構成等としてもよい。
次に、本発明に係る木材処理方法を用いた実施例の一例と比較例とを、図4を参照して説明する。
各実施例及び比較例1では、同種の木材(ホワイトオーク)、同様の寸法(長さ寸法:600mm、厚さ寸法:34mm、幅寸法:80mm)及び同数(100本)の被処理木材を、桟木を介して多段状に、かつ幅方向に隙間を設けて容器内に配した。また、各実施例では、奥行寸法及び幅寸法がともに1000mmで深さ寸法が600mmの水槽内に、被処理木材を配した。比較例1では、容器内の載置部に被処理木材を配した。
実施例1〜3では、水槽内の水(水道水)に被処理木材を浸漬させた状態で加熱処理工程及び冷却工程を行った。
実施例4では、水槽内のポリエチレングリコール(PEG)水溶液(濃度5%)に被処理木材を浸漬させた状態で加熱処理工程及び冷却工程を行った。
比較例1では、被処理木材を水に浸漬させることなく加熱処理工程及び冷却工程を行った。
各実施例及び比較例1では、上記のように容器内の空気を水蒸気に置換した後、同様な態様で高圧高温水蒸気を間欠的に供給して昇圧昇温し、目標加熱温度120℃で加熱処理を行った。加熱処理時間は、比較例では、35分とし、各実施例では、水槽内の水(水溶液)の昇温を考慮して50分とした。
そして、それぞれ下記のような冷却工程を行った後に容器から取り出した処理木材に対して以下のような評価試験を行った。
実施例1及び比較例1では、容器内が大気圧(100℃)となるまで徐々に排気する排気冷却を行った。これらの冷却所要時間は、30分であった。
実施例2では、容器内が大気圧(100℃)となるまで徐々に排気した後、容器内の温度が所定の冷却目標温度(40℃)となるまで放置する排気・放置冷却工程を実行した。この実施例2の冷却所要時間は、120分であった。
実施例3,4では、容器内が大気圧(100℃)となるまで徐々に排気した後、真空発生源を起動させて容器内の温度が所定の冷却目標温度(40℃)となるまで吸引排気して減圧する排気・減圧冷却工程を実行した。これらの冷却所要時間は、40分であった。
各実施例及び比較例1において処理された処理木材の表面を、処理直後、3時間経過後及び12時間経過後に、それぞれ目視観察を行い、目視で確認できる割れが表面に発生している木材の本数の割合を割れ発生率として算出した。
結果は、図4に示すように、実施例1では、処理直後に3%、3時間経過後に20%、12時間経過後に40%の割れ発生率であった。
実施例2では、処理直後に4%、3時間経過後に8%、12時間経過後に13%の割れ発生率であった。
実施例3では、処理直後に3%、3時間経過後に7%、12時間経過後に15%の割れ発生率であった。
実施例4では、処理直後に2%、3時間経過後に5%、12時間経過後に7%の割れ発生率であった。
比較例1では、処理直後に80%、3時間経過後に90%、12時間経過後に95%の割れ発生率であった。
上記結果から明らかなように、水または水溶液に浸漬させた状態で、加熱処理工程及び冷却工程を行った各実施例は、比較例1よりも割れ発生率が小さく、良好な結果となった。また、容器外との温度差が所定以下(20℃以下)となるまで水に浸漬させた状態で冷却した実施例2〜4は、大気圧となるまで水に浸漬させた状態で冷却した実施例1よりも割れ発生率が小さく、特に長時間経過後における割れ発生率が小さくなり、良好な結果となった。また、容器内を減圧しながら冷却した実施例3,4は、容器内が大気圧となった後、放置した実施例2よりも冷却に要した時間が極めて短く、良好な結果となった。また、PEG水溶液を用いた実施例4は、水(水道水)を用いた実施例3よりも割れ発生率が小さくなり、最も良好な結果となった。
なお、上記実施形態では、容器10内の水中外に高圧高温水蒸気を供給して容器10内を昇圧昇温させる態様としているが、このような態様に代えて、容器10内の水中に高圧高温水蒸気を供給して容器10内を昇圧昇温させる態様としてもよい。
また、容器10内に高圧高温水蒸気を供給して容器10内を昇圧昇温させる態様に代えて、または加えて、容器10内に高温媒体が流通される熱交換パイプやヒーター等の加熱源を設け、加圧エアーを導入する態様や、高温加圧エアーを導入する態様としてもよい。また、容器10内に加熱源を設けた態様に代えて、容器10を外部から加熱する加熱源を設けた態様等としてもよい。容器10内を昇圧昇温させる態様としては、その他、種々の変形が可能である。
1 木材処理装置
10 容器
17 制御部
19 保水材
2 被処理木材
2A 処理木材(処理後の木材)

Claims (6)

  1. 被処理木材を、容器内において水に浸漬させた状態で前記容器内を昇圧昇温させて高圧高温下で処理した後、該処理後の木材を、水に浸漬させた状態で前記容器内を大気圧以下に降圧して冷却することを特徴とする木材処理方法。
  2. 請求項1において、
    前記容器内に高圧高温水蒸気を供給して前記容器内を昇圧昇温させて高圧高温下で前記被処理木材を処理することを特徴とする木材処理方法。
  3. 請求項2において、
    前記容器内に高圧高温水蒸気を間欠的に供給することを特徴とする木材処理方法。
  4. 請求項2または3において、
    前記被処理木材を浸漬させた水面の上方側を、透湿性を有する保水材によって覆った状態で、前記容器内に高圧高温水蒸気を供給することを特徴とする木材処理方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項において、
    前記被処理木材を浸漬させる水として、寸法安定化成分を溶解させた水溶液を用いることを特徴とする木材処理方法。
  6. 被処理木材を浸漬させる水を溜水可能な容器と、
    前記容器内において前記被処理木材を水に浸漬させた状態で前記容器内を昇圧昇温させた後に、該処理後の木材を水に浸漬させた状態で前記容器内を大気圧以下に降圧させる制御を実行する制御部と、
    を備えていることを特徴とする木材処理装置。
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