JP6799780B2 - 木材処理装置及び木材処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、被処理木材を処理する木材処理装置及び木材処理方法に関する。
従来より、容器内に高圧高温水蒸気を供給して容器内に収容されたフリッチ材等の被処理木材に着色等の処理をする木材処理装置が知られている。このような木材処理装置においては、高圧高温水蒸気を供給して加熱した後に冷却する必要があるが、急激に圧力を降下させれば、処理された木材内部の水分が急激に沸騰・気化して木材が急激に乾燥し、割れが生じ易くなることが考えられる。
例えば、下記特許文献1には、木材を高圧蒸気釜内部において高圧蒸気処理した後、水を供給して木材を水没させてから降温降圧処理する構成とされた装置の開示がある。
特開2009−285875号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されたような着色装置では、高圧の蒸気釜内に、木材を水没させるための水を供給する必要があるため、加圧した水を供給する必要があり、更なる改善が望まれる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、処理後の木材の割れを効果的に抑制し得る木材処理装置及び木材処理方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る木材処理装置は、被処理木材を水に浸漬させた状態で収容可能な容器と、前記容器内に高圧高温水蒸気を供給する水蒸気供給部と、外表面の少なくとも一部が前記容器内の気相部に位置するように、かつ該容器内を通過するように設けられ、冷却媒体を流通させる冷却路と、を備えており、前記水蒸気供給部は、前記容器内において前記被処理木材が浸漬される水中に高圧高温水蒸気を供給する構成とされていることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る木材処理方法は、容器内において被処理木材を水に浸漬させた状態で、該容器内に高圧高温水蒸気を供給して高圧高温下で前記被処理木材を処理した後に、外表面の少なくとも一部が前記容器内の気相部に位置するように、かつ該容器内を通過するように設けられた冷却路に冷却媒体を流通させて処理後の木材を水に浸漬させた状態で冷却することを特徴とする。
本発明に係る木材処理装置は、上述のような構成としたことで、また、本発明に係る木材処理方法によれば、処理後の木材の割れを効果的に抑制することができる。
(a)、(b)は、いずれも本発明に係る木材処理装置の一例を模式的に示し、(a)は、同木材処理装置を含むシステム構成の一例を模式的に示す概略側面図、(b)は、同木材処理装置の一部破断概略縦断面図である。 同木材処理装置の一例を用いて実行される本発明に係る木材処理方法の一例を模式的に示す概略フローチャートである。
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、以下の実施形態では、本実施形態に係る木材処理装置を設置した状態を基準として上下方向等の方向を説明する。
図1及び図2は、本実施形態に係る木材処理装置の一例及びこれを用いて実行される本実施形態に係る木材処理方法の一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る木材処理装置1は、図1(a)、(b)に示すように、被処理木材2を水に浸漬させた状態で収容可能な容器10と、容器10内に高圧高温水蒸気を供給する水蒸気供給部15と、を備えている。
この木材処理装置1によって加熱処理される被処理木材2としては、図1(b)に示すように、長尺角柱状とされたフリッチ材でもよい。この被処理木材2は、種々の樹種でもよく、例えば、オーク等の比較的に乾燥によって割れが生じ易い樹種でもよい。また、この被処理木材2の長さ、厚さ及び幅寸法は、加熱処理後や集成後になされる研磨等による寸法調整を考慮して適宜、設定された寸法としてもよい。なお、被処理木材2としては、長尺角柱状とされたものに限られず、平板状とされたものや、その他、種々の形状とされたものでもよい。
容器10は、耐圧性を有しており、一方向に開口する横長円筒形状の容器本体11と、この容器本体11の開口を密閉するように閉止する開閉蓋12と、を備えている。容器本体11には、被処理木材2が載置されるプレート状の載置部13が設けられている。図例では、この載置部13を、ローラー14を介して出し入れ自在とした例を示している。
開閉蓋12は、適宜の緊締手段によって、容器本体11を気密的(水密的)に封止し、かつ容器本体11に対して着脱自在または開閉自在とされている。
また、この容器10には、複数本の被処理木材2の収容が可能とされている。例えば、容器本体11の長手方向に長手方向を沿わせるように複数本の被処理木材2を配するようにしてもよい。図例では、容器本体11内に複数本の被処理木材2を複数列状に横並びに配し、かつ複数段状に積み重ねるように配した例を示している。また、隣り合う被処理木材2同士の間に隙間が形成されるように配した例を示している。図例では、複数本の被処理木材2を、横方向に間隔を空けてかつ上下方向に桟部材3を介在させて配した例を示している。また、最下段の被処理木材2と載置部13との間にも桟部材3を介在させた例を示している。なお、容器10内における被処理木材2の配置態様は、このような態様に限られず、その他、種々の変形が可能である。
また、本実施形態では、この容器10自体を、被処理木材2を浸漬させる水を溜水可能な構成としている。つまり、容器10内の下層側が液相となる溜水部4となり、容器10内の上層側が水蒸気等で満たされる気相部6となる。図例では、気相部6よりも溜水部4の体積が大となるように容器10内に溜水させた例を示している。つまり、容器10内の水面5を容器10内の上側領域に位置させた例を示している。なお、この容器10内における水面5が適宜のレベル(所定の溜水レベル)となるように容器10内に給水するようにしてもよく、所定の溜水レベルを検出する適宜のレベルセンサーや水位計等を設けた構成としてもよい。また、容器10自体を溜水部4とした態様に代えて、被処理木材2を浸漬させる水を溜水可能な水槽を容器10内に収容させた構成としてもよい。
水蒸気供給部15は、高圧高温水蒸気供給源からの高圧高温水蒸気を容器10内に供給する水蒸気供給管を容器10に接続した構成とされている。本実施形態では、水蒸気供給部15を、容器10内において被処理木材2が浸漬される水中に高圧高温水蒸気を供給する構成としている。また、容器10に接続された水蒸気供給管の供給口16を、容器10内の溜水部4において開口させた構成としている。図例では、供給口16を、容器本体11の長手方向に沿って開口させた例を示しているが、上方側に向けて開口させた構成としてもよく、複数の供給口16を設けた構成としてもよい。なお、容器10内の溜水部4において開口する供給口16に加えて、気相部6において開口する供給口16を設けた構成としてもよい。また、水蒸気供給管の供給口16付近等の適所に、水蒸気供給管内への水の流入を防止する逆止弁等を設けた構成としてもよい。また、水蒸気供給部15の高圧高温水蒸気供給源としては、高圧ボイラー等としてもよい。
また、容器本体11の下部には、容器10内の水を排出する排水管等が接続されている。なお、容器10内に上記のような水槽を設けた場合には、容器本体11の下部等に、スチームトラップやフィルタ等が設けられたドレン管等を接続した構成としてもよい。
また、容器本体11の上部には、給水元17からの水を容器10内に供給する給水管が接続されている。給水元17としては、給水タンクや水道管等としてもよい。また、容器本体11の上部には、容器10内からの水蒸気乃至はガスを排出する排気管等が接続されている。
なお、容器10には、容器10内の温度(気相部6及び溜水部4の両方または一方の温度)を測定する温度センサーや、圧力を測定する圧力センサー等が設けられている。
また、木材処理装置1は、容器10内を通過するように設けられ、冷却媒体を流通させる冷却路19を備えている。この冷却路19は、外表面の少なくとも一部が容器10内の気相部6に位置するように設けられている。つまり、冷却路19は、全体が溜水部4に水没することなく、外表面の少なくとも一部に水蒸気等の気体が接触するように設けられている。
また、この冷却路19は、容器10内に直接的に冷却媒体等を供給して容器10内を直接的に冷却するものではなく、当該冷却路19内に流通される冷却媒体によって容器10内を言わば間接的に冷却する熱交換部として機能する。
この冷却路19には、容器10外の冷却媒体供給部18に接続された媒体供給管が接続されている。この媒体供給管及び上記した各管路(水蒸気供給管、給水管、排水管、排気管)には、開閉弁(ON/OFF弁)がそれぞれに設けられている。
このような冷却媒体供給部18としては、冷却路19に、温度調整された冷却媒体を循環供給可能な構成とされたものとしてもよい。例えば、冷却媒体を循環させる循環ポンプや、循環される冷却媒体を所定温度となるように冷却するガス式や空冷式、水冷式等の冷却器等を備えた冷却媒体供給部18としてもよい。
また、冷却媒体の温度は、常温程度としてもよく、また、例えば、5℃〜50℃程度としてもよく、好ましくは、10℃〜40℃程度としてもよい。
また、冷却媒体としては、水等でもよく、油系、アルコール系等の他の流体でもよく、さらには、流体に限られず、気体でもよい。
なお、冷却媒体供給部18としては、上記のような循環供給可能な構成とされたものに限られず、例えば、工場等に設置されるクーリングタワー等としてもよく、さらには、水道(工業用水道、上水道)を冷却媒体供給部18としてもよい。この場合は、冷却路19を通過させた冷却媒体が排水されるものとしてもよい。
また、冷却路19は、略円筒状で長尺状とされ、上流側端部が冷却媒体供給部18の送媒側に接続され、下流側端部が冷却媒体供給部18の返媒側に接続されている。
本実施形態では、この冷却路19を、容器10内の水面5の上方側に位置するように設けた構成としている。つまり、水面5の上方側に位置する冷却路19は、その外周面が全周に亘って水蒸気等の気体に接触する構成とされている。図例では、容器10の長手方向に長手方向を沿わせた冷却路19を、容器10内の気相部6の上下方向略中央部に位置するように設けた例を示している。なお、冷却路19を、その全体が容器10内の水面5の上方側に位置するように設けた構成に限られず、容器10内に配された冷却路19の長手方向の大半が容器10内の水面5の上方側に位置するように設けた構成としてもよい。つまり、容器10内における冷却路19の長手方向の一部が溜水部4内に水没しているようなものでもよい。
また、図例では、容器10の長手方向に長手方向を沿わせた直管状の単一の冷却路19を容器10内に設けた例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、容器10内に複数本の冷却路19を並列状に設けたり、単一または複数の冷却路19を容器10内において蛇行状に設けたりしてもよい。この冷却路19の配管態様(配管パターン)としては、その他、種々の変形が可能である。
また、冷却路19の長さ寸法や径は、後記する冷却工程の際に、効果的な冷却がなされるように適宜、設定するようにしてもよい。また、略円筒状の冷却路19に限られず、略多角筒状の冷却路19としたり、さらには、比較的に大判の平板状の冷却路19としたりしてもよい。また、冷却路19の外周に、径方向に突出する突部や鍔部等を設けた構成としてもよい。また、この冷却路19は、金属系材料等から形成されたものでもよい。
また、木材処理装置1には、上記した水蒸気供給部15や冷却媒体供給部18、各開閉弁等に信号線等を介して接続され、これらを作動制御する制御部20が設けられている。
この制御部20には、例えば、CPU等の制御回路や、メモリ等によって構成され、後記する基本動作例を含む各種動作プログラム等を記憶する記憶部等が設けられている。
この制御部20によって各部が制御されて以下のような基本動作(本実施形態に係る木材処理方法)の実行がなされる。
本実施形態に係る木材処理方法は、容器10内において被処理木材2を水に浸漬させた状態で、容器10内に高圧高温水蒸気を供給して高圧高温下で被処理木材2を処理する構成とされている。また、同木材処理方法は、高圧高温下で被処理木材2を処理した後に、冷却路19に冷却媒体を流通させて処理後の木材(処理木材)2Aを水に浸漬させた状態で冷却する構成とされている。
以下、同木材処理方法の具体的工程の一例について説明する。
まず、上記したように被処理木材2を容器10内に配置し、容器10内に水を供給して被処理木材2を水に浸漬させた状態とする(ステップ100)。この際、給水元17に接続された給水管の開閉弁を容器10内が所定の溜水レベルになるまで開放させて給水するようにしてもよく、適宜のセンサーによる溜水レベルの検出によって開閉弁が閉鎖されるものでもよい。また、水に浸漬された被処理木材2を、水没させた状態に維持する浮き上がり防止部材を設けるようにしてもよい。例えば、浮き上がり防止部材としての重しや適宜の桟等によって被処理木材2を上方側から押さえつけるような態様としてもよく、また、浮き上がり防止部材としての金属製籠やワイヤー等によって被処理木材2を拘束するような態様としてもよい。
また、被処理木材2を浸漬させる水としては、水道水(清水)としてもよいが、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)や、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(PEGMA)等の寸法安定化成分を溶解させた水溶液を用いるようにしてもよい。
次いで、密閉された容器10内において被処理木材2を水に浸漬させた状態で、容器10内に高圧高温水蒸気を供給して容器10内を昇圧昇温させる加熱処理工程を実行する(ステップ101)。つまり、水蒸気供給部15に接続された水蒸気供給管の開閉弁を開放させ、上記のように容器10内の溜水部4において開口した供給口16を介して水中に高圧高温水蒸気を供給する。これにより、容器10内の溜水部4の水が撹拌されながら、水温が徐々に上昇し、気相部6も水蒸気(飽和水蒸気)で満たされる。
また、この加熱処理工程においては、容器10内が所定の温度となるように高圧高温水蒸気を供給するようにしてもよい。また、容器10内の水温が所定の温度となるように高圧高温水蒸気を供給するようにしてもよい。
この加熱処理工程における目標となる処理温度(容器10内の水温)は、105℃以上としてもよく、例えば、この処理温度を、105℃〜160℃程度、好ましくは120℃前後としてもよい。また、容器10内に高圧高温水蒸気を間欠的に供給する構成としてもよい。
また、この加熱処理工程によって容器10内が徐々に昇圧し、容器10内の圧力が最終目標設定圧力値となれば、または、所定の目標処理温度となれば、所定時間が経過するまで加熱処理工程を継続させる保持工程を実行するようにしてもよい。なお、この加熱処理工程は、被処理木材2が心部まで均一に着色されるように、所定の加熱処理時間が経過するまで実行するようにしてもよい。また、上記した処理温度や加熱処理時間を適宜、変更することで、処理木材2Aの着色度合いを調整するようにしてもよい。
また、高圧高温水蒸気を容器10内に供給する際には、排気管の開閉弁を間欠的に開放させたり、開閉弁を開閉制御し、圧力調整しながら、昇圧昇温させたりしてもよい。または、排気管に流量調整弁を設け、僅かに排気(リーク)させながら高圧高温水蒸気を容器10内に供給する態様等としてもよい。
次いで、加熱処理された処理木材2Aを水に浸漬させた状態で、冷却路19に冷却媒体を流通させて処理木材2Aを冷却する冷却工程を実行する(ステップ102)。つまり、水蒸気供給部15に接続された水蒸気供給管の開閉弁を閉鎖させて高圧高温水蒸気の供給を停止させ、冷却媒体供給部18に接続された媒体供給管の開閉弁を開放させて冷却媒体を冷却路19に流通させる。これにより、容器10内の気相部6に充満している水蒸気が気相部6において露出する冷却路19の外表面(外周面)において結露(凝縮)し、容器10内の気相部6の圧力が降下する。この圧力降下に伴う沸点降下によって容器10内の高温水及び処理木材2Aに含まれる水分が沸騰・気化し、その気化熱によって容器10内の高温水及び処理木材2Aの冷却がなされる。また、沸点降下によって沸騰・気化した水蒸気が冷却路19の外周面において結露し、以降、上記同様、容器10内の高温水及び処理木材2Aの冷却がなされる。
この冷却工程は、容器10内を密閉した状態で、つまり、排気や排水することなく実行することが好ましい。
また、この冷却工程においては、少なくとも容器10内の雰囲気圧力が大気圧以下となるまで冷却路19に冷却媒体を流通させるようにしてもよく、また、容器10内が所定の冷却目標温度となるまで冷却路19に冷却媒体を流通させるようにしてもよい。また、容器10内の水温が所定の冷却目標温度となるまで冷却路19に冷却媒体を流通させるようにしてもよい。つまりは、所定の冷却目標温度となれば、冷却媒体供給部18に接続された媒体供給管の開閉弁を閉鎖させて冷却工程を終了させるようにしてもよい。この冷却目標温度は、容器10内から取り出した処理木材2Aの割れを抑制する観点等から、また、樹種や処理条件、容器10外の温度等に応じて、適宜、設定するようにしてもよい。例えば、この冷却目標温度を、70℃〜20℃程度としてもよく、好ましくは、60℃〜30℃程度としてもよく、より好ましくは、50℃以下としてもよい。また、この冷却目標温度を、容器10外の温度との温度差が40℃以下となるように設定するようにしてもよく、好ましくは、容器10外の温度との温度差が20℃以下となるように設定するようにしてもよい。
そして、このように冷却工程を実行した後、適宜、排水等を行い、容器10を開放させ、処理木材2Aを取り出すようにしてもよい。このような処理が施された処理木材2Aは、表面にスライサーや研磨等の平滑化処理や、その他、適宜、用途に応じた加工がなされるものとしてもよい。例えば、複数本の処理木材2Aを集成し、薄板状にスライスしてスライス単板等として用いられるものとしてもよい。また、このようなスライス単板を適宜の基材に積層した積層板、または、処理木材2A自体を、床材や壁材、天井材、造作材等の建材や、家具材、工芸品等として用いられるものとしてもよい。
なお、所定の冷却目標温度となるまで冷却路19に冷却媒体を流通させる態様に代えて、例えば、容器10内の圧力が大気圧となるまで降圧して冷却した後、または、適宜の温度となれば、処理木材2Aを浸漬させた状態で放置するようにしてもよい。つまりは、冷却工程の初期においてのみ冷却路19に冷却媒体を流通させて冷却するような態様等としてもよく、その他、種々の変形が可能である。
本実施形態に係る木材処理装置1は、上述のような構成としたことで、また、本発明に係る木材処理方法によれば、処理後の木材(処理木材)2Aの割れを効果的に抑制することができる。
つまり、容器10内に高圧高温水蒸気を供給して容器10内に収容された被処理木材2を高圧高温下で処理することで、着色したり、被処理木材2に耐光性を付与したりすることができ、このような処理が施された処理木材2Aを製造することができる。
また、被処理木材2を容器10内において水に浸漬させた状態で容器10内を昇圧昇温させて高圧高温下で処理することができる。従って、加熱処理工程において処理木材2Aの外周表面の略全面に水が接触した状態となり、処理木材2Aの割れを効果的に抑制することができる。
また、外表面の少なくとも一部が容器10内の気相部6に位置するように、かつ容器10内を通過するように設けられた冷却路19に冷却媒体を流通させることで、上述のように、処理木材2Aを冷却することができる。これにより、加熱処理工程の後の冷却工程において、容器10内が大気圧となるまで徐々に排気したり、放置冷却するような態様と比べて、冷却時間の短縮化を図ることができる。また、例えば、真空ポンプ等による強制吸引によって容器10内の圧力を降下させた場合には、急激な圧力降下によって処理木材2Aに割れが生じたり、突沸が生じたりすることが考えられるが、上記構成によれば、このようなことを抑制することができる。
また、このような冷却工程(の少なくとも初期)においても、処理木材2Aを容器10内において水に浸漬させた状態で行うことができ、処理木材2Aの割れを効果的に抑制することができ、また、温度ムラを生じ難くすることができる。また、加圧した水を容器10内に直接的に供給して冷却するようなものと比べて、加圧水を供給するポンプ等が不要となり、また、高圧の容器10内への水の供給による熱衝撃の発生を防止することができる。
また、本実施形態では、冷却路19を、容器10内の水面5の上方側に位置するように設けている。従って、冷却路19を、長手方向の全体に亘って外表面の一部を水没させたようなものと比べて、水蒸気の接触面積を効率的に大きくすることができ、より効果的に冷却することができる。また、冷却路19の外表面において結露した結露水を容器10内の高温水に滴下させることができ、例えば、容器10内に被処理木材2を水に浸漬させた状態で収容する水槽を設けて水槽の側方や下方側に冷却路19を設けたようなものと比べて、より効果的に冷却することができる。
また、本実施形態では、水蒸気供給部15を、容器10内において被処理木材2が浸漬される水中に高圧高温水蒸気を供給する構成としている。例えば、容器10内の気相部6に高圧高温水蒸気を供給するようなものでは、水面5付近における熱交換によって徐々に昇温されることとなり、温度ムラが生じ易くなることが考えられるが、上記構成によれば、容器10内の水を効果的に加熱することができる。つまり、容器10内の水中に高圧高温水蒸気を供給することで、容器10内の水を言わば直接的に加熱することができ、また、容器10内の水を攪拌させることができ、温度ムラを生じ難くすることができる。なお、このような態様に代えて、水蒸気供給部15を、容器10内の気相部6に高圧高温水蒸気を供給する構成としてもよい。また、容器10内に高圧高温水蒸気を供給して容器10内を昇圧昇温させる態様に加えて、容器10内に高温媒体が流通される熱交換パイプやヒーター等の加熱源を設けたり、容器10を外部から加熱する加熱源を設けたりしてもよい。
また、本実施形態では、冷却路19を、容器10内の水面5の上方側に位置するように設けた例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、冷却路19を、長手方向の全体に亘って外表面の一部が水没するように設けた態様としてもよい。また、容器10内に、被処理木材2を水に浸漬させる水槽を設けた場合には、この水槽の側方や下方側に位置するように冷却路19を設けた構成としてもよく、さらには、水槽の側壁の一部にウォータージャケット状に冷却路19を設けたような態様等としてもよい。外表面の少なくとも一部が容器10内の気相部6に位置するように冷却路19を設ける態様としては、その他、種々の変形が可能である。
1 木材処理装置
10 容器
15 水蒸気供給部
19 冷却路
2 被処理木材
2A 処理木材(処理後の木材)
5 水面
6 気相部

Claims (3)

  1. 被処理木材を水に浸漬させた状態で収容可能な容器と、
    前記容器内に高圧高温水蒸気を供給する水蒸気供給部と、
    外表面の少なくとも一部が前記容器内の気相部に位置するように、かつ該容器内を通過するように設けられ、冷却媒体を流通させる冷却路と、
    を備えており、
    前記水蒸気供給部は、前記容器内において前記被処理木材が浸漬される水中に高圧高温水蒸気を供給する構成とされていることを特徴とする木材処理装置。
  2. 請求項1において、
    前記冷却路は、前記容器内の水面の上方側に位置するように設けられていることを特徴とする木材処理装置。
  3. 容器内において被処理木材を水に浸漬させた状態で、該容器内に高圧高温水蒸気を供給して高圧高温下で前記被処理木材を処理した後に、外表面の少なくとも一部が前記容器内の気相部に位置するように、かつ該容器内を通過するように設けられた冷却路に冷却媒体を流通させて処理後の木材を水に浸漬させた状態で冷却することを特徴とする木材処理方法。
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