JP2009241027A - オートクレーブ - Google Patents

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雅行 加納
Takeshi Tanaka
毅 田中
Kenji Yamagishi
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Abstract

【課題】使用後に缶体内の底部側に残留する水分量を低下させ易く、底部側の腐食による劣化を防止し易いオートクレーブを提供する。
【解決手段】収容口13及び収容口13を開閉する蓋15を有する缶体10と、缶体10内を減圧する真空ポンプ20と、缶体10内に水蒸気を供給する水蒸気供給装置30と、缶体10内と連通して弁75を有する排水管路40と、缶体10内と連通して弁85を有する降圧管路50とを備えたオートクレーブであり、缶体10の下方に排水管路40へのドレン水の流入部60と降圧管路50への蒸気の流入部60とを設けている。
【選択図】図1

Description

本発明は、水蒸気供給装置から缶体に水蒸気が供給され、排水管路及び降圧管路からドレン水及び蒸気が排出されるオートクレーブに関する。
従来、電柱、ALCパネル等の製造時の養生処理などには、大型のオートクレーブが使用されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1のオートクレーブは、図5に示すように、処理対象物111を収容及び取出可能な缶体110と、缶体110内に水蒸気を供給する水蒸気供給装置130と、真空ポンプ120と、ドレン水除去手段140と、缶体110の頂部に開口して設けられた降圧配管153と、降圧管路150とを備えている。
缶体110は、処理対象物111を出し入れするための収容口113と、収容口113を開閉する蓋115とを備える。真空ポンプ120は、真空ポンプ本体121と、真空ポンプ本体から缶体110までの減圧配管123と、減圧配管123を開閉する真空制御弁125とを備える。水蒸気供給装置130は、ボイラ等の水蒸気発生源131と、水蒸気発生源131から缶体110までの蒸気配管133と、蒸気配管133を開閉する蒸気弁135とを備える。
ドレン水除去手段140は、減圧時に生じるドレン水を排出するもので、減圧配管123から下方に分岐して設けられた排水配管143と、排水配管143を開閉する電動弁からなるドレン水除去弁145とを備える。降圧管路150は、缶体110内を大気開放して蒸気を排出するもので、缶体110の頂部に開口して設けられた降圧配管153と、降圧配管153を開閉する排気弁155とを備える。
また、特許文献2で示すオートクレーブは、図6に示すように、処理対象物111を収容及び取出可能な缶体110と、缶体110内の気体を撹拌するファン装置210と、缶体110内に水蒸気を供給する水蒸気供給装置130に接続される蒸気配管133と、缶体110から蒸気を排出して降圧させる降圧管路150と、間接加熱装置230とを備える。
このようなオートクレーブで例えば養生処理を行うには、特許文献1で示すオートクレーブでは、処理対象物111を缶体110内に収容して蓋115を閉塞した後、最初に排気弁155のみが開いた状態で、蒸気弁135を開いて蒸気配管133から飽和水蒸気を缶体110内に供給するとともに降圧管路150から缶内の空気を排出し、缶内の空気を蒸気と置換する。その後、蒸気弁135、排気弁155を閉じて真空ポンプ120で缶内を真空引きして減圧した後、真空制御弁125を閉じ、蒸気弁135を開いた状態で蒸気配管133から飽和水蒸気を供給して缶体110内を昇温及び昇圧する。このとき、凝縮により生じるドレン水は缶体110の底部に滞留する。そして、所定の圧力及び温度を所定時間維持して養生処理を行う。
また、特許文献2で示すオートクレーブでは、処理対象物111を缶体110内に収容して蓋115を閉塞した後、最初に弁155を開いた状態で、蒸気配管133から飽和水蒸気を缶体110内に供給するとともに降圧管路150から缶内の空気を排出し、缶内の空気を蒸気と置換する。その後、弁155を閉じた状態で蒸気配管133から飽和水蒸気を供給して缶体110内を昇温及び昇圧する。このとき、凝縮により生じるドレン水は缶体110の底部に滞留する。そして、所定の圧力及び温度を所定時間維持して養生処理を行う。
処理終了後、特許文献1で示すオートクレーブでは、排気弁155を開いて降圧管路150により缶体110内の蒸気を大気放出して降圧する。その後排気弁155を閉じ、真空制御弁125を開いた状態で、真空ポンプ本体121で真空引きされることにより処理対象物111を降温するとともに発生したドレン水をドレン水除去手段140により排出する。缶体110内の圧力を大気圧まで昇圧した後、蓋115を開いて処理対象物111を缶体110から取り出すようにしている。
また、特許文献2で示すオートクレーブでは、弁155を開いて降圧管路150により缶体110内の蒸気を大気放出して降圧する。缶体110内の圧力を大気圧まで降圧した後、蓋115を開いて処理対象物111を缶体110から取り出すようにしている。
特許第3443214号公報 実開平5−56235号公報
しかしながら、このようなオートクレーブの場合、処理終了後の降圧時には、放熱に伴う熱対流により位置の高低に応じた温度分布が生じる上に、缶体110内が降圧することで、底部でドレン水の再蒸発が起こり、底部側では蒸気が湿潤状態となり易いと共に、潜熱が奪われて温度が低下し易い。一方、頂部側では、蓄熱された処理対象物111や缶体110に接触して蒸気が加熱され、底部側に比べて温度が低下し難く、過熱状態となり易い。そのため、底部側には低温で湿った湿潤蒸気が滞留し易く、頂部側には底部側に比べて高温の乾燥蒸気が滞留し易い。
また、缶体10の降圧後は、ドレン水は重力により流下するだけであるため、缶体110の底部にドレン水が残留し易かった。一方、特許文献1で示すオートクレーブでは、処理後にも缶内を真空引きすることで再蒸発した一部の水蒸気が凝縮したものをドレン水としてドレン水除去手段140から排出することができるようにしているが、処理動作が煩雑となる割には、缶底部に滞留するドレン水は依然として缶体110内に残留し易かった。
その結果、缶体110の底部側では、最終的に残留する水分量が頂部側に比べて多く、常に缶体110の底部側が湿潤状態に保たれて、錆や腐食による設備の劣化が生じ易いという問題点があった。
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、使用後に缶体内の底部側に残留する水分量を低下させ易く、底部側の腐食による劣化を防止し易いオートクレーブを提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、請求項1に係るオートクレーブは、収容口及び前記収容口を開閉する蓋を有する缶体と、前記缶体内を減圧する真空ポンプと、前記缶体内に水蒸気を供給する水蒸気供給装置と、前記缶体内と連通して弁を有する排水管路と、前記缶体内と連通して弁を有する降圧管路とを備えたオートクレーブであり、前記缶体の下方に前記排水管路へのドレン水の流入部と前記降圧管路への蒸気の流入部とを設けて構成したものである。
このような構成によれば、排水管路へのドレン水の流入部と降圧管路への蒸気の流入部とが缶体の下方に設けられているので、処理終了後にドレン水及び蒸気を排出して缶体内を降圧する際、底部に滞留するドレン水と底部側に存在する低温の湿潤蒸気とを先に排出し、頂部側に存在する底部側より高温の乾燥蒸気をその後で排出することが可能である。そのため、降圧後に缶体底部にドレン水が残留し難く、底部側に存在する低温の湿潤蒸気をより多く排出させ易く、缶体底部を乾燥させ易い。
請求項2に係るオートクレーブは、前記排水管路の流入部と前記降圧管路の流入部とは、前記缶体底部に開口する共通管路からなり、前記共通管路の下流に前記排水管路の排出部と前記降圧管路の排出部とを分枝して設けて構成したものである。
このような構成によれば、缶体内を降圧する際、共通管路から底部に滞留するドレン水や底部側に存在する低温の湿潤蒸気を先に排出し、その後、同じ共通管路から頂部側に存在する底部側より高温の乾燥蒸気を排出することが可能である。そのため、共通管路内にドレン水や湿潤蒸気が残留し難く、共通管路を乾燥させ易い。
また、共通管路を排水管路の流入部と降圧管路の流入部として共用することができ、管路を構成する配管の部品点数を抑えることができる。しかも、排水管路の蒸気トラップ等の部品を、降圧管路の部品として利用することができる。そのため、管路の構成を簡略化することが可能である。
請求項3に係るオートクレーブは、前記共通管路と前記排水管路の排出部及び前記降圧管路の排出部との分岐部に気液分離部を設けて構成したものである。
このような構成によれば、缶体内から共通管路により排出されたドレン水及び蒸気を気液分離部でドレン水と気体とに確実に分離できるので、降圧管路の排出部に蒸気トラップを設けなくても気体を確実に降圧管路の排出部に排出でき、管路の構成を簡略化できる。
請求項4に係るオートクレーブは、前記共通管路は、前記缶体底部の複数位置に均等に開口する複数の部分共通管路と、前記複数の部分共通管路の合流部とを備え、前記排水管路の排出部及び前記降圧管路の排出部は、前記合流部の下流側に設けて構成したものである。
このような構成によれば、缶体底部の均等な複数位置からドレン水及び蒸気を底部の広い範囲から排出することができるので、缶体底部に残留するドレン水や、缶体の底部側に存在する低温の湿潤蒸気をより多く排出することができる。
本発明のオートクレーブによれば、処理終了後にドレン水及び蒸気を排出して缶体内を降圧することで、缶体の底部側のドレン水や低温の湿潤蒸気をより多く排出させることができるため、缶体の底部側に最終的に残留する水分量を少なく抑えることができ、底部側の腐食による劣化を防止し易い。
[第1の実施の形態]
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。
図1は、この実施の形態のオートクレーブを示す系統図であり、図2は缶体の断面図である。
<オートクレーブ>
この実施の形態では養生処理に仕様するオートクレーブについて説明する。オートクレーブは、図1に示すように、処理対象物11を収容する缶体10と、缶体10内を減圧する真空ポンプ20と、缶体10内に水蒸気を供給する水蒸気供給装置30と、缶体10の底部に開口し、排水管路40及び降圧管路50の一部を構成する共通管路60と、共通管路60の下流側に分岐して設けられた排水管路40の排出部70及び降圧管路50の排出部80と、排出部70の排出端73に設けられた消音水槽90とを備える。
<缶体>
缶体10は、処理対象物11を収容可能な圧力容器であり、図1に示すように、一方の側部に処理対象物11を出し入れするための収容口13を有する缶体本体12と、収容口13を開閉する蓋15とを備える。第1の実施の形態では、内部空間の容積が180m以上となるような大きさとなっている。符号10aは安全弁である。
缶体10の内部には、図2に示すように、出入れ方向に延びる一対のレール14と、一対のレール14間に配置された受け台16とが設けられている。この内部空間は、処理対象物11を載置する養生容器17と、養生容器17を支持してレール14上で転動可能な車輪18を備えた枠体19とが、レール14に沿って収容される構造となっている。
この缶体10の内部では、養生処理時に水蒸気の凝縮による多量のドレン水が生成される。特に、処理対象物11の昇温時には多量に生成される。生成されたドレン水は重力により流下し、缶体10内に滞留する。また、缶体10内に発生する湿潤蒸気が滞留する領域を図2に符号Aで示す。本発明では、この湿潤蒸気が滞留する領域Aの缶体10の内面を缶体10の下方の部分とし、下方の部分の一番低い部分を缶体10の底部とする。
なお、缶体10内に滞留するドレン水は、純水であってもよいが、多くの場合、処理対象物11に含まれた水溶性成分又は水和反応により生じた水溶性成分等が溶解された水溶液、懸濁成分が分散された分散液、不溶性成分が混合された混合液などとなる。
<真空ポンプ>
真空ポンプ20は、図1に示すように、真空ポンプ本体21と、真空ポンプ本体21から缶体10までの減圧配管23と、減圧配管23を開閉する電動弁25とを備える。この真空ポンプ20は、処理対象物11が収容されて蓋15で閉塞された缶体10の内部空間に存在する空気を排出し、内部を減圧することで、水蒸気供給装置30から供給される水蒸気の熱交換効率を向上させると共に、処理対象物11の内部の間隙等に水蒸気が到達し易くし、養生処理の効率を向上させるためのものである。
<水蒸気供給装置>
水蒸気供給装置30は、養生処理のための熱量や水分を缶体10内に供給するためのもので、図1に示すように、所定温度及び圧力の飽和水蒸気を生成可能な水蒸気発生源31と、水蒸気を水蒸気発生源31から缶体10まで移送する蒸気配管33と、蒸気配管33を開閉する圧力調整弁35とを備える。圧力調整弁35は、所定圧力で蒸気を缶体10内に供給するように開閉される。
<共通管路>
共通管路60は、排水管路40及び降圧管路50の流入部を構成するもので、缶体10の底部の複数位置にそれぞれ開口する複数の部分共通管路61と、複数の部分共通管路61が合流する複数の合流部63とを備えた配管からなる。
排水管路40は、缶体10内のドレン水を排出するための管路であり、降圧管路50は、大気開放することで、缶体10内の加圧蒸気を主として排出し、缶体10内の圧力を大気圧まで降圧するための管路である。共通管路60は、排水管路40と降圧管路50とに共用されるもので、ドレン水及び加圧蒸気を移送する管路となっている。
各部分共通管路61の開口62は、缶体10の底部に開口するものであればよいが、好ましくは缶体10の底部の最低位置に開口すれば、滞留するドレン水をより多く排出し易くて好適である。
なお、共通管路60は、缶体10の底部の1箇所に開口した単数の配管からなるものであっても使用可能である。
<排水管路及び降圧管路の排出部>
排水管路40の排出部70及び降圧管路50の排出部80は、共通管路60の下流に分岐部65において分岐して設けられている。
排水管路40の排出部70は、分岐点71で複数の分岐排出部72に分岐されてそれぞれに排出端73が設けられた排出部排水配管74と、排出部排水配管74の分岐部65から分岐点71までの間に設けられて排出部排水配管74を開閉する電動弁75と、分岐排出部72にそれぞれ設けられた蒸気トラップ76と、各蒸気トラップ76と各排出端73との間に設けられた消音器77とを備えており、各排出端73は消音水槽90内にドレン水を排出して貯留するように開口されている。
この排水管路40の排出部70は、オートクレーブ稼働時に缶体10の内圧が大気圧より大きくなった時点で、電動弁75を開放することで、ドレン水だけを蒸気トラップ76から流下させて、排出端73から消音水槽に排出できる。なお、定期的に電動弁75を開放したり、缶体10内のドレン水の水位が所定値以上になった時点で電動弁75を開放してもよい。
一方、降圧管路50の排出部80は、分岐点81で複数の分岐排出部82a、82bに分岐されてそれぞれに排出端83a、83bが設けられた排出部降圧配管84と、排出部降圧配管84の分岐部65から分岐点81までの間に設けられて排出部降圧配管84の上流位置を開閉する電動弁85とを備える。分岐排出部82aは、分岐点81の下流側に設けられ、分岐排出部82aを開閉する圧力調整弁86を備える。分岐排出部82aの排出端83aは、消音水槽90内の貯留されたドレン水内に配置され、多数の排出開口87が設けられている。また、分岐排出部82bは、分岐点81の下流側に設けられ、分岐排出部82bを開閉する電動弁88を備える。分岐排出部82bの排出端83bは消音器89を備える。
この降圧管路50の排出部80は、養生処理が終了後、缶体10内を大気開放する時点で電動弁85を開放することで、缶体10内の加圧蒸気を流下させて大気放出させる。缶体10内の圧力が高い期間は、圧力調整弁86を開いて電動弁88を閉じることで、流下される加圧蒸気を分岐排出部82aの排出端83aから消音水槽90内のドレン水中に排出し、缶体10内の圧力が十分に降下した時点で、電動弁88を開いて分岐排出部82bの排出端83bから直接大気中に排出することができる。
<消音水槽>
消音水槽90は、排水管路40の排出部70から排出されるドレン水を貯留する大気開放された容器からなる。消音水槽90内にドレン水が貯留された状態で、降圧管路50の排出部80に流下した蒸気を、ドレン水中に配置された分岐排出部82aの排出端83aから多数の排出開口87を通して排出することで、排出時の音を消音する。
なお、消音水槽90に貯留されたドレン水は、その後、排出路91から排出される。
<養生処理>
次に、このオートクレーブを用いて養生処理を行う方法について説明する。
養生処理は、処理対象物11を缶体10内に収容する収容工程と、缶体10内を減圧する減圧工程と、缶体10内及び処理対象物11を所定温度まで昇温すると共に所定圧力まで昇圧する昇圧工程と、缶体10内を所定温度及び圧力に所定時間維持する保温工程と、所定時間経過後に缶体10内の圧力を大気圧まで降圧する降圧工程と、缶体10内の処理対象物11を取出す取出し工程とを備える。
以下に、各工程を詳細に説明する。理解容易のために、内部空間の容積が180mの缶体10を用いて、体積が略75mのシリカを主成分としたカルシウムを含む造粒物の養生処理を行う具体例を併せて説明する。
<収容工程>
処理対象物11を載置した養生容器17が、枠体19に支持された状態で搬送される。缶体10の蓋15を開放し、枠体19をレール14に沿って缶体本体12に収容する。その後、蓋15を閉塞して完了する。
<減圧工程>
各弁35、75、85を閉じた状態で、真空ポンプ20により缶体10内を真空引きして減圧する。減圧は処理対象物11に影響がない限り、出来るだけ低い圧力とするのが好ましい。具体例の場合、100Torrとした。減圧工程には0.5hを要した。
<昇圧工程>
弁25、75、85を閉じた状態で、水蒸気供給装置30から飽和水蒸気を缶体10内に供給することで、処理対象物11を昇温して缶体10内を昇圧する。飽和水蒸気が凝縮することで、潜熱により昇温させると共に、ドレン水が生成されて缶体10の底部に滞留する。
昇温及び昇圧が進み、缶体10に設けられた図示しない圧力センサ等により缶体10内の圧力を検出し、缶体10内の圧力が大気圧を超えた時点で、弁75を開き、共通管路60及び排出部70からなる排水管路40によりドレン水の排出を開始する。ドレン水の排出中は、蒸気トラップ76により缶体10内の蒸気の排出は規制される。ドレン水は排出部70の各排出端73から排出され、消音水槽90に貯留される。
これを継続することで、処理対象物11の温度及び缶体10内の圧力を所定の温度及び圧力に到達させる。水蒸気供給装置30から飽和水蒸気のみが供給されているため、例えば内圧が所定の飽和水蒸気圧に達することで、所定の温度及び圧力に到達した時点を検出することが可能である。この温度及び圧力は、水蒸気発生源31で生成される飽和水蒸気の温度及び圧力である。
具体例の場合、所定温度を192℃とし、所定圧力を1.2MPaGとした。昇圧工程には1.0h要した。
<保温工程>
水蒸気供給装置30からの飽和水蒸気の供給量を調整しつつ、缶体10内を所定の温度及び圧力で所定時間維持することで、処理対象物11の所望の養生処理を完了する。
具体例の場合、処理対象物の種類に応じて保温工程の時間を調整し、2〜10h要した。
<降圧工程>
水蒸気供給装置30からの飽和水蒸気の供給を停止し、共通管路60及び排出部80からなる降圧管路50により、缶体10内の加圧蒸気を排出する。まず、弁85を開放し、弁88を閉じ、弁86を開いた状態として、分岐排出部82aにより加圧蒸気を消音水槽90内の排出開口87から徐々に放出する。缶体10内の圧力が大気圧付近まで低下した後、弁88を開き、分岐排出部82bから直接大気へ放出する。
この降圧途中では、底部でドレン水の再蒸発が起こり、底部側の蒸気が湿潤状態となり、また、潜熱が奪われて温度が低下する。一方、頂部側では、蓄熱された処理対象物11や缶体10に接触して蒸気が加熱され、底部側に比べて温度が高い過熱状態となる。そのため、底部側に低温で湿った湿潤蒸気が滞留し、頂部側に底部側に比べて高温の乾燥蒸気が滞留した状態となっている。それ故、この降圧工程では、缶体10下方の共通管路60からドレン水が排出されつつ低温で湿った湿潤蒸気が排出され、その後、高温の乾燥蒸気が排出される。
そして、缶体10内を大気圧まで降圧し、必要に応じて、放熱させて所定温度まで降温することで、降圧工程を完了する。
具体例の場合、降圧工程に1.0h要した。
<取出し工程>
収容工程とは逆の手順で、処理対象物11を載置した養生容器17を、枠体19と共に取りだして搬出する。
これにより、養生処理を完了することができる。
以上のようなオートクレーブによれば、排水管路40へのドレン水の流入部であると共に降圧管路50への蒸気の流入部である共通管路60が缶体10の下方に設けられているので、養生処理終了後にドレン水及び蒸気を排出して缶体10内を降圧する際、底部に滞留するドレン水と底部側に存在する低温の湿潤蒸気とを先に排出し、頂部側に存在する底部側より高温の乾燥蒸気をその後で排出することが可能である。そのため、降圧後に缶体10の底部にドレン水が残留し難く、また、底部側に存在する低温の湿潤蒸気をより早く排出させ易く、缶体10底部を乾燥させ易い。その結果、缶体10の底部側に最終的に残留する水分量を少なく抑えて、底部側の腐食による劣化を防止し易い。
また、排水管路40の流入部と降圧管路50の流入部とが、缶体10の底部に開口する共通管路60からなり、共通管路60の下流に排水管路40の排出部70と降圧管路50の排出部80とを分枝して設けているので、缶体10内を降圧する際、底部に滞留するドレン水や底部側に存在する低温の湿潤蒸気を先に排出し、その後、頂部側に存在する底部側より高温の乾燥蒸気を排出することが可能である。そのため、共通管路60内にドレン水や湿潤蒸気が残留し難く、共通管路60内を乾燥させ易い。その結果、残留する水分量を少なく抑えることで、排水管路40の流入部及び降圧管路50の流入部の腐食による劣化を防止し易い。
更に、共通管路60を排水管路40の流入部と降圧管路50の流入部として共用することで、管路を構成する配管の部品点数を抑えることができる。しかも、排水管路40の蒸気トラップ76を降圧管路50の蒸気トラップとして利用することができるため、降圧管路50に蒸気トラップを設ける必要がない。そのため、管路の構成を簡略化することが可能である。
[第2の実施の形態]
図3は、第2の実施の形態のオートクレーブの要部を示す系統図である。
第2の実施の形態のオートクレーブは、共通管路60と排水管路40の排出部70及び降圧管路50の排出部80との分岐部65に気液分離部95を設けている他は、全て第1の実施の形態と同様に構成されている。
気液分離部95は、周囲が気密に囲まれた中空体からなる外側流路96と、外側流路96内に配置された中空体からなる内側流路97とを備え、内側流路97は、側面及び底面が気密に囲まれて断面略コ字状に形成された上部開口を有する上部開口体98と、多数の微細な貫通孔を備えて上部開口体98の上部開口を覆う気液仕切板99とを備える。
この気液分離部95では、ドレン水及び加圧蒸気が移送される共通管路60が外側流路96に接続され、排水管路40の排出部70が外側流路96の共通管路60から離間した位置に接続され、降圧管路50の排出部80が内側流路97に接続されている。
このような気液分離部95では、共通管路60からドレン水及び蒸気が外側流路96に流入すると、ドレン水はそのまま外側流路96を流動し、排水管路40の排出部70に流下する。一方、蒸気は、外側流路96を流動する過程で気液仕切板99により分離され、内側流路97に流入し、内側流路97から降圧管路50の排出部80へ流下する。そのため、共通管路60からのドレン水及び蒸気が気液分離され、それぞれを別々の管路に流出させることができる。
このような気液分離部95を有するオートクレーブであっても、第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることが可能である。
特に、分岐部65に気液分離部95を備えているので、ドレン水及び蒸気を気液分離部95でドレン水と蒸気とに確実に分離でき、排出部80に蒸気トラップを設けなくても、降圧管路50の排出部80に蒸気を確実に排出することが可能で、管路の構成を簡略化できる。
[第3の実施の形態]
図4は、第3の実施の形態のオートクレーブの要部を示す系統図である。
第3の実施の形態のオートクレーブは、共通管路60の複数の部分共通管路61が、缶体10の底部の複数位置に均等に開口している他は、第1の実施の形態と同様の構成を有している。ここで、均等に開口するとは、例えば、隣接する部分共通管路61の開口62同士の間隔がそれぞれ等しくなるように開口62が設けられていること、複数の部分共通管路61の開口62が缶体10の底部全体に略一定の密度で設けられていることなどが含まれる。
このようなオートクレーブであっても、第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることが可能である。
特に、複数の部分共通管路61が缶体10の底部の複数位置に均等に開口しているので、缶体10内のドレン水及び蒸気を底部の広い範囲から排出することができ、排出後に缶体10の底部に残留するドレン水や、缶体10の底部側に存在する低温の湿潤蒸気をより多く排出することが可能である。
本発明に係る第1の実施の形態のオートクレーブを示す系統図である。 缶体の断面図である。 本発明に係る第2の実施の形態のオートクレーブの要部を示す系統図である。 本発明に係る第3の実施の形態のオートクレーブの要部を示す系統図である。 従来のオートクレーブを示す系統図である。 従来の他のオートクレーブを示す系統図である。
符号の説明
10 缶体
11 処理対象物
15 蓋体
20 真空ポンプ
30 水蒸気供給装置
40 排水管路
50 降圧管路
60 共通管路
70、80 排出部
75、85 電磁弁
90 消音水槽

Claims (4)

  1. 収容口及び前記収容口を開閉する蓋を有する缶体と、前記缶体内を減圧する真空ポンプと、前記缶体内に水蒸気を供給する水蒸気供給装置と、前記缶体内と連通して弁を有する排水管路と、前記缶体内と連通して弁を有する降圧管路とを備えたオートクレーブであり、
    前記缶体の下方に前記排水管路へのドレン水の流入部と前記降圧管路への蒸気の流入部とを設けたことを特徴とするオートクレーブ。
  2. 前記排水管路の流入部と前記降圧管路の流入部とは、前記缶体底部に開口する共通管路からなり、前記共通管路の下流に前記排水管路の排出部と前記降圧管路の排出部とを分枝して設けたことを特徴とする請求項1に記載のオートクレーブ。
  3. 前記共通管路と前記排水管路の排出部及び前記降圧管路の排出部との分岐部に気液分離部を設けたことを特徴とする請求項2に記載のオートクレーブ。
  4. 前記共通管路は、前記缶体底部の複数位置に均等に開口する複数の部分共通管路と、前記複数の部分共通管路の合流部とを備え、前記排水管路の排出部及び前記降圧管路の排出部は、前記合流部の下流側に設けたことを特徴とする請求項2又は3に記載のオートクレーブ。
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