本発明の粘着テープは、ポリウレタン基材(A1)の少なくとも一方の面側にポリエステル基材(A2)が積層された支持体(A)の少なくとも一方の面側に、粘着剤層(B)を有することを特徴とする。
本発明の粘着テープの第一の実施形態としては、例えば前記支持体(A)の一方の面側に粘着剤層(B)が積層された片面粘着テープ、または、前記支持体(A)の両面側に粘着剤層(B)が積層された両面粘着テープが挙げられる。前記粘着剤層(B)は前記支持体(A)の表面に直接積層されていてもよく、発泡体基材層等の他の層を介して積層されていてもよい。前記両面粘着テープは、前記支持体(A)の各面に、同一の粘着力を有する粘着剤層をそれぞれ有するものであってもよく、異なる粘着力を有する粘着剤層を有するものであってもよい。
[支持体(A)]
本発明の粘着テープとしては、支持体(A)として、ポリウレタン基材(A1)の少なくとも一方の面側にポリエステル基材(A2)が積層されたものを使用する。前記特定の支持体(A)を使用することによって、薄型であっても任意の細幅形状に加工しやすく、かつ、プッシュ強度や静荷重保持力といった接着力に優れた粘着テープを得ることができる。
前記支持体(A)の具体的態様としては、前記ポリウレタン基材(A1)の一方の面に直接または他の層を介してポリエステル基材(A2)が積層された支持体、前記ポリウレタン基材(A1)の両面に直接または他の層を介してポリエステル基材(A2)が積層された支持体等が挙げられ、前記ポリエステル基材(A2)の一方の面に、ポリウレタン組成物を塗布及び乾燥等することによってポリウレタン基材(A1)層が積層された支持体を使用することが、薄型であっても任意の細幅形状に加工しやすく、かつ、プッシュ強度や静荷重保持力といった接着力に優れた粘着テープを得るうえで好ましい。
前記支持体(A)としては、厚さ200μm以下のものを使用することが好ましく、10μm〜200μmであるものを使用することがより好ましく、10μm〜150μmであるものを使用することがさらに好ましく、40μm〜130μmであるものを使用することが特に好ましい。なお、前記支持体(A)の厚さは、前記支持体(A)のうち無作為に選択した5か所の厚さを測定して得た値の平均値である。前記範囲の厚さの前記支持体(A)を使用することによって、薄型であっても任意の細幅形状に加工しやすく、かつ、プッシュ強度や静荷重保持力といった接着力に優れた粘着テープを得ることができる。
[ポリウレタン基材(A1)]
前記支持体(A)を構成するポリウレタン基材(A1)としては、任意のポリウレタンからなるものを使用することができ、例えばポリウレタン発泡体基材や非発泡のポリウレタンフィルム基材等を使用することができる。
なかでも、前記ポリウレタン基材としては、非発泡のポリウレタンフィルム基材を使用することが好ましい。
また、前記ポリウレタン基材(A1)としては、耐衝撃性や耐静電気特性に優れた粘着テープを得る場合には、引張速度300mm/分で引っ張ることによって測定された引張破断伸度が400%以上のものを使用することが好ましく、450%以上であるものを使用することがより好ましい。前記引張破断伸度の上限は、1000%であることが好ましい。
また、前記ポリウレタン基材(A1)としては、より一層耐衝撃性に優れた粘着テープを得る場合には、引張破断強度が2000N/cm2未満のものを使用することが好ましく、1900N/cm2未満のものを使用することがより好ましい。前記引張破断強度の下限は、200N/cm2であることが好ましい。
一方、プッシュ強度や静荷重保持力に優れた粘着テープを得る場合、前記ポリウレタン基材(A1)としては、前記引張破断強度が2000N/cm2以上であるものを使用することが好ましく、2500N/cm2以上であるものを使用することがより好ましい。
前記ポリウレタン基材(A1)としては、とりわけ耐衝撃性や耐静電気特性に優れた粘着テープをえる場合において、引張速度300mm/分で引っ張ることによって測定された引張破断伸度が400%以上、かつ、引張破断強度が2000N/cm2未満であるポリウレタンフィルム基材を使用することが、薄型であっても任意の細幅形状に加工しやすく、かつ、プッシュ強度や静荷重保持力といった接着力や耐静電気特性に優れた粘着テープを得るうえで特に好ましい。
前記ポリウレタン基材(A1)としては、厚さ200μm以下のものを使用することが好ましく、10μm〜200μmであるものを使用することがより好ましく、10μm〜150μmであるものを使用することがさらに好ましく、20μm〜130μmであるものを使用することが特に好ましい。なお、前記ポリウレタン基材(A1)の厚さは、前記ポリウレタン基材(A1)のうち無作為に選択した5か所の厚さを測定して得た値の平均値である。前記範囲の厚さのポリウレタン基材(A1)を使用することによって、ポリウレタン基材(A1)を形成しやすく、薄型であっても任意の細幅形状に加工しやすく、かつ、プッシュ強度や静荷重保持力といった接着力や耐静電気特性に優れた粘着テープを得ることができる。
また、前記ポリウレタン基材(A1)としては、薄型であっても任意の細幅形状に加工しやすく、かつ、プッシュ強度や静荷重保持力といった接着力や耐静電気特性に優れた粘着テープを得るうえで、発泡したものであってもよいが、粘着テープの薄型化と優れたプッシュ強度や静荷重保持力といった接着力や防水性や耐静電気特性等とを両立するうえで、非発泡であることが好ましい。
前記ポリウレタン系基材(A1)としては、例えば、水酸基を有するポリウレタンと、ポリイソシアネートと、必要に応じて溶媒を含有する、いわゆる2液硬化型組成物を用いて形成されたフィルム基材を使用することが、薄型であっても任意の細幅形状に加工しやすく、被着体に対する追従性に優れ、かつ、耐静電気特性に優れた粘着テープを得るうえでより好ましい。
2液硬化型組成物に使用可能な前記水酸基を有するポリウレタンとしては、例えばポリイソシアネートとポリオールとを反応させて得られるものを使用することができる。
前記水酸基を有するポリウレタンの製造に使用可能なポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリフェニルポリメチレンポリイソシネート等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族または脂環族ポリイソシアネート、カルボジイミド基を有するポリイソシアネート、アロファネート基を有するポリイソシアネート、イソシアヌレート基を有するポリイソシアネート等を使用することができる。
なかでも、前記ポリイソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネートを使用することが好ましく、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを使用することが、前記所定の引張破断伸度及び引張破断強度を備え、薄型であっても任意の細幅形状に加工しやすく、被着体に対する追従性に優れ、かつ、耐静電気特性に優れた粘着テープを得るうえでより好ましい。
前記水酸基を有するポリウレタンの製造に使用可能なポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオールを、単独または2種以上組み合わせ使用することができ、ポリエステルポリオールを使用することが好ましい。
また、前記ポリエステルポリオールとしては、ポリカルボン酸とポリオールとを反応させて得られるものを使用することができる。
前記ポリカルボン酸としては、例えばコハク酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ポリカルボン酸、o−フタル酸等の芳香族ポリカルボン酸等を使用することができる。
また、前記ポリエステルポリオールの製造に使用可能なポリオールとしては、例えばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等を使用することができる。
また、前記ポリエステルポリオールとしては、γ−ブチロラクトンやε−カプロラクトン等の開環重合物、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ジオール等を使用することもできる。
前記ポリエステルポリオールとしては、脂肪族ポリエステルポリオールを使用することが好ましい。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、前記ポリオールやポリアミン等を開始剤とし、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等を開環重合して得られるものを使用することができる。
前記ポリエステルエーテルポリオールとしては、例えば前記したポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールの共重合物等を使用することができる。
また、前記ポリオールとしては、分子量が60〜140の低分子量のポリオールを使用することもできる。前記低分子量のポリオールとしては、例えばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、メチルグリコシド等を使用することができ、1,4−ブタンジオールを使用することが、前記所定の引張破断伸度及び引張破断強度を備え、薄型であっても任意の細幅形状に加工しやすく、被着体に対する追従性に優れ、かつ、耐静電気特性に優れた粘着テープを得るうえでより好ましい。
前記2液硬化型組成物において前記水酸基を有するポリウレタンと組み合わせ使用可能なポリイソシアネートとしては、例えばトリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリフェニルポリメチレンポリイソシネート等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族または脂環族ポリイソシアネート、カルボジイミド基を有するポリイソシアネート、アロファネート基を有するポリイソシアネート、イソシアヌレート基を有するポリイソシアネート等を使用することができる。
なかでも、前記ポリイソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネートを使用することが好ましく、トリレンジイソシアネートや、そのトリメチロールプロパンアダクト、ポリフェニルポリメチレンポリイソシネートを使用することが、前記所定の引張破断伸度及び引張破断強度を備え、薄型であっても任意の細幅形状に加工しやすく、被着体に対する追従性に優れ、かつ、耐静電気特性に優れた粘着テープを得るうえでより好ましい。
前記2液硬化型組成物としては、必要に応じて添加剤や溶媒を含有する2液硬化型組成物を使用することができる。
前記溶媒としては、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、メチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテートなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類などを使用することができる。
前記フィルム基材(A)は、例えば、必要に応じて上記添加剤や溶媒等を含有する2液硬化型組成物を、離型シートの表面に塗工し乾燥等することによって製造することができる。
前記2液硬化型組成物としては、前記樹脂等と有機溶剤とを含有する組成物、前記樹脂等と水性媒体とを含有する組成物、実質的に前記溶媒を含有しない無溶剤型の組成物等を使用することができる。なかでも、前記2液硬化型組成物としては、前記所定の引張破断伸度及び引張破断強度を備え、薄型であっても任意の細幅形状に加工しやすく、被着体に対する追従性に優れ、かつ、耐静電気特性に優れた粘着テープを得るうえで、前記ポリイソシアネートとポリオールと溶媒とを含有するものを使用することがより好ましい。
前記2液硬化型組成物を用い、前記支持体(A)を形成する方法としては、例えば前記水酸基を有するポリウレタンと溶媒とを含有する組成物、及び、前記ポリイソシアネートを混合して得た2液硬化型組成物を、コンマコーター法で前記ポリエステル基材(A2)の表面に塗工する工程、前記塗工物を温度140℃環境下で乾燥させることで、前記2液硬化型組成物に含まれる溶媒を揮発させる工程、前記塗工物を温度40℃、相対湿度50%環境下で72時間程度養生し反応させる工程を有する方法が挙げられる。
[ポリエステル基材(A2)]
前記支持体(A)を構成するポリエステル基材(A2)としては、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム等を使用することができる。
前記ポリエステル基材(A2)としては、厚さ5μm〜100μmのものを使用することが好ましく、厚さ5μm〜50μmのものを使用することが、テープの加工性と接着性能を両立するうえでより好ましい。
前記支持体(A)は、例えば前記2液硬化型組成物を離型ライナーの表面に塗工し乾燥等させることによってポリウレタン基材(A1)を製造し、それと前記ポリエステル基材(A2)とを、任意の接着層または粘着層を介して貼付することによって製造することができる。
[粘着剤層(B)]
次に、本発明の粘着テープを構成する粘着剤層(B)について説明する。
前記粘着剤層(B)は、被接着体と接着する層である。本発明の実施態様のひとつである両面粘着テープにおいて前記支持体(A)の両面にそれぞれ設けられる粘着剤層(B)は、同一の粘着力を有する粘着剤層をそれぞれ有するものであってもよく、異なる粘着力を有する粘着剤層を有するものであってもよい。
前記粘着剤層(B)は、各種粘着剤を用いて形成することができる。
前記粘着剤としては、例えば天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ビニルエーテル系粘着剤等を使用することができる。前記粘着剤の形態としては、溶剤系粘着剤、エマルジョン型粘着剤、水溶性粘着剤等の水系粘着剤、ホットメルト型粘着剤、UV硬化型粘着剤、EB硬化型粘着剤等の無溶剤系粘着剤等が挙げられる。
なかでも、前記粘着剤としては、アクリル重合体を含有し、必要に応じて粘着付与樹脂や架橋剤等を含有するアクリル系粘着剤を使用することが好ましい。
前記アクリル重合体としては、ビニル単量体を含有するビニル単量体成分を重合することによって得られるものを使用することが好ましい。
前記アクリル系重合体の製造に使用可能な(メタ)アクリル単量体としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の炭素原子数が1〜12であるアルキル基を有する(メタ)アクリレート等を使用することができる。
なかでも、(メタ)アクリル単量体としては、炭素原子数が4〜12であるアルキル基を有する(メタ)アクリレートを使用することが好ましく、炭素原子数が4〜8であるアルキル基を有する(メタ)アクリレートを使用することがさらに好ましく、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートのいずれかまたはそれらを組み合わせ使用することが、より一層優れた耐衝撃性及びピール接着力を両立した粘着シートを得るうえで好ましい。
前記炭素原子数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリレートは、前記アクリル系重合体の製造に使用する単量体の全量に対し、60質量%以上使用することが好ましく、80質量%〜98.5質量%の範囲で使用することがより好ましく、90質量%〜98.5質量%の範囲で使用することが、より一層優れたプッシュ強度や静荷重保持力等の接着力に優れた粘着テープを得るうえで好ましい。
また、前記アクリル系重合体を製造する際には、単量体として高極性ビニル単量体を使用することができる。前記高極性ビニル単量体としては、水酸基を有するビニル単量体、カルボキシル基を有するビニル単量体、アミド基を有するビニル単量体等を1種または2種以上組み合わせ使用することができる。
水酸基を有する単量体としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレートを使用することができる。
カルボキシル基を有するビニル単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、(メタ)アクリル酸2量体、クロトン酸、エチレンオキサイド変性琥珀酸アクリレート等を使用することができ、なかでもアクリル酸を使用することが好ましい。
アミド基を有する単量体としては、例えばN−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等を使用することができる。
前記高極性ビニル単量体としては、前記したものの他に、酢酸ビニル、エチレンオキサイド変性琥珀酸アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸等を使用することもできる。
前記高極性ビニル単量体は、前記アクリル系重合体の製造に使用する単量体の全量に対して1.5質量%〜20質量%の範囲で使用することが好ましく、1.5質量%〜10質量%の範囲で使用することがより好ましく、2質量%〜8質量%の範囲で使用することが、優れた接着力と優れた追従性とを両立するうえでさらに好ましい。
前記粘着剤として後述する架橋剤を含有するものを使用する場合、前記アクリル系重合体としては、前記架橋剤が有する官能基と反応する官能基を有するアクリル系重合体を使用することが好ましい。前記アクリル系重合体が有していてもよい官能基としては、例えば水酸基が挙げられる。
前記水酸基は、例えば前記単量体として水酸基を有するビニル単量体を使用することによって、アクリル系重合体に導入することができる。
前記水酸基を有するビニル単量体は、アクリル系重合体の製造に使用する単量体の全量に対し、0.01質量%〜1.0質量%の範囲で使用することが好ましく、0.03質量%〜0.3質量%の範囲で使用することがより好ましい。
前記アクリル系重合体は、前記単量体を、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の方法で重合させることによって製造することができ、溶液重合法を採用することが、アクリル系重合体の生産効率を向上するうえで好ましい。
前記溶液重合法としては、例えば前記単量体と、重合開始剤と、有機溶剤とを、好ましくは40℃〜90℃の温度下で混合、攪拌し、ラジカル重合させる方法が挙げられる。
前記重合開始剤としては、例えば過酸化ベンゾイルや過酸化ラウリル等の過酸化物、アゾビスイソブチルニトリル等のアゾ系熱重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンジルケタール系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキシド系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系の光重合開始剤等を使用することができる。
前記方法で得たアクリル系重合体は、例えば溶液重合法で製造した場合であれば、有機溶剤に溶解または分散した状態であってもよい。
上記アクリル系重合体としては、40万〜300万の重量平均分子量を有するものを使用することが好ましく、70万〜250万の重量平均分子量を有するものを使用することがより好ましい。
なお、前記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC法)により測定され、標準ポリスチレン換算して算出された値を指す。具体的には、前記重量平均分子量は、東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8329GPC)を用い、以下の条件で測定することができる。
サンプル濃度:0.5質量%(テトラヒドロフラン溶液)
サンプル注入量:100μl
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:1.0ml/分
測定温度:40℃
本カラム:TSKgel GMHHR−H(20)2本
ガードカラム:TSKgel HXL−H
検出器:示差屈折計
標準ポリスチレンの重量平均分子量:1万〜2000万(東ソー株式会社製)
前記粘着剤層(B)の形成に使用できる粘着剤としては、プッシュ強度や静荷重保持力等の接着力に優れた粘着テープを得るうえで、粘着付与樹脂を含有するものを使用することが好ましい。
前記粘着付与樹脂としては、例えばロジン系粘着付与樹脂、重合ロジン系粘着付与樹脂、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、ロジンフェノール系粘着付与樹脂、安定化ロジンエステル系粘着付与樹脂、不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂、水添ロジンエステル系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、テルペンフェノール系粘着付与樹脂、石油樹脂系粘着付与樹脂、(メタ)アクリレート樹脂系粘着付与樹脂等を使用することができる。前記粘着剤としてエマルジョン型粘着剤を使用する場合には、前記粘着付与樹脂としてもエマルジョン型粘着付与樹脂を使用することが好ましい。
前記粘着付与樹脂としては、前記したなかでも不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、ロジンフェノール系粘着付与樹脂、水添ロジンエステル系粘着付与樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、石油系樹脂から1種または2種以上を組み合わせ使用することが好ましい。
前記粘着付与樹脂としては、軟化点30℃〜180℃の範囲のものを使用することが好ましく、70℃〜140℃の範囲のものを使用することが、被着体に対する優れたプッシュ強度や静荷重保持力等の接着力と、優れた追従性とを両立するうえでより好ましい。前記(メタ)アクリレート粘着付与樹脂を使用する場合、(メタ)アクリレート粘着付与樹脂としては、ガラス転移温度30℃〜200℃のものを使用することが好ましく、50℃〜160℃のものを使用することがより好ましい。
前記粘着付与樹脂は、前記アクリル系重合体100質量部に対し、5質量部〜65質量部の範囲で使用することが好ましく、8質量部〜55質量部の範囲で使用することが、プッシュ強度や静荷重保持力等の接着力に優れた粘着テープを得るうえでより好ましい。
前記粘着剤層(B)の形成に使用する粘着剤としては、より一層プッシュ強度や静荷重保持力等の接着力に優れた粘着テープを得るうえで、架橋剤を使用することが好ましい。
前記架橋剤としては、例えばイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤等を使用することができる。なかでも、前記架橋剤としては、アクリル系重合体との反応性に富むイソシアネート系架橋剤及びエポキシ系架橋剤のいずれか一方または両方を使用することが好ましく、イソシアネート系架橋剤を使用することがより好ましい。
前記イソシアネート系架橋剤としては、例えばトリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート等を使用することができ、トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネートを使用することが好ましい。
前記架橋剤は、粘着剤層(B)のトルエンに対するゲル分率が70質量%以下となる量を選択し使用することが好ましく、ゲル分率が20質量%〜60質量%となる量を選択し使用することがより好ましく、ゲル分率が25質量%〜55質量%となる量を選択し使用することが、より一層プッシュ強度や静荷重保持力等の接着力に優れた粘着テープを得るうえでさらに好ましい。
なお、前記ゲル分率は、下記に示す方法で測定した値を指す。
剥離ライナーの離型処理面に、乾燥後の厚さが50μmになるように、前記粘着剤を塗工したものを、100℃の環境下で3分間乾燥した後、40℃の環境下で2日間エージングさせることによって粘着剤層を形成した。
前記粘着剤層を縦50mm及び横50mmの正方形に裁断したものを試験片とした。
上記試験片の質量(G1)を測定した後、23℃の環境下で、上記試験片をトルエンに24時間浸漬させた。
前記浸漬後、前記試験片とトルエンとの混合物を、300メッシュ金網を用いて濾過することによって、トルエンへの不溶成分を抽出した。前記不溶成分を110℃の環境下で1時間乾燥させたものの質量(G2)を測定した。
前記質量(G1)と質量(G2)と下記式に基づいて、そのゲル分率を算出した。
ゲル分率(質量%)=(G2/G1)×100
前記粘着剤としては、例えば可塑剤、軟化剤、酸化防止剤、難燃剤、ガラスやプラスチック製の繊維・バルーン、ビーズ、金属、金属酸化物、金属窒化物等の充填剤、顔料、染料等の着色剤、レベリング剤、増粘剤、撥水剤、消泡剤等の添加剤を含有するものを使用することができる。
前記粘着剤としては、その良好な塗工作業性等を維持するうえで溶媒を含有するものを使用することが好ましい。前記溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサン等を使用できる。また、水系粘着剤組成物とする場合には、水又は、水を主体とする水性溶媒を使用できる。
本発明の粘着テープは、例えば前記第一の実施態様の粘着テープであれば、離型シートの表面に前記粘着剤を塗工し乾燥等することによって粘着剤層(B)を形成する工程、前記方法で予め製造した支持体(A)の一方または両方の面に、前記粘着剤層(B)を転写する工程を経ることによって製造することができる。また、前記粘着テープは、予め製造した前記支持体(A)の片面または両面に、前記粘着剤を直接塗工及び乾燥することによって粘着剤層(B)を形成することによって製造することもできる。
前記粘着剤層(B)を形成する粘着剤としてアクリル系重合体と架橋剤とを含有する粘着剤を使用する場合、前記支持体(A)の表面に前記粘着剤を塗工し乾燥したものを、好ましくは20℃〜50℃、より好ましくは23℃〜45℃の環境下で2日〜7日間程度、熟成させることが、支持体(A)と粘着剤層(B)とが強固に接着した粘着テープを得るうえで好ましい。
前記方法等で形成された粘着剤層(B)の厚さは、被着体に対する優れたプッシュ強度や静荷重保持力等の接着力と、優れた追従性とを両立するうえで、5μm〜100μmであることが好ましく、10μm〜80μmであることがより好ましく、15μm〜80μmであることが特に好ましい。
前記方法等で得られた本発明の粘着テープとしては、厚さ300μm以下であるものを使用することが、小型電子機器の薄型化に貢献しやすいため好ましく、10μm〜280μmであるものを使用することがより好ましい。また、前記小型電子機器において、薄型化が特に求められる場合には、好ましくは前記厚さが200μm以下、より好ましくは50μm〜180μmのものを使用してもよい。
また、本発明の粘着テープとしては、前記支持体(A)及び粘着剤層(B)の他に、必要に応じてその他の層を有するものを使用することができる。
前記他の層としては、例えば粘着シートの寸法安定性や良好な引張強さやリワーク適性等を付与するうえで、ポリエステルフィルム等のラミネート層、遮光層、光反射層、金属層等の熱伝導層が挙げられる。
本発明の粘着テープとしては、その粘着剤層(B)の表面に剥離シートが積層されていてもよい。
前記剥離シートとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂を用いて得られるフィルム、紙、不織布、布、発泡シート、金属基材、及び、それらの積層体の少なくとも片面に、シリコーン系処理、長鎖アルキル系処理、フッ素系処理などの剥離処理が施されたものを使用することができる。
本発明の粘着テープは、例えば貼付部位や形状等の制約によって、粘着テープの最狭部分の幅が5mm以下に制限される部材の固定等に使用することができる。その場合、前記粘着テープとしては、幅5mm以下に裁断されたものを使用することが好ましく、幅0.1mm〜3mmに裁断されたものを使用することがより好ましく、0.1mm〜1mmに裁断されたものを使用することがさらに好ましく、0.1mm〜0.8mmの幅に裁断されたものを使用することが特に好ましい。
前記狭幅の部材は、例えば携帯電話機等の電子端末、自動車、建材、OA、家電業界などの工業用途における部材として使用されることが多い。
前記部材としては、具体的には電子端末を構成する2以上のきょう体、レンズ部材等が挙げられる。
前記粘着テープとしては、額縁形状等に裁断されたものを使用することが、例えばディスプレイ等の情報表示装置を構成する2以上のきょう体、きょう体とレンズ部材とを固定する場合に好適に使用することができる。
本発明の粘着シートを用いて2以上のきょう体やレンズ部材が固定された電子端末等の物品は、落下等の衝撃によって容易に解体等することなく、また、優れた防水性を備える。
以下、本発明を実施例により説明する。
[作製例1]
1,4−ブタンジオールとアジピン酸とを反応させて得られた数平均分子量600のポリブチレンアジペートポリオール31.0質量部、1,4−ブタンジオール0.20質量部を、ジメチルホルムアミド及びメチルエチルケトンの混合溶剤(ジメチルホルムアミド/メチルエチルケトン=30/70質量比)35.0質量部で希釈した。
次に、前記希釈物に、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート13.2質量部を混合し、80℃で3時間反応させた後、1,4−ブタンジオール0.20質量部を反応させることにより、水酸基を有するポリウレタン溶液(不揮発分56質量%、25℃における粘度20000mPa・s)を得た。
次に、前記水酸基を有するポリウレタン溶液100質量部と、バーノックD−40(DIC(株)製、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアネート基含有率7質量%、不揮発分40質量%)7.0質量部とを混合することによって得た2液硬化型組成物(Y−1)を、厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに、硬化後の厚さが80μmとなるように塗工し、温度110℃の環境下で5分間乾燥させることによって支持体(A−1)を作製した。
[作製例2]
1,6−ヘキサンジオール及びネオペンチルグリコールとアジピン酸とを反応させて得られた数平均分子量1500のポリエステルポリオール42.0質量部、及び1,4−ブタンジオールとアジピン酸とを反応させて得られた数平均分子量600のポリブチレンアジペートポリオール18.0質量部、トリメチロールプロパン0.05質量部を、酢酸エチル28.0質量部で希釈した。
次に、前記希釈物にトリレンジイソシアネート10.0質量部を混合し、80℃で3時間反応させた後、1,4−ブタンジオール0.20質量部を反応させることによって、水酸基を有するポリウレタン溶液(不揮発分70質量%、25℃における粘度50000mPa・s)を得た。
前記水酸基を有するポリウレタン溶液100質量部と、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート3.5質量部とを混合することによって得た2液硬化型組成物(Y−2)を、厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに、硬化後の厚さが80μmとなるように塗工し、温度110℃の環境下で5分間乾燥させることによって支持体(A−2)を作製した。
[作製例3]
作製例1で得た2液硬化型組成物(Y−1)を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに、硬化後の厚さが80μmとなるように塗工する以外は、作製例1と同様の方法で支持体(A−3)を作製した。
[作製例4]
2液硬化型組成物(Y−2)を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに、硬化後の厚さが80μmとなるように塗工する以外は、作製例2と同様の方法で支持体(A−4)を作製した。
[作製例6]
前記水酸基を有するポリウレタン溶液100質量部と、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート2.0質量部とを混合することによって得た2液硬化型組成物(Y−4)を使用すること以外は、作製例2と同様の方法で支持体(A−5)を作製した。
[作製例7]
厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを使用することなく、2液硬化型組成物(Y−1)を、離型シートの剥離処理面に、硬化後の厚さが80μmとなるように塗工すること以外は作製例1と同様の方法で、ポリウレタン支持体(A−6)を作製した。
[作製例8]
厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを使用することなく、2液硬化型組成物(Y−2)を、離型シートの剥離処理面に、硬化後の厚さが80μmとなるように塗工すること以外は作製例1と同様の方法で、ポリウレタン支持体(A−7)を作製した。
[調製例1]
上記とは別に、攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート80.94質量部、2−エチルヘキシルアクリレート5質量部、シクロヘキシルアクリレート10質量部、アクリル酸4質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.06質量部、及び、酢酸エチル200質量部を仕込み、攪拌下、窒素を吹き込みながら72℃まで昇温させた。
次に、前記混合物に、予め酢酸エチルに溶解した2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)溶液2質量部(固形分0.1質量%)を添加し、攪拌下、72℃で4時間ホールドした後、75℃で5時間ホールドした。
次に、前記混合物を酢酸エチル98質量部で希釈し、200メッシュ金網でろ過することによって、重量平均分子量160万のアクリル重合体(B−1)溶液(不揮発分40質量%)を得た。
なお、前記重量平均分子量は、ゲルパーミエッションクロマトグラフ(GPC)で測定される標準ポリスチレン換算での重量平均分子量であり、以下の方法で測定した。
GPC法による分子量の測定は、東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8329GPC)を用いて測定される、スタンダードポリスチレン換算値である。
サンプル濃度:0.5質量%(テトラヒドロフラン溶液)
サンプル注入量:100μl
溶離液:THF(テトラヒドロフラン)
流速:1.0ml/分
測定温度:40℃
本カラム:TSKgel GMHHR−H(20)2本
ガードカラム:TSKgel HXL−H
検出器:示差屈折計
スタンダードポリスチレン分子量:1万〜2000万(東ソー株式会社製)
容器に、前記アクリル重合体(B−1)100質量部に対して、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂D−125(荒川化学工業株式会社製)10質量部と不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂A−100(荒川化学工業株式会社製)15質量部とを混合攪拌したのち、酢酸エチルを加えることによって固形分31質量%の粘着剤溶液を得た。
次に、前記粘着剤溶液100質量部に対し、架橋剤としてバーノックNC−40(DIC(株)製、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアネート基含有率7質量%、不揮発分40質量%)1.3質量部を添加し、均一になるよう攪拌混合した後、100メッシュ金網で濾過することによって粘着剤(B−1)を得た。
[実施例1]
前記粘着剤(B−1)を、離型シートの剥離処理面に、乾燥後の粘着剤層の厚さが60μmとなるように塗工し、90℃で3分間乾燥することによって粘着剤層(B−1)を2枚作製した。
次に、前記支持体(A−1)の両面に、前記粘着剤層(B−1)をそれぞれ1枚ずつ貼付し、その表面を、線圧5kg/cmのロールを用い一往復させることによってそれらをラミネートした。次に、前記ラミネートしたものを40℃の環境下で48時間エージングすることによって、厚さ200μmの両面粘着テープ(T−1)を得た。
[実施例2]
前記支持体(A−1)の代わりに支持体(A−2)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で両面粘着テープ(T−2)を得た。
[実施例3]
前記支持体(A−1)の代わりに支持体(A−3)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で両面粘着テープ(T−3)を得た。
[実施例4]
前記支持体(A−1)の代わりに支持体(A−4)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で両面粘着テープ(T−4)を得た。
[実施例5]
前記支持体(A−1)の代わりに支持体(A−5)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で両面粘着テープ(T−5)を得た。
[比較例1]
前記粘着剤(B−1)を、離型シートの剥離処理面に、乾燥後の粘着剤層の厚さが50μmとなるように塗工し、90℃で3分間乾燥することによって粘着剤層(P−2)を2枚作製した。
前記支持体(A−1)の代わりに黒色ポリオレフィン系発泡体(厚さ:100μm、見かけ密度0.33g/cm3、25%圧縮強度:70kPa、流れ方向の引張弾性率:799N/cm2、幅方向の引張弾性率:627N/cm2)からなる基材層を使用し、前記粘着剤層(P−1)の代わりに前記粘着剤層(P−2)をそれぞれ1枚ずつ貼付した以外は、実施例1と同様の方法で両面粘着テープ(Q−1)を得た。
[比較例2]
前記支持体(A−1)の代わりに前記支持体(A−6)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で両面粘着テープ(Q−2)を作製した。
[比較例3]
前記支持体(A−1)の代わりに前記支持体(A−7)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で両面粘着テープ(Q−3)を作製した。
[比較例4]
前記粘着剤(B−1)を、離型シートの剥離処理面に、乾燥後の粘着剤層の厚さが92μmとなるように塗工し、90℃で3分間乾燥することによって粘着剤層(P−3)を2枚作製した。
前記支持体(A−1)の代わりにポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ16μm)からなる基材層を使用し、前記粘着剤層(P−1)の代わりに前記粘着剤層(P−3)をそれぞれ1枚ずつ貼付した以外は、実施例1と同様の方法で両面粘着テープ(Q−4)を得た。
[支持体の引張破断伸度及び引張破断強度の測定方法]
作製例で得たフィルム基材層を、カッターナイフを用いて、長さ5mm、幅1mmの長方形に裁断したものを試験片とした。前記試験片の長辺側の両端1.5mmを引張試験機のエアジョウで挟み、300mm/分で引っ張り、フィルム基材層が破断するまでの伸度及び強度を測定した。
[加工性の評価方法]
実施例及び比較例で得た両面粘着テープを、カッターナイフを用いて、幅1mmの帯状に裁断した。その際、帯状の粘着テープの両端部の幅がほぼ均一な1mm幅にしわなく裁断することができた両面粘着テープを、加工性「〇」と評価し、裁断の際にしわが生じたり、帯状の粘着テープの両端部の幅が不均一であったもの(およそ0.1mmの差が生じたもの)を加工性「×」と評価した。
[プッシュ強度の測定方法]
温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下、厚さ2mmで、外形65mm×45mmの長方形のアクリル板(三菱レイヨン(株)アクリライトMR200「商標」、色相:透明)に、外形64mm×43mmの長方形で粘着シート幅が1.0mmの細幅からなる額縁状の粘着テープを貼付した。
次に、中心部に直径8mmの穴がある、厚さ2mm、外形65mm×30mmの長方形のステンレス板に、前記粘着テープつきアクリル板を、前記穴を塞ぐ様に貼付したのち、50N/cm2で10秒圧着し、温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下で24時間静置したものを試験片とした。
前記試験片のステンレス板側から、ステンレス板の穴を通して、直径8mmのステンレス製プローブを取り付けた引張試験機でアクリル板を10mm/分で押し、アクリル板が剥がれる強度を測定した。
◎:上記強度が45N/cm2以上であった。
〇:上記強度が40N/cm2以上、45N/cm2未満であった。
×:上記強度が40N/cm2未満であった。
[静荷重保持力の測定方法]
温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下、外形14mm×14mmで粘着テープ幅が1.0mmの額縁状の粘着テープの一方の粘着剤層を、厚さ2mm、外形15mm×15mmのアクリル板(三菱レイヨン(株)アクリライトMR200「商標」、色相:透明)に貼付した。
次に、中心部に直径8mmの穴がある、厚さ2mm、外形65mm×30mmの長方形のステンレス板に、前記粘着テープつきアクリル板を、前記穴を塞ぐ様に貼付したのち、50N/cm2で10秒圧着して試験片とした。
温度40℃、相対湿度50%の雰囲気下、前記試験片を前記アクリル板側が下になるように水平にしたのち、前記ステンレス板の短辺側の両端部を固定した。次に、前記アクリル板の中央部に200gの重りを取り付けることで、下方向に荷重した状態で放置した。
次に、温度40℃、相対湿度50%の雰囲気下、前記重りを取り付けた前記アクリル板とステンレス板との距離が、試験開始前と比較して0.2mm離れるまでの時間(分)を測定した。なお、測定開始から24時間経過しても、前記アクリル板とステンレス板との距離の増加が0.2mm未満のものは、後述する表に「1440分以上」と記載した。
[耐衝撃性の評価方法]
温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下、前記両面粘着テープを裁断することによって、幅5mm×長さ400mmの粘着テープ2枚を作成した。
次に、厚さ2mm、幅50mm及び長さ50mmの表面平滑なアクリル板(三菱レイヨン(株)アクリライトMR200「商標」、色相:透明)の片面に、前記2枚の粘着テープを、幅方向に45mmの間隔をとることができるよう貼付した(図1参照。)。
次に、前記粘着テープの表面に、アクリロニトリルブタジエンスチレン板(ABS板、厚さ2mm、幅100mm及び長さ150mm)を載置し、その表面を5kgローラーで一往復させた後、23℃及び相対湿度50%RHの環境下で24時間静置することによって試験片を得た。
次にデュポン式衝撃試験機(テスター産業株式会社製)の台座の上に、長さ150mm、幅100mm、高さ45mmのコの字型測定台(厚さ5mmのアルミ製)を設置し、その上に、前記試験片を、それを構成するアクリル板が下向きになるよう設置した。
次に、前記ABS板側から、直径25mm及び質量300gのステンレス製の撃芯を、高さ10cmの位置から、5回落下させた。
上記試験を、落下高さを10cmずつ高くしながら繰り返し行い、粘着テープの剥がれやアクリル板等の分離等が確認された時の落下高さ(cm)に基づいて、粘着テープの耐衝撃性を評価した。
◎:上記落下高さが80cm以上であった。
○:上記落下高さが60cm以上80cm未満であった。
△:上記落下高さが50cm以上60cm未満であった。
×:上記落下高さが50cm未満であった。
[耐静電気特性(絶縁性)の評価方法]
平滑なアクリル板の表面に、厚さ30μm×縦5cm×横5cmの長方形の銅箔からなる電極2枚を、電極間距離が1mmとなる位置に粘着テープを用いて貼付した。
次に、前記2枚の電極の間に、実施例及び比較例で得た両面粘着テープを幅0.7mm×縦50mmの長方形に裁断して得た試験テープを貼付し、前記試験テープの上面に、上記とは別のアクリル板を貼付したものを、23℃及び50%RHの環境下に24時間養生することによって試験片を得た。
次に、静電気放電試験機の放電端子を、前記電極の一方に接触させ、放電電圧4kVで印加電圧10回の条件で放電した。
上記放電電圧を1kVずつ上げること以外は上記と同様の試験を、アースされた他方の電極への放電が確認されるまで繰り返し行い、放電が確認された時の放電電圧(kV)に基づいて、粘着テープの絶縁性を評価した。
〇:上記放電電圧が15kV以上であった。
×:上記放電電圧が15kV未満であった。
[追従性の評価方法]
実施例及び比較例で得た両面粘着テープを、外形64mm×43mmで、幅2mmの額縁状に裁断し、それを、厚さ2mm、外形65mm×45mmのアクリル板に貼付することによって、額縁粘着テープ付アクリル板を得た。
次に、上記とは別の厚さ2mm、外形65mm×45mmのアクリル板の中央部に、ポリエチレンテレフタレート基材の片面に粘着剤層を有する片面粘着テープ(厚さ30μm、幅5mm及び長さ45mm)2枚を、縦方向に1cm間隔で平行に貼付することによって、段差部を有するアクリル板を作成した。
23℃下、上記段差部を有するアクリル板の段差部を有する面に、上記額縁粘着テープ付アクリル板の粘着剤層を有する面をのせ、それらの上部を、30N/cm2で1往復加圧することによって積層体を得た。
前記積層体を構成する上記記段差部を有するアクリル板側から、前記段差部に対する粘着シートの追従性を目視で評価した。
○:段差部と粘着テープとの界面に気泡等の空隙がまったく確認されなかった。
△:段差部と粘着テープとの界面に、微細な気泡等の空隙が確認された。
×:段差部と粘着テープとの界面に、大きな気泡等の明確な空隙が確認された。