JP2017008896A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】可変動弁装置における油圧制御の応答性をより好適に改善する。【解決手段】本発明は、エンジンの動弁機構に備えられ、油圧によってエンジンバルブの作動特性を変化させる可変機構40と、該可変機構への作動油の供給量を制御するオイルコントロールバルブ(OCV)7と、該OCV7の上流に設けられた可変式オイルポンプ4とを備える内燃機関の可変動弁装置を提供する。制御部は、エンジンの運転状態が可変機構を油圧で作動させる作動領域への前段階である切替準備領域にありかつオイルポンプの吐出能力が所定レベルを下回る運転領域にあるとき、内燃機関の回転速度が所定値未満であるときには吐出能力をそれ以上に高めるようにオイルポンプを制御し、回転速度が所定値以上であるときにはオイルポンプの吐出能力を付加的に高めることなく可変機構が作動する量未満の作動油を供給するようにOCVを制御する。【選択図】図1

Description

本発明は内燃機関の可変動弁装置に関する。
内燃機関の吸気弁または排気弁の作動特性を変化させるリフト可変機構が、種々提案されている。例えば、特許文献1の可変動弁装置は、カムシャフトに一体的に配設されたカムベース部材から突出後退するカムロブ部材を備え、このカムロブ部材を油圧によって突出状態または後退(格納)状態の2段階に駆動して、吸気弁または排気弁のリフト量を可変している。具体的には、油路に配置されたオイルコントロールバルブを制御することで、所定圧以上の油圧を供給する供給状態と、油圧供給を停止する停止状態とを選択的に切り替えて、カムロブ部材の状態が選択的に切り替えられる。
さらに、特許文献2は、運転状態の変化に応じて、吸気カムシャフトにおける低速用カムによる吸気弁の駆動状態から、高速用カムによるその駆動状態へと切り替えるために、油圧供給の停止状態から油圧の供給状態へと移行するバルブタイミング制御装置を開示する。この装置では、油圧供給の停止状態から油圧の供給状態へと移行するとき、その移行直前の運転領域において、電動オイルポンプの回転数をそれ以外のときに比べて増加させる。電動オイルポンプの回転数の増加に伴ってオイルコントロールバルブの直上流の圧力を高めておくことで、油圧を供給するべくオイルコントロールバルブを開いたときに、吸気弁の駆動状態を切り替える機構を即座に作動させるようにしている。
国際公開第2014/030226号 特開2000−345872号公報
ところで、特許文献2の装置では、油圧供給の停止状態から、油圧の供給状態へと移行するとき、絶えず、電動オイルポンプの回転数の増加が行われる。しかし、その移行直前の運転状態によっては、既にオイルポンプの供給油圧が、可変機構の切替えに必要な油圧に対して十分に高い場合がある。そのような場合には、そのようなオイルポンプの一律の制御はエネルギ消費を単にもたらすにすぎず、上記機構の応答性向上に貢献しないであろう。
そこで、本発明の目的は、可変動弁装置における油圧制御の応答性をより好適に改善することにある。
本発明の一態様によれば、
内燃機関の動弁機構に備えられ、油圧によって内燃機関の吸気弁または排気弁の作動特性を変化させる可変機構と、
前記可変機構への作動油の供給量を制御するオイルコントロールバルブと、
前記オイルコントロールバルブの上流側に設けられた可変式オイルポンプと、
前記内燃機関の運転状態に応じて前記オイルコントロールバルブの開度を制御すると共に、前記内燃機関の運転状態に応じて作動油の吐出能力を可変とするように前記オイルポンプを制御する制御部と
を備えた内燃機関の可変動弁装置であって、
前記制御部は、前記内燃機関の運転状態が作動領域にあるときには前記可変機構が作動する量の作動油が前記可変機構に供給され、前記内燃機関の運転状態が前記作動領域外である非作動領域にあるときには前記可変機構が作動する量の作動油が前記可変機構に供給されないように、前記オイルコントロールバルブを制御し、
前記非作動領域には前記作動領域に隣接した切替準備領域があり、
該切替準備領域は前記非作動領域と前記作動領域との境界部に沿って定められた運転領域であり、
前記制御部は、
前記内燃機関の運転状態が前記切替準備領域にありかつ前記オイルポンプの設定される吐出能力が所定レベルを下回る運転領域にあるとき、
前記内燃機関の回転速度が所定値未満であるときには、前記オイルポンプの吐出能力を前記所定レベル以上に高めるように該オイルポンプを制御し、
前記内燃機関の回転速度が前記所定値以上であるときには、前記オイルポンプの吐出能力を前記所定レベル以上に高めることなく、前記可変機構が作動する量未満の作動油を前記可変機構に向けて供給するような所定開度に、前記オイルコントロールバルブの開度がなるように、前記オイルコントロールバルブを制御する、
内燃機関の可変動弁装置
が提供される。
本発明の上記一態様に係る内燃機関の可変動弁装置では、内燃機関の運転状態が切替準備領域にありかつオイルポンプの設定される吐出能力が所定レベルを下回る運転領域にあるとき、前記内燃機関の回転速度が所定値未満であるときには、オイルポンプの吐出能力を所定レベル以上に高めるようにオイルポンプが制御され、内燃機関の回転速度が前記所定値以上であるときには、前記オイルポンプの吐出能力を前記所定レベル以上に高めることなく、前記可変機構が作動する量未満の作動油を前記可変機構に向けて供給するような所定開度に、前記オイルコントロールバルブの開度がなるように、前記オイルコントロールバルブが制御される。このように、内燃機関の運転状態が切替準備領域にあっても、オイルポンプの設定される吐出能力が所定レベルを下回る運転領域にあるときに、オイルポンプが付加的に作動制御されるときと、そうでないときとがある。したがって、本発明の上記一態様によれば、オイルポンプの付加的な作動を限定的にすることで、エネルギ消費を抑制しつつ、可変機構の油圧による作動応答性を高めることができるという、優れた効果が発揮される。
本実施形態に係る内燃機関の可変動弁装置の概略を示す概念図である。 可変機構の全体斜視図である。 可変機構の縦断正面図であり、カムロブ部材が格納位置にあるときの状態を示す。 可変機構の縦断正面図であり、カムロブ部材が突出位置にあるときの状態を示す。 可変機構の作動を説明するための図3におけるA−A線断面図である。 可変機構の作動を説明するための図4におけるA−A線断面図である。 可変機構の作動を説明するための断面図である。 可変機構の作動を説明するための断面図である。 オイルコントロールバルブおよびオイルポンプの制御用のマップを示す。 図9(c)の拡大図である。 オイルコントロールバルブの基本制御のフローチャートである。 内燃機関の運転状態が非作動領域にあるときの、オイルコントロールバルブとオイルポンプとの制御用のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき説明する。
図1において、本発明の実施形態に係る可変動弁装置は、エンジン(内燃機関)1の動弁機構に備えられ吸気弁25の作動特性(つまり開弁特性)を変化させる可変機構40を含んで構成されている。
ここでは、可変機構40は、リフト可変機構であり、エンジン回転速度およびエンジン負荷、つまり運転状態に応じて吸気弁のリフト量を変更できるように構成されている。エンジン1は車両用の直列4気筒ディーゼルエンジンである。もっとも、本発明が適用されるエンジンの種類は任意であり、本発明の用途ないし使用目的もエンジン回転速度および負荷に応じたバルブリフト量の変更に限定されない。つまり、本実施形態では、可変機構40は吸気弁25のリフト量を主に可変とするものであるが、本発明は、油圧により、バルブタイミング、作用角、およびリフト量のうち少なくとも1つを可変とする可変機構を備える種々のエンジンに適用されることができる。各気筒につき2つの吸気弁25が設けられている。図1では1つの気筒に係る吸気弁25および可変機構40のみを図示し、他の気筒やそれら他の気筒に係る周辺の機構は図示を省略している。なお、本発明は、吸気弁のみならず、排気弁に関して適用されてもよい。
エンジン1には、オイルパン2内の作動油をオイルストレーナ3を介して汲み上げて圧送するための可変式オイルポンプ4が設けられている。オイルポンプ4は、ここでは、クランクシャフトにより駆動される機械式のものである。オイルポンプ4は、作動油の吐出能力(具体的には同一エンジン回転速度での吐出量)を可変に構成されている。オイルポンプ4は、2段吐出量可変のポンプであり、より具体的には2段可変容量式ポンプである。オイルポンプ4は、エンジン運転状態が低油圧運転領域にあるとき、その吐出能力が低レベル側になるように制御され、それにより、相対的に少ない容積のオイル吐出量を有するようになる。他方、オイルポンプ4は、エンジン運転状態が(低油圧運転領域外の)高油圧運転領域にあるとき、その吐出能力が高レベル側になるように制御され、それにより、エンジン運転状態が低油圧運転領域にあるときに比べて、相対的に多い容積のオイル吐出量を有するようになる。ただし、オイルポンプ4の1回転ごとの吐出量は2段よりも多い段数または連続的に可変とされてもよい。また、オイルポンプは、モータによって動作させられる電動式であってもよい。
オイルポンプ4の吐出口に接続された作動油供給通路5には、オイルフィルタ6が設けられ、その下流側のリフト可変機構40への供給経路(供給油路)には、オイルコントロールバルブ(OCV)7が設けられている。オイルコントロールバルブ7は、例えばソレノイドによって軸方向に突出後退動作する単一のスプール弁を備えた電磁駆動式の流量制御弁であり、その軸方向の動作量を制御することで出力ポートの開口面積を比例的に制御し、これによってオイルポンプ4から圧送される作動油を、可変機構40に供給することができる。オイルコントロールバルブ7はまた、可変機構40への供給量をゼロとした状態で、可変機構40内の作動油をドレイン(排出)することができる。可変機構40は、オイルコントロールバルブ7からの作動油の供給量を変化させることによって動作する。
次に、図2〜図8を参照して、可変機構40を説明する。この可変機構40は、作動油の油圧によって、吸気弁25のリフト量を低リフト状態と高リフト状態の間で変化させることができる。ここで、「低リフト状態」とは吸気弁25を2つの選択的なリフト量のうち比較的低いリフト量に亘ってリフトさせる状態をいい、「高リフト状態」とは吸気弁25を前記2つの選択的なリフト量のうち比較的高いリフト量に亘ってリフトさせる状態をいう。ロッカーアーム24、バルブスプリング26および油圧ラッシュアジャスター27が、吸気弁25毎に設けられている。ロッカーアーム24はローラを備えており、可変機構40によって、油圧ラッシュアジャスター27を支点として旋回させられ、これによって吸気弁25がリフトすなわち開弁させられる。
図2に示すように、可変機構40は、駆動シャフト41と、駆動シャフト41に同軸に連結固定されたカムユニット42とを含む。カムユニット42は気筒毎に設けられるが、複数の気筒にまたがって設けられてもよい。ただし駆動シャフト41に対するカムユニット42の取付方法は任意である。こうして可変機構40は全体として、全ての気筒に及ぶよう、気筒列方向、すなわちクランクシャフト軸方向に延在されている。
駆動シャフト41およびカムユニット42は、共通の中心軸Xを有する。ここでは便宜上、中心軸Xの方向を単に軸方向という。
駆動シャフト41は、図示しない軸受によりシリンダヘッド上に回転可能に支持されている。また駆動シャフト41は、その一端部において、ベルト・プーリ機構等の動力伝達機構を介してクランクシャフトに連結されている。よってクランクシャフトからの駆動力により、駆動シャフト41およびカムユニット42が共に回転駆動される。駆動シャフト41およびカムユニット42の回転方向を図中Rで示す。なお駆動シャフト41と動力伝達機構との間に、周知の可変バルブタイミング機構を設けてもよい。
カムユニット42は、その本体をなすカムベース部材43と、単一のカムベース部材43の前側および後側にそれぞれ独立にあるいは連結して配置され揺動もしくは旋回可能な2つのカムロブ部材44とを備える。1つのカムロブ部材44が、1つの吸気弁25に対応している。
カムベース部材43は、駆動シャフト41よりも大径に形成され、その外周面は、低リフト状態を実現するための低リフトカム部45とされている。低リフトカム部45は、ベース円45a(図2および図3参照)に対して正のリフト量を有する。低リフトカム部45は、2つの吸気弁25に対応する位置に設けられている。それぞれの低リフトカム部45にスリット46が設けられ、各スリット46にカムロブ部材44が挿入配置されている。カムロブ部材44は、図3および図4に示すように略U字状の形状を有している。ただし、低リフトカム部のリフト量はゼロであってもよい。また、2つの吸気弁に対する低リフトカム部によるリフト量を異ならせてもよく、この場合、一方のリフト量がゼロであってもよい。
カムベース部材43において、2つの低リフトカム部45の間に凹部47が形成されている。支持シャフト48が、カムベース部材43を軸方向に貫通して設けられる。支持シャフト48は、カムロブ部材44の基端部44Bのシャフト穴49に挿通される。これによりカムロブ部材44は、支持シャフト48の周りを旋回もしくは揺動可能である。
カムロブ部材44は、カムベース部材43から突出しない格納位置(図3に示す)と、カムベース部材43から半径方向外側に最大限突出した突出位置(図4に示す)との間を揺動可能である。突出位置は前記高リフト状態に対応し、格納位置は前記低リフト状態に対応する。2つのカムロブ部材44には、それぞれストッパピン50が軸方向に突出して設けられ、これらストッパピン50は、カムベース部材43に設けられた長穴51にスライド可能に挿入される。長穴51によりストッパピン50の移動が制限され、ひいてはカムロブ部材44の揺動範囲、特に突出位置が規定される。詳しくは後述するが、カムロブ部材44は突出位置でロックされる。カムロブ部材44は格納位置ではロックされず、回転のたびにロッカーアーム24を介したバルブスプリング反力によってカムロブ部材44がロスト動作(スリット46内への退避動作)する。なお、カムロブ部材44が格納位置でロックされる機構をさらに採用してもよい。
なお図2においては便宜上、軸方向前方Frに位置するカムロブ部材44が格納位置にあり、軸方向後方Rrに位置するカムロブ部材44が突出位置にあるが、実際上は両方のカムロブ部材44は互いに同じ位置に位置される。
凹部47には、2つのカムロブ部材44をそれぞれ突出位置に向けて付勢するための2つのスプリング52,52が設けられる。スプリング52は拡開方向に付勢されたねじりバネとされ、支持シャフト48の外側に巻回される。スプリング52の基端部は固定軸53を介してカムベース部材43に固定される。スプリング52の先端部はストッパピン50に係合され、ストッパピン50ひいてはカムロブ部材44を突出位置に向けて付勢する。
こうして、カムロブ部材44が突出位置にあるとき、カムユニット42は、吸気弁25を高リフト状態とすることができる。他方、カムロブ部材44が格納位置にあるとき、カムユニット42は吸気弁25を低リフト状態とする。
加えて、可変機構40は、突出位置におけるカムロブ部材44のロック状態を切り替えるためのロック機構60(図5参照)、具体的には、カムロブ部材44を突出位置にロックするためのロック機構60を備える。以下、ロック機構60の構成と、可変機構40の作動とを、図5〜8を参照して説明する。図5〜8は、各状態における図3のA−A断面を模式的に表す。なお図5〜8では理解の容易のために、ロッカーアーム24および吸気弁25を付記している。
図5には、図3に示されるようにカムロブ部材44が格納位置にあるときの状態を示す。ここで上記説明と関連図からも理解されるように、カムユニット42は軸方向において前後対称に構成されている。従ってここでは前側の構成についてのみ説明する。この説明が後側の構成についても同様に当てはまることが理解されよう。
駆動シャフト41とカムベース部材43との内部には、その中心軸Xに同軸に延びた供給経路61が設けられている。またカムベース部材43の内部には、供給経路61から半径方向外側に延びた経路62が形成されている。経路62は、半径方向外側に延びた後、軸方向前後に延びてスリット46に向かっている。
カムベース部材43の内部には、経路62に連通したピン穴64Hと、ピン穴64Hと同軸かつ同一径のピン穴65Hとが設けられている。ピン穴65Hは、ピン穴64Hからスリット46を挟んで互いに対向した位置にある。ピン穴64H,65Hにはそれぞれ同一径のピン64P,65Pがスライド可能に挿入される。ピン穴65Hには、ピン65Pをスリット46側に向けて付勢するためのスプリング65Sが配設されている。
これらピン64P,65P,66Pとピン穴64H,65H,66Hの係合状態を変えることにより、カムロブ部材44を突出位置にロックすることが可能である。
供給経路61には、オイルコントロールバルブ7を介して、オイルポンプ4から作動油ないし油圧が供給される。
図5は、図3に示した如く、カムロブ部材44が格納位置にあるときの状態を示す。このとき、供給経路61には動作可能な量および圧力の作動油は供給されておらず(油圧オフの状態)、図5に示すように、カムロブ部材44のピン穴66Hに挿入されたピン66Pは、スリット46の壁面に軸方向の移動を阻止されている。カムロブ部材44はスプリング52によって突出方向に常時付勢されているが、上述のとおり、格納位置ではロックされないため、回転のたびに、ロッカーアーム24を介したバルブスプリング反力によってロスト動作(スリット46内への退避動作)させられる。したがってロッカーアーム24には低リフトカム部45のみが作用し、カムロブ部材44は実質的にリフト量に寄与しない。
この状態でカムベース部材43が回転し、カムロブ部材44がロッカーアーム24に乗り上げない位置に来ると、カムロブ部材44は突出方向に力を与えるスプリング52(図2)の付勢力、および駆動シャフト41の回転による遠心力により、徐々に突出位置に移動する。この移動中、カムロブ部材44は、ピン66Pを自身のピン穴66H内に保持した状態でピン66Pを運ぶ。回転のたびのロスト動作の過程(往路および復路)において、ピン66Pの軸はピン穴64H,65Hの軸と一致するが、その際には所定圧以上の油圧が作用していないため、ピン66Pはピン穴65Hには係合しない。
この状態から、カムロブ部材44を突出位置に移動し、突出位置にロックするときの作動は以下のとおりである。まずオイルコントロールバルブ7により、可変機構40への油路を接続状態とし、供給経路61に作動可能な量(つまり所定圧以上)の作動油を供給する。カムロブ部材44が格納位置から突出位置に向かうと、図6に示すように、ピン66Pの軸がピン穴64H,65Hの軸と一致する。図6は、カムロブ部材44が突出位置に到達したときの状態を示す。このとき、カムロブ部材44の先端部44Cのピン穴66Hは、カムベース部材43のピン穴64H,65Hに整列される。
依然として作動可能な量の作動油の供給が続いていることから、カムロブ部材44が突出位置にあるとき、図7に示すように、経路62からの油圧により、ピン64P,65P,66Pがスプリング65Sを圧縮しつつ押され、ピン64Pはピン穴64H、66Hに跨った状態で共通に挿入される。これにより、図4にも示すように、カムロブ部材44は突出位置でカムベース部材43にロックされる。カムロブ部材44を突出位置にロックし続けるには、ロック機構60が作動可能な量の作動油の供給を維持する必要がある。
次に、カムロブ部材44を突出位置から格納位置に移動する際の作動を説明する。
先ず、図7の状態から、作動可能な量の作動油の供給を停止する。すなわち、オイルコントロールバルブ7をドレイン位置とし、供給経路61への作動油の供給を停止すると共に、供給経路61からオイルを排出する。すると、図8に示すように、ピン64P,65P,66Pがスプリング65Sにより経路62側に押され、ピン穴65H,66Hに対するピン64P,66Pの係合が外れる。すなわち、3つのピン64P,65P,66Pは、それぞれ対応するピン穴64H,65H,66H内にのみ配置されるようになる。これによりカムロブ部材44が突出位置からロック解除され、カムロブ部材44は格納位置に向かって移動可能となる。
この状態でカムベース部材43が回転し、カムロブ部材44がロッカーアーム24に乗り上げると、カムロブ部材44はバルブスプリングの反力により、徐々に格納位置に移動する。この移動中、カムロブ部材44は、ピン66Pを自身のピン穴66H内に保持した状態でピン66Pを運ぶ。このようにして、カムロブ部材44は図5の格納状態に復帰することになる。
以上まとめると、カムロブ部材44は、ロック機構60が作動可能な量の作動油の供給状態では突出位置にロックされ、そのような量の作動油が供給されていない状態ではロックされず格納位置とされ得る。なお、ここでは、作動可能な量の作動油の供給状態は、エンジンの運転状態が所定の作動領域(以下、作動領域)にあるときに実現され、作動可能な量の作動油を供給しない非供給状態は、エンジンの運転状態が作動領域外である所定の非作動領域(以下、非作動領域)にあるときに実現される。
オイルコントロールバルブ7およびオイルポンプ4は、それぞれ、制御部としての電子制御ユニット(以下「ECU」という)100(図1参照)に接続されている。ECU100は、何れも図示されない演算装置(例えばCPU)、記憶装置(例えばROM、RAM)、入出力ポート等を含むものである。またECU100には、各種センサが、例えばエンジン回転速度を検出するためのエンジン回転速度センサ101と、エンジン負荷を検出するためのエンジン負荷センサ102と、エンジンの冷却水温を検出するための水温センサ103とが図示されないA/D変換器等を介して電気的に接続されている。エンジン回転速度センサ101としては、クランク角を検出するためのクランク角センサが用いられるとよい。エンジン負荷センサ102としては、例えば、アクセル開度を検出するためのアクセル開度センサ、吸気圧を検出するための吸気圧センサ、吸入空気量を検出するためのエアフローメータのうちの少なくとも1つを用いるとよい。ECU100は、各種センサの検出値等に基づき、エンジン1の運転状態に応じて、燃料噴射弁の他、オイルコントロールバルブ7およびオイルポンプ4等を制御する。ECU100には、エンジン1の運転状態に従ってオイルコントロールバルブ7を制御するための制御プログラムと、当該制御プログラムの実行の際に参照される各種のマップとが格納されている。同様に、ECU100には、エンジン1の運転状態に従ってオイルポンプ4を制御するための制御プログラムと、当該制御プログラムの実行の際に参照される各種のマップとが格納されている。
具体的には、ECU100には、図9(a)〜(c)に示すマップ化されたデータが記憶されている(格納されている)。図9(c)を拡大して示したものが図10である。詳細は後述するが、図9および図10は、上記した2つの制御を前提としたものである。その前提となる制御を次の(A)、(B)に簡単に示す。
(A)オイルコントロールバルブ7は、エンジンの運転状態が作動領域にあるとき、可変機構40のロック機構60を作動可能な量(つまりカムロブ部材44を突出位置にロック可能な量)の作動油を供給するように、所定開度、ここでは全開に制御される。他方で、オイルコントロールバルブ7は、エンジンの運転状態が非作動領域にあるとき、そのような量の作動油を供給しないように閉じ側に制御される。
(B)2段吐出量可変のオイルポンプ4は、エンジン運転状態が所定の低油圧運転領域(以下、低油圧領域)にあるとき、その吐出能力が低レベル側になるように制御される。他方で、オイルポンプ4は、エンジン運転状態が所定の高油圧運転領域(以下、高油圧領域)にあるとき、その吐出能力が高レベル側になるように制御される。
さて、オイルコントロールバルブ7とロック機構60との間(例えば供給経路61)に十分な作動油が存在しない状態で、エンジンの運転状態が非作動領域から作動領域に移行するとき、閉じられていたオイルコントロールバルブ7を全開にしたとしても、ロック機構60の作動を所定サイクル内で生じさせることが難しい場合がある。このような応答遅れは、ドライバビリティ、エンジン燃費改善などの観点から、改善されるとよい。
一方で、エンジン1のように、例えばエネルギ損失を抑制するように可変式オイルポンプ(例えば、エンジンの運転状態に応じて、オイルポンプの作動油室の容積を可変とするオイルポンプ)が備えられている場合、エンジンの運転状態によっては、それが非作動領域から作動領域に移行するとき、既に、ロック機構の好適な作動に十分なレベルにまで、オイルポンプの設定吐出能力が高まっている場合があり得る。そのようなときには、ロック機構60の応答遅れを改善するための対策(例えば特許文献2に記載の対策)を必要としないであろう。
そこで、エンジン1では、エンジンの運転状態が非作動領域から作動領域に移行する前段階において、必要に応じて、オイルコントロールバルブ7およびオイルポンプ4の少なくとも一方を制御する。エンジンの運転状態が非作動領域から作動領域に移行する前段階の運転領域として、図10に示すように、非作動領域ANに、作動領域AAに隣接した切替準備領域APを定める。切替準備領域APは、非作動領域ANと作動領域AAとの境界部に沿って定められた運転領域である。ここでは、エンジンの運転状態が非作動領域ANにあるときに、そのうちの切替準備領域APに移行すると、その後に運転状態が作動領域AAに至ったときに応答性よくロック機構60を作動させることができるように、後述する制御が実施される。簡単に説明すると、エンジンの運転状態が非作動領域ANにあるときに切替準備領域APに移行すると、必要に応じて、オイルコントロールバルブ7とロック機構60との間にロック機構60が作動しない程度の作動油を供給するか、これに加えてまたはこれに代えて、オイルポンプ4の吐出能力をエンジン運転状態に応じた吐出能力よりも高める。エンジンの運転状態が非作動領域において切替準備領域に移行したときの、このオイルコントロールバルブ7とオイルポンプ4との制御に、図9および図10のデータが用いられる。
まず、図9および図10について詳しく説明する。上で述べたように、図10は図9(c)を拡大して示したものである。まず、図10について説明する。
図10(および図9(c))では、横軸にエンジン回転速度をとり、縦軸にエンジン負荷をとり、非作動領域ANおよびの作動領域AAと、高油圧領域BHおよび低油圧領域BLとが重ねて示されている。図10において線L1は非作動領域ANと作動領域AAとの境界を示し、線L2は、高油圧領域BHと低油圧領域BLとの境界を示す。線L1は高負荷低回転速度側から低負荷高回転速度側に向けて延びるほぼ真っ直ぐな直線であり、非作動領域ANは低負荷低回転側の領域であり、作動領域AAは高負荷高回転速度側の領域である。なお、線L1は、制御によっては、例えば曲線の境界であってもよい。図10における、矢印a1は線L1を基準とした作動領域AAの広がりを概念的に示し、矢印a2は線L1を基準とした非作動領域ANの広がりを概念的に示す。線L2は途中で直角に折れ曲がり、低負荷低回転速度側の低油圧領域BLと高負荷または高回転速度側の高油圧領域BHとの境界を定める。なお、線L2は、制御によっては、ある角度(例えば90°よりも大きな角度)で折れ曲がってもよい。図10における、矢印b1は線L2を基準とした高油圧領域BHの広がりを概念的に示し、矢印b2は線L2を基準とした低油圧領域BLの広がりを概念的に示す。
図10から明らかなように、線L1と線L2とは交差する、より正確には2箇所で交差する。そして、図10に示すように、非作動領域ANに、作動領域AAに隣接した切替準備領域APが帯状に定められている。切替準備領域APの幅または広さは、求められるロック機構60の応答性に応じて設定されるとよい。
一方、図9(a)は、オイルコントロールバルブ7の上流側の油路の圧力(より具体的にはオイルコントロールバルブ7とオイルポンプ4との間の油路の圧力)と、エンジン運転状態が切替準備領域APにあるときのオイルコントロールバルブ7の開度との関係を示す。図9(a)では、その縦軸に、オイルコントロールバルブ7の上流側の油路の圧力(以下、OCV前油圧)をとり、その横軸に、切替準備領域でのオイルコントロールバルブ7の開度をとっている。図9(a)でのOCV前油圧は、オイルコントロールバルブ7が閉じられてその下流側のロック機構60側にオイルが供給されない状態でのものであるので、エンジン運転状態に応じて設定された吐出能力(具体的には1回転あたりの容積)と、その時々のエンジン回転速度とに基づいて定まる。第1所定圧PAは、OCV前油圧が第1所定圧PA以上のとき、エンジンの運転状態が非作動領域ANから作動領域AAに移行したときに、それまで閉弁状態にあったオイルコントロールバルブ7を所定開度、ここでは全開に開くことで、ロック機構60を所定サイクル内で作動させることができるように定められている。したがって、OCV前油圧が第1所定圧PA以上のときを、準備不要領域(対応不要領域)としている。しかし、OCV前油圧が第1所定圧PA未満のとき、エンジンの運転状態が非作動領域ANから作動領域AAに移行したときに、それまで閉弁状態にあったオイルコントロールバルブ7を全開に開くことだけで、ロック機構60を所定サイクル内で作動させることができない。特に、OCV前油圧が(第1所定圧PAよりも低い)第3所定圧PC未満のとき、仮にオイルコントロールバルブ7を開き側に制御したとしても、エンジン1では、所望の応答性を得ることができない。つまり、OCV前油圧が第1所定圧PAと第3所定圧PCとの間の圧力(例えば第2所定圧PB)であるとき、オイルコントロールバルブ7を制御することで所望の応答性を得ることができる。
そして、図9(a)のそのようなデータと、図9(c)のデータとは、図9(b)のデータで関連付けられている。図9(b)のデータは、横軸にエンジン回転速度をとり、縦軸にOCV前油圧をとり、エンジンの運転状態に応じて設定されたオイルポンプ4の吐出能力に応じた、エンジン回転速度によるOCV前油圧の変化が示されている。線L3は、オイルポンプの吐出能力が高レベル側に設定されているときの、エンジン回転速度に応じたOCV前油圧の変化を示す。線L4は、オイルポンプの吐出能力が低レベル側に設定されているときの、エンジン回転速度に応じたOCV前油圧の変化を示す。
このような図9(および図10)のデータを用いた、オイルコントロールバルブ7およびオイルポンプ4の制御について、図11および図12のフローチャートに基づいてさらに説明する。
図11のステップS1101では、エンジンの運転状態が非作動領域か否かが判定される。ここでは、エンジン回転速度センサ101の出力によりエンジン回転速度が検出され、エンジン負荷センサ102の出力によりエンジン負荷が検出される。そして、この検出されたエンジン回転速度およびエンジン負荷つまりエンジン運転状態に基づいて図10および図9(c)に示すようなデータを検索することで、エンジン運転状態が非作動領域ANにあるか否か(つまり作動領域AAにないか否か)が判定される。
エンジン運転状態が非作動領域ANにあるときにはステップS1101で肯定判定されて、ステップS1103で非作動フラグがONにされる。一方、エンジン運転状態が非作動領域ANにないとき、つまり作動領域AAにあるときにはステップS1101で否定判定されて、ステップS1105で非作動フラグがOFFにされる。なお、ここでは、初期状態では、非作動フラグはONにされているが、OFFに設定されていてもよい。
非作動フラグがOFFに設定されているとき、ECU100はオイルコントロールバルブ7が全開に開くように作動信号を出力する。これにより、上記したように、ロック機構60に油圧が供給されてカムロブ部材は突出位置にロックされる。
他方、非作動フラグがONに設定されているとき、初期状態では、基準制御モードが設定されている。基準制御モードが設定されているとき、オイルコントロールバルブ7が閉じるように、つまりオイルコントロールバルブ7からロック機構60側に作動油が供給されないように、ECU100は作動信号を出力する。
ここで、非作動フラグがONに設定されているときについて、さらに図12に基づいて説明する。図12は、非作動フラグがONに設定されているときに実行される制御フローチャートである。したがって、図12のフローチャートに基づいて制御が行われているときであっても、ステップS1105で非作動フラグがOFFにされると、上で述べたように、オイルコントロールバルブ7は全開に開かれる。
ステップS1201では、エンジンの運転状態が切替準備領域AP(図10および図9(c)参照)にあるか否かが判定される。この判定は、ステップS1101での判定と同じように、検出したエンジン運転状態に基づいて図10のデータを検索することで、行われる。
エンジンの運転状態が切替準備領域APにないので、ステップS1201で否定判定されると、初期状態と同様に、ステップS1203で基準制御モードが設定される。
一方、エンジンの運転状態が切替準備領域APにあるので、ステップS1201で肯定判定されると、そのときのエンジン冷却水温に応じたマップ化されたデータが選択される。エンジン冷却水温は、水温センサ103の出力信号に基づいて検出される。検出したエンジン冷却水温に基づいて、予め定められているデータから、その水温に応じたマップ化されたデータをECU100は選択する。エンジン冷却水温が低いほど、エンジンの作動油の温度が低く、また、作動油の温度が低いほど作動油の粘度が高い。作動油の粘度が高いほど、オイルコントロールバルブ7からのリリーフ量は減り、また、オイルコントロールバルブ7の下流側の供給油路においてオイルが減少する傾向は緩やかになる。つまり、作動油の粘度が高いほど、供給油路からのオイルの漏れ量は低下する。そして、オイルの漏れ量に応じて、オイルコントロールバルブ7とロック機構60との間のオイルの量が変化するので、ロック機構60の応答性も影響を受ける。そこで、ここでは、エンジン冷却水温に応じてそれぞれ設定されたマップが複数格納されていて、それらから1つのマップ(図9、特に図9(a))が選択される。なお、図9(a)が変わることで、後述する切替準備領域APを細分化する領域が変化することは、当業者であれば容易に理解されよう。
次ぎのステップS1207では、エンジンの運転状態が低油圧領域BL(図10および図9(c)参照)にあるのか否かが判定される。エンジンの運転状態が低油圧領域にあるのでステップS1207で肯定判定されるとき、ステップS1209でエンジンの運転状態が対応不可領域にあるか否かが判定される。対応不可領域とは、エンジンの運転状態が低油圧領域にあるときに設定されるオイルポンプの吐出能力では、OCV前油圧が低く、仮にエンジンの運転状態が切替準備領域APにあるときにロック機構60が作動しない程度の作動油を供給するようにオイルコントロールバルブ7を全開未満の所定開度に開いておいたとしても、エンジンの運転状態が作動領域に移行したときにオイルコントロールバルブを全開にすることで、所定サイクル内でロック機構60を作動させることができない運転領域を指す。なお、対応不可領域は、図10および図9(c)の領域IIIに相当し、図9(a)の第3所定圧PC未満の領域に対応する。
ステップS1209でエンジンの運転状態が対応不可領域にあるので肯定判定されるととき、ステップS1211でポンプ制御モードが設定される。これにより、エンジンの運転状態に応じて設定されているオイルポンプの吐出能力が高レベル側に変更されるように、ECU100はオイルポンプ4に作動信号を出力する。
一方、ステップS1209でエンジンの運転状態が対応不可領域にないので否定判定されると、ステップS1213でオイルコントロールバルブ制御モード(以下、OCV制御モード)が設定される。これにより、エンジンの運転状態に応じて設定されているオイルポンプの吐出能力は変更されずに、ロック機構60が作動しない量の作動油を供給するように、ECU100はオイルコントロールバルブ7の開度が全開未満かつ全閉より大きい所定開度に開くようにオイルコントロールバルブ7に作動信号を出力する。このときの所定開度は図9(a)のデータ(線L5)に基づき、エンジンの運転状態に応じて可変とされる。なお、ステップS1209でエンジンの運転状態が対応不可領域にないので否定判定されるのは、エンジンの運転状態が図10および図9(c)の領域IVに位置するときである。
戻って、ステップS1207でエンジンの運転状態が低油圧領域BLにない(つまりエンジンの運転状態が高油圧領域BHにある)ので否定判定されたときには、ステップS1215で、エンジンの運転状態が対応必要領域にあるか否かが判定される。ここで、対応必要領域とは、エンジン運転状態に応じてオイルポンプの吐出能力が設定されていて、かつ、オイルコントロールバルブ7を全閉に閉じている状態では、エンジンの運転状態が非作動領域から作動領域に移行したときにオイルコントロールバルブ7を全開にすることで、所定サイクル内でロック機構60を作動させることができない運転領域を指す。つまり、対応必要領域とは、何らかの対応をすることが、ロック機構の応答性を改善するために必要な領域を指す。なお、対応必要領域は、図10および図9(c)の領域Iに相当する。
ステップS1215で、エンジンの運転状態が対応必要領域にあるので肯定判定されるとき、ステップS1217で、ステップS1213と同様にOCV制御モードが設定される。一方、ステップS1215でエンジンの運転状態が対応必要領域にないので否定判定されるとき、上記ステップS1203に至り、基準制御モードが設定される。なお、ステップS1215でエンジンの運転状態が対応必要領域にないので否定判定されるのは、エンジンの運転状態が図10および図9(c)の領域II(図9(c)および図10では2つの離れた領域からなる)に位置するときである。
さらに、オイルコントロールバルブ7とオイルポンプ4との制御について説明する。エンジンの運転状態が切替準備領域APにありかつ高油圧領域にあるときは、図9(c)および図10の領域I、IIに相当する(ステップS1207で否定判定)。このとき、オイルポンプの吐出性能は高レベル側に設定されているので、図9(b)では線L3の関係が成立する。線L3を介して領域Iをみると、領域Iは図9(a)の第1所定圧PAと第3所定圧PCとの間の領域に相当する。この領域Iでは、領域IIに比べて、エンジン回転速度が低回転速度側であるので、OCV前油圧は準備制御不要な程度にまでは高くない。そこで、ロック機構60の応答性を所望のレベルにまで高めるべく、オイルコントロールバルブ7は図9(a)に示す線L5に沿った所定開度になるように制御される(ステップS1217)。この所定開度は、検出されたエンジン回転速度で図9(b)の線L3に沿ってOCV前油圧を求め、そのOCV前油圧で図9(a)の線L5に沿って得られる開度である。なお、線L5は、第2所定圧PBと第3所定圧PCとの間では横軸に直角に近い角度で傾くように延びている。第2所定圧PBと第3所定圧PCとの間での線L5に沿ったこの開度は、ロック機構を作動させないが、オイルコントロールバルブ7とロック機構60との間の油路における作動油の充填量をほぼ満杯にするように定められる。例えば、この一定の開度は、全開を100%としたときの70%程度の開度である。
そして、領域IIは、図9(a)の第1所定圧PA以上の準備不要領域に相当する(ステップS1215で否定判定)。つまり、オイルポンプの吐出性能は高レベル側に設定されていて、かつ、エンジン回転速度が高回転速度側であるので、OCV前油圧は、準備制御不要な程度にまで高くなっている。したがって、このときには、オイルコントロールバルブ7は、エンジンの運転状態が非作動領域にありかつ基準制御モードが設定されているので、全閉(つまりロック機構側に作動油を供給しないよう)に制御される。
一方、エンジンの運転状態が切替準備領域APにありかつ低油圧領域にあるときは、図9(c)の領域III、IVに相当する(ステップS1207で肯定判定)。このとき、オイルポンプの吐出性能は低レベル側に設定されているので、図9(b)では線L4の関係が成立する。線L4を介して領域IVをみると、領域IVは図9(a)の第1所定圧PAと第3所定圧PCとの間の領域、特にここでは第2所定圧PBと第3所定圧PCとの間の領域に相当する。この領域IVは、領域IIIに比べて、エンジン回転速度が高回転速度側であるので、領域IVではOCV前油圧は対応不可な程度にまでは低くない。そこで、ロック機構60の応答性を所望のレベルにまで高めるべく、オイルコントロールバルブ7は図9(a)に示す線L5に沿った所定開度になるように制御される(ステップS1213)。この所定開度は、検出されたエンジン回転速度で図9(b)の線L4に沿ってOCV前油圧を求め、そのOCV前油圧で図9(a)の線L5に沿って得られる開度である。
そして、領域IIIは、(エンジン回転速度が所定値Na以上である)領域IVよりも低回転側の領域(エンジン回転速度が所定値Na未満の領域)であり、図9(a)で第3所定圧未満の対応不可領域に相当する(ステップS1209で肯定判定)。このままでは、(オイルポンプ4の設定されている吐出能力が所定レベル未満でありエンジン回転速度が低いことにより)OCV前油圧がかなり低いので、ロック機構60が作動しない程度の作動油を供給するようにオイルコントロールバルブ7を仮に開いておいたとしても、エンジンの運転状態が作動領域に移行したときにオイルコントロールバルブ7を全開に開いても、所定サイクル内でロック機構60を作動させることは難しい。そこで、このとき、オイルポンプ4の設定されている吐出能力が所定レベル以上になるようにオイルポンプ4は高レベル側に制御される。
エンジンの運転状態に応じた設定ではなく、オイルポンプ4が高レベル側に設定されることで、図9(b)では線L3の関係が成立するようになる。ここで、図9(c)を拡大した図10を参照すると、領域IIIのうち、高回転速度側の領域IIIaは図9(a)の準備不要領域に対応するようになるが、残りの領域IIIbは図9(a)の第1所定圧PAと第3所定圧PCとの間の領域、特にここでは第1所定圧PAと第2所定圧PBとの間の領域に対応するようになる。そこで、領域IIIのうち、領域IIIaでは、領域IIのときと同様に、オイルコントロールバルブ7は全閉に制御されるが、領域IIIbでは、領域Iのときと同様に、さらにオイルコントロールバルブ7が所定開度に開かれる。
なお、エンジンの運転状態が領域IIIにあるとき、エンジンの運転状態に応じた設定ではなく、オイルポンプ4が高レベル側に設定されるが、この設定は、エンジンの運転状態が作動領域AAに移行したときに解除されてもよく、あるいは、移行後の所定時間、継続してもよい。オイルポンプ4の設定解除タイミングは、ロック機構60に対する所望の応答性に応じて、設定されるとよい。
以上説明したように、エンジン1では、切替準備領域APは、オイルポンプの吐出能力が所定レベルを下回るように設定される運転領域(上記実施形態では低油圧領域)と部分的に重なる。エンジンの運転状態がこのような運転領域から直接的に作動領域に移行したときに、オイルコントロールバルブ7を開くだけではロック機構60の充分な応答性を得ることができない。そこで、エンジンの運転状態がそのような運転領域にあるとき、オイルポンプ4のエンジン運転状態に応じた設定およびエンジン回転速度によるが、オイルポンプ4の吐出能力を所定レベル以上に高めるようにオイルポンプ4を制御する、および/または、リフト可変機構40のロック機構60が作動する量未満の作動油をそれに向けて供給するような所定開度に、オイルコントロールバルブ7の開度がなるように、オイルコントロールバルブを制御する。特に、エンジン運転状態が切替準備領域APかつ低油圧領域にあるときであって、エンジン回転速度が所定値(所定速度)以上であるときには、オイルポンプの吐出能力を所定レベル以上に高めることなく、可変機構が作動する量未満の作動油を可変機構に向けて供給するような所定開度に、オイルコントロールバルブの開度がなるように、オイルコントロールバルブを制御する。さらに、エンジンの運転状態が切替準備領域APの中の、オイルポンプの吐出能力が所定レベル以上に設定される運転領域(上記実施形態では高油圧領域)にあるとき、必要なときにのみ、リフト可変機構40のロック機構60が作動する量未満の作動油をそれに向けて供給するような所定開度に、オイルコントロールバルブ7の開度がなるように、オイルコントロールバルブを制御する。したがって、エンジン1に適用された本実施形態の可変動弁装置では、オイルポンプ4の高レベル側(つまり高吐出量側)への付加的な作動を限定的にし、エンジンの運転状態に応じたオイルポンプ4の吐出能力に基づきエネルギ消費を抑制しつつ、リフト可変機構のロック機構の油圧による作動応答性をより適切に高めることができる。
以上、本発明に係る一実施形態を説明したが、本発明は種々の変更を許容する。例えば、上で述べたように、オイルポンプ4の吐出能力は2段に変更されることに限定されず、より多段に、あるいは連続的に可変としてもよく、この場合、上記領域IIIでは、ロック機構60の応答性を所望のレベルにまで高めるように、オイルポンプの吐出能力を所定レベル以上にまで高めるとよい。つまり、この場合、ロック機構60の所望のレベルの応答性を得たいが、オイルポンプの吐出能力が所定レベルを下回っているのでその応答性を得ることができないのであるから、その所定レベル以上にまで高めるようにオイルポンプを制御するとよい。また、領域IIIbでは、オイルポンプの付加的な制御とオイルコントロールバルブの付加的な制御との両方を行ったが、オイルポンプ4の吐出能力を例えば連続的に可変としている場合、領域IIIaよりも領域IIIbで、より高い吐出力能レベルに設定するようにオイルポンプをさらに制御してもよい。
本発明の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意
の技術にも適用することが可能である。
1 エンジン
4 オイルポンプ
7 オイルコントロールバルブ
24 ロッカーアーム
25 吸気弁
40 可変機構
43 カムベース部材
44 カムロブ部材
60 ロック機構
100 電子制御ユニット(ECU)

Claims (1)

  1. 内燃機関の動弁機構に備えられ、油圧によって内燃機関の吸気弁または排気弁の作動特性を変化させる可変機構と、
    前記可変機構への作動油の供給量を制御するオイルコントロールバルブと、
    前記オイルコントロールバルブの上流側に設けられた可変式オイルポンプと、
    前記内燃機関の運転状態に応じて前記オイルコントロールバルブの開度を制御すると共に、前記内燃機関の運転状態に応じて作動油の吐出能力を可変とするように前記オイルポンプを制御する制御部と
    を備えた内燃機関の可変動弁装置であって、
    前記制御部は、前記内燃機関の運転状態が作動領域にあるときには前記可変機構が作動する量の作動油が前記可変機構に供給され、前記内燃機関の運転状態が前記作動領域外である非作動領域にあるときには前記可変機構が作動する量の作動油が前記可変機構に供給されないように、前記オイルコントロールバルブを制御し、
    前記非作動領域には前記作動領域に隣接した切替準備領域があり、
    該切替準備領域は前記非作動領域と前記作動領域との境界部に沿って定められた運転領域であり、
    前記制御部は、
    前記内燃機関の運転状態が前記切替準備領域にありかつ前記オイルポンプの設定される吐出能力が所定レベルを下回る運転領域にあるとき、
    前記内燃機関の回転速度が所定値未満であるときには、前記オイルポンプの吐出能力を前記所定レベル以上に高めるように該オイルポンプを制御し、
    前記内燃機関の回転速度が前記所定値以上であるときには、前記オイルポンプの吐出能力を前記所定レベル以上に高めることなく、前記可変機構が作動する量未満の作動油を前記可変機構に向けて供給するような所定開度に、前記オイルコントロールバルブの開度がなるように、前記オイルコントロールバルブを制御する、
    内燃機関の可変動弁装置。
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