JP2016523280A - 2−シアノ−2−アミノベンゾエート−プロピル有機金属誘導体及びそれらの駆虫薬としての用途 - Google Patents

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Abstract

本発明は一般式(1)[式中、Xは一般式−Kp−Fl−Kq−によって表される基であって、−Flは−C(=O)−、−C(=S)−であり、lは0又は1であって、−Kpは炭素数pのアルキルであり、pは0、1、2、3又は4であって、−Kqは炭素数qのアルキルであり、qは0、1、2、3又は4であって、かつ、式中、R1nのnは0、1、2、3、4又は5であり、かつ、R1はその他のR1とはそれぞれ独立して、−C(=O)OR2、−C(=O)NR22、−C(=O)SR2、−C(=S)OR2、−C(NH)NR22、−CN4H2、−NR22、−C(=O)R2、−C(=S)R2、−OR2、−SR2、−CF3、−OCF3、−SCF3、−SOCF3、−SO2CF3、−CN、−NO2、−F、−Cl、−Br又は−Iであって、R2はその他のR2とはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキルであり、かつ、式中、OMは非置換又は置換された金属サンドイッチ化合物、非置換又は置換されたハーフ金属サンドイッチ化合物又は金属カルボニル化合物の群から独立して選択される有機金属化合物である。]により特徴付けられる化合物及びそれらの蠕虫による感染症の治療方法においての用途に関するものである。

Description

本発明は2−シアノ−2−アミノベンゾエート−プロピル有機金属誘導体及びそれらの駆虫薬としての用途に関するものである。
寄生生物は、生産性の低下、成長率の制限及び死によって世界中の農業に著しい経済的損失をもたらす。いくつかの評価によれば、寄生生物によって生ずる畜産業への財政被害は毎年何百億ドルのオーダーである。生産性の低下は畜産業に影響を与えるだけでなく、地球規模の食料生産にも相当な影響を与える。さらに、この10年間に駆虫薬が発見され市場で販売されたにもかかわらず、寄生虫の問題は存続しており、そしてほとんどの種類の駆虫薬に対しての多剤耐性が広がっている。新しい種類の駆虫薬の開発は重要な課題である。家畜の寄生虫のために開発されたどんな駆虫薬であっても、ヒト及び犬や猫や馬のようなペットを含む他の動物の寄生虫に対しても応用性を有するだろう。地球上の人口の6分の1が少なくとも1種類の寄生蠕虫(parasitic helminth)に慢性的に冒されており、そして(障害調整生存年数(DALY)中での)社会経済的負担はがん及び糖尿病の負担よりも大きい。ビルハルツ住血吸虫(Schistosoma haematobium)、タイ肝吸虫(Opisthorchis viverrini)及び肝吸虫(Clonorchis sinensis)のようないくつかの蠕虫は人間に悪性の癌を引き起こす。
近年、アミノ−アセトニトリル誘導体(AADs、特許文献1を参照)と呼ばれる新しい種類の合成駆虫薬が、感染した羊の治療用のZolvixという商品名で商業的に開発された。
モネパンテル(AAD 1566)
国際公開第2005/044784号
AADsと、特定のアセチルコリン受容体(nAChR)サブユニットとの相互作用が提案されているが、モネパンテルの作用の詳細な様式はまだ知られていない。このターゲットは線虫内にのみ存在してほ乳類内には存在せず、新しい種類の殺線虫薬の開発と関連付けられる。高い重要度として、モネパンテルに対する感度が減少した捻転胃虫(Haemonchus contortus)変異体が近年新規のin vitro selection法を用いて特定され(L.Rufener、R.Baur、R.Kaminsky、P.Maeser and E.Sigel、Mol.Pharmacol.、2010、78、895−902)、耐性が家畜の胃腸管線虫に生じるだろうと示唆している。この見解は現在市場に出ている全ての駆虫薬に対して通知されている。上記の技術水準に照らして、本発明の目的は、人間及び家畜の寄生虫を抑制する新規化合物を提供することである。
この目的は独立請求項の内容によって達成される。
発明の第1の観点によれば、本願で提供されるのは一般式(1)
[式中、Xは一般式−K−F−K−によって表される基であって、
−Fは−C(=O)−、−C(=S)−であり、lは0又は1であって、
−Kは炭素数pのアルキルであり、pは0、1、2、3又は4であって、
−Kは炭素数qのアルキルであり、qは0、1、2、3又は4であって、かつ、
式中、R のnは0、1、2、3、4又は5であり、かつ、
はその他のRとはそれぞれ独立して、−C(=O)OR、−C(=O)NR 、−C(=O)SR、−C(=S)OR、−C(NH)NR 、CN、−NR 、−C(=O)R、−C(=S)R、−OR、−SR、−CF、−OCF、−SCF、−SOCF、−SOCF、−CN、−NO、−F、−Cl、−Br又は−Iであって、
はその他のRとはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキルであり、かつ、
式中、OMは非置換又は置換された金属サンドイッチ化合物、非置換又は置換されたハーフ金属サンドイッチ化合物又は金属カルボニル化合物の群から独立して選択される有機金属化合物である。]
により特徴付けられる有機金属化合物である。
シー・エレガンス線虫(Caenorhabditis elegans)懸濁液への化合物8aの効果を示す。24時間培養後の死亡又は不動の線虫の数が表示される; 生理学的条件下での化合物8aの作用を示し、羊の血漿中での安定性を評価した。化合物8a及びジアゼパム(内部標準)は異なる時間間隔で37℃で培養し、そしてそれらの安定性はLC−MS技術を用いて確認した。8aに対応する13.41分のピークは、8aの加水分解生成物に対応する新しいピークが5.64分に上昇する間の24時間以内に減少している; 17.4分の保持時間における統合されたピークの同位体分布パターン(a)及び化合物6aの疑似同位体分布パターン(b)を示す。
“置換された”という言葉は親化合物への置換基の付加を指す。
“置換基”は保護又は非保護であり、かつ、親化合物の1つの置換可能な部位又は多数の置換可能な部位に付加される。置換基は他の置換基によってさらに置換され、かつ、直接に又は例えばアルキル又はヒドロカルビル基のような連結基によって、親化合物と結合する可能性がある。本願に従う “置換基”は、ハロゲン、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル(−C(O)R)、カルボキシル(−C(O)OR)、脂肪族基、脂肪環基、アルコキシ、置換オキシ(−OR)、アリール、アラルキル、ヘテロ環基、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アミノ(−N(R)(R))、イミノ(=NR)、アミド(−C(O)N(R)(R)又は−N(R)C(O)R)、ヒドラジン誘導体(−C(NH)NR)、テトラゾール(CN)、アジド(−N)、ニトロ(−NO)、シアノ(−CN)、イソシアノ(−NC)、シアネート(−OCN)、イソシアネート(−NCO)、チオシアネート(−SCN)、イソチオシアネート(−NCS);カルボアミド(−OC(O)N(R)(R又は−N(R)C(O)OR)、チオール(−SR)、スルフィニル(−S(O)R)、スルフォニル(−S(O))、スルフォンアミジル(−S(O)N(R)(R)又は−N(R)S(O))、及びフッ素化合物−CF、−OCF、−SCF、−SOCF又は−SOCFを含むが、これに限定されない。R、R及びRはそれぞれ独立して、H又は追加の置換基としてH、アルキル、アルケニル、アルキニル、脂肪族基、アルコキシ、アシル、アリール、ヘテロアリール、脂肪族環及びヘテロアリールアルキルを好ましいリストに含むが、これに限定されない。
本願中で用いられる“アルキル”という言葉は、最大10、具体的には最大4の炭素原子を含む飽和した直鎖又は分岐炭化水素部分を指す。アルキル基の例としてメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、n−ヘキシル、オクチル、デシル及び同類のものを含むが、これに限定されない。アルキル基は一般的には1からおよそ10の炭素原子(炭素数1〜10のアルキル)、具体的には1からおよそ4の炭素原子(炭素数1〜4のアルキル)を含む。“シクロアルキル”という言葉は環状構造を形成する相互接続したアルキル基を指す。本願中で用いられるアルキル基又はシクロアルキル基には任意で追加の官能基を含む可能性がある。
本願中で用いられる“アルケニル”という言葉は、炭素原子を最大10含み、かつ少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を持つ直鎖又は分岐炭化水素鎖部分を指す。アルケニル基の例としてエテニル、プロペニル、ブテニル、1−メチル−2−ブテン−1−イル、例えば1、3−ブタジエンなどのジエン及び同類のものを含むが、これに限定されない。アルケニル基は一般的には2からおよそ10の炭素原子、さらに一般的には2からおよそ4の炭素原子を含む。本願中で用いられるアルケニル基には任意で追加の官能基を含む可能性がある。
本願中で用いられる“アルキニル”という言葉は、炭素原子を最大10含み、かつ少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を持つ直鎖又は分岐炭化水素鎖部分を指す。アルキニル基の例としてエチニル、1−プロピニル、1−ブチニル及び同類のものを含むが、これに限定されない。アルキニル基は一般的には2からおよそ10の炭素原子、さらに一般的には2からおよそ4の炭素原子を含む。本願中で用いられるアルケニル基には任意で追加の官能基を含む可能性がある。
本願中で用いられる“アルコキシ”という言葉は、酸素アルキル部分であって、酸素原子がアルコキシ基と親分子とを結合するのに用いられるものを指す。アルコキシ基の例としてメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、ネオペントキシ、n−へキソキシ及び同類のものを含むが、これに限定されない。“シクロアルコキシ”という言葉は環状構造を形成する相互接続したアルコキシ基を指す。本願中で用いられるアルコキシ基又はシクロアルコキシ基には任意で追加の官能基を含む可能性がある。
本願中で用いられる“アリール”という言葉は、環状構造を有する、炭素原子間が二重結合及び一重結合を互い違いにする炭化水素を指す(以下、“芳香族炭化水素”とよぶ)。“ヘテロアリール”という言葉は少なくとも1つの炭素原子が酸素原子、窒素原子又は硫黄原子に置換されたアリール化合物を指す。芳香族炭化水素は中性又は荷電している可能性がある。アリール基又はヘテロアリール基の例としてベンゼン、ピリジン、ピロール又はシクロペンタ−1、3−ジエン−アニオンがある。本願中で用いられるアリール基又はヘテロアリール基には任意で追加の官能基を含む可能性がある。
本願中で用いられる“有機金属化合物”という言葉は、金属、具体的には遷移金属(周期表の3族から12族までの金属から選択された金属)及び金属−炭素結合を含む化合物を指す。
本願中で用いられる“金属サンドイッチ化合物”という言葉は、金属、具体的には2つのアリール又はヘテロアリールリガンド(以下、“サンドイッチリガンド”とよぶ)と触覚共有結合した遷移金属を含む化合物を指す。アリール又はヘテロアリールリガンドは非置換又は置換されている可能性がある。
本願中で用いられる“金属ハーフサンドイッチ化合物”という言葉は、金属、具体的にはただ1つのアリール又はヘテロアリールリガンド(サンドイッチリガンド)と結合した遷移金属を含む化合物を指す。その他のリガンドはアルキル、アリル、CN又はCO、具体的にはCOを含む可能性があるが、これに限定されない。
本願中で用いられる“金属カルボニル化合物”という言葉は、少なくとも1つの遷移金属と一酸化炭素(CO)リガンドの配位錯体を指す。金属カルボニル化合物は中性、アニオン又はカチオン錯体である可能性がある。一酸化炭素リガンドは1つの金属原子と終端で結合し、又は2つ又はそれ以上の金属原子を架橋する可能性がある。錯体はホモレプティック(一酸化炭素リガンドのみを含む)又はヘテロレプティックである可能性がある。
本願中で用いられる“メタロセン”という言葉は、5員環のアリール又はヘテロアリールリガンドからなる金属サンドイッチ化合物を指す(以下、“cp−リガンド”又は“ヘテロcp−リガンド”とよぶ)。
いくつかの実施形態では、有機金属化合物は親化合物の−O−C−部分に直接結合し、l、q及びpは0である可能性がある。いくつかの実施形態では、有機金属化合物は炭素数1〜4のアルキルによって親化合物の−O−C−部分に結合し、l及びqは0であって、かつpは整数の1から4であり、具体的にはpは1である。いくつかの実施形態では、有機金属化合物は−C(=O)−又は−C(=S)−基、具体的には−C(=O)−基によって親化合物の−O−C−部分に結合し、lは1であって、q及びpは0である。いくつかの実施形態では、有機金属化合物は−C(=O)−又は−C(=S)−基、具体的には−C(=O)−基によって親化合物の−O−C−部分に結合し、lは1であり、qは0であって、かつpは整数の1から4であり、具体的にはpは1である。いくつかの実施形態では、有機金属化合物は−C(=O)−又は−C(=S)−基、具体的には−C(=O)−基によって親化合物の−O−C−部分に結合し、lは1であり、pは0であって、かつqは整数の1から4であり、具体的にはqは1である。
いくつかの実施形態では、R のnは1又は2であり、かつ、Rはその他のRとはそれぞれ独立して、−C(=O)OR、−C(=O)NR 、−C(=O)SR、−C(=S)OR、−C(NH)NR 、CN、−NR 、−C(=O)R、−C(=S)R、−OR、−SR、−CF、−OCF、−SCF、−SOCF、−SOCF、−CN、−NO、−F、−Cl、−Br又は−Iであって、Rはその他のRとはそれぞれ独立して、水素原子、CH、C、C又はCであり、具体的にはいずれのRも水素原子である。
いくつかの実施形態では、R のnは1又は2であり、かつ、Rはその他のRとはそれぞれ独立して、−CN、−CF、−OCF、−SCF、−SOCF、−SOCF、−F、−Cl、−Br又は−Iである。いくつかの実施形態では、R のnは1又は2であり、かつ、Rはその他のRとはそれぞれ独立して、−CN、−CF、−SCF、−SOCF又は−SOCFである。いくつかの実施形態では、R のnは1又は2であり、かつ、Rはその他のRとはそれぞれ独立して、−F、−Cl、−Br又は−Iである。
いくつかの実施形態では、R のnは2であり、かつ、Rはその他のRとはそれぞれ独立して、−CN、−CF、−OCF、−F、−Cl、−Br又は−Iである。いくつかの実施形態では、R のnは2であり、かつ、Rはその他のRとはそれぞれ独立して、−CN又は−CFである。
いくつかの実施形態では、R のnは2であり、かつ、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位であり、かつ、もう1つのRはメタ位である。いくつかの実施形態では、R のnは2であり、Rはその他のRとはそれぞれ独立して、−CN、−CF、−OCF、−SCF、−SOCF、−SOCF、−F、−Cl、−Br又は−Iであり、具体的にはRはその他のRとはそれぞれ独立して、−CN、−CF、−OCF、−F、−Cl又は−Brであり、かつ、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位であり、かつ、もう1つのRはメタ位である。
いくつかの実施形態では、R のnは2であり、Rはその他のRとはそれぞれ独立して、−CN又は−CFであり、かつ、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位であり、かつ、もう1つのRはメタ位である。いくつかの実施形態では、R のnは2であり、かつ、Rはその他のRとはそれぞれ独立して、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位の−CFであり、かつ、もう1つのRはメタ位の−CNである。
いくつかの実施形態では、R のnは1であり、かつ、Rは、−CN、−CF、−OCF、−SCF、−SOCF、−SOCF、−F、−Cl、−Br又は−Iである。いくつかの実施形態では、R のnは1であり、かつ、Rは、−SCF、−SOCF又は−SOCFであり、具体的にはRは−SCFである。
いくつかの実施形態では、R のnは1であり、かつ、Rはベンゼン部分の結合部位に対してパラ位である。いくつかの実施形態では、R のnは1であり、Rは、−CN、−CF、−OCF、−SCF、−SOCF、−SOCF、−F、−Cl、−Br又は−Iであり、具体的にはRは、−SCF、−SOCF、−SOCF、−F、−Cl又は−Brであり、かつ、Rはベンゼン部分の結合部位に対してパラ位である。
いくつかの実施形態では、R のnは1であり、Rは、−SCF、−SOCF、−SOCFであり、かつ、Rはベンゼン部分の結合部位に対してパラ位である。いくつかの実施形態では、R のnは1であり、Rは、−SCFであり、かつ、Rはベンゼン部分の結合部位に対してパラ位である。
いくつかの実施形態では、Fのlは0であり、Kのq及びKのpは0である。
いくつかの実施形態では、Fは−C(=O)−又は−C(=S)−であり、lは1であって、Kのq及びKのpは0である。いくつかの実施形態では、Fは−C(=O)−であり、lは1であって、Kのq及びKのpは0である。いくつかの実施形態では、Fは−C(=O)−であり、lは1であって、Kのqは0であり、かつ、Kは炭素数1のアルキルである。いくつかの実施形態では、Fは−C(=O)−であり、lは1であって、Kのqは0であり、かつ、Kは炭素数2のアルキルである。
いくつかの実施形態では、Fのlは0であって、Kのqは0であり、かつ、Kは炭素数1のアルキルである。
いくつかの実施形態では、Fのlは0であって、Kのqは0であり、かつ、Kは炭素数2のアルキルである。
いくつかの実施形態では、Fは−C(=O)−であり、lは1であって、Kのpは0であり、かつ、Kは炭素数1のアルキルである。いくつかの実施形態では、Fは−C(=O)−であり、lは1であって、Kのpは0であり、かつ、Kは炭素数2のアルキルである。
いくつかの実施形態では、Fは−C(=O)−であり、lは1であって、Kは炭素数1のアルキルであり、かつ、Kは炭素数1又は2のアルキルである。いくつかの実施形態では、Fは−C(=O)−であり、lは1であって、Kは炭素数2のアルキルであり、かつ、Kは炭素数1又は2のアルキルである。
いくつかの実施形態では、Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であって、かつ、R のnは2である。いくつかの実施形態では、Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは2であって、かつ、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位であり、かつ、もう1つのRはメタ位である。いくつかの実施形態では、Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であって、かつ、R のnは2である。いくつかの実施形態では、Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは2であって、かつ、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位の−CFであり、かつ、もう1つのRはメタ位の−CNである。いくつかの実施形態では、Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは2であって、かつ、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位であり、かつ、もう1つのRはメタ位である。いくつかの実施形態では、Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは2であって、かつ、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位の−CFであり、かつ、もう1つのRはメタ位の−CNである。
いくつかの実施形態では、Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であって、かつ、R のnは1である。いくつかの実施形態では、Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは1であって、かつ、Rはベンゼン部分の結合部位に対してパラ位である。いくつかの実施形態では、Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは1であって、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCF、−SOCF又は−SOCFである。いくつかの実施形態では、Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは1であって、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCFである。いくつかの実施形態では、Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは1であって、かつ、Rはベンゼン部分の結合部位に対してパラ位である。いくつかの実施形態では、Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは1であって、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCF、−SOCF又は−SOCFである。いくつかの実施形態では、Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは1であって、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCFである。
いくつかの実施形態では、Fは−C(=O)−又は−C(=S)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であって、かつ、R のnは2である。いくつかの実施形態では、Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であって、かつ、R のnは2である。いくつかの実施形態では、Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは2であって、かつ、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位であり、かつ、もう1つのRはメタ位である。いくつかの実施形態では、Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは2であって、かつ、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位の−CFであり、かつ、もう1つのRはメタ位の−CNである。
いくつかの実施形態では、Fは−C(=O)−又は−C(=S)であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であって、かつ、R のnは1である。いくつかの実施形態では、Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であって、かつ、R のnは1である。いくつかの実施形態では、Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは1であって、かつ、Rはベンゼン部分の結合部位に対してパラ位である。いくつかの実施形態では、Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは1であって、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCF、−SOCF又は−SOCFである。いくつかの実施形態では、Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは1であって、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCFである。
いくつかの実施形態では、Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであって、R のnは2である。いくつかの実施形態では、Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは2であって、かつ、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位であり、かつ、もう1つのRはメタ位である。いくつかの実施形態では、Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは2であって、かつ、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位の−CFであり、かつ、もう1つのRはメタ位の−CNである。
いくつかの実施形態では、Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであって、R のnは1である。いくつかの実施形態では、Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは1であって、かつ、Rはベンゼン部分の結合部位に対してパラ位である。いくつかの実施形態では、Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1のアルキルであり、R のnは1であって、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCF、−SOCF又は−SOCFである。いくつかの実施形態では、Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1のアルキルであり、R のnは1であって、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCFである。いくつかの実施形態では、Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数2のアルキルであり、R のnは1であって、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCF、−SOCF又は−SOCFである。いくつかの実施形態では、Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数2のアルキルであり、R のnは1であって、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCFである。
いくつかの実施形態では、OMは金属サンドイッチ錯体であり、2つのサンドイッチリガンドはそれぞれ独立して、5員環又は6員環のアリール基、又は5員環又は6員環のヘテロアリール基から選択される。いくつかの実施形態では、OMは金属サンドイッチ錯体であり、2つのサンドイッチリガンドは両方とも同じであって、かつ、5員環又は6員環のアリール基、又は5員環又は6員環のヘテロアリール基から選択される。いくつかの実施形態では、OMは金属サンドイッチ錯体であり、2つのサンドイッチリガンドのうち少なくとも1つは、5員環又は6員環のアリール基から選択され、他方のサンドイッチリガンドは、5員環又は6員環のヘテロアリール基から選択される。いくつかの実施形態では、OMは置換された又は非置換のメタロセンであって、2つのリガンドはそれぞれ独立して、5員環のアリール基(cp−リガンド)又は5員環のヘテロアリール基(ヘテロcp−リガンド)から選択される。金属サンドイッチ錯体は、2つのサンドイッチリガンドの内の1つのいずれの原子によっても親分子と結合する可能性がある。
いくつかの実施形態では、OMは一般式(2a)
[式中、MはFe、Ru、Co、Ni、Cr、Os又はMnの群から選択される金属であって、かつ、
YはC又はNであって、かつ、
のzは0、1、2、3又は4であり、かつ、R のyは0、1、2、3、4又は5であって、かつ、
及びRはその他のR及びRとはそれぞれ独立して、
−非置換又は置換された炭素数1〜10のアルキル、非置換又は置換された炭素数1〜10のアルケニル、非置換又は置換された炭素数1〜10のアルキニル、非置換又は置換された炭素数3〜8のシクロアルキル、非置換又は置換された炭素数1〜10のアルコキシ、非置換又は置換された炭素数3〜8のシクロアルコキシ、
−非置換又は置換された炭素数6〜14のアリール、
−非置換又は置換された5〜10員環ヘテロアリール(式中、1〜4個の環原子は、独立して、窒素、酸素、又は硫黄から選択される)、
−非置換又は置換された5〜10員環ヘテロ脂環式環(式中、1〜3個の環原子は、独立して、窒素、酸素、又は硫黄から選択される)、
−−OR、−SR、−C(O)R、−C(S)R、−CO(O)R、−C(S)OR、−C(O)SR、−C(O)NR、−NR、−S(O)、−S(O)OR、及び−S(O)NR(式中、R及びRは、独立して、水素原子、非置換の炭素数1〜4のアルキル、及び炭素数1〜4のアルコキシで置換された炭素数1〜4のアルキルからなる群から選択される)、
から選択される。]
の金属サンドイッチ錯体である。
いくつかの実施形態では、R のzは0、1、2、3又は4であり、かつ、R のyは0、1、2、3、4又は5であって、かつ、R及びRはその他のR及びRとはそれぞれ独立して、−OR、−SR、−C(O)R、−C(S)R、−C(O)OR、−C(S)OR、−C(O)SR、−C(O)NR、−NR、−S(O)、−S(O)OR、及び−S(O)NR(式中、R及びRは独立して、水素原子、非置換の炭素数1〜4のアルキル、及び炭素数1〜4のアルコキシで置換された炭素数1〜4のアルキルからなる群から選択される)から選択される。
いくつかの実施形態では、一般式2aのMはFe、Ru又はCoである。
いくつかの実施形態では、一般式2aのMはFeである。
いくつかの実施形態では、YはCである。
いくつかの実施形態では、一般式2aのMはFeであって、かつ、YはCである。
いくつかの実施形態では、YはCであり、かつ、R のzは0、1、2、3又は4であり、R のyは0、1、2、3、4又は5であって、かつ、R及びRはその他のR及びRとはそれぞれ独立して、−OR、−SR、−C(O)R、−C(S)R、−C(O)OR、−C(S)OR、−C(O)SR、−C(O)NR、−NR、−S(O)、−S(O)OR、及び−S(O)NR(式中、R及びRは独立して、水素原子、非置換の炭素数1〜4のアルキル、及び炭素数1〜4のアルコキシで置換された炭素数1〜4のアルキルからなる群から選択される)から選択される。
いくつかの実施形態では、一般式2aのMはFe、Ru、Co、Ni、Cr、Os又はMnの群から選択される金属であって、具体的にはMはFeであり、YはC又はNであり、R のzは1であり、R のyは1であって、かつ、R及びRはその他のR及びRとはそれぞれ独立して、−OR、−SR、−C(O)R、−C(S)R、−C(O)OR、−C(S)OR、−C(O)SR、−C(O)NR、−NR、−S(O)、−S(O)OR、及び−S(O)NR(式中、R及びRは独立して、水素原子、非置換の炭素数1〜4のアルキル、及び炭素数1〜4のアルコキシで置換された炭素数1〜4のアルキルからなる群から選択される)から選択される。
いくつかの実施形態では、一般式2aのMはFe、Ru、Co、Ni、Cr、Os又はMnの群から選択される金属であって、具体的にはMはFeであり、YはC又はNであって、かつ、R のzは0であり、R のyは1であって、かつ、Rは、−OR、−SR、−C(O)R、−C(S)R、−C(O)OR、−C(S)OR、−C(O)SR、−C(O)NR、−NR、−S(O)、−S(O)OR、及び−S(O)NR(式中、R及びRは独立して、水素原子、非置換の炭素数1〜4のアルキル、及び炭素数1〜4のアルコキシで置換された炭素数1〜4のアルキルからなる群から選択される)から選択される。
いくつかの実施形態では、YはNであり、R のzは0であって、かつ、R のyは0である。いくつかの実施形態では、YはNであり、R のzは0であり、R のyは0であって、かつ、一般式2aのMはFe、Ru又はCoの群から選択される。
いくつかの実施形態では、YはCであり、R のzは0であって、かつ、R のyは0である。いくつかの実施形態では、YはCであり、R のzは0であり、R のyは0であって、かつ、一般式2aのMはFe、Ru又はCoの群から選択される。
いくつかの実施形態では、Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、YはCであり、R のzは0であり、R のyは0であって、かつ、一般式2aのMはFe、Ru、Co、Ni、Cr、Os又はMnの群から選択される。
いくつかの実施形態では、一般式2aのMはFe、Ru、Co、Ni、Cr、Os又はMnの群から選択され、具体的にはMはFe、Ru又はCoから選択され、YはCであり、R のzは0であり、R のyは0であって、かつ、
−Fは−C(=O)−又は−C(=S)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0である;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0である;−Fは−C(=O)−又は−C(=S)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのpは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、Kは炭素数1又は2のアルキルである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であって、R のnは2である;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは2であって、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位であり、かつ、もう1つのRはメタ位である;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは2であって、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位の−CFであり、かつ、もう1つのRはメタ位の−CNである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であって、R のnは1である;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であって、R のnは1である;Rはベンゼン部分の結合部位に対してパラ位である;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であって、R のnは1である;Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCF、−SOCF、−SOCFである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは0であり、R のnは1であって、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCFである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは2であって、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位の−CFであり、かつ、もう1つのRはメタ位の−CNである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1のアルキルであり、R のnは1であって、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCF、−SOCF、−SOCFである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1のアルキルであり、R のnは1であって、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCFである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数2のアルキルであり、R のnは1であって、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCF、−SOCF、−SOCFである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数2のアルキルであり、R のnは1であって、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCFである;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0である;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは2である;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは2であって、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位であり、かつ、もう1つのRはメタ位である;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは2であって、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位の−CFであり、かつ、もう1つのRはメタ位の−CNである;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは1である;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは1であって、かつ、Rはベンゼン部分の結合部位に対してパラ位である;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは1であって、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCF、−SOCF、−SOCFである;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは1であって、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCFである;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルである;
−Fのlは0であり、Kのpは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルである;
−Fのlは0であり、Kのpは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは1又は2である;
−Fは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは2である;
−Fは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは2であって、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位であり、かつ、もう1つのRはメタ位である;
−Fは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは2であって、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位の−CFであり、かつ、もう1つのRはメタ位の−CNである;
−Fは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは1である;
−Fは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは1であり、かつ、Rはベンゼン部分の結合部位に対してパラ位である;
−Fは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは1であり、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCF、−SOCF、−SOCFである;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは1であり、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCFである;
上記のR は−他に記載がなければ−可能性があるその他のR とはそれぞれ独立して、−C(=O)OR、−C(=O)NR 、−C(=O)SR、−C(=S)OR、−C(NH)NR 、CN、−NR 、−C(=O)R、−C(=S)R、−OR、−SR、−CF、−OCF、−SCF、−SOCF、−SOCF、−CN、−NO、−F、−Cl、−Br又は−Iの群から選択される。
いくつかの実施形態では、一般式2aのMはFeであり、YはCであり、R のzは0であり、R のyは0であって、かつ、
−Fは−C(=O)−又は−C(=S)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0である;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0である;−Fは−C(=O)−又は−C(=S)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのpは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、Kは炭素数1又は2のアルキルである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であって、R のnは2である;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは2であって、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位であり、かつ、もう1つのRはメタ位である;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは2であって、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位の−CFであり、かつ、もう1つのRはメタ位の−CNである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であって、R のnは1である;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であって、R のnは1である;Rはベンゼン部分の結合部位に対してパラ位である;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であって、R のnは1である;Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCF、−SOCF、−SOCFである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは0であり、R のnは1であって、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCFである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは2であって、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位の−CFであり、かつ、もう1つのRはメタ位の−CNである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1のアルキルであり、R のnは1であって、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCF、−SOCF、−SOCFである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1のアルキルであり、R のnは1であって、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCFである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数2のアルキルであり、R のnは1であって、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCF、−SOCF、−SOCFである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数2のアルキルであり、R のnは1であって、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCFである;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0である;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは2である;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは2であって、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位であり、かつ、もう1つのRはメタ位である;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは2であって、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位の−CFであり、かつ、もう1つのRはメタ位の−CNである;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは1である;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは1であって、かつ、Rはベンゼン部分の結合部位に対してパラ位である;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは1であって、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCF、−SOCF、−SOCFである;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは1であって、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCFである;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルである;
−Fのlは0であり、Kのpは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルである;
−Fのlは0であり、Kのpは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは1又は2である;
−Fは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは2である;
−Fは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは2であって、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位であり、かつ、もう1つのRはメタ位である;
−Fは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは2であって、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位の−CFであり、かつ、もう1つのRはメタ位の−CNである;
−Fは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは1である;
−Fは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは1であり、かつ、Rはベンゼン部分の結合部位に対してパラ位である;
−Fは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは1であり、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCF、−SOCF、−SOCFである;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは1であり、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCFである;
上記のR は−他に記載がなければ−可能性があるその他のR とはそれぞれ独立して、−C(=O)OR、−C(=O)NR 、−C(=O)SR、−C(=S)OR、−C(NH)NR 、CN、−NR 、−C(=O)R、−C(=S)R、−OR、−SR、−CF、−OCF、−SCF、−SOCF、−SOCF、−CN、−NO、−F、−Cl、−Br又は−Iの群から選択される。
いくつかの実施形態では、OMは一般式(2b)
[式中、MはMn、Re又はTcの群から選択される金属であって、かつ、
のzは0、1、2、3又は4であり、かつ、
はその他のRとはそれぞれ独立して、
−非置換又は置換された炭素数1〜10のアルキル、非置換又は置換された炭素数1〜10のアルケニル、非置換又は置換された炭素数1〜10のアルキニル、非置換又は置換された炭素数3〜8のシクロアルキル、非置換又は置換された炭素数1〜10のアルコキシ、非置換又は置換された炭素数3〜8のシクロアルコキシ、
−非置換又は置換された炭素数6〜14のアリール、
−非置換又は置換された5〜10員環ヘテロアリール(式中、1〜4個の環原子は、独立して、窒素、酸素、又は硫黄から選択される)、
−非置換又は置換された5〜10員環ヘテロ脂環式環(式中、1〜3個の環原子は、独立して、窒素、酸素、又は硫黄である)、
−−OR、−SR、−C(O)R、−C(S)R、−C(O)OR、−C(S)OR、−C(O)SR、−C(O)NR、−NR、−S(O)、−S(O)OR、及び−S(O)NR(式中、R及びRは、独立して、水素原子、非置換の炭素数1〜4のアルキル、及び炭素数1〜4のアルコキシで置換された炭素数1〜4のアルキルからなる群から選択される)から選択される。]
の金属サンドイッチ錯体である。
いくつかの実施形態では、一般式2bのR のzは0、1、2、3又は4であり、かつ、Rは、その他のRとはそれぞれ独立して、−OR、−SR、−C(O)R、−C(S)R、−C(O)OR、−C(S)OR、−C(O)SR、−C(O)NR、−NR、−S(O)、−S(O)OR、及び−S(O)NR(式中、R及びRは独立に、水素原子、非置換の炭素数1〜4のアルキル、及び炭素数1〜4のアルコキシで置換された炭素数1〜4のアルキルからなる群から選択される)から選択される。
いくつかの実施形態では、一般式2bのR のzは1であり、かつ、Rは、−OR、−SR、−C(O)R、−C(S)R、−C(O)OR、−C(S)OR、−C(O)SR、−C(O)NR、−NR、−S(O)、−S(O)OR、及び−S(O)NR(式中、R及びRは独立に、水素原子、非置換の炭素数1〜4のアルキル、及び炭素数1〜4のアルコキシで置換された炭素数1〜4のアルキルからなる群から選択される)から選択される。
いくつかの実施形態では、一般式2bのR のzは0である。
いくつかの実施形態では、一般式2bのMはMn、Re又はTcであり、R のzは0であって、かつ、
−Fは−C(=O)−又は−C(=S)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0である;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0である;−Fは−C(=O)−又は−C(=S)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのpは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、Kは炭素数1又は2のアルキルである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であって、R のnは2である;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは2であって、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位であり、かつ、もう1つのRはメタ位である;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは2であって、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位の−CFであり、かつ、もう1つのRはメタ位の−CNである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であって、R のnは1である;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であって、R のnは1である;Rはベンゼン部分の結合部位に対してパラ位である;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であって、R のnは1である;Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCF、−SOCF、−SOCFである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは0であり、R のnは1であって、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCFである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは2であって、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位の−CFであり、かつ、もう1つのRはメタ位の−CNである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1のアルキルであり、R のnは1であって、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCF、−SOCF、−SOCFである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1のアルキルであり、R のnは1であって、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCFである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数2のアルキルであり、R のnは1であって、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCF、−SOCF、−SOCFである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数2のアルキルであり、R のnは1であって、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCFである;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0である;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは2である;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは2であって、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位であり、かつ、もう1つのRはメタ位である;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは2であって、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位の−CFであり、かつ、もう1つのRはメタ位の−CNである;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは1である;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは1であって、かつ、Rはベンゼン部分の結合部位に対してパラ位である;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは1であって、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCF、−SOCF、−SOCFである;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは1であって、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCFである;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルである;
−Fのlは0であり、Kのpは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルである;
−Fのlは0であり、Kのpは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは1又は2である;
−Fは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは2である;
−Fは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは2であって、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位であり、かつ、もう1つのRはメタ位である;
−Fは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは2であって、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位の−CFであり、かつ、もう1つのRはメタ位の−CNである;
−Fは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは1である;
−Fは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは1であり、かつ、Rはベンゼン部分の結合部位に対してパラ位である;
−Fは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは1であり、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCF、−SOCF、−SOCFである;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは1であり、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCFである;
上記のR は−他に記載がなければ−可能性があるその他のR とはそれぞれ独立して、−C(=O)OR、−C(=O)NR 、−C(=O)SR、−C(=S)OR、−C(NH)NR 、CN、−NR 、−C(=O)R、−C(=S)R、−OR、−SR、−CF、−OCF、−SCF、−SOCF、−SOCF、−CN、−NO、−F、−Cl、−Br又は−Iの群から選択される。
いくつかの実施形態では、OMは一般式(2c)
[式中、Rは、
−水素原子、
−非置換又は置換された炭素数1〜10のアルキル、非置換又は置換された炭素数1〜10のアルケニル、非置換又は置換された炭素数1〜10のアルキニル、非置換又は置換された炭素数3〜8のシクロアルキル、非置換又は置換された炭素数1〜10のアルコキシ、非置換又は置換された炭素数3〜8のシクロアルコキシ、
−非置換又は置換された炭素数6〜14のアリール、
−非置換又は置換された5〜10員環ヘテロアリール(式中、1〜4個の環原子は、独立して、窒素、酸素、又は硫黄から選択される)、
−非置換又は置換された5〜10員環ヘテロ脂環式環(式中、1〜3個の環原子は、独立して、窒素、酸素、又は硫黄である)、
−−OR、−SR、−C(O)R、−C(S)R、−C(O)OR、−C(S)OR、−C(O)SR、−C(O)NR、−NR、−S(O)、−S(O)OR、及び−S(O)NR(式中、R及びRは、独立して、水素原子、非置換の炭素数1〜4のアルキル、及び炭素数1〜4のアルコキシで置換された炭素数1〜4のアルキルからなる群から選択される)から選択される。]
の金属サンドイッチ錯体である。
いくつかの実施形態では、一般式2cのRは、−OR、−SR、−C(O)R、−C(S)R、−C(O)OR、−C(S)OR、−C(O)SR、−C(O)NR、−NR、−S(O)、−S(O)OR、及び−S(O)NR(式中、R及びRは、独立して、水素原子、非置換の炭素数1〜4のアルキル、及び炭素数1〜4のアルコキシで置換された炭素数1〜4のアルキルからなる群から選択される)から選択される。
いくつかの実施形態では、一般式2cのRは水素原子である。
いくつかの実施形態では、一般式2cのRは非置換又は置換された炭素数1〜10のアルキル、非置換又は置換された炭素数1〜10のアルケニル、非置換又は置換された炭素数1〜10のアルキニル、非置換又は置換された炭素数3〜8のシクロアルキル、非置換又は置換された炭素数1〜10のアルコキシ、非置換又は置換された炭素数3〜8のシクロアルコキシである。
いくつかの実施形態では、一般式2cのRは上に定義した基であり、かつ、
−Fは−C(=O)−又は−C(=S)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0である;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0である;−Fは−C(=O)−又は−C(=S)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのpは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、Kは炭素数1又は2のアルキルである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であって、R のnは2である;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは2であって、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位であり、かつ、もう1つのRはメタ位である;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは2であって、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位の−CFであり、かつ、もう1つのRはメタ位の−CNである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であって、R のnは1である;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であって、R のnは1である;Rはベンゼン部分の結合部位に対してパラ位である;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kのpは0であって、R のnは1である;Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCF、−SOCF、−SOCFである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは0であり、R のnは1であって、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCFである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは2であって、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位の−CFであり、かつ、もう1つのRはメタ位の−CNである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1のアルキルであり、R のnは1であって、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCF、−SOCF、−SOCFである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1のアルキルであり、R のnは1であって、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCFである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数2のアルキルであり、R のnは1であって、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCF、−SOCF、−SOCFである;
−Fは−C(=O)−であり、lは1であり、Kのqは0であり、Kは炭素数2のアルキルであり、R のnは1であって、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCFである;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0である;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは2である;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは2であって、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位であり、かつ、もう1つのRはメタ位である;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは2であって、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位の−CFであり、かつ、もう1つのRはメタ位の−CNである;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは1である;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは1であって、かつ、Rはベンゼン部分の結合部位に対してパラ位である;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは1であって、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCF、−SOCF、−SOCFである;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kのpは0であり、R のnは1であって、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCFである;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルである;
−Fのlは0であり、Kのpは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルである;
−Fのlは0であり、Kのpは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは1又は2である;
−Fは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは2である;
−Fは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは2であって、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位であり、かつ、もう1つのRはメタ位である;
−Fは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは2であって、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位の−CFであり、かつ、もう1つのRはメタ位の−CNである;
−Fは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは1である;
−Fは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは1であり、かつ、Rはベンゼン部分の結合部位に対してパラ位である;
−Fは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは1であり、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCF、−SOCF、−SOCFである;
−Fのlは0であり、Kのqは0であり、Kは炭素数1又は2のアルキルであり、R のnは1であり、かつ、Rは、ベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCFである;
上記のR は−他に記載がなければ−可能性があるその他のR とはそれぞれ独立して、−C(=O)OR、−C(=O)NR 、−C(=O)SR、−C(=S)OR、−C(NH)NR 、−CN、−NR 、−C(=O)R、−C(=S)R、−OR、−SR、−CF、−OCF、−SCF、−SOCF、−SOCF、−CN、−NO、−F、−Cl、−Br又は−Iの群から選択される。
発明のこの観点の具体的な実施形態は以下のa〜n:
a.N−(1−(フェロセニルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−((トリフルオロメチル)チオ)ベンズアミド
b.2−シアノ−2−(4−((トリフルオロメチル)チオ)ベンズアミド)プロピルフェロセノエート
c.2−シアノ−2−(4−((トリフルオロメチル)スルフィニル)ベンズアミド)プロピルフェロセノエート
d.2−シアノ−2−(4−((トリフルオロメチル)スルフォニル)ベンズアミド)プロピルフェロセノエート
e.2−シアノ−2−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド)プロピルフェロセノエート
f.2−シアノ−2−(4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド)プロピルフェロセノエート
g.2−シアノ−2−2(4−(メチルチオ)ベンズアミド)プロピルフェロセノエート
h.2−シアノ−2−(4−フルオロベンズアミド)プロピルフェロセノエート
i.2−(4−クロロベンズアミド)−2−シアノプロピルフェロセノエート
j.2−(4−ブロモベンズアミド)−2−シアノプロピルフェロセノエート
k.2−シアノ−2−(4−ヨードベンズアミド)プロピルフェロセノエート
l.2−シアノ−2−(4−((トリフルオロメチル)チオ)ベンズアミド)プロピルルテノセノエート
m.2−シアノ−2−(4−((トリフルオロメチル)チオ)ベンズアミド)プロピルプロピオレートのCo2(CO)6錯体
n.2−シアノ−2−(4−((トリフルオロメチル)チオ)ベンズアミド)プロピルシマントレノエート
である。
一般式(1)の化合物はそれらの水和物の形でも得ることができ、及び/又は、例えば個体で存在する化合物の、結晶化に用いられるその他の溶媒も含みうる。方法及び/又は反応条件に応じて、一般式(1)の化合物は自由な形態又は塩の形態で得ることができる。
一般式(1)の化合物は光学異性体又はその混合物として存在する可能性がある。光学中心は式中に星印で印を付け、かつエチル部分のC1炭素原子に位置する。たとえどの場合においても立体化学的な詳細に特に言及しないとしても、発明は純粋異性体、ラセミ混合物及び全ての可能性のある異性混合物と関連し、かつ、以下もそうであると理解される。過程又は他の方法で得られる一般式(1)の化合物のジアステレオマー混合物は、−それらの化学成分の物理化学的な違いに基づいて−既知の方法、例えば分別結晶、蒸留及び/又はクロマトグラフィー、具体的にはキラルHPLCカラムを用いた分取HPLCによって純粋なジアステレオマーに分離する可能性がある。
他に記載がなければ、ラセミ混合物が用いられる。
発明によれば、対応する異性体混合物の分離とは別に、一般的に知られているジアステレオ選択的又はエナンチオ選択的な合成法、例えば以下で説明する方法の実行及び対応する適切な立体化学の抽出操作もまた純粋なジアステレオマー又はエナンチオマーの取得に適用可能である。
個々の化合物が異なる生物活性を有するならば、より活性のある異性体を単離又は合成するのに有利である。
本発明のさらなる目的は一般式(1)で表される化合物の調製過程である。
調製は、Gauvryらによる適合した合成(特許文献1)で合成される一般式(4)
で表される化合物を含む。反応経路はスキーム1に描写する。
スキーム1:2−アミノ−2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル(3a)はGauvryら(特許文献1)に従って生産した。化合物3bのR は上記で定義した意味を持ち、かつ化合物3bのQは脱離基、例えば特許文献1に表されるような脱離基である。化合物3a及び3bは商用の既知化合物であり、又は既知化合物と同様に生産される可能性がある。化合物3aは、Gauvryらによる適合した手順(特許文献1)に従って1当量の3bと反応させて、化合物4を生成した。
1の実施形態では、Gasserらによる適合した手順(G.Gasser、A.J.Fischmann、C.M.Forsyth and L.Spiccia、J.Organomet. Chem.、2007、692、3835−3840)に従って化合物4を化合物5と共に処理し、化合物6を生成した。反応経路はスキーム2に描写する。
スキーム2:Gasserら(J.Organomet.Chem.、2007、692、3835−3840)及びGasserら(J.Med.Chem.、2012、55、8790−8798)による適合した手順に従って、化合物4を化合物5と反応させた。R 、R 、R Y及びKのpは上記の定義と同様の意味を持つ。化合物5(スキーム3を参照)は、Gasserらに利用された方法(J.Organomet.Chem.、2007、692、3835−3840)と類似した合成方法に従って式2aの有機金属部分OMを反応させることによって形成した。
スキーム3:Gasserらに利用された方法(J.Organomet.Chem.、2007、692、3835−3840)と類似した合成方法に従った化合物5’からの化合物5の形成。上記で定義したR 、R Yを含む化合物5’は、既知の化合物であって、購入可能であり、又は既知の手順で合成可能であり、又は既知化合物と同様に調製される可能性がある。そのような手順はPatraら(J.Med.Chem.、2012、55、3835−3840);Apreuteseiら(Appl.Organomet.Chem.、2005、9、1022−1037);Boniniら(Eur.J.Org.Chem.、2002、543−550);Routaboulら(J.Organomet.Chem.、2001、637、364−371)によって説明されているが、これに限定されない。
1の実施形態では、Gasserら(J.Med.Chem.、2012、55、8790−8798)による適合した手順に従って、化合物4と化合物7を反応させ、化合物8を生成した。反応経路はスキーム4に描写する。
スキーム4:Gasserら(J.Med.Chem.、2012、55、8790−8798)による適合した手順に従って、化合物4を化合物7と反応させた。R 、R 、R Y及びKのpは上記で定義したものと同様の意味を持つ。WはO又はSであり、かつQは脱離基である。いくつかの実施形態では、WはOであり、かつQはClであって、かつ反応はトリエチルアミン存在下で起こる。いくつかの実施形態では、WはOであり、かつQはOHであって、かつ反応はN、N−ジメチルホルムアミド中のHATU(O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N、N、N’、N’−テトラメチルウロミウム−ヘキサフルオロホスフェート)、DIEPA(N、N−ジイソプロピルエチルアミン)存在下で起こった(Patraら(Organometallics.2012、29、4312−4319)の手順に相当する)。任意に、アルキル基K(上記で定義した意味を持つ)は次の−C=W部分(WはO又はSである)と脱離基Qの間に導入される可能性がある。化合物7の有機金属部分OM(一般式2aに相当する)は上述した化合物5及び5’の有機金属部分と同様である。上記の条件、言及及び反応経路を参照する。上記で定義したR 、R Yを含む化合物7は、既知の化合物であって、購入可能であり、又は既知の手順で合成可能であり、又は化合物7の有機金属部分OMから既知化合物と同様に調製される可能性がある(例として、Patra、M.;Ingram、K.;Pierroz、V.;Ferrari、S.;Spingler、B.;Keiser、J.;Gasser、G.、J.Med.Chem.2012、55、8790−8798及び本明細書の言及を参照)。
一般式2bのハーフ金属サンドイッチ錯体OMを含む化合物の反応経路は上述した反応と同様の経路、具体的には当業者が容易に適応可能な、スキーム2及びスキーム4で描写したものと同様の経路をたどる。上記の条件、言及及び反応経路を参照する。
一般式2cのカルボニル錯体OMを含む化合物の反応経路はスキーム5に描写する。
スキーム5:水素化ナトリウムのテトラヒドロフラン溶液存在下で化合物4を化合物9と反応させ、化合物10を得た。Xは一般式−K−F−K−で表される基である。さらに、R 、R 、R Y、p、K、l、F、q、Kは上記で定義したものと同様の意味を持つ。化合物9は既知の化合物であって、購入可能であり、又は既知の手順で合成可能であり、又は既知化合物と同様に調製される可能性がある。Gasserらに利用された合成方法(J.Organomet.Chem.、2007、692、3835−3840)に従って、化合物10をその後Co(CO)と反応させ、化合物11を得た。
本発明のさらなる目的は、一般式(4)又は(10)
(X、R 及びRは本発明の第1の観点で定義したものと同様の意味を持つ)で表される化合物である。
本発明の第3の観点によれば、本発明の第1の観点で定義された化合物は、疾患の治療方法において使用するために提供される。
本発明のさらなる観点は、疾患の治療方法において使用するため、具体的には蠕虫による感染症の治療方法において使用するため、又は植物蠕虫の抑制の方法において使用するための一般式(4)又は(10)で表される化合物に関連する。
本願で提供する化合物の薬学的に許容される塩は、本発明の範囲に包含されると考えられる。
本発明の第1の観点によれば、上記本発明の観点又は実施形態による化合物からなる、蠕虫感染、具体的には条虫、吸虫及び線虫、特にヘモンクス属(Haemonchus)、トリストロンギルス属(Trichstrongylus)、テラドルサジア属(Teladorsagia)、クーペリア属(Cooperia)、イソファゴストムム属(Oesophagostomum)及び/又はチャベルチア属(Chabertia)の種による感染、条虫症、住血吸虫症、回虫症、メジナ虫症、象皮症、蟯虫症、フィラリア症、鉤虫症、オンコセルカ症、旋毛虫症及び/又は鞭虫症の予防又は治療用の医薬生成物が提供される。
医薬生成物は、腸内投与、例えば鼻腔、口腔、直腸又は、特に、経口投与、及び非経口投与、例えば経皮(吹き出物)、皮内、皮下、静脈内、肝内又は筋内投与として用いられる可能性がある。医薬生成物は約1%から約95%の有効成分を含むが、好ましくは約20%から約90%である。
本発明の第1の観点によれば、上記本発明の観点又は実施形態による化合物からなる、蠕虫感染、具体的には特に条虫、吸虫及び線虫による感染、条虫症、住血吸虫症、回虫症、メジナ虫症、象皮症、蟯虫症、フィラリア症、鉤虫症、オンコセルカ症、旋毛虫症及び/又は鞭虫症の予防又は治療用の剤形が提供される。剤形は鼻腔、口腔、直腸、経皮又は経口投与を含む様々な経路によって投与され、又は吸入製剤又は坐薬である可能性がある。あるいは、剤形は、例えば静脈内、肝内、又は特に皮下、又は筋内への注入形式のような非経口投与用である可能性がある。任意で、薬学的に許容される担体及び/又は添加剤が存在する可能性がある。
本発明の第1の観点によれば、上記本発明の観点又は実施形態による化合物からなる、蠕虫感染、具体的には特に条虫、吸虫及び線虫による感染、条虫症、住血吸虫症、回虫症、メジナ虫症、象皮症、蟯虫症、フィラリア症、鉤虫症、オンコセルカ症、旋毛虫症及び/又は鞭虫症の予防又は治療用の薬剤の製造方法が提供される。本発明による薬剤は当技術分野で周知の方法、特に従来の混合、被覆、粒状化、溶解又は凍結乾燥によって製造される。
本発明の第1の観点によれば、上記本発明の観点又は実施形態による化合物のそれを必要とする患者への投与からなる、蠕虫感染、具体的には前述の症状の、予防又は治療の方法が提供される。
治療は予防又は治療目的用である可能性もある。投与において、上記本発明の観点による化合物は、化学的に純粋な形態の化合物と任意の薬学的に許容される担体及び任意の補助薬からなる医薬品の形で提供されることが好ましい。化合物は蠕虫感染に対して有効な量用いられる。化合物の剤形は、種、患者の年齢、体重及び個別の状態、個別の薬物動態データ、投与の方法、及び投与が予防又は医療目的のいずれかによって決まる。投与される1日用量は約1μg/kgから約1000mg/kgまでの幅があるが、好ましくは本発明における活性剤が約1μgから約100μgまでである。
本発明の実施形態について記載する本明細書の参照部分のいずれも、そのような実施形態が本発明の一つの特徴を参照するのみであり、そのような実施形態は、異なる特徴を参照するその他のいずれかの実施形態と組み合わせられる可能性があることを意味する。例えば、OMを定義するいかなる実施形態も、異なる性質を有する発明の化合物群又は発明の単一化合物を特徴付ける、R、F又はKを定義するいかなる実施形態とも結びつく可能性がある。
本発明は以下の実施例及び図によって限定されずに、追加的に特徴付けられ、追加的な特徴、有利な点又は実施形態を得られる。実施例及び図は本発明を説明するものであって限定するものではない。
一般的手法
材料:全ての化学物質は試薬用品質又は高品質であり、民間の供給業者から入手し、及び追加の精製なしに用いた。溶液は受け取った状態又は4Å及び3Åのモレキュラーシーブ上で乾燥させた状態で用いた。テトラヒドロフラン及びジエチルエーテルは採用した標準の手順で、窒素下で新たに蒸留した。全ての合成は標準のシュレンク管操作法を用いて実行した。
装置と方法: H−及び13C−NMRスペクトルは重水素化溶媒中で、Bruker DRX 400又はAV2 500に30℃で記録した。ケミカルシフトδはppmで報告される。残存溶媒のピークは内部基準として用いられている。ピークの多重度の略称は以下のようになる:s(シングレット)、d(ダブレット)、dd(ダブルダブレット)、t(トリプレット)、q(カルテット)、m(マルチプレット)及びb(ブロード)。赤外スペクトルはPerkinElmer spectrum BX spectrometerに記録し、かつKBr pressligは固体で用いた。信号強度はw(弱)、m(中)、s(強)及びb(ブロード)と省略される。ESIマススペクトルはBruker Esquire 6000又はBruker maxis QTOF−MS instrument (Bruker Daltonics GmbH、Bremen、Germany)に記録した。LC−MSスペクトルは、PDA検出器及びAgilent Zorbax 300SB−C18分析カラム(粒径5.0μm、孔径100Å、150×3.0mm)又はMacherey−Nagel 100−5C18分析カラム(粒径3.5μm、孔径300Å、150×3.0mm)を用いた自動採取器を備えた装置であるWaters社のAcquityTMで測定した。このLCはMS測定用のBurker社(Bremen、Germany)製のEsquire HCTと連動した。LCの連動(流量:0.3mLmin−1)はA(0.1%体積%ギ酸を含む蒸留水)及びB(アセトニトリル(Sigma−Aldrich HPLC用)、t=0分、5%B;t=3分、5%B;t=17分、100%B;t=20分、100%B;t=25分、5%B)の線形勾配で実行した。高解像度ESIマススペクトルはBruker maxis QTOF−MS instrument(Bruker Daltonics GmbH、Bremen、Germany)に記録した。サンプル(約0.5mg)は0.5mLのアセトニトリルと水1:1に0.1%のギ酸を加えた溶液に溶解した。そして溶液を10倍に希釈し、その後3μlmin−1の連続噴射方式で分析した。質量分析計は4000Vのキャピラリー電位、−500Vのエンドプレートオフセットの陽エレクトロスプレーイオン化方式において、0.4バールの圧力の窒素噴霧器及び180℃で4.0l/minの乾燥ガスフローで操作した。MS取得は、質量範囲を質量電荷比100から2000まで、分解能20’000及び毎秒1スキャンでフルスキャンモードで行った。質量はギ酸ナトリウム溶液2mMによって、質量電荷比158から1450までの質量範囲にわたって、2ppm以下の精度で調整した。
細胞培養:ヒト子宮頸がん細胞(ヒーラ)は5%のウシ胎仔血清(FCS、Gibco)、100U/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシンを添加したDMEM(Gibco)中で、37℃及び5%二酸化炭素下で培養した。通常のヒト胎児肺繊維芽細胞MRC−5の細胞株は、10%のFCS(Gibco)、200mmol/lのL−グルタミン、100U/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシンを添加して、F−10培地(Gibco)中で、37℃及び5%二酸化炭素下で保持した。化合物の癌を抑える可能性を立証するために、それらをヒーラという名の1つの細胞株で、レサズリン(Promocell GmbH)を用いた蛍光細胞生死判別実験によって試験した。細胞毒性を示した化合物はその後通常のMRC−5細胞で試験した。処理の1日前に、細胞は96ウェルの、100μlの成長培地プレートに、ヒーラが4×10cells/well、MRC−5が7×10cells/wellの密度でトリプリケートで播種した。2日間、化合物の濃度上昇で細胞を処理した。2日後に、培地及び薬物を除去し、そしてレサズリン(最終濃度0.2mg/ml)を含む100μlの新鮮培地を添加した。37℃で4時間培養後、強い赤色蛍光物質であるレゾルフィンの蛍光について、SpectralMax M5 microplate Readerによって540nmの励起波長で590nmの発光を定量化した。
シー・エレガンスの運動抑制分析:非同期のN2のシー・エレガンス線虫(Bristol)は標準プロトコル(Maintenance of C.elegans;Stiernagle、T.、Ed.;Wormbook、2006)に従って、食料源として大腸菌OP50の菌叢を播種した線虫成長培地(NGM)寒天中で保持した。線虫はM9バッファ(42mmol/lのリン酸水素二ナトリウム、22mmol/lのリン酸水素二カリウム、86mmol/lの塩及び1mmol/lの硫酸マグネシウム)で洗浄してNGMプレートから採取し、10mLチューブ(Falcon)に吸引及び収集した。この懸濁液の5μL中の線虫の平均数は4×5μLの分割単位で硝子スライド(Menzel Glaser)に移動することによって計算し、かつ線虫は複式顕微鏡(Olympus Ch30)下で数え上げた。この懸濁液が1μL中に1匹の線虫を含むよう調整するために、600×gで30秒線虫を沈殿後、M9バッファを添加あるいは除去した。
作業溶液のための試験化合物、Zolvix(モネパンテル)及びDMSOの希釈、及び液体検査のための96ウェルプレートの設定:70μLの量のM9バッファを、マルチチャンネルピペッターを用いて96ウェルプレートのそれぞれのウェルに添加した。20μLの量の線虫懸濁液は、調整された(線虫への損傷を最小化するために開口部が拡大された)ピペットのチップと共にシングルチャンネルピペッターを用いてそれぞれのウェルに添加した。濃度を維持するために、線虫懸濁液は3ウェルごとに軽く弾いて再懸濁した。GG化合物は4℃で保存し、そして分析への添加の前にジメチルスルホキシド(DMSO)で濃度が100mmol/lに達するように希釈した。これらの貯蔵液は20mmol/l、2mmol/l、0.02mmol/l及び0.002mmol/lの系列を作るためにDMSOでさらに希釈され、その後1mmol/l、0.1mmol/l、1μmol/l及び0.1μmol/l(全て5%(体積)DMSO)を作るためにM9バッファで20倍に希釈した。それぞれの濃度10μLを、最終濃度が100μl中で100μmol/l、10μmol/l、100nmol/l及び10nmol/l(0.5%DMSO)に達するようにウェルにデュプリケートで添加した。Zolvix(モネパンテル)希釈系列は次に同様の希釈スキーマで同時に作成し、そしてポジティブコントロールとして用いた;1%DMSOの媒体コントロールに達するように10%DMSOを10μL添加した。10μLのM9をネガティブコントロールのウェルに添加した(図1を参照)。プレートは室温(22〜24℃)で一晩培養した。
定量的な線虫の運動性の記録:不動の線虫はそれぞれのウェルの全ての線虫の割合として、Olympus SZ30解剖顕微鏡を用いて数えた。不動の比率は全体から差し引き、そしてその残りを全体で割って各ウェルの生存線虫の割合を得た。
X線結晶構造解析:全ての化合物の結晶構造解析データはStoe IPDS回折計で、グラファイトで単色化されたMoKα放射線(λ=0.7107Å)を用いて183(2)Kで採取した。適切な結晶は油(Infineum V8512、かつてはParatone Nと呼ばれた)で覆い、ガラスファイバー又はCryoLooTM(Hampton Research)の上にマウントし、そして直ちに回折計に移動した。IPDSの場合は、限定領域全体に分布される最大8000の反射光は、プログラムSELECTによって選択し、そしてプログラムCELL(STOE&Cie、GmbH:Darmstadt、Germany、199)での単位格子パラメータの精密化に用いた。データは(数値的)吸収と同様に、ローレンツ因子及び分極効果を補正した。構造はSIR97(Altomare、A.;Burla、M.C.;Camalli、M.;Cascarano、G.L.;Giacovazzo、C.;Guagliardi、A.;Moliterni、A.G.G.;Polidori、G.;Spagna、R.J.Appl.Cryst.1999、32、115−119)を用いた直接的方法で解決し、そしてF2とSHELXL−97(Sheldrick、G.M.Acta Cryst.2008、A64、112−122)で完全行列最小二乗法によって精密化した。NH単位の水素原子は局在し、かつそれらの位置は制限せずに精密化した。その他の全ての水素原子は計算された位置に置かれた。構造はプログラムPlaton(Spek、A.L.J.Appl.Cryst.2003、36、7−139)を用いて高次対称を確認した。
In vitro実験は試験化合物によって幼虫成長分析で実施しうる。実験を行うために、羊たちをヘモンクス属、トリストロンギルス属、テラドルサジア属、クーペリア属、イソファゴストムム属又はチャベルチア属の種の感染性3齢幼虫(L3)に感染させる。これらの感染した羊たちの***物を採取し、そして実験に用いる;〜100gの***物を粉砕し、均等化し、そして〜1000mlの砂糖溶液(比重1.2)で懸濁し、‘茶こし器’を通して篩過し、そしてこし器内の大きい未消化の食品材料を捨てる。砂糖溶液をその後平らな皿に移し、そしてプラスチックの上向きの透明フィルムの細切れを表面に置く。プラスチックは少なくとも45分間卵がくっつくまで置き、その後注意深く除去する。卵はプラスチックを水で洗浄して、50mlの遠心分離管に集める。卵を含んだ水は、追加的に植物原料を除去するために40mmのふるいを通し、その後1000×gで10分間遠心分離する。上澄みにある卵を確認し、そして卵の大部分が管の底にあるように捨てる。これらの卵を1mlの水に採取し、そして〜200eggs/20μlに希釈する。
1.それぞれの化合物は5つの濃度で試験する:100、50、25、12.5及び6.25mmol/lである(すなわち、100mmol/lから一連の倍数希釈を開始する)。それぞれの化合物の希釈(全体で10ml)は1.5mlの微少遠心管で行い、1mlの溶融寒天を添加し、管を遠心して、そして寒天を96ウェルのマイクロタイタープレートのウェルに等分(150ml)する。
2.DMSOは多くのウェルで溶媒のみのコントロール(ネガティブコントロール)として用い、一方シデクチンはポジティブコントロールとして試験化合物と同じ濃度で用いる。再試験化合物として、ポジティブコントロールとして用いるシデクチンの濃度は:6.25、12.5、25、50及び100mmol/lである。
3.〜100個の卵(20μl)をそれぞれのウェルに添加する。
4.プレートを27℃で一晩培養する。
5.プレートは次の日の午前及び午後に、ネガティブコントロールのウェルをほとんどの卵が孵化していることを確かめるためにチェックする。殺卵効果を有すると思われるいずれの化合物もそれが認められる。
6.ほとんどの卵の孵化後、15μLの栄養培地を幼虫に与えるために添加する。栄養培地は以下のように合成する:1gの酵母エキスを90mlの0.85%生理食塩水に添加し、そして121℃で20分加圧滅菌する。3mLのEarle‘s Balanced Salt Solution10倍液を、27mLの酵母エキス溶液に添加し、そして重炭酸塩の添加によって溶液のpHを5.4〜5.6に調整する。
7.7日間の追加の培養の後に、それぞれのウェルで成長したL3幼虫の数を測定する。
in vivo実験はこれらの寄生虫(すなわち、ヘモンクス属、トリストロンギルス属、テラドルサジア属、クーペリア属、イソファゴストムム属又はチャベルチア属の種)の単一種に感染した羊たちで実施しうる。
内部寄生虫
犬糸状虫(Dirofilaria immitis)(Di)(糸状線虫類)に対するin vitro活性
ドナー動物(犬糸状虫症の犬)の血液由来のミクロフィラリアが新たに採取され洗浄される。
ミクロフィラリアはその後、抗寄生虫性活性を評価するための被検物質を含む、フォーマットされたマイクロプレートに分散する。それぞれの化合物はそれらの最小有効量(MED)を測定するために、連続希釈法で試験する。プレートは26℃及び60%の相対湿度(RH)において48時間培養する。ミクロフィラリアの運動性はその後、考えられる殺線虫活性を確認するために記録する。
有効性は、コントロール及び基準と比較した運動性低下をパーセントで表す。
捻転胃虫及び蛇状毛様線虫(Trychostrongylus colubriformis)(胃腸管線虫類)に対するin vitro活性
新たに採取され洗浄された線虫の卵は、抗寄生虫性活性を評価するための被検物質を含む、適切にフォーマットされたマイクロプレートに播種するために使用する。それぞれの化合物はそれらのMEDを測定するために、連続希釈法で試験する。試験化合物は、卵から三齢幼虫までの完全な成長をさせた栄養培地で希釈する。プレートは28℃及び60%の相対湿度(RH)において6日間培養する。卵の孵化及びその後の幼虫の成長は、考えられる殺線虫活性を確認するために記録する。
有効性は卵の孵化の減少、L3の成長の減少、又は全段階の幼虫の麻痺及び死をパーセントで表す。
合成経路の実施例
実施例1:N−(1−(フェロセニルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−((トリフルオロメチル)チオ)ベンズアミド(化合物6a)の合成
合成経路案はスキーム6に描写する。
スキーム6:アセトニトリル、(フェロセニルメチル)トリメチルアンモニウムヨージド、炭酸カリウム、18−クラウン−6、還流、一晩。
Gauvryら(特許文献1)に従って生成した2−アミノ−2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル(3a)はトリエチルアミン存在下で1当量の4−(トリフルオロメチルチオ)ベンゾイルクロリドで処理し、N−(2−シアノ−1−ヒドロキシプロパン−2−イル)−4−((トリフルオロメチル)チオ)ベンズアミド(4a)を収率32%で得た。次に4aはLindsayら(Lindsay、J.K.;Hauser、C.R.J.Org.Chem.1956、22、355−358)に従って、アセトニトリル中で(フェロセニルメチル)トリメチルアンモニウムヨージド(5a)、炭酸カリウム及び18−クラウン−6で処理した。N−(1−(フェロセニルオキシ)−2−シアノプロパン−2−イル)−4−((トリフルオロメチル)チオ)ベンズアミド(6a)は分取HPLCによって低収率で単離した。
実施例2:2−シアノ−2−(4−((トリフルオロメチル)チオ)ベンズアミド)プロピルフェロセノエート(化合物8a)の合成。
合成経路案はスキーム7に描写する。
スキーム7:トリエチルアミン、ジクロロメタン、一晩、室温、73%。
フェロセンカルボキシルクロリド(7a)をジクロロメタン中で、トリエチルアミン及びN−(2−シアノ−1−ヒドロキシプロパン−2−イル)−4−((トリフルオロメチル)チオ)ベンズアミド(4a)で処理し、2−シアノ−2−(4−((トリフルオロメチル)チオ)ベンズアミド)プロピルフェロセノエート(8a)を収率73%で得た。
合成及び評価
2−アミノ−2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル(3a)
2−アミノ−2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル(3a)は、Gauvryら(特許文献1)によって公開された手順に従って調製した。
IR(KBr、cm−1):3329s、3286s、3205s、2985s、2935s、2858s、2756w、2229m、1625s、1476m、1457m、1383m、1368w、1348w、1269m、1178s、1093s、1065s、1044s、963m、934s、888m、785m、626w、465m。
H NMR(400MHz、MeOD):δ/ppm=3.51(dd、J=11.2Hz、J=10.8Hz、2H、CH)、1.40(s、3H、CH)。
13C NMR(400MHz、CDCl):δ/ppm=124.4、69.8、53.1、23.9。
ESI−MS:m/z(%)=101.07([M+H]、100)、83.06([M−−HO]、64)。
HR ESI−MS:calc.for CO([M+H])m/z(%)=101.07088、found m/z(%)=101.07094。
N−(2−シアノ−1−ヒドロキシプロパン−2−イル)−4−((トリフルオロメチル)チオ)ベンズアミド(4a)
2−アミノ−2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル(1a)(0.05g、0.50mmol)を乾燥ジクロロメタン(5mL)に溶解後、トリエチルアミン(70μl、0.5mmol)及び4−(トリフルオロメチルチオ)ベンゾイルクロリド(84μl、0.5mmol)を添加し、その後反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶液を塩酸水溶液1M(2×5mL)で抽出した。有機層は硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過しその後溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物は水酸化ナトリウム(10mL)水溶液1M中に懸濁させ、その後に室温で1.5時間撹拌した後にテトラヒドロフラン(10mL)を添加した。溶液は更に1時間撹拌した。溶媒は減圧下で蒸発させ、その後残留物はジクロロメタン(3×10mL)で抽出した。混合した有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過しその後溶媒を減圧下で蒸発させて、N−(2−シアノ−1−ヒドロキシプロパン−2−イル)−4−((トリフルオロメチル)チオ)ベンズアミド(4a)を、無色の固体として得た。収率:32%。
IR(KBr、cm−1):3418s、3288w、3053w、2935w、2845w、1658m、1616w、1591w、1542m、1482w、1456w、1395w、1317w、1135m、1115m、1081m、1012w、925w、844w、763w、623w。
H NMR(500MHz、MeOD):δ/ppm=7.98(d、J=7Hz、2H、arom.H)、7.84(d、J=7Hz、2H、arom.H)、3.97(dd、J=11Hz、J=10.5Hz、2H、CH)、1.8(s、3H、CH)。
13C NMR(500MHz、MeOD):δ/ppm=167.2、136.0、134.9、129.4、129.3、128.5、119.7、66.6、52.8、21.7。
19F NMR(500MHz、CDCl):δ/ppm=−39.0。
ESI−MS:m/z(%)=327.04([M+Na]、100)、305.06([M+H]、21)。
HR ESI−MS:calc.for C1212S([M+H])m/z(%)=305.05626、found m/z(%)=305.05661。
(フェロセニルメチル)トリメチルアンモニウムヨージド(5a)
(フェロセニルメチル)トリメチルアンモニウムヨージド(5a)はLindsayら(Lindsay、J.K.;Hauser、C.R.J.Org.Chem.1956、22、355−358)に従って、調製した。
クロロカルボニルフェロセン(7a)
クロロカルボニルフェロセンの合成はWitteら及びCormodeら(Witte、P.;Lal、T.K.;Waymouth、R.M.Organometallics 1999、18、4147−4155及びCormode、D.P.;Evans、A.J.;Davis、J.J.;Beer、P.D.Dalton Trans.2010、39、6532−6541)の手順を適合させた。
フェロセン(6.0g、32mmol)及びtert−ブトキシドカリウム(0.46g、4.08mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(300mL)に完全に溶解させた。橙の溶液を−78℃に冷却し、温度を−70℃以下に維持しながらtert−ブチルリチウム(34.0mL、64.5mmol、1.9Mペンタン溶液)を15分にわたって液滴で添加した。反応混合物は−78℃で1時間撹拌し、そして次にドライアイス(過剰)及びジエチルエーテルのスラリーに注いだ。混合物は一晩室温まで暖め、そして水酸化ナトリウム水溶液(0.75N、4×250mL)で抽出した。混合した水層は塩酸(pH>4)で中和して、そして結果として生じる橙の固体はジエチルエーテル(4×250mL)で有機層が無色のままになるまで抽出した。混合した有機層は微量のフェロセンジカルボン酸を除去するために濾過し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過してそして溶媒を減圧下で蒸発させてフェロセンカルボン酸を橙の固体で収率35%で得た。フェロセンカルボン酸(462mg、2.01mmol)を乾燥ジクロロメタン(23mL)で懸濁後、塩化オキサリル(1100μL、13.64mmol)の乾燥ジクロロメタン(10mL)溶液を反応混合物に液滴で添加して、橙の懸濁液が暗赤色に変化した。反応混合物は2時間還流してそして次に室温で一晩撹拌した。次に溶媒は真空下で除去した。生成物は精製せず、直ちに次の合成段階に用いた。
化合物8a〜11aは同様に合成した。丸底フラスコ中で、1.5当量の対応する活性クロロカルボン酸及び1当量のアルコールを乾燥ジクロロメタン中で溶解させた。この反応混合物に、1.5当量のトリエチルアミンを添加して室温で一晩撹拌して反応させた。反応溶液はその後蒸発乾固して、そして粗製生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製し、求める生成物(8a〜11a)を得た。
化合物8a:
H NMR(500MHz、アセトン):δ/ppm=8.41(s、1H、NH)、8.06(d、J=8.5Hz、2H、arom.H)、7.86(d、J=8Hz、2H、arom.H)、4.85−4.84(m、2H、C)、4.69(dd、J=11Hz、J=10.5Hz、2H、CH)、4.51−4.50(m、2H、C)、4.23(s、5H、C)、1.97(s、3H、CH)。
元素分析:calcd.for C2319FeNS:C、53.50;H、3.71;N、5.43。Found C、53.31;H、3.68;N、5.41。
化合物8b:
H NMR(500MHz、CDCN):δ/ppm=8.10(d、J=8.5Hz、2H、arom.H)、7.96(d、J=8.5Hz、2H、arom.H)、7.68(s、1H、NH)、4.84−4.83(m、2H、C)、4.58(dd、J=11Hz、2H、CH)、4.49−4.48(m、2H、C)、4.19(s、5H、C)、1.88(s、3H、CH)。
元素分析:calcd.for C2319FeNS:C、51.90;H、3.60;N、5.26。Found C、52.06;H、3.86;N、4.99。
化合物8c:
1H NMR(500MHz、アセトン):δ/ppm=8.69(s、1H、NH)、8.34(d、J=8.5Hz、2H、arom.H)、8.28(d、J=8.5Hz、2H、arom.H)、4.85−4.84(m、2H、C)、4.70(dd、J=10.5Hz、J=11Hz、2H、CH)、4.51−4.50(m、2H、C)、4.24(s、5H、C)、1.98(s、3H、CH)。
元素分析:calcd.for C2319FeNS:C、50.38;H、3.49;N、5.11。Found C、50.71;H、3.57;N、5.05。
化合物8d:
H NMR(500MHz、CDCN):δ/ppm=7.95(d、J=8.5Hz、2H、arom.H)、7.54(s、1H、NH)、7.41(d、J=8Hz、2H、arom.H)、4.83−4.82(m、2H、C)、4.56(dd、J=11Hz、J=11Hz、2H、CH)、4.49−4.48(m、2H、C)、4.19(s、5H、C)、1.86(s、3H、CH)。
元素分析:calcd.for C2319FeN:C、55.22;H、3.83;N、5.60。Found C、55.36;H、3.81;N、5.53。
化合物8e:
H NMR(500MHz、アセトン):δ/ppm=8.48(s、1H、NH)、8.15(d、J=8.5Hz、2H、arom.H)、7.86(d、J=8.5Hz、2H、arom.H)、4.85−4.84(m、2H、C)、4.69(dd、J=11Hz、J=11Hz、2H、CH)、4.51−4.50(m、2H、C)、4.24(s、5H、C)、1.97(s、3H、CH)。
元素分析:calcd.for C2319FeN:C、57.05;H、3.95;N、5.78。Found C、57.61;H、3.87;N、5.94。
化合物8f:
H NMR(500MHz、アセトン):δ/ppm=8.09(s、1H、NH)、7.88(d、J=8.5Hz、2H、arom.H)、7.36(d、J=8.5Hz、2H、arom.H)、4.85−4.84(m、2H、C)、4.67(dd、J=11Hz、J=11Hz、2H、CH)、4.51−4.49(m、2H、C)、4.23(s、5H、C)、2.54(s、3H、CH)、1.94(s、3H、CH)。
元素分析:calcd.for C2322FeNS:C、59.75;H、4.80;N、6.06。Found C、59.60;H、4.73;N、5.99。
化合物8g:
H NMR(400MHz、アセトン):δ/ppm=8.18(s、1H、NH)、8.04−8.00(m、2H、arom.H)、7.29−7.24(m、2H、arom.H)、4.85−4.83(m、2H、C)、4.68(dd、J=11Hz、J=11Hz、2H、CH)、4.51−4.50(m、2H、C)、4.23(s、5H、C)、1.95(s、3H、CH)。
元素分析:calcd.C2219FeFN:C、60.85;H、4.41N、6.45。Found C、61.16;H、4.37;N、6.39。
化合物8h:
H NMR(400MHz、アセトン):δ/ppm=8.24(s、1H、NH)、7.96(d、J=10.8Hz、2H、arom.H)、7.54(d、J=13.2Hz、2H、arom.H)、4.85−4.84(m、2H、C)、4.68(dd、J=10.8Hz、J=10.8Hz、2H、CH)、4.51−4.50(m、2H、C)、4.23(s、5H、C)、1.95(s、3H、CH)。
元素分析:calcd.for C2219FeClN:C、58.63;H、4.25;N、6.22。Found C、58.33;H、4.11;N、6.09。
化合物8i:
H NMR(400MHz、アセトン):δ/ppm=8.24(s、1H、NH)、7.90−7.88(m、2H、arom.H)、7.72−7.69(m、2H、arom.H)、4.86−4.83(m、2H、C)、4.67(dd、J=10.8Hz、J=10.8Hz、2H、CH)、4.52−4.50(m、2H、C)、4.23(s、5H、C)、1.95(s、3H、CH)。
元素分析:calcd.for C2219FeBrN:C、53.37;H、3.87;N、5.66。Found C、53.42;H、3.84;N、5.61。
化合物8j:
H NMR(500MHz、アセトン):δ/ppm=8.25(s、1H、NH)、7.91(d、J=8.5Hz、2H、arom.H)、7.73(d、J=8.5Hz、2H、arom.H)、4.85−4.84(m、2H、C)、4.67(dd、J=11Hz、J=10.5Hz、2H、CH)、4.51−4.50(m、2H、C)、4.23(s、5H、C)、1.95(s、3H、CH)。
元素分析:calcd.for C2219FeIN:C、48.74;H、3.53;N、5.17。Found C、48.64;H、3.49;N、4.99。
化合物8k:
H NMR(400MHz、CDCl):δ/ppm=7.86−7.76(m、5H、arom.H及びNH)、5.24−5.22(m、2H、C)、4.80−4.78(m、2H、C)、4.72(d、J=12Hz、1H、CH)、4.48(s、5H、C)、4.35(d、J=12Hz、1H、CH)、1.87(s、3H、CH)。
元素分析:calcd.for C2319RuNS:C、49.19;H、3.41;N、4.99。Found C、49.35;H、3.39;N、4.94。
化合物10a:
H NMR(500MHz、アセトン):δ/ppm=7.99(d、J=8.5Hz、2H、arom.H)、7.90(d、J=8.0Hz、2H、arom.H)、7.55(s、1H、NH)、6.63(s、1H、CH)、4.74(dd、J=11Hz、J=11.5Hz、2H、CH)、1.91(s、3H、CH)。
元素分析:calcd.for C2111CoS:C、39.27;H、1.73;N、4.36。Found C、39.63;H、2.23;N、4.44。
化合物11a:
H NMR(500MHz、CDCl):δ/ppm=7.82(d、J=8.5Hz、2H、arom.H)、7.74(d、J=8.5Hz、2H、arom.H)、6.99(s、1H、NH)、5.57−5.54(m、2H、C)、4.89−4.88(m、2H、C)、4.66(dd、J=12Hz、J=11.5Hz、2H、CH)、1.89(s、3H、CH)。
元素分析:calcd.for C2117MnFS:C、46.94;H、3.19;N、5.21。Found C、47.39;H、2.90;N、5.11。
細胞毒性と殺線虫性の試験
ヒト子宮頸がんのヒーラ細胞に対する毒性は蛍光細胞生死判別試験(レサズリン)(Ahmed、S.A.;Gogal、R.M.J.;Walsh、J.E.J.Immunol.Methods 1994、170、211−224.)を用いて調査した。ヒーラ細胞に対して毒性があることが分かった化合物は、それらのヒト胎児肺繊維芽細胞MRC−5に対する毒性も同様に検査した(表1を参照)。
シー・エレガンスは、作用形態/機序及び関連する表現型が、耐性発現の評価と同様に完全に特徴付けることが可能であるという大きな利点を有し、薬学及びバイオ産業において線虫及び他の生命体に対する化合物の有効性を試験するための手段として幅広く用いられている(Divergence、Inc.を参照−現在Montsanto Companyから入手できる)。シー・エレガンス及び社会経済上の円虫目の線虫は線虫動物門に属すること(Blaxter et al.、1998−Nature)を考慮すると、薬部作用は円虫目の線虫に効果がある/生じる高い可能性がある。
表1.蛍光細胞生死判別試験で調査したヒト子宮頸がんのヒーラ細胞及びヒト胎児肺繊維芽細胞のMRC−5に対する毒性を示す。
捻転胃虫、犬糸状虫及び蛇状毛様線虫に対する活性を試験し、そして結果は表2に示す。
表2.捻転胃虫、犬糸状虫及び蛇状毛様線虫に対する活性を示す。
表2に示すように、特に捻転胃虫において、興味深いECの値が得られた。

Claims (15)

  1. 一般式(1)
    [式中、Xは一般式−K−F−K−によって表される基であって、
    −Fは−C(=O)−、−C(=S)−であり、lは0又は1であって、
    −Kは炭素数pのアルキルであり、pは0、1、2、3又は4であって、
    −Kは炭素数qのアルキルであり、qは0、1、2、3又は4であって、かつ、
    式中、R のnは0、1、2、3、4又は5であり、かつ、
    はその他のRとはそれぞれ独立して、−C(=O)OR、−C(=O)NR 、−C(=O)SR、−C(=S)OR、−C(NH)NR 、CN、−NR 、−C(=O)R、−C(=S)R、−OR、−SR、−CF、−OCF、−SCF、−SOCF、−SOCF、−CN、−NO、−F、−Cl、−Br又は−Iであって、
    はその他のRとはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキルであり、かつ、
    式中、OMは非置換又は置換された金属サンドイッチ化合物、非置換又は置換されたハーフ金属サンドイッチ化合物又は金属カルボニル化合物の群から独立して選択される有機金属化合物である。]
    により特徴付けられる化合物。
  2. のnは1又は2であり、かつ、
    はその他のRとはそれぞれ独立して、−CN、−CF、−OCF、−SCF、−SOCF、−SOCF、−F、−Cl、−Br又は−Iであって、かつ、
    具体的には、Rはその他のRとはそれぞれ独立して、−CN、−CF、−SCF、−SOCF、又は−SOCFである、請求項1に記載の化合物。
  3. のnは1又は2であり、かつ、
    はその他のRとはそれぞれ独立して、−F、−Cl、−Br又は−Iである、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. のnは2であり、かつ、
    はその他のRとはそれぞれ独立して、−CN、−CF、−OCF、−F、−Cl、−Br又は−Iであって、かつ、
    具体的には、Rはその他のRとはそれぞれ独立して、−CN又は−CFである、請求項1又は2に記載の化合物。
  5. のnは1であり、かつ、
    は、−CN、−CF、−OCF、−SCF、−SOCF、−SOCF、−F、−Cl、−Br又は−Iであって、かつ、
    具体的には、Rは、−SCF、−SOCF、又は−SOCFである、請求項1又は2に記載の化合物。
  6. nは2であり、かつ、
    2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位であって、かつ、もう1つのRはメタ位であって、かつ、
    具体的には、2つのRのうち1つがベンゼン部分の結合部位に対してオルト位の−CFであって、かつ、もう1つのRはメタ位の−CNである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  7. のnは1であり、かつ、
    がベンゼン部分の結合部位に対してパラ位であって、かつ、
    具体的には、Rがベンゼン部分の結合部位に対してパラ位の−SCF、−SOCF、又は−SOCFである、請求項1、2、3又は5に記載の化合物。
  8. −Fのlは0であり、Kのq及びKのpは0であって、又は、
    −Fのlは0であり、Kのqは0であって、かつKは炭素数1のアルキルであって、又は、
    −Fは−C(=O)−であり、lは1であって、Kのq及びKのpは0であって、又は、
    −Fは−C(=O)−であり、lは1であって、Kのqは0であって、かつKは炭素数1のアルキルである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
  9. OMが一般式(2a)
    [式中、MはFe、Ru、Co、Ni、Cr、Os又はMnから選択される金属であって、かつ、
    YはC又はNであって、かつ、
    のzは0、1、2、3又は4であり、かつ、R のyは0、1、2、3、4又は5であって、かつ、
    及びRはその他のR及びRとはそれぞれ独立して、
    −非置換又は置換された炭素数1〜10のアルキル、非置換又は置換された炭素数1〜10のアルケニル、非置換又は置換された炭素数1〜10のアルキニル、非置換又は置換された炭素数3〜8のシクロアルキル、非置換又は置換された炭素数1〜10のアルコキシ、非置換又は置換された炭素数3〜8のシクロアルコキシ、
    −非置換又は置換された炭素数6〜14のアリール、
    −非置換又は置換された5〜10員環ヘテロアリール(式中、1〜4個の環原子は、独立して、窒素、酸素、又は硫黄から選択される)、
    −非置換又は置換された5〜10員環ヘテロ脂環式環(式中、1〜3個の環原子は、独立して、窒素、酸素、又は硫黄である)、
    −−OR、−SR、−C(O)R、−C(S)R、−C(O)OR、−C(S)OR、−C(O)SR、−C(O)NR、−NR、−S(O)、−S(O)OR、及び−S(O)NR(式中、R及びRは、独立して、水素原子、非置換の炭素数1〜4のアルキル、及び炭素数1〜4のアルコキシで置換された炭素数1〜4のアルキルからなる群から選択される)である。]
    の有機金属化合物である、請求項1に記載の化合物。
  10. 及びRはその他のR及びRとはそれぞれ独立して、
    −−OR、−SR、−C(O)R、−C(S)R、−C(O)OR、−C(S)OR、−C(O)SR、−C(O)NR、−NR、−S(O)、−S(O)OR、及び−S(O)NR(式中、R及びRは、独立して、水素原子、非置換の炭素数1〜4のアルキル、及び炭素数1〜4のアルコキシで置換された炭素数1〜4のアルキルからなる群から選択される)
    から選択される、請求項9に記載の化合物。
  11. MはFe、Ru又はCoの群から選択され、
    具体的には、MはFeであって;及び/又は
    YはCであって;及び/又は
    y及びzは0である、請求項10に記載の化合物。
  12. OMが一般式(2b)
    [式中、MはMn、Re又はTcの群から選択される金属であって、かつ、
    のzは0、1、2、3又は4であり、かつ、
    はその他のRとはそれぞれ独立して、
    −非置換又は置換された炭素数1〜10のアルキル、非置換又は置換された炭素数1〜10のアルケニル、非置換又は置換された炭素数1〜10のアルキニル、非置換又は置換された炭素数3〜8のシクロアルキル、非置換又は置換された炭素数1〜10のアルコキシ、非置換又は置換された炭素数3〜8のシクロアルコキシ、
    −非置換又は置換された炭素数6〜14のアリール、
    −非置換又は置換された5〜10員環ヘテロアリール(式中、1〜4個の環原子は、独立して、窒素、酸素、又は硫黄から選択される)、
    −非置換又は置換された5〜10員環ヘテロ脂環式環(式中、1〜3個の環原子は、独立して、窒素、酸素、又は硫黄である)、
    −−OR、−SR、−C(O)R、−C(S)R、−C(O)OR、−C(S)OR、−C(O)SR、−C(O)NR、−NR、−S(O)、−S(O)OR、及び−S(O)NR(式中、R及びRは、独立して、水素原子、非置換の炭素数1〜4のアルキル、及び炭素数1〜4のアルコキシで置換された炭素数1〜4のアルキルからなる群から選択される)
    から選択される。]
    の有機金属化合物である、請求項1に記載の化合物。
  13. OMが一般式(2c)
    [式中、Rは、
    −水素原子、
    −非置換又は置換された炭素数1〜10のアルキル、非置換又は置換された炭素数1〜10のアルケニル、非置換又は置換された炭素数1〜10のアルキニル、非置換又は置換された炭素数3〜8のシクロアルキル、非置換又は置換された炭素数1〜10のアルコキシ、非置換又は置換された炭素数3〜8のシクロアルコキシ、
    −非置換又は置換された炭素数6〜14のアリール、
    −非置換又は置換された5〜10員環ヘテロアリール(式中、1〜4個の環原子は、独立して、窒素、酸素、又は硫黄から選択される)、
    −非置換又は置換された5〜10員環ヘテロ脂環式環(式中、1〜3個の環原子は、独立して、窒素、酸素、又は硫黄である)、
    −−OR、−SR、−C(O)R、−C(S)R、−CO(O)R、−C(S)OR、−C(O)SR、−C(O)NR、−NR、−S(O)、−S(O)OR、及び−S(O)NR(式中、R及びRは、独立して、水素原子、非置換の炭素数1〜4のアルキル、及び炭素数1〜4のアルコキシで置換された炭素数1〜4のアルキルからなる群から選択される)
    から選択される。]
    の有機金属化合物である、請求項1に記載の化合物。
  14. 疾患の治療方法において使用するための、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
  15. 蠕虫による感染症の治療方法において使用するための、又は、植物蠕虫を抑制する方法において使用するための、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。

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