JP2016518443A - ピリミジン−4−イル)オキシ)−1h−インドール−1−カルボキサミド誘導体およびその使用 - Google Patents

ピリミジン−4−イル)オキシ)−1h−インドール−1−カルボキサミド誘導体およびその使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2016518443A
JP2016518443A JP2016513490A JP2016513490A JP2016518443A JP 2016518443 A JP2016518443 A JP 2016518443A JP 2016513490 A JP2016513490 A JP 2016513490A JP 2016513490 A JP2016513490 A JP 2016513490A JP 2016518443 A JP2016518443 A JP 2016518443A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
methyl
indole
pyrimidin
trifluoromethyl
pyrazol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016513490A
Other languages
English (en)
Inventor
グラエンゼル,ウルリケ
ナファー,ロベルト
Original Assignee
ノバルティス アーゲー
ノバルティス アーゲー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ノバルティス アーゲー, ノバルティス アーゲー filed Critical ノバルティス アーゲー
Publication of JP2016518443A publication Critical patent/JP2016518443A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D403/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D401/00
    • C07D403/14Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D401/00 containing three or more hetero rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P27/00Drugs for disorders of the senses
    • A61P27/02Ophthalmic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Landscapes

  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Ophthalmology & Optometry (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)

Abstract

本発明は、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドの特定の代謝物質に関する。特に、本発明は、上記代謝物質を含む医薬組成物、ならびにその調製のための方法、および疾患の治療におけるその使用に関する。

Description

本発明は、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドの特定の類縁体に関する。特に、本発明は、上記化合物を含む医薬組成物、ならびにその調製のための方法、およびタンパク質キナーゼ、例えばVEGF−R受容体依存性疾患に媒介される状態の治療におけるその使用に関する。
関連するその開示を参照により本明細書に組み込むWO2010/066684では、キナーゼ用の阻害剤としての一連の複素二環式カルボキサミドが開示されている。この開示によって現在では、上記化合物が、いくつかのタンパク質キナーゼの阻害を示すと判明している。WO2010/066684に記載の化合物は特に、次のタンパク質キナーゼのうち1種または複数の阻害を特に示す:EphB4、c−Abl、Bcr−Abl、c−Kit、Rafキナーゼ、例として特にB−Raf、トランスフェクション時再構成(RET)型がん原遺伝子(rearranged during transfection proto−oncogene)、血小板由来成長因子受容体(PDGFR)、Lck、Hck、ならびに最も特定的には血管内皮成長因子受容体(VEGF−R)、例として特にVEGF−R1およびVEGF−R2。本化合物はまた、前記キナーゼの突然変異体もさらに阻害する。こうした作用を考慮すれば、WO2010/066684に記載の化合物は、上述のような種類のキナーゼ、特には言及したキナーゼの特段に異常な活性または過剰な活性に関連した、疾患の治療に使用することができる。こうした種類に含まれる特定の化合物は、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドであり、遊離塩基の形態または塩酸塩として入手することができる。N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドの構造は、下記に示されている:
Figure 2016518443
N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドは、下記反応を特徴とする、代謝による変換を介して代謝されると知られている。
Figure 2016518443
代謝反応は、
− ニトロンおよびオキシムの形成、
− ピリミジン−カルボン酸およびピリミジン−メタノールの形成、
− ピリミジン−アミド部分の形成、
− メチル−5−トリフルオロメチル−ピラゾール部分の脱メチル化、
− メチルアミノメチル−ピリミジン部分の脱メチル化。
− N−アセチル−システイン付加体の形成、
− N−アセチル化、
− 硫酸化、
− グルクロニド化
− インビトロ代謝反応およびインビボ代謝反応を介した、後述するさらなる特定の代謝物質の生成
を含む。
N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドの特定の類縁体が今では同定されており、キャラクタリゼーションされてもいる。上記類縁体は、加齢性黄斑変性等の眼疾患の治療用として実現可能な新しい作用物質である。
したがって、本発明は、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ−1H−インドール−1−カルボキサミドの任意の代謝物質またはその塩の単離形態、ならびにその医薬組成物、治療の方法、および使用に関する。
本発明は、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドの作製方法ならびに/またはその塩および多形、ならびにその医薬組成物、治療の方法、および使用にさらに関する。
N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドHCl塩形態Aの粉末X線回折パターンを示す。 結晶性N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドHCl塩形態Aの示差走査熱量測定(DSC)を示す。 N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドHCl塩形態Bの粉末X線回折パターンを示す。 結晶性N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドHCl塩形態Bの示差走査熱量測定(DSC)を示す。 N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミド形態Aの粉末X線回折パターンを示す。 結晶性N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミド形態Aの示差走査熱量測定(DSC)を示す。
(発明の開示)
したがって、本発明は、動物、ヒトおよび/またはインビトロ細胞アッセイにおけるN−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドの代謝によって形成される、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドの類縁体である、下記化合物に関する。
下記の化合物において、化合物の一部の周りにある囲み枠が「酸素化」と表記されているのならば、化合物の提示領域の長さに沿った特定箇所に、追加の酸素、例えばN−オキシド基またはヒドロキシル基が存在することを指し示している。
下記の化合物において、化合物の周りにある囲み枠が「グルクロニド」と表記されているのならば、化合物の長さに沿った特定箇所にて、分子の特定部分にグルクロン酸が移転されていること、すなわち、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミド分子の一部へのUDP−グルクロン酸のグルクロン酸構成要素の移転が生起していることを指し示している。
下記の化合物において、化合物の周りにある囲み枠が「硫酸化」と表記されているのならば、化合物の長さに沿った特定箇所にて、分子の特定部分に硫酸が移転されていること、すなわち、PAPS(3’−ホスホ−アデノシン−5’−ホスホ硫酸)による、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミド分子の一部への硫酸構成要素の移転が生起していることを指し示している。
したがって、第1の態様において、本発明は、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドの任意の代謝物質またはその塩の単離形態に関する。
第2の実施形態において、本発明は、代謝物質が、
Figure 2016518443

Figure 2016518443

Figure 2016518443

Figure 2016518443

から選択される、第1の実施形態による代謝物質またはその塩である。
第3の実施形態において、本発明は、代謝物質が、
Figure 2016518443

から選択される、第1の実施形態による代謝物質またはその塩である。
第4の実施形態において、本発明は、代謝物質が、
Figure 2016518443

である、第1の実施形態による代謝物質またはその塩である。
第5の実施形態において、本発明は、第1の実施形態から第4の実施形態までの代謝物質またはその塩、および少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬製剤である。
第6の実施形態において、本発明は、患者の眼内血管新生性疾患を治療する方法であって、第1の実施形態から第4の実施形態の代謝物質またはその塩を、療法を必要としている患者に投与するステップを含む方法である。
第7の実施形態において、本発明は、タンパク質キナーゼ、特にタンパク質チロシンキナーゼに媒介される対象の疾患または障害、より特定的にはVEGF−R受容体依存性疾患の治療のための、第1の実施形態から第4の実施形態までのいずれか1つの代謝物質またはその塩の使用である。
第8の実施形態において、本発明は、タンパク質キナーゼ、特にタンパク質チロシンキナーゼ、より特定的にはVEGF−R受容体の異常活性を特徴とする、対象の障害または疾患の治療のための、第1の実施形態から第4の実施形態までのいずれか1つによる代謝物質の使用である。
第9の実施形態において、本発明は、対象のVEGF−R活性を阻害する方法であって、治療有効量の、第1の実施形態から第4の実施形態までのいずれか1つによる代謝物質を対象に投与することを含む方法である。
第10の実施形態において、本発明は、VEGF−Rに媒介される対象の障害または疾患を治療する方法であって、治療有効量の、第1の実施形態から第4の実施形態までのいずれか1つによる代謝物質を対象に投与することを含む方法である。
第11の実施形態において、本発明は、疾患が、AMDまたは糖尿病網膜症である、第10の実施形態の方法である。
第12の実施形態において、本発明は、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミド塩酸塩の結晶形態である。
第13の実施形態において、本発明は、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミド塩酸塩形態Aを含む、第12の実施形態による結晶形態である。
第14の実施形態において、本発明は、形態Aから本質的になる、第12の実施形態または第13の実施形態による結晶形態である。
第15の実施形態において、本発明は、前記形態Aが実質的に純粋な形態になっている、第11から第14のまでによる結晶形態である。
第16の実施形態において、本発明は、6.391±0.2°、8.6±0.2°、9.532±0.2°、10.333±0.2°、11.74±0.2°、12.691±0.2°、13.486±0.2°、14.767±0.2°、15.105±0.2°、15.767±0.2°、16.571±0.2°、16.973±0.2°、17.39±0.2°、17.986±0.2°、18.854±0.2°、19.427±0.2°、19.99±0.2°、20.472±0.2°、20.993±0.2°、22.593±0.2°、23.166±0.2°、24.012±0.2°、24.413±0.2°、25.212±0.2°、25.788±0.2°、26.174±0.2°、26.974±0.2°、27.245±0.2°、28.231±0.2°、32.809±0.2°、34.843±0.2°および38.831±0.2°からなる群より選択される、約22℃の温度における4つ以上の2θ値を含む粉末X線回折パターンを特徴とする、第11の実施形態から第15の実施形態による結晶形態である。
第17の実施形態において、本発明は、6.391±0.2°、8.6±0.2°、9.532±0.2°、10.333±0.2°、11.74±0.2°、12.691±0.2°、13.486±0.2°、14.767±0.2°、15.105±0.2°、15.767±0.2°、16.571±0.2°、16.973±0.2°、17.39±0.2°、17.986±0.2°、18.854±0.2°、19.427±0.2°、19.99±0.2°、20.472±0.2°、20.993±0.2°、22.593±0.2°、23.166±0.2°、24.012±0.2°、24.413±0.2°、25.212±0.2°、25.788±0.2°、26.174±0.2°、26.974±0.2°、27.245±0.2°、28.231±0.2°、32.809±0.2°、34.843±0.2°および38.831±0.2°からなる群より選択される、約22℃の温度における5つ以上の2θ値を含む粉末X線回折パターンをさらに特徴とする、第16の実施形態の結晶形態である。
第18の実施形態において、本発明は、図1に示された粉末X線回折スペクトルと実質的に同じX線回折スペクトルを有する、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミド塩酸塩の結晶形態である。
第19の実施形態において、本発明は、図2に示された示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムと実質的に同じ示差走査熱量測定サーモグラムを有する、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミド塩酸塩の結晶形態である。
第20の実施形態において、本発明は、第11の実施形態から第19の実施形態までによる結晶形態、および薬学的に許容される担体または希釈剤を含む、医薬組成物である。
第21の実施形態において、本発明は、前記結晶形態が、形態Aである、第20の実施形態による医薬組成物である。
第22の実施形態において、本発明は、前記形態Aが、実質的に純粋な形態である、第21の実施形態による医薬組成物である。
第23の実施形態において、本発明は、治療有効量の、第11の実施形態から第19の実施形態までのいずれか1つによる結晶形態、および第2の治療上活性な作用物質を含む、合剤、特に医薬合剤である。
第24の実施形態において、本発明は、前記結晶形態が、形態Aである、第23の実施形態による医薬組成物である。
第25の実施形態において、本発明は、前記形態Aが、実質的に純粋な形態である、第24の実施形態による医薬組成物である。
第26の実施形態において、本発明は、VEGF−Rに媒介される対象の障害または疾患を治療する方法であって、治療有効量の、第11の実施形態から第19の実施形態までによるN−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミド塩酸塩の結晶形態をほ乳類に投与することを含む方法である。
第27の実施形態において、本発明は、前記結晶形態が、形態Aである、第26の実施形態による方法である。
第28の実施形態において、本発明は、前記形態Aが、実質的に純粋な形態である、第27の実施形態による方法である。
第29の実施形態において、本発明は、対象が、ヒトである、第26の実施形態による方法である。
第30の実施形態において、本発明は、組成物の重量に基づいて少なくとも90重量%の、第11の実施形態から第19の実施形態までによる結晶形態を含む、組成物である。
第31の実施形態において、本発明は、実施例5のステップを含む、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミド塩酸塩の形態Aを作製する方法である。
第32の実施形態において、本発明は、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミド塩酸塩形態Bを含む、第12の実施形態による結晶形態である。
第33の実施形態において、本発明は、形態Bから本質的になる、第12の実施形態または第32の実施形態による結晶形態である。
第34の実施形態において、本発明は、前記形態Bが、実質的に純粋な形態である、第32の実施形態から第33の実施形態までによる結晶形態である。
第35の実施形態において、本発明は、8.4113±0.2°、8.836±0.2°、12.6789±0.2°、13.5686±0.2°、15.7124±0.2°、16.8248±0.2°、17.3911±0.2°、18.7462±0.2°、20.4248±0.2°、21.072±0.2°、24.126±0.2°、24.6518±0.2°、25.2788±0.2°、26.5327±0.2°、27.726±0.2°および35.4721±0.2°からなる群より選択される、約22℃の温度における4つ以上の2θ値を含む粉末X線回折パターンを特徴とする、第12の実施形態または第32の実施形態から第34の実施形態までによる結晶形態である。
第36の実施形態において、本発明は、8.4113±0.2°、8.836±0.2°、12.6789±0.2°、13.5686±0.2°、15.7124±0.2°、16.8248±0.2°、17.3911±0.2°、18.7462±0.2°、20.4248±0.2°、21.072±0.2°、24.126±0.2°、24.6518±0.2°、25.2788±0.2°、26.5327±0.2°、27.726±0.2°および35.4721±0.2°からなる群より選択される、約22℃の温度における5つ以上の2θ値を含む粉末X線回折パターンをさらに特徴とする、第35の実施形態による結晶形態である。
第37の実施形態において、本発明は、図3に示された粉末X線回折スペクトルと実質的に同じX線回折スペクトルを有する、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミド塩酸塩の結晶形態である。
第38の実施形態において、本発明は、図4に示された示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムと実質的に同じ示差走査熱量測定サーモグラムを有する、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミド塩酸塩の結晶形態である。
第39の実施形態において、本発明は、第12の実施形態または第32の実施形態から第38の実施形態までによる結晶形態、および薬学的に許容される担体または希釈剤を含む、医薬組成物である。
第40の実施形態において、本発明は、前記結晶形態が、形態Bである、第39の実施形態による医薬組成物である。
第41の実施形態において、本発明は、前記形態Bが、実質的に純粋な形態である、第40の実施形態による医薬組成物である。
第42の実施形態において、本発明は、治療有効量の、第12の実施形態または第32の実施形態から第38の実施形態までのいずれか1つによる結晶形態、および第2の治療上活性な作用物質を含む、合剤、特に医薬合剤である。
第43の実施形態において、本発明は、前記結晶形態が、形態Bである、第42の実施形態による医薬組成物である。
第44の実施形態において、本発明は、前記形態Bが、実質的に純粋な形態である、第43の実施形態による医薬組成物である。
第45の実施形態において、本発明は、VEGF−Rに媒介される対象の障害または疾患を治療する方法であって、治療有効量の、第12の実施形態または第32の実施形態から第38の実施形態までによるN−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミド塩酸塩の結晶形態をほ乳類に投与することを含む方法である。
第46の実施形態において、本発明は、前記結晶形態が、形態Bである、第45の実施形態による方法である。
第47の実施形態において、本発明は、前記形態Bが、実質的に純粋な形態である、第46の実施形態による方法である。
第48の実施形態において、本発明は、対象が、ヒトである、第45の実施形態による方法である。
第49の実施形態において、本発明は、組成物の重量に基づいて少なくとも90重量%の、第12の実施形態または第32の実施形態から第38の実施形態までによる結晶形態を含む、組成物である。
第50の実施形態において、本発明は、実施例6のステップを含む、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミド塩酸塩の形態Bを作製する方法である。
第51の実施形態において、本発明は、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドの結晶形態である。
第52の実施形態において、本発明は、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミド形態Aを含む、第51の実施形態による結晶形態である。
第53の実施形態において、本発明は、形態Aから本質的になる、第51の実施形態または第52の実施形態による結晶形態である。
第54の実施形態において、本発明は、前記形態Aが、実質的に純粋な形態である、第51の実施形態から第53の実施形態までによる結晶形態である。
第55の実施形態において、本発明は、8.664±0.2°、16.595±0.2°、17.423±0.2°、18.017±0.2°、19.448±0.2°、20.002±0.2°、20.468±0.2°、21.071±0.2°、22.649±0.2°、23.215±0.2°、24.468±0.2°および25.839±0.2°からなる群より選択される、約22℃の温度における4つ以上の2θ値を含む粉末X線回折パターンを特徴とする、第51の実施形態から第54の実施形態までによる結晶形態である。
第56の実施形態において、本発明は、8.664±0.2°、16.595±0.2°、17.423±0.2°、18.017±0.2°、19.448±0.2°、20.002±0.2°、20.468±0.2°、21.071±0.2°、22.649±0.2°、23.215±0.2°、24.468±0.2°および25.839±0.2°からなる群より選択される、約22℃の温度における5つ以上の2θ値を含む粉末X線回折パターンをさらに特徴とする、第55の実施形態による結晶形態である。
第57の実施形態において、本発明は、図5に示された粉末X線回折スペクトルと実質的に同じX線回折スペクトルを有する、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドの結晶形態である。
第58の実施形態において、本発明は、図6に示された示差走査熱量測定サーモグラムと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドの結晶形態である。
第59の実施形態において、本発明は、第51の実施形態から第58の実施形態までによる結晶形態、および薬学的に許容される担体または希釈剤を含む、医薬組成物である。
第60の実施形態において、本発明は、前記結晶形態が、形態Aである、第59の実施形態による医薬組成物である。
第61の実施形態において、本発明は、前記形態Aが、実質的に純粋な形態である、第60の実施形態による医薬組成物である。
第62の実施形態において、本発明は、治療有効量の、第51の実施形態から第58の実施形態までのいずれか1つによる結晶形態、および第2の治療上活性な作用物質を含む、合剤、特に医薬合剤である。
第63の実施形態において、本発明は、前記結晶形態が、形態Aである、第62の実施形態による医薬組成物である。
第64の実施形態において、本発明は、前記形態Aが、実質的に純粋な形態である、第63の実施形態による医薬組成物である。
第65の実施形態において、本発明は、VEGF−Rに媒介される対象の障害または疾患を治療する方法であって、治療有効量の、第51の実施形態から第58の実施形態までによるN−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドの結晶形態をほ乳類に投与することを含む方法である。
第66の実施形態において、本発明は、前記結晶形態が、形態Aである、第65の実施形態による方法である。
第67の実施形態において、本発明は、前記形態Aが、実質的に純粋な形態である、第66の実施形態による方法である。
第68の実施形態において、本発明は、対象が、ヒトである、第65の実施形態による方法である。
第69の実施形態において、本発明は、組成物の重量に基づいて少なくとも90重量%の、第51の実施形態から第58の実施形態までによる結晶形態を含む、組成物である。
第70の実施形態において、本発明は、実施例7のステップを含む、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミド塩酸塩の形態Aを作製する方法である。
第71の実施形態において、本発明は、実施例8によるN−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドを作製する方法である。
「単離形態」とは、本発明者らによれば、化合物が、当該化合物が代謝によりインビボで形成されたときに通常ならば当該化合物に付随するいかなる構成要素も不含であることを意味する。例えば、化合物は、血清構成要素等の何らかの生体物質、および、インビボで形成されるN−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドの他の代謝物質を不含である。好適には、化合物は、精製された単離形態である。「精製された」とは、本発明者らによれば、化合物が、好都合には75%超純粋であり、より好都合には90%超純粋であり、好ましくは95%超純粋であり、最も好ましくは98%超純粋であることを意味する。
本明細書で使用されるとき、「異性体」という用語は、同じ分子式を有するが原子の配列および立体配置が異なっている、相異なる化合物を指す。さらに、本明細書で使用されるとき、「光学異性体」または「立体異性体」という用語は、所与の本発明の化合物において存在し得る、立体異性体に関する様々な立体配置のいずれかを指すものであり、幾何異性体も含める。置換基は、炭素原子のキラル中心に結合していてもよいと理解されている。したがって、本発明は、化合物の鏡像異性体、ジアステレオマーまたはラセミ体を含む。「鏡像異性体」とは、互いに対して重ね合せることができない鏡像である、一組の立体異性体である。一対の鏡像異性体の1:1混合物は、「ラセミ」混合物である。上記「ラセミ」という用語は、必要に応じて、ラセミ混合物を表すのに使用される。「ジアステレオマー」は、少なくとも2個の不斉原子を有するが互いに対して鏡像ではない、立体異性体である。絶対立体化学は、カーン−インゴールド−プレローグ式R−S系に従って指定される。化合物が純粋な鏡像異性体である場合、各キラル炭素の立体化学は、RまたはSのいずれかによって指定することができる。絶対立体配置が未知の分割済み化合物は、当該化合物がナトリウムD線の波長において平面偏光を回転させる方向(右旋性または左旋性)に応じて、(+)または(−)と表すことができる。本明細書に記載されている一部の化合物は、1つまたは複数の不斉中心を含有し、したがって、絶対立体化学の観点から(R)型または(S)型として規定できる鏡像異性体、ジアステレオマーおよび他の立体異性体形態を生じさせ得る。本発明は、ラセミ混合物、光学的に純粋な形態および中間体混合物も含めて、可能なすべての上述の異性体を包含するものとする。光学的に活性な(R)型異性体および(S)型異性体は、キラルなシントンまたはキラル試薬を用いて調製してもよく、または慣例的な技法を用いて分割してもよい。化合物が二重結合を含有する場合、置換基は、E型またはZ型の立体配置であり得る。化合物が二置換シクロアルキルを含有する場合、シクロアルキル置換基は、シス型またはトランス型の立体配置を有し得る。すべての互変異性体形態もまた、包含されるものとする。
本明細書で使用されるとき、「薬学的に許容される塩」という用語は、本発明の化合物の生物学的有効性および特性を保持していて、生物学的観点またはその他の観点において望ましくないものではない、塩を指す。大抵の場合、本発明の化合物は、アミノ基および/もしくはカルボキシル基またはこれらと同様の基の存在によって、酸性塩および/または塩基性塩を形成することができる。薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸および有機酸、例えば、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロト酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、糖酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩およびトリフルオロ酢酸塩によって形成することができる。塩が由来し得る無機酸には例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸およびリン酸が挙げられる。塩が由来し得る有機酸には例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸およびサリチル酸が挙げられる。薬学的に許容される塩基付加塩は、無機塩基および有機塩基によって形成することができる。塩が由来し得る無機塩基は例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガンおよびアルミニウムを含み、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩が特に好ましい。塩が由来し得る有機塩基には例えば、第一級アミン、第二級アミンおよび第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含めた置換アミン、環式アミンおよび塩基性イオン交換樹脂、例として特にイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミンおよびエタノールアミンが挙げられる。本発明の薬学的に許容される塩は、慣例的な化学的方法によって親化合物、塩基性部分または酸性部分から合成することができる。一般に、上述の塩は、上記化合物の遊離酸形態を化学量論量の適切な塩基(Na、Ca、MgまたはKの水酸化物、炭酸塩または重炭酸塩等)と反応させることによっても調製できるし、または、上記化合物の遊離塩基形態を化学量論量の適切な酸と反応させることによっても調製できる。上述の反応は、典型的には、水中もしくは有機溶媒中、またはこれら2つの混合物中で実施される。実現可能な場合、一般には、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリル等の非水性媒体が好ましい。さらなる適切な塩の一覧については、例えば、"Remington's Pharmaceutical Sciences", 20th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., (1985);および"Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use" by Stahl and Wermuth (Wiley-VCH, Weinheim, Germany, 2002)に見出すことができる。
本発明は、薬学的に許容されるすべての本発明の同位体標識化合物を含み、すなわち、(1)1個もしくは複数の原子が、同じ原子番号を有するが自然界で通常見受けられる原子量もしくは質量数と異なる原子量もしくは質量数を有する、原子によって置きかえられており、および/または(2)1個もしくは複数の原子の同位体比が、天然に存在する比と異なる、第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物を含む。
本発明の化合物中への組み入れに適した同位体の例には、HおよびH等の水素の同位体、11C、13Cおよび14C等の炭素の同位体、36Cl等の塩素の同位体、18F等のフッ素の同位体、123Iおよび125I等のヨウ素の同位体、13Nおよび15N等の窒素の同位体、15O、17Oおよび18O等の酸素の同位体、32P等のリンの同位体、ならびに35S等の硫黄の同位体を含める。
第1の実施形態から第70の実施形態までの特定の同位体標識化合物、例えば、放射性同位体を組み込んだ同位体標識化合物は、薬物および/または基質組織の分布についての研究に有用である。放射性同位体トリチウムすなわちH、および炭素14すなわち14Cは、組込みの容易さおよびすぐに使える検出手段から鑑みて、上記の研究目的には特に有用である。
重水素すなわちH等、より重い同位体による置換は、代謝安定性の増大、例えばインビボ半減期の延長または投薬量要求量の低減に起因した治療上の特定の利点をもたらすことができ、したがって、特定の状況下では好ましいこともある。第1の実施形態から第70の実施形態までの特定の化合物において、残留物RまたはRとRとの組合せによって形成される環は、化合物の代謝安定性をインビボで向上するために1個または複数の重水素原子を含んでいてもよい。
11C、18F、15Oおよび13N等、ポジトロンを放出する同位体による置換は、基質受容体占有率を検査するためのポジトロン断層法(PET)による研究において、有用であり得る。
第1の実施形態から第70の実施形態までの同位体標識化合物は一般に、当業者に公知の慣例的な技法によって調製することもできるし、または、添付の実施例で記述された方法と同様の方法、およびこれまでに用いられた未標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を用いる調製によっても調製することができる。
薬学的に許容される本発明による溶媒和物には、結晶化に関する溶媒が同位体置換されていてもよい溶媒和物、例えばDO、d−アセトン、d−DMSOを含める。
本発明の化合物、すなわち、水素結合の供与体および/または受容体として作用できる基を含有する、第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物は、適切な共結晶形成剤によって共結晶を形成できることもある。こうした共結晶は、共結晶を形成する公知の手法によって、第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物から調製してもよい。このような手法には、破砕、加熱、共昇華、共溶融、または、結晶化条件下における溶液中での第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物と共結晶形成剤との接触によって形成された共結晶を単離することが挙げられる。適切な共結晶形成剤には、WO2004/078163で開示された共結晶形成剤が挙げられる。したがって、本発明は、第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物を含む、共結晶をさらに提供する。
本明細書で使用されるとき、「薬学的に許容される担体」という用語には、当業者にとっては公知であるが、あらゆる任意の溶媒、分散媒体、コーティング、界面活性剤、抗酸化剤、保存剤(例えば、抗細菌剤、抗真菌剤)、等張性調整剤、吸収遅延剤、塩、保存剤、薬物、薬物安定剤、結合剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味料、香味料、染料、これらと同様の材料およびこれらの組合せを含める(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed. Mack Printing Company, 1990, pp. 1289 - 1329を参照されたい。)。何らかの慣例的な担体が有効成分と適合しない場合を除いて、治療用組成物または医薬組成物における慣例的な担体の使用も企図されている。
本発明の化合物の「治療有効量」という用語は、対象の生物学的応答または医学的応答、例えば、酵素またはタンパク質の活性の低減または阻害をもたらし、または症状を緩和し、状態を軽減し、疾患の進行を減速もしくは遅延させ、または疾患を予防すること等を行う、本発明の化合物の量を指す。非限定的な一実施形態において、「治療有効量」という用語は、対象に投与されたとき、(1)(i)VEGFもしくはVEGF受容体に媒介され、または(ii)VEGF活性もしくはVEGF受容体の活性に関連付けられ、または(iii)VEGFもしくはVEGF受容体の異常活性を特徴とする、状態または障害または疾患を少なくとも部分的に軽減、阻害、予防および/または緩和するため;または(2)VEGFまたはVEGF受容体の活性を低減または阻害するため;または(3)VEGFまたはVEGF受容体の発現を低減または阻害するために効果的である、本発明の化合物の量を指す。別の非限定的な実施形態において、「治療有効量」という用語は、細胞または組織または非細胞型生体材料または媒体に投与されたとき、VEGFもしくはVEGF受容体の活性を少なくとも部分的に低減もしくは阻害するため;または、VEGFもしくはVEGF受容体の発現を少なくとも部分的に低減もしくは阻害するために効果的である、本発明の化合物の量を指す。VEGFまたはVEGF受容体に関して上記実施形態で説明されている「治療有効量」という用語の意味については、Ret、PDGFRアルファおよびPDGFRベータ、ならびにckit等、関連する任意の他のタンパク質/ペプチド/酵素にも同じ意味を適用する。
本明細書で使用されるとき、「対象」という用語は、動物を指す。好ましくは、動物は、ほ乳類である。対象はまた、例えば霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、魚類および鳥類等も指す。好ましい実施形態において、対象は、ヒトである。
本明細書で使用されるとき、「阻害」または「阻害する」という用語は、所与の状態、症状もしくは障害もしくは疾患の低減もしくは抑制、または、生物学的活性もしくは生物学的プロセスのベースライン活性の顕著な低下を指す。
本明細書で使用されるとき、任意の疾患または障害を「治療する」または「治療」という用語は、一実施形態において、疾患または障害を緩和すること(すなわち、疾患または疾患の臨床症状のうち少なくとも1つの発生を減速させ、または停止させ、または低減すること)を指す。別の実施形態において、「治療する」または「治療」は、患者に認識可能でない可能性もある物理的パラメータも含めて、少なくとも1つの物理的パラメータを軽減または緩和することを指す。さらに別の実施形態において、「治療する」または「治療」は、物理的観点(例えば、認識可能な症状の安定化)、生理学的観点(例えば、物理的パラメータの安定化)、またはこれら両方の観点において疾患または障害を調節することを指す。さらに別の実施形態において、「治療する」または「治療」は、疾患または障害の発症もしくは発生または進行を予防または遅延させることを指す。
本明細書で使用されるとき、本発明との関連で(特に特許請求の範囲との関連で)使用される「1つの(a)」、「1つの(an)」という用語、「その(the)」という用語および同様の用語は、本明細書中にそうではないとの記載がない限りまたは文脈によって明瞭に否定されていない限り、単数形と複数形の両方を包摂すると解すべきである。
本明細書で記述されたすべての方法は、本明細書中にそうではないとの記載がない限りまたは文脈によって明瞭に否定されていない限り、適切な任意の順序にして実施することができる。本明細書で提供されているあらゆる任意の例、または例示に関する言い回し(例えば「等」)の使用は、本発明のより良い説明を単に意図したものであり、特許請求の範囲に記載されていない限り、本発明の範囲に限定を加えることはない。
本発明の化合物における任意の不斉原子(例えば、炭素等)は、ラセミ体状態または鏡像異性的に富化された状態で存在し得、例えば、(R)型立体配置、(S)型立体配置または(R,S)型立体配置で存在し得る。特定の実施形態において、各不斉原子は、(R)型立体配置または(S)型立体配置において、少なくとも50%の鏡像異性体過剰率、少なくとも60%の鏡像異性体過剰率、少なくとも70%の鏡像異性体過剰率、少なくとも80%の鏡像異性体過剰率、少なくとも90%の鏡像異性体過剰率、少なくとも95%の鏡像異性体過剰率、または少なくとも99%の鏡像異性体過剰率を有する。不飽和結合を有する原子に付いた置換基は、可能である場合、シス(Z)型形態で存在してもよく、またはトランス(E)型形態で存在してもよい。
したがって、本明細書で使用されるとき、本発明の化合物は、可能な異性体、回転異性体、アトロプ異性体、互変異性体またはこれらの混合物のうち1つの形態であり得、例えば、実質的に純粋な幾何(シスまたはトランス)異性体、ジアステレオマー、光学異性体(対掌体)、ラセミ体またはこれらの混合物の状態であり得る。
得られたあらゆる異性体の混合物は、構成成分の物理化学的差異に基づいて、例えばクロマトグラフィーおよび/または分別結晶化によって、純粋なまたは実質的に純粋な幾何異性体または光学異性体、ジアステレオマー、ラセミ体に分離することができる。
得られたあらゆる最終生成物または中間体のラセミ体は、公知の方法によって光学対掌体に分割することができ、例えば、光学的に活性な酸または塩基を用いて得られた当該ラセミ体のジアステレオマー塩の分離、および光学的に活性な酸性または塩基性化合物を遊離させることよって、光学対掌体に分割することができる。したがって、特に塩基性部分は、例えば光学的に活性な酸、例えば酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジ−O,O’−p−トルオイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸またはカンファー−10−スルホン酸によって形成された塩の分別結晶化によって、本発明の化合物を本化合物の光学対掌体に分割するために用いることができる。ラセミ体状生成物はまた、キラルクロマトグラフィー、例えば、キラル吸着剤を用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)よって分割することもできる。
本発明の化合物は、遊離形態として得られ、本化合物の塩として得られ、または本化合物のプロドラッグ誘導体として得られる。
塩基性基と酸基の両方が同じ分子中に存在する場合、本発明の化合物は、内塩、例えば両性イオンの分子を形成することもある。
本発明はまた、インビボで本発明の化合物に変換する、本発明の化合物のプロドラッグも提供する。プロドラッグは、対象へのプロドラッグの投与後、加水分解および代謝等のインビボ生理学的作用によって本発明の化合物になるよう化学的に修飾された、活性または不活性な化合物である。プロドラッグの作製および使用に関係する好適性および技法は、当業者には周知である。プロドラッグは概念上、生物学的前駆体プロドラッグおよび担体プロドラッグという2つの非排他的なカテゴリーに分割できる。The Practice of Medicinal Chemistry, Ch. 31-32 (Ed. Wermuth, Academic Press, San Diego, Calif., 2001)を参照されたい。一般に、生物学的前駆体プロドラッグは、不活性でありまたは対応する活性な薬物化合物に比較して低い活性を有し、1種または複数の保護基を含有し、代謝または加溶媒分解によって活性形態に変換される、化合物である。活性薬物形態と、放出されるあらゆる代謝産物とは両方とも、許容される程に低い毒性を有するべきである。
担体プロドラッグは、例えば作用部位への取り込みおよび/または限局的な送達を改善する輸送部分を含有する、薬物化合物である。このような担体プロドラッグに関しては、薬物部分と輸送部分との連結が共有結合であり、プロドラッグが不活性であり、または薬物化合物に比べて活性が小さく、放出されるあらゆる輸送部分が、許容される程に非毒性であることが望ましい。輸送部分が取り込みを増進させることを目的とするプロドラッグの場合、典型的には、輸送部分の放出は迅速にすべきである。他の場合においては、緩やかな放出をもたらす部分、例えば、特定のポリマーまたはシクロデキストリン等といった他の部分を利用することが、望ましい。担体プロドラッグは例えば、次の特性のうち1つまたは複数を改善するために使用することができる:親油性の増大、薬理学的効果の持続期間の延長、部位特異性の増大、毒性および有害反応の減少、ならびに/または、薬物製剤の改良(例えば、安定性、水溶性、望ましくない感覚刺激的特性または生理学的特性の抑制)。例えば、親油性は、(a)親油性カルボン酸(例えば、少なくとも1つの親油性部分を有するカルボン酸)を用いたヒドロキシル基のエステル化、または、(b)親油性アルコール(例えば、少なくとも1つの親油性部分を有するアルコール、例えば脂肪族アルコール)を有するカルボン酸基のエステル化によって、増大させることができる。
例示的なプロドラッグは、例えば、遊離カルボン酸のエステル、およびチオールのS−アシル誘導体、およびアルコールまたはフェノールのO−アシル誘導体であり、ここで、アシルは、本明細書で規定された意味を有する。生理学的条件下での加溶媒分解によって、親化合物とするカルボン酸、例えば低級アルキルエステル、シクロアルキルエステル、低級アルケニルエステル、ベンジルエステル、一置換または二置換低級アルキルエステル、例として −(アミノ、モノ−またはジ−低級アルキルアミノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル)低級アルキルエステル、−(低級アルカノイルオキシ、低級アルコキシカルボニルまたはジ−低級アルキルアミノカルボニル)低級アルキルエステル、例として当技術分野で慣例的に使用されているピバロイルオキシメチルエステル等に変換可能である、薬学的に許容されるエステル誘導体が好ましい。さらに、アミンは、アリールカルボニルオキシメチル置換誘導体として遮へいされており、この誘導体がエステラーゼによって開裂されると、遊離状態の薬物およびホルムアルデヒド(Bundgaard, J. Med. Chem. 2503 (1989))がインビボで放出される。さらに、イミダゾール、イミドおよびインドール等、酸性NH基を含有する薬物は、N−アシルオキシメチル基(Bundgaard, Design of Prodrugs, Elsevier (1985))によって遮へいされている。ヒドロキシ基は、エステルおよびエーテルとして遮へいされている。EP039,051(SloanおよびLittle)では、マンニッヒ塩基ヒドロキサム酸プロドラッグ、その調製および使用が開示されている。
さらに、それらの塩も含めて、本発明の化合物はまた、本化合物の水和物の形態において入手することもでき、または、本化合物の結晶化用に使用される他の溶媒を含んでいてもよい。
別の態様において、本発明は、本発明の化合物および担体、例えば、薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物を提供する。医薬組成物は、経口投与、点眼式投与(例えば、局所投与、硝子体内注射、インプラント(硝子体内用インプラント、経強膜式インプラントおよびテノン嚢下用インプラント等、またはデポ剤等も含める)および非経口投与等、特定の投与経路用に製剤化することができる。さらに、本発明の医薬組成物は、カプセル剤、錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤もしくは坐剤を含めた固体形態にして調合してもよく、または、液剤、懸濁剤または乳剤を含めた液体形態にして調合してもよい。本医薬組成物は、滅菌等の慣例的な製薬処理を施してもよく、ならびに/または、慣例的な不活性希釈剤、滑沢剤もしくは緩衝剤、ならびに保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤およびバッファー等のアジュバントを含有していてもよい。
典型的には、医薬組成物は、有効成分と一緒に
a)希釈剤、例えばラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロールおよび/またはグリシン;
b)滑沢剤、例えばシリカ、タルカム、ステアリン酸、ステアリン酸のマグネシウム塩もしくはカルシウム塩、および/またはポリエチレングリコールも含み、錠剤の場合にはさらに、
c)結合剤、例えばケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロール、ナトリウムカルボキシメチルセルロールおよび/またはポリビニルピロリドンも含み、望ましい場合には
d)崩壊剤、例えばデンプン、寒天、アルギン酸もしくはアルギン酸のナトリウム塩、または発泡性混合物;ならびに/または
e)吸収剤、着色料、香味料および甘味料
も含む、錠剤およびゼラチンカプセル剤である。
錠剤は、当技術分野で公知の方法に従って、フィルムコーティング加工されていてもよく、または腸溶性コーティング加工されていてもよい。
経口投与に適した組成物は、錠剤、口中錠、水性懸濁液もしくは油性懸濁液、分散可能な散剤もしくは顆粒剤、乳剤、硬カプセル剤もしくは軟カプセル剤、またはシロップ剤もしくはエリキシル剤の形態である、有効量の本発明の化合物を含む。経口用である組成物は、医薬組成物の製造用として当技術分野で公知な任意の方法に従って調製され、このような組成物は、薬学的に洗練されていて美味でもある調合剤を提供するために、甘味料、香味料、着色料および保存剤からなる群より選択される、1種または複数の作用物質を含有していてもよい。錠剤は、錠剤の製造に適していて非毒性薬学的に許容される賦形剤と混ざり合った、有効成分を含有する。こうした賦形剤は例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム等の不活性希釈剤;顆粒化剤および崩壊剤、例えばコーンスターチまたはアルギン酸;結合剤、例えばデンプン、ゼラチンまたはアラビアゴム;ならびに滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクである。錠剤は、未コーティング加工であり、または、消化管内での崩壊および吸収を遅延させ、これによって、より長い期間にわたって持続的な作用をもたらすための公知の技法によって、コーティング加工されている。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリル等の時限遅延用材料(time delay material)を用いてもよい。経口式の使用のための製剤は、有効成分が不活性固体状希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合されている硬ゼラチンカプセル剤として提供することもできるし、または、有効成分が水または油型媒体、例えばピーナッツ油、液体もしくはオリーブ油と混合されている軟ゼラチンカプセル剤として提供することもできる。
注射可能な特定の組成物は、等張性で水性の液剤または懸濁剤であり、坐剤は、有利には、脂肪乳剤または懸濁剤から調製される。前記組成物は、滅菌されていてもよく、ならびに/または、保存剤、安定剤、湿潤剤もしくは乳化剤、溶解促進剤、浸透圧調節用の塩および/またはバッファー等のアジュバントを含んでいてもよい。さらに、上記組成物はまた、治療用に有益な他の物質を含有していてもよい。前記組成物は、それぞれ慣例的な混合方法、顆粒化方法またはコーティング方法に従って調製され、約0.1〜75%の有効成分を含有し、または約1〜50%の有効成分を含有する。
注射可能な特定の組成物は、眼内投与、眼部周辺への投与、結膜下投与および/またはテノン嚢下投与に適した、眼用インプラントおよび眼用デポ製剤を含む。典型的には、注射可能な組成物は、生体適合性または生分解性のポリマー材料と組み合わせられた、第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物を含む。
経皮施用に適した組成物は、担体と一緒になった有効量の本発明の化合物を含む。担体は、宿主の皮膚の通過を補助するために薬理学的に許容される吸収可能な溶媒を含む。例えば、経皮吸収用器具は、裏当て部材と、任意選択的に担体と一緒になった本化合物を内包する貯留部と、制御された所定の速度で長期間の時間にわたって宿主の皮膚の本化合物を送達するための任意選択的な速度調節用バリア材と、器具を皮膚に固定するための手段とを含む、包帯の形態である。例えば皮膚および眼への局所適用に適した組成物には、水溶液、懸濁液、軟膏、クリーム、ゲル、または、例えばエーロゾル等による送達用の噴霧可能な製剤が挙げられる。このような局所送達用の系は、例えば眼疾患の治療のための眼への施用には特に適しており、例えば、黄斑変性、糖尿病網膜症、虹彩ルベオーシス、および角膜、強膜、網膜または他の眼組織の血管新生等の治療における、予防用途または治療用途の使用には特に適している。したがって、上記局所送達用の系は、当技術分野で周知の局所製剤における使用には特に適している。こうした局所送達用の系は、可溶化剤、安定剤、張度増大剤、バッファーおよび保存剤を含有していてもよい。
特定の適切な局所用点眼薬型製剤は、第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物の水溶液または水性懸濁液を含み、1種または複数の保存剤、張度調整剤および/または滑沢剤を任意選択的にさらに含む。本明細書で使用されるとき、局所適用は、吸入または鼻腔内施用にも関係し得る。上記の局所用点眼薬型製剤は好都合には、適切な噴射剤の使用の有無にかかわらず、ドライパウダー吸入器からドライパウダー(単独の状態、混合物、例えばラクトースとの乾燥配合物の状態、または、例えばリン脂質と混合された構成要素粒子の状態のいずれか)の形態において送達され、または、加圧容器、ポンプ、スプレー、噴霧器またはネブライザーからエーロゾルスプレー状の供給物の形態において送達される。
本発明の眼用組成物は、本組成物によって治療しようとする眼および/または他の組織と適合するように製剤化される。眼への局所適用の場合、本発明の組成物は一般に、無菌水性組成物(例えば、懸濁剤、液剤または乳剤等)として製剤化されるものであり、典型的には少なくとも70w/v%、より典型的には80w/v%、さらにより典型的には少なくとも90w/v%または95w/v%の精製水を含む。本組成物は、次の成分の任意の組合せを含み得る:1種もしくは複数の保存剤(例えば、ポリマー状第四級アンモニウム化合物)、1種もしくは複数の界面活性剤(例えば、ポリソルベート、チロキサポール、ポリエトキシ化ヒマシ油またはこれらの組合せ等)、1種もしくは複数の粘度調整剤(例えば、置換セルロール、グルコマンナンポリマー、カルボキシビニルポリマーまたはこれらの組合せ等)、1種もしくは複数のバッファー(例えば、ホウ酸)、1種もしくは複数の張度調整剤(例えば、塩化ナトリウム)、1種もしくは複数のポリオール(例えば、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトールまたはこれらの組合せ等)、または他の適切な成分。眼の角膜表面への直接施用を目的とする点眼式組成物は、眼に適合したpHおよび張度を有するように製剤化される。上記点眼式組成物は典型的には、4から9までの範囲、好ましくは5.5から8.5までの範囲、最も好ましくは5.5から8.0までの範囲のpHを有する。特に望ましいpH範囲は、6.0から7.8までであり、より特定的には6.4から7.6までである。組成物は、キログラムあたりの200から400までの、または450ミリオスモルのオスモル濃度(mOsm/kg)を有し、より好ましくは、240mOsm/kgから360mOsm/kgまでのオスモル濃度を有する。さらに、多回用量用の局所適用に適した点眼式組成物は大抵の場合、眼の角膜表面に個々の液滴を吐出することができる、点眼器内に配置される。
水によって本化合物の分解が容易になり得るため、本発明は、本発明の化合物を有効成分として含む、無水医薬組成物および剤形をさらに提供する。本発明の無水医薬組成物および剤形は、無水成分または低含水率成分および低水分または低湿度条件を用いて調製することができる。無水医薬組成物は、その無水性状が維持されるような態様にして調製および貯蔵することができる。したがって、無水組成物は好ましくは、処方集による適切なキットへの組み入れを可能にすべく、水への曝露を予防すると知られた材料を用いて包装される。適切な包装の例には、限定するわけではないが、密封済みホイル、プラスチック、単位用量容器(例えば、バイアル)、ブリスターパックおよびストリップパックが挙げられる。
本発明は、有効成分としての本発明の化合物が分解する速度を低下させる1種または複数の作用物質を含む、医薬組成物および剤形をさらに提供する。「安定剤」として本明細書で言及されるこうした作用物質には、限定するわけではないが、アルコルビン酸、pHバッファーまたは塩バッファー等の抗酸化剤が挙げられる。
遊離形態または薬学的に許容される塩の形態である本発明の化合物は、例えば、次のセクションに記載されるインビトロ試験およびインビボ試験において示される通り、有益な薬理学的特性、例えば、VEGF受容体を調節する特性を示し、したがって、療法に必要とされる。
有力なVEGF受容体阻害剤としての第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物の特性に基づいて、第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物は、調節を受けていない血管新生に付随した疾患、特に眼内血管新生によって引き起こされる疾患、特に網膜症、例として糖尿病網膜症または加齢性黄斑変性、虹彩ルベオーシス、乾癬、フォン−ヒッペル−リンドウ病、血管芽細胞腫、血管腫、メサンギウム細胞増殖障害、例として慢性腎臓疾患もしくは急性腎臓疾患、例えば糖尿病性ネフロパチー、悪性腎硬化症、血栓性微小血管症もしくは移植拒絶反応、または特に炎症性腎臓疾患、例として糸球体腎炎、特にメサンギウム増殖性糸球体腎炎、溶血性***症候群、糖尿病性ネフロパチー、高血圧性腎硬化症、粉瘤、動脈再狭窄、自己免疫疾患、急性炎症、線維性障害(例えば肝硬変)、糖尿病、子宮内膜症、慢性喘息、アテローム性動脈硬化症または移植後のアテローム硬化症、神経変性性障害、ならびに特に腫瘍性疾患(特に固形腫瘍であるが白血病もある)、例として特に乳がん、腺がん、結腸直腸がん、肺がん(特に非小細胞肺がん)、腎臓がん、肝臓がん、膵臓がん、卵巣がんまたは前立腺がん、ならびに骨髄腫、特に多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、AML(急性骨髄性白血病)、AMM(原因不明の髄様化生)、中皮腫、神経膠腫および膠芽腫の治療には特に適している。第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物は、腫瘍の転移による拡散および微小転移巣の成長を予防することにも特に適している。
したがって、さらなる実施形態として、本発明は、療法における、第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物の使用を提供する。さらなる実施形態において、療法は、VEGF受容体活性の阻害によって緩和される疾患から選択される。別の実施形態において、疾患は、上記の一覧から選択され、好適には眼疾患から選択され、より好適には、滲出型加齢性黄斑変性および萎縮型加齢性黄斑変性、地図状委縮症、中心性漿液性網膜症、嚢胞様黄斑浮腫、糖尿病網膜症、増殖性糖尿病網膜症、糖尿病性黄斑浮腫、虹彩ルベオーシス、未熟網膜症、網膜中心静脈閉塞症および網膜静脈分子閉塞、炎症性/感染性網膜血管新生/浮腫(例えば後部ブドウ膜炎、サルコイド、トキソプラズマ症、ヒストプラスマ症、フォークト−小柳−原田病、慢性ブドウ膜炎、結核、梅毒、点状脈絡膜内層症および多巣性脈絡膜内層症(multifocal inner choroidophaty))、網膜芽細胞腫、メラノーマ、眼球腫瘍、網膜剥離、近視性血管新生、網膜色素線条症、イールズ病、虚血性網膜症(網膜動脈閉塞症、高安病、頸動脈閉塞症)、脈絡膜破裂、コンタクトレンズの着用、ドライアイ、眼瞼炎、角膜ジストロフィー、角膜の外傷および角膜への既往外科手術(角膜移植、LASIK、LASEK)、角膜感染症(細菌性、ウイルス性、寄生虫性、ヘルペス性)、角膜熱傷(化学物質、アルカリ、酸)、角膜移植拒絶反応、免疫学的角膜疾患(類天疱瘡、スティーブンス−ジョンソン症候群)、ならびに変性角膜疾患から選択される。
本発明の医薬組成物または医薬合剤は、約50〜70kgの対象用として約1〜1000mgの有効成分、または約1〜500mgの有効成分、または約1〜250mgの有効成分、または約1〜150mgの有効成分、または約0.5〜100mgの有効成分、または約1〜50mgの有効成分という単位投薬量にすることができる。化合物、医薬組成物、またはこれらの組合せの治療用に効果的な投薬量は、対象の種、体重、年齢、および、治療される個体の状態、障害もしくは疾患またはこれらの重症度に依存する。通常の技能を持つ医師、臨床医または獣医ならば、障害または疾患の進行を予防、治療または阻害するために必要な各有効成分の有効量を容易に決定することができる。
上記投薬量特性は、有利にはほ乳類、例えばマウス、ラット、イヌ、サル、またはこれらから単離された器官、組織および調製物を用いて、インビトロ試験およびインビボ試験によって、実証する。本発明の化合物は、インビトロにおいては溶液、例えば、好ましくは水溶液の形態にして施用することができるし、インビボにおいては、例えば懸濁液または水溶液として、経腸方式、非経口方式、有利には静脈内方式のいずれかで施用される。インビトロでの薬量は、約10−3モル濃度から10−9モル濃度の間の範囲であり得る。インビボでの治療有効量は、投与経路に応じて、約0.1〜500mg/kgの間の範囲であり得、または約1〜100mg/kgの間の範囲であり得る。
他の実施形態において、第1の実施形態から第70の実施形態までによる少なくとも1つの化合物および少なくとも1つの担体を含む、医薬組成物が提供される。
第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物はまた、他の抗増殖剤と組み合わせて有利に用いてもよい。このような抗増殖剤には、限定するわけではないが、アロマターゼ阻害剤;抗エストロゲン薬;トポイソメラーゼI阻害剤;トポイソメラーゼII阻害剤;微小管作用剤;アルキル化剤;ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤;細胞分化プロセスを誘導する化合物;シクロオキシダーゼ阻害剤;MMP阻害剤;mTOR阻害剤;抗腫瘍性代謝拮抗物質;プラチン化合物;タンパク質キナーゼまたは脂質キナーゼの活性を標的とし、または低下させる化合物およびさらなる抗血管新生性化合物;タンパク質ホスファターゼまたは脂質ホスファターゼの活性を標的とし、低下させ、または阻害する化合物;ゴナドレリンアゴニスト;抗アンドロゲン薬;メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤;ビスホスホネート;生物学的応答調節剤;抗増殖性抗体;ヘパラナーゼ阻害剤;Ras発癌性アイソフォームの阻害剤;テロメラーゼ阻害剤;プロテアソーム阻害剤;造血器悪性腫瘍の治療に使用される作用物質;Flt−3の活性を標的とし、低下させ、または阻害する化合物;Hsp90阻害剤;テモゾロミド(TEMODAL(登録商標));ならびにロイコボリンが挙げられる。
第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物はまた、限定するわけではないがMacugen、VEGF trap、光線力学的治療、酢酸アネコルタブ、ステロイド、非ステロイド型抗炎症性(例えばNaproxen、イブプロフェン、ジクロフェナク)Cox−1阻害剤およびCox−2阻害剤、シクロスポリン、デキサメタゾン、mtor(ほ乳類ラパマイシン標的タンパク質)阻害剤、例としてラパマイシンおよびエベロリムス等、PKC(タンパク質キナーゼC)ベータ阻害剤、腫瘍壊死アルファ阻害剤、インターロイキン1ベータ阻害剤、血小板由来成長因子ベータ阻害剤および血小板由来成長因子アルファ阻害剤および血小板由来成長因子受容体阻害剤、Lucentis(登録商標)、Avastin、Eylea、VEGF抗体、PLGF抗体、VEGFファミリー(VEGFA〜E、PLGF、ニューロピリン)/VEGF受容体に対するsiRNA、古典的経路、副経路およびレクチン経路を標的とする補体阻害剤、IL−10阻害剤、C5aR阻害剤、C3aR阻害剤、ならびに、スフィンゴシンホスフェート阻害剤およびスフィンゴシンホスフェート受容体阻害剤を含めて、他の点眼式治療薬と組み合わせて有利に用いてもよい。本発明の化合物は、少なくとも1つの他の治療剤と同時に投与してもよく、少なくとも1つの他の治療剤より前に投与してもよく、または少なくとも1つの他の治療剤より後に投与してもよい。本発明の化合物は、同じもしくは異なる投与経路によって別々に投与してもよく、または、同じ医薬組成物に取り込ませて一緒に投与してもよい。
一実施形態において、他の治療剤は、下記のものから選択される。
本明細書で使用される「アロマターゼ阻害剤」という用語は、エストロゲン生成、すなわち、基質であるアンドロステンジオンおよびテストステロンからそれぞれエストロンおよびエストラジオールへの変換を阻害する、化合物に関する。上記用語には、限定するわけではないが、ステロイド、特にアタメスタン、エキセメスタンおよびフォルメスタンも挙げられるし、特には、非ステロイド薬、特にアミノグルテチミド、ログレチミド、ピリドグルテチミド、トリロスタン、テストラクトン、ケトコナゾール、ボロゾール、ファドロゾール、アナストロゾールおよびレトロゾールも挙げられる。エキセメスタンは例えば、例えば商標AROMASINの下で販売されているときの形態において、投与することができる。フォルメスタンは例えば、例えば商標LENTARONの下で販売されているときの形態において、投与することができる。ファドロゾールは例えば、例えば商標AFEMAの下で販売されているときの形態において、投与することができる。アナストロゾールは例えば、例えば商標ARIMIDEXの下で販売されているときの形態において、投与することができる。レトロゾールは例えば、例えば商標FEMARAまたはFEMARの下で販売されているときの形態において、投与することができる。アミノグルテチミドは例えば、例えば商標ORIMETENの下で販売されているときの形態において、投与することができる。アロマターゼ阻害剤である化学療法薬を含む本発明の合剤は、ホルモン受容体陽性腫瘍、例えば***腫瘍の治療には特に有用である。
本明細書で使用される「抗エストロゲン薬」という用語は、エストロゲン受容体レベルにおいてエストロゲンの効果に拮抗する化合物に関する。上記用語には、限定するわけではないが、タモキシフェン、フルベストラント、ラロキシフェンおよびラロキシフェン塩酸塩を含める。タモキシフェンは例えば、例えば商標NOLVADEXの下で販売されているときの形態において、投与することができる。ラロキシフェン塩酸塩は例えば、例えば商標EVISTAの下で販売されているときの形態において、投与することができる。フルベストラントは、US4,659,516で開示された態様で製剤化することができ、または、フルベストラントは例えば、例えば商標FASLODEXの下で販売されているときの形態において、投与することができる。抗エストロゲン薬である化学療法薬を含む本発明の合剤は、エストロゲン受容体陽性腫瘍、例えば***腫瘍の治療には特に有用である。
本明細書で使用される「抗アンドロゲン薬」という用語は、男性ホルモンの生物学的効果を阻害できる任意の物質に関し、限定するわけではないがビカルタミド(CASODEX)を含み、ビカルタミドは、例えばUS4,636,505で開示された態様で製剤化することができる。
本明細書で使用される「ゴナドレリンアゴニスト」という用語には、限定するわけではないが、アバレリクス、ゴセレリンおよび酢酸ゴセレリンを含める。ゴセレリンは、US4,100,274で開示されており、また、ゴセレリンは例えば、例えば商標ZOLADEXの下で販売されているときの形態において、投与することができる。アバレリクスは、例えばUS5,843,901で開示された態様で製剤化することができる。
本明細書で使用される「トポイソメラーゼI阻害剤」という用語には、限定するわけではないが、トポテカン、ジャイマテカン、イリノテカン、カンプトテシンおよびカンプトテシンの類縁体、9−ニトロカンプトテシン、ならびに高分子状カンプトテシン複合体PNU−166148(WO99/17804の化合物A1)を含める。イリノテカンは例えば、商標CAMPTOSARの下で販売されているときの形態において、投与することができる。トポテカンは例えば、例えば商標HYCAMTINの下で販売されているときの形態において、投与することができる。
本明細書で使用される「トポイソメラーゼII阻害剤」という用語には、限定するわけではないが、ドキソルビシン(リポソーマル製剤、例えばCAELYXを含める)、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシンおよびネモルビシン等のアントラサイクリン、アントラキノンのミトキサントロンおよびロソキサントロン、ならびにポドフィロトキシンのエトポシドおよびポドフィロトキシンテニポシドを含める。エトポシドは例えば、商標ETOPOPHOSの下で販売されているときの形態において、投与することができる。テニポシドは例えば、商標VM26−BRISTOLの下で販売されているときの形態において、投与することができる。ドキソルビシンは例えば、商標ADRIBLASTINまたはADRIAMYCINの下で販売されているときの形態において、投与することができる。エピルビシンは例えば、例えば商標FARMORUBICINの下で販売されているときの形態において、投与することができる。イダルビシンは例えば、例えば商標ZAVEDOSの下で販売されているときの形態において、投与することができる。ミトキサントロンは例えば、商標NOVANTRONの下で販売されているときの形態において、投与することができる。
「微小管作用剤」という用語は、微小管安定化剤、微小管不安定化剤および微小管重合阻害剤に関し、限定するわけではないが、タキサン、例えばパクリタキセルおよびドセタキセル、ビンカアルカロイド、例えばビンブラスチン、特にビンブラスチン硫酸塩、ビンクリスチン、特にビンクリスチン硫酸塩、ならびにビノレルビン、ディスコデルモライド、コルヒチン、ならびにエポチロンおよびエポチロン誘導体、例えばエポチロンBもしくはエポチロンDまたはこれらの誘導体を含める。パクリタキセルは例えば、販売されているときの形態、例えばTAXOLにおいて、投与してもよい。ドセタキセルは例えば、例えば商標TAXOTEREの下で販売されているときの形態において、投与することができる。ビンブラスチン硫酸塩は例えば、例えば商標VINBLASTIN R.P.の下で販売されているときの形態において、投与することができる。ビンクリスチン硫酸塩は例えば、例えば商標FARMISTINの下で販売されているときの形態において、投与することができる。ディスコデルモライドは例えば、US5,010,099で開示された態様で入手することができる。WO98/10121、US6,194,181、WO98/25929、WO98/08849、WO99/43653、WO98/22461およびWO00/31247で開示されているEpothilone誘導体も同様に含まれる。EpothiloneAおよび/またはBは、特に好ましい。
本明細書で使用される「アルキル化剤」という用語には、限定するわけではないが、シクロフォスファミド、イホスファミド、メルファランまたはニトロソウレア(BCNUまたはGliadel)を含める。シクロフォスファミドは例えば、例えば商標CYCLOSTINの下で販売されているときの形態において、投与することができる。イホスファミドは例えば、例えば商標HOLOXANの下で販売されているときの形態において、投与することができる。
「ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤」または「HDAC阻害剤」という用語は、ヒストン脱アセチル化酵素を阻害し、抗増殖活性を有する、化合物に関する。上記用語には、WO02/22577で開示された化合物、特にN−ヒドロキシ−3−[4−[[(2−ヒドロキシエチル)[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド、N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド、および薬学的に許容されるその塩を含める。上記用語には特に、スベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)をさらに含める。
「抗腫瘍性代謝拮抗物質」という用語には、限定するわけではないが、5−フルオロウラシル(5−FU);カペシタビン;ゲムシタビン;5−アザシチジンおよびデシタビン等のDNA脱メチル化剤;メトトレキサート;エダトレキサート;ならびに、ペメトレキセド等の葉酸アンタゴニストを含める。カペシタビンは例えば、例えば商標XELODAの下で販売されているときの形態において、投与することができる。ゲムシタビンは例えば、例えば商標GEMZARの下で販売されているときの形態において、投与することができる。モノクローナル抗体トラツズマブも同様に含まれ、このモノクローナル抗体トラツズマブは例えば、例えば商標HERCEPTINの下で販売されているときの形態において、投与することができる。
本明細書で使用される「プラチン化合物」という用語には、限定するわけではないが、カルボプラチン、シスプラチン、シスプラチナムおよびオキサリプラチンを含める。カルボプラチンは例えば、例えば商標CARBOPLATの下で販売されているときの形態において、投与することができる。オキサリプラチンは例えば、例えば商標ELOXATINの下で販売されているときの形態において、投与することができる。
本明細書で使用される「タンパク質キナーゼまたは脂質キナーゼの活性を標的とし、または低下させる化合物、およびさらなる抗血管新生性化合物」という用語には、限定するわけではないが、タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤、ならびに/またはセリンおよび/もしくはトレオニンキナーゼ阻害剤、または脂質キナーゼ阻害剤を含め、例えば、
a)線維芽細胞成長因子受容体(FGF−Rs)の活性を標的とし、低下させ、または阻害する化合物;
b)インスリン様成長因子I受容体(IGF−IR)の活性を標的とし、低下させ、または阻害する化合物、特に、IGF−IRを阻害する化合物、例としてWO02/092599で開示されている上述のような化合物;
c)Trk受容体チロシンキナーゼファミリーの活性を標的とし、低下させ、または阻害する化合物;
d)Axl受容体チロシンキナーゼファミリーの活性を標的とし、低下させ、または阻害する化合物;
e)c−Met受容体の活性を標的とし、低下させ、または阻害する化合物;
f)タンパク質キナーゼC(PKC)およびセリン/チロシンキナーゼのRafファミリーのメンバー、MEK、SRC、JAK、FAK、PDKおよびRas/MAPKファミリーメンバーのメンバー、もしくはPI(3)キナーゼファミリーのメンバー、もしくはPI(3)キナーゼ関連キナーゼファミリーのメンバー、ならびに/または、サイクリン依存性キナーゼファミリー(CDK)のメンバーの活性を標的とし、低下させ、または阻害する化合物、特にUS5,093,330で開示されている上述のようなスタウロスポリン誘導体、例えばミドスタウリン(さらなる化合物の例には、例えばUCN−01、サフィンゴール、BAY43−9006、Bryostatin1、Perifosine;Ilmofosine;RO318220およびRO320432;GO6976;Isis3521;LY333531/LY379196;WO00/09495で開示されたイソキノリン化合物等のイソキノリン化合物;FTIs;PD184352またはQAN697(P13K阻害剤)が挙げられる。);
g)タンパク質−チロシンキナーゼの活性を標的とし、低下させ、または阻害する化合物、例としてイマチニブメシル酸塩(GLIVEC/GLEEVEC)またはチルホスチン等
を含める。(チルホスチンは、好ましくは、低分子量(Mr<1500)化合物または薬学的に許容されるその塩であり、特には、ベンジリデンマロニトリルの部類またはS−アリールベンゼンマリニトリルもしくは二基質キノリン類(bisubstrate quinoline)の部類の化合物から選択される化合物であり、より特定的には、Tyrphostin A23/RG−50810;AG99;Tyrphostin AG213;Tyrphostin AG1748;Tyrphostin AG490;Tyrphostin B44;Tyrphostin B44(+)鏡像異性体;Tyrphostin AG555;AG494;Tyrphostin AG556、AG957およびアダホスチン(4−{[(2,5−ジヒドロキシフェニル)メチル]アミノ}安息香酸アダマンチルエステル;NSC680410、アダホスチン)からなる群より選択される任意の化合物である。);ならびに
h)受容体チロシンキナーゼ(ホモ二量体状態またはヘテロ二量体状態のEGF−R、ErbB2、ErbB3、ErbB4)の上皮成長因子ファミリーの活性を標的とし、低下させ、または阻害する化合物、例として上皮成長因子受容体ファミリーの活性を標的とし、低下させ、または阻害する化合物は特に、EGF受容体チロシンキナーゼファミリーのメンバー、例えばEGF受容体、ErbB2、ErbB3およびErbB4を阻害し、またはEGFもしくはEGF関連リガンドに結合する化合物、タンパク質または抗体であり、特には、WO97/02266(例えば、実施例39の化合物)で具体的に概略を開示されている、またはEP0564409、WO99/03854、EP0520722、EP0566226、EP0787722、EP0837063、US5,747,498、WO98/10767、WO97/30034、WO97/49688、WO97/38983、ならびに特にWO96/30347(例えば、CP358774として公知の化合物)、WO96/33980(例えば、化合物ZD1839)およびWO95/03283(例えば、化合物ZM105180)で具体的に概略を開示されている、上述のような化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体であり;例えば、トラツズマブ(HERCEPTIN)、セツキシマブ、Iressa、エルロチニブ(Tarceva(商標))、CI−1033、EKB−569、GW−2016、E1.1、E2.4、E2.5、E6.2、E6.4、E2.11、E6.3またはE7.6.3、およびWO03/013541で開示されている7H−ピロロ−[2,3−d]ピリミジン誘導体である。
さらなる抗血管新生性化合物には、例えばタンパク質キナーゼまたは脂質キナーゼの阻害と無関係である、その活性に関する別の機構を有する化合物が挙げられ、例えば、サリドマイド(THALOMID)およびTNP−470が挙げられる。
タンパク質ホスファターゼまたは脂質ホスファターゼの活性を標的とし、低下させ、または阻害する化合物は、例えば、ホスファターゼ1、ホスファターゼ2A、PTENまたはCDC25の阻害剤であり、例えばオカダ酸またはその誘導体である。
細胞分化プロセスを誘導する化合物は、例えば、レチノイン酸、α−γ−もしくはδ−トコフェロール、またはα−γ−もしくはδ−トコトリエノールである。
本明細書で使用される「シクロオキシダーゼ阻害剤」という用語には、限定するわけではないが、例えば、Cox−2阻害剤、5−アルキル置換2−アリールアミノフェニル酢酸およびその誘導体、例としてセレコキシブ(CELEBREX)、ロフェコキシブ(VIOXX)、エトリコキシブ、バルデコキシブまたは5−アルキル−2−アリールアミノフェニル酢酸、例えば5−メチル−2−(2’−クロロ−6’−フルオロアニリノ)フェニル酢酸、ルミラコキシブを含める。
「mTOR阻害剤」という用語は、シロリムス(Rapamune(登録商標))、エベロリムス(Certican(商標))、CCI−779およびABT578等、ほ乳類ラパマイシン標的タンパク質(mTOR)を阻害し、抗増殖活性を有する、化合物に関する。
本明細書で使用される「ビスホスホネート」という用語には、限定するわけではないが、エチドロン酸、クロドロン酸、チルドロン酸、パミドロン酸、アレンドロン酸、イバンドロン酸、リセドロン酸およびゾレドロン酸を含める。「エチドロン酸」は例えば、例えば商標DIDRONELの下で販売されているときの形態において、投与することができる。「クロドロン酸」は例えば、例えば商標BONEFOSの下で販売されているときの形態において、投与することができる。「チルドロン酸」は例えば、例えば商標SKELIDの下で販売されているときの形態において、投与することができる。「パミドロン酸」は例えば、例えば商標AREDIA(商標)の下で販売されているときの形態において、投与することができる。「アレンドロン酸」は例えば、例えば商標FOSAMAXの下で販売されているときの形態において、投与することができる。「イバンドロン酸」は例えば、例えば商標BONDRANATの下で販売されているときの形態において、投与することができる。「リセドロン酸」は例えば、例えば商標ACTONELの下で販売されているときの形態において、投与することができる。「ゾレドロン酸」は例えば、例えば商標ZOMETAの下で販売されているときの形態において、投与することができる。
本明細書で使用される「ヘパラナーゼ阻害剤」という用語は、ヘパリンスルフェートの分解を標的とし、低減し、または阻害する化合物を指す。上記用語には、PI−88を含めるが、これに限定されるわけではない。
本明細書で使用される「生物学的応答調節剤」という用語は、リンホカインまたはインターフェロン、例えばインターフェロンγを指す。
本明細書で使用される「Ras発癌性アイソフォームの阻害剤」という用語、例えばH−Ras、K−RasまたはN−Rasは、Rasの発癌活性を標的とし、低下させ、または阻害する化合物を指し、例えば「ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤」を指し、例えばL−744832、DK8G557またはR115777(Zarnestra)を指す。
本明細書で使用される「テロメラーゼ阻害剤」という用語は、テロメラーゼの活性を標的とし、低下させ、または阻害する化合物を指す。テロメラーゼの活性を標的とし、低下させ、または阻害する化合物は特に、テロメラーゼ受容体を阻害する化合物であり、例えばテロメスタチンである。
本明細書で使用される「メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤」という用語は、メチオニンアミノペプチダーゼの活性を標的とし、低下させ、または阻害する化合物を指す。メチオニンアミノペプチダーゼの活性を標的とし、低下させ、または阻害する化合物は、例えばベンガミドまたはその誘導体である。
本明細書で使用される「プロテアソーム阻害剤」という用語は、プロテアソームの活性を標的とし、低下させ、または阻害する化合物を指す。プロテアソームの活性を標的とし、低下させ、または阻害する化合物には、例えばPS−341およびMLN341が挙げられる。
本明細書で使用される「マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤」または(「MMP阻害剤」)という用語には、限定するわけではないが、コラーゲン型ペプチド模倣性阻害剤およびコラーゲン型非ペプチド模倣性阻害剤、テトラサイクリン誘導体、例えばヒドロキサム酸型ペプチド模倣薬性阻害剤であるバチマスタットおよび経口方式で生体が利用可能なバチマスタットの類縁体であるマリマスタット(BB−2516)、プリノマスタット(AG3340)、メタスタット(NSC683551)BMS−279251、BAY12−9566、TAA211、MMI270BまたはAAJ996を含める。
本明細書で使用される「造血器悪性腫瘍の治療に使用される作用物質」という用語には、限定するわけではないが、FMS様チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、Flt−3の活性を標的とし、低下させ、または阻害する化合物;インターフェロン、1−b−D−アラビノフフラノシルシトシン(ara−c)およびブスルファン;ならびに、ALK阻害剤、例えば、未分化リンパ腫キナーゼを標的とし、低減し、または阻害する化合物を含める。
「Flt−3の活性を標的とし、低下させ、または阻害する化合物」という用語は特に、Flt−3を阻害する化合物、タンパク質または抗体であり、例えば、PKC412、ミドスタウリン、スタウロスポリン誘導体、SU11248およびMLN518である。
本明細書で使用される「HSP90阻害剤」という用語には、限定するわけではないが、HSP90の内因性ATPアーゼ活性を標的とし、低下させ、または阻害する化合物と、ユビキチンプロテアソーム経路を介してHSP90クライアントタンパク質を分解させ、標的とし、低減し、または阻害する化合物とを含める。HSP90の内因性ATPアーゼ活性を標的とし、低下させ、または阻害する化合物は特に、HSP90のATPアーゼ活性を阻害する化合物、タンパク質または抗体であり、例えば、17−アリルアミノ、17−デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)、ゲルダナマイシン誘導体;他のゲルダナマイシン関連化合物;ラジシコールおよびHDAC阻害剤である。
本明細書で使用される「抗増殖性抗体」という用語には、トラスツズマブ(Herceptin(商標))、Trastuzumab−DM1、ラニビズマブ(Lucentis(登録商標))、ベバシズマブ(Avastin(商標))、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、PRO64553(抗CD40型)および2C4抗体、ならびにEylea(登録商標)を含めるが、これらに限定されるわけではない。抗体とは、当該抗体が望ましい生物学的活性を示す限り、例えば無欠失モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2つの無欠失抗体から形成された多特異的抗体、および抗体フラグメントを意味する。
急性骨髄性白血病(AML)の治療の場合、第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物は、標準的な白血病療法と組み合わせて使用することができ、特に、AMLの治療に使用される療法と組み合わせて使用することができる。特に、第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物は、例えばファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、ならびに/または、Daunorubicin、Adriamycin、Ara−C、VP−16、Teniposide、Mitoxantrone、Idarubicin、CarboplatinumおよびPKC412等といったAMLの治療に有用な他の薬物と組み合わせて投与することができる。
コード番号、一般名または商標によって特定される作用剤の構造は、標準的な目録「The Merck Index」の現行版から取得してもよく、またはデータベース、例えばPatents International(例えば、IMS World Publications)から取得してもよい。第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物と組み合わせて使用することができる、上記化合物は、上記文献等、当技術分野において説明されている態様にして、調製して投与することができる。
第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物はまた、公知の治療法、例えば、ホルモンの投与または特に放射線の適用と組み合わせて有利に用いてもよい。
第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物は特に、放射線増感剤として使用してもよく、特に、放射線療法に対して乏しい感受性を示す腫瘍の治療のための放射線増感剤として使用してもよい。
一実施形態において、本発明は、第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物および少なくとも1つの他の治療剤を含み、療法における同時の使用、別々の使用または逐次的な使用のための配合剤の状態である、製品を提供する。一実施形態において、療法は、VEGFまたはVEGF受容体の活性に媒介される疾患または状態の治療である。配合剤として提供される製品は、第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物と他の治療剤とを、同じ医薬組成物中に一緒に取り込んだ状態にして含む、組成物を含み、または、第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物と他の治療剤とを、別々にした形態、例えばキットの形態にして含む、組成物を含む。
一実施形態において、本発明は、第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物および別の治療剤を含む、医薬組成物を提供する。任意選択的に、医薬組成物は、薬学的に許容される上記の賦形剤を含んでいてもよい。
一実施形態において、本発明は、2つ以上の別個の医薬組成物を含む、キットを提供し、こうした2つ以上の別個の医薬組成物のうち少なくとも1つは、第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物を含む。一実施形態において、キットは、容器、区分けされたボトル、またはホイルで作られていて区分けされたポケット等、前記組成物を別々に保持するための手段を備える。このようなキットの一例は、典型的には錠剤およびカプセル剤等の包装用に使用される、ブリスターパックである。
本発明のキットは、相異なる投薬量間隔で別々の組成物を投与するため、または、別々の組成物どうしを互いに対して滴定するために、相異なる剤形、例えば、経口用剤形および非経口用剤形を投与することを目的として、使用することができる。コンプライアンスを促すために、本発明のキットは、典型的には、投与に関する説明書を含む。本発明の組合せ療法において、本発明の化合物および他の治療剤は、同じまたは異なる製造業者によって製造および/または製剤化され得る。さらに、本発明の化合物および他の治療薬は、(i)医師へのこうした合剤製品の公開前(例えば、本発明の化合物および他の治療剤を含むキットの場合)に併用療法に統合してもよく、(ii)投与直前に医師自身(または医師の指導下)により併用療法に統合してもよく、(iii)患者自身により、例えば本発明の化合物および他の治療剤の逐次的な投与中に、併用療法に統合してもよい。
したがって、本発明は、VEGFまたはVEGF受容体の活性に媒介される疾患または状態を治療するための医薬品の製造における、第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物の使用を提供し、ここで、上記医薬品が、別の治療剤と一緒にしての投与用に調製される。本発明はまた、VEGFまたはVEGF受容体の活性に媒介される疾患または状態を治療するための医薬品の製造における、別の治療剤の使用も提供し、ここで、上記医薬品が、第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物と一緒にしての投与用に調製される。
本発明はまた、VEGFまたはVEGF受容体の活性に媒介される疾患または状態を治療する方法における使用のための、第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物も提供し、ここで、第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物が、別の治療剤と一緒にしての投与用に調製される。本発明はまた、VEGFまたはVEGF受容体の活性に媒介される疾患または状態を治療する方法における使用のための、別の治療剤も提供し、ここで、他の治療剤が、第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物と一緒にしての投与用に調製される。本発明はまた、VEGFまたはVEGF受容体の活性に媒介される疾患または状態を治療する方法における使用のための、第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物も提供し、ここで、第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物が、別の治療剤と一緒に投与される。本発明はまた、VEGFまたはVEGF受容体の活性に媒介される疾患または状態を治療する方法における使用のための、別の治療剤も提供し、ここで、他の治療剤が、第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物と一緒に投与される。
本発明はまた、VEGFまたはVEGF受容体に媒介される疾患または状態を治療するための医薬品の製造における、第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物の使用も提供し、ここで、上記患者が、事前に(例えば、24時間以内に)別の治療剤によって治療されている。本発明はまた、VEGFまたはVEGF受容体に媒介される疾患または状態を治療するための医薬品の製造における、別の治療剤の使用も提供し、ここで、上記患者が、事前に(例えば、24時間以内に)第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物によって治療されている。
下記の例は、本発明の説明を意図したものであり、本発明への限定であるとして解すべきでない。温度は、セルシウス度において与えられている。そうではないとの言及がない場合、すべての蒸発は、好ましくは約15mmHgから100mmHgの間(=20〜133mbar)の減圧下で実施される。最終生成物、中間体および出発物質の構造は、標準的な分析方法、例えば微量分析および分光特性、例えばMS、IR、NMRによって確認される。使用されている略語は、当技術分野において慣例的な略語である。
本発明の化合物を合成するのに利用されるすべての出発物質、構成単位、試薬、酸、塩基、脱水剤、溶媒および触媒は、市販されており、または、当業者に公知の有機合成法(Houben-Weyl 4th Ed. 1952, Methods of Organic Synthesis, Thieme, Volume 21)によって生成することができる。さらに、本発明の化合物は、下記の例で示されているように、当業者に公知の有機合成法によって生成することができる。
有力なVEGF受容体阻害剤としての第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物の特性に基づいて、第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物は、調節を受けていない血管新生に付随する疾患、特に眼内血管新生によって引き起こされる疾患、特に網膜症、例として糖尿病網膜症または加齢性黄斑変性、乾癬、フォン−ヒッペル−リンドウ病、血管芽細胞腫、血管腫、メサンギウム細胞増殖障害、例として慢性腎臓疾患もしくは急性腎臓疾患、例えば糖尿病性ネフロパチー、悪性腎硬化症、血栓性微小血管症もしくは移植拒絶反応、または特に炎症性腎臓疾患、例として糸球体腎炎、特にメサンギウム増殖性糸球体腎炎、溶血性***症候群、糖尿病性ネフロパチー、高血圧性腎硬化症、粉瘤、動脈再狭窄、自己免疫疾患、関節リウマチを含めた急性炎症、線維性障害(例えば肝硬変)、糖尿病、子宮内膜症、慢性喘息、アテローム性動脈硬化症または移植後のアテローム硬化症、神経変性性障害、例えば多発性硬化症、ならびに特に腫瘍性疾患、例としてがん(特には固形腫瘍であるが白血病もある)、例として特に乳がん、腺がん、結腸直腸がん、肺がん(特に非小細胞肺がん)、腎臓がん、肝臓がん、膵臓がん、卵巣がんまたは前立腺がん、ならびに骨髄腫、特に多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、AML(急性骨髄性白血病)、AMM(原因不明の髄様化生)、中皮腫、神経膠腫および膠芽腫の治療には特に適している。第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物は、腫瘍の転移による拡散および微小転移巣の成長を予防することにも特に適している。第1の実施形態から第70の実施形態までの化合物は、キナーゼとしてのその活性を理由として、移植に関連した治療においても同様に有用である。
結晶性化合物
本明細書で使用されるとき、「多形」は、同じ化学組成を有するが、結晶を形成している分子、原子および/またはイオンの空間的配列が異なっている、結晶形態を指す。
本明細書で使用されるとき、「溶媒和物」は、結晶格子構造内に組み込まれた1種または複数の溶媒の分子をさらに含む、分子、原子および/またはイオンの結晶形態を指す。溶媒和物中の溶媒分子は、規則的な配列および/または無秩序な配列になって存在し得る。溶媒和物は、化学量論量の溶媒分子または化学量論量ではない溶媒分子を含み得る。例えば、化学量論量ではない溶媒分子を有する溶媒和物は、溶媒和物からの溶媒の部分的喪失によって生じ得る。溶媒和物は、結晶格子構造の内部に1個より多い分子またはN−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドを含む、二量体またはオリゴマーとして生じ得る。
本明細書で使用されるとき、「非晶質」は、結晶性ではない分子、原子および/またはイオンの固体形態を指す。非晶質固体は、決定的なX線回折パターンを示さない。
本明細書で使用されるとき、ある形態に関して使用されている場合の「実質的に純粋な」とは、当該化合物の重量に基づいて、90重量%超の純度、91重量%超の純度、92重量%超の純度、93重量%超の純度、94重量%超の純度、95重量%超の純度、96重量%超の純度、97重量%超の純度、98重量%超の純度および99重量%超の純度の純度を含め、約100重量%に等しい純度も同様に含めて、90重量%超の純度のN−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドを有する、化合物を意味する。残存の材料は、化合物の他の形態、ならびに/または、化合物の調製から発生する反応不純物および/もしくは加工不純物を含む。例えば、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドの結晶形態は、この結晶形態が、当技術分野において現時点で公知になっていて一般に受け入れられてもいる手段によって測定して90重量%超の純度を有するのならば、実質的に純粋と考えることができ、ここで、残存している10重量%未満の材料は、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドの他の形態、ならびに/または反応不純物および/もしくは加工不純物を含む。
実質的に純粋と規定する別の方法は、下記の通りである。
本明細書で使用されるとき、特定の多形形態に関する「実質的に純粋な」という用語は、当該多形形態が、10重量%未満、好ましくは5重量%未満、より好ましくは3重量%未満、最も好ましくは1重量%未満である、化合物の任意の他の物理的形態を含むことを意味する。
本開示の一実施形態において、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドの結晶形態は、実質的に純粋な形態において提供される。実質的に純粋な形態であるN−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドの上記結晶形態は、例えば賦形剤、担体、および他の医薬品有効成分の1つ、異なる分子構造を持つ活性な化学的要素からなる群より選択される、1種または複数の他の構成要素を任意選択的に含んでいてもよい、医薬組成物中に用いることができる。
好ましくは、結晶形態は、実験により測定されたXRPDパターンのピーク総面積の10%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは2%未満が、模擬的なPXRDパターには存在しない余分なピークに起因していることによって指し示される、実質的に純粋な相均一性を有する。実験により測定されたPXRDパターンのピーク総面積の1%未満が、模擬的なPXRDパターンには存在しない余分なピークに起因している、実質的に純粋な相均一性を有する結晶形態が、最も好ましい。
X線回折ピーク位置に関する「本質的に同じ」という用語は、典型的なピーク位置および強度のバラツキが考慮されることを意味する。例えば、当業者ならば、ピーク位置(2θ)が、ある程度の装置間のバラツキを示し、典型的には最大で0.2°の装置間のバラツキを示す点については理解されよう。さらに、当業者ならば、相対的なピーク強度が、装置間のバラツキ、ならびに結晶度の度合い、好ましい配向、調製された試料の表面および当業者に公知な他の因子によるバラツキを示すものであり、単なる定性的な尺度として取り扱うべきである点については、理解されよう。
結晶性材料の調製
結晶形態は、種々の方法によって調製することができ、例えば、適切な溶媒からの結晶化または再結晶、昇華、溶融物からの成長、別の相から固相への転移、超臨界流体からの結晶化、およびジェット噴霧が挙げられる。溶媒混合物からの結晶形態の結晶化または再結晶のための技法には、例えば溶媒の蒸発、溶媒混合物の温度低下、結晶形態の分子および/または塩の過飽和溶媒混合物への結晶接種処理、溶媒混合物の凍結乾燥、ならびに溶媒混合物への逆溶剤(逆溶媒)の添加が挙げられる。処理能力の高い結晶化技法を用いて、多形を含めた結晶形態を調製してもよい。
多形を含めた薬物の結晶、薬物結晶の調製の方法、および薬物結晶のキャラクタリゼーションは、Solid-State Chemistry of Drugs, S.R. Byrn, R.R. Pfeiffer, and J.G. Stowell, 2nd Edition, SSCI, West Lafayette, Indiana (1999)で論述されている。
溶媒を用いる結晶化技法の場合、1種または複数の溶媒の選択は、典型的には、化合物の溶解度、結晶化技法および溶媒の蒸気圧等といった1つまたは複数の因子に依存する。溶媒の組合せを用いてもよく、例えば、化合物を第1の溶媒中に可溶化して溶液を生じさせ、続いて、逆溶媒を添加して溶液への化合物の溶解度を低下させ、結晶の形成を起こしてもよい。逆溶媒は、化合物が低い溶解度を有する溶媒である。
結晶を調製する一方法において、化合物が適切な溶媒中に懸濁され、および/または適切な溶媒中で撹拌されるとスラリーが生じ、このスラリーは、溶解を促進するために加熱してもよい。本明細書で使用される「スラリー」という用語は、化合物の飽和溶液を意味し、こうした飽和溶液はまた、所与の温度において化合物と溶媒との不均一混合物を生じさせるようなさらなる量の化合物を含んでいてもよい。
種結晶が、結晶化を促進するために任意の結晶化混合物に添加されてもよい。接種処理が、特定の多形の成長を制御するため、または結晶性生成物の粒径分布を制御するために用いられてもよい。したがって、必要とされるシードの量の計算は、例えば"Programmed Cooling of Batch Crystallizers," J.W. Mullin and J. Nyvlt, Chemical Engineering Science, 1971,26, 369-377で記述されているように、利用可能なシードと、平均的な生成物粒子に関して望ましいサイズとに依存する。一般に、小型のシードが、バッチ中の結晶の成長を効果的に制御するために必要とされる。小型のシードは、大きな結晶のふるい分け、粉砕もしくは微粒化、または溶液の微結晶化によって生成することができる。結晶の粉砕または微粒化が、望ましい結晶形態からの結晶度のいかなる変化(すなわち、非晶質または別の多形への変化)も起こさない点については、注意すべきである。
冷却した結晶化混合物は、真空下でろ過してもよく、単離された固体を、冷たい再結晶用溶媒等の適切な溶媒で洗浄し、窒素パージ下で乾燥させて、望ましい結晶形態を生じさせてもよい。単離された固体は、生成物の好ましい結晶形態の形成を保証するために、固相核磁気共鳴、示差走査熱量測定または粉末X線回折等の適切な分光法式の技法または分析技法によって分析してもよい。得られた結晶形態は典型的には、結晶化手法に元々用いられた化合物の重量に基づいて約70重量%超の単離収率、好ましくは90重量%超の単離収率という量で生成される。生成物は必要ならば、生成物を破塊(delump)するために共粉砕してもよく、またはメッシュスクリーンを通過させてもよい。
結晶形態は、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドを調製するための最終プロセスの反応媒体から直接調製してもよい。こうした調製は例えば、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドが結晶化し得る溶媒または溶媒の混合物を、最終プロセスステップにおいて用いることによって達成してもよい。代替的には、結晶形態は、蒸留または溶媒添加法によって入手してもよい。こうした入手を目的とした適切な溶媒には、例えば、上記の非極性溶媒および極性溶媒が挙げられるし、アルコール等のプロトン性極性溶媒、およびケトン等の非プロトン性極性溶媒も挙げられる。
試料中の1より多い多形の存在は、粉末X線回折(PXRD)または固相核磁気共鳴分光法等の技法によって測定することができる。例えば、実験により測定されたPXRDパターンと模擬的なPXRDパターンとの比較において、余分なピークが存在することは、試料中に1つより多い多形があることを指し示している可能性がある。模擬的なPXRDは、単結晶X線データから計算してもよく(Smith, D.K., "A FORTRAN Program for Calculating X-Ray Powder Diffraction Patterns," Lawrence Radiation Laboratory, Livermore, California, UCRL-7196 (April 1963)を参照されたい。)、または、TOPASプログラム(Total Pattern Analysis Solution、Brucker AXS Inc.から入手可能)から計算してもよい。
様々な分析方法が、キャラクタリゼーションのために使用され得る。
I. 粉末X線回折測定
当業者ならば、採用される測定条件に依存する測定誤差を伴ってX線回折パターンが得られ得る点については、理解されよう。特に、X線回折パターンの強度が、採用される測定条件に応じて増減し得る点については、一般に公知である。相対強度もまた、実験条件に応じて変動し得、したがって、強度の正確な桁を考慮すべきではないという点については、さらに理解すべきである。さらに、慣例的なX線回折パターンに関する回折角度の測定誤差は、典型的には約5%以下であり、こうした測定誤差の度合いは、上記回折角度につきものであるとして考慮すべきである。この結果、本発明の結晶形態が、本明細書で開示されている添付の図面中に示されたX線回折パターンと完全に同一なX線回折パターンをもたらす結晶形態に限定されない点については、理解すべきである。添付の図面中で開示されたX線回折パターンと実質的に同一のX線回折パターンを提供する、あらゆる結晶形態は、本発明の範囲に含まれる。X線回折パターンの実質的同一性を確認する能力は、当業者の範囲に含まれる。
II. 示差走査熱量測定(DSC)
結晶形態を試験するために使用したDSC機器は、TA Instrument(登録商標)Differential Scanning Calorimetryモデル2910、TA Instruments(登録商標)Modulated Differential Scanning Calorimetryモデル2920、またはTA Instruments(登録商標)Modulated Differential Scanning CalorimetryモデルQ1000であった。DSCセル/試料チャンバーを、100ml/minの超高純度窒素ガスによってパージした。上記機器を、高純度のインジウムによって較正した。こうした方法によって測定される試料温度の精度は、約±1℃以内であり、融解熱は、約±5%の相対誤差に収めて測定することができる。試料を、むき出しのアルミニウムDSC皿に入れて、空の基準皿に対比させて測定した。約2〜6mgの試料粉末を皿の底部に置き、軽めにたたいて潰して、皿と接触させた。試料の重量は、100分の1ミリグラムまで精密に測定して記録した。上記機器は、25℃から300℃の間の温度範囲において、1分当たり10℃で昇温するようにプログラムしておいた。
試料重量によって正規化した熱流を、測定された試料温度と対比させてプロットした。データは、ワット/グラム(「W/g」)の単位において報告した。プロットを作製すると、吸熱ピークは、下降していくようになっていた。吸熱溶融ピークは、この分析における外挿した開始温度、ピーク温度および融解熱について評価した。
III. 熱重量分析(TGA)
結晶形態を試験するために使用したTGA機器は、TA Instruments.RTM.High Resolution Thermogravimetric Analyzer Q500またはTA Instruments.RTM.High Resolution Thermogravimetric Analyzer 2950であった。15〜20ミリグラムの試料を、25℃から約300℃の間の温度範囲において、1分当たり10℃の加熱速度で分析した。
本発明については、下記実施例によって説明するが、いかなる観点においても限定されるわけではない。
略語
ACN アセトニトリル
app 見掛けの
aq 水溶液
atm 雰囲気
ATP アデノシン5’−三リン酸
BOC ターシャリーブチルカルボキシ
BOP (ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
br ブロード
BSA ウシ血清アルブミン
d 二重項
DBU 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
DCE 1,2−ジクロロエタン
dd 二重項の二重項
DCM ジクロロメタン
DIEA ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4,4−ジメチルアミノピリジン
DME 1,4−ジメトキシエタン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMP デス−マーチン試薬、1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンゾヨードキソール−3(1H)−オン
DMSO ジメチルスルホキシド
DTT ジチオトレイトール
EDTA エチレンジアミンテトラ酢酸
ESI エレクトロスプレーイオン化
EtOAc 酢酸エチル
FCC フラッシュカラムクロマトグラフィー
g グラム
g(イタリック体) 重力加速度定数
GSH グルタチオン
h 時間
HATU 2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートメタンアミニウム
HBTU 1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−ベンゾトリアゾリウムヘキサフルオロホスフェート(1−)3−オキシド
HOBt 1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
IR 赤外分光法
LCMS 液体クロマトグラフィー結合質量分析法
LTMP リチウム2,2’,6,6’−テトラメチルピペリジン
M モル
m 多重項
MeOH メタノール
min 分
mL ミリリットル
mmol ミリモル
MS 質量分析法
MsOH メタンスルホン酸
m/z 質量電荷比
N 標準
NADPH β−ニコチンアミドジヌクレオチドリン酸(還元済み形態)
NMR 核磁気共鳴
Pd/C パラジウム炭素
ppm パーツパーミリオン
PyBOP ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
rac ラセミ
rt 室温
Rt 保持時間
s 一重項
sat 飽和
SFC 超臨界流体クロマトグラフィー
t 三重項
TBSCl tert−ブチルジメチルシリルクロリド
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
UDPGA ウリジン5’−ジホスホ−α−D−グルクロン酸
(Z)−N−((6−((1−((1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)カルバモイル)−1H−インドール−5−イル)オキシ)ピリミジン−4−イル)メチレン)メタンアミンオキシドの調製

Figure 2016518443
WO2010066684に記載のように調製したN−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミド(3.06g、6.87mmol)をアセトニトリル(140mL)に溶かした室温の懸濁液に、水(147ml、1443mmol)中のHの30wt%溶液を添加した。反応物を3時間撹拌した。次いで混合物を500mLのDCMで希釈し、続いて400mLの水で希釈し、得られた層を分離した。水性層を250mLの追加のDCMで抽出した。有機層を合わせ、引き続いて次に、ブライン(150mL)で洗浄し、次いで飽和NaHSO(150mL)で洗浄し、次いでブライン(150mL)でもう一度洗浄した。次いで有機相を顆粒状NaSOで脱水し、ろ過し、濃縮した。得られた残留物を、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中の0〜10%MeOH)によって部分的に精製し、次いで、温かい(約60℃の)酢酸エチル溶液からの沈殿によってさらに精製し、続いてヘプタンをゆっくり添加し、続いて室温にゆっくり冷却した。得られた固体をろ過によって収集し、冷たい2:1のヘプタン:酢酸エチルで洗浄すると、(Z)−N−((6−((1−((1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)カルバモイル)−1H−インドール−5−イル)オキシ)ピリミジン−4−イル)メチレン)メタンアミンオキシドが25%の収率で生じた。1H NMR (400MHz, DMSO-d6)δ=11.07 (s, 1H), 8.78 (d, J=1.0Hz, 1H), 8.42 (d, J=1.5Hz, 1H), 8.32 (d, J=9.1Hz, 1H), 8.19 (d, J=3.5Hz, 1H), 8.07 (s, 1H), 7.49 (d, J=2.5Hz, 1H), 7.16 (dd, J=2.3, 8.8Hz, 2H), 7.08 (s, 1H), 6.77 (d, J=4.0Hz, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.89 (s, 3H).HRMS:C2017 計算値460.1345、実測値460.1341。
5−((6−カルバモイルピリミジン−4−イル)オキシ)−N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−1H−インドール−1−カルボキサミドの調製
Figure 2016518443
DCM(20ml)中の5−((6−(ヒドロキシメチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−1H−インドール−1−カルボキサミド(700mg、1.619mmol)の溶液に、デス−マーチンペルヨージナン(1030mg、2.429mmol)を添加した。反応物を2h撹拌した。この時点で、NaHCOの飽和水溶液を添加した。層どうしを分離し、有機物をDCMで抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで脱水し、蒸発させた。得られた残留物に、tBuOH(16ml)/HO(4ml)を添加し、続いて亜塩素酸ナトリウム(946mg、8.37mmol)、リン酸二水素ナトリウム(1004mg、8.37mmol)および2−メチル−2−ブテン(6.65ml、62.7mmol)を添加した。反応物を4h撹拌した。この時点で、pH7.4リン酸緩衝液を添加し、生成物をEtOAcで抽出した。DCM(2ml)に溶かした0℃の粗製混合物(100mg、0.224mmol)の一部に、塩化オキサリル(0.029ml、0.336mmol)およびDMF(1.735μl、0.022mmol)を添加した。2分後、ジオキサン中の0.5Mアンモニア(13.44ml、6.72mmol)を添加し、反応物を室温に温め、終夜撹拌した。反応物を蒸発させ、100:0から0:100までに至るヘプタン:EtOAcによって溶出させるFCCを用いて直接精製した。1H NMR (400MHz, DMSO-d6)δppm 11.07 (s, 1 H) 8.87 (d, J=1.01Hz, 1 H) 8.34 (d, J=8.84Hz, 1 H) 8.28 (s, 1 H) 8.20 (d, J=3.79Hz, 1 H) 7.97 (s, 1 H) 7.53 (d, J=2.02Hz, 1 H) 7.41 (d, J=1.01Hz, 1 H) 7.19 (dd, J=9.09, 2.53Hz, 1 H) 7.08 (s, 1 H) 6.78 (d, J=3.79Hz, 1 H) 3.95 (s, 3 H).MS(ESI+)m/z445.93(M+H)。
5−(6−(アミノメチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−1H−インドール−1−カルボキサミドの調製
a) 5−(6−(ベンジルオキシメチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−1H−インドール−1−カルボキサミド
Figure 2016518443
WO010066684に記載のように調製した5−((6−((ベンジルオキシ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール(2.88g、8.69mmol)、およびWO010066684に記載のように調製したフェニル(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)カルバメート(3.10g、10.86mmol)をDMF(87ml)に溶かした窒素下で0℃の溶液に、NaH(鉱油中の60%、1.043g、26.1mmol)を添加した。
30分後、反応物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、30mLのNHCl飽和水溶液で急冷した。水(50mL)を添加した。水性層を2×50mLのさらなる酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮した。粗製油状物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0〜100%酢酸エチル:ヘプタン)によって精製すると、表題化合物が生じた。MS(ESI+)m/z523.0(M+H)。
b) 5−(6−(ヒドロキシメチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−1H−インドール−1−カルボキサミド
Figure 2016518443
5−(6−(ベンジルオキシメチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−1H−インドール−1−カルボキサミド(3.26g、6.24mmol)を、TFA(100ml)に取り込ませ、100℃で加熱した。3時間後、反応物を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中の0〜10%メタノール;メタノールは、10%水酸化アンモニウムを含有していた)によって精製すると、表題化合物が生じた。MS(ESI+)m/z433.0(M+H)。
c) (6−(1−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イルカルバモイル)−1H−インドール−5−イルオキシ)ピリミジン−4−イル)メチルメタンスルホネート
Figure 2016518443
DCM(19.55ml)中の5−(6−(ヒドロキシメチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−1H−インドール−1−カルボキサミド(0.93g、2.151mmol)の溶液に、メタンスルホニルクロリド(0.252ml、3.23mmol)、トリエチルアミン(0.599ml、4.30mmol)およびDMAP(26mg、0.213mmol)を添加した。1時間後、追加のメタンスルホニルクロリド(0.126ml、1.61mmol)およびトリエチルアミン(0.300ml、2.15mmol)を添加した。2時間後、反応物を水(20ml)で急冷し、DCM(3×10ml)で抽出し、MgSOで乾燥させ、ろ過し、濃縮すると、表題化合物が生じた。MS(ESI+)m/z510.9(M+H)。
d) 5−(6−(アミノメチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−1H−インドール−1−カルボキサミド
Figure 2016518443
THF(2.10ml)中の(6−(1−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イルカルバモイル)−1H−インドール−5−イルオキシ)ピリミジン−4−イル)メチルメタンスルホネート(107mg、0.210mmol)の溶液に、アンモニア(ジオキサン中の0.5M、4.192ml、2.096mmol)を添加した。反応物を室温で1日撹拌し、次いで40℃で1日撹拌した。反応物を濃縮し、THF(2ml)およびアンモニア(メタノール中の7M、1.50ml、10.48mmol)に取り込ませ、35℃で終夜加熱した。反応物を濃縮し、シリカに吸収して、FCC(DCM中の0〜5%メタノール;メタノールは、10%水酸化アンモニウムを含有していた)によって精製した。生成物をHPLC(20〜100%アセトニトリル:水のグラジエント、Sunfire C8 OBD 5um 30×100カラム)によってさらに精製すると、表題化合物が生じた。1H NMR (400MHz, DMSO-d6)δppm 8.65 (s, 1 H) 8.32 (d, J=8.84Hz, 1 H) 8.18 (d, J=3.54Hz, 1 H) 7.46 (d, J=2.53Hz, 1 H) 7.10-7.15 (m, 2 H) 7.07 (s, 1 H) 6.76 (d, J=3.79Hz, 1 H) 3.95 (d, J=1.01Hz, 3 H) 3.82 (s, 2 H).C1916(M+H)のHRMS計算値432.1396、実測値432.1407。
N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドの他の代謝物質の単離/キャラクタリゼーション
インビトロプロトコル
14C]N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−(6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドを、雄性Sprague−Dawleyラット、ニュージーランドホワイト種雄性ウサギ、雄性カニクイザルおよびヒト(男性と女性とが混在)に由来した肝細胞を用いて、10μmol/Lの濃度で6hインキュベートした。ヒト肝臓ミクロソームを用いて、10μmol/Lの[14C]N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−(6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドのインキュベーションも同様に1h実施した。インキュベート対象物を、放射能検出を用いたHPLCによって分析した。代謝物質構造をLC−MSによってキャラクタリゼーションした。
肝細胞およびヒト肝臓ミクロソームにおける[14C]N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−(6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドの概略的な代謝経路
Figure 2016518443
14C]N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−(6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミド、および放射性標識されていないN−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−(6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドを、DMSOに溶解させると、10mmol/Lの濃度の溶液が得られた。LC−MS分析を容易にするために、最終的なストック溶液中での14C標識度は、約50%に調整した。したがって、60μLの[14C]N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−(6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミド溶液を、40μLの非放射性N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−(6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミド溶液と混合した。表1に記載の冷凍保存肝細胞を、この研究において使用した。
Figure 2016518443

冷凍保存肝細胞を液体N2により貯蔵した。インキュベーション当日には、肝細胞を、供給業者から提供された指示書に従って解凍した。
肝細胞インキュベーションおよび生存可能性測定
冷凍保存肝細胞を解凍した後、生細胞を、HepatoZYME細胞培養培地(Gibco Invitrogen)中で遠心分離によって富化した。こうした富化を目的として、細胞は、37℃の温かい45mLのHepatoZYMEに添加し、室温において50gで5min遠心分離した。死細胞含有の上清を廃棄し、ペレット内の細胞をHepatoZYMEに再懸濁させた。
再懸濁させた肝細胞の生存可能性を、供給業者(Guava Technologies、Hayward、CA、USA)によって説明されているように、ViaCount(登録商標)アッセイを用いてGuava EasyCyte(商標)Miniシステムによって測定した。細胞の計数後、細胞濃度を、HepatoZYMEの添加によって1mL当たり約1×10個の生細胞になるよう調整した。続いて、インキュベーションを、DMSO中の溶液として[14C]N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−(6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドおよび未標識N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−(6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドを添加することによって、開始した。インキュベーションにおけるDMSOの最終濃度は、0.1%(v/v)であった。
インキュベート対象物中での[14C]N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−(6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドの初期濃度は、代謝物質パターン分析用として10μmol/L(4.2kBq/mL)であった。すべてのインキュベーションにおいて、25mL組織培養フラスコ(Becton Dickinson Frankli Lakes)を使用し、500μLのアリコートを相異なる時点(0hおよび6h)で取得した。
インキュベーション条件下における[14C]N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−(6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドの化学的安定性を確かめるために、この化合物を、10μmol/Lの濃度において、肝細胞を含んでいないHepatoZYME中でインキュベートした。第2の一連の対照インキュベーションを、試験化合物の非存在下において、すべての種の肝細胞を用いて実施して、生存可能性に対する試験化合物の効果を調査した。これらの実験は、12×6mLMultiWellTMプレート(Art.393503、Beckton Dickinson)内で実施した。インキュベーションのさらなる詳細については、表2に示している。
Figure 2016518443
インキュベーションを、95%相対湿度および5%COの湿気を含んだ雰囲気下、Heraeusインキュベーター/cytoperm(Kendro Laboratory Products AG、Zurich、Switzerland)内において37℃で実施した。インキュベーション中、プレートおよびフラスコは、1分当たり300振りにして振とうした。肝細胞の生存可能性を6h後(インキュベーションの終了後)に測定した。
放射性標識の代謝安定性の評価
N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−(6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドの追加インキュベーションを、放射性標識の代謝安定性を評価するために別途実施した。インキュベーションは、先述したように実施したが、サル肝細胞には新たなバッチ(SZH)を使用した。0時間、2時間、4時間および6時間の時点において、50μLのアリコート(4つとも同一の試料)を、10mLのRialuma(Lumac、The Netherlands)が入った20mLZinsser製バイアル内にピペットで直接移した。追加の50μLのアリコート(4つとも同一の試料)を空の20mLZinsser製バイアル内にピペットで移し、このバイアル内で試料を終夜乾燥させた後、試料を10mLのRialumaと混合し、放射能測定用に60分超音波処理した。
ヒト肝臓ミクロソームインキュベーション
この研究においては、表3に記載の市販ヒト肝臓ミクロソームを使用した。ロットを、供給業者による様々な酵素の活性に関してキャラクタリゼーションした(データは図示されていないが、ファイルに保持されている。)。ミクロソームを、ドライアイスによって受け止め、使用するまで−80℃で貯蔵した。
Figure 2016518443
代謝物質パターン用のミクロソームインキュベーション
代謝物質プロファイル用のミクロソームインキュベーションを、10μmol/Lの[14C]N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−(6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミド(約50%放射性標識済み)において実施し、このとき、1つの時点を用いて調査した(60min)。インキュベーションを、0.1mol/Lのリン酸ナトリウムバッファー pH7.4の中において37℃で実施した。インキュベーションカクテル中の最終濃度はミクロソームタンパク質1mg当たりにおいて、4mmol/LのUDPGA(Sigma−Aldrich)、1mmol/Lのβ−NADPH(Sigma−Aldrich)、5mmol/LのMgCl、および60μgのアラメチシン(Sigma−Aldrich)。上記の系を、10minインキュベートしておいた後、試験化合物を添加して、アラメチシンによる細孔形成を可能にした。代謝反応を、[14C]N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−(6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドの添加によって開始し、二倍量の氷冷したアセトニトリルの添加によって終結させた。試料は、分析まで−20℃で貯蔵した。ミクロソームの非存在下における対照インキュベーションを実施して、インキュベーション混合物中での[14C]N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−(6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドの化学的安定性を60minにわたって測定した。
Figure 2016518443
試料調製
試験化合物および条件
DMSO中の[14C]N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−(6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドの10mmol/Lのストック溶液を、ミクロソームインキュベーションおよび肝細胞インキュベーションのために使用した。
試料採取時間
すべての種に対する代謝物質プロファイルは、肝細胞を用いて6hのインキュベーション時間で実施し、一方、ヒト肝臓ミクロソームに対する代謝物質プロファイルは、1hのインキュベーション時間で実施した。
代謝物質プロファイル用のインキュベーション方法
肝細胞インキュベーションのために、[14C]N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−(6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドを、10μmol/Lの初期濃度において、1mL当たり約1×10個の生存肝細胞を含んだ血清不含培地(HepatoZYME)中でインキュベートした。
ヒト肝臓ミクロソームインキュベーションのために、[14C]N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−(6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドを10μmol/Lの初期濃度において、0.5mgのミクロソーム/Lと、補因子NADPH、GSHおよびUDPGAとを含有するリン酸バッファー中で、インキュベートした。
代謝物質の構造キャラクタリゼーションを、肝細胞およびミクロソームからのインキュベーション上清を用いたオンライン式放射能検出およびLC−MS分析(精密質量測定を含める)によって達成した。
試料調製
インキュベーション期間の終了時には、インキュベーション懸濁液のアリコート500μLを、二倍量の氷冷したアセトニトリルと混合して、酵素反応を停止させた。混合物をボルテックス混合し、次いで、タンパク質の沈殿を完了させる分析まで少なくとも4時間の間−20℃で貯蔵した。次いで、各試料を解凍し、10000gで10min遠心分離し、続いて上清S1を取り除いた。上清S1を、試料濃縮装置を用いて蒸発させ、さらなる使用まで−20℃で貯蔵した。HPLCへの注入前に、濃縮済み試料を移動相Aで希釈した。
得られたペレットを、2/1(v/v)になった500μLのSolvable/イソプロパノールによって可溶化し、200μL塩酸(2M)で中和した。
回収の測定用の放射能測定
放射能を、Liquid Scintillation Analyzer(モデルTriCarb2200CA、Packard Inst.)によって測定した。インキュベーション混合物のアリコート(50μL)を、10〜15mLのシンチレーションカクテル(Rialuma)の添加後に測定した。可溶化したペレットを、17.5mLのシンチレーションカクテル(IrgaSafe Plus、Zinsser analytic、Frankfurt、Germany)の添加後に測定した。
インキュベーションにおける合計での回収の計算のためには、ペレットは、可溶化しなければならないが、ある程度の放射能が喪失している可能性もある。しかしながら、ペレットと、再構成した4つの種の上清流とにおける放射能回収は、6hのとき、92.3%から97.7%の間の範囲であり、したがって、ほとんど完全であると考えられた。
肝細胞インキュベーションのペレット中の放射能は、すべての試料において0hのとき1.1%未満であり、6hのとき4.5%未満であることが見出された。ヒト肝臓ミクロソームインキュベーションのペレット中では、放射能は、0hにおいては0.7%であり、インキュベーション終了時の1hにおいては1.3%であった。追加の肝細胞インキュベーションのペレット中の放射能は、すべての試料において6hのとき4.2%から9.5%の間の範囲であった。
肝細胞の生存可能性
14C]N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−(6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミド(10μmol/L)を用いたインキュベーション中では、ラット、ウサギ、サルおよびヒトに由来した肝細胞の生存可能性(合計細胞に対する生細胞の%)は、初期の70〜93%から6時間後には8〜42%まで低下した。生存可能性の低下率は、(ヒト≒サル)<ラット<ウサギという順番に従っていた。本化合物の非存在下における対照インキュベーションでは、6時間後に4〜21%という、いくらか低下した生存可能性が示された。
ストック溶液および対照インキュベーション
本研究において使用された[14C]N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−(6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドストック溶液を、オンライン式放射能検出を用いたHPLCによって分析した。放射化学的純度は、99.6%であった。すべての不純物の総計は、0.4%を占めていた。肝細胞または肝臓ミクロソームの非存在下における[14C]N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−(6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドの対照インキュベーションにより、インキュベーション媒体中でのインキュベーションの間における本化合物の安定性を確認した。
インビボプロトコル
動物
動物ライセンス番号
No.18、Kantonales Veterinaramt Basel
種、系統、性別
ラット、Wistar(Han:WIST、アルビノ)、雄性ラット、Brown Norway(Bn/Crl、色素沈着済み)、雄
供給業者
Han:WIST:Harlan、Th Netherlands Bn/Crl:Janvier、France
水/給餌
研究の間を通して、水道水およびNAFAGペレットNo.890(Eberle NAFAG AG、Gossau、Switzerland)を自由に摂取可能
環境条件
22±2℃
製剤
試験製剤は、投与日に新たに調製した。原薬を10%N−メチルピロリドン(NMP)、70%単分散PEG200(テトラ−エチレングリコール)および20%水溶液状の0.9%NaCl溶液に溶解させた。化合物10mgに対して、1グラムのNMPを添加して化合物を溶解させ、次いで、7gのPEG200および2gの0.9%NaClを、合計で10gになるまで引き続き添加した。
投与
投与溶液(1g/kg)を、酸素/イソフルラン(ホレン)混合物(97/3、v/v)の吸入によって麻酔したすべてのラットの大腿静脈にボーラスとして投与した。名目用量は、1mg/kgであった。
血液/血漿
血液試料を舌下から収集した。試料収集のために、ラットを、酸素/イソフルラン(ホレン)混合物(97/3、v/v)の吸入によって麻酔した。舌下静脈を、微細針を用いて穿孔し、必要な血液をK3−EDTAバイアル内に収集した。出血は、傷に綿棒を押し当てることによって10〜15s以内に止めた。ラットは、試料収集の度に約2〜3minの間無意識状態にしておいた。
収集した血液は、収集後10min以内に遠心分離した(3000g、10min、室温)。血漿を分離し、20μLのアリコートを取り除き、秤量し、LSCによって放射能について評価した。残存の血漿を、ABA(グループ1、グループ5a)またはIDD(グループ2)によるN−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−(6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドの測定まで約−80℃で貯蔵した。グループ3およびグループ4で試料採取した血液に関しては、収集血液のアリコート20μLを取り除き、秤量し、LSCによって放射能について評価した。
***物、死骸およびケージ洗液
尿および糞便を、グループ2およびグループ5aの各ラットから定量的に収集した。尿をドライアイスにより収集した。糞便を室温で収集した。毎回の尿収集後、収集バイアルを3〜5mLの水ですすぎ洗いし、この水も各尿試料に添加した。各尿試料(各約0.05g)のアリコート2つを取り除き、秤量し、放射能測定用に処理した。残存の尿は、IDDによる分析まで約−80℃で貯蔵した。各糞便試料を秤量し、1%カルボキシメチルセルロール水溶液(糞便重量の約10倍)を添加し、続いて、回転ナイフ式ホモジナイザー(Polytron)を用いて均一化した。各糞便ホモジネート(それぞれ2〜3g)のアリコート3つを取り除き、秤量し、CO捕集後の放射能測定用に処理した。残存の糞便ホモジネートは、IDDによる分析まで約−20℃で貯蔵した。
死骸は、グループ2およびグループ5aの場合、研究の終了時に収集した。これらの死骸を放射能測定用にさらに処理した。ケージ洗液を、Radiacwash(Biodex Medical Systems、New York、USA;1:10に希釈済み)、水およびエタノールでケージをすすぎ洗いすることによって得た。洗浄手順に使用されたすべての液体は、放射能測定用に一緒にして収集した。
揮発性CO捕集
インビボCO捕集
グループ5aに属する2匹のラット1aおよび2aを、改造した代謝ガラスケージ内で48h飼育した。捕集された合計14CO2の放射能を、エタノールアミン:メタノール(1:10)およびメタノールという2つの捕集媒体中で、試料採取計画に従って各ラットから測定した。
糞便からのCO捕集
糞便ホモジネート入りのバイアルを、気流(2.1〜3.6mL/min)下に維持されたチャンバー内で開いた。上記気流を、それぞれエタノールアミン:メタノール(1:10)およびメタノールという捕集媒体が入っている連接した2つのフラスコの中にバブリングした。こうした媒体を放射能測定用に処理した。
液体シンチレーション計数
生体試料(血液、血漿、尿、糞便および死骸)およびその他の試料(投与溶液、ケージ洗液、捕集溶液)のアリコートにおける放射能を、Packard Instr.製の2500TR液体シンチレーションカウンターを用いてLSCによって測定した。クエンチング補正のために、外部標準法を使用した。クエンチング補正曲線を、密封済み標準物質(Packard Instr.)によって確立した。バックグラウンド値を、各マトリックスのブランク試料を用いて、試料の各バッチについて得た。LODは、バックグラウンド値の1.8倍と規定していた。すべての放射能測定は、秤量済み試料を用いて実施した。
試料調製中の放射能測定
生体試料中の放射能含量、および代謝物質パターン用の試料調製後の放射能の回収を、液体シンチレーション計数によって次の通りに測定した:均一な試料(血漿、尿、糞便、抽出物)を、10〜20mLのIrgasafe Plus液体シンチレーションカクテル(Perkin Elmer)が入っている20mL帯電防止型ポリエチレンバイアル(Packard BioScience、Groningen、The Netherlands)内で直接測定した。不均一試料(糞便、ペレット)を、0.5〜2mLのSolvable(Perkin−Elmer)/イソプロパノール(1:1、v/v)の混合物中に可溶化した。完全な溶解の後、試料を塩酸で中和し、液体シンチレーション計数のために15〜20mLのRialuma液体シンチレーションカクテル(Zinsser Analytic Maidenhead、Berkshire、UK)と混合した。0〜48hにおける糞便プール中の放射能を、CO捕集方法を用いて測定した。試料を、クエンチング補正用の外部標準比の方法を用いて、LSCカウンターモデルTri−Carb(Packard Instruments、Meriden、CT、USA)内で14C放射能について評価した。
試料調製方法 血漿(代謝物質パターン用)
代謝物質パターン分析のために、血漿プール(1つの時点および1匹のラット毎に3μLから15μLまでの範囲になっている、同一の体積)を、i.v.投与後にある後続の時点(0.083h、0.5h、1h、4h、8hおよび24h)(n=4/試料採取)用に調製した。血漿試料を、放射能検出を用いたHPLC分析に直接使用した。HPLCへの注入前に、参照用化合物と230μL溶媒Aとを含有する20μLの混合物を添加した。放射能のHPLC回収を、0.5hおよび8hの血漿プール(n=4)を用いた代表的な別個の試行によって、測定した。回収は、それぞれ93.4%から106.2%の間の範囲であった。したがって、放射能の回収は、完全であることが示された。
放射能のHPLC回収を、0.5hおよび8hの血漿プール(n=4)を用いた代表的な別個の試行によって、測定した。回収は、それぞれ93.4%から106.2%の間の範囲であった。したがって、放射能の回収は、完全であることが示された。秤量済みアリコート状の糞便ホモジネート(11.72g)に対して。混合物に1minボルテックスを生み出し、15min超音波処理し、続いて2000gで15min遠心分離した。次いで、上清S1をペレットP1から取り除いた。第2の抽出ステップにおいて、ペレットP1を10mLの水に溶解させ、先述したように30mLのアセトニトリルで抽出すると、上清S2およびペレットP2が生じた。上清S2を取り除き、ペレットP2を10mLの水に溶解させ、35mLのメタノールで3回目の抽出を行うと、上清S3およびペレットP3が生じた。上清S1〜S3の合計抽出収率は、91.3%であった。上清S1〜S3を合わせ、混合物のアリコートをHPLCシステムに直接注入し、続いてオフライン式無線探知を実施した。別個の試行(糞便プール0〜48h)において測定された放射能のHPLC回収は、100.3%であり、したがって、完全であると考えられた。
代謝物質のプロファイル作成および同定用のHPLC方法
LC設備
バイナリー型キャピラリーポンプモデルG1376A、脱気装置モデルG1379A、および、標準的な13μLフローセルモデルG1315−60012付きのUV/VISダイオードアレイ検出器モデルG1315Bを備え付けた、HPLCシステムモデル1100(Agilent Technologies)。UVスペクトルは、200〜800nmの範囲で監視した。HPLCシステム用の処理ソフトウェアは、LC3D、Rev.B.04.02用のAgilent ChemStationであった。
ガードカラム
ACE3 C18 Guard Cartridge、内径15mm×4.6mm、Art.ACE−111−0103GD(ACT、Aberdeen、Scotland)。
分析カラム
ACE3 C18、3μm、内径150mm×4.6mm、Art.ACE−111〜1546(ACT)
カラム条件
カラムチラーモデル7955(Jones Chromatography Ltd.、Hengoed、Mid.Glamorgan、U.K.)内にある40℃のサーモスタット
注入量
最大250μLの量を、HTS PALオートサンプラー(CTC、Zwingen、Switzerland)を用いて500μL試料ループに注入した。
UV検出を用いたHPLC分析
クロマトグラフィー後、流出物を約1:20の比に分割した。少ない方の量は、エレクトロスプレーLC−MSインターフェース内に誘導した。多い方の部分は、UV検出用に使用し、続いてオンライン式放射能検出用にも使用した。
オンライン式放射能検出
フローセルモデルZ−500−5(Berthold Technologies)を備え付けたHPLC放射能モニターモデルLB513を使用した。このようにして、流出物を、3mL/minの流量で、Rialuma液体シンチレーション混合物(Perkin Elmer)と混合した。クロマトグラムを、RadioStarソフトウェア(Berthold)を用いて評価した。
移動相
A: 10mMギ酸アンモニウム+ギ酸1mL/L;pH=3.58
B: アセトニトリル+ギ酸1mL/L
流量
1000μL/min
グラジエント
0〜5min:10%B;5〜50min:10〜60%B;50〜55min:60〜100%B;55〜60min:100%B
代謝物質同定用のMS法
MS設備
MassLynxバージョン4.1により動作する飛行時間(PremierのQ−T)式質量分析装置(Waters、Manchester、UK)。
コーン電圧
30V
コリジョンエネルギー
コリジョンセル内の分子のフラグメント化のために、15〜35eVのコリジョンエネルギーを適用した
脱溶媒ガス
窒素
イオン化モード
陽イオンモードのエレクトロスプレー、Zスプレーインターフェースには、LockSpray(商標)を選択肢として用いてもよい。
精密質量測定
LockSprayインターフェースの参照チャンネルは、5μL/minの流量において、50/50/0.1(v/v/v)のアセトニトリル/水/ギ酸の混合物中のロイシン−エンケファリン(200pg/μL)の溶液によって動作する。参照チャンネルからのデータ取得中、コーン電圧を40Vに設定し、コリジョンエネルギーを5eVに設定した。
温度
ソースブロック:100℃;脱溶媒:200℃
N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−(6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドのマスフラグメント化の解釈、およびフラグメントイオンの命名法
14C]N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−(6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドのエレクトロスプレー質量スペクトルでは、プロトン化済み無欠失分子イオンM+H(m/z446)、および、鍵となる2つの主要なフラグメントイオンA(m/z255)およびフラグメントイオンB(m/z212)が示された。それほどではないが、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−(6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドは、エーテルのところでフラグメント化して、フラグメントC(m/z122)をもたらす。他のフラグメントは、構造への割り当てへの有用性が劣っている。顕著な標識度(約50%)のために、14C標識を含むフラグメントイオンを質量スペクトルにより観察できたが、提案の構造と合致していた。
Figure 2016518443
提案の代謝物質構造
代謝物質構造は、陽イオンモードのエレクトロスプレーを用いたLC−MSによって、キャラクタリゼーションした。質量スペクトルデータ、マスフラグメントの解釈、および提案の構造を、下記に示されている。代謝物質構造は、正確な質量測定および/または水素−重水素交換実験によっても支持された。移動相中のHOがDOによって置換されたときのM+Hイオンの質量増大は、提案の構造と合致していた。続いて、特許請求の範囲に記載の代謝物質に関するこうした割り当てを、利用可能な参照用化合物に対する保持時間および質量スペクトルデータの比較によって確認した。
Figure 2016518443

Figure 2016518443

Figure 2016518443

Figure 2016518443
N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミド(HCl塩)形態Aの調製
メカニカルスターラー、窒素導入アダプター、温度計、滴下漏斗および冷却浴を備え付けた5L4ツ口丸底フラスコ内に、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−(6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミド(76.8g、172.4mmol)およびエタノール(1.5L)を入れた。白色スラリーを20℃で30min撹拌し、1N(157ml、157mmol)のHClを迅速に添加した(pH=5)。さらなる量のHClを添加して(2g)、pHを4に低下させた。得られた白色懸濁液を23で2h撹拌し、MTBE(1.5L)で希釈した。二相混合物を0〜5℃に冷却し、この温度で3h撹拌した。固体を吸引ろ過によって単離し、冷たいMTBE(2×30mL)で洗浄し、真空オーブン内において55〜60℃で乾燥させると、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−(6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミド塩酸塩(66.9g、81%)がタン色固体として生じた。
上記形態は、XRPDおよびDSCによると結晶性であった。形態AのXRPDが、図1に示されている。形態AのDSCが、図2に示されている。
Figure 2016518443
N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミド(HCl塩)形態Bの調製
N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドのHCl塩の結晶形態Bを、上記実施例5と同じ手順を用いて入手した。形態Bは、形態Aに再び転化することになる一時的な形態である。
上記形態は、XRPDおよびDSCによると結晶性であった。形態BのXRPDが、図3に示されている。形態AのDSCが、図4に示されている。
Figure 2016518443

結晶性N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミド形態Aの調製
結晶性N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドの単結晶型多形が、このようにして確認され、形態Aと同定された。多形は、P1スペース基を有する三斜晶型結晶である。形態Aが、蒸発方法によってメタノール、THF、アセトン、エタノール、アセトニトリル、塩化メチレンの溶液から結晶化すると、1mg/mLの濃度で多形Aが生じた。結晶性N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミド多形Aもまた、>5mg/mLの濃度になっている結晶16を利用して、上記に列記されたすべての上記溶媒中において、加熱/冷却サイクル処理によって調製した。
多形Aは、XRPD(図5)によると非常に結晶性であり、DSC(図6)の形跡は、約195℃の発熱によってキャラクタリゼーションされている。上記形態は、加熱時に0.6%の重量を喪失する。
Figure 2016518443
N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミドの化学合成
Figure 2016518443
メカニカルスターラー、温度計、加熱マントル、還流凝縮器および窒素導入口を備え付けた5L4ツ口丸底フラスコに、23℃で5−ヒドロキシインドール(1,257.7g、1.94mol)およびアセトニトリル(3L)を装入した。黒ずんだ混合物を15min撹拌した。内部温度が15℃に低下した。まとめて、4−(ベンジルオキシメチル)−6−クロロピリミジン(2,386.6g、1.65mol)を添加した。フラスコをアセトニトリル(2×50mL)ですすぎ洗いし、このアセトニトリルをバッチに添加した。反応混合物を20℃に温め、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)(380g、約376mL、2.5mol)を、滴下漏斗によって25minかけて滴下した。反応混合物が黄褐色スラリーから黒ずんだ溶液に変化したら、64〜66℃の内部温度で18h加熱した。反応混合物を50℃の浴温度で濃縮して、アセトニトリルの大部分を除去した。残留物をメチルt−ブチルエーテル(MTBE)(1.5L)および水(1.2L)で希釈した。層どうしを分離し、水性層をMTBE(2×500mL)で抽出した。有機層を合わせ、水(800mL)、0.5N水酸化ナトリウム溶液(800mL)、および塩化ナトリウム飽和溶液(500mL)と水(100mL)との混合物で洗浄した。有機層を50℃の浴温度で濃縮すると、粗製5−(6−(ベンジルオキシメチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール(3,707g、>100%)が黒ずんだ粘性液体として生じ、この黒ずんだ粘性液体をさらなる精製なしで次のステップに使用した。
Figure 2016518443
メカニカルスターラー、温度計、冷却浴、還流凝縮器、滴下漏斗および窒素導入口を備え付けた12L4ツ口丸底フラスコに、23℃で5−(6−(ベンジルオキシメチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール(3,706g、1.65mol、純度補正済み)およびジメチルスルホキシド(DMSO)(5.1L)を装入した。黒ずんだ混合物を23℃で10min撹拌し、水酸化カリウム片(335.5g、5.96mol)をまとめて添加した。15min撹拌した後、反応混合物を水浴中で14〜20℃に冷却し、無水酢酸(591g、5.79mol)を、25℃未満の温度を維持しながら滴下漏斗によって添加した。温度を25℃未満に保持し、反応物を10h撹拌した。反応混合物をMTBE(3L)で希釈し、10〜15℃に冷却した。バッチ温度を25℃未満に維持しながら、水(2.5L)を15minにわたってゆっくり添加した。得られたタン色混合物を21℃で1h撹拌し、終夜静置した。水性層をMTBE(3×1.2L)で抽出した。合わせた有機層(約7L)を重炭酸ナトリウム飽和溶液(1.7L)、水(3×1.5L)および飽和塩化ナトリウム(1.5L)で洗浄した。減圧下において50℃で濃縮すると、暗褐色の粘性液体(604g)が生じた。粗製物を、シリカゲルカラムを用いたろ過によって精製し、MTBEで溶出させると、粗製1−(5−(6−(ベンジルオキシメチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−イル)エタノン(4,593g、96%)がオレンジ色油状物として生じ、このオレンジ色油状物をさらなる精製なしで次のステップに使用した。
Figure 2016518443
メカニカルスターラー、温度計、還流凝縮器、加熱マントルおよび窒素導入口を備え付けた1L4ツ口丸底フラスコに、1−(5−(6−(ベンジルオキシメチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−イル)エタノン(4,100g、267.8mmol)およびトルエン(40mL)を装入した。溶液を23℃で10min撹拌し、トリフルオロ酢酸(368.4g、3.23mol)を迅速に添加した。バッチ温度は、添加中に45℃まで上昇した。混合物を70℃まで20hかけて加熱した。23℃に冷却した後、反応物をトルエン(400mL)で希釈し、重炭酸ナトリウム(280g、3.33mol)、水(1.2L)およびトルエン(200mL)の混合物にゆっくり添加した。温度は、上記添加の間24℃未満に維持した。得られた黄色スラリーを23℃で終夜撹拌した(pH=6)。固体を吸引ろ過し、水(100mL)およびトルエン(100mL)で洗浄し、真空オーブン内において55〜60℃で乾燥させた。乾燥させて得られた材料(61.3g)を、50℃の酢酸エチル(185mL)中で30min撹拌し、続いて23℃で6h撹拌し、上記のように乾燥させることによって精製すると、1−(5−(6−(ヒドロキシメチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−イル)エタノン(5,37.4g、58%)がタン色固体として生じた。
Figure 2016518443
メカニカルスターラー、温度計、冷却浴、滴下漏斗および窒素導入口を備え付けた5L4ツ口丸底フラスコに、1−(5−(6−(ヒドロキシメチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−イル)エタノン(5,134.2g、473.7mmol)(純度93%)、THF(2.4L)および4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(6g、49mmol)に装入した。15min撹拌した後、トリエチルアミン(98g、968.4mmol)をまとめて添加し、得られたスラリーを5℃未満に冷却した。温度を7℃未満に維持しながら、メタンスルホニルクロリド(89g、777mmol)を25minにわたって添加した。タン色懸濁液を0〜5℃で1.5h撹拌した。水(250mL)を添加し、バッチを23℃に温めた。反応混合物を減圧下(浴温度=38℃)で濃縮し、残留物を酢酸エチル(500mL)で希釈した。混合物を再び濃縮し、残留物を酢酸エチル(1L)および水(300mL)で希釈した。23℃で5h撹拌した後、得られた固体を吸引ろ過し、酢酸エチルと水との1:1混合物(2×60mL)で洗浄し、恒量になるまで減圧下において40〜50℃で乾燥させると、6−(1−アセチル−1H−インドール−5−イルオキシ)ピリミジン−4−イル)メチルメタンスルホネート(6,142.2g、83%)がタン色固体として生じた。上記メシル三塩(7)は、酢酸エチル中において23℃で18h撹拌することによって、さらに精製することができる。
Figure 2016518443
メカニカルスターラー、温度計、水浴および窒素導入アダプターを備え付けた5L4ツ口丸底フラスコに、23℃で6−(1−アセチル−1H−インドール−5−イルオキシ)ピリミジン−4−イル)メチルメタンスルホネート(6,118.5g、328.2mmol)(純度95%)、およびTHF中の2M メチルアミン(7,2.04L、4mol)を装入した。透明なオレンジ色溶液を23℃で8h撹拌した。反応混合物を減圧下において40℃で濃縮し、残留物を酢酸エチル(1.2L)で希釈した。20℃において、水(500mL)中の炭酸ナトリウム(90g)の溶液を添加した。有機層を分離し、水(400mL)および飽和塩化ナトリウム(400mL)で洗浄した。有機層を減圧下において40℃で濃縮し、得られた固体を酢酸イソプロピル(250mL)40℃で1h撹拌し、次いで23℃で6h撹拌した。固体を吸引ろ過によって単離し、酢酸イソプロピル(2×15mL)で洗浄し、減圧下において45℃で乾燥させると、1−(6−(1H−インドール−5−イルオキシ)ピリミジン−4−イル)−N−メチルメタンアミン(8,66.4g、80%)がタン色固体として生じた。
Figure 2016518443
温度計、加熱マントル、窒素導入口、還流凝縮器および滴下漏斗を備え付けた3L4ツ口丸底フラスコに、室温で1−(6−(1H−インドール−5−イルオキシ)ピリミジン−4−イル)−N−メチルメタンアミン(8,33.2g、130.561mmol)およびジクロロメタン(1.125L)を装入した。霞んだ黄色の溶液を23℃で10min撹拌した。この混合物に、まとめた固体状のジ−tert−ブチルジカルボネート(28.210g、129.255mmol)を添加し、溶液を23℃で12h撹拌した。濁ったオレンジ色溶液をろ紙によってろ過し、濃縮(38℃/300mm)すると、オレンジ色のゴム状物質(62.9g)になった。酢酸エチル(0.4L)を添加し、溶液を15%アンモニア水(125mL)および飽和塩化ナトリウム(125mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、溶液を40℃/100mmにおいてロータリーエバポレーターによって濃縮すると、黒ずんだオレンジ色油状物(46.3g)になった。油状物を、1:1のMTBE/ヘプタン(80mL)中で12h撹拌し、得られた黄色固体をろ過し、2:1のヘプタン/MTBE(2×55mL)で洗浄し、真空オーブン内において50℃で終夜乾燥させると、tert−ブチル(6−(1H−インドール−5−イルオキシ)ピリミジン−4−イル)メチル(メチル)カルバメート(9,33.8g、71%)が生じた。
Figure 2016518443
メカニカルスターラー、窒素導入口、還流凝縮器および温度計を備え付けた5L4ツ口丸底フラスコに、フェニルカルボノクロリデート(phenyl carbonochloridate)(9c、94ml、0.75mol、117.5g)およびTHF(2000mL)を入れた。溶液を還流(80℃の内部温度)において加熱し、THF(500mL)中の1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−アミン(9b、82.5g、499.649mmol)を30minにわたって滴下した。透明なオレンジ色溶液を還流において16h加熱し、ロータリーエバポレーター(40℃、120mm)により濃縮した。得られた白色固体をヘプタン(500mL)中で30min撹拌し、ろ過し、ヘプタンで洗浄し、真空オーブン内において50℃で乾燥させると、フェニル1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イルカルバメート(9a、121.9g、85%)が白色固体として生じた。
Figure 2016518443
水素化ナトリウム(60%油中分散物)(38.145g、953.717mmol)をTHF(1375mL)中に懸濁させ、氷浴中で0℃に冷却した。温度を5℃未満に保持しながら、THF(1375mL)中のtert−ブチル(6−(1H−インドール−5−イルオキシ)ピリミジン−4−イル)メチル(メチル)カルバメート(9,130.000g、366.814mmol)の溶液を90minにわたって滴下した。懸濁液が灰色からオレンジ色に変化した。0℃で0.5h撹拌した後、THF(500mL)中のフェニル1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イルカルバメート(9a、115.086g、403.495mmol)の溶液を、60minかけて滴下した。混合物を0℃で1h撹拌すると、このとき、混合物が暗褐色懸濁液(いくらかの固体が存在する。)になった。酢酸エチル(3500mL)および飽和塩化アンモニウム(1000mL)を0℃で添加した。数分撹拌した後、層どうしを分離し、有機層を飽和塩化ナトリウム(1500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。酢酸エチル溶液を、ブフナー漏斗上のSilica Gel 60(230〜400メッシュ)およびCeliteによってろ過し、ろ液を濃縮すると、濡れたベージュ色固体(NaHに由来した油状物)になった。MTBE(625mL)を添加し、混合物を60min撹拌した。得られた固体をろ過し、MTBE(2×250mL)で洗浄し、真空オーブン内において50℃で乾燥させると、tert−ブチルメチル((6−(1−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イルカルバモイル)−1H−インドール−5−イルオキシ)ピリミジン−4−イル)メチル)カルバメート(10)(150.7g、75%)がオフホワイト色固体として生じた。
Figure 2016518443
メカニカルスターラー、窒素導入アダプター、温度計および滴下漏斗を備え付けた5L4ツ口丸底フラスコ内に、tert−ブチルメチル((6−(1−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イルカルバモイル)−1H−インドール−5−イルオキシ)ピリミジン−4−イル)メチル)カルバメート(10)(180g、330mmol)およびジクロロメタン(2880ml)を入れた。固体が溶解すると、透明なオレンジ色溶液が形成され、この溶液を5℃未満に冷却した。この時点で、温度を5℃未満に保持しながら2,2,2−トリフルオロ酢酸(396ml、5.34mol)を滴下した。添加の時間は、約1.5hであった。冷却浴を取り除き、溶液を22℃に温め、5.5h撹拌した。溶液を、水(3600mL)中の炭酸ナトリウム(792g)の溶液にゆっくり添加した(T=10〜15℃)。わずかな発熱が観察されると、白色懸濁液が形成された。この懸濁液を終夜撹拌した。懸濁液をろ過し、固体を水(2×1500mL)で洗浄した。漏斗上で数時間空気乾燥させた後、固体を真空オーブン内において50℃で終夜乾燥させた。乾燥させた固体(356.7g)を水(3600mL)中で終夜撹拌し、ろ過し、水(3×500mL)で洗浄し、上記のように乾燥させると、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−(6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イルオキシ)−1H−インドール−1−カルボキサミド(11,120g、80%)がオフホワイト色固体として生じた。
LanthaScreen TR−FRET法によって測定されるKDRタンパク質キナーゼ活性
一般的なアッセイ設定を、液体取り扱い用ロボットにより室温で運転した。50nLの化合物または対照溶液が入ったアッセイプレートに、4.5μLのATP混合物(20mM Tris−HCl pH7.4、1mMのDTT、0.025% Tween20、0.01mM NaVO、10mM MgCl、1mM MnClおよび4μM ATP)を1ウェル毎に添加した。続いて、4.5μLの酵素−基質混合物(20mM Tris−HCl pH7.4、1mM DTT、0.025% Tween20、0.01mM NaVO、10mM MgCl、1mM MnCl、0.5%BSA、100nM フルオレセイン標識ポリ(EAY)および0.76nM KDR(GST−KDR(807−1356)、内部で生成された組み換えタンパク質)を添加した。
最終的な反応体積は、9.05μLであり、このとき、最終的な試薬濃度は、20mM Tris−HCl pH7.4、1mM DTT、0.025% Tween20、0.01mM NaVO、10mM MgCl、1mM MnClであり、2μM ATP、50nMの基質フルオレセイン標識ポリ(EAY)および0.38nM酵素という一般的な濃度も含んでいる。
インキュベーションの1時間後、キナーゼ反応を、4.5μLの停止液(20mM Tris−HCl pH7.4、1mM DTT、0.025% Tween20、0.01mM NaVO、50mM EDTA)を添加した直後、4.5μLの抗体溶液(20mM Tris−HCl pH7.4、1mM DTT、0.025% Tween20、0.01mM NaVO、1.72μg/ml Tb−PY20)を添加することによって、停止させた。
暗所における45minのインキュベーション時間後、プレートを蛍光リーダーに移し、時間分解蛍光モード(試薬供給業者の推奨に従ったセッティング)により計数した。酵素活性に対する化合物の効果を、エンドポイント測定から得た。
Figure 2016518443

Claims (9)

  1. Figure 2016518443

    から選択される、N−(1−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−((6−((メチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ−1H−インドール−1−カルボキサミドの代謝物質またはその塩。
  2. Figure 2016518443

    である、請求項1に記載の代謝物質またはその塩。
  3. 請求項1または2に記載の代謝物質またはその塩、および少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬製剤。
  4. 患者の眼内血管新生性疾患を治療する方法であって、請求項1または2に記載の代謝物質またはその塩を、療法を必要としている前記患者に投与するステップを含む方法。
  5. タンパク質キナーゼ、特にタンパク質チロシンキナーゼに媒介される対象の疾患または障害、より特定的にはVEGF−R受容体依存性疾患の治療のための、請求項1または2のいずれか一項に記載の代謝物質またはその塩の使用。
  6. タンパク質キナーゼ、特にタンパク質チロシンキナーゼ、さらに特にVEGF−R受容体の異常活性を特徴とする、対象の障害または疾患の治療のための、請求項1または2のいずれか一項に記載の代謝物質の使用。
  7. 対象のVEGF−R活性を阻害する方法であって、治療有効量の請求項1または2のいずれか一項に記載の代謝物質を前記対象に投与することを含む方法。
  8. VEGF−Rに媒介される対象の障害または疾患を治療する方法であって、治療有効量の請求項1または2のいずれか一項に記載の代謝物質を前記対象に投与することを含む方法。
  9. 前記疾患が、AMDまたは糖尿病網膜症である、請求項8に記載の方法。
JP2016513490A 2013-05-17 2014-05-16 ピリミジン−4−イル)オキシ)−1h−インドール−1−カルボキサミド誘導体およびその使用 Pending JP2016518443A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201361824464P 2013-05-17 2013-05-17
US61/824,464 2013-05-17
PCT/IB2014/061484 WO2014184778A1 (en) 2013-05-17 2014-05-16 Pyrimidin-4-yl)oxy)-1h-indole-1-carboxamide derivatives and use thereof

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016518443A true JP2016518443A (ja) 2016-06-23

Family

ID=50896374

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016513490A Pending JP2016518443A (ja) 2013-05-17 2014-05-16 ピリミジン−4−イル)オキシ)−1h−インドール−1−カルボキサミド誘導体およびその使用

Country Status (13)

Country Link
US (2) US20150018376A1 (ja)
EP (1) EP2997022B1 (ja)
JP (1) JP2016518443A (ja)
KR (1) KR20160010522A (ja)
CN (1) CN105452241B (ja)
AR (1) AR096322A1 (ja)
AU (1) AU2014266867B2 (ja)
BR (1) BR112015028551A2 (ja)
CA (1) CA2912130A1 (ja)
EA (1) EA201592190A1 (ja)
ES (1) ES2699776T3 (ja)
MX (1) MX2015015845A (ja)
WO (1) WO2014184778A1 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003503481A (ja) * 1999-07-02 2003-01-28 アゴウロン・ファーマスーティカルス・インコーポレーテッド インダゾール及びプロテインキナーゼ阻害のためのその使用
JP2012511535A (ja) * 2008-12-09 2012-05-24 ノバルティス アーゲー Vegf−r2のピリジルオキシインドール類阻害剤および疾患の処置のためのその使用

Family Cites Families (36)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1524747A (en) 1976-05-11 1978-09-13 Ici Ltd Polypeptide
PT72878B (en) 1980-04-24 1983-03-29 Merck & Co Inc Process for preparing mannich-base hydroxamic acid pro-drugs for the improved delivery of non-steroidal anti-inflammatory agents
EP0100172B1 (en) 1982-07-23 1987-08-12 Imperial Chemical Industries Plc Amide derivatives
GB8327256D0 (en) 1983-10-12 1983-11-16 Ici Plc Steroid derivatives
US5093330A (en) 1987-06-15 1992-03-03 Ciba-Geigy Corporation Staurosporine derivatives substituted at methylamino nitrogen
US5010099A (en) 1989-08-11 1991-04-23 Harbor Branch Oceanographic Institution, Inc. Discodermolide compounds, compositions containing same and method of preparation and use
NZ243082A (en) 1991-06-28 1995-02-24 Ici Plc 4-anilino-quinazoline derivatives; pharmaceutical compositions, preparatory processes, and use thereof
AU661533B2 (en) 1992-01-20 1995-07-27 Astrazeneca Ab Quinazoline derivatives
TW225528B (ja) 1992-04-03 1994-06-21 Ciba Geigy Ag
GB9314893D0 (en) 1993-07-19 1993-09-01 Zeneca Ltd Quinazoline derivatives
DK0817775T3 (da) 1995-03-30 2001-11-19 Pfizer Quinazolinderivater
GB9508538D0 (en) 1995-04-27 1995-06-14 Zeneca Ltd Quinazoline derivatives
US5747498A (en) 1996-05-28 1998-05-05 Pfizer Inc. Alkynyl and azido-substituted 4-anilinoquinazolines
US5843901A (en) 1995-06-07 1998-12-01 Advanced Research & Technology Institute LHRH antagonist peptides
JP4146514B2 (ja) 1995-07-06 2008-09-10 ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト ピロロピリミジン類およびその製造方法
US5760041A (en) 1996-02-05 1998-06-02 American Cyanamid Company 4-aminoquinazoline EGFR Inhibitors
GB9603095D0 (en) 1996-02-14 1996-04-10 Zeneca Ltd Quinazoline derivatives
SI0892789T2 (sl) 1996-04-12 2010-03-31 Warner Lambert Co Ireverzibilni inhibitorji tirozin kinaz
CA2258548C (en) 1996-06-24 2005-07-26 Pfizer Inc. Phenylamino-substituted tricyclic derivatives for treatment of hyperproliferative diseases
JP2001500851A (ja) 1996-08-30 2001-01-23 ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト エポシロンの製造法および製造過程中に得られる中間生産物
WO1998010121A1 (en) 1996-09-06 1998-03-12 Obducat Ab Method for anisotropic etching of structures in conducting materials
AU4342997A (en) 1996-09-13 1998-04-02 Sugen, Inc. Use of quinazoline derivatives for the manufacture of a medicament in the reatment of hyperproliferative skin disorders
EP0837063A1 (en) 1996-10-17 1998-04-22 Pfizer Inc. 4-Aminoquinazoline derivatives
PT941227E (pt) 1996-11-18 2004-08-31 Biotechnolog Forschung Mbh Gbf Epothilona d sua preparacao e sua utilizacao como agente citostatico ou como agente de proteccao fitossanitaria
US6441186B1 (en) 1996-12-13 2002-08-27 The Scripps Research Institute Epothilone analogs
CO4940418A1 (es) 1997-07-18 2000-07-24 Novartis Ag Modificacion de cristal de un derivado de n-fenil-2- pirimidinamina, procesos para su fabricacion y su uso
GB9721069D0 (en) 1997-10-03 1997-12-03 Pharmacia & Upjohn Spa Polymeric derivatives of camptothecin
US6194181B1 (en) 1998-02-19 2001-02-27 Novartis Ag Fermentative preparation process for and crystal forms of cytostatics
JP2002504540A (ja) 1998-02-25 2002-02-12 スローン−ケッタリング インスティトゥート フォア キャンサー リサーチ エポチロンの合成、その中間体およびそのアナログ
JP4516690B2 (ja) 1998-08-11 2010-08-04 ノバルティス アーゲー 血管形成阻害活性を有するイソキノリン誘導体
AU768220B2 (en) 1998-11-20 2003-12-04 Kosan Biosciences, Inc. Recombinant methods and materials for producing epothilone and epothilone derivatives
KR100371449B1 (ko) 1999-07-20 2003-02-07 주식회사 아이디어파크 무선 이어폰/마이크를 갖는 착탈형 무선전환장치
PE20020354A1 (es) 2000-09-01 2002-06-12 Novartis Ag Compuestos de hidroxamato como inhibidores de histona-desacetilasa (hda)
AR035885A1 (es) 2001-05-14 2004-07-21 Novartis Ag Derivados de 4-amino-5-fenil-7-ciclobutilpirrolo (2,3-d)pirimidina, un proceso para su preparacion, una composicion farmaceutica y el uso de dichos derivados para la preparacion de una composicion farmaceutica
GB0119249D0 (en) 2001-08-07 2001-10-03 Novartis Ag Organic compounds
WO2004078163A2 (en) 2003-02-28 2004-09-16 Transform Pharmaceuticals, Inc. Pharmaceutical co-crystal compositions of drugs such as carbamazepine, celecoxib, olanzapine, itraconazole, topiramate, modafinil, 5-fluorouracil, hydrochlorothiazide, acetaminophen, aspirin, flurbiprofen, phenytoin and ibuprofen

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003503481A (ja) * 1999-07-02 2003-01-28 アゴウロン・ファーマスーティカルス・インコーポレーテッド インダゾール及びプロテインキナーゼ阻害のためのその使用
JP2012511535A (ja) * 2008-12-09 2012-05-24 ノバルティス アーゲー Vegf−r2のピリジルオキシインドール類阻害剤および疾患の処置のためのその使用

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
BIOCHEMICAL PHARMACOLOGY, vol. 34, no. 18, JPN6018007414, 1985, pages 3375 - 3377, ISSN: 0004103395 *
CANCER CHEMOTHERAPY AND PHARMACOLOGY, vol. 70, no. 5, JPN6018007413, 2012, pages 653 - 663, ISSN: 0004103394 *

Also Published As

Publication number Publication date
AU2014266867A1 (en) 2015-12-03
US9604969B2 (en) 2017-03-28
KR20160010522A (ko) 2016-01-27
US20150018376A1 (en) 2015-01-15
AR096322A1 (es) 2015-12-23
CA2912130A1 (en) 2014-11-20
MX2015015845A (es) 2016-06-29
CN105452241A (zh) 2016-03-30
BR112015028551A2 (pt) 2017-07-25
AU2014266867B2 (en) 2017-07-13
EP2997022B1 (en) 2018-08-29
US20160115156A1 (en) 2016-04-28
EP2997022A1 (en) 2016-03-23
ES2699776T3 (es) 2019-02-12
CN105452241B (zh) 2018-01-05
WO2014184778A1 (en) 2014-11-20
EA201592190A1 (ru) 2016-04-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5580330B2 (ja) Vegf−r2のピリジルオキシインドール類阻害剤および疾患の処置のためのその使用
JP6947743B2 (ja) 新規な2−置換インダゾール、その製造方法、それを含有する医薬製剤、および薬物を製造するためのその使用
JP6535022B2 (ja) ヘテロアリールsyk阻害剤
JP6379115B2 (ja) 化学物質
KR20190012167A (ko) 이소퀴놀린-3-일 카르복스아마이드 및 이의 제제와 용도
TWI605043B (zh) 雜環化合物及其使用方法
JP6564406B2 (ja) カゼインキナーゼ1デルタ/イプシロン阻害剤としてのイミダゾ−ピリダジン誘導体
EA026655B1 (ru) 6-ЗАМЕЩЕННЫЕ 3-(ХИНОЛИН-6-ИЛТИО)[1,2,4]ТРИАЗОЛО[4,3-a]ПИРИДИНЫ В КАЧЕСТВЕ ИНГИБИТОРОВ c-MET ТИРОЗИНКИНАЗЫ
KR20170095243A (ko) Pi3kbeta 저해제로서의 헤테로사이클릴 연결된 이미다조피리다진 유도체
US9604969B2 (en) Pyrimidin-4-yl)oxy)-1h-indole-1-carboxamide derivatives and use thereof
US11434239B2 (en) Aza-dihydro-acridone derivatives
WO2016127455A1 (zh) 嘧啶衍生物、细胞毒性剂、药物组合物及其应用
TWI690528B (zh) 稠環雙環吡啶基衍生物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170509

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180306

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180606

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180803

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190129

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190411

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190903