JP2016516875A - ポリアリールエーテルスルホンコポリマー - Google Patents

ポリアリールエーテルスルホンコポリマー Download PDF

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Abstract

本発明は、以下の成分:(A1)少なくとも1種の芳香族ジハロゲン化合物、(B1)少なくとも1種の芳香族ジヒドロキシ化合物、(B2)少なくとも1つの遊離ヒドロキシ基(−OH)と少なくとも1つのキャップされたヒドロキシ基(−ORA)とを有する少なくとも1種のポリアルキレンオキシド化合物、(C)少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒、及び(D)少なくとも1種の金属炭酸塩を含む反応混合物(RG)の重縮合を含むポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)の製造方法であって、前記反応混合物(RG)が、水と共沸混合物を形成する物質を含有しない前記方法に関する。

Description

本発明は、ポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマーの製造方法及び前記ポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー自体に関する。
ポリアリールエーテルスルホンポリマーは高性能熱可塑性樹脂の群に属し、高い耐熱形状安定性や良好な機械的特性、そして固有の難燃性を特徴としている。
ポリアリールエーテルスルホンの製造は、いわゆる水酸化物法か又はいわゆる炭酸塩法のいずれかにより行われることができる。水酸化物法によるポリアリールエーテルスルホンポリマーの製造の場合には、第一のステップにおいて芳香族ジヒドロキシ化合物から相応するジフェノラートジアニオンが製造される。このために、芳香族ジヒドロキシ化合物は、例えば水酸化ナトリウムのような強塩基により脱プロトン化される。その際、この脱プロトン化は、例えばジメチルスルホキシド(DMSO)のような非プロトン性極性溶媒中で行われる。この芳香族ジヒドロキシ化合物の脱プロトン化の際には水が遊離する。この水酸化物法の場合、形成された水をできるだけ完全にジフェノラートジアニオンから除去することが必要である。形成された水不含のジフェノラートジアニオンは、次いで第二のステップにおいて芳香族ジハロゲン化合物と反応する。この第二のステップにおいてポリアリールエーテルスルホンポリマーが形成される。水酸化物法によるポリアリールエーテルスルホンポリマーの製造の場合には、第一のステップにおいて、芳香族ジヒドロキシ化合物の脱プロトン化の際に、この芳香族ジヒドロキシ化合物と脱プロトン化に使用される水酸化ナトリウムとの化学量論比が出来る限り厳密に維持される必要がある。化学量論比からわずかにずれただけでも、反応の際に形成されるポリマーの分子量の劇的な減少につながる場合がある。
さらに、水酸化物法において使用される強塩基によって、重縮合の際に形成されるエーテル結合が切断されることがあり、これは反応の際に形成されるポリマーの分子量のさらなる低下につながる。従って、水酸化物法によるポリアリールエーテルスルホンポリマーの製造は失敗し易く、また化学量論比を厳密に維持するための測定コストや二段合成によって極めて煩雑でかつ高コストである。
炭酸塩法の場合には、芳香族ジヒドロキシ化合物と芳香族ジハロゲン化合物とが、好ましくは炭酸カリウムのような炭酸塩の存在下に反応する。この場合、溶媒としては通常N,N−ジメチルアセタミド又はNMPが使用され、水を除去するための共沸添加剤としてトルエンが添加される。
炭酸塩法の場合には、本来の重縮合反応の前に反応混合物からトルエンと水とからの共沸混合物が留去され、それによって、この反応混合物において芳香族ジヒドロキシ化合物からジフェノラートジアニオンが形成される。この炭酸塩法は、水酸化物法に対して、形成されるポリマーの分子量の減少を招くことなく、塩基として使用される炭酸カリウムを過剰で使用できるという利点を有する。これによって反応実施が水酸化物法に比べて容易になる。従来技術において記載されている炭酸塩法によるポリアリールエーテルスルホンポリマーの製造方法の場合、水を除去するためには、例えばトルエンのような共沸添加剤の使用が不可欠である。
水酸化物法ないし炭酸塩法によるポリアリールエーテルスルホンポリマーの製造に関する概論は、例えばJ. E. McGrath et. al, POLYMER 25, 1984, p.1827-1836に示されている。
ポリアリールエーテルスルホンポリマーは生体適合性が良好であることから、このポリマーは透析系やろ過系を製造するための材料としても使用される。しかしながら多くの応用に関して、ポリアリールエーテルスルホンポリマーの親水性が低いことが欠点である。
ポリアリールエーテルスルホンポリマーの親水性を高めるために、刊行物には、例えばポリアルキレンオキシドのような親水性単位をポリアリールエーテルスルホンポリマーに組込むという方法が記載されている。
例えばF. Hancock, Macromolecules 1996, 29, p.7619-7621には、ポリアリールエーテルスルホン−ポリエチレンオキシド−ブロックコポリマーの製造方法が記載されている。その際、この製造は炭酸塩法により行われる。このために、炭酸カリウム及びN−メチルピロリドンとトルエンとからの溶媒混合物の存在下に、モノメチルポリエチレングリコール(Me−PEG)、ビスフェノールA及び4,4’−ジクロロジフェニルスルホンの反応が行われる。この反応に関しては、生成される反応水が分離除去されることが極めて重要である。このために、反応水が水とトルエンとからの共沸混合物として150〜160℃の範囲内の温度で分離除去され、その後、180〜190℃の温度で本来の重縮合が行われる。その際に、Me−PEG単位をポリアリールエーテルスルホンブロックの末端基として含むポリアリールエーテルスルホン−ポリエチレンオキシド−ブロックコポリマーが得られる。
EP 0 739 925にも同様に、ポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマーの製造が記載されている。その際、この製造は水酸化物法により行われる。このために、まずビスフェノールAが水酸化ナトリウムの存在下に脱プロトン化され、それによって相応するジフェノラートジアニオンが製造される。その際、この脱プロトン化は、ジメチルスルホキシド中で共沸添加剤としてのクロロベンゼンの存在下に行われる。ジフェノラートジアニオンを水不含の形態で得るために、水がクロロベンゼンと共に共沸混合物として留去される。その後、ビスフェノールAの水不含のジフェノラートアニオンとジクロロジフェニルスルホンとの反応が行われる。
US 5,700,902には、炭酸塩法によるポリアリールエーテルスルホン−ポリエチレンオキシド−ブロックコポリマーの製造方法が記載されている。このために、炭酸カリウムの存在下に、モノメチルポリエチレングリコール(Me−PEG)とビスフェノールAとジクロロジフェニルスルホンとの反応が行われる。溶媒としては、N−メチルピロリドンと共沸添加剤としてのトルエンとからの混合物が使用される。生成される反応水は、トルエンと水とからの共沸混合物として除去される。
WO 97/22406には、ポリアリールエーテルスルホン−ポリエチレンオキシド−ブロックコポリマーの製造方法が記載されている。この方法の場合、親水性を高めるために使用されるポリエチレングリコールが、第一のステップにおいて活性化される。ポリエチレングリコールを活性化させるため、ポリエチレングリコールのメシル化が行われる。このために、ポリエチレングリコールが低温でジクロロメタン中でトリエチルアミンにより脱プロトン化され、次いでメタンスルホニルクロリドとの反応が行われる。第二のステップにおいて、ポリアリールエーテルスルホンポリマーが、ビスフェノールAとジクロロジフェニルスルホンとの縮合により製造される。第三のステップにおいて、第二のステップで製造されたポリアリールエーテルスルホンポリマーと活性化された(メシル化された)ポリエチレングリコールとの反応が行われ、その際、反応水が同様にトルエンと水とからの共沸混合物として除去される。その際、この重縮合は、塩基としての炭酸カリウムの存在下に、かつ溶媒としてのN−メチルピロリドン及びトルエン中で行われる。第一のステップにおいて実施されるポリエチレングリコールの活性化は極めて高コストであり、また煩雑であるため、大工業的な合成には不向きである。
従来技術において記載されているポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックポリマーの製造方法は、煩雑でありまた高コストである。炭酸塩法により行われる公知の方法では、形成される反応水を除去するために、例えばトルエンやクロロベンゼンといった共沸添加剤の使用が不可欠である。こうした共沸添加剤の使用によって、下流の後処理ステップにおいて使用される溶媒混合物の分離の問題が生じ、また返送流が比較的多くなり、そして結果的には処理コストの上昇につながる。従来技術において記載されている水酸化物法による方法も、上記のように同様に煩雑でかつ高コストである。何故ならば合成が二段で行われる必要があるためである。さらに、芳香族ジヒドロキシ化合物と使用される塩基との化学量論比を厳密に維持する必要がある。そのため、この方法は失敗し易く、またこれに付随して測定コストが上昇する。
活性化されたポリエチレングリコールが使用される方法もまた不利である。その理由は特に、使用されるポリエチレングリコールの活性化の上流のステップが煩雑でありかつ高コストであり、この方法を大工業的に経済的に実施することができないためである。
従来技術において記載されているポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマーの製造方法は、さらに、往々にして、親水性を高めるために使用されるポリアルキレンオキシドの組込み率が不十分にしか達成されないことが多い。ここで、組込み率とは、初めに重縮合反応に投入されたポリアルキレンオキシドの量に対する、得られたポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー中に組込まれたポリアルキレンオキシドの量と解釈される。さらに、従来技術において記載されているポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマーの製造方法においては、大抵の場合、得られる分子量分布が極めて広い。分子量分布に関する一つの目安に多分散度(Q)がある。多分散度(Q)は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比として定義される。従来技術において記載されている方法においては、明らかに4を上回る多分散度(Q)が得られることが多い。
従って本発明は、従来技術において記載されている方法の欠点を有しないか又は低減された程度で有するに過ぎないポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)の製造方法を提供することであった。その際、本発明による方法は、できるだけ失敗しにくく、また低コストで容易に実施できることが望ましい。本発明による方法によって、使用されるポリアルキレンオキシドに関して良好な組込み率が達成されることが望ましい。さらに本発明による方法によって、狭い分子量分布を有する、従って低い多分散度(Q)を有するポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)が得られることが望ましい。このポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)はさらに、高いガラス転移温度を有し、また例えば共沸添加剤のような異種材料の低い割合を有することが望ましい。
前記課題は、本発明によれば、以下の成分:
(A1)少なくとも1種の芳香族ジハロゲン化合物、
(B1)少なくとも1種の芳香族ジヒドロキシ化合物、
(B2)少なくとも1つの遊離ヒドロキシ基(−OH)と少なくとも1つのキャップされたヒドロキシ基(−ORA)とを有する少なくとも1種のポリアルキレンオキシド化合物、
(C)少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒、及び
(D)少なくとも1種の金属炭酸塩
を含む反応混合物(RG)の重縮合を含むポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)の製造方法であって、前記反応混合物(RG)が、水と共沸混合物を形成する物質を含有しない前記方法により解決される。
本発明による方法により、より低い多分散度(Q)を有するポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)が得られることが判明した。このことは、従来技術において記載されている方法では共沸添加剤の使用が必須の要件として記載されているだけに、意想外である。さらに、本発明による方法によって、芳香族ジヒドロキシ化合物として4,4’−ジヒドロキシビフェニル又は4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを含有するポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)が得られる。これにより、従来技術において記載されているポリマーよりもビスフェノールAの含有量が少ないポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)を製造することが可能となる。さらに、ビスフェノールAを含まないポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)を製造することが可能であり、すなわち、その製造の際にモノマーとしてビスフェノールAを使用しなくて済む。このことは有利であり、それというのも、ビスフェノールAは毒物学的に懸念すべきであるためである。
反応混合物(R G
本発明によるポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)の製造のために、上記成分(A1)、(B1)、(B2)、(C)及び(D)を含む反応混合物(RG)の反応が行われる。その際、前記成分(A1)、(B1)及び(B2)は重縮合反応を生じる。
前記成分(C)は溶媒としての役割を果たす。前記成分(D)は、縮合反応中に前記成分(B1)及び(B2)を脱プロトン化させるための塩基としての役割を果たす。
その際、反応混合物(RG)とは、本発明によるポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)の製造方法において使用される混合物と解釈される。本発明においては、全てのデータは前記反応混合物(RG)に対するものであり、従って重縮合の前に存在する混合物に関するものである。本発明による方法の間に重縮合が生じ、その際、前記反応混合物(RG)は前記成分(A1)、(B1)及び(B2)の重縮合によって目的生成物であるポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)へと転化される。この重縮合により得られる、目的生成物であるポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)を含有する混合物は、生成物混合物(PG)とも称される。
通常は、前記反応混合物(RG)の成分は一緒に反応する。その際、個々の成分は上流のステップにおいて混合され、次いで反応が行われることができる。個々の成分を反応器へ供給し、その中でこれらを混合し、次いで反応させることも可能である。
本発明による方法の場合、前記反応混合物(RG)の個々の成分を通常は一緒に反応させる。その際、この反応は好ましくは一段で行われる。つまり、前記成分(B1)及び(B2)の脱プロトン化と、前記成分(A1)及び(B1)及び(B2)の間の縮合反応とが一段の反応ステップで行われ、例えば前記成分(B1)ないし(B2)の脱プロトン化種のような中間生成物は単離されない。
本発明による方法は、いわゆる炭酸塩法で行われる。本発明による方法は、いわゆる水酸化物法では行われない。つまり、本発明による方法はフェノラートアニオンの単離下に二段で行われるのではない。好ましい一実施形態においては、前記反応混合物(RG)は実質的にアルカリ金属水酸化物やアルカリ土類金属水酸化物を含有しない。ここでの「実質的に含有しない」とは、前記反応混合物(RG)が、前記反応混合物(RG)の総質量に対して、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物を100ppm未満、好ましくは50ppm未満含有することであると解釈される。好ましくは、前記反応混合物(RG)は実質的に水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムを含有しない。
成分(A1)
成分(A1)として、前記反応混合物(RG)は少なくとも1種の芳香族ジハロゲン化合物を含有する。ここでの「少なくとも1種の芳香族ジハロゲン化合物」とは、ちょうど1種の芳香族ジハロゲン化合物、及び2種以上の芳香族ジハロゲン化合物からの混合物と解釈される。好ましくは、前記反応混合物(RG)は成分(A1)として少なくとも1種の芳香族ジハロゲンスルホン化合物を含有する。芳香族ジハロゲンスルホン化合物(成分(A1))として特に好ましいのは、ジハロゲンジフェニルスルホンである。
従って、前記反応混合物(RG)が成分(A1)として少なくとも1種のジハロゲンジフェニルスルホンを含有する方法も、本発明の対象である。
前記成分(A1)は、好ましくはモノマーとして使用される。つまり、前記反応混合物(RG)は成分(A1)をプレポリマーとしてではなくモノマーとして含有する。
前記反応混合物(RG)は、成分(A1)として、好ましくは、1種の芳香族ジハロゲンスルホン化合物、好ましくは1種のジハロゲンジフェニルスルホン化合物を、前記反応混合物(RG)中の前記成分(A1)の総質量に対して少なくとも50質量%含有する。
ジハロゲンジフェニルスルホンのうち、4,4’−ジハロゲンジフェニルスルホンが好ましい。成分(A1)として特に好ましいのは、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン及び4,4’−ジブロモジフェニルスルホンである。特に好ましいのは4,4’−ジクロロジフェニルスルホン及び4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンであり、その際、4,4’−ジクロロジフェニルスルホンが最も好ましい。
従って、前記成分(A1)が、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン及び4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンからなる群から選択される少なくとも1種の芳香族ジハロゲンスルホン化合物を、前記反応混合物(RG)中の前記成分(A1)の総質量に対して少なくとも50質量%含有することを特徴とする方法も、本発明の対象である。
特に好ましい一実施形態においては、前記成分(A1)は、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン及び4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンからなる群から選択される1種の芳香族ジハロゲンスルホン化合物を、前記反応混合物(RG)中の前記成分(A1)の総質量に対して少なくとも80質量%、好ましくは少なくとも90質量%、さらに好ましくは少なくとも98質量%含有する。
もう一つの特に好ましい一実施形態においては、前記成分(A1)は、実質的に、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン及び4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンからなる群から選択される少なくとも1種の芳香族ジハロゲンスルホン化合物からなる。ここでの「実質的に〜からなる」とは、前記成分(A1)が、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン及び4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンからなる群から選択される少なくとも1種の芳香族ジハロゲンスルホン化合物を、それぞれ前記反応混合物(RG)中の前記成分(A1)の総質量に対して99質量%超、好ましくは99.5質量%超、特に好ましくは99.9質量%超含有することと解釈される。この実施形態においては、4,4’−ジクロロジフェニルスルホンが成分(A1)として特に好ましい。
もう一つの特に好ましい一実施形態においては、成分(A1)は4,4’−ジクロロジフェニルスルホンからなる。
成分(B1)
前記反応混合物(RG)は、成分(B1)として少なくとも1種の芳香族ジヒドロキシ化合物を含有する。ここでの「少なくとも1種の芳香族ジヒドロキシ化合物」とは、ちょうど1種の芳香族ジヒドロキシ化合物、及び2種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物からの混合物と解釈される。芳香族ジヒドロキシ化合物として、通常は、2つのフェノール系ヒドロキシ基を有する化合物が使用される。前記反応混合物(RG)は金属炭酸塩を含有するため、前記反応混合物中の前記成分(B1)のヒドロキシ基は部分的に脱プロトン化された形態で存在しうる。同様のことが前記成分(B2)についても該当する。
前記成分(B1)は好ましくはモノマーとして使用される。つまり、前記反応混合物(RG)は成分(B1)をプレポリマーとしてではなくモノマーとして含有する。
適した芳香族ジヒドロキシ化合物(成分(B1))は、例えば4,4’−ジヒドロキシビフェニル及び4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンからなる群から選択される。
原則的に、例えばビスフェノールA(IUPAC名称:4,4’−(プロパン−2,2−ジイル)ジフェノール)のような他の芳香族ジヒドロキシ化合物も使用可能である。しかしながら、本発明による有利な効果、すなわち低い多分散度(Q)やポリアルキレンオキシドの高い組込み率は、4,4’−ジヒドロキシビフェニル及び4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンからなる群から選択されるジヒドロキシ化合物(成分(B1))を使用した場合に特に顕著である。
従来技術において記載されている方法の場合には、芳香族ジヒドロキシ化合物としてビスフェノールAを、そして芳香族ジハロゲン化合物としてジハロゲンジフェニルスルホンを含有するポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)のみが製造される。この、従来技術において製造される芳香族ジヒドロキシ化合物としてビスフェノールAを含有するポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)は、ポリスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマーとも称される。
本発明の一実施形態においては、前記反応混合物(RG)はビスフェノールAを含有しない。
もう一つの実施形態においては、前記反応混合物(RG)は、ビスフェノールAを、それぞれ前記反応混合物(RG)中に含まれる芳香族ジヒドロキシ化合物(成分B1)の総質量に対して、最高で5質量%、好ましくは最高で2.5質量%、特に好ましくは最高で1質量%、特に最高で0.1質量%含有する。
特に、前記反応混合物(RG)は、ビスフェノールAを、それぞれ前記反応混合物(RG)の総質量に対して、最高で5質量%、好ましくは最高で2.5質量%、特に好ましくは最高で1質量%、特に最高で0.1質量%含有する。最も好ましくは、前記反応混合物(RG)はビスフェノールAを含有しない。
通常は、前記成分(B1)は、4,4’−ジヒドロキシビフェニル及び4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンからなる群から選択される1種の芳香族ジヒドロキシ化合物を、前記反応混合物(RG)中の前記成分(B1)の総質量に対して少なくとも50質量%、好ましくは少なくとも80質量%、特に好ましくは少なくとも90質量%、特に少なくとも98質量%含有する。芳香族ジヒドロキシ化合物として特に好ましいのは、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンである。
従って、前記成分(B1)が、4,4’−ジヒドロキシビフェニル及び4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンからなる群から選択される1種の芳香族ジヒドロキシ化合物を、前記反応混合物(RG)中の前記成分(B1)の総質量に対して少なくとも50質量%含有することを特徴とする方法も、本発明の対象である。
特に好ましい一実施形態においては、前記成分(B1)は、実質的に、4,4’−ジヒドロキシビフェニル及び4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンからなる群から選択される少なくとも1種の芳香族ジヒドロキシ化合物からなる。ここでの「実質的に〜からなる」とは、前記成分(B1)が、4,4’−ジヒドロキシビフェニル及び4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンからなる群から選択される1種の芳香族ジヒドロキシ化合物を、それぞれ前記反応混合物(RG)中の前記成分(B1)の総質量に対して99質量%超、好ましくは99.5質量%超、特に好ましくは99.9質量%超含有することと解釈される。
特に好ましい一実施形態においては、前記成分(B1)は4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンからなる。
成分(B2)
成分(B2)として、前記反応混合物(RG)は少なくとも1つの遊離ヒドロキシ基(−OH)と少なくとも1つのキャップされたヒドロキシ基(−ORA)とを有する少なくとも1種のポリアルキレンオキシド化合物を含有する。「少なくとも1種のポリアルキレンオキシド化合物」とは、本発明によれば、ちょうど1種のポリアルキレンオキシド化合物、及び2種以上のポリアルキレンオキシド化合物からの混合物と解釈される。
成分(B2)としては、ポリアルキレンオキシドから誘導される化合物が適している。ポリアルキレンオキシドとしては、本発明によれば、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、1,2−ペンテンオキシド、2,3−ペンテンオキシド又は前記モノマーの混合物の重合により得られるポリアルキレンオキシドが適している。ポリアルキレンオキシドとしては、2つのヒドロキシ基を有するものが特に好ましい。そのようなポリアルキレンオキシドはポリエーテルジオールとも称される。適したポリアルキレンオキシドは、通常は1〜500個のアルキレンオキシド単位を含む。好ましいのは、2〜300個、特に好ましくは3〜150個、特に好ましくは5〜100個、最も好ましくは10〜80個のアルキレンオキシド単位を含むアルキレンオキシドである。
上記ポリアルキレンオキシドから出発してポリアルキレンオキシド化合物(成分(B2))を得るためには、形式的に、アルキレンオキシドの少なくとも1つの遊離ヒドロキシ基(−OH)がキャップされたヒドロキシ基(−ORA)へと変換される。成分(B2)の適した製造方法は、当業者に公知である。成分(B2)は例えばイオン重合により製造されることができ、その際、アルコラートアニオン(RA-)の存在下にアルキレンオキシドモノマーの重合が行われる。その際、前記アルコラートアニオン(RA-)は重合反応の開始剤としての役割を果たす。前記キャップされたヒドロキシ基(−ORA)は、この実施形態においては、アルコラートアニオン(RA-)によって成分(B2)へ導入される。従って、成分(B2)として、2つのヒドロキシ基を有するポリアルキレンオキシドから誘導されるポリアルキレンオキシド化合物が使用されるという好ましいケースに関しては、成分(B2)として使用されるポリアルキレンオキシド化合物は、1つの遊離ヒドロキシ基(−OH)と1つのキャップされたヒドロキシ基(−ORA)とを含む。
遊離ヒドロキシ基(−OH)とは、本発明においては、ヒドロキシ基、つまり本来の意味でのアルコール官能基であると解釈される。ヒドロキシ基は塩基の存在下に脱プロトン化されることができ、その際、相応するアルコラートアニオン(−O-)が生じる。
キャップされたヒドロキシ基(−ORA)とは、本発明においては、エーテル結合を解して元のOH基の酸素原子に結合しているキャップ基(RA)を含む基と解釈される。従って、前記キャップされたヒドロキシ基(−ORA)は、形式的には、遊離ヒドロキシ基(−OH)のエーテル化により誘導されたものである。適したキャップ基(RA)は、通常は、それ自体は遊離OH基を有しないような基である。適したキャップ基(RA)は、脂肪族基であることができ、また芳香族基であることもできる。例えば、アルキル基、置換アルキル基、フェニル基又は置換フェニル基である。好ましい適したキャップ基(RA)は、例えば、C1−、C2−、C3−、C4−、C5−、C6−、C7−、C8−、C9−、C10−、C11−、C12−、C13−、C14−、C15−、C16−、C17−、C18−、C19−、C20−、C21−及びC22−アルキル基からなる群から選択される。特に好ましいキャップ基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、C16−アルキル及びC18−アルキルからなる群から選択される。
適したキャップ基(RA)は、直鎖状アルキル基であることができ、また分岐状アルキル基であることもできる。キャップ基(RA)として好ましいのは、直鎖状アルキル基である。本発明のもう一つの実施形態においては、ポリアルキレンオキシド化合物(成分(B2))として、一般式(I):
A−(OCH2−CHRBk−OH (I)
[式中、
Aは、脂肪族基又は芳香族基であり、
Bは、水素、脂肪族基又は芳香族基であり、かつ
kは、1〜500の範囲内の数である]
で示される1種の化合物が使用される。
前記一般式(I)は、成分(B2)として本発明による方法において使用されることができる適したポリアルキレンオキシド化合物を示す。前記遊離OH基(−OH)は、前記一般式(I)の「右端部」に示されている。前記キャップされたヒドロキシ基(−ORA)は、前記一般式(I)の「左端部」に示されている。成分(B2)としては、前記一般式(I)において、好ましくは
Aが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、C16−アルキル及びC18−アルキルからなる群から選択され、
Bが、水素、メチル、エチル、フェニルからなる群から選択され、かつ
kが、10〜80の範囲内の数である
化合物が使用される。
成分(B2)として特に好ましいのは、前記一般式(I)において、
Aが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、C16−アルキル及びC18−アルキルからなる群から選択され、
Bが、水素であり、かつ
kが、10〜80の範囲内の数である
化合物である。
上述の通り、前記成分(B2)として使用されるポリアルキレンオキシド化合物は、形式的にポリアルキレンオキシドから誘導される。
前記成分(B2)の形式的な由来であるポリアルキレンオキシドは、通常は少なくとも200g/モルの数平均分子量(Mn)を有する。前記成分(B2)の形式的な由来であるポリアルキレンオキシドが、200〜50000g/モルの範囲内、特に好ましくは400〜40000g/モルの範囲内、特に好ましくは600〜20000g/モルの範囲内の数平均分子量(Mn)を有することが好ましい。
前記成分(B2)の形式的な由来であるポリアルキレンオキシドとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとからのコポリマーが好ましい。
特に好ましいのは、600〜20000g/モルの範囲内の数平均分子量(Mn)を有するポリエチレングリコールホモポリマーである。
前記成分(B2)の形式的な由来であるポリアルキレンオキシドの分子量は、水酸基価の測定により求められる。使用されるポリアルキレングリコール(ポリアルキレンオキシド)の水酸基価は、電位差滴定法により求められる。その際、OH基はまず無水酢酸とピリジンとからのアシル化混合物によりエステル化される。その後、余剰の無水酢酸が1MのKOHでの滴定により求められる。KOHの消費量、無水酢酸の量及び試料の質量から水酸基価を算出することができる。
前記反応混合物(RG)中には成分(D)として金属炭酸塩が含まれているため、前記ポリアルキレンオキシド化合物(成分(B2))は前記反応混合物(RG)中で部分的に脱プロトン化された形態で存在しうる。
前記反応混合物(RG)中に含まれる、少なくとも1つの遊離ヒドロキシ基(−OH)と少なくとも1つのキャップされたヒドロキシ基(−ORA)とを有するポリアルキレンオキシド化合物は、前記反応混合物(RG)にそのまま添加される。つまり、前記ポリアルキレンオキシドは活性化された形態では使用されない。「活性化された形態」とは、ヒドロキシ基を化学反応によって例えばメシラート基のような脱離基に変換したものと解釈される。前記キャップされたヒドロキシ基(−ORA)は「活性化された形態」でも脱離基でもない。
通常は、前記成分(B2)は、1種のポリアルキレンオキシド化合物を前記反応混合物(RG)中の前記成分(B2)の総質量に対して少なくとも50質量%含有し、ここで、前記ポリアルキレンオキシド化合物のポリアルキレンオキシド部分は、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、1,2−ペンテンオキシド、2,3−ペンテンオキシド又は前記モノマーの混合物の重合により得られるものとする。
従って、前記成分(B2)が、1種のポリアルキレンオキシド化合物を前記反応混合物(RG)中の前記成分(B2)の総質量に対して少なくとも50質量%含有し、ここで、前記ポリアルキレンオキシド化合物のポリアルキレンオキシド部分は、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、1,2−ペンテンオキシド、2,3−ペンテンオキシド又は前記モノマーの混合物の重合により得られることを特徴とする方法も、本発明の対象である。
前記成分(B2)として好ましいのは、ポリアルキレンオキシド化合物であって、前記ポリアルキレンオキシド化合物のポリアルキレンオキシド部分が、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、又はエチレンオキシドと1,2−プロピレンオキシドとからの混合物の重合により得られるものとする、前記ポリアルキレンオキシド化合物である。
本発明の特に好ましい一実施形態においては、前記成分(B2)は、1種のポリアルキレンオキシド化合物を、それぞれ前記反応混合物(RG)中の前記成分(B2)の総質量に対して少なくとも80質量%、好ましくは少なくとも90質量%、さらに好ましくは少なくとも98質量%含有し、ここで、前記ポリアルキレンオキシド化合物は、1つの遊離ヒドロキシ基(−OH)と1つのキャップされたヒドロキシ基(−ORA)とを有し、かつそのアルキレンオキシド部分は、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、又はエチレンオキシドと1,2−プロピレンオキシドとからの混合物の重合により得られるものとする。
もう一つの特に好ましい一実施形態においては、前記成分(B2)は、実質的に1種のポリアルキレンオキシド化合物からなり、ここで、前記ポリアルキレンオキシド化合物のアルキレンオキシド部分は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドとからの混合物の重合により得られるものとする。ここでの「実質的に〜からなる」とは、前記成分(B2)が、少なくとも1種のポリアルキレンオキシド化合物をそれぞれ前記反応混合物(RG)中の前記成分(B2)の総質量に対して99質量%超、好ましくは99.5質量%超、特に好ましくは99.9質量%超含有し、ここで、前記ポリアルキレンオキシド化合物のポリアルキレンオキシド部分は、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、又はエチレンオキシドと1,2−プロピレンオキシドとからの混合物の重合により得られることと解釈される。
この実施形態においては、ポリアルキレンオキシド部分として、600〜20000g/モルの範囲内の数平均分子量(Mn)を有するポリエチレングリコールが特に好ましい。
成分(C)
成分(C)として、前記反応混合物(RG)は少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒を含有する。「少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒」とは、本発明によれば、ちょうど1種の非プロトン性極性溶媒、及び2種以上の非プロトン性極性溶媒からの混合物と解釈される。
非プロトン性極性溶媒としては、例えばアニソール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン及び前記溶媒の混合物が適している。
非プロトン性極性溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン及び前記溶媒の混合物が好ましい。非プロトン性極性溶媒として特に好ましいのは、N−メチル−2−ピロリドンである。
従って、前記反応混合物(RG)が成分(C)としてN−メチル−2−ピロリドンを含有することを特徴とする方法も、本発明の対象である。
好ましい一実施形態においては、前記成分(C)は、N−メチル−2−ピロリドン及びN−エチル−2−ピロリドンからなる群から選択される少なくとも1種の溶媒を、前記反応混合物(RG)中の前記成分(C)の総質量に対して少なくとも50質量%含有する。成分(C)としては、N−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。
もう一つの実施形態においては、前記成分(C)は実質的にN−メチル−2−ピロリドンからなる。ここでの「実質的に〜からなる」とは、前記成分(C)が、N−メチル−2−ピロリドン及びN−エチル−2−ピロリドンからなる群から選択される少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒を、99質量%超、特に好ましくは99.5質量%超、特に好ましくは99.9質量%超含有し、その際、N−メチル−2−ピロリドンが好ましいことと解釈される。
好ましい一実施形態においては、前記成分(C)はN−メチル−2−ピロリドンからなる。N−メチル−2−ピロリドンはNMP又はN−メチルピロリドンとも称される。
前記反応混合物(RG)は、本発明によれば、水と共沸混合物を形成する物質を含有しない。前記成分(A1)、(B1)及び(B2)の間の縮合反応の際に、本発明による方法において反応水が生成される。従来技術に記載されている方法の場合には、縮合反応の際に形成される反応水を共沸混合物として除去するために、共沸添加剤の添加が不可欠である。
共沸混合物とは、本発明によれば、蒸留による分離が不可能である、水と1種以上の他の物質とからの混合物と解釈される。従って、共沸混合物とは、本発明によれば、液状から気体状への相転移の際に純物質のようにふるまう、水と1種以上の他の物質とからの混合物と解釈される。好ましい一実施形態においては、前記反応混合物(RG)はトルエンもクロロベンゼンも含有しない。
成分(D)
前記反応混合物(RG)は、成分(D)として少なくとも1種の金属炭酸塩を含有する。この金属炭酸塩は好ましくは無水である。金属炭酸塩として好ましいのは、アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ土類金属炭酸塩である。金属炭酸塩として特に好ましいのは、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸カルシウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属炭酸塩である。特に好ましいのは炭酸カリウムである。
前記金属炭酸塩は、好ましい一実施形態においては実質的に無水であり、すなわち、前記金属炭酸塩は、水を、それぞれ前記金属炭酸塩(成分(D))の総質量に対して、最高で1質量%、好ましくは最高で0.5質量%、特に好ましくは最高で0.1質量%含有する。この場合、前記水量は、本発明による方法を実施する前の量に対するものである。
好ましい一実施形態においては、前記成分(D)は実質的に炭酸カリウムからなる。ここでの「実質的に〜からなる」とは、前記成分(D)が、炭酸カリウムを、それぞれ前記反応混合物(RG)中の前記成分(D)の総質量に対して99質量%超、好ましくは99.5質量%超、特に好ましくは99.9質量%超含有することと解釈される。
特に好ましい一実施形態においては、前記成分(D)は炭酸カリウムからなる。
炭酸カリウムとして特に好ましいのは、200μm未満の体積加重平均粒子径を有する炭酸カリウムである。その際、炭酸カリウムの体積加重平均粒子径は、粒子径測定装置を用いてN−メチル−2−ピロリドン中の炭酸カリウムの懸濁液中で測定される。
好ましい一実施形態においては、前記反応混合物(RG)はアルカリ金属水酸化物もアルカリ土類金属水酸化物も含有しない。
特に好ましいのは、以下のような反応混合物(RG)である:
前記成分(A1)が、4,4’−ジクロロジフェニルスルホンを、前記反応混合物(RG)中の前記成分(A1)の総質量に対して少なくとも50質量%、好ましくは少なくとも90質量%、特に好ましくは少なくとも95質量%含有し、
前記成分(B1)が、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを、前記反応混合物(RG)中の前記成分(B1)の総質量に対して少なくとも50質量%、好ましくは少なくとも90質量%、特に好ましくは少なくとも95質量%含有し、
前記成分(B2)が、前記一般式(I)
[式中、
Aは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、C16−アルキル及びC18−アルキルからなる群から選択され、
Bは、水素であり、かつ
kは、10〜80の範囲内である]
で示される1種のポリアルキレンオキシド化合物を、前記反応混合物(RG)中の前記成分(B2)の総質量に対して少なくとも50質量%、好ましくは少なくとも90質量%、特に好ましくは少なくとも95質量%含有し、
前記成分(C)が実質的にN−メチルピロリドンからなり、かつ、
前記成分(D)が実質的に炭酸カリウムからなり、
その際、前記反応混合物(RG)は、水と共沸混合物を形成する物質を含有しない。
従って、前記成分(A1)が4,4’−ジクロロジフェニルスルホンであり、前記成分(B1)が4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンであり、かつ前記成分(B2)がポリアルキレンオキシド化合物であって、そのポリアルキレンオキシド部分がポリエチレングリコールであるものとする前記ポリアルキレンオキシド化合物である方法も、本発明の対象である。
前記反応混合物(RG)中の前記成分(A1)、(B1)及び(B2)の比は、広範囲で可変である。通常は、前記反応混合物(RG)は、前記成分(A1)1モル当たり、前記成分(B1)を0.7〜0.995モル含有し、かつ前記成分(B2)を0.005〜0.3モル含有する。
従って、前記反応混合物(RG)が、前記成分(A1)1モル当たり、前記成分(B1)を0.7〜0.995モル含有し、かつ前記成分(B2)を0.005〜0.3モル含有することを特徴とする方法も、本発明の対象である。
また、以下の成分:
(A1)4,4’−ジクロロジフェニルスルホンを、前記反応混合物(RG)中の前記成分(A1)の総質量に対して少なくとも95質量%含有する、少なくとも1種の芳香族ジハロゲン化合物、
(B1)4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを、前記反応混合物(RG)中の前記成分(B1)の総質量に対して少なくとも95質量%含有する、少なくとも1種の芳香族ジヒドロキシ化合物、
(B2)前記一般式(I):
A−(OCH2−CHRBk−OH (I)
[式中、
Aは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、C16−アルキル及びC18−アルキルからなる群から選択され、
Bは、水素であり、かつ
kは、10〜80の範囲内である]
で示される1種のポリアルキレンオキシド化合物を、前記反応混合物(RG)中の前記成分(B2)の総質量に対して少なくとも95質量%含有する、少なくとも1つの遊離ヒドロキシ基(−OH)と少なくとも1つのキャップされたヒドロキシ基(−ORA)とを有する少なくとも1種のポリアルキレンオキシド化合物、
(C)実質的にN−メチルピロリドンからなる少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒、及び、
(D)実質的に炭酸カリウムからなる少なくとも1種の金属炭酸塩
を含む反応混合物(RG)の重縮合を含むポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)の製造方法であって、前記反応混合物(RG)が、水と共沸混合物を形成する物質を含有せず、かつ前記反応混合物(RG)がビスフェノールAを前記反応混合物(RG)の総質量に対して最高で5質量%含有し、かつ前記反応混合物(RG)が、前記成分(A1)1モル当たり、前記成分(B1)を0.7〜0.995モル含有し、かつ前記成分(B2)を0.005〜0.3モル含有する前記方法も、本発明の対象である。
ポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)
本発明によるポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)の製造のために、いわゆる炭酸塩法の条件下に前記反応混合物(RG)の反応が行われる。その際、この反応(重縮合反応)は、通常は、80〜250℃の範囲内、好ましくは100〜220℃の範囲内の温度で行われ、その際、前記温度の上限は、常圧(1013.25mbar)での溶媒の沸点により決定される。前記反応は、通常は常圧で行われる。前記反応は、好ましくは2〜12時間、特に3〜10時間の範囲内の期間で行われる。
本発明により得られるポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)の単離は、例えば、ポリマー溶液を、水又は水と他の溶媒との混合物中に落下させることにより行われることができる。析出したPPCは、次いで水で抽出され、その後、乾燥される。本発明の一実施形態においては、前記落下は酸性媒体中でも行われることができる。適した酸は、例えば有機酸又は無機酸であり、例えばカルボン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、コハク酸又はクエン酸、並びに鉱酸、例えば塩酸、硫酸又はリン酸である。
本発明による方法により、ポリアルキレンオキシド化合物(成分(B2))の高い組込み率が達成される。ここでのポリアルキレンオキシド化合物に関する組込み率とは、初めに前記反応混合物(RG)中に含まれていたポリアルキレンオキシド化合物(成分(B2))の量に対する、前記重縮合の後に共有結合した形態でポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)中に存在するポリアルキレンオキシドの量と解釈される。本発明による方法により、85%以上、好ましくは90%以上の組込み率が達成される。
従って、ポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)の製造方法であって、前記反応混合物(RG)中に含まれる成分(B2)の少なくとも85質量%、好ましくは少なくとも90質量%が前記ポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)に組込まれる前記方法も、本発明の対象である。
本発明による方法により、低い多分散度(Q)及び高いガラス転移温度(Tg)を有するポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)が得られる。前記ポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマーは、さらに、例えばトルエンやクロロベンゼンといった共沸添加剤のような異種材料の量が極めてわずかである。
従って、本発明による方法により得られるポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)も、本発明の対象である。前記ポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)は、通常は、4以下、好ましくは3.5以下の多分散度(Q)を有する。
多分散度(Q)は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比として定義される。好ましい一実施形態においては、前記ポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)の多分散度(Q)は、2.0以上でかつ4以下の範囲内であり、好ましくは2.0以上でかつ3.5以下の範囲内である。
重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定される。
前記ポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)の多分散度(Q)及び平均分子量を、ジメチルアセトアミド(DMAc)中でゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した。移動相(溶離液)として、臭化リチウム0.5質量%を含有するDMAcを使用した。ポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC溶液)の濃度は4mg/ml溶液であった。ろ過(孔径0.2μm)の後、この溶液100μlをGPC系に注入した。分離のために、4つの異なるカラム(80℃に加熱したもの)を使用した。(GRAMプレカラム、GRAM 30A、GRAM 1000A、GRAM 1000A;分離材料:PSS社製ポリエステルコポリマー)。前記GPC系を1ml/分の流量で運転した。検出系として、DRI-Agilent 1100を使用した。キャリブレーションのために、800〜1820000g/モルの範囲内の分子量Mnを有するPSS社製PMMA標準物質を使用した。
本発明による方法により得られるポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)は、通常は、10000〜150000g/モルの、好ましくは15000〜120000g/モルの範囲内の、特に好ましくは20000〜90000g/モルの範囲内の、重量平均分子量(Mw)を有する。重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定される。その際、この測定は上記の通りに行われる。
本発明によるコポリマーは、高いガラス転移温度(Tg)を有する。ガラス転移温度(Tg)の測定は、DSC 2000 (TA Instruments)中で、20K/分の加熱速度で行われる。測定のために、物質約5mgがアルミニウムるつぼ中に密閉される。第一の加熱運転においてこの試験体が250℃に加熱され、その後、−100℃に急速に冷却され、その後、第二の加熱運転において20K/分で250℃に加熱される。それぞれのTg値は、第二の加熱運転から求められる。
本発明はさらに、平均で1〜2個のポリアルキレンオキシドブロックと1個のポリアリールエーテルスルホンブロックとを含むポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)に関する。好ましくは、前記ポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)は、平均で2個のポリアルキレンオキシドブロックと1個のポリアリールエーテルスルホンブロックとを含む。
その際、前記ポリアリールエーテルスルホンブロックは、前記成分(A1)と(B1)との重縮合反応に由来する。前記ポリアルキレンオキシドブロックは、前記成分(B2)に由来する。
本発明を以下の実施例により詳説するが、本発明はこれに限定されるものではない。
使用される成分:
DCDPS:4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、
DHDPS:4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、
Me−PEG 2000:α−メチル−ω−ヒドロキシ−ポリエチレングリコール、2000g/モルの数平均分子量Mn
炭酸カリウム:K2CO3、無水、平均粒子径32.4μm、
NMP:N−メチルピロリドン、無水、
PPC:ポリアリールエーテルスルホン−ポリエチレンオキシド−ブロックコポリマー。
例えばトルエンなどの揮発性成分の割合を、ヘッドスペースガスクロマトグラフィーにより測定した。Tg、Mn、Mw及びQを、上記の通り測定した。
粘度数VZを、DIN ISO 1628-1により、1質量%NMP溶液中で測定した。
PEGの組込み比(組込み率)を、1H−NMRによりCDCl3中で測定した。その際、脂肪族PEG単位のシグナル強度を、ポリアリールエーテルからの芳香族単位の強度と関連付けて考慮した。その際、PEG割合に関する値がモル%で得られ、これを相応する構造単位の既知の分子量を用いて質量%に換算することができる。第1表に挙げた組込み率は、PEGの所定の質量割合と理論算出値とからの比として得られたものである。
ポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)の単離は、室温で脱塩水中にポリマーのNMP溶液を滴加することにより行う。落下高さは0.5mである。流量は約2.5L/hである。得られたビーズ状物を、次いで85℃で20時間にわたり水で抽出する(水流量160L/h)。その後、このビーズ状物を、ガラス転移温度Tgを下回る温度で乾燥させて、残留水分を0.1質量%未満にする。
実施例1:共沸添加剤なしでの本発明によるPPCの製造
内部温度計、ガス導入管及び水分離器付き還流冷却器を具備した4L反応器中で、DCDPS 574.16g、DHDPS 490.33g、Me−PEG 2000 80g及び炭酸カリウム290.24gを、窒素雰囲気下にNMP 1053ml中に懸濁させた。このバッチを1時間以内で190℃に加熱する。190℃の温度での滞留時間を反応時間と見なす。反応水を留去し、充填レベルをNMPの追加により反応の間に一定に維持する。反応時間が6時間経過した後、この反応を冷NMP(1947ml)での希釈により停止させる。次いで、窒素を導入し(20L/h)、このバッチを冷却する。生じた塩化カリウムをろ別する。
実施例2:共沸添加剤なしでの本発明によるPPCの製造
内部温度計、ガス導入管及び水分離器付き還流冷却器を具備した4L反応器中で、DCDPS 574.16g、DHDPS 487.83g、Me−PEG 2000 100g及び炭酸カリウム290.24gを、窒素雰囲気下にNMP 1053ml中に懸濁させた。このバッチを1時間以内で190℃に加熱する。190℃の温度での滞留時間を反応時間と見なす。反応水を留去し、充填レベルをNMPの追加により反応の間に一定に維持する。反応時間が6時間経過した後、この反応を冷NMP(1947ml)での希釈により停止させる。次いで、窒素を導入し(20L/h)、このバッチを冷却する。生じた塩化カリウムをろ別する。
比較例3:共沸添加剤としてのトルエンの存在下でのPPCの製造
内部温度計、ガス導入管、還流冷却器及び水分離器を具備した4L反応器中で、DCDPS 574.16g、DHDPS 490.33g、Me−PEG 2000 80g及び炭酸カリウム290.24gを、窒素雰囲気下にNMP 1053ml中に懸濁させた。共沸添加剤として、トルエン250mlを添加した。このバッチを160℃に加熱し、この温度で1時間維持した。この時間内に、トルエンと水とからの共沸混合物を留去する(トルエン留去量:約100ml)。次いで、このバッチを175℃に加熱し、この温度で1時間維持する。その後、温度を190℃に高め、その際、さらなるトルエンを留去する。190℃の温度での滞留時間を反応時間と見なす。反応時間が6時間経過した後、この反応を冷NMP(1947ml)での希釈により停止させる。次いで、窒素を導入し(20L/h)、このバッチを冷却する。生じた塩化カリウムをろ別する。
比較例4:共沸添加剤としてのトルエンの存在下でのPPCの製造
内部温度計、ガス導入管、還流冷却器及び水分離器を具備した4L反応器中で、DCDPS 574.16g、DHDPS 487.83g、Me−PEG 2000 100g及び炭酸カリウム290.24gを、窒素雰囲気下にNMP 1053ml中に懸濁させた。共沸添加剤として、トルエン250mlを添加した。このバッチを160℃に加熱し、この温度で1時間維持した。この時間内に、トルエンと水とからの共沸混合物を留去する(トルエン留去量:約100ml)。次いで、このバッチを175℃に加熱し、この温度で1時間維持する。その後、温度を190℃に高め、その際、さらなるトルエンを留去する。190℃の温度での滞留時間を反応時間と見なす。反応時間が6時間経過した後、この反応を冷NMP(1947ml)での希釈により停止させる。次いで、窒素を導入し(20L/h)、このバッチを冷却する。生じた塩化カリウムをろ別する。
得られたポリアリールエーテルスルホン−ポリエチレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)の特性を、以下の表に示す。
Figure 2016516875
本発明による方法によって、より低い多分散度(Q)を有するポリアリールエーテルスルホン−ポリエチレンオキシド−ブロックコポリマーが得られる。さらに、前記ブロックコポリマーは高いガラス転移温度(Tg)を特徴としている。本発明による方法によって、さらに、良好な組込み率及び良好な粘度数(VZ)が達成される。

Claims (14)

  1. 以下の成分:
    (A1)少なくとも1種の芳香族ジハロゲン化合物、
    (B1)少なくとも1種の芳香族ジヒドロキシ化合物、
    (B2)少なくとも1つの遊離ヒドロキシ基(−OH)と少なくとも1つのキャップされたヒドロキシ基(−ORA)とを有する少なくとも1種のポリアルキレンオキシド化合物、
    (C)少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒、及び
    (D)少なくとも1種の金属炭酸塩
    を含む反応混合物(RG)の重縮合を含むポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)の製造方法であって、前記反応混合物(RG)が、水と共沸混合物を形成する物質を含有しない、前記方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、前記成分(A1)が、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン及び4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンからなる群から選択される少なくとも1種の芳香族ジハロゲンスルホン化合物を、前記反応混合物(RG)中の前記成分(A1)の総質量に対して少なくとも50質量%含有することを特徴とする、前記方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法であって、前記成分(B1)が、4,4’−ジヒドロキシビフェニル及び4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンからなる群から選択される1種の芳香族ジヒドロキシ化合物を、前記反応混合物(RG)中の前記成分(B1)の総質量に対して少なくとも50質量%含有することを特徴とする、前記方法。
  4. 請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法であって、前記成分(B2)が、1種のポリアルキレンオキシド化合物を前記反応混合物(RG)中の前記成分(B2)の総質量に対して少なくとも50質量%含有し、ここで、前記ポリアルキレンオキシド化合物のポリアルキレンオキシド部分は、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、1,2−ペンテンオキシド、2,3−ペンテンオキシド又は前記モノマーの混合物の重合により得られることを特徴とする、前記方法。
  5. 請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法であって、前記反応混合物(RG)が、前記成分(B2)として、一般式(I):
    A−(OCH2−CHRBk−OH (I)
    [式中、
    Aは、脂肪族基又は芳香族基であり、
    Bは、水素、脂肪族基又は芳香族基であり、かつ
    kは、1〜500の範囲内の数である]
    で示される1種のポリアルキレンオキシド化合物を含有することを特徴とする、前記方法。
  6. 請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法であって、前記反応混合物(RG)が前記成分(C)としてN−メチル−2−ピロリドンを含有することを特徴とする、前記方法。
  7. 請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法であって、前記反応混合物(RG)が前記成分(D)として炭酸カリウムを含有することを特徴とする、前記方法。
  8. 請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法であって、前記成分(A1)が4,4’−ジクロロジフェニルスルホンであり、前記成分(B1)が4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンであり、かつ前記成分(B2)がポリアルキレンオキシド化合物であって、そのポリアルキレンオキシド部分がポリエチレングリコールであるものとする前記ポリアルキレンオキシド化合物であることを特徴とする、前記方法。
  9. 請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法であって、前記反応混合物(RG)が、前記成分(A1)1モル当たり、前記成分(B1)を0.7〜0.995モル含有し、かつ前記成分(B2)を0.005〜0.3モル含有することを特徴とする、前記方法。
  10. 請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法であって、前記ポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)が、4以下、好ましくは3.5以下の多分散度(Q)を有しており、その際、Qは、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比として定義されることを特徴とする、前記方法。
  11. 請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法であって、前記重縮合の際に、前記反応混合物(RG)中に含まれる成分(B2)の少なくとも85質量%が前記ポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)に組込まれることを特徴とする、前記方法。
  12. 請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法により得られる、ポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)。
  13. 10000〜150000g/モルの範囲内の重量平均分子量(Mw)を有することを特徴とする、請求項12に記載のポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)。
  14. 2.0以上でかつ4以下の範囲内の多分散度(Q)を有することを特徴とする、請求項12又は13に記載のポリアリールエーテルスルホン−ポリアルキレンオキシド−ブロックコポリマー(PPC)。
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