JP2016512516A - キナゾリン誘導体の固体形態およびbraf阻害剤としてのその使用 - Google Patents
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Abstract
本出願は、化合物(I)の様々な塩および固体形態に関する。本出願はまた、これらの材料および組成物の医薬組成物および治療的使用に関する。【選択図】図1
Description
本出願は、以下の化合物(以下、化合物Iという)
BRAFは、セリン/スレオニン特異的プロテインキナーゼのRAFキナーゼファミリーのメンバーである。このタンパク質は、細胞***、分化および分泌を行うMEK/ERKシグナル伝達経路の制御に役割を果たす。成人におけるBRAF遺伝子の後天的な突然変異(すなわち、オンコジーン)は、キナーゼMEKおよびERKを構成的に活性化することにより、癌の増殖を促し得る。メラノーマ、結腸直腸癌、甲状腺乳頭癌、低悪性度漿液性卵巣癌および非小細胞肺癌を含む癌では、いくつかのBRAFの変異型が同定されてきた。これらのタイプの癌の症例の大多数(約80%)およびメラノーマの患者の50%超で認められるV600E突然変異は活性化突然変異であり、野生型(wt)BRAFと比較して活性が約500倍大きい(カーティンら(Curtin et al)著、2005年、デービスら(Davies et al)著、2002年)。キナーゼ活性が増加すると下流のシグナル伝達経路が過剰刺激され、これが細胞の不死化をもたらし、細胞に造腫瘍能を与え得る。BRAFV600Eは腫瘍原性を有するだけでなく、最近の知見からは、この遺伝子型が様々な組織における良性病変の発生に寄与し、別の遺伝子異常に関連して強い悪性表現型になり得ることも示されている(ミハログロウら(Michaloglou et al)、2008年)。
動物およびヒトにおいて、BRAFV600Eタンパク質の阻害は腫瘍増殖に対して顕著な作用を有することが示されている。BRAFV600E突然変異を有する患者を対象とした臨床試験の結果から、従来の標準的な治療と比較して臨床的に意義のある統計学的に有意な優れた生存期間、無増悪生存期間および抗腫瘍効果が示されている。たとえば、ベムラフェニブは、米国でBRAFV600E突然変異を有する切除不能または転移性メラノーマの患者に承認されているBRAFV600E阻害剤である。ベムラフェニブを投与された患者の約半数は好ましい反応を示し、他の利用可能な治療と比較して無増悪生存期間が延長し、死亡リスクが著しく低下した(チャップマンら(Chapman et al)、2011年)。
様々なBRAF阻害剤が報告されている。たとえば、特許文献1には、BRAFキナーゼを含むRAFキナーゼのモジュレーターとしてキナゾリン誘導体が開示されている。化合物Iは、下記の構造を有し:
以下の化学名:1−[3−(6,7−ジメトキシ−キナゾリン−4−イルオキシ)−フェニル]−3−[5−(2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジメチル−エチル)−イソオキサゾール−3−イル]−尿素またはN−[3−[(6,7−ジメチオキシ−4−キナゾリニル)オキシ]フェニル]−N’−[5−(2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジメチルエチル)−3−イソオキサゾリル]尿素を有する。化合物Iは、変異体を含むBRAFキナーゼの強力な選択的阻害剤である。たとえば、化合物Iは、インビトロでインタクトな細胞および単離された系において低ナノモル濃度でBRAF V600Eを阻害する。
化合物Iの相異なる塩および/または固体形態は、著しく異なる物理的性質を有することがあり、単独または組み合わせてバイオアベイラビリティーに影響を与え得る。同様に、化合物Iの様々な塩/固体形態の物理的性質も、他の側面、たとえば処理および保管特性に影響を与えることがある。これらの特性はすべて、臨床試験および商品開発において塩および/または固体形態を選択する際の要因である。
化合物Iのいくつかの異なる塩形態が同定されており、本明細書に記載されている。これらの塩の様々な固体形態のほか、化合物Iの遊離塩基の固体形態も同定された。本明細書では、これらの材料の調製および物理的特性評価も提供される。
本出願はまた、メラノーマ、結腸直腸癌、甲状腺乳頭癌、低悪性度漿液性卵巣癌および非小細胞肺癌などの様々な病状の処置に使用することができる化合物I(遊離塩基)および/または化合物Iの塩を含む医薬組成物を提供する。別の態様では本出願は、BRAFキナーゼの変異型に関連する病状を処置するための化合物I(遊離塩基)および/または化合物Iの塩を含む医薬組成物を提供する。
医薬品固体(医薬品有効成分またはAPI(active pharmaceutical ingredient)ともいう)は、2つ以上の固体形態(すなわち、結晶、非晶質/アモルファス、準結晶/秩序だった集合体)で存在し得る。固体化合物が、同じ共有結合による化学構造を有するが、その分子構造および結晶格子内の分子の規則的配列が異なる2つ以上の結晶形態で存在できる場合、多形と定義される。多形を示すだけでなく、多くの医薬品固体は、それ自体結晶で多形を示すことがある水和物および有機溶媒和物も形成する。水和物は、化学量論的であることも、あるいは非化学量論的であることもある。化学量論的水和物では、水分子が医薬品化合物および他の水分子と(比較的)緊密に会合または結合しており、その結果結晶格子に不可欠である。一方、非化学量論的な水和物(不定比水和物と呼ばれることもある)の水分子は、医薬品化合物および結晶格子とより緩やかに会合している。
同じ化合物の異なる固体形態が、色、形態、安定性、溶解度、溶解およびバイオアベイラビリティーなどの著しく異なる化学的および物理的性質を示し得ることはよく知られている。どのような医薬品化合物および組成物であっても、特定の固体形態の化合物の化学的および物理的性質は、その商品開発にとって重要である。これらの特性として、(1)モル体積、密度および吸湿性などの充填特性、(2)溶融温度、蒸気圧および溶解度などの熱力学的特性、(3)溶出速度および安定性(特に水分に対する周囲条件、および加速保存条件、すなわち、高い相対湿度および温度下での固体状態の化学的安定性)などの動態特性、(4)表面積、湿潤性、界面張力および形状などの表面特性、(5)硬度、引張強さ、成形性、取り扱い性、流動性およびブレンド性などの機械的特性;および(6)濾過性があるが、これに限定されるものではない。これらの特性は、たとえば、製剤と呼ばれることもある医薬組成物の処理および保存、ならびに/または原薬と呼ばれることもあるAPIの処理および保存に影響を与える可能性がある。上記のように、APIの固体形態が異なると溶解速度が異なることがあり、インビボでのバイオアベイラビリティーの相違という形で現れる可能性がある。
一般に、化合物(またはその化合物の塩)の固体形態は、以下の技術:x線粉末回折(XRPD:x−ray powder diffraction)、熱重量分析(TGA:thermogravimetric analysis)および示差走査熱量測定(DSC:differential scanning calorimetry)などの熱的方法、重量法水蒸気収着(GVS:Gravimetric Vapor Sorption)のほか、赤外(IR:Infrared)、ラマンおよび/または固体状態NMR(ssNMR)分光法の1つまたは複数を用いて同じ化合物(または塩)の別の固体形態と識別することができる。特にXRPDは、ある化合物(またはその化合物の塩)の多形の同定および/または多形間の識別にとりわけ有用である。一般に、ある化合物(またはその化合物の塩)のすべての結晶相から特有のx線回折パターンが得られることが認められ理解されているためである。一般に、USP 35、<941>p.427−431(2012年12月1日)を参照されたい。さらに特定の結晶形態の同一性を確認するため、一般に補完的分析法を使用できることも認められている。
表1の固体状態の説明は、主にXRPDパターンに基づき付した。文字「A」の後の下付き文字「1」は、モノ塩形態を示すために付す。本明細書で使用する場合、下付き文字「0」は、遊離塩基(非塩)形態を示すために使用する。当業者であれば、たとえば「クロリド塩」または「クロリド−化合物I塩」または「化合物I−クロリド塩」などの記述子は、化合物IのHCl(またはヒドロクロリド)塩をいうことが容易に理解されるだろう。
「単離」という用語は、本明細書で使用する場合、固体、半固体またはシロップを得るため溶媒、非溶媒または溶媒と非溶媒との混合物から化合物を分離することを意味する。これは典型的には、遠心分離、減圧によるもしくはよらない濾過、加圧濾過、蒸留、蒸発またはこれらの組み合わせなどの手段により達成される。単離は、単離物の化学的純度、キラル純度または化学的およびキラル純度が増加する精製を伴っても、あるいは伴わなくてもよい。精製は典型的には、結晶化、蒸留、抽出、酸性、塩基性または中性アルミナによる濾過、酸性、塩基性または中性木炭による濾過、キラル固定相充填カラムを用いたカラムクロマトグラフィー、多孔紙、プラスチックまたはガラスバリヤーによる濾過、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、再結晶化、順相高速液体クロマトグラフィー、逆相高速液体クロマトグラフィー、トリチュレーションおよび同種のものなどの手段により行われる。
「多形の」または「多形」という用語は、同じ化学分子に少なくとも2つの異なる結晶配列が可能であることと定義される。
「固体形態」という用語は、本明細書で使用する場合、化合物Iの結晶形態およびアモルファス(非晶質)形態の両方ならびに任意の比率のそれらの混合物をいう。固体形態という用語は、化合物Iの結晶およびアモルファス(非晶質)の水和物および溶媒和物も含むことを理解すべきである。
「化学形態」という用語は、本明細書で使用する場合、化合物Iの塩形態もしくは非塩(遊離塩基)形態または任意の比率のそれらの混合物をいう。化学形態という用語は、化合物Iの水和物および溶媒和物のほか、化合物Iの塩の水和物および溶媒和物も含むことを理解すべきである。
「溶質」という用語は、本明細書で使用する場合、別の物質に溶解される物質で、通常より少ない量で存在する溶液成分である。
「溶液」という用語は、本明細書で使用する場合、少なくとも1種の溶媒、および少なくとも一部がその溶媒に溶解される少なくとも1種の化合物を含む混合物をいう。
「溶媒和物」という用語は、本明細書で使用する場合、結晶構造内に溶媒分子を含む結晶材料をいう。
「溶媒」という用語は、本明細書で使用する場合、別の物質、典型的には固体を完全にまたは部分的に溶解することができる物質、典型的には液体を意味する。他に記載がない限り、本発明を実施するための典型的な溶媒として、水、酢酸、アセトン、アセトニトリル、1−ブタノール、2−ブタノール、2−ブタノン、ブチロニトリル、tert−ブタノール、クロロベンゼン、クロロホルム、シクロヘキサン、1,2−ジクロロエタン(dichloloroethane)、ジクロロメタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチルアセトアミド、Ν,Ν−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル(ethyleneglycoldiemethylether)、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、ギ酸エチル、ギ酸、ヘプタン、イソブチルアルコール、酢酸イソプロピル、イソプロピルアミン、メタノール、メトキシベンゼン、酢酸メチル、メチルイソブチルケトン、2−メチルテトラヒドロフラン、メチルtert−ブチルエーテル、1:1ホルムアミド:水、1:1N−メチルピロリジノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、1−ペンタノール(1 pentanol)、1,2−プロパンジオール、2−プロパノール、1−プロパノール、プロパンニトリル(propanonitrile)、ピリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、トルエン、トリエチルアミン、キシレン、これらの混合物および同種のものがあるが、これに限定されるものではない。
「治療有効量」という用語は、本明細書で使用する場合、確立された薬物動態学的方法および技術に従い測定して、特定の投与経路において特定の薬剤と関連する意図した生理学的作用を得るのに必要と判定された量をいう。適切かつ具体的な治療有効量は、従来の技術を使用して当業者としての担当診察医により容易に判定することができる。治療有効量または用量は、疾患または障害の種類および進行の程度、特にその患者の全体的な健康状態、選択された化合物の相対的な生物学的有効性、適切な賦形剤との活性剤の処方、および投与経路など多くの因子に応じて変化する。典型的には、本発明の固体状態および化学形態は、より低い投与量レベルで投与され、所望の効果が得られるまで用量を徐々に増加させることになる。
他に記載がない限り、本明細書を通じて記載されるパーセンテージは、重量/重量(w/w)パーセンテージである。
「薬学的に許容される賦形剤」という用語は、本明細書で使用する場合、あらゆる溶媒、分散媒、コーティング剤、抗菌および抗真菌剤、等張および吸収遅延剤ならびに同種のものを含む。医薬活性物質のためのこうした媒体および薬の使用は、レミントン(Remington)著:ザ・サイエンス・アンド・プラクティス・オブ・ファーマシー(The Science and Practice of Pharmacy)、第20版;ジェンナロ,A.R.(Gennaro,A.R.)編;リッピンコット・ウィリアムズ・アンド・ウィルキンス(Lippincott Williams & Wilkins)社:フィラデルフィア、ペンシルベニア州、2000年など当該技術分野において周知である。従来の任意の媒体または薬が活性成分と相性が悪い場合を除き、その治療用組成物中での使用を意図している。さらに当該組成物には、補助的活性成分を加えてもよい。
本発明の結晶形態またはアモルファス形態は、治療目的として、活性剤を被検体の体内で活性剤の作用部位と接触させる任意の手段により投与することができる。化合物Iおよび/またはその塩の固体形態は、個々の治療薬として、あるいは、他の治療薬、たとえば鎮痛薬と組み合わせて、医薬品と併用して利用可能な従来の任意の手段により投与することができる。本発明の固体および化学形態は好ましくは、本明細書に記載の疾患および障害の処置のため本明細書に記載の疾患および障害の治療有効量で、そうした処置が必要と判定された被検体に投与される。
典型的な用量範囲は、約0.01mg/kg体重/日から約500mg/kg体重/日である。成人ヒトの好ましい単位用量として、化合物Iの選択された固体形態または化学形態約25mg、50mg、100mgおよび200mgが挙げられ、これを1日1〜4回投与すればよい。説明する別の方法では、治療有効用量は、特定の血清レベルを得るのに必要な特定の用量である。
本発明の固体状態および/または化学形態は、1種または複数種の薬学的に許容される賦形剤と混合して医薬組成物に製剤化することができる。賦形剤は、たとえば、レミントン著:ザ・サイエンス・アンド・プラクティス・オブ・ファーマシー、第20版;ジェンナロ,A.R.編;リッピンコット・ウィリアムズ・アンド・ウィルキンス社:フィラデルフィア、ペンシルベニア州、2000年に記載されたような選択された投与経路、および標準的な医療慣行に基づき選択される。本組成物は、速溶性製剤、放出調節製剤または持続放出製剤のように、活性剤(単数または複数)の放出を制御および/または遅延させるように製剤化してもよい。こうした放出制御または徐放組成物は、たとえば生体適合性生分解性ラクチドポリマー、ラクチド/グリコリドコポリマー、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマー、または当該技術分野において公知の他の固体もしくは半固体ポリマーマトリックスを利用してもよい。
本発明の組成物は、経口手段;静脈内経路、筋肉内経路および皮下経路などの非経口手段;局所もしくは経皮手段;直腸経路、経膣経路、舌下経路および口腔内経路などの経粘膜手段;点眼手段;または吸入手段による投与用に調製してもよい。好ましくは本組成物は、特に錠剤、カプセル剤もしくはシロップ剤の形態で経口投与用に;特に液体溶液剤、懸濁剤もしくは乳剤の形態で非経口投与用に;特に散剤、点鼻剤もしくはエアロゾル剤の形態で鼻腔内投与用に;またはクリーム剤、軟膏剤、溶液剤、懸濁剤、エアロゾル剤、散剤および同種のものなどの局所投与用に調製される。
経口投与では、錠剤、丸剤、散剤、カプセル剤、トローチ剤および同種のものは、以下の:希釈薬または充填剤、たとえばデンプンもしくはセルロース;バインダー、たとえば微結晶性セルロース、ゼラチンもしくはポリビニルピロリドン;錠剤分解物質、たとえばデンプンもしくはセルロース誘導体;滑沢剤、たとえばタルクもしくはステアリン酸マグネシウム;流動促進剤、たとえばコロイド状二酸化ケイ素;甘味剤、たとえばスクロースもしくはサッカリン;または着香剤、たとえばペパーミントもしくはサクランボ香味料の1つまたは複数を含んでもよい。カプセル剤は前述の賦形剤のいずれを含んでもよく、半固体または液体キャリア、たとえばポリエチレングリコールをさらに含んでもよい。固体経口剤形は、糖のコーティング、セラックまたは腸溶剤を有してもよい。液体調製物は、水性または油性懸濁剤、溶液剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤等の形態であってもよいし、あるいは使用前に水または他の好適なビヒクルで再溶解する乾燥製品として提供してもよい。こうした液体調製物は、通常の添加剤、たとえば界面活性剤、懸濁化剤、乳化剤、希釈薬、甘味料および着香剤、色素ならびに防腐剤を含んでもよい。
本組成物はまた、非経口投与してもよい。注射用途に許容される医薬品形態として、たとえば、無菌水溶液剤または懸濁液剤が挙げられる。水性キャリアには、アルコールと水との混合物、緩衝化媒体および同種のものがある。非水性溶媒には、アルコールおよびグリコール、たとえばエタノールおよびポリエチレングリコール;油、たとえば植物油;脂肪酸および脂肪酸エステルならびに同種のものがある。界面活性剤;たとえばヒドロキシプロピルセルロース;等張剤、たとえば塩化ナトリウム;体液および栄養補給液;電解質補液;活性化合物の放出を制御する薬、たとえばモノステアリン酸アルミニウムおよび様々なコポリマー;抗菌薬、たとえばクロロブタノールまたはフェノール;緩衝液ならびに同種のものなど他の成分を加えてもよい。非経口調製物は、アンプル、ディスポーザブルシリンジまたはマルチドーズバイアルバイアルに封入してもよい。他の有用と考えられる活性化合物の非経口送達系として、エチレン−酢酸ビニルコポリマー粒子、浸透圧ポンプ、埋め込み式注入系およびリポソームが挙げられる。
他の可能な投与モードとして、乾燥粉末、エアロゾルまたは滴剤などの手段を含む吸入用の製剤が挙げられる。これらは、たとえば、ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、グリココラートおよびデオキシコレートを含む水溶液であっても、あるいは、点鼻液の形態でまたは鼻腔内に適用されるゲルとして、投与される油性溶液であってもよい。局所用途の製剤は、軟膏、クリームまたはゲルの形態をとる。典型的にはこれらの形態は、キャリア、たとえばペトロラタム、ラノリン、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコールまたはこれらの組み合わせ、およびラウリル硫酸ナトリウムなどの乳化剤またはトラガントなどのゲル化剤を含む。経皮投与に好適な製剤は、リザーバーまたはマイクロリザーバー系、粘着性拡散制御系またはマトリックス分散型系のように独立分離したパッチとして提供してもよい。口腔内投与用の製剤として、たとえばロゼンジまたはトローチがあり、スクロースまたはアカシアなどの香味基剤、およびグリココラートなどの他の賦形剤をさらに含んでもよい。直腸投与に好適な製剤は好ましくは、カカオバターなどの固体ベースのキャリアを用いた単位用量坐剤として提供され、サリチレート(salicyclate)を含んでもよい。
溶媒および酸
化合物IのpKa値をACDソフトウェア、バージョン101により計算した。キナゾリン部分の2.8というpKaから、広範囲な酸を用いて塩のスクリーニングが試みられることが示唆される。しかしながら、これは、試験のために選択したすべての条件またはすべての酸の成功を保証または予測するものではない。塩または共結晶の形成を、表2に列挙した24種の酸を用いて試みた。これらの酸は、pKaおよび規制当局に許容されるかどうかに基づき選択した(クラス1、2および3)。一般に、編者シュタール,ハインリック P.(Stahl,Heinrich P.)、ワームース,カミール G.(Wermuth,Camile G.)、2002年.ハンドブック・オブ・ファーマシューティカル・ソルツ:プロパティーズ・セレクション・アンド・ユース(Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use)、フェアラーク・ヘルベチカ・キミカ・アクタ(Verlag Helvetica Chimica Acta)社およびワイリー−VCH(Wiley−VCH)社.ドイツおよびスイス;編者ブンダバリ,スーザン(Bundavari,Susan)、1996年、メルクインデックス(Merck Index)、第12版、メルク・アンド・カンパニー・インコーポレイテッド(Merck and Company,Inc.)、ホワイトハウス・ステーション、ニュージャージー州、米国を参照されたい。
化合物IのpKa値をACDソフトウェア、バージョン101により計算した。キナゾリン部分の2.8というpKaから、広範囲な酸を用いて塩のスクリーニングが試みられることが示唆される。しかしながら、これは、試験のために選択したすべての条件またはすべての酸の成功を保証または予測するものではない。塩または共結晶の形成を、表2に列挙した24種の酸を用いて試みた。これらの酸は、pKaおよび規制当局に許容されるかどうかに基づき選択した(クラス1、2および3)。一般に、編者シュタール,ハインリック P.(Stahl,Heinrich P.)、ワームース,カミール G.(Wermuth,Camile G.)、2002年.ハンドブック・オブ・ファーマシューティカル・ソルツ:プロパティーズ・セレクション・アンド・ユース(Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use)、フェアラーク・ヘルベチカ・キミカ・アクタ(Verlag Helvetica Chimica Acta)社およびワイリー−VCH(Wiley−VCH)社.ドイツおよびスイス;編者ブンダバリ,スーザン(Bundavari,Susan)、1996年、メルクインデックス(Merck Index)、第12版、メルク・アンド・カンパニー・インコーポレイテッド(Merck and Company,Inc.)、ホワイトハウス・ステーション、ニュージャージー州、米国を参照されたい。
概して、塩の形成は、酸のpKaと化合物Iの無水遊離塩基(形態A0)のpKaとの差が2より大きいと起こる傾向が強い一方、共結晶は、pKaの差が2未満であると起こる傾向が強い。共結晶技術の応用が、特定のAPIの溶解度および安定性を高める手段として認識が高まったのは、つい最近である。表2に列挙した24種の酸は一般に、共結晶形成より塩形成をもたらす傾向が強いと考えられた。形態A0/酸の組み合わせは各々、3つの異なる溶媒を用いて熟成法、徐冷法および蒸発結晶化法に供した。本明細書に記載の実験では、試薬グレードのアセトン、クロロホルムおよびテトラヒドロフランをさらに精製することなく使用した。
X線粉末回折(XRPD)
粉末X線回折パターンは、45kVおよび40mAのCuKα線を用いてX celerator検出器を備えたPANalytical X Pert Pro回折装置で記録した。Kα1線は、高配向結晶(Ge111)入射ビームモノクロメーターを用いて得られる。10mmのビームマスク、ならびに固定発散スリット(1/4°)および散乱防止スリット(1/2°)を入射ビーム側に挿入した。固定5mm受光スリットおよび0.04ソーラーブロックを回折ビーム側に挿入した。サンプルは、PANalytical PW3065/12 Spinnerで回転させた(15回転/分)。典型的なX線粉末パターンのスキャンは、約2〜40°2θをステップサイズ0.0080°および計数時間96.06秒、スキャン速度を約0.5°/分として収集した。測定のためサンプルをシリコンゼロバックグラウンド(ZBG)プレート上に広げた。スクリーニング試験では、サンプルをZBGまたはガラス板上に広げ、ステップサイズ0.0334°および計数時間31.75秒、スキャン速度を約7.1°/分として約2〜35°2θを測定した。データ収集前のSi標準試料の測定から2θおよび強度の値を得たところ、十分に28.42<2θ<28.48の許容範囲内にあり、最小ピーク高さ150cpsよりも顕著に大きかった。
粉末X線回折パターンは、45kVおよび40mAのCuKα線を用いてX celerator検出器を備えたPANalytical X Pert Pro回折装置で記録した。Kα1線は、高配向結晶(Ge111)入射ビームモノクロメーターを用いて得られる。10mmのビームマスク、ならびに固定発散スリット(1/4°)および散乱防止スリット(1/2°)を入射ビーム側に挿入した。固定5mm受光スリットおよび0.04ソーラーブロックを回折ビーム側に挿入した。サンプルは、PANalytical PW3065/12 Spinnerで回転させた(15回転/分)。典型的なX線粉末パターンのスキャンは、約2〜40°2θをステップサイズ0.0080°および計数時間96.06秒、スキャン速度を約0.5°/分として収集した。測定のためサンプルをシリコンゼロバックグラウンド(ZBG)プレート上に広げた。スクリーニング試験では、サンプルをZBGまたはガラス板上に広げ、ステップサイズ0.0334°および計数時間31.75秒、スキャン速度を約7.1°/分として約2〜35°2θを測定した。データ収集前のSi標準試料の測定から2θおよび強度の値を得たところ、十分に28.42<2θ<28.48の許容範囲内にあり、最小ピーク高さ150cpsよりも顕著に大きかった。
温度可変X線粉末回折(VT(Variable Temperature)−XRPD)
温度可変試験は、Anton Paar TCU100温度制御ユニットによるコンピューター制御下、Anton Paar TTK450温度チャンバーを用いて行った。典型的には測定は、窒素を流しながらカメラにより行った。制限および連続の2つの測定スキームを使用した。制限モードでは、TK450チャンバーが要求温度に達した後測定を行った。連続モードでは、サンプルを10℃/分で加熱し、温度を変化させながらファーストスキャンを測定した。要求温度に達した後、サンプルを35℃/分で冷却し、スロースキャンを25℃で測定した。選択した温度は、DSCの結果によった。回折装置の構成では、10mmのビームマスク、0.04ラジアンソーラーブロック、固定発散スリット(1/4°)および散乱防止スリット(1/2°)を入射ビーム側に挿入した。固定5mm受光スリット、0.04ラジアンソーラースリットおよび0.02mmニッケルフィルターを回折ビーム側に挿入した。スロースキャンは、約3〜40°2θをステップサイズ0.0080°および計数時間100.97秒、スキャン速度を約0.5°/分として収集した。ファーストスキャンは、約3〜30°2θをステップサイズ0.0167°および計数時間1.905秒、スキャン速度を約44°/分として収集した。
温度可変試験は、Anton Paar TCU100温度制御ユニットによるコンピューター制御下、Anton Paar TTK450温度チャンバーを用いて行った。典型的には測定は、窒素を流しながらカメラにより行った。制限および連続の2つの測定スキームを使用した。制限モードでは、TK450チャンバーが要求温度に達した後測定を行った。連続モードでは、サンプルを10℃/分で加熱し、温度を変化させながらファーストスキャンを測定した。要求温度に達した後、サンプルを35℃/分で冷却し、スロースキャンを25℃で測定した。選択した温度は、DSCの結果によった。回折装置の構成では、10mmのビームマスク、0.04ラジアンソーラーブロック、固定発散スリット(1/4°)および散乱防止スリット(1/2°)を入射ビーム側に挿入した。固定5mm受光スリット、0.04ラジアンソーラースリットおよび0.02mmニッケルフィルターを回折ビーム側に挿入した。スロースキャンは、約3〜40°2θをステップサイズ0.0080°および計数時間100.97秒、スキャン速度を約0.5°/分として収集した。ファーストスキャンは、約3〜30°2θをステップサイズ0.0167°および計数時間1.905秒、スキャン速度を約44°/分として収集した。
示差走査熱量測定(DSC)
熱曲線は、解析前にインジウムで較正した、Pyrisソフトウェアバージョン6.0を実行するオートサンプラーを備えたPerkin−Elmer Sapphire DSCユニットを用いて得た。1〜10mgの固体サンプルを、ピンホールパンを有する20μLのアルミニウム製サンプルピンに秤量した。次いでDSCセルを窒素でパージし、温度を0〜300℃に10℃/分で加熱した。較正にはインジウム(Tm=156.6℃;AHFUS=28.45Jg−1)を使用した。
熱曲線は、解析前にインジウムで較正した、Pyrisソフトウェアバージョン6.0を実行するオートサンプラーを備えたPerkin−Elmer Sapphire DSCユニットを用いて得た。1〜10mgの固体サンプルを、ピンホールパンを有する20μLのアルミニウム製サンプルピンに秤量した。次いでDSCセルを窒素でパージし、温度を0〜300℃に10℃/分で加熱した。較正にはインジウム(Tm=156.6℃;AHFUS=28.45Jg−1)を使用した。
熱重量質量分析(TGA−MS(Mass Spectrometry))
熱曲線は、アルメル(95%ニッケル、2%マンガン、2%アルミニウムおよび1%シリコン)、ニッケルおよびシュウ酸カルシウム一水和物で較正した、Pyrisソフトウェアバージョン6.0を実行するPerkin−Elmer Pyris 1 TGAユニットを用いて得た。1〜5mgのTGAサンプルについて、ヘリウムを約50mL/分でパージした炉内にて10℃/分で25〜250℃に加熱した際の重量減少率をモニターした。調査した温度範囲におけるガス状分解生成物の発生を同時に追跡するため、熱天秤をThermoStar Quadrupole Mass Spectrometer(アスラー(Asslar)、ドイツ)に連結した。ガス状分解生成物を質量分析計に導入するトランスファーラインは、発生したガスの凝縮の可能性を回避するため200℃に温度制御された不活性化溶融シリカキャピラリー(SGEアナリティカルサイエンス(SGE Analytical science)、溶融シリカ(100%メチル不活性化)、OD220mm、ID150mm、オーストラリア)であった。こうしてTGAの重量減少曲線および選択されたイオン種の質量分析のイオン強度曲線を同時に記録することができた。
熱曲線は、アルメル(95%ニッケル、2%マンガン、2%アルミニウムおよび1%シリコン)、ニッケルおよびシュウ酸カルシウム一水和物で較正した、Pyrisソフトウェアバージョン6.0を実行するPerkin−Elmer Pyris 1 TGAユニットを用いて得た。1〜5mgのTGAサンプルについて、ヘリウムを約50mL/分でパージした炉内にて10℃/分で25〜250℃に加熱した際の重量減少率をモニターした。調査した温度範囲におけるガス状分解生成物の発生を同時に追跡するため、熱天秤をThermoStar Quadrupole Mass Spectrometer(アスラー(Asslar)、ドイツ)に連結した。ガス状分解生成物を質量分析計に導入するトランスファーラインは、発生したガスの凝縮の可能性を回避するため200℃に温度制御された不活性化溶融シリカキャピラリー(SGEアナリティカルサイエンス(SGE Analytical science)、溶融シリカ(100%メチル不活性化)、OD220mm、ID150mm、オーストラリア)であった。こうしてTGAの重量減少曲線および選択されたイオン種の質量分析のイオン強度曲線を同時に記録することができた。
重量法水蒸気収着(GVS)
GVS実験は、DVS−HT装置(サーフェスメジャメントシステムズ(Surface Measurement Systems)、ロンドン、英国)を用いて行った。この装置は、±0.1μgの質量分解能を有する記録超微量天秤を用いて蒸気の吸収および脱離を重量測定法で測定する。サンプル周囲の蒸気分圧(±1.0%)は、電子式マスフローコントローラを用いて飽和および乾燥キャリアガス流を混合することにより制御される。所望の温度は±0.1℃に維持される。サンプル(1〜10mg)を所望の温度のDVS−HT装置およびDVS−1装置に入れた。
GVS実験は、DVS−HT装置(サーフェスメジャメントシステムズ(Surface Measurement Systems)、ロンドン、英国)を用いて行った。この装置は、±0.1μgの質量分解能を有する記録超微量天秤を用いて蒸気の吸収および脱離を重量測定法で測定する。サンプル周囲の蒸気分圧(±1.0%)は、電子式マスフローコントローラを用いて飽和および乾燥キャリアガス流を混合することにより制御される。所望の温度は±0.1℃に維持される。サンプル(1〜10mg)を所望の温度のDVS−HT装置およびDVS−1装置に入れた。
サンプルは40%RHおよび25℃(典型的な室条件)で充填し、取り出した。水分収着等温線を下記に概説したように作成した(2回のスキャンで完全な1サイクルとした)。ソフトウェアは、質量緩和のモデルと共に最小二乗法を使用して漸近値を予測する。測定された質量平衡値が、ソフトウェアにより予測された値の2%以内になってから、次のRH%値が選択されなければならない。最小平衡時間を1時間、最大平衡時間を4時間に設定した。
フーリエ変換赤外(FTIR:Fourie Transform Infrared)分光法
スペクトルは、ダイヤモンド結晶ウィンドウを含むSmart Orbit ATRアタッチメントを備えたThermo Electron−Nicolet Avatar 370 DTGS装置を用いて得た。Thermo Electron Omnic(商標)ソフトウェア(バージョン3.1)を用いて、初期インターフェログラムから4000〜400cm−1のスペクトルを計算した。スペクトル分解の前にバックグラウンドスキャンを収集し、平均した。吸収周波数の帰属は、Know It Allソフトウェア(バージョン8.0)を用いて行った。
スペクトルは、ダイヤモンド結晶ウィンドウを含むSmart Orbit ATRアタッチメントを備えたThermo Electron−Nicolet Avatar 370 DTGS装置を用いて得た。Thermo Electron Omnic(商標)ソフトウェア(バージョン3.1)を用いて、初期インターフェログラムから4000〜400cm−1のスペクトルを計算した。スペクトル分解の前にバックグラウンドスキャンを収集し、平均した。吸収周波数の帰属は、Know It Allソフトウェア(バージョン8.0)を用いて行った。
光学顕微鏡法(OM:Optical Microscopy)
サンプル形態の顕微鏡観察は、Olympus B60偏光顕微鏡を用いて行った。観察前にサンプルを鉱油に懸濁し、スライドガラス上にカバースリップで押さえた。画像は、FW−24(PAX CAM)カメラで撮影した。対物レンズ10×をさらに顕微鏡光学系での倍率10×と合わせて総合倍率100×とした。画像は、Pax−itソフトウェア(バージョン6.2)を用いて解析および撮影した。
サンプル形態の顕微鏡観察は、Olympus B60偏光顕微鏡を用いて行った。観察前にサンプルを鉱油に懸濁し、スライドガラス上にカバースリップで押さえた。画像は、FW−24(PAX CAM)カメラで撮影した。対物レンズ10×をさらに顕微鏡光学系での倍率10×と合わせて総合倍率100×とした。画像は、Pax−itソフトウェア(バージョン6.2)を用いて解析および撮影した。
HPLCによる同一性、アッセイおよび純度
典型的には1〜5mgのサンプルをサンプル溶媒(1:1(v:v)移動相A:移動相B)で10mLに希釈し、以下のHPLC法を用いて2回ずつの注入の平均からアッセイ濃度を判定した。純度および不純物の解析は、従来のHPLCを用いて行う。
カラム: Zorbax SB−CN、1.8μm、50×4.6mm(長さ×ID)
プレカラムフィルター: OptiSolv EXP 0.2μm
カラム温度: 50℃
検出器: UV、280nm
注入量: 10μL
流速: 0.8mL/分
移動相: A. 15mM酢酸アンモニウム(aq.)、pH=4.0
B 100%メタノール
典型的には1〜5mgのサンプルをサンプル溶媒(1:1(v:v)移動相A:移動相B)で10mLに希釈し、以下のHPLC法を用いて2回ずつの注入の平均からアッセイ濃度を判定した。純度および不純物の解析は、従来のHPLCを用いて行う。
カラム: Zorbax SB−CN、1.8μm、50×4.6mm(長さ×ID)
プレカラムフィルター: OptiSolv EXP 0.2μm
カラム温度: 50℃
検出器: UV、280nm
注入量: 10μL
流速: 0.8mL/分
移動相: A. 15mM酢酸アンモニウム(aq.)、pH=4.0
B 100%メタノール
固体状態の安定性の判定
化合物Iの遊離塩基およびその塩(各約10mg)のサンプルを、開放したガラスバイアル(4cm3)に4週間にわたり40℃/75%RHで乾燥剤を使用せずに保管した。
化合物Iの遊離塩基およびその塩(各約10mg)のサンプルを、開放したガラスバイアル(4cm3)に4週間にわたり40℃/75%RHで乾燥剤を使用せずに保管した。
形態A0の溶解度
以下の手順を用いて、表3に列挙した範囲の9種の有機溶媒中の化合物Iの無水遊離塩基(形態A0)の溶解度を評価した。1.8mLのHPLCバイアルを用いて約10mgの形態A0を、9種の異なる溶媒200μL中、沸点で撹拌した。固体が溶解しない場合、沸点まで加熱しながらさらに100μL、200μLまたは500μLの溶媒を加えた。固体が溶解するか、または1000μLを分配した際に添加を止めた。形態A0は、アセトン、クロロホルムおよびテトラヒドロフランで最も高い溶解度が観察された。非溶媒にはメチルt−ブチルエーテルが選択された(<10mg/mL)。
以下の手順を用いて、表3に列挙した範囲の9種の有機溶媒中の化合物Iの無水遊離塩基(形態A0)の溶解度を評価した。1.8mLのHPLCバイアルを用いて約10mgの形態A0を、9種の異なる溶媒200μL中、沸点で撹拌した。固体が溶解しない場合、沸点まで加熱しながらさらに100μL、200μLまたは500μLの溶媒を加えた。固体が溶解するか、または1000μLを分配した際に添加を止めた。形態A0は、アセトン、クロロホルムおよびテトラヒドロフランで最も高い溶解度が観察された。非溶媒にはメチルt−ブチルエーテルが選択された(<10mg/mL)。
化合物Iの塩の特性評価
塩の形成を調査するため、形態A0の結晶化試験を行った。熟成法、徐冷法および蒸発法を利用して様々な化合物Iの塩を得た。可能であれば、生成された新形態について十分な特性評価を行った。本特性評価は、X線粉末回折および温度可変X線粉末解析;熱解析;重量法水蒸気収着;フーリエ変換赤外分光法、ならびに光学顕微鏡法で構成した。
塩の形成を調査するため、形態A0の結晶化試験を行った。熟成法、徐冷法および蒸発法を利用して様々な化合物Iの塩を得た。可能であれば、生成された新形態について十分な特性評価を行った。本特性評価は、X線粉末回折および温度可変X線粉末解析;熱解析;重量法水蒸気収着;フーリエ変換赤外分光法、ならびに光学顕微鏡法で構成した。
アセトンを用いた熟成実験
以下に列挙した各酸について、遊離塩基20mgに対して酸約1.05当量になるように計算された量をガラスバイアルに秤量した。酸が液体である場合、密度を用いて等質量にするのに必要な体積を判定した。アセトンに溶解させた1mLの形態A0(20mg/1mL)をバイアルに加えた。得られた混合物を、HEL Polyblock(商標)Unitを用いて50℃および5℃(±0.5℃/分)で4時間周期にて交互に合計96時間スラリー化した。この固体材料を濾過により単離し、ハウスバキューム下40℃で18時間乾燥させ、XRPD、DSCおよびTGAにより解析した。結果の概要を表4に示す。本結晶化実験は、ガラスバイアル(1.5mL、32×11.6mm)中で行った。
以下に列挙した各酸について、遊離塩基20mgに対して酸約1.05当量になるように計算された量をガラスバイアルに秤量した。酸が液体である場合、密度を用いて等質量にするのに必要な体積を判定した。アセトンに溶解させた1mLの形態A0(20mg/1mL)をバイアルに加えた。得られた混合物を、HEL Polyblock(商標)Unitを用いて50℃および5℃(±0.5℃/分)で4時間周期にて交互に合計96時間スラリー化した。この固体材料を濾過により単離し、ハウスバキューム下40℃で18時間乾燥させ、XRPD、DSCおよびTGAにより解析した。結果の概要を表4に示す。本結晶化実験は、ガラスバイアル(1.5mL、32×11.6mm)中で行った。
クロロホルムを用いた熟成実験
以下に列挙した各酸について、遊離塩基20mgに対して酸約1.05当量になるように計算された量をガラスバイアルに秤量した。酸が液体である場合、密度を用いて等質量にするのに必要な体積を判定した。クロロホルムに溶解させた1mLの形態A0(20mg/1mL)をバイアルに加えた。得られた混合物を、HEL Polyblock(商標)Unitを用いて50℃および5℃(±0.5℃/分)で4時間周期にて交互に合計96時間スラリー化した。この固体材料を濾過により単離し、ハウスバキューム下40℃で18時間乾燥させ、XRPD、DSCおよびTGAにより解析した。結果を表5に示す。本結晶化実験は、ガラスバイアル(1.5mL、32×11.6mm)中で行った。
以下に列挙した各酸について、遊離塩基20mgに対して酸約1.05当量になるように計算された量をガラスバイアルに秤量した。酸が液体である場合、密度を用いて等質量にするのに必要な体積を判定した。クロロホルムに溶解させた1mLの形態A0(20mg/1mL)をバイアルに加えた。得られた混合物を、HEL Polyblock(商標)Unitを用いて50℃および5℃(±0.5℃/分)で4時間周期にて交互に合計96時間スラリー化した。この固体材料を濾過により単離し、ハウスバキューム下40℃で18時間乾燥させ、XRPD、DSCおよびTGAにより解析した。結果を表5に示す。本結晶化実験は、ガラスバイアル(1.5mL、32×11.6mm)中で行った。
テトラヒドロフランを用いた熟成実験
以下に列挙した各酸について、遊離塩基20mgに対して酸約1.05当量になるように計算された量をガラスバイアルに秤量した。酸が液体である場合、密度を用いて等質量にするのに必要な体積を判定した。テトラヒドロフランに溶解させた1mLの形態A0(20mg/1mL)をバイアルに加えた。得られた混合物を、HEL Polyblock(商標)Unitを用いて50℃および5℃(±0.5℃/分)で4時間周期にて交互に合計96時間スラリー化した。この固体材料を濾過により単離し、ハウスバキューム下40℃で18時間乾燥させ、XRPD、DSCおよびTGAにより解析した。結果を表6に示す。本結晶化実験は、ガラスバイアル(1.5mL、32×11.6mm)中で行った。
以下に列挙した各酸について、遊離塩基20mgに対して酸約1.05当量になるように計算された量をガラスバイアルに秤量した。酸が液体である場合、密度を用いて等質量にするのに必要な体積を判定した。テトラヒドロフランに溶解させた1mLの形態A0(20mg/1mL)をバイアルに加えた。得られた混合物を、HEL Polyblock(商標)Unitを用いて50℃および5℃(±0.5℃/分)で4時間周期にて交互に合計96時間スラリー化した。この固体材料を濾過により単離し、ハウスバキューム下40℃で18時間乾燥させ、XRPD、DSCおよびTGAにより解析した。結果を表6に示す。本結晶化実験は、ガラスバイアル(1.5mL、32×11.6mm)中で行った。
アセトンを用いた徐冷実験
以下の表に列挙した各酸について、遊離塩基20mgに対して酸約1.05当量になるように計算された量をガラスバイアルに秤量した。酸が液体である場合、密度を用いて等質量にするのに必要な体積を判定した。アセトンに溶解させた1mLの形態A0(20mg/1mL)をバイアルに加えた。このサンプルを、HEL Polyblock(商標)Unitを用いて5℃/分の速度で20℃から80℃に加熱し、60分後、最終温度5℃まで低速(−0.25℃/分)で冷却し、その温度で18時間維持した。この固体材料を濾過により単離し、ハウスバキューム下40℃で18時間乾燥させ、XRPD、DSCおよびTGAにより解析した。結果を表7に示す。本結晶化実験は、ガラスバイアル(1.5mL、32×11.6mm)中で行った。
以下の表に列挙した各酸について、遊離塩基20mgに対して酸約1.05当量になるように計算された量をガラスバイアルに秤量した。酸が液体である場合、密度を用いて等質量にするのに必要な体積を判定した。アセトンに溶解させた1mLの形態A0(20mg/1mL)をバイアルに加えた。このサンプルを、HEL Polyblock(商標)Unitを用いて5℃/分の速度で20℃から80℃に加熱し、60分後、最終温度5℃まで低速(−0.25℃/分)で冷却し、その温度で18時間維持した。この固体材料を濾過により単離し、ハウスバキューム下40℃で18時間乾燥させ、XRPD、DSCおよびTGAにより解析した。結果を表7に示す。本結晶化実験は、ガラスバイアル(1.5mL、32×11.6mm)中で行った。
クロロホルムを用いた徐冷実験
以下の表に列挙した各酸について、遊離塩基20mgに対して酸約1.05当量になるように計算された量をガラスバイアルに秤量した。酸が液体である場合、密度を用いて等質量にするのに必要な体積を判定した。クロロホルムに溶解させた1mLの形態A0(20mg/1mL)をバイアルに加えた。このサンプルを、HEL Polyblock(商標)Unitを用いて5℃/分の速度で20℃から80℃に加熱し、60分後、最終温度5℃まで低速(−0.25℃/分)で冷却し、その温度で18時間維持した。この固体材料を濾過により単離し、ハウスバキューム下40℃で18時間乾燥させ、XRPD、DSCおよびTGAにより解析した。結果を表8に示す。本結晶化実験は、ガラスバイアル(1.5mL、32×11.6mm)中で行った。
以下の表に列挙した各酸について、遊離塩基20mgに対して酸約1.05当量になるように計算された量をガラスバイアルに秤量した。酸が液体である場合、密度を用いて等質量にするのに必要な体積を判定した。クロロホルムに溶解させた1mLの形態A0(20mg/1mL)をバイアルに加えた。このサンプルを、HEL Polyblock(商標)Unitを用いて5℃/分の速度で20℃から80℃に加熱し、60分後、最終温度5℃まで低速(−0.25℃/分)で冷却し、その温度で18時間維持した。この固体材料を濾過により単離し、ハウスバキューム下40℃で18時間乾燥させ、XRPD、DSCおよびTGAにより解析した。結果を表8に示す。本結晶化実験は、ガラスバイアル(1.5mL、32×11.6mm)中で行った。
テトラヒドロフランを用いた徐冷実験
以下の表に列挙した各酸について、遊離塩基20mgに対して酸約1.05当量になるように計算された量をガラスバイアルに秤量した。酸が液体である場合、密度を用いて等質量にするのに必要な体積を判定した。テトラヒドロフランに溶解させた1mLの形態A0(20mg/1mL)をバイアルに加えた。このサンプルを、HEL Polyblock(商標)Unitを用いて5℃/分の速度で20℃から80℃に加熱し、60分後、最終温度5℃まで低速(−0.25℃/分)で冷却し、その温度で18時間維持した。この固体材料を濾過により単離し、ハウスバキューム下40℃で18時間乾燥させ、XRPD、DSCおよびTGAにより解析した。結果を表9に示す。本結晶化実験は、ガラスバイアル(1.5mL、32×11.6mm)中で行った。
以下の表に列挙した各酸について、遊離塩基20mgに対して酸約1.05当量になるように計算された量をガラスバイアルに秤量した。酸が液体である場合、密度を用いて等質量にするのに必要な体積を判定した。テトラヒドロフランに溶解させた1mLの形態A0(20mg/1mL)をバイアルに加えた。このサンプルを、HEL Polyblock(商標)Unitを用いて5℃/分の速度で20℃から80℃に加熱し、60分後、最終温度5℃まで低速(−0.25℃/分)で冷却し、その温度で18時間維持した。この固体材料を濾過により単離し、ハウスバキューム下40℃で18時間乾燥させ、XRPD、DSCおよびTGAにより解析した。結果を表9に示す。本結晶化実験は、ガラスバイアル(1.5mL、32×11.6mm)中で行った。
アセトンを用いた蒸発実験
以下の表に列挙した各酸について、遊離塩基20mgに対して酸約1.05当量になるように計算された量をガラスバイアルに秤量した。酸が液体である場合、密度を用いて等質量にするのに必要な体積を判定した。アセトンに溶解させた1mLの形態A0(20mg/1mL)をバイアルに加えた。バイアル(20mL、26×58mm)に約20mgの形態A0を加えた。この溶液または混合物を周囲条件下、ゆっくりと蒸発乾固させた。得られた固体をXRPD、DSCおよびTGAにより解析した。結果を表10に示す。
以下の表に列挙した各酸について、遊離塩基20mgに対して酸約1.05当量になるように計算された量をガラスバイアルに秤量した。酸が液体である場合、密度を用いて等質量にするのに必要な体積を判定した。アセトンに溶解させた1mLの形態A0(20mg/1mL)をバイアルに加えた。バイアル(20mL、26×58mm)に約20mgの形態A0を加えた。この溶液または混合物を周囲条件下、ゆっくりと蒸発乾固させた。得られた固体をXRPD、DSCおよびTGAにより解析した。結果を表10に示す。
クロロホルムを用いた蒸発実験
以下の表に列挙した各酸について、遊離塩基20mgに対して酸約1.05当量になるように計算された量をガラスバイアルに秤量した。酸が液体である場合、密度を用いて等質量にするのに必要な体積を判定した。バイアル(20mL、26×58mm)に約20mgの形態A0を加えた。クロロホルムを0.5〜1.0mLずつ加え、続いて撹拌しながら沸点まで加熱した。透明な溶液が得られたら、段階的な添加を止めた。合計10mLの溶媒を加えた際に透明な溶液が観察されなかった場合、この混合物を清浄なバイアルにシリンジ濾過した(5μナイロン膜)。この溶液を周囲条件下、ゆっくりと蒸発乾固させた。得られた固体をXRPD、DSCおよびTGAにより解析した。結果を表11に示す。
以下の表に列挙した各酸について、遊離塩基20mgに対して酸約1.05当量になるように計算された量をガラスバイアルに秤量した。酸が液体である場合、密度を用いて等質量にするのに必要な体積を判定した。バイアル(20mL、26×58mm)に約20mgの形態A0を加えた。クロロホルムを0.5〜1.0mLずつ加え、続いて撹拌しながら沸点まで加熱した。透明な溶液が得られたら、段階的な添加を止めた。合計10mLの溶媒を加えた際に透明な溶液が観察されなかった場合、この混合物を清浄なバイアルにシリンジ濾過した(5μナイロン膜)。この溶液を周囲条件下、ゆっくりと蒸発乾固させた。得られた固体をXRPD、DSCおよびTGAにより解析した。結果を表11に示す。
テトラヒドロフランを用いた蒸発実験
以下の表に列挙した各酸について、遊離塩基20mgに対して酸約1.05当量になるように計算された量をガラスバイアルに秤量した。酸が液体である場合、密度を用いて等質量にするのに必要な体積を判定した。バイアル(20mL、26×58mm)に約20mgの形態A0を加えた。テトラヒドロフランを0.5〜1.0mLずつ加え、続いて撹拌しながら沸点まで加熱した。透明な溶液が得られたら、段階的な添加を止めた。合計10mLの溶媒を加えた際に透明な溶液が観察されなかった場合、この混合物を清浄なバイアルにシリンジ濾過した(5μナイロン膜)。この溶液を周囲条件下、ゆっくりと蒸発乾固させた。得られた固体をXRPD、DSCおよびTGAにより解析した。結果を表12に示す。
以下の表に列挙した各酸について、遊離塩基20mgに対して酸約1.05当量になるように計算された量をガラスバイアルに秤量した。酸が液体である場合、密度を用いて等質量にするのに必要な体積を判定した。バイアル(20mL、26×58mm)に約20mgの形態A0を加えた。テトラヒドロフランを0.5〜1.0mLずつ加え、続いて撹拌しながら沸点まで加熱した。透明な溶液が得られたら、段階的な添加を止めた。合計10mLの溶媒を加えた際に透明な溶液が観察されなかった場合、この混合物を清浄なバイアルにシリンジ濾過した(5μナイロン膜)。この溶液を周囲条件下、ゆっくりと蒸発乾固させた。得られた固体をXRPD、DSCおよびTGAにより解析した。結果を表12に示す。
塩の実験結果の概要
形態A0の1つの安定な結晶形態が同定された(表13を参照)。いくつかの例では、溶液から形態A0が沈殿したが、塩の形成は認められなかった。4種の塩に関するデータを表12および14に示す。これらの塩の詳細な特性評価も本出願に記載する。
形態A0の1つの安定な結晶形態が同定された(表13を参照)。いくつかの例では、溶液から形態A0が沈殿したが、塩の形成は認められなかった。4種の塩に関するデータを表12および14に示す。これらの塩の詳細な特性評価も本出願に記載する。
固体状態の解析
化合物Iの遊離塩基、形態A0
形態A0の調製
N2入口/出口を有する10LのChemglassジャケット付き反応器に、化合物2(200.0g、637mmol)、化合物3(177.0g、596mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(DAMP)(2.88g)、続いて4.0Lの酢酸イソプロピルを加えた。内部温度を70℃に上昇させ、9時間加熱した。本反応は全体を通してスラリーのままであり、HPLCから、その時間の加熱後に化合物2が残存していないことが示された。次に2.0Lのヘプタンを70℃で加え、反応を20℃まで冷却した。この固体を1時間撹拌し、濾過し、ケークを2.0Lの1:1酢酸イソプロピル/ヘプタンで洗浄した。この白色の固体を、55℃でN2を流しながら真空度75mbar下オーブンに入れた。得られた固体は、HPLCにより重量295g(96%の収率)の形態A0であり、純度99.3%であった。
化合物Iの遊離塩基、形態A0
形態A0の調製
N2入口/出口を有する10LのChemglassジャケット付き反応器に、化合物2(200.0g、637mmol)、化合物3(177.0g、596mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(DAMP)(2.88g)、続いて4.0Lの酢酸イソプロピルを加えた。内部温度を70℃に上昇させ、9時間加熱した。本反応は全体を通してスラリーのままであり、HPLCから、その時間の加熱後に化合物2が残存していないことが示された。次に2.0Lのヘプタンを70℃で加え、反応を20℃まで冷却した。この固体を1時間撹拌し、濾過し、ケークを2.0Lの1:1酢酸イソプロピル/ヘプタンで洗浄した。この白色の固体を、55℃でN2を流しながら真空度75mbar下オーブンに入れた。得られた固体は、HPLCにより重量295g(96%の収率)の形態A0であり、純度99.3%であった。
XRPDによる特性評価
結晶形態A0に特有のX線回折パターンを表15および図1に示す。
結晶形態A0に特有のX線回折パターンを表15および図1に示す。
VT−XRPDによる特性評価
要求温度に加熱し25℃に戻した後、スロースキャンを測定した。最初のスキャンは、形態A0のパターンと一致する。200℃に加熱後、強度に変化があったが、ピーク位置に変化はなかった(図2)。255℃に加熱後、XRPDパターンは特徴がなくVTプレート上のサンプルは液滴形状の金色の固体であった。測定はすべてサンプルステージを介して窒素ガスを流しながら行った。
要求温度に加熱し25℃に戻した後、スロースキャンを測定した。最初のスキャンは、形態A0のパターンと一致する。200℃に加熱後、強度に変化があったが、ピーク位置に変化はなかった(図2)。255℃に加熱後、XRPDパターンは特徴がなくVTプレート上のサンプルは液滴形状の金色の固体であった。測定はすべてサンプルステージを介して窒素ガスを流しながら行った。
熱解析による形態A0の特性評価
形態A0は、約214.0℃で単一のピークを示し、ΔHFusは93.0J/gであった。TGAにより質量減少は検出されなかった。TGAにより検出された重量の減少が微小であったため、脱溶媒プロセスの存在は無視した(図3)。
形態A0は、約214.0℃で単一のピークを示し、ΔHFusは93.0J/gであった。TGAにより質量減少は検出されなかった。TGAにより検出された重量の減少が微小であったため、脱溶媒プロセスの存在は無視した(図3)。
形態A0の水分収着による特性評価(dm/dtモード)
40〜約90%RHの形態A0の吸湿率は1.3%未満(w/w)である。第2の収着ステップでは、本サンプルは水の吸収が遅かった(図4)。XRPD解析は、2サイクルのGVS実験後のサンプルについて行った。本材料のXRPDパターンは、GVS前の本材料のパターンとよく似ている(図5)。
40〜約90%RHの形態A0の吸湿率は1.3%未満(w/w)である。第2の収着ステップでは、本サンプルは水の吸収が遅かった(図4)。XRPD解析は、2サイクルのGVS実験後のサンプルについて行った。本材料のXRPDパターンは、GVS前の本材料のパターンとよく似ている(図5)。
FTIR分光法による特性評価
形態A0のフーリエ変換赤外スペクトルおよびその特性吸収帯を表16および図6に示す。
形態A0のフーリエ変換赤外スペクトルおよびその特性吸収帯を表16および図6に示す。
光学顕微鏡法
形態A0のサンプルは微小針状結晶を示し(倍率100×)、本材料は複屈折を呈した(図7)。
形態A0のサンプルは微小針状結晶を示し(倍率100×)、本材料は複屈折を呈した(図7)。
ブロミド形態A1
調製
熟成による結晶化
80mgの遊離塩基と反応するように計算された量の臭化水素酸(48%)約1.05当量をガラスバイアルに秤量し、4000μLのTHFに溶解した。本サンプルを、HEL Polyblock(商標)Unitを用いて5℃/分の速度で20℃から80℃に加熱し、60分後低速(0.25℃/分)で最終温度5℃に冷却し、その温度で18時間維持した。本結晶化実験は、ガラスバイアル(4.0mL;46×14.5mm)中で行った。この固体材料を濾過により単離し、ハウスバキューム下40℃で18時間乾燥させた。サンプルをXRPD、DSC、TGA、FTIRおよびOMにより解析した。
調製
熟成による結晶化
80mgの遊離塩基と反応するように計算された量の臭化水素酸(48%)約1.05当量をガラスバイアルに秤量し、4000μLのTHFに溶解した。本サンプルを、HEL Polyblock(商標)Unitを用いて5℃/分の速度で20℃から80℃に加熱し、60分後低速(0.25℃/分)で最終温度5℃に冷却し、その温度で18時間維持した。本結晶化実験は、ガラスバイアル(4.0mL;46×14.5mm)中で行った。この固体材料を濾過により単離し、ハウスバキューム下40℃で18時間乾燥させた。サンプルをXRPD、DSC、TGA、FTIRおよびOMにより解析した。
XRPDによる特性評価
結晶ブロミド形態A1に特有のピークおよびX線回折パターンを表17および図8に示す。
結晶ブロミド形態A1に特有のピークおよびX線回折パターンを表17および図8に示す。
熱解析によるブロミド形態A1の特性評価
ブロミド形態A1は約230.9℃で単一のピークを示し、融解エンタルピー(ΔHFus)は123.6J/gであった。ブロミド形態A1は、TGAで検討したところ、25℃〜150℃間で0.07%の重量減少を示した(図9)。
ブロミド形態A1は約230.9℃で単一のピークを示し、融解エンタルピー(ΔHFus)は123.6J/gであった。ブロミド形態A1は、TGAで検討したところ、25℃〜150℃間で0.07%の重量減少を示した(図9)。
ブロミド形態A1の25℃での水分収着による特性評価(dm/dtモード)
吸着された水分量は75%RHで0.7%未満、90%RHでは約1%であった。吸着曲線と脱着曲線が重なることから、形態A1は吸湿性がないことが示唆される(図10および図11)。XRPD解析は、2サイクルの重量法水蒸気収着実験後のサンプルについて行った。本材料のXRPDパターンは、GVS前の本材料のパターンとよく似ている(図12)。
吸着された水分量は75%RHで0.7%未満、90%RHでは約1%であった。吸着曲線と脱着曲線が重なることから、形態A1は吸湿性がないことが示唆される(図10および図11)。XRPD解析は、2サイクルの重量法水蒸気収着実験後のサンプルについて行った。本材料のXRPDパターンは、GVS前の本材料のパターンとよく似ている(図12)。
FTIR分光法による特性評価
ブロミド形態A1のフーリエ変換赤外スペクトルおよびその特性吸収帯を表18および図13に示す。
ブロミド形態A1のフーリエ変換赤外スペクトルおよびその特性吸収帯を表18および図13に示す。
光学顕微鏡法
ブロミド形態A1のサンプルは、集合体および微小針状結晶を示した(倍率100×)。本材料は複屈折を呈した(図14)。
ブロミド形態A1のサンプルは、集合体および微小針状結晶を示した(倍率100×)。本材料は複屈折を呈した(図14)。
クロリド形態A1
調製
結晶化
クロリド形態A1は、形態A0をテトラヒドロフラン/酢酸イソプロピルに溶解することにより形成した。1.3当量の5〜6N 塩化水素を含むイソプロパノールの添加後、この混合物を一晩撹拌した。単離収率は96.6%であった。サンプルをXRPD、DSC、TGA、FTIRおよびOMにより解析した。
調製
結晶化
クロリド形態A1は、形態A0をテトラヒドロフラン/酢酸イソプロピルに溶解することにより形成した。1.3当量の5〜6N 塩化水素を含むイソプロパノールの添加後、この混合物を一晩撹拌した。単離収率は96.6%であった。サンプルをXRPD、DSC、TGA、FTIRおよびOMにより解析した。
XRPDによる特性評価
結晶クロリド形態A1に特有のピークおよびX線回折パターンを表19および図15に示す。
結晶クロリド形態A1に特有のピークおよびX線回折パターンを表19および図15に示す。
VT−XRPDによる特性評価
クロリド形態A1の場合、25℃〜200℃で固相−固相転移は起こらない。245℃に加熱時に、本サンプルは溶融し、25℃に冷却しても再結晶は認められない(図16)。
クロリド形態A1の場合、25℃〜200℃で固相−固相転移は起こらない。245℃に加熱時に、本サンプルは溶融し、25℃に冷却しても再結晶は認められない(図16)。
熱解析によるクロリド形態A1の特性評価
クロリド形態A1は約236.1℃で単一のピークを示し、ΔHFusは256.1J/gであった。TGA測定から、25℃〜150℃間で0.2%の平均重量減少率が示された(図17)。
クロリド形態A1は約236.1℃で単一のピークを示し、ΔHFusは256.1J/gであった。TGA測定から、25℃〜150℃間で0.2%の平均重量減少率が示された(図17)。
25℃でのクロリド形態A1の水分収着による特性評価(dm/dtモード)
第1の吸着曲線(図18)は90%RHで1.7%の重量増加を示す。形態A1の第2のサイクルは、第1のサイクルを正確に再現する。GVSサイクルにおいて形態の変化は起こらなかった。図19のXRPDパターンに示すように、本サンプルは、GVS実験も同じ結晶形態であった。
第1の吸着曲線(図18)は90%RHで1.7%の重量増加を示す。形態A1の第2のサイクルは、第1のサイクルを正確に再現する。GVSサイクルにおいて形態の変化は起こらなかった。図19のXRPDパターンに示すように、本サンプルは、GVS実験も同じ結晶形態であった。
FTIRによるクロリド形態A1の特性評価
形態A1のFTIRスペクトルを図20に示し、提案したピーク帰属を表20に示す。
形態A1のFTIRスペクトルを図20に示し、提案したピーク帰属を表20に示す。
光学顕微鏡法
クロリド形態A1のサンプルは、集合体および微小針状結晶を示した(倍率100×)。本材料は複屈折を呈した(図21)。
クロリド形態A1のサンプルは、集合体および微小針状結晶を示した(倍率100×)。本材料は複屈折を呈した(図21)。
マロナート形態A1
調製
熟成による結晶化
80mgの形態A0と反応するように計算された量のマロン酸約1.05当量を、4000μLのTHFと共にガラスバイアルに秤量した。この混合物を、HEL Polyblock(商標)Unitを用いて50℃および5℃(±0.5℃/分)で4時間周期にて交互に合計48時間スラリー化した。本結晶化実験は、ガラスバイアル(4.0mL。346×14.5mm)中で行った。この固体材料を濾過により単離し、ハウスバキューム下40℃で18時間乾燥させた。本サンプルは、XRPD、DSC、TGA、GVS、FTIRおよびOMにより解析した。
調製
熟成による結晶化
80mgの形態A0と反応するように計算された量のマロン酸約1.05当量を、4000μLのTHFと共にガラスバイアルに秤量した。この混合物を、HEL Polyblock(商標)Unitを用いて50℃および5℃(±0.5℃/分)で4時間周期にて交互に合計48時間スラリー化した。本結晶化実験は、ガラスバイアル(4.0mL。346×14.5mm)中で行った。この固体材料を濾過により単離し、ハウスバキューム下40℃で18時間乾燥させた。本サンプルは、XRPD、DSC、TGA、GVS、FTIRおよびOMにより解析した。
XRPDによる特性評価
結晶マロナート形態A1に特有のピークおよびX線回折パターンを表21および図22に示す。
結晶マロナート形態A1に特有のピークおよびX線回折パターンを表21および図22に示す。
熱解析によるマロナート形態A1の特性評価
マロナート形態A1は約171.7℃で単一のピークを示し、ΔHFusは140.6J/gであった。マロナート形態A1は、TGAで検討したところ、25℃〜150℃間で1.7%の平均重量減少率を示した(図23)。
マロナート形態A1は約171.7℃で単一のピークを示し、ΔHFusは140.6J/gであった。マロナート形態A1は、TGAで検討したところ、25℃〜150℃間で1.7%の平均重量減少率を示した(図23)。
25℃でのマロナート形態A1の水分収着による特性評価(dm/dtモード)
0〜90%のRH範囲にわたり水が着実に吸収される。バルク吸収の限定的な表面吸着が起きている。総吸収量は<4%である。GVSサイクルにおいて形態の変化は起こらなかった。
0〜90%のRH範囲にわたり水が着実に吸収される。バルク吸収の限定的な表面吸着が起きている。総吸収量は<4%である。GVSサイクルにおいて形態の変化は起こらなかった。
FTIRによるマロナート形態A1の特性評価
マロナート形態A1のFTIRスペクトルを図24に示し、提案したピーク帰属を表22に示す。
マロナート形態A1のFTIRスペクトルを図24に示し、提案したピーク帰属を表22に示す。
光学顕微鏡法
マロナート形態A1のサンプルは集合体(倍率100×)を示し、本材料は複屈折を呈した(図25)。
マロナート形態A1のサンプルは集合体(倍率100×)を示し、本材料は複屈折を呈した(図25)。
ホスフェート形態A1
調製
熟成による結晶化
80mgの形態A0と反応するように計算された量のオルト−リン酸約1.05当量を、2mLのアセトンと共にガラスバイアルに加えた。この混合物を、HEL Polyblock(商標)Unitを用いて50℃および5℃(±0.5℃/分)で4時間周期にて交互に合計48時間スラリー化した。本結晶化実験は、ガラスバイアル(40mL、46×14.5mm)中で行った。この固体材料を濾過により単離し、ハウスバキューム下40℃で18時間乾燥させた。本サンプルは、XRPD、DSC、TGA、GVS、FTIRおよびOMにより解析した。
調製
熟成による結晶化
80mgの形態A0と反応するように計算された量のオルト−リン酸約1.05当量を、2mLのアセトンと共にガラスバイアルに加えた。この混合物を、HEL Polyblock(商標)Unitを用いて50℃および5℃(±0.5℃/分)で4時間周期にて交互に合計48時間スラリー化した。本結晶化実験は、ガラスバイアル(40mL、46×14.5mm)中で行った。この固体材料を濾過により単離し、ハウスバキューム下40℃で18時間乾燥させた。本サンプルは、XRPD、DSC、TGA、GVS、FTIRおよびOMにより解析した。
XRPDによる特性評価
結晶ホスフェート形態A1に特有のピークおよびX線回折パターンを表23および図26に示す。
結晶ホスフェート形態A1に特有のピークおよびX線回折パターンを表23および図26に示す。
熱解析によるホスフェート形態A1の特性評価
ホスフェート形態A1は約186.3℃で単一のピークを示し、融解エンタルピー(ΔHFus)は78.7J/gであった(図27)。ホスフェート形態A1は、TGAで検討したところ、25℃〜150℃間で0.12%の平均重量減少率を示した。
ホスフェート形態A1は約186.3℃で単一のピークを示し、融解エンタルピー(ΔHFus)は78.7J/gであった(図27)。ホスフェート形態A1は、TGAで検討したところ、25℃〜150℃間で0.12%の平均重量減少率を示した。
25℃でのホスフェート形態A1の水分収着による特性評価(dm/dtモード)
吸着された水分量は75%RHで1.8%未満、90%RHでは約2.7%であった。吸着曲線および脱着曲線が重なることから、化合物Iのホスフェート形態A1は吸湿性がないことが示唆される(図28および図29)。XRPD解析は、2サイクルのGVS実験後のサンプルについて行った。本材料のXRPDパターンは、GVS前の本材料のパターンとよく似ている(図30)。
吸着された水分量は75%RHで1.8%未満、90%RHでは約2.7%であった。吸着曲線および脱着曲線が重なることから、化合物Iのホスフェート形態A1は吸湿性がないことが示唆される(図28および図29)。XRPD解析は、2サイクルのGVS実験後のサンプルについて行った。本材料のXRPDパターンは、GVS前の本材料のパターンとよく似ている(図30)。
FTIRによるホスフェート形態A1の特性評価
ホスフェート形態A1のFTIRスペクトルを図31に示し、提案したピーク帰属を表24に示す。
ホスフェート形態A1のFTIRスペクトルを図31に示し、提案したピーク帰属を表24に示す。
光学顕微鏡法
ホスフェート形態A1のサンプルは集合体および微小粒子を示した(倍率100×)。本材料は複屈折を呈した(図32)。
ホスフェート形態A1のサンプルは集合体および微小粒子を示した(倍率100×)。本材料は複屈折を呈した(図32)。
速度論的溶解度(kinetic solubility)の測定
化合物Iの遊離塩基、形態A0および4種の塩の純水への溶解度測定を行った。
化合物Iの遊離塩基、形態A0および4種の塩の純水への溶解度測定を行った。
サンプル溶液の調製
以下の表に列挙した遊離塩基および塩を、2.0mLのガラスバイアル中の水に過剰(飽和状態)に加えた。このサンプルを周囲室温にて最大20分エンドツーエンドローテーター(50rpm)に載せた。20分後、HPLC解析のためサンプリングを行った。
結果を表25に示す。水溶解度の測定から、クロリド塩が純水(pH=7)中への溶解に最良の塩であることが確認された。
以下の表に列挙した遊離塩基および塩を、2.0mLのガラスバイアル中の水に過剰(飽和状態)に加えた。このサンプルを周囲室温にて最大20分エンドツーエンドローテーター(50rpm)に載せた。20分後、HPLC解析のためサンプリングを行った。
結果を表25に示す。水溶解度の測定から、クロリド塩が純水(pH=7)中への溶解に最良の塩であることが確認された。
固体形態間の関係
固体状態の苛酷安定性
形態の安定性に対する温度および湿度の影響の結果を迅速に得るため、苛酷安定性試験を行った。
固体状態の苛酷安定性
形態の安定性に対する温度および湿度の影響の結果を迅速に得るため、苛酷安定性試験を行った。
形態A0およびクロリド形態A1
乾燥剤を用いない40℃/75%相対湿度の標準的なICH苛酷条件での固体状態において、遊離塩基形態A0およびクロリド形態A1は28日間安定であった(表26および表27)。
乾燥剤を用いない40℃/75%相対湿度の標準的なICH苛酷条件での固体状態において、遊離塩基形態A0およびクロリド形態A1は28日間安定であった(表26および表27)。
Claims (18)
- 化合物Iが下記であり、
- 4.77±0.2°2θのピークを含むx線粉末回折パターンを有する、請求項1に記載の化合物Iの結晶形態。
- 4.77±0.2°2θのピークと、15.82±0.2°2θ、14.39±0.2°2θ、11.37±0.2°2θおよび12.56±0.2°2θから選択される1つまたは複数のピークとを含むx線粉末回折パターンを有する、請求項1に記載の化合物Iの結晶形態。
- 4.77±0.2°2θおよび11.37±0.2°2θのピークと、15.82±0.2°2θ、14.39±0.2°2θおよび12.56±0.2°2θから選択される1つまたは複数のピークを含むx線粉末回折パターンを有する、請求項1に記載の化合物Iの結晶形態。
- 化合物Iが下記である、化合物Iのアモルファス形態。
- 化合物Iが下記であり、
- 5.67±0.2°2θのピークを含むx線粉末回折パターンを有する、請求項6に記載の化合物I−クロリド塩の結晶形態。
- 5.67±0.2°2θのピークと、8.55±0.2°2θ、9.96±0.2°2θ、14.48±0.2°2θおよび15.89±0.2°2θから選択される1つまたは複数のピークとを含むx線粉末回折パターンを有する、請求項6に記載の化合物I−クロリド塩の結晶形態。
- 5.67±0.2°2θおよび8.55±0.2°2θのピークと、9.96±0.2°2θ、14.48±0.2°2θおよび15.89±0.2°2θから選択される1つまたは複数のピークとを含むx線粉末回折パターンを有する、請求項6に記載の化合物I−クロリド塩の結晶形態。
- 化合物Iが下記であり、
- 5.64±0.2°2θのピークを含むx線粉末回折パターンを有する、請求項10に記載の化合物I−ブロミド塩の結晶形態。
- 5.64±0.2°2θのピークと、8.15±0.2°2θ、9.87±0.2°2θ、11.16±0.2°2θおよび13.85±0.2°2θから選択される1つまたは複数のピークとを含むx線粉末回折パターンを有する、請求項10に記載の化合物I−ブロミド塩の結晶形態。
- 5.64±0.2°2θおよび13.85±0.2°2θのピークと、8.15±0.2°2θ、9.87±0.2°2θおよび11.16±0.2°2θから選択される1つまたは複数のピークとを含むx線粉末回折パターンを有する、請求項10に記載の化合物I−ブロミド塩の結晶形態。
- 化合物Iが下記であり、
- 化合物Iが下記であり、
- 請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物Iおよび薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
- メラノーマ、結腸直腸癌、甲状腺乳頭癌、低悪性度漿液性卵巣癌および/または非小細胞肺癌の処置が必要と認められたヒト被験者のメラノーマ、結腸直腸癌、甲状腺乳頭癌、低悪性度漿液性卵巣癌および/または非小細胞肺癌を処置するための方法であって、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物Iを投与するステップを含む方法。
- メラノーマ、結腸直腸癌、甲状腺乳頭癌、低悪性度漿液性卵巣癌および/または非小細胞肺癌の処置が必要と認められたヒト被験者のメラノーマ、結腸直腸癌、甲状腺乳頭癌、低悪性度漿液性卵巣癌および/または非小細胞肺癌を処置するための方法であって、請求項17に記載の組成物を投与するステップを含む方法。
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