JP2016224317A - 規制部材、現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

規制部材、現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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将樹 渡辺
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Abstract

【課題】画像不良の発生を抑制できる。
【解決手段】トナーを担持するトナー担持体103の表面に当接させてトナー担持体上のトナーの量を規制するトナー層規制部材104等の規制部材において、規制部材の基材のみに比べてトナーが付着し難くなる被覆層1045等の低付着層を当接部よりもトナー担持体によるトナー搬送方向下流側に設け、該低付着層は、当接部には設けない。これにより、当接部に低付着層を設けた従来の構成に比べて、当接部で生じる過剰帯電トナーを減らすことができる。よって、画像上に白スジが生じるような画像不良を抑制できる。
【選択図】図6

Description

本発明は、規制部材、現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関するものである。
従来、トナー担持体の表面に規制部材を圧接させ、トナー担持体上に担持されたトナーを摩擦帯電することでトナーに電荷を付与するとともにトナー担持体上のトナーの量を規制する現像装置が知られている。
例えば、特許文献1には、トナーの付着力を低下させる低付着性の樹脂からなる低付着層としての樹脂層を当接部に設けた規制部材を有する現像装置が開示されている。その規制部材では、長期使用においてもトナーが規制部材に付着することを抑制して画像上に白スジが生じることを防止できるとされている。
しかしながら、特許文献1に開示の現像装置では、画像上の白スジの発生を十分に防止できていないことが判明した。
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、トナーを担持するトナー担持体の表面に当接させて前記トナー担持体上のトナーの量を規制する規制部材において、前記規制部材の基材のみに比べてトナーが付着し難くなる低付着層を前記当接部よりも前記トナー担持体によるトナー搬送方向下流側に設け、該低付着層は、前記当接部には設けないことを特徴とするものである。
本発明によれば、画像不良の発生を抑制できるという特有の効果が得られる。
プリンタの要部の概略断面図 4つのプロセスカートリッジ1のうちの1つの拡大断面図。 現像装置においてトナー搬送部材、トナー撹拌部材及びトナー供給ローラの回転軸近傍の断面説明図。 トナー担持体近傍の拡大断面説明図。 トナー担持体の軸方向両端部のうち一方の端部付近の説明図。 実施形態1に係る規制部材としてのトナー層規制部材の構成を説明する構成図。 (a)はトナー層規制部材の構成を説明する概略断面図、(b)は(a)の部分拡大断面図。 実施形態1に係る規制部材としてのトナー層規制部材の別の構成を説明する概略断面図。 トナー層規制部材の構成を説明する概略断面図。 実施形態2に係る規制部材としてのトナー層規制部材を有する現像装置を示す構成説明図。 トナー層規制部材可動機構を示す構成説明図。 トナー層規制部材可動機構160を軸方向に対し直交する方向から見た構成説明図。 非作像時の現像剤規制部材に固着した現像剤を除去するための運転モードを示すタイムチャート。
以下、本願発明の実施例を電子写真方式の画像形成装置であるプリンタ(以下、単にプリンタ600という。)に適用した一実施形態(以下、本実施形態を実施形態1という。)について説明する。
図1は、プリンタ600の要部の概略断面図である。なお、図中のY、M、C、Kは、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の色用の部材であることを示すものである。
図1に示すように、プリンタ600は、4つのプロセスカートリッジ1、複数の張架ローラに張架されて図1中矢印Aの方向に移動する中間転写ベルト7、露光手段である露光装置6、及び、定着装置12等を備えている。
図2は、4つのプロセスカートリッジ1のうちの1つの拡大断面図である。各プロセスカートリッジ1は、ドラム状の像担持体2、帯電部材3、現像装置4、及び、像担持体クリーニング部材5を一体的に支持してユニット状とした構成となっている。各プロセスカートリッジ1は、それぞれのストッパーを解除することにより、プリンタ600本体に対して着脱可能となっている。
像担持体2は、図2中矢印Bの方向に回転する。帯電部材3は、ローラ状の帯電ローラであり、像担持体2の表面に圧接されており、像担持体2の回転により従動回転する。作像時には、帯電部材3には高圧電源により所定のバイアスが印加され、像担持体2の表面を帯電する。
プロセスカートリッジ1は、帯電手段である帯電部材3として、像担持体2の表面に接触するローラ状の部材を用いているが、帯電手段としてはこれに限るものではなく、コロナ帯電などの非接触帯電方式を用いても良い。
図1の露光装置6は、像担持体2の表面に対して画像情報に基づいて露光し、像担持体2の表面に静電潜像を形成する。プリンタ600が備える露光装置6は、レーザーダイオードを用いたレーザービームスキャナ方式を用いているが、露光手段としてはLEDアレイを用いるものなど他の構成でも良い。図1及び図2の像担持体クリーニング部材5は、中間転写ベルト7と対向する位置を通過した像担持体2の表面上に残留する転写残トナーのクリーニングを行う。
4つのプロセスカートリッジ1は、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ、ブラック、各色のトナー像を像担持体2上に形成する。4つのプロセスカートリッジ1は、中間転写ベルト7の表面移動方向(図1中矢印Aの方向)に沿って並列に配設され、それぞれの像担持体2上に形成されたトナー像を中間転写ベルト7に順に重ね合わせるように転写し、中間転写ベルト7上に可視像を形成する。
各像担持体2に対して中間転写ベルト7を挟んで対向する位置には一次転写ローラ8が配置されており、一次転写ローラ8には高圧電源により一次転写バイアスが印加され、像担持体2との間で一次転写電界を形成する。像担持体2と一次転写ローラ8との間で一次転写電界が形成されることにより、像担持体2の表面上に形成されたトナー像が中間転写ベルト7の表面に転写される。中間転写ベルト7を張架する複数の張架ローラのうち一つが駆動モータによって回転することによって中間転写ベルト7が図1中矢印Aの方向に表面移動する。表面移動する中間転写ベルト7の表面上に各色のトナー像が順次重ねて転写されることによって、中間転写ベルト7の表面上にフルカラー画像が形成される。
4つのプロセスカートリッジ1が中間転写ベルト7と対向する位置に対して、中間転写ベルト7の表面移動方向下流側には、張架ローラの一つである二次転写対向ローラ9aに対して中間転写ベルト7を挟んで対向する位置に二次転写ローラ9が配置され、中間転写ベルト7との間で二次転写ニップを形成する。二次転写ローラ9と二次転写対向ローラ9aとの間に所定の電圧を印加して二次転写電界を形成することにより、図1中矢印Bの方向に搬送される転写材である転写紙Pが二次転写ニップを通過する際に、中間転写ベルト7の表面上に形成されたフルカラー画像が転写紙Pに転写される。
二次転写ニップに対して転写紙Pの搬送方向下流側に、定着装置12が配置されている。二次転写ニップを通過した転写紙Pは定着装置12に到達し、定着装置12における加熱及び加圧によって転写紙P上に転写されたフルカラー画像が定着され、画像が定着された転写紙Pはプリンタ600の装置外に出力される。一方、二次転写ニップで転写紙Pに転写されず中間転写ベルト7の表面上に残留したトナーは、転写ベルトクリーニング装置11によって回収される。
次に、プロセスカートリッジ1が備える現像装置4について、図2、図3、図4及び図5を用いて説明する。
図3は、現像装置4において、鉛直方向に略直線状に配置された、搬送するトナー搬送部材106、トナー撹拌部材108及びトナー供給ローラ105の回転軸近傍の断面説明図である。図4は、トナー担持体103近傍の拡大断面説明図である。図5は、トナー担持体の軸方向両端部のうち一方の端部付近の説明図である。
現像装置4には、現像剤であるトナーを収容するトナー収容室101と、トナー収容室101の下方に設けられたトナー供給室102とから構成され、トナー収容室101とトナー供給室102とを仕切るように仕切り部材110が設けられている。仕切り部材110には、図3に示すように、複数の開口部が設けられている。仕切り部材110の複数の開口部は、トナー収容室101内のトナーをトナー供給室102へ供給する供給口111と、トナー供給室102内のトナーをトナー収容室101に戻す返送口107とが設けられている。
トナー供給室102の下部には、現像剤担持体であるトナー担持体103が設けられている。また、トナー供給室102には、トナー担持体103の表面にトナーを供給する現像剤供給部材であるトナー供給ローラ105がトナー担持体103の表面に当接して設けられている。さらに、トナー供給室102には、トナー供給ローラ105によってトナー担持体103の表面上に供給され、像担持体2とトナー担持体103との対向部に向かうトナーの層厚(量)を規制するトナー層規制部材104のトナー担持体103の表面に対向する面の一部(当接部)がトナー担持体103の表面に当接して設けられている。トナー担持体103は、高圧電源から所定のバイアスが印加される。
図4及び図5に示すように、トナー担持体103の両端部に当接するように端部シール112が現像容器の開口部両端部に設けられており、現像容器の開口部両端からのトナー漏れを防止している。トナー収容室101内にはトナー収容室101内のトナーを像担持体2の回転軸に平行な方向(図2中の紙面に直交する方向)に搬送するトナー搬送部材106が設けられている。また、トナー収容室101に収容するトナーは、重合法で作成したものを用い、平均粒径が6.5[μm]で、円形度が0.98、安息角33[°]、外添剤としてチタン酸ストロンチウムを含有しているトナーである。本発明を適用したプリンタ600に用いるトナーとしては、これに限るものではない。
トナー収容室101内に設けられたトナー搬送部材106は、図3に示すように搬送スクリュ形状106aと搬送板形状106bとを組み合わせた回転軸を有した部材である。トナー搬送部材106は、搬送スクリュ形状106aの回転動作によりトナー収容室101内のトナーをトナー搬送部材106の回転軸に平行な略水平方向(図3中の矢印A方向)に搬送できる構成となっている。現像装置4では、トナー搬送部材106の回転軸に平行な方向にトナーを搬送する搬送スクリュ形状106aを備えた構成であるが、現像剤搬送部材としてはこれに限ったものでなく、搬送ベルトやコイル状の回転体等の搬送機能を有するものを用いることができる。さらにこれらの搬送機能を有するものと、羽根のような板部材や針金を曲げて構成したパドルのようなもの等のほぐし機能を有するものを組み合わせたものでも良い。
また、現像装置4では、トナー収容室101からトナー供給ローラ105に向けて、トナーをトナー搬送部材106の回転軸に直交し、かつ、略鉛直下方にトナーを搬送する構成となっている。トナーの搬送方向としては、トナー搬送部材106の回転軸に直交し、かつ、略水平方向に搬送する構成としてもよい。
仕切り部材110の鉛直下方のトナー供給室102内にはトナー撹拌部材108が配置されている。トナー撹拌部材108は、図3に示すように、撹拌スクリュ形状108aと撹拌板形状108bとを組み合わせた回転軸を有した部材である。トナー撹拌部材108は、撹拌スクリュ形状108aの回転動作によりトナー供給室102内のトナーをトナー撹拌部材108の回転軸に平行な略水平方向(図3中矢印Bの方向または矢印Cの方向)に搬送できる構成となっている。
図3に示すように、トナー撹拌部材108の撹拌スクリュ形状108aは、軸方向について供給口111を挟んで外側に向かう方向(図3中矢印Bの方向)にトナーを搬送するように螺旋状の羽部が設けられている。さらに、トナー撹拌部材108の撹拌スクリュ形状108aは、軸方向について2つの返送口107よりも外側と内側とは螺旋状の羽部が逆巻きになっている。このため、供給口111からトナー供給室102に供給されたトナーはトナー撹拌部材108の撹拌スクリュ形状108aの回転によって軸方向外側(矢印B方向)に搬送され、返送口107よりも外側に到達したトナーは羽部が逆巻きの撹拌スクリュ形状108aによって返送口107に向かって搬送される。返送口107を挟んで軸方向の外側と内側とでは、撹拌スクリュ形状108aによるトナーの搬送方向が逆であり、返送口107に向かうようにトナーに搬送力を付与するため、返送口107の下方ではトナーが軸方向両側から集められ、山状に押し上げられる。これにより、トナー収容室101から供給口111または返送口107を通過してトナー供給室102に供給されたトナーが過剰である場合は、返送口107で山状に押し上げられたトナーがトナー供給室102から返送口107を通ってトナー収容室101に戻される。また、トナー攪拌部材108は、トナー供給室102にあるトナーを攪拌し、さらに下部にあるトナー担持体103、トナー供給ローラ105へトナーを供給する役割を持つ。
トナー供給ローラ105の表面には空孔(セル)を有した構造の発泡材料が被覆されており、トナー供給室102内に供給されたトナーを効率よく付着させて取り込むと共に、トナー担持体103との当接部での圧力集中によるトナーの劣化を防止している。なお、この発泡材料は103〜1014[Ω]の電気抵抗値に設定される。トナー供給ローラ105は、図2中矢印Cの方向に回転し、表面に付着させたトナーをトナー担持体103の表面に塗布するように供給する。
トナー供給ローラ105が当接する位置からトナー担持体103の表面移動方向下流側のトナー担持体103表面に接触するように、現像剤規制部材であるトナー層規制部材104が配置されている。トナー供給ローラ105からトナー担持体103の表面に供給されたトナーは、トナー担持体103の回転によってトナー層規制部材104が接触する位置に搬送される。トナー層規制部材104は、自由端側をトナー担持体103の表面に10〜100[N/m]の押圧力で当接させたもので、トナー担持体103上のトナーに対してその押圧力下を通過させることで、トナー層を薄層化すると共に、摩擦帯電によってトナーに電荷を付与する。
像担持体2は、図2中矢印Bの方向に回転している。このため、トナー担持体103と像担持体2とが対向する現像領域においては、トナー担持体103の表面移動方向と像担持体2の表面移動方向とが同方向となる。トナー担持体103上の薄層化されたトナー層は、トナー担持体103の回転によって現像領域へ搬送され、トナー担持体103に印加されたバイアスと像担持体2上の静電潜像によって形成される潜像電界に応じて、像担持体2の表面に移動して像担持体2の表面上の静電潜像が現像される。
現像領域で現像に用いられず、トナー担持体103上に残されたトナーが再びトナー供給室102内へと戻る箇所には、現像剤除電部材である除電シール109がトナー担持体103に当接して設けられ、トナーが現像装置4の外部に漏れ出ないように封止される。
次に、トナー担持体上のトナーを像担持体に現像する動作について詳しく説明する。
トナー供給位置でトナー担持体の表面上に供給されたトナーは、トナー供給位置から現像領域に向けて搬送され、途中にあるトナー層規制部材を通過し、トナー担持体上にトナー薄層が形成される。形成されたトナー薄層は、更に現像領域まで搬送され、トナー担持体と像担持体上の静電潜像との間の現像電界によって、像担持体の表面上の静電潜像部分に付着し、これにより現像が行われる。その後、現像に寄与しなかったトナーは、トナー担持体の回転によってさらに搬送され、トナーが再びトナー供給室に戻り、繰り返し利用される。
次に、トナー担持体103の具体的構成について説明する。トナー担持体は、通常、導電性の芯金を有し、その外周面に1層以上の弾性層を有している。さらに、外周面に1層以上の表面層を有することも可能である。また、両端部の外周面には、図4及び図5に示すように、端部シール112を有している。この端部シール112は、円周方向において少なくとも一部が不連続である。
なお、芯金は支持部材であるとともに、導電材として少なくとも表面が導電性であることが好ましい。具体的な芯金の材料としては、Al、Cu合金、SUSおよび合金、CrおよびNiのメッキを施した鉄製、CrおよびNiのメッキを施した合成樹脂製などがある。電子写真画像形成装置に利用されるトナー担持体では、芯金は、通常、外径4[mm]から10[mm]までの範囲とするのが適当である。
また、弾性層は、原料主成分としてゴム又は樹脂を用いた成型体であり、ソリッドでも多孔体(スポンジ)のいずれでも構わない。なお、原料主成分のゴムとして、従来、トナー担持体に用いられている種々のゴムを用いることができる。具体的には、以下のものが挙げられる。エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリルニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、NBRの水酸化物、多硫化ゴム、ウレタンゴム等。
また、原料主成分の樹脂は主に熱可塑性樹脂であり、以下のものが挙げられる。低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)の如きポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS樹脂、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートの如きポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド6、ポリアミド66、MXD6の如きポリアミド樹脂等。そして、これらゴム及び樹脂は、単独であるいは2種以上を混合して用いられる。さらに、弾性層自体に要求される機能に必要な、導電剤や非導電性充填剤のような成分また、ゴム及び樹脂成型体とする際に利用される各種添加剤成分、例えば、架橋剤、触媒、分散促進剤の如きを原料主成分に適宜配合できる。
導電剤としては、イオン導電機構によるイオン導電性物質と、電子導電機構による導電付与剤があり、どちらか一方、或いは併用することも可能である。電子導電機構による導電剤としては、以下のものが挙げられる。アルミニウム、パラジウム、鉄、銅、銀の如き金属の粉や繊維;酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛の如き金属酸化物;硫化銅、硫化亜鉛等の如き金属化合物粉;適当な粒子の表面に酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化モリブデン、亜鉛、アルミニウム、金、銀、銅、クロム、コバルト、鉄、鉛、白金、ロジウムの如きを電解処理、スプレー塗工、混合振とうの如きにより付着させた粉;アセチレンブラック、ケッチェンブラック(商品名)、PAN系カーボンブラック、ピッチ系カーボンブラック、カーボンナノチューブの如きカーボンブラック系の導電剤等。
また、イオン導電機構による導電付与剤として、以下のものが挙げられる。LiCFSO、NaClO、LiClO、LiAsF、LiBF、NaSCN、KSCN、NaClの如きアルカリ金属塩;NHCl、NHSO、NHNO等のアンモニウム塩;Ca(ClO、Ba(ClOの如きアルカリ土類金属塩;これらの塩の1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコールの如き多価アルコールやそれらの誘導体との錯体;これらの塩のエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテルの如きモノオールとの錯体;第四級アンモニウム塩の如き陽イオン性界面活性剤;脂肪族スルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩の如き陰イオン性界面活性剤;ベタインの如き両性界面活性剤等。これら導電剤は、単独で又は2種類以上を混合して使用することができる。
なお、感光ドラムと当接して、ニップ幅を確保し、加えて、好適なセット性を満たすものとするためには、弾性層の厚さは、好ましくは、0.5[mm]以上、より好ましくは1.0[mm]以上とする。また、弾性層の厚さの上限は、作製されるトナー担持体の外径精度を損なわない限り、特にない。しかしながら、弾性層の厚さを過度に厚くすると、トナー担持体と当接部材を長時間当接させたまま放置すると、当接箇所の変形が大きくなり、歪みが残るので好ましくない。したがって、実用上、弾性層の厚さは6.0[mm]以下とするのが適当であり、5.0[mm]以下がより好ましい。なお、弾性層の厚さは、目的とするニップ幅を達成するため、その硬さに応じて、適宜決定する。なお、本発明では、この弾性層の成形は、従来から知られている押出成形法、射出成形法等によって可能であるが、特に限定されない。
また、弾性層が多孔体である場合のセル形状については独立気泡、連続気泡いずれでも適用可能であるが、弾性層の強度を持たせる観点から独立気泡がより好ましい。また、セル径については、5[μm]以上200[μm]以下の範囲が好ましい。5[μm]以上であれば、トナーを搬送するのに十分な表面粗さを達成でき、200[μm]以下であれば圧縮永久歪が良好なトナー担持体を得ることができる。
多孔体の作製方法としては、公知の方法が適用可能であり、例えば、一般的には物理発泡法、化学発泡法、マイクロカプセル法、抽出法が行われている。化学発泡法にて使用される発泡剤としては、該樹脂組成物の加熱時に熱分解してガスを発生するものであれば特に限定されない。例えば、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4'−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド等を用いることができ、これらを一種または二種以上混合して使用することも可能である。また、マイクロカプセル法とはブタン、プロパン、ペンタン、イソブタン、イソオクタン、イソペンタンなどのガス化成分を熱可塑性樹脂の内部に含浸させたマイクロカプセルを用いる方法である。また、抽出法とは、無機充填材を樹脂中に分散させた後、無機充填材を含んだ樹脂組成物を成形し、その後、その樹脂成形物を抽出液に浸積し、無機微粒体を溶解、除去することにより、樹脂組成物内に空孔を形成する方法である。弾性層構成としては本発明に記載された特徴を有すれば、限定されず、2層以上とすることもできる。弾性層の最上層に設けるコーティング層は、1層以上あっても良い。例えば本発明では弾性体外周面にポリエステル樹脂やカーボンブラックの混合皮膜を形成している。コーティング層に使用される材料は各種樹脂類、金属粒子、無機粒子、カーボンブラック等適宜配合できる。1層目の混合皮膜はポリエステル樹脂とメラミン樹脂、カーボンブラックを混合溶剤(酢酸ブチル、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン)中に分散させ、ロールコート塗装にて塗布した後、加熱して形成した。
次に、実施形態1の特徴部である規制部材について説明する。
図6は、実施形態1に係る規制部材としてのトナー層規制部材104の構成を説明する概略断面図である。
図6に示すトナー層規制部材104は、トナー担持体上のトナー層を薄層化すると共に、摩擦帯電によってトナーに電荷を付与する。図6に示すように、トナー層規制部材104を構成する規制部材本体としてのブレード部材1040は、台座部1042に複数のリベット1041によって固定されている。台座部1042は、ブレード部材1040よりも厚い金属で構成されており、ブレード部材1040を現像装置4の本体に固定するための基板として機能している。台座部1042の長手方向の両端部には、ピン穴1043がそれぞれ設けられており、一方は真円形状の主基準穴1043aであり、他方は主基準穴1043aに向かう方向(ブレード部材1040の長手方向)に長径を有する楕円形状の従基準穴1043bである。主基準穴1043aにピンが入ることで台座部1042の現像装置4本体に対する位置が決定し、従基準穴1043bで支えられる。そして、ブレード部材1040が固定された台座部1042が現像装置4本体(筐体)に固定ネジ1044で固定され、ブレード部材1040が現像装置4に固定されることになる。
なお、トナー層規制部材104のブレード部材1040には、ステンレス等の金属、例えばSUS304CSPやSUS301CSP、またはリン青銅等の金属板バネ材料を用いることができ、ウレタンゴム、シリコーンゴム等の弾性材料(ゴム、樹脂等)を用いることもできる。さらに、ブレード部材1040には、摩擦帯電を補助するため、バイアス電源からバイアスが印加されてもよい。また、トナー層規制部材104のブレード部材1040としては、導電性を有するものが望ましい。ブレード部材1040が導電性であることにより、Q/M値(単位体積あたりの帯電量)が大きなトナーの帯電量を下げて過剰な帯電を抑制し、トナーのQ/M値の均一化を図ることができる。これにより、静電的付着力の非常に大きなトナーの発生を抑制することができる。
近年、高画質化カラー化に伴い、ドット径のばらつきを小さくして地肌汚れを少なくするために、トナー層規制部材を通過した後にトナー担持体の表面に残るトナー層の帯電量を高く、均一にする必要がある。そのために、トナー層規制部材を通過した後のトナー担持体上のトナー層の層厚を薄くする傾向がある。このように、トナー担持体の表面のトナー帯電量を高く、均一にするために層厚を薄くするには、トナー担持体表面にトナー層規制部材を強く押しつける必要がある。このため、挟まれた状態となるトナーに対して強いストレスがかかり、長期間の使用によってトナー層規制部材の表面とトナー担持体との接触する箇所に(いわゆる、当接部やニップ部、以後当接部という。)トナーが固着し易くなる現象が知られている。当接部にトナーが固着することで、トナー担持体上のトナー層を削ってしまい、縦白スジの画像不良となる。
本発明者らが、トナー固着のメカニズムを鋭意研究したところ、当接部への固着よりも先に当接部を通過した後、当接部よりもトナー担持体によるトナー搬送方向下流部のトナー層規制部材の表面に、まずトナーが付着して当接部で摺擦されて発生した熱によってトナーが融着・固着する。あるいは、当接部での帯電が過度になって過剰帯電トナーが発生し、そのトナーが付着し固着する。そして、該固着が起点となってさらに大きくなることで当接部へと進行し、トナー担持体上のトナー層を削ってしまうことがわかった。当接部よりもトナー担持体によるトナー搬送方向下流側の表面に付着する理由として、主にトナーの過剰帯電による静電的付着力の増加や、トナー外添剤の埋没や脱離による非静電的付着力の増加などが挙げられる。特に、低温低湿環境下においては、過剰帯電トナーによる静電的付着力が増加し、当接部よりもトナー担持体によるトナー搬送方向下流側の表面にトナーが付着し易くなる。
実施形態1では、図6に示すように、トナー付着力を下げる低付着層としての被覆層1045が、ブレード部材1040の面とトナー担持体103の表面とが接する当接部1040aよりもトナー担持体によるトナー搬送方向下流側(図6中−Z方向)に設けられている。すなわち、当接部1040aには、被覆層1045は設けておらず、露出している(露出部1046)。このように、当接部1040aよりもトナー担持体によるトナー搬送方向上流側に、トナー付着力を下げる被覆層1040aを設けたことで、トナー担持体によるトナー搬送方向下流側のトナー層規制部材104の表面にトナーが固着するのを抑制できる。そして、図7に示すように、当接部1040aに被覆層1045が無い(露出部1046)ことで、トナーの過剰な帯電を抑制し、静電的付着力の非常に大きなトナーの発生を抑制できる。その結果、本実施形態1によれば、長期にわたって当接部よりもトナー担持体によるトナー搬送方向下流側へのトナー固着を抑制でき、画像形成装置において、画像上縦白スジ等の画像不良を抑制できる。
図8は、実施形態1に係る規制部材としてのトナー層規制部材104の別の構成を説明する概略断面図である。図6のトナー層規制部材104では、当接部1040aよりもトナー担持体によるトナー搬送方向下流側の全面に被覆層1045を設けている。これに対し、図8(a)のトナー層規制部材104では、当接部1040aよりもトナー担持体によるトナー搬送方向上流側と下流側の全面に被覆層1045を設けている。さらに、図8(b)のトナー層規制部材104では、当接部1040aよりもトナー担持体によるトナー搬送方向上流側の全面と、当接部1040aの一部(トナー層規制部材104の先端側)の面に被覆層1045を設けている。図8(c)のトナー層規制部材104では、当接部1040aよりもトナー担持体によるトナー搬送方向下流側の一部の面に被覆層1045を設けている。すなわち、当接部1040aよりもトナー担持体によるトナー搬送方向下流側の台座部1042近傍に被覆層1045は無い(露出部1046)。この場合、被覆層1045のトナー担持体によるトナー搬送方向の幅は、0.5[mm]以上であれば良く、望ましくは1[mm]以上であれば良い。
図6、図7及び図8に示す被覆層1045に用いる材料としては、トナー付着力を下げる材料が望ましく、例えば表面エネルギーが低い材料や摩擦係数の低い材料、摺動性に優れた材料等が良い。被覆加工には蒸着や塗装、化成処理等、従来公知の加工方法を採用することができる。被覆層1045を蒸着プロセスにて形成する際、ダイヤモンド・ライク・カーボン(DLC)や窒化チタン(TiN)、窒化クロム(CrN)、炭化クロム(CrC)、炭化チタン(TiC)、炭化ケイ素(SiC)、炭窒化チタン(TiCN)等の材料が望ましく、さらに望ましくは上記蒸着被覆層が膜状に形成されたものだが、微粒子として分散させたものや、海島構造のように膜に穴があっても良い。特にDLCについては水素を含むアモルファス・カーボン(a−C)や水素を含まないテトラヘドラル・アモルファス・カーボン(ta−C)でも良く、sp2軌道を有するグラファイトと類似の構造を持つ物質でも良く、非晶質性のものでも良い。上記被覆層に2種以上の元素が用いられる際、元素の含有率が上記被覆層の厚さ方向で変化していても良い。上記被覆層を形成する加工として、主にCVD法とPVD法があるが、その形成方法は特に限定されるものではない。
図6、図7及び図8に示す被覆層1045を塗装や化成処理にて形成する際、摩擦係数が小さい材料を原料主成分とするのが望ましい。具体的には、以下のものが挙げられる。ポリテトラフロロエチレン(PTFE)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体樹脂(FEP)、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、フルオロエチレンビニルエーテル(FEVE)の如きフッ素系樹脂、ポリアミド6、ポリアミド66、MXD6の如きポリアミド樹脂、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、超高分子量ポリエチレン(U−PE)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリレート(PAR)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、液晶ポリマー(LCP)、シリコーン系樹脂等。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、図6、図7及び図8に示す被覆層1045には、上記で挙げたような、導電剤や非導電性充填剤のような成分、また、樹脂成型体とする際に利用される各種添加剤成分、例えば、架橋剤、触媒、分散促進剤の如きを原料主成分に適宜配合できる。被覆層1045の原料主成分中には、無機粒子を適宜配合できる。無機粒子として具体的には、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、二硫化モリブデン、酸化モリブデン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。配合量としては0.1〜20[wt%]程度が望ましい。平均粒子径としては5[nm]〜1[μm]程度が望ましい。被覆層1045と弾性層との間、もしくは弾性層と被覆層との間の接着性を向上させるために、接着剤、プライマー等を適宜使用しても良い。
塗装や化成処理で被覆層を形成する際、例えば種々の樹脂を溶剤中で適当な粘度に希釈したものを、ディッピング、スプレーコート、バーコート、ロールコートなどの種々公知のコーティング方法により塗布する方法を用いることができるが、その形成方法は特に限定されるものではない。
図6、図7及び図8に示す被覆層1045の厚さに関しては、トナー層規制部材104のブレード部材1040の算術平均粗さよりも大きく、トナーの平均粒径よりも小さいことが望ましい。被覆層1045の厚さをこの範囲にすることで、長期に亘って被覆層が無くなることがなく、また元々あったブレード部材1040のキズ等が被覆層によって埋められることで、トナーが物理的に付着しにくくなる。
以下、実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
以下の各実施例において、図6、図7及び図8に示すトナー層規制部材104のブレード部材1040としてステンレス鋼(新日鐵住金株式会社製、型番NSSMC-NAR-301L SE1)を用いた。さらに、トナー層規制部材104のブレード部材1040のトナー担持体によるトナー搬送方向下流側には、実施例1〜実施例6によって形成された図6、図7及び図8の被覆層1045を設けた。図6、図7及び図8に示すように、被覆層1045はブレード部材1040のトナー担持体の表面に対向する面とトナー担持体とが互いに接する当接部1040aには耐熱マスキングテープ(住友スリーエム製、型番5413)を貼付して、被覆層1045が形成されないようにした。
そして、作成したトナー層規制部材を実際に画像形成装置(プリンタIPSiO SP C730(リコー製))に取り付けて評価を行った。このとき、図1の像担持体2上を−960[V]に帯電させ、現像バイアス電圧−150[V]を印加すると共に、マゼンタ一成分重合トナー(平均粒径6[μm])を使用し、A4横サイズで2%チャート画像、低温低湿環境下200000枚通紙後の画像上縦白スジの本数を評価した。評価基準としては、画像上縦白スジが発生しない場合はOK(表1中「◎」で表記する)であり、画像上縦白スジが発生した場合はNG(表1中「×」で表記する)とした。トナー層規制部材104のブレード部材1040にトナー固着が発生したかどうかは、マイクロスコープ(VHX−1000(KEYENCE製))で観察して評価した。
<実施例1>
図6、図7及び図8に示す被覆層1045としてダイヤモンド・ライク・カーボン(DLC)を形成すべく、アークイオンプレーティング装置を用いて、グラファイト製ターゲット並びにメタンガス、当接部1040aに耐熱マスキングテープを貼付したトナー層規制部材104を装置内にセットし、基体温度120[℃]、反応ガス圧力3.99[Pa]、基体バイアス電圧−50[V]の条件下にて、トナー層規制部材104のブレード部材1040に各種のバイアス電位を印加し、DLCの厚みが1[μm]になるように成膜した。
<実施例2>
図6、図7及び図8に示す被覆層1045として窒化チタン(TiN)を形成すべく、アークイオンプレーティング装置を用いて、Tiを含む合金製ターゲット並びに窒素ガス、当接部1040aに耐熱マスキングテープを貼付したトナー層規制部材104を装置内にセットし、基体温度400[℃]、反応ガス圧力3.99[Pa]、基体バイアス電圧−50[V]の条件下にて、トナー層規制部材104のブレード部材1040に各種のバイアス電位を印加し、TiNの厚みが2[μm]になるように成膜した。
<実施例3>
図6、図7及び図8に示す被覆層1045として窒化クロム(CrN)を形成すべく、アークイオンプレーティング装置を用いて、Crを含む合金製ターゲット並びに窒素ガス、当接部1040aに耐熱マスキングテープを貼付したトナー層規制部材104を装置内にセットし、基体温度150[℃]、反応ガス圧力3.99[Pa]、基体バイアス電圧−50[V]の条件下にて、トナー層規制部材104のブレード部材1040に各種のバイアス電位を印加し、CrNの厚みが1[μm]になるように成膜した。
<実施例4>
図6、図7及び図8に示す被覆層1045として炭化クロム(CrC)を形成すべく、アークイオンプレーティング装置を用いて、Crを含む合金製ターゲット並びにメタンガス、当接部1040aに耐熱マスキングテープを貼付したトナー層規制部材104を装置内にセットし、基体温度150[℃]、反応ガス圧力3.99[Pa]、基体バイアス電圧−50[V]の条件下にて、トナー層規制部材104のブレード部材1040に各種のバイアス電位を印加し、CrCの厚みが1[μm]になるように成膜した。
<実施例5>
図6、図7及び図8に示す被覆層1045としてフッ素系樹脂被膜を形成すべく、まず、フルオロエチレンビニルエーテル(旭硝子製;ルミフロンLF200MEK)70重量部とブロック型ヘキサメチレンジイソシアネート(旭化成製;デュラネートTPA-B80E)30重量部を混合した。さらに、その混合したものをメチルエチルケトンにて希釈した後、当接部1040aに耐熱マスキングテープを貼付したトナー層規制部材104のブレード部材1040に対して、スプレー塗装にて厚さ3[μm]になるよう形成し、130[℃]で1時間の焼成を実施した。
<実施例6>
図6、図7及び図8に示す被覆層1045としてガラス系被膜を形成すべく、テトラエトキシシラン・エチルポリシリケート26重量部以上、1−ブタノール50重量部の混合物(ニットーボーメディカル製;ME80L)を、当接部1040aに耐熱マスキングテープを貼付したトナー層規制部材104のブレード部材1040に対して、スプレー塗装にて厚さ2[μm]になるよう形成し、150[℃]で30分の焼成を実施した。その後、20[℃]相対湿度60[%]下で15時間の養生を実施した。
次に、比較例について説明する。
<比較例1>
ブレード部材に何も被覆しなかった。すなわち、図6、図7及び図8の被覆層1045を形成しなかった。
<比較例2>
上記実施例1において、図6、図7及び図8に示す当接部1040aに耐熱マスキングテープをしなかった。すなわち、当接部1040aにも被覆層1045を形成した。
以下、実施例1〜実施例6、比較例1及び比較例2の評価結果を次の表1に示す。
Figure 2016224317
表1に示すように、実施例1〜実施例6では、縦白スジの画像不良が発生せずOKであるが、比較例1及び比較例2では、縦白スジの画像不良が発生しNGであった。縦白スジの画像不良が発生した比較例1及び比較例2のトナー層規制部材をマイクロスコープで観察したところ、当接部よりもトナー担持体によるトナー搬送方向下流側にトナー固着が発生しており、肥大した固着が当接部にまで達していた。これに対し、縦白スジの画像不良が発生しなかった実施例1〜実施例6のトナー層規制部材において、当接部よりもトナー担持体によるトナー搬送方向下流側にトナー固着は発生していなかった。
以上により、実施例1〜実施例6によれば、当接部よりもトナー担持体によるトナー搬送方向下流側のトナー固着を抑制でき、縦白スジの画像不良を抑制できることが判明した。
次に、実施形態2の特徴部である規制部材について説明する。
図9は、トナー層規制部材の構成を説明する概略断面図である。
図9に示すように、トナー層規制部材104は、保持部材131と挟持板132と薄板状の規制部材本体133とから構成されている。トナー層規制部材104は、塑性変形可能な材料から構成され、現像剤担持体の長手方向に長く延びる構成とされている。規制部材本体133は、ステンレス等の金属、例えばSUS304CSPやSUS301CSP、またはリン青銅等の金属板バネ材料を用いることができ、ウレタンゴム、シリコーンゴム等の弾性材料(ゴム、樹脂等)を用いることもできる。さらに、規制部材本体133には、摩擦帯電を補助するため、高圧電源からバイアスが印加されても良い。
また、規制部材本体133は、導電性を有するものが望ましい。規制部材本体133が導電性であることにより、Q/M値(単位体積あたりの帯電量)が大きな現像剤の帯電量を下げて過剰な帯電を抑制し、現像剤のQ/M値の均一化を図ることができる。これにより、トナー層規制部材104への静電的付着力の非常に大きなトナーの固着を抑制することができる。
トナー層規制部材として、一般的にはSUS等の金属の薄板が用いられる。しかしこのような規制部材を用いた場合、トナー担持体とトナー層規制部材の間の圧力がトナーに直接掛かるため、トナーの劣化や、トナーの規制における磨耗等の影響でトナー層規制部材とトナー担持体が当接する位置付近にトナーが固着してしまい、画像にノイズが生じる問題があった。そこで、このような問題を改善するため、トナー層規制部材にトナーが付着しない手段が検討されている。例えばトナー層規制部材とトナーとの間の離型性を向上させるために、フッ素樹脂に代表されるような低表面エネルギー材料が用いられていた。しかし、トナー層規制部材として、トナーに対して摩擦帯電するための抵抗設計、帯電付与に制約が生じる。さらに、フッ素化合物は機械的強度が満足されないため、経時の動作でフッ素樹脂層の耐久性が充分とはいえない。本発明者らは、トナー層規制部材とトナー担持体の当接する位置から、トナー担持体が回転する方向に僅かに離れた位置で固着する傾向にあることが判明した。そのため、トナー層規制部材を移動させて、トナーが固着する位置を変え、固着したトナーを分散させる効果を見出した。これによれば、前述の課題に挙げたフッ素化合物等の低表面エネルギー材料を用いずに、経時における、トナーがトナー層規制部材に固着する現象を抑制することができ、トナー担持体がトナーを搬送するトナー層の一部を不均一にすることで生じる画像劣化を抑制可能なことがわかっている。以下、実施形態2について詳細に説明する。
図10は、実施形態2に係る規制部材としてのトナー層規制部材を有する現像装置を示す構成説明図である。
図10に示されるように、現像装置4は、トナー層規制部材可動機構160に装着されている。このトナー層規制部材可動機構160を駆動させることで、トナー層規制部材104の規制部材本体133を現像剤担持体103の回転移動方向とその方向に対し直交する方向との少なくとも一方へ移動させることができる。
図11は、トナー層規制部材可動機構160を示す構成説明図である。図12は、トナー層規制部材可動機構160を軸方向に対し直交する方向から見た構成説明図である。
図11に示すように、トナー層規制部材104の規制部材本体133とトナー担持体103が、トナー担持体103の長手方向で接触している。トナー担持体103の芯金両端の軸心には芯金軸受152が具備されている。芯金軸受152は芯金軸心把持具151によって把持される。芯金軸心把持具151と芯金軸受152の間には当接圧コイルスプリング部材153が、芯金軸心把持具151を当接圧力が加わる方向に配置される。当接圧コイルスプリング部材153の押し込み量を調整する機構として、当接圧板カム部材154が、当接圧コイルスプリング部材153のトナー層規制部材104に当接する方向から見て上部に配置される。当接圧板カム部材154が、駆動伝達機構によって回転することで、トナー担持体103を規制部材本体133へ押し込む応力が加えられるようになる。これによりトナー層規制部材104の規制部材本体133とトナー担持体103の当接圧力を変化することができる。
図12に示すように、規制部材本体133をトナー担持体103のトナー搬送方向へ移動させる機構として、伸縮部材162がトナー層規制部材104と連結されている。そして規制部材本体133と伸縮部材162の間の伸縮を行う機構として、縦方向可動部材161が設けられている。トナー層規制部材104をトナー担持体103のトナー搬送方向に対し直交する方向へ移動させる機構として、横方向移動部材163が設けられている。横方向移動部材163は、トナー層規制部材104と伸縮部材162と連結する構成で装着されている。縦方向可動部材161は、円筒軸に2個以上からなる板カムが任意の間隔で取り付けられており、回転駆動伝達機構の応答制御によって、規制部材本体133をトナー担持体103のトナー搬送方向へ移動させることができる。横方向移動部材163は電動スライドレールで構成されており、応答制御機構により可動して、規制部材本体133をトナー担持体103のトナー搬送方向に対し直交する方向へ移動することができる。
以上により、実施形態2によれば、規制部材をトナー担持体によるトナー搬送方向上流側又は下流側に移動させて、規制部材とトナー担持体との当接部の位置を変える。その結果、当接部よりもトナー担持体によるトナー搬送方向下流側の地点にトナーが固着する位置を変えることで、固着したトナーを分散させる。これにより、移動機構を備えていない構成に比べて固着したトナーが当接部に達することを遅らせることができる。よって、経時における、トナーがトナー層規制部材に固着する現象を抑制することができ、トナー担持体がトナーを搬送するトナー層の一部を不均一にすることで生じる画像劣化を抑制できる。
次に、トナー担持体の回転動作について説明する。
トナー担持体は、外部の駆動伝達機構により回転駆動する構成となっている。そして、トナー担持体の回転数を変更する回転数変更手段を備え、その回転数変更手段によって、作像時における線速度S1と、非作像時における線速度S2とS3の3つの線速度の設定で動作することができる。線速度の関係としては、S2<S1<S3の関係で線速度の速さが設定される。よって、非作像時は、作像時よりも線速度が速い動作と遅い動作とでトナー担持体を回転する構成となっている。
次に、非作像時におけるトナー層規制部材104に固着してしまうトナーを除去するための運転モードについて説明する。
動作する構成品は設定された任意のタイミングで動作される。図11に示すように、トナー層規制部材可動機構160の縦方向可動部材161は、外部の応答制御によって動作し、規制部材本体133をトナー担持体103のトナー搬送方向で上流側又は下流側に移動させる。規制部材本体表面に付着したトナーをトナー担持体の表面に接触させる。そして、トナー担持体の回転移動により規制部本体表面に付着したトナーにトナー担持体の表面を摺擦させ剥がして除去する。この運転モードが終了するまでの、少なくとも1回以上は動作する。トナー層規制部材可動機構160の横方向移動部材163は、外部の応答制御によって動作し、規制部材本体133をトナー担持体103のトナー搬送方向に対し直交する方向で例えば往復に移動させる。この運転モードが終了するまでの、少なくとも1回以上は動作する。以上のような動作を行い、規制部材本体133において、規制部材本体133とトナー担持体103とが当接する当接部よりもトナー担持体によるトナー搬送方向下流側に付着したトナーをトナー担持体の表面に摺擦させて剥がして除去する。
規制部材本体133の当接圧力は、図11に示すように、外部の応答制御機構によって、現像剤担持体103の両端に具備されている当接圧板カム部材154が回転駆動し、当接圧コイルスプリング部材153がさらに押し込まれて、芯金軸受152から現像剤担持体103へ伝わり、当接圧力が現像剤規制部材130へ更に加えられる。この運転モードが終了するまでの、少なくとも1回以上は動作する。現像剤担持体103の線速度は、外部の応答制御機構によって回転駆動速度が、作像時よりも速い線速度、または遅い線速度に変更され、組み合わせることも可能である。線速度の変化はこの運転モードが終了するまでの、少なくとも1回以上は動作する。
以下、実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
以下の各実施例において、現像剤担持体の構成としては、芯金として、φ8のSUM材にニッケルメッキを施したものを使用した。弾性層としてはニトリルゴムで構成され、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、カーボンブラックからなる表層面で構成されている。次に、現像剤規制部材の構成としては、薄板はSUS材、保持部材と挟持板は亜鉛メッキ鋼板で構成されるものを使用した。
ここで、トナー層規制部材可動機構の構成として、トナー層規制部材を現像剤担持体のトナー搬送方向で移動させる機構を説明する。トナー層規制部材を伸縮させて移動させる機構の把持部材はSUS材で構成されている。伸縮させるコイルスプリング部材として、SUS材で構成される圧縮コイルスプリングを、伸縮部材の現像剤規制部材の把持部材と伸縮部材の間の、伸縮する方向側の四方に配置した。現像剤担持体の回転移動方向へ移動させる縦方向移動手段として、芯金としてφ8のSUM材にPPS樹脂材で構成された板カムを8つ、現像剤規制部材に均一に当接されるように配置した。縦方向可動部材は、非作像時に回転駆動することで、伸縮部材に構成されている板カムが現像剤規制部材を押し込むようにして、現像剤担持体のトナー搬送方向で移動させることができる。本例は移動範囲を0〜2[mm]とした。また作像持の動作として、元の位置に戻すには、前述の回転駆動を元に戻すことで、圧縮コイルスプリングの応力により元の位置に戻る機構となっている。
次に、トナー層規制部材を現像剤担持体のトナー搬送方向に対し直交する方向で移動する機構について説明する。前記現像剤規制部材と伸縮部材と連結させる電動スライドレールを設け、電気信号制御により移動範囲を0〜2[mm]とした。
次に、現像剤規制部材と現像剤担持体の当接圧力を変化させる構成について説明する。現像剤担持体の芯金軸にナイロン樹脂材の芯金軸受を装着する。芯金軸受を具備した現像剤担持体は、SUS材で構成される芯金軸把持具によって、当接圧力が掛かる方向にだけスライドできるように配置される。現像剤担持体が現像剤規制部材に適切な当接圧力を加えるために、当接圧コイルスプリング部材を芯金軸受に圧力を加える配置で装着する。当接圧コイルスプリング部材はSUS材で構成されたものを使用し、現像剤規制部材への当接圧力が非作像時を除いて37[N/m]となるように配置した。非作像における動作として、当接圧板カム部材の軸心に外部からの駆動伝達により回転し、当接圧コイルスプリング部材を圧縮する方向へ押し込む。当接羽部材が押し込まれることで、芯金軸受はより現像剤規部材を押し込む方向へ圧力が加わり、当接圧力を変化させることができる構成となる。なお、非作像時の当接圧力は50[N/m]となるように構成させている。
次に、現像剤担持体の非作像時における回転動作の構成について説明する。なお、本例の運転モードは、実機プリンタが500枚通紙を行ったタイミングで運転モードを動作させるように設定した。また、現像剤担持体の作像時における線速度は144[mm/sec]で動作する。非作像時においては、作像時よりも早い動作と遅い動作となるように、70[mm/sec]と210[mm/sec]の回転動作ができる設定をした。
次に、非作像時の現像剤規制部材に固着した現像剤を除去するための運転モードについて説明する。
図13は、非作像時の現像剤規制部材に固着した現像剤を除去するための運転モードを示すタイムチャートである。
図13に示すように、現像規制部材可動機構の縦方向可動部材は、運転モードが開始してから終了するまでの時間を20[sec]とした。運転が開始されてから、現像剤規制部材可動機構の縦方向可動部材と横方向可動部材は、2[sec]毎に所定の位置まで、現像剤規制部材が移動し、元の位置に戻る動作を運転モードが終了するまでに動作する設定とした。当接圧力は、運転モードが開始してから終了するまで、当接圧板カム部材が動作し、トナー層規制部材と現像剤担持体との間の当接圧力が50[N/m]となるようにし、運転モードが終了するタイミングで元の位置に戻る動作に設定した。線速度は、運転モードが開始してから、10[sec]まで線速度が70[mm/sec]で動作し、10[sec]以降から20[sec]まで線速度が210[mm/sec]で動作する設定とした。
次に、市販のプリンタIPSIO SP C320(リコー製)の画像形成装置を用い、上記の現像剤担持体をその画像形成装置に取り付け、感光体ドラム上を−960[V]に帯電させ、現像バイアス電圧−150[V]を印加し、マゼンタ一成分重合現像剤(平均粒径6[μm])を使用し、A4縦サイズ2[%]チャート画像10000枚通紙後の画像上白抜けを評価した。以上を下記評価基準の下に評価した。
<比較例3>
上記現像装置において、以下の構成で実施した。
規制部材本体の移動動作:なし
規制部材本体と現像剤担持体の当接圧力変更動作:なし
現像剤担持体の線速度変更動作:なし
<実施例7>
上記現像装置において、以下の構成で実施した。
規制部材本体の移動動作:あり
規制部材本体と現像剤担持体の当接圧力変更動作:あり
現像剤担持体の線速度変更動作:なし
<実施例8>
上記現像装置において、以下の構成で実施した。
規制部材本体の移動動作:あり
規制部材本体と現像剤担持体の当接圧力変更動作:なし
現像剤担持体の線速度変更動作:あり
<実施例9>
上記現像装置において、以下の構成で実施した。
規制部材本体の移動動作:あり
規制部材本体と現像剤担持体の当接圧力変更動作:あり
現像剤担持体の線速度変更動作:あり
以上の評価結果を以下の表2に示す。これより、実施例7〜9のトナー層規制部材は、長期にわたって規制部材本体へのトナーの凝集体の付着し、現像剤担持体への現像剤層を不均一にしてしまうことによる、画像上白抜けが発生しないことがわかった。
Figure 2016224317
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
トナーを担持するトナー担持体103の表面に当接させて前記トナー担持体上のトナーの量を規制するトナー層規制部材104等の規制部材において、規制部材の基材のみに比べてトナーが付着し難くなる被覆層1045等の低付着層を前記当接部よりも前記トナー担持体によるトナー搬送方向下流側に設け、該低付着層は、前記当接部には設けない。
上記特許文献1には、規制部材の当接部に当初からトナーが付着してそのトナーが当接部で徐々に堆積して画像上に白スジが生じていたので、その当接部に低付着層を設けて当接部にトナーが付着するのを抑制していたと記載されている。ところが、本発明者らは、鋭意研究したところ、規制部材の当接部にトナーが固着するメカニズムは、次のように従来の記載とは異なるものであることが判明した。すなわち、低付着層の材料によってはトナーの摩擦帯電を過度に促進させてしまい、当接部を通過したトナーが過剰に摩擦帯電される。その過剰帯電トナーが、まず、当接部よりもトナー担持体によるトナー搬送方向下流側の僅かに離れた位置(以下、トナー固着開始位置という。)に付着し固着する。この固着したトナーが起点となって別のトナーが次々付着してトナー担持体によるトナー搬送方向上流側へ伸びていき、そのトナーの端部が当接部に達して画像上に白スジが生じることがわかった。本態様では、トナー付着の起点になるトナー固着開始位置にトナーが付着し難くしている。さらに、当接部には、トナー固着開始位置に設けた低付着層と同じ材料の低付着層を設けていない。これにより、当接部に低付着層を設けた従来の構成に比べて、当接部で生じる過剰帯電トナーを減らすことができる。よって、画像上に白スジが生じるような画像不良を抑制できる。
(態様B)
(態様A)において、前記被覆層の厚みは、前記規制部材本体の算術平均粗さよりも大きく、かつ、トナーの平均粒径よりも小さい。本態様では、被覆層の厚みをこの範囲にすることで、長期にわたって被覆層が無くなることがなく、また元々あった規制部材のキズ等が被覆層によって埋められることで、当接部よりもトナー担持体によるトナー搬送方向下流側にトナーが付着しにくくなる。この付着を起点とするトナー固着が抑制できるため、当接部のトナー固着による縦白スジの画像不良を抑制できる。
本態様では、
(態様C)
トナーを担持するトナー担持体の表面に当接させて前記トナー担持体上のトナーの量を規制する規制部材において、前記規制部材本体の当接部に対し、前記規制部材本体を前記トナー担持体によるトナー搬送方向上流側と前記トナー担持体によるトナー搬送方向下流側との少なくとも一方に移動させるトナー層規制部材可動機構160等の移動手段を備える。
本態様では、移動手段によって規制部材をトナー担持体によるトナー搬送方向上流側や下流側に移動させることで、規制部材とトナー担持体との当接部の位置を変える。その当接部の位置変化に伴い、トナー固着開始位置も変わる。そして、当該当接部の位置を複数の箇所に変えることで、トナー固着開始位置を複数箇所に分け、固着トナーを分散させる。例えば、トナー固着開始位置におけるトナーが大きくなって当接部に達する前に、移動手段によって規制部材をトナー担持体によるトナー搬送方向上流側や下流側に移動させてトナー固着開始位置を変える。これにより、移動手段を備えていない構成のように固着トナーが一箇所のトナー固着開始位置に集中するのに比べて、固着したトナーが当接部に達する時期を遅らせることができる。これにより、トナー固着開始位置に固着したトナーが当接部に達してトナー担持体上のトナー層を削ってしまう事象を抑制される。よって、画像上に白スジが生じるような画像不良を抑制できる。
(態様D)
(態様C)において、前記移動手段は、前記規制部材本体を前記トナー担持体によるトナー搬送方向とトナー搬送方向に対し直交する方向との少なくとも一方に移動させる。
本態様では、移動手段によって規制部材本体をトナー担持体によるトナー搬送方向に移動させることで、トナー固着開始位置の規制部本体表面に付着したトナーをトナー担持体の表面に接触させる。そして、トナー担持体の回転移動によりトナー固着開始位置の規制部本体表面に付着したトナーにトナー担持体の表面を摺擦させる。また、トナー固着開始位置の規制部本体表面に付着したトナーをトナー担持体の表面に接触させた状態で、移動手段によって規制部材本体をトナー担持体によるに対し直交する方向に移動させトナー固着開始位置に付着したトナーをトナー担持体の表面に摺擦させる。これらにより、規制部材本体に付着したトナーを剥がして除去できる。
(態様E)
(態様C)又は(態様D)において、移動手段を駆動させて規制部材本体の位置を変更するとき又は変更した後に、規制部材本体のトナー担持体への当接圧力を変える当接圧力変更手段を備える。本態様では、当接部からの応力も加わり摺擦力を変化させることができる。これにより、規制部材本体に固着したトナーを除去させ易くなる。
(態様F)
表面にトナーを担持して表面移動するトナー担持体103と、該トナー担持体の外表面に対向する表面を前記トナー担持体の外表面に当接させ、前記トナー担持体の回転に伴い前記トナー担持体上のトナーの量を規制するトナー層規制部材104等のトナー規制部材とを備え、該トナー規制部材により量が規制されたトナーを前記トナー担持体の表面移動により現像領域へ搬送する現像装置4において、前記トナー規制部材として、(態様A)〜(態様E)のいずれかの規制部材を用いた。
本態様によれば、トナー固着位置にトナーが固着しそのトナーが当接部に達して、トナー担持体上のトナー層を削ってしまう事象を抑制される。よって、画像上に白スジが生じるような画像不良を抑制できる。
(態様G)
(態様F)において、前記トナー担持体は円筒形状で回転駆動する構成であり、前記規制部材本体をトナー担持体によるトナー搬送方向とトナー搬送方向に対し直交する方向との少なくとも一方に移動させる移動手段を駆動させて前記規制部材本体の位置を変更するとき又は変更後に、前記トナー担持体の回転数を変える回転数変更手段を備える。
本態様によれば、トナー担持体を円筒形状にすることで、摺擦しやすい構造となる。また、規制部材本体の位置を変更するとき又は変更後に、回転数または線速度を変更することにより、固着したトナーとトナー担持体との摺擦時の摺擦抵抗を変化させることができるので、固着したとトナーの硬度に応じて効率的に摺擦除去することができる。
(態様H)
像担持体と、該像担持体の表面を帯電する帯電手段と、該像担持体の帯電された表面を露光して潜像を形成する露光手段と、該像担持体上の潜像を現像する現像手段と、該像担持体の表面をクリーニングするクリーニング手段とを有する画像形成装置の本体に対して着脱可能であり、少なくとも該像担持体と該現像手段とが一体的に支持されたプロセスカートリッジ1において、該現像手段が、(態様F)又は(態様G)の現像装置である。
本態様によれば、画像上に白スジが生じるような画像不良を抑制できる現像装置の画像形成装置本体に対する交換性を高めることができる。
(態様I)
像担持体と、該像担持体の表面を帯電する帯電手段と、該像担持体の帯電された表面を露光して潜像を形成する露光手段と、該像担持体上の潜像を現像する現像手段と、該像担持体の表面をクリーニングするクリーニング手段とを有する画像形成装置において、該現像手段が、(態様F)又は(態様G)の現像装置である。
本態様によれば、画像上に白スジが生じるような画像不良を抑制できる。
1 プロセスカートリッジ
2 像担持体
3 帯電部材
4 現像装置
5 像担持体クリーニング部材
6 露光装置
7 中間転写ベルト
8 一次転写ローラ
9 二次転写ローラ
9a 二次転写対向ローラ
11 転写ベルトクリーニング装置
12 定着装置
101 トナー収容室
102 トナー供給室
103 トナー担持体
104 トナー層規制部材
105 トナー供給ローラ
106 トナー搬送部材
106a 搬送スクリュ形状
106b 搬送板形状
107 返送口
108 トナー撹拌部材
109 除電シール
110 仕切り部材
111 供給口
112 端部シール
133 規制部材本体
151 芯金軸心把持具
152 芯金軸受
153 当接圧コイルスプリング部材
154 当接圧板カム部材
160 トナー層規制部材可動機構
161 縦方向可動部材
162 伸縮部材
163 横方向移動部材
1040 ブレード部材
1040a 当接部
1041 リベット
1042 台座部
1043a 主基準穴
1043b 従基準穴
1044 固定ネジ
1045 被覆層
1046 露出部
P 転写紙
特許第3528572号公報

Claims (9)

  1. トナーを担持するトナー担持体の表面に当接させて前記トナー担持体上のトナーの量を規制する規制部材において、
    前記規制部材の基材のみに比べてトナーが付着し難くなる低付着層を前記当接部よりも前記トナー担持体によるトナー搬送方向下流側に設け、該低付着層は、前記当接部には設けないことを特徴とする規制部材。
  2. 請求項1記載の規制部材において、
    前記被覆層の厚みは、前記規制部材本体の算術平均粗さよりも大きく、かつ、トナーの平均粒径よりも小さいことを特徴とする規制部材。
  3. トナーを担持するトナー担持体の表面に当接させて前記トナー担持体上のトナーの量を規制する規制部材において、
    前記規制部材本体の当接部に対し、前記規制部材本体を前記トナー担持体によるトナー搬送方向上流側と前記トナー担持体によるトナー搬送方向下流側との少なくとも一方に移動させる移動手段を備えることを特徴とする規制部材。
  4. 請求項3記載の規制部材において、
    前記移動手段は、前記規制部材本体を前記トナー担持体によるトナー搬送方向とトナー搬送方向に対し直交する方向との少なくとも一方に移動させることを特徴とする規制部材。
  5. 請求項3又は4に記載の規制部材において、
    前記移動手段を駆動させて前記規制部材本体の位置を変更するとき又は変更した後に、前記規制部材本体の前記トナー担持体への当接圧力を変える当接圧力変更手段を備えることを特徴とする規制部材。
  6. 表面にトナーを担持して表面移動するトナー担持体と、該トナー担持体の外表面に対向する表面を前記トナー担持体の外表面に当接させ、前記トナー担持体の回転に伴い前記トナー担持体上のトナーの量を規制するトナー規制部材とを備え、該トナー規制部材により量が規制されたトナーを前記トナー担持体の表面移動により現像領域へ搬送する現像装置において、
    前記トナー規制部材として、請求項1〜5のいずれかの規制部材を用いたことを特徴とする現像装置。
  7. 請求項6記載の現像装置において、
    前記トナー担持体は円筒形状で回転駆動する構成であり、前記規制部材本体をトナー担持体によるトナー搬送方向とトナー搬送方向に対し直交する方向との少なくとも一方に移動させる移動手段を駆動させて前記規制部材本体の位置を変更するとき又は変更後に、前記トナー担持体の回転数を変える回転数変更手段を備えることを特徴とする現像装置。
  8. 像担持体と、該像担持体の表面を帯電する帯電手段と、該像担持体の帯電された表面を露光して潜像を形成する露光手段と、該像担持体上の潜像を現像する現像手段と、該像担持体の表面をクリーニングするクリーニング手段とを有する画像形成装置の本体に対して着脱可能であり、少なくとも該像担持体と該現像手段とが一体的に支持されたプロセスカートリッジにおいて、
    該現像手段が、請求項6又は7の現像装置であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  9. 像担持体と、該像担持体の表面を帯電する帯電手段と、該像担持体の帯電された表面を露光して潜像を形成する露光手段と、該像担持体上の潜像を現像する現像手段と、該像担持体の表面をクリーニングするクリーニング手段とを有する画像形成装置において、
    該現像手段が、請求項6又は7の現像装置であることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020204694A (ja) * 2019-06-17 2020-12-24 株式会社ブリヂストン 導電性ローラ用塗料組成物、それを用いた現像ローラおよび画像形成装置

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JP7270476B2 (ja) 2019-06-17 2023-05-10 株式会社アーケム 導電性ローラ用塗料組成物、それを用いた現像ローラおよび画像形成装置

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