JP2016218320A - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ポリエステル樹脂を含有する結着樹脂と、離型剤と、スチレン(メタ)アクリル樹脂と、を含むトナー粒子を有し、
前記トナー粒子の表面から800nm以内に全離型剤のうち70%以上の離型剤が存在しており、
X線光電子分光装置(XPS)により測定される前記トナー粒子の表面に存在する樹脂成分に占める前記スチレン(メタ)アクリル樹脂の割合が5atom%以上25atom%以下である静電荷像現像用トナーである。
数平均粒径20nm以上50nm以下のチタン酸化物粒子を含む外添剤をさらに有する請求項1に記載の静電荷像現像用トナーである。
請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤である。
形状係数SF2が100以上120以下のキャリアを含む請求項3に記載の静電荷像現像剤である。
磁性粉分散型キャリアを含む請求項3又は請求項4に記載の静電荷像現像剤である。
請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。
請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
前記像保持体の表面に残留したトナーを除去するクリーニング手段と、
除去したトナーを前記現像手段へ供給するトナー供給手段と、
を備える画像形成装置である。
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像剤を収容した現像手段により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
前記像保持体の表面に残留したトナーを除去するクリーニング工程と、
除去したトナーを、前記現像手段へ供給するトナー供給工程と、
を有する画像形成方法である。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(以下、「トナー」と称する)は、ポリエステル樹脂を含有する結着樹脂、離型剤、及び、スチレン(メタ)アクリル樹脂を含むトナー粒子を有する。
そして、トナー粒子の表面から800nm以内に、全離型剤のうち70%以上の離型剤が存在している(以下、トナー粒子の表面から800nm以内に存在している離型剤の存在割合を「離型剤の存在率」とも称する)。
さらに、X線光電子分光装置(XPS)により測定される前記トナー粒子の表面に存在する樹脂成分に占める前記スチレン(メタ)アクリル樹脂の割合が、5atom%以上25atom%以下である(以下、X線光電子分光装置(XPS)により測定される前記トナー粒子の表面に存在する樹脂成分に占める前記スチレン(メタ)アクリル樹脂の割合を「スチレン(メタ)アクリル樹脂の表面存在率」とも称する。)。
一方、例えば、プロセススピードの速い画像形成装置(いわゆる高速機)においても、定着部材に対する定着画像の剥離性を維持するために、トナー粒子の表層部(例えば、トナー粒子の表面から800nm以内の範囲)に離型剤が配置されたトナーが有利である。
なお、スチレン(メタ)アクリル樹脂の表面存在率が高すぎる場合には、スチレン(メタ)アクリル樹脂に付着する離型剤が多くなりすぎ、トナーの凝集体が発生してしまうことがある。そのため、スチレン(メタ)アクリル樹脂の表面存在率が、上記の特定範囲であることにより、色点及び色筋の発生が抑制される。
なお、上記では、本実施形態に係るトナーをトナーリクレーム方式の画像形成装置に用いた場合について説明したが、本実施形態に係るトナーは、トナーリクレーム方式の画像形成装置に用いる場合に限定されるものではない。
トナー粒子は、例えば、ポリエステル樹脂を含む結着樹脂と、離型剤と、スチレン(メタ)アクリル樹脂と、必要に応じて、着色剤と、その他添加剤と、を含んで構成される。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知の非晶性ポリエステル樹脂が挙げられる。ポリエステル樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂と共に、結晶性ポリエステル樹脂を併用してもよい。但し、結晶性ポリエステル樹脂は、全結着樹脂に対して、含有量が2質量%以上40質量%以下(好ましくは2質量%以上20質量%以下)の範囲で用いることがよい。
一方、樹脂の「非晶性」とは、半値幅が10℃を超えること、階段状の吸熱量変化を示すこと、又は明確な吸熱ピークが認められないことを指す。
非晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。なお、非晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
非晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合体が挙げられる。なお、結晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂は、結晶構造を容易に形成するため、芳香族を有する重合性単量体よりも直鎖状脂肪族を有する重合性単量体を用いた重縮合体が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価のカルボン酸としては、例えば、芳香族カルボン酸(例えば1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸としては、これらジカルボン酸と共に、スルホン酸基を持つジカルボン酸、エチレン性二重結合を持つジカルボン酸を併用してもよい。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールは、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のアルコールを併用してもよい。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
スチレン(メタ)アクリル樹脂は、スチレン骨格を有する単量体と(メタ)アクリロイル骨格を有する単量体とを少なくとも共重合した共重合体である。
なお、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」のいずれをも含む表現である。
これらの中で、スチレン系単量体としては、反応し易さ、反応の制御の容易さ、さらに入手性の点で、スチレンが好ましい。
2官能の架橋剤としては、例えば,ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジ(メタ)アクリレート化合物(例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、デカンジオールジアクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等)、ポリエステル型ジ(メタ)アクリレート、メタクリル酸2−([1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル等が挙げられる。
多官能の架橋剤としては、トリ(メタ)アクリレート化合物(例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等)、テトラ(メタ)アクリレート化合物(例えば、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレート等)、2,2−ビス(4−メタクリロキシ、ポリエトキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリールクロレンデート等が挙げられる。
スチレン(メタ)アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、ポリエステル樹脂のガラス転移温度と同じ方法により測定された値である。
スチレン(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量は、ポリエステル樹脂の重量平均分子量と同じ方法により測定された値である。
ただし、(メタ)アクリル系単量体として、アクリル酸β−カルボキシエチル(β−CEA)を含有する場合、上記の(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、β−CEAを除いたものである。
また、同様の点で、このスチレン(メタ)アクリル樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂を含有する結着樹脂と組み合わせて用いることが好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、全単量体成分のうち、炭素数が6以上14以下(好ましくは、炭素数6以上12以下、より好ましくは、炭素数6以上10以下)のアルキレン基を持つ脂肪族飽和多価アルコール、及び炭素数が6以上14以下(好ましくは、炭素数6以上12以下、より好ましくは、炭素数6以上10以下)のアルキレン基を持つ脂肪族飽和多価カルボン酸の少なくとも一方を30質量%以上(好ましくは30質量%以上50質量%以下、より好ましくは40質量%以上50質量%以下)含有する結晶性ポリエステル樹脂が挙げられる。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
炭化水素系ワックスを用いる場合、全離型剤に対する炭化水素系ワックスの含有量は、85質量%以上100質量%以下がよく、95質量%以上100質量%以下が好ましい。より好ましくは100質量%である。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
式:SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積を各々示す。
具体的には、形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
なお、本実施形態においては、スチレン(メタ)アクリル樹脂粒子表面のカルボキシ基量を制御する方法により、スチレン(メタ)アクリル樹脂の表面存在率を制御することが好ましいが、これに限定されるものではない。スチレン(メタ)アクリル樹脂粒子表面のカルボキシ基量を制御する具体的な方法としては、例えば、(メタ)アクリル系単量体にアクリル酸β−カルボキシエチル(β−CEA)を含有させ、その量を変化させる方法が挙げられる。
なお、トナー粒子が着色剤を含有している場合、トナー粒子の断面において、着色剤のドメインは、離型剤のドメイン及びスチレン(メタ)アクリル樹脂のドメインよりも小さいので、大きさによって区別される。
最大長がトナー粒子の体積平均粒径の85%以上のトナー粒子断面を選択する理由は、トナーは立体であり、SEM画像は断面であるため、端部を切断する可能性があり、端部の断面はトナーの離型剤のドメインを反映しないためである。
上記条件で得られた、測定対象となるトナー粒子の表面のC1Sスペクトルから、トナー粒子表面のスチレン(メタ)アクリル樹脂成分に起因する成分をピーク分離することによってトナー粒子表面のスチレン(メタ)アクリル樹脂成分量を定量した。ピーク分離は、測定されたC1Sスペクトルを、最小二乗法によるカーブフィッティングを用いてピークを各成分に分離した。分離のベースとなる成分スペクトルとしては、トナー粒子の作製の際に使用した、スチレン(メタ)アクリル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、非晶性ポリエステル樹脂を単独に測定して得られたC1Sスペクトルを用いた。ピーク分離された樹脂成分の定量結果に基づいて、スチレン(メタ)アクリル樹脂の表面存在率を算出する。
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM、例えば、日立ハイテクノロジーズ社製、S−4800)装置により、10000倍の画像から、チタン酸化物粒子の一次粒子100個観察し、一次粒子の画像解析によって、一次粒子の円相当径を測定して、その平均値を求め、チタン酸化物粒子の数平均粒径とする。
シラン系カップリング剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、ベンジルジメチルクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等が挙げられる。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
ポリエステル樹脂粒子が分散されたポリエステル樹脂粒子分散液を準備する工程(ポリエステル樹脂粒子分散液準備工程)と;
スチレン(メタ)アクリル樹脂粒子が分散されたスチレン(メタ)アクリル樹脂粒子分散液を準備する工程(スチレン(メタ)アクリル樹脂粒子分散液準備工程)と;
離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する工程(離型剤粒子分散液準備工程)と;
前記2つの樹脂粒子分散液を混合した混合分散液中で(必要に応じて着色剤等の他の粒子分散液も混合した分散液中で)、樹脂粒子を(必要に応じて他の粒子をも)凝集させ、第1凝集粒子を形成する工程(第1凝集粒子形成工程)と;
第1凝集粒子が分散された第1凝集粒子分散液と、ポリエステル樹脂粒子分散液と、離型剤粒子分散液とを混合し、第1凝集粒子の表面にポリエステル樹脂粒子及び離型剤粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程(第2凝集粒子形成工程)と;
第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液を加熱し、第2凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と;
を経て、トナー粒子を製造する。
まず、結着樹脂となるポリエステル樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、スチレン(メタ)アクリル樹脂粒子が分散されたスチレン(メタ)アクリル樹脂粒子分散液、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水;アルコール類;などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を描き、全粒子に対して体積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとする。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
次に、ポリエステル樹脂粒子分散液と、スチレン(メタ)アクリル樹脂粒子分散液と、着色剤粒子分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、ポリエステル樹脂粒子とスチレン(メタ)アクリル樹脂粒子と着色剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、ポリエステル樹脂粒子とスチレン(メタ)アクリル樹脂粒子と着色剤粒子とを含む第1凝集粒子を形成する。
なお、必要に応じて離型剤粒子分散液も混合し、第1凝集粒子に離型剤粒子を含ませてもよい。
第1凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpH2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、加熱を行ってもよい。
凝集剤と共に、該凝集剤の金属イオンと錯体又は類似の結合を形成する添加剤を用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸;イミノ二酢酸(IDA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等のアミノカルボン酸;などが挙げられる。
キレート剤の添加量は、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
第1凝集粒子が分散された第1凝集粒子分散液を得た後、第1凝集粒子分散液と、ポリエステル樹脂粒子分散液と、離型剤粒子分散液と、をさらに混合する。ポリエステル樹脂粒子分散液と離型剤粒子分散液とは予め混合しておき、この混合液を第1凝集粒子分散液に混合してもよい。
次に、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液を、例えば、ポリエステル樹脂のガラス転移温度以上(例えば、ポリエステル樹脂のガラス転移温度より10℃乃至30℃高い温度以上)に加熱して、第2凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
融合・合一工程の終了後、溶液中に形成されたトナー粒子に、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を施し、乾燥した状態のトナー粒子を得る。
洗浄工程は、帯電性の点から、イオン交換水による置換洗浄を充分に施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から、吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から、凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
なお、磁性粉分散型キャリア、及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等、その他添加剤を含ませてもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
キャリアの形状係数SF2を上記範囲とすることで、キャリアの形状が球状、又は球状に近くなるため、トナーがキャリア表面で転がり易くなる。そして、現像装置内で、トナーにかかる機械的負荷(ストレス)が緩和されることにより、トナー粒子表面への離型剤の過度の露出が抑制され易くなる。
なお、キャリアの形状係数SF2は、例えば、磁性粉の焼成条件、マトリックス樹脂中に磁性粉が分散・配合された磁性粉分散型キャリアを構成する磁性粉分散型粒子の造粒条件、磁性粉、又は該磁性粉分散型粒子を被覆樹脂により被覆する被覆層の厚み等によって制御される。
走査型電子顕微鏡(例えば、日立ハイテクノロジーズ社製、S−4100など)を用い、キャリアを観察して画像を撮影し、この画像を画像解析装置(例えばLUZEXIII、ニレコ社製)に取り込み100個の各々のキャリアについて、次式に基づいてSF2を算出し、その平均値を求めて、キャリアの形状係数SF2とする。なお、電子顕微鏡は1視野中に外添剤が3個以上20個以下程度写るように倍率を調整し、複数視野の観察を合わせて次式に基づいてSF2を算出した。
・式:形状係数SF2=「PM2/(4・A・π)」×100
ここで、式中、PMは、キャリアの周囲長を示す。Aは、キャリアの投影面積を示す。πは、円周率を示す。
なお、磁性粉分散型キャリアは、磁性粉分散型キャリアを構成する磁性粉分散型粒子をそのまま用いたキャリアでもよく、磁性粉分散型粒子を芯材とし、被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
磁性粉として、具体的には、例えば、マグネタイト、γ−酸化鉄、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Li系フェライト、Cu−Zn系フェライトなどの鉄系酸化物を挙げられる。
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、像保持体の表面に残留したトナーを除去するクリーニング手段と、除去したトナーを前記現像手段へ供給するトナー供給手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
図1に示す画像形成装置300は、例えば、直方体の筐体200を有し、筐体200内の下方側には記録紙(記録媒体の一例)Pを収納する用紙入れ204が設けられている。また、用紙入れ204に収納された記録紙Pを引き出すためのアームの一端側に配置された引出ロール92、他端側に配置されたロール94、及び、ロール94に対向して配置されたロール96が設けられている。
また画像形成装置300は、筐体200内の上方側に、時計回り方向に回転する円筒状の感光体(像保持体の一例)10が設けられている。
従って、定着ロール100側から到来した記録紙Pはロール対106、108に挟まれ、ロール対106、108が連続して回転すれば、記録紙Pは用紙受け202に搬送される。
なお、図1では記録紙Pの搬送路を想像線で示している。
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
図2に示すプロセスカートリッジ400は、例えば、取り付けレール416及び露光のための開口部418が備えられた筐体417により、感光体(像保持体の一例)407と、感光体407の周囲に備えられた帯電ロール(帯電手段の一例)408、現像装置(現像手段の一例)411、及び感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)413を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
また、図2中、409は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、412は転写装置(転写手段の一例)、415は定着装置(定着手段の一例)、500は記録紙(記録媒体の一例)を示している。なお、図2では、感光体クリーニング装置413により除去されたトナーを、例えば、供給搬送路(トナー供給手段の一例)を通じて現像装置411へと供給して再利用するトナーリクレームの機構は省略している。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係るトナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
なお、図1に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ46の着脱される構成を有する画像形成装置であり、現像装置40は、トナーカートリッジ46と、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収容されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。
−非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)の調製−
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2.2モル付加物 :40モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2.2モル付加物 :60モル部
・テレフタル酸 :47モル部
・フマル酸 :40モル部
・ドデセニルコハク酸無水物 :15モル部
・トリメリット酸無水物 :3モル部
得られた非晶性ポリエステル樹脂(1)は、DSCによるガラス転移温度(Tg)が59℃、GPCによる質量平均分子量Mwが25,000、数平均分子量(Mn)が7,000、フローテスターによる軟化温度が107℃、酸価AVが13mgKOH/gであった。
・1,10−ドデカン二酸 :50モル部
・1,9−ノナンジオール :50モル部
攪拌機、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に上記モノマー成分を入れ、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、チタンテトラブトキサイド(試薬)を前記モノマー成分100部に対して0.25部投入した。窒素ガス気流下、170℃で3時間攪拌反応させた後、温度を更に210℃まで1時間かけて昇温し、反応容器内を3kPaまで減圧し、減圧下で13時間攪拌反応させて、結晶性ポリエステル樹脂(1)を得た。
得られた結晶性ポリエステル樹脂(1)は、DSCによる融解温度が73.6℃、GPCによる質量平均分子量Mwが25,000、数平均分子量(Mn)が10,500、酸価AVが10.1mgKOH/gであった。
その後、攪拌回転数を150rpmにし、水循環式恒温槽を66℃に設定し、10%アンモニア水17部を10分間かけて投入した後、66℃に保温されたイオン交換水を7部/分の速度で、合計900部滴下し転相させて、乳化液を得た。すぐに、得られた乳化液800部とイオン交換水700部とを2リットルのナスフラスコに入れ、トラップ球を介して真空制御ユニットを備えたエバポレーター(東京理化器械社)にセットした。ナスフラスコを回転させながら、60℃の湯バスで加温し、突沸に注意しつつ7kPaまで減圧し溶剤を除去した。溶剤回収量が1,100部になった時点で常圧に戻し、ナスフラスコを水冷して分散液を得た。得られた分散液に溶剤臭は無かった。この分散液における樹脂粒子の体積平均粒径D50vは130nmであった。その後、イオン交換水を加えて固形分濃度が20%になるように調製し、これを結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)とした。
−スチレンアクリル樹脂粒子分散液(1)の調製−
・スチレン(和光純薬工業社製) :300部
・n−ブチルアクリレート(和光純薬工業社製) :84部
・1,10−デカンジオールジアクリレート(新中村化学社製) :1.4部
・ドデカンチオール(和光純薬工業社製) :3.0部
・β−カルボキシエチルアクリレート :0.15部
上記成分を混合溶解したものに、アニオン性界面活性剤(ダウ・ケミカル社製、ダウファックス)4.0部をイオン交換水800部に溶解した溶液を加えてフラスコ中で分散、乳化し、10分間ゆっくりと混合攪拌しながら、さらに、過硫酸アンモニウム4.0部を溶解したイオン交換水50部を投入した。次に、フラスコ内の窒素置換を行った後、フラスコ内の溶液を攪拌しながらオイルバスで65℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、スチレンアクリル樹脂粒子分散液(1)を得た。スチレンアクリル樹脂粒子分散液(1)は、イオン交換水を加えて、固形分を32%に調製した。
表1に従って、β−カルボキシエチルアクリレート(β−CEA)の量(部数)を変更した他は、スチレンアクリル樹脂粒子分散液(1)と同様の手順で、スチレンアクリル樹脂粒子分散液(2)〜(4)を得た。
−黒顔料分散液(1)の調製−
・カーボンブラック(キャボット製、Regal330) :250部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンSC) :33部
(有効成分60%。着色剤に対して8%)
・イオン交換水 :750部
−離型剤粒子分散液(1)の調製−
・ポリエチレン系ワックス(炭化水素系ワックス:商品名「ポリワックス725(ベイカーペトロライト社製)」) :270部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンRK、有効成分量:60%)
:13.5部(有効成分として、離型剤に対して3.0%)
・イオン交換水 :21.6部
−混合粒子分散液(1)の調製−
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1):400部と、離型剤粒子分散液(1):60部とアニオン性界面活性剤(ダウ・ケミカル社製、Dowfax2A1):2.9部を混合したのち、温度25℃下に1.0%硝酸を添加してpHを3.0に調製し、混合粒子分散液(1)を得た。
離型剤粒子分散液(1)を75部に変更した以外は混合粒子分散液(1)と同様にして混合粒子分散液(2)を得た。
(トナー粒子(1)の作製)
・非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1) :700部
・結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1) :50部
・スチレン(メタ)アクリル樹脂粒子分散液(1) :205部
・黒顔料分散液(1) :133部
・離型剤粒子分散液(1) :15部
・イオン交換水 :600部
・アニオン性界面活性剤 :2.9部
(ダウ・ケミカル社製、Dowfax2A1)
その後、反応容器に攪拌機、マントルヒーターを設置し、スラリーが充分に攪拌されるように攪拌機の回転数を調整しながら、温度40℃までは0.2℃/分の昇温速度、40℃を超えてから53℃までは0.05℃/分の昇温速度で昇温し、10分ごとにマルチサイザーII(アパーチャー径50μm、ベックマン・コールター社製)にて粒径を測定した。体積平均粒径が5.0μmになったところで温度を保持し、混合粒子分散液(1)460部を5分間かけて投入した。
50℃に30分間保持した後、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を反応容器に20%液を8部添加した後、1モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加え、原料分散液のpHを9.0に制御した。その後、5℃ごとにpHを9.0に調整しながら、昇温速度1℃/分で90℃まで昇温し、90℃で保持した。光学顕微鏡と電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて粒子形状及び表面性を観察したところ、6時間目で粒子の合一が確認されたので、冷却水で容器を30℃まで5分間かけて冷却した。
冷却後のスラリーを、目開き15μmのナイロンメッシュに通過させ粗大粉を除去し、メッシュを通過したトナースラリーをアスピレータで減圧濾過した。濾紙上に残った固形分を手でできるだけ細かく砕いて、温度30℃で固形分量の10倍のイオン交換水に投入し、30分間攪拌混合した。次いで、アスピレータで減圧濾過し、濾紙上に残った固形分を手でできるだけ細かく砕いて、温度30℃で固形分量の10倍のイオン交換水に投入し、30分間攪拌混合した後、再度アスピレータで減圧濾過し、濾液の電気伝導度を測定した。濾液の電気伝導度が10μS/cm以下になるまでこの操作を繰り返し、固形分を洗浄した。 洗浄された固形分を湿式乾式整粒機(コーミル)で細かく砕き、35℃のオーブン中で36時間真空乾燥して、トナー粒子(1)を得た。トナー粒子(1)は、体積平均粒径が6.0μmであった。
表2に従って、スチレンアクリル樹脂粒子分散液の種類を変更した以外は、トナー粒子(1)の作製と同様にして、トナー粒子(2)、(3)、及び(C2)を得た。
離型剤粒子分散液(1)を15部から0部に、混合粒子分散液(1)を混合粒子分散液(2)に変更した以外はトナー粒子(1)の作製と同様にして、トナー粒子(4)を得た。
トナー粒子(1)の作製において、スチレンアクリル樹脂粒子分散液(1)を0部に変更した(つまり、スチレンアクリル樹脂粒子分散液を使用しない)以外は、トナー粒子(1)の作製と同様にして、トナー粒子(C1)を得た。
市販の未処理のチタン酸化物粒子を疎水化処理することにより作製した。MT−500A(テイカ社製、数平均粒径35nm:チタン酸化物粒子)35部にヘキサメチルジシラザン7部を添加し、150℃で2時間反応させ、粒子表面が疎水化処理されたチタン酸化物粒子(1)を作製した。
数平均粒径35nmのチタン酸化物粒子を数平均粒径15nmのチタン酸化物粒子(テイカ社製、MT-150A)に変更した以外は、チタン酸化物粒子(1)と同様にしてチタン酸化物粒子(2)を得た。
数平均粒径35nmのチタン酸化物粒子を数平均粒径50nmのチタン酸化物粒子(テイカ社製、MT-600B)に変更した以外は、チタン酸化物粒子(1)と同様にしてチタン酸化物粒子(3)を得た。
数平均粒径35nmのチタン酸化物粒子を数平均粒径80nmのチタン酸化物粒子(テイカ社製、MT-700)に変更した以外は、チタン酸化物粒子(1)と同様にしてチタン酸化物粒子(4)を得た。
数平均粒径35nmのチタン酸化物粒子を数平均粒径20nmのチタン酸化物粒子に変更した以外は、チタン酸化物粒子(1)と同様にしてチタン酸化物粒子(5)を得た。
ヘンシェルミキサーに、体積平均粒径0.22μmの球状マグネタイト粒子の粉末500質量部を投入し、十分に攪拌した後、チタネート系カップリング剤4.5質量部を添加し、95℃まで昇温し、30分間混合攪拌することにより、チタネート系カップリング剤被覆された球状マグネタイト粒子を得た。
続いて、1Lの四つ口フラスコに、フェノール6.5質量部、30%ホルマリン10質量部、上記マグネタイト粒子500質量部と25%アンモニア水7質量部、水400質量部を入れ、混合攪拌した。次に、攪拌しながら60分間で85℃まで昇温し、同温度にて180分間反応させた後、25℃まで冷却し、500mlの水を添加した後、上澄み液を除去、沈殿物を水洗した。これを減圧下、180℃で乾燥し、目開き106μmの篩分網にて粗大粉を取り除き、平均粒径32μmの芯材粒子Aを得た。次に、トルエン200質量部、スチレン−メタクリレート共重合体(成分モル比20:80、重量平均分子量180,000)45質量部を60分間スターラーにて攪拌し、被覆樹脂溶液を得た。
芯材粒子Aを1000質量部、上記被覆樹脂溶液40質量部を真空脱気型ニーダーコーター(ローター・壁面間クリアランス25mm)に入れ、60℃に保って30分間40rpmにて攪拌した後、さらに温度を85℃とし、減圧してトルエン留去・脱気・乾燥させた。さらに目開き75μmのメッシュを通すことによりキャリア(1)を調製した。キャリア(1)の形状係数SF2は106であった。
芯材粒子Aを、平均粒径33μmの焼結フェライト粒子に変更したこと以外は、キャリア(1)と同様にして、キャリア(2)を得た。キャリア(2)の形状係数SF2は125であった。
体積平均粒径0.22μmの球状マグネタイト粒子の粉末を、体積平均粒径0.65μmの球形マグネタイトに変更した以外は、芯材粒子Aと同様にして芯材粒子Bを得た。芯材粒子Bの平均粒径は41μmであった。
芯材粒子Bを1000質量部、上記被覆樹脂溶液を15質量部とした以外は、キャリア(1)と同様にして、キャリア(3)を得た。キャリア(3)の形状係数SF2は118であった。
ニーダーに、Mn−Mgフェライト(体積平均粒径:50μm、パウダーテック社製、形状係数SF1:120)を1000部投入し、パーフルオロオクチルメチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体(重合比率:20/80、Tg:72℃、重量平均分子量:72,000、綜研化学社製〕150部をトルエン700部に溶かした溶液を加え、常温(22℃)で20分混合した後、70℃に加熱して減圧乾燥し、取り出して被覆キャリアを得た。さらに、得られた被覆キャリアを75μm目開きのメッシュでふるい、粗粉を除去してキャリア(4)を得た。キャリア(4)の形状係数SF2は120であった。
トナー粒子(1)100部と、チタン酸化物粒子(1)1.5部とをヘンシェルミキサーを用い周速20m/s×15分間混合を行った後、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー(1)を得た。
得られたトナー(1)8部と、キャリア(1)100部とを、Vブレンダーにより20rpmで20分間攪拌し、212μmの網目を有するシーブで篩うことにより現像剤(1)を得た。
表3に従って、トナー粒子の種類、チタン酸化物粒子の種類と量、及び、キャリアの種類を変更し、トナー(1)と同様にして、トナー(2)〜(12)、(C1)、及び(C2)、並びに、現像剤(2)〜(12)、(C1)、及び(C2)を得た。
−離型剤の存在率−
トナー粒子の表面から800nm以内に存在している離型剤の存在割合(離型剤の存在率)は、既述の方法により測定した。
X線光電子分光装置(XPS)により測定される前記トナー粒子の表面に存在する樹脂成分に占める前記スチレン(メタ)アクリル樹脂の割合(スチレン(メタ)アクリル樹脂の表面存在率)は、既述の方法により測定した。
上記の各現像剤を、富士ゼロックス社製「DocuCentreIV 4070」改造機の現像装置に充填した。
高温高湿(温度35℃、湿度90RH%)環境下、この画像形成装置を用いて、画像密度1%の画像を30000枚形成した。その後、全面ハーフトーン(画像濃度50%)チャートを連続して10枚画像形成し、画像上における0.5mm以上の色点または色筋の発生個数を下記の評価基準により評価を行った。
A(◎):0.5mm以上の色点または色筋が0個
B(○):0.5mm以上の色点または色筋が1個以上4個以下
C(△):0.5mm以上の色点または色筋が5個以上8個以下
D(×):0.5mm以上の色点または色筋が9個以上
表3のチタン酸化物欄において、「無」とは、チタン酸化物の添加が無く、シリカ粒子のみであることを表す。
20 帯電ロール(帯電手段の一例)
30 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
40 現像装置(現像手段の一例)
46 トナーカートリッジ
52 転写ロール(転写手段の一例)
60 除電装置
70 クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
74 供給搬送路(トナー供給手段の一例)
100 定着ロール
104 カム
200 筐体
204 用紙入れ
220 記録紙反転部
300 画像形成装置
407 感光体(像保持体の一例)
408 帯電ロール(帯電手段の一例)
409 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
411 現像装置(現像手段の一例)
412 転写装置(転写手段の一例)
413 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
415 定着装置(定着手段の一例)
416 取り付けレール
417 筐体
418 露光のための開口部
400 プロセスカートリッジ
500 記録紙(記録媒体の一例)
P 記録紙(記録媒体の一例)
Claims (9)
- ポリエステル樹脂を含有する結着樹脂と、離型剤と、スチレン(メタ)アクリル樹脂と、を含むトナー粒子を有し、
前記トナー粒子の表面から800nm以内に全離型剤のうち70%以上の離型剤が存在しており、
X線光電子分光装置(XPS)により測定される前記トナー粒子の表面に存在する樹脂成分に占める前記スチレン(メタ)アクリル樹脂の割合が5atom%以上25atom%以下である静電荷像現像用トナー。 - 数平均粒径20nm以上50nm以下のチタン酸化物粒子を含む外添剤をさらに有する請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
- 形状係数SF2が100以上120以下のキャリアを含む請求項3に記載の静電荷像現像剤。
- 磁性粉分散型キャリアを含む請求項3又は請求項4に記載の静電荷像現像剤。
- 請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。 - 請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。 - 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
前記像保持体の表面に残留したトナーを除去するクリーニング手段と、
除去したトナーを前記現像手段へ供給するトナー供給手段と、
を備える画像形成装置。 - 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像剤を収容した現像手段により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
前記像保持体の表面に残留したトナーを除去するクリーニング工程と、
除去したトナーを、前記現像手段へ供給するトナー供給工程と、
を有する画像形成方法。
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