JP2016196906A - 転がり軸受ユニット - Google Patents

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ナンシー尚子 横山
Nancy Naoko Yokoyama
ナンシー尚子 横山
達男 若林
Tatsuo Wakabayashi
達男 若林
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Abstract

【課題】内部空間のうちで、内側列の円すいころを設置した部分よりも軸方向内側の矩形環状空間にグリースが堆積する事を防止できる、転がり軸受ユニットの構造を実現する。【解決手段】転がり軸受ユニットを構成する静止輪である外輪の内周面のうちで、軸方向内側の外輪軌道11dとキャップ6aを構成する固定筒部56を内嵌固定された部分との間部分である、嵌合面部60の軸方向外半部に、径方向内方に向けて伸長した断面略コ字形で全体を略円輪状に構成した環流壁部72を有する、グリース環流スリンガ70を内嵌固定する。【選択図】図3

Description

この発明は、例えば自動車の車輪(従動輪)を懸架装置に支持する為に使用する、転がり軸受ユニットの改良に関する。
自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為に、転がり軸受ユニットを使用する。又、アンチロックブレーキシステム(ABS)やトラクションコントロールシステム(TCS)を制御する為には、車輪の回転速度を検出する必要がある。この為、転がり軸受ユニットに回転速度検出装置を構成するエンコーダを組み付けた転がり軸受ユニットにより、車輪を懸架装置に対して回転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を検出する事が、一般的に行われている。
図5は、この様な目的で使用される転がり軸受ユニットの従来構造の1例を示している。転がり軸受ユニット1は、ハブ2と、外輪3と、複数個の玉4a、4bと、シールリング5と、キャップ6と、エンコーダ7とを備える。
このうちのハブ2は、ハブ本体8と内輪9とから成る。このハブ本体8は、外周面の軸方向外端(本明細書及び特許請求の範囲で、軸方向に関して「外」とは、自動車への組み付け状態で車両の幅方向外側を言い、各図の左側。反対に、軸方向に関して「内」とは、車両の幅方向中央側を言い、各図の右側。)寄り部分に、車輪を支持する為の回転側フランジ10を、同じく軸方向中間部に第一の内輪軌道11aを、同じく軸方向内端部に、この第一の内輪軌道11aを形成した部分よりも外径寸法が小さくなった小径段部12を、それぞれ形成している。そして、この小径段部12に、外周面に第二の内輪軌道11bを形成した前記内輪9を、締り嵌めにより外嵌している。又、前記ハブ本体8の軸方向内端部を径方向外方に塑性変形させる事により形成したかしめ部13により、前記内輪9の軸方向内端面を抑え付けている。これにより、この内輪9を前記ハブ本体8に対し結合固定している。
前記外輪3は、外周面に懸架装置に結合固定する為の静止側フランジ14を、内周面に第一、第二の外輪軌道15a、15bを、それぞれ形成している。そして、これら第一、第二の外輪軌道15a、15bと、前記第一、第二の内輪軌道11a、11bとの間に、それぞれ複数個ずつの玉4a、4bを設けている。
又、前記外輪3の軸方向外端部内周面と前記ハブ2の軸方向中間部外周面との間に、前記シールリング5を装着して、これら外輪3の内周面とハブ2の外周面との間に存在し、前記各玉4a、4bを設置した内部空間16の軸方向外側の開口部を塞いでいる。又、前記外輪3の軸方向内端開口部には、非磁性金属板製、又は高機能樹脂等の非磁性材製で、全体をシャーレ状に形成した前記キャップ6を装着して、前記外輪3の軸方向内側の開口部を塞いでいる。これにより、前記内部空間16内に外部から塵芥や雨水等の異物が侵入する事を防止すると共に、この内部空間16内に充填したグリースが外部に漏洩する事を防止している。
前記エンコーダ7は、前記内輪9の軸方向内端部に外嵌固定されている。このエンコーダ7は、芯金17と、エンコーダ本体18とから成る。このうちの芯金17は、磁性金属板により、断面L字形で全体を円環状に形成したもので、前記内輪9の軸方向内端部に締り嵌めで外嵌している。又、前記エンコーダ本体18は、円輪状の多極磁石であり、前記芯金17の軸方向内側面に全周に亙り添着固定されている。被検出面である、前記エンコーダ本体18の軸方向外側面には、S極とN極とが円周方向に関して交互に且つ等ピッチで配置されている。又、前記エンコーダ7を前記内輪9に外嵌固定した状態で、前記エンコーダ本体18の被検出面は、前記キャップ6の底板部に近接対向している。
上述の様な構成を有する転がり軸受ユニット1の使用時には、前記外輪3を構成する静止側フランジ14を懸架装置に結合固定すると共に、前記ハブ2を構成する回転側フランジ10に車輪を支持固定する。又、車体の一部に対して支持固定したセンサ19の検出部20を、前記エンコーダ7の被検出面に、前記キャップ6の底板部を介して近接対向させる。この状態で前記車輪が回転すると、前記検出部20の近傍を、前記エンコーダ7の被検出面に設けたS極とN極とが交互に通過する。この結果、前記検出部20内を通過する磁束の向きが交互に変化し、前記センサ19の出力が変化する。この様にしてセンサ19の出力が変化する周波数は、前記車輪の回転速度に比例する。従って、センサ19の出力を図示しない制御器に送れば、ABSやTCSを適切に制御できる。
ところで、上述の様な従来構造の転がり軸受ユニット1の場合、径方向に関して、前記外輪3の軸方向内端部内周面と前記内輪9の軸方向内端部外周面との間で、且つ、軸方向に関して、内側列の玉4b、4bと前記キャップ6の底板部との間部分(エンコーダ7が設置された空間)に、断面略矩形状の矩形環状空間21が形成されている。この為、前記転がり軸受ユニット1の使用時に、前記内部空間16に封入した軸受部の潤滑用のグリースが、内側列の玉4b、4bよりも軸方向内側に流出し、前記矩形環状空間21に堆積するといった問題を生じる可能性がある。特にこの様なグリースの堆積の問題は、例えば特許文献2に記載される様に、転動体として円すいころを使用した場合に生じ易くなる。即ち、円すいころを使用した場合には、軸方向内側の外輪軌道が、軸方向内側に向かう程内径寸法が大きくなる方向に傾斜している為、グリースがこの内側列の外輪軌道に沿って矩形環状空間側に移動し易く、しかも、円すいころの公転に伴う遠心力に基づくポンピング作用により、グリースが矩形環状空間に向けて押し出され易い為である。何れにしても、グリースの矩形環状空間への堆積が進むと、転がり接触部(特に内側列の転がり接触部)に供給されるグリース量が減少する。この為、この転がり接触部の潤滑状態が悪化して、軸受寿命の低下を引き起こしたり、焼き付きを発生させる原因になる。
特開2010−106909号公報 特開2013−154697号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、内部空間のうちで、内側列の転動体を設置した部分よりも軸方向内側の空間にグリースが堆積する事を防止し、軸受寿命の低下を抑制できると共に、焼き付きを発生しにくくできる、転がり軸受ユニットの構造を実現すべく発明したものである。
本発明の転がり軸受ユニットは、例えばナックル等の使用時にも回転しない部分に対して車輪(従動輪)を回転自在に支持する為に使用するもので、外輪と、ハブと、複数個の転動体と、キャップと、グリースとを備える。
このうちの外輪は、内周面に複列の外輪軌道を有しており、使用時に例えばナックル等の懸架装置に支持された状態で回転しない。
又、前記ハブは、例えばハブ本体と、このハブ本体とは別体の1乃至複数の内輪を組み合わせて構成されるもので、外周面に複列の内輪軌道を有しており、前記外輪の内径側にこの外輪と同心に支持されている。又、例えば、外周面のうちでこの外輪の軸方向外端部よりも軸方向外方に突出した部分に、車輪を支持する為の回転側フランジを設けている。
又、前記各転動体は、例えば円すいころ、玉、円筒ころ(ニードルを含む)、又は球面ころ等であり、前記両外輪軌道と前記両内輪軌道との間に、各列毎に複数個ずつ、転動自在に設けられている。
又、前記キャップは、非磁性板製で、有底円筒状(シャーレ状)に構成されており、軸方向に伸長する固定筒部と、この固定筒部の軸方向内端縁から径方向内方に向けて伸長する底板部とを有し、前記外輪の内周面の軸方向内端部に内嵌固定されて、この外輪の軸方向内側の開口部を塞ぐものである。
更に、前記グリースは、前記外輪の内周面と前記ハブの外周面との間に存在する内部空間に封入されている。
特に本発明の転がり軸受ユニットの場合には、前記外輪の内周面のうちで、軸方向内側の外輪軌道と前記キャップが内嵌固定された部分との間部分に、径方向内方に向けて伸長した略円輪状の環流壁部を有し、この環流壁部の軸方向外側面に衝突した前記グリースが、それ以上軸方向内側に向けて移動するのを阻止し、このグリースの流れを環流する、グリース環流部材が内嵌固定されている。
又、本発明を実施する場合には、例えば、前記環流壁部の径方向内端部を、径方向内方に向かう程軸方向外側に向かう方向に傾斜させる事ができる。
上述の様な構成を有する本発明の転がり軸受ユニットを実施する場合には、例えば請求項2に記載した発明の様に、前記両列に配置された転動体のうち、少なくとも内側列の転動体を円すいころとする。
又、これに伴い、前記両外輪軌道のうち、軸方向内側の外輪軌道を、軸方向内側に向かう程内径寸法が大きくなる方向に傾斜した円すい凹面状に構成する。又、前記両内輪軌道のうち、軸方向内側の内輪軌道を、軸方向内側に向かう程外径寸法が大きくなる方向に傾斜した円すい凸面状に構成する。
更に、上述の様な構成を有する本発明の転がり軸受ユニットを実施する場合には、例えば請求項3に記載した発明の様に、前記グリース環流部材のうちで、前記外輪の内周面に内嵌固定した嵌合筒部の軸方向外端縁部を、この外輪の内周面に形成された突き当て面に突き当てる。且つ、この嵌合筒部の軸方向内端縁部に、前記キャップのうちで、前記外輪の内周面に内嵌固定した固定筒部の軸方向外端縁部を突き当てる。
又、本発明を実施する場合に、前記環流壁部は、その断面形状を1乃至複数の直線部により構成する事もできるし、1乃至複数の曲線部により構成したり、直線部と曲線部とを組み合わせて構成する事もできる。
以上の様な構成を有する本発明の転がり軸受ユニットによれば、内部空間のうちで、内側列の転動体を設置した部分よりも軸方向内側の空間にグリースが堆積する事を防止できる。
即ち、本発明の場合には、前記外輪の内周面のうちで、軸方向内側の外輪軌道と前記キャップが内嵌固定された部分との間部分に、径方向内方に向けて伸長した環流壁部を有する、グリース環流部材を内嵌固定している。この為、内部空間に封入したグリースが、内側列の転動体よりも軸方向内側に向けて移動しようとした場合にも、このグリースを前記環流壁部の軸方向外側面に衝突させる事で、このグリースの流れを、例えば径方向及び軸方向外側の流れに環流させる事ができる。従って、前記内側列の転動体よりも軸方向内側の空間に、グリースが堆積する事を防止できる。この結果、本発明によれば、軸受寿命の低下を抑制できると共に、焼き付きを発生しにくくする事ができる。
又、請求項3に記載した発明によれば、グリース環流部材を介して、キャップの軸方向に関する位置決めを図れる為、外輪の内周面に、キャップ専用の突き当て面を形成する必要がなくなり、加工コストの低減を図る事ができる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、転がり軸受ユニットの断面図。 同じく図1のA部拡大図。 同じく図1のB部拡大図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図3に相当する図。 従来構造の転がり軸受ユニットを示す断面図。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜3を参照しつつ説明する。本例の転がり軸受ユニット1aは、自動車の車輪(従動輪)を懸架装置に対して回転自在に支持する為のもので、回転側部材であるハブ2aを、静止側部材である外輪3aの内径側に、複数個(複列)の円すいころ22a、22bを介して回転自在に支持する事により構成されている。又、これら各円すいころ22a、22bが設置された内部空間16aに、潤滑用のグリースを封入している。そして、この内部空間16aの軸方向外側の開口部を、組み合わせシールリング23により塞いでいる。又、前記外輪3aの軸方向内側の開口部を、キャップ6aにより塞いでいる。又、前記ハブ2aにエンコーダ7aを支持すると共に、車体の一部に図示しないセンサを固定して、前記ハブ2aと共に回転する車輪の回転速度を検出する様にしている。
前記ハブ2aは、ハブ本体8aと1対の内輪9a、9bとから成る。このハブ本体8aは、外周面の軸方向外端寄り部分に、車輪を支持する為の回転側フランジ10aを、同じく軸方向中間部乃至内端部に小径段部12aを、それぞれ形成している。そして、この小径段部12aに、1対の内輪9a、9bを締り嵌めにより外嵌固定している。これら両内輪9a、9bのうち、軸方向外側に配置された内輪9aの外周面には、軸方向外側に向かう程外径寸法が大きくなる方向に傾斜した円すい凸面状の第一の内輪軌道11cが形成されている。これに対し、軸方向内側に配置された内輪9bの外周面には、軸方向内側に向かう程外径寸法が大きくなる方向に傾斜した円すい凸面状の第二の内輪軌道11dが形成されている。又、前記両内輪9a、9bの外周面のうち、大径側端部には大径側鍔部24a、24bを、同じく小径側端部には小径側鍔部25a、25bを、それぞれ前記第一、第二の内輪軌道11c、11dから径方向外方に突出する状態で形成している。
又、前記両内輪9a、9bを前記小径段部12aに外嵌した状態で、これら両内輪9a、9bは、それぞれの小径側端面同士を互いに付き合わせた状態で、前記外輪3aの内径側に、この外輪3aと同心に配置されている。又、前記両内輪9a、9bのうちの軸方向外側の内輪9aの大径側端面(軸方向外端面)を、前記ハブ本体8aのうちで、前記回転側フランジ10aの軸方向内側面と前記小径段部12aとの間に形成された段差面26に突き当てている。本例の場合、この段差面26の外径寸法と、前記内輪9aの大径側端面の外径寸法とを同じとしている。この理由は、この内輪9aの大径側端面の外径寸法と前記段差面26の外径寸法とが異なると、これら内輪9aの大径側端面と段差面26との間に隙間が形成され易く、毛細管現象により当該隙間に水分が保持され、発錆の原因になる為である。
又、前記ハブ本体8aの軸方向内端部で、軸方向内側の内輪9bの軸方向内端面よりも軸方向に突出した部分を、径方向外方に塑性変形させて、かしめ部13aを形成している。そして、このかしめ部13aにより、前記両内輪9a、9bを、前記段差面26に向けて、軸方向外方に押圧している。そして、この様に押圧する事で、前記両内輪9a、9bに、軸方向に関して互いに近づき合う方向の力を付与し、前記各円すいころ22a、22bに、背面組み合わせ型の接触角を付与している。又、前記かしめ部13aによる押圧力により、軸方向内側の内輪9bの大径側鍔部24bが軸方向外方に変形する事を防止する為、前記かしめ部13aのうちで、この内輪9bの大径側端面に当接している部分の外径寸法を、この内輪9bのうちで、前記第二の内輪軌道11dと前記大径側鍔部24bの軸方向外側面との連続部に形成された逃げ凹溝の内径寸法よりも小さくしている。
前記外輪3aは、外周面に懸架装置に結合固定する為の静止側フランジ14aを、内周面にそれぞれが円すい凹面状であって傾斜方向が互いに逆向きである第一の外輪軌道15c及び第二の外輪軌道15dを、それぞれ形成している。これら第一、第二の外輪軌道15c、15dのうち、軸方向外側の第一の外輪軌道15cは、軸方向外側に向かう程内径寸法が大きくなる方向に傾斜しており、軸方向内側の第二の外輪軌道15dは、軸方向内側に向かう程内径寸法が大きくなる方向に傾斜している。そして、これら第一、第二の外輪軌道15c、15dと前記第一、第二の内輪軌道11c、11dとの間に、それぞれ複数個ずつ、前記各円すいころ22a、22bを保持器27a、27bにより保持した状態で配置している。
前記両保持器27a、27bは、合成樹脂を射出成形する事により、又は金属製の素材に削り出し加工を施す事により、一体に造られている。前記両保持器27a(27b)は、互いに同心に、且つ、軸方向に間隔をあけて配置された、それぞれが円環状である大径側リム部28a(28b)及び小径側リム部29a(29b)と、これら両リム部28a、29a(28b、29b)同士の間に掛け渡された複数本の柱部30a(30b)とを備える。そして、これら両リム部28a、29a(28b、29b)と円周方向に隣り合う1対ずつの柱部30a(30b)とにより四周を囲まれる部分を、それぞれポケット31a(31b)としている。
前記各円すいころ22a、22b及び前記両内輪9a、9bは、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼から造られており、ズブ焼き入れ等が施されている。これに対し、前記ハブ本体8aは、中炭素鋼(C:0.40〜0.80重量%)から造られており、外周面のうち前記かしめ部13aを除く部分に、高周波焼き入れ処理が施されている。又、本例を実施する場合に、ハブ本体の軸方向内端部に、かしめ部に代えて、雌ねじ部を形成する事で、この雌ねじ部に螺合したナットを用いて内輪の抜け止めを図る事もできる。
尚、図示の例は、重量が嵩む自動車用の車輪支持用転がり軸受ユニットである為、転動体として円すいころ22a、22bを使用しているが、重量が嵩まない自動車用の転がり軸受ユニットの場合には、転動体として玉を使用する場合もある。
又、本例の場合、前記ハブ2aの外周面と前記外輪3aの内周面との間に存在し、前記各円すいころ22a、22bを設置した前記内部空間16aの軸方向外側の開口部を塞ぐ為に、前記外輪3aの軸方向外端部内周面と、前記ハブ2aを構成する軸方向外側の内輪9aの大径鍔部24aの外周面との間に、前記組み合わせシールリング23を設けている。これに対し、前記外輪3aの軸方向内側の開口部を塞ぐ為に、この外輪3aの軸方向内端部内周面に、全体をシャーレ状に形成したキャップ6aを装着している。更に本例の場合には、前記内部空間16aに、雨水や泥水、砂粒といった異物が軸方向外側から侵入する事を有効に防止する為に、前記組み合わせシールリング23よりも外部空間側に、外径側シールリング32を設けている。本例の場合には、この様な構成により、前記内部空間16a内に外部から塵芥や雨水等の異物が侵入する事を防止すると共に、この内部空間16a内に充填したグリースが外部に漏洩する事を防止している。
以下、前記組み合わせシールリング23、前記外径側シールリング32、及び、前記キャップ6aの構造に就いて、順次詳しく説明する。
前記組み合わせシールリング23は、図2に示す様に、スリンガ33とシールリング34とを組み合わせて成る。このうちのスリンガ33は、金属板を曲げ成形する事により断面L字形で全体を円環状に構成したもので、回転側円筒部35と、この回転側円筒部35の軸方向外端縁から径方向外方に折れ曲がった回転側円輪部36とから成る。この様なスリンガ33は、前記回転側円筒部35を軸方向外側の内輪9aの大径側鍔部24aに締り嵌めで外嵌する事により、前記ハブ2aに固定している。又、前記回転側円輪部36の軸方向外側面には、円輪状のシール部材37が固定されている。そして、このシール部材37の内周縁部に形成されたガスケット部37aより、前記回転側円筒部35の内周面と前記大径側鍔部24aの外周面との嵌合部の隙間を塞いでいる。
前記シールリング34は、金属板製の芯金38と弾性部材39とを備えている。この弾性部材39は、ゴムの如きエラストマー等の弾性材製で、前記芯金38に加硫成形等により接合固定され、複数本(図示の例では3本)のシールリップ40a、40b、40cを備えている。又、前記芯金38は、金属板を曲げ成形する事により、断面略L字形で全体を円環状に構成したもので、静止側円筒部41と、この静止側円筒部41の軸方向内端縁から径方向内方に折れ曲がった静止側円輪部42とを備えている。この様な芯金38を備えたシールリング34は、前記静止側円筒部41を前記外輪3aの軸方向外端部に締り嵌めで内嵌する事により、この外輪3aに固定している。又、この状態で、前記シールリップ40aの先端縁を前記回転側円輪部36の軸方向内側面に、前記両シールリップ40b、40cの先端縁を前記回転側円筒部35の外周面に、それぞれ全周に亙り摺接させている。
更に、前記スリンガ33を構成する回転側円輪部36及び前記シール部材37の外周縁と、前記芯金38を構成する静止側円筒部41の内周面を覆った前記弾性部材39の一部内周面との間に、ラビリンスシール43を設けている。又、この弾性部材39の一部で、前記静止側円筒部41の内周面の軸方向内端部と前記静止側円輪部42の軸方向外側面の外径側半部とにより、径方向外側と軸方向内側とを仕切られた部分に、径方向及び軸方向の厚さ寸法が他の部分の厚さ寸法よりも大きくなった厚肉部44を設けている。又、前記弾性部材39のうちで、この厚肉部44の軸方向外端面である円輪状のシール段差面45と、前記静止側円筒部41の内周面の先端寄り部分(軸方向外半部)を覆う部分の内周面とを、断面形状が四分の一円弧状である外径側曲面46(隅R)により、滑らかに連続させている。この外径側曲面46の断面形状の曲率半径は、前記ラビリンスシール43の径方向に関する幅寸法以上としている。これにより、このラビリンスシール43を通じて、次述する補助シールリップ47の外径側に存在する空間部分に入り込んだ異物を、前記ラビリンスシール43の側に環流させ易くしている。
又、前記シール段差面45の径方向内端部から前記回転側円輪部36に向け、補助シールリップ47を延出している。この補助シールリップ47は、前記シール段差面45を基端として軸方向外方に向かう程直径が大きくなる方向に末広がりに傾斜して延びる、部分円すい筒状である。この様な補助シールリップ47の基端部外周面と前記シール段差面45とに関しても、断面形状が四分の一円弧状の内径側曲面48により、滑らかに連続させている。この内径側曲面48の断面形状の曲率半径は、前記補助シールリップ47の基端部に加わる応力を抑えつつ、この補助シールリップ47を適度に撓み易くする面から、更には、前記ラビリンスシール43を通じて、この補助シールリップ47の外径側に存在する空間部分に入り込んだ異物をこのラビリンスシール43側に環流させ易くする面から、適切に規制している。この為に、前記内径側曲面48の断面形状の曲率半径を、前記補助シールリップ47の基端部の厚さと同じか、この厚さよりも少しだけ大きくしている。
上述の様な補助シールリップ47は、この補助シールリップ47の内径側に存在する、サイドリップと呼ばれるシールリップ40aに異物が付着するのを抑える役目を有するものであり、高度のシール性を要求しない。むしろ、補助シールリップ47を設ける事で、転がり軸受ユニット1aの回転抵抗(動トルク)が大きくなるのを抑える事が重要である。この為に、本例の場合には、次の(1)〜(3)の様な工夫により、前記補助シールリップ47を設けた事に基づく摩擦抵抗の増大を抑制している。
(1)前記補助シールリップ47の断面形状は、先端縁に向かう程厚さ寸法が小さくなる、くさび状としている。
この様にする事で、補助シールリップ47の先端部の弾性を低く抑え、摩擦抵抗が大きくならない様にしている。
(2)前記補助シールリップ47の厚さ寸法を、前記シールリップ40aの厚さ寸法よりも十分に小さくしている。具体的には、前記補助シールリップ47のうちで最も厚い部分である基端部の厚さ寸法を、前記シールリップ40aのうちで最も薄い部分である基端部の厚さ寸法の1/2(半分)以下、より好ましくは1/3以下、但し、成形性を考慮して1/5以上としている。
この様にする事で、前記補助シールリップ47全体の剛性を低く抑え、摩擦抵抗が大きくならない様にしている。
(3)前記シールリング34と前記スリンガ33とを組み合わせた状態で、前記補助シールリップ47の締め代を、前記シールリップ40aの締め代よりも十分に小さくしている。具体的には、図2に示した自由状態において、前記補助シールリップ47の軸方向高さ(回転側円輪部36に向けての軸方向突出量)を、前記シールリップ40aの軸方向高さよりも十分に小さくしている。
この様にする事で、前記シールリング34と前記スリンガ33とを組み合わせた状態で、前記補助シールリップ47の弾性変形量(軸方向圧縮量)を、前記シールリップ40aの弾性変形量よりも十分に小さくして、前記補助シールリップ47の先端縁と前記回転側円輪部36の軸方向内側面との摺接部の面圧を抑え、摩擦抵抗が大きくならない様にしている。
尚、先に述べた様に、前記補助シールリップ47には高度のシール性を要求しない為、車両の旋回走行等に伴って前記シールリング34の中心軸と前記スリンガ33の中心軸とが傾斜した状態で、前記補助シールリップ47の先端縁が前記回転側円輪部36の軸方向内側面から僅かに浮き上がっても(締め代が零になったり、僅かに隙間が空いても)良い。又、例えば半浮動式懸架装置(非独立懸架装置)で、しかも舵角が付与される事がない後輪を回転支持する部分(リジッドリアアクスル)に組み込む車輪支持用の転がり軸受ユニットの様に、旋回走行時にもシールリングの中心軸とスリンガの中心軸とが殆ど傾斜しない様な場合には、補助シールリップの先端縁を回転側円輪部の軸方向内側面に、全周に亙り微小隙間を介して対向させても良い。
何れにしても、前記シールリップ40aよりも径方向外寄り部分に存在し、ラビリンスシール43を介して外部空間と連通した外部寄り空間49を、前記補助シールリップ47により、径方向に関して2分割している。そして、前記シールリップ40aと前記ラビリンスシール43との間に、前記補助シールリップ47が存在する状態としている。言い換えれば、前記外部寄り空間49の径方向外側部分で、前記ラビリンスシール43と連通する部分に、前記シール段差面45と前記補助シールリップ47とにより軸方向内端部と内径側とを仕切られた開口寄り小空間50を設けている。この開口寄り小空間50の軸方向内端部の内面を構成する、前記シール段差面45の内外両周縁部は、それぞれ前記内径側、外径側両曲面48、46により、前記開口寄り小空間50の内外両周面と滑らかに連続させている。更に、このうちの内径側曲面48から連続する、前記補助シールリップ47の外周面は、先端に向かう程前記ラビリンスシール43に向かう方向に傾斜している。この様な構成により、このラビリンスシール43から前記開口寄り小空間50内に、勢い良く吹き込まれた異物の流れを変換し、このラビリンスシール43に向けて環流する様にしている。
又、本例の場合には、前記内部空間16aの軸方向外側の開口部を塞ぐ為に、前述した様な構成を有する組み合わせシールリング23を使用している為、前記スリンガ33と前記シールリング34との間に存在するシール内部空間77への、泥水等の異物の侵入を効果的に防止できる。特に、本例の構造によれば、前記各シールリップ40a〜40cのうちで、最も前記ラビリンスシール43に近い部分に存在するシールリップ40aの外周面に異物が付着し、このシールリップ40aの挙動が損なわれ、このシールリップ40aのシール性能が低下するのを防止できる。即ち、本例の構造によれば、前記ラビリンスシール43と、前記開口寄り小空間50の軸方向内端面及び内周面を仕切る、前記シール段差面45及び前記補助シールリップ47により、前記外部寄り空間49のうちで、この補助シールリップ47よりも内径側に存在する反開口寄り小空間78内にまで異物が入り込む事を抑えられる。以下、この点に就いて説明する。
仮に前記ラビリンスシール43を泥水等の異物が、軸方向に勢い良く通過して、前記開口寄り小空間50内に入り込んだ場合であっても、前記異物の勢いは、この開口寄り小空間50内で弱められて、前記補助シールリップ47の外周面を直撃する事はない。即ち、前記ラビリンスシール43から前記開口寄り小空間50内に勢い良く入り込んだ異物は、前記外径側曲面46と前記シール段差面45と前記内径側曲面48とに沿って流れ、その勢いを弱められてから、前記補助シールリップ47の外周面に達する。この為、この補助シールリップ47が、前記ラビリンスシール43から前記開口寄り小空間50内に勢い良く入り込んだ異物によって変形する事を抑えられる。
しかも本例の場合には、使用状態で、前記シールリップ40aの先端部を前記補助シールリップ47の内周面に近接対向させるので、この補助シールリップ47の外周面に多少の圧力が加わった場合でも、この補助シールリップ47が内径側に反転する(めくれる)様に変形する事はない。即ち、前記ラビリンスシール43を通過して侵入した泥水等によって、前記開口寄り小空間50内の圧力が上昇した場合、前記補助シールリップ47が内径側に変形しようとするが、前記シールリップ40aの先端部が補助シールリップ47の内周面に接触する事でこの補助シールリップ47を支承し、この補助シールリップ47の変形を防止する。これにより、この補助シールリップ47のシール性能を安定した状態に維持できる。
上述の様に、前記開口寄り小空間50内に入り込んだ異物に拘らず、前記補助シールリップ47が内径側に大きく変形する事はないので、この異物がこの補助シールリップ47を通過して、前記反開口寄り小空間78内にまで入り込む事はない。言い換えれば、前記開口寄り小空間50内に入り込んだ異物は、この開口寄り小空間50内に留まる。更に、前記外径側曲面46と前記シール段差面45と前記内径側曲面48とに案内されて、前記補助シールリップ47の外周面に達した異物は、この補助シールリップ47の外周面を前記ラビリンスシール43に向けて径方向外方に流れ、このラビリンスシール43を通じて外部空間に排出される。この間、前記異物(水分を多く含む泥水)が前記開口寄り小空間50内を洗浄するので、この開口寄り小空間50内に固形物が堆積する事が防止される。この為、前記シールリップ40aに多量の固形分が付着して、このシールリップ40aの動きが損なわれる事を防止できる。この結果、前記補助シールリップ47による、前記反開口寄り小空間78側への異物侵入防止効果、延いては、前記シールリップ40aへの異物付着防止効果を、長期間に亙り良好に維持できて、前記組み合わせシールリング23を組み込んだ、前記転がり軸受ユニット1aの耐久性を確保できる。
又、車両の悪路走行時又は旋回走行時には、前記シールリング34を内嵌固定した前記外輪3aと前記スリンガ33を外嵌固定した前記ハブ2aとの相対変位に基づき、これらシールリング34とスリンガ33とが相対的に変位し、前記開口寄り小空間50の容積が増減する。本例の場合、この開口寄り小空間50の容積が、前記反開口寄り小空間78の容積よりも小さく、しかも揺動中心となる外輪3aとハブ2aとの相対変位の中心からの距離も長いので、前記相対変位に伴う、この開口寄り小空間50の体積変化率が大きい。この為、この体積変化によるポンピング作用を大きくできて、この開口寄り小空間50内に堆積した異物を外部空間に、効果的に排出できる。この様なポンピング作用の際、前記補助シールリップ47が接触式シールリップの場合は、前記反開口寄り小空間78内に密封された空気がこの補助シールリップ47を支承するので、前記開口寄り小空間50内に堆積した異物が前記反開口寄り小空間78内に侵入する事はない。又、前記補助シールリップ47が微小隙間を持つ非接触式シールリップの場合にも、前記反開口寄り小空間78内に存在する空気が、前記補助シールリップ47の先端部から径方向外方に流出する為、前記開口寄り小空間50に堆積した異物が前記反開口寄り小空間78の内部に侵入する事はない。
又、前記弾性部材39の厚肉部44の内周面で前記反開口寄り小空間78の外径側を仕切る部分は、前記補助シールリップ47に向け、軸方向外方に向かうに従い大径となる、部分円すい状の凹面としている。この為、仮に泥水等の異物が、前記補助シールリップ47の先端縁と前記スリンガ33の軸方向内側面との間を通過して、前記反開口寄り小空間78内に侵入した場合、この異物は、重力及び遠心力の作用により、前記厚肉部44の内周面に沿って、前記補助シールリップ47と前記スリンガ33との摺接部又は近接対向部に導かれる。そして、この補助シールリップ47は、締め代が小さく薄肉であると共に、先端縁に向かう程径方向外方に向かう方向に傾斜しているので、前記反開口寄り小空間78から前記開口寄り小空間50へ向かう流体等を堰き止めるシール効果は弱い。この為、前記厚肉部44の内周面に沿って前記補助シールリップ47の内周面にまで導かれた前記異物は、前記補助シールリップ47と前記スリンガ33との摺接部又は近接対向部を、径方向内方から径方向外方に通過して、前記開口寄り小空間50に送り出され、更に前記ラビリンスシール43を通過して、前記外部空間に排出される。
以上に述べた通り、本例に使用した組み合わせシールリング23の構造は、前記補助シールリップ47を設ける事により、前記シールリップ40aの外周面にまで達してこのシールリップ40aの外周面に付着したままとなる異物を極く僅少に抑えられる。この様な作用・効果を得る為に設けた前記補助シールリップ47は、厚さが小さく、締め代も僅少乃至は零である。この為、この補助シールリップ47の追加に伴う、転がり軸受ユニット1aの回転トルクの増加は、零乃至は僅少である。
本例の場合には、上述の様な構成を有する前記組み合わせシールリング23よりも更に外部空間側に、前記外径側シールリング32を設けている。この外径側シールリング32は、外径側芯金51と庇状リップ52とから成り、前記外輪3aの軸方向外端部外周面に外嵌固定されている。このうちの外径側芯金51は、ステンレス鋼板等の金属板を曲げ形成して成るもので、前記外輪3aの軸方向外端部に外嵌固定された芯金円筒部53と、この芯金円筒部53の軸方向外端部から径方向内方に直角に折れ曲がった芯金円輪部54とを備えている。又、前記庇状リップ52は、ゴムの如きエラストマー等の弾性材製で、その基端部を前記芯金円輪部54の軸方向外側面の径方向内端部に結合固定しており、その先端縁を前記回転側フランジ10aの軸方向内側面に全周に亙り摺接させている。本例の場合、前記庇状リップ52を、この回転側フランジ10aの軸方向内側面に近づく程、外径寸法が大きくなる方向に傾斜した部分円すい筒状とすると共に、径方向に関する肉厚を基端側から先端側に向かう程小さくしている。又、前記庇状リップ52の基端部のうちで、前記芯金円輪部53の軸方向外側面を覆った部分の内周縁部に、径方向内方に突出した環状突起部55を設けている。そして、この環状突起部55の先端縁(軸方向内端縁)を、前記組み合わせシールリング23のシールリング34を構成する弾性部材39のうちで、前記固定側円筒部41の軸方向外端部を覆った部分に対し、全周に亙り接触させている。これにより、この固定側円筒部41の外周面と前記外輪3aの軸方向外端部内周面との間に、水分等の異物が侵入する事を防止している。
一方、前記外輪3aの軸方向内端開口を塞ぐ前記キャップ6aは、図示しない回転速度検出用のセンサの検出性能に悪影響を与えない様に、SUS304等のオーステナイト系ステンレス鋼板、アルミニウム系合金板、合成樹脂板等の、非磁性板から造られており、板厚が一定である。前記キャップ6aは、全体を有底円筒状(断面略コ字形)に構成しており、軸方向に伸長する固定筒部56と、この固定筒部56の軸方向内端縁から径方向内方に向けて伸長する底板部57とを備える。このうちの固定筒部56は、軸方向外側半部に設けられた本体筒部58と、軸方向内側半部に設けられ、前記キャップ6aの装着状態で前記外輪3aの内周面とは接触しない、非接触筒部59とから構成されている。このうちの本体筒部58は、軸方向に亙り外径寸法が変化しない単一円筒状に構成されており、前記外輪3aの軸方向内端部内周面に形成された単一円筒面状の嵌合面部60の軸方向内半部に、締り嵌めにより内嵌固定されている。一方、前記非接触筒部59は、前記本体筒部58の軸方向内端縁に連続する状態で設けられ、軸方向内方に向かう程径方向内方に向かう方向に傾斜した部分円すい筒状に構成されている。尚、前記非接触筒部59の軸方向寸法は、前記キャップ6aを構成する板材の厚さ寸法の2倍以上、好ましくは3倍以上とする。これにより、前記固定筒部56を前記外輪3aの内周面に締り嵌めで内嵌固定した際に、この固定筒部56に加わる径方向内方に向いた力を、前記非接触筒部59の変形に消費する事で、前記底板部57(特に後述する外径側平板部61)に軸方向の変形が生じる事を有効に防止している。
又、前記底板部57は、全体を円板状に構成されており、外径側から順に、外径側平板部61と、傾斜板部62と、中央平板部63とを備えている。このうちの外径側平板部61は、前記非接触筒部59の軸方向内端縁から径方向内方に折れ曲がる状態で設けられており、円輪状で、後述するエンコーダ7aの被検出面に対して近接対向する部分に設けられている。又、前記傾斜板部62は、軸方向内方に向かう程径方向内方に向かう方向に傾斜しており、前記外径側平板部61の内周縁と前記中央平板部63の外周縁との間部分で、前記かしめ部13aの径方向外方に設けられている。又、この中央平板部63は、円形板状で、前記傾斜板部62の軸方向内端縁から径方向内方に折れ曲がる状態で設けられている。
又、前記固定筒部56を構成する非接触筒部59の外周面に、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、水素化アクリロニトリルブタジエンゴム(HNBR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリアクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)、シリコンゴム等の、弾性材製のシール材64を、加硫接着により固定している。このシール材64には、自由状態で、前記固定筒部56(本体筒部58)の外径寸法よりも大きな外径寸法を有するリップ65が設けられている。このリップ65は、その軸方向に関する厚さ寸法が基端部(径方向内端部)から先端部(径方向外端部)に向かう程小さくなった、断面形状が台形の部位であり、自由状態で、前記キャップ6aの中心軸に直交する仮想平面と平行に延出(軸方向には傾斜せずに径方向外方にのみ延出)している。そして、前記キャップ6aを前記外輪3aに内嵌固定した状態で、前記リップ65の先端縁を、前記外輪3aの軸方向内端部内周面(嵌合面部60)に対し全周に亙り接触させている。
本例の転がり軸受ユニット1aの場合、前記ハブ2aの回転側フランジ10aに固定された車輪の回転速度を検出する為に、前記エンコーダ7aとセンサとを設けている。このうちのエンコーダ7aは、前記キャップ6aの内側部分で、前記両内輪9a、9bのうち、軸方向内側の内輪9bの大径側鍔部24bに外嵌固定している。これにより、前記エンコーダ7aを、前記ハブ2aに対し、このハブ2aと同心に支持固定している。このエンコーダ7aは、断面L字形で全体を円環状とした支持環66と、この支持環66に固定されたエンコーダ本体67とから成る。このうちの支持環66は、フェライト系のステンレス鋼板や防錆処理を施した冷間圧延鋼板等の磁性金属板製で、プレス加工を施して成るものであり、前記大径鍔部24bに圧入される支持筒部68と、この支持筒部68の軸方向内端縁から径方向外方に直角に折れ曲がった円輪部69とを備える。前記エンコーダ本体67は、この円輪部69の軸方向内側面に固定されている。このエンコーダ本体67は、ゴム磁石等の永久磁石製で、円輪状に構成されており、軸方向に着磁すると共に、着磁方向を円周方向に関して交互に且つ等間隔に変化させる事により、被検出面である軸方向内側面に、S極とN極とを交互に且つ等間隔に配置している。
そして、車体の一部に対して支持固定したセンサの検出部を、前記エンコーダ7aの被検出面に、前記キャップ6aの底板部57(外径側平板部61)を介して近接対向させる。尚、前記検出部は、ホールIC、ホール素子、MR素子、GMR素子等の磁気検知素子により構成している。車輪が回転すると、前記センサの検出部の近傍を、前記エンコーダ7aの被検出面に設けたS極とN極とが交互に通過する。この結果、前記検出部内を通過する磁束の向きが交互に変化し、センサの出力が変化する。この様にしてセンサの出力が変化する周波数は、前記車輪の回転速度に比例する為、センサの出力を図示しない制御器に送れば、ABSやTCSを適切に制御できる。
以上の様な構成を有する本例の転がり軸受ユニット1aの場合、径方向に関して、前記外輪3aの軸方向内端部内周面(嵌合面部60)と前記内輪9bの大径鍔部24bの外周面との間部分で、且つ、軸方向に関して、内側列の円すいころ22b、22bと、前記キャップ6aの外径側平板部61の軸方向外側面との間部分(エンコーダ7aを設置した部分)に、断面略矩形状の矩形環状空間21aが形成されている。この為、何らかの対策を施さなければ、前述した従来構造の場合と同様に、前記矩形環状空間21aにグリースが堆積する可能性がある。そこで、本例の場合には、この様なグリースの堆積を防止する為に、前記外輪3aの内周面のうちで、軸方向内側の外輪軌道15dと前記キャップ6aを構成する固定筒部56を内嵌固定した部分との間部分に存在する、前記嵌合面部60の軸方向外半部に、特許請求の範囲に記載したグリース環流部材に相当する、環流スリンガ70を内嵌固定している。
前記環流スリンガ70は、冷間圧延鋼板等の金属板製で、プレス加工を施して成るものであり、前記嵌合面部60の軸方向外半部に内嵌固定される、円筒状の嵌合筒部71と、この嵌合筒部71の軸方向外端縁部から径方向内方に向けて伸長した(折れ曲がった)、断面略コ字形で全体を略円輪状に構成した環流壁部72とを備えている。又、このうちの嵌合筒部71の軸方向外端縁部を、前記外輪3aの内周面のうち、前記第二の外輪軌道15dの軸方向内側に隣接する状態で形成された凹溝73の軸方向側面に突き当てて、前記環流スリンガ70の軸方向に関する位置決めを図っている。又、本例の場合には、前記嵌合筒部71の軸方向内端縁部に対して、前記キャップ6aを構成する本体筒部58の軸方向外端縁部を突き当てる事で、このキャップ6aの軸方向に関する位置決めを、前記環流スリンガ70を介して図っている。尚、本例の場合には、前記凹溝73の軸方向側面(軸方向に関して内側に向いた面)が、特許請求の範囲に記載した突き当て面に相当する。
前記環流壁部72は、外径側から内径側の順に、外径側折れ曲がり壁部74と、垂直壁部75と、内径側折れ曲がり壁部76とを備えている。
このうちの外径側折れ曲がり壁部74は、前記嵌合筒部71の軸方向外端縁に連続する状態で設けられており、断面直線状で、径方向内方に向かう程、軸方向内方に向かう方向に傾斜している。尚、前記外径側折れ曲がり壁部74の前記嵌合筒部71に対する傾斜角度は、10〜30度程度(図示の例では20度)としている。又、前記外径側折れ曲がり壁部74は、前記保持器27bを構成する大径側リム部28bよりも径方向外方に設けられている。
前記垂直壁部75は、前記外径側折れ曲がり壁部74の径方向内端縁に連続する状態で設けられており、前記キャップ6aを構成する外径側平板部61と略平行で、前記ハブ2aの中心軸に対し直交する仮想平面上に位置している。又、前記垂直壁部75の内径側端部は、前記大径側リム部28bの内周面よりも径方向内方に位置している。
前記内径側折れ曲がり壁部76は、前記垂直壁部75の径方向内端縁に連続する状態で設けられており、断面直線状で、径方向内方に向かう程、軸方向外方に向かう方向に傾斜している。又、前記内径側折れ曲がり壁部76は、前記各円すいころ22b、22bの回転中心軸を通る仮想線よりも、径方向内方に位置しており、その先端縁(内周縁部)を、内側列の円すいころ22b、22bの大径側端面、及び、前記内輪9bの大径側鍔部24bの外周面に近接対向させている。又、この状態で、前記内径側折れ曲がり壁部76の内周面を、前記エンコーダ7aを構成する支持筒部68の外周面よりも小径にすると共に、この支持筒部68の軸方向外端縁部に対し、近接対向させている。本例の場合、前記内径側折れ曲がり壁部76の先端縁の位置が、前記内側列の円すいころ22b、22bの大径側端面と前記内輪9bの大径側鍔部24bの軸方向外側面との当接部(摺接部)の径方向外方に位置する様に、前記内径側折れ曲がり壁部76の傾斜角度及び長さ寸法等を規制している。
以上の様な構成を有する本例の転がり軸受ユニット1aによれば、前記内部空間16aのうちで、内側列の円すいころ22b、22bを設置した部分よりも軸方向内側に設けられた矩形環状空間21aに、グリースが堆積する事を有効に防止できる。
即ち、本例の場合には、前記外輪3aの内周面のうちで、前記第二の外輪軌道15dと前記キャップ6aの固定筒部56が内嵌固定された部分との間部分に位置する、前記嵌合面部60の軸方向外半部に、径方向内方に向けて伸長した断面略コ字形の前記環流壁部72を有する、前記環流スリンガ70を内嵌固定している。この為、前記内部空間16aに封入したグリースが、前記第二の外輪軌道15dに沿って前記矩形環状空間21a側に向けて流出したり、前記内側列の円すいころ22b、22bのポンピング作用によりこの矩形環状空間21a側に押し出された場合にも、この様なグリースを前記環流壁部72の軸方向外側面に衝突させる事で、それ以上軸方向内側に向けて移動するのを阻止し、更に、このグリースの流れを径方向及び軸方向外側に環流(変化)させる事ができる。即ち、図3中の矢印で示す様に、前記矩形環状空間21a側に流出したグリースを、前記外径側折れ曲がり壁部74と、前記垂直壁部75と、前記内径側折れ曲がり壁部76とに沿って案内し、前記内側列の円すいころ22b、22bの大径側端面に向けて送り出す事ができる。更に、本例の場合には、前記内径側折れ曲がり壁部76のうち、内周縁部を、前記大径側鍔部24bの外周面に近接対向させ、且つ、内周面を、前記エンコーダ7aを構成する支持筒部68の軸方向外端縁部に近接対向させて、前記矩形環状空間21a側への流路の2個所に絞り部を設けている為、前記環流壁部72に案内されたグリースが前記矩形環状空間21a側に移動する事も有効に防止できる。従って、本例の場合には、この矩形環状空間21aに、グリースが堆積する事を有効に防止できる。この結果、本例の転がり軸受ユニット1aによれば、転がり接触部に供給されるグリースが不足する事を防止できて、軸受寿命の低下を抑制できると共に、焼き付きを発生しにくくする事ができる。
又、本例の場合、環流させたグリースを、前記内側列の円すいころ22b、22bの大径側端面と前記大径側鍔部24bの軸方向外側面との摺接部に、効率良く送り込む事ができる。従って、グリース不足を生じ易い内側列の転がり接触部で、焼き付き等が生じる事を効果的に防止できる。
又、本例の場合には、前記環流スリンガ70を介して、前記キャップ6aの軸方向に関する位置決めを図っている為、前記外輪3aの内周面に、このキャップ6aの軸方向に関する位置決めを図る為の専用の突き当て面を形成する必要がなくなり、加工コストの低減を図れる。
又、本例の場合には、前記内部空間16aの軸方向外側の開口部を塞ぐ為に、前述した様な組み合わせシールリング23を設けている為、径方向に関して、前記外輪3aの軸方向外端部内周面と軸方向外側の内輪9aの大径鍔部24aの外周面との間部分で、且つ、軸方向に関して、外側列の円すいころ22a、22aと、前記組み合わせシールリング23(静止側円輪部42)の軸方向内側面との間部分に存在する空間の容積を小さくする事ができる。この為、この空間に堆積するグリースの量を低減する事ができる。例えば前記図5に示した従来構造の様に、単体のシールリングを使用した場合には、このシールリングと外側列の転動体(玉)とは軸方向に離隔している為、これらシールリングと外側列の転動体との間部分の空間に、潤滑に寄与しない多量のグリースが堆積し易くなる。これに対して、本例の場合には、前記組わせシールリング23と前記外側列の円すいころ22a、22aとを軸方向に関して近付けられる(近接させられる)為、前記空間の容積を小さくできて、この空間に堆積する、潤滑に寄与しないグリースの量を少なくする事ができる。この結果、本例の場合には、前記組み合わせシールリング23を設けた事によっても、軸受の寿命の低下を抑制する事ができる。
[実施の形態の第2例]
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図4を参照しつつ説明する。本例の場合には、外輪3bの軸方向内端部内周面のうち、軸方向内半部に、キャップ6aを内嵌固定する為の第一嵌合面部79aを形成しており、軸方向外半部に、この第一嵌合面部79aよりも小径の、環流スリンガ70aを内嵌固定する為の第二嵌合面部79bを形成している。そして、これら第一嵌合面部79aと第二嵌合面部79bとの間に、突き当て面80を設けている。本例の場合には、この突き当て面80に対し、前記キャップ6aを構成する固定筒部56の軸方向外端縁部を突き当てる事で、このキャップ6aの軸方向に関する位置決めを図っている。
尚、前記外輪3bの内周面に熱処理加工を施す事を考慮した場合、前記第一嵌合面部79aと前記第二嵌合面部79bとの内径寸法の差は、前記環流スリンガ70aの締め代以上に設定する必要があるが、最大でも、この環流スリンガ70aの板厚の半分程度(例えば0.3〜0.4mm程度)に抑える事が好ましい。
又、本例の場合には、前記第二嵌合面部79bに内嵌固定する前記環流スリンガ70aを、前記実施の形態の第1例の場合とは別の構成を有するものとしている。即ち、この環流スリンガ70aは、円筒状の嵌合筒部71aと、この嵌合筒部71aの軸方向内端縁から径方向内方に向けて伸長した(折れ曲がった)、断面略L字形で全体を略円輪状に構成した環流壁部72aとを備えている。
そして、前記実施の形態の第1例の場合と同様に、前記嵌合筒部71aの軸方向外端縁部を、前記外輪3aの内周面のうち、軸方向内側の第二の外輪軌道15dの軸方向内側に隣接する状態で形成された凹溝73の軸方向側面に突き当てて、前記環流スリンガ70aの軸方向に関する位置決めを図っている。
前記環流壁部72aは、前記実施の形態の第1例の構造から外径側折れ曲がり壁部を省略した如き構成を有しており、外径側から内径側の順に、垂直壁部75aと、内径側折れ曲がり壁部76aとを備えている。このうちの垂直壁部75aは、前記嵌合筒部71aの軸方向内端縁に連続する状態で設けれており、前記キャップ6aを構成する外径側平板部61と略平行で、ハブ2aの中心軸に対し直交する仮想平面上に位置している。又、前記垂直壁部75aの内径側端部は、前記大径側リム部28bの内周面よりも僅かに径方向内方に位置している。又、前記内径側折れ曲がり壁部76aは、前記垂直壁部75aの径方向内端縁に連続する状態で設けられており、径方向内方に向かう程、軸方向外方に向かう方向に傾斜している。又、前記内径側折れ曲がり壁部76aは、前記各円すいころ22b、22bの回転中心軸を通る仮想線を径方向に跨ぐ状態で設けられており、その先端縁(内周縁部)を、前記各円すいころ22b、22bの大径側端面、及び、前記内輪9bの大径側鍔部24bの外周面に近接対向させている。又、この状態で、前記内径側折れ曲がり壁部76aの内周面を、エンコーダ7aを構成する支持筒部68の外周面よりも小径にすると共に、この支持筒部68の軸方向外端縁部に対し、近接対向させている。
以上の様な構成を有する本例の場合には、前記環流スリンガ70aを、前記第二嵌合面部79bに内嵌固定するに当たり、前記嵌合筒部71aの外周面を前記第一嵌合面部79bに接触させずに済む。この為、前記実施の形態の第1例の場合に比べて、前記環流スリンガ70aの取付作業性を向上させる事ができる。又、取付作業時に、前記嵌合筒部71aの外周面に擦り傷等の損傷を生じずに済む。更に、前記実施の形態の第1例の場合に比べて、前記環流スリンガ70aを加工する際のプレス容量を低く抑えられる為、加工コストの低減を図れる。
尚、本例の場合には、前記環流壁部72aを、前記嵌合筒部71aの軸方向内端縁部に連続させた構成としているが、前記実施の形態の第1例の場合と同様に、軸方向外端縁部に連続させた構成とする事もできる。
その他の部分の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例の場合と同様である。
本発明は、ハブ本体と内輪とをナットにより結合固定して成る、転がり軸受ユニットで実施する事もできる。又、本発明を実施する場合に、内部空間を密封する為のシールリング及びキャップの形状に就いては、前述した実施の形態の各例の構造に限定されず、発明の要旨を変更しない範囲で、任意に変更及び選択する事ができる。又、本発明を実施する場合に、例えば、環流壁部の断面形状を、キャップ側(軸方向内側)が凸になった断面円弧状に構成する事もできる。
1、1a 転がり軸受ユニット
2、2a ハブ
3、3a、3d 外輪
4a、4b 玉
5、5a シールリング
6、6a キャップ
7、7a エンコーダ
8、8a ハブ本体
9、9a、9b 内輪
10、10a 回転側フランジ
11a、11c 第一の内輪軌道
11b、11d 第二の内輪軌道
12、12a 小径段部
13、13a かしめ部
14 静止側フランジ
15a、15c 第一の外輪軌道
15b、15d 第二の外輪軌道
16、16a 内部空間
17、17a 芯金
18、18a エンコーダ本体
19 センサ
20 検出部
21 矩形環状空間
22a、22b 円すいころ
23 組み合わせシールリング
24a、24b 大径側鍔部
25a、25b 小径側鍔部
26 段差面
27a、27b 保持器
28a、28b 大径側リム部
29a、29b 小径側リム部
30a、30b 柱部
31a、31b ポケット
32 外径側シールリング
33 スリンガ
34 シールリング
35 回転側円筒部
36 回転側円輪部
37 シール部材
37a ガスケット部
38 芯金
39 弾性部材
40a〜40c シールリップ
41 静止側円筒部
42 静止側円輪部
43 ラビリンスシール
44 厚肉部
45 シール段差面
46 外径側曲面
47 補助シールリップ
48 内径側曲面
49 外部寄り空間
50 開口寄り小空間
51 外径側芯金
52 庇状リップ
53 芯金円筒部
54 芯金円輪部
55 環状突起部
56 固定筒部
57 底板部
58 本体筒部
59 非接触筒部
60 嵌合面部
61 外径側平板部
62 傾斜板部
63 中央平板部
64 シール材
65 リップ
66 支持環
67 エンコーダ本体
68 支持筒部
69 円輪部
70、70a 環流スリンガ
71、71a 嵌合筒部
72、72a 環流壁部
73 凹溝
74 外径側折れ曲がり壁部
75、75a 垂直壁部
76、76a 内径側折れ曲がり壁部
77 シール内部空間
78 反開口寄り小空間
79a 第一嵌合面部
79b 第二嵌合面部
80 突き当て面

Claims (3)

  1. 内周面に複列の外輪軌道を有し、使用状態で回転しない外輪と、
    外周面に複列の内輪軌道を有し、この外輪の内径側にこの外輪と同心に配置されたハブと、
    前記両外輪軌道と前記両内輪軌道との間に、両列毎に複数個ずつ転動自在に設けられた転動体と、
    前記外輪の内周面の軸方向内端部に内嵌固定されて、この外輪の軸方向内側の開口部を塞ぐ、有底円筒状のキャップと、
    前記外輪の内周面と前記ハブの外周面との間に存在する内部空間に封入されたグリースと、
    を備えた転がり軸受ユニットであって、
    前記外輪の内周面のうちで、軸方向内側の外輪軌道と前記キャップが内嵌固定された部分との間部分に、径方向内方に向けて伸長した略円輪状の環流壁部を有し、この環流壁部の軸方向外側面に衝突した前記グリースが、それ以上軸方向内側に向けて移動するのを阻止し、このグリースの流れを環流する、グリース環流部材が内嵌固定されている、事を特徴とする転がり軸受ユニット。
  2. 前記両列に配置された転動体のうち、軸方向内側列の転動体が円すいころであり、
    前記両外輪軌道のうち、軸方向内側の外輪軌道が、軸方向内側に向かう程内径寸法が大きくなる方向に傾斜した円すい凹面状に構成されており、
    前記両内輪軌道のうち、軸方向内側の内輪軌道が、軸方向内側に向かう程外径寸法が大きくなる方向に傾斜した円すい凸面状に構成されている、
    請求項1に記載した転がり軸受ユニット。
  3. 前記グリース環流部材のうちで、前記外輪の内周面に内嵌固定した嵌合筒部の軸方向外端縁部が、この外輪の内周面に形成された突き当て面に突き当てられており、且つ、この嵌合筒部の軸方向内端縁部に、前記キャップのうちで、前記外輪の内周面に内嵌固定した固定筒部の軸方向外端縁部が突き当てられている、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した転がり軸受ユニット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019060469A (ja) * 2017-09-28 2019-04-18 Ntn株式会社 転がり軸受及び鉄道車両用軸受
JP2019094977A (ja) * 2017-11-22 2019-06-20 光洋シーリングテクノ株式会社 密封装置
JP2020067166A (ja) * 2018-10-26 2020-04-30 日本精工株式会社 車輪支持用転がり軸受ユニット

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