JP2016191430A - 車両用駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動力源の始動時における駆動力伝達の応答性の向上を図りつつ、特定係合装置の係合時のショックを低減することが可能な車両用駆動装置を実現する。【解決手段】1つの変速段を形成するために係合される変速用係合装置の組み合わせの一部を構成する単数又は複数の変速用係合装置を特定係合装置Aとする。ニュートラル走行状態で出力部材Oの回転速度が低下している第一状況、又は第一状況を経て出力部材Oの回転速度がゼロまで低下した後の第二状況において、出力部材Oの回転速度が第一閾値V1以下であり、変速入力部材Iの回転速度がゼロより大きく且つ第二閾値V2以下である場合に、いずれかの変速段の特定係合装置Aが係合されると共に特定係合装置A以外の変速用係合装置が解放される。【選択図】図8

Description

本発明は、駆動力源に駆動連結される入力部材と車輪に駆動連結される出力部材とを結ぶ動力伝達経路に、入力部材の側から順に、係合装置を備える動力伝達装置と、変速入力部材と、複数の変速用係合装置を備える変速装置と、が設けられた車両用駆動装置に関する。
上記のような車両用駆動装置として、特開2010−223399号公報(特許文献1)に記載されたものが知られている。特許文献1には、駆動力源として内燃機関が備えられる構成において、内燃機関が停止される際の車両の走行速度が所定の解放閾値以下である場合に、変速用係合装置を係合させて一方向伝達段を形成する構成が記載されている。これにより、アイドル停止中の内燃機関の引き摺りを回避しつつ、内燃機関の再始動時における駆動力伝達の応答性の向上が図られている。
特開2010−223399号公報(段落0076等)
しかしながら、特許文献1の構成では、車両の運転者の運転操作とは直接的には関係しないタイミングである特定係合装置の係合時に、多少のショックが発生し、運転者が違和感を感じるおそれがある。ここで、特定係合装置とは、1つの変速段を形成するために係合される変速用係合装置の組み合わせの一部を構成する変速用係合装置である。すなわち、特定係合装置の係合時のショックを低減するためには、特定係合装置の一対の係合部材間の回転速度差が小さい状態で特定係合装置を係合することが望ましい。しかしながら、車両の走行速度が所定値以下であるか否かの判定のみでは、特定係合装置の一方の係合部材の回転速度の大きさを判定することはできても、特定係合装置の他方の係合部材の回転速度の大きさを精度良く判定することは困難である。そのため、車両の走行速度が所定値以下であることを条件に特定係合装置を係合する構成では、やはりショックが発生する場合がある。
そこで、駆動力源の始動時における駆動力伝達の応答性の向上を図りつつ、特定係合装置の係合時のショックを低減することが可能な車両用駆動装置の実現が望まれる。
上記に鑑みた、駆動力源に駆動連結される入力部材と車輪に駆動連結される出力部材とを結ぶ動力伝達経路に、前記入力部材の側から順に、係合装置を備える動力伝達装置と、変速入力部材と、複数の変速用係合装置を備える変速装置と、が設けられた車両用駆動装置の特徴構成は、前記変速装置は、前記変速用係合装置のそれぞれの係合の状態に応じて変速比の異なる複数の変速段を形成して、前記変速入力部材の回転を前記変速段に応じた変速比で変速して前記出力部材に伝達し、1つの前記変速段を形成するために係合される前記変速用係合装置の組み合わせの一部を構成する単数又は複数の前記変速用係合装置を特定係合装置とし、前記駆動力源から動力が出力されておらず、前記係合装置が解放されていると共に複数の前記変速用係合装置の全てが解放されており、前記出力部材が回転している状態をニュートラル走行状態として、前記ニュートラル走行状態で前記出力部材の回転速度が低下している第一状況、又は前記第一状況を経て前記出力部材の回転速度がゼロまで低下した後の第二状況において、前記出力部材の回転速度が第一閾値以下であり、前記変速入力部材の回転速度がゼロより大きく且つ第二閾値以下である場合に、いずれかの前記変速段の前記特定係合装置が係合されると共に前記特定係合装置以外の前記変速用係合装置が解放される点にある。
上記の特徴構成によれば、第一状況又は第二状況において、出力部材の回転速度が第一閾値以下であり、変速入力部材の回転速度がゼロより大きく且つ第二閾値以下である場合に、いずれかの変速段の特定係合装置が係合されると共に特定係合装置以外の変速用係合装置が解放される。ここで、特定係合装置は、1つの変速段を形成するために係合される変速用係合装置の組み合わせの一部を構成する変速用係合装置である。よって、特定係合装置を係合させた状態に制御することで、駆動力源と車輪との間のトルクの伝達を実質的に遮断しつつ、特定係合装置を係合させない場合に比べて、変速装置を介した駆動力源のトルクの車輪への伝達を開始する際のトルク伝達の応答性の向上を図ることができる。なぜなら、変速装置を介した駆動力源のトルクの車輪への伝達を開始する際には、特定係合装置と共に1つの変速段を形成する残りの変速用係合装置を係合させるだけでよいからである。
そして、上記の特徴構成によれば、特定係合装置の係合は、出力部材の回転速度が第一閾値以下であり、変速入力部材の回転速度がゼロより大きく且つ第二閾値以下である場合に行われる。すなわち、変速装置に対して動力伝達経路の両側に分かれて配置される2つの回転部材である変速入力部材及び出力部材の双方の回転速度が低いことを条件に、特定係合装置が係合される構成とすることができる。よって、出力部材の回転速度が第一閾値以下であることのみを条件に特定係合装置が係合される場合に比べて、特定係合装置が係合される際の特定係合装置の一対の係合部材間の回転速度差を小さくすることができる。この結果、駆動力源の始動時における駆動力伝達の応答性の向上を図りつつ、特定係合装置の係合時のショックを低減することが可能な車両用駆動装置を実現することができる。
実施形態に係る車両用駆動装置を搭載した車両の概略構成を示す図である。 実施形態に係る車両用駆動装置のスケルトン図である。 実施形態に係る変速装置の作動表である。 実施形態に係る変速装置の速度線図である。 実施形態に係る制御装置の概略構成を示すブロック図である。 実施形態に係る変速装置の変速マップの模式図である。 実施形態に係る係合制御の処理手順を示すフローチャートである。 実施形態に係る係合制御の制御挙動の一例を示すタイムチャートである。 その他の実施形態に係る車両用駆動装置の一部のスケルトン図である。
車両用駆動装置及び車両用駆動装置が備える制御装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
以下の説明では、「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力を伝達可能に連結された状態を意味する。この概念には、2つの回転要素が一体回転するように連結された状態や、2つの回転要素が1つ以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態が含まれる。このような伝動部材には、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材(軸、歯車機構、ベルト、チェーン等)が含まれ、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置(摩擦係合装置や噛み合い式係合装置等)が含まれてもよい。
また、摩擦係合装置の係合の状態について、「係合状態」は、摩擦係合装置に伝達トルク容量が生じている状態である。伝達トルク容量は、摩擦係合装置が摩擦により伝達することができる最大のトルクの大きさであり、伝達トルク容量の大きさは、摩擦係合装置の係合圧(入力側係合部材と出力側係合部材とを相互に押し付けあう圧力)に比例して変化する。「係合状態」には、摩擦係合装置の一対の係合部材間(入力側係合部材と出力側係合部材との間)に回転速度差(滑り)がない「直結係合状態」と、摩擦係合装置の一対の係合部材間に回転速度差がある「滑り係合状態」とが含まれる。
また、「解放状態」は、摩擦係合装置に伝達トルク容量が生じていない状態である。摩擦係合装置には、制御装置により伝達トルク容量を生じさせる指令が出されていない場合でも、係合部材(摩擦部材)同士の引き摺りによって伝達トルク容量が生じる場合がある。本明細書では、このような引き摺りトルクは係合の状態の分類に際して考慮せず、伝達トルク容量を生じさせる指令が出されていない場合に係合部材同士の引き摺りによって伝達トルク容量が生じている状態も「解放状態」に含める。
摩擦係合装置の係合状態では、一対の係合部材間の摩擦により、一対の係合部材間でトルクが伝達される。摩擦係合装置の滑り係合状態では、動摩擦により回転速度の高い方の係合部材から回転速度の低い方の係合部材に伝達トルク容量の大きさのトルク(スリップトルク)が伝達される。一方、摩擦係合装置の直結係合状態では、伝達トルク容量の大きさを上限として、静摩擦により一対の係合部材間に作用するトルクが伝達される。
1.車両用駆動装置の構成
図1及び図2に示すように、車両5には、駆動力源E、車両用駆動装置1、及び車輪6が備えられている。車両用駆動装置1は、駆動力源Eに駆動連結される入力部材Eoと車輪6(本例では第一車輪6a)に駆動連結される変速出力部材Oとを結ぶ動力伝達経路に、入力部材Eoの側から順に、動力伝達装置10と、変速入力部材Iと、変速装置TMと、を備えている。本実施形態では、変速出力部材Oが「出力部材」に相当する。図示は省略するが、変速出力部材Oと車輪6(第一車輪6a)との間の動力伝達経路には、出力用差動歯車装置が備えられており、変速出力部材Oの回転は、出力用差動歯車装置を介して左右2つの車輪6(第一車輪6a)に分配されて伝達される。変速出力部材Oと出力用差動歯車装置との間の動力伝達経路に、カウンタギヤ機構が備えられてもよい。なお、これらの出力用差動歯車装置やカウンタギヤ機構は、その他の実施形態に係る車両用駆動装置の構成を示す図9における、出力用差動歯車装置4やカウンタギヤ機構3と同様のものとすることができる。車両用駆動装置1は、駆動力源Eのトルクを車輪6(第一車輪6a)に伝達させて車両5を走行させる。本実施形態では、後述するように、車両用駆動装置1は、車両5を走行させる際に、別軸回転電機MG(図1参照)のトルクを車輪6(本例では第二車輪6b)に伝達させることもできる。本実施形態では、別軸回転電機MGが「回転電機」に相当する。
駆動力源Eは、例えば、内燃機関及び主軸回転電機の少なくとも一方が用いられる。ここで、内燃機関は、機関内部における燃料の燃焼により駆動されて動力を取り出す原動機(例えば、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等)である。また、回転電機は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータとしての双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。駆動力源Eの出力軸(例えばクランクシャフト等)は、入力部材Eoを介して動力伝達装置10に駆動連結されている。本実施形態では、駆動力源Eは内燃機関である。また、本実施形態では、駆動力源Eの出力軸は、入力部材Eoと一体回転するように連結されている。駆動力源Eの出力軸又は入力部材Eoに、動力伝達装置10に伝達されるトルクの変動を減衰するダンパ機構が備えられてもよい。
動力伝達装置10は、駆動力源E(入力部材Eo)と変速装置TM(変速入力部材I)との間でトルクを伝達する。動力伝達装置10は、係合装置12を備える。本実施形態では、動力伝達装置10は、係合装置12に加えて流体継手11を備えている。流体継手11は、駆動力源E(入力部材Eo)に駆動連結される継手入力側部材11aと、継手入力側部材11aを介することなく変速入力部材Iに駆動連結される継手出力側部材11bとを備える。本実施形態では、継手入力側部材11aは、駆動力源E(入力部材Eo)と一体回転するように連結され、継手出力側部材11bは、変速入力部材Iと一体回転するように連結されている。係合装置12は、駆動力源E(入力部材Eo)に駆動連結される入力側係合部材と、当該入力側係合部材を介することなく変速入力部材Iに駆動連結される出力側係合部材とを備える。本実施形態では、係合装置12の入力側係合部材は、駆動力源E(入力部材Eo)と一体回転するように連結され、係合装置12の出力側係合部材は、変速入力部材Iと一体回転するように連結されている。本実施形態では、係合装置12は、継手入力側部材11aと継手出力側部材11bとを直結する直結クラッチ(ロックアップクラッチ)として機能する。係合装置12に、変速入力部材Iに伝達されるトルクの変動を吸収するダンパ機構が備えられてもよい。
係合装置12の係合の状態は、詳細は後述する制御装置31(係合制御部34)によって制御される。本実施形態では、係合装置12は摩擦係合装置である。係合装置12が解放した解放状態では、継手入力側部材11aと継手出力側部材11bとの間でのトルクの伝達が、流体継手11の内部に充填された作動油を介して行われる。係合装置12が係合した係合状態では、継手入力側部材11aと継手出力側部材11bとの間でのトルクの伝達が、基本的には作動油を介さずに、係合装置12を介して行われる。本実施形態では、流体継手11は、トルクを増幅させる機能を有するトルクコンバータであり、継手入力側部材11a(ポンプインペラ)と継手出力側部材11b(タービンランナ)との間には、ワンウェイクラッチを備えたステータ11cが備えられている。このように、本実施形態では、動力伝達装置10はトルクコンバータを備えている。
変速装置TMは、複数の変速用係合装置を備える。本実施形態では、図2に示すように、変速装置TMは、変速用係合装置として、第一クラッチC1、第二クラッチC2、第三クラッチC3、第一ブレーキB1、第二ブレーキB2、及びワンウェイクラッチF(一方向クラッチ)を備えている。本実施形態では、ワンウェイクラッチFを除く変速用係合装置のそれぞれは、摩擦係合装置である。変速装置TMは、変速用係合装置のそれぞれの係合の状態に応じて変速比の異なる複数の変速段を選択的に形成して、変速入力部材Iの回転を変速段に応じた変速比で変速して変速出力部材Oに伝達する。変速入力部材Iは、変速装置TMの入力軸(変速入力軸)として機能し、変速出力部材Oは、変速装置TMの出力軸(変速出力軸)として機能する。ここでは、「変速比」を、変速出力部材Oの回転速度に対する変速入力部材Iの回転速度の比、すなわち、変速入力部材Iの回転速度を変速出力部材Oの回転速度で除算した値としている。
本実施形態では、変速装置TMは、図2に示すように、第一差動歯車装置PG1及び第二差動歯車装置PG2の2つの差動歯車装置を組み合わせて構成されている。第一差動歯車装置PG1は、3つの回転要素(第一サンギヤS1、第一キャリヤCA1、及び第一リングギヤR1)を有するシングルピニオン型の遊星歯車機構により構成されている。第一キャリヤCA1は、第一サンギヤS1に噛み合うと共に第一リングギヤR1に噛み合う複数の第一ピニオンギヤP1を支持する。第二差動歯車装置PG2は、4つの回転要素(第二サンギヤS2、第三サンギヤS3、第二キャリヤCA2、及び第二リングギヤR2)を有するラビニヨ型の遊星歯車機構により構成されている。第二キャリヤCA2は、第二サンギヤS2に噛み合うと共に第二リングギヤR2に噛み合う複数の第二ピニオンギヤP2(ロングピニオンギヤ)と、第二ピニオンギヤP2に噛み合うと共に第三サンギヤS3に噛み合う複数の第三ピニオンギヤP3(ショートピニオンギヤ)とを支持する。
第一リングギヤR1は、変速入力部材Iに駆動連結され、本例では変速入力部材Iと一体回転するように連結されている。第二リングギヤR2は、変速出力部材Oに駆動連結され、本例では変速出力部材Oと一体回転するように連結されている。第一キャリヤCA1は、第一クラッチC1を介して第三サンギヤS3に駆動連結されていると共に、第三クラッチC3を介して第二サンギヤS2に駆動連結されている。本例では、第一クラッチC1が直結係合した直結係合状態で、第一キャリヤCA1は第三サンギヤS3と一体回転し、第三クラッチC3が直結係合した直結係合状態で、第一キャリヤCA1は第二サンギヤS2と一体回転する。第一リングギヤR1は、第二クラッチC2を介して第二キャリヤCA2に駆動連結されている。本例では、第二クラッチC2が直結係合した直結係合状態で、第一リングギヤR1は第二キャリヤCA2と一体回転する。
第一サンギヤS1は、車両用駆動装置1或いは変速装置TMのケース2(非回転部材の一例)に固定されている。第二サンギヤS2は、第一ブレーキB1によりケース2に選択的に固定される。第二キャリヤCA2は、第二ブレーキB2によりケース2に選択的に固定されると共に、ワンウェイクラッチFによりケース2に対する相対回転の方向が一方向のみに制限される。本例では、第二キャリヤCA2の正回転(駆動力源Eとしての内燃機関の回転方向と同じ回転方向)が許容され、第二キャリヤCA2の負回転(正方向とは反対方向)が規制されるように、ワンウェイクラッチFが設けられている。
変速装置TMが形成する各段の変速段は、複数の変速用係合装置のうちの2つ以上を係合状態(基本的に直結係合状態)に制御すると共にそれ以外を解放状態に制御することで形成される。本実施形態では、図3の作動表に示すように、各段の変速段は、複数の変速用係合装置のうちの2つを係合状態に制御することで形成される。図3の作動表において、「○」は、当該変速用係合装置が係合状態に制御されることを示し、「無印」は、当該変速用係合装置が解放状態に制御されることを示している。「(○)」は、駆動力源Eとしての内燃機関の回転抵抗を利用した制動(いわゆるエンジンブレーキ)を行う場面等において係合状態に制御されることを示している。「△」は、ワンウェイクラッチFによる回転規制の対象部材(本例では第二キャリヤCA2)の回転方向が一方の方向(本例では正方向)である場合には解放状態(回転許容状態)になり、当該回転方向が他方の方向(本例では負方向)である場合には係合状態(回転規制状態)になることを示している。すなわち、ワンウェイクラッチFの係合の状態は、他の変速用係合装置とは異なり、当該ワンウェイクラッチFによる回転規制の対象部材の回転方向に応じて定まる。すなわち、ワンウェイクラッチFの係合の状態は、当該ワンウェイクラッチFによる回転規制の対象部材の回転方向を制御することで制御される。
本実施形態では、図3に示すように、変速装置TMは、前進用の変速段として、変速比の異なる6つの変速段(第一段1st、第二段2nd、第三段3rd、第四段4th、第五段5th、第六段6th)を形成可能に構成されている。これらの前進用の変速段は、第一段から第六段に向かって(すなわち、高速段側に向かって)変速比が段階的に小さくなる。すなわち、第一段1stは、前進用の変速段の中で変速比が最も大きい変速段である。また、変速装置TMは、後進用の変速段(Rev)を形成可能に構成されている。図4は、変速装置TMを構成する回転要素間における回転速度の関係を、変速段毎に示す速度線図(共線図)である。
駆動力源Eが出力する正方向のトルク(車両5を前進させる方向のトルク)を車輪6に伝達させる場合には、第一クラッチC1を係合状態に制御すると共にそれ以外の変速用係合装置(但し、ワンウェイクラッチFを除く。)を解放状態に制御することで第一段1stが形成される。この場合、駆動力源Eが出力する正方向のトルクは、変速入力部材I及び第一差動歯車装置PG1を介して第二差動歯車装置PG2の第三サンギヤS3に伝達される。そして、ワンウェイクラッチFにより負回転が規制された状態の第二キャリヤCA2が、第三サンギヤS3に作用する正方向のトルクの反力を受けることにより、当該正方向のトルクが第二リングギヤR2を介して変速出力部材Oに伝達される。このように、第一クラッチC1に加えてワンウェイクラッチFが係合することで、第一段1stが形成される。なお、第二キャリヤCA2が正回転する際にはワンウェイクラッチFは解放状態となるため、第一クラッチC1を係合状態に制御すると共にそれ以外の変速用係合装置(但し、ワンウェイクラッチFを除く。)を解放状態に制御することで実現される第一段1stは、変速入力部材I側から変速出力部材O側へは正方向のトルクを伝達し、変速出力部材O側から変速入力部材I側へは正方向のトルクを伝達しない、一方向伝達段である。そのため、第一段1stにおいて変速出力部材O側から変速入力部材I側への正方向のトルクの伝達を行う場合(上述したエンジンブレーキを行う場合等)には、第一クラッチC1に加えて第二ブレーキB2を係合させることで、第一段1stを形成する。なお、変速装置TMがワンウェイクラッチFを備えず、第一段1stが、常に、第一クラッチC1及び第二ブレーキB2を係合させることで形成される構成とすることもできる。
本実施形態では、図1に示すように、車両用駆動装置1は、別軸回転電機MGを備えている。この別軸回転電機MGは、駆動力源Eと同様に、車輪6の駆動力源として機能する。本実施形態では、図1に示すように、別軸回転電機MGは、第一車輪6aとは異なる第二車輪6bに駆動連結されている。ここで、第一車輪6aは、駆動力源Eが動力伝達装置10及び変速装置TMを介して駆動連結される車輪6である。第一車輪6a及び第二車輪6bのうちの一方(例えば第一車輪6a)が、車両5の前方側の車輪6(前輪)とされ、第一車輪6a及び第二車輪6bのうちの他方(例えば第二車輪6b)が、車両5の後方側の車輪6(後輪)とされる。別軸回転電機MGは、蓄電装置(図示せず)から電力の供給を受けて力行し、或いは、車両5の慣性力等により発電(回生)した電力を当該蓄電装置に供給して蓄電させる。図示は省略するが、本実施形態では、別軸回転電機MGと第二車輪6bとの間の動力伝達経路には、出力用差動歯車装置が備えられており、別軸回転電機MG(ロータ)の回転は、当該出力用差動歯車装置を介して左右2つの第二車輪6bに分配されて伝達される。別軸回転電機MGと第二車輪6bとの間の動力伝達経路に、別軸回転電機MGを第二車輪6bから切り離すための係合装置が設けられてもよい。この場合、この係合装置の係合の状態が、制御装置31(後述する係合制御部34)によって制御される構成とすることができる。
2.制御装置の構成
制御装置31は、CPU等の演算処理装置を中核として備えると共に、RAMやROM等の記憶装置を備える。ROM等の記憶装置に記憶されたソフトウェア(プログラム)又は別途設けられた演算回路等のハードウェア、或いはそれらの両方により、制御装置31が実行する各機能が実現される。制御装置31が備える演算処理装置は、各プログラムを実行するコンピュータとして動作する。なお、制御装置31は、互いに通信可能な複数のハードウェア(複数の分離したハードウェア)の集合によって構成されても良い。
制御装置31は、車両5の各部に備えられた各種センサの検出結果の情報を取得可能に構成されている。本実施形態では、図5に示すように、制御装置31は、第一センサSe1の検出結果の情報を取得すると共に、第二センサSe2の検出結果の情報を取得する。第一センサSe1は、変速出力部材Oの回転速度、或いは、変速出力部材Oと同期回転する部材(例えば、車輪6)の回転速度を検出するセンサである。なお、同期回転とは、一体回転すること、又は比例した回転速度で回転することを意味する。制御装置31は、第一センサSe1の検出結果に基づき車速を導出する。第二センサSe2は、変速入力部材Iの回転速度、或いは、変速入力部材Iと同期回転する部材(例えば、継手出力側部材11b)の回転速度を検出するセンサである。制御装置31は、第一センサSe1の検出結果の情報や第二センサSe2の検出結果の情報の他にも、例えば、駆動力源E(入力部材Eo)の回転速度の情報、アクセル開度の情報、ブレーキ操作量の情報、シフトレバーの選択位置の情報、別軸回転電機MGの回転速度の情報、別軸回転電機MGに電力を供給する蓄電装置の充電状態又は蓄電量の情報等を取得可能に構成される。なお、シフトレバーは、複数の走行レンジの中から1つの走行レンジを選択するために運転者が操作するレバーであり、シフトレバーの選択位置(シフト位置)には、前進走行レンジ(Dレンジ)を選択するための位置、後進走行レンジ(Rレンジ)を選択するための位置、ニュートラルレンジ(Nレンジ)を選択するための位置、パーキングレンジ(Pレンジ)を選択するための位置等が含まれる。
本実施形態では、制御装置31は、図5に示すように、統合制御部32、回転電機制御部33、及び係合制御部34を備えている。これらの機能部は、互いに情報の受け渡しを行うことが可能に構成されている。統合制御部32は、駆動力源E、動力伝達装置10(係合装置12)、変速装置TM(変速用係合装置)、別軸回転電機MG等に対して行われる各種の制御(トルク制御、係合制御等)を車両全体として統合する制御を行う。統合制御部32は、センサ検出情報(アクセル開度、車速、シフト位置、蓄電装置の充電状態等の情報)に基づいて、車輪6の駆動のために要求される車両要求トルク(目標トルク)を導出すると共に、駆動力源Eや別軸回転電機MGの運転モードを決定する。運転モードは、例えば、別軸回転電機MGのトルクのみを車輪6に伝達させて車両5を走行させる走行モード(電動走行モード)、駆動力源Eのトルクのみを車輪6に伝達させて車両5を走行させる走行モード、及び、別軸回転電機MG及び駆動力源Eの双方のトルクを車輪6に伝達させて車両5を走行させる走行モード(ハイブリッド走行モード)のいずれかの走行モードが選択される。統合制御部32は、センサ検出情報に基づいて、駆動力源Eに対して要求する出力トルク(駆動力源要求トルク)、別軸回転電機MGに対して要求する出力トルク(回転電機要求トルク)、動力伝達装置10が備える係合装置12の係合の状態、変速装置TMに形成させる目標変速段等を決定する。
本実施形態では、制御装置31(統合制御部32)は、駆動力源Eの動作制御を行う駆動力源制御装置40を介して、駆動力源Eの動作点(出力トルク及び回転速度)を制御する。例えば、駆動力源制御装置40は、統合制御部32が決定した駆動力源要求トルクを出力するように、駆動力源Eを制御する。回転電機制御部33は、別軸回転電機MGの動作制御を行う。例えば、回転電機制御部33は、統合制御部32が決定した回転電機要求トルクを出力するように、別軸回転電機MGを制御する。
係合制御部34は、動力伝達装置10が備える係合装置12の係合の状態を制御すると共に、変速装置TMが備える複数の変速用係合装置の係合の状態を制御する。具体的には、係合制御部34は、係合装置12の係合の状態を、統合制御部32が決定した状態となるように制御する。係合装置12の係合の状態は、例えば、係合装置12を係合状態に制御する領域と、係合装置12を解放状態に制御する領域とが規定されたマップを参照することで、統合制御部32により決定される。また、係合制御部34は、複数の変速用係合装置のそれぞれの係合の状態を、統合制御部32が決定した目標変速段を形成するように制御する。目標変速段は、例えば、図6に一例を示すような変速マップを参照することで、統合制御部32により決定される。図6に示すように、変速マップは、アクセル開度及び車速と、変速装置TMにおける目標変速段との関係を規定したマップである。変速マップには、複数のアップシフト線(図6における実線)と複数のダウンシフト線(図6における破線)が規定されている。なお、アップシフトは、高速段側(変速比を相対的に小さくする側)への変速段の変更であり、ダウンシフトは、低速段側(変速比を相対的に大きくする側)への変速段の変更である。車速及びアクセル開度が変化して変速マップ上でアップシフト線を跨ぐと、目標変速段が1段アップシフトされ、車速及びアクセル開度が変化して変速マップ上でダウンシフト線を跨ぐと、目標変速段が1段ダウンシフトされる。
本実施形態では、動力伝達装置10が備える係合装置12、及び変速装置TMが備える複数の変速用係合装置(但し、ワンウェイクラッチFを除く。)は、油圧駆動式の摩擦係合装置である。係合制御部34は、係合装置12や変速用係合装置のそれぞれに供給される油圧を、油圧制御装置25を介して制御することで、係合装置12や変速用係合装置のそれぞれの係合の状態を制御する。各係合装置の係合圧は、当該係合装置に供給されている油圧の大きさに比例して変化する。すなわち、係合装置に生じる伝達トルク容量の大きさは、当該係合装置に供給される油圧の大きさに比例して変化する。そして、各係合装置の係合の状態は、供給される油圧に応じて、直結係合状態、滑り係合状態、及び解放状態のいずれかに制御される。詳細は省略するが、油圧制御装置25は、オイルポンプ(図示せず)から供給される作動油の油圧を調整するための油圧制御弁(リニアソレノイド弁等)を備えている。オイルポンプは、例えば、入力部材Eoや変速出力部材O等の車両用駆動装置1に備えられる回転部材によって駆動される機械式ポンプや、専用の回転電機により駆動される電動ポンプ等とされる。油圧制御装置25は、係合制御部34からの油圧指令に応じて油圧制御弁の開度を調整することで、当該油圧指令に応じた油圧の作動油を各係合装置へ供給する。
変速装置TMの状態が、変速装置TMが変速段を形成していないニュートラル状態である場合には、変速入力部材Iと変速出力部材Oとの間でのトルクの伝達が、実質的に遮断される。制御装置31は、別軸回転電機MGのトルクのみを車輪6に伝達させて車両5を走行させる電動走行モードの実行時に、変速装置TMの状態をニュートラル状態に制御する。駆動力源Eのトルクのみを車輪6に伝達させて車両5を走行させる走行モード、又は別軸回転電機MG及び駆動力源Eの双方のトルクを、車輪6に伝達させて車両5を走行させるハイブリッド走行モードの実行時においても、車両5を惰性により走行(コースト走行)させるために、制御装置31が、変速装置TMの状態を、変速段を形成している状態からニュートラル状態に切り替える構成とすることもできる。いずれの場合にも、変速段を形成するために係合されている複数の変速用係合装置(本実施形態では2つの変速用係合装置)のうちの少なくとも1つを解放することで、変速装置TMの状態がニュートラル状態に切り替えられる。なお、コースト走行状態では、駆動力源Eは、例えば、トルクを出力しない状態に制御される。本実施形態では、駆動力源Eは内燃機関であり、コースト走行状態において、駆動力源Eとしての内燃機関がアイドリング運転状態に制御されても良い。
制御装置31は、特定の状況において、変速出力部材Oの回転速度が第一閾値V1以下であり、変速入力部材Iの回転速度がゼロより大きく且つ第二閾値V2以下である場合に、いずれかの変速段の特定係合装置Aを係合すると共に特定係合装置A以外の変速用係合装置を解放させる制御を行う。なお、制御装置31は、変速出力部材Oの回転速度が第一閾値V1以下であり、変速入力部材Iの回転速度がゼロである場合にも、いずれかの変速段の特定係合装置Aを係合すると共に特定係合装置A以外の変速用係合装置を解放する制御を行う。解放される変速用係合装置は、特定係合装置A以外の全ての変速用係合装置である。特定係合装置Aは、1つの変速段を形成するために係合される複数の変速用係合装置のうちの一部である、単数又は複数の変速用係合装置である。すなわち、特定係合装置Aは、1つの変速段を形成するために係合される変速用係合装置の組み合わせ(図3参照)の一部を構成する単数又は複数の変速用係合装置である。変速用係合装置としてワンウェイクラッチが備えられる場合には、特定係合装置Aはワンウェイクラッチ以外の変速用係合装置の中から選択される。本実施形態では、1つの変速段を形成するために係合される変速用係合装置の個数は2つであるため、特定係合装置Aの個数は1つとなる。上記の特定の状況は、ニュートラル走行状態で変速出力部材Oの回転速度が低下している第一状況、又は第一状況を経て変速出力部材Oの回転速度がゼロまで低下した後の第二状況である。ここで、ニュートラル走行状態は、駆動力源Eから動力が出力されておらず、係合装置12が解放されていると共に複数の変速用係合装置の全てが解放されており、変速出力部材Oが回転している状態である。すなわち、ニュートラル走行状態では、変速装置TMはニュートラル状態となっている。
ニュートラル走行状態は、例えば、電動走行モードの実行中に実現される。すなわち、ニュートラル走行状態は、例えば、変速装置TMがニュートラル状態であって、別軸回転電機MGのトルクが第二車輪6bに伝達されている状態で実現される。この際、別軸回転電機MGにより発電させる場合には、別軸回転電機MGの負トルク(発電トルク)が第二車輪6bに伝達される。また、ニュートラル走行状態は、例えば、コースト走行中に車両5が減速している状態で実現される。
本実施形態では、制御装置31は、図7に示す手順に沿って、上記の第一状況や第二状況において、特定係合装置Aの係合の状態を制御する。制御装置31は、変速出力部材Oの回転速度が第一閾値V1以下ではない場合や(ステップ#01:No)、変速入力部材Iの回転速度が第二閾値V2以下ではない場合には(ステップ#02:No)、特定係合装置Aの係合の状態が解放状態となるように、特定係合装置Aの解放制御を行う(ステップ#04)。特定係合装置Aが既に解放状態である場合には、その状態を維持させる。ステップ#01の処理は、例えば、上記の第一状況が発生している場合に、予め定められた制御周期毎に繰り返し実行される。ステップ#01とステップ#02との実行順序を入れ替えることも可能である。
制御装置31は、変速出力部材Oの回転速度が第一閾値V1以下であり、且つ、変速入力部材Iの回転速度が第二閾値V2以下である場合には(ステップ#01:Yes、ステップ#02:Yes)、特定係合装置Aの係合を許可し、特定係合装置が係合した係合状態となるように、特定係合装置Aの係合制御を実行する(ステップ#03)。特定係合装置Aが既に係合状態である場合には、その状態を維持させる。この際、特定係合装置A以外の変速用係合装置の係合が禁止されるため、特定係合装置A以外の変速用係合装置の中に既に係合している係合装置があれば、当該係合装置の解放制御を行う。ステップ#03の処理が一度実行されると、制御装置31は、例えば、ステップ#04の処理と、変速装置TMにおける変速段の形成処理との、いずれか一方の処理が実行されるまでの間、予め定められた制御周期毎にステップ#01の処理を繰り返し実行する。なお、ステップ#03の処理が一度実行された後にステップ#04の処理が実行される状況は、例えば、ステップ#03の処理の実行後に、車両5が電動走行モードのまま加速すること等によって、ステップ#01で否定的な判定がなされる状況である。また、ステップ#03の処理が一度実行された後に変速装置TMにおける変速段の形成処理が実行される状況は、例えば、ステップ#03の処理が一度実行された後に、駆動力源Eのトルクを車輪6に伝達させるために変速装置TMに変速段を形成させる状況である。
第一閾値V1及び第二閾値V2は、特定係合装置Aの係合時のショックが許容範囲内になるように設定されている。なお、許容範囲は、例えば、車両5の乗員(特に運転者)にとっての許容範囲とされる。特定係合装置Aの一対の係合部材間の回転速度差が大きくなるに従って、一般に、特定係合装置Aの係合時のショックは大きくなる。そのため、特定係合装置Aの一対の係合部材間の回転速度差が小さい状態で、特定係合装置Aを係合させることが望ましい。この点に鑑みて、制御装置31は、変速出力部材Oの回転速度が第一閾値V1以下であるという第一条件と、変速入力部材Iの回転速度が第二閾値V2以下であるという第二条件との、双方の条件が満たされる場合に、特定係合装置Aの係合を許可するように構成されている。これにより、特定係合装置Aの係合時のショックを許容範囲内に抑えることが可能となっている。
補足説明すると、図2及び図4から明らかなように、変速装置TMがニュートラル状態である状況下において第一条件が満たされる場合には、変速出力部材Oと同期回転する第二リングギヤR2の回転速度が第一閾値V1に応じた値以下に抑えられる。そして、この状況下では、第二差動歯車装置PG2のその他の各回転要素(第二サンギヤS2、第二キャリヤCA2、及び第三サンギヤS3)の回転速度は、一般に、第二リングギヤR2と同じ向きで同程度の回転速度となる。よって、第一条件が満たされる場合には、一般に、第二差動歯車装置PG2の全ての回転要素の回転速度が、第一閾値V1に応じた値以下に抑えられている。また、変速装置TMがニュートラル状態である状況下において第二条件が満たされる場合には、変速入力部材Iと同期回転(本例では一体回転)する第一リングギヤR1の回転速度が第二閾値V2に応じた値(本例では第二閾値V2と同じ値)以下に抑えられる。そして、第一サンギヤS1はケース2に固定されている。よって、第二条件が満たされる場合には、第一差動歯車装置PG1の全ての回転要素の回転速度が、第二閾値V2に応じた値以下に抑えられている。
このように、第一条件及び第二条件の双方が満たされている場合には、一般に、変速装置TMの全ての回転要素の回転速度が、第一閾値V1に応じた値又は第二閾値V2に応じた値以下に抑えられている。そして、特定係合装置Aは、変速装置TMに備えられる変速用係合装置であるため、特定係合装置Aの一対の係合部材の少なくとも一方は、変速装置TMのいずれかの回転要素に対して同期回転するように連結される。なお、特定係合装置Aの一対の係合部材の一方のみが変速装置TMのいずれかの回転要素に対して同期回転するように連結される場合には、他方の係合部材はケース2に固定される。そのため、第一閾値V1及び第二閾値V2を適切に設定することで、特定係合装置Aの一対の係合部材のそれぞれの回転速度が低い状態(すなわち、一対の係合部材間の回転速度差が小さい状態)で特定係合装置Aを係合させることができ、特定係合装置Aの係合時のショックを許容範囲内に抑えることが可能となる。
なお、駆動力源Eがトルクを出力していない状態では、第一リングギヤR1(変速入力部材I)は積極的には回転されないため、第一条件のみが満たされたことを条件に特定係合装置Aの係合を許可する構成とすることも考えられる。しかしながら、変速装置TMがニュートラル状態である場合にも、変速用係合装置のそれぞれで発生し得る引き摺りトルクによって、車速に応じた回転速度で回転する第二差動歯車装置PG2の回転要素によって、第一差動歯車装置PG1の回転要素が回転される(連れ回される)場合がある。そして、第二差動歯車装置PG2の回転要素の回転速度が低下する状況下では、第一差動歯車装置PG1の回転要素の回転速度は、第二差動歯車装置PG2の回転要素の回転速度の変化に遅れて追従する。特に、本実施形態に係る車両用駆動装置1のように、第一リングギヤR1(変速入力部材I)が流体継手11(トルクコンバータ)の継手出力側部材11bと一体回転する構成では、第一リングギヤR1と一体回転する回転部材の慣性モーメントが流体継手11の比較的大きな慣性モーメントによって大きくなり、上記の遅れが大きくなりやすい。すなわち、変速出力部材Oの回転速度が低い場合であっても、第一リングギヤR1(変速入力部材I)の回転速度が同様に低くはない場合があり得る。このような状況は、この他にも、駆動力源Eが停止した後の経過時間が長くない場合や、別軸回転電機MGによる発電等のために変速装置TMのニュートラル状態で駆動力源Eが動作している場合にも発生し得る。そして、特定係合装置Aの一対の係合部材の一方が第一差動歯車装置PG1の回転要素と同期回転する構成では、第一リングギヤR1(変速入力部材I)の回転速度が低くない状況下で特定係合装置Aを係合した場合に、流体継手11の比較的大きな慣性モーメントによって、許容範囲を超えるショックが発生するおそれがある。これに対して、本実施形態に係る制御装置31の構成のように、第一条件に加えて第二条件が満たされる場合に特定係合装置Aの係合を許可する構成とすることで、特定係合装置Aの一対の係合部材のそれぞれの回転速度が低い状態で特定係合装置Aを係合させることができ、特定係合装置Aの係合時のショックを許容範囲内に抑えることが可能となっている。
なお、第一閾値V1は、例えば、変速装置TMによって第一段1stが形成される変速出力部材Oの回転速度の範囲内の値に設定することができる。この場合、例えば、アクセル開度がゼロの状態で第一段1stから第二段2ndへアップシフトされる車速(図6において“1−2”を付した実線の、アクセル開度がゼロの状態での値)に対応する変速出力部材Oの回転速度以下の値に、第一閾値V1を設定することができる。
また、変速出力部材Oの回転速度が第一閾値V1以下であるか否かの判定(図7のステップ#01)は、変速出力部材Oの回転速度と第一閾値V1との大小関係に基づく判定以外に、変速出力部材Oと同期回転する回転部材の回転速度と、第一閾値V1を当該回転部材の回転速度に換算した値との大小関係に基づく判定であってもよい。この換算は、変速出力部材Oと、変速出力部材Oと同期回転する回転部材との間の動力伝達経路の変速比を考慮して行われる。例えば、車輪6の回転速度と、第一閾値V1を車輪6の回転速度に換算した値との大小関係に基づき(すなわち、これらを比較することで)、変速出力部材Oの回転速度が第一閾値V1以下であるか否かを判定する構成とすることができる。また、車速と、第一閾値V1を車両5の速度に換算した値との大小関係に基づき、変速出力部材Oの回転速度が第一閾値V1以下であるか否かの判定を行ってもよい。同様に、変速入力部材Iの回転速度が第二閾値V2以下であるか否かの判定(図7のステップ#02)は、変速入力部材Iと第二閾値V2との大小関係に基づく判定以外に、変速入力部材Iと同期回転する回転部材の回転速度と、第二閾値V2を当該回転部材の回転速度に換算した値との大小関係に基づく判定であってもよい。
特定係合装置Aの係合の状態の制御の具体的内容について、図8に示す例を参照して説明する。この例では、車両5の走行モードが電動走行モードであり且つ駆動力源Eがトルクを出力していない状態で、車両5が減速している状況を想定している。この例では、時刻T01より前の状況が第一状況であり、時刻T01以降の状況が第二状況である。時刻T01以前の状態では、駆動力源Eの回転速度はゼロであるが、上述したように変速入力部材Iが車速に応じた回転速度で回転する回転部材によって連れ回されることで、変速入力部材Iの回転速度が変速出力部材Oの回転速度に対して遅れて減少している。そして、変速出力部材Oの回転速度が第一閾値V1以下となる時点よりも後の時点(時刻T01)で、変速入力部材Iの回転速度が第二閾値V2以下となる。なお、この例では、特定係合装置Aは、第一クラッチC1(図2参照)、すなわち、前進用の変速段の中で変速比が最も大きい変速段(第一段1st)を形成する際に係合される変速用係合装置である。そして、この例では、特定係合装置Aが解放状態に維持される時刻T01以前においても、特定係合装置Aの係合圧(本例では油圧)を、特定係合装置Aに伝達トルク容量が生じ始める直前の係合圧(ストロークエンド圧より所定圧だけ低い係合圧)に制御することで、特定係合装置Aを係合する際の応答遅れを低減している。
時刻T01において、変速出力部材Oの回転速度が第一閾値V1以下であり、且つ、変速入力部材Iの回転速度が第二閾値V2以下である状況になると、制御装置31によって特定係合装置A(本例では第一クラッチC1)の係合の状態が解放状態から係合状態(本例では直結係合状態)に切り替わるように制御される。図8に示す例では、特定係合装置Aが係合することによって、変速入力部材Iの回転速度がその時点での変速出力部材Oの回転速度に応じた値(本例ではゼロ)に向けてそれ以前よりも大きな変化率で低下している。この例では、特定係合装置Aが係合状態に制御されている状態で、運転者のアクセル操作により車両5が電動走行モードのまま発進或いは加速し、時刻T02において変速出力部材Oの回転速度が第一閾値V1を超えることで、制御装置31によって特定係合装置Aの係合の状態が係合状態から解放状態に切り替わるように制御されている。すなわち、図8に示す例では、駆動力源Eのトルクを利用することなしに車両5が発進或いは加速する状況を想定している。
図示は省略するが、図8に示す例とは異なり、特定係合装置Aが係合状態に制御されている状態で、電動走行モードから、少なくとも駆動力源Eのトルクを車輪6に伝達させて車両5を走行させる走行モードへ走行モードが切り替えられて、車両5が発進或いは加速する状況も発生し得る。この場合、走行モードの切替に合わせて、変速装置TMによって変速段が形成され、特定係合装置Aと、当該特定係合装置Aと共に1つの変速段を形成する他の変速用係合装置が係合された状態で、車両5が発進或いは加速する。なお、本例では、特定係合装置Aは第一クラッチC1であり、当該特定係合装置Aと共に第一段1stを形成する変速用係合装置はワンウェイクラッチFである。そのため、駆動力源Eが正方向のトルクを出力することで、ワンウェイクラッチFが解放状態から係合状態に切り替えられて、変速段(第一段1st)が形成される。
3.その他の実施形態
車両用駆動装置及び制御装置のその他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の実施形態では、別軸回転電機MGが、第一車輪6aとは異なる第二車輪6bに駆動連結される構成を例として説明したが、別軸回転電機MGが、第一車輪6aに駆動連結される構成、すなわち、別軸回転電機MG及び駆動力源Eの双方が同一の車輪6に駆動連結される構成とすることもできる。例えば図9に示す例のように、別軸回転電機MGが、駆動力源Eと車輪6(第一車輪6a)とを結ぶ動力伝達経路における変速装置TM(変速出力部材O)と車輪6(第一車輪6a)との間に設けられる構成とすることができる。この例では、別軸回転電機MGが、変速出力部材Oと出力用差動歯車装置4とを駆動連結するカウンタギヤ機構3に、駆動連結されている。この場合、ニュートラル走行状態は、例えば、変速装置TMがニュートラル状態であって、別軸回転電機MGのトルクが第一車輪6aに伝達されている状態、又は、変速装置TMがニュートラル状態であって、別軸回転電機MGの出力トルクがゼロのコースト状態で実現される。なお、駆動力源Eが全ての車輪6(第一車輪6a及び第二車輪6bの双方)に動力伝達装置10及び変速装置TMを介して駆動連結される構成とし、別軸回転電機MGが、変速装置TMと車輪6との間の動力伝達経路に設けられる構成としても良い。
(2)上記の実施形態では、車両用駆動装置1が、車輪6の駆動力源として、駆動力源Eとは別に別軸回転電機MGを備える構成を例として説明したが、車両用駆動装置1がこのような別軸回転電機MGを備えない構成とすることもできる。この場合においても、ニュートラル走行状態は、コースト走行状態で実現される。
(3)上記の実施形態では、各段の変速段が、複数の変速用係合装置のうちの2つを係合状態に制御することで形成される構成を例として説明したが、各段の変速段が、複数の変速用係合装置のうちの3つ以上を係合状態に制御することで形成される構成とすることもできる。この場合、複数の変速用係合装置(例えば、2つの変速用係合装置)が特定係合装置Aとして選択され、変速出力部材Oの回転速度が第一閾値V1以下であり、変速入力部材Iの回転速度がゼロより大きく且つ第二閾値V2以下である場合に、複数の特定係合装置Aのそれぞれが係合される構成とすることもできる。
(4)上記の実施形態では、変速装置TMが、前進用の変速段として、変速比の異なる6つの変速段を形成可能に構成される場合を例として説明したが、変速装置TMが形成可能な前進用の変速段の数が“6”以外(例えば“8”)である構成とすることもできる。
(5)上記の実施形態では、動力伝達装置10が流体継手11及び係合装置12の双方を備える構成を例として説明したが、動力伝達装置10が係合装置12のみを備える構成とすることもできる。また、上記の実施形態では、流体継手11がトルクコンバータである構成を例として説明したが、流体継手11がトルクの増幅機能を有さない流体継手(通常の流体継手)である構成とすることもできる。
(6)上記の実施形態では、制御装置31とは別に駆動力源制御装置40が備えられる構成を例として説明したが、駆動力源制御装置40が制御装置31に一体化された構成とすることも可能である。また、上記の実施形態で説明した制御装置31における機能部の割り当ては単なる一例であり、複数の機能部を組み合わせたり、1つの機能部を更に区分けしたりすることも可能である。
(7)その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎないと理解されるべきである。従って、当業者は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
4.上記実施形態の概要
以上で説明した実施形態は、以下の構成を備えている。
駆動力源(E)に駆動連結される入力部材(Eo)と車輪(6)に駆動連結される出力部材(O)とを結ぶ動力伝達経路に、前記入力部材(Eo)の側から順に、係合装置(12)を備える動力伝達装置(10)と、変速入力部材(I)と、複数の変速用係合装置(B1,B2,C1,C2,C3,F)を備える変速装置(TM)と、が設けられた車両用駆動装置(1)であって、前記変速装置(TM)は、前記変速用係合装置(B1,B2,C1,C2,C3,F)のそれぞれの係合の状態に応じて変速比の異なる複数の変速段を形成して、前記変速入力部材(I)の回転を前記変速段に応じた変速比で変速して前記出力部材(O)に伝達し、1つの前記変速段を形成するために係合される前記変速用係合装置の組み合わせの一部を構成する単数又は複数の前記変速用係合装置を特定係合装置(A)とし、前記駆動力源(E)から動力が出力されておらず、前記係合装置(12)が解放されていると共に複数の前記変速用係合装置の全てが解放されており、前記出力部材(O)が回転している状態をニュートラル走行状態として、前記ニュートラル走行状態で前記出力部材(O)の回転速度が低下している第一状況、又は前記第一状況を経て前記出力部材(O)の回転速度がゼロまで低下した後の第二状況において、前記出力部材(O)の回転速度が第一閾値(V1)以下であり、前記変速入力部材(I)の回転速度がゼロより大きく且つ第二閾値(V2)以下である場合に、いずれかの前記変速段の前記特定係合装置(A)が係合されると共に前記特定係合装置(A)以外の前記変速用係合装置が解放される。
このような構成によれば、第一状況又は第二状況において、出力部材(O)の回転速度が第一閾値(V1)以下であり、変速入力部材(I)の回転速度がゼロより大きく且つ第二閾値(V2)以下である場合に、いずれかの変速段の特定係合装置(A)が係合されると共に特定係合装置(A)以外の変速用係合装置が解放される。ここで、特定係合装置(A)は、1つの変速段を形成するために係合される変速用係合装置の組み合わせの一部を構成する変速用係合装置である。よって、特定係合装置(A)を係合させた状態に制御することで、駆動力源(E)と車輪(6)との間のトルクの伝達を実質的に遮断しつつ、特定係合装置(A)を係合させない場合に比べて、変速装置(TM)を介した駆動力源(E)のトルクの車輪(6)への伝達を開始する際のトルク伝達の応答性の向上を図ることができる。なぜなら、変速装置(TM)を介した駆動力源(E)のトルクの車輪(6)への伝達を開始する際には、特定係合装置(A)と共に1つの変速段を形成する残りの変速用係合装置を係合させるだけでよいからである。
そして、上記の構成によれば、特定係合装置(A)の係合は、出力部材(O)の回転速度が第一閾値(V1)以下であり、変速入力部材(I)の回転速度がゼロより大きく且つ第二閾値(V2)以下である場合に行われる。すなわち、変速装置(TM)に対して動力伝達経路の両側に分かれて配置される2つの回転部材である変速入力部材(I)及び出力部材(O)の双方の回転速度が低いことを条件に、特定係合装置(A)が係合される構成とすることができる。よって、出力部材(O)の回転速度が第一閾値(V1)以下であることのみを条件に特定係合装置(A)が係合される場合に比べて、特定係合装置(A)が係合される際の特定係合装置(A)の一対の係合部材間の回転速度差を小さくすることができる。この結果、駆動力源(E)の始動時における駆動力伝達の応答性の向上を図りつつ、特定係合装置(A)の係合時のショックを低減することが可能な車両用駆動装置(1)を実現することができる。
また、この実施形態では、前記動力伝達装置(10)は、流体継手(11)を備えると好適である。
この構成では、流体継手(11)の慣性モーメントは比較的大きいため、変速入力部材(I)と一体回転する回転部材の慣性モーメントが大きくなりやすい。よって、第一状況にて出力部材(O)の回転速度が低下している場合において、変速入力部材(I)の回転速度が低下する速度が遅くなりやすく、出力部材(O)の回転速度が第一閾値(V1)以下になった時点において変速入力部材(I)の回転速度が十分に低下していない状況が発生しやすくなる。この点に関して、上記のように、出力部材(O)の回転速度が第一閾値(V1)以下であり、変速入力部材(I)の回転速度がゼロより大きく且つ第二閾値(V2)以下である場合に、特定係合装置(A)が係合されるため、動力伝達装置(10)が流体継手(11)を備える場合においても、特定係合装置(A)の係合時のショックを許容範囲内となる程度に小さく抑えることが可能となる。
また、この実施形態では、回転電機(MG)を更に備え、前記駆動力源(E)が前記動力伝達装置(10)及び前記変速装置(TM)を介して駆動連結される前記車輪(6)を第一車輪(6a)として、前記回転電機(MG)は、前記第一車輪(6a)とは異なる第二車輪(6b)に駆動連結されていると好適である。
また、この実施形態では、前記動力伝達経路における前記変速装置(TM)と前記車輪(6)との間に回転電機(MG)を備えていると好適である。
これらの構成によれば、ニュートラル走行状態において、回転電機(MG)の駆動力を車輪(6)に伝達させて車両(5)を走行させることができると共に、車両(5)の慣性力により回転電機(MG)に発電させることもできる。また、ニュートラル走行状態において車両(5)が減速或いは停止した後に駆動力源(E)のトルクを車輪(6)に伝達させて車両(5)を加速或いは発進させる際には、上記のように、特定係合装置(A)が係合されることにより駆動力源(E)のトルクの車輪(6)への伝達を開始する際のトルク伝達の応答性の向上が図られているため、車両(5)が加速或いは発進するタイミングを早めて運転者のフィーリングを向上させることができる。
また、この実施形態では、前記第一閾値(V1)及び前記第二閾値(V2)は、前記特定係合装置(A)の係合時のショックが許容範囲内になるように設定されていると好適である。
この構成によれば、特定係合装置(A)の係合時のショックを許容範囲内となる程度に低減することが容易となる。
本開示に係る技術は、駆動力源に駆動連結される入力部材と車輪に駆動連結される出力部材とを結ぶ動力伝達経路に、入力部材の側から順に、係合装置を備える動力伝達装置と、変速入力部材と、複数の変速用係合装置を備える変速装置と、が設けられた車両用駆動装置に利用することができる。
1:車両用駆動装置
6:車輪
6a:第一車輪
6b:第二車輪
10:動力伝達装置
11:流体継手
12:係合装置
A:特定係合装置
B1:第一ブレーキ(変速用係合装置)
B2:第二ブレーキ(変速用係合装置)
C1:第一クラッチ(変速用係合装置)
C2:第二クラッチ(変速用係合装置)
C3:第三クラッチ(変速用係合装置)
E:駆動力源
Eo:入力部材
F:ワンウェイクラッチ(変速用係合装置)
I:変速入力部材
MG:別軸回転電機(回転電機)
O:変速出力部材(出力部材)
TM:変速装置
V1:第一閾値
V2:第二閾値

Claims (5)

  1. 駆動力源に駆動連結される入力部材と車輪に駆動連結される出力部材とを結ぶ動力伝達経路に、前記入力部材の側から順に、係合装置を備える動力伝達装置と、変速入力部材と、複数の変速用係合装置を備える変速装置と、が設けられた車両用駆動装置であって、
    前記変速装置は、前記変速用係合装置のそれぞれの係合の状態に応じて変速比の異なる複数の変速段を形成して、前記変速入力部材の回転を前記変速段に応じた変速比で変速して前記出力部材に伝達し、
    1つの前記変速段を形成するために係合される前記変速用係合装置の組み合わせの一部を構成する単数又は複数の前記変速用係合装置を特定係合装置とし、
    前記駆動力源から動力が出力されておらず、前記係合装置が解放されていると共に複数の前記変速用係合装置の全てが解放されており、前記出力部材が回転している状態をニュートラル走行状態として、
    前記ニュートラル走行状態で前記出力部材の回転速度が低下している第一状況、又は前記第一状況を経て前記出力部材の回転速度がゼロまで低下した後の第二状況において、前記出力部材の回転速度が第一閾値以下であり、前記変速入力部材の回転速度がゼロより大きく且つ第二閾値以下である場合に、いずれかの前記変速段の前記特定係合装置が係合されると共に前記特定係合装置以外の前記変速用係合装置が解放される車両用駆動装置。
  2. 前記動力伝達装置は、流体継手を備える請求項1に記載の車両用駆動装置。
  3. 回転電機を更に備え、
    前記駆動力源が前記動力伝達装置及び前記変速装置を介して駆動連結される前記車輪を第一車輪として、
    前記回転電機は、前記第一車輪とは異なる第二車輪に駆動連結されている請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。
  4. 前記動力伝達経路における前記変速装置と前記車輪との間に回転電機を備えている請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。
  5. 前記第一閾値及び前記第二閾値は、前記特定係合装置の係合時のショックが許容範囲内になるように設定されている請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
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