JP2005036934A - 車両用自動変速機の変速制御装置 - Google Patents
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Abstract
【目的】 ニュートラル状態から動力伝達状態へ切り替えられる際に最初に係合させられる一次摩擦係合要素が設けられた自動変速機の変速制御装置において、2速段で発進する場合であっても、変速ショックを抑制することができる変速制御装置を提供する。
【解決手段】 自動変速機をニュートラル状態から2速段が成立した状態へ切り替える場合に、第1クラッチC1の係合に続いて係合させる2つの摩擦係合要素である第4クラッチC4および第3クラッチB3を、順次、係合させる。これにより、ライン圧PLの低下を抑制することができるので、すでに係合させられている第1クラッチC1が解放させられることが防止できる。従って、2速段で発進する場合であっても、変速ショックが抑制される。
【選択図】 図7
【解決手段】 自動変速機をニュートラル状態から2速段が成立した状態へ切り替える場合に、第1クラッチC1の係合に続いて係合させる2つの摩擦係合要素である第4クラッチC4および第3クラッチB3を、順次、係合させる。これにより、ライン圧PLの低下を抑制することができるので、すでに係合させられている第1クラッチC1が解放させられることが防止できる。従って、2速段で発進する場合であっても、変速ショックが抑制される。
【選択図】 図7
Description
本発明は、車両用自動変速機の変速制御装置に関し、特に、自動変速機を、ニュートラル状態(すなわち動力伝達経路が切断された状態)から所定の前進段へ切り替える際の変速制御装置の制御に関する。
シフトレバーがニュートラルポジションからDポジションに切り替えられると、自動変速機は、所定の摩擦係合要素が係合させられることにより、ニュートラル状態から動力伝達状態へと切り替えられる。シフトレバーがニュートラルポジションからDポジションに切り替えられる場合、通常、1速段が成立させられる。そして、自動変速機のニュートラル状態から1速段への切替は、フォワードクラッチと呼ばれる一つの摩擦係合要素のみが締結させられることにより行われることが多い(たとえば、特許文献1参照)。
ニュートラル状態から1速段へ切り替えられる際に係合させられる摩擦係合要素が一つのみである場合、その摩擦係合要素には大きなトルク容量が必要とされるので、切り替えの際に生じるショックが比較的大きい。そこで、ニュートラル状態から1速段に切り替える際に係合させる摩擦係合要素を複数とするとともに、その複数の摩擦係合要素を順次係合させるようにし、且つ、ニュートラル状態から動力伝達状態とするために最初に係合させる一次摩擦係合要素に、比較的トルク感度の低いものを用いることにより、ニュートラル状態から1速段への切替の際に生じるショックの軽減を図った自動変速機が提案されている。かかる自動変速機の変速制御装置において、ニュートラル状態から一次摩擦係合要素を係合させて動力伝達状態とするまでの制御をN−D制御と呼び、上記一次摩擦係合要素をN−D制御用クラッチと呼ぶこともある。
ところで、車両発進は通常は1速段が成立させられている状態で行われるが、運転者の操作によりスノーモードが選択されている場合など、路面が滑りやすい場合には2速段が成立させられている状態で発進が行われる場合がある。2速段を成立させるには、通常、1速段よりも多くの摩擦係合要素を係合させる必要があるので、一次摩擦係合要素が設けられた自動変速機において2速発進をしようとすると、一次摩擦係合要素の係合後に、さらに複数の摩擦係合要素を係合させる必要がある。
摩擦係合要素は、エンジンと作動的に連結されているオイルポンプによって発生させられる油圧を元圧として係合させられるが、NポジションからDポジションへ切り替えられた状態ではエンジン回転速度が低いので、オイルポンプの吐出能力が低い。このオイルポンプの吐出能力が低い状態で、2速段を成立させるために、複数の摩擦係合要素を同時に係合させようと、それら複数の摩擦係合要素に同時に作動油を供給すると、元圧であるライン圧が一時的に低下する可能性がある。そして、ライン圧が一時的に低下すると、すでに係合させられていた一次摩擦係合要素が解放され、次いで再係合させられ、その再係合によりショックが発生してしまう可能性がある。
図8は、その状態を説明するタイムチャートである。図8において、PLは元圧であるライン圧、第1クラッチ圧PC1は一次摩擦係合要素である第1クラッチC1の係合圧、第4クラッチ圧PC4は二次摩擦係合要素の一つである第4クラッチC4の係合圧、第3ブレーキ圧PB3は二次摩擦係合要素の一つである第3ブレーキB3の係合圧である。図8に示すように、t1時点からt2時点にかけて第1クラッチ圧PC1が上昇させられることにより、第1クラッチC1が係合させられて、それに伴いタービン回転速度NTは0となるが、t2時点から、第4クラッチ圧PC4および第3ブレーキ圧PB3が同時に上昇させられると、t3時点に示すように、ライン圧PLおよびそのライン圧PLと等しい第1クラッチ圧PC1が一時的に低下して、第1クラッチC1が解放させられ、それによりタービン回転速度NTは上昇してしまう。そして、t4時点において、ライン圧PLおよび第1クラッチ圧PC1が通常の圧力に復帰すると、第1クラッチC1が再係合し、タービン回転速度NTは再び0となる。この第1クラッチC1の再係合により、ショックが生じてしまう可能性があるのである。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、ニュートラル状態から動力伝達状態へ切り替えられる際に最初に係合させられる一次摩擦係合要素が設けられた自動変速機の変速制御装置において、第1速段よりも高速段の変速段で発進する場合であっても、変速ショックを抑制することができる変速制御装置を提供することにある。
前記目的を達成するための第1発明は、ニュートラル状態から動力伝達状態へ切り替えられる際に最初に係合させられる一次摩擦係合要素を備え、第1速段よりも高速段の変速段では、その一次摩擦係合要素に加えて、その第1速段よりも多い、少なくとも2つの二次摩擦係合要素が係合させられる車両用自動変速機を、制御する変速制御装置であって、エンジンに作動的に連結されているオイルポンプを元圧として、前記自動変速機に備えられた複数の摩擦係合装置に供給する油圧をそれぞれ制御する複数の油圧制御弁と、その複数の油圧制御弁の開閉状態を制御する制御弁制御手段とを備え、その制御弁制御手段は、前記自動変速機をニュートラル状態から第1速段よりも高速段が成立した状態へ切り替える場合には、前記一次摩擦係合要素の係合に続いて、前記複数の二次摩擦係合要素を順次係合させることを特徴とする。
第1発明において、第1速段よりも高速段において係合させられる前記少なくとも2つの二次摩擦係合要素は、第1速段においても係合させられる第1摩擦係合要素と、第1速段では係合させられない第2摩擦係合要素とを含み、前記制御弁制御手段は、前記自動変速機をニュートラル状態から第1速段よりも高速段が成立した状態へ切り替える場合には、前記一次摩擦係合要素の係合に続いて、前記二次摩擦係合要素を、前記第1摩擦係合要素、前記第2摩擦係合要素の順に係合させることを特徴とする。
また、第3発明は、第1発明または第2発明において、前記制御弁制御手段は、前記自動変速機をニュートラル状態から第1速段よりも高速段が成立した状態へ切り替える場合であっても、前記オイルポンプの吐出量が予め設定された基準吐出量以上である場合には、前記二次摩擦係合要素の係合制御を同時に開始することを特徴とする。
第1発明、第2発明のように、一次摩擦係合要素の係合に続く複数の二次摩擦係合要素の係合を順次行えば、エンジンの回転速度が低いためにオイルポンプの吐出能力が低い状態であっても、二次摩擦係合要素の係合時に元圧の低下を抑制することができるので、すでに係合させられている一次摩擦係合要素が解放させられることが防止できる。従って、第1速段よりも高速段の変速段で発進する場合であっても、変速ショックが抑制される。
また、第3発明のようにすれば、複数の二次摩擦係合要素を同時に係合させても変速ショックが生じない場合には、速やかに変速が完了する利点がある。
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例である車両用自動変速機の変速制御装置が適用された駆動力伝達装置10の構成を説明する骨子図である。この図1において、走行用駆動力源であるエンジン12の出力は、流体式動力伝達装置であるトルクコンバータ14を介して自動変速機16に入力され、図示しない差動歯車装置及び車軸を介して駆動輪へ伝達されるようになっている。
上記エンジン12は、気筒内噴射される燃料の燃焼によって駆動力を発生させるガソリンエンジン等の内燃機関である。トルクコンバータ14は、上記エンジン12のクランク軸18に連結されたポンプ翼車22と、上記自動変速機16の入力軸20に連結されたタービン翼車24と、一方向クラッチ28によって上記自動変速機16のハウジング38に対する一方向の回転が阻止されているステータ翼車26とを備えており、上記ポンプ翼車22とタービン翼車24との間で流体を介して動力伝達を行う。また、上記ポンプ翼車22及びタービン翼車24の間には、それらを直結するためのロックアップクラッチ30が設けられている。
また、上記ポンプ翼車22には、自動変速機16を変速制御したり、各部に潤滑油を供給したりするための油圧を発生する機械式のオイルポンプ31が設けられている。
前記自動変速機16は、ダブルピニオン型の第1遊星歯車装置32と、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置34及び第3遊星歯車装置36とを備えている遊星歯車式の変速機で、上記第1遊星歯車装置32のサンギヤS1は、第3クラッチC3を介して上記入力軸20に選択的に連結されると共に、一方向クラッチF2及び第3ブレーキB3を介してハウジング38に選択的に連結され、上記入力軸20と反対方向の回転が阻止されるようになっている。上記第1遊星歯車装置32のキャリアCA1は、第1ブレーキB1を介して上記ハウジング38に選択的に連結されると共に、その第1ブレーキB1と並列に設けられた一方向クラッチF1により常に逆方向の回転が阻止されるようになっている。上記第1遊星歯車装置32のリングギヤR1は、上記第2遊星歯車装置34のリングギヤR2と一体的に連結されており、第2ブレーキB2を介して上記ハウジング38に選択的に連結されるようになっている。上記第2遊星歯車装置34のサンギヤS2は、上記第3遊星歯車装置36のサンギヤS3と一体的に連結されており、第4クラッチC4を介して上記入力軸20に選択的に連結されると共に、一方向クラッチF0及び第1クラッチC1を介して上記入力軸20に選択的に連結され、その入力軸20と反対方向の回転が阻止されるようになっている。上記第2遊星歯車装置34のキャリアCA2は、上記第3遊星歯車装置36のリングギヤR3と一体的に連結されており、第2クラッチC2を介して上記入力軸20に選択的に連結されると共に、第4ブレーキB4を介して上記ハウジング38に選択的に連結されるようになっており、更に第4ブレーキB4と並列に設けられた一方向クラッチF3により常に逆方向の回転が阻止されるようになっている。そして、上記第3遊星歯車装置36のキャリアCA3は、出力軸40に一体的に連結されている。
図2は、前記自動変速機16の各変速段を成立させるためのクラッチ及びブレーキの係合作動を説明する係合表であり、「○」は係合を、空欄は解放を、「△」はエンジンブレーキ時の係合をそれぞれ表している。前記自動変速機16に備えられた第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3、及び第4ブレーキB4は、何れも多板式のクラッチやブレーキ等、油圧アクチュエータによって係合制御される油圧式摩擦係合装置である。
図3は、前記エンジン12及び自動変速機16等を制御するために車両に設けられた制御系統を説明するブロック線図である。
運転者により踏み込み操作されるアクセルペダル42の操作量(踏込量)であるアクセル開度ACCはアクセル開度センサ44により検出される。前記エンジン12の吸気配管には、スロットルアクチュエータ46により制御されることでそのエンジン12のアイドル回転速度NEIDLを制御すると共に、アクセル開度ACCに応じた開き角すなわちスロットル開度θとされる電子スロットル弁48が設けられている。また、前記エンジン12の回転速度NE を検出するためのエンジン回転速度センサ50、そのエンジン12の吸入空気量Qを検出するための吸入空気量センサ52、吸入空気温度TA を検出するための吸入空気温度センサ54、上記電子スロットル弁48の全閉状態(アイドル状態)及びそのスロットル開度θを検出するためのアイドルスイッチ付スロットルセンサ56、前記出力軸40の回転速度NOUT に対応する車速Vを検出するための車速センサ58、前記エンジン12の冷却水温TW を検出するための冷却水温センサ60、常用ブレーキである図示しないフットブレーキの操作の有無を検出するためのブレーキスイッチ62、シフトレバー78のレバーポジション(操作位置)PSHを検出するためのレバーポジションセンサ64、前記入力軸20の回転速度NINに対応するタービン回転速度NT を検出するためのタービン回転速度センサ66、油圧制御回路82内の作動油の温度であるAT油温TOIL を検出するためのAT油温センサ68、アップシフトスイッチ70、及びダウンシフトスイッチ72等が設けられており、それらのセンサやスイッチから、エンジン回転速度NE 、吸入空気量Q、吸入空気温度TA 、スロットル開度θ、車速V、エンジン冷却水温TW 、ブレーキ操作の有無、シフトレバー78のレバーポジションPSH、タービン回転速度NT 、AT油温TOIL 、変速レンジのアップ指令RUP、及びダウン指令RDN等を表す信号が電子制御装置80に供給されるようになっている。また、電子制御装置80は、フットブレーキの操作時に車輪がロック(スリップ)しないようにブレーキ力を制御するABS(アンチロックブレーキシステム)74に接続されており、ブレーキ力に対応するブレーキ油圧等に関する情報が供給され、また、スノーモードスイッチ76からスノーモードが選択されているか否かを表す信号が供給される。
上記電子制御装置80は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、前記エンジン12の出力制御を実行するとともに、制御弁制御手段90としても機能し、油圧制御回路82を制御して自動変速機16の変速制御を実行する。例えば、前記エンジン12の出力制御では、上記スロットルアクチュエータ46により電子スロットル弁48を開閉制御する他、燃料噴射量制御のために燃料噴射弁84を制御し、点火時期制御のためにイグナイタ等の点火装置86を制御する。電子スロットル弁48の制御では、予め定められた関係から実際のアクセル開度ACCに基づいて上記スロットルアクチュエータ48を駆動し、そのアクセル開度ACCが大きいほどスロットル開度θを増加させる。また、前記エンジン12の始動時には、スタータ(電動モータ)88によりそのエンジン12のクランク軸18をクランキングする。
上記油圧制御回路82は、油圧制御弁であるソレノイド弁Sol1乃至Sol5、リニアソレノイド弁SL1、SL2、SLU、SLTを備えている。これらソレノイド弁Sol1乃至Sol5、リニアソレノイド弁SL1、SL2、SLU、SLTは、オイルポンプ31により発生させられるライン圧PLを共通の元圧として作動させられる。ソレノイド弁Sol1乃至Sol5、およびリニアソレノイド弁SL1、SL2は変速用であり、リニアソレノイド弁SLUは、主に前記ロックアップクラッチ30の係合・解放に関与し、リニアソレノイド弁SLTは、主にライン油圧を制御する。なお、この油圧制御回路82内の作動油は、前記ロックアップクラッチ26へも供給され、また、前記自動変速機16等の各部の潤滑にも使用される。
図4は、上記電子制御装置80の制御弁制御機能(すなわち制御弁制御手段90)の一部であって、自動変速機16をニュートラル状態から所定の前進段を成立させる機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図4に示すように、制御弁制御手段90は、N−D制御手段92、変速段決定手段94、1速段制御手段96、ポンプ吐出量判定手段98、および2速段制御手段100を備えている。
N−D制御手段92は、レバーポジションセンサ64からの信号に基づいて、シフトレバー78がNポジションからDポジションへシフトさせられたと判定した場合に、油圧制御回路82のリニアソレノイド弁SL1を制御して、第1クラッチC1の係合圧である第1クラッチ圧PC1を滑らかに上昇させて、一次摩擦係合要素である第1クラッチC1を滑らかに係合させる。この制御をN−D制御といい、N−D制御により、自動変速機16はニュートラル状態から動力伝達状態へと切り替えられる。
変速段決定手段94は、N−D制御が実行された場合に、N−D制御終了後に成立させる変速段を決定する。たとえば、変速段決定手段94は、スノーモードスイッチ76からの信号に基づいて、スノーモードが選択されているか否かを判断し、スノーモードが選択されていない場合には1速段を成立させると決定し、スノーモードが選択されている場合には2速段を成立させると決定する。
1速段制御手段96は、変速段決定手段94により1速段を成立させると決定された場合に、油圧制御回路82を制御して、二次摩擦係合要素のうちの第1摩擦係合要素である第4クラッチC4を係合させて1速段を成立させる。
ポンプ吐出量判定手段98は、オイルポンプ31の吐出量が、複数の摩擦係合要素に作動油を供給してもライン圧PLが低下しないほどに十分に高い値に設定された基準吐出量以上であるか否かを判定する。オイルポンプ31はエンジン12と作動的に連結されているので、オイルポンプ31の吐出量はエンジン回転速度NEに依存し、また、エンジン回転速度NEは、エンジン回転速度センサ50から供給される信号に基づいて直接的、或いは、スロットルセンサ56から供給される信号に基づいて間接的に判断することができる。従って、ポンプ吐出量判定手段98は、エンジン回転速度センサ50から供給される信号が表すエンジン回転速度NEが、上記基準吐出量に対応して設定された基準回転速度THEよりも大きいか否か、および/または、スロットルセンサ56から供給される信号が表すスロットル開度θが、上記基準吐出量に対応して設定された基準スロットル開度THθよりも大きいか否かを判定することにより、オイルポンプ31の吐出量が十分であるか否かを判定する。
2速段制御手段100は、変速段判定手段94により2速段を成立させると決定された場合に、油圧制御回路82を制御して、二次摩擦係合要素のうちの第1摩擦係合要素である第4クラッチC4および二次摩擦係合要素のうちの第2摩擦係合要素である第3ブレーキB3を係合させることにより2速段を成立させるが、ポンプ吐出量判定手段98によりオイルポンプ31の吐出量が基準吐出量以上であると判定されている場合には、第4クラッチC4および第3ブレーキB3の係合制御を同時に開始し、オイルポンプ31の吐出量が基準吐出量よりも少ないと判定されている場合には、第4クラッチC4、第3ブレーキB3を順次係合させる。
図5は、図4に示した電子制御装置80の制御弁制御機能を説明するフローチャートであり、自動変速機16がニュートラル状態の場合に、数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行するようになっている。また、図6および図7は、図5のフローチャートに従って制御される第1クラッチ圧PC1、第4クラッチ圧PC4および第3ブレーキ圧PB3の変化を示す図であり、図6は1速段が成立させられる場合を示し、図7は2速段が成立させられる場合を示す。なお、それら第1クラッチ圧PC1、第4クラッチ圧PC4および第3ブレーキ圧PB3は、それぞれ、第1クラッチC1、第4クラッチC4および第3ブレーキB3の係合圧である。
まず、N−D制御手段92に相当するステップ(以下、ステップを省略する)S1乃至S3を実行する。そのS1では、シフトレバー78がNポジションからDポジションへシフトさせられたか否かを、レバーポジションセンサ64からの信号に基づいて判断する。
このS1の判断が否定された場合には本ルーチンを終了するが、肯定された場合には、S2において、油圧制御回路82のリニアソレノイド弁SL1を予め設定されたパターンに従って制御して、第1クラッチ圧PC1を滑らかに上昇させる。図6、図7のt1時点は、S1の判断が肯定された時点を示す。
続くS3では、N−D制御が終了したか否か、すなわち、第1クラッチPC1の係合作動が完了したか否かを、第1クラッチ圧PC1がその元圧であるライン圧PLと同じ圧力まで上昇したか否かに基づいて判断する。この判断が否定された場合には、このS3を繰り返し実行することにより、第1クラッチPC1の係合が完了するまで待機する。
図6、図7のt2時点になるとS3の判断が肯定され、この場合には、続いて、変速段決定手段94に相当するS4乃至S5を実行する。S4では、1速発進の条件が成立しているか否かを判断し、この判断が否定された場合には、S5において2速発進の条件が成立しているか否かを判断する。たとえば、スノーモードスイッチ76からスノーモードが選択されていないことを示す信号(すなわち、ノーマルモードが選択されていることを示す信号)が供給されている場合には、S4の判断が肯定され、スノーモードスイッチ76からスノーモードが選択されていることを示す信号が供給されている場合には、S5の判断が肯定される。そして、いずれの判断も否定された場合には、S4以下を繰り返し実行する。
S4の判断が肯定された場合には、1速段制御手段96に相当するS6において、油圧制御回路82を制御して、図6のt2時点に示すように、第4クラッチ圧PC4を上昇させ、第4クラッチC4を係合させる。
一方、S5の判断が肯定された場合には、ポンプ吐出量判定手段98に相当するS7において、エンジン回転速度速度センサ50から供給される信号が表すエンジン回転速度NEが予め設定された基準回転速度THEよりも大きいか、または、スロットルセンサ56から供給される信号が表すスロットル開度θが予め設定された基準スロットル開度THθよりも大きいか否かを判断する。
このS7の判断が肯定された場合には、オイルポンプ31の吐出量が十分に多い場合であるので、続くS8において、油圧制御回路82を制御して、第4クラッチC4および第3ブレーキB3に同時に油圧を供給する。
一方、S7の判断が否定された場合には、S9においてタイマTの計時を開始する。そして、S10において、油圧制御回路82を制御して、図7のt2時点に示すように、第4クラッチ圧PC4を上昇させ、第4クラッチC4を係合させる。そして、続くS11において、タイマTが予め設定された遅延時間Tdを超えたか否かを判断する。この遅延時間Tdは、第4クラッチC4の係合に要する時間またはそれよりもやや長い時間として予め設定されている。
S11の判断が否定された場合には、このS11を繰り返し実行することにより待機するが、肯定された場合には、S12において、油圧制御回路82を制御して、図7のt3時点に示すように、第3ブレーキ圧PB3を上昇させ、第3ブレーキB3を係合させる。
上述の本実施例のように、第1クラッチC1の係合に続く第4クラッチC4および第3ブレーキB3の係合を順次行えば、エンジン12の回転速度NEが低いためにオイルポンプ31の吐出能力が低い状態であっても、第4クラッチC4および第3ブレーキB3の係合時にライン圧PLの低下を抑制することができるので、すでに係合させられている第1クラッチC1が解放させられることが防止できる。従って、2速段で発進する場合であっても、変速ショックが抑制される。
また、上述の実施例によれば、オイルポンプ31の吐出量が十分に多く、第4クラッチC4および第3ブレーキB3を同時に係合させても変速ショックが生じない場合には、速やかに変速が完了する利点がある。
以上、本発明の一実施例を説明したが、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
たとえば、前述の実施例のN−D制御手段92では、第1クラッチC1のみを係合させることにより、自動変速機16をニュートラル状態から動力伝達状態へと切り替えていたが、N−D制御時に、第1クラッチC1に加えて、他の摩擦係合要素(たとえば、ブレーキB2)が係合させられるようになっていてもよい。
また、前述の実施例では、第4クラッチC4が完全に係合させられた後に、第3ブレーキB3への油圧の供給を開始していたが、第4クラッチC4と第3ブレーキB3への油圧供給開始時が異なっていれば、ライン圧PLの低下を抑制することができるので、第4クラッチC4が完全に係合させられる前に、第3ブレーキB3への油圧の供給を開始してもよい。
また、前述の実施例では、発進時の変速段は、スノーモードスイッチ76からの信号に基づいて決定していたが、それに加えて、またはそれに代えて、差動制限装置からの信号に基づいて発進時の変速段を決定するようになっていてもよい。
16:自動変速機
31:オイルポンプ
90:制御弁制御手段
92:N−D制御手段
94:変速段決定手段
96:1速段制御手段
98:ポンプ吐出量判定手段
100:2速段制御手段
31:オイルポンプ
90:制御弁制御手段
92:N−D制御手段
94:変速段決定手段
96:1速段制御手段
98:ポンプ吐出量判定手段
100:2速段制御手段
Claims (3)
- ニュートラル状態から動力伝達状態へ切り替えられる際に最初に係合させられる一次摩擦係合要素を備え、第1速段よりも高速段の変速段では、該一次摩擦係合要素に加えて、該第1速段よりも多い、少なくとも2つの二次摩擦係合要素が係合させられる車両用自動変速機を、制御する変速制御装置であって、
エンジンに作動的に連結されているオイルポンプを元圧として、前記自動変速機に備えられた複数の摩擦係合装置に供給する油圧をそれぞれ制御する複数の油圧制御弁と、
該複数の油圧制御弁の開閉状態を制御する制御弁制御手段とを備え、
該制御弁制御手段は、前記自動変速機をニュートラル状態から第1速段よりも高速段が成立した状態へ切り替える場合には、前記一次摩擦係合要素の係合に続いて、前記複数の二次摩擦係合要素を順次係合させることを特徴とする車両用自動変速機の変速制御装置。 - 請求項1に記載の車両用自動変速機の変速制御装置であって、
第1速段よりも高速段において係合させられる前記少なくとも2つの二次摩擦係合要素は、第1速段においても係合させられる第1摩擦係合要素と、第1速段では係合させられない第2摩擦係合要素とを含み、
前記制御弁制御手段は、前記自動変速機をニュートラル状態から第1速段よりも高速段が成立した状態へ切り替える場合には、前記一次摩擦係合要素の係合に続いて、前記二次摩擦係合要素を、前記第1摩擦係合要素、前記第2摩擦係合要素の順に係合させることを特徴とする車両用自動変速機の制御装置。 - 前記制御弁制御手段は、前記自動変速機をニュートラル状態から第1速段よりも高速段が成立した状態へ切り替える場合であっても、前記オイルポンプの吐出量が予め設定された基準吐出量以上である場合には、前記二次摩擦係合要素の係合制御を同時に開始することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用自動変速機の変速制御装置。
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