JP2013032793A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワンウェイクラッチを廃止して変速ショックを回避することができる自動変速機の制御装置を提供すること。
【解決手段】ダウンシフトし、かつ、車両が減速しているときに発生するコーストダウンが、流体伝動装置20の入力軸21の回転数が出力軸22の回転数よりも大きい駆動状態で実行され、変速制御装置7は、コーストダウンの実行時に、流体伝動装置20の出力軸22の回転数が目標回転数となるように、第2摩擦係合要素B1をフィードバック制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動変速機の変速制御装置に関する。
車両用の自動変速機には、車両の状態(例えば、車速、アクセル開度等)に応じて、自動変速機におけるギヤトレーンに設けられた複数の摩擦係合要素(クラッチ、ブレーキ)を選択的に係合・解放させることで変速を行うものがある。このような自動変速機では、アクセルペダルが踏み込まれていない状態での減速惰行中のダウンシフト変速(コーストダウン変速)では、エンジンブレーキ力による変速ショックが発生する可能性がある。このような変速ショックを解消するために、自動変速機において所定の摩擦係合要素(例えば、B2ブレーキ)と並列に一方向クラッチ(ワンウェイクラッチ)を設けて円滑な変速を行うようにしているものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−99318号公報
ところが、ワンウェイクラッチは高価であるので、ワンウェイクラッチを廃止して変速ショックを回避することが望まれる。ワンウェイクラッチを廃止した場合、コーストダウン変速を行う際に摩擦係合要素の係合・解放の切替を行うと、変速機入力トルクが負である逆駆動状態(トルクコンバータの出力軸の回転数が入力軸の回転数よりも大きい状態)での変速によって慣性トルクが生じ、変速ショックが生じてしまうことがある。
本発明の主な課題は、ワンウェイクラッチを廃止して変速ショックを回避することができる自動変速機の制御装置を提供することである。
本発明の一視点においては、入力軸および出力軸を備えた流体伝動装置を介して入力された動力源の回転動力を変速して駆動輪に出力する自動変速機の変速制御装置において、前記変速制御装置は、前記自動変速機に備えられた複数の摩擦係合要素を選択的に係合、解放することによって前記動力源の回転動力を変速し、前記自動変速機は、ダウンシフトする際に前記複数の摩擦係合要素のうち、第1摩擦係合要素と第2摩擦係合要素がそれぞれ係合状態となることにより構成される第1変速段と、前記第2摩擦係合要素を解放し第3摩擦係合要素を係合することにより、前記第1摩擦係合要素と前記第3摩擦係合要素がそれぞれ係合状態となることにより構成される第2変速段とを備え、ダウンシフトし、かつ、車両が減速しているときに発生するコーストダウンが、前記流体伝動装置の前記入力軸の回転数が前記出力軸の回転数よりも大きい駆動状態で実行され、前記変速制御装置は、前記コーストダウンの実行時に、前記流体伝動装置の前記出力軸の回転数が目標回転数となるように、前記第2摩擦係合要素をフィードバック制御することを特徴とする。
本発明の前記自動変速機の変速制御装置において、前記自動変速機は、入力軸および出力軸を備え、前記流体伝動装置の前記出力軸の回転数に対する前記自動変速機の前記出力軸の回転数の比の値が、所定の範囲内の値に存在するとき、前記第2摩擦係合要素のフィードバック制御を終了することが好ましい。
本発明の前記自動変速機の変速制御装置において、前記自動変速機は、入力軸および出力軸を備え、前記流体伝動装置の前記出力軸の回転数に対する前記自動変速機の前記出力軸の回転数の比の値が、前記第1変速段のギヤ比を乗算した値よりも所定値以上大きくなったとき、前記第2摩擦係合要素のフィードバック制御を開始することが好ましい。
本発明の前記自動変速機の変速制御装置において、前記自動変速機は、入力軸および出力軸を備え、前記コーストダウンの実行中に、前記流体伝動装置の前記出力軸の回転数に対する前記自動変速機の前記出力軸の回転数の比の値が、所定の範囲内の値に存在するとき、前記第3摩擦係合要素の係合を開始することが好ましい。
本発明の前記自動変速機の変速制御装置において、前記自動変速機は、入力軸および出力軸を備え、前記コーストダウンの実行中に、前記流体伝動装置の前記出力軸の回転数の単位時間の変化量に所定の時間を乗算した値を現在の前記流体伝動装置の前記出力軸の回転数に加算した値が、現在の前記自動変速機の前記出力軸の回転数に前記第2変速段のギヤ比を乗算した値よりも大きくなる場合、前記第3摩擦係合要素の係合を開始することが好ましい。
本発明の前記自動変速機の変速制御装置において、前記流体伝送装置の滑りによって、前記流体伝動装置の前記出力軸の回転数が前記流体伝動装置の前記入力軸の回転数より小さくなるように設定された変速点を用いて、前記駆動状態において前記コーストダウンが実行されることが好ましい。
本発明の前記自動変速機の変速制御装置において、前記コーストダウンの実行中に、運転者の操作に依らず前記動力源の出力が増大するように、前記変速制御装置が前記動力源の制御装置に指令することが好ましい。
本発明の前記自動変速機の変速制御装置において、前記自動変速機は、入力軸および出力軸を備え、前記コーストダウンの実行中に、前記流体伝動装置の前記出力軸の回転数に対する前記自動変速機の前記出力軸の回転数の比の値が、所定の範囲内の値に存在するとき、運転者の操作に依らず前記動力源の出力が減少するように、前記変速制御装置が前記動力源の制御装置に指令することが好ましい。
本発明によれば、コーストダウン変速する際、流体伝動装置の入力軸の回転数が出力軸の回転数よりも大きい駆動状態で摩擦係合要素の係合・解放の切替を行うことで、流体伝動装置の出力軸の回転数が入力軸の回転数よりも大きい逆駆動状態での変速が回避でき、慣性トルクの発生を回避できるので、変速ショックを防止することができる。
本発明の実施例1に係る自動変速機の変速制御装置を含む車両の構成を模式的に示したブロック図である。 本発明の実施例1に係る自動変速機の変速制御装置によって制御される自動変速機の構成を模式的に示したスケルトン図である。 本発明の実施例1に係る自動変速機の変速制御装置によって制御される自動変速機の第1〜第3摩擦クラッチC1〜C3、第1〜第2摩擦ブレーキB1〜B2の係合・非係合と、それに対応する変速段との関係を示す一覧図である。 本発明の実施例1に係る自動変速機の変速制御装置における変速線の一例を模式的に示した図である。 本発明の実施例1に係る自動変速機の変速制御装置の動作を模式的に示したフローチャート図である。 本発明の実施例1に係る自動変速機の変速制御装置を含む車両の動作を模式的に示したタイムチャート図である。 本発明の実施例2に係る自動変速機の変速制御装置の動作を模式的に示したフローチャート図である。 本発明の実施例2に係る自動変速機の変速制御装置を含む車両の動作を模式的に示したタイムチャート図である。 本発明の実施例2に係る自動変速機の変速制御装置を含む車両のアクセル開度0%時の入力軸回転速度と変速機入力トルクとの関係を模式的に示したグラフである。
本発明の実施形態に係る自動変速機の制御装置では、入力軸(図2の21)および出力軸(図2の22)を備えた流体伝動装置(図2の20)を介して入力された動力源(図1の1)の回転動力を変速して駆動輪(図1の4、5)に出力する自動変速機(図1、図2の20)の変速制御装置(図1の7)において、前記変速制御装置は、前記自動変速機に備えられた複数の摩擦係合要素(図2のC1〜C3、B1、B2)を選択的に係合、解放することによって前記動力源の回転動力を変速し、前記自動変速機は、ダウンシフトする際に前記複数の摩擦係合要素のうち、第1摩擦係合要素(図2のC1)と第2摩擦係合要素(図2のB1)がそれぞれ係合状態となることにより構成される第1変速段(図3の2速)と、前記第2摩擦係合要素を解放し第3摩擦係合要素(図2のB2)を係合することにより、前記第1摩擦係合要素と前記第3摩擦係合要素がそれぞれ係合状態となることにより構成される第2変速段(図3の1速)とを備え、ダウンシフトし、かつ、車両が減速しているときに発生するコーストダウンが、前記流体伝動装置の前記入力軸の回転数が前記出力軸の回転数よりも大きい駆動状態で実行され、前記変速制御装置は、前記コーストダウンの実行時に、前記流体伝動装置の前記出力軸の回転数が目標回転数となるように、前記第2摩擦係合要素をフィードバック制御する。
なお、本出願において図面参照符号を付している場合は、それらは、専ら理解を助けるためのものであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。
本発明の実施例1に係る自動変速機の制御装置を含む車両について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施例1に係る自動変速機の変速制御装置を含む車両の構成を模式的に示したブロック図である。図2は、本発明の実施例1に係る自動変速機の変速制御装置によって制御される自動変速機の構成を模式的に示したスケルトン図である。図3は、本発明の実施例1に係る自動変速機の変速制御装置によって制御される自動変速機の第1〜第3摩擦クラッチC1〜C3、第1〜第2摩擦ブレーキB1〜B2の係合・非係合と、それに対応する変速段との関係を示す一覧図である。図4は、本発明の実施例1に係る自動変速機の変速制御装置における変速線の一例を模式的に示した図である。
図1を参照すると、自動変速機の変速制御装置を含む車両は、エンジン1と車輪4、5との間の動力伝達経路に自動変速機2及びデファレンシャルギヤ3が設けられている。車両は、エンジン1と、自動変速機2と、デファレンシャルギヤ3と、車輪4、5と、 エンジン制御装置6と、変速機制御装置7と、油圧回路8と、アクセル開度センサ11と、シフトポジションセンサ12と、車速センサ12と、エンジン回転センサ14と、入力軸回転センサ15と、出力軸回転センサ16と、を有する。なお、図1では、エンジン1のみを動力源とする車両を示しているが、エンジンとモータを動力源とするハイブリッド車両や、モータのみを動力源とする電気自動車に適用してもよい。
エンジン1は、シリンダー内で燃料を爆発燃焼させ、その熱エネルギによって回転動力を出力する内燃機関(動力源)であり、燃料の噴出量を調整するインジェクタアクチュエータ(図示せず)、燃料の点火時期を調整するイグナイタアクチュエータ(図示せず)等を有する。エンジン1の回転動力は、クランクシャフト1aを介して自動変速機2に伝達される。エンジン1は、エンジン制御装置(図示せず)に通信可能に接続されており、エンジン制御装置6によって制御される。
自動変速機2は、エンジン1から出力された回転動力を変速してデファレンシャルギヤ3に伝達する機構である(図1参照)。自動変速機2は、例えば、エンジン1から出力された回転動力が、トルクコンバータ20を介して変速機26に入力され、当該変速機26で変速してデファレンシャルギヤ(図1の3)に出力する(図2参照)。自動変速機2は、トルクコンバータ20におけるポンプインペラ21とタービンランナ22とを断接可能に係合させるロックアップクラッチLUや、変速機26におけるプラネタリギヤG1、G2、G3の所定の回転要素間を断接可能に係合させるクラッチC1、C2、C3や、変速機26におけるプラネタリギヤG1、G2、G3の所定の回転要素の回転を止めるブレーキB1、B2を有し、当該クラッチLU、C1、C2、C3や当該ブレーキB1、B2を油圧操作する油圧回路8と油路を通じて接続されている。
ここで、トルクコンバータ20は、流体の力学的作用を利用して、クランクシャフト1aからの回転動力が入力される入力軸と一体に回転するポンプインペラ21と、入力軸2aに向けて回転動力を出力する出力軸と一体に回転するタービンランナ22との回転差によりトルクの増幅作用を発生させる流体伝動装置である。トルクコンバータ20は、エンジン1のクランクシャフト1aと変速機26の入力軸2aとの間の動力伝達経路上に配設されている。トルクコンバータ20は、ポンプインペラ21と、タービンランナ22と、ステータ23と、ワンウェイクラッチ24と、ハウジング25と、ロックアップクラッチLUと、を有する。
ポンプインペラ21は、回転することによりタービンランナ22に向けてオイルを送り出す羽根車であり、エンジン1のクランクシャフト1aと一体に回転する。
タービンランナ22は、ポンプインペラ21から送り出されたオイルを受けて回転する羽根車である。タービンランナ22は、変速機26の入力軸2aと一体に回転する。タービンランナ22は、ポンプインペラ21と相対回転可能であるが、ロックアップクラッチLUが係合することでポンプインペラ21と一体に回転する。
ステータ23は、タービンランナ22とポンプインペラ21との間の内周寄りの位置に配され、タービンランナ22から排出されたオイルを整流してポンプインペラ21に還流することでトルク増幅作用を発生させる羽根車である。ステータ23は、ワンウェイクラッチ24を介してハウジング25に固定されており、一方向にのみ回転するように構成されている。
ワンウェイクラッチ24は、ステータ23を一方向のみに回転許容するクラッチである。ワンウェイクラッチ24の回転端にはステータ23が固定されている。ワンウェイクラッチ24の固定端は、ハウジング25に固定されている。
ハウジング25は、変速機26を収容するとともに、車体(図示せず)に固定された部材である。
ロックアップクラッチLUは、ポンプインペラ21とタービンランナ22の回転速度差が小さいときに、それらを直結してエンジン1のクランクシャフト1aと変速機26の入力軸2aとの回転速度差をなくすクラッチ機構である。ロックアップクラッチLUは、係合することでクランクシャフト1aの回転動力を入力軸2aに伝達する。ロックアップクラッチLUは、油圧回路8からの油圧が高圧になることで係合状態となり、油圧回路8からの油圧が低圧になることで非係合状態となる。
変速機26は、入力軸2aの回転動力を変速して出力軸2bに伝達する歯車機構である。変速機26は、入力軸2aと出力軸2bとの間の動力伝達経路において、プラネタリギヤG1、G2、G3を有する。プラネタリギヤG1は、ダブルピニオンプラネタリギヤであり、入力軸2aと一体に回転するサンギヤと、サンギヤの外周に配されたリングギヤと、サンギヤの外周でサンギヤと公転可能に噛み合うピニオンギヤと、リングギヤの内周でリングギヤと公転可能に噛み合う他のピニオンギヤと、ピニオンギヤ及び他のピニオンギヤを回転可能に支持するとともにハウジング25に固定されたキャリヤと、を有する。プラネタリギヤG2は、シングルピニオンプラネタリギヤであり、C1クラッチC1を介して入力軸2aと断接可能に回転するサンギヤと、サンギヤの外周に配されるとともにC3クラッチC3を介してプラネタリギヤG1のリングギヤと断接可能に回転し、かつ、B1ブレーキB1を介してハウジング25に断接可能に固定されるリングギヤと、サンギヤとリングギヤとの間でサンギヤ及びリングギヤと公転可能に噛み合うピニオンギヤと、ピニオンギヤを回転可能に支持するとともにC2クラッチC2を介して入力軸2aと断接可能に回転し、かつ、B1ブレーキB1を介してハウジング25に断接可能に固定されるキャリヤと、を有する。プラネタリギヤG3は、シングルピニオンプラネタリギヤであり、C1クラッチC1を介して入力軸2aと断接可能に回転するサンギヤと、サンギヤの外周に配されるとともにハウジング25に固定されるリングギヤと、サンギヤとリングギヤとの間でサンギヤ及びリングギヤと公転可能に噛み合うピニオンギヤと、ピニオンギヤを回転可能に支持するとともに出力軸2bと一体に回転するキャリヤと、を有する。変速機26は、クラッチC1〜C3、ブレーキB1、B2の係合・非係合が選択されることで、図3のように変速段が切り替えられるようになっている。クラッチC1〜C3、ブレーキB1、B2は、それぞれ、油圧回路8からの油圧が高圧になることで係合状態となり、油圧回路8からの油圧が低圧になることで非係合状態となる。
なお、図3において、「○」印は係合状態を表し、「空欄」は非係合状態を表す。変速機26は、後進と、前進1速から6速とを有する後進1段、前進6段の変速段を構成している。1速では、C1クラッチC1及びB2ブレーキB2が係合し、その他は係合していない。また、2速では、C1クラッチC1及びB2ブレーキB2が係合し、その他は係合していない。また、3速では、C1クラッチC1及びC3クラッチC3が係合し、その他は係合していない。また、4速では、C1クラッチC1及びC2クラッチC2が係合し、その他は係合していない。また、5速では、C2クラッチC2及びC3クラッチC3が係合し、その他は係合していない。また、6速では、C2クラッチC2及びB1ブレーキB1が係合し、その他は係合していない。さらに、後進(R)では、C3クラッチC3及びB2ブレーキB2が係合し、その他は係合していない。
デファレンシャルギヤ3は、自動変速機2の出力軸2bからの回転動力により車輪4、5を差動可能に駆動する装置である。
車輪4、5は、車両の前方又は後方の車輪であり、デファレンシャルギヤ3からの回転動力が伝達される。
エンジン制御装置6は、エンジン1の動作を制御するコンピュータである。エンジン制御装置6は、エンジン1における各種アクチュエータ(図示せず)、各種センサ(図示せず)、スイッチ(図示せず)と通信可能に接続されている。エンジン制御装置6は、変速機制御装置7と通信可能に接続されており、変速機制御装置7との間でデータ・信号のやり取りを行う。エンジン制御装置6は、各種センサ、スイッチ等からの信号に応じて、所定のプログラム(データベース、マップ等を含む)に基づいて制御処理を行う。
変速機制御装置7は、自動変速機2の動作を制御するコンピュータである。変速機制御装置7は、変速制御装置となる。変速機制御装置7は、油圧回路8における各種アクチュエータ(図示せず;例えば、ソレノイド)、各種センサ11〜16等と通信可能に接続されている。変速機制御装置7は、エンジン制御装置6と通信可能に接続されており、エンジン制御装置6との間でデータ・信号のやり取りを行う。変速機制御装置7は、各種センサ11〜16等からの信号に応じて、所定のプログラム(データベース、マップ等を含む)に基づいて制御処理を行う。変速機制御装置7は、プログラムを実行することで、変速処理部7aと、記憶部7bと、が実現される。
変速処理部7aは、油圧回路8を介して自動変速機2を変速制御処理する機能部である。変速処理部7aは、シフトレバー(図示せず)により手動変速モードで操作されたときに、シフトポジションセンサ13からの信号に基づいて変速制御する。変速処理部7aは、シフトレバー(図示せず)が自動変速モードにあるときに、記憶部7bに記憶された変速線(例えば、図4参照)に基づいてアクセル開度及び車速に応じて自動変速機2を変速制御処理する。変速処理部7aは、実アクセル開度(アクセル開度センサ11で検出されたアクセル開度)における実車速(車速センサ12で検出された車速)が、アップシフト側の変速線(n→n+1)の実アクセル開度に対応する車速以上となったときにアップシフトする変速処理を行い、ダウンシフト側の変速線(n→n−1)の実アクセル開度に対応する車速以下となったときにダウンシフトする変速処理を行い、変速線間(n→n+1、n→n−1)の車速であるときに現状の変速段を維持する。
変速処理部7aは、ダウンシフトに係る変速処理において、アクセルペダルが踏み込まれていない状態での減速惰行中のダウンシフト変速(コーストダウン変速)行う際、所定の制御処理を行う。例えば、変速処理部7aは、アクセル開度センサ11、及び、車速センサ12からの信号に基づいて、コーストダウン中(アクセルペダルが踏み込まれていない状態での減速惰行中)であるか否かを判断する。変速処理部7aは、コーストダウン中である場合には変速制御移行条件(実車速がダウンシフト側の変速線(n→n−1)の実アクセル開度0に対応する車速(変速点)以下)が成立するか否かを判断する。変速処理部7aは、変速制御移行条件が成立する場合には解放する摩擦係合要素(2速から1速にダウンシフトする場合はB1ブレーキ)に対して油圧を操作する油圧回路8におけるソレノイドバルブに対して指示する油圧(解放指示圧)を徐々に(所定の速度で)下げるように制御(解放ランプ制御)するとともに、係合する摩擦係合要素(2速から1速にダウンシフトする場合はB2ブレーキ)に対して油圧を操作する油圧回路8におけるソレノイドバルブに対して指示する油圧(係合指示圧)を待機圧に上げるように制御(プリチャージ制御)する。変速処理部7aは、入力軸回転センサ15からの信号(入力軸回転速度Nt)、及び出力軸回転センサ16からの信号(出力軸回転速度No)に基づいて、解放する摩擦係合要素(2速から1速にダウンシフトする場合はB1ブレーキ)でスリップ(Nt−No×変速前ギヤ比>所定値)が発生しているか否かを判断する。変速処理部7aは、解放する摩擦係合要素(2速から1速にダウンシフトする場合はB1ブレーキ)でスリップが発生している場合にはエンジン制御装置6を介してエンジン1の回転速度を所定量上げる(スロットル開度を所定量上げる)ように制御するとともに、入力軸回転センサ15からの信号(入力軸回転速度Nt)が目標の回転速度となるように制御(フィードバック制御)する。変速処理部7aは、入力軸回転センサ15からの信号(入力軸回転速度Nt)、及び出力軸回転センサ16からの信号(出力軸回転速度No)に基づいて、「Nt/No>所定値(入力軸回転速度Ntと出力軸回転速度Noとの比が、ダウンシフト前のギヤ比よりも高く、かつ、ダウンシフト後のギヤ比よりも低い)」を満たすか否かを判断する。変速処理部7aは、「Nt/No>所定値」を満たす場合には係合指示圧を徐々に(所定の速度で)上げるように制御(係合ランプ制御)する。変速処理部7aは、入力軸回転センサ15からの信号(入力軸回転速度Nt)、及び出力軸回転センサ16からの信号(出力軸回転速度No)に基づいて、係合する摩擦係合要素(2速から1速にダウンシフトする場合はB2ブレーキ)で同期(Nt/No=変速後ギヤ比)しているか否かを判断する。変速処理部7aは、係合する摩擦係合要素で同期している場合にはエンジン制御装置6を介してエンジン1の回転速度をアイドリング状態となる(スロットル開度を0%とする)ように制御するとともに、解放指示圧が徐々に(所定の速度で)下がるように制御(解放ランプ制御)する。変速処理部7aは、係合指示圧の係合ランプ制御、及び、解放指示圧の解放ランプ制御が完了したか否かを判断し、完了した場合には終了する。なお、変速処理部7aは、コーストダウン変速制御を行っているときに、アクセルペダルが踏み込まれたり、アクセルペダルが踏み込まれない状態で加速(例えば、下り坂での加速)した場合や、急停車した場合にはコーストダウン変速制御を中止し、通常の変速制御を行うことになる。
記憶部7bは、変速マップ、プログラム等の所定の情報を記憶する機能部である。記憶部7bは、変速処理部7aの要求に応じて、要求に対応する情報を変速処理部7aに提供する。
油圧回路8は、変速機制御装置7の制御に応じて、オイルポンプ(図示せず)から導入された作動油の油路及び油圧を調整し、作動油を自動変速機2における選択された摩擦係合要素(図2のLU、C1、C2、C3、B1、B2)に向けて出力する回路である。油圧回路8は、油路の切替や油圧調整するソレノイドバルブを有する。油圧回路8は、変速機制御装置7に通信可能に接続されており、変速機制御装置7によって制御される。
アクセル開度センサ11は、アクセルペダル(図示せず;アクセルレバーでも可)の操作量に対応するアクセル開度を検出するセンサである。車速センサ12は、車両の速度を検出するセンサである。シフトポジションセンサ13は、シフトレバーの操作位置(パーキングP、ニュートラルN、ドライブD、アップシフト+、ダウンシフト−等)を検出するセンサである。エンジン回転センサ14は、エンジン1のクランクシャフト1aの回転速度(Ne)を検出する装置である。入力軸回転センサ15は、自動変速機2の入力軸2a(トルクコンバータ20のタービンランナ22)の回転速度(Nt)を検出する装置である。出力軸回転センサ16は、自動変速機2の出力軸2bの回転速度(No)を検出する装置である。各種センサ11〜16は、変速機制御装置7と通信可能に接続されている。
次に、本発明の実施例1に係る自動変速機の変速制御装置を含む車両の動作について図面を用いて説明する。図5は、本発明の実施例1に係る自動変速機の変速制御装置の動作を模式的に示したフローチャート図である。図6は、本発明の実施例1に係る自動変速機の変速制御装置を含む車両の動作を模式的に示したタイムチャート図である。
図5を参照すると、まず、変速機制御装置7は、アクセル開度センサ11、及び、車速センサ12からの信号に基づいて、コーストダウン中(アクセルペダルが踏み込まれていない状態での減速惰行中)であるか否かを判断する(ステップA1)。コーストダウン中でない場合(ステップA1のNO)、ステップA1に戻る。
コーストダウン中である場合(ステップA1のYES)、変速機制御装置7は、変速制御移行条件(図4のダウンシフト側の変速線(n→n−1)の実アクセル開度0に対応する車速以下)が成立するか否かを判断する(ステップA2)。変速制御移行条件が成立しない場合(ステップA2のNO)、ステップA2に戻る。
変速制御移行条件が成立する場合(ステップA2のYES、図6のT1参照)、変速機制御装置7は、解放する摩擦係合要素(2速から1速にダウンシフトする場合はB1ブレーキ)に対して油圧を操作する油圧回路8におけるソレノイドバルブに対して指示する油圧(解放指示圧)を徐々に(所定の速度で)下げるように制御(解放ランプ制御)するとともに、係合する摩擦係合要素(2速から1速にダウンシフトする場合はB2ブレーキ)に対して油圧を操作する油圧回路8におけるソレノイドバルブに対して指示する油圧(係合指示圧)を待機圧に上げるように制御(プリチャージ制御)する(ステップA3、図6のT1−T2間参照)。
ステップA3の後、変速機制御装置7は、入力軸回転センサ15からの信号(入力軸回転速度Nt)、及び出力軸回転センサ16からの信号(出力軸回転速度No)に基づいて、解放する摩擦係合要素(2速から1速にダウンシフトする場合はB1ブレーキ)でスリップ(Nt−No×変速前ギヤ比>所定値)が発生しているか否かを判断する(ステップA4)。解放する摩擦係合要素でスリップが発生していない場合(ステップA4のNO)、ステップA4に戻る。
解放する摩擦係合要素でスリップが発生した場合(ステップA4のYES、図6のT2参照)、変速機制御装置7は、エンジン制御装置6を介してエンジン1の回転速度を所定量上げる(スロットル開度を所定量上げる)ように制御するとともに、入力軸回転センサ15からの信号(入力軸回転速度Nt)が目標の回転速度となるように制御(フィードバック制御)する(ステップA5、図6のT2−T4間参照)。
ステップA5の後、変速機制御装置7は、入力軸回転センサ15からの信号(入力軸回転速度Nt)、及び出力軸回転センサ16からの信号(出力軸回転速度No)に基づいて、「Nt/No>所定値」を満たすか否かを判断する(ステップA6)。「Nt/No>所定値」を満たさない場合(ステップA6のNO)、ステップA6に戻る。なお、「Nt/No>所定値」における所定値は、係合指示圧の上昇を開始しても変速ショックが目立たないように設定されている。
「Nt/No>所定値」を満たす場合(ステップA6のYES、図6のT3参照)、変速機制御装置7は、係合指示圧を徐々に(所定の速度で)上げるように制御(係合ランプ制御)する(ステップA7、図6のT3以降参照)。
ステップA7の後、変速機制御装置7は、入力軸回転センサ15からの信号(入力軸回転速度Nt)、及び出力軸回転センサ16からの信号(出力軸回転速度No)に基づいて、同期(Nt/No=変速後ギヤ比)しているか否かを判断する(ステップA8)。同期していない場合(ステップA8のNO)、ステップA8に戻る。
係合する摩擦係合要素で同期している場合(ステップA8のYES、図6のT4参照)、変速機制御装置7は、エンジン制御装置6を介してエンジン1の回転速度をアイドリング状態となる(スロットル開度を0%とする)ように制御するとともに、解放指示圧が徐々に(所定の速度で)下がるように制御(解放ランプ制御)する(ステップA9、図6のT4以降参照)。
ステップA9の後、変速機制御装置7は、係合指示圧の係合ランプ制御、及び、解放指示圧の解放ランプ制御が完了したか否かを判断する(ステップA10)。解放指示圧の解放ランプ制御が完了していない場合(ステップA10のNO)、ステップA10に戻る。解放指示圧の解放ランプ制御が完了した場合(ステップA10のYES)、ステップA1に戻る(変速段が1速となっている場合は終了する)。
実施例1によれば、コーストダウン変速する際、意図的にアクセル開度を上げ、変速機入力トルクを負から正にしてトルクコンバータ20の入力軸の回転数が出力軸の回転数よりも大きい駆動状態(正駆動状態)にし、自動変速機2の入力軸2aの回転速度を上昇させて、摩擦係合要素の係合・解放の切替を行ったときに、トルクコンバータ20の出力軸の回転数が入力軸の回転数よりも大きい逆駆動状態での変速が回避でき、慣性トルクの発生を回避できるので、変速ショックを防止することができる。
本発明の実施例2に係る自動変速機の制御装置を含む車両について図面を用いて説明する。図7は、本発明の実施例2に係る自動変速機の変速制御装置の動作を模式的に示したフローチャート図である。図8は、本発明の実施例2に係る自動変速機の変速制御装置を含む車両の動作を模式的に示したタイムチャート図である。図9は、本発明の実施例2に係る自動変速機の変速制御装置を含む車両のアクセル開度0%時の入力軸回転速度と変速機入力トルクとの関係を模式的に示したグラフである。
実施例2は、実施例1の変形例であり、コーストダウン変速を行う際にエンジン(図1の1に相当)の回転速度を所定量上げる(スロットル開度を所定量上げる)のを止め、変速制御移行条件における変速点を実施例1の設定値よりも下げ(実アクセル開度0に対応する車速を低速化し)たものである。変速制御移行条件における実アクセル開度0に対応する車速を低速化することで、トルクコンバータ(図2の20に相当)のポンプインペラ21とタービンランナ22との間のクリープ(滑り)によって、入力軸回転速度Nt(タービン回転速度)をエンジン回転速度Neよりも低くすることができ、スロットル開度を上げなくてもトルクコンバータ20の入力軸の回転数が出力軸の回転数よりも大きい駆動状態(正駆動状態)にすることができる。駆動状態で解放側の摩擦係合要素(2速から1速にダウンシフトする場合はB1ブレーキ)を解放することで、入力軸回転速度Nt(タービン回転速度)を上昇させることができる(図9参照)。その他の構成は、実施例1と同様である。実施例2の動作は、以下の通りである。
図7を参照すると、まず、変速機制御装置(図1の7に相当)は、アクセル開度センサ(図1の11に相当)、及び、車速センサ(図1の12に相当)からの信号に基づいて、コーストダウン中(アクセルペダルが踏み込まれていない状態での減速惰行中)であるか否かを判断する(ステップB1)。コーストダウン中でない場合(ステップB1のNO)、ステップB1に戻る。
コーストダウン中である場合(ステップB1のYES)、変速機制御装置(図1の7に相当)は、変速制御移行条件(図4のダウンシフト側の変速線(n→n−1)の実アクセル開度0に対応する車速よりも低く設定された車速以下)が成立するか否かを判断する(ステップB2)。変速制御移行条件が成立しない場合(ステップB2のNO)、ステップB2に戻る。
変速制御移行条件が成立する場合(ステップB2のYES、図8のT1参照)、変速機制御装置(図1の7に相当)は、解放する摩擦係合要素(2速から1速にダウンシフトする場合はB1ブレーキ)に対して油圧を操作する油圧回路(図1の8に相当)におけるソレノイドバルブに対して指示する油圧(解放指示圧)を徐々に(所定の速度で)下げるように制御(解放ランプ制御)するとともに、係合する摩擦係合要素(2速から1速にダウンシフトする場合はB2ブレーキ)に対して油圧を操作する油圧回路(図1の8に相当)におけるソレノイドバルブに対して指示する油圧(係合指示圧)を待機圧に上げるように制御(プリチャージ制御)する(ステップB3、図8のT1−T2間参照)。
ステップB3の後、変速機制御装置(図1の7に相当)は、入力軸回転センサ(図1の15に相当)からの信号(入力軸回転速度Nt)、及び出力軸回転センサ(図1の16に相当)からの信号(出力軸回転速度No)に基づいて、解放する摩擦係合要素(2速から1速にダウンシフトする場合はB1ブレーキ)でスリップ(Nt−No×変速前ギヤ比>所定値)が発生しているか否かを判断する(ステップB4)。解放する摩擦係合要素でスリップが発生していない場合(ステップB4のNO)、ステップB4に戻る。
解放する摩擦係合要素でスリップが発生した場合(ステップB4のYES、図8のT2参照)、変速機制御装置(図1の7に相当)は、入力軸回転センサ15からの信号(入力軸回転速度Nt)が目標の回転速度となるように制御(フィードバック制御)する(ステップB5、図8のT2−T4間参照)。このとき、トルクコンバータ(図2の20に相当)のポンプインペラ(図2の21に相当)とタービンランナ(図2の22に相当)との間のクリープ(滑り)によって、入力軸回転速度Nt(タービン回転速度)がエンジン回転速度Ne(アイドリング回転速度)よりも低くなっており、スロットル開度を上げなくても(エンジン回転速度を上げなくても)解放側の摩擦係合要素(2速から1速にダウンシフトする場合はB1ブレーキ)を解放することで入力軸回転速度Nt(タービン回転速度)がエンジン回転速度Ne(アイドリング回転速度)に近づくように上昇する。
ステップB5の後、変速機制御装置(図1の7に相当)は、入力軸回転センサ(図1の15に相当)からの信号(入力軸回転速度Nt)、及び出力軸回転センサ(図1の16に相当)からの信号(出力軸回転速度No)に基づいて、「Nt/No>所定値」を満たすか否かを判断する(ステップB6)。「Nt/No>所定値」を満たさない場合(ステップB6のNO)、ステップB6に戻る。なお、「Nt/No>所定値」における所定値は、係合指示圧の上昇を開始しても変速ショックが目立たないように設定されている。
「Nt/No>所定値」を満たす場合(ステップB6のYES、図6のT3参照)、変速機制御装置(図1の7に相当)は、係合指示圧を徐々に(所定の速度で)上げるように制御(係合ランプ制御)する(ステップB7、図8のT3以降参照)。
ステップB7の後、変速機制御装置(図1の7に相当)は、入力軸回転センサ(図1の15に相当)からの信号(入力軸回転速度Nt)、及び出力軸回転センサ(図1の16に相当)からの信号(出力軸回転速度No)に基づいて、同期(Nt/No=変速後ギヤ比)しているか否かを判断する(ステップB8)。同期していない場合(ステップB8のNO)、ステップB8に戻る。
係合する摩擦係合要素で同期している場合(ステップB8のYES、図8のT4参照)、変速機制御装置(図1の7に相当)は、解放指示圧が徐々に(所定の速度で)下がるように制御(解放ランプ制御)する(ステップB9、図8のT4以降参照)。なお、ここでは、エンジン(図1の1に相当)の回転速度はアイドリング状態(スロットル開度0%)のままである。
ステップB9の後、変速機制御装置(図1の7に相当)は、係合指示圧の係合ランプ制御、及び、解放指示圧の解放ランプ制御が完了したか否かを判断する(ステップB10)。解放指示圧の解放ランプ制御が完了していない場合(ステップB10のNO)、ステップB10に戻る。解放指示圧の解放ランプ制御が完了した場合(ステップB10のYES)、ステップB1に戻る(変速段が1速となっている場合は終了する)。
実施例2によれば、コーストダウン変速する際、変速制御移行条件における実アクセル開度0に対応する車速を低速化することで、トルクコンバータ(図2の20に相当)のポンプインペラ21とタービンランナ22との間のクリープ(滑り)によって、入力軸回転速度Nt(タービン回転速度)をエンジン回転速度Neよりも低くすることができ、スロットル開度を上げなくてもトルクコンバータ20の入力軸の回転数が出力軸の回転数よりも大きい駆動状態(正駆動状態)にすることができる。駆動状態で解放側の摩擦係合要素(2速から1速にダウンシフトする場合はB1ブレーキ)を解放することで、入力軸回転速度Nt(タービン回転速度)を上昇させることができる。自動変速機(図1の2に相当)の入力軸(図2の2aに相当)の回転速度を上昇させることで、摩擦係合要素の係合・解放の切替を行ったときに、トルクコンバータ(図2の20に相当)の出力軸の回転数が入力軸の回転数よりも大きい逆駆動状態での変速が回避でき、慣性トルクの発生を回避できるので、変速ショックを防止することができる。
なお、本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
1 エンジン(動力源)
1a クランクシャフト
2 自動変速機
2a 入力軸
2b 出力軸
3 デファレンシャルギヤ
4、5 車輪
6 エンジン制御装置
7 変速機制御装置
7a 変速処理部
7b 記憶部
8 油圧回路
11 アクセル開度センサ
12 車速センサ
13 シフトポジションセンサ
14 エンジン回転センサ
15 入力軸回転センサ
16 出力軸回転センサ
20 トルクコンバータ(流体伝動装置)
21 ポンプインペラ(入力軸)
22 タービンランナ(出力軸)
23 ステータ
24 ワンウェイクラッチ
25 ハウジング
26 変速機
LU ロックアップクラッチ
C1 C1クラッチ(第1摩擦係合要素)
C2 C2クラッチ
C3 C3クラッチ
B1 B1ブレーキ(第2摩擦係合要素)
B2 B2ブレーキ(第3摩擦係合要素)
G1 ダブルピニオンプラネタリギヤ
G2 シングルピニオンプラネタリギヤ
G3 シングルピニオンプラネタリギヤ

Claims (8)

  1. 入力軸および出力軸を備えた流体伝動装置を介して入力された動力源の回転動力を変速して駆動輪に出力する自動変速機の変速制御装置において、
    前記変速制御装置は、前記自動変速機に備えられた複数の摩擦係合要素を選択的に係合、解放することによって前記動力源の回転動力を変速し、
    前記自動変速機は、ダウンシフトする際に前記複数の摩擦係合要素のうち、第1摩擦係合要素と第2摩擦係合要素がそれぞれ係合状態となることにより構成される第1変速段と、前記第2摩擦係合要素を解放し第3摩擦係合要素を係合することにより、前記第1摩擦係合要素と前記第3摩擦係合要素がそれぞれ係合状態となることにより構成される第2変速段とを備え、
    ダウンシフトし、かつ、車両が減速しているときに発生するコーストダウンが、前記流体伝動装置の前記入力軸の回転数が前記出力軸の回転数よりも大きい駆動状態で実行され、
    前記変速制御装置は、前記コーストダウンの実行時に、前記流体伝動装置の前記出力軸の回転数が目標回転数となるように、前記第2摩擦係合要素をフィードバック制御することを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 前記自動変速機は、入力軸および出力軸を備え、
    前記流体伝動装置の前記出力軸の回転数に対する前記自動変速機の前記出力軸の回転数の比の値が、所定の範囲内の値に存在するとき、前記第2摩擦係合要素のフィードバック制御を終了することを特徴とする請求項1記載の自動変速機の変速制御装置。
  3. 前記自動変速機は、入力軸および出力軸を備え、
    前記流体伝動装置の前記出力軸の回転数に対する前記自動変速機の前記出力軸の回転数の比の値が、前記第1変速段のギヤ比を乗算した値よりも所定値以上大きくなったとき、前記第2摩擦係合要素のフィードバック制御を開始することを特徴とする請求項1記載の自動変速機の変速制御装置。
  4. 前記自動変速機は、入力軸および出力軸を備え、
    前記コーストダウンの実行中に、前記流体伝動装置の前記出力軸の回転数に対する前記自動変速機の前記出力軸の回転数の比の値が、所定の範囲内の値に存在するとき、前記第3摩擦係合要素の係合を開始することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の自動変速機の変速制御装置。
  5. 前記自動変速機は、入力軸および出力軸を備え、
    前記コーストダウンの実行中に、前記流体伝動装置の前記出力軸の回転数の単位時間の変化量に所定の時間を乗算した値を現在の前記流体伝動装置の前記出力軸の回転数に加算した値が、現在の前記自動変速機の前記出力軸の回転数に前記第2変速段のギヤ比を乗算した値よりも大きくなる場合、前記第3摩擦係合要素の係合を開始することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の自動変速機の変速制御装置。
  6. 前記流体伝送装置の滑りによって、前記流体伝動装置の前記出力軸の回転数が前記流体伝動装置の前記入力軸の回転数より小さくなるように設定された変速点を用いて、前記駆動状態において前記コーストダウンが実行されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載の自動変速機の変速制御装置。
  7. 前記コーストダウンの実行中に、運転者の操作に依らず前記動力源の出力が増大するように、前記変速制御装置が前記動力源の制御装置に指令することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載の自動変速機の制御装置。
  8. 前記自動変速機は、入力軸および出力軸を備え、
    前記コーストダウンの実行中に、前記流体伝動装置の前記出力軸の回転数に対する前記自動変速機の前記出力軸の回転数の比の値が、所定の範囲内の値に存在するとき、運転者の操作に依らず前記動力源の出力が減少するように、前記変速制御装置が前記動力源の制御装置に指令することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一に記載の自動変速機の制御装置。
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