JP2016187250A - 電動機制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で電動機の磁石温度を推定できる電力変換装置を提供する。【解決手段】電動機制御装置10は、トルク指令値T*、回転速度ω、および磁石温度推定値testに対応して電流指令値id*およびiq*が予め定められた多次元マップを用いて、電流指令値id*およびiq*を出力する電流指令生成部11と、電圧指令値vd*およびvq*をインバータ回路4に出力する電流制御部13と、電流指令値id*およびiq*または電流検出値idおよびiq、電圧指令値vd*およびvq*、並びに回転速度ωに基づいてトルク推定値Testを出力するトルク推定部20と、トルク指令値T*とトルク推定値Testとの差分であるトルク誤差Terrにトルク指令値T*の符号を乗算した値を累積加算することによって磁石温度推定値testを出力する磁石温度推定部30とを備えている。【選択図】 図4

Description

この発明は、永久磁石を用いた電動機の電動機制御装置に関する。
永久磁石を有するモータにおいて高負荷運転を継続する場合、モータの温度上昇により永久磁石が過熱される。永久磁石の磁石温度が過度に上昇すると、永久磁石の磁力が不可逆的に減少し、磁石温度が常温に戻っても、磁力が元に戻らない。このため、同一電流を通流した場合に電動機から得られるトルクが、磁力が元に戻らなかった分だけ減少してしまう。このような事態をさけるため、モータの温度上昇による過熱から永久磁石が保護される必要がある。
永久磁石を過熱から保護する方法には、磁石温度を検知して加熱時には運転負荷を緩めたり冷却器を作動させたりして運転制御する方法がある。
さらに、磁石温度を検知する方法は、温度センサまたは磁石温度に応じて変動する磁束を検出するセンサを別途設置して磁石温度を検知するものと、モータの運転時の電流や電圧などから磁石温度を推定するものとに大別される。
従来の磁石温度を推定するものとしては、電動機の電流検出値から算出されるトルクと、電動機に与えられる電力および回転速度に基づいて算出されるトルクとから、磁石温度の変動に起因するトルク変動を算出し、予め定められたトルク変動および磁石温度の関係を用いて磁石温度を推定する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、電動機モデルに基づいて磁石温度を推定する方法が提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開2009−261182号公報 特開2006−262598号公報
特許文献1に開示される技術では、磁石温度変動に起因するトルク変動および磁石温度の関係から磁石温度を推定している。しかしながら、磁石温度の変化に応じて変化する磁石トルクと磁石温度の変化に応じて変化しないリラクタンストルクとの比率が異なる電動機の場合には、前記のトルク変動および磁石温度の関係が個々の電動機によって異なる。このため、正確な磁石温度推定を行うには、電動機の種類毎にトルク変動および磁石温度の関係を用意する必要があり、簡易な構成で磁石温度を推定できない課題があった。
また、特許文献2に開示される技術では、電動機モデルに基づいて磁石温度を推定する場合に、予め設定された電動機特性のマップ(例えば、基準温度における回転速度およびトルク指令に対する電圧指令値のマップ、または電流検出値に対する磁束特性マップ)に加えて、基準温度を取得する温度検知手段が必要であったため、簡素な構成で精度よく磁石温度を推定できないという課題があった。
この発明の目的は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、簡易な構成で磁石温度を推定できる電動機制御装置を得ることを目的とする。
この発明に係る電動機制御装置は、電動機のトルク指令値、電動機の回転速度、および電動機の磁石温度の推定値である磁石温度推定値に対応して電流指令値が予め定められた多次元マップを用いて、電流指令値を出力する電流指令生成部と、インバータ回路から電動機に供給される電流の検出値である電流検出値を電流指令値に近づける電圧指令値をインバータ回路に出力する電流制御部と、電流指令値または電流検出値、電圧指令値、および回転速度に基づいてトルク推定値を出力するトルク推定部と、トルク指令値とトルク推定値との差分であるトルク誤差にトルク指令値の符号を乗算した値を累積加算することによって、磁石温度推定値を出力する磁石温度推定部とを備えたものである。
上記のように構成された電動機制御装置は、磁石温度推定部が、トルク指令値とトルク推定値に基づいて磁石温度推定値を算出し、磁石温度推定値を電流指令生成部にフィードバックするため、簡易な構成で磁石温度を推定できる。
この発明の実施の形態1に係る電動機制御装置を備える電動機システムのハードウエア構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る電動機制御装置を備える電動機システムの電動機上半面の側断面図である。 この発明の実施の形態1に係る電動機制御装置を備える電動機システムのインバータ回路の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る電動機制御装置を備える電動機システムの制御構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る電動機制御装置における電流指令生成部の構成例を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る電動機制御装置におけるトルク推定部の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る電動機制御装置における磁石温度推定部の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る電動機制御装置における時間とトルク推定値および磁石温度推定値との関係図である。 この発明の実施の形態1に係る電動機制御装置における時間とトルク推定値および磁石温度推定値との関係図である。 この発明の実施の形態1に係る電動機制御装置における時間とトルク推定値および磁石温度推定値との関係図である。 この発明の実施の形態1に係る電動機制御装置における時間とトルク推定値および磁石温度推定値との関係図である。 この発明の実施の形態2に係る電動機制御装置を備える電動機システムの制御構成を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る電動機制御装置におけるトルク抑制部の設定例を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る電動機制御装置における時間とトルク指令値および磁石温度推定値との関係図である。 この発明の実施の形態2に係る電動機制御装置における時間とトルク指令値および磁石温度推定値との関係図である。
実施の形態1.
図1は、この発明を実施するための実施の形態1に係る電動機制御装置を備える電動機システムのハードウエア構成を示す図である。
図1において、電動機システム200は、上位のコントローラ102と、電動機制御装置10と、電動機1と、位置検出器2と、電流検出器3と、インバータ回路4とを備える。
電動機制御装置10は、ハードウエアとして、プロセッサ100と、記憶装置101と、を備える。
記憶装置101は、図示していないが、ランダムアクセスメモリ等の揮発性記憶装置と、フラッシュメモリ等の不揮発性の補助記憶装置とを具備する。また、記憶装置101は、不揮発性の補助記憶装置の代わりにハードディスク等の補助記憶装置を具備してもよい。
プロセッサ100は、記憶装置101から入力されたプログラムを実行する。記憶装置101が補助記憶装置と揮発性記憶装置とを具備するため、プロセッサ100に、補助記憶装置から揮発性記憶装置を介してプログラムが入力される。また、プロセッサ100は、演算結果等のデータを記憶装置101の揮発性記憶装置に出力してもよいし、揮発性記憶装置を介して補助記憶装置に前記データを保存してもよい。
図1におけるハードウエアの構成要素間におけるデータ等の入出力については、後述する。
図2は、本実施の形態1に係る電動機制御装置を備える電動機システムの電動機の上半面の側断面図である。図2において、電動機1は、円環状の固定子131と、固定子131の内側に配置され、固定子131に対して回転可能な回転子130とを備えている。
固定子131は、固定子鉄心132および固定子鉄心132に巻回された巻線133を有し、固定子鉄心132の外周がフレーム110に固定されている。固定子鉄心132は、所定の形状に成形された複数枚の磁性鋼板が回転子130の中心軸方向に積層一体化されて構成されている。また、固定子鉄心132は、円筒状のコアバックおよびコアバックの内周面から回転子130の中心軸に垂直な方向である径方向に突出し、周方向に等角ピッチで配置された複数個のティースを備えている。図2において、ティースおよびコアバックは省略されている。固定子131は、ティースに巻回され三相電流が流れる巻線133を有するが、図2では詳細の巻線分布は省略されている。
回転子130は、起磁力発生源としての磁石134、回転子鉄心135、および回転軸138を有している。また、回転子130は、回転軸138の中心軸方向両端に取り付けられたベアリング139を介して、フレーム110の中心軸方向両端に取り付けられたブラケット111およびブラケット112に、回転自在に取り付けられている。回転子鉄心135は、回転軸138の外周に固定されている。さらに、回転子鉄心135は、固定子鉄心132に対向させて配置されている。磁石134は、回転子鉄心135に形成された穴に挿入されている。また、複数の磁石134が、回転軸138に対して周方向に配置されて交互に異なる極性を有する磁極を形成している。位置検出器2は、電動機1の回転軸子138に設置されており、回転子130の角度θを検出する。
なお、電動機1は、回転機に限らず、回転子の代わりに可動子を有する直動機であってもよい。この場合、磁石は、固定子または可動子のどちらに設けられていてもよい。また、位置検出器2は、電動機1の可動子に設置され、可動子の直動方向の位置をθとして検出する。
図3は、本実施の形態に係る電動機制御装置を備える電動機システムのインバータ回路の構成を示す図である。図3には、本実施例のインバータ回路4の具体的な構成例が示されている。インバータ回路4は、三相ブリッジ回路140およびドライバ回路141を具備する。三相ブリッジ回路140には、バッテリ等の電源152から直流電力が供給されている。三相ブリッジ回路140は、図3に示すように、6個のスイッチング素子142〜147を有する。
ドライバ回路141は、三相電圧指令値vu*、vv*、vw*に相当する電圧に応じてスイッチング素子142〜147をスイッチングさせる波形からなるスイッチング信号を、スイッチング素子142〜147に送る。
三相ブリッジ回路140は、それぞれ、例えばMOSFETのような6個のスイッチング素子142〜147を用いたブリッジで構成されている。三相ブリッジ回路では、スイッチング素子142、145が直列接続され、スイッチング素子143、146が直列接続され、スイッチング素子144、147が直列接続されて、さらにこれらの3組のスイッチング素子が並列に接続されている。
また、下側の3つのスイッチング素子145、146、147のGND154(グランド)側には、図示していないがそれぞれシャント抵抗が電流検出器3として1つずつ接続されていてもよい。これらのシャント抵抗は、三相ブリッジ回路140から電動機1に流れる三相電流の検出に用いられる。なお、シャント抵抗は、3個の例を示したが、2個のシャント抵抗であってもよいし、1個のシャント抵抗であっても電流検出は可能であり、そのような構成であってもよい。
また、電流検出器3として1個のシャント抵抗が用いられる場合において、図示していないが、電流検出器3は、位相同期回路であるPLL等によって電流位相を検出し、三相電流が概ね平衡しているという仮定に基づいて、三相電流を推定する。
三相電流は、スイッチング素子142とスイッチング素子145との間からバスバー等を通じて電動機1の巻線133におけるU相端子151−1へ、スイッチング素子143とスイッチング素子146との間からバスバー等を通じて電動機1の巻線133におけるV相端子151−2へ、スイッチング素子144とスイッチング素子147との間からバスバー等を通じて電動機1の巻線133におけるW相端子151−3へそれぞれ流れて電動機1に供給される。
また、これらのバスバー等には、カレントトランス等を1つずつ設置してもよい。これらのカレントトランス等は、三相ブリッジ回路140から電動機1に流れる三相電流の検出に用いられる。最も好適な実施の形態として、図1には、3個のカレントトランスと周辺アンプ回路から構成される電流検出器3を示している。
なお、カレントトランスは2個でもよい。この場合、電流検出器3は、三相電流の和がゼロであることを用いて残りの1相の電流値を得る。
また、カレントトランスは1個でもよい。この場合、電流検出器3は、前述と同様に電流位相検出と三相電流が概ね平衡しているとの仮定とから、三相電流を得る。
あるいは、コスト的な観点から、カレントトランスに代えて、バスバー等に直列にシャント抵抗を接続してもよい。
図4は、本実施の形態に係る電動機制御装置を備える電動機システムの制御構成を示す図である。電動機制御装置10は、電流指令生成部11と、電流制御部13と、トルク推定部20と、磁石温度推定部30と、速度検出部12と、UVW/dq座標変換部14と、dq/UVW座標変換部15とを備えている。電動機制御装置10は、電動機1に設置された位置検出器2で検出される角度θの情報と、インバータ回路4から電動機1に供給され電流検出器3で検出された三相電流の検出値である三相電流検出値iu、iv、iwの情報とを取得する。電動機制御装置10は、これらの情報に基づいて、外部の上位のコントローラ102から入力されたトルク指令値T*に従って電動機1にトルクを出力させる制御をインバータ回路4に対して行って、電動機1を駆動する。詳細は後述するが、電動機制御装置10は、電動機1が有する磁石134の磁石温度の推定値である磁石温度推定値testを上位のコントローラ102に出力する。
UVW/dq座標変換部14は、周知の座標変換の手法を用いて、電流検出器3で検出された三相電流検出値iu、iv、iwを、d軸電流検出値idおよびq軸電流検出値iqの電流検出値に変換する。
電流制御部13は、加算減算器16a、16bと、PI制御部13a、13bとを有する。電流制御部13は、電流指令生成部11から出力される電流指令値であるd軸電流指令値id*およびq軸電流指令値iq*と、電流検出値であるd軸電流検出値idおよびq軸電流検出値iqとが一致するようPI制御を行い、電圧指令値であるd軸電圧指令値vd*およびq軸電圧指令値vq*を生成する。すなわち、電流制御部13は、電流検出値idおよびiqを電流指令値id*およびiq*に近づける電圧指令値vd*およびvq*をインバータ回路4に出力する。具体的には、加算減算器16aおよび16bは、電流指令値id*およびiq*と、電流検出値idおよびiqとの偏差を取って、電流偏差であるd軸電流偏差id*−idおよびq軸電流偏差iq*−iqを生成する。PI制御部13a、13bは、電流偏差id*−idおよびiq*−iqに基づいて、電圧指令値vd*およびvq*をそれぞれ生成する。PI制御部13a、13bにおける計算例を式(1)、(2)に示す。ここで、KpdおよびKpqはそれぞれd軸比例ゲインおよびq軸比例ゲイン、KidおよびKiqはそれぞれd軸積分ゲインおよびq軸積分ゲイン、sはラプラス演算子である。
vd*=(Kpd+Kid/s)(id*−id) (1)
vq*=(Kpq+Kiq/s)(iq*−iq) (2)
dq/UVW座標変換部15は、電動機1の回転子の角度θに基づいて、周知の座標変換の手法を用いて、電圧指令値vd*およびvq*を三相電圧指令値vu*、vv*、vw*に変換する。
そして、電動機制御装置10は、三相電圧指令値vu*、vv*、vw*に基づいて、インバータ回路4を駆動する。
速度検出部12は、位置検出器2で検出された角度θを時間微分することによって回転速度ωを検出する。
トルク推定部20は、電流検出値idおよびiq、電圧指令値vd*およびvq*、並びに速度検出部12で検出される回転速度ωに基づいて、トルク推定値Testを生成する。
磁石温度推定部30は、トルク指令値T*とトルク推定値Testとに基づいて、磁石温度推定値testを出力する。磁石温度推定値testは、電流指令生成部11および上位のコントローラ102にフィードバックされる。
また、図4における電流指令生成部11と、電流制御部13と、トルク推定部20と、磁石温度推定部30と、速度検出部12と、UVW/dq座標変換部14と、dq/UVW座標変換部15とは、記憶装置101に記憶されたプログラムを実行するプロセッサ100、または図示していないシステムLSI等の処理回路により実現される。また、複数のプロセッサ100および複数の記憶装置101が連携して上記機能を実行してもよいし、複数の処理回路が連携して上記機能を実行してもよい。また、複数のプロセッサ100および複数の記憶装置101と、複数の処理回路との組み合わせにより連携して上記機能を実行してもよい。
図5は、本実施の形態に係る電動機制御装置における電流指令生成部の構成例を示す図である。電流指令生成部11は、トルク指令値T*と、回転速度ωと、後述する磁石温度推定部30が推定した電動機1の磁石134の磁石温度の推定値である磁石温度推定値testとに対応して、電流指令値id*およびiq*が予め定められた多次元マップを用いて、電流指令値id*およびiq*を出力する。図5に示すように、複数の磁石温度(図5の例では、test=−40℃、20℃、80℃の場合)においてトルク指令値T*および回転速度ωに対応する電流指令値id*およびiq*の多次元マップが予め設定される。これらの多次元マップでは、磁石の減磁が発生してもトルク指令値T*どおりにトルクが出力されるように、高温になるにつれて大きくなるq軸電流指令値iq*が設定される。
図6は、本実施の形態に係る電動機制御装置におけるトルク推定部の構成を示す図である。トルク推定部20は、入力電力演算部21と、損失演算部22と、加算減算器23と、乗算除算器24とを有する。
入力電力演算部21は、電流検出値idおよびiqと、電圧指令値vd*およびvq*との内積によって、電動機1に入力される入力電力Pacを演算する。
損失演算部22は、電流検出値idおよびiqと回転速度ωとに基づいて、電動機1における損失Plossを演算する。例えば、銅損は、電流検出値idおよびiqに基づいて算出される。鉄損は、電流検出値idおよびiqと回転速度ωとに基づいて算出される。機械損は、回転速度ωに基づいて算出される。
また、図4および図6には記載されていないが、トルク推定部20および損失演算部22の入力にトルク指令T*を加えることで、損失演算部22は、トルク指令値T*および回転速度ωに対応して予め定められた銅損以外の損失(例えば鉄損と機械損の和)のマップを用いて、損失Plossを算出してもよい。また、図4および図6におけるトルク推定部20は、電流検出値idおよびiqを入力として演算を行っているが、電流指令値id*およびiq*を入力として演算を行ってもよい。
加算減算器23は、入力電力演算部21で演算された入力電力Pacから損失演算部22で算出された損失Plossを差し引く。
乗算除算器24は、加算減算器23で出力された結果を回転速度ωで除算する。
この結果、トルク推定値Testは、入力電力演算部21で算出された入力電力Pac、損失演算部22で算出された損失Ploss、および回転速度ωに基づいて、式(3)のように算出される。
Test=(Pac−Ploss)/ω (3)
図7は、本実施の形態に係る電動機制御装置における磁石温度推定部の構成を示す図である。磁石温度推定部30は、符号設定部31と、積分器32と、基準温度設定部33と、ローパスフィルタ34と、時定数設定部35と、加算減算器36a、加算器36bとを有する。
符号設定部31は、加算減算器36aでトルク指令値T*からトルク推定値Testが差し引かれたトルク誤差Terrと、トルク指令値T*とに基づいて、トルク指令値T*が正の場合には、符号を変えずにトルク誤差Terrを出力し、トルク指令値T*が負の場合には、符号を反転させたトルク誤差−Terrを出力する。すなわち、符号設定部31は、トルク指令値T*とトルク推定値Testとの差分であるトルク誤差Terrにトルク指令値T*の符号を乗算した値を出力する。
積分器32は、予め定められた比例係数KIを、符号設定部31の出力であるトルク誤差Terrにトルク指令値T*の符号を乗算した値に乗算して、時間積分することによって累積加算する。
加算器36bは、積分器32で累積加算された結果に、基準温度設定部33で設定される値である磁石温度の基準温度tinitが加算された磁石温度算出値を出力する。磁石温度の基準温度tinitには、電動機1の周囲の環境温度が予め設定される。
最後に、ローパスフィルタ34は、時定数設定部35で設定された時定数の波形を出力するフィルタを、加算器36bで出力された磁石温度算出値にかけて、磁石温度推定値testを出力する。このとき、ローパスフィルタ34の時定数は、時定数設定部35で可変に設定される。
なお、図4および図7には記載されていないが、磁石温度推定部30および時定数設定部35の入力に回転速度ωを加え、時定数設定部35が、ローパスフィルタ34の時定数を回転速度ωに対応させて可変に設定してもよい。例えば、トルク推定値Testが安定して出力される低速回転時には時定数を小さくし、トルク推定値Testが脈動しやすい高速回転時には時定数を大きく設定することにより、各回転数において最も速い応答で磁石温度を推定することができる。
また、時定数設定部35は、回転速度ωに対応して予め定められたローパスフィルタ34の時定数マップを用いて、ローパスフィルタ34の時定数を設定してもよい。
このように構成される電動機の制御装置の動作について説明する。
図8は、本実施の形態に係る電動機制御装置における時間とトルク推定値および磁石温度推定値との関係図である。図8の横軸は、ともに時間を表し、図8の縦軸は、それぞれ上段がトルク推定値Test、下段が磁石温度推定値testを表す。図8は、磁石温度が基準温度tinitからΔtだけ上昇した温度tnowの状態において、正のトルク指令値T*をステップ入力した場合におけるトルク推定値Testと磁石温度推定値testとの動作例を示している。
図8の上段において、トルク指令値T*のステップ入力直後において、磁石温度の変動量Δtに起因するトルクの誤差ΔTだけ、トルク指令値T*に対してトルク推定値Testが小さくなる。磁石温度推定部30では、この正のトルク誤差Terrにトルク指令値T*の正の符号を乗算した値が積分器32で累積加算される。加算器36bでは、この累積加算された結果に基準温度tinitが加算されて磁石温度推定値testが出力される。この結果、磁石温度推定値testは、時間の経過とともに大きくなる。そして、磁石温度推定値testがフィードバックされる電流指令生成部11において、高温時の磁石温度に対応した電流指令値id*およびiq*が生成されるため、トルク誤差Terrにトルク指令値T*の符号を乗算した値の大きさは、次第に小さくなる。トルク指令値T*とトルク推定値Testとが一致したとき、図8の下段に示すように、磁石温度推定値testは現在の磁石温度tnowに一致する。
図9は、本実施の形態に係る電動機制御装置における時間とトルク推定値および磁石温度推定値との関係図である。図9の横軸は、ともに時間を表し、図9の縦軸は、それぞれ上段がトルク推定値Test、下段が磁石温度推定値testを表す。図9は、図8と同様に、磁石温度が基準温度tinitからΔtだけ上昇した温度tnowの状態において、負のトルク指令値T*をステップ入力した場合のトルク推定値Testと磁石温度推定値testとの動作例を示している。
図9の上段において、磁石温度の変動に起因するトルク誤差Terrの正負が、図8の上段の場合と反転する。このため、磁石温度推定30の符号設定部31は、トルク誤差Terrの正負を反転させる。この動作によって、図9の下段では、図8の下段の場合と同様に、負のトルク誤差Terrにトルク指令値T*の符号を乗算した値が磁石温度推定部30における積分器32で累積加算される。加算器36bでは、この累積加算された結果に基準温度tinitが加算されて磁石温度推定値testが出力される。この結果、磁石温度推定値testが時間の経過とともに大きくなる。そして、図9の上段では、図8の上段の場合と同様に、電流指令生成部11に磁石温度推定値testがフィードバックされるため、トルク誤差Terrにトルク指令値T*の符号を乗算した値の大きさは次第に小さくなり、トルク指令値T*とトルク推定値Testとが一致する。このとき、図9の下段に示すように、磁石温度推定値testが、現在の磁石温度tnowに一致する。このため、磁石温度推定とトルク変動の抑制とが可能となる。
したがって、本実施の形態に係る電動機制御装置10は、トルク指令値T*、回転速度ω、および磁石温度推定値testに対応して電流指令値id*およびiq*が予め定められた多次元マップを用いて、電流指令値id*およびiq*を出力する電流指令生成部11と、電圧指令値vd*およびvq*をインバータ回路4に出力する電流制御部13と、電流指令値id*およびiq*または電流検出値idおよびiq、電圧指令値vd*およびvq*、並びに回転速度ωに基づいてトルク推定値Testを出力するトルク推定部20と、トルク指令値T*とトルク推定値Testとの差分であるトルク誤差Terrにトルク指令値T*の符号を乗算した値を累積加算することによって、磁石温度推定値testを出力する磁石温度推定部30とを備えている。
この構成によって、磁石温度推定部30が、トルク指令値T*とトルク推定値Testに基づいて磁石温度推定値testを算出し、磁石温度推定値testを電流指令生成部11にフィードバックするため、簡易な構成で磁石温度を推定できる。また、磁石温度の変動に起因するトルク変動を抑制することができる。
また、本実施の形態に係る電動機制御装置10のおける磁石温度推定部30は、トルク誤差Terrにトルク指令値T*の符号を乗算した値が累積加算された値を磁石温度の基準温度tinitに加算することによって磁石温度推定値testを出力する。
この構成によって、上述と同様の効果に加えて、簡易な構成で、現在の磁石温度tnowを推定することができる。
また、本実施の形態に係る電動機制御装置10のおける磁石温度推定部30は、トルク誤差Terrにトルク指令値T*の符号を乗算した値が累積加算された値と、予め定められた時定数とに基づいて、磁石温度推定値testを出力するローパスフィルタ34を有し、時定数は、回転速度ωに対応して時定数が予め定められた時定数マップを用いて設定される。
この構成によって、上述と同様の効果に加えて、各回転数において最も速い応答で磁石温度を推定することができる。
なお、電流指令生成部11の多次元マップにおいて、実際の運転で想定される複数の磁石温度に対して、効率最大となる電流指令値id*およびiq*が予め設定されることにより、トルク変動を抑制しながら効率最大で電動機1を駆動することができる。
また、電動機制御装置10の他の動作例について説明する。
図10は、本実施の形態に係る電動機制御装置における時間とトルク推定値および磁石温度推定値との関係図である。図10の横軸は、ともに時間を表し、図10の縦軸は、それぞれ上段がトルク推定値Test、下段が磁石温度推定値testを表す。図10は、磁石温度が基準温度tinitからΔtだけ上昇した温度tnowの状態において、正のトルク指令値T*をゼロに変更した場合のトルク推定値Testと磁石温度推定値との動作例を示している。
図10の上段において、トルク指令値T*がゼロの場合には、磁石温度の変動に起因するトルク変動が発生しないため、磁石温度を推定することができない。そこで、図10の動作例では、トルク指令値T*の絶対値が予め定められた値(例えば、電動機1の定格トルクの1%)より小さい場合には、磁石温度推定部30における積分器32が出力する値を、トルク指令値T*がゼロになる直前の磁石温度推定値testの値であるtnowでホールドする。この結果、磁石温度推定値testは、トルク指令値T*がゼロになる直前の値で維持されている。例えば、磁石温度の時定数が大きい電動機1に対しては、トルク指令値T*をゼロにした場合でも、磁石温度の減少量が小さい。したがって、磁石温度推定値testは、トルク指令値T*が予め定められた値以下となる直前の磁石温度推定値testである磁石温度tnowであってもよい。
したがって、本実施の形態に係る電動機制御装置10のおける磁石温度推定部30は、トルク指令値T*の大きさが予め定められた値以下の場合には、磁石温度推定値testとして予め定められた温度を出力し、トルク指令値T*の大きさが予め定められた値より大きい場合には、トルク誤差Terrにトルク指令値T*の符号を乗算した値を累積加算することによって、磁石温度推定値testを出力する。
この構成によって、上述と同様の効果に加えて、磁石温度の変動に起因するトルク変動が発生しない状態においても適切な磁石温度を推定することができる。
また、本実施の形態に係る電動機制御装置10において、トルク指令値T*の大きさが予め定められた値以下の場合に、磁石温度推定値testとして出力された予め定められた温度は、トルク指令値T*が予め定められた値以下となる直前の磁石温度推定値testである。
この構成によって、上述と同様の効果に加えて、磁石温度推定値testを、トルク指令値T*がゼロになる直前の値で維持することができ、磁石温度の変動に起因するトルク変動が発生しない状態においても適切な磁石温度を推定することができる。
図11は、本実施の形態に係る電動機制御装置における時間とトルク推定値および磁石温度推定値との関係図である。図11の横軸は、ともに時間を表し、図11の縦軸は、それぞれ上段がトルク推定値Test、下段が磁石温度推定値testを表す。図11は、図10の下段と同様に、磁石温度が基準温度tinitからΔtだけ上昇した温度tnowの状態において、正のトルク指令値T*をゼロに変更した場合のトルク推定値Testと磁石温度推定値testとの動作例を示している。
図11の上段において、トルク指令値T*の大きさが予め定められた値(例えば、電動機1の定格トルクの1%)より小さい場合には、磁石温度推定部30における積分器32は、出力値をリセットし、ゼロの値を出力する。磁石温度推定部30における加算器36bは、積分器32のゼロの出力値に基準温度tinitを加算した磁石温度算出値を、ローパスフィルタ34に出力する。この結果、ローパスフィルタ34の出力である磁石温度推定値testは、ローパスフィルタ34の時定数に従って、基準温度tinitに向けて滑らかに低下する。例えば、ローパスフィルタ34の時定数は、電動機1の磁石温度の時定数に基づいて設定される。
したがって、本実施の形態に係る電動機制御装置10において、予め定められた温度は、磁石温度の基準温度tinitである。
この構成によって、上述と同様の効果に加えて、磁石温度の時定数が小さい電動機1の場合であって、本動作により磁石温度の変動に起因するトルク変動が発生しない状態においても、トルク指令値T*を予め定められた値以下にした場合における磁石温度を推定することができる。
また、本実施の形態に係る電動機制御装置10のおける磁石温度推定部30は、トルク誤差Terrにトルク指令値T*の符号を乗算した値が累積加算された値と、予め定められた時定数とに基づいて磁石温度推定値testを出力するローパスフィルタ34を有し、時定数は、磁石温度の時定数に基づいて設定される。
この構成によって、上述と同様の効果に加えて、図10の下段の場合とは異なり、磁石温度の時定数が小さい電動機1の場合であって、本動作により磁石温度の変動に起因するトルク変動が発生しない状態においても、適切な磁石温度を推定することができる。
なお、ローパスフィルタ34の時定数は、電動機1の磁石温度の時定数と等しく設定されてもよい。
これにより、電動機1の磁石温度の時定数と同じ減衰曲線で磁石温度を推定できるため、過渡状態における磁石温度の推定精度を向上できる。
実施の形態2.
図12は、この発明を実施するための実施の形態2に係る電動機制御装置を備える電動機システムの制御構成を示す図である。本実施の形態に係る電動機制御装置10は、抑制前のトルク指令値T0*および磁石温度推定値testを入力とし、トルク指令値T*を出力する保護機能部40をさらに備える点で実施の形態1と異なる。保護機能部40は、トルク抑制部41と、異常判定部42とを有する。
トルク抑制部41は、外部の上位のコントローラ102から与えられた抑制前のトルク指令T0*に対し、磁石温度推定値testが予め定められた値を超えた場合には、トルク指令値T0*の絶対値より小さいトルク指令値T*を電流指令生成部11に出力する。ここで、トルク指令値T*は、磁石温度推定値testの絶対値に応じて抑制前のトルク指令値T0*の絶対値を小さくする予め定められたトルク制限ゲインをトルク指令値T0*に乗算して演算される。すなわち、トルク抑制部41は、磁石温度推定値testに基づいて、トルク指令値T*の大きさを抑制前のトルク指令T0*の大きさよりも小さくする。
異常判定部42は、磁石温度推定値testに基づいて電動機1の異常を検出する。
図13は、本実施の形態に係る電動機制御装置におけるトルク抑制部の設定例を示す図である。図13の横軸は、磁石温度を表し、図13の縦軸は、トルク制限ゲインを表す。図13において、磁石温度に対応して0.0〜1.0のトルク制限ゲインが設定されている。図13に示すように、トルク抑制部41は、磁石温度が予め定められた制限値tlimit以下の場合には、抑制前のトルク指令T0*と同じ値を、トルク指令値T*として出力する。トルク抑制部41は、磁石温度が予め定められた制限値tlimitを超えた場合には、予め定められたトルク制限ゲインを抑制前のトルク指令値T0*に乗算した値を、トルク指令値T*として出力する。このため、磁石温度が制限値tlimitを超えた場合には、トルク指令値T*が抑制されて小さくなる。そして、磁石温度が予め定められた最大値tmaxを超過した場合には、トルク制限ゲインがゼロになることによって、トルク指令値T*がゼロになる。なお、これらの磁石温度の制限値tlimitおよび最大値tmaxは、トルクが制限される温度範囲を20℃としてtmax=tlimit+20[℃]と設定してもよい。
このように構成される電動機の制御装置の動作について説明する。
図14は、本実施の形態に係る電動機制御装置における時間とトルク指令値および磁石温度推定値との関係図である。図14の横軸は、ともに時間を表し、図14の縦軸は、それぞれ上段がトルク指令値T*、下段が磁石温度推定値testを表す。図14は、基準温度tinitの状態から、一定のトルク指令値T*を与え続けた場合のトルク指令値T*と磁石温度推定値testとの動作例を示している。
図14の下段において、電動機1に通電されることにより電動機1が発熱するため、磁石温度推定値testは上昇を続ける。磁石温度推定値testが予め定められた制限値tlimitを超えると、トルク抑制部41が動作することによって、図14の上段に示すようにトルク指令値T*が制限される。図14の下段では、トルク指令値T*が制限されたことによって、磁石温度推定値testの上昇が収まり、磁石温度推定値testは、予め定められた制限値tlimitに収束するよう減少する。
したがって、本実施の形態に係る電動機制御装置10は、磁石温度推定値testに基づいてトルク指令値T*の大きさを小さくするトルク抑制部41とをさらに備えている。
この構成によって、実施の形態1と同様の効果に加えて、電動機1の過剰な発熱を防止し、電動機1の動作を継続することができる。
なお、図14の動作を実現するには、図12における保護機能部40は、トルク抑制部41を有していればよい。保護機能部40が異常判定部42を有していなくても、図14の動作を実現し上述の効果を奏することができる。
図15は、本実施の形態に係る電動機制御装置における時間とトルク指令値および磁石温度推定値との関係図である。図15の横軸は、ともに時間を表し、図15の縦軸は、それぞれ上段がトルク指令値T*、下段が磁石温度推定値testを表す。図15は、図14と同様に、基準温度tinitの状態から、一定のトルク指令値T*を与え続けた場合のトルク指令値T*と磁石温度推定値testとの動作例を示している。図15において、トルク抑制部41の動作によってトルク指令値T*が制限されても、磁石温度推定値testの上昇が収まらない点が、図14と異なる。
図15の下段において、異常判定部42は、磁石温度推定値testが予め定められた警告温度twarnを超過すると、電動機1の異常を示す異常信号を、図示していない上位のコントローラ102に出力する。上位のコントローラ102は、異常信号を受けて、直流電源からインバータ回路4への電力供給を遮断する。この結果、電動機1が停止するため、磁石温度推定値testの上昇が抑制される。
なお、異常判定部42は、異常信号を電流指令生成部11に出力してもよい。電流指令生成部11は、後述するように、異常信号を受けて、電動機1への通電を停止する電流指令値id*およびiq*を電流制御部13に出力してもよい。
また、異常判定部42は、電動機1への通電を停止する停止信号を電流指令生成部11に出力してもよい。この場合、電流指令生成部11は、停止信号を受けて、電動機1を減速後停止させる電流指令値id*およびiq*を電流制御部13に出力する。電流制御部13は、電動機1を減速後停止させる電圧指令値vd*およびvq*をdq/UVW座標変換部15に出力する。dq/UVW座標変換部15は、電動機1を減速後停止させる三相電圧指令値vu*、vv*、vw*に変換してインバータ回路4に出力する。インバータ回路4は、三相電流を電動機1に出力して電動機1を減速後停止させる。この結果、電動機1が停止するため、磁石温度推定値testの上昇が抑制される。
なお、電流指令生成部11は、電動機1への通電を停止する停止信号を受けて、0の電流指令値id*およびiq*を電流制御部13に出力してもよい。この場合、電流制御部13は、0の電圧指令値vd*およびvq*をdq/UVW座標変換部15に出力する。dq/UVW座標変換部15は、0の三相電圧指令値vu*、vv*、vw*に変換してインバータ回路4に出力する。インバータ回路4は、0の三相電流を電動機1に出力して電動機1への通電を停止する。この結果、上述の電動機1を減速後停止させる場合よりも早く電動機1への通電が停止されるため、磁石温度推定値testの上昇が早く抑制される。
したがって、本実施の形態に係る電動機制御装置10は、磁石温度推定値testに基づいて電動機1の異常を判定する異常判定部42とをさらに備え、異常判定部42は、磁石温度推定値testが予め定められた警告温度twarnより大きい場合には、電動機1の異常である異常信号を出力し、または電動機1への通電を停止する。
この構成によって、実施の形態1と同様の効果に加えて、トルク指令値T*が制限され、磁石温度推定値testの上昇が収まらない場合でも、電動機1の過剰な発熱による電動機1の破損や磁石134の不可逆減磁を防止し、電動機1を保護することができる。
1 電動機、2 位置検出器、3 電流検出器、4 インバータ回路、10 電動機制御装置、11 電流指令生成部、12 速度検出部、13 電流制御部、14 UVW/dq座標変換部、15 dq/UVW座標変換部、16a、16b、23、36a 加算減算器、20 トルク推定部、21 入力電力演算部、22 損失演算部、24 乗算除算器、30 磁石温度推定部、31 符号設定部、32 積分器、33 基準温度設定部、34 ローパスフィルタ、35 時定数設定部、36b 加算器、40 保護機能部、41 トルク抑制部、42 異常判定部、100 プロセッサ、101 記憶装置、102 上位のコントローラ、110 フレーム、111、112 ブラケット、130 回転子、131 固定子、132 固定子鉄心、133 巻線、134 磁石、135 回転子鉄心、138 回転軸、139 ベアリング、140 三相ブリッジ回路、141 ドライバ回路、142〜147 スイッチング素子、151−1 U相端子、151−2 V相端子、151−3 W相端子、152 電源、154 GND、200 電動機システム。

Claims (9)

  1. 電動機のトルク指令値、前記電動機の回転速度、および前記電動機の磁石温度の推定値である磁石温度推定値に対応して電流指令値が予め定められた多次元マップを用いて、前記電流指令値を出力する電流指令生成部と、
    インバータ回路から前記電動機に供給される電流の検出値である電流検出値を前記電流指令値に近づける電圧指令値を前記インバータ回路に出力する電流制御部と、
    前記電流指令値または前記電流検出値、前記電圧指令値、および前記回転速度に基づいてトルク推定値を出力するトルク推定部と、
    前記トルク指令値と前記トルク推定値との差分であるトルク誤差に前記トルク指令値の符号を乗算した値を累積加算することによって、前記磁石温度推定値を出力する磁石温度推定部とを備えた電動機制御装置。
  2. 前記磁石温度推定部は、前記トルク誤差に前記トルク指令値の符号を乗算した値が累積加算された値を前記磁石温度の前記基準温度に加算することによって前記磁石温度推定値を出力する請求項1に記載の電動機制御装置。
  3. 前記磁石温度推定部は、前記トルク指令値の大きさが予め定められた値以下の場合には、前記磁石温度推定値として予め定められた温度を出力し、
    前記トルク指令値の大きさが前記予め定められた値より大きい場合には、前記トルク誤差に前記トルク指令値の符号を乗算した値を累積加算することによって、前記磁石温度推定値を出力する請求項1または請求項2に記載の電動機制御装置。
  4. 前記予め定められた温度は、前記トルク指令値が前記予め定められた値以下となる直前の前記磁石温度推定値である請求項3に記載の電動機制御装置。
  5. 前記予め定められた温度は、前記磁石温度の基準温度である請求項3に記載の電動機制御装置。
  6. 前記磁石温度推定部は、前記トルク誤差に前記トルク指令値の符号を乗算した値が累積加算された値と、予め定められた時定数とに基づいて、前記磁石温度推定値を出力するローパスフィルタを有し、
    前記時定数は、前記磁石温度の時定数に基づいて設定された請求項5に記載の電動機制御装置。
  7. 前記磁石温度推定部は、前記トルク誤差に前記トルク指令値の符号を乗算した値が累積加算された値と、予め定められた時定数とに基づいて、前記磁石温度推定値を出力するローパスフィルタを有し、
    前記時定数は、前記回転速度に対応して前記時定数が予め定められた時定数マップを用いて設定された請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電動機制御装置。
  8. 前記磁石温度推定値に基づいて前記トルク指令値の大きさを小さくするトルク抑制部とをさらに備えた請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電動機制御装置。
  9. 前記磁石温度推定値に基づいて前記電動機の異常を判定する異常判定部とをさらに備え、
    前記異常判定部は、前記磁石温度推定値が予め定められた警告温度より大きい場合には、前記電動機の異常を出力し、または前記電動機への通電を停止する請求項8に記載の電動機制御装置。
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