JP2016176384A - 可変容量型ターボチャージャーの制御装置 - Google Patents

可変容量型ターボチャージャーの制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ターボチャージャーにおける過回転を抑えることを可能にした可変容量型ターボチャージャーの制御装置を提供する。【解決手段】可変容量型ターボチャージャーの制御装置は、定常状態にあるエンジンに適した基本膨張比πSを基本膨張比データ71から選択する基本膨張比選択部70と、ターボチャージャーの過回転を抑える第1膨張比π1を第1膨張比データ73から選択する第1膨張比選択部72とを備える。上限膨張比設定部83は、目標膨張比tπの上限膨張比πHに第1膨張比π1を設定する。下限膨張比設定部84は、目標膨張比tπの下限膨張比πLを設定する。下限膨張比πLは、上限膨張比が基本膨張比πS以下のときには上限膨張比πHであり、上限膨張比πHが基本膨張比πSよりも大きいときには基本膨張比πSである。目標膨張比設定部87は、下限膨張比πL以上であって、かつ、上限膨張比πH以下の値を目標膨張比tπに設定する。【選択図】図3

Description

本発明は、可変容量型ターボチャージャーの制御装置に関する。
従来から、例えば特許文献1に記載されるように、エンジンに備えられるターボチャージャーとして、タービンに流入する排気ガスの流速を変更可能な可変容量型ターボチャージャーが知られている。特許文献1の可変容量型ターボチャージャーでは、エンジンの運転状態に基づいて過給圧の目標値を設定し、その設定した目標値となるように可変ノズルの開度を制御している。具体的には、エンジンの回転数と燃料噴射量とに基づいて設定される目標過給圧とセンサーにより取得した実際の過給圧とが比較され、その比較された結果に応じて可変ノズルの開度が制御されている。
特開平10−331648号公報
ところで、ターボチャージャーでは、ターボチャージャーの回転数であるタービン回転数が高すぎる過回転が生じると、ターボチャージャーの構成部品に対する機械的な負荷が増大してしまう。
本発明は、ターボチャージャーにおける過回転を抑えることを可能にした可変容量型ターボチャージャーの制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する可変容量型ターボチャージャーの制御装置は、タービンにおける膨張比であって定常状態にあるエンジンに適した基本膨張比をエンジン回転数および燃料噴射量ごとに規定した基本膨張比データから前記基本膨張比を選択する基本膨張比選択部と、ターボチャージャーの過回転を抑える膨張比の許容値である許容膨張比をタービン回転数ごとに規定した許容膨張比データから前記許容膨張比を選択する許容膨張比選択部と、前記膨張比の上限値である上限膨張比を設定する上限膨張比設定部と、前記膨張比の下限値である下限膨張比を設定する下限膨張比設定部と、前記下限膨張比以上であって、かつ、前記上限膨張比以下の値を前記膨張比の目標値に設定する目標膨張比設定部と、前記膨張比が前記目標値となるように可変ノズルの開度を制御する制御部とを備え、前記上限膨張比設定部は、前記許容膨張比を前記上限膨張比に設定し、前記下限膨張比設定部は、前記上限膨張比および前記基本膨張比の最小値を前記下限膨張比に設定する。
上記構成によれば、下限膨張比および上限膨張比の各々がターボチャージャーの過回転を抑える許容膨張比以下の値に設定される。そして、膨張比の目標値には、下限膨張比以上であって、かつ、上限膨張比以下の値が設定される。すなわち、膨張比の目標値に許容膨張比以下の値が設定されるため、ターボチャージャーの過回転を抑えることができる。
上記可変容量型ターボチャージャーの制御装置において、前記許容膨張比データは、前記許容膨張比の選択に際して基準とされる大気圧である基準大気圧に対応付けられた許容基準膨張比と、該基準大気圧よりも低い大気圧に対応付けられて前記許容基準膨張比よりも小さい値である許容低圧膨張比とを、前記タービン回転数ごとに予め規定し、前記許容膨張比選択部は、前記タービン回転数と前記大気圧とに対応する前記許容膨張比を前記許容膨張比データから選択することが好ましい。
空気の密度は、大気圧が低いときほど小さい。そのため、ターボチャージャーは、大気圧が低いときほどタービン回転数が上昇しやすい。上記構成によれば、タービン回転数が上昇しやすいときには許容膨張比として許容低圧膨張比を選択することができる。すなわち、タービン回転数の上昇のしやすさに応じて許容膨張比を変更することが可能である。その結果、ターボチャージャーの過回転をより確実に抑えることができる。
上記可変容量型ターボチャージャーの制御装置において、前記許容膨張比が第1膨張比であり、前記許容膨張比データが第1膨張比データであり、前記許容膨張比選択部が第1膨張比選択部であり、ターボチャージャーのサージングを抑える膨張比の許容値である第2膨張比を吸入空気の体積流量ごとに規定した第2膨張比データから前記第2膨張比を選択する第2膨張比選択部をさらに備え、前記上限膨張比設定部は、前記第1膨張比および前記第2膨張比の最小値を前記上限膨張比に設定することが好ましい。
ターボチャージャーにおいては、コンプレッサーが空転するサージングが生じることがある。このサージングは、吸入空気が少なく、かつ、コンプレッサーにおける圧力比が大きいときに生じやすい。上記構成によれば、吸入空気の体積流量に応じてタービンに付与されるエネルギーが制限されることから、ターボチャージャーの過回転のみならずサージングを抑えることもできる。
上記可変容量型ターボチャージャーの制御装置において、前記第2膨張比データは、前記第2膨張比の選択に際して基準とされる大気圧である基準大気圧に対応付けられた第2基準膨張比と、該基準大気圧よりも低い大気圧に対応付けられて前記第2基準膨張比よりも小さい値である第2低圧膨張比とを、前記体積流量ごとに予め規定し、前記第2膨張比選択部は、前記体積流量と前記大気圧とに対応する前記第2膨張比を前記第2膨張比データから選択することが好ましい。
上記構成によれば、ターボチャージャーの過回転を抑えつつ、サージングをより確実に抑えることができる。
上記可変容量型ターボチャージャーの制御装置において、前記目標膨張比設定部は、前記燃料噴射量の変化量が第1の閾値以下の場合に、前記下限膨張比を前記目標値に設定し、前記変化量が前記第1の閾値よりも大きく、かつ、第2の閾値以下の場合に、前記変化量が大きいほど、前記下限膨張比の割合が少なく、かつ、前記上限膨張比の割合が大きい値を前記目標値に設定し、前記変化量が前記第2の閾値よりも大きい場合に、前記上限膨張比を前記目標値に設定することが好ましい。
上記構成によれば、エンジンの運転状態が定常状態から過渡状態に変化し、燃料噴射量の変化量が第1の閾値よりも小さい値から第2の閾値よりも大きい値へと変化する場合、目標値は、下限膨張比から徐々に上限膨張比に近い値へと変化し、やがて上限膨張比に設定される。また、下限膨張比は、定常状態にあるエンジンに適した膨張比である基本膨張比、あるいは、上限膨張比と同じ値に設定される。すなわち、目標値は、エンジンの運転状態が定常状態から過渡状態に変化する場合に、定常状態に適した膨張比から過渡状態に適した膨張比へと徐々に変化する。その結果、ターボチャージャーの過回転を抑えつつ、エンジンの運転状態に応じた膨張比でターボチャージャーを駆動することができる。
可変容量型ターボチャージャーの制御装置の一実施形態が搭載されるエンジンシステムの概略構成を示す概略構成図。 可変容量型ターボチャージャーの制御装置の構成の一例を示すブロック図。 演算部が行う演算の一部を示す演算ブロック図。 基本膨張比データを模式的に示すグラフ。 第1膨張比データを構成する第1データを模式的に示すグラフであり、(a)は第1基準データを示すグラフ、(b)は第1低圧データを示すグラフ、(c)は第1高圧データを示すグラフ。 第2膨張比データを構成する第2データを模式的に示すグラフであり、(a)は第2基準データを示すグラフ、(b)は第2低圧データを示すグラフ、(c)は第2高圧データを示すグラフ。 係数データを模式的に示すグラフ。
図1〜図7を参照して、可変容量型ターボチャージャーの制御装置を具体化した一実施形態について説明する。まず、可変容量型ターボチャージャーが搭載されるエンジンシステムの全体構成について、図1を参照して説明する。
図1に示すように、エンジンシステムは、ディーゼルエンジン10(以下、エンジン10という。)を備える。エンジン10のシリンダーブロック11には、一列に並んだ4つのシリンダー12が形成されている。各シリンダー12には、インジェクター13から燃料が噴射される。シリンダーブロック11には、各シリンダー12に吸入空気を供給するためのインテークマニホールド14と、各シリンダー12からの排気ガスが流入するエキゾーストマニホールド15とが接続されている。
インテークマニホールド14に接続される吸気通路16には、上流側から順に、図示されないエアクリーナー、ターボチャージャー17を構成するコンプレッサー18、インタークーラー19が設けられている。エキゾーストマニホールド15に接続される排気通路20には、コンプレッサー18に連結軸21を介して連結され、ターボチャージャー17を構成するタービン22が設けられている。
エンジンシステムは、エキゾーストマニホールド15と吸気通路16とを接続するEGR通路25を備える。EGR通路25には、EGRクーラー26が設けられ、EGRクーラー26における吸気通路16側には、EGR通路25の流路断面積を変更可能なEGR弁27が設けられている。EGR弁27が開状態にあるとき、吸気通路16には、EGR通路25を通じて排気ガスの一部がEGRガスとして導入され、シリンダー12には、排気ガスと吸入空気との混合気体である作動ガスが供給される。
ターボチャージャー17は、タービン22に可変ノズル28が配設された可変容量型ターボチャージャー(VNT:Variable Nozzle Turbo)である。可変ノズル28は、ステッピングモーターを備えたアクチュエーター29の駆動により開度が変更されることで、エキゾーストマニホールド15内の排気ガスの圧力であってタービン22に流入する排気ガスの圧力である排気圧力Pem、および、タービン22への排気ガスの流入量Gtiを調整する。可変ノズル28の開度は、可変容量型ターボチャージャーの制御装置であるVNT制御装置50によって制御される。
エンジンシステムは、各種センサーを備える。吸入空気量センサー31および吸気温度センサー32は、吸気通路16におけるコンプレッサー18の上流に位置する。吸入空気量センサー31は、コンプレッサー18に流入する吸入空気の質量流量である吸入空気量Gaを検出し、吸気温度センサー32は、該吸入空気の温度である吸気温度Taを検出する。EGR圧力センサー33およびEGR温度センサー34は、EGR通路25におけるEGRクーラー26とEGR弁27との間に位置する。EGR圧力センサー33は、EGR弁27に流入するEGRガスの圧力であるEGR圧力Prを検出し、EGR温度センサー34は、EGR弁27に流入するEGRガスの温度であるEGR温度Trを検出する。ブースト圧センサー36は、吸気通路16に対するEGR通路25の接続部分とインテークマニホールド14との間に位置し、作動ガスの圧力であるブースト圧Pbを検出する。作動ガス温度センサー37は、インテークマニホールド14に取り付けられ、シリンダー12に流入する作動ガスの温度である作動ガス温度Twgを検出する。
エンジン回転数センサー38は、クランクシャフト30の回転数であるエンジン回転数Neを検出する。タービン回転数センサー39は、ターボチャージャー17の連結軸21の回転数であるタービン回転数Ntを検出する。可変ノズル開度センサー40は、アクチュエーター29の駆動量に基づいて可変ノズル28の開度であるノズル開度VTaを検出する。上記各センサーは、検出した検出値を示す信号をVNT制御装置50に出力する。
図2に示されるように、VNT制御装置50(以下、単に制御装置50という。)は、CPU、ROM、RAM等で構成された制御部51を備える。制御部51は、外部からの信号を取得する取得部52と、各種演算を行う演算部53と、各種制御プログラムや基本膨張比データ71等の各種データを格納する記憶部54とを備える。また、制御装置50は、アクチュエーター29を駆動するノズル駆動部55を備える。制御部51は、記憶部54に格納された各種制御プログラムに従って、取得部52が取得した信号と記憶部54に格納された各種データとを用いて排気圧力Pemの目標圧力tPemを演算し、その目標圧力tPemが具現化されるように可変ノズル28の開度を制御する。なお、制御装置50には、大気圧センサー41から大気圧Patmを示す信号、および、燃料噴射を制御する燃料噴射制御部42から燃料噴射量Gfを示す信号が入力される。
取得部52は、上述の各種センサーが出力した信号に基づいて、吸入空気量Ga、吸気温度Ta、EGR圧力Pr、EGR温度Tr、ブースト圧Pb、作動ガス温度Twg、エンジン回転数Ne、タービン回転数Nt、ノズル開度VTa、および、大気圧Patmを取得する。また、取得部52は、燃料噴射制御部42からの信号に基づいて燃料噴射量Gfを取得する。
演算部53は、タービン22に流入する排気ガスの温度である流入温度Tti、タービン22に流入する排気ガスの質量流量である流入量Gti、タービン22の出口における排気ガスの圧力である出口圧力Pteを演算する第1演算部53aと、排気圧力Pemの目標圧力tPemを演算する第2演算部53bとを備える。また演算部53は、これら流入温度Tti、流入量Gti、出口圧力Pte、目標圧力tPemを用いて、可変ノズル28の目標開口面積tAを演算する第3演算部53cを備える。この目標圧力tPemは、ターボチャージャー17を駆動するうえで非常に重要なパラメーターである。目標圧力tPemは、例えば、NOxおよびPMの低減、ターボチャージャー17の過回転やサージングの抑制、EGRを行なう際のEGR弁27における最小差圧の形成等、その目的に応じて最適値が異なるものである。
第3演算部53cは、ベルヌーイの定理に基づく式(1)に各値を代入することにより目標開口面積tAを演算する。第3演算部53cは、「T1」に流入温度Tti、「G」に流入量Gti、「P2」に出口圧力Pte、「P1」に目標圧力tPemを代入することにより、その演算結果である「A」として目標開口面積tAを演算する。なお、式(1)において、κは排気ガスの比熱比であり、Rは気体定数である。
Figure 2016176384
演算部53は、式(1)から求めた目標開口面積tAを具現化する目標ノズル開度tVTを演算し、可変ノズル28の開度をノズル開度VTaから目標ノズル開度tVTに変更するために必要な開度である指示開度VTcを演算する。演算部53は、その指示開度VTcをノズル駆動部55に出力する。
ノズル駆動部55は、演算部53から入力された指示開度VTcの分だけ可変ノズル28の開度を変更するための駆動信号を生成し、その生成した駆動信号をアクチュエーター29に出力する。
図3に示すように、第1演算部53aは各種演算部を備える。作動ガス量演算部56は、シリンダー12に供給される作動ガスの質量流量である作動ガス量Gwgを演算する。作動ガス量演算部56は、状態方程式P×V=Gwg×R×Tに基づく所定の演算をブースト圧Pb、エンジン回転数Ne、エンジン10の排気量D、作動ガス温度Twgを用いて行うことにより作動ガス量Gwgを演算する。
EGR量演算部57は、上記作動ガス量Gwgから吸入空気量Gaを減算することにより、EGRガスの質量流量であるEGR量Grを演算する。
EGR率演算部58は、EGR量Grを作動ガス量Gwgで除算することによってEGR率η(=Gr/Gwg)を演算する。
流入温度演算部59は、作動ガス量Gwg、EGR率η、燃料噴射制御部42からの入力値である燃料噴射量Gf、および、記憶部54に格納された流入温度データ60に基づいて流入温度Ttiを演算する。流入温度データ60は、予め行った実験等に基づいて、作動ガス量Gwg、EGR率η、および、燃料噴射量Gfをパラメーターとして排気ガスの温度が一義的に規定されたデータである。そして、流入温度演算部59は、作動ガス量Gwg、EGR率η、および、燃料噴射量Gfに応じた流入温度Ttiを流入温度データ60から選択する。
流入量演算部61は、タービン22に流入する排気ガスの質量流量である流入量Gtiを演算する。流入量演算部61は、吸入空気量Gaに燃料噴射量Gfを加算することで流入量Gtiを演算する。
EGR圧力損失演算部62は、EGR量Gr、および、記憶部54に格納されたEGR通路データ63に基づき、EGR通路25におけるEGRガスの圧力損失ΔPrを演算する。EGR通路データ63は、予め行った実験等に基づいて、EGR通路25の入口からEGR圧力センサー33までの間におけるEGRガスの圧力損失ΔPrがEGR量Grごとに規定されたデータである。EGR圧力損失演算部62は、EGR量Grに応じた圧力損失ΔPrをEGR通路データ63から選択する。
排気圧力演算部64は、EGR圧力Prに圧力損失ΔPrを加算することにより排気圧力Pem(=Pr+ΔPr)を演算する。
出口圧力演算部65は、流入温度Tti、流入量Gti、大気圧Patm、及び、記憶部54に格納された排気通路データ66に基づき出口圧力Pteを演算する。排気通路データ66は、予め行った実験等に基づきタービン22の出口から大気への排出までに排気ガスに生じる圧力損失ΔPepがタービン22への流入量Gtiに基づく体積流量であるGti×(Tti^1/2)/Pemごとに規定されたデータである。出口圧力演算部65は、流入量Gtiに応じた圧力損失ΔPepを排気通路データ66から選択し、その選択した圧力損失ΔPepを大気圧Patmに加算することで出口圧力Pteを演算する。このように出口圧力Pteが演算により求められることで高温の排気ガスに晒されるセンサーの数を低減することができる。
第2演算部53bは各種演算部を備える。基本膨張比選択部70は、記憶部54に格納された基本膨張比データ71から、定常状態にあるエンジン10に適した膨張比である基本膨張比πSを選択する。定常状態は、燃料噴射量Gfの変化量ΔGfが一定の範囲内にあるエンジン10の運転状態である。
図4に示すように、基本膨張比データ71は、予め行った実験等に基づいて、エンジン回転数Neと燃料噴射量Gfとをパラメーターとして基本膨張比πSが一義的に規定されたデータである。基本膨張比πSの各々は、エンジン10の中回転域において、燃料噴射量Gfが最大となる特定のエンジン回転数Neを有する。また、基本膨張比πSの各々は、エンジン回転数Neが特定のエンジン回転数Neよりも低い領域ではエンジン回転数Neの減少とともに対応する燃料噴射量Gfが減少し、また、特定のエンジン回転数Neよりも高い領域ではエンジン回転数Neの上昇とともに対応する燃料噴射量Gfが減少する。これにより、エンジン10の低回転域ではターボチャージャー17のサージングが抑えられ、エンジン10の高回転域ではターボチャージャー17の過回転が抑えられる。
第1膨張比選択部72は、記憶部54に格納された第1膨張比データ73から、タービン回転数Ntに応じた膨張比の許容値であってターボチャージャー17の過回転を抑える許容膨張比である第1膨張比π1を選択する。第1膨張比データ73は、許容膨張比データであり、大気圧Patmに応じた第1基準データ74、第1低圧データ75、第1高圧データ76で構成されている。各データ74,75,76には、予め行った実験やシミュレーションの結果に基づく第1膨張比π1がタービン回転数Ntごとに規定されている。第1膨張比選択部72は、大気圧Patmに応じてデータ74,75,76の1つを選択し、その選択したデータからタービン回転数Ntに応じた第1膨張比π1を選択する。
図5(a)に示されるように、第1基準データ74は、大気圧Patmが所定の第1基準範囲に含まれる場合に選択されるデータであり、タービン回転数Ntごとに第1基準膨張比π1Sが規定されている。第1基準膨張比π1Sには、基準回転数Nt1以下の範囲に最大膨張比πmaxが規定され、基準回転数Nt1よりも高い範囲にタービン回転数Ntが高くなるほど低くなる値が規定されている。
図5(b)に示されるように、第1低圧データ75は、大気圧Patmが上記第1基準範囲よりも低い場合に選択されるデータであり、タービン回転数Ntごとに第1低圧膨張比π1Lが規定されている。第1低圧膨張比π1Lには、上記基準回転数Nt1よりも低い低圧回転数Nt2以下の範囲に最大膨張比πmaxが規定され、低圧回転数Nt2よりも高い範囲に、第1基準膨張比π1Sよりも低く、且つ、タービン回転数Ntが高くなるほど低くなる値が規定されている。
図5(c)に示されるように、第1高圧データ76は、大気圧Patmが上記第1基準範囲よりも高い場合に選択されるデータであり、タービン回転数Ntごとに第1高圧膨張比π1Hが規定されている。第1高圧膨張比π1Hは、上記基準回転数Nt1よりも高い高圧回転数Nt3以下の範囲に最大膨張比πmaxが規定され、高圧回転数Nt3よりも高い範囲に、第1基準膨張比π1Sよりも高く、且つ、タービン回転数Ntが高くなるほど低くなる値が規定されている。なお、高圧回転数Nt3には、ターボチャージャー17が過回転状態にあると判断される許容回転数以下のタービン回転数Ntが設定される。
体積流量演算部77は、状態方程式に基づく所定の演算を吸入空気量Ga、大気圧Patm、吸気温度Taを用いて行うことにより、コンプレッサー18に流入する吸入空気の体積流量Qaを演算する。
第2膨張比選択部78は、記憶部54に格納された第2膨張比データ79から、体積流量Qaに応じた膨張比の許容値であってターボチャージャー17のサージングを抑える第2膨張比π2を選択する。第2膨張比データ79は、大気圧Patmに応じた第2基準データ80、第2低圧データ81、第2高圧データ82で構成されている。各データ80,81,82には、予め行った実験やシミュレーションの結果に基づく第2膨張比π2が体積流量Qaごとに規定されている。第2膨張比選択部78は、大気圧Patmに応じてデータ80,81,82の1つを選択し、その選択したデータからタービン回転数Ntに応じた第2膨張比π2を選択する。
ここで、ターボチャージャーのサージングとは、コンプレッサー18が空転する現象である。サージングが生じている期間は、吸入空気の過給が行われないばかりか吸入空気が逆流してしまうこともある。また、ターボチャージャー17に振動が生じることでターボチャージャーの構成部品に対する機械的な負荷が増大してしまう。また、サージングは、吸入空気の体積流量Qaが少なく、且つ、コンプレッサー18の出口圧力とコンプレッサー18の入口圧力との比である圧力比が高いときに生じやすい。そのため、サージングは、タービン22における膨張比が高いときほど生じやすい。
図6(a)が示すように、第2基準データ80は、大気圧Patmが所定の第2基準範囲に含まれる場合に選択されるデータであり、体積流量Qaの各々に第2基準膨張比π2Sが規定されている。第2基準膨張比π2Sには、体積流量Qa1L以下の範囲に最小膨張比πminが規定され、体積流量Qa1Lよりも高く、且つ、体積流量Qa1H以下の範囲では体積流量Qaが高いほど高い値が規定されている。第2基準膨張比π2Sには、体積流量Qa1Hよりも高い範囲に最大膨張比πmaxが規定されている。
図6(b)に示されるように、第2低圧データ81は、大気圧Patmが上記第2基準範囲よりも低い場合に選択されるデータであり、体積流量Qaごとに第2低圧膨張比π2Lが規定されている。第2低圧膨張比π2Lには、上記体積流量Qa1Lよりも高い体積流量Qa2L以下の範囲に最小膨張比πminが規定されている。第2低圧膨張比π2Lには、体積流量Qa2Lよりも高く、且つ、体積流量Qa1Hよりも高い体積流量Qa2H以下の範囲に、第2基準膨張比π2Sよりも低く、且つ、体積流量Qaが高くなるほど高くなる値が規定されている。第2低圧膨張比π2Lには、体積流量Qa2Hよりも高い範囲に最大膨張比πmaxが規定されている。
図6(c)に示されるように、第2高圧データ82は、大気圧Patmが上記第2基準範囲よりも高い場合に選択されるデータであり、体積流量Qa毎に第2高圧膨張比π2Hが規定されている。第2高圧膨張比π2Hには、上記体積流量Qa1Lよりも低い体積流量Qa3L以下の範囲に最小膨張比πminが規定されている。第2高圧膨張比π2Hには、体積流量Qa3Lよりも高く、且つ、体積流量Qa1Hよりも低い体積流量Qa3H以下の範囲に、第2基準膨張比π2Sよりも高く、且つ、体積流量Qaが高くなるほど高くなる値が規定されている。第2高圧膨張比π2Hには、体積流量Qa3Hよりも高い範囲に最大膨張比πmaxが規定されている。
上限膨張比設定部83は、目標膨張比tπの上限値である上限膨張比πHを設定する。上限膨張比設定部83は、第1膨張比π1および第2膨張比π2の最小値を上限膨張比πHに設定する。すなわち、上限膨張比設定部83は、第1膨張比π1が第2膨張比π2以下のときに第1膨張比π1を上限膨張比πHに設定し、第1膨張比π1が第2膨張比π2よりも大きいときに第2膨張比π2を上限膨張比πHに設定する。
下限膨張比設定部84は、目標膨張比tπの下限値である下限膨張比πLを設定する。下限膨張比設定部84は、基本膨張比πSおよび上限膨張比πHの最小値を下限膨張比πLに設定する。すなわち、下限膨張比設定部84は、基本膨張比πSが上限膨張比πH以下のときに基本膨張比πSを下限膨張比πLに設定し、基本膨張比πSが上限膨張比πHよりも大きいときに上限膨張比πHを下限膨張比πLに設定する。
ここで、定常状態にあるエンジン10に適した膨張比である基本膨張比πSといえども上限膨張比πHを超えてしまうとなれば、定常状態にあるエンジン10においてターボチャージャー17の過回転やサージングが生じてしまうおそれがある。この点、上記構成では、下限膨張比πLが上限膨張比πH以下の値に設定されることで、定常状態にあるエンジン10においてターボチャージャー17の過回転およびサージングが生じにくい。
係数選択部85は、記憶部54に格納された係数データ86から、目標膨張比tπを演算する際に用いる係数kを選択する。この係数kは、目標膨張比tπに占める下限膨張比πLの割合と上限膨張比πHの割合とを示す値であって、予め行った実験やシミュレーションの結果に基づいて規定される。係数選択部85は、今回の燃料噴射量Gfから前回の燃料噴射量Gfを減算することにより燃料噴射量Gfの変化量ΔGfを演算し、その変化量ΔGfを係数データ86に適用することで係数kを選択する。
図7に示すように、係数データ86は、変化量ΔGfごとに係数kを規定したデータである。係数データ86には、第1の閾値ΔGf1(>0)以下の変化量ΔGfに係数k=0が規定されている。係数データ86には、第1の閾値ΔGf1よりも大きく、かつ、第2の閾値ΔGf2(>ΔGf1)以下の変化量ΔGf(ΔGf1<ΔGf≦ΔGf2)に、変化量ΔGfが大きいほど1に近づく係数kが規定されている。係数データ86には、第2の閾値ΔGf2よりも大きい変化量ΔGfに係数k=1が規定されている。
目標膨張比設定部87は、上限膨張比設定部83が設定した上限膨張比πH、下限膨張比設定部84が設定した下限膨張比πL、および、係数選択部85の演算結果である係数k、これらの値を下記の式(2)に代入した演算結果を目標膨張比tπに設定する。
tπ=(1−k)×πL+k×πH … (2)
こうした構成によれば、目標膨張比tπは、第1膨張比π1および第2膨張比π2の双方よりも大きい値に設定されるがない。また、目標膨張比tπは、燃料噴射量Gfの変化量ΔGfに応じた割合で下限膨張比πLと上限膨張比πHとを含む値に設定されることから、エンジン10の運転状態に適した膨張比に設定される。その結果、ターボチャージャー17の過回転およびサージングを抑えつつ、エンジン10の運転状態が例えば定常状態から過渡状態へ移行したときに、定常状態に適した膨張比から過渡状態に適した膨張比へと目標膨張比tπを円滑に移行させることができる。
目標圧力設定部88は、目標膨張比tπと出口圧力演算部65の演算結果である出口圧力Pteとを乗算した値を目標圧力tPemとして演算する。
第3演算部53cは、このようにして演算された流入温度Tti、流入量Gti、出口圧力Pte、および、目標圧力tPemを式(1)に代入することにより、可変ノズル28の目標開口面積tAを演算する。
次に、上述した制御装置50の作用について説明する。制御装置50は、排気圧力Pemが目標圧力tPemとなるように可変ノズル28の開度を制御する。目標圧力tPemは、燃料噴射量Gfの変化量ΔGfに基づく割合で下限膨張比πLと上限膨張比πHとを含む目標膨張比tπに基づいて演算される。そして、これら下限膨張比πLおよび上限膨張比πHは、ターボチャージャー17の過回転を抑える第1膨張比π1、ターボチャージャー17のサージングを抑える第2膨張比π2、これらの双方を超えることのない値である。そのため、目標膨張比tπとして下限膨張比πLが設定された場合であっても上限膨張比πHが設定された場合であっても、過回転およびサージングを抑えつつターボチャージャー17を駆動することができる。
上記実施形態のVNT制御装置50によれば、以下に列挙する効果が得られる。
(1)目標膨張比tπが第1膨張比π1および第2膨張比π2の双方を超えることがないから、ターボチャージャー17の過回転およびサージングが抑えられる。これにより、例えば、ターボチャージャー17の振動、および、ターボチャージャー17の構成部品に作用する機械的な負荷を抑えることができる。
(2)第1膨張比データ73には、1つのタービン回転数Ntに対して大気圧Patmに応じた複数の第1膨張比π1が規定されている。その結果、大気圧Patmに応じた第1膨張比π1が選択されることでターボチャージャー17の過回転がさらに抑えられる。
(3)第2膨張比データ79には、1つの体積流量Qaに対して大気圧Patmに応じた複数の第2膨張比π2が規定されている。その結果、大気圧Patmに応じた第2膨張比π2が選択されることでターボチャージャー17のサージングがさらに抑えられる。
(4)第1膨張比データ73が大気圧に応じた3つのデータ、第1基準データ74、第1低圧データ75、第1高圧データ76で構成される。また、第2膨張比データ79が大気圧に応じた3つのデータ、第2基準データ80、第2低圧データ81、第2高圧データ82で構成される。そのため、大気圧Patmに応じた第1膨張比π1および第2膨張比π2の選択が可能であり、また、大気圧Patmに応じた膨張比π1,π2を選択するうえで各データの構成及び演算部53による演算を簡素化できる。
(5)目標膨張比tπは、燃料噴射量Gfの変化量ΔGfに応じた割合で下限膨張比πLと上限膨張比πHとを含んでおり、変化量ΔGfが大きいほど上限膨張比πHの割合が高くなる。すなわち、エンジン10の運転状態が急加速状態といった過渡状態であるほど目標膨張比tπにおける上限膨張比πHの割合が高くなる。その結果、ターボチャージャー17の過回転およびサージングを抑えつつ、エンジン10の運転状態に適した膨張比に目標膨張比tπが設定される。
(6)制御装置50は、目標膨張比tπを演算したのちに目標圧力tPemを演算する。そのため、各膨張比πS,π1,π2に基づく排気圧力を演算し、そのあとにこれらの排気圧力から目標圧力tPemを選択するよりも演算部53による演算が簡素化される。
なお、上記実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・目標膨張比tπは、下限膨張比πL以上、上限膨張比πH以下の値であればよい。そのため、目標膨張比設定部87は、例えば、燃料噴射量Gfの変化量ΔGfに拘わらず一定の割合で下限膨張比πLと上限膨張比πHとを含む値を目標膨張比tπに設定してもよいし、エンジン回転数Neといった他の情報に基づき目標膨張比tπを設定してもよい。
・第2膨張比データ79は、大気圧Patmに関わらず、1つの体積流量Qaに対して1つの第2膨張比π2が規定されたデータであってもよい。これによれば、第2膨張比データ79の構成、および、演算部53による演算をさらに簡素化できる。また、第2膨張比データ79は、第2基準データ80と第2低圧データ81とで構成されてもよいし、大気圧Patmに応じた4以上のデータで構成されてもよい。第2膨張比データ79を細分化することで大気圧Patmに応じた第2膨張比π2の精度が高まる。
・演算部53は、ターボチャージャー17の過回転を抑えるうえで、体積流量演算部77、第2膨張比選択部78、および、第2膨張比データ79が割愛された構成であってもよい。この際、第1膨張比選択部72は、上限膨張比設定部としても機能する。
・第1膨張比データ73は、大気圧Patmに関わらず、1つのタービン回転数Ntに対して1つの第1膨張比π1が規定されたデータであってもよい。こうした構成によれば、第1膨張比データ73の構成、および、演算部53による演算をさらに簡素化できる。また、第1膨張比データ73は、第1基準データ74と第1低圧データ75とで構成されてもよいし、大気圧Patmに応じた4以上のデータで構成されてもよい。第1膨張比データ73を細分化することで大気圧Patmに応じた第1膨張比π1の精度が高まる。
・演算部53は、例えば体積流量Qa等、各種演算で求めたパラメーターにおいてセンサーによって検出が可能なパラメーターは、そのセンサーの検出値を用いてもよい。
・燃料噴射量Gfを制御する燃料噴射制御部とVNT制御装置50は同一の制御装置に組み込まれてもよい。
10…ディーゼルエンジン、16…吸気通路、17…ターボチャージャー、18…コンプレッサー、20…排気通路、21…連結軸、22…タービン、25…EGR通路、26…EGRクーラー、27…EGR弁、28…可変ノズル、29…アクチュエーター、31…吸入空気量センサー、32…吸気温度センサー、33…EGR圧力センサー、34…EGR温度センサー、36…ブースト圧センサー、37…作動ガス温度センサー、38…エンジン回転数センサー、39…タービン回転数センサー、40…可変ノズル開度センサー、41…大気圧センサー、42…燃料噴射制御部、50…VNT制御装置、51…制御部、52…取得部、53…演算部、53a…第1演算部、53b…第2演算部、53c…第3演算部、54…記憶部、55…ノズル駆動部、56…作動ガス量演算部、57…EGR量演算部、58…EGR率演算部、59…流入温度演算部、60…流入温度データ、61…流入量演算部、62…EGR圧力損失演算部、63…EGR通路データ、64…排気圧力演算部、65…出口圧力演算部、66…排気通路データ、70…基本膨張比選択部、71…基本膨張比データ、72…第1膨張比選択部、73…第1膨張比データ、77…体積流量演算部、78…第2膨張比選択部、79…第2膨張比データ、83…上限膨張比設定部、84…下限膨張比設定部、85…係数選択部、86…係数データ、87…目標膨張比設定部、88…目標圧力設定部。

Claims (5)

  1. タービンにおける膨張比であって定常状態にあるエンジンに適した基本膨張比をエンジン回転数および燃料噴射量ごとに規定した基本膨張比データから前記基本膨張比を選択する基本膨張比選択部と、
    ターボチャージャーの過回転を抑える膨張比の許容値である許容膨張比をタービン回転数ごとに規定した許容膨張比データから前記許容膨張比を選択する許容膨張比選択部と、
    前記膨張比の上限値である上限膨張比を設定する上限膨張比設定部と、
    前記膨張比の下限値である下限膨張比を設定する下限膨張比設定部と、
    前記下限膨張比以上であって、かつ、前記上限膨張比以下の値を前記膨張比の目標値に設定する目標膨張比設定部と、
    前記膨張比が前記目標値となるように可変ノズルの開度を制御する制御部とを備え、
    前記上限膨張比設定部は、前記許容膨張比を前記上限膨張比に設定し、
    前記下限膨張比設定部は、前記上限膨張比および前記基本膨張比の最小値を前記下限膨張比に設定する
    可変容量型ターボチャージャーの制御装置。
  2. 前記許容膨張比データは、前記許容膨張比の選択に際して基準とされる大気圧である基準大気圧に対応付けられた許容基準膨張比と、該基準大気圧よりも低い大気圧に対応付けられて前記許容基準膨張比よりも小さい値である許容低圧膨張比とを、前記タービン回転数ごとに予め規定し、
    前記許容膨張比選択部は、前記タービン回転数と前記大気圧とに対応する前記許容膨張比を前記許容膨張比データから選択する
    請求項1に記載の可変容量型ターボチャージャーの制御装置。
  3. 前記許容膨張比が第1膨張比であり、
    前記許容膨張比データが第1膨張比データであり、
    前記許容膨張比選択部が第1膨張比選択部であり、
    ターボチャージャーのサージングを抑える膨張比の許容値である第2膨張比を吸入空気の体積流量ごとに規定した第2膨張比データから前記第2膨張比を選択する第2膨張比選択部をさらに備え、
    前記上限膨張比設定部は、前記第1膨張比および前記第2膨張比の最小値を前記上限膨張比に設定する
    請求項1または2に記載の可変容量型ターボチャージャーの制御装置。
  4. 前記第2膨張比データは、前記第2膨張比の選択に際して基準とされる大気圧である基準大気圧に対応付けられた第2基準膨張比と、該基準大気圧よりも低い大気圧に対応付けられて前記第2基準膨張比よりも小さい値である第2低圧膨張比とを、前記体積流量ごとに予め規定し、
    前記第2膨張比選択部は、前記体積流量と前記大気圧とに対応する前記第2膨張比を前記第2膨張比データから選択する
    請求項3に記載の可変容量型ターボチャージャーの制御装置。
  5. 前記目標膨張比設定部は、
    前記燃料噴射量の変化量が第1の閾値以下の場合に、前記下限膨張比を前記目標値に設定し、
    前記変化量が前記第1の閾値よりも大きく、かつ、第2の閾値以下の場合に、前記変化量が大きいほど、前記下限膨張比の割合が少なく、かつ、前記上限膨張比の割合が大きい値を前記目標値に設定し、
    前記変化量が前記第2の閾値よりも大きい場合に、前記上限膨張比を前記目標値に設定する
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の可変容量型ターボチャージャーの制御装置。
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