JP6453122B2 - 可変容量型ターボチャージャーの制御装置 - Google Patents

可変容量型ターボチャージャーの制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、可変容量型ターボチャージャーの制御装置に関する。
従来から、ディーゼルエンジンには、排気ガスに含まれるNOxを低減させるべく、排気ガスの一部を吸気通路に導入する排気再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)装置が搭載されている(例えば、特許文献1を参照)。EGR装置は、排気通路と吸気通路とを接続するEGR通路にEGR弁を備え、EGR弁の開度の制御によって吸気通路へのEGRガスの導入量を調整する。EGR弁の開度を制御するEGR制御装置は、例えば、エンジン回転速度及び燃料噴射量に基づく吸入空気の目標空気量と、吸入空気の実測値である実吸入空気量との偏差に基づくフィードバック制御を行うことでEGRガスの導入量を調整し、エンジンの吸入空気量を制御する。これにより、エンジンには、吸入空気とEGRガスとが混合した作動ガスが供給される。
また、EGRが実行されるうえでは、吸気側の圧力よりも排気側の圧力が高いことが必要とされる。そのため、特許文献1では、排気側の圧力が吸気側の圧力よりも高くなるように可変容量型ターボチャージャーの可変ノズルの開度が制御されている。
特開2002−332879号公報
ところで、ディーゼルエンジンにおいては、作動ガス中のEGRガスが多くなるほどNOxの排出量が低減する。一方、作動ガス中の吸入空気が多くなるほど粒子状物質(PM:Particulate Matter)の排出量が低減する。このようにNOxと粒子状物質は、一方を低減させると他方が増加するというトレードオフの関係にある。そのため、NOxおよび粒子状物質の双方を低減することが可能な技術が望まれている。
本発明は、NOxおよび粒子状物質の低減を可能にした可変容量型ターボチャージャーの制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する可変容量型ターボチャージャーの制御装置は、タービンに流入する排気ガスの一部を吸気通路に還流するとともに、エンジンの吸入空気量が目標空気量となるようにEGR弁の開度を制御するEGR装置を備えたエンジンシステムに適用される可変容量型ターボチャージャーの制御装置であって、前記タービンに流入する排気ガスの基本目標圧力を演算する基本目標圧力演算部と、前記エンジンが吸入する作動ガス量を演算する作動ガス量演算部と、前記作動ガス量の目標量である目標作動ガス量を演算する目標作動ガス量演算部と、前記目標作動ガス量と前記作動ガス量との偏差に応じて前記基本目標圧力の補正値を演算する補正値演算部と、前記基本目標圧力を前記補正値で補正した値を目標圧力に設定する目標圧力設定部と、前記タービンに流入する排気ガスの圧力が前記目標圧力となるように可変ノズルの開度を制御する制御部とを備え、前記補正値演算部は、前記目標作動ガス量が前記作動ガス量よりも多いときに前記基本目標圧力を高める前記補正値を演算する。
上記構成によれば、目標作動ガス量が作動ガス量よりも多いときには目標圧力が基本目標圧力よりも高い値に設定される。そのため、タービンに流入する排気ガスの圧力が高くなることから、EGRガスの圧力が高められるとともにターボチャージャーの仕事量が増えることで過給後の吸入空気の圧力が高められる。これにより、作動ガスの圧力が高められることでエンジンの吸入可能な作動ガス量が多くなる。また、吸入空気量はEGR装置によって目標空気量に制御される。その結果、燃焼に必要な空気量を確保しつつEGR率を高めることができることから、NOxおよび粒子状物質の低減を図ることができる。
上記可変容量型ターボチャージャーの制御装置において、前記目標作動ガス量演算部は、前記目標空気量とEGR率の目標値である目標EGR率とを用いて前記目標作動ガス量を演算することが可能である。
上記可変容量型ターボチャージャーの制御装置は、エンジン回転数および燃料噴射量ごとに前記目標EGR率を規定した目標EGR率データから前記目標EGR率を選択する目標EGR率選択部と、前記エンジン回転数および前記燃料噴射量ごとに前記目標空気量を規定した目標空気量データから前記目標空気量を選択する目標空気量選択部とを備えることが好ましい。
上記構成によれば、目標EGR率データから選択した目標EGR率と目標空気量データから選択した目標空気量とを用いて目標作動ガス量が演算される。これにより、目標EGR率および目標空気量の演算が簡素化されることで、結果として、目標作動ガス量の演算を簡素化することができる。
上記可変容量型ターボチャージャーの制御装置は、エンジン回転数および燃料噴射量ごとに基本膨張比を規定した基本膨張比データから前記基本膨張比を選択する基本膨張比選択部と、前記タービンの出口における圧力である出口圧力を演算する出口圧力演算部とを備え、前記基本目標圧力演算部は、前記基本膨張比に前記出口圧力を乗算することにより前記基本目標圧力を演算することが好ましい。
上記構成によれば、基本膨張比データから選択した基本膨張比と出口圧力演算部の演算した出口圧力とを乗算することにより基本目標圧力が演算される。これにより、基本目標圧力の演算を簡素化することができる。
可変容量型ターボチャージャーの制御装置の一実施形態が搭載されるエンジンシステムの概略構成を示す概略構成図。 可変容量型ターボチャージャーの制御装置の構成の一例を示すブロック図。 演算部が行う演算の一部を示す演算ブロック図。 基本膨張比データの一例を模式的に示すグラフ。 目標EGR率データの一例を模式的に示すグラフ。 目標空気量データの一例を模式的に示すグラフ。 作動ガスにおけるEGRガス量および吸入空気量の割合の変化の一例を示すグラフであって、実施例は基本目標圧力を補正値で補正した圧力を目標圧力に設定した場合を示し、比較例は基本目標圧力を目標圧力に設定した場合を示す。
図1〜図7を参照して、可変容量型ターボチャージャーの制御装置を具体化した一実施形態について説明する。まず、可変容量型ターボチャージャーが搭載されるエンジンシステムの全体構成について、図1を参照して説明する。
図1に示すように、エンジンシステムは、ディーゼルエンジン10(以下、エンジン10という。)を備える。エンジン10のシリンダーブロック11には、一列に並んだ4つのシリンダー12が形成されている。各シリンダー12には、インジェクター13から燃料が噴射される。シリンダーブロック11には、各シリンダー12に吸入空気を供給するためのインテークマニホールド14と、各シリンダー12からの排気ガスが流入するエキゾーストマニホールド15とが接続されている。
インテークマニホールド14に接続される吸気通路16には、上流側から順に、図示されないエアクリーナー、ターボチャージャー17を構成するコンプレッサー18、インタークーラー19が設けられている。エキゾーストマニホールド15に接続される排気通路20には、コンプレッサー18に連結軸21を介して連結され、ターボチャージャー17を構成するタービン22が設けられている。
エンジンシステムは、EGR装置23を備える。EGR装置23は、エキゾーストマニホールド15と吸気通路16とを接続するEGR通路25を備える。EGR通路25には、EGRクーラー26が設けられ、EGRクーラー26における吸気通路16側には、EGR通路25の流路断面積を変更可能なEGR弁27が設けられている。EGR弁27の開度は、EGR制御装置24によって制御される。EGR弁27が開状態にあるとき、吸気通路16には、EGR通路25を通じてタービン22に流入する排気ガスの一部がEGRガスとして導入され、シリンダー12には、排気ガスと吸入空気との混合気体である作動ガスが供給される。
ターボチャージャー17は、タービン22に可変ノズル28が配設された可変容量型ターボチャージャー(VNT:Variable Nozzle Turbo)である。可変ノズル28は、ステッピングモーターを備えたアクチュエーター29の駆動により開度が変更されることで、エキゾーストマニホールド15内の排気ガスの圧力であってタービン22に流入する排気ガスの圧力である排気圧力Pem、および、タービン22への排気ガスの流入量Gtiを調整する。可変ノズル28の開度は、可変容量型ターボチャージャーの制御装置であるVNT制御装置50によって制御される。
エンジンシステムは、各種センサーを備える。吸入空気量センサー31は、吸気通路16におけるコンプレッサー18の上流に位置し、コンプレッサー18に流入する吸入空気の質量流量である吸入空気量Gaを検出する。EGR圧力センサー33およびEGR温度センサー34は、EGR通路25におけるEGRクーラー26とEGR弁27との間に位置する。EGR圧力センサー33は、EGR弁27に流入するEGRガスの圧力であるEGR圧力Prを検出し、EGR温度センサー34は、EGR弁27に流入するEGRガスの温度であるEGR温度Trを検出する。ブースト圧センサー36は、吸気通路16に対するEGR通路25の接続部分とインテークマニホールド14との間に位置し、作動ガスの圧力であるブースト圧Pbを検出する。作動ガス温度センサー37は、インテークマニホールド14に取り付けられ、シリンダー12に流入する作動ガスの温度である作動ガス温度Twgを検出する。エンジン回転数センサー38は、クランクシャフト30の回転数であるエンジン回転数Neを検出する。可変ノズル開度センサー40は、アクチュエーター29の駆動量に基づき可変ノズル28の開度であるノズル開度VTaを検出する。上記各センサーは、検出した検出値を示す信号をVNT制御装置50に出力する。
なお、EGR制御装置24は、エンジン回転数センサー38の検出したエンジン回転数Neと燃料噴射制御部42の出力する燃料噴射量Gfとに基づき吸入空気の目標空気量tGaを設定する。EGR制御装置24は、後述する目標空気量データ76と同じデータを用いて目標空気量tGaを設定する。目標空気量tGaは、エンジン回転数Neおよび燃料噴射量Gfのもとでエンジン10を駆動した場合に粒子状物質(以下、PMという。)の発生が抑えられる空気量である。EGR制御装置24は、目標空気量tGaと吸入空気量センサー31の検出した吸入空気量Gaとの偏差に基づくフィードバック制御により、吸入空気量Gaが目標空気量tGaとなるようにEGR弁27の開度を制御する。
図2に示すように、VNT制御装置50(以下、単に制御装置50という。)は、CPU、ROM、RAM等で構成された制御部51を備える。制御部51は、外部からの信号を取得する取得部52と、各種演算を行う演算部53と、各種制御プログラムや基本膨張比データ71等の各種データを格納する記憶部54とを備える。また、制御装置50は、アクチュエーター29を駆動するノズル駆動部55を備える。制御部51は、記憶部54に格納された各種制御プログラムに従って、取得部52が取得した信号と記憶部54に格納された各種データとを用いて排気圧力Pemの目標圧力tPemを演算し、その目標圧力tPemが具現化されるように可変ノズル28の開度を制御する。なお、制御装置50には、大気圧センサー41から大気圧Patmを示す信号、および、燃料噴射を制御する燃料噴射制御部42から燃料噴射量Gfを示す信号が入力される。
取得部52は、上述の各種センサーが出力した信号に基づいて、吸入空気量Ga、EGR圧力Pr、EGR温度Tr、ブースト圧Pb、作動ガス温度Twg、エンジン回転数Ne、ノズル開度VTa、および、大気圧Patmを取得する。また、取得部52は、燃料噴射制御部42からの信号に基づいて燃料噴射量Gfを取得する。
演算部53は、タービン22に流入する排気ガスの温度である流入温度Tti、タービン22に流入する排気ガスの質量流量である流入量Gti、タービン22の出口における排気ガスの圧力である出口圧力Pteを演算する第1演算部53aと、排気圧力Pemの目標圧力tPemを演算する第2演算部53bとを備える。また演算部53は、これら流入温度Tti、流入量Gti、出口圧力Pte、目標圧力tPemを用いて、可変ノズル28の目標開口面積tAを演算する第3演算部53cを備える。この目標圧力tPemは、ターボチャージャー17を駆動するうえで非常に重要なパラメーターである。目標圧力tPemは、例えば、NOxおよびPMの低減、ターボチャージャー17の過回転やサージングの抑制、EGRを行なう際のEGR弁27における最小差圧の形成等、その目的に応じて最適値が異なるものである。
第3演算部53cは、ベルヌーイの定理に基づく式(1)に各値を代入することにより目標開口面積tAを演算する。第3演算部53cは、「T1」に流入温度Tti、「G」に流入量Gti、「P2」に出口圧力Pte、「P1」に目標圧力tPemを代入することにより、その演算結果である「A」として目標開口面積tAを演算する。なお、式(1)において、κは排気ガスの比熱比であり、Rは気体定数である。
Figure 0006453122
演算部53は、式(1)から求めた目標開口面積tAを具現化する目標ノズル開度tVTを演算し、可変ノズル28の開度をノズル開度VTaから目標ノズル開度tVTに変更するために必要な開度である指示開度VTcを演算する。演算部53は、その指示開度VTcをノズル駆動部55に出力する。
ノズル駆動部55は、演算部53から入力された指示開度VTcの分だけ可変ノズル28の開度を変更するための駆動信号を生成し、その生成した駆動信号をアクチュエーター29に出力する。
図3に示すように、第1演算部53aは各種演算部を備える。作動ガス量演算部56は、シリンダー12に供給される作動ガスの質量流量である作動ガス量Gwgを演算する。作動ガス量演算部56は、状態方程式P×V=Gwg×R×Tに基づく所定の演算をブースト圧Pb、エンジン回転数Ne、エンジン10の排気量D、作動ガス温度Twg、気体定数Rを用いて行うことにより作動ガス量Gwgを演算する。
EGR量演算部57は、上記作動ガス量Gwgから吸入空気量Gaを減算することにより、EGRガスの質量流量であるEGR量Grを演算する。
EGR率演算部58は、EGR量Grを作動ガス量Gwgで除算することによりEGR率η(=Gr/Gwg)を演算する。
流入温度演算部59は、作動ガス量Gwg、EGR率η、燃料噴射制御部42からの入力値である燃料噴射量Gf、および、記憶部54に格納された流入温度データ60に基づいて流入温度Ttiを演算する。流入温度データ60は、予め行った実験等に基づいて、作動ガス量Gwg、EGR率η、および、燃料噴射量Gfをパラメーターとして排気ガスの温度が一義的に規定されたデータである。そして、流入温度演算部59は、作動ガス量Gwg、EGR率η、および、燃料噴射量Gfに応じた流入温度Ttiを流入温度データ60から選択する。
流入量演算部61は、タービン22に流入する排気ガスの質量流量である流入量Gtiを演算する。流入量演算部61は、吸入空気量Gaに燃料噴射量Gfを加算することで流入量Gtiを演算する。
EGR圧力損失演算部62は、EGR量Gr、および、記憶部54に格納されたEGR通路データ63に基づき、EGR通路25におけるEGRガスの圧力損失ΔPrを演算する。EGR通路データ63は、予め行った実験等に基づいて、EGR通路25の入口からEGR圧力センサー33までの間におけるEGRガスの圧力損失ΔPrがEGR量Grごとに規定されたデータである。EGR圧力損失演算部62は、EGR量Grに応じた圧力損失ΔPrをEGR通路データ63から選択する。
排気圧力演算部64は、EGR圧力Prに圧力損失ΔPrを加算することによりエキゾーストマニホールド15内の圧力である排気圧力Pem(=Pr+ΔPr)を演算する。
出口圧力演算部65は、流入温度Tti、流入量Gti、大気圧Patm、及び、記憶部54に格納された排気通路データ66に基づき出口圧力Pteを演算する。排気通路データ66は、予め行った実験等に基づきタービン22の出口から大気への排出までに排気ガスに生じる圧力損失ΔPepがタービン22への流入量Gtiに基づく体積流量であるGti×(Tti^1/2)/Pemごとに規定されたデータである。出口圧力演算部65は、流入量Gtiに応じた圧力損失ΔPepを排気通路データ66から選択し、その選択した圧力損失ΔPepを大気圧Patmに加算することで出口圧力Pteを演算する。このように出口圧力Pteが演算により求められることで高温の排気ガスに晒されるセンサーの数を低減することができる。
第2演算部53bは各種演算部を備える。基本膨張比選択部70は、記憶部54に格納された基本膨張比データ71から、エンジン10の運転状態に適した膨張比である基本膨張比πSを選択する。
図4に示すように、基本膨張比データ71は、予め行った実験等に基づいて、エンジン回転数Neと燃料噴射量Gfとをパラメーターとして基本膨張比πSが一義的に規定されたデータである。基本膨張比πSの各々は、エンジン10の中回転域において、燃料噴射量Gfが最大となる特定のエンジン回転数Neを有する。また、基本膨張比πSの各々は、エンジン回転数Neが特定のエンジン回転数Neよりも低い領域ではエンジン回転数Neの減少とともに対応する燃料噴射量Gfが減少し、また、特定のエンジン回転数Neよりも高い領域ではエンジン回転数Neの上昇とともに対応する燃料噴射量Gfが減少する。これにより、エンジン10の低回転域ではターボチャージャー17のサージングが抑えられ、エンジン10の高回転域ではターボチャージャー17の過回転が抑えられる。
基本目標圧力演算部72は、出口圧力Pteに対して基本膨張比πSを乗算することにより、基本目標圧力PemSを演算する。
目標EGR率選択部73は、記憶部54に格納された目標EGR率データ74からエンジン回転数Neおよび燃料噴射量Gfに応じたEGR率の目標値である目標EGR率tηを選択する。
図5に示すように、目標EGR率データ74は、エンジン回転数Neおよび燃料噴射量Gfごとに目標EGR率tηを規定したデータである。エンジン回転数Neは、エンジン10の吸入可能な作動ガス量を示すパラメーターである。燃料噴射量Gfは、エンジン10に必要な空気量を示すパラメーターである。この目標EGR率tηは、予め行った実験やシミュレーションの結果に基づき規定されるEGR率であって、エンジン回転数Neおよび燃料噴射量Gfのもとでエンジン10を駆動する場合に、目標空気量tGaの空気がエンジン10に供給される場合にNOxの発生が抑えられるEGR率である。
目標EGR率データ74において、燃料噴射量Gfの各々は、エンジン10の中回転域に目標EGR率tηの最大値を有する。中回転域は、例えばエンジン10のセッティングに応じて規定される領域であり、他の回転域よりも使用頻度が高い回転域である。また、燃料噴射量Gfの各々には、該最大値に対応するエンジン回転数Neとの差が大きいほど、低い値の目標EGR率tηが規定されている。すなわち、目標EGR率データ74には、使用頻度の高い中回転域にてEGR率を高める目標EGR率tηが規定されている。
また、目標EGR率データ74において、エンジン回転数Neの各々には、燃料噴射量Gfが多いほど低い値の目標EGR率tηが規定されている。すなわち、目標EGR率データ74には、エンジン回転数Neが同じであれば、燃料噴射量Gfが多いほどエンジン10に供給される空気量が多くなる目標EGR率tηが規定されている。
目標空気量選択部75は、記憶部54に格納された目標空気量データ76からエンジン回転数Neおよび燃料噴射量Gfに応じた目標空気量tGaを選択する。
図6に示すように目標空気量データ76は、エンジン回転数Neおよび燃料噴射量Gfごとに目標空気量tGaを規定したデータである。目標空気量tGaは、エンジン10に対して予め行った実験やシミュレーションの結果に基づき規定され、エンジン回転数Neおよび燃料噴射量Gfのもとでエンジン10を駆動した場合にPMの発生が抑えられる空気量である。目標空気量tGaは、燃料噴射量Gfが同じであればエンジン回転数Neが高いほど大きく、エンジン回転数Neが同じであれば燃料噴射量Gfが多いほど大きい。
なお、EGR制御装置24は、上記目標空気量データ76と同じデータを用いて目標空気量tGaを求めている。すなわち、目標空気量選択部75による目標空気量tGaとEGR制御装置24による目標空気量は同じ値である。EGR制御装置24は、目標空気量tGaが供給されるようにEGR弁27の開度を制御する。
目標作動ガス量演算部79は、目標EGR率tηと目標空気量tGaとに基づいて目標作動ガス量tGwg(=tGa/(1−tη))を演算する。
補正値演算部80は、目標作動ガス量tGwgに対する作動ガス量Gwgの偏差ΔGwg(=tGwg−Gwg)に基づいて基本目標圧力PemSの補正値CVを演算する。補正値演算部80は、例えば、偏差ΔGwgに対して比例ゲインKp(>0)を乗算した第1補正値と、偏差ΔGwgの積算値に対して積分ゲインKi(>0)を乗算した第2補正値との加算値を補正値CVとして演算する。補正値演算部80は、目標作動ガス量tGwgが作動ガス量Gwgよりも多いときには基本目標圧力PemSを高くする補正値CVを演算し、目標作動ガス量tGwgが作動ガス量Gwgよりも少ないときには基本目標圧力PemSを低くする補正値CVを演算する。
目標圧力設定部81は、基本目標圧力PemSに対して補正値CVを加算した値を目標圧力tPemに設定する。
第3演算部53cは、このようにして演算された流入温度Tti、流入量Gti、出口圧力Pte、および、目標圧力tPemを式(1)に代入することにより、可変ノズル28の目標開口面積tAを演算する。
図7を参照して、上述した制御装置50の作用について説明する。
上述した制御装置50は、目標作動ガス量tGwgと作動ガス量Gwgとの偏差ΔGwgに基づき補正値CVを演算し、その補正値CVを用いて基本目標圧力PemSを補正した圧力を目標圧力tPemに設定する。
ここで、例えば、タービン22の下流に位置するDPF(Diesel Particulate Filter)にPMが過剰に堆積している場合、タービン22の下流では、排気通路データ66に規定された圧力損失ΔPepよりも大きな圧力損失が生じる。この場合、実際の出口圧力Pteは、出口圧力演算部65の演算した出口圧力Pteよりも大きくなる。そのため、出口圧力Pteの演算値を用いて演算した基本目標圧力PemSを目標圧力tPemとして可変ノズル28を制御したとしても、タービン22における実際の膨張比が基本膨張比πSよりも小さくなることでターボチャージャー17の仕事量が減少する。これにより、過給後の吸入空気は、その圧力が低くなるとともに圧力低下にともない密度が小さくなる。そのため、EGR装置23は、目標空気量tGaの分の空気をエンジン10に供給するために、吸入空気の体積流量Qaを高めるべくEGR弁27を閉弁方向に制御してEGR量Grを少なくする。その結果、EGR率ηが低下してNOxが発生しやすくなるばかりか、ブースト圧Pbの低下により目標空気量tGaと吸入空気量Gaとの誤差が大きくなるおそれがある。
すなわち、吸入空気量Gaが目標空気量tGaとなるようにEGR弁27を制御するEGR装置23を備えたエンジンシステムにおいては、目標作動ガス量tGwgと作動ガス量Gwgとの偏差ΔGwgは、ターボチャージャー17の仕事量の過不足を示す。制御装置50は、この偏差ΔGwgに基づく補正値CVで基本目標圧力PemSを補正した圧力を目標圧力tPemに設定することでターボチャージャー17の仕事量を適正化する。
そのため、図7に示すように、目標作動ガス量tGwgが作動ガス量Gwgよりも多いときに目標圧力tPemが基本目標圧力PemSよりも高い値に設定されると、排気圧力Pemが高められてターボチャージャー17の仕事量が増えるとともにEGRガスの圧力も高くなる。これにより、過給後の吸入空気の圧力が高められるとともに、EGR弁27の閉弁方向への制御が抑えられてEGR量Grが多くなる。その結果、ブースト圧Pbが高くなることでエンジン10に供給される作動ガス量Gwgが多くなり、目標空気量tGaおよび目標EGR率tηの作動ガスをエンジン10に供給することが可能となる。
上記実施形態の制御装置50によれば、以下に列挙する効果が得られる。
(1)制御装置50は、目標作動ガス量tGwgが作動ガス量Gwgよりも多いときに目標圧力tPemを高めることで、目標空気量tGaおよび目標EGR率tηの作動ガスをエンジン10に供給する。これにより、燃料の燃焼に必要な空気量を確保しつつEGR率ηが高められることから、NOxおよびPMの低減を図ることができる。
(2)制御装置50は、目標EGR率データ74から選択された目標EGR率tηと目標空気量データ76から選択された目標空気量tGaとに基づいて目標作動ガス量tGwgを演算する。こうした構成によれば、目標EGR率tηおよび目標空気量tGaの演算が簡素化されることで、結果として、目標作動ガス量tGwgの演算が簡素化される。
(3)基本膨張比選択部70は、基本膨張比データ71から選択した基本膨張比πSと出口圧力演算部65の演算した出口圧力Pteとを乗算することにより基本目標圧力PemSを演算する。これにより、基本目標圧力PemSの演算を簡素化することができる。
なお、上記実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・基本膨張比は、エンジン10の運転状態に適した膨張比であればよく、エンジン回転数Neと燃料噴射量Gfとによって選択されるものに限らず、例えば、エンジン回転数Neや燃料噴射量Gfに加えて、燃料噴射量Gfの変化量やアクセル開度の変化量等に基づいて選択されてもよい。
・EGR制御装置24が目標空気量tGaを演算することから、制御装置50は、目標空気量tGaを示す信号がEGR制御装置24から入力されることにより目標空気量tGaを取得してもよい。また、制御装置50は、燃料噴射量Gfとエンジン10の運転状態に基づく空気過剰率λの目標値である目標過剰率tλとに基づいて目標空気量tGaを演算してもよい。この場合、制御装置50は、目標過剰率tλを演算したEGR制御装置24から目標過剰率tλを示す信号が入力されることにより目標過剰率tλを取得してもよい。すなわち、制御装置50は、EGR制御装置24と同じ値の目標空気量tGaを求めればよく、目標空気量tGaを求めるためのパラメーターがEGR制御装置24から入力されることにより構成のさらなる簡素化を図ることができる。
・EGR制御装置24が目標EGR率tηを演算する場合、制御装置50は、目標EGR率tηを示す信号がEGR制御装置24から入力されることで目標EGR率tηを取得してもよい。これにより、制御装置50の構成をさらなる簡素化を図ることができる。
・制御装置50は、目標作動ガス量tGwgが作動ガス量Gwgよりも多いときに補正値CVを演算すればよい。そのため、制御装置50は、目標作動ガス量tGwgが作動ガス量Gwg以下のときには補正値CVを0としてもよい。
・燃料噴射量Gfを制御する燃料噴射制御部とVNT制御装置50は同一の制御装置に組み込まれてもよい。また、EGR弁27の開度を制御するEGR制御装置24とVNT制御装置50は同一の制御装置に組み込まれてもよい。
10…ディーゼルエンジン、17…ターボチャージャー、18…コンプレッサー、19…インタークーラー、20…排気通路、21…連結軸、22…タービン、23…EGR装置、24…EGR制御装置、25…EGR通路、26…EGRクーラー、27…EGR弁、28…可変ノズル、29…アクチュエーター、30…クランクシャフト、31…吸入空気量センサー、33…EGR圧力センサー、34…EGR温度センサー、36…ブースト圧センサー、37…作動ガス温度センサー、38…エンジン回転数センサー、40…可変ノズル開度センサー、41…大気圧センサー、42…燃料噴射制御部、50…VNT制御装置、50…制御装置、51…制御部、52…取得部、53…演算部、53a…第1演算部、53b…第2演算部、53c…第3演算部、54…記憶部、55…ノズル駆動部、56…作動ガス量演算部、57…EGR量演算部、58…EGR率演算部、59…流入温度演算部、60…流入温度データ、61…流入量演算部、62…EGR圧力損失演算部、63…EGR通路データ、64…排気圧力演算部、65…出口圧力演算部、66…排気通路データ、70…基本膨張比選択部、71…基本膨張比データ、72…基本目標圧力演算部、73…目標EGR率選択部、74…目標EGR率データ、75…目標空気量選択部、76…目標空気量データ、79…目標作動ガス量演算部、80…補正値演算部、81…目標圧力設定部。

Claims (4)

  1. タービンに流入する排気ガスの一部を吸気通路に還流するとともに、エンジンの吸入空気量が目標空気量となるようにEGR弁の開度を制御するEGR装置を備えたエンジンシステムに適用される可変容量型ターボチャージャーの制御装置であって、
    前記タービンに流入する排気ガスの基本目標圧力を演算する基本目標圧力演算部と、
    前記エンジンが吸入する作動ガス量を演算する作動ガス量演算部と、
    前記作動ガス量の目標量である目標作動ガス量を演算する目標作動ガス量演算部と、
    前記目標作動ガス量と前記作動ガス量との偏差に応じて前記基本目標圧力の補正値を演算する補正値演算部と、
    前記基本目標圧力を前記補正値で補正した値を目標圧力に設定する目標圧力設定部と、
    前記タービンに流入する排気ガスの圧力が前記目標圧力となるように可変ノズルの開度を制御する制御部とを備え、
    前記補正値演算部は、前記目標作動ガス量が前記作動ガス量よりも多いときに前記基本目標圧力を高める前記補正値を演算する
    可変容量型ターボチャージャーの制御装置。
  2. 前記目標作動ガス量演算部は、前記目標空気量とEGR率の目標値である目標EGR率とを用いて前記目標作動ガス量を演算する
    請求項1に記載の可変容量型ターボチャージャーの制御装置。
  3. エンジン回転数および燃料噴射量ごとに前記目標EGR率を規定した目標EGR率データから前記目標EGR率を選択する目標EGR率選択部と、
    前記エンジン回転数および前記燃料噴射量ごとに前記目標空気量を規定した目標空気量データから前記目標空気量を選択する目標空気量選択部とを備える
    請求項2に記載の可変容量型ターボチャージャーの制御装置。
  4. エンジン回転数および燃料噴射量ごとに基本膨張比を規定した基本膨張比データから前記基本膨張比を選択する基本膨張比選択部と、
    前記タービンの出口における圧力である出口圧力を演算する出口圧力演算部とを備え、
    前記基本目標圧力演算部は、前記基本膨張比に前記出口圧力を乗算することにより前記基本目標圧力を演算する
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の可変容量型ターボチャージャーの制御装置。
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