JP6026211B2 - ターボチャージャーの制御装置及び制御方法 - Google Patents

ターボチャージャーの制御装置及び制御方法 Download PDF

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Description

本開示の技術は、可変容量型の高圧段ターボチャージャーと固定容量型の低圧段ターボチャージャーとを備えた2段過給式ターボチャージャーにおいて、高圧段ターボチャージャーにおける可変ノズルの開度を制御するターボチャージャーの制御装置、及びターボチャージャーの制御方法に関する。
従来から、高圧段ターボチャージャーと、高圧段ターボチャージャーのタービンよりも排気通路の下流側にタービンが配設された低圧段ターボチャージャーとを備えた2段過給式ターボチャージャーが知られている。こうした2段過給式ターボチャージャーにおいては、排気ガスの流量が少ないときには主に高圧段ターボチャージャーによって過給が行われ、排気ガスの流量が多いときには主に低圧段ターボチャージャーによって過給が行われる。また、2段過給式ターボチャージャーには、高圧段ターボチャージャーとして可変ノズルを備えた可変容量型ターボチャージャー、低圧段ターボチャージャーとして固定容量型ターボチャージャーを備えたものも知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2011−241766号公報
ところで、上述した可変ノズルの開度は、通常、いずれか一方のターボチャージャーによる過給が主たる過給であることを前提として、エンジンの運転状態に基づいて制御される。一方で、エンジンからの排気ガスは、高圧段ターボチャージャーと低圧段ターボチャージャーとの両方に流入し、エンジンからの排気ガスのエネルギーは、高圧段ターボチャージャーにおける過給の仕事に変換され、また、低圧段ターボチャージャーにおける過給の仕事にも変換される。そのため、一方のターボチャージャーによる過給が主たる過給であることを前提として可変ノズルの開度が制御されると、他方のターボチャージャーによる過給が考慮されてない分だけ、目標とする過給圧に対して実際の過給圧の精度が低くなる。
本開示の技術は、2段過給式ターボチャージャーによって得られる過給圧の精度を高めることが可能なターボチャージャーの制御装置、及びターボチャージャーの制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するターボチャージャーの制御装置は、可変容量型の高圧段ターボチャージャーの回転数である第1回転数と固定容量型の低圧段ターボチャージャーの回転数である第2回転数と、エンジンの運転状態とを取得する取得部と、前記高圧段ターボチャージャーにおける可変ノズルの開度を前記高圧段ターボチャージャーにおける排気ガスの流入量と目標膨張比とに対応する開度に制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1回転数と前記第2回転数とに膨張比が対応づけられた過給用データと、前記高圧段ターボチャージャーの膨張比がエンジンの運転状態に対応づけられた排気圧力用データと、前記第2回転数の第1設定値と、前記第1設定値よりも高い第2設定値とを記憶する記憶部と、前記取得部が取得した情報と前記記憶部に記憶した情報とに基づいて前記目標膨張比演算する演算部と、を備え、前記演算部は、前記取得された前記第2回転数が前記第1設定値以下であるとき、前記取得された前記第1回転数と前記第2回転数とを前記過給用データに適用して得られる前記膨張比を前記目標膨張比として演算し、前記取得された前記第2回転数が前記第2設定値よりも高いとき、前記取得された前記運転状態を前記排気圧力用データに適用して得られる前記膨張比を前記目標膨張比として演算する。
上記課題を解決するターボチャージャーの制御方法は、可変容量型の高圧段ターボチャージャーの回転数である第1回転数と固定容量型の低圧段ターボチャージャーの回転数である第2回転数と、エンジンの運転状態とを取得すること、前記高圧段ターボチャージャーに対する排気ガスの流入量を取得すること、前記高圧段ターボチャージャーにおける目標膨張比を演算すること、前記流入量と前記目標膨張比とに対応する開度に可変ノズルの開度を制御すること、を含み、前記目標膨張比の演算では、前記第1回転数と前記第2回転数とに膨張比が対応づけられた過給用データと、前記高圧段ターボチャージャーの膨張比がエンジンの運転状態に対応づけられた排気圧力用データと、前記第2回転数の第1設定値と、前記第1設定値よりも高い第2設定値とを用い、前記取得された前記第2回転数が前記第1設定値以下であるとき、前記取得された前記第1回転数と前記第2回転数とを前記過給用データに適用して得られる前記膨張比を前記目標膨張比として演算し、前記取得された前記第2回転数が前記第2設定値よりも高いとき、前記取得された前記運転状態を前記排気圧力用データに適用して得られる前記膨張比を前記目標膨張比として演算する。
これらの構成によれば、各ターボチャージャーの作動状態に対応する目標膨張比が演算されるため、その目標膨張比を用いて演算される可変ノズルの開度は、各ターボチャージャーの作動状態が反映された開度である。それゆえに、一方のターボチャージャーによる過給が主たる過給であることを前提として、単にエンジンの運転状態から開度が制御される構成に比べて、2段過給式ターボチャージャーの過給によって得られる過給圧の精度が高められる。
第2回転数が第1設定値以下である場合には、第2回転数が第1設定値よりも大きい場合に比べて、排気ガスの流量が少なく、各ターボチャージャーによる仕事も小さいため、高い過給圧を得られがたい状態である。この点、ターボチャージャーはそもそも過給を目的とするものであるため、高い過給圧が得られがたい状態では、過給不足を生じさせることがないように、特に過給圧の精度が求められる。上記構成によれば、第2回転数が第1設定値以下であるときに上述の開度の制御が行われるから、過給圧の精度が高められる効果が特に顕著になる。
例えば、エンジンの吸気通路に対して排気ガスを還流させる排気再循環、いわゆるEGRを行うことにより、排気ガスに含まれるNOxの低減や燃費の向上が図られる。そして、第2回転数が第1設定値よりも大きいときは、第2回転数が第1設定値以下であるときに比べて排気ガスの流量が多い。そのため、NOxの低減や燃費の向上を図るうえでは、排気圧力がエンジンの運転状態毎にEGRに適した圧力となることが望ましい。
この構成によれば、第2回転数が第設定値よりも高いときに、排気圧力用データに規定された膨張比が目標膨張比として演算される。その結果、エンジンの運転状態に応じた過給がなされることから、例えば、NOxの低減や燃費の向上が効率的に図られる。
この構成によれば、目標膨張比が過給用データの膨張比と排気圧力用データの膨張比とに切り替わる際に、第1設定値よりも高く、且つ、第2設定値以下の区間を介して、目標膨張比が切り替わる。そのため、目標膨張比の切り替えが1つの値を境界として行われる場合に比べて、過給用データの膨張比と排気圧力用データの膨張比とが不要に切り替わることが抑えられる。
上記ターボチャージャーの制御装置について、前記過給用データに規定された膨張比の前記目標膨張比に占める割合を係数αとし、前記取得された前記第1回転数と前記第2回転数とを前記過給用データに適用して得られる前記膨張比を第1膨張比とし、前記取得された前記運転状態を前記排気圧力用データに適用して得られる前記膨張比を第2膨張比とし、前記記憶部は、前記係数αが前記第2回転数毎に規定された切替データを記憶し、前記演算部は、第1膨張比×α+第2膨張比×(1−α)を前記目標膨張比として演算し、前記切替データは、前記第2回転数が前記第1設定値よりも高く、且つ、前記第2設定値以下の区間に、前記第2回転数が大きいほど減少する前記係数αが規定されていることが好ましい。
この構成によれば、第1設定値よりも大きく且つ第2設定値以下の範囲では、過給用データに規定された膨張比の目標膨張比に占める割合が減少する。すなわち、目標膨張比は、第2回転数の増加にともなって過給用データの膨張比から排気圧力用データの膨張比に徐々に切り替えられる。その結果、排気圧力の変化に起因する各ターボチャージャーやエンジンに対する機械的な負荷が軽減される。
上記ターボチャージャーの制御装置について、過給用データには、前記高圧段ターボチャージャーによる仕事と前記低圧段ターボチャージャーによる仕事との合計が最大となる膨張比が規定されていることが好ましい。
この構成によれば、過給用データに規定された膨張比が目標膨張比として演算される場合に、各ターボチャージャーによる仕事の合計が最大となる。その結果、2段過給式ターボチャージャーによる過給の効率が高められる。
本開示の技術における一実施形態にてターボチャージャーの制御装置が搭載されるエンジンの概略構成を示す図である。 可変ノズルの開度と開口面積との関係を示すマップである。 ターボチャージャーの制御装置の構成を示すブロック図である。 EGR量と圧力損失値との関係の一例を示すマップである。 第1回転数と第2回転数と第1膨張比との関係の一例を示すマップである。 エンジンの回転速度と燃料噴射量と第2膨張比との関係の一例を示すマップである。 第2回転数と切替係数との関係の一例を示すマップである。 体積流量と目標膨張比と目標ノズル開度との関係の一例を示すマップである。 過給用データの作成に際して実施されたシミュレーションの結果の一例を示すグラフである。 過給用データの作成に際して実施されたシミュレーションの結果の他の例を示すグラフである。 過給用データの作成に際して実施されたシミュレーションの結果の他の例を示すグラフである。
以下、図1〜図11を参照して、ターボチャージャーの制御装置を具体化した一実施形態について説明する。まず、図1を参照して、ターボチャージャーの制御装置が搭載されるディーゼルエンジンの全体構成について説明する。
[ディーゼルエンジン10]
図1に示されるように、ディーゼルエンジン10(以下、単にエンジン10という。)のシリンダーブロック11には、一列に並んだ4つのシリンダー12が形成されており、各シリンダー12には、インジェクタ13から燃料が噴射される。シリンダーブロック11には、各シリンダー12に吸入空気を供給するためのインテークマニホールド14と、各シリンダー12からの排気ガスが流入するエキゾーストマニホールド15とが接続されている。
インテークマニホールド14に接続される吸気通路16の上流端には、図示されないエアクリーナーが取り付けられている。吸気通路16には、低圧段ターボチャージャー17Lのコンプレッサー18Lが取り付けられている。また、吸気通路16には、コンプレッサー18Lの下流に、高圧段ターボチャージャー17Hのコンプレッサー18Hが取り付けられている。吸気通路16には、コンプレッサー18Hの下流側に、該コンプレッサー18L,18Hによって圧縮された吸入空気を冷却するインタークーラー19が取り付けられている。
一方、エキゾーストマニホールド15には、排気通路20が接続されている。排気通路20には、上述したコンプレッサー18Hに連結軸21Hを介して連結されるタービン22Hが取り付けられている。また、排気通路20には、コンプレッサー18Hの下流に、上述したコンプレッサー18Lに連結軸21Lを介して連結されるタービン22Lが取り付けられている。また、エキゾーストマニホールド15には、吸気通路16に接続されて排気ガスの一部を吸気通路16に導入するEGR通路25が接続されている。
EGR通路25には、該EGR通路25を流れる排気ガスを冷却するEGRクーラー26が取り付けられている。EGRクーラー26の下流側には、EGR通路25の流路断面積を変更可能なEGR弁27が取り付けられている。EGR弁27の開度は、図示されないEGR制御装置によって制御される。EGR制御装置は、エンジンの運転状態に応じてEGR弁27の基本開度を演算し、その演算した基本開度を基準としてEGR弁27を制御する。吸気通路16には、EGR弁27が開状態にあるときにEGR通路25を通じて排気ガスの一部が導入され、シリンダー12には、排気ガスと吸入空気との混合気体である作動ガスが供給される。なお、以下では、EGR通路25を流れる排気ガスをEGRガスという。
コンプレッサー18Hとタービン22Hとで構成される高圧段ターボチャージャー17Hは、タービン22Hに可変ノズル28が配設された可変容量型ターボチャージャー(VNT:Variable Nozzle Turbo)である。可変ノズル28は、ステッピングモーターを備えたアクチュエーター29の駆動により開度が変更されることで、エキゾーストマニホールド15内の圧力及びタービン22Hへの排気ガスの流入量を調整する。この可変ノズル28の開度は、ターボチャージャーの制御装置であるVNT制御装置50によって制御される。
ディーゼルエンジン10には、エンジン10の運転状態を検出する各種センサーが備えられている。例えば、EGR通路25には、EGRクーラー26の下流側且つEGR弁27の上流側にEGR圧力センサー31とEGR温度センサー34とが取り付けられている。EGR圧力センサー31は、EGR弁27に流入する直前のEGRガスの圧力であるEGR圧力Pegrを所定の制御周期で検出する。EGR温度センサー34は、EGR弁27に流入する直前のEGRガスの温度であるEGR温度Tegを所定の制御周期で検出する。
吸気通路16には、吸気通路16とEGR通路25との接続部分よりも下流側にブースト圧センサー32が取り付けられている。ブースト圧センサー32は、吸気通路16内を流れる作動ガスの圧力であるブースト圧Pbを所定の制御周期で検出する。
吸気通路16におけるコンプレッサー18Lの上流側には、吸入空気量センサー36が取り付けられている。吸入空気量センサー36は、吸気通路16を流れる吸入空気の質量流量である吸入空気量Gaを所定の制御周期で検出する。
インテークマニホールド14には、吸気温度センサー35が取り付けられている。吸気温度センサー35は、シリンダー12に流入する直前の作動ガスの温度である吸気温度Tinを所定の制御周期で検出する。
ディーゼルエンジン10には、回転速度センサー37、第1回転数センサー38H、第2回転数センサー38Lが備えられている。回転速度センサー37は、エンジン10のクランクシャフト24の回転速度である回転速度NEを所定の制御周期で検出する。第1回転数センサー38Hは、高圧段ターボチャージャー17Hに連結軸21Hの回転数である第1回転数NtbHを所定の制御周期で検出する。第2回転数センサー38Lは、低圧段ターボチャージャー17Lに連結軸21Lの回転数である第2回転数NtbLを所定の制御周期で検出する。
図2に示されるように、可変ノズル28では、ノズル開度VTvntが大きいほどタービン22Hに流入する排気ガスの流路断面積である開口面積Atbが小さい。
[VNT制御装置50]
図3〜図8を参照してVNT制御装置50の構成を説明する。
図3に示されるように、VNT制御装置50の制御部51は、CPU、ROM、RAM等で構成されており、外部からの信号を取得する取得部52と、各種演算を行なう演算部53と、各種制御プログラムや各種データが格納される記憶部54と、アクチュエーター29を駆動するノズル駆動部55とを備えている。制御部51は、記憶部54に格納された各種制御プログラムに従って、取得部52が取得した信号と記憶部54に格納された各種データとを用いて可変ノズル28の駆動処理を実行する。
取得部52は、上述の各種センサーから、EGR圧力Pegr、ブースト圧Pb、EGR温度Teg、吸気温度Tin、吸入空気量Ga、第1回転数NtbH、第2回転数NtbL、回転速度NEを所定の制御周期で取得する。また、取得部52は、燃料噴射量を制御する燃料噴射制御部39から燃料噴射量Qfを取得し、EGR弁27の開度を検出するEGR弁開度センサー40からEGR弁27の開度であるEGR弁開度VTegrを取得する。また、取得部52は、可変ノズル28の開度を検出する可変ノズル開度センサー41から可変ノズル28の開度であるノズル開度VTvntを取得する。
[体積流量Qtb]
演算部53は、取得部52にて取得された各種センサーの検出値などを用いて、下記5つのパラメーターを演算し、その演算結果を用いて、高圧段ターボチャージャー17Hに流入する排気ガスの体積流量Qtbを演算する。
・シリンダー12に供給される作動ガスの質量流量である作動ガス量Gwg
・EGRガスの質量流量であるEGR量Geg
・高圧段ターボチャージャー17Hに流入する排気ガスの質量流量である質量流量Gtb
・作動ガス量Gwgに対するEGR量Gegの割合であるEGR率η
・高圧段ターボチャージャー17Hに流入する排気ガスの温度である流入温度TtbH
・高圧段ターボチャージャー17Hに流入する排気ガスの圧力である排気圧力Pem
すなわち、演算部53は、状態方程式P×V=Gwg×R×Tに各種センサーからの入力値を適用することによって作動ガス量Gwgを演算する。
P:ブースト圧センサー32の検出値であるブースト圧Pb
V:エンジン10の回転速度NEとエンジン10の排気量Dとの乗算値
T:吸気温度センサー35の検出値である吸気温度Tin
R:気体定数
また、演算部53は、ベルヌーイの定理に基づく式(1)に各種センサーからの検出値を適用することによりEGR量Gegを演算する。
G :EGR量Geg
P1:EGR圧力センサー31の検出値であるEGR圧力Pegr
P2:ブースト圧センサー32の検出値であるブースト圧Pb
T1:EGR温度センサー34の検出値であるEGR温度Teg
A :EGR弁開度センサー40の検出値であるEGR弁開度VTegrに基づくEGR弁27の開口面積Aeg
κ :排気ガスの比熱比
R :気体定数
また、演算部53は、作動ガス量GwgからEGR量Gegを減算することにより排気ガスの質量流量Gtbを演算し、EGR量Gegを作動ガス量Gwgで除算することによってEGR率η(=Geg/Gwg)を演算する。
また、演算部53は、作動ガス量Gwg、EGR率η、燃料噴射制御部39からの入力値である燃料噴射量Qf、及び、記憶部54に格納された温度データ61に基づいて流入温度TtbHを演算する。この際に、温度データ61は、作動ガス量Gwg、EGR率η、及び、燃料噴射量Qfをパラメーターとして排気ガスの温度が一義的に規定されたデータである。そして、演算部53は、作動ガス量Gwg、EGR率η、及び、燃料噴射量Qfに応じた温度を温度データ61から読み出すことによって流入温度TtbHを演算する。
次いで、演算部53は、EGR圧力Pegrと、記憶部54に格納されているEGR通路データ62とに基づいて排気圧力Pemを演算する。なお、この排気圧力Pemは、高圧段ターボチャージャー17Hに流入する排気ガスの圧力である。
そして、演算部53は、質量流量Gtbを体積流量Qtbに変換する。この際に、演算部53は、質量流量Gtb、流入温度TtbH、及び、排気圧力Pemを所定の演算式(Qtb=Gtb×(TtbH^1/2)/Pem)に適用することにより、質量流量Gtbを体積流量Qtbに変換する。
[目標膨張比πttar]
演算部53は、取得部52にて取得された各種センサーの検出値などを用いて、下記3つのパラメーターを演算し、その演算結果を用いて、高圧段ターボチャージャー17Hにおける目標膨張比πttarを演算する。
・EGRよりも過給が優先される膨張比である第1膨張比πt1
・過給よりもEGRが優先される膨張比である第2膨張比πt2
・切替係数α
すなわち、演算部53は、高圧段ターボチャージャー17Hにおける膨張比である第1膨張比πt1と第2膨張比πt2とを演算する。この際に、演算部53は、第1回転数NtbH、第2回転数NtbL、及び、記憶部54に格納された過給用データ63に基づいて第1膨張比πt1を演算する。また、演算部53は、エンジン10の回転速度NE、燃料噴射量Qf、及び、記憶部54に格納された排気圧力用データ64に基づいて第2膨張比πt2を演算する。また、演算部53は、第2回転数NtbLと、記憶部54に格納された切替データ65とに基づいて、高圧段ターボチャージャー17Hにおける目標膨張比πttarを演算するための切替係数αを演算する。そして、演算部53は、切替係数α、第1膨張比πt1、及び、第2膨張比πt2を下記に示す式(2)に代入することによって目標膨張比πttarを演算する。式(2)からも明らかなように、切替係数αは、目標膨張比πttarを演算する際に、該目標膨張比πttarに占める第1膨張比πt1の割合を示したものである。
πttar=πt1×α+πt2×(1−α) … (2)
[目標ノズル開度VTtar]
演算部53は、可変ノズル28の目標ノズル開度VTtarを演算し、可変ノズル28のノズル開度VTvntを目標ノズル開度VTtarに制御するための指示開度VTcomを演算する。この際に、演算部53は、体積流量Qtb、目標膨張比πttar、及び、記憶部54に格納された開度データ66を用いて、可変ノズル28の目標ノズル開度VTtarを演算する。
そして、演算部53は、可変ノズル開度センサー41からのノズル開度VTvntを用いて、可変ノズル28の開度をノズル開度VTvntから目標ノズル開度VTtarに変更するために必要な開度である指示開度VTcomを演算する。演算部53は、演算された指示開度VTcomをノズル駆動部55に出力する。
ノズル駆動部55は、演算部53から入力された指示開度VTcomの分だけ可変ノズル28の開度を変更するための駆動信号を生成し、その生成した駆動信号をアクチュエーター29に出力する。
[各種データ]
図4に示されるように、排気圧力Pemの演算に用いられるEGR通路データ62では、EGR通路25の入口からEGR圧力センサー31までの間におけるEGRガスの圧力損失値ΔPegrが、EGR量Geg毎に規定されている。演算部53は、演算結果であるEGR量Gegに応じた圧力損失値ΔPegrをEGR通路データ62から読み出して、その読み出した圧力損失値ΔPegrをEGR圧力Pegrに加算することで排気圧力Pemを演算する。
図5に示されるように、第1膨張比πt1の演算に用いられる過給用データ63では、第1回転数NtbHと第2回転数NtbLとに応じて第1膨張比πt1が規定されている。第1膨張比πt1は、第1回転数NtbHで作動する高圧段ターボチャージャー17Hによる仕事WHと、第2回転数NtbLで作動する低圧段ターボチャージャー17Lによる仕事WLとの合計WSが最大となる膨張比である。第1膨張比πt1は、「1」以上の値であって、後述するシミュレーションの結果に基づいて規定される。
図6に示されるように、第2膨張比πt2の演算に用いられる排気圧力用データ64には、エンジン10の回転速度NEと燃料噴射量Qfとに応じて第2膨張比πt2が規定されている。第2膨張比πt2は、予め行ったシミュレーションに基づいて規定される。第2膨張比πt2は、回転速度NE及び燃料噴射量Qfにあるエンジン10において、基本開度に制御されたEGR弁27を通じて、該回転速度NE及び燃料噴射量Qfに適した量のEGRガスが吸気通路16に供給される目標排気圧力Pemtに排気圧力Pemが制御される膨張比である。
図7に示されるように、切替係数αの演算に用いられる切替データ65は、第2回転数NtbL毎に切替係数αが規定されたデータである。切替データ65において、第2回転数NtbLは、切替係数αの値に応じて3つの区間71,72,73に区分けされる。
区間71は、他の区間72,73に比べて第2回転数NtbLが低い区間であり、第2回転数NtbLが第1設定値UB以下の区間である。区間71は、例えば、エンジン10の運転状態がアイドリング状態から移行したときの加速状態である。それゆえに、区間71では、排気ガスの流量が少なく、且つ、十分な過給が必要とされ、EGR弁27が閉状態に制御される必要がある。すなわち、この区間71は、EGRよりも過給が優先されるべき区間である。そこで、区間71には、目標膨張比πttarが第1膨張比πt1となるべく、切替係数αとして「1」が規定されている。
一方、区間72は、他の区間71,73に比べて第2回転数NtbLが高い区間であり、第2回転数NtbLが第2設定値LBよりも高い区間である。この第2設定値LBは、エンジン10が定常状態にあると判断される第2回転数NtbLであって回転速度NEと燃料噴射量Qfとに応じた目標第2回転数Ntよりも小さい値である。すなわち、第2回転数NtbLが高い区間72は、エンジン10が定常状態あるいは定常状態に近い状態であるため、NOxの低減や燃費の向上を図るべく、過給よりもEGRが優先される区間である。そこで、区間72には、目標膨張比πttarが第2膨張比πt2となるべく、切替係数αとして「0」が規定されている。
他方、区間73は、第2回転数NtbLが第1設定値UBよりも高く、且つ、第2設定値LB以下の区間であり、エンジン10の運転状態が加速状態から定常状態へと移行する区間である。そして、この区間73には、第2回転数NtbLが高いほど目標膨張比πttarに占める第1膨張比πt1の割合が低い形式で切替係数αが規定されている。
すなわち、切替データ65には、第2回転数NtbLが高いほど、目標膨張比πttarに占める第1膨張比πt1の割合が小さく、反対に、目標膨張比πttarに占める第2膨張比πt2の割合が大きい形式で切替係数αが規定されている。
図8に示されるように、目標ノズル開度VTtarの演算に用いられる開度データ66では、体積流量Qtbと目標膨張比πttarとに応じたノズル開度VTvntが、目標ノズル開度VTtarとして規定されている。目標ノズル開度VTtarは、上記式(1)に対して下記の値が適用されることによって、体積流量Qtb及び目標膨張比πttarを変数とする関数として表される。なお、開度データ66は、該関数に対して予め行った実験結果を代入することにより誤差が補正されたデータである。
G :質量流量Gtb=Qtb×Pem/(TtbH^1/2)
P1/P2:目標膨張比πttar
A :ノズル開度VTvntに基づく可変ノズル28の開口面積Atb
κ :排気ガスの比熱比
R :気体定数
[過給用データ63]
図9〜図11を参照して、第1膨張比πt1の演算に用いられる過給用データ63に関し、それを作成するうえで行われるシミュレーションの例について説明する。このシミュレーションでは、下記(a)〜(c)に示される条件の下で、各ターボチャージャー17H,17Lによる仕事WH,WLの合計WSが求められる。
(a)高圧段ターボチャージャー17Hのタービン22Hには、圧力300kPa(abs)及び温度900Kである単位流量のガスが流入する。
(b)低圧段ターボチャージャー17Lのタービン22Lから圧力120kPa(abs)のガスが流出する。
(c)ガスは、各ターボチャージャー17H,17Lにおいて断熱膨張する。
このシミュレーションでは、まず、高圧段ターボチャージャー17Hに対して、第1回転数NtbH、ノズル開度VTvnt、及び、膨張比πtHが設定され、高圧段ターボチャージャー17Hの断熱効率ηtHが求められる。そして、該断熱効率ηtHでの高圧段ターボチャージャー17Hの仕事WHと、該仕事におけるガスの断熱膨張による高圧段ターボチャージャー17Hの出口でのガスの温度T4が求められる。
次に、第1膨張比πt1の分だけ圧力の低下したガスが、温度T4にて低圧段ターボチャージャー17Lに流入するものとして、第2回転数NtbLが設定され、低圧段ターボチャージャー17Lにおける断熱効率ηtLが求められる。そして、該断熱効率ηtLでの低圧段ターボチャージャー17Lの仕事WLが求められ、この仕事WLと上記仕事WHとが加算されることにより合計WSが求められる。そして、合計WSが最大となる膨張比πtHが第1膨張比πt1として規定される。
図9は、第1回転数NtbHが135000rpmであり、第2回転数NtbLが42000rpmであるものとして設定されたケース1でのシミュレーションの結果を示すマップである。
図9に示されるように、ケース1では、膨張比πtHが2.4であるときに、各ターボチャージャー17H,17Lによる仕事WH,WLの合計WSが最大になる。そのため、第1回転数NtbHが135000rpmであり、第2回転数NtbLが42000rpmである水準に応じた第1膨張比πt1として、膨張比πtH=2.4が規定される。
図10は、第1回転数NtbHが45000rpmであり、第2回転数NtbLが42000rpmであるものとして設定されたケース2でのシミュレーションの結果である。
図10に示されるように、ケース2では、第1膨張比πt1が2.3であるときに、各ターボチャージャー17H,17Lによる仕事WH,WLの合計WSが最大になる。そのため、第1回転数NtbHが45000rpmであり、第2回転数NtbLが42000rpmである水準に応じた第1膨張比πt1として、膨張比πtH=2.3が規定された。
図11は、第1回転数NtbHが90000rpmであり、第2回転数NtbLが126000rpmであるものとして設定されたケース3でのシミュレーションの結果である。
図11に示されるように、ケース3では、第1膨張比πt1が1.5であるときに、各ターボチャージャー17H,17Lによる仕事WH,WLの合計WSが最大になる。そのため、第1回転数NtbHが90000rpmであり、第2回転数NtbLが126000rpmである水準に応じた第1膨張比πt1として、膨張比πtH=1.5が規定される。
なお、このシミュレーションでは、上記(a)(b)を条件とした。これは、こうした条件にすることにより、第2回転数NtbLが第1設定値UB以下の範囲における仕事WL,WSの合計WSの傾向が把握可能なためである。
[可変ノズル28の開度制御]
可変ノズル28の開度が変更される手順について説明する。
制御部51は、各種情報を取得する。すなわち、制御部51は、EGR圧力Pegr、ブースト圧Pb、EGR温度Teg、吸気温度Tinを取得する。また、制御部51は、吸入空気量Ga、回転速度NE、第1回転数NtbH、第2回転数NtbL、燃料噴射量Qf、EGR弁開度VTegr、ノズル開度VTvntを取得する。
制御部51は、取得された値を用いて、作動ガス量Gwg、EGR量Geg、及び、高圧段ターボチャージャー17Hに流入する排気ガスの質量流量Gtbを演算する。次いで、制御部51は、作動ガス量GwgとEGR量Gegとを用いてEGR率ηを演算し、作動ガス量Gwg、EGR率η、及び、燃料噴射量Qfに応じた温度を温度データ61から読み出して、その読み出した温度を流入温度TtbHとして演算する。制御部51は、EGR量Gegに応じたEGRガスの圧力損失値ΔPegrをEGR通路データ62から読み出し、読み出された圧力損失値ΔPegrをEGR圧力Pegrに加算することによって排気圧力Pemを演算する。そして、制御部51は、質量流量Gtb、流入温度TtbH、及び、排気圧力Pemを用いて、質量流量Gtbを体積流量Qtbに変換する。
制御部51は、第2回転数NtbLに応じた切替係数αを切替データ65から読み出して、読み出された値を切替係数αとして設定する。また、制御部51は、第1回転数NtbHと第2回転数NtbLとに応じた膨張比を過給用データ63から読み出して、読み出された膨張比を第1膨張比πt1として設定する。また、制御部51は、エンジン10の回転速度NEと燃料噴射量Qfとに応じた膨張比を排気圧力用データ64から読み出して、読み出された膨張比を第2膨張比πt2として設定する。そして、制御部51は、第1膨張比πt1、第2膨張比πt2、及び、切替係数αを上記式(2)に代入することにより目標膨張比πttarを演算する。
次いで、制御部51は、体積流量Qtbと目標膨張比πttarとに応じた開度を開度データ66から読み出して、読み出された開度を可変ノズル28の目標ノズル開度VTtarとして設定する。また、制御部51は、可変ノズル開度センサー41の検出値であるノズル開度VTvntから目標ノズル開度VTtarへ可変ノズル28の開度を変更するために必要な開度である指示開度VTcomを演算する。そして、制御部51は、可変ノズル28の開度を指示開度VTcomの分だけ変更するための駆動信号を生成し、生成された駆動信号をアクチュエーター29に出力する。これにより、アクチュエーター29が駆動されて、可変ノズル28が目標ノズル開度VTtarに制御される。
[VNT制御装置50の作用]
上述したように、VNT制御装置50は、高圧段ターボチャージャー17Hに流入する排気ガスの体積流量Qtbと高圧段ターボチャージャー17Hにおける目標膨張比πttarとに応じて、可変ノズル28のノズル開度VTvntを制御する。そして、VNT制御装置50は、各ターボチャージャー17H,17Lによる仕事WH,WLの合計WSが最大となる第1膨張比πt1を目標膨張比πttarとして演算する。
そのため、例えば、エンジン10の回転速度NEと燃料噴射量Qfとに基づいて可変ノズル28のノズル開度VTvntが設定される場合に比べて、各ターボチャージャー17H,17Lによる仕事WH,WLの合計WSが最大となる頻度が高められる。言い換えれば、各ターボチャージャー17H,17Lの過給によって得られる過給圧が精度よく制御される。その結果、2段過給式ターボチャージャーによる過給が効率的に行われる。
また、VNT制御装置50は、第2回転数NtbLが第1設定値UB以下のとき、高圧段ターボチャージャー17Hの目標膨張比πttarを第1膨張比πt1に設定する。このとき、例えば、エンジン10の運転状態がアイドリング状態から移行した加速状態にあるため、十分な過給が必要とされる。また、第2回転数NtbLが第1設定値UBよりも大きい場合に比べて排気ガスの流量が少ないため、仕事WH,WLの合計WSも小さくなりやすい。この点、VNT制御装置50では、排気ガスの流量が少なく、且つ、十分な過給が必要とされるときに目標膨張比πttarが第1膨張比πt1に設定される。その結果、排気ガスの流量が少ないときの過給が効率的に行われる。すなわち、排気ガスの流量が少なく且つ過給が必要とされる状態において過給圧の制御が精度よく行われる。その結果、2段過給式ターボチャージャーによる過給が効率的に行われる。
また、VNT制御装置50は、第2回転数NtbLが第2設定値LBよりも大きいとき、高圧段ターボチャージャー17Hの目標膨張比πttarを第2膨張比πt2に設定する。このとき、エンジン10の運転状態が定常状態あるいは定常状態に近い状態にあるため、NOxの低減や燃費の向上を図るべく過給よりもEGRが優先されることが望ましい。この点、VNT制御装置50は、上述したように、第2回転数NtbLが第2設定値LBよりも大きいときに目標膨張比πttarを第2膨張比πt2に設定する。すなわち、排気圧力PemがEGRに適した圧力に制御される。その結果、第2回転数NtbLが第2設定値LBよりも大きいときにも目標膨張比πttarが第1膨張比πt1に設定される状態がある場合に比べて、NOxの低減や燃費の向上が図られる。
また、VNT制御装置50では、第2回転数NtbLが第1設定値UBよりも大きく、且つ、第2設定値LB以下であるときには、第2回転数NtbLが大きいほど切替係数αが小さい。すなわち、第2回転数NtbLが大きいほど、目標膨張比πttarに占める第1膨張比πt1の割合が小さく、且つ、目標膨張比πttarに占める第2膨張比πt2の割合が大きい。そのため、第2回転数NtbLが高くなるにつれて、排気圧力Pemが、過給を優先させる圧力からEGRに適した圧力へと徐々に切り替えられる。その結果、目標膨張比πttarの切り替えが特定の1つの第2回転速度を境界にして行われる場合に比べて、切り替えにともなう排気圧力Pemの急激な変化が抑えられる。また、排気圧力Pemの変化に起因する各ターボチャージャー17H,17Lやエンジン10に対する機械的な負荷が高い確率の下で軽減される。
以上説明したように、上記実施形態のVNT制御装置50によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)各ターボチャージャー17H,17Lによる仕事WH,WLの合計WSが最大となるノズル開度VTvntに可変ノズル28が制御される。それゆえに、各ターボチャージャー17H,17Lの現在の作動状態から得られる最大の過給圧に対し、各ターボチャージャー17H,17Lの過給によって得られる過給圧の精度が高められる。
(2)第2回転数NtbLが第1設定値UB以下のときに、目標膨張比πttarが第1膨張比πt1に設定される。その結果、排気ガスの流量が少なく且つ過給が必要とされるときの過給が効率的に行われる。
(3)第2回転数NtbLが第2設定値LBよりも高いとき、目標膨張比πttarが第2膨張比πt2に設定される。その結果、NOxの低減や燃費の向上が図られる。
(4)第2設定値LBが第1設定値UBよりも高いことから、第2設定値LBと第1設定値UBとが等しい場合に比べて、過給用データ63を用いる開度の制御と、排気圧力用データ64を用いる開度の制御とが不要に切り替わることが抑えられる。
(5)第2回転数NtbLが、第1設定値UBよりも高く、且つ、第2設定値LB以下のとき、第2回転数NtbLが高くなるほど切替係数αが小さくなる。その結果、排気圧力Pemの急激な変化に起因する各ターボチャージャー17H,17Lやエンジン10に対する機械的な負荷が高い確率の下で軽減される。
なお、上記実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・過給用データ63に規定される第1膨張比は、各ターボチャージャー17H,17Lによる仕事WH,WLの合計WSが最大となる値に限られない。例えば、合計WSが最大となる膨張比よりも若干低く、且つ、回転数に対する合計WSの変動が所定の範囲で抑えられている膨張比が、第1膨張比として規定されてもよい。こうした構成であれば、回転数の検出誤差に伴う過給圧の変動が抑えられる。また、例えば、各回転数において合計WSが所定の値になるときの膨張比が第1膨張比として規定されてもよい。こうした構成であっても、回転数の検出誤差に伴う過給圧の変動は抑えられる。
・切替データ65における区間73には、第2回転数NtbLが高くいほど小さい切替係数に限らず、第1設定値UBにて切替係数α=1、且つ、第2設定値LBにて切替係数α=0であればよく、切替係数αが一定となっている区間が設けられていてもよい。また、区間73には、第2回転数NtbLに対する切替係数αの減少幅が互いに異なる区間が複数設けられていてもよいし、切替係数αが増加する区間が設けられていてもよい。
・VNT制御装置50は、第2回転数NtbLが所定の閾値以下のときに目標膨張比πttarを第1膨張比πt1に設定し、且つ、当該所定の閾値よりも大きいときに目標膨張比πttarを第2膨張比πt2に設定してもよい。
・VNT制御装置50は、例えば、定常状態にあるエンジン10が加速状態に移行したときに、目標膨張比πttarを第1膨張比πt1に設定してもよい。すなわち、第2回転数NtbLが第1設定値UBを超えているときであっても、エンジン10の運転状態に応じて目標膨張比πttarを第1膨張比πt1に設定してもよい。
・取得部52による第1回転数NtbHの取得は、第1回転数センサー38Hによる第1回転数NtbHの検出に限られない。例えば、VNT制御装置に入力される回転数以外の各種情報に基づいて第1回転数NtbHを推定する推定部をVNT制御装置50が備え、演算部53が取得部の機能を兼ね、推定部の推定結果を演算部53が取得する構成であってもよい。なお、制御部51による第2回転数NtbLの取得も同様である。
・記憶部54には、エンジン10の運転状態ごとに複数の排気圧力用データ64が記憶されていてもよい。
・また、排気圧力用データ64に規定される第2膨張比πt2は、エンジン10の回転速度NEと燃料噴射量Qfとに応じて選択される膨張比に限らず、例えば、取得部52の取得する情報に基づいて選択される膨張比が規定されていればよい。
・記憶部54には、複数の過給用データ63が記憶されていてもよい。例えば、記憶部54には、排気圧力Pemと低圧段ターボチャージャー17Lの出口における排気圧力Pepごとに一義的に選択される相互に異なる複数の過給用データ63が記憶されていてもよい。この際、制御部51は、排気圧力Pem,Pepを取得し、その取得した排気圧力Pem,Pepに応じて選択される過給用データ63を用いて目標膨張比πttarを演算する。こうした構成によれば、その時々の排気ガスの圧力に応じた過給用データ63が選択されるため、過給圧の制御がさらに高い精度の下で行われる。なお、排気圧力Pepは、センサーを用いて取得してもよいし、低圧段ターボチャージャー17Lから流出した排気ガスが大気開放されるまでの圧力損失値を質量流量Gtb毎に規定したデータを用い、大気圧に対して該データにより得られる圧力損失値を加算することにより取得してもよい。
・VNT制御装置50は、区間72において、例えば目標となる排気圧力と排気圧力演算部60の演算結果との偏差に応じて目標ノズル開度VTtarを補正してもよい。
・VNT制御装置50は、1つの電子制御ユニットであってもよいし、複数の電子制御ユニットで構成されていてもよい。
・VNT制御装置50が適用されるエンジンは、ガソリンエンジンであってもよい。
10…ディーゼルエンジン、11…シリンダーブロック、12…シリンダー、13…インジェクタ、14…インテークマニホールド、15…エキゾーストマニホールド、16…吸気通路、17H…高圧段ターボチャージャー、17L…低圧段ターボチャージャー、18H,18L…コンプレッサー、19…インタークーラー、20…排気通路、21H…連結軸、21L…連結軸、22H,22L…タービン、24…クランクシャフト、25…EGR通路、26…EGRクーラー、27…EGR弁、28…可変ノズル、29…アクチュエーター、31…EGR圧力センサー、32…ブースト圧センサー、34…EGR温度センサー、35…吸気温度センサー、36…吸入空気量センサー、37…回転速度センサー、38H…第1回転数センサー、38L…第2回転数センサー、39…燃料噴射制御部、40…EGR弁開度センサー、41…可変ノズル開度センサー、50…VNT制御装置、51…制御部、52…取得部、53…演算部、54…記憶部、55…ノズル駆動部、60…排気圧力演算部、61…温度データ、62…EGR通路データ、63…過給用データ、64…排気圧力用データ、65…切替データ、66…開度データ、71,72,73…区間。

Claims (4)

  1. 可変容量型の高圧段ターボチャージャーの回転数である第1回転数と固定容量型の低圧段ターボチャージャーの回転数である第2回転数と、エンジンの運転状態とを取得する取得部と、
    前記高圧段ターボチャージャーにおける可変ノズルの開度を前記高圧段ターボチャージャーにおける排気ガスの流入量と目標膨張比とに対応する開度に制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記第1回転数と前記第2回転数とに膨張比が対応づけられた過給用データと、前記高圧段ターボチャージャーの膨張比がエンジンの運転状態に対応づけられた排気圧力用データと、前記第2回転数の第1設定値と、前記第1設定値よりも高い第2設定値とを記憶する記憶部と、
    前記取得部が取得した情報と前記記憶部に記憶した情報とに基づいて前記目標膨張比演算する演算部と、
    を備え
    前記演算部は、
    前記取得された前記第2回転数が前記第1設定値以下であるとき、前記取得された前記第1回転数と前記第2回転数とを前記過給用データに適用して得られる前記膨張比を前記目標膨張比として演算し、
    前記取得された前記第2回転数が前記第2設定値よりも高いとき、前記取得された前記運転状態を前記排気圧力用データに適用して得られる前記膨張比を前記目標膨張比として演算する
    ターボチャージャーの制御装置。
  2. 前記過給用データに規定された膨張比の前記目標膨張比に占める割合を係数αとし、
    前記取得された前記第1回転数と前記第2回転数とを前記過給用データに適用して得られる前記膨張比を第1膨張比とし、
    前記取得された前記運転状態を前記排気圧力用データに適用して得られる前記膨張比を第2膨張比とし、
    前記記憶部は、前記係数αが前記第2回転数毎に規定された切替データを記憶し、
    前記演算部は、第1膨張比×α+第2膨張比×(1−α)を前記目標膨張比として演算し、
    前記切替データには、前記第2回転数が前記第1設定値よりも高く、且つ、前記第2設定値以下の区間に、前記第2回転数が高いほど減少する前記係数αが規定されている
    請求項に記載のターボチャージャーの制御装置。
  3. 前記過給用データには、前記高圧段ターボチャージャーによる仕事と前記低圧段ターボチャージャーによる仕事との合計が最大となる膨張比が規定されている
    請求項1または2に記載のターボチャージャーの制御装置。
  4. 可変容量型の高圧段ターボチャージャーの回転数である第1回転数と固定容量型の低圧段ターボチャージャーの回転数である第2回転数と、エンジンの運転状態とを取得すること、
    前記高圧段ターボチャージャーに対する排気ガスの流入量を取得すること、
    前記高圧段ターボチャージャーにおける目標膨張比を演算すること、
    前記流入量と前記目標膨張比とに対応する開度に可変ノズルの開度を制御すること、
    を含み、
    前記目標膨張比の演算では、
    前記第1回転数と前記第2回転数とに膨張比が対応づけられた過給用データと、前記高圧段ターボチャージャーの膨張比がエンジンの運転状態に対応づけられた排気圧力用データと、前記第2回転数の第1設定値と、前記第1設定値よりも高い第2設定値とを用い、
    前記取得された前記第2回転数が前記第1設定値以下であるとき、前記取得された前記第1回転数と前記第2回転数とを前記過給用データに適用して得られる前記膨張比を前記目標膨張比として演算し、
    前記取得された前記第2回転数が前記第2設定値よりも高いとき、前記取得された前記運転状態を前記排気圧力用データに適用して得られる前記膨張比を前記目標膨張比として演算する
    ターボチャージャーの制御方法。
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