JP2016169307A - コーティング組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両ガラスへの施工直後の撥水性に優れるだけでなく、撥水耐久性を高めることのでき、さらに、温度湿度などの様々な施工環境によっても、ガラスへの密着性に差異を生じにくくなり、安定した撥水性が得られるコーティング組成物を提供する。
【解決手段】このコーティング組成物は、シラン化合物と、分子鎖の両末端にシラノール基を有するジメチルポリシロキサンと、触媒とが、揮発性溶媒で希釈されてなる。シラン化合物は、下記一般式(1)で示されるシラン化合物である。
(RO)Si(R4−n ただし、n=1又はn=2・・・・・(1)
(一般式(1)中、R は炭素数がC=1〜3のアルキル基であり、Rは炭素数がC=1又はC=2のアルキル基である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、コーティング組成物、特に、車両などのガラス表面との密着性を改善することによって撥水耐久性(撥水持続性)の高い性能を付与したり、温度湿度などの様々な施工環境によっても安定した撥水性を得ることのできる対策が講じられたコーティング組成物に関するものである。
従来、車両のガラス表面に撥水性を付与することに使用されるコーティング組成物としてシリコーン系のコーティング組成物が多用されていて、先行文献によってもシリコーン系のコーティング組成物についての提案がなされている(たとえば、特許文献1、特許文献2)。
このうち、特許文献1には、一般式:RSi(R 3−m (RはC3〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、R はメトキシ基、エトキシ基、C1又はBr、Rはメチル基又はエチル基、mは0〜2の整数)で示されるアルキルシラン化合物と、酸、脂肪酸金属塩又は金属アルコキシドの1種以上、揮発性溶媒、を含有する撥水処理剤組成物が開示されている。このものでは、撥水性成分であるアルキルシラン化合物中のアルキル基Rの好ましい炭素数が3〜20(C=3〜20)であり、より好ましくはC=6〜14であると撥水耐久性が改善されるとされている。さらに、アルキル基Rの炭素数が8〜20(C=8〜20)のアルキルシラン化合物を用いる場合には、ジメチルポロシロキサンを併用することによって水滴の転がり性が改善される旨の記載がある。
また、特許文献2には、一般式:R aSiX(4−a) (R1は炭素原子数3〜20の一価炭化水素基であり、aは1〜3の整数である)で示されるオルガノシランと、25℃における粘度が0.65〜500センチストークスである両末端シラノール基封鎖ジオルガノポリシロキサンからなる車両ガラス用撥水剤組成物についての記載がある。また、この組成物には、水溶液中の酸解離指数(pKa値)が5.0以下である酸が含有されていない旨の記載もある。そして、このものでは、pKa値が5.0以下である酸が含有されていないことにより、塗装面に隣接した金属製素材を腐食させることがない、旨の記載がある。
一方、一般的に知られている車両用のガラス撥水剤(コーティング組成物に相当する)は、夏場の高温環境や梅雨時の高湿度環境といった様々なシチュエーションで使用されることが考えられるところ、温度湿度などの様々な施工環境によってガラスへの密着性に差異が生じやすく、安定した撥水性を得にくいという欠点があった。
特開平10−121036号公報(段落0007、段落0012など) 特開平9−268281号公報(段落0003、段落0009など)
特許文献1によって提案されている撥水処理剤組成物では、アルキルシラン化合物のアルキル基Rの好ましい炭素数を3〜20とすることによって施工直後の撥水性や撥水耐久性を改善しているけれども、撥水処理剤組成物とガラスとの密着性を改善することを通じて撥水耐久性(撥水持続性)を高めることについては言及されていない。また、アルキル基Rの炭素数が8〜20のアルキルシラン化合物を用いる場合には、ジメチルポロシロキサンを併用することによって水滴の転がり性が改善される旨の記載があるけれども、このことに関しても、撥水処理剤組成物とガラスとの密着性を改善することを通じて撥水耐久性を高める、ということを意図しているものではない。他の特許文献2によって提案されている車両ガラス用撥水剤組成物についても同様に、撥水処理剤組成物とガラスとの密着性を改善することを通じて撥水耐久性を高めることについては言及されていない。
本発明は以上の状況に鑑みて行われたものであり、車両などのガラス表面に撥水性を付与することのできるコーティング組成物に関して、車両のガラスへの施工直後の撥水性に優れていることは勿論、ガラスへの密着性を高めることによって、特にワイパーなどによって擦られた場合でも密着性が損なわれにくく、そのようなガラスとの密着性を改善することを通じて撥水耐久性を高めることのできるコーティング組成物を提供することを目的としている。
また、本発明は、温度湿度などの様々な施工環境によっても、ガラスへの密着性に差異を生じにくくなり、安定した撥水性が得られるコーティング組成物を提供することを目的としている。
本発明に係るコーティング組成物は、ガラス面に塗布されるものである。そして、下記一般式(1)で示されるシラン化合物と、分子鎖の両末端にシラノール基を有するジメチルポリシロキサンと、触媒とが、揮発性溶媒で希釈されている。このコーティング組成物において、シラン化合物は、施工直後の初期撥水性を付与する作用を発揮する。
(RO)Si(R4−n ただし、n=1又はn=2・・・・・(1)
(一般式(1)中、R は炭素数がC=1〜3のアルキル基であり、Rは炭素数がC=1又はC=2のアルキル基である。)
シラン化合物としては、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、トリエチルプロポキシシラン、ジエチルジプロポキシシランが挙げられる。シラン化合物は、上記の各シラン化合物の内の1種類を使用しても良いし、2種類以上を併用しても構わない。
この発明に係るコーティング組成物をガラス表面に塗布すると、シラン化合物のアルコキシ基とガラス表面の水酸基との加水分解縮合反応(脱水縮合反応)が触媒によって促進され、撥水性皮膜が短時間で素早く形成される。したがって、塗布直後から高い撥水性が発揮されるようになる。ここで形成された撥水性皮膜は滑り性に優れるため、ワイパーによる摩擦、砂汚れなどが付着した状態で擦ったときの摩擦を軽減し、撥水性皮膜の劣化を軽減する。
分子鎖の両末端にシラノール基を有するジメチルポリシロキサン(分子鎖の両末端にシラノール基を有するジメチルシリコーンオイル)は密着性を顕著に高める作用を発揮する。分子鎖の両末端にシラノール基を有するジメチルポリシロキサンは一般工業製品として入手可能であり、たとえば、信越化学工業株式会社製の商品名X21−5841(粘度30mm/s)、同商品名KF9701(粘度60mm/s)、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製の商品名XC96−723(粘度30mm/s)、 同商品名YF3800(粘度80mm/s)、同商品名YF3905(粘度700mm/s)、同商品名YF3057(粘度3000mm/s)、同商品名YF3807(粘度20000mm/s)、同商品名YF3802(粘度80000mm/s)が挙げられる。分子鎖の両末端にシラノール基を有するジメチルポリシロキサンは、上記の各分子鎖の両末端にシラノール基を有するジメチルポリシロキサンの内の1種類を使用しても良いし、2種類以上を併用しても構わない。
触媒は、シラン化合物と併用することによって、高湿度条件でのシラン化合物のガラス表面への反応性を維持し、施工直後の撥水性と撥水耐久性を得ることに役立つ。
揮発性溶媒は、シラン化合物や分子鎖の分子鎖の両末端にシラノール基を有するジメチルポロシロキサンなどの有効成分(シリコーン成分)のガラス表面への塗布性を維持させることに役立つ。揮発性溶媒は、夏場などの高温条件下でもそれほど揮発性が高くないものを使用することが望まれる。
本発明では、一般式(1)中のアルキル基Rがメチル基CHであることが望ましい。さらに、本発明では、一般式(1)中のアルコキシ基ROの数nがn=2であることが望ましい。
シラン化合物のアルコキシ基とガラス表面の水酸基との加水分解縮合反応は、アルコキシ基ROのアルキル鎖長が短いほど速く進行するため、アルコキシ基ROのアルキル鎖長は短いほどよいことが判っている。このことから、アルキル基Rのアルキル鎖長の炭素数もC=1〜3という小さい整数であることが望ましく、最も望ましい炭素数は、上記のようにC=1、言い換えると、一般式(1)中のアルキル基Rがメチル基CHであることが望ましい、ということがいえる。
一方、一般式(1)で示されるアルコキシ基ROの反応性は、アルコキシ基ROの数nが大きい値であるほど高くなるけれども、アルコキシ基ROの数nがn=3以上の大きい整数であると、シラン化合物同士の縮合反応によって高分子化してしまって拭き取り性が低下する。また、シラン化合物のアルキル基Rのアルキル鎖長がC=3以上の大きい整数になると、シラン化合物とガラス表面の水酸基との反応性が低下して初期撥水性の低下が起こるので、初期撥水性を高めるためには、アルキル基Rのアルキル鎖長はC=1又はC=2が望ましい。アルコキシ基ROのより好ましい数nは反応性がより高くなるn=2である。
本発明では、上記シラン化合物の配合量が0.1〜50wt%、上記分子鎖の両末端にシラノール基を有するジメチルポリシロキサンの配合量が0.05〜50wt%、触媒の配合量が0.01〜5wt%であることが望ましい。
シラン化合物の配合量が0.1wt%より少ないと十分な撥水性が得られず、50wt%より多いと拭き取り性が低下する。シラン化合物の配合量が0.1〜50wt%であると、満足のいく撥水性や拭き取り性が得られる。シラン化合物の配合量の好ましい範囲は0.5〜10wt%である。
分子鎖の両末端にシラノール基を有するジメチルポリシロキサンの配合量が0.05wt%より少ないと、ガラス表面への密着性が不足する傾向が生じて施工後の撥水耐久性が低下し、50wt%より多いと拭き取り性が低下する。分子鎖の両末端にシラノール基を有するジメチルポリシロキサンの配合量が0.05〜50wt%であると、撥水耐久性や拭き取り性の低下が抑制される。
触媒は、上記したように、シラン化合物と併用することによって、高湿度条件でのシラン化合物のガラス表面への反応性を維持し、施工直後の撥水性と撥水耐久性を得ることに役立つ。すなわち、施工環境について、高湿度環境では、溶媒の揮発性が低下し、シリコーン成分であるシラン化合物のガラスへの反応性も低下するため、施工後の撥水性の低下と撥水耐久性が低下する傾向が見られる。そこで、アルコキシ基ROのアルキル鎖長が短く、その他のアルキル基Rのアルキル鎖長も短い低分子のシラン化合物と触媒とを併用する事で、高湿度条件でのガラスへの反応性が維持され、施工直後の撥水性と撥水耐久性を得ることができるようになる。触媒の配合量が0.01より少ないと十分な触媒効果が得られず、5wt%より多いと撥水性の低下が起こる。触媒の配合量が0.01〜5wt%であると、撥水性の低下を来すことなく、十分な触媒効果が得られる。配合量のより好ましい範囲は01〜1wt%である。採用し得る触媒は、特に限定されるものではないが、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸などの無機酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸などのスルホン酸、酢酸、クエン酸、蟻酸などのカルボンサン酸、といった酸から任意に選択することができる。酸触媒以外の触媒では、アルカリ触媒として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、といったアルカリ金属の水酸化物から任意に選択することができるし、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、といったアルカリ土類金属の水酸化物から任意に選択することができるし、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、といったテトラアルキルアンモニウムの水酸化物から任意に選択することができるし、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、といったアミン類から任意に選択することができるし、金属触媒としてトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライドなどの有機アルミニウム化合物や、チタンアルコキシド、鉄アルコキシド、有機スズアルコキシド、といった金属アルコキシドから任意に選択することができる。触媒は、上記の各種触媒の内の1種類を使用しても良いし、或いは2種類以上を併用しても構わないが、特に酸触媒を使用するのが好ましい。
本発明では、上記揮発性溶媒が、沸点150℃以上の極性溶媒を1種類以上含有し、かつ、揮発性溶媒中における上記極性溶媒の比率が1〜50wt%であることが望ましい。揮発性溶媒は、シラン化合物やジメチルポロシロキサンなどの有効成分のガラス表面への塗布性を維持させることに役立つ。揮発性溶媒は、夏場などの高温条件下でもそれほど揮発性が高くないものを使用することが望まれる。すなわち、夏場等の高温条件下では揮発性溶媒が短時間で揮発してしまい、上記有効成分ガラス表面への反応性が高過ぎるためにその有効成分を均一に塗布することができないという事態が起こり、その結果、撥水性が十分に得られないという事態が起こり得る。そこで、この発明のように、揮発性溶媒が、沸点150℃以上の極性溶媒を1種類以上含有していると、揮発性溶媒の揮発性が抑えられ、上記有効成分のガラス表面への縮合反応も阻害されずに、シラン化合物やジメチルポロシロキサンなどの有効成分を均一に塗布することができるようになり、そのことが十分な撥水性を発揮させることに役立つようになる。採用し得る極性溶媒は、特に限定されるものではないが、たとえば、ケトン類であればジイソブチルケトン、エステル類であればエチルグリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、酢酸3−メトキシブチル、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、ブチセロアセテート、アルコール類であればベンジルアルコール、グリコール類であれば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリコールエーテル類であれば、ダウ・ケミカル社製の商品名ダワノールTPM(トリプロピレングリコールメチルエーテル)、同ダワノールDPM(ジプロピレングリコールメチルエーテル)、同ダワノールDPnP(プロピレングリコール−n−プロピルエーテル)、同ダワノールPnP(プロピレングリコール−n−プロピルエーテル)、同ダワノールPnB(プロピレングリコール−n−ブチルエーテル)、同ダワノールDPnB(ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル)、同ダワノールTPnB(トリプロピレングリコール−n−ブチルエーテル)、同ダワノールDPMA(ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート)、同ダワノールPGDA(プロピレングリコールジアセテート)、同ダワノールPPH(プロピレングリコールフェニルエーテル)、同ダワノールDMM(ジプロピレングリコールジメチルエーテル)があり、さらに、エチレングリコールターシャリーブチルエーテル、ブチルセロソルブ、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなども使用可能である。極性溶媒の配合量が1wt%より少ないと、高温条件下での塗布性改善に十分な効果を得られず、50wt%を超えると撥水性の低下が起こる。好ましい配合量は2〜15wt%である。
揮発性溶媒には、必要に応じて、希釈可能な各種のシリコーンオイルを配合することができる。各種シリコーンオイルは、特に限定されるものではないが、たとえば、ストレートシリコーンオイルとしてジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、変性シリコーンオイルとしてアミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルなどが挙げられる。これらのシリコーンオイルは1種類又は2種類以上を混合しても構わない。
本発明では、上記分子鎖の両末端にシラノール基を有するジメチルポリシロキサンは、その粘度が1000mm/s以下であることが望ましい。両末端にシラノール基を有するジメチルポリシロキサンは、その粘度が高いほど滑り性が向上する傾向にあるけれども、粘度が高過ぎると、揮発性溶媒への溶解性が低下したり施工後のコーティング被膜の透明性を低下させる性質がある。上記分子鎖の両末端にシラノール基を有するジメチルポリシロキサンの粘度が1000mm/s以下であると、揮発性溶媒への溶解性の低下やコーティング被膜の透明性の低下などが起こりにくい。
実施例1〜7及び比較例1〜4の資料を、以下に示した方法で調整した。
<試料の調整>
実施例1
イソプロピルアルコール(IPA:揮発性溶媒)に硫酸(触媒)を希釈して得られる溶液に、ジメチルジメトキシシラン(シラン化合物)と、信越化学工業(株)製の商品名X21−5841(分子鎖の両末端にシラノール基を有するジメチルポリシロキサン(ジメチルシリコーンオイル))とをこの順に添加した後、10分間攪拌することにより試料を調整した。
実施例2
イソプロピルアルコール(IPA:揮発性溶媒)にパラトルエンスルホン酸(触媒)を希釈して得られる溶液に、ジエチルジエトキシシラン(シラン化合物)と、信越化学工業(株)製の商品名X21−5841(分子鎖の両末端にシラノール基を有するジメチルポリシロキサン(ジメチルシリコーンオイル))とをこの順に添加した後、10分間攪拌することにより試料を調整した。
実施例3
イソプロピルアルコール(IPA:揮発性溶媒)にパラトルエンスルホン酸(触媒)を希釈して得られる溶液に、ジメチルジメトキシシラン(シラン化合物)と、分子鎖の両末端にシラノール基を有する2000mm/sのジメチルポリシロキサン(ジメチルシリコーンオイル)とをこの順に添加した後、10分間撹拌し試料を得た。
実施例4
イソプロピルアルコール(IPA:揮発性溶媒)に硫酸(触媒)を希釈して得られる溶液に、ダワノールDPM(沸点150℃以上の極性溶媒)を添加した後、10分間撹拌した。さらに、トリメチルメトキシシラン(シラン化合物)と信越化学工業(株)製の商品名X21−5841(分子鎖の両末端にシラノール基を有するジメチルポリシロキサン(ジメチルシリコーンオイル))を添加した後、10分間撹拌し試料を得た。
実施例5
イソプロピルアルコール(IPA:揮発性溶媒)に硫酸(触媒)を希釈して得られる溶液に、ダワノールDPnB(沸点150℃以上の極性溶媒)を添加した後、10分間撹拌した。さらに、ジメチルジメトキシシラン(シラン化合物)と信越化学工業(株)製の商品名X21−5841(分子鎖の両末端にシラノール基を有するジメチルポリシロキサン(ジメチルシリコーンオイル))とをこの順に添加した後、10分間撹拌し試料を得た。
実施例6
イソプロピルアルコール(IPA:揮発性溶媒)に硫酸(触媒)を希釈して得られる溶液に、ダワノールDPM(沸点150℃以上の極性溶媒)を添加した後、10分間撹拌した。さらに、ジメチルジメトキシシラン(シラン化合物)と信越化学工業(株)製の商品名X21−5841(分子鎖の両末端にシラノール基を有するジメチルポリシロキサン(ジメチルシリコーンオイル))とをこの順に添加した後、10分間撹拌し試料を得た。
比較例1
イソプロピルアルコール(IPA:揮発性溶媒)に、分子鎖の両末端にシラノール基を有する2000mm/sのジメチルポリシロキサン(ジメチルシリコーンオイル)とをこの順に添加した後、10分間撹拌し試料を得た。
比較例2
イソプロピルアルコール(IPA:揮発性溶媒)に、ジメチルジメトキシシラン(シラン化合物)を添加した後、10分間撹拌し試料を得た。
比較例3
イソプロピルアルコール(IPA:揮発性溶媒)に硫酸(触媒)を希釈して得られる溶液に、ジメチルジメトキシシラン(シラン化合物)を添加した後、10分間撹拌し試料を得た。
比較例4
イソプロピルアルコール(IPA:揮発性溶媒)にパラトルエンスルホン酸(触媒)を希釈して得られる溶液に、信越化学工業(株)製の商品名X21−5841(分子鎖の両末端にシラノール基を有するジメチルポリシロキサン(ジメチルシリコーンオイル))を添加した後、10分間撹拌し試料を得た。
<評価方法>
日産自動車株式会社製の商品名ウイングロードのフロントガラス表面を十分に脱脂したものを試験板とした。こ
の試験板についての実施例1〜7及び比較例1〜4で得られた試料の性能を評価した。試験板についての試料の適用方法及び評価方法は、下記の評価項目ごとに個別に記載している。
[撥水性]
各試料を3g滴下し、乾いた綿タオルですぐに拭き伸ばし、10分間乾燥した。その後、撥水状態を目視で次の3段階で評価した。
◎:シャワーで掛けた水がすぐに水滴状になって流れ落ちる。
○:シャワーで掛けた水が面状に濡れ拡がり、次に水滴状になって流れ落ちる。
△:シャワーで掛けた水が面状に濡れ拡がり、流れ落ちる。
[耐久性]
各試料を3g滴下し、乾いた綿タオルですぐに拭き伸ばし、10分間乾燥した。次に、1分間に10秒の割合でシャワーで水を掛けながら、ワイパーを1時間作動させた。その後、撥水状態を目視で次の3段階で評価した。
◎:シャワーで掛けた水がすぐに水滴状になって、流れ落ちる。
○:シャワーで掛けた水が面状に濡れ拡がり、次に水滴状になって流れ落ちる。
△:シャワーで掛けた水が面状に濡れ拡がり、流れ落ちる。
[透明性]
各試料を3g滴下し、乾いた綿タオルですぐに拭き伸ばし、10分間乾燥した。その後、ガラスの透明性を目視で次の3段階で評価した。
◎:全体が透明で曇りの発生が無い。
○:全体的に透明だが、部分的に白く曇りが発生している部分がある。
△:全体的に白く曇りが発生している。
[高湿度で施工したときの撥水性]
温度20℃、相対湿度80%の環境に試験板と試料、綿タオルを30分間放置した。次に各試料を3g滴下し、乾いた綿タオルですぐに拭き伸ばし、10分間乾燥した。その後、撥水状態を目視で次の3段階で評価した。
◎:シャワーで掛けた水がすぐに水滴状になって、流れ落ちる。
○:シャワーで掛けた水が面状に濡れ拡がり、次に水滴状になって流れ落ちる。
△:シャワーで掛けた水が面状に濡れ拡がり、流れ落ちる。
[高温で施工したときの撥水性]
温度55℃、相対湿度20%の環境に試験板と試料、綿タオルを30分間放置した。次に各試料を3g滴下し、乾いた綿タオルですぐに拭き伸ばし、10分間乾燥した。その後、撥水状態を目視で次の3段階で評価した。
◎:シャワーで掛けた水がすぐに水滴状になって、流れ落ちる。
○:シャワーで掛けた水がすぐに水滴状になるが、水が面状に濡れ広がっているところがある。
△:シャワーで掛けた水が面状に濡れ拡がるが、部分的に水滴状に水を弾いている。
表1には実施例1〜6及び比較例1〜4の試料に使用した配合成分及びその具体例、配合量(wt%)、評価結果を示した。
Figure 2016169307
表1により次の事項が明らかになった。実施例1〜6の試料によると、撥水性、耐久性、透明性、高湿度又は高温度で施工したときの撥水性のすべてについて◎又は○の評価が得られ、特に、実施例5及び実施例6の試料では、すべての評価項目について◎の評価が得られた。その反面で、比較例1では、すべての評価項目について△の評価となった。また、比較例2では、透明性の評価が○である以外はすべて△となり、比較例3では、透明性の評価が◎、撥水性及び高湿度施工時の撥水性の評価が○である以外はすべて△となり、比較例4では、透明性の評価が○である以外はすべて△となった。
このことから、実施例1〜6の試料によると、車両のガラスへの施工直後の撥水性に優れていることは勿論、ワイパーなどによって擦られた場合でも密着性が損なわれにくく、そのようなガラスとの密着性を改善することを通じて撥水耐久性を高めることのできるコーティング組成物を提供することが可能になることが判る。また、温度湿度などの様々な施工環境によっても、ガラスへの密着性に差異を生じにくくなり、安定した撥水性が得られるコーティング組成物を提供することが可能になることが判る。

Claims (6)

  1. ガラス面に塗布されるコーティング組成物であって、
    下記一般式(1)で示されるシラン化合物と、分子鎖の両末端にシラノール基を有するジメチルポリシロキサンと、触媒とが、揮発性溶媒で希釈されていることを特徴とするコーティング組成物。
    (RO)Si(R4−n ただし、n=1又はn=2・・・・・(1)
    (一般式(1)中、R は炭素数がC=1〜3のアルキル基であり、Rは炭素数がC=1又はC=2のアルキル基である。)
  2. 一般式(1)中のアルキル基Rがメチル基である請求項1に記載したコーティング組成物。
  3. 一般式(1)中のアルコキシ基ROの数nがn=2である請求項1又は請求項2に記載したコーティング組成物。
  4. 上記シラン化合物の配合量が0.1〜50wt%、上記分子鎖の両末端にシラノール基を有するジメチルポリシロキサンの配合量が0.05〜50wt%、触媒の配合量が0.01〜5wt%である請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載したコーティング組成物。
  5. 上記揮発性溶媒が、沸点150℃以上の極性溶媒を1種類以上含有し、かつ、揮発性溶媒中における上記極性溶媒の比率が1〜50wt%である請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載したコーティング組成物。
  6. 上記分子鎖の両末端にシラノール基を有するジメチルポリシロキサンは、その粘度が1000mm/s以下である請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載したコーティング組成物。
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