JP2012236892A - 撥水性コーティング剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は撥水性、耐摩耗性、深みのある光沢性、耐久性に優れたコーティング膜を得ることが可能なコーティング剤を提供することにある。さらには、塗料としての安定性、製膜性などのコーティング特性に優れたコーティング剤を提供することにある。
【解決手段】下記成分(1)〜(3)を含有してなることを特徴とする撥水性コーティング剤であって、該撥水性コーティング剤を基板に塗布したのち、室温下で自然乾燥によって硬化させて、耐久性に優れたコーティング膜を得る。
(1)両末端にシラノール基を有する平均分子量が2,000〜200,000 のジメチルシリコーンポリマー:100重量部
(2)3官能性シラン化合物および金属化合物系硬化剤からなる架橋剤:2.5重量部〜 2,000重量部
(3)溶剤
【選択図】無し

Description

本発明は、耐久性に優れた撥水性コーティング膜の作製に適した撥水性コーティング剤に関するものである。
従来から、各種基板表面に雨水などによる汚れを防ぐことを目的に、表面エネルギーを小さくすることができるフッ素系材料やシリコーン系材料からなる撥水性コーティング剤およびこれら撥水性コーティング剤を塗布することによって得られる撥水性コーティング膜が検討されてきた。とくに、コーティング膜の耐久性を向上させるために、各種基板表面に撥水性コーティング剤を塗布したのちに、加熱処理や紫外線などの活性光線照射を施すことによる架橋反応を行わせる方法が用いられてきた。
フッ素系材料としては、フッ素化アルキル基(Rf基)を含む材料が知られている。かかる材料の特徴は表面だけにRf基を存在させることで撥水性の付与が可能であるが、耐摩耗性などの耐久性に劣るという課題がある。
また、耐久性向上を目的にアクリル系紫外線硬化性樹脂とフッ素系表面改質剤からなるコーティング剤処理を施して撥水性および耐摩耗性に優れる表面を有する材料の製造方法なども提案されている。しかし、特殊な処理装置を必要とし、大型基板や異型基板材料への適用が困難であるなどといった汎用性に欠けるという課題を抱えている。
一方、シリコーン系材料としては、両末端にシラノール基やアクリル基を有するジメチルシリコーン化合物などからなる硬化性材料が知られている。これらの材料は表面のみならず内部まで3次元架橋した構造となっているために、優れた耐摩耗性を有するという特徴がある。しかし、従来のシリコーン系材料は加熱装置や紫外線照射装置のような特殊な設備を必要とするといった課題がある。さらには、撥水性と深みのある光沢性の両立が困難なため、実用的に重要な意匠性と雨水などによる汚染防止を兼ね備えることが困難であるといった課題も抱えている。
また、表面に撥水性材料からなる突起を形成させることによる撥水性表面を得ることも提案されているが、高い撥水性を有する半面、これも耐摩耗性に劣り、耐久性に欠ける課題がある。さらには、光沢性を低下させる欠点も有しているため、とくに意匠性を重視する用途には好ましくない。
さらには、特殊な装置を用いず、外気の湿気で硬化させる湿気硬化性コーティング剤についても提案されているが、撥水性が不十分である、あるいはコーティング膜の膜厚が不十分なため、撥水性と光沢性の両立を実現する表面を得ることが困難であるといった課題を抱えている。
特開昭62−148902号公報 特開平11−269287号公報 特開2006−346900号公報 特開平10−36771号公報 特開2008−75021号公報
本発明は、以上のような従来の欠点に鑑み、優れた撥水性に加えて、耐摩耗性、深みのある光沢性など、実用性に富んだ撥水性コーティング膜の作製に適した撥水性コーティング剤を提供することを目的としている。
さらに、本発明は、特殊な処理装置を必要とせず、自然環境下などの温和な条件下において優れた撥水性コーティング膜となる撥水性コーティング剤を提供することも目的としている。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、下記成分(1)〜(3)を含有してなることを特徴とする撥水性コーティング剤を見出した。
(1)両末端にシラノール基を有する平均分子量が2,000〜200,000のジメチルシリコーンポリマー:100重量部
(2)3官能性シラン化合物および金属化合物系硬化剤からなる架橋剤:2.5重量部〜 2,000重量部
(3)溶剤
本発明における両末端にシラノール基を有する平均分子量が2,000〜200,000のジメチルシリコーンポリマーとは、両末端にSi−OHで表わされるシラノール基を有し、一般に市販されている材料が使用可能である。
高い撥水性、いわゆる水の静止接触角が高いコーティング膜を得るためには、平均分子量が2,000以上のジメチルシリコーンポリマーを用いることが必要である。平均分子量が2,000未満の分子量が小さいジメチルシリコーンポリマー材料は、高い撥水性を得ることができない。より薄い膜厚で高い撥水性を得るためには、平均分子量が3,000以上、より高い撥水性を得るためには平均分子量が10,000以上の両末端にシラノール基を有するジメチルシリコーンポリマーを用いることが好ましい。また、より深みのある光沢性に優れた撥水性コーティング膜を得るためには、平均分子量が20,000以上のジメチルシリコーンポリマーを用いることが必要である。
一方、平均分子量が高い材料は、高い撥水性と深みのある光沢性発現には有用である。しかし、平均分子量が100,000を越えると平均分子量が増えるに従ってチクソトロピー性が強くなるため、均一な塗膜を形成することが困難となる傾向にあるものの、平均分子量が200,000までは塗装方法等の改良によって均一な塗膜を得ることが可能である。しかし、200,000を超えると塗装方法の工夫では対応が極めて困難であるばかりか、材料の製造そのものが困難であり、入手することが難しく、かつ高価となるため、実用性が乏しいという課題もある。なお、平均分子量が高い材料における本発明成分(2)との相溶性をより高めるために比較的、平均分子量の小さいジメチルシリコーンポリマーを併用することが好ましく用いられる。
なお、本発明で言うところの平均分子量は、通常、合成高分子の分子量測定に使用されるGPCシステム(Gel Permeation Chromatography System)を用いれば容易に測定可能である。例えば、東ソー株式会社製の高速GPC装置(HLC-8220GPC)を用い、クロロホルムを展開溶媒として用いる方法を挙げることができる。
本発明撥水性コーティング剤の使い易さ、および硬化速度コントロール、べたつき性向上、油脂成分に対する防汚性改良などを目的に、先に述べた相溶性改良に有効な平均分子量が2,000未満の両末端にシラノール基を有するジメチルシリコーンポリマーを併用することが可能であるが、さらには、コーティング膜の屈折率などを制御する目的で、フェニル基を含有した、あるいはトリフルオロプロピル基を含有した両末端にシラノール基を有するシリコーンポリマーなどを併用することも好ましい。
より高い撥水性、すなわち、水の静止接触角をより高くするため、あるいはより低い屈折率を得るためには、トリフルオロプロピル基含有シリコーンポリマーを併用することが好ましい。
基板への濡れ性向上のためには、平均分子量が2,000未満の両末端にシラノール基を有するジメチルシリコーンポリマーを併用することが、塗膜の特性を低下させることなく可能なことからもっとも好ましい。
かかる両末端にシラノール基を有する平均分子量が2,000未満のジメチルシリコーンポリマーやフェニル基含有シリコーンポリマー、トリフルオロプロピル基含有シリコーンポリマーなどの添加量は、あまり多くなり過ぎると撥水性を低下させる、あるいは深みのある光沢性を低下させる傾向にあることから、目的とする特性との関係で決められるべきものである。
本発明の成分(1)である平均分子量が2,000〜200,000の両末端にシラノール基を有するジメチルシリコーンポリマーで入手可能な材料としてはPRX413、BY16-873(東レ・ダウコーニング製)、KF-9701(信越シリコーン製)、DMS-S21、DMS-S27、DMS-S31、DMS-S32、DMS-S33、DMS-S35、DMS-S42、DMS-S45、DMS-S51(GELEST Inc.製)などが挙げられる。
これら両末端にシラノール基を有するジメチルシリコーンポリマーは、単独で用いることも可能であるし、2種以上併用することも可能である。
以上の本発明の成分(1)と併用可能な2,000未満の両末端にシラノール基を有するジメチルシリコーンポリマーで入手可能な材料としてはX-21-5841(信越シリコーン製)、DMS-S12、DMS-S14(GELEST Inc.製)などを挙げることができる。また、両末端にシラノール基を有するフェニル基含有シリコーンポリマーとしてはPDS-0338,PDS-1615(GELEST Inc.製)、トリフルオロプロピル基含有シリコーンポリマーとしてはFMS-9921,FMS-9922(GELEST Inc.製)などを挙げることができる。
次に、成分(2)について以下に述べる。本発明撥水性コーティング剤に含まれる成分(1)は、それ単独では液状、ないしはゴム状であり、撥水性に乏しく、さらにはべとつきが大きいため、実用性のあるコーティング膜は得られない。よって、成分(1)を固形化させ、耐久性を付与させるためには架橋させることが必要となるが、そのために用いられる材料が成分(2)の架橋剤である。
すなわち、成分(2)を用いることで、コーティング膜は3次元架橋構造となり、撥水性、耐久性、具体的には耐摩耗性、耐候性などを付与することが可能となる。ここで、本発明成分(2)の架橋剤は成分(1)100重量部に対して、2.5重量部〜2,000重量部が用いられることが必要である。なお、成分(2)における重量部とは使用される化合物そのものの重量として定義される部数を示す。
成分(2)は、3官能性シラン化合物および金属化合物系硬化剤からなる架橋剤であって、成分(1)である両末端にシラノール基を有する平均分子量が2,000〜200,000のジメチルシリコーンポリマーを特殊な装置を必要とせずに硬化可能な材料であればとくに限定されないが、硬化速度、硬化膜の安定性、さらには硬化膜の撥水性等の観点から、以下の材料が好ましく用いられる。
ここで、3官能性シラン化合物としては、下記一般式(A)で表わされるシラン化合物を挙げることができる。
Si(OR (A)
(ここで、Rは炭素数1〜3のアルキル基、またはアルケニル基、ORは加水分解性基である)。
炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。中でも、撥水性と耐摩耗性のバランスが優れるアルキル基としては、エチル基が挙げられる。
また、アルケニル基としては、熱や水分に対する安定性が高く、かつ入手が容易なことからビニル基が好ましく用いられる。
次に、加水分解性基であるORについて述べる。ORとしては、加水分解が可能な官能基であれば、とくに限定されるものではないが、加水分解の容易さ、すなわち空気中の水分によって容易に加水分解反応が可能であるとの観点から、アシルオキシ基や低級アルコキシ基が好ましく用いられる。
中でも、室温環境下放置による硬化処理を考慮すれば、加水分解性に優れるアシルオキシ基が好ましく、さらには、加水分解後の揮散性等から、アセトキシ基が最も好ましい加水分解性基として挙げられる。
本発明における一般式(A)で表わされる3官能性シラン化合物の具体的な代表化合物例としては、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、プロピルトリアセトキシシラン、イソプロピルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メチルトリプロピオノキシシラン、エチルトリプロピオノキシシラン、プロピルトリプロピオノキシシラン、イソプロピルトリプロピオノキシシラン、ビニルトリプロピオノキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、イソプロピルトリプロポキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリブトキシシラン、プロピルトリブトキシシラン、イソプロピルトリブトキシシラン、ビニルトリブトキシシランなどが挙げられる。
これらの3官能性シラン化合物は、それぞれ単独で用いることも可能であるが、耐摩耗性や撥水性のバランスを高める目的で、2種以上のシラン化合物を併用して使用することも可能であることは言うまでもない。
とくに耐摩耗性と撥水性の両性能を満足させ得ること、および性状が室温で液体のために取り扱い易さに優れることから、3官能性シラン化合物としてはエチルトリアセトキシシラン化合物がもっとも好ましく用いられる。また、メチルトリアセトキシシランとの混合系も、より架橋度を高めることが可能なことから好ましい実施態様のひとつとして挙げられる。
成分(2)のもうひとつの成分である金属化合物系硬化剤について述べる。金属化合物系硬化剤は、コーティング膜を着色することがなく、耐久性、耐摩耗性に優れた膜を得ることを可能とするために用いられる。かかる金属化合物系硬化剤の例としてはスズ化合物、アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物、さらには各種チタニウム化合物などが挙げられる。これらのうちで、塗料の安定性、硬化性のバランス、着色のない塗膜を得ることが可能なことからスズ化合物およびアルミニウム化合物がとくに好ましい。とくに有機基を有するスズ化合物は、添加による実質的な撥水性低下を起こさないことから好ましく用いられ、中でも安全性の観点から、2官能性有機スズ化合物がもっとも好ましく用いられる。
2官能性有機スズ化合物としては、下記一般式(B)で表わされる材料が安全性に加えて、硬化性、耐久性の観点からもっとも好ましい化合物例として挙げられる。
Sn(OR (B)
(ここで、R、Rは炭素数2〜12の炭化水素基、ORは加水分解性基である)。
炭素数2〜12の炭化水素基としては、アルキル基やアリル基が挙げられるが、安全性の観点から、アルキル基が好ましい。中でも、取り扱い易さ、および入手の容易さなどの観点から、ブチル基やオクチル基が最も好ましく用いられる。
次に、加水分解性基であるORについて述べる。ORとしては、加水分解が可能であればとくに限定されるものではないが、加水分解性の点からは、アシルオキシ基が好ましい。
アシルオキシ基としては、室温環境下で空気中水分による加水分解が容易に起こり、かつ商業的に入手が可能なことからアセトキシ基、およびラウロキシ基が好ましい。
一般式(B)で表わされる2官能性有機スズ化合物の具体的な代表化合物例としては、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウラート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウラート、ジブチルスズマレート、ジオクチルスズマレートなどが挙げられる。
アルミニウム化合物としては、硬化性と安全性とのバランスに優れた硬化剤として、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリブトキシドなどのアルミニウムトリアルコキシドやアルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテートなどのアルミニウムキレート化合物などが挙げられる。とくにアルミニウムキレート化合物が、塗料の保存安定性に優れることから好ましく、中でもアルミニウムトリスアセチルアセトネートが取り扱い易さの観点から、最も好ましい。
これらの金属化合物系硬化剤は、単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。なお、2種以上の併用においては2官能性有機スズ化合物とアルミニウムキレート化合物のような異種化合物の併用も好ましい実施態様として挙げられる。
本発明に用いられる成分(2)の3官能性シラン化合物は、もうひとつの成分である金属化合物系硬化剤と併用して用いることで、はじめて有用な塗膜を形成することができる。すなわち、成分(2)の3官能性シラン化合物および金属化合物系硬化剤のいずれが含まれていなくても、強固な3次元架橋構造とならない。なお、強固な3次元架橋構造を有するかどうかは、成分(1)、成分(2)を溶解可能な溶剤中に長時間、具体的には室温下で、1週間浸漬した後の残存固形分量を測定することで確かめることができ、これは一般的にはゲル分率と呼ばれる。ちなみに、本発明におけるゲル分率は、代表的溶剤であるジブチルエーテルの大過剰中に浸漬させた後の残存量を測定して行った。高い耐久性を得るためには、ゲル分率が80%以上有することが望ましく、さらには85%以上が好ましい。
なお、成分(2)における3官能性シラン化合物と金属化合物系硬化剤の各成分の添加組成比は、成分(1)の種類や組成重量比によって、実験的に定められるべきであるが、通常、その組成添加モル比は1/1〜700/1の範囲であることが好ましい。
すなわち、添加モル比が1/1未満では、架橋度が劣る傾向にあり、耐候性に優れたコーティング膜を得ることが困難となる。また、添加モル比が700/1を越えると、未反応官能基が多くなることによる架橋度の低下、すなわち、硬化が不十分となるため、摩耗による撥水性の低下など、耐久性が劣る傾向にある。
より好ましい添加モル比としては、撥水性と耐摩耗性のバランスがもっとも得られやすいことから、3/1〜550/1、さらに好ましくは4/1〜500/1が用いられる。
また、架橋剤として3官能性シラン化合物および2官能性有機スズ化合物などを用いる際には、塗料としての安定性、硬化後塗膜の撥水性、成分(1)との相溶性向上の点から撥水性コーティング剤としては実質的には加水分解されずに含有されていることが好ましい。なお、塗料としての安定性が保たれる程度であれば、一部加水分解されていても何ら問題とはならない。
次に本発明の成分(3)である溶剤について述べる。本発明撥水性コーティング剤は、成分(1)および成分(2)を成分(3)である溶剤で希釈して使用されることから、溶剤としてはこれら成分と均一混合可能な有機化合物が適用される。また、本発明撥水性コーティング剤が、通常、室温環境下のような温和な条件下で用いて、硬化させるため、少なくとも溶剤のうちの50wt%以上が1気圧下の沸点が30℃〜250℃、より好ましくは50℃〜200℃を有する、比較的揮発性の高い溶剤であることが好ましい。
また、成分(2)である架橋剤は水などの活性プロトンを有する化合物との反応性が高いことから、本発明撥水性コーティング剤の安定性を保持し、塗膜の耐久性を高めるために、溶剤としては非活性な溶剤が好ましく用いられる。
使用可能な代表的溶剤としては、エーテル系、エステル系、脂肪族炭化水素系、芳香族炭化水素系、ケトン系、有機ハロゲン化物系などがあるが、中でも安全性などの点から、エーテル系、エステル系、脂肪族炭化水素系が好ましい。エーテル系の具体的化合物としてはジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジアミルエーテル、エステル系の具体的化合物としてはエチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、アミルアセテート、ヘプチルアセテート、エチルブチレート、イソアミルイソバリレート、脂肪族系炭化水素系の具体的化合物としてはノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン、芳香族系の具体的化合物としてはトルエン、キシレン、ケトン系の具体的化合物としてはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、有機ハロゲン化物系の具体的化合物としてはトリクロロエタン、トリクロロエチレンなどが挙げられる。さらには、プロピレングリコールモノメチルエーテルやプロピレングリコールモノエチルエーテルなどの比較的非活性な溶剤も使用可能である。中でも、本発明が自然環境下の開放系で用いられることが多いことを考慮すると、芳香性を有するプロピルアセテート、ブチルアセテート、イソアミルアセテート、ヘプチルアセテート、エチルブチレート、イソアミルイソバリレートなどのエステル系を含んでなる溶剤が好ましい。
これらの溶剤は、単独で用いてもよく、また2種以上を併用して用いても何ら問題はない。とくに、脂肪族炭化水素系化合物に属し、数種類の沸点を有する化合物の混合物であるアイソパーE,G,H,L,Mやミネラルスピリットなども好ましく用いられる。
また、本発明はコーティング剤として適用されるが、無溶剤系で用いることは、塗料の安定性、塗膜の均一性確保の点からは好ましいとは言えない。なお、溶剤希釈の尺度のひとつである固形分に関しては、塗料の安定性、十分な撥水性を得るのに必要な膜厚の確保、さらには塗膜の平滑性を得るために、3wt%〜60wt%で使用されることが好ましい。より好ましくは5wt%〜50wt%、もっとも好ましくは7.5wt%〜40wt%の範囲で用いられるが、塗装方法や塗装条件にも依存することから、実験的に定められるべきものである。
なお、固形分測定は、本発明が自然環境下などの温和な条件下で用いられることから、厳密に規定することは困難であるが、通常はアルミカップなどの容器に少量のコーティング剤を注ぎ、使用条件下で放置した後の残存成分量を測定することによって求めることができる。また、測定時間の短縮を目的に乾燥機内で加熱することも可能である。
通常、シリコーン成分は100%残存、また3官能性シラン化合物および金属化合物系硬化剤においては、いずれも空気中の水分によって完全に加水分解し、その後、理想的に反応したと仮定した値にほぼ一致する。例えば、該仮定のもとで求めたエチルトリアセトキシシランの固形分は34.6%、ジブチルスズジアセテートの固形分は70.9%となる。
なお、ここで固形分とは、本発明が自然環境下などの必ずしも一定でない条件で塗布されることを考慮すれば、その値は使用条件において測定される値として定義されるものである。
本発明において成分(1)と成分(2)の配合割合は、目的とする各種性能との関係で調整されるべきであるが、本発明が優れた撥水性に加えて、高い耐摩耗性、深みのある光沢性など、実用性に優れた撥水性コーティング剤とするためには、成分(1)100重量部に対して成分(2)を2.5重量部〜2,000重量部を含む範囲内から定められるべきである。なお、成分(2)の配合量が2.5重量部未満の場合には、硬化が不十分となり、撥水性、耐摩耗性が劣る。また、2,000重量部を越える場合も高い撥水性を得ることができない。よって、より安定的に高い撥水性と耐久性を得るためには、成分(1)100重量部に対して成分(2)を10重量部〜1,000重量部を含む範囲内から選ばれることが好ましい。
すなわち、成分(1)単独、あるいは、成分(2)が少なすぎる場合は、硬化が不十分となり、得られるコーティング膜は硬度の低い、あるいはべとつきのある塗膜となるばかりか、高い撥水性を得ることができず、耐久性に劣るという課題がある。
また、成分(2)が多すぎる場合には、十分に高い撥水性を得ることができない。
本発明撥水性コーティング剤中には、成分(1)および成分(2)以外の塗膜形成成分としては、先に述べた平均分子量が2,000未満の両末端にシラノール基を有するジメチルシリコーンポリマー、さらにはフェニル基やトリフルオロプロピル基含有シリコーンポリマー以外に、4官能性シラン化合物や各種界面活性剤など、多くの添加可能な材料がある。
とくに、4官能性シラン化合物は、基板との密着性や硬度をさらに高める目的で、撥水性を大きく低下させない範囲内で併用することが可能である。その具体的な代表化合物例としては、テトラアセトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラsec-ブトキシシランなどが挙げられる。
また、各種界面活性剤は撥水性コーティング剤の基板への濡れ性、およびコーティング膜の平滑性を高める目的で好ましく用いられる。
界面活性剤としては、本発明成分(3)の溶剤に溶解可能であるフッ素系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤、高分子エーテル系レベリング剤、ノニオン系レベリング剤などの中から選ばれた1種以上を使用することが好ましい。
とくに、塗膜の撥水性を低下させずに、界面活性効果を高めることが可能な材料として、フッ素系レベリング剤が好ましく用いられ、たとえばメガファックF-554(DIC社製)などが好ましい界面活性剤として挙げられる。
また、各種界面活性剤の添加量は、撥水性コーティング剤に対して、10ppm〜104ppmであることが望ましい。10ppm未満の場合は、界面活性剤のレベリング性に対する添加効果が小さく、104ppmを越える場合は界面活性剤が表面にブリードアウトして、指触性が低下する傾向にある。
本発明撥水性コーティング剤は、基材表面に塗布後、特殊な硬化処理装置などを必要とせず、室温条件下に放置するのみで容易に硬化させることが可能である。具体的温度条件としては、溶媒が揮散可能な温度であれば十分であるが、通常は5℃以上、好ましくは10℃以上が実用的な温度条件として推奨される。また、硬化時間を短縮させるために、加熱すること、あるいは乾燥を速めるために風を当てることも好ましい実施態様である。
また、本発明撥水性コーティング膜はジメチルシリコーンポリマーの3次元架橋構造を有することから、その屈折率は1.40〜1.45と比較的低いため、光の反射を低減させることが可能となるため、深みのある光沢性を有している。しかし、コーティング膜厚が厚くなり過ぎると光の干渉作用による縞や塗り斑が目立ちやすく、意匠性に劣る傾向がある。また、コーティング膜厚が薄くなりすぎると、被塗装基板上の傷を埋める効果が小さい、さらには光の反射低減による深みのある光沢性の発現や撥水性そのものが低下する傾向がある。よって、本発明撥水性コーティング剤から得られるコーティング膜の膜厚は、5nm〜200nm、より好ましくは10nm〜150nm、さらに好ましくは15nm〜120nmが推奨される。
なお、本発明撥水性コーティング膜は一般的な溶液コーティングで得られる膜と比較して、かなり薄いこともあって、その膜厚測定は表面粗さ測定機(例えば、株式会社ミツトヨ製、“FORMTRACER EXTREME”)を用い、平滑な基板上に塗布して測定することで可能となる。
一方、光沢を損なうことなく、撥水性を高める施策として湿度の高い環境下、具体的には50%RH、より好ましくは65%RH以上の湿度環境下で硬化せしめることが好ましい。湿度を高める手段としては、床に水や温水を張る方法,あるいは水のミスト散布、さらにはコーティング剤をいったん塗布した後に、さらに水分を吸わせた布などで擦ることも簡便で、かつ有効な方法として挙げられる。
本発明撥水性コーティング剤によって得られる塗膜は、撥水性が高く、耐摩耗性に優れることから、通常は人の手や指、さらには布やペーパー類などで擦すられることの多い用途、あるいは雨水や水道水などが降りかかる用途に適用されることが好ましい。
本発明撥水性コーティング剤は、主に成分(1)、成分(2)および成分(3)からなる組成物を、実質的に水分を吸収させることなく混合させて用いられる。
ここで、実質的に水分を吸収させることなくとは、所定量の成分(1)、成分(2)および成分(3)を、意識的に水分を添加、あるいは吸収させることなく撹拌混合させた後に、撥水性コーティング剤として使用に供することを意味する。
本発明における、成分(1)、成分(2)および成分(3)からなる撥水性コーティング剤は、基板に塗布したのち、室温環境下で自然乾燥によって硬化させるのみで十分な耐摩耗性、および耐候性を有する撥水性コーティング膜となる。
本発明における撥水性コーティング剤の硬化反応が、いかなる化学的変化を伴っているかを完全に解明するには至っていないが、基本的にはジメチルシリコーンポリマーの両末端シラノール基が架橋剤である3官能性シラン化合物の加水分解生成物や金属化合物系硬化剤の加水分解生成物、さらには直接、金属化合物系硬化剤と反応した構造となっているものと推定される。
また、架橋剤である3官能性シラン化合物や金属化合物系硬化剤の加水分解、および金属化合物系硬化剤との反応スキームの詳細についても、未だ確定するには至っていないが、恐らく協奏的に、複雑な反応系で進行していると推定される。
こうして得られる撥水性コーティング膜は、表面エネルギーが低く、優れた撥水性を有している。また、コーティング膜は高度に3次元架橋されたものであるため、撥水性に加えて、耐摩耗性や高い耐候性を有する。
本発明撥水性コーティング剤の基板への塗布方法は、とくに制限されることはないが、具体的方法としては、ディッピング塗装、スプレー塗装、流し塗り法、刷毛塗り法、スピンコート法、塗料を含浸させた布やスポンジによる転写塗布法などが挙げられ、基板の大きさ、形状などによって適宜、選択されるべきである。中でも、成型品のような異型形状を有する物品には、刷毛塗り法や塗料を含浸させた布やスポンジによる転写塗布法が塗膜の塗り斑発生を抑制し、非塗布部分をなくすことができることから好ましい。
とくに塗膜の均一性や平滑性を確保する方法として、流し塗り法や刷毛塗り法、あるいは塗料を含浸させた布やスポンジによる転写塗布法で塗布した後に、薄膜塗装を可能とする極細の長繊維からなる布を用いて、展延させる方法が実用的で、かつ良好な外観を得る方法として推奨される。
なお、展延に際しては塗膜が十分な延び性を有することが必要であり、したがって展延はコーティング剤が3次元架橋によるゲルが形成される前に行われるべきである。展延するタイミングは温度や風量などの環境条件を勘案して、定められるべきものである。
本発明における撥水性を評価する尺度としては、微小な水滴を膜表面に形成し、その時の水と塗膜表面との間に生じる、いわゆる水の静止接触角を測定する方法が最も一般的である。また、別の評価方法としては、微小な水滴を形成させた後に基板を傾けて水滴が落下する角度を測定する方法なども用いられる。本発明では簡便で再現性に優れる水の静止接触角を測定して撥水性を求めた。
本発明における撥水性に優れるコーティング膜とは、水の静止接触角が高く、具体的には、その接触角が100度以上を有する膜を意味する。さらに高い撥水性を有する膜としては103度以上を有する膜が望ましく、105度以上を有する膜がもっとも理想的なコーティング膜として位置付けられる。すなわち、水の静止接触角が100度未満の膜においては、雨水や浄水、さらには酒類などの液体飲料が、膜表面に付着した場合、膜表面から落下しにくくなることから、乾燥後に塗膜上に一般に雨染み、あるいは水焼け等と呼ばれる表面外観不良を起こしやすいという問題がある。
また、本発明における撥水性の耐久性とは、長期間の使用に耐えるかどうかを判断するための尺度であり、本発明における優れた耐久性とは、具体的には一カ月間以上の屋外曝露試験後に、その撥水性保持率が90%以上、さらに好ましくは93%以上の保持率を有していることを意味している。簡易的にはペーパーなどを用いた摩耗後や、シリコーン成分が溶解する溶剤、例えばトルエンなどで拭きとり後の接触角変化で代用することも可能である。
以上の説明から明らかなように、本発明撥水性コーティング剤は下記成分を含有してなり、次に列挙する効果が得られる。
(1)「両末端にシラノール基を有する平均分子量が2,000〜200,000 のジメチルシリコーンポリマー100重量部に対して、架橋剤が2.5重量部〜2,000重量部および溶剤」からなる撥水性コーティング剤であって、各種基材の表面に耐久性に優れた撥水性コーティング膜を形成することができる。
(2)前記(1)の撥水性コーティング剤の硬化は、コーティング剤を基板に塗布したのち、特殊な処理装置を必要とせず、室温環境下で自然乾燥するのみで、達成可能である。そのため、低コストで、異型形状を有する基板や大型基板にも、容易に適用することができる。
(3)撥水性コーティング膜は低い屈折率を有しており、撥水性、耐摩耗性、耐久性などに加えて深みのある光沢発現が達成可能な、バランスに優れた撥水性コーティング膜とすることができる。
本発明の撥水性コーティング剤は、高い撥水性に加えて、耐摩耗性、深みのある光沢性、およびこれらの性能の耐久性に優れることを特徴としている。
以下、実施例を挙げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)評価方法
(a)撥水性(度)
FACE社製“自動接触角計”CA-Z型を用いて、水の静止接触角を測定し、その値を用いて撥水性(度)とした。
(b)光沢性
コーティング膜を施した基板に光線を当てて、肉眼にて表面反射による光沢性と基板色の深みを調べた。未処理品と比較して、明らかに良好なものを○、同等レベルを△、劣るものを×とした。なお、○と△の中間レベルは、○〜△と表示した。
(c)耐摩耗性
人の中指の爪先で、塗膜表面を擦り、傷の発生状況を調べた。
○:未処理品より、明らかに傷が少ない。
△:未処理品と同等レベルの傷が発生。
×:未処理品より多くの傷が発生。あるいは、べとつきのあるレベル。
なお、○と△の中間レベルは、○〜△と表示した。
(d)製膜性
コーティング膜の均一性を肉眼にて評価した。
○:全く斑が認められない。
△:微少な斑が認められる。
×:明らかな斑の発生が認められる。
なお、○と△の中間レベルは、○〜△と表示した。
(e)耐久性
南向き斜面上に一カ月間、屋外曝露した後の膜表面の水の静止接触角を測定し、その保持率(%)を測定した。
(f)ゲル分率
アルミ缶中に調整した硬化塗膜をそのまま大過剰のジブチルエーテルを有するビーカー中に室温下、密閉状態で1週間浸漬し、ろ過、乾燥後の残存固形分量を秤量し、ゲル分率を求めた。
(実験例1〜6)、(比較例1〜5)
(1)コーティング剤調整
回転子を備えたビーカーに以下に記載した平均分子量の両末端にシラノール基を有するジメチルシリコーンポリマーとエチルトリアセトキシシラン(ETA)、ジブチルスズジアセテート(DBTA)、ジブチルスズジラウレート(DBTL)、さらにその他成分として平均分子量が2,000未満の両末端にシラノール基を有するジメチルシリコーンポリマー、およびジブチルエーテル(DBET)、ブチルアセテート(BTAc)溶剤を表1に示した量を添加混合し、ビーカー上部をカバーした状態で30分間室温にて撹拌を行ってコーティング剤を得た。
DMS-S31(GELEST Inc.製) :平均分子量 21,000
DMS-S42(GELEST Inc.製) :平均分子量 61,000
DMS-S51(GELEST Inc.製) :平均分子量 120,000
DMS-S14(GELEST Inc.製) :平均分子量 1,600
(2)被塗装基板作成
厚さ0.1mmのブリキ板にプライマーとしてイサム塗料(株)製のLVプラサフを施し、その後、中塗り塗料として同じくイサム塗料(株)製のミラノ2K、さらにトップクリア層として、これもイサム塗料(株)製のミラノ2KコモクリアNo.1を塗布して撥水性コーティング膜用の被塗装基板を作成した。
(3)コーティング膜調整
前記(2)の被塗装基板上に、コーティング剤を含浸させたスポンジを用いて塗布し、その後、極細長繊維からなる布で塗り斑のない状態に展延させたのち、一週間、解放状態で自然乾燥させて、コーティング膜を得た。
(4)評価結果
得られた塗膜の評価結果を表1に示す。表1より、本発明撥水性コーティング剤によって得られたコーティング膜は、被塗装基板上に均一に塗布されており、さらには非常に優れた撥水性、光沢性、耐摩耗性と耐久性に優れていることが明らかとなった。一方、架橋剤を含まないコーティング剤を用いたコーティング塗膜(比較例1)は、撥水性が劣る、まったく実用性のない塗膜であった。また、平均分子量が2,000未満の両末端にシラノール基を有するジメチルシリコーンポリマーを用いたコーティング塗膜(比較例2)および成分(1)を含まないコーティング剤を用いたコーティング塗膜(比較例3)は、いずれも撥水性が劣る塗膜であった。ちなみに、未コート基板表面の撥水性(度)は95度であった。さらには、成分(2)における3官能性シラン化合物を含まないコーティング剤を用いたコーティング塗膜(比較例4)、および成分(2)のもう一つの成分である金属化合物系硬化剤を含まないコーティング剤を用いたコーティング塗膜(比較例5)は、いずれもゲル分率が低く、耐久性に問題のある塗膜であった。
実施例1(実験例3)でジブチルスズジアセテートをアルミニウムトリスアセチルアセトネート0.056重量部(g)に変える以外はすべて同様に行った。得られたコーティング膜の撥水性(度)は108度、光沢性、耐摩耗性はいずれも○、さらに塗り斑のない良好な表面を有していた。
実施例1(実験例4)で溶剤として、さらにイソパラフィン系炭化水素であるアイソパーM(エクソンモービル社製)9.8重量部(g)を追添加する以外はすべて同様に行った。得られたコーティング膜の撥水性(度)は109度、光沢性、耐摩耗性はいずれも○、さらに塗り斑がまったく認められない良好な表面を有していた。
Figure 2012236892
本発明撥水性コーティング剤は、各種基板表面の撥水性向上および耐摩耗性に優れたコーティング膜を得るのに適している。とくに、本発明撥水性コーティング膜は光や熱に対して安定であるため、高い耐久性を有し、さらには、深みのある光沢性に優れるコーティング膜となる。また、室温環境下で硬化が可能であり、さらには塗装方法の選択幅が大きく、自由度が大きいという特徴がある。かかるコーティング特性に加えて、コーティング塗膜が、耐久性に優れた撥水性を有することから電車、自動車、バスなどの乗り物の窓や外装部分、さらにはビルや一般家屋の外壁、窓ガラスなどにも適用が可能である。また、車両のホイールのような塗装金属部品への適用も可能である。











Claims (5)

  1. 下記成分(1)〜(3)を含有してなることを特徴とする撥水性コーティング剤。
    (1)両末端にシラノール基を有する平均分子量が2,000〜200,000のジメチルシリコーンポリマー:100重量部
    (2)3官能性シラン化合物および金属化合物系硬化剤からなる架橋剤:2.5重量部〜 2,000重量部
    (3)溶剤
  2. 成分(2)の架橋剤である3官能性シラン化合物および金属化合物系硬化剤の添加モル比が1/1〜700/1からなる組成物である請求項1に記載の撥水性コーティング剤。
  3. 成分(2)の3官能性シラン化合物が炭素数1〜3のアルキル基またはアルケニル基を有する3官能性シラン化合物である請求項1、または請求項2に記載の撥水性コーティング剤。
  4. 成分(2)の金属化合物系硬化剤が炭素数2〜12の炭化水素基を有する2官能性有機スズ化合物、およびアルミニウムトリスキレート化合物から選ばれる一種以上である請求項1、または請求項2に記載の撥水性コーティング剤。
  5. 成分(3)の溶剤の50wt%以上が30℃〜250℃の沸点を有し、成分(1)および成分(2)と均一混合可能な有機化合物である請求項1、請求項2、請求項3、または請求項4に記載の撥水性コーティング剤。















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