JP2016149300A - アルカリ二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】より高率放電特性が優れたアルカリ二次電池を提供する。【解決手段】ニッケル水素二次電池1は、外装缶2と、正極端子22が電気的に接続されており外装缶2の開口を封止する封口体14と、正極6及び負極8がセパレータ10を介して重ね合わされ渦巻き状に巻回されてなり、外装缶2内にアルカリ電解液とともに収容された電極群4と、封口体14と電極群4との間に配設され、正極端子22と正極6とを通電する正極集電体28とを備え、正極集電体28は、接続板27を有し、電極群4は、接続板27に対向する正極6の端縁部が接続板27側に突出した突出端縁部32を有し、突出端縁部32は、その先端に電極群の径方向外側に向かって折り曲げられている接続片50を含んでおり、接続片50と接続板27とが接合されている。【選択図】図1
Description
本発明は、アルカリ二次電池に関する。
アルカリ二次電池の一種として円筒型のニッケル水素二次電池が知られている。このニッケル水素二次電池は、セパレータを間に挟んだ状態で重ね合わされた正極及び負極が渦巻き状に巻回されてなる電極群が、負極端子を含む有底円筒状の外装缶にアルカリ電解液とともに収容され、この外装缶の上端開口が、正極端子と電気的に接続されている蓋板で密閉されることにより形成される。
ここで、正極と正極端子との電気的接続には、帯状の正極リードが用いられている。詳しくは、正極リードの一端が正極の一部に接合され、正極リードの他端が蓋板に接合されることにより、正極と正極端子は電気的に接続されている。
上記したニッケル水素二次電池は、ニッケルカドミウム二次電池に比べて高容量で、且つ、環境安全性にも優れているという点から携帯電子機器、電動工具、ハイブリッド電気自動車等の各種機器に使用されるようになっており、用途が拡大している。このように用途が拡大していることから、ニッケル水素二次電池には、より高性能化が望まれており、特に、大電流を効率良く出力できるように高率放電特性を向上させることが望まれている。
高率放電特性を向上させるためには、電池の内部抵抗をなるべく低くする必要がある。そこで、電池の内部抵抗を低くするために、正極集電体を介在させて正極と正極端子とを電気的に接続する対策がとられている。このような正極集電体を備える電池としては、例えば、特許文献1の電池が知られている。
特許文献1に代表される電池の製造工程においては、まず、電極群を形成する際に、正極の上端縁が負極の上端縁よりも突出するように配置して巻回し、電極群の上端から正極の端縁部を渦巻き状に突出させる。なお、この突出した正極の端縁部を、以下、突出端縁部という。一方、円形の接続円板と、この接続円板に一体的に形成されている帯状の接続リボンとを備えた正極集電体を準備する。この正極集電体は、接続円板が正極の突出端縁部に接合されるとともに、接続リボンが蓋板と接合される。これにより、正極と正極端子とは、正極集電体及び蓋板を介して電気的に接続される。
この正極集電体においては、接続円板が正極の突出端縁部と広い範囲で接触している。つまり、正極リードがその幅に相当する範囲でしか正極と接触していない従来のニッケル水素二次電池に比べ、特許文献1の電池は、斯かる正極リードの幅よりも広い範囲で正極と接触する正極集電体を有している。このため、特許文献1の電池は、従来のニッケル水素二次電池に比べて電池の内部抵抗は低くなる。その結果、特許文献1の電池の高率放電特性は向上する。
ところで、上記したような各種機器においては、近年、消費する電力が増大しており、それにともない、それら機器に搭載されるニッケル水素二次電池には、より高率での放電が要求されている。
しかしながら、特許文献1のニッケル水素二次電池においては、上記した要求には十分に応えられてはおらず、更なる高率放電特性の改善が求められている。
本発明は、上記の事情に基づいてなされたものであり、その目的とするところは、より高率放電特性が優れたアルカリ二次電池を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明によれば、負極端子を含む有底円筒状の外装缶と、正極端子が電気的に接続されており前記外装缶の上端開口を封止している封口体と、正極及び負極がセパレータを介して重ね合わされ渦巻き状に巻回されてなり、前記外装缶内にアルカリ電解液とともに収容されている円柱状の電極群と、前記封口体と前記電極群との間に配設され、前記正極端子と前記正極とを通電する正極集電体と、を備え、前記正極集電体は、金属製の接続板を有し、前記電極群は、前記接続板に対向する前記正極の端縁部が前記接続板側に突出した突出端縁部を有し、前記突出端縁部は、その先端に前記電極群の径方向外側に向かって折り曲げられている折り曲げ片を含んでおり、前記折り曲げ片と前記接続板とが接合されている、アルカリ二次電池が提供される。
好ましくは、前記折り曲げ片は、巻回されている前記正極の1周当たり4個以上設けられている構成とする。
また、前記折り曲げ片は、前記突出端縁部のうち前記正極の最外周部を除いた部分に位置付けられている構成とすることが好ましい。
より好ましくは、前記折り曲げ片における前記電極群の径方向外側に向かって延びる長さをSとし、前記正極の厚さをt1、前記セパレータの厚さをt2、前記負極の厚さをt3とし、これらt1、t2及びt3を合計した厚さをTとしたとき、S<Tの関係を満たしている構成とする。
本発明に係るアルカリ二次電池においては、正極の突出端縁部が折り曲げ片を含んでおり、この折り曲げ片が正極集電体の接続板と接合されているので、正極と正極集電体との接触する領域が従来よりも拡大されている。これにより、電池の内部抵抗は従来よりも下がり、電池の高率放電特性が向上する。
以下、本発明に係るアルカリ二次電池を、図面を参照して説明する。
本発明が適用される一実施形態のアルカリ二次電池として、図1に示すAAサイズの円筒型ニッケル水素二次電池(以下、電池という)1を例に説明する。
本発明が適用される一実施形態のアルカリ二次電池として、図1に示すAAサイズの円筒型ニッケル水素二次電池(以下、電池という)1を例に説明する。
図1に示すように、電池1は、上端が開口した有底円筒形状をなす外装缶2を備え、外装缶2は導電性を有し、その底壁は負極端子として機能する。外装缶2の中には、所定量のアルカリ電解液(図示せず)とともに電極群4が収容されている。
外装缶2の開口3は封口体14によって閉塞されている。封口体14は、導電性を有する円板形状の蓋板16、この蓋板16上に配設された弁体20及び正極端子22を含んでいる。蓋板16の外周部には、この蓋板16を囲むようにリング形状の絶縁パッキン18が配置され、絶縁パッキン18及び蓋板16は外装缶2の開口縁17をかしめ加工することにより外装缶2の開口縁17に固定されている。即ち、蓋板16及び絶縁パッキン18は互いに協働して外装缶2の開口3を封止している。ここで、蓋板16は、中央に中央貫通孔19を有し、そして、蓋板16の外面上には、中央貫通孔19を閉塞するようにゴム製の弁体20が配置されている。更に、蓋板16の外面上には弁体20を覆うようにフランジ付きの円筒形状の正極端子22が電気的に接続されている。この正極端子20は弁体18を蓋板16に向けて押圧している。また、この正極端子22は、側面にガス抜き孔23を有している。
通常時、中央貫通孔19は弁体20によって気密に閉じられている。一方、外装缶2内にガスが発生し、その内圧が高まれば、弁体20は内圧によって圧縮され、中央貫通孔19が開かれる。その結果、外装缶2内から中央貫通孔19及び正極端子22のガス抜き孔23を介して外部にガスが放出される。つまり、中央貫通孔19、弁体20及び正極端子22のガス抜き孔23は電池1のための安全弁を形成している。
電極群4は、それぞれ帯状の正極6、負極8及びセパレータ10からなり、これらは正極6と負極8との間にセパレータ10が挟み込まれた状態で渦巻状に巻回されている。即ち、セパレータ10を介して正極6及び負極8が互いに重ね合わされている。このような電極群4は、全体としては円柱状をなしている。
外装缶2内に注入されたアルカリ電解液は、電極群4に保持されており、その大部分はセパレータ10に保持されている。そして、このアルカリ電解液を介して正極6及び負極8の間で充放電反応が進行する。
負極8は、帯状をなす導電性の負極芯体を有し、この負極芯体に負極合剤が保持されている。
負極芯体は、その厚さ方向に貫通する貫通孔(図示せず)が多数分布されている帯状の金属材からなる。このような負極芯体としては、例えば、パンチングメタルシートを用いることができる。
負極合剤は、負極芯体の貫通孔内に充填されるばかりでなく、負極芯体の両面上にも層状にして保持されている。
負極合剤は、水素吸蔵合金の粒子、導電材、結着剤等を含む。ここで、水素吸蔵合金は、負極活物質である水素を吸蔵及び放出可能な合金であり、ニッケル水素二次電池に一般的に用いられている水素吸蔵合金が好適に用いられる。上記した結着剤は水素吸蔵合金の粒子及び導電材を互いに結着させると同時に負極合剤を負極芯体に結着させる働きをなす。ここで、導電材及び結着剤としては、ニッケル水素二次電池に一般的に用いられているものが好適に用いられる。
また、負極8は、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、水素吸蔵合金粒子からなる水素吸蔵合金粉末、導電材、結着剤及び水を混練して負極合剤のスラリーを調製する。得られた負極合剤のスラリーは負極芯体に塗着され、乾燥させられる。乾燥後、水素吸蔵合金粒子等を含む負極合剤が付着した負極芯体はロール圧延及び裁断が施され、これにより負極8が得られる。
まず、水素吸蔵合金粒子からなる水素吸蔵合金粉末、導電材、結着剤及び水を混練して負極合剤のスラリーを調製する。得られた負極合剤のスラリーは負極芯体に塗着され、乾燥させられる。乾燥後、水素吸蔵合金粒子等を含む負極合剤が付着した負極芯体はロール圧延及び裁断が施され、これにより負極8が得られる。
次に、正極6について説明する。
正極6は、多孔質構造をなし多数の空孔を有する導電性の正極基材と、前記した空孔内及び正極基材の表面に保持された正極合剤とを含む。
正極6は、多孔質構造をなし多数の空孔を有する導電性の正極基材と、前記した空孔内及び正極基材の表面に保持された正極合剤とを含む。
正極基材としては、例えば、発泡ニッケル(ニッケルフォーム)を用いることができる。
正極合剤は、正極活物質粒子としての水酸化ニッケル粒子、導電剤としてのコバルト化合物、結着剤等を含んでいる。
正極6は、図1から明らかなように、電極群4の上端側において、正極6の一部が隣接する負極8よりも突出している。この突出している部分を、以下、突出端縁部32という。正極6の突出端縁部32は、電極群4の上端側において渦巻き状に突出している。ここで、正極6の形状について、より詳しく以下に説明する。
正極6は、巻回される前の形状としては、図2に示すように、全体としてほぼ長方形状をなしており、負極8とオーバーラップする本体部40と、この本体部40の上側に位置付けられる突出端縁部32とを含んでいる。本体部40には正極合剤が充填されている。一方、突出端縁部32においては、予め正極合剤は除去されており、突出端縁部32には正極合剤は充填されていない。そして、突出端縁部32は、厚さ方向に圧縮されており、本体部40よりもわずかに薄い。また、突出端縁部32は、本体部40側に位置する基端領域42と、この基端領域42における本体部40とは反対側に位置する先端領域44とを含んでいる。なお、図2において、参照符号52は正極6の巻き始め端部を示し、参照符号54は正極6の巻き終わり端部を示す。そして、正極6が電極群4に組み込まれた際、巻き始め端部52側が電極群4の径方向内側に位置し、巻き終わり端部54側が電極群4の径方向外側に位置する。
上記した先端領域44は、巻回した際の正極6における最も外側の一周分に相当する範囲(図2中において、参照符号Vで示される範囲。以下、最外周範囲という。)が切り欠かれている。つまり、正極6の長手方向(図2中の矢印x方向)においては、突出端縁部32の先端領域44は、上記した最外周範囲Vを除いた部分、即ち、最外周範囲Vよりも電極群4の径方向内側に位置付けられるべき範囲(図2中において、参照符号Wで示される範囲。以下、内周範囲という。)にのみ存在している。
ここで、先端領域44における図2中の矢印yで示される方向(以下、y方向という。)の長さをSと規定する。
更に、上記した先端領域44には、y方向に沿った方向に複数の切り込み46が平行に入れられている。これら切り込み44のy方向の長さは、Sと同じである。
この先端領域44は、基端領域42との境界に仮想される仮想境界線48に沿って折り曲げられ、後述する正極集電体28と接続される接続片(折り曲げ片)50とされる。具体的には、図1に示すように、接続片50は、正極6の突出端縁部32における先端領域44が、電極群4の径方向外側に向かってほぼ90度に折り曲げられることにより形成される。この接続片50は、図3に示すように、矩形状をなし、切り込み46の部分に相当する第1辺61及び第2辺62の長さは、切り込み46の長さと同じとなるので、それぞれSである。また、仮想境界線48の部分に相当する第3辺63及びこれに対向する第4辺64の長さは、互いに隣り合う切り込み46と切り込み46との間の長さに相当し、Uと規定する。
正極6は、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、正極活物質粒子からなる正極活物質粉末、導電材、水及び結着剤を含む正極合剤スラリーを調製する。得られた正極合剤スラリーは、例えばニッケルフォームに充填され、乾燥させられる。乾燥後、水酸化ニッケル粒子等が充填されたニッケルフォームは、ロール圧延されてから裁断される。これにより、正極合剤を保持した正極6の中間製品70が得られる。
まず、正極活物質粒子からなる正極活物質粉末、導電材、水及び結着剤を含む正極合剤スラリーを調製する。得られた正極合剤スラリーは、例えばニッケルフォームに充填され、乾燥させられる。乾燥後、水酸化ニッケル粒子等が充填されたニッケルフォームは、ロール圧延されてから裁断される。これにより、正極合剤を保持した正極6の中間製品70が得られる。
この中間製品70は、図4に示すように、全体として長方形状をなしている。そして、この中間製品70の上端縁部72は、正極合剤が除去され、正極基材がむき出しの状態とされる。ここで、正極合剤の除去方法としては、特に限定はされないが、例えば、超音波振動を与えることにより除去することが好適に行われる。なお、上端縁部72以外の領域である本体部40には、正極合剤が充填されたままの状態である。
次いで、正極合剤が除去された上端縁部72は、中間製品70の厚さ方向に圧縮加工され突出端縁部32となる。このように圧縮加工されることにより、正極基材は、稠密な状態となるので、この突出端縁部32は溶接がし易くなる。
その後、突出端縁部32における先端領域44のうち、最外周範囲Vを切り欠き、先端領域44を内周範囲Wにのみ存在するようにする。更に、残った先端領域44に、y方向に沿った方向に長さがSの複数の切り込み46を平行に入れる。このとき、切り込み46は等間隔に入れるのが好ましい。これにより、図2に示すような正極6が得られる。
次に、セパレータ10としては、例えば、ポリアミド繊維製不織布に親水性官能基を付与したもの、あるいは、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン繊維製不織布に親水性官能基を付与したものを用いることができる。
以上のようにして製造された正極6及び負極8は、上記したセパレータ10を介在させた状態で、渦巻き状に巻回され、これにより電極群4が形成される。詳しくは、巻回の際、正極6及び負極8は、互いに、電極群4の軸線方向に沿う方向に僅かにずらされて配置されるとともに、これら正極6及び負極8の間には、所定サイズのセパレータ10が所定位置に配置され、この状態で巻回作業が行われる。その結果、図1に示すような円柱状の電極群4が得られる。得られた電極群4の態様としては、電極群4の一端側(図1中上側)においては、正極6の突出端縁部32が、隣接する負極8よりも突出した状態となる。なお、電極群4は、上記した正極6、負極8及びセパレータ10が、所定の外径寸法を有する巻芯により巻回されて形成され、巻回作業後は、この巻芯が抜き取られるので、電極群4の中央には貫通孔9が形成されている。
正極6の突出端縁部32においては、巻回作業に先立ち、又は、巻回作業の際に、先端領域44を折り曲げ、接続片50を形成する。この先端領域44には切り込み46が複数入れられているので、接続片50が電極群4の径方向外側に向かって放射状に広がる。このため、巻回作業はスムーズに行うことができる。なお、接続片50における電極群4の径方向外側に向かって延びる長さはSとなる。
ここで、接続片50は、電極群4内において巻回されている正極6の1周当たり4個以上含まれていることが好ましい。接続片50の個数が4個以下となると、正極を巻き辛くなり、上記した巻回作業がスムーズに行えなくなる。接続片50の個数は、4個以上で、なるべく多い方が、巻回作業がし易くなるので好ましい。接続片50の個数は、切り込み46の本数によるので、切り込み46と切り込み46との間の長さUを適当な長さに設定することが好ましい。
また、図1及び図5に示すように、正極6の厚さをt1、セパレータ10の厚さをt2、負極8の厚さをt3とし、これらt1、t2及びt3の合計(t1+t2+t3)の厚さをTとしたとき、接続片50の長さSとの関係は、S<Tの関係を満たしていることが好ましい。接続片50の長さSが長すぎると振動等により、接続片50と負極8とが接触し内部短絡を起こすおそれがある。よって、接続片50の長さSを、正極6の厚さt1、セパレータ10の厚さt2及び負極8の厚さt3の合計の厚さTよりも小さい値に設定しておけば、接続片50が隣接する負極8と接触する可能性をより低くすることができるので好ましい。なお、セパレータ10は薄いため、図5においては見づらくなるのでセパレータ10の図示を省略している。
以上のような電極群4においては、一端側(図1中上側)に正極集電体28が接続されている。
ここで、正極集電体28について説明する。
正極集電体28は、全体が導電性材料からなり、板状の接続板27と、この接続板27に一体的に形成されている帯状の正極リボン26とを有している。
正極集電体28は、全体が導電性材料からなり、板状の接続板27と、この接続板27に一体的に形成されている帯状の正極リボン26とを有している。
接続板27は、電極群4の上端から突出している正極6に接合される部品である。この接続板27の平面視形状は特に限定されるものではなく、円板形状、多角形状等任意の形状のものを採用することができる。また、この接続板27の大きさとしては、電極群4の外径径寸法よりも小さく、且つ、電極群4の上端から突出している正極6をカバーできる大きさに設定される。
本実施形態においては、図6に示すように、ほぼ五角形状の板材が接続板27として用いられる。詳しくは、接続板27は、全体としてほぼ五角形状のステンレス鋼製の薄板であり、中央に円形の中央貫通孔29と、この中央貫通孔29を囲むように放射状に延びる5個のスリット30とを含んでいる。中央貫通孔29は、電極群4の貫通孔9とほぼ合致している。この中央貫通孔29を通してアルカリ電解液が電極群4に供給される。また、接続板27に複数のスリット30が設けられると、これらスリット30に挟まれた領域である平板部31は、動き易くなる。このため、電極群4に多少の巻きずれがあって正極6の突出端縁部32に上下方向のゆがみがある場合でも、接続板27の平板部31はそのゆがみに追従することができ、接合不良の発生を抑制することができる。また、スリット30は、打ち抜き加工で形成し、スリット30のエッジの部分に下方(電極群4側)へ延びるバリを生じさせることが好ましい。
また、正極リボン26は、接続板27における五角形の5個の辺のうちの一つの辺の部分から延びている。
上記したような正極集電体28においては、その接続板27が、電極群4の上部に重ね合わされてバリが正極6の接続片50に当接するように配置される。そして、抵抗溶接が行われる。このとき、バリの部分に溶接電流が集中し、バリの部分の一部が溶融して正極6の接続片50と固着する。
以上のように、正極集電体28が取り付けられた電極群4は、外装缶2内に収容される。電極群4の最外周部は、セパレータ10で覆われておらず、負極8の一部(最外周部)により形成されているので、負極8は、外装缶2の内周壁21と接触している。これにより、負極8は、最外周部において外装缶2(負極端子)と電気的に接続されている。
一方、接続板27から延びる正極リボン26の先端は、封口体14の蓋板16に抵抗溶接され、電気的に接続されている。これにより、正極6と正極端子22とは電気的に接続されることになる。
このように電極群4を収容した外装缶2内には、引き続きアルカリ電解液が所定量注入される。その後、外装缶2は、封口体14により封口され、これにより本発明に係る電池1が得られる。
このようにして得られた本発明に係る電池1は、上記したように、正極6の突出端縁部32が電極群4の上端部から突出しており、この突出端縁部32と正極集電体28の接続板27とが抵抗溶接されている。ここで、この突出端縁部32の最外周範囲Vにおいては、その上端縁33が接続板27のスリット30におけるバリと交差する部分で点接触による溶接がなされている。この点接触の状態で溶接されている部分の代表的な箇所を図7において、参照符号Aで示す。一方、突出端縁部32の内周範囲Wにおいては、接続片50が設けられているので、この接続片50の上面と接続板27のスリット30におけるバリとが線接触した状態で溶接されている。この線接触の状態で溶接されている部分の代表的な箇所を図7において、参照符号Bで示す。なお、セパレータ10は薄いため、図7においても見づらくなるのでセパレータ10の図示を省略している。
従来は、突出端縁部32の上端縁33と接続板27のスリット30におけるバリとの点接触による溶接のみであった。しかしながら、本発明においては、内周範囲Wに接続片50を多数備えており、これら接続片50とスリット30のバリが線接触状態で溶接されているので、従来よりも接合範囲が広がっている。このため電池1の内部抵抗は従来の電池に比べて低くなるので、本発明の電池1は、高率放電特性が従来の電池よりも優れたものとなる。
なお、本発明は上記した一実施形態に限定されることはなく、種々の変形が可能であって、例えば、電池の種類は、ニッケル水素二次電池に限定されず、ニッケル−カドミウム二次電池、リチウムイオン二次電池等であってもよい。
1 ニッケル水素二次電池
2 外装缶
4 電極群
6 正極
8 負極
10 セパレータ
14 封口体
18 絶縁パッキン
22 正極端子
26 正極リボン
27 接続板
28 正極集電体
32 突出端縁部
50 接続片
V 最外周範囲
W 内周範囲
2 外装缶
4 電極群
6 正極
8 負極
10 セパレータ
14 封口体
18 絶縁パッキン
22 正極端子
26 正極リボン
27 接続板
28 正極集電体
32 突出端縁部
50 接続片
V 最外周範囲
W 内周範囲
Claims (4)
- 負極端子を含む有底円筒状の外装缶と、
正極端子が電気的に接続されており前記外装缶の上端開口を封止している封口体と、
正極及び負極がセパレータを介して重ね合わされ渦巻き状に巻回されてなり、前記外装缶内にアルカリ電解液とともに収容されている円柱状の電極群と、
前記封口体と前記電極群との間に配設され、前記正極端子と前記正極とを通電する正極集電体と、を備え、
前記正極集電体は、金属製の接続板を有し、
前記電極群は、前記接続板に対向する前記正極の端縁部が前記接続板側に突出した突出端縁部を有し、
前記突出端縁部は、その先端に前記電極群の径方向外側に向かって折り曲げられている折り曲げ片を含んでおり、前記折り曲げ片と前記接続板とが接合されている、アルカリ二次電池。 - 前記折り曲げ片は、巻回されている前記正極の1周当たり4個以上設けられている、請求項1に記載のアルカリ二次電池。
- 前記折り曲げ片は、前記突出端縁部のうち前記正極の最外周部を除いた部分に位置付けられている、請求項1又は2に記載のアルカリ二次電池。
- 前記折り曲げ片における前記電極群の径方向外側に向かって延びる長さをSとし、前記正極の厚さをt1、前記セパレータの厚さをt2、前記負極の厚さをt3とし、これらt1、t2及びt3を合計した厚さをTとしたとき、S<Tの関係を満たしている、請求項1〜3のいずれかに記載のアルカリ二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015026430A JP2016149300A (ja) | 2015-02-13 | 2015-02-13 | アルカリ二次電池 |
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JP (1) | JP2016149300A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018045994A (ja) * | 2016-09-08 | 2018-03-22 | Fdk株式会社 | 円筒形アルカリ二次電池 |
WO2023002798A1 (ja) * | 2021-07-19 | 2023-01-26 | 三洋電機株式会社 | 非水電解質二次電池及び非水電解質二次電池の製造方法 |
-
2015
- 2015-02-13 JP JP2015026430A patent/JP2016149300A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018045994A (ja) * | 2016-09-08 | 2018-03-22 | Fdk株式会社 | 円筒形アルカリ二次電池 |
WO2023002798A1 (ja) * | 2021-07-19 | 2023-01-26 | 三洋電機株式会社 | 非水電解質二次電池及び非水電解質二次電池の製造方法 |
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