JP2018055812A - 集電リード、この集電リードを含むアルカリ二次電池の製造方法及びこの製造方法により製造したアルカリ二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶接不良の発生を抑制し、高率放電特性の向上に貢献する集電リード、この集電リードを含むアルカリ二次電池及びこのアルカリ二次電池の製造方法を提供する。【解決手段】ニッケル水素二次電池1に組み込まれる集電リード34は、矩形状の頂壁部36と、頂壁部36の両側縁38、40から延びる一対の側壁部42、44と、側壁部42、44につながり、頂壁部36と相対する位置に位置付けられる脚部50、52と、を含み、頂壁部36は、外側に突出する湾曲形状をなしているとともに、複数の頂壁側突起部56を有しており、脚部50、52は、外側に突出する湾曲形状をなしているとともに、複数の脚部側突起部58を有しており、頂壁側突起部56は、頂壁部36における湾曲形状の頂点部分36aよりも突出しており、脚部側突起部58は、脚部50、52における湾曲形状の頂点部分53よりも突出している。【選択図】図4
Description
本発明は、集電リード、この集電リードを含むアルカリ二次電池の製造方法及びこの製造方法により製造したアルカリ二次電池に関する。
アルカリ二次電池においては、用途が拡大し、高率で充放電が行えるタイプの電池が開発されている。このような電池としては、例えば、以下に示すような円筒形アルカリ二次電池が知られている。
当該円筒形アルカリ二次電池は、電極群が有底円筒形状の外装缶にアルカリ電解液とともに収容され、外装缶の開口部が正極端子を含む封口体により密閉されることにより形成される。
上記した電極群は、セパレータを間に挟んだ状態で重ね合わされた正極及び負極が渦巻き状に巻回されて形成され、全体としてほぼ円柱形状をなしている。ここで、正極及び負極は、巻回作業に際し、互いに、電極群の軸線に沿う方向に僅かにずれた状態となるように配置されるとともに、これら正極及び負極の間には、所定サイズのセパレータが所定位置に配置される。そして、この状態で、正極、セパレータ及び負極は巻回される。その結果、電極群の一端面側から正極の端縁部が渦巻き状に突出し、電極群の他端面側から負極の端縁部が渦巻き状に突出する。
突出した正極端縁部には正極集電体が溶接され、突出した負極端縁部には負極集電体が溶接される。これにより、正極集電体は正極と広い範囲で電気的に接続され、負極集電体は負極と広い範囲で電気的に接続されるので、集電効率が高められる。その結果、当該電池においては高率充放電が可能となる。
この円筒形アルカリ二次電池の組み立ての手順としては、例えば、まず、外装缶内に電極群を挿入し、外装缶の底壁内面と負極集電体とが溶接される。これにより、負極端子を兼ねる外装缶と負極とが電気的に接続された状態となる。次いで、正極集電体の所定位置に、金属製の薄板からなる正極タブの一端が溶接される。更に、正極タブの他端が封口体の所定位置に溶接される。これにより、正極端子と正極とが電気的に接続された状態となる。その後、封口体が外装缶の上端開口部に絶縁ガスケットを介在させた状態で装着され、外装缶の上端開口部がかしめ加工されることにより、当該外装缶が密閉される。これにより円筒形アルカリ二次電池が形成される。
上記したような正極タブは、封口体への溶接をし易くするために、比較的長めのものが用いられる。また、封口体が外装缶の上端開口部に装着されたとき、正極タブは、外装缶内で封口体と電極群との間に屈曲するようにして収容される。このため、正極タブは、屈曲し易いように比較的薄いものが用いられる。
ところで、近年、アルカリ二次電池には、より高性能化が望まれており、特に、大電流を効率良く出力できるように高率放電特性をより向上させることが望まれている。
高率放電特性を向上させるためには、電池の内部抵抗をなるべく低くする必要がある。しかしながら、上記したような薄くて長い帯状の正極タブを用いた場合、この正極タブの比抵抗が高く、正極タブが電池の内部抵抗を高める原因となっている。
そこで、電池の内部抵抗をより低くし、高率放電特性に優れる電池を得るために、従来よりも通電経路を短縮する検討が種々試みられている。このような通電経路を短縮するための対策がとられた電池としては、例えば、特許文献1に示されるような電池が知られている。
特許文献1に代表される電池においては、正極タブに代えて集電リードが用いられる。この集電リードは、従来の正極タブに比べて厚さが厚い金属製の板材を、正極集電体と封口体との間を最短でつなぐような形状に加工することにより形成される。このような集電リードを正極集電体と封口体との間に介在させ、正極集電体、集電リード及び封口体を抵抗スポット溶接することで接続する。これにより、通電経路を短縮できるとともに通電経路を太くできるので、電池の内部抵抗は低減する。
ここで、集電リードについては、色々な形状のものがあり、例えば、図7に示すような、断面形状が扁平な筒状の集電リード100が挙げられる。この集電リード100は、封口体102と、正極集電体104との間に配設される。集電リード100は、封口体102側に位置付けられる平坦状の頂壁部106と、頂壁部106の所定の側縁108、110から延びる側壁部112、114と、側壁部112、114における頂壁部106とは反対側の端縁116、118から延び、正極集電体104側に位置付けられる平坦状の底壁部120とを有している。また、頂壁部106の外面の所定位置には、複数の頂壁側突起部124が設けられており、底壁部120の外面の所定位置には、複数の底壁側突起部126が設けられている。
ここで、集電リード100は、抵抗スポット溶接や封口体のかしめ加工の際、正極集電体やその下の電極群に過剰な応力がかからないようにするため、優先的に潰れるように予め設計されている。例えば、側縁108、110や端縁116、118の角を排除し、ラウンド形状としている。これにより、集電リード100の可撓性が向上し、集電リード100は、封口体102や正極集電体104よりも変形し易くなっている。
電池の製造過程において、正極集電体104が溶接された電極群が外装缶内に挿入され、この電極群の正極集電体104の上に、集電リード100が載置され、この集電リード100の上に封口体102が載置される。このとき、集電リード100は、頂壁部106の頂壁側突起部124が封口体102に接触し、底壁部120の底壁側突起部126が正極集電体104に接触する。そして、封口体102、集電リード100及び正極集電体104が抵抗スポット溶接される際、頂壁側突起部124及び底壁側突起部126に溶接電流が集中し、これら頂壁側突起部124及び底壁側突起部126を含む周囲が溶融し、溶接部が形成される。これにより、封口体102、集電リード100及び正極集電体104が接続される。その後、封口体102は、外装缶の開口縁をかしめ加工することにより、外装缶の開口に取り付けられる。
抵抗スポット溶接の際、あるいは、封口体のかしめ加工の際、電池の軸線方向に沿う方向に応力が加えられ、封口体102、集電リード100、正極集電体104及び電極群は圧迫される。このとき、上記したように、集電リード100が優先的に潰れて応力を緩和するように可撓性を高められているので、正極集電体が必要以上に電極群を圧迫せず、内部短絡の発生を抑制することができる。
ところで、抵抗スポット溶接の際の加圧工程、あるいは、封口体のかしめ加工の際に、集電リード100に過剰な圧縮応力が加わり、集電リード100の潰れの度合いが大きくなることがある。具体的には、図7(b)に示すように、集電リード100の側縁108、110や端縁116、118といったエッジ部の付近に矢印G及び矢印H方向に働く過剰な圧縮応力が加わると、集電リード100には、矢印I、J、M、Nに示すような方向に力が加わり、頂壁部106及び底壁部120の中央部が内側に弓なりに曲がるような変形が起こることが確認される。矢印I、J、M、Nに示すような方向の力は、溶接部に対し剪断応力として働くので、この変形にともない溶接部に亀裂が生じ、溶接が外れて溶接不良が発生するおそれがある。
このように溶接不良が起こると、通電経路が細くなり、電池の内部抵抗が増加する。その結果、電池の高率放電特性が阻害される。
本発明は、上記の事情に基づいてなされたものであり、その目的とするところは、溶接不良の発生を抑制し、高率放電特性の向上に貢献する集電リード、この集電リードを含むアルカリ二次電池及びこのアルカリ二次電池の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明によれば、矩形状の頂壁部と、前記頂壁部の両側縁から延びる一対の側壁部と、前記側壁部につながり、前記頂壁部と相対する位置に位置付けられる底壁部と、を含み、前記頂壁部は、外側に突出する湾曲形状をなしているとともに、複数の頂壁側突起部を有しており、前記底壁部は、外側に突出する湾曲形状をなしているとともに、複数の底壁側突起部を有しており、前記頂壁側突起部は、前記頂壁部における湾曲形状の頂点部分よりも突出しており、前記底壁側突起部は、前記底壁部における湾曲形状の頂点部分よりも突出している、集電リードが提供される。
また、本発明によれば、上記した集電リードを準備する集電リード準備工程と、正極及び負極がセパレータを介して重ね合わされ渦巻き状に巻回されてなる電極群を準備する電極群準備工程と、前記電極群を外装缶に収容し、前記電極群の正極集電体の上に前記集電リードを載置し、前記集電リードの上に正極端子を含む封口体を載置するセッティング工程と、前記正極集電体、前記集電リード及び前記封口体を抵抗スポット溶接する溶接工程と、前記封口体を前記外装缶にかしめ加工して取り付け、前記外装缶を封口する封口工程と、を備えており、前記溶接工程及び前記封口工程により、前記集電リードを圧縮し、前記頂壁部及び前記底壁部を平坦状にする、アルカリ二次電池の製造方法が提供される。
更に、本発明によれば、上記したアルカリ二次電池の製造方法により製造されたアルカリ二次電池であって、負極端子を含む有底円筒状の外装缶と、正極端子を含み、前記外装缶の上端開口を封止している封口体と、正極及び負極がセパレータを介して重ね合わされ渦巻き状に巻回されてなり、前記外装缶内にアルカリ電解液とともに収容されている円柱状の電極群と、前記電極群の一端面から突出した前記正極の端縁部に接続されている正極集電体と、前記正極集電体と前記封口体とを接続する集電リードと、を備え、前記集電リードは、平面視形状が矩形状の頂壁部と、前記頂壁部の両側縁から延びる一対の側壁部と、前記側壁部につながり、前記頂壁部と相対する位置に位置付けられる底壁部と、を含み、前記頂壁部は、平坦状をなし、複数の溶接部により前記封口体に接続されており、前記底壁部は、平坦状をなし、複数の溶接部により前記正極集電体に接続されている、アルカリ二次電池が提供される。
本発明によれば、溶接不良の発生を抑制し、高率放電特性の向上に貢献する集電リードを提供することができる。
以下、本発明に係る集電リードを含むアルカリ二次電池について、図面を参照して説明する。
本発明が適用される一実施形態のアルカリ二次電池として、図1に示すAAサイズの円筒形のニッケル水素二次電池(以下、電池という)1を例に説明する。
電池1は、上端が開口した有底円筒形状をなす外装缶2を備え、外装缶2は導電性を有し、その底壁は負極端子として機能する。外装缶2の中には、所定量のアルカリ電解液(図示せず)とともに電極群4が収容されている。
図1に示すように、外装缶2の開口3は封口体14によって閉塞されている。封口体14は、導電性を有する円板形状の蓋板16、この蓋板16の上に配設された弁体20及び正極端子22を含んでいる。蓋板16の外周部には、この蓋板16を囲むようにリング形状の絶縁ガスケット18が配置され、絶縁ガスケット18及び蓋板16は外装缶2の開口縁17をかしめ加工することにより外装缶2の開口縁17に固定されている。即ち、蓋板16及び絶縁ガスケット18は互いに協働して外装缶2の開口3を封止している。ここで、蓋板16は、中央に中央貫通孔19を有し、そして、蓋板16の外面上には、中央貫通孔19を閉塞するようにゴム製の弁体20が配置されている。更に、蓋板16の外面上には弁体20を覆うようにフランジ付きの円筒形状の正極端子22が電気的に接続されている。この正極端子20は弁体18を蓋板16に向けて押圧している。また、この正極端子22は、側面にガス抜き孔23を有している。
通常時、中央貫通孔19は弁体20によって気密に閉じられている。一方、外装缶2内にガスが発生し、その内圧が高まれば、弁体20は内圧によって圧縮され、中央貫通孔19が開かれる。その結果、外装缶2内から中央貫通孔19及び正極端子22のガス抜き孔23を介して外部にガスが放出される。つまり、中央貫通孔19、弁体20及び正極端子22のガス抜き孔23は電池1のための安全弁を形成している。
電極群4は、それぞれ帯状の正極6、負極8及びセパレータ10からなり、これらは正極6と負極8との間にセパレータ10が挟み込まれた状態で渦巻状に巻回されている。即ち、セパレータ10を介して正極6及び負極8が互いに重ね合わされている。このような電極群4は、全体としては円柱状をなしている。
この電極群4においては、一方の端面から正極6の端縁部が渦巻状に露出しており、他方の端面から負極8の端縁部が渦巻状に露出している。ここで、露出している正極6の端縁部を正極接続端縁部32とし、露出している負極8の端縁部を負極接続端縁部(図示せず)とする。これら露出している正極接続端縁部32及び負極接続端縁部には、後述する正極集電体28及び負極集電体(図示せず)がそれぞれ溶接される。
負極8は、帯状をなす導電性の負極芯体を有し、この負極芯体に負極合剤が保持されている。
負極芯体は、その厚さ方向に貫通する貫通孔(図示せず)が多数分布されている帯状の金属材からなる。このような負極芯体としては、例えば、パンチングメタルシートを用いることができる。
負極合剤は、負極芯体の貫通孔内に充填されるばかりでなく、負極芯体の両面上にも層状にして保持されている。
負極合剤は、水素吸蔵合金の粒子、導電材、結着剤等を含む。ここで、水素吸蔵合金は、負極活物質である水素を吸蔵及び放出可能な合金であり、ニッケル水素二次電池に一般的に用いられている水素吸蔵合金が好適に用いられる。上記した結着剤は水素吸蔵合金の粒子及び導電材を互いに結着させると同時に負極合剤を負極芯体に結着させる働きをなす。ここで、導電材及び結着剤としては、ニッケル水素二次電池に一般的に用いられているものが好適に用いられる。
負極8は、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、水素吸蔵合金粒子からなる水素吸蔵合金粉末、導電材、結着剤及び水を混練して負極合剤のペーストを調製する。得られた負極合剤のペーストは負極芯体に塗着され、乾燥させられる。乾燥後、水素吸蔵合金粒子等を含む負極合剤が付着した負極芯体はロール圧延及び裁断が施され、負極の中間製品が得られる。この負極の中間製品は、全体として長方形状をなしている。そして、この負極の中間製品における負極接続端縁部となるべき所定の端縁部については、負極合剤の除去が行われる。これにより、所定の端縁部は、負極芯体がむき出しの状態とされた負極接続端縁部となる。このようにして、負極接続端縁部を有する負極8が得られる。ここで、負極合剤の除去方法としては、特に限定はされないが、例えば、超音波振動を与えることにより除去することが好適に行われる。なお、負極接続端縁部以外の領域には、負極合剤が保持されたままの状態である。
次に、正極6について説明する。
正極6は、多孔質構造をなし多数の空孔を有する導電性の正極基材と、前記した空孔内及び正極基材の表面に保持された正極合剤とを含む。
正極基材としては、例えば、発泡ニッケル(ニッケルフォーム)を用いることができる。
正極合剤は、正極活物質粒子としての水酸化ニッケル粒子、導電材としてのコバルト化合物、結着剤等を含んでいる。上記した結着剤は、水酸化ニッケル粒子及び導電材を互いに結着させると同時に正極合剤を正極基材に結着させる働きをなす。ここで、結着剤としては、ニッケル水素二次電池に一般的に用いられているものが好適に用いられる。
正極6は、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、正極活物質粒子からなる正極活物質粉末、導電材、水及び結着剤を含む正極合剤スラリーを調製する。得られた正極合剤スラリーは、例えばニッケルフォームに充填され、乾燥させられる。乾燥後、水酸化ニッケル粒子等が充填されたニッケルフォームは、ロール圧延されてから所定形状に裁断され、正極の中間製品が得られる。この正極の中間製品は、全体として長方形状をなしている。そして、この正極の中間製品における正極接続端縁部32となるべき所定の端縁部については、正極合剤の除去が行われ、正極基材がむき出しの状態とされる。次いで、正極合剤が除去された端縁部は、正極の中間製品の厚さ方向に圧縮加工され正極接続端縁部32となる。このように圧縮加工されることにより、正極基材は、稠密な状態となるので、この正極接続端縁部32は溶接がし易い状態となる。このようにして、正極接続端縁部32を有する正極6が得られる。ここで、正極合剤の除去方法としては、特に限定はされないが、例えば、超音波振動を与えることにより除去することが好適に行われる。なお、正極接続端縁部32以外の領域には、正極合剤が充填されたままの状態である。
次に、セパレータ10としては、例えば、ポリアミド繊維製不織布に親水性官能基を付与したもの、あるいは、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン繊維製不織布に親水性官能基を付与したものを用いることができる。
以上のようにして製造された正極6及び負極8は、上記したセパレータ10を介在させた状態で、渦巻き状に巻回され、これにより電極群4が形成される。詳しくは、巻回の際、正極6及び負極8は、互いに、電極群4の軸線方向に沿う方向に僅かにずれた状態となるように配置されるとともに、これら正極6及び負極8の間には、所定サイズのセパレータ10が所定位置に配置され、この状態で巻回作業が行われる。その結果、円柱状の電極群4が得られる。得られた電極群4の態様としては、電極群4の一端側においては、正極6の正極接続端縁部32が、セパレータ10を介して隣り合っている負極8よりも突出した状態となっており、電極群4の他端側においては、負極8の負極接続端縁部が、セパレータ10を介して隣り合っている正極6よりも突出した状態となっている。
なお、電極群4は、上記した正極6、負極8及びセパレータ10が、所定の外径寸法を有する巻芯により巻回されて形成され、巻回作業後は、この巻芯が抜き取られるので、電極群4の中央には貫通孔9が形成されている。
以上のような電極群4においては、一端側に正極集電体28が接続され、他端側に負極集電体が接続される。
まず、負極集電体については、特に限定されるものではなく、例えば、従来から用いられている円板形状の金属板を用いることが好ましい。準備した負極集電体は、電極群4の他端側の負極接続端縁部に溶接される。
次に、正極集電体28について説明する。
正極集電体28は、導電性材料からなる板状体であり、平面視形状は特に限定されるものではなく、円板形状、多角形状等任意の形状のものを採用することができる。また、正極集電体28の大きさは、電極群4の外径寸法よりも小さく、且つ、電極群4の一端側から突出している正極6の正極接続端縁部32の全体をカバーできる大きさに設定される。
本実施形態においては、図2に示すように、平面視形状が十角形状の板材が用いられる。詳しくは、正極集電体28は、全体として十角形状のNiめっき鋼製の薄板であり、中央に円形の中央貫通孔29と、この中央貫通孔29を囲むように放射状に延びる6個のスリット30とを含んでいる。スリット30は、打ち抜き加工で形成し、スリット30のエッジの部分に下方(電極群4側)へ延びる突起(バリ)を生じさせることが好ましい。
電池1においては、図1に示すように、正極集電体28と封口体14との間に集電リード34が介在し、この集電リード34が、電極群4の正極6に接続されている正極集電体28と、正極端子22を有する封口体14とを電気的に接続する。
集電リード34は、例えば、図3に示すように、封口体14と接続される頂壁部36と、頂壁部36の所定の側縁38、40から延びる一対の側壁部42、44と、側壁部42、44における頂壁部36とは反対側の端縁46、48から延び、正極集電体28と接続される底壁部としての脚部50、52とを有している。
頂壁部36は、平面視形状がほぼ矩形状をなし、その中央に円形の貫通孔54が設けられている。この貫通孔54は、集電リード34が封口体14に接続された際に、蓋板16の中央貫通孔19と相対する位置に位置付けられる。この頂壁部36の断面形状は、図4に示すように、全体として外側に突出するような湾曲形状をなしている。この湾曲形状の頂点部分36aは、頂壁部36のほぼ中央に位置付けられている。
また、頂壁部36の外周面には、図3から明らかなように、貫通孔54の周囲に溶接点となる頂壁側突起部56が4個設けられている。そして、これら頂壁側突起部56は、湾曲形状の頂点部分36aよりも突出している。つまり、図4に示すように、右側の頂壁側突起部56の先端56aと、左側の頂壁側突起部56の先端56aと結んだ仮想線L1が、頂壁部36の頂点部分36aよりも外側に位置付けられている。
側壁部42、44は、上記したように、頂壁部36の両側縁38、40から延びており、側壁部42、44の端縁46、48には、脚部50、52がそれぞれ延びている。これら両側縁38、40及び端縁46、48は、図4に示すように、角が排除され、ラウンド形状となっている。このため、側壁部42、44は、全体的に断面形状が外側に膨らむ湾曲形状をなしている。
脚部50、52は、頂壁部36と対向する位置に位置付けられている。また、脚部50、52は、図3に示すように、側壁部42、44の長手方向に沿う方向に延びる延出部50a、50b、52a、52bを有している。これら延出部50a、50b、52a、52bが頂壁部36と対向する位置から外側に延びていることにより、集電リード34が正極集電体28に接続された際に集電リード34の安定性を高める働きをする。これら延出部50a、50b、52a、52bを含め脚部50、52の全体としての断面形状は、図4に示すように、外側に突出するような湾曲形状をなしている。ここで、脚部50の先端と、脚部52の先端とを延長してつないだ形状を仮想線51で示す。この仮想線51により仮想される、脚部50、52の湾曲形状の頂点部分53は、脚部50、52のほぼ中央に位置付けられている。
また、これら延出部50a、50b、52a、52bの外周面には、溶接点となる脚部側突起部58が設けられている(図4参照)。そして、これら脚部側突起部58は、湾曲形状の頂点部分53よりも突出している。つまり、図4に示すように、右側の脚部側突起部58の先端58aと、左側の脚部側突起部58の先端58aと結んだ仮想線L2が、脚部50、52の頂点部分53よりも外側に位置付けられている。
ここで、頂壁側突起部56及び脚部側突起部58は、例えば、プレス加工により形成される。なお、図3における参照符号60は、脚部50、52に脚部側突起部58を設ける際に突起部58の裏側に生じた凹部を示す。
また、頂壁側突起部56は、頂点部分36aに近い部分に形成することが好ましく、脚部側突起部58は、頂点部分53に近い部分に形成することが好ましい。このようにすることにより、頂壁側突起部56及び脚部側突起部58が、頂点部分36a及び頂点部分53よりもそれぞれ突出した状態を作りやすい。
この集電リード34は、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、金属製の薄板を加工することにより、図5に示すような、平面視形状がほぼH形の薄板からなる集電リードの中間製品62を準備する。なお、この薄板は、従来の正極タブに比べて十分厚い。この中間製品62において、両側部に位置付けられた長尺部分が、脚部50、52となる脚部予定領域70、72である。脚部予定領域70、72の内側に連なる領域は、側壁部42、44となる側壁部予定領域74、76である。そして、側壁部予定領域74と側壁部予定領域76との間に挟まれた領域が、頂壁部36となる頂壁部予定領域78である。
更にこの中間製品62には、打ち抜き加工により、頂壁予定領域78の中央に貫通孔54が穿設される。
次いで、貫通孔54の周囲の所定位置及び脚部予定領域70、72の両端部の所定位置に、プレス加工により、頂壁側突起部56及び脚部側突起部58を設ける。
その後、仮想線80、82、84、86の部分を折り曲げて、両側縁38、40及び端縁46、48となる部分をラウンド形状にするとともに、頂壁部予定領域78及び脚部予定領域70、72を湾曲形状となるように曲げ加工することにより、図3に示すような集電リード34を形成する。
なお、本実施形態では、脚部50と、脚部52との間に間隙を設け、底壁部を二つに分けているが、本発明は、この態様に限定されるものではなく、脚部50と、脚部52とを連結し、これら脚部50及び脚部52が一体化された一つの底壁部としても構わない。
次に、電池1の製造方法について説明する。
まず、上記のようにして製造した集電リード34を準備するとともに、上記したような電極群4を準備する。
そして、電極群4の他端側に負極集電体を接続した後、当該電極群4を外装缶の中に収容する。そして、外装缶の底壁に負極集電体を抵抗スポット溶接する。
次いで、外装缶2内にアルカリ電解液を所定量注入する。外装缶2内に注入されたアルカリ電解液は、電極群4に保持され、その大部分はセパレータ10に保持される。このアルカリ電解液は、正極6と負極8との間での充放電の際の電気化学反応(充放電反応)を進行させる。このアルカリ電解液としては、KOH、NaOH及びLiOHのうちの少なくとも一種を溶質として含むアルカリ電解液を用いることが好ましい。
次いで、電極群4の一端側に正極集電体28を載置し、更に、正極集電体28の上に集電リード34を載置する。この状態で、外装缶4の上端開口部に絶縁ガスケット18を介して封口体14を配置する。
ここで、集電リード34においては、頂壁側突起部56が、頂壁部36の湾曲形状の頂点部分36aよりも突出しており、脚部側突起部58が、脚部50、52の間に仮想される湾曲形状の頂点部分53よりも突出している。このため、変形前の集電リード34を概略的に示した図6(a)から明らかなように、頂壁側突起部56と封口体14とが接触し、脚部側突起部58と正極集電体28とが接触している。
その後、電池1の正極端子22と負極端子との間に加圧しながら電流を流し、抵抗スポット溶接を行う。これにより、正極6の正極接続端縁部32と正極集電体28とが溶接され、正極集電体28と集電リード34の脚部50、52とが溶接され、集電リード34の頂壁部36と封口体14の蓋板16とが溶接される。
その後、外装缶2の開口縁17をかしめ加工することにより、外装缶2の開口3を封止する。
ここで、上記したような正極集電体28においては、スリット30のエッジの部分の突起(バリ)が正極6の正極接続端縁部32に当接するように配置される。そして、抵抗スポット溶接が行われるとき、当該突起(バリ)の部分に溶接電流が集中し、突起(バリ)の部分の一部が溶融して溶接点となり、正極集電体28と正極6の正極接続端縁部32とが接続される。また、集電リード34の脚部50、52においては、脚部側突起部58が正極集電体28と接触している。そして、抵抗スポット溶接が行われるとき、脚部側突起部58の部分に溶接電流が集中し、脚部側突起部58の一部が溶融して集電リード34の脚部50、52と正極集電体28とが接続される。更に、集電リード34の頂壁部36においては、頂壁側突起部56が封口体14と接触している。そして、抵抗スポット溶接が行われるとき、頂壁側突起部56の部分に溶接電流が集中し、頂壁側突起部56の一部が溶融して集電リード34の頂壁部36と封口体14とが接続される。
ここで、頂壁側突起部56が湾曲形状の頂点部分36aよりも突出していないと、頂壁側突起部56が封口体14と接触せず、脚部側突起部58が湾曲形状の頂点部分53よりも突出していないと、脚部側突起部58が正極集電体28と接触せず、溶接電流の集中が起こり難くなり、良好な溶接部が得られない。よって、頂壁側突起部56を頂壁部36の頂点部分36aよりも突出させ、脚部側突起部58を脚部50と脚部52との間に仮想される頂点部分53よりも突出させた状態とすることが重要である。
以上のようにして、正極6と正極端子22とが、正極集電体28、集電リード34及び蓋板16を介して電気的に接続され、電池1が形成される。
上記したような抵抗スポット溶接の際及びかしめ加工の際、電池1には、その軸線に沿う方向に圧縮応力が加えられる。それにともない、電極群4、正極集電体28、集電リード34等の電池1を構成する部品にも圧縮応力が加えられる。ここで、集電リード34は、頂壁部36と脚部50、52とが近づく方向(図4の矢印A方向及ぶ矢印B方向)に圧縮応力を受けると、集電リード34は、頂壁部36と脚部50、52とが近づく方向に変形し潰れる。本発明に係る集電リード34は、図6(a)に示すように、頂壁部36及び脚部50、52の部分が予め湾曲形状をなしているので、潰される過程で、図6(b)に示すように、頂壁部36及び脚部50、52は変形し、平坦化する。つまり、頂壁部36及び脚部50、52の中央の部分が従来のように弓なりに曲がるような変形の発生は抑制される。その結果、溶接部への剪断応力は小さくさり、溶接外れが起こり難くなり、溶接不良の発生を抑制することができる。このため、本発明によれば、通電経路を太く維持できるので、電池の内部抵抗を低くでき、電池の高率放電特性の向上を図ることができる。また、集電リードの部分での亀裂の発生が抑えられるので、電池毎に抵抗値がばらつくことは抑制される。その結果、得られる電池の品質の安定性が向上する。
本発明の集電リード34は、潰される前は、図6(a)に示すように、頂壁部36及び脚部50、52が湾曲した状態である。そして、潰された後の本発明の集電リード34は、図6(b)に示すように、頂壁部36及び脚部50、52は平坦化し、頂壁部36における脚部50、52に面する内面と、脚部50、52における頂壁部36に面する内面とが互いにほぼ平行に延びている状態となる。つまり、完成した電池内における本発明の集電リード34は、中央部が弓なりに曲がるように変形しているのではなく、図6(b)に示すように、頂壁部36及び脚部50、52は平坦化していることを特徴としている。
ここで、近年、各種機器の小型化が進んでおり、小型の機器についても高率での放電が要求されている。このような状況にともない、小型の機器に使用される、AA形(R6形、単3形に相当)やAAA形(R03形、単4形に相当)といった小形の電池についてもより高率での放電が要求されている。
しかしながら、これら小形の電池においては、D形(R20形、単1形に相当)やC形(R14形、単2形に相当)の大型の電池の場合に比べ、集電リードを小形化しなければならない。集電リードの小形化にともない、集電リードの可撓性が低下することから、電池の軸線方向に圧縮応力が加えられる際に、集電リードが十分に変形せず、集電体にダイレクトに応力が伝わる。そうすると、正極集電体が変形し、電極群を圧迫して短絡がより発生し易くなっている。また、小形の電池では、電極群の巻回数が少ないため、電極群自体の軸線方向の強度も低くなっている。このため、優れた高率放電特性を得るために単純に小形化した集電リードを用いた小形の電池では、大形の電池に比べ、正極集電体の変形にともなう短絡が発生し易くなっている。
このような状況に対し、集電リードの材料の厚さの検討や側壁のエッジ部の角を排除する対応をとることにより、集電リードの可撓性を向上させることが可能であることを確認した。しかしながら、このような対応では、集電リードの潰し量が大きくなった際に、集電リードのエッジ部が正極集電板や封口板に接触した状態で、封口体の降下で上下方向に負荷荷重がかかるため、中央部が弓なりに曲がるような変形が発生してしまい、その結果、溶接部への剪断応力が大きくなるため、溶接外れの不良が高い確率で発生する問題が発生していた。
本発明は、集電リードの形状を、正極集電体に相対する部分及び封口体に相対する部分が外側へ突出する湾曲形状としているので、集電リードに圧縮応力がかかっても、中央部が弓なりに変形することを抑えることができる。よって、高率放電特性に優れる小形の電池、具体的には、直径18mm以下の電池の溶接不良の発生を抑えることに特に有効である。
また、上記した電池1の製造方法の手順において、電極郡4を外装缶2に収容してから電極郡4と正極集電体28とを溶接したが、この態様に限定されるものではなく、あらかじめ電極郡4に正極集電体28を溶接しておいても構わない。
[実施例]
(1)電池の製造
(1)電池の製造
実施例1
一般的なニッケル水素二次電池に用いられる正極6、負極8及びセパレータ10を準備した。これら正極6、負極8及びセパレータ10はそれぞれ帯状をなしている。準備した正極6及び負極8の間にセパレータ10を介在させた状態で、渦巻き状に巻回し、AAサイズ用の電極群4を形成した。巻回の際、正極6及び負極8を、互いに、電極群4の軸線方向に沿う方向に僅かにずれた状態となるように配置するとともに、これら正極6及び負極8の間の所定位置にセパレータ10を配置し、この状態で巻回作業を行い、円柱状の電極群4を得た。得られた電極群4は、電極群4の一端側において正極6の正極接続端縁部32が、セパレータ10を介して隣り合っている負極8よりも突出した状態となっており、電極群4の他端側において負極8の負極接続端縁部が、セパレータ10を介して隣り合っている正極6よりも突出した状態となっている。
次に、円板形状をなし、Niめっき鋼の薄板からなるAAサイズ用の負極集電体を準備した。この負極集電体は、電極群4の負極接続端縁部に溶接した。
次に、図2に示すような、全体として十角形状をなし、中央に円形の中央貫通孔29と、この中央貫通孔29を囲むように放射状に延びる6個のスリット30とを含んでいるAAサイズ用の正極集電体28を準備した。この正極集電体28は、鋼の薄板にNiめっきが施されたNiめっき鋼板からなる。この正極集電体28の厚さは0.30mmである。
次に、鋼の薄板にNiめっきが施されたNiめっき鋼板を準備した。このNiめっき鋼板の厚さは0.25mmである。そして、このNiめっき鋼板を打ち抜き加工することにより、図5に示すような、ほぼH形の集電リードの中間製品62を製造した。この中間製品62の中央に貫通孔54を穿設するとともに、所定位置に、プレス加工により頂壁側突起部56及び脚部側突起部58を形成した。そして、仮想線80、82、84、86の部分を折り曲げることにより、図3に示すような集電リード34を形成した。ここで、頂壁部予定領域78及び脚部予定領域70、72は、それぞれ外側に向かって0.4mm突出するような湾曲形状に曲げ加工を施し、頂壁部36及び脚部50、52を湾曲形状とした。
次に、負極集電体が溶接された電極群4を有底円筒形状の外装缶4の中に収容した。そして、外装缶4の底壁の内面と負極集電体とを溶接した。
次に、電極群4の上に正極集電体28を載置し、更に、正極集電体28の上に集電リード34を載置した。この状態で、外装缶4の上端開口部に絶縁ガスケット18を介して封口体14を配置し、電池の中間製品を製造した。そして、この電池の中間製品を抵抗スポット溶接機にセットし、電池の軸線方向に圧縮応力を加え、抵抗スポット溶接を行った。その後、外装缶2の開口縁17をかしめ加工して外装缶2の開口3を封止し電池1を製造した。なお、かしめ加工の際にも電池の軸線方向に圧縮応力が加えられる。
ここで、集電リード34の配設空間の高さ寸法は、設計値が1.5mmであり、公差を±0.4mmに設定した。また、集電リードの全高は1.9mmとした。そして、抵抗スポット溶接及びかしめ加工により、集電リードの全高が1.1mmになるまで加圧した。
比較例1
集電リードを形成する際に、頂壁部予定領域及び脚部予定領域を湾曲形状に加工せず、頂壁部及び脚部が平坦状である集電リードとしたこと以外は、実施例1と同様にして電池を製造した。
(2)電池の評価
実施例1及び比較例1の電池について、縦断面が観察できるように切断し、断面観察用の試料を作製した。
実施例1及び比較例1の電池について、縦断面が観察できるように切断し、断面観察用の試料を作製した。
得られた試料について、集電リードの形状の観察を行った。
頂壁部及び脚部の形状が平坦状である場合、良と判定した。この良の判定の電池については、表1の形状判定の欄に○印を記載した。
一方、頂壁部及び脚部の形状が弓なりに曲がっている場合、不良と判定した。この不良の判定の電池については、表1の形状判定の欄に×印を記載した。
また、得られた試料について、溶接部の亀裂等の有無を確認した。
溶接部に亀裂が存在していない場合は、溶接部は良好であると判断し、良の判定をした。この良の判定の電池については、表1の溶接部判定の欄に○印を記載した。
一方、溶接部に亀裂が存在していた場合は、溶接部は不良であると判断し、不良の判定をした。この不良の判定の電池については、表1の溶接部判定の欄に×印を記載した。
(3)考察
(i)比較例1の集電リードは、電池に組み込まれた後、つまり、加圧された後、頂壁部及び脚部が弓なりに曲がっており、形状判定は不良となっている。また、溶接部には亀裂が生じており、溶接部判定も不良となっている。比較例1のように、電池に組み込む前の集電リードの頂壁部及び脚部の形状が平坦である場合、抵抗スポット溶接やかしめ加工の際に圧縮応力を受けると、これら頂壁部及び脚部が弓なりに曲がってしまい易い。その結果、溶接部には大きな剪断応力が働き、溶接部に亀裂が発生してしまう。このように、溶接部に亀裂が生じると、電池の内部抵抗が増え、高率放電特性が低下するとともに、電池の品質の安定性が阻害されてしまう。
(i)比較例1の集電リードは、電池に組み込まれた後、つまり、加圧された後、頂壁部及び脚部が弓なりに曲がっており、形状判定は不良となっている。また、溶接部には亀裂が生じており、溶接部判定も不良となっている。比較例1のように、電池に組み込む前の集電リードの頂壁部及び脚部の形状が平坦である場合、抵抗スポット溶接やかしめ加工の際に圧縮応力を受けると、これら頂壁部及び脚部が弓なりに曲がってしまい易い。その結果、溶接部には大きな剪断応力が働き、溶接部に亀裂が発生してしまう。このように、溶接部に亀裂が生じると、電池の内部抵抗が増え、高率放電特性が低下するとともに、電池の品質の安定性が阻害されてしまう。
(ii)実施例1の集電リードは、電池に組み込まれた後、つまり、加圧された後、頂壁部及び脚部が平坦形状となっており、形状判定は良となっている。また、溶接部に亀裂は生じておらず、溶接部判定も良となっている。実施例1のように、電池に組み込む前の集電リードの頂壁部及び脚部の形状が外側に突出する湾曲形状である場合、抵抗スポット溶接やかしめ加工の際に圧縮応力を受けると、これら頂壁部及び脚部は平坦状となる。このため、溶接部には、引きはがし方向や剪断方向に応力が生じ難い。その結果、溶接部に亀裂は生じず、電池の内部抵抗が増加することは抑えられ、電池の高率放電特性の向上が図れる。また、電池の品質も安定する。
(iii)以上より、本発明のように、集電リードを予め湾曲させておくことは、溶接不良の発生を抑制し、電池の高率放電特性の向上に有効であるといえる。
なお、本発明は上記した一実施形態及び実施例に限定されることはなく、種々の変形が可能であって、例えば、電池の種類は、ニッケル水素二次電池に限定されず、ニッケル−カドミウム二次電池、リチウムイオン二次電池等であってもよい。
1 ニッケル水素二次電池
2 外装缶
4 電極群
6 正極
8 負極
10 セパレータ
14 封口体
18 絶縁ガスケット
22 正極端子
28 正極集電体
32 正極接続端縁部
34 集電リード
2 外装缶
4 電極群
6 正極
8 負極
10 セパレータ
14 封口体
18 絶縁ガスケット
22 正極端子
28 正極集電体
32 正極接続端縁部
34 集電リード
Claims (3)
- 矩形状の頂壁部と、前記頂壁部の両側縁から延びる一対の側壁部と、前記側壁部につながり、前記頂壁部と相対する位置に位置付けられる底壁部と、を含み、
前記頂壁部は、外側に突出する湾曲形状をなしているとともに、複数の頂壁側突起部を有しており、
前記底壁部は、外側に突出する湾曲形状をなしているとともに、複数の底壁側突起部を有しており、
前記頂壁側突起部は、前記頂壁部における湾曲形状の頂点部分よりも突出しており、
前記底壁側突起部は、前記底壁部における湾曲形状の頂点部分よりも突出している、
集電リード。 - 請求項1に記載の集電リードを準備する集電リード準備工程と、
正極及び負極がセパレータを介して重ね合わされ渦巻き状に巻回されてなる電極群を準備する電極群準備工程と、
前記電極群を外装缶に収容し、前記電極群の正極集電体の上に前記集電リードを載置し、前記集電リードの上に正極端子を含む封口体を載置するセッティング工程と、
前記正極集電体、前記集電リード及び前記封口体を抵抗スポット溶接する溶接工程と、
前記封口体を前記外装缶にかしめ加工して取り付け、前記外装缶を封口する封口工程と、
を備えており、
前記溶接工程及び前記封口工程により、前記集電リードを圧縮し、前記頂壁部及び前記底壁部を平坦状にする、アルカリ二次電池の製造方法。 - 請求項2に記載のアルカリ二次電池の製造方法により製造されたアルカリ二次電池であって、
負極端子を含む有底円筒状の外装缶と、
正極端子を含み、前記外装缶の上端開口を封止している封口体と、
正極及び負極がセパレータを介して重ね合わされ渦巻き状に巻回されてなり、前記外装缶内にアルカリ電解液とともに収容されている円柱状の電極群と、
前記電極群の一端面から突出した前記正極の端縁部に接続されている正極集電体と、
前記正極集電体と前記封口体とを接続する集電リードと、を備え、
前記集電リードは、平面視形状が矩形状の頂壁部と、前記頂壁部の両側縁から延びる一対の側壁部と、前記側壁部につながり、前記頂壁部と相対する位置に位置付けられる底壁部と、を含み、
前記頂壁部は、平坦状をなし、複数の溶接部により前記封口体に接続されており、
前記底壁部は、平坦状をなし、複数の溶接部により前記正極集電体に接続されている、
アルカリ二次電池。
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2016
- 2016-09-26 JP JP2016187371A patent/JP2018055812A/ja active Pending
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