JP2016127207A - 実装基板およびその製造方法、ならびにプリント配線板および電子部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】はんだ溶融時に発生するガスを排出するための孔部からのはんだの漏出を抑制するとともに、当該孔部からガスを確実に排出可能な実装基板およびその製造方法、ならびにその実装基板を構成するプリント配線板および電子部品を供給する。【解決手段】はんだ26が供給され、孔部28が形成されたパッド電極25上に電子部品10が載置され、はんだ26が加熱溶融されることによりプリント配線板20上に電子部品10が実装される。はんだ26を供給する際、孔部28と平面的に重なる領域以外の領域に、互いに間隔をあけた複数のはんだ26が、孔部28と互いに間隔をあけながら孔部28を囲うように供給される。電子部品10を載置する際、複数のはんだ26が互いに接触しないようにパッド電極25上にて押し広げられる。はんだ26を供給する際、電子部品10を実装する際におけるはんだ26の溶融時に複数のはんだ26が融合して一体となるように、パッド電極25上に供給されるはんだ26の量が調整される。【選択図】図13
Description
本発明は、実装基板およびその製造方法、ならびにプリント配線板および電子部品に関し、特に、はんだを用いた実装基板およびその製造方法、ならびにその実装基板を構成するプリント配線板および電子部品に関するものである。
はんだを用いてプリント配線板と電子部品とが接合された実装基板は、以下のような方法で接合される。たとえば特開2012−49205号公報(特許文献1)においては、はんだによるボイドを抑制する観点から、プリント配線板に形成されたスルーホールの真上を含むようにクリームはんだが供給されてリフローはんだ付けされる。はんだ溶融時に発生するガスは、スルーホールからプリント配線板の裏側へ排出される。
またたとえば特開2012−222110号公報(特許文献2)においては、はんだによるボイドの残留を抑制する観点から、電子部品が実装されるプリント配線板のパッド電極に、プリント配線板のパッド電極および基材を貫通するボイド排出孔が形成されている。
その他、たとえば特開2013−145824号公報(特許文献3)においては、電子部品を傾きなく配線板に実装することにより電子部品と配線板との接続不良を抑制する観点から、配線板の実装領域がスリットにより複数の領域に分割されている。これにより実装領域の分割された各領域に塗布されたクリームはんだがスリットを超えて他の領域に広がることが抑制され、実装される電子部品の接続不良が抑制される。
たとえば特開2012−49205号公報においては、スルーホールの真上を含むようにクリームはんだが供給されるため、リフローはんだ付け時の加熱により溶融した余剰はんだがスルーホール内を貫通し、プリント配線板の裏面から漏出してそこに固着される。このためプリント配線板の裏面を汚損するとともに、冷却されてはんだが凝固するとプリント配線板の裏面に突起が形成されるためにプリント配線板裏面を他の部品に接着するように実装する際に支障が生じる可能性がある。
上記の不具合は、スルーホールの真上を含むようにクリームはんだが供給されるために生じるものと推察される。特開2012−222110号公報においてもパッド電極のボイド排出孔の真上を含むようにソルダーペーストが供給されるため、上記と同様の不具合が起こる可能性がある。また上記のいずれにおいても、はんだが孔内を塞ぐために、はんだ溶融時に発生するガスの排出が困難になる可能性がある。
さらに特開2013−145824号公報(特許文献3)においては、スリットの両端部に絶縁パターンが配置されるため、はんだ溶融時に発生するガスをスリットからその外部に排出させることが困難である。このためはんだ内にガスがボイドとして残留し、その接着強度を低下させる可能性がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、はんだ溶融時に発生するガスを排出するための孔部からのはんだの漏出を抑制するとともに、当該孔部からガスを確実に排出可能な実装基板およびその製造方法、ならびにその実装基板を構成するプリント配線板および電子部品を供給することである。
本発明の実装基板の製造方法は、以下の工程を備えている。まずプリント配線板のパッド電極上にはんだが供給される。はんだが供給されたパッド電極上に電子部品の底面電極が重畳するように電子部品が載置される。加熱によりはんだを溶融してパッド電極と底面電極とを接合することによりプリント配線板上に電子部品が実装される。パッド電極と底面電極との少なくともいずれかに外部に通じる孔部が形成される。はんだを供給する際、孔部と平面的に重なる領域以外の領域に、互いに間隔をあけた複数のはんだが、孔部と互いに間隔をあけながら孔部を囲うように供給される。電子部品を載置する際、複数のはんだが互いに接触しないようにパッド電極上にて押し広げられる。はんだを供給する際、電子部品を実装する際におけるはんだの溶融時に複数のはんだが融合して一体となるように、パッド電極上に供給されるはんだの量が調整される。
本発明のプリント配線板は、配線基板と、パッド電極とを備えている。配線基板は樹脂材料により形成される。パッド電極は配線基板の表面上に配置される。パッド電極を貫通し、かつパッド電極の表面に沿う方向にパッド電極の縁部にまで延びるスリットが形成されている。
本発明の電子部品は、基板と、底面電極とを備えている。基板は樹脂材料により形成される。底面電極は基板の表面上に配置される。底面電極を貫通し、かつ底面電極の表面に沿う方向に底面電極の縁部にまで延びるスリットが形成されている。
本発明の実装基板は、プリント配線板と、電子部品とを備えている。電子部品は、プリント配線板上に重畳するようにはんだにより実装されている。プリント配線板のパッド電極と、電子部品のパッド電極と接合される底面電極との少なくともいずれかに、外部に通じるスリットが形成されている。スリットによる空隙は、孔部の真上にまで続いている。
本発明によれば、孔部と重ならないように、かつ孔部を囲うように、複数のはんだが互いに間隔をあけながら供給されるため、はんだの溶融時にはんだが孔部に進入してそこから漏出しない程度に少ない量が供給される。またはんだの溶融時にこれが融合して一体になるため、パッド電極と底面電極とがその全体において接着される程度に多い量のはんだが供給される。したがって、はんだ溶融時におけるはんだの孔部からの漏出を抑制し、かつ発生するガスを孔部に凝集させてそこから確実に排出可能とすることができる。
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
まず本実施の形態の実装基板の構成について、図1〜図4を用いて説明する。なお、ここではQFN(Quad Flat Non-lead package)を例として説明するが、放熱の観点からプリント配線板に対向する(下向きの)底面上に底面電極が配置される電子部品の形態はこれに限らない。
(実施の形態1)
まず本実施の形態の実装基板の構成について、図1〜図4を用いて説明する。なお、ここではQFN(Quad Flat Non-lead package)を例として説明するが、放熱の観点からプリント配線板に対向する(下向きの)底面上に底面電極が配置される電子部品の形態はこれに限らない。
図1および図2を参照して、本実施の形態の実装基板100は、電子部品10と、プリント配線板20とを有している。電子部品10は、プリント配線板20上に重畳するように実装されている。
電子部品10は、電子部品基板11(基板)と、電子部品端子12と、底面電極15とを有している。電子部品基板11は、樹脂材料により形成されており、たとえば平面視において矩形状(正方形状)の平板形状を有する、電子部品10全体の土台をなす部材である。ここでは電子部品10の平面視における縁部(端部)をなす側面(端面)、すなわち電子部品基板11の端面を電子部品端面17としている。
電子部品端子12は、電子部品10(に搭載された半導体素子など)と、電子部品10の外部とを電気的に接続するための信号端子に相当する。電子部品端子12は、電子部品10の下側の表面上、すなわちプリント配線板20と対向する面上に配置されているが、これに限られない。また電子部品端子12は図1および図2においては電子部品端面17の近くに配置されているが、これに限らずたとえば平面視における電子部品10の中央部などに電子部品端子12が形成されてもよい。
底面電極15は、電子部品基板11の、プリント配線板20と対向する下側の表面上に配置されている。底面電極15は、電子部品10とプリント配線板20とを電気的に接続するとともに、電子部品10(に搭載された半導体素子など)から発生した熱をプリント配線板20に放熱する機能を有している。
プリント配線板20は、配線基板21と、配線板端子22(端子)と、パッド電極25とを主に有している。配線基板21は、樹脂材料により形成されており、たとえば平面視において矩形状(正方形状)の平板形状を有する、プリント配線板20全体の土台をなす部材である。基本的にプリント配線板20の配線基板21は、電子部品10の電子部品基板11よりも平面視におけるサイズが大きい。これにより電子部品10はプリント配線板20の一部の領域に重畳するように実装されている。またこのため図1などにおいては配線基板21の一部(電子部品10が実装される部分およびその近く)のみ示されている。
配線板端子22は、プリント配線板20に形成された、パッド電極25以外の、プリント配線板20の外部との電気的接続が可能な端子に相当する。配線板端子22は、プリント配線板20の上側の表面上に配置され、実装時に電子部品10の電子部品端子12と少なくとも部分的に重なる位置に配置されているが、これに限られない。ここでは特に、配線板端子22は、はんだ23により電子部品端子12と電気的に接続され、かつ実装基板100の外部との電気的接続も可能な構成となっている。
パッド電極25は、配線基板21のたとえば上側の表面上に配置された電極部材である。パッド電極25は、はんだ26により電子部品10の底面電極15と電気的に接続され、電子部品10(に搭載された半導体素子など)から発生する熱を高効率に放散するために(底面電極15と同様に)、電子部品端子12および配線板端子22に比べて平面視におけるサイズが大きくなっている。またパッド電極25、およびその真下に接する配線基板21には、これらを貫通するようにたとえば図2の上下方向に延びる、孔部としてのスルーホール28が形成されている。
スルーホール28は、はんだ26の溶融時に発生するガスをプリント配線板20の外部に排出するために形成された中空の孔部である。スルーホール28は、孔部の内側の壁面に相当するスルーホール側壁28a上が、たとえば金属めっき膜28bにより覆われた構成を有している。スルーホール28はパッド電極25および配線基板21の図2の上下方向に関する全体を貫通し、かつ配線基板21の真下に接する配線29aをも貫通することにより、図2の配線29aの下側からガスを外部に排出可能である。
なおプリント配線板20の配線基板21には、多数の回路および配線が形成されている。このためたとえば図2に示すように、配線基板21はたとえば図2の左右方向に延びる(配線基板21の主表面に沿った方向に延びる)配線29として配線29a,29b,29cを含む構成であってもよい。配線29a,29b,29cは、たとえば銅の薄膜により形成されている。この場合、配線基板21は、(図2の上下方向に関する)配線29a,29b,29cそれぞれの間に挟まるように、互いに積層された配線基板層21a,21b,21cを有する多層構造となる。
図2の構成においては、スルーホール28は、配線基板21の最上面に配置されるパッド電極25と、配線基板21の最下面に配置される配線29aとの双方に接続されるように形成されている。したがってスルーホール28は、金属めっき膜28bにより、配線基板21と配線29aとを電気的に接続する。また図2のスルーホール28は、金属めっき膜28bにより、配線29a,29b,29cとも電気的に接続されていてもよい。
さらにスルーホール28は、電子部品10およびはんだ26などの熱を、図2中の矢印に示すようにプリント配線板20内に放散する機能を有している。つまり電子部品10から発生する熱は、底面電極15から、接合するはんだ26を介してプリント配線板20のパッド電極25へと伝わり、スルーホール28を経由して配線29a,29b,29cおよび配線基板21へと伝わる。これにより当該熱は電子部品10の外側に放散される。
図2の配線基板21は配線基板層21a,21b,21cの多層構造を有しているが、図3を参照して、配線基板21は多層構造を有さない単層構造であってもよい。
図1および図2において互いに接合される電子部品10およびプリント配線板20は、接合される直前において図4の分解斜視図に示すような態様となっている。すなわち図4を参照して、プリント配線板20の配線板端子22の表面上にペースト状(クリーム形状)のはんだ23が、パッド電極25の表面上にペースト状(クリーム形状)のはんだ26が、それぞれ一定量供給される。この状態で配線板端子22の上に電子部品10の電子部品端子12が、パッド電極25の上に電子部品10の底面電極15が重畳するように載置され、リフロー方式によるはんだ付けがなされることで、電子部品10とプリント配線板20とが互いに接合される。
図4においてはパッド電極25上のはんだ26は、複数箇所(ここでは4か所)に、互いに間隔をあけてスルーホール28を囲うように(かつスルーホール28と間隔をあけるように)供給されている。しかし図1および図2を参照して、電子部品10が載置され、かつ加熱によりはんだ26が溶融して広がることにより、はんだ26はパッド電極25の表面上のほぼ全体を覆うように広がっている。すなわち図4に示すように接合前はパッド電極25の表面上の狭い範囲のみに互いに間隔をあけて供給された複数のはんだ26aは、溶融により融合して一体となるように広がり、実装基板100においてははんだ26dのような態様となっている。次にこのことについてより詳述するために、図5〜図13を用いて(必要に応じて既出の他の図も参照しながら)、本実施の形態の実装基板100の製造方法について説明する。
図5、および再度図4を参照して、まず電子部品10およびプリント配線板20が準備される。電子部品10としてはたとえば正方形の平板形状を有し、そのプリント配線板20に対向する下側の面(底面)の電子部品端面17の近くには、複数の電子部品端子12が互いに間隔をあけて形成される。図5(図4)では一例として、平面視における正方形の各辺に沿って9つ(または5つ)ずつの電子部品端子12が形成されるが、電子部品端子12の形成される数および位置はこれに限られない。また電子部品10の底面の中央には単一の大きな正方形状の底面電極15が形成されるが、これについても形状、位置および数はこれに限られない。
またプリント配線板20の電子部品10に対向する上側の面には、電子部品端子12と対向する(重なる)位置を含むようにこれと同数の配線板端子22が、また底面電極15と対向する位置に(たとえばこれと同形状すなわち正方形状の)パッド電極25が、それぞれ形成される。なお図5に示すように、配線板端子22はたとえば電子部品端子12と重なる領域を含み、その外側の(電子部品10と重ならない)領域をも含むように(電子部品端子12よりも大きく)形成されていてもよい。
上記のように、本実施の形態においては、はんだの溶融によるガスの排出、および熱の放散のために外部に通じる孔部として、プリント配線板20に、パッド電極25およびその真下の配線基板21を図4および図5の上下方向(厚み方向)に貫通するスルーホール28が形成される。スルーホール28は一般公知のエッチング処理、またはプレスによる抜き加工などにより形成される。またスルーホール側壁28a上にはたとえばめっき処理により、金属めっき膜28bが形成される。
なお図6を参照して、プリント配線板20は、上記図2のように、配線基板21が配線基板層21a,21b,21cの多層構造を有していてもよく、また多層構造の積層される層数は図6の3層に限らず任意である。あるいは図7を参照して、プリント配線板20は、図3のように、配線基板21は多層構造を有さない単層構造であってもよい。
次に、電子部品10とプリント配線板20との接続に用いられるはんだ23,26が供給される。ここではプリント配線板20の(パッド電極25とは異なる)配線板端子22上にはんだ23が、そしてパッド電極25上にはんだ26が、それぞれ供給される。
ここで、パッド電極25上にははんだ26が、スルーホール28と平面的に重なる領域以外の領域に、互いに間隔をあけて複数(ここではたとえば4か所)、供給される。はんだ26はスルーホール28と互いに間隔をあけながら、平面視においてスルーホール28を囲うように形成される。ここで平面視におけるスルーホール28から、供給されるそれぞれ(4つ)のはんだ26までの距離はほぼ等しいことが好ましい。なお供給されるはんだ23は矩形の平面形状、はんだ26およびスルーホール28は円形の平面形状として図示されているが、このような態様に限られない。図5におけるはんだ26は、押し広げられたり加熱されたりする前の初期状態の大きさを有するはんだ26aとして示されている。
はんだ23とはんだ26とは同一種類のはんだである。具体的には、供給されるはんだ23,26は、球形と近似した場合の直径が約30μmであるはんだの粒子がフラックスと混錬されたペースト状のクリームはんだである。このクリームはんだが、所望の箇所に転写(供給)するためのメタルマスク、スクリーンマスク、またはディスペンサを用いて所望の量だけ、配線板端子22上およびパッド電極25上に(印刷されるように)供給される。
供給されるべきはんだ23,26の所望の量について、図2を参照して、後述する電子部品10が実装され(実装基板100として完成した際に)はんだ23,26が硬化した後のパッド電極25上におけるはんだ26の厚みT2が、配線板端子22上におけるはんだ23の厚みT1と等しくなるように調整される。
ここで厚みT1,T2は、図2における加熱硬化後のはんだ23,26の層の厚みの平均値を意味する。また厚みT1と厚みT2とが等しいとは、ここでは具体的には厚みT1と厚みT2との厚みの許容される差(許容される誤差)が(およそ)10μm以下であることを意味する。なお厚みT1およびT2は、たとえば数十μm程度(10μm以上50μm以下)となるように供給されることが好ましい。
はんだ23,26が溶融して硬化(凝固)した後の形状を想定してその体積を求め、その体積から求めた厚みが設定したはんだの厚みと同じになるように、パッド電極25上および配線板端子22上に供給するはんだ量が調整される。これにより、加熱硬化後の厚みT1と厚みT2とを等しくするための調整がされる。
図5および図8を参照して、はんだ23,26が供給された後、パッド電極25の真上に電子部品10の底面電極15が重畳するように、電子部品10がプリント配線板20上に載置される。その結果、配線板端子22の真上に電子部品端子12の少なくとも一部が重畳するように配置される。
たとえば図5において点線で示す電子部品端面17が配線板端子22の延在方向に関する中央部に位置するように電子部品10が位置決めされる。そして電子部品端子12と配線板端子22との間にはんだ23が挟まり、かつ底面電極15とパッド電極25との間にはんだ26が挟まるように、電子部品10が載置される。
図9を参照して、このとき、電子部品10は位置ずれしないようにはんだ23,26に押し当てられるため、供給されたはんだ23,26は押圧によって押し広げられる。このため、電子部品10の載置前には点線で示すはんだ26aの範囲内に広がっていたはんだ26は、パッド電極25上においてはんだ26bのように広げられる。なお図示されないがはんだ23についてもはんだ26と同様に、押圧によって広げられる。
図9における複数(4つ)のはんだ26bは、押し広げられた後においても互いに接触することなく、隣り合う1対のはんだ26bの間に隙間GPが確保される。このような条件を満たすように、はんだ26の供給される量と位置とが制御される。
図8および図10を参照して、電子部品10が位置決め載置された後に、はんだ23,26がリフロー方式での加熱により溶融される。これによりパッド電極25と底面電極15とが接合され、かつ配線板端子22と電子部品端子12とが接合され、プリント配線板20上に電子部品10が実装される。
このとき具体的には、まず加熱によりはんだ23,26に含まれるフラックスの溶剤成分が気化してガスが発生する。このガスは、はんだ26の外周部が外気に接しているため容易にたとえばはんだ26の隙間GPを通って部品の外へ排出される。溶剤成分の気化が一段落したところでさらに加熱が進めば、はんだ26は溶融し、底面電極15とパッド電極25の表面上に濡れ広がり、図10に示すはんだ26cのように隣接するはんだ26c同士が接触する態様となる。
加熱および溶融により、はんだ23,26はさらに広がり、図10に示すように、電子部品10が載置され押圧された時点では点線で示すはんだ26bの範囲内に広がっていた複数のはんだ26は、パッド電極25上においてはんだ26cのように広げられ、互いにその外縁の一部が接するようになる。なお図示されないがはんだ23についてもはんだ26と同様に、加熱および溶融によって広げられる。
図11を参照して、さらに加熱および溶融が進めば、はんだ26はスルーホール28の真上を除くパッド電極25上のほぼ全面に広がり、複数のはんだ26同士が融合して一体となり、さらに濡れ広がることでその範囲がはんだ26dのようになる。つまり溶融された複数のはんだ26同士がパッド電極25上にて互いに混ざり合うように一体となる。最終的には図12を参照して、一体となったはんだ26dは、スルーホール28の真上にも達するように濡れ広がる。
このように、本実施の形態においては、複数のはんだ26(26a)は、電子部品10の載置時の押圧により押し広げられただけでは互いに接触しないが、加熱溶融時に互いに融合して一体となるように、その供給される量が調整される。
次に図10〜図12と図13とを照合しながら、図10〜図12においてはんだ26(26b〜26d)が濡れ広がる態様について説明する。
図13(A)を参照して、これは図10に示す、加熱によるはんだ26の濡れ広がりの初期段階に対応する。はんだ26は、形成される電子部品10の外側へ向かう方向(矢印31に示す方向)と、電子部品10の内側へ向かう方向(矢印32に示す方向)との2方向に濡れ広がる。なお矢印31,32については図10にも同様に示している。矢印31の方向の濡れ広がりは、電子部品10とプリント配線板20とに挟まれた領域に滞留しているフラックスの気化によるガスを電子部品10の外側へ排出するように作用する。これに対して矢印32の方向の濡れ広がりは、電子部品10とプリント配線板20とに挟まれた領域に滞留している当該ガスを電子部品10の内側へ閉じ込めるように作用する。
図13(B)を参照して、これは図11に示す、はんだ26が濡れ広がり一体となった状態に対応する。このようにはんだ26が一体となるように濡れ広がれば、その分だけガスの存在し得る空間が狭くなるため、その一体となったはんだ26の壁の内側に滞留するガスはその内側に凝集されやすくなる。また矢印32のように内側に濡れ広がるはんだ26の流れが存在することにより、いっそうガスが内側に導かれやすくなる。
さらに内側(中央部)にはスルーホール28が存在するため、はんだ26の矢印32の流れにより内側に移動したガスは、スルーホール28の真上に気孔33として凝集され、矢印34に示すようにスルーホール28からその外部へと排出される。
図13(C)を参照して、これは図12に示す、はんだ26がスルーホール28の真上に達した状態に対応する。気孔33がスルーホール28から排出され、さらにはんだ26が濡れ広がれば、ガスの存在し得る空間が狭まるため、スルーホール28からさらにガスが排出されて気孔33が小さくなり、最終的には気孔33は消滅する。これにより、スルーホール28の真上もはんだ26で充填される。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態においては、パッド電極25上に複数のはんだ26が、スルーホール28以外の箇所に互いに間隔をあけて供給され、電子部品10を載置する際に当該はんだ26が押し広げられても互いに接触しない。このため、その後のはんだ26の加熱による気化が始まりガスが発生した際に、隣り合うはんだ26の隙間GPから当該ガスを外側へ速やかに排出させることができる。
本実施の形態においては、パッド電極25上に複数のはんだ26が、スルーホール28以外の箇所に互いに間隔をあけて供給され、電子部品10を載置する際に当該はんだ26が押し広げられても互いに接触しない。このため、その後のはんだ26の加熱による気化が始まりガスが発生した際に、隣り合うはんだ26の隙間GPから当該ガスを外側へ速やかに排出させることができる。
上記のように押圧により複数のはんだ26同士が互いに接触しないことから、図12および図13(C)のようにはんだ26がスルーホール28の真上にまで広がってもスルーホール28内に流入しさらにその外側に漏出しない程度に、はんだ26の供給量は少ないということができる。したがって、スルーホール28から外部へのはんだ26の漏出を抑制することができる。
一方で、はんだ26が加熱溶融される際には複数のはんだ26同士が互いに融合して一体になるようにはんだ26の量が調整されることから、はんだ26は最終的にはパッド電極25のほぼ全面に広がり、底面電極15とパッド電極25とをその全面において均一に接着することが可能となる。つまりパッド電極25の全面にて均一に接着可能となる程度に、はんだ26の供給量は多いということができる。したがってはんだ26の厚みまたは塗布面積を制御して上記の条件を満たすようにすることにより、はんだ26がスルーホール28から漏出して突起などを形成させる不具合を発生させない程度に、十分な量のはんだ26を塗布して十分な強度の接着をさせることができる。
さらに本実施の形態においては、加熱硬化後におけるパッド電極25上のはんだ26の厚みT2と、配線板端子22上のはんだ23の厚みT1とが等しくなるように、供給されるはんだ23,26の量が調整される。これにより、底面電極15とパッド電極25との間においてはんだ26が濡れなじみ、スルーホール28内にはんだ26が流入しようとしても、パッド電極25の外側の配線板端子22上のはんだ23が、はんだ26がスルーホール28内に流入するように電子部品10が沈みこむことを抑制すべく電子部品10を支持することができる。このため、たとえ図12および図13(C)のようにはんだ26がスルーホール28の真上に達するように濡れ広がっても、そこからスルーホール28内に流入することが抑制される。
したがって、はんだ26がスルーホール28から漏出してプリント配線板20の裏面上に汚損または突起などを形成させる不具合を抑制することができる。また濡れ広がったはんだ26がスルーホール28内に流入することによりスルーホール28内がはんだ26で塞がれ、そこからのガスの排出が困難になるなどの不具合を抑制することもできる。はんだ26内のガスが効率よく排出されるため、はんだ26内に意図しないボイドなどの不具合が形成され、そのはんだ26の接着強度が低下する可能性を低減することができる。
その他、本実施の形態においては、はんだ26がスルーホール28を囲むように供給されかつ内側に向けて濡れ広がる力を利用して、はんだ26から発生するガスを高効率にスルーホール28側に凝集させ、そこから外部に排出させることができる。
次に、図14および図15を用いて、本実施の形態のスルーホール28およびはんだ26の配置箇所の変形例について説明する。
上記の本実施の形態においては、たとえば図5に示すように、平面視においてパッド電極25の中央部にスルーホール28が形成され、スルーホール28の周囲に(正方形状のパッド電極25の4つの角部側に)、4つのはんだ26が供給されている。
これに対して、図14を参照して、本実施の形態の第1の変形例においては、スルーホール28がパッド電極25の4つの角部側に互いに間隔をあけて形成されており、そのそれぞれが図5と同様に4つのはんだ26に囲まれるように(正方形状に四方を囲むように)、はんだ26が互いに間隔をあけて供給されている。したがって図14においては4つのスルーホール28が形成され、合計9か所にはんだ26が供給されている。図14においても9つのはんだ26は互いに間隔をあけて供給されている。
図14においては4つのスルーホール28が格子状に形成されている。これに対して図15を参照して、本実施の形態の第2の変形例においては、隣り合うスルーホール28同士がパッド電極25に対して斜め方向に隣り合うように、すなわちいわゆる千鳥状に配置されるように、スルーホール28が形成されている。そしてそれぞれのスルーホールに対して正三角形の3つの角部側に(正三角形状に三方を囲むように)、互いに間隔をあけてはんだ26が供給されている。図15においては合計14のスルーホール28が形成され、合計8か所にはんだ26が供給されている。図15においても8つのはんだ26は互いに間隔をあけて供給されている。
なお図14および図15のいずれにおいても、はんだ26は図5と同様に、パッド電極25上に供給された(まだ押圧および加熱がなされていない)初期状態のはんだ26aを示している。
図14および図15の各変形例においても、図5と同様に、電子部品10の搭載により押圧されてもはんだ26同士が互いに接触せず、加熱溶融により融合して一体となるように濡れ広がるよう、はんだ26の量が調整される。
以上のように、本実施の形態においては、スルーホール28およびはんだ26の数および配置は任意である。形成されるスルーホール28の数に応じてはんだ26の供給される数および配置を調整することがより好ましい。
(実施の形態2)
本実施の形態の実装基板は、実施の形態1の実装基板100と、以下に述べる点において異なっており、他の点においては基本的に実施の形態1の実装基板100と同様である。まず本実施の形態の実装基板の構成について、図16〜図18を用いて説明する。
本実施の形態の実装基板は、実施の形態1の実装基板100と、以下に述べる点において異なっており、他の点においては基本的に実施の形態1の実装基板100と同様である。まず本実施の形態の実装基板の構成について、図16〜図18を用いて説明する。
図16および図17を参照して、本実施の形態の実装基板200は、実装基板100と同様に、電子部品10と、プリント配線板20とを有している。電子部品10は、プリント配線板20上に重畳するように、はんだ23,26により実装されている。
電子部品10は、実施の形態1と同様に、電子部品基板11と、電子部品端子12と、底面電極15とを主に有している。またプリント配線板20は、実施の形態1と同様に、配線基板21と、配線板端子22(端子)と、パッド電極25とを主に有している。
プリント配線板20は、はんだ26の溶融時に発生するガスを排出するために外部に通じるように形成された孔部として、スルーホール28の代わりにスリット28が形成されている。スリット28は、プリント配線板20のパッド電極25を図17の上下方向(厚み方向)に貫通している。またスリット28は、パッド電極25の平面視における中央部から外側へ向かい、パッド電極25の表面に沿う方向にパッド電極25の縁部(最外縁)にまで延びている。なおスリット28は平面視において直線状に延びているがこれに限らず、たとえば屈曲するように延びていてもよい。
スリット28は、その側面であるスリット側面28cがパッド電極25を構成する金属材料で構成される。またスリット28は、その底面であるスリット底面28dはプリント配線板20の樹脂材料で形成された配線基板21が露出するように構成されている。すなわちスリット28の側面は金属材料により、スリット28の底面は樹脂材料により、それぞれ形成されている。
なおスリット28は、基本的にパッド電極25と同じ厚み(深さ)を有し、18μm以上70μm以下の厚みを有することが好ましい。ただしスリット28がパッド電極25のみならず、たとえばその真下の配線基板21の一部をもエッチングされることにより形成されれば、スリット28はパッド電極25の厚みよりも深くなる場合がある。
特に図18を参照して、パッド電極25上のはんだ26は、複数箇所(ここでは3か所)に、互いに間隔をあけてスリット28を囲うように(かつスリット28と間隔をあけるように)供給されている。ここではスリット28の延びる方向に沿うように延びるはんだ26がスリット28の図16における左右両側に1つずつ、およびスリット28の延びる方向に交差するように延びるはんだ26がスリット28の図16における下側に1つ、合計3つのスリット28が供給されている。しかし図16および図18を参照して、電子部品10が載置され、かつ加熱によりはんだ26が溶融して広がることにより、はんだ26はパッド電極25の表面上のほぼ全体を覆うように広がっている。すなわち図18に示すように接合前はパッド電極25の表面上の狭い範囲のみに互いに間隔をあけて供給された複数のはんだ26aは、溶融により融合して一体となるように広がり、実装基板200においてははんだ26dのような態様となっている。
ただし図16および図17を参照して、本実施の形態においては、スリット28による空隙は、スリット28の真上にまで続いている。すなわち本実施の形態においては、スリット28の真上の領域がはんだ26で覆われていない。この点において本実施の形態は、スルーホール28の真上をもはんだ26で覆われるようにはんだ26が濡れ広がった構成を有する実施の形態1の実装基板100とは異なっている。
具体的には、図17に示すように、基本的にスリット28の真上には気孔33が配置されており、この部分ははんだ26に覆われていない。スリット28の真上の気孔33は、スリット28内の中空と連続するように空孔領域を構成している。
図17においては図2と同様に、配線基板21が配線基板層21a,21b,21cおよび配線29a,29b,29cを有する多層構造として図示されている。しかし本実施の形態においてもたとえば図3と同様に単層構造の配線基板21が用いられてもよい。
なお、これ以外の本実施の形態の構成は、実施の形態1の構成とほぼ同じであるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
次に、以上の構成を有する実装基板200についてより詳述するために、図19〜図24を用いて(必要に応じて既出の他の図も参照しながら)、本実施の形態の実装基板200の製造方法について説明する。
図19、および再度図18を参照して、実施の形態1の図5、および図4と同様に、電子部品10およびプリント配線板20が準備される。ただし本実施の形態においては、はんだの溶融によるガスの排出、および熱の放散のために外部に通じる孔部として、プリント配線板20に、パッド電極25を図18および図19の上下方向(厚み方向)に貫通し、かつパッド電極25の表面に沿う方向に外縁にまで延びるスリット28が形成される。スリット28は一般公知のエッチング処理、またはプレスによる抜き加工などにより、その底面に配線基板21の表面(樹脂材料)が露出するように形成される。
次に、実施の形態1と同様に、プリント配線板20の配線板端子22上にペースト状のはんだ23が、パッド電極25上にはんだ26が、それぞれ供給される。ただしここではパッド電極25上のはんだ26は、図19に示すようにスリット28と平面的に重なる領域以外の領域に3か所、互いに間隔をあけてスリット28の延びる方向に沿って(または交差して)延びながら、スリット28を囲むように(スリット28とも互いに間隔をあけて)供給される。
なおここでも、供給されるべきはんだ23,26の所望の量について、図17を参照して、後述する電子部品10が実装され(実装基板100として完成した際に)はんだ23,26が硬化した後のパッド電極25上におけるはんだ26の厚みT2が、配線板端子22上におけるはんだ23の厚みT1と等しくなるように調整されることが好ましい。このようにすれば、実施の形態1と同様に、はんだ26のスリット28内への流入を抑制するように電子部品10の沈み込むことを抑制すべく電子部品10がはんだ23により支持される。これにより、スリット28内へのはんだ26の流入がいっそう確実に抑制されるため、加熱溶融後にはんだ26から発生するガスをスリット28から確実に排出させることができる。なおここでも厚みT1と厚みT2との定義、および許容される厚みの誤差は実施の形態1と同様である。
図19、図20および図21を参照して、はんだ23,26が供給された後、実施の形態1と同様に電子部品10が載置される。このときはんだ26が押し広げられる結果、図19に示すように当初点線で示すはんだ26aの範囲内に広がっていたはんだ26は、図21のようにパッド電極25上においてはんだ26bのように広げられる。なお図示されないがはんだ23についてもはんだ26と同様に、押圧によって広げられる。ただし図21の、電子部品10の載置による押圧がなされた時点では、複数(3つ)のはんだ26bは、互いに接触することなく、隣り合う1対のはんだ26bの間に隙間GPが確保される。このような条件を満たすように、はんだ26の供給される量と位置とが制御される。
図22を参照して、電子部品10の位置決め載置後にはんだ23,26がリフロー方式で加熱される。このときもはんだ26の周囲は外気に接しているため、加熱の初期にフラックスの気化により発生するガスは容易に隙間GPなどから外部に排出される。
さらに加熱を進めると、はんだ26が溶融して、実施の形態1と同様にプリント配線板20上に電子部品10が実装される。これによりはんだ23,26は矢印31に示す外向きにさらに広がる。スリット28に向かう方向32(内向き)に広がるはんだ26は、スリット28において外気に接するためスリット28の外側にてスリット28に沿うように外側へ広がる。その結果、電子部品10の載置による押圧の時点ではんだ26bの範囲内に広がっていた複数のはんだ26は、はんだ26cのように広げられ、互いにその外縁の一部が接するようになる。
図23を参照して、さらに加熱および溶融が進めば、はんだ26はスリット28の真上を除くパッド電極25上のほぼ全面に広がり、複数のはんだ26同士が融合して一体となり、さらに濡れ広がることでその範囲がはんだ26dのようになる。
次に、図22〜図23と図24とを照合しながら、図22〜図23においてはんだ26(26b〜26d)が濡れ広がる態様について説明する。
図24(A)を参照して、これは図22に示す、加熱によるはんだ26の濡れ広がりの初期段階に対応する。はんだ26は、形成される電子部品10の外側へ向かう方向(矢印31に示す方向)と、電子部品10の内側ことにスリット28へ向かう方向(矢印32に示す方向)との2方向に濡れ広がる。なお矢印31,32については図22にも同様に示している。矢印31の方向の濡れ広がりは、電子部品10とプリント配線板20とに挟まれた領域に滞留しているフラックスの気化によるガスを電子部品10の外側へ排出するように作用する。これに対して矢印32の方向の濡れ広がりは、電子部品10とプリント配線板20とに挟まれた領域に滞留している当該ガスをスリット28へ凝集させる方向に作用する。したがってはんだ26の矢印32の方向への濡れ広がりにより、発生したガスはスリット28から排出される。
図24(B)を参照して、これは図23に示す、加熱によるはんだ26の濡れ広がりの最終段階に対応する。図24(A)に示すようなガスの放出が続くことにより、ほとんどのガスが外部に排出され、スリット28の近くに凝集された少量のガスが気孔33として残留する状態となる。
図24(C)を参照して、さらにスリット28の近くのガスの一部が外部に排出されれば、最終的にはスリット28の真上に少量のガスが気孔33として残留するのみとなる。この気孔33はスリット28による空隙がスリット28の外側(スリット28の真上の領域)にまで連続したものであるように観測される。
この気孔33はたとえばはんだ26内に残留するボイドなどとは異なり、その形成される位置および大きさをスリット28により制御することが可能である。このためこの気孔33の存在によりスリット28でのガスの排出機能などが低下する可能性を低減することができる。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
基本的に本実施の形態のようにスリット28が用いられた場合においても、形成される実装基板200ははんだ26から発生するガスなどがスリット28などから高効率に外部に排出され除去されたものとなる。
基本的に本実施の形態のようにスリット28が用いられた場合においても、形成される実装基板200ははんだ26から発生するガスなどがスリット28などから高効率に外部に排出され除去されたものとなる。
またはんだ26はスリット28内を充満するように濡れ広がらないばかりか、上記のように基本的にスリット28をその上方から覆わない態様となる。このため、はんだ26がスリット28からあふれ出したものによる汚損または突起などの不具合の発生を抑制する効果も高められる。また濡れ広がったはんだ26がスリット28内に流入することによりスリット28内がはんだ26で塞がれ、そこからのガスの排出が困難になるなどの不具合を抑制することもできる。はんだ26内のガスが効率よく排出されるため、はんだ26内に意図しないボイドなどの不具合が形成され、そのはんだ26の接着強度が低下する可能性を低減することができる。
スリット28内に仮にはんだ26が進入しようとしても、基本的に当該はんだ26はスリット側面28cに相当するパッド電極25の側面上を伝うように広がるが、それ以上奥(下側)のスリット底面28dまでは広がらない。このため、実施の形態1においてはスルーホール28上を覆うように濡れ広がったはんだ26も、本実施の形態においてはスリット28を覆うように広がることはないと考えられる。
また、実施の形態1のスルーホール28を用いた構成(スルーホール28内には樹脂材料が露出せずその側面は金属めっき膜28bに覆われる)においてはスルーホール28内へのはんだ26の流入を抑制するためにはんだの厚みT1と厚みT2(図17参照)とを等しくする。しかし本実施の形態においてはこれを必ずしも行わなくてもよい場合がある。これは本実施の形態においてはスルーホール28と異なり、スリット28の底面28dがはんだ26により濡れにくい樹脂材料により形成されるためである。スリット28の底面、すなわち配線基板21をなす樹脂材料は、たとえばガラスエポキシまたは紙フェノールである。
このため上記厚みT1とT2とが異なっていても、少なくともスリット28の底面(スリット底面28d)まではんだ26が濡れ広がる可能性は排除される。したがってスリット28内がはんだ26で充満することによりガスの排出効率が低下するなどの可能性を低減することができる。ただし上記のように、本実施の形態においても厚みT1と厚みT2とを等しくすれば、スリット28へのはんだ26の流入をより確実に抑制することができる。
次に、図25を用いて、本実施の形態のスリット28およびはんだ26の配置箇所の変形例について説明する。
上記の本実施の形態においては、たとえば図19に示すように、平面視においてパッド電極25の中央部から縁部にまで延びる1本のスリット28が形成され、スルーホール28の周囲に3つのはんだ26が供給されている。
これに対して、図25を参照して、本実施の形態の変形例においては、正方形状のパッド電極25の4つの縁部のそれぞれに延びるように2本ずつ、合計8本のスリット28が形成されており、それぞれのスリット28の周囲に図示のようにはんだ26が供給されている。
たとえば底面電極15およびパッド電極25の平面視におけるサイズが大きい場合、ここへ供給するはんだ26の量が多くなるためその分だけ溶剤成分の量も多くなり、これの溶融時に発生するガスの量が多くなる。このためはんだ26の加熱溶融中にガスが底面電極15とパッド電極25との間の領域に滞留する可能性が高くなる。そこで図25の変形例のようにスリット28の形成される数を増やすことにより、ガスの排出される経路を増やすことができる。このため、ガスの量が増えても高効率に当該ガスを排出させることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態の実装基板は、実施の形態1の実装基板100と、以下に述べる点において異なっており、他の点においては基本的に実施の形態1の実装基板100と同様である。まず本実施の形態の実装基板の構成について、図26〜図28を用いて説明する。
本実施の形態の実装基板は、実施の形態1の実装基板100と、以下に述べる点において異なっており、他の点においては基本的に実施の形態1の実装基板100と同様である。まず本実施の形態の実装基板の構成について、図26〜図28を用いて説明する。
図26および図27を参照して、本実施の形態の実装基板300は、実装基板100と同様に、電子部品10と、プリント配線板20とを有している。電子部品10は、プリント配線板20上に重畳するように、はんだ23,26により実装されている。
電子部品10は、実施の形態1と同様に、電子部品基板11と、電子部品端子12と、底面電極15とを主に有している。またプリント配線板20は、実施の形態1と同様に、配線基板21と、配線板端子22(端子)と、パッド電極25とを主に有している。
電子部品10は、はんだ26の溶融時に発生するガスを排出するために外部に通じるように形成された孔部として、スリット18が形成されている。スリット18は、電子部品10の底面電極15を図27の上下方向(厚み方向)に貫通している。またスリット18は、底面電極15の平面視における中央部から外側へ向かい、底面電極15の表面に沿う方向に底面電極15の縁部(最外縁)にまで延びている。なおスリット18は平面視において直線状に延びているがこれに限らず、たとえば屈曲するように延びていてもよい。
スリット18は、その側面であるスリット側面18aが底面電極15を構成する金属材料で構成される。またスリット18は、その底面であるスリット底面18bは電子部品10の樹脂材料で形成された電子部品基板11が露出するように構成されている。すなわちスリット18の側面は金属材料により、スリット18の底面は樹脂材料により、それぞれ形成されている。
特に図28を参照して、パッド電極25上のはんだ26は、複数箇所(ここでは3か所)に、互いに間隔をあけて、最終的にパッド電極25上に重畳される底面電極15のスリット18を囲うように(かつスリット18と間隔をあけるように)供給されている。ここではスリット18の延びる方向に沿うように延びるはんだ26がスリット18の図26における左右両側に1つずつ、およびスリット18の延びる方向に交差するように延びるはんだ26がスリット28の図26における下側に1つ、合計3つのスリット18が供給されている。しかし図26および図28を参照して、電子部品10が載置され、かつ加熱によりはんだ26が溶融して広がることにより、はんだ26はパッド電極25の表面上のほぼ全体を覆うように広がっている。すなわち図28に示すように接合前はパッド電極25の表面上の狭い範囲のみに互いに間隔をあけて供給された複数のはんだ26aは、溶融により融合して一体となるように広がり、実装基板300においてははんだ26dのような態様となっている。
図26および図27を参照して、本実施の形態においては、実施の形態2と同様に、スリット18による空隙は、スリット18の真上にまで続いている。すなわち本実施の形態においては、スリット18の真上の領域がはんだ26で覆われていない。この点において本実施の形態は、スルーホール28の真上をもはんだ26で覆われるようにはんだ26が濡れ広がった構成を有する実施の形態1の実装基板100とは異なっている。
具体的には、図27に示すように、基本的にスリット18の真上(図27における真下)には気孔33が配置されており、この部分ははんだ26に覆われていない。スリット18の真上の気孔33は、スリット18内の中空と連続するように空孔領域を構成している。
図27においては図2と同様に、配線基板21が配線基板層21a,21b,21cおよび配線29a,29b,29cを有する多層構造として図示されている。しかし本実施の形態においてもたとえば図3と同様に単層構造の配線基板21が用いられてもよい。
以上に述べたように、基本的に本実施の形態の実装基板300の構成は、実施の形態2の実装基板200におけるパッド電極25にスリット28が形成された構成の代わりに、底面電極15にスリット28と同様のスリット18が形成された構成であるといえる。なお、上記以外の本実施の形態の構成は、実施の形態1の構成とほぼ同じであるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
次に、以上の構成を有する実装基板300についてより詳述するために、図29〜図34を用いて(必要に応じて既出の他の図も参照しながら)、本実施の形態の実装基板300の製造方法について説明する。
図29、および再度図28を参照して、実施の形態1の図5および図4、ならびに実施の形態2の図19および図18と同様に、電子部品10およびプリント配線板20が準備される。ただし本実施の形態においては、はんだの溶融によるガスの排出、および熱の放散のために外部に通じる孔部として、電子部品10に、底面電極15を図28および図29の上下方向(厚み方向)に貫通し、かつ底面電極15の表面に沿う方向に外縁にまで延びるスリット18が形成される。スリット18は一般公知のエッチング処理またはプレスによる抜き加工などにより、たとえばその底面に電子部品基板11の表面(樹脂材料)が露出するように形成される。
次に、実施の形態2と同様に、プリント配線板20の配線板端子22上にペースト状のはんだ23が、パッド電極25上にはんだ26が、それぞれ供給される。ここでも実施の形態2と同様にパッド電極25上のはんだ26は3か所、互いに間隔をあけて、底面電極15の重畳後にスリット18を囲むように(底面電極15の重畳後にスリット18と重ならず、かつ互いに間隔をあけるように)供給される。
なおここでも、実施の形態1,2と同様に、後述する電子部品10が実装され(実装基板100として完成した際に)はんだ23,26が硬化した後のパッド電極25上におけるはんだ26の厚みT2(図2,17参照)が、配線板端子22上におけるはんだ23の厚みT1(図2,17参照)と等しくなるように調整されることが好ましい。またここでも厚みT1と厚みT2との定義、および許容される厚みの誤差は実施の形態1と同様である。
図29、図30および図31を参照して、はんだ23,26が供給された後、実施の形態1と同様に電子部品10が載置される。ここでも上記の実施の形態と同様に、電子部品10による押し広がりにより、当初点線で示すはんだ26aの範囲内に広がっていたはんだ26が、図31のはんだ26bのように広げられる。他の実施の形態と同様に、ここでも押し広げられた複数(3つ)のはんだ26bが互いに接触することのないように、はんだ26の供給される量と位置とが制御される。
図32を参照して、はんだ23,26がリフロー方式での加熱により溶融され、実施の形態1と同様にプリント配線板20上に電子部品10が実装される。このときも加熱の初期にフラックスの気化による発生するガスは、隙間GPなどから外部に排出される。加熱を続けることによりはんだ26が溶融して、実施の形態2と同様に、はんだ23,26は矢印31に示す外向き、およびスリット18に向かう方向32(内向き)の双方に広がる。その結果、電子部品10の載置による押圧の時点ではんだ26bの範囲内に広がっていた複数のはんだ26は、はんだ26cのように広げられ、互いにその外縁の一部が接するようになる。
図33を参照して、さらに加熱および溶融が進めば、他の実施の形態と同様に、はんだ26はスリット18の真上を除くパッド電極25上のほぼ全面に広がり、複数のはんだ26同士が融合して一体となり、さらに濡れ広がることでその範囲がはんだ26dのようになる。
図34(A)を参照して、これは図32に示す、加熱によるはんだ26の濡れ広がりの初期段階に対応する。言い換えれば、図34(A)の段階は実施の形態2における図24(A)(図22)の段階に相当し、図34(A)におけるはんだ26の濡れ広がり方は実施の形態2における図24(A)(図22)と同様であるため詳細な説明を省略する。
図34(B)を参照して、これは図33に示す、加熱によるはんだ26の濡れ広がりの初期段階に対応する。言い換えれば、図34(B)の段階は実施の形態2における図24(B)(図23)の段階に相当し、図34(B)におけるはんだ26の濡れ広がり方は実施の形態2における図24(B)(図23)と同様であるため詳細な説明を省略する。
図34(C)を参照して、これは図33からさらに少し後の、加熱後の最終的な状態を示している。言い換えれば、図34(C)の段階は実施の形態2における図24(C)の段階に相当し、図34(C)におけるはんだ26の濡れ広がり方は実施の形態2における図24(C)と同様である。つまり、図34(B)の段階からさらにスリット18の近くのガスの一部が外部に排出されれば、最終的にはスリット18の真上(図34(C)における真下)に少量のガスが気孔33として残留するのみとなる。この気孔33はスリット18による空隙がスリット18の外側(スリット28の真上の領域)にまで連続したものであるように観測される。
パッド電極25の代わりに底面電極15にスリット18が形成された場合においても、その作用効果は基本的に実施の形態2のパッド電極25にスリット28が形成された場合と同様である。このため、本実施の形態の作用効果の詳細な説明を省略する。
なお、上記においては底面電極15に形成されるスリット18は、その底面(スリット底面18b)が電子部品基板11の樹脂材料である構成を有している。しかし本実施の形態において底面電極15に形成されるスリットは、このような態様に限られない。次に、図35および図36を用いて、本実施の形態のスリットの変形例について説明する。
図35を参照して、本実施の形態の第1の変形例においては、底面電極15に形成されるスリット19内が電子部品基板11で充填されている。すなわちスリット19により底面電極15が除去された領域には凹部が形成されず、そのスリット19内の部分に(凸形状となった)電子部品基板11の一部が嵌合するように配置されている。したがって図35においては当該電子部品基板11の最上面19aが、底面電極15の最上面とほぼ同一の面(ツライチ)となるように配置されている。そして最上面19aに接触するように、その真上(図35における真下)にはんだ26の気孔33が配置されている。この点において図35の構成は、スリット18内が空隙となっている図27の構成とは異なっている。
図35においては、スリット19の内壁面におけるはんだ26の濡れ性を低下させてはんだ26がスリット19内を充填することを抑制する観点から、スリット19の内部には電子部品基板11と同一の樹脂材料が充填されている。
図36を参照して、本実施の形態の第2の変形例におけるスリット19は、図35のスリット(または図27のスリット18)よりも浅く形成されており、スリット19と平面的に重なる領域においても底面電極15が部分的に残存しており、その底面において電子部品基板11の樹脂材料は露出されていない。そしてスリット19を形成するために底面電極15が除去された領域には、電子部品基板11を構成する樹脂材料と同一の樹脂材料が充填されている。これにより、スリット19の部分の最上面19bは、図35のスリット19の部分の最上面19aと同様に、底面電極15の最上面とほぼ同一の面(ツライチ)となるように配置されている。そして最上面19bに接触するように、その真上(図36における真下)にはんだ26の気孔33が配置されている。この点において図36の構成は、スリット18内が空隙となっている図27の構成とは異なっている。
図36においてはスリット19の部分にも底面電極15が完全に除去されずに部分的に残存している。このため、スリット19の内壁面におけるはんだ26の濡れ性を低下させてはんだ26がスリット19内を充填することを抑制する観点から、スリット19の内部には電子部品基板11と同一の樹脂材料が充填されている。
本実施の形態においては、図27のようにスリット18内に空隙が形成されその底面18bに樹脂材料が露出されるか、あるいは図35,36のようにスリット19内に樹脂材料が充填される。このため、スリット18,19内ははんだ26で充填されることはない。したがって、たとえば図32(図34(A))において内向きの矢印32に示す方向のはんだ26の流れが存在しても、当該はんだ26がスリット18,19内に流入することによりスリット18,19内が塞がれ、そこからのガスの排出が困難になるなどの不具合を抑制することもできる。はんだ26内のガスが効率よく排出されるため、はんだ26内に意図しないボイドなどの不具合が形成され、そのはんだ26の接着強度が低下する可能性を低減することができる。
スリット18,19の真上の気孔33はたとえばはんだ26内に残留するボイドなどとは異なり、その形成される位置および大きさをスリット18により制御することが可能である。このためこの気孔33の存在によりスリット18でのガスの排出機能などが低下する可能性を低減することができる。
(実施の形態4)
図37および図38を参照して、本実施の形態の実装基板400は、基本的に実施の形態2のスリット28を有するプリント配線板20と、実施の形態3のスリット18,19を有する電子部品10とを組み合わせた構成である。基本的に、プリント配線板20のスリット28と、電子部品10のスリット18,19(たとえばスリット18)とは平面視において同一形状(たとえば電極15,25の中央部から縁部に延びる直線状)となっている。スリット28とスリット18とが重なるように、底面電極15とパッド電極25とがはんだ26により接合されている。
図37および図38を参照して、本実施の形態の実装基板400は、基本的に実施の形態2のスリット28を有するプリント配線板20と、実施の形態3のスリット18,19を有する電子部品10とを組み合わせた構成である。基本的に、プリント配線板20のスリット28と、電子部品10のスリット18,19(たとえばスリット18)とは平面視において同一形状(たとえば電極15,25の中央部から縁部に延びる直線状)となっている。スリット28とスリット18とが重なるように、底面電極15とパッド電極25とがはんだ26により接合されている。
このように、電子部品10とプリント配線板20との双方に孔部(たとえばスリット)が形成されていてもよく、このようにしても、実施の形態2〜3と同様の作用効果を奏することができる。
また図示されないが、たとえば電子部品10の底面電極15、およびその真下の電子部品基板11の厚み方向に関する全体を貫通するようにスルーホールが形成されていてもよい。このような構成は、上記の各実施の形態で説明されたQFNのような樹脂封止されたパッケージの構成部品としての電子部品10ではなくたとえばモジュール基板としての電子部品10に用いられる可能性がある。あるいは上記のスルーホールが形成された電子部品10と、実施の形態1のスルーホール28が形成されたプリント配線板20とを組み合わせた構成であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 電子部品、11 電子部品基板、12 電子部品端子、15 底面電極、17 電子部品端面、18,19 スリット、18a スリット側面、18b スリット底面、20 プリント配線板、21 配線基板、21a,21b,21c 配線基板層、22 配線板端子、23,26,26a,26b,26c,26d はんだ、25 パッド電極、28 スルーホール(スリット)、28a スルーホール側壁、28b 金属めっき膜、28c スリット側面、28d スリット底面、29,29a,29b,29c 配線、31,32,34 矢印、33 気孔、100,200,300,400 実装基板、GP 隙間。
Claims (11)
- プリント配線板のパッド電極上にはんだを供給する工程と、
前記はんだが供給された前記パッド電極上に電子部品の底面電極が重畳するように前記電子部品を載置する工程と、
加熱により前記はんだを溶融して前記パッド電極と前記底面電極とを接合することにより前記プリント配線板上に前記電子部品を実装する工程とを備え、
前記パッド電極と前記底面電極との少なくともいずれかに外部に通じる孔部が形成され、
前記はんだを供給する工程においては、前記孔部と平面的に重なる領域以外の領域に、互いに間隔をあけた複数の前記はんだが、前記孔部と互いに間隔をあけながら前記孔部を囲うように供給され、
前記電子部品を載置する工程においては複数の前記はんだが互いに接触しないように前記パッド電極上にて押し広げられ、
前記はんだを供給する工程においては、前記電子部品を実装する工程における前記はんだの溶融時に複数の前記はんだが融合して一体となるように、前記パッド電極上に供給される前記はんだの量が調整される、実装基板の製造方法。 - 前記孔部は前記パッド電極を含む前記プリント配線板を貫通するように形成されるスルーホールであり、
前記はんだを供給する工程においては、前記プリント配線板の前記パッド電極以外の端子上にも前記はんだが供給され、
前記はんだを供給する工程においては、前記電子部品を実装する工程の後に前記はんだが硬化した後の前記パッド電極上における前記はんだの厚みと前記端子上における前記はんだの厚みとが等しくなるように、前記パッド電極上および前記端子上に供給される前記はんだの量が調整される、請求項1に記載の実装基板の製造方法。 - 前記孔部は前記パッド電極を貫通し、かつ前記パッド電極の表面に沿う方向に前記パッド電極の縁部にまで延びるスリットである、請求項1に記載の実装基板の製造方法。
- 前記孔部は前記底面電極を貫通し、かつ前記底面電極の表面に沿う方向に前記底面電極の縁部にまで延びるスリットである、請求項1に記載の実装基板の製造方法。
- 前記はんだを供給する工程においては、前記プリント配線板の前記パッド電極以外の端子上にも前記はんだが供給され、
前記はんだを供給する工程においては、前記電子部品を実装する工程の後に前記はんだが硬化した後の前記パッド電極上における前記はんだの厚みと前記端子上における前記はんだの厚みとが等しくなるように、前記パッド電極上および前記端子上に供給される前記はんだの量が調整される、請求項3または4に記載の実装基板の製造方法。 - 前記スリットの底面は樹脂材料により形成される、請求項3〜5のいずれか1項に記載の実装基板の製造方法。
- 樹脂材料により形成される配線基板と、
前記配線基板の表面上に配置されるパッド電極とを備え、
前記パッド電極を貫通し、かつ前記パッド電極の表面に沿う方向に前記パッド電極の縁部にまで延びるスリットが形成されている、プリント配線板。 - 樹脂材料により形成される基板と、
前記基板の表面上に配置される底面電極とを備え、
前記底面電極を貫通し、かつ前記底面電極の表面に沿う方向に前記底面電極の縁部にまで延びるスリットが形成されている、電子部品。 - プリント配線板と、
前記プリント配線板上に重畳するようにはんだにより実装された電子部品とを備え、
前記プリント配線板のパッド電極と、前記電子部品の前記パッド電極と接合される底面電極との少なくともいずれかに、外部に通じるスリットが形成され、
前記スリットによる空隙は、前記孔部の真上にまで続いている、実装基板。 - 前記スリットは前記パッド電極に形成され、かつ前記パッド電極の表面に沿う方向に前記パッド電極の縁部にまで延びる、請求項9に記載の実装基板。
- 前記スリットは前記底面電極に形成され、かつ前記底面電極の表面に沿う方向に前記底面電極の縁部にまで延びる、請求項9に記載の実装基板。
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2015
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