JP2016097887A - ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】操作部材の操作力を安定させることができるステアリング装置を提供すること。
【解決手段】ステアリング装置1は、第1歯列71を有するアッパーブラケット6と、アッパーブラケット6に並んで設けられた剛体のツース部材66と、ツース部材66に設けられた第2歯列75と、操作部材41の操作に応じて左右方向Yに移動可能な第1移動部材43と、ツース部材66と第1移動部材43との間に配置された弾性部材67とを含む。第1歯列71は、チルト方向Cに沿って並ぶ複数の第1歯72で構成される。第2歯列75は、チルト方向Cに沿って並ぶ複数の第2歯82で構成される。弾性部材67は、第1移動部材43がアッパーブラケット6側へ移動する間の所定範囲では、左右方向Yにおいて圧縮されながら一定の復元力Fを発生する。第1歯72と第2歯82とがチルト方向Cに交互に並ぶことで第1歯列71と噛み合う。
【選択図】図6

Description

この発明は、ステアリング装置に関する。
下記特許文献1に記載のステアリングコラムは、ステアリングコラムの位置を調整することができる調整部と、ステアリングコラムの位置を調整する方向(調整方向)に移動しない保持部とを含む。保持部には、調整方向に並ぶ歯部が設けられている。調整部および保持部を貫通するクランプボルトには、弾性体のツースプレートが挿通されている。ツースプレートは、調整方向に並ぶ歯部を有する。
クランプボルトに取り付けられた操作部材を操作することにより、クランプボルトが挿通された押圧部材を保持部側へ移動させることができる。押圧部材を保持部側に移動させると、ツースプレートが押圧部材に押圧されることによって保持部へ向けて移動する。その際、ツースプレートの歯部が、保持部の歯部同士の隙間に入り込むと、保持部の歯部とツースプレートの歯部とが噛み合う。
米国特許出願公開第2009/0013817号明細書
特許文献1のステアリングコラムでは、ロック時に操作部材を所定の力(操作力)で操作する必要がある。その際、ツース部材の歯部と保持部の歯部とがうまく噛み合う場合と比較して、ツース部材の歯部と保持部の歯部とがうまく噛み合わず、保持部の歯部にツース部材の歯部が乗り上げてツース部材が撓むと、操作部材には、撓んだツース部材の反力が押圧部材を介して作用するため、操作力が増大する。そのため、ツース部材の歯部と保持部の歯部とがうまく噛み合う場合とうまく噛み合わない場合とで、操作部材の操作力に違いが生じ、操作力が安定しない虞がある。
この発明は、かかる背景のもとでなされたものであり、操作部材の操作力を安定させることができるステアリング装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、一端(3A)に操舵部材(11)が連結されたステアリングシャフト(3)を保持し、前記ステアリングシャフトの軸方向(X)に対して上下に交差するチルト方向(C)における前記操舵部材の位置調整のために前記チルト方向に移動可能なコラムジャケット(4)と、前記チルト方向に沿って並ぶ複数の第1歯(72)で構成された第1歯列(71)を有し、車体(2)に固定され、前記コラムジャケットを支持するブラケット(6)と、前記位置調整のために操作される操作部材(41)と、前記軸方向および前記チルト方向の両方に対する直交方向(Y)において前記ブラケットに並んで設けられ、前記コラムジャケットとともに前記チルト方向に移動可能であり、前記直交方向に移動可能な剛体のツース部材(66)と、前記ツース部材において前記直交方向で前記第1歯列に対向する面(74A)に設けられ、前記チルト方向に沿って並ぶ複数の第2歯(82)で構成され、前記第1歯と前記第2歯とが前記チルト方向に交互に並ぶことで前記第1歯列と噛み合う第2歯列(75)と、前記直交方向において前記ツース部材に対する前記ブラケットの反対側(Y1,Y2)に配置され、前記操作部材の操作に応じて前記直交方向に移動可能な移動部材(43,45)と、前記ツース部材と前記移動部材との間に配置され、前記移動部材が前記ブラケット側(Y1,Y2)へ移動する間の所定範囲では、前記直交方向において圧縮されながら一定の復元力(F)を発生する弾性部材(67)とを含むことを特徴とする、ステアリング装置(1)である。
請求項2記載の発明は、一端(3A)に操舵部材(11)が連結されたステアリングシャフト(3)を保持し、前記ステアリングシャフトの軸方向(X)に対して上下に交差するチルト方向(C)における前記操舵部材の位置調整のために前記チルト方向に移動可能なコラムジャケット(4)と、前記チルト方向に沿って並ぶ複数の第1歯(72)で構成された第1歯列(71)を有し、車体(2)に固定され、前記コラムジャケットを支持するブラケット(6)と、前記位置調整のために操作される操作部材(41)と、前記軸方向および前記チルト方向の両方に対する直交方向(Y)において前記ブラケットに並んで設けられ、補強用のリブ(76)を有し、前記コラムジャケットとともに前記チルト方向に移動可能であり、前記直交方向に移動可能なツース部材(66)と、前記ツース部材において前記直交方向で前記第1歯列に対向する面(74A)に設けられ、前記チルト方向に沿って並ぶ複数の第2歯(82)で構成され、前記第1歯と前記第2歯とが前記チルト方向に交互に並ぶことで前記第1歯列と噛み合う第2歯列(75)と、前記直交方向において前記ツース部材に対する前記ブラケットの反対側(Y1,Y2)に配置され、前記操作部材の操作に応じて前記直交方向に移動可能な移動部材(43,45)と、前記ツース部材と前記移動部材との間に配置され、前記移動部材が前記ブラケット側(Y1,Y2)へ移動する間の所定範囲では、前記直交方向において圧縮されながら一定の復元力(F)を発生する弾性部材(67)とを含むことを特徴とする、ステアリング装置(1)である。
請求項3記載の発明は、前記第1歯列と前記第2歯列とが噛み合った状態では、前記弾性部材が、前記第2歯列の少なくとも一部に当接していることを特徴とする、請求項1または2記載のステアリング装置である。
請求項4記載の発明は、前記弾性部材は、皿ばねであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のステアリング装置である。
なお、上記において、括弧内の数字などは、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
請求項1記載の発明によれば、コラムジャケットを支持するブラケットは、操舵部材が連結されたステアリングシャフトの軸方向に対して上下に交差するチルト方向に沿って並ぶ複数の第1歯で構成された第1歯列を有している。操舵部材の位置調整の際にコラムジャケットとともにチルト方向に移動するツース部材が、ステアリングシャフトの軸方向およびチルト方向の両方に対する直交方向においてブラケットに並んで設けられている。
ツース部材において直交方向で第1歯列に対向する面には、チルト方向に沿って並ぶ複数の第2歯で構成された第2歯列が設けられている。直交方向においてツース部材に対するブラケットの反対側には、移動部材が配置されており、ツース部材と移動部材との間には、弾性部材が配置されている。
操作部材の操作に応じて移動部材が直交方向における所定範囲でブラケット側へ移動する間、弾性部材が、ツース部材と移動部材との間で圧縮されながらツース部材をブラケットへ向けて直交方向に移動させる。通常であれば、第1歯と第2歯とがチルト方向に交互に並ぶことによって、第1歯列と第2歯列とが噛み合う。これにより、チルト方向における操舵部材の位置がロックされる。移動部材が当該所定範囲で移動する間には、弾性部材が発生する復元力は一定なので、この復元力は、一定の反力として操作部材に作用する。したがって、移動部材が当該所定範囲で移動する間に操作部材の操作するための操作力は一定に保たれる。
一方、操舵部材の位置調整後のコラムジャケットの位置によっては、第1歯列と第2歯列とがうまく噛み合わず、第2歯列が直交方向から第1歯列に乗り上げることがある。この場合、通常よりも早くツース部材がブラケットに接触するので、その分、弾性部材が直交方向に圧縮される度合い(圧縮量)が大きくなる。しかし、このような場合でも、移動部材は、前述した所定範囲で移動するので、前述した通常の場合と同様に、弾性部材が発生する復元力は一定である。したがって、第1歯列と第2歯列とがうまく噛み合うか否かにかかわらず、操作部材の操作力が一定に保たれるので、操作部材の操作力を安定させることができる。
また、ツース部材は、剛体であることから撓みにくいので、ツース部材の撓みによる反力に起因して操作部材の操作力が変動することを抑制できる。これによっても、操作部材の操作力を安定させることができる。
請求項2記載の発明によれば、コラムジャケットを支持するブラケットは、操舵部材が連結されたステアリングシャフトの軸方向に対して上下に交差するチルト方向に沿って並ぶ複数の第1歯で構成された第1歯列を有している。操舵部材の位置調整の際にコラムジャケットとともにチルト方向に移動するツース部材が、ステアリングシャフトの軸方向およびチルト方向の両方に対する直交方向においてブラケットに並んで設けられている。
ツース部材において直交方向で第1歯列に対向する面には、チルト方向に沿って並ぶ複数の第2歯で構成された第2歯列が設けられている。直交方向においてツース部材に対するブラケットの反対側には、移動部材が配置されており、ツース部材と移動部材との間には、弾性部材が配置されている。
操作部材の操作に応じて移動部材が直交方向における所定範囲でブラケット側へ移動する間、弾性部材が、ツース部材と移動部材との間で圧縮されながらツース部材をブラケットへ向けて直交方向に移動させる。通常であれば、第1歯と第2歯とがチルト方向に交互に並ぶことによって、第1歯列と第2歯列とが噛み合う。これにより、チルト方向における操舵部材の位置がロックされる。移動部材が当該所定範囲で移動する間には、弾性部材が発生する復元力は一定なので、この復元力は、一定の反力として操作部材に作用する。したがって、移動部材が当該所定範囲で移動する間に操作部材の操作するための操作力は一定に保たれる。
一方、操舵部材の位置調整後のコラムジャケットの位置によっては、第1歯列と第2歯列とがうまく噛み合わず、第2歯列が直交方向から第1歯列に乗り上げることがある。この場合、通常よりも早くツース部材がブラケットに接触するので、その分、弾性部材が直交方向に圧縮される度合い(圧縮量)が大きくなる。しかし、このような場合でも、移動部材は、前述した所定範囲で移動するので、前述した通常の場合と同様に、弾性部材が発生する復元力は一定である。したがって、第1歯列と第2歯列とがうまく噛み合うか否かにかかわらず、操作部材の操作力が一定に保たれるので、操作部材の操作力を安定させることができる。
また、ツース部材は、補強用のリブを有していることから剛性が高いため撓みにくい。そのため、ツース部材の撓みによる反力に起因して操作部材の操作力が変動することを抑制できる。これによっても、操作部材の操作力を安定させることができる。
請求項3記載の発明のように、第1歯列と第2歯列とが噛み合った状態では、弾性部材が、第2歯列の少なくとも一部に当接していてもよい。
請求項4記載の発明のように、弾性部材は、皿ばねであってもよい。皿ばねであれば、その寸法等を調整することによって、移動部材が所定範囲で移動する間において一定の復元力を発生させることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るステアリング装置1の概略構成を示す側面図である。 図2は、ステアリング装置1の斜視図である。 図3は、図1におけるIII−III線に沿った断面図である。 図4は、左側Y2のチルトロック機構9の分解斜視図である。 図5は、図3においてV−V線に沿った断面図である。 図6は、図5においてVI−VI線に沿った断面図である。 図7は、弾性部材67の圧縮量Pと復元力Fとの関係を示したグラフである。 図8は、図6においてステアリング装置1の解除状態を示した図である。 図9は、第1移動部材43の移動距離と操作部材41の操作力Sとの関係を示したグラフである。 図10は、図5において第2歯列75が第1歯列71に乗り上げた状態を示した図である。 図11は、図10においてXI−XI線に沿った断面図である。 図12(a)は、弾性部材67とツース部材66との位置関係を模式的に示した図であり、図12(b)は、図12(a)の状態から弾性部材67の位置がずれた状態を示した図である。 図13は、図11に本発明の変形例を適用した図である。
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るステアリング装置1の概略構成を示す側面図である。図1において、紙面左側が、ステアリング装置1が取り付けられる車体2の前側であり、紙面右側が車体2の後側であり、紙面上側が車体2の上側であり、紙面下側が車体2の下側である。図2は、ステアリング装置1の斜視図である。
図1を参照して、ステアリング装置1は、ステアリングシャフト3と、コラムジャケット4と、ロアーブラケット5と、アッパーブラケット6(ブラケット)と、位置調整機構7と、テレスコロック機構8と、一対のチルトロック機構9(図2参照)とを主に含んでいる。
ステアリングシャフト3では、後端である一端3Aに操舵部材11が連結されている。ステアリングシャフト3において前端である他端3Bが、自在継手12、インターミディエイトシャフト13および自在継手14を順に介して、転舵機構15のピニオン軸16に連結されている。
転舵機構15は、ラックアンドピニオン機構などで構成されている。転舵機構15は、ステアリングシャフト3の回転が伝達されたことに応じて、図示しないタイヤなどの転舵輪を転舵させる。
ステアリングシャフト3は、車体2の前後方向に延びている。以下では、ステアリングシャフト3が延びる方向を軸方向Xとする。軸方向Xは、他端3Bが一端3Aよりも低くなるように水平方向に対して傾斜している。軸方向Xにおける後側には、符号「X1」を付し、軸方向Xにおける前側には、符号「X2」を付す。
軸方向Xに対する直交する方向のうち、図1において紙面と垂直な方向を左右方向Yといい、図1において略上下に延びる方向を上下方向Zという。左右方向Yにおいて、図1の紙面の奥側は、右側Y1であり、紙面の手前側は、左側Y2である。上下方向Zにおいて、上側には、符号「Z1」を付し、下側には、符号「Z2」を付す。
なお、図1以外の各図において図1の軸方向X、後側X1、前側X2、左右方向Y、右側Y1、左側Y2、上下方向Z、上側Z1および下側Z2に対応する方向には、図1と同じ符号を付している。
ステアリングシャフト3は、少なくとも一部が円筒状のアッパーシャフト20と円柱状のロアーシャフト21とを有している。アッパーシャフト20は、ロアーシャフト21よりも後側X1で同軸状に配置されている。
アッパーシャフト20における後端20Aが、ステアリングシャフト3の一端3Aであり、アッパーシャフト20の後端20Aに操舵部材11が連結されている。
ロアーシャフト21における前端21Aが、ステアリングシャフト3の他端3Bである。ロアーシャフト21の後端は、アッパーシャフト20の前端20Bに前側X2から挿入されている。
ロアーシャフト21は、スプライン嵌合やセレーション嵌合によってアッパーシャフト20に嵌合されることでアッパーシャフト20の前端20Bに連結されている。そのため、アッパーシャフト20とロアーシャフト21とは、一体回転可能であるとともに、軸方向Xに沿って相対移動可能である。ロアーシャフト21に対するアッパーシャフト20の軸方向Xへの移動によって、ステアリングシャフト3は、軸方向Xに伸縮可能である。
コラムジャケット4は、全体として、軸方向Xへ延びる中空体である。コラムジャケット4は、ステアリングシャフト3を収容し、保持している。コラムジャケット4は、軸方向Xに延びるアッパージャケット22およびロアージャケット23を有している。
アッパージャケット22は、ロアージャケット23よりも後側X1に位置している。アッパージャケット22は、ロアージャケット23に対して内嵌されている。詳しくは、アッパージャケット22の前端22Aがロアージャケット23の後端23Aに対して後側X1から挿入されている。この状態で、アッパージャケット22は、ロアージャケット23に対する軸方向Xへの移動が可能である。この移動によって、コラムジャケット4の全体は、軸方向Xに沿って伸縮可能である。
コラムジャケット4は、軸受24および軸受25によってステアリングシャフト3に連結されていることから、コラムジャケット4は、ステアリングシャフト3を回転自在に支持している。
詳しくは、アッパージャケット22の後端は、軸受24によってアッパーシャフト20に連結されている。これにより、アッパージャケット22は、アッパーシャフト20を回転自在に支持している。また、ロアージャケット23の前端は、軸受25によってロアーシャフト21に連結されている。これにより、ロアージャケット23は、ロアーシャフト21を回転自在に支持している。そのため、アッパーシャフト20およびアッパージャケット22のまとまりは、ロアーシャフト21およびロアージャケット23のまとまりに対して、軸方向Xに移動可能である。これにより、コラムジャケット4は、ステアリングシャフト3とともに伸縮可能である。
ここでのステアリングシャフト3およびコラムジャケット4の伸縮を「テレスコ」と呼び、この伸縮調整、つまり、テレスコによる操舵部材11の軸方向Xでの位置調整をテレスコ調整と呼ぶ。
ロアーブラケット5は、ロアージャケット23の前側X2の部分を支持し、ステアリング装置1を車体2に連結している。
ロアーブラケット5は、ロアージャケット23に固定された一対の可動ブラケット5A(図2も参照)と、車体2に固定された固定ブラケット5Bと、左右方向Yに延びる中心軸5Cとを含んでいる。
可動ブラケット5Aは、固定ブラケット5Bによって、中心軸5Cを介して回動可能に支持されている。そのため、コラムジャケット4全体は、ステアリングシャフト3を伴って、中心軸5Cを中心に上下に回動することができる。ここでの回動を「チルト」と呼び、中心軸5Cを中心とした略上下方向をチルト方向Cと呼ぶ。チルト方向Cは、軸方向Xに対して上下に交差している。チルト方向Cは、左右方向Yに直交している。チルトによる操舵部材11の位置調整をチルト調整と呼ぶ。
アッパーブラケット6は、ロアージャケット23の後側X1の部分を支持し、ステアリング装置1を車体2に連結している。
図2を参照して、アッパーブラケット6は、下向きに開放する溝形であり、軸方向Xから見て上下が逆になった略U字状をなすように、コラムジャケット4を挟んで左右対称に形成されている。詳述すると、アッパーブラケット6は、左右方向Yに薄くコラムジャケット4を挟んで対向する一対の側板30と、一対の側板30のそれぞれの上端部に連結された上下方向Zに薄い連結板31とを一体的に備えている。
一対の側板30において、左右方向Yから見て同じ位置には、チルト溝32が形成されている。チルト溝32は、チルト方向Cに延びている。連結板31は、たとえば一対の側板30よりも左右方向Yにおいて両外側へ延びた部分を有しており、当該部分に挿通される図示しないボルトなどによって、アッパーブラケット6全体が車体2(図1参照)に固定されている。
ロアージャケット23の上側Z1の部分には、軸方向Xの全域に延びて上下方向Zにロアージャケット23を貫通するスリット33が形成されている。また、ロアージャケット23の後端23Aには、左右方向Yからスリット33を区画しつつ上側Z1に延びる一対の支持部34が一体的に設けられている。各支持部34は、軸方向Xおよび上下方向Zに広がる略直方体である。
図3は、図1におけるIII−III線に沿った断面図である。図3において、ステアリングシャフト3の中心軸3Cを通って上下方向Zに延びる平面を基準面3Dということにする。
図3を参照して、一対の支持部34のそれぞれには、左右方向Yに支持部34を貫通する軸挿通孔35が形成されている。軸挿通孔35は、左右方向Yから見て、略円形状である。一対の支持部34の軸挿通孔35は、左右方向Yから見て同じ位置にある。一対の支持部34の軸挿通孔35は、左右方向Yから見て、アッパーブラケット6の一対の側板30のチルト溝32の一部と重なっている。
位置調整機構7は、操舵部材11(図1参照)のチルト調整およびテレスコ調整を可能にしたり、チルト調整やテレスコ調整を終えた操舵部材11の位置をロックしたりするための機構である。
位置調整機構7は、回転軸40、操作部材41、カム42、第1移動部材(移動部材)43、ナット44、第2移動部材(移動部材)45、針状ころ軸受46およびスラストワッシャ47を含む。
回転軸40は、金属製であり、左右方向Yに延びる中心軸線40Aを有する棒状である。回転軸40は、左右方向Yから見て、軸挿通孔35よりも僅かに小さい。回転軸40は、左右方向Yから見て軸挿通孔35とチルト溝32とが重なる部分に挿通される。回転軸40は、軸挿通孔35およびチルト溝32内で中心軸線40Aまわりに回転可能である。回転軸40は、アッパーブラケット6の一対の側板30によって支持されている。回転軸40は、ステアリングシャフト3よりも上側Z1に位置している。
回転軸40の一端である左端部は、左側Y2の側板30よりも左側Y2に位置している。回転軸40の他端である右端部は、アッパーブラケット6の右側Y1の側板30よりも右側Y1に位置している。
回転軸40の左端部には、回転軸40の他の部分よりも大径な頭部40Bが設けられており、回転軸40の外周面の右端部には、ねじ溝40Cが設けられている。
操作部材41は、把持可能なレバーなどである。操作部材41の長手方向の一端である基端部41Aには、左右方向Yに操作部材41を貫通する挿通孔41Bが形成されている。挿通孔41Bには、回転軸40が挿通されている。運転者は、操作部材41の長手方向の他端である把持部41Cを掴んで操作することができる。回転軸40は、操作部材41の操作に応じて、操作部材41とともに回動する。
カム42は、右側Y1から操作部材41の基端部41Aに隣接する環状の板部42Aと、板部42Aから左側Y2に延びる筒状のボス部42Bとを一体的に含む。板部42Aおよびボス部42Bの内周面が区画する空間には、回転軸40が挿通されている。ボス部42Bは、操作部材41の挿通孔41Bに挿通されている。カム42は、回転軸40と一体回転する。
図4は、左側Y2のチルトロック機構9の分解斜視図である。
図4を参照して、第1移動部材43は、例えば、焼結部品などであり、左右方向Yから見て、全体として環状である。第1移動部材43は、第1押圧部51と、第2押圧部52と、ボス部53とを一体的に含む。
第1移動部材43の第1押圧部51は、左右方向Yに薄い板状である。第1押圧部51は、左右方向Yから見て、略四角形状である。第1押圧部51には、第1押圧部51を左右方向Yに貫通する挿通孔51Aが形成されている。以下では、第1押圧部51の右側面を第1押圧面54と呼ぶことにする。
第1移動部材43の第2押圧部52は、左右方向Yに薄い板状である。第2押圧部52は、第1押圧部51の第1押圧面54から右側Y1に突出している。第2押圧部52は、右側Y1から見て、略円形状である。第2押圧部52の上下方向Zの両側には、互いに平行であり軸方向Xおよび左右方向Yに沿って平坦な平坦面52Aが形成されている。
第2押圧部52の右側面を第2押圧面55と呼ぶことにする。厳密には、第2押圧面55は、略半円弧状であり、軸方向Xに間隔を隔てて一対設けられている。一対の第2押圧面55は、Xにおける両外側へ膨出している。挿通孔51Aは、左右方向Yに第2押圧部52も貫通している。
ボス部53は、左右方向Yから見て略四角形状であり、一対の第2押圧面55の間から右側Y1に突出している。ボス部53の軸方向Xの両側の面53Aは、チルト溝32においてチルト方向Cに延びる縁部に沿うようにチルト方向Cに延びている。第2押圧部52における上側Z1の平坦面52Aは、ボス部53の上端面と面一になっており、第2押圧部52における下側Z2の平坦面52Aは、ボス部53の下端面と面一になっている。以下では、ボス部53の上端面および下端面を平坦面52Aの一部とみなすことにする。第1押圧部51の挿通孔51Aは、左右方向Yにボス部53も貫通している。ボス部53の上下方向Zにおける略中央には、右側Y1からボス部53を切り欠く一対の切り欠き53Bが形成されている。一対の切り欠き53Bは、互いに軸方向Xに間隔を隔てている。一対の切り欠き53Bと挿通孔51Aとは、連通している。そのため、ボス部53は、上側部と下側部とに二分割されている。
図3を参照して、第1移動部材43の挿通孔51Aには、回転軸40の左端部が挿通されている。第1移動部材43は、カム42に右側Y1から隣接している。カム42の右側面および第1移動部材43の第1押圧部51の左側面には、互いに乗り上げ可能なカム突起56が形成されている。
第1移動部材43のボス部53は、左側Y2のチルト溝32に挿通されている。前述したように、ボス部53の面53Aは、いわゆる2面幅として機能し、チルト溝32においてチルト方向Cに延びる縁部(軸方向Xにおける両側の縁部)に沿っている。そのため、第1移動部材43の空転がチルト溝32によって防止されている。
第1移動部材43の第2押圧部52の一対の第2押圧面55は、アッパーブラケット6の左側Y2の側板30の左側面(チルト溝32の周辺部分)に左側Y2から当接している。
回転軸40のねじ溝40Cには、ナット44が取り付けられている。ナット44と右側の側板30との間には、第2移動部材45、針状ころ軸受46およびスラストワッシャ47が、左側Y2からこの順に並んでいる。
第2移動部材45は、第1移動部材43とほぼ同じ形状をしており、基準面3Dの反対側に第1移動部材43を反転させた形状と一致する。具体的には、第2移動部材45の各部分は、基準面3Dを挟んで反対側に第1移動部材43の各部分を移動させ、左右のみを反転させたものである。ただし、第2移動部材45には、第1移動部材43とは異なり、カム突起56が形成されていない。
回転軸40は、第2移動部材45、針状ころ軸受46およびスラストワッシャ47のそれぞれに対して挿通されている。
第2移動部材45のボス部53は、右側Y1のチルト溝32に挿通されている。回転軸40は、相対回転可能に第2移動部材45を支持している。前述したように、ボス部53の面53Aは、2面幅として機能し、チルト溝32においてチルト方向Cに延びる縁部に沿っている。そのため、右側Y1のチルト溝32内で第2移動部材45が回転することが防止される。第2移動部材45の一対の第2押圧面55は、アッパーブラケット6の右側Y1の側板30の右側面(チルト溝32の周辺部分)に右側Y1から当接している。
回転軸40は、アッパーブラケット6の各チルト溝32内でチルト方向Cに移動可能であるが、軸挿通孔35に対して軸方向Xおよびチルト方向Cに相対移動しない。運転者がチルト調整のために操舵部材11をチルト方向Cに移動させると、アッパーブラケット6に対し相対的に、コラムジャケット4全体が前述したようにチルトする。このとき、軸挿通孔35に挿通された回転軸40は、コラムジャケット4とともにチルト方向Cに移動する。操舵部材11のチルト調整は、第1移動部材43および第2移動部材45のボス部53がチルト溝32内で移動可能な範囲で行われる。
運転者などの使用者がテレスコ調整やチルト調整をした後に、操作部材41を回動させると、カム42が回転し、カム42および第1移動部材43に形成されたカム突起56が互いに乗り上げる。これにより、第1移動部材43は、回転軸40の中心軸線40Aに沿って、アッパーブラケット6側である右側Y1に移動し、第1移動部材43の第2押圧面55が左側Y2の側板30の左側面に押し付けられる。これに連動して、第2移動部材45は、アッパーブラケット6側である左側Y2に引き寄せられるように移動し、第2押圧面55が右側Y1の側板30の右側面に押し付けられる。
なお、第1移動部材43および第2移動部材45の第2押圧面55は、回転軸40が挿通される挿通孔51Aに近い位置にある(図4参照)。そのため、一対の側板30を締め付けることによって第1移動部材43および第2移動部材45が受ける反力に起因して第1移動部材43および第2移動部材45が変形することを抑制できる。
このように、操作部材41の操作に応じて、第1移動部材43および第2移動部材45がアッパーブラケット6の一対の側板30に対して左右方向Yに相対移動する。これにより、一対の側板30は、第1移動部材43と第2移動部材45との間で左右方向Yの両側から締め付けられる。これにより、一対の側板30が左右方向Yの両側からロアージャケット23の支持部34を挟持することで各側板30と支持部34との間に摩擦力が生じる。当該摩擦力によって、コラムジャケット4の位置がロックされ、操舵部材11は、チルト調整後の位置でロックされ、チルト方向Cに移動できなくなる。
また、ロアージャケット23の一対の支持部34が側板30によって挟持されることによって、一対の支持部34の間隔が狭まる。これにより、ロアージャケット23の内周部が狭くなって、ロアージャケット23は、ロアージャケット23内のアッパージャケット22に圧接する。その結果、アッパージャケット22とロアージャケット23との間に摩擦力が生じる。アッパージャケット22とロアージャケット23との間の摩擦によって、アッパージャケット22の位置がロックされ、操舵部材11がテレスコ調整後の位置でロックされ、軸方向Xに移動できなくなる。
このように、チルト方向Cおよび軸方向Xにおいて操舵部材11の位置が固定されているときのステアリング装置1の状態を「ロック状態」と呼ぶ。
ロック状態のステアリング装置1において、操作部材41を先程とは逆方向へ回動させると、カム42が第1移動部材43に対して回転し、第1移動部材43は、回転軸40の軸方向に沿って左側Y2に移動し、第2移動部材45は、右側Y1に移動する。これにより、第1移動部材43と第2移動部材45との間における一対の側板30に対する締め付けが解除される。各側板30と支持部34との間の摩擦力や、ロアージャケット23とアッパージャケット22との間の摩擦力が無くなるので、操舵部材11が軸方向Xおよびチルト方向Cに移動できるようになる。このように、操作部材41を操作することによって、操舵部材11のテレスコ調整やチルト調整が再び可能となる。言い換えると、操作部材41は、テレスコ調整やチルト調整のために操作される。
このように、チルト方向Cおよび軸方向Xにおいて操舵部材11の位置の固定が解除されているときのステアリング装置1の状態を「解除状態」と呼ぶ。
図1を参照して、テレスコロック機構8は、歯同士の噛み合いによってロアージャケット23に対するアッパージャケット22の軸方向Xにおける位置を強固にロックしたり、アッパージャケット22のロックを解除したりするための機構である。テレスコロック機構8は、筒状のロック部材57と、伝達部材58と、軸方向Xに延びる板状のロックプレート59とを含む。
図3を参照して、チルトロック機構9は、コラムジャケット4のチルト方向Cにおける位置をロックしたり、コラムジャケット4のロックを解除したりするための機構である。
チルトロック機構9は、一対の側板30のそれぞれの周辺に設けられている。左側Y2のチルトロック機構9は、前述した第1移動部材43と、左側Y2の側板30に設けられたツース係合部65と、ツース部材66と、弾性部材67と、スペーサ68とによって構成される。
図4を参照して、ツース係合部65は、押し出し成型などにより左側Y2の側板30と一体に形成されており、左側Y2の側板30の左側面から左側Y2に突出している。そのため、ツース係合部65は、図4では、左側Y2の側板30の裏に位置している。ツース係合部65は、チルト溝32を軸方向Xの両側から挟むように一対設けられている。
図5は、図3においてV−V線に沿った断面図である。図6は、図5においてVI−VI線に沿った断面図である。
図5を参照して、ツース係合部65は、チルト方向Cに沿って延びる略矩形状の保持部70と、保持部70からチルト溝32へ向けて軸方向Xに突出する一対の第1歯列71とを一体的に有する。
保持部70の左端部には、軸方向Xおよびチルト方向Cに平坦な被係合面70Aが形成されている。
後側X1の第1歯列71と前側X2の第1歯列71とは、軸方向Xに互いに対向している。各第1歯列71は、チルト方向Cに沿って等間隔で並ぶ複数の第1歯72で構成される。各第1歯72は、軸方向Xにおいてチルト溝32側に先端を向けている。詳しくは、後側X1の第1歯列71の複数の第1歯72は、前側X2に先端を向けている。また、前側X2の第1歯列71の複数の第1歯72は、後側X1に先端を向けている。各第1歯72の左端面は、保持部70の被係合面70Aの一部である。
図4を参照して、ツース係合部65は、押し出し成型などで左側Y2へ押し出されることによって形成されている。そのため、左側Y2の側板30の右側面には、ツース係合部65よりも一回り小さい窪み65Aが形成されている。
ツース部材66は、板厚tの一枚の金属をプレス成型などによって加工したものであり、剛体である。ツース部材66は、本体部74と、一対の第2歯列75と、一対のリブ76と、一対のばね部77とを一体的に含む。
本体部74は、左右方向Yに薄く、チルト方向Cに沿って延びる略矩形状である。以下では、本体部74の右側面を係合面74Aと呼ぶ。係合面74Aは、軸方向Xおよびチルト方向Cに平坦である。
本体部74の軸方向Xおよび上下方向Zにおける略中央には、左右方向Yに本体部74を貫通する貫通孔78が形成されている。貫通孔78は、左右方向Yから見て、略円形状である。本体部74において貫通孔78を区画する周縁部78Aの上下方向Zの両端は、第1移動部材43の第2押圧部52の平坦面52Aに対して平行である。周縁部78Aは、左側Y2から見て、第1移動部材43の第2押圧部52の外周面とほぼ一致する(図5参照)。
第2歯列75は、本体部74の軸方向Xにおける両端縁から、軸方向Xにおいて本体部74の両外側へ突出している。各第2歯列75は、チルト方向Cに沿って等間隔で並ぶ複数の第2歯82によって構成されている。各第2歯82の左側面は、本体部74の左側面の一部であり、各第2歯82の右側面は、本体部74の係合面74Aの一部である(図6参照)。
図4を参照して、一対のリブ76は、本体部74の上下方向Zにおける両端部が左側Y2へ折り曲げられることによって構成される。そのため、リブ76は、上下方向Zに薄く、軸方向Xに沿って延びている。一対のリブ76は、本体部74を補強している。
図5を参照して、ばね部77は、上側Z1のリブ76の後端部76Aと、下側Z2のリブ76の前端部76Bとのそれぞれから上下方向Zに本体部74から離れるように左右方向Yにおける同じ方向(右側Y1)へ突出している。各ばね部77は、上下方向Zに本体部74から離れるようにリブ76から突出する支持部83と、支持部83によって支持され、左右方向Yに弾性的に変形可能な変形部84とを有する。
図4を参照して、支持部83は、左右方向Yに薄い板状である。上側Z1のばね部77の支持部83は、上側Z1のリブ76の後端部76Aから上側Z1に延びている。下側Z2のばね部77の支持部83は、下側Z2のリブ76の前端部76Bから下側Z2に延びている。
上側Z1のばね部77の変形部84は、左右方向Yに薄く、上側Z1の支持部83の前端部から前側X2かつ右側Y1へ延びている。下側Z2のばね部77の変形部84は、左右方向Yに薄く、下側Z2の支持部83の後端部から後側X1かつ右側Y1へ延びている。
各変形部84の先端部には、プレス成型により、右側Y1へ向けて押し出された接触部85が形成されている。接触部85は、右側Y1から見て、略円形状である。
ツース部材66は、第1移動部材43の第1押圧部51と左側Y2の側板30との間において、左側Y2の側板30の左側Y2に並んで配置されている。言い換えると、第1移動部材43の第1押圧部51は、ツース部材66に対して、左側Y2の側板30の反対側(左側Y2)に配置されている。
図6を参照して、ツース部材66の貫通孔78には、第1移動部材43の第2押圧部52が挿通されている。この状態で、ツース部材66は、左右方向Yに移動可能である。前述したように、本体部74において貫通孔78を区画する周縁部78Aは、右側Y1から見て、第1移動部材43の第2押圧部52の外周面とほぼ一致する(図5参照)。そのため、第1移動部材43に対するツース部材66の相対回転が規制される。
ツース部材66では、第2歯列75が設けられた本体部74の係合面74Aが、左右方向Yで第1歯列71の被係合面70Aに対向している(図4参照)。第2歯列75は、軸方向Xにおいて側板30の第1歯列71と重なる位置に配置されている。
ツース部材66のばね部77の接触部85は、左側Y2の側板30の左側面に左側Y2から当接している(図4参照)。この状態でばね部77の変形部84は、左右方向Yに変形させられており、変形させられる前の状態に戻るための力、すなわち復元力を発生させている。
弾性部材67は、例えば、皿ばねなどである。弾性部材67は、右側Y1へ向かうにつれて回転軸40の径方向に広がる略円環状である。図6を参照して、回転軸40の周方向に直交する面で切断した弾性部材67の断面は、反時計回りに90°傾いたハの字状である。弾性部材67は、左右方向Yに圧縮されると圧縮される前の状態に戻るための復元力Fを発生させることができる。
図7は、弾性部材67の圧縮量Pと復元力Fとの関係を示したグラフである。
図7を参照して、左右方向Yに圧縮されていない弾性部材67を左右方向Yに圧縮し始めると、弾性部材67が左右方向Yに圧縮される量、すなわち圧縮量Pの増加にともなって復元力Fが徐々に増加する。圧縮量Pが第1圧縮量P1に達すると、弾性部材67の復元力Fは、荷重F1に達する。弾性部材67を左右方向Yにさらに圧縮しても圧縮量Pが第2圧縮量P2に達するまでの間では、復元力Fは、荷重F1で一定となる。圧縮量Pが第2圧縮量P2を超えると、復元力Fは、再び上昇し始める。弾性部材67の復元力Fは、ツース部材66の変形部84の復元力よりも大きい。このように、弾性部材67は、第2圧縮量P2と第1圧縮量P1との間の所定範囲において一定の復元力Fを発生させることができる。
弾性部材67が皿ばねであれば、その寸法など、例えば、弾性部材67の反り具合(キャンバ)や板厚などを調整ことによって、復元力Fが一定になる荷重F1と、圧縮量Pの第1圧縮量P1および第2圧縮量P2とを調整することができる。本実施形態では、弾性部材67は、皿ばねであるが、弾性部材67は、皿ばね以外の板ばねであってもよいし、それ以外であってもよい。要は、弾性部材67は、弾性変形可能な部材であって、圧縮量Pの所定範囲において一定の復元力Fを発生させるものであればよい。
図6を参照して、弾性部材67の中空部分には、第1移動部材43の第2押圧部52が右側Y1から挿通されている。弾性部材67は、ツース部材66と第1移動部材43の第1押圧部51との間に配置されている。弾性部材67の左端部の内周縁は、第2押圧部52の外周面において平坦面52A以外の部分に沿っている(図5も参照)。弾性部材67の右端部は、ツース部材66の本体部74の左側面に当接している。また、弾性部材67の右端部の一部は、第2歯列75の一部の第2歯82に当接している(図5参照)。
スペーサ68は、例えば、焼結部品であり、左右方向Yに薄い円環状である(図4参照)。スペーサ68は、第1移動部材43の第2押圧部52に対して右側Y1から挿通されている。スペーサ68の内周面は、第2押圧部52の外周面において平坦面52A以外の部分に沿っている(図5参照)。スペーサ68は、第1押圧部51と、弾性部材67との間に配置されている。スペーサ68の左側面は、第1移動部材43の第1押圧部51の第1押圧面54に右側Y1から面接触している。スペーサ68の右側面は、その周方向における全域に亘って弾性部材67の左端部に左側Y2から当接している。
ツース部材66、弾性部材67およびスペーサ68は、回転軸40が挿通された第1移動部材43の第2押圧部52に挿通されているため、チルト調整時には、チルト溝32内でチルト方向Cに移動する。前述したように、チルト調整時には、軸挿通孔35に挿通された回転軸40は、コラムジャケット4とともにチルト方向Cに移動する。そのため、ツース部材66、弾性部材67およびスペーサ68は、コラムジャケット4とともにチルト方向Cに移動する。
図3を参照して、右側Y1のチルトロック機構9は、前述した第2移動部材45と、前述した右側Y1の側板30に設けられたツース係合部65と、ツース部材66と、弾性部材67と、スペーサ68とによって構成される。右側Y1のチルトロック機構9のツース係合部65、スペーサ68、弾性部材67およびツース部材66のそれぞれは、基準面3Dを挟んで反対側に、左側Y2のチルトロック機構9のツース係合部65、ツース部材66、弾性部材67およびスペーサ68を移動させ、左右のみを反転させたものである。右側Y1のチルトロック機構9では、第2移動部材45は、ツース部材66に対する右側Y1の側板30の反対側(右側Y1)に配置されている。
図6を参照して、ステアリング装置1が前述したロック状態にあるときは、図6の状態では、第1歯列71の第1歯72と、第2歯列75の第2歯82とは、チルト方向Cに交互に並んでいる。そのため、第1歯列71と第2歯列75とは、噛み合っている。また、一対のツース部材66は、第1移動部材43、第2移動部材45および回転軸40を介して、ロアージャケット23に固定されており、第1歯列71は、車体2に固定されたアッパーブラケット6に固定されている(図3参照)。そのため、ロアーブラケット5の中心軸5Cを中心としたコラムジャケット4のチルト方向Cへの移動が規制されている(図1参照)。したがって、ロック状態では、ロアージャケット23とアッパーブラケット6の一対の側板30との間の摩擦と、第1歯列71と第2歯列75との噛み合いとによって、アッパージャケット22のチルト方向Cにおける位置がさらに強固にロックされる。このときの第1移動部材43の左右方向Yにおける位置を「ロック位置」と呼ぶ。このように、チルトロック機構9は、歯同士の噛み合いによってコラムジャケット4の位置の保持を強固にするツースロック機構である。
ロック状態では、ツース部材66のばね部77の変形部84は、側板30に押し付けられて左右方向Yに弾性変形しているため、ツース部材66全体は、変形部84の復元力によって弾性部材67に付勢されている。また、弾性部材67は、左右方向Yに圧縮されており、荷重F1の復元力Fを発生させている。
次に、ステアリング装置1をロック状態から解除状態にする際のチルトロック機構9の動作について説明する。以下では、左側Y2のチルトロック機構9の動作を中心に説明する。右側Y1のチルトロック機構9の動作は、左側Y2のチルトロック機構9の各部材の動作の左右を入れ替えたものと同様であるため、その説明を省略する。
以下では、説明の便宜上、図6においてステアリング装置1の解除状態を示した図8も参照する。
操作部材41(図3参照)を操作しステアリング装置1を解除状態にする際、第1移動部材43は、ロック位置から左側Y2に移動する。
第1移動部材43の左側Y2への移動にともない、弾性部材67の左右方向Yにおける圧縮量Pは、徐々に小さくなる。ステアリング装置1が解除状態になる途中で、弾性部材67は、圧縮されていない状態になる。
スペーサ68は、弾性部材67の復元力Fによって左側Y2へ付勢される。そのため、スペーサ68は、第1移動部材43が左側Y2へ移動する間、第1移動部材43の第1押圧面54に当接した状態で、左側Y2へ移動する。
前述したように、ツース部材66のばね部77の変形部84は、左右方向Yに弾性変形しているため、ツース部材66全体は、変形部84の復元力によって左側Y2へ付勢されている。また、変形部84の復元力は、復元力Fと比較して無視できる程度に小さい。そのため、ステアリング装置1がロック状態から解除状態になる途中で弾性部材67が圧縮されていない状態になると、ツース部材66は、変形部84の復元力により、左側Y2へ移動し始める。これに伴い、ツース部材66の第2歯列75も左側Y2へ移動し始める。解除状態では、第2歯列75は、第1歯列71よりも左側Y2へ移動しており、第2歯列75と第1歯列71との噛み合いは、解除されている。このときの第1移動部材43の左右方向Yにおける位置を「解除位置」と呼ぶ。
また、前述したように、解除状態では、アッパーブラケット6の側板30とロアージャケット23の支持部34との間の摩擦力も無くなっている。そのため、解除状態では、のチルト方向Cにおける位置のロックが完全に解除されているので、操舵部材11のチルト調整が可能である。
次に、ステアリング装置1が解除状態からロック状態になる際の左側Y2のチルトロック機構9の動作について説明する。この動作は、ステアリング装置1がロック状態から解除状態になる際の動作を逆にしたものである。なお、前述したように、変形部84の復元力は、弾性部材67の復元力Fと比較して無視できる程度に小さいため、以下では変形部84の復元力については考慮しない。
操作部材41(図3参照)を操作しステアリング装置1をロック状態にする際、前述したように、第1移動部材43は、解除位置から右側Y1に移動する。ツース部材66は、スペーサ68および弾性部材67を介して第1移動部材43の第1押圧部51によって右側Y1へ移動させられる。そのため、図5および図6に示すように、ツース部材66の第2歯列75が右側Y1へ位置し、第1歯列71と第2歯列75とが噛み合い、ツース部材66の本体部74の係合面74Aは、左側Y2の側板30の左側面に当接する。
図9は、第1移動部材43の移動距離と操作部材41の操作力Sとの関係を示したグラフである。
図9を参照して、ツース部材66の第2歯列75が第1歯列71に噛み合うまでの間、操作部材41の操作力Sは、ほとんど上昇しない。
その後、第1移動部材43は、弾性部材67を左右方向Yに圧縮しながら右側Y1へ移動する。第1移動部材43が弾性部材67を圧縮し始めると、弾性部材67の左右方向Yにおける復元力F(図7参照)は、徐々に大きくなるため、弾性部材67から第1移動部材43を介して操作部材41に伝達される力も徐々に大きくなる。そのため、操作部材41を操作するために必要な力、すなわち操作力Sが徐々に大きくなる。解除位置から操作力Sが大きくなり始める位置までの第1移動部材43の移動距離には、符号「D1」を付す。また、解除位置からロック位置までの第1移動部材43の移動距離には、符号「D2」を付す。
前述したように、弾性部材67の圧縮量Pが第1圧縮量P1に達すると、弾性部材67の復元力Fは、荷重F1に達し、一定になる(図7参照)。移動距離D1と移動距離D2との差は、弾性部材67の圧縮量Pの第1圧縮量P1と第2圧縮量P2との差よりも小さい。そのため、弾性部材67の左右方向Yにおける復元力Fは、圧縮量Pが第1圧縮量P1に達する位置と、ロック位置との間で第1移動部材43が右側Y1へ移動する所定範囲において、一定である。復元力Fは、一定の反力として操作部材41に作用する。したがって、第1移動部材43が当該所定範囲で移動する間に操作部材41の操作するための操作力Sは荷重S1で一定に保たれる。
スペーサ68は、弾性部材67の復元力Fによって左側Y2へ付勢される。そのため、スペーサ68は、第1移動部材43が右側Y1へ移動する間、第1移動部材43の第1押圧面54に当接した状態で、右側Y1へ移動する。
次に、使用者がチルト調整した後に、複数の第1歯72と複数の第2歯82とがチルト方向Cに重なった状態で、操作部材41を操作した場合を想定する。
図10は、図5において第2歯列75が第1歯列71に乗り上げた状態を示した図である。図11は、図10においてXI−XI線に沿った断面図である。
図10を参照して、この場合も先程と同様に、スペーサ68および弾性部材67を介して、第1移動部材43がツース部材66を右側Y1へ移動する。
図11を参照して、複数の第1歯72と複数の第2歯82とがチルト方向Cに重なっているため、第2歯列75の係合面74Aと第1歯列71の被係合面70Aとが左右方向Yに当接する。そのため、第1歯列71と第2歯列75とが噛み合わずに、第2歯列75が第1歯列71に乗り上げる、いわゆるハーフロックが発生する。ハーフロックが発生するときのステアリング装置1の状態を「ハーフロック状態」と呼ぶ。ハーフロック状態では、第2歯列75が第1歯列71に乗り上げているので、ツース部材66と第1移動部材43との間は、ハーフロックしない場合よりもツース部材66の本体部74の板厚tだけ狭い。
ハーフロック状態では、ロック状態と同様に、位置調整機構7(図1参照)による摩擦力によって、コラムジャケット4の位置がロックされ、操舵部材11は、チルト調整後の位置でロックされ、チルト方向Cに移動できなくなる。
図3を参照して、このように、位置調整機構7およびチルトロック機構9によって、第1歯列71と第2歯列75とが噛み合うか否かにかかわらず、コラムジャケット4の位置をロックできる。つまり、第1移動部材43および第2移動部材45がチルト溝32内で移動可能な範囲において、無段階にチルト調整することができる。
次に、ステアリング装置1が解除状態からハーフロック状態になる際の左側Y2のチルトロック機構9の動作について説明する。
図9における一点鎖線のグラフに示すように、ハーフロック状態から、第1移動部材43を右側Y1へ移動させると、弾性部材67が圧縮され始める。解除位置からハーフロック状態において弾性部材67が圧縮し始める位置までの第1移動部材43の移動距離には、符号「D3」を付す。
前述したように、ハーフロック状態では、ツース部材と移動部材との間は、ハーフロックしない場合よりもツース部材66の本体部74の板厚tだけ狭い(図11参照)。そのため、移動距離D3は、ハーフロックしない場合において解除位置から操作力Sが大きくなり始める位置までの第1移動部材43の移動距離D1よりも短い。移動距離D1と移動距離D3との差は、ツース部材66の本体部74の板厚tに相当する。
その後、第1移動部材43が弾性部材67を圧縮し始めると、弾性部材67の左右方向Yへの復元力Fは、徐々に大きくなるため、操作部材41の操作力Sが徐々に大きくなる。
前述したように、弾性部材67の圧縮量Pが第1圧縮量P1に達すると、弾性部材67の復元力Fは、荷重F1に達し、一定になる(図7参照)。これにより、操作部材41の操作力Sが荷重S1で一定になる。解除位置からハーフロック状態において操作力Sが一定になるまでの第1移動部材43の移動距離には、符号「D4」を付す。
移動距離D2と移動距離D4との差は、弾性部材67の圧縮量Pの第1圧縮量P1と第2圧縮量P2との差よりも小さい。そのため、弾性部材67の左右方向Yにおける復元力Fは、解除位置から距離D4だけ右側Y1の位置と、ロック位置との間で第1移動部材43が右側Y1へ移動する所定範囲において、一定である。そのため、第1移動部材43が当該所定範囲で移動する間に操作部材41の操作するための操作力Sは荷重S1で一定に保たれる。
ハーフロック状態では、通常よりも早くツース部材66が左側Y2の側板30に接触するので、その分、弾性部材67の圧縮量Pが大きくなる。本実施形態とは異なり、弾性部材67を用いない場合、図9の二点鎖線で示すように、操作力Sが一定にならずに増加し続ける。そのため、図9では図示を省略するが、第1移動部材43がロック位置に達したときには、荷重S1よりも大きな操作力Sが必要となる。
しかし、弾性部材67が発生する復元力Fは荷重F1で一定である。したがって、第1歯列71と第2歯列75とがうまく噛み合うか否かにかかわらず、操作部材41の操作力Sが荷重S1で一定に保たれるので、操作部材41の操作力Sを安定させることができる。
また、通常のロック状態と、ハーフロック状態では、第1移動部材43の移動距離に対する操作力Sの立ち上がり方、および操作力Sの最大値(荷重S1)が等しい。そのため、車両の使用者が操作部材41を操作するときの感覚は、ロック状態とハーフロック状態とでほぼ等しくなる。
また、本実施形態のように、弾性部材67が皿ばねであれば、その寸法等を調整することによって、第1移動部材43が所定範囲で移動する間において一定の復元力Fを発生させることができる。
図12(a)は、弾性部材67とツース部材66との位置関係を模式的に示した図であり、図12(b)は、図12(a)の状態から弾性部材67の位置がずれた状態を示した図である。
また、ツース部材66は、剛体であり、補強用のリブ76を有しているため、剛性が高い。そのため、ツース部材66は、チルト方向Cおよび軸方向Xにおいて、いずれの位置で弾性部材67の復元力Fを受けても撓みにくい。そのため、図12(a)に示すように、左右方向Yから見て、弾性部材67の重心A1と回転軸40の重心A2とが軸方向Xおよびチルト方向Cにおいて重なっている場合であっても、図12(b)に示すように、重心A1と重心A2とが軸方向Xおよびチルト方向Cにおいてずれている場合であってもツース部材66が受ける弾性部材67の復元力Fは、一定である。したがって、ツース部材66の撓みによる反力に起因して操作部材41の操作力Sが変動することを抑制できる。これによっても、操作部材41の操作力Sを安定させることができる。
また、ハーフロック状態では、ツース部材66を撓ませる必要がないため、図12(a)および図12(b)に示すように、弾性部材67の右端部の一部が、第2歯列75の一部に当接していても、操作部材41の操作力Sは、一定に保たれる。
また、弾性部材67の右端部の一部が第2歯列75の一部の第2歯82に当接していてもよいので、弾性部材67の大きさを自由に選択できる。
図1を参照して、車両衝突の際、運転者が操舵部材11に衝突するいわゆる二次衝突が発生する。二次衝突では、エアバッグが開くことまたは運転者がエアバッグに衝突したことによる反力によって、操舵部材11は、軸方向Xおよびチルト方向Cに衝撃を受ける。この場合、位置調整機構7の摩擦力だけでコラムジャケット4の位置を維持するのは困難であり、二次衝突中のエアバッグの位置を適切に保持することは困難である。
しかし、本実施形態のステアリング装置1では、テレスコロック機構8およびチルトロック機構9によって、軸方向Xおよびチルト方向Cにおけるコラムジャケット4の位置が確実に保持されている。したがって、二次衝突中のエアバッグの位置を適切に保持することができる。
また、ハーフロック状態では、前述したように、位置調整機構7の摩擦力だけでコラムジャケット4の位置を保持している。そのため、二次衝突が発生した場合、コラムジャケット4がチルト方向Cに回動しようとする。この場合、コラムジャケット4が第1歯列71および第2歯列75のピッチの半分に相当する量をチルト方向Cに回動すると、第1歯列71の第1歯72と第2歯列75の第2歯82とがチルト方向Cに交互に並ぶようになる。第2歯列75を有するツース部材66は、左右方向Yに圧縮された弾性部材67の復元力Fを受けているため、ツース部材66がアッパーブラケット6側へ移動し、第1歯列71と第2歯列75とが噛み合う。これにより、ハーフロックの場合でも二次衝突時にコラムジャケット4がチルト方向Cに回動することを防止できる。
次に、本発明の変形例について説明する。
図13は、図11に本発明の変形例を適用した図である。
図13を参照して、変形例では、本実施形態の弾性部材67を左右方向Yに反転させた状態で配置している。
詳しくは、変形例の弾性部材67は、左側Y2へ向かうにつれて回転軸40の径方向に広がる略円環状である。回転軸40の周方向に直交する面で切断した弾性部材67の断面は、時計回りに90°傾いたハの字状である。
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態とは異なり、チルトロック機構9は、アッパーブラケット6の右側Y1または左側Y2のいずれか一方に設けられていてもよい。
また、ツース部材66のリブ76は、ツース部材66の本体部74と別体で設けられていてもよい。
また、ツース係合部65(第1歯列71)は、側板30と別体に形成されていてもよい。この場合、各側板30には、本実施形態とは異なり、窪み65Aが形成されておらず、ツース係合部65の保持部70および第1歯列71は、中実である。また、この場合、ツース係合部65は、溶接などによって側板30に対して取り付けられる。
また、ステアリング装置1は、操舵部材11の操舵が補助されないマニュアルタイプのステアリング装置に限らず、電動モータによって操舵部材11の操舵が補助されるコラムアシストタイプの電動パワーステアリング装置(C−EPS)であってもよい。
また、チルトロック機構9は、本実施形態とは異なり、テレスコロック機構を有さないステアリング装置にも適用可能ある。
また、チルトロック機構9は、本実施形態とは異なり、アッパーブラケット6の連結板31(図2参照)と車体2(図1参照)とを連結するカプセル(図示せず)を有するカプセルタイプのステアリング装置1にも適用可能である。
また、リブ76を設けなくてもツース部材66の剛性を確保できるのであれば、リブ76は省略できる。
1…ステアリング装置、2…車体、3…ステアリングシャフト、3A…一端、4…コラムジャケット、6…アッパーブラケット、11…操舵部材、41…操作部材、43…第1移動部材、45…第2移動部材、66…ツース部材、67…弾性部材、71…第1歯列、72…第1歯、74A…係合面、75…第2歯列、76…リブ、82…第2歯、C…チルト方向、F…復元力、X…軸方向、Y…左右方向、Y1…右側、Y2…左側

Claims (4)

  1. 一端に操舵部材が連結されたステアリングシャフトを保持し、前記ステアリングシャフトの軸方向に対して上下に交差するチルト方向における前記操舵部材の位置調整のために前記チルト方向に移動可能なコラムジャケットと、
    前記チルト方向に沿って並ぶ複数の第1歯で構成された第1歯列を有し、車体に固定され、前記コラムジャケットを支持するブラケットと、
    前記位置調整のために操作される操作部材と、
    前記軸方向および前記チルト方向の両方に対する直交方向において前記ブラケットに並んで設けられ、前記コラムジャケットとともに前記チルト方向に移動可能であり、前記直交方向に移動可能な剛体のツース部材と、
    前記ツース部材において前記直交方向で前記第1歯列に対向する面に設けられ、前記チルト方向に沿って並ぶ複数の第2歯で構成され、前記第1歯と前記第2歯とが前記チルト方向に交互に並ぶことで前記第1歯列と噛み合う第2歯列と、
    前記直交方向において前記ツース部材に対する前記ブラケットの反対側に配置され、前記操作部材の操作に応じて前記直交方向に移動可能な移動部材と、
    前記ツース部材と前記移動部材との間に配置され、前記移動部材が前記ブラケット側へ移動する間の所定範囲では、前記直交方向において圧縮されながら一定の復元力を発生する弾性部材とを含むことを特徴とする、ステアリング装置。
  2. 一端に操舵部材が連結されたステアリングシャフトを保持し、前記ステアリングシャフトの軸方向に対して上下に交差するチルト方向における前記操舵部材の位置調整のために前記チルト方向に移動可能なコラムジャケットと、
    前記チルト方向に沿って並ぶ複数の第1歯で構成された第1歯列を有し、車体に固定され、前記コラムジャケットを支持するブラケットと、
    前記位置調整のために操作される操作部材と、
    前記軸方向および前記チルト方向の両方に対する直交方向において前記ブラケットに並んで設けられ、補強用のリブを有し、前記コラムジャケットとともに前記チルト方向に移動可能であり、前記直交方向に移動可能なツース部材と、
    前記ツース部材において前記直交方向で前記第1歯列に対向する面に設けられ、前記チルト方向に沿って並ぶ複数の第2歯で構成され、前記第1歯と前記第2歯とが前記チルト方向に交互に並ぶことで前記第1歯列と噛み合う第2歯列と、
    前記直交方向において前記ツース部材に対する前記ブラケットの反対側に配置され、前記操作部材の操作に応じて前記直交方向に移動可能な移動部材と、
    前記ツース部材と前記移動部材との間に配置され、前記移動部材が前記ブラケット側へ移動する間の所定範囲では、前記直交方向において圧縮されながら一定の復元力を発生する弾性部材とを含むことを特徴とする、ステアリング装置。
  3. 前記第1歯列と前記第2歯列とが噛み合った状態では、前記弾性部材が、前記第2歯列の少なくとも一部に当接していることを特徴とする、請求項1または2記載のステアリング装置。
  4. 前記弾性部材は、皿ばねであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のステアリング装置。
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