JP2016091898A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明によって提供されるリチウムイオン二次電池は、正極活物質層と負極活物質層とが対向し、かつ、負極活物質層が正極活物質層の端部から所定の非対向領域分だけ突出するように構成されている。また、正極活物質層は、負極活物質層の非対向領域の隣接領域と対向する端部に沿って、帯状に配置される領域Aと、領域A以外の領域である領域Bとを備えている。ここで、領域Aには、層状岩塩型のリチウム遷移金属複合酸化物からなる第1の正極活物質が含まれ、領域Bには、層状岩塩型のリチウム遷移金属複合酸化物からなる第2の正極活物質が含まれている。そして、第1の正極活物質の結晶子径は、第2の正極活物質の結晶子径よりも200Å以上500Å以下の範囲で大きい。
【選択図】図3
Description
本発明は、上記の従来の課題を解決すべく創出されたものであり、その目的は、層状岩塩型の結晶構造を有する正極活物質を用いたときに、微小短絡の発生が抑制されて、高い容量維持率を実現し得るリチウムイオン二次電池を提供することである。
本明細書において「リチウムイオン二次電池」とは、電解質として非水系の電解液を用いた繰り返し充放電可能な電池であって、電解質イオン(電荷担体)としてリチウム(Li)イオンを利用し、正負極間においてこのリチウムイオンの移動に伴い充放電が実現される二次電池を包含する。一般にリチウムイオン電池、リチウムポリマー電池等と称される二次電池は、本明細書におけるリチウム二次電池に包含される典型例である。また、本明細書において「活物質」とは、電荷単体となる化学種(リチウムイオン)を可逆的に吸蔵および放出し得る材料をいう。
この図1の例では、正極30および負極40は長尺であり、両者が対向配置されて捲回されることで、捲回型電極体20を構成している。図2は、この捲回型電極体20の構成を説明する図である。図3は、捲回されていない状態の正極30および負極40の構成を説明する断面図である。以下、好適例として、この捲回型電極体20を備えるリチウムイオン二次電池100を例にして、ここに開示される技術について詳細に説明を行う。しかしながら、ここに開示されるリチウムイオン二次電池を、以下の実施形態に限定することを意図したものではない。例えば、正極30および負極40は長尺のものに限定されず、板状の正極30および負極40が複数積層された平板積層型電極体20を構成していても良い。
長尺の正極30は、典型的には、長尺の正極集電体32と、この正極集電体32上に保持された正極活物質層34とを備えている。正極集電体32には、典型的には、正極活物質層34が形成された部位と、正極活物質層34が設けられずに集電体32が露出された正極集電体露出部33とが設けられる。この正極集電体露出部33は、典型的には、長尺の正極集電体32の長手方向に沿う一方の端部に帯状に設けられる。そして、正極活物質層34は、この正極集電体32のうち、正極集電体露出部33を除く表面に帯状に設けられる。正極活物質層34は、正極集電体32の両面に設けられてもよいし、いずれか一方の面にのみ設けられてもよい。
正極集電体32としては、導電性の良好な金属(例えばアルミニウム、ニッケル等)からなる導電性部材が好適である。この正極活物質層34は、少なくとも正極活物質を含み、非水電解液の含浸が可能なように多孔質構造を有している。ここに開示されるリチウムイオン二次電池においては、この正極活物質として、層状岩塩型の結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物を用いるようにしている。
このとき、未対向領域Dに比べて領域Aの割合が少ないと、未対向領域Dによる容量低下の影響を十分に補うことが困難となり得る。したがって、領域Aの幅は、未対向領域Dの幅に比較して同等かそれより広いことが好ましい。厳密に限定されるものではないが、容量低下をより確実に抑制するには、d≦aとすることができ、d<aとすることが好ましい。また、結晶子径のより大きな結晶構造を有する第1の正極活物質は、高い充電状態において結晶構造が安定しているものの、充放電反応性が低下し得る。換言すると抵抗が高まるという背反が生じ得る。したがって、この第1の正極活物質を含む領域Aの割合が多すぎると却って容量低下の影響を招く可能性があり、出力維持率が不必要に抑制され得るために好ましくない。かかる観点から、領域Aの幅は、未対向領域Dの幅の2倍を目安に設定することができる。具体的には、例えば、出力維持率の低下をより確実に抑制するためには、a≦2d(例えばa<2d)とすることが好ましい。
d1≦a1<2×d1 …(2)
d2≦a2<2×d2 …(3)
Li1+δ(NiaCobMnc)MdO2 …(1)
ここで、式(1)中、Mは、層状岩塩型の結晶構造のNi,CoおよびMnを除く遷移金属元素、Ca,Mg,Al,B,およびFからなる群から選択される少なくとも1種の元素である。遷移金属元素については特に制限されず、例えば、元素周期律表の3族から11族に属する各種の遷移金属元素(ただし、Ni,CoおよびMnを除く)を考慮することができる。好ましい元素Mとしては、具体的には、B,F,Mg,Al,Ca,Ti,V,Cr,Fe,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta,Wが挙げられる。これらはいずれか1種を単独で含んでも良いし、2種以上を組み合わせて含んでも良い。
また、a,b,c,dは、それぞれNi,Co,MnおよびMの元素の割合を示す。これらa,b,c,dは相互の元素の割合によりその値が変動し得るが、a+b+c+d=1を満たすように決定される。なお、Ni,CoおよびMnのうち、いずれか1種の元素が含まれる必要があるため、a×b×c≠0である。しかしながら、a,bおよびcのいずれか1つ、または2つは、ゼロであってもよい。
そして第1の正極活物質の(003)結晶子径が第2の正極活物質よりも上記範囲で大きいとの関係を満たすことから、第1の正極活物質の(003)結晶子径は、1000Å以上であることが好ましく、1100Å以上であることがより好ましい。なお、結晶子径が大きすぎると抵抗が高くなるとの背反が見られ得る。かかる観点から、第1の正極活物質の(003)結晶子径は、1600Å以下であることが好ましく、1500Å以下であることがより好ましく、1400Å以下であることがさらに好ましい。
また、同様の理由から、第2の正極活物質の(003)結晶子径は、900Å以上であることが好ましく、1000Å以上であることがより好ましい。また、第2の正極活物質の(003)結晶子径は、1500Å以下であることが好ましく、1400Å以下であることがより好ましく、1300Å以下であることがさらに好ましい。
長尺の負極40は、典型的には、長尺の負極集電体42と、負極集電体42上に形成された負極活物質層44とを備えている。負極集電体42には、負極活物質層44が形成される部位と、負極活物質層44が設けられずに集電体42が露出される負極集電体露出部43とが設定される。この負極集電体露出部43は、典型的には、負極集電体42の幅方向の一方の端部に沿って帯状に設けられる。そして、負極活物質層44は、この負極集電体42のうち、負極集電体露出部43を除く表面に設けられる。負極集電体42としては、導電性の良好な金属(例えば銅、ニッケル等)からなる導電性部材が好適である。この負極活物質層44は、少なくとも負極活物質を備えており、非水電解液の含浸が可能なように多孔質構造を有している。なお、ここに開示される負極活物質層44は、上記のとおり、正極活物質層34の端部から所定の非対向領域Dの分だけ突出するように構成されるが、かかる形態については既に詳細に説明したため、ここでは説明を省略する。
なお、上記リチウムイオン二次電池においては、正極30と負極40との間にセパレータ50を備えていてもよい。セパレータ50は、正極30と負極40とを絶縁するとともに、電荷担体を保持し、この電荷担体の通過性を可能とする構成材料である。このようなセパレータ50は、各種の材料からなる微多孔質樹脂シートにより好適に構成することができる。特に限定されるものではないが、このセパレータ50は、捲回型電極体20が所定の温度となったときに軟化溶融し、電荷担体の通過を遮断すするシャットダウン機能を備えるように構成してもよい。例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)に代表されるポリオレフィン樹脂からなる微多孔質シートは、シャットダウン温度を80℃〜140℃(典型的には110℃〜140℃、例えば120℃〜135℃)の範囲で好適に設定できるためにセパレータ50として好ましい。
セパレータ50の全体の平均厚みは特に限定されないが、通常、10μm以上、典型的には15μm以上、例えば17μm以上とすることができる。また、上限については、40μm以下、典型的には30μm以下、例えば25μm以下とすることができる。平均厚みが上記範囲内にあることで、電荷担体の透過性を良好に保つことができ、かつ、微小な短絡(漏れ電流)がより生じ難くなる。このため、入出力密度と安全性とを高いレベルで両立することができる。
既に簡単に説明したが、正極30、負極40およびセパレータ50を用い、図2に示すような捲回型電極体20を構成することができる。より詳細には、長尺の正極30と長尺の負極40とを計二枚の長尺のセパレータ50を介在させて積層し、長手方向に捲回する。換言すると、長手方向に直交する幅方向を倦回軸W方向として捲回する。これにより、円柱型(円筒型)の捲回型電極体20を得ることができる。なお、図2の例では、得られた捲回型電極体20を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって、扁平形状の捲回型電極体20を構築している。このような捲回型電極体20の形状は、使用する電池ケース10の形状に合わせて適切に成形することができる。
上記の正極30と負極40とは、電荷担体の受入特性の違い等から、容量比を調整することができる。具体的には、正極容量Cc(mAh)と負極容量Ca(mAh)との比(Ca/Cc)を、1.0〜2.0とすることが適切であり、1.5〜1.9(例えば1.7〜1.9)とすることが好ましい。ここで、正極容量Cc(mAh)は、正極活物質の単位質量当たりの理論容量(mAh/g)と該正極活物質の質量(g)との積として規定される。また、負極容量Ca(mAh)は、負極活物質の単位質量当たりの理論容量(mAh/g)と該負極活物質の質量(g)との積として規定される。かかる容量比は、上記の通り、対向する正極活物質層34よりも負極活物質層44が大きくなるよう構成することで好適に調整することができる。これにより、電池容量やエネルギー密度等の電池特性を良好に維持しつつ、全体として正負極間の電荷バランスを整えることができる。
非水電解質としては、典型的には、非水溶媒中に支持塩(例えば、リチウムイオン二次電池ではリチウム塩)を溶解または分散させたものを採用し得る。あるいは、液状の非水電解質にポリマーが添加されてゲル状となった、いわゆる固体電解質としてもよい。
非水溶媒としては、一般的なリチウムイオン二次電池において電解液として用いられるカーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の各種の有機溶媒を特に制限なく用いることができる。例えば、具体的には、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等が挙げられる。このような非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を混合溶媒として用いることができる。
なお、上記で用意した捲回型電極体20および非水電解液を電池ケース10内に収容することで、リチウムイオン二次電池が構築される。
電池ケース10は、例えば、アルミニウムおよびその合金、鉄およびその合金などからなる金属製、ポリアミド等の樹脂製、ラミネートフィルム製等の各種のものを好適に用いることができる。図1の例では、アルミニウム合金製の薄い角型の電池ケース10であって、上面が開放された有底の扁平な箱型形状(典型的には直方体形状)のケース本体(外装ケース)12と、該ケース本体12の開口部を塞ぐ封口体14とを備えている。電池ケース10の上面(すなわち封口体14)には、上記捲回電極体20の正極30と電気的に接続する正極端子60と、捲回電極体20の負極40と電気的に接続する負極端子70とが設けられている。また、封口体14には、典型的には、捲回電極体20が収容されたケース本体12内に非水電解液を注入するための注液口84が形成されている。さらに、封口体14には、従来のリチウムイオン二次電池のケースと同様に、電池異常の際に電池ケース10内部で発生したガスを電池ケース10の外部に排出するための安全弁82が設けられていてもよい。捲回電極体20は、この封口体14に固定した状態でケース本体12内に収容すると、収容位置が安定すると共に、破損等の虞が低減されて好ましい。
[評価用リチウムイオン電池の構築]
[正極]
正極活物質としては、組成が一般式:Li1.14(Ni1/3Co1/3Mn1/3)0.993Zr0.002W0.005O2(NCM、平均粒径4〜8μm、比表面積0.6〜2.0m2/g)で表されるリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物を用いた。このNCMは、活物質の作製条件を調整することにより、結晶構造における(003)結晶子径を、およそ(a)900Å,(b)1000Å,(c)1100Å,(d)1200Å,(e)1300Å,(f)1400Å,(g)1500Åの7通りに変化させたものを用意した。
次いで、このように塗布したスラリーを乾燥(乾燥温度80℃、5分間)させ、正極活物質層の片面当たりの厚みが約25μm、密度が約2.3g/cm3となるよう圧延することで、例1〜49の正極シートを作製した。
負極活物質としては、黒鉛粒子の表面を非晶質炭素で被覆した非晶質炭素被覆黒鉛(C、平均粒径25μm、比表面積2.5m2/g)を用いた。そしてこの非晶質炭素被覆黒鉛と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、質量比が、C:SBR:CMC=98:1:1となるように秤量し、イオン交換水を加えて混練することで、負極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、負極集電体としての厚み10μmの長尺の銅箔の長手方向の一方の端部から幅約98mmの領域に帯状に塗布し、乾燥(乾燥温度100℃、5分間)することにより、負極活物質層を備える負極シートを作製した。この負極シートの長手方向の他方の端部には、負極活物質層の形成されていない集電体露出部が設定されている。なお、負極活物質層の片面当たりの目付量は4.0mg/cm2、密度は約1.1g/cm3、片面当たりの厚みは約35μmとなるよう、スラリーの供給量および圧延条件を調整した。
セパレータとしては、幅が105mmで、総厚みが平均25μmのHRL付きセパレータを用いた。セパレータの基材には、ポリエチレン(PE)の両面をポリプロピレン(PP)で挟んだ形態の3層構造(PP/PE/PP)の長尺の微多孔質シートを用いた。HRLは、アルミナ微粒子,アクリル系バインダ,CMCを含むHRL形成用水溶液を基材に塗布することで形成したものである。
すなわち、一つ目は、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とをEC:DMC:EMC=3:4:3の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPF6を1.0mol/Lの濃度で、また被膜形成剤としてのLiBOBを0.025mol/Lの割合で、溶解させたものを用意した。そして、上記電池ケースの封口体に設けられた注液口から非水電解液を約45mL注入し、例1〜49のリチウムイオン電池を構築した。
[初期容量の測定]
上記のように作製した例1〜49のリチウムイオン電池について、以下の手順で初期容量を測定した。すなわち、まず、25℃の温度条件下、各例の電池に対し、1Cのレートで4.1Vまで定電流(CC)充電した後に5分間休止し、1Cのレートで3.0Vまで定電流(CC)放電した後に5分間休止した。次いで、CCCV充電(4.1V、レート1C、0.1Cカット)を行い10分間休止した後、CCCV放電(3.0V、レート1C,0.1Cカット)を行った。この時の放電容量を測定し、初期容量とした。
[初期出力の測定]
また、以下の手順で初期出力を測定した。すなわち、−10℃の温度条件下、各例の電池を定電流定電圧(CC−CV)充電することによりSOC(充電深度)50%の状態に調整し、一定の出力[W]で3V(カット電圧)まで放電したときに要した時間を測定した。測定は、150W、200W、250Wの出力でそれぞれ放電を行い、各出力で放電したときに測定された時間を横軸に取り、該測定時の出力[W]を縦軸に取って、近似曲線から5秒時の出力[W]を算出し、初期出力とした。
そして、サイクル後の容量を、上記初期容量測定に準じて測定することで、容量維持率を算出した。なお、容量維持率は、初期容量に対する、1000サイクル後の放電容量の割合を、次式:容量維持率(%)=(1000サイクル目の放電容量/初期容量)×100;に基づき算出した。
このようにして求めた容量維持率を表1および表2に示した。また、容量維持率と、領域Aと領域Bに用いた正極活物質の結晶子の大きさの差(ΔLc=LcA−LcB)との関係を、図4に示した。さらに、容量維持率と、領域Aに用いた正極活物質の結晶子径(LcA)との関係を、図5に示した。
このようにして求めた出力維持率を表1および表3に示した。まあ、出力維持率と、正極活物質の結晶子の大きさの差との関係を、図6に示した。
これらの結果からは、容量維持率の観点で、正極活物質層の大部分を占める領域Bには結晶子径が900Åから1500Å程度の活物質を用いるのが良いことがわかる。そして領域Aに結晶子径のより大きな活物質を用いること(すなわち、表2では左上側)で、容量維持率が確実に向上されることがわかる。しかしながらその差が600Å(例1)となると、容量維持率が低下しているようにも見られる。そこで、ΔLcは0より大きく、600Å以下程度を目安とするのが良く200Å以上500Å以下とするのがより好ましいことがわかる。
これらの結果からは、出力維持率の観点で、領域Bには結晶子径が900Åから1500Å程度の活物質を用いるのが良いこと、領域Aには結晶子径が900Åから1400Å程度の活物質を用いるのが良いことがわかった。なお、出力維持率については容量維持率ほど明確な傾向は見られず、おおむね領域Aに結晶子径のより大きな活物質を用いることがよいこと、領域Bには結晶子径が900Åから1100Å程度の活物質を用いるのが良いことが見て取れる。
領域Aの正極活物質として、上記実施形態1で用いた(003)結晶子径が(e)1300Åのリチウム遷移金属複合酸化物を用いた。また、領域Bの正極活物質として、上記実施形態1で用いた(003)結晶子径が(b)1000Åのリチウム遷移金属複合酸化物を用いた。そして、領域A(領域A1=領域A2)の幅:aと、負極活物質層の非対向領域の幅:dとを、下記の表4に示すように変化させた。そして、その他の条件は上記の実施形態1と同様にして、リチウムイオン二次電池を構築した。
また、各例のリチウムイオン二次電池に対し、実施形態1と同様にして、ハイレートサイクル試験後の容量維持率と出力維持率を算出し、併せて表4に示した。
12 ケース本体
14 封口体
20 捲回型電極体
30 正極
32 正極集電体
33 正極集電体露出部
34 正極活物質層
40 負極
42 負極集電体
43 負極集電体露出部
44 負極活物質層
50 セパレータ
60 正極端子
70 負極端子
80 電流遮断機構(CID)
82 安全弁
84 注液口
100 リチウムイオン二次電池
Claims (7)
- 正極活物質層を備える正極と、負極活物質層を備える負極と、非水電解質とを含み、
前記正極と前記負極とは、前記正極活物質層と前記負極活物質層とが対向し、かつ、前記負極活物質層が前記正極活物質層の端部から所定の非対向領域分だけ突出するように構成されており、
前記正極活物質層は、前記負極活物質層の非対向領域の隣接領域と対向する端部に沿って、帯状に配置される領域Aと、前記領域A以外の領域である領域Bとを備えており、
前記領域Aには、層状岩塩型のリチウム遷移金属複合酸化物からなる第1の正極活物質が含まれ、前記領域Bには、層状岩塩型のリチウム遷移金属複合酸化物からなる第2の正極活物質が含まれ、
前記第1の正極活物質の結晶子径は、前記第2の正極活物質の結晶子径よりも200Å以上500Å以下の範囲で大きい、リチウムイオン二次電池。 - 前記層状岩塩型のリチウム遷移金属複合酸化物は、一般式(1):
Li1+δ(NiaCobMnc)MdO2 …(1)
(ただし、式中、Mは、Ni,Co,Mnを除く遷移金属元素、Ca,Mg,Al,B,およびFからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、δは、−0.05≦δ≦0.2で電荷中性条件を満たすように定まる値であり、a,b,c,dは、a×b×c≠0かつa+b+c+d=1を満たす);
で表され、
前記第1の正極活物質の(003)結晶子径は、前記第2の正極活物質の(003)結晶子径よりも200Å以上500Å以下の範囲で大きい、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。 - 前記第1の正極活物質の(003)結晶子径は、1100Å以上1500Å以下である、請求項2に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記第2の正極活物質の(003)結晶子径は、900Å以上1400Å以下である、請求項2または3に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記正極は、長尺の正極集電体の長手方向に沿う一方の端部に正極集電体露出部が設けられ、前記正極集電体露出部以外の部分に前記正極活物質層が備えられており、
前記負極は、長尺の負極集電体の長手方向に沿う一方の端部に負極集電体露出部が設けられ、前記負極電体露出部以外の部分に前記負極活物質層が備えられており、
前記正極集電体露出部と、前記負極集電体露出部とは、前記長手方向に直交する幅方向の一方の端部と他方の端部とにそれぞれ突出するように配置され、前記幅方向を捲回軸として捲回された捲回型電極体を構成しており、
前記領域Aは、前記正極集電体露出部に隣接する前記正極活物質層の端部に沿う帯状の領域A1と、該領域A1とは前記幅方向で反対側の端部に沿う帯状の領域A2とからなり、
前記領域Bは、前記領域A1と領域A2とに挟まれた中央の領域である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。 - 前記正極活物質層における前記領域A1の幅をa1、前記領域A2の幅をa2とし、
前記負極活物質層であって、正極活物質層の前記領域A1より突出した非対向第1領域の幅をd1、正極活物質層の前記領域A2より突出した非対向第2領域の幅をd2としたとき、a1,a2,d1およびd2は、次式(2)および(3):
d1<a1≦2×d1 …(2);
d2<a2≦2×d2 …(3);
を満たす、請求項1〜5のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。 - 前記負極活物質は、炭素系材料からなる、請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
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