JP2020174003A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】マンガンを含む正極活物質を用いながらも、負極活物質層の端部におけるリチウムデンドライトの生成の抑制された非水電解質二次電池を提供する。【解決手段】ここに開示される非水電解質二次電池は、正極活物質層を有する正極と、負極活物質層を有する負極と、非水電解質とを備える。正極活物質層は負極活物質層と対向している。負極活物質層の面積は正極活物質層の主面の面積よりも大きい。負極活物質層は、正極活物質層と対向する領域と、正極活物質層の端部から突出して正極活物質層と対向していない領域とを有する。正極活物質層は、端部に位置し、かつ負極活物質層の正極活物質層と対向していない領域の隣接領域に対向している領域Aと、領域A以外の領域である領域Bとを含む。正極活物質層はリチウム遷移金属複合酸化物である正極活物質を含有する。領域Aに含有される正極活物質はMnを含まず、領域Bに含有される正極活物質はMnを含む。【選択図】図3

Description

本発明は、非水電解質二次電池に関する。
近年、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池は、パソコン、携帯端末等のポータブル電源や、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両駆動用電源などに好適に用いられている。
非水電解質二次電池の典型的な構成においては、正極および負極がそれぞれ活物質層を備え、これらの活物質層が互いに対向している。正極活物質層は、正極活物質として、リチウム遷移金属複合酸化物を含有する。正極活物質としては、熱安定性およびコストの観点から、マンガンを含むものが好適に用いられている。このような非水電解質二次電池においては、正極活物質層から放出されたリチウムイオンを負極活物質層が完全に吸蔵できない場合には、リチウムデンドライトが生成することが知られている。リチウムデンドライトの生成は微小短絡を招き得るため、負極活物質層のリチウムイオンの受入容量を十分に確保するべく、負極活物質層の寸法が、正極活物質の寸法よりも大きくなるように設定される(例えば、特許文献1参照)。
上記の構成では、負極活物質層の端部には、正極活物質層と対向しない非対向領域が形成される。この負極活物質層の非対向領域に充電されたリチウムイオンは、その後の充放電反応に関与し難いため、非対向領域に残留するようになる。充放電を繰り返すと、正極活物質層の端部領域では、中央領域に比較してリチウムイオンが抜けた状態が生じ易くなる。このため、局所的に高電位の領域が生成して、正極活物質からの遷移金属(特にマンガン)の溶出が起って負極活物質層上に析出する。その結果、負極活物質層の端部では、析出した遷移金属(特にマンガン)によってリチウムデンドライトの生成が促進されるという問題がある。
この問題を解消するために、特許文献1では、マンガンを含む正極活物質を用いつつ、正極活物質層の端部領域に含まれる正極活物質の結晶子径を、それ以外の領域に含まれる正極活物質の結晶子径よりも200〜500オングストローム大きくしている。
特開2016−091898号公報
しかしながら、本発明者らが鋭意検討した結果、特許文献1の記載の技術では、遷移金属であるマンガンの溶出を完全に防ぐことが困難であり、負極活物質層の端部におけるリチウムデンドライトの生成の抑制について、改善の余地があることがわかった。
かかる事情に鑑み、本発明は、マンガン(Mn)を含む正極活物質を用いながらも、負極活物質層の端部におけるリチウムデンドライトの生成の抑制された非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
ここに開示される非水電解質二次電池は、正極活物質層を有する正極と、負極活物質層を有する負極と、非水電解質と、を備える。前記正極活物質層は、前記負極活物質層と対向している。前記負極活物質層の主面の面積は、前記正極活物質層の主面の面積よりも大きい。前記負極活物質層は、前記正極活物質層と対向する領域と、前記正極活物質層の端部から突出して前記正極活物質層と対向していない領域と、を有する。前記正極活物質層は、端部に位置し、かつ前記負極活物質層の前記正極活物質層と対向していない領域の隣接領域に対向している領域Aと、前記領域A以外の領域である領域Bと、を含む。前記正極活物質層は、リチウム遷移金属複合酸化物である正極活物質を含有する。前記領域Aに含有される前記正極活物質は、Mnを含まず、前記領域Bに含有される前記正極活物質は、Mnを含む。
このような構成によれば、マンガンを含む正極活物質を用いながらも、負極活物質層の端部におけるリチウムデンドライトの生成の抑制された非水電解質二次電池が提供される。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の内部構造を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の捲回電極体の構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の正極と負極の積層方向における位置関係を示す模式図である。 実施例および比較例における負極端部でのリチウム析出耐性の評価結果を示すグラフである。
以下、本発明による実施の形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けない非水電解質二次電池の一般的な構成および製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイス一般をいい、いわゆる蓄電池ならびに電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する用語である。
以下、扁平角型のリチウムイオン二次電池を例にして、本発明について詳細に説明するが、本発明をかかる実施形態に記載されたものに限定することを意図したものではない。
図1に示すリチウムイオン二次電池100は、扁平形状の捲回電極体20と非水電解質80とが扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)30に収容されることにより構築される密閉型電池である。電池ケース30には外部接続用の正極端子42および負極端子44と、電池ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁36とが設けられている。また、電池ケース30には、非水電解質80を注入するための注入口(図示せず)が設けられている。正極端子42は、正極集電板42aと電気的に接続されている。負極端子44は、負極集電板44aと電気的に接続されている。電池ケース30の材質としては、例えば、アルミニウム等の軽量で熱伝導性の良い金属材料が用いられる。
捲回電極体20は、図1および図2に示すように、長尺状の正極集電体52の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って正極活物質層54が形成された正極シート50と、長尺状の負極集電体62の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って負極活物質層64が形成された負極シート60とが、2枚の長尺状のセパレータシート70を介して重ね合わされて長手方向に捲回された形態を有する。なお、捲回電極体20の捲回軸方向(即ち、上記長手方向に直交するシート幅方向)の両端から外方にはみ出すように形成された正極活物質層非形成部分52a(即ち、正極活物質層54が形成されずに正極集電体52が露出した部分)と負極活物質層非形成部分62a(即ち、負極活物質層64が形成されずに負極集電体62が露出した部分)には、それぞれ正極集電板42aおよび負極集電板44aが接合されている。
負極活物質層64の寸法は、正極活物質層54の寸法よりも大きく設定されている。よって、負極活物質層64の主面の面積は、正極活物質層54の主面の面積よりも大きくなっている。また、セパレータの主面の面積は、負極活物質層64の主面の面積よりも大きくなっている。そのため、図2に示されるように、正極活物質層54の幅<負極活物質層64の幅<セパレータ70の幅の関係を有する。なお、活物質層の主面とは、活物質層を形成する面のうち、最も面積が大きい面のことをいう。セパレータの主面についても同様である。
正極シート50を構成する正極集電体52としては、例えばアルミニウム箔等が挙げられる。
負極シート60を構成する負極集電体62としては、例えば銅箔等が挙げられる。
図3は、チウムイオン二次電池100の正極50と負極60の積層方向における位置関係を模式的に示したものであり、セパレータ70の図示は省略している。図面の左右方向が、正極50および負極60の幅方向である。
図3に示すように、正極活物質層54は、負極活物質層64と対向している。
負極活物質層64は、正極活物質層54と対向する領域64Aと、正極活物質層54の端部から突出して正極活物質層54と対向していない領域64Bと、を有している。
本実施形態においては、正極活物質層54は、2つの領域を有する。すなわち、一つは、正極活物質層54の端部に位置し、かつ負極活物質層64の(正極活物質層54と対向していない)領域64Bの隣接領域に対向している領域54A(以下、「端部領域54A」ともいう)である。もう一つは、領域54A以外の領域である領域54B(以下、「端部外領域54B」ともいう)である。
正極活物質層54は、リチウム遷移金属複合酸化物である正極活物質を含有する。
ここで、端部外領域54Bに含有される正極活物質は、マンガン(Mn)を含む。Mnを含むリチウム遷移金属複合酸化物の例としては、リチウムマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物等が挙げられる。なお、本明細書において「リチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物」とは、Li、Ni、Co、Mn、Oを構成元素とする酸化物の他に、それら以外の1種または2種以上の添加的な元素を含んだ酸化物をも包含する用語である。かかる添加的な元素の例としては、Mg、Ca、Al、Ti、V、Cr、Si、Y、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Na、Fe、Zn、Sn等の遷移金属元素や典型金属元素等が挙げられる。また、添加的な元素は、B、C、Si、P等の半金属元素や、S、F、Cl、Br、I等の非金属元素であってもよい。このことは、他のリチウム遷移金属複合酸化物についても同様である。
端部外領域54Bに含有される正極活物質は、端部領域54Aに含有される正極活物質よりも熱安定性が高いことが好ましい。そこで、Mnを含むリチウム遷移金属複合酸化物として好ましくは、リチウムマンガン系複合酸化物およびリチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物であり、より好ましくは下式(I)で表される組成を有するリチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物である。
Li1+xNiCoMn(1−y−z)α2−ββ (I)
式(I)中、x、y、z、α、およびβは、0≦x≦0.7、0.1<y<0.9、0.1<z<0.4、0≦α≦0.1、0≦β≦0.5を満たす。Mは、Zr、Mo、W、Mg、Ca、Na、Fe、Cr、Zn、Si、Sn、およびAlからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素である。Qは、F、ClおよびBrからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素である。エネルギー密度および熱安定性の観点から、yおよびzはそれぞれ、0.3≦y≦0.5、0.20≦z<0.4を満たすことが好ましい。また、α=0が好ましい。
端部領域54Aに含有される正極活物質は、Mnを含まない。Mnを含まないリチウム遷移金属複合酸化物の例としては、リチウムニッケル系複合酸化物、リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムニッケルコバルトアルミニウム系複合酸化物等が挙げられる。端部領域54Aに含有される正極活物質は、端部外領域54Bに含有される正極活物質よりも高容量であることが好ましい。そこで、端部領域54Aに含有される正極活物質としては、NiおよびCoの少なくとも一方を含有するものが好ましく、リチウムコバルト系複合酸化物、およびリチウムニッケルコバルトアルミニウム系複合酸化物がより好ましく、下記式(II)で表される組成を有するリチウムニッケルコバルトアルミニウム系複合酸化物がさらに好ましい。
Li1+aNi(1−b−c)CoAl (II)
式(II)中、a、b、およびcは、−0.05≦a≦0.15、0.01≦b≦0.3、0.01≦c≦0.2を満たす。
正極活物質層54は、正極活物質以外の任意成分を含んでいてもよい。任意成分の例としては、導電材やバインダ等が挙げられる。
導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやその他(例、グラファイト等)の炭素材料を好適に使用し得る。
バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を使用し得る。
正極活物質層54の各成分の含有量は、公知技術と同様であってよい。
負極活物質層64は、負極活物質を含有する。負極活物質としては、例えば黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料を使用し得る。
負極活物質層64は、負極活物質以外の成分、例えばバインダや増粘剤等を含み得る。 バインダとしては、例えばスチレンブタジエンラバー(SBR)等を使用し得る。
増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等を使用し得る。
負極活物質層64の各成分の含有量は、公知技術と同様であってよい。
正極活物質層54の主面において端部領域54Aの面積は、主面の全面積(端部領域54Aの面積および端部外領域54Bの面積の合計)の2%以上20%以下であることが好ましく、4%以上10%以下であることがより好ましい。
あるいは。正極活物質層54の端部領域54Aの幅方向に沿った寸法は、正極活物質層54の幅方向の寸法の2%以上20%以下であることが好ましく、4%以上10%以下であることがより好ましい。
以上のように、正極活物質層54の端部外領域54Bに、Mnを含む正極活物質を含有させる一方で、端部領域54Aに、Mnを含まない正極活物質を含有させることにより、端部領域54Aにおいて、Mnの溶出が起こらなくなる。したがって、Mn溶出に起因するリチウムデンドライトの生成を抑制することができる。
また、Mnを含まない正極活物質は、一般に、容量が大きいが熱安定性が比較的低い。しかしながら、正極活物質層54の端部は、熱放出性が良いため、この欠点を補うことができる。この欠点を高いレベルで補う観点からは、正極活物質層54において端部領域54Aの幅(または面積)は、負極活物質層64の(正極活物質層54と対向していない)領域64Bの幅(または面積)の2倍以下であることが好ましい。
以上によれば、Mnの溶出によるリチウムデンドライトの生成を抑制することができる。ただし、正極活物質層54の端部領域54Aに含有される正極活物質としてコバルト(Co)を含有する場合には、Co溶出に起因するリチウムデンドライトの生成が起こり得る。したがって、Co溶出に起因するリチウムデンドライトの生成は、Mnの溶出によるリチウムデンドライトの生成よりも起こり難いものの、リチウムデンドライトのさらなる生成抑制のためには、このCo溶出に起因するリチウムデンドライトの生成を抑制することが好ましい。
そこで、正極活物質層54の端部領域54Aに含有される正極活物質がコバルトを含む場合には、負極活物質層64は、少なくとも正極活物質層54の端部領域54Aに対向する領域の表面に、遷移金属酸化物(特に、酸化コバルト(CoO))の被覆66を有することが好ましい。このとき、遷移金属酸化物が負極活物質として高容量であるため、活物質への多量のリチウムイオンの挿入に対してバッファとなることができ、Co溶出に起因するリチウムデンドライトの生成を抑制することができる。
遷移金属酸化物の被覆66の厚さには、特に制限はないが、好ましくは50nm以上300nm以下であり、より好ましくは80nm以上150nm以下であり、最も好ましくは90nm以上120nm以下である。
遷移金属酸化物の被覆66の幅(または面積)は、被覆66が、負極活物質層64の、正極活物質層54の端部領域54Aに対向する領域の表面を覆っている限り特に制限はないが、リチウムデンドライト生成の抑制効果が特に高いことから、その隣接領域(領域64Bとその反対側の領域)も覆うことが好ましく、正極活物質層54の端部領域54Aの幅(または面積)の2倍以上であることが好ましい。
なお、遷移金属酸化物の被覆66は、例えば、蒸着等によって設けることができる。
セパレータシート70としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂から成る多孔性シート(フィルム)が挙げられる。かかる多孔性シートは、単層構造であってもよく、二層以上の積層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。セパレータシート70の表面には、耐熱層(HRL)が設けられていてもよい。
非水電解質80は、典型的には非水溶媒および支持塩を含有する。
非水溶媒としては、一般的なリチウムイオン二次電池の電解液に用いられる各種のカーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の有機溶媒を、特に限定なく用いることができる。なかでも、カーボネート類が好ましく、その具体例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F−DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)等が挙げられる。非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO等のリチウム塩(好ましくはLiPF)を好適に用いることができる。支持塩の濃度は、0.7mol/L以上1.3mol/L以下が好ましい。
なお、上記非水電解質80は、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、例えば、ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等のガス発生剤;ホウ素原子および/またはリン原子を含むオキサラト錯体化合物、ビニレンカーボネート(VC)等の被膜形成剤;分散剤;増粘剤等の各種添加剤を含み得る。
以上のようにして構成されるリチウムイオン二次電池100は、各種用途に利用可能である。好適な用途としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。リチウムイオン二次電池100は、典型的には複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態でも使用され得る。
なお、一例として扁平形状の捲回電極体20を備える角形のリチウムイオン二次電池100について説明した。しかしながら、リチウムイオン二次電池は、積層型電極体を備えるリチウムイオン二次電池として構成することもできる。また、リチウムイオン二次電池は、円筒形リチウムイオン二次電池、ラミネート型リチウムイオン二次電池等として構成することもできる。また、ここに開示される技術は、リチウムイオン二次電池以外の非水電解質二次電池にも適用可能である。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<実施例1>
正極活物質AとしてLiNi0.8Co0.15Al0.05と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、正極活物質A:AB:PVdF=87:10:3の質量比でN−メチルピロリドン(NMP)と混合し、正極活物質層形成用スラリーAを調製した。
正極活物質BとしてLiNi1/3Co1/3Mn1/3と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、正極活物質B:AB:PVdF=87:10:3の質量比でN−メチルピロリドン(NMP)と混合し、正極活物質層形成用スラリーBを調製した。
正極活物質層形成用スラリーAおよび正極活物質層形成用スラリーBを、アルミニウム箔に塗布した。このとき、正極活物質層形成用スラリーBの両端部に隣接するように、正極活物質層形成用スラリーAを塗布した。塗工面積の比は、スラリーA:スラリーB=1:24とした。これを乾燥して正極活物質層を形成し、ロールプレスすることにより、正極シートを作製した。
なお、この正極シートにおいて、正極活物質層の幅方向の両端部には、正極活物質Aが含まれており、それ以外(中央部)には、正極活物質Bが含まれている。
負極活物質としての天然黒鉛(C)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、C:SBR:CMC=98:1:1の質量比でイオン交換水と混合して、負極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、銅箔に、正極活物質層よりもやや広い幅で塗布した。このとき、負極活物質層において正極活物質層の端部より突出する部分の幅方向の寸法に対する、正極活物質層の端部の正極活物質Aが含まれる部分の幅方向の寸法の比が、1.7となるようにした(すなわち、活物質層Aを含む一方の端部領域の幅方向の寸法/負極活物質層の正極活物質層と対向していない領域の幅方向の寸法の比=1.7)。その後、乾燥して負極活物質層を形成し、ロールプレスすることにより、負極シートを作製した。
セパレータシートとして、PP/PE/PPの三層構造の多孔質ポリオレフィンシートを用意した。
作製した正極シートと負極シートとを、セパレータシートを介して対向させて電極体を作製した。
作製した電極体に集電体を取り付け、これを非水電解質と共にラミネートケースに収容した。ラミネートケースを封止することにより、評価用リチウムイオン二次電池を得た。なお、非水電解質には、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)とをEC:EMC:DMC=3:4:3の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを1.1mol/Lの濃度で溶解させたものを用いた。
<実施例2>
負極シートの負極活物質層のうち、正極活物質層の幅方向の両端部(正極活物質Aを含有している領域)と対向する領域の表面に、蒸着によって酸化コバルト(CoO)の被覆を形成した以外は、実施例1と同様にして評価リチウムイオン二次電池を作製した。
<比較例1>
正極活物質層形成用スラリーBのみを用いて、実施例1と同じ幅の正極活物質層を有する正極シートを作製した(よって、比較例1では、正極活物質層の全領域が正極活物質Bを含有する)。この正極シートを用いた以外は、実施例1と同様にして評価リチウムイオン二次電池を作製した。
<充放電サイクル試験>
上記作製した各評価用リチウムイオン二次電池に対し、25℃の温度環境下にて、電流値30C、50秒のパルス充放電(パルス間の休止時間3分)を繰り返した。所定のサイクル数ごとに負極端部の状態を確認し、負極端部にリチウム析出が生じるサイクル数を求めた。結果を図4に示す。
図4において、実施例1および比較例1の比較より、正極活物質層の端部領域にMnを含まない正極活物質を含有させ、かつ端部外領域にMnを含む正極活物質を含有させることにより、負極端部においてリチウムが析出し難くなっていることがわかる。
また、実施例2の結果より、負極活物質層の、正極活物質層の幅方向の両端部に対向する領域の表面に、遷移金属酸化物である酸化コバルトの被覆を形成することにより、さらにリチウムが析出し難くなることがわかる。
以上のことから、ここに開示される非水電解質二次電池によれば、マンガンを含む正極活物質を用いながらも、負極活物質層の端部におけるリチウムデンドライトの生成が抑制されていることがわかる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
20 捲回電極体
30 電池ケース
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極シート(正極)
52 正極集電体
52a 正極活物質層非形成部分
54 正極活物質層
60 負極シート(負極)
62 負極集電体
62a 負極活物質層非形成部分
64 負極活物質層
66 遷移金属酸化物の被覆
70 セパレータシート(セパレータ)
80 非水電解質
100 リチウムイオン二次電池

Claims (1)

  1. 正極活物質層を有する正極と、
    負極活物質層を有する負極と、
    非水電解質と、
    を備える非水電解質二次電池であって、
    前記正極活物質層は、前記負極活物質層と対向しており、
    前記負極活物質層の主面の面積は、前記正極活物質層の主面の面積よりも大きく、
    前記負極活物質層は、前記正極活物質層と対向する領域と、前記正極活物質層の端部から突出して前記正極活物質層と対向していない領域と、を有し、
    前記正極活物質層は、端部に位置し、かつ前記負極活物質層の前記正極活物質層と対向していない領域の隣接領域に対向している領域Aと、前記領域A以外の領域である領域Bと、を含み、
    前記正極活物質層は、リチウム遷移金属複合酸化物である正極活物質を含有し、
    前記領域Aに含有される前記正極活物質は、Mnを含まず、
    前記領域Bに含有される前記正極活物質は、Mnを含む、
    非水電解質二次電池。
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