JP2016082660A - 車上装置及び走行情報補正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】滑走空転の発生が検知された場合に走行情報を補正する際の補正開始タイミングの精度を向上させること。【解決手段】滑走空転検知部162が滑走空転の発生を検知した場合、補正開始タイミング判定部170が補正開始タイミングを判定する。すなわち、滑走空転の発生を検知したタイミングから遡って直近で、速発系加加速度と慣性系加加速度との差である加加速度差が所定条件を満たしたタイミングを補正開始タイミングとして、蓄積データ320から判定する。補正開始タイミングを判定した後、位置補正部180が、補正開始タイミング以降の走行情報を補正する。【選択図】図1

Description

本発明は、列車の走行位置や走行速度を算出する車上装置等に関する。
車上で列車の走行位置を算出する方法として、列車の輪軸や車軸付近に取り付けられた速度発電機による計測値から算出した走行速度をもとに走行距離を算出して、現在の列車の走行位置を算出する方法が一般的に知られている。算出される走行位置の誤差は、絶対位置が定められた地上子近傍の通過を検知することで補正される。地上子近傍の通過は、地上子との間の近距離伝送が可能となることで検知される。
走行位置の算出誤差が生じる理由の1つに、車輪の滑走又は空転(以下包括して「滑走空転」という)が挙げられる。速度発電機の計測値は粘着走行を前提としているからである。そのため、滑走空転の発生を検知した場合には、算出している走行速度や走行位置(以下包括して「走行情報」という)を補正する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−205248号公報
しかしながら、従来の滑走空転の発生検知は、走行速度や走行加速度に基づくため、線路勾配による重力加速度の影響を受ける。すなわち、勾配区間の走行中は、滑走空転が生じていない粘着走行時であっても、線路勾配による重力加速度が走行速度や走行加速度に影響する。そのため、走行線区の最大勾配を走行中の重力加速度を考慮して、滑走空転の発生を検知するための閾値を、幅を持たせた設定とする必要があった。
閾値を大きくすることは、勾配変化に伴う滑走空転の過剰検知を確実に防止できる一方、滑走空転が進展してはじめて検知できるため、実際の滑走空転の発生タイミングから遅れて検知することにつながっていた。よって、走行情報を補正する際に、実際の滑走空転の発生タイミングから遅れた検知タイミングを補正開始タイミングとしていたため、走行情報を正確に補正できない場合があった。例えば、実際の滑走空転の発生から、補正開始タイミングまでの間に時間的な幅があり、これに伴う速度誤差や車両姿勢角の誤差は走行位置の誤差となり得た。加えて、勾配走行時の滑走空転においては、加速度センサの値に重力加速度の成分が含まれるため、加速度センサの値をそのまま利用することができなかった。
本発明は上述した課題に鑑みて考案されたものであり、その目的とするところは、滑走空転の発生が検知された場合に走行情報を補正する際の補正開始タイミングの精度を向上させることである。
以上の課題を解決するための第1の発明は、
列車の走行位置及び/又は走行速度(以下包括して「走行情報」という)を算出する走行情報算出手段と、回転検知装置から出力される前記列車の車軸又は車輪の回転速度に応じた回転検知信号と慣性センサのセンサ値とに基づいて滑走又は空転(以下包括して「滑走空転」という)の発生を検知する滑走空転検知手段とを備え、滑走空転の発生が検知された場合に前記走行情報を補正する車上装置であって、
前記滑走空転検知手段による滑走空転の検知タイミングから遡って直近で、前記回転検知信号に基づく第1の加加速度と、前記センサ値に基づく列車進行方向の第2の加加速度との差が所定条件を満たしたタイミングを補正開始タイミングとして判定する補正開始タイミング判定手段、
を更に備え、前記補正開始タイミングに基づいて前記補正を実行する車上装置である。
また、他の発明として、
列車の走行位置及び/又は走行速度(以下包括して「走行情報」という)を算出する走行情報算出手段を備えた車上装置が、回転検知装置から出力される前記列車の車軸又は車輪の回転速度に応じた回転検知信号と慣性センサのセンサ値とに基づいて滑走又は空転(以下包括して「滑走空転」という)の発生を検知して、滑走空転の発生が検知された場合に前記走行情報を補正するための走行情報補正方法であって、
前記滑走空転の発生の検知タイミングから遡って直近で、前記回転検知信号に基づく第1の加加速度と、前記センサ値に基づく列車進行方向の第2の加加速度との差が所定条件を満たしたタイミングを補正開始タイミングとして判定することと、
前記補正開始タイミングに基づいて前記補正を実行することと、
を含む走行情報補正方法を構成することとしてもよい。
この第1の発明等によれば、滑走空転の発生の検知タイミングから遡って直近で、回転検知装置の回転検知信号に基づく第1の加加速度と、慣性センサのセンサ値に基づく列車進行方向の第2の加加速度との差に基づいて、滑走空転期間の開始点に相当する或いは開始点に極めて近いタイミングである補正開始タイミングが判定される。列車の走行線区に勾配区間が含まれている場合であっても、鉄道線路の設計仕様上、線路勾配が急激に変化することはない。そのため、補正開始タイミングの判定に加加速度を用い、更に、第1の加加速度と第2の加加速度との差を用いることで、重力加速度の影響をできる限り排除し、補正開始タイミングの判定精度を向上させることができる。
また、第2の発明として、第1の発明において、
前記補正開始タイミング判定手段は、前記第1の加加速度と前記第2の加加速度との差が、所定の閾値条件を満たした状態が所定時間継続したことを前記所定条件として、前記補正開始タイミングを判定する、
車上装置を構成することとしてよい。
この第2の発明によれば、補正開始タイミングの判定の正確性を向上させることができる。
また、第3の発明として、第1又は第2の発明において、
前記滑走空転検知手段は、前記第1の加加速度と前記第2の加加速度との差を用いて滑走空転の発生を検知する、
車上装置を構成することとしてもよい。
この第3の発明によれば、第1の加加速度と第2の加加速度との差を用いて滑走空転の発生を検知できるため、滑走空転の発生検知の精度を向上させることができる。
車上装置の内部構成を示すブロック図。 慣性センサの座標系を説明するための図。 蓄積データのデータ構成を説明するための図。 滑走空転検知閾値について説明するための図。 滑走時の加速度差及び加加速度差の概略波形を示す図。 走行情報算出処理の流れを示すフローチャート。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。但し、本発明の適用可能な実施形態が以下の実施形態に限定されるものではない。
[構成]
図1は、本実施形態の車上装置10の内部構成を示すブロック図である。この車上装置10は、列車に搭載される装置であり、演算処理部100と、角速度センサ(ジャイロセンサ)210及び加速度センサ220を有する慣性センサ200と、記憶部300と、操作部400と、出力部500とを備えて構成される。車上装置10は、回転検知装置である速度発電機50から入力される回転検知信号に基づいて、列車の走行位置及び/又は走行速度(以下包括して「走行情報」という)を随時算出する。また、車上装置10は、速度発電機50から入力される回転検知信号と、慣性センサ200のセンサ値とに基づいて滑走又は空転(以下包括して「滑走空転」という)の発生を検知し、走行情報を補正する。このとき、回転検知信号に基づく加加速度(第1の加加速度)と、センサ値に基づく加加速度(第2の加加速度)との差を用いて、滑走空転期間の開始点に相当する或いは開始点に極めて近いタイミングである補正開始タイミングを判定し、補正開始タイミングを補正開始点として走行情報の補正を実行する。
本実施形態では、加速度及び加加速度には2種類ある。速度発電機50の回転検知信号に基づくものと、慣性センサ200のセンサ値に基づくものである。速度発電機50の回転検知信号に基づく値を「速発系」と称し、慣性センサ200のセンサ値に基づく値を「慣性系」と称して説明する。例えば、回転検知信号に基づく加速度を速発系加速度という。
速度発電機50は、列車の車軸又は車輪の回転を検出して回転に応じた検知信号を出力する装置であり、例えばパルスジェネレータ等を利用することができる。速度発電機50の回転検知信号に基づく速度は、計測された時刻と対応づけて速発系速度Vとして蓄積データ320に蓄積記憶される(図3参照)。
慣性センサ200は、角速度センサ210及び加速度センサ220を含む。図2は、慣性センサ200の座標系を説明するための図である。
角速度センサ210は、当該センサに対応付けられた三次元直交座標系であるセンサ座標系の各軸回りの速度である角速度(θ,φ,γ)を計測する。
加速度センサ220は、当該センサに対応付けられた三次元直交座標系であるセンサ座標系における慣性系加速度A(Ax,Ay,Az)を計測する。
角速度センサ210におけるセンサ座標系と、加速度センサ220におけるセンサ座標系との座標軸は同一に設定されている。センサ座標系は、図2に示すように、Xs軸が列車の左右方向に一致し、Ys軸が列車の前後方向に一致し、Zs軸が列車の上下方向に一致するように定められている。Ys軸の正方向が列車の進行方向となる。
演算処理部100は、例えば、CPUやDSP、ASIC、FPGA等の演算装置の他、各種電子回路を用いて構成され、記憶部300に記憶されたプログラムやデータ等に基づいて、車上装置10を構成する各部への指示やデータ転送を行い、車上装置10の全体制御を行う。本実施形態では、演算処理部100は、機能構成として幾つかのブロックに分けることができる。具体的には、演算処理部100は、姿勢角算出部110と、慣性系加速度算出部124と、慣性系加加速度算出部126と、速発系速度算出部152と、速発系加速度算出部154と、速発系加加速度算出部156と、位置算出部158と、滑走空転検知部162と、再粘着検知部164と、補正開始タイミング判定部170と、位置補正部180とを有する。
姿勢角算出部110は、角速度センサ210のセンサ値に基づいて列車の現在の姿勢、すなわち姿勢角Θを算出する。姿勢角Θには、列車が平坦な線路上に停止した状態を基準としたロール角、ピッチ角、ヨー角の情報が含まれる。姿勢角算出部110は、例えば、駅停車時を基準として、角速度センサ210のセンサ値を積分することで姿勢角Θを求める。算出された姿勢角Θは時刻と対応づけて蓄積データ320に蓄積記憶される(図3参照)。
慣性系加速度算出部124は、加速度センサ220のセンサ値から、列車の進行方向の加速度を算出する。本実施形態において、慣性センサ200のセンサ座標系は、Ys軸正方向が列車の進行方向となっているため、加速度センサ220のセンサ値のうち、Ys軸成分の値である慣性系加速度Ayが、列車の進行方向の加速度となる。従って、本実施形態において慣性系加速度算出部124は、進行方向の加速度を抽出する機能を果たす。もし列車の進行方向がセンサ座標系の何れかの軸方向と一致していなければ、センサ座標系と列車の進行方向との相対関係に基づいて、センサ値から進行方向の加速度を算出することとなる。列車の慣性系加速度Ayは、時刻と対応づけて蓄積データ320に蓄積記憶される(図3参照)。
慣性系加加速度算出部126は、慣性系加速度算出部124によって算出された慣性系加速度Ayを微分することで慣性系加加速度Jyを算出する。算出された慣性系加加速度Jyは、時刻と対応づけて蓄積データ320に蓄積記憶される(図3参照)。
速発系速度算出部152は、速度発電機50の検知信号に基づいて列車の走行速度を算出する。算出された速度は、速発系速度Vpとして、時刻と対応づけて蓄積データ320に蓄積記憶される(図3参照)。
速発系加速度算出部154は、速発系速度Vpを微分することで速発系加速度Apを算出し、速発系加加速度算出部156は、速発系加速度Apを微分することで速発系加加速度Jpを算出する。速発系加速度Ap及び速発系加加速度Jpは、時刻と対応づけて蓄積データ320に蓄積記憶される(図3参照)。
位置算出部158は、速発系加速度算出部154によって算出された速発系加速度Apに基づいて、列車の現在位置を算出する。現在位置は、所定の線路基準点からの線路に沿った距離として算出され、例えばキロ程として算出される。算出された走行位置は、走行位置Pとして、時刻と対応づけて蓄積データ320に蓄積記憶される(図3参照)。
滑走空転検知部162は、滑走空転の発生を検知し、検知した旨を補正開始タイミング判定部170及び位置補正部180に出力する。滑走空転の発生を検知する方法は、公知の手法を採用することができる。例えば、慣性系加速度Ayと速発系加速度Apとの差の大きさ(絶対値)が、所定の滑走空転検知閾値以上となったことで滑走空転が発生したことを検知することができる。滑走空転が生じた場合、速発系加速度Apが一時的に大きな値となることを、慣性系加速度Ayとの差(以下「加速度差」という)でもって検知することができるためである。図5(a)は、平坦な線路区間を走行中の滑走時の加速度差の概略波形を示す図であり、横軸は時刻を示す。滑走空転の誤検知を防ぐため、滑走空転検知閾値αは一定の大きさに定められている。加速度差が生じ始めた時刻t101の後、加速度差の大きさが滑走空転検知閾値α以上となった時刻t102において、滑走空転の発生が検知される。
しかし、列車は、理想的な平坦な線路区間のみならず、勾配区間を走行する。勾配区間のために、滑走空転検知閾値αは、重力加速度gの影響を加味した値に定める必要がある。図4を参照して、滑走空転検知閾値αについてより具体的に説明する。図4は、下り勾配を走行中の列車の姿勢を説明するための図である。慣性センサ200のセンサ座標系はYs軸正方向が列車進行方向に定められているため、慣性系加速度Ayは、下り勾配に沿った方向の加速度を表す。しかし、慣性系加速度Ayには、純粋な列車走行に係る加速度のみならず、重力加速度gの下り勾配方向の成分Agが含有されている。一方、速発系加速度Apは、重力加速度gの影響を受けない。
図5(b)は、下り勾配区間を走行中の滑走時の加速度差の概略波形を示す図であり、横軸は時刻を示す。加速度差の大きさ(絶対値)が滑走空転検知閾値α以上となった時刻t202において滑走空転の発生が検知される。注目すべきは、実際に滑走が始まった時刻t201前においても、加速度差が生じている点である。例えば、最大勾配が35‰(パーミル)の場合、度数法で2度に相当する。2度の下り勾配における勾配方向の重力加速度は、1.23km/h/sである。従って、滑走空転検知閾値αは、この勾配方向の重力加速度の最大値を考慮した値とする必要がある。
しかし、勾配方向の重力加速度の最大値を加味し、余裕をもった滑走空転検知閾値αとすると、逆に、滑走空転の発生検知が遅れる可能性がある。例えば、平坦な線路区間における滑走時の波形を図示した図5(a)において、加速度差が生じ始めた時刻t101から、滑走空転検知閾値α以上となった時刻t102までの期間T100は、微少な滑走空転が次第に大きくなるかどうかの一種の様子見の時間であり、いわば検知の遅れとも言える。
本実施形態では、このような滑走空転検知部162による滑走空転の発生の検知の遅れを許容し、滑走空転期間の開始点、或いは開始点に極めて近いタイミングと推定できる補正開始タイミングを改めて判定することを特徴の1つとする。補正開始タイミングは、補正開始タイミング判定部170が判定する。また、滑走空転期間の終点となる再粘着タイミングは、再粘着検知部164が検知する。再粘着の検知は公知技術を適用することができる。
補正開始タイミング判定部170は、滑走空転検知部162が滑走空転の発生を検知したタイミングから遡って直近で、慣性系加加速度算出部126によって算出された慣性系加加速度Jyと、速発系加加速度算出部156によって算出された速発系加加速度Jpとの差が所定条件を満たしたタイミングを補正開始タイミングとして判定する。
具体的には、補正開始タイミング判定部170は、滑走空転検知部162によって滑走空転の発生が検知されると、蓄積データ320に格納された各値を用いて、その滑走空転の発生検知のタイミングから遡って、補正開始タイミングを検索する。詳細には、慣性系加加速度Jyと、速発系加加速度Jpとの差(以下「加加速度差」という)が所定の閾値条件を満たした状態が、所定時間継続したこと(遡って検索するため、継続の方向は時間経過の逆方向(逆順)である)を、滑走空転検知タイミングから遡って検索する。
図5(c)は、図5(b)の加速度差の概略波形に対応する、加加速度差の概略波形を示す図であり、横軸は時刻を示す。列車の走行線区には勾配区間が含まれるが、鉄道線路の設計仕様上、線路勾配が急激に変化することはない。このため、慣性系加速度Ayの時間変化(微分)である慣性系加加速度Jyを用いることで、勾配区間の重力加速度の影響を除外或いは最小限にすることができる。但し、慣性系加加速度Jyや加加速度差を用いたとしても、誤差が混入する可能性がある。そこで、加加速度差が所定の閾値条件を満たした状態が所定時間継続することとなった当該時間の始期を補正開始タイミングとして判定することで、判定の正確性を一層向上させている。
図5(b)において滑走空転の発生が検知されたタイミングt202から遡って直近で、加加速度差の大きさ(絶対値)が図5(c)において閾値β以上となったタイミングt302から更に遡り、閾値β以上の状態が所定時間Tj継続した始期のタイミングt301が、補正開始タイミングとして判定される。
図1に戻り、位置補正部180は、滑走空転の発生が検知された場合に、走行情報の1つである走行位置を補正する。具体的には、滑走空転検知部162により滑走空転の発生が検知されると、補正開始タイミング判定部170によって判定された補正開始タイミング以降の走行位置を補正対象とする。蓄積データ320のうち、補正開始タイミング以降の走行位置Pのデータが補正対象となる。補正の演算処理は次のように行う。すなわち、補正対象の時刻の姿勢角Θから勾配角度(列車のピッチ角)を算出し、重力加速度gの勾配方向成分を算出する。次いで、慣性系加速度Ayから、算出した重力加速度gの勾配方向成分をキャンセルする(上り勾配であれば加算、下り勾配であれば減算する)ことで、進行方向の真の加速度を算出する。この加速度をもとに、列車の走行速度及び走行位置を算出する。最終的に算出した走行位置で、蓄積データ320に格納された走行位置Pを更新することで、当該時刻の走行位置を補正する。最新の走行位置まで補正が完了した場合には、位置算出部158に、補正情報を通知して、位置算出部158が積算している位置(キロ程)を改めさせる。以降、位置算出部158は、正しい位置(キロ程)を算出することができる。
なお、走行位置の補正方法は一例であり、他の方法を採用してもよい。例えば、補正開始タイミング判定部170によって判定された補正開始タイミングの直前の速発系速度Vpと、再粘着検知部164によって検知された再粘着タイミングの直後の速発系速度Vpとを線形補間することで、滑走空転期間中の速度を推定する。そして、推定した速度に基づいて、補正開始タイミング以降の位置を補正することとしてもよい。
また、位置補正部180は、走行位置を補正することとして説明したが、走行情報の1つである走行速度をも補正することとしてもよい。この場合、重力加速度gの勾配方向成分をキャンセルして求めた真の加速度から算出した走行速度で、速発系速度Vpを補正すればよい。また、走行位置に代えて、走行速度のみを補正することとしてもよい。
記憶部300は、例えばROMやRAM、ハードディスク等の記憶装置で実現することができ、演算処理部100が車上装置10を統合的に制御するためのシステムプログラムや、各種機能を実現するためのプログラム、データなどを格納している。また、記憶部300は、演算処理部100の作業領域として用いられ、演算処理部100が実行した演算結果や、慣性センサ200及び速度発電機50の計測データなどが一時的に格納される。本実施形態では、記憶部300には、走行情報算出プログラム310と、蓄積データ320とが記憶される。走行情報算出プログラム310は、演算処理部100が走行情報算出処理を実行するためのプログラムである。蓄積データ320は、図3に示すように、計測或いは算出された時刻を示す時刻情報と対応づけて、速発系速度Vpと、速発系加速度Ap及び慣性系加速度Ayと、速発系加加速度Jp及び慣性系加加速度Jyと、姿勢角Θと、走行位置Pとが蓄積記憶される。
操作部400は、例えばスイッチやボタン等によって構成される。
出力部500は、例えば液晶ディスプレイやLED等の表示装置や、運転台等の外部へ出力するための通信機によって構成される。出力部500は、例えば、現在の走行速度や走行位置を出力することができる。
[処理の流れ]
図6は、走行情報算出プログラム310に従って演算処理部100が実行する走行情報算出処理の流れを説明するためのフローチャートである。まず、演算処理部100は、速発系速度Vp、速発系加速度Ap、慣性系加速度Ay、速発系加加速度Jp、慣性系加加速度Jy、姿勢角Θ、走行位置Pの計測・算出を開始し、時刻情報と対応づけて蓄積データ320への蓄積記憶を開始する(ステップS1)。
そして、滑走空転検知部162が滑走空転の発生を検知した場合には(ステップS3:Yes)、滑走空転の発生を検知したタイミング(時刻情報)を一時記憶し(ステップS5)、補正開始タイミング判定部170が補正開始タイミングを判定する(ステップS7)。すなわち、滑走空転の発生を検知したタイミングから遡って直近で、速発系加加速度と慣性系加加速度との差である加加速度差が所定条件を満たしたタイミングを補正開始タイミングとして、蓄積データ320から判定する。
補正開始タイミングを判定した後、位置補正部180が、補正開始タイミング以降の走行情報を補正する(ステップS9)。本実施形態では、走行位置を補正する。最新の走行位置まで補正が完了した場合には、補正情報を位置算出部158に通知して、位置算出部158で積算している位置を補正する。その後、ステップS3へ戻る。
[作用効果]
以上、本実施形態によれば、車上装置10は、滑走空転の発生の検知タイミングから遡って直近で、速発系加加速度と慣性系加加速度との差に基づいて、滑走空転期間の開始点に相当する或いは開始点に極めて近いタイミングである補正開始タイミングが判定される。列車の走行線区に勾配区間が含まれている場合であっても、鉄道線路の設計仕様上、線路勾配が急激に変化することはない。そのため、補正開始タイミングの判定に加加速度を用い、更に、速発系加加速度と慣性系加加速度との差を用いることで、重力加速度の影響をできる限り排除し、補正開始タイミングの判定精度を向上させることができる。
[変形例]
なお、本発明の適用可能な実施形態は、上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
(A)滑走空転の発生検知
例えば、速発系加加速度と慣性系加加速度との差を用いて滑走空転の発生を検知することとしてもよい。具体的には、速発系加加速度と慣性系加加速度との差が、所定の滑走空転検知用の加加速度差閾値条件を満たした場合に、滑走空転の発生を検知する。
(B)慣性センサ
上述の実施形態では、慣性センサ200は、角速度センサ210及び加速度センサ220を含むこととして説明したが、加速度センサ220のみを含むこととしてもよい。加速度センサ220のセンサ値を用いれば、補正開始タイミングを判定可能だからである。なお、走行位置を補正する際に利用する勾配角度は、例えば走行区間毎の線路勾配情報(勾配角度情報)を含む線路線形情報を記憶部300に記憶しておき、現在の走行区間に対応する線路勾配情報を読み出して利用することとしてもよい。
10 車上装置
100 演算処理部
200 慣性センサ
210 角速度センサ
220 加速度センサ
300 記憶部

Claims (4)

  1. 列車の走行位置及び/又は走行速度(以下包括して「走行情報」という)を算出する走行情報算出手段と、回転検知装置から出力される前記列車の車軸又は車輪の回転速度に応じた回転検知信号と慣性センサのセンサ値とに基づいて滑走又は空転(以下包括して「滑走空転」という)の発生を検知する滑走空転検知手段とを備え、滑走空転の発生が検知された場合に前記走行情報を補正する車上装置であって、
    前記滑走空転検知手段による滑走空転の検知タイミングから遡って直近で、前記回転検知信号に基づく第1の加加速度と、前記センサ値に基づく列車進行方向の第2の加加速度との差が所定条件を満たしたタイミングを補正開始タイミングとして判定する補正開始タイミング判定手段、
    を更に備え、前記補正開始タイミングに基づいて前記補正を実行する車上装置。
  2. 前記補正開始タイミング判定手段は、前記第1の加加速度と前記第2の加加速度との差が、所定の閾値条件を満たした状態が所定時間継続したことを前記所定条件として、前記補正開始タイミングを判定する、
    請求項1に記載の車上装置。
  3. 前記滑走空転検知手段は、前記第1の加加速度と前記第2の加加速度との差を用いて滑走空転の発生を検知する、
    請求項1又は2に記載の車上装置。
  4. 列車の走行位置及び/又は走行速度(以下包括して「走行情報」という)を算出する走行情報算出手段を備えた車上装置が、回転検知装置から出力される前記列車の車軸又は車輪の回転速度に応じた回転検知信号と慣性センサのセンサ値とに基づいて滑走又は空転(以下包括して「滑走空転」という)の発生を検知して、滑走空転の発生が検知された場合に前記走行情報を補正するための走行情報補正方法であって、
    前記滑走空転の発生の検知タイミングから遡って直近で、前記回転検知信号に基づく第1の加加速度と、前記センサ値に基づく列車進行方向の第2の加加速度との差が所定条件を満たしたタイミングを補正開始タイミングとして判定することと、
    前記補正開始タイミングに基づいて前記補正を実行することと、
    を含む走行情報補正方法。
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