JP2016080508A - 除染処理システム及び除染廃水の分解方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】除染廃液を処理する際、二次廃棄物量の低減を図る除染処理システム及び除染廃水の分解方法を提供する。
【解決手段】除染対象物11を浸漬させた除染槽12に、酸化剤13aと還元剤14aとを順次添加した除染処理水を用い、酸化剤13aによる一次処理水W1及び還元剤14aによる二次処理水W2を生成しつつ、除染槽12に両端が接続された一次ラインL1を介して循環処理する除染装置15と、一次ラインL1から分岐され、二次処理水W2を導入し、再び一次ラインL1に戻る二次ラインL2と、二次ラインL2に介装され、除染廃水である二次処理水W2中に溶出した金属イオン放射性核種を除去し、三次処理水W3を得るカチオン樹脂塔31と、除去処理後の還元剤が残留する三次処理水W3に、過マンガン酸を供給する過マンガン酸供給部と、過マンガン酸が供給された三次処理水W3中の分解生成物の二酸化マンガンを分離する分離部41とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、除染処理システム及び除染廃水の分解方法に関するものである。
原子力発電所や使用済燃料の再処理工場などの放射線取扱い施設において、放射性物質を含む放射性廃液と接触する配管などの構造部品は、放射線取扱い施設において原子力発電所や再処理工場などの運転に伴ってその内表面に放射性物質を含む酸化物や塩などの皮膜などが付着または生成する。施設の運転期間が長くなると、配管や機器などの周囲は放射線量が高まり、定期検査や保守工事あるいは廃棄物解体工事などにおいて作業員の被ばく線量が増大するおそれがある。作業員の被ばくを低減するため、配管や機器などに付着した放射性物質を除去(除染)する必要がある。
この除染の対象となる代表的なものとして、原子炉一次冷却系(一次冷却系)がある。この一次冷却系には放射性物質を含有するクラッド(crud)と呼ばれるスケールが付着する。このクラッドは一次冷却系の配管や機器周辺において、作業者が放射線被ばくを受ける放射線源となっている。放射線被ばくの低減を図り、作業環境向上のため、クラッドの除去を行い、配管や機器などの除染を行う必要がある。配管や機器などの除染には、例えば薬剤を用いて化学的に処理する化学的汚染除去方法が用いられている。
また、こうした放射線取扱い施設において設備の除染で発生する除染廃液は、例えば、カチオン樹脂やアニオン樹脂などのイオン交換樹脂を用いて除染溶液中に含まれる金属イオンなどの放射性物質などを化学的に吸着処理する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2004−45371号公報 特許第2509654号公報
除染廃液の廃液処理方法では、除染廃液中の金属イオンの処理に用いるカチオン樹脂及び混床樹脂(カチオン樹脂とアニオン樹脂とが混合されたもの)などのイオン交換樹脂が二次廃棄物として発生するが、使用済のイオン交換樹脂は高線量となっているため、焼却処分は困難である。また、カチオン樹脂は有機物であり、混床樹脂は有機物であることに加え、キレート化合物(金属キレート)を含むことから、イオン交換樹脂を固化して固形物とし、処分場に埋設処分することは困難である。
高線量の有機物は、放射性分解により水素ガスを生成する原因となる。また、キレート化合物は核種移行を促進させ、処分場のバリア性能を低下させる原因となる。このような理由により、除染廃液の処理に用いたイオン交換樹脂及びキレート化合物を埋設処分することを認めていない。そのため、二次廃棄物として発生するイオン交換樹脂の処分ができず、原子力発電所内で保管しておかなければならない。
特に、除染の薬剤として、有機酸と過マンガン酸を使用し、有機酸による還元除染と過マンガン酸による酸化処理を交互に繰り返すことで、廃棄物表面の複数の金属酸化物を溶解し、表面の汚染を除去する場合には、除染処理後の除染廃液中にマンガン(Mn)や鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、コバルト(Co)等の金属イオンの含有量が多くなるので、金属イオンを吸着するカチオン樹脂の使用量の比率がアニオン樹脂よりも多くなり、二次廃棄物である使用済樹脂の保管量が増大する、という問題がある。
また、この化学除染処理の廃棄物の負荷となるのは、クラッドが約11%程度であり、酸化剤として過マンガン酸が約11%程度、残りは還元剤のシュウ酸やクエン酸等の有機酸が約79%であり、圧倒的に還元剤の負荷が多い、という問題がある。
この化学除染処理の除染廃液中の有機酸を例えばイオン交換樹脂により処理する場合、廃イオン交換樹脂が廃棄物となり、二次廃棄物である使用済樹脂の保管量がさらに増大する、という問題がある。
そのため、埋設処分が困難な使用済のイオン交換樹脂の発生量の低減を図るため、更なる改善を図る技術の出現が切望されている。
本発明は、前記問題に鑑み、除染廃液を処理する際、有機酸をイオン交換樹脂で処理することなく、二次廃棄物量の低減を図る除染処理システム及び除染廃水の分解方法を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、除染対象物を浸漬させた除染槽に、酸化剤と還元剤とを順次添加した除染処理水を用い、酸化剤による一次処理水及び還元剤による二次処理水を生成しつつ、前記除染槽に両端が接続された一次ラインを介して循環処理する除染装置と、前記一次ラインから分岐され、前記二次処理水を導入し、再び一次ラインに戻る二次ラインと、前記二次ラインに介装され、前記二次処理水中に溶出した金属イオン及び放射性核種を除去して、三次処理水を得る除去装置と、前記除去装置通過後の還元剤が残留する三次処理水に、過マンガン酸を供給する過マンガン酸供給部と、前記過マンガン酸が供給された三次処理水中の分解生成物を分離し、四次処理水とする分離部と、を備えることを特徴とする除染処理システムにある。
第2の発明は、第1の発明において、前記四次処理水に、過酸化水素を供給する過酸化水素供給部を備えることを特徴とする除染処理システムにある。
第3の発明は、第1又は2の発明において、前記四次処理水に、シュウ酸を供給するシュウ酸供給部を備えることを特徴とする除染処理システムにある。
第4の発明は、第3の発明において、前記シュウ酸が供給された前記四次処理水中の残留シュウ酸を除去するシュウ酸除去塔を備えることを特徴とする除染処理システムにある。
第5の発明は、第1乃至4のいずれか一つの発明において、前記分離部が、固形物を捕集する捕集部材又は沈殿する沈殿装置であることを特徴とする除染処理システムにある。
第6の発明は、除染対象物を酸化剤と還元剤とを順次添加した除染処理水を用いて一次処理及び二次処理を実行して除染処理した後、二次処理後の二次処理水中に溶出した金属イオン及び放射性核種を除去した三次処理水中に残留する還元剤を過マンガン酸により分解処理し、前記過マンガン酸が供給された三次処理水中の分解生成物を分離し、四次処理水とすることを特徴とする除染廃水の分解方法にある。
第7の発明は、第6の発明において、前記四次処理水に、過酸化水素を供給することを特徴とする除染廃水の分解方法にある。
第8の発明は、第6又は7の発明において、前記四次処理水に、シュウ酸を供給することを特徴とする除染廃水の分解方法にある。
第9の発明は、第8の発明において、前記シュウ酸が供給された四次処理水中の残留シュウ酸を除去することを特徴とする除染廃水の分解方法にある。
本発明によれば、除染処理後の除染廃液である処理水中の有機酸を過マンガン酸で分解処理し、分解生成物のマンガンイオンを固体として回収し、廃棄物量の大幅な低減を図ることができる。
図1は、実施例1に係る除染処理システムの概略図である。 図2は、実施例1に係る除染処理方法の工程図である。 図3−1は、酸化工程S11を実行する液流れ図である。 図3−2は、還元工程S12を実行する液流れ図である。 図3−3は、除去工程S13を実行する液流れ図である。 図3−4は、除染水分解工程S14を実行する液流れ図である。 図4−1は、実施例2に係る除染処理システムの概略図である。 図4−2は、実施例2に係る除染処理方法の工程図である。 図5−1は、実施例3に係る除染処理システムの概略図である。 図5−2は、実施例3に係る除染処理システムの概略図である。 図5−3は、実施例3に係る除染処理方法の工程図である。 図6−1は、実施例4に係る除染処理システムの概略図である。 図6−2は、実施例4に係る除染処理方法の工程図である。 図7は、実施例1に係る除染処理システムに設置する分離部の概略図である。 図8は、本発明の実施例に係る廃液処理システムが適用される原子力発電プラントの一例を模式的に表した概略構成図である。
以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
<原子力発電プラント>
本発明による実施例に係る廃液処理システムを、原子力発電プラントに適用した場合について、図面を参照して説明する。原子力発電プラントの原子炉は、軽水を原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、一次系全体にわたって沸騰しない高温高圧水とし、この高温高圧水を蒸気発生器に送って二次冷却材と熱交換させることにより蒸気を発生させ、この蒸気をタービン発電機へ送って発電する加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)である。なお、本実施例は、PWRに限らず、これを改良した改良型加圧水型原子炉(APWR:Advanced Pressurized Water Reactor)または沸騰水型原子炉(BWR:Boiling Water Rector)に適用することができる。また、放射線取扱い施設にも適用可能である。
図8は、本発明の実施例に係る廃液処理システムが適用される原子力発電プラントの一例を模式的に表した概略構成図である。図8に示すように、原子力発電プラント100は、原子炉111を含む原子炉冷却系(以下、一次系ともいう)112と、原子炉冷却系112と熱交換するタービン系(以下、二次系ともいう)113とを有する。原子炉冷却系112には、原子炉冷却材(一次冷却水)が流通し、タービン系113には、二次冷却材(二次冷却水)が流通している。
原子炉冷却系(一次系)112は、原子炉111と、コールドレグ115a及びホットレグ115bを介して原子炉111に接続された蒸気発生器116とを有している。また、ホットレグ115bには、加圧器117が介設され、コールドレグ115aには、原子炉冷却材ポンプ118が介設されている。そして、原子炉111、コールドレグ115a、ホットレグ115b、蒸気発生器116、加圧器117及び原子炉冷却材ポンプ118は、原子炉格納容器119に収容されている。
原子炉111は、上記したように加圧水型原子炉であり、その内部は原子炉冷却材(一次冷却水)で満たされている。そして、原子炉111内は、多数の燃料集合体121を収容すると共に、燃料集合体121の燃料棒内の核燃料の核***を制御する多数の制御棒122が、各燃料集合体121に対し挿入可能に設けられている。
制御棒122により核***反応を制御しながら燃料集合体121の燃料棒内の核燃料を核***させると、この核***により熱エネルギーが発生する。発生した熱エネルギーは原子炉冷却材を加熱し、加熱された原子炉冷却材は、ホットレグ115bを介して蒸気発生器116へ送られる。一方、コールドレグ115aを介して各蒸気発生器116から送られてきた原子炉冷却材は、原子炉111内に流入して、原子炉111内を冷却する。
ホットレグ115bに介設された加圧器117は、高温となった原子炉冷却材を加圧することにより、原子炉冷却材の沸騰を抑制している。また、蒸気発生器116は、高温高圧となった原子炉冷却材(一次冷却水)を二次冷却材(二次冷却水)と熱交換させることにより、二次冷却材を蒸発させて蒸気を発生させ、かつ、高温高圧となった原子炉冷却材を冷却している。原子炉冷却材ポンプ118は、原子炉冷却系112において原子炉冷却材を循環させており、原子炉冷却材を蒸気発生器116からコールドレグ115aを介して原子炉111へ送り込むと共に、原子炉冷却材を原子炉111からホットレグ115bを介して蒸気発生器116へ送り込んでいる。
原子炉冷却材は、原子炉111と蒸気発生器116との間を循環している。なお、原子炉冷却材は、冷却材及び中性子減速材として用いられる軽水である。
タービン系(二次系)113は、蒸気管124を介して各蒸気発生器116に接続されたタービン125と、タービン125に接続された復水器126と、復水器126と各蒸気発生器116とを接続する給水管127に介設された給水ポンプ128と、を有している。そして、上記のタービン125には、発電機129が接続されている。
この原子力発電プラント100のタービン系113における一連の動作について説明する。蒸気管124を介して蒸気発生器116から蒸気がタービン125に流入すると、タービン125は回転する。タービン125が回転すると、タービン125に接続された発電機129は、発電を行う。この後、タービン125から排出した蒸気は復水器126に流入する。復水器126は、その内部に冷却管130が配設されており、冷却管130の一方には冷却水(例えば、海水)を供給するための取水管131が接続され、冷却管130の他方には冷却水を排水するための排水管132が接続されている。そして、復水器126は、タービン125から流入した蒸気を冷却管130により冷却することで、蒸気を液体に戻している。液体となった二次冷却材は、給水ポンプ128により給水管127を介して蒸気発生器116に送られる。蒸気発生器116に送られた二次冷却材は、蒸気発生器116において原子炉冷却材と熱交換を行うことにより再び蒸気となる。
このような原子力発電プラント100においては、原子炉機器や各種配管など原子炉設備を構成する部材は一般にステンレス鋼や炭素鋼などの鉄鋼材料で製作されている。これら原子炉設備を構成する部材は使用した際に原子炉機器や各種配管など原子炉設備を構成する部材内の表面は高温水(一次冷却水)との接触によって腐食作用を受け、酸化物の皮膜が形成される。皮膜は、放射性同位体(RI)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)などの少なくとも1種類の金属又は酸化物などである。
高温水(一次冷却水)に晒される原子炉機器や配管内表面の接液部位に形成される皮膜に炉水中の放射能が取り込まれ、被ばく線源となっている。このような原子炉機器や各種配管など原子炉設備の除染対象物は、本発明の実施例に係る廃液処理システムを用いて除染される。なお、除染とは、原子炉設備の除染対象系統の配管や機器などの除染対象物に付着した放射性物質を除去することをいう。
なお、以下の実施例でも同様の除染対象物であるので、これらの説明は省略する。
<第1の除染処理システム>
図1は、実施例1に係る除染処理システムの概略図である。
図1に示すように、本実施例に係る除染処理システム10Aは、除染対象物11を浸漬させた除染槽12に、酸化剤13aと還元剤14aとを順次添加した除染処理水を用い、酸化剤13aによる一次処理水W1及び還元剤14aによる二次処理水W2を生成しつつ、前記除染槽12に両端が接続された一次ラインL1を介して循環処理する除染装置15と、一次ラインL1から分岐され、二次処理水W2を導入し、再び一次ラインL1に戻る二次ラインL2と、二次ラインL2に介装され、除染廃水である二次処理水W2中に溶出した金属イオン放射性核種を除去して、三次処理水W3を得る除去装置であるカチオン樹脂塔31と、カチオン樹脂塔31通過後の還元剤が残留する三次処理水W3に、過マンガン酸を供給する過マンガン酸供給部である酸化剤供給部13と、過マンガン酸が供給された三次処理水W3中の分解生成物の固形物(二酸化マンガン)を分離する分離部41と、を備えるものである。
除染槽12には、その内部に除染対象物11が配設されている。
酸化剤供給部13は、例えば過マンガン酸水溶液等の酸化剤13aを供給する酸化剤供給ラインL11と、該酸化剤供給ラインL11に設けられた酸化剤供給弁V11とを有している。
この酸化剤13aとしては、過マンガン酸(HMnO4)を用いる以外に、例えば過マンガン酸塩、過鉄酸塩、過酸化水素(H22)、硝酸とフッ酸との硝フッ酸混合液などの何れか1つ以上含んでいるものが用いられる。過マンガン酸塩としては、具体的には、過マンガン酸カリウム(KMnO4)が挙げられる。
また、酸化剤供給ラインL11の下流側は、合流ラインL10に接続されている。この合流ラインL10には合流ライン弁V10が設けられており、該合流ラインL10の下流側は一次ラインL1に接続されている。
この酸化剤供給部13は、例えば過マンガン酸水溶液の酸化剤13aを酸化剤供給ラインL11、合流ラインL10及び一次ラインL1を経由して除染槽12に供給することで、除染対象物11に付着したクロム(Cr)を酸化溶出させて、該クロムが酸化溶出した酸化剤処理水である一次処理水W1を生成する。
還元剤供給部14は、例えば有機酸等の還元剤14aを供給する還元剤供給ラインL12と、該還元剤供給ラインL12に設けられた還元剤供給弁V12とを有している。
この還元剤14aとしては、還元作用があり、金属イオンとキレート結合する有機酸などが用いられる。有機酸としては、例えば、シュウ酸(H224)、クエン酸(C687)等が挙げられる。なお、硝フッ酸混合液を用いてもよい。また、シュウ酸とクエン酸、または、シュウ酸とピコリン酸(C65NO2)等の何れか1つ以上含んでいるものを用いてもよい。
この還元剤供給部14は、除染槽12に満たされた一次処理水W1に、例えばシュウ酸の水溶液を還元剤14aとして還元剤供給ラインL12、合流ラインL10及び一次ラインL1を経由して供給(添加)することで、除染対象物11に付着した鉄を還元溶出させて、該鉄が還元溶出した二次処理水W2を生成する。
一次ラインL1は、その両端が除染槽12に接続され、該除染槽12中の処理水(過マンガン酸水溶液、一次処理水W1又は二次処理水W2)を循環させている。この一次ラインL1には、上流側から第一弁V21と、第一ポンプP1とが設けられている。なお、一次ラインL1にヒーター(図示せず)を設け、一次ラインL1を循環する処理水を加熱して、該処理水を高温状態にするようにしてもよい。
第一ポンプP1は、一次ラインL1内に処理水を循環させるとともに、除染槽12に対して該処理水を供給可能としている。また、一次ラインL1には、第一ポンプP1と除染槽12との間に合流ラインL10が接続されている。
二次ラインL2は、両端が一次ラインL1に接続され、一次ラインL1を一部バイパスするように接続されており、除染槽12中の処理水(例えば、二次処理水W2)を循環させている。この二次ラインL2には、上流側から第二弁V22と、第二ポンプP2とが設けられている。
また、二次ラインL2には、カチオン樹脂を充填したカチオン樹脂塔31が設けられ、一次ラインL1の一部を経由して二次ラインL2を流れる二次処理水W2から、上記のクロムや鉄等の金属イオンの溶出とともに溶出した放射性核種をイオン交換により除去して、該放射性核種が除去された三次処理水W3を生成する。
三次ラインL3は、カチオン樹脂塔31を配置する二次ラインL2の上流側において、両端が二次ラインL2に接続され、該二次ラインL2を一時バイパスするように接続されており、該除染槽12中の処理水(例えば、三次処理水W3)を循環させている。この三次ラインL3には、第四弁V24が設けられている。
また、三次ラインL3には、分離部41が設けられている。この分離部41は、三次処理水W3に酸化剤13aとして過マンガン酸(HMnO4)を供給した際に発生する沈降物である二酸化マンガン(MnO2)を除去して、該沈降物が除去された四次処理水W4を生成する。
また、二次ラインL2には、カチオン樹脂塔31の前後において、二次処理水W2中のMn量等を計測する分析部32A、32Bが配置されている。
次に、上記のように構成された除染処理システム10Aを用いた除染処理方法について説明する。
図2は、実施例1に係る除染処理方法の工程図である。
図3−1〜図3−4は、工程毎に対応した図1に示す除染処理システム10A−1〜10A−4の液流れ図である。
除染処理方法は、図2に示すように、酸化工程S11と、還元工程S12と、除去工程S13と、除染水分解工程S14とを備えている。
まず、前準備として、除染槽12に除染対象物11を配設する。
次に、酸化工程S11を実行する。図3−1は、酸化工程S11を実行する液流れ図である。
ここで、本実施例では、酸化剤13aとして過マンガン酸水溶液を用いた。
すなわち、酸化剤13aとして酸化剤供給部13に貯留された過マンガン酸水溶液を、酸化剤供給弁V11を開き、酸化剤供給ラインL11に導入する。そして、合流ライン弁V10を開いて、該酸化剤供給ラインL11に導入された過マンガン酸水溶液の酸化剤13aを合流ラインL10により一次ラインL1に導入する。
次に、一次ラインL1における第一弁V21を開いて、該一次ラインL1に設けられた第一ポンプP1を駆動することで過マンガン酸水溶液を一次ラインL1と除染槽12との間で循環させる。なお、この際、図示しないヒーターにより過マンガン酸水溶液を加熱し、高温状態として循環させるようにしてもよい。
ここで、除染槽12では、除染対象物11を浸漬した過マンガン酸水溶液に、該除染対象物11に付着した酸化被膜中にCr23やFeCr24等として存在するCr3+が、Cr6+となって水溶液中に溶出する。つまり、酸化皮膜中のクロム(Cr)が酸化溶出して、該クロム(Cr)が酸化溶出した過マンガン酸水溶液である一次処理水(含むCr6+)W1が生成される。
次に、還元工程S12を実行する。図3−2は、還元工程S12を実行する液流れ図である。
本実施例では、還元剤14aとしてシュウ酸水溶液を用いた。
すなわち、酸化剤供給ラインL11の酸化剤供給弁V11を閉じ、酸化剤13aの導入を停止し、還元剤供給部14のシュウ酸水溶液を、還元剤供給弁V12を開き、還元剤供給ラインL12に導入する。該還元剤供給ラインL12に導入されたシュウ酸水溶液の還元剤14aを合流ラインL10により一次ラインL1に導入する。
そして、第一ポンプP1を駆動することで該シュウ酸水溶液と過マンガン酸水溶液とが混合された水溶液(以下、「混合水溶液」と称する。)を、一次ラインL1と除染槽12との間で循環させる。この際、図示しないヒーターで混合水溶液を加熱して、高温状態として循環させるようにしてもよい。
なお、混合水溶液中のシュウ酸濃度は、例えば2000ppmになる程度に設定する。また、このシュウ酸水溶液の温度は常温(20℃)〜100℃未満(水溶液が沸騰しない温度限界)が好ましい。
ここで、除染槽12では、除染対象物11を浸漬した混合水溶液に、該除染対象物11に付着した酸化皮膜中のFe等として存在するFe2+が、Fe3+となって水溶液中に溶出する。つまり、酸化皮膜中の鉄Feが還元溶出して、該鉄が還元溶出した混合水溶液である二次処理水W2が生成される。また、二次処理水W2中には、酸化工程S11におけるクロムの酸化溶出及び還元工程S12における鉄の還元溶出による金属イオンと、放射性核種とが溶出されている。
ここで、還元工程S12において除染対象物11に付着した酸化被膜が十分に除去されているかを判断する。除去が不十分であれば酸化工程S11と還元工程S12とを「一除染サイクル」として、該「一除染サイクル」を複数回実行する。そして、酸化被膜が十分に除去されれば、次の除染廃液を処理する除去工程S13に進む。
次に、除去工程S13を実行する。図3−3は、除去工程S13を実行する液流れ図である。
除去工程S13では、まず、合流ラインL10の合流ライン弁V10及び一次ラインL1の第一弁V21を閉じて、二次ラインL2の第二弁V22を開く。そして、第二ポンプP2を駆動することで、除染槽12から導出した除染廃液である二次処理水W2を、一次ラインL1の一部を経由して二次ラインL2に導入し、カチオン樹脂塔31を通過し、一次ラインL1を経由して再び除染槽12に戻して、該除染槽12と二次ラインL2との間を循環可能とすることができる。
ここで、カチオン樹脂塔31では、還元工程S12の二次処理水W2に溶出している金属イオン及び放射性核種を除去して三次処理水W3を生成する。そして、三次処理水W3は、二次ラインL2から一次ラインL1を経由して除染槽12に戻される。よって、カチオン樹脂塔31を所望の時間通水することで、二次ラインL2と除染槽12との間を循環する二次処理水W2は、金属イオンが除去された三次処理水W3となる。
金属イオン及び放射性核種を除去する除去工程S13の終了は、分析部32A、32Bにより、処理液中の金属イオン(例えばMn、Ni等)量が所定値以下となっていることにより、判断する。
次に、除染水分解工程S14を実行する。図3−4は、除染水分解工程S14を実行する液流れ図である。
除染水分解工程S14では、合流ラインL10の合流ライン弁V10及び酸化剤供給弁V11を開き、一次ラインL1に酸化剤供給部13から酸化剤13aの過マンガン酸を酸化剤供給ラインL11及び合流ラインL10により供給する。
この過マンガン酸の供給により、除染液中の三次処理水W3中に残存するシュウ酸を分解する。
ここで、本実施例では、除染装置15において、酸化剤13aとして過マンガン酸を用いているので、酸化剤供給部13から、過マンガン酸を供給しているが、酸化剤として過マンガン酸以外の酸化剤を用いる場合には、別途過マンガン酸を供給するマンガン酸供給部を設置し、これにより一次ラインL1に過マンガン酸を供給するようにしてもよい。
この過マンガン酸水溶液の供給の際、第三弁V23を閉じ、第四弁V24及び第五弁V25を開いて、過マンガン酸水溶液が添加された三次処理水W3を、三次ラインL3に導入する。
そして、過マンガン酸が添加された三次処理水W3を三次ラインL3に介装された分離部41に通過させ、過マンガン酸の添加によって、シュウ酸が分解される際に発生する分解生成物であるマンガンイオンの固形物(例えば二酸化マンガン(MnO2)、酸化マンガン(MnO)等)を、この分離部41で分離・除去する。
このシュウ酸が分解除去された処理水は四次処理水W4となる。
ここで、過マンガン酸の供給量は、還元剤である残留シュウ酸、クエン酸と等量または、小過剰(1.1当量程度)添加するのが好ましい。
この除染水分解工程S14においては、過マンガン酸の供給によりシュウ酸が分解するため、下記式(1)、(2)のように、二酸化マンガン(MnO2)または水酸化マンガン(Mn(OH)2)としてマンガンイオンが固体(沈降物)として析出する。
(COOH)2→CO2 ; 2H+ + 2e- ・・・(1)
HMnO4 + 3e- → MnO2↓ ・・・(2)
ここで、除染水分解工程S14でのシュウ酸の分解の完了は、二次ラインL2のカチオン樹脂塔31の入口側及び出口側に各々設けた分析部32A、32Bにより、処理水中のMn量を計測し、所定値以下となっていることにより、判断する。
分解生成物を分離除去する分離部41としては、フィルタ等の捕集部材により捕集する捕集分離方法、分解生成物を沈降させて分離する沈降分離方法を例示することができる。また、液体サイクロン等による分離方法を例示することもできる。
次に、分離部41としてフィルタを用いた場合の従来のイオン交換樹脂による処理と較べた有利な点について説明する。
除染処理後の除染処理水中に残留する還元剤14aである有機酸(例えばシュウ酸、クエン酸)を過マンガン酸により分解し、分解生成物のマンガンイオンは固体を分離部であるフィルタで捕集分離するので廃棄物量の大幅の低減が可能となる。
これは、二酸化マンガン((MnO2)=86.94g)1モルを、シュウ酸換算すると、シュウ酸との反応は1:1.5であるので、シュウ酸60gに相当する。
従来において、アニオン樹脂を用いてシュウ酸を吸着処理する際、60gのシュウ酸を処理するには、約1Lのアニオン吸着樹脂を必要としている。
これに対して、本実施例のように、シュウ酸を過マンガン酸により反応させて二酸化マンガンとして沈殿処理する場合、二酸化マンガンの含水率及び使用するフィルタ重量を考慮しても1モルの二酸化マンガンあたり、約350gとなる。ここで、二酸化マンガンの密度が5.026g/cm3であるので、二酸化マンガンの沈殿処理容積は約69mLとなる。
よって、シュウ酸60gをアニオン樹脂の吸着によって処理しようとする場合には、アニオン樹脂が1L必要となるので、沈殿処理容積を比較すると、(69mL/1000mL)=0.06(約1/16)となる。
このように、本実施例の場合には、シュウ酸を過マンガン酸により反応させて二酸化マンガンとして沈殿処理することで、二酸化マンガンをフィルタで吸着させての固体処理となることにより、廃棄物の処理量は、約1/16の処理量で済むこととなる。
この結果、本実施例によれば、廃棄物量がイオン交換樹脂を用いて処理する場合に較べて、廃棄物の処理量が大幅に低減する。
<第2の除染処理システム>
図4−1は、実施例2に係る除染処理システムの概略図である。図4−2は、実施例2に係る除染処理方法の工程図である。なお、実施例1の構成と同一部材については同一符号を付して、重複する説明は省略する。
図4−1に示すように、本実施例に係る除染処理システム10Bは、実施例1の除染処理システム10Aにおいて、さらに四次処理水W4に、過酸化水素51aを供給する過酸化水素供給部51を備える。
この過酸化水素供給部51は、過酸化水素51aを供給する過酸化水素供給ラインL21と、該過酸化水素供給ラインL21に設けられた過酸化水素供給弁V27とを有している。
実施例1の処理法にて過マンガン酸を小過剰に投入する場合、過マンガン酸が少量残留する場合がある。
この過マンガン酸が残留した状態で、次サイクルの除染対象物11の除染のために、カチオン樹脂塔31でイオン交換樹脂浄化を行うと、カチオン交換樹脂が劣化する懸念がある。
そこで、本実施例では、過マンガン酸による劣化を抑制するために、除染水分解工程S14において未反応の残留した過マンガン酸の分解除去を行うために、過酸化水素(液体)を添加して、過マンガン酸を分解除去する過マンガン分解工程S15を実行する。
この過マンガン酸分解工程S15は、除染水分解工程S14の終了後、過酸化水素供給弁V27を開き、過酸化水素51aを過酸化水素供給部51から一次ラインL1に接続するラインL21を介して、一次ラインL1を循環する四次処理水W4中に添加する。
過酸化水素を四次処理水W4に添加することで、下記式(3)、(4)の分解反応が起こる。
22→2H+O2+2e ・・・(3)
Mn O4 +3e+4H+O2 → MnO2↓+2H2O↓ ・・・(4)
これによって、除染水分解工程S14の残留物である過マンガン酸を、二酸化マンガン(MnO2)として固形分として分離部41により除去(例えばフィルタに捕集)することができる。
過マンガン酸分解工程S15の過酸化水素51aの添加は、分析部32A、32Bにより、過マンガン酸(Mn)量が所定値以下となるまで行う。
本実施例で過酸化水素を添加するが、この過剰分の反応に寄与しない過酸化水素は、速やかに自己分解し、酸素となるため、カチオン樹脂塔31のイオン交換樹脂の負荷になったり、イオン交換樹脂の劣化を起したりすることはない。
本実施例によれば、除染水分解工程S14の残留物である過剰な過マンガン酸を分解除去することが可能であることから、イオン交換樹脂による浄化時、イオン交換樹脂の劣化を抑制することが可能である。
<第3の除染処理システム>
図5−1及び図5−2は、実施例3に係る除染処理システムの概略図である。図5−3は、実施例3に係る除染処理方法の工程図である。なお、実施例1の構成と同一部材については同一符号を付して、重複する説明は省略する。
図5−1及び図5−2に示すように、本実施例に係る除染処理システム10Cは、実施例1の除染処理システム10Aにおいて、さらに四次処理水W4に、シュウ酸52aを供給するシュウ酸供給部52を備える。
このシュウ酸供給部52は、シュウ酸52aを供給するシュウ酸供給ラインL22と、該シュウ酸供給ラインL22に設けられたシュウ酸供給弁V28とを有している。
実施例1では、過マンガン酸を添加して還元剤を分解処理する場合、その分解生成物である、二酸化マンガンが系統(配管等)内に残留する可能性がある。
そこで、本実施例では、この対策のために、少量のシュウ酸(数十ppm程度)を用い、洗浄を行う洗浄工程S16を実行する。
この洗浄工程S16は、除染水分解工程S14の終了後、シュウ酸供給弁V28を開き、シュウ酸52aをシュウ酸供給部52から一次ラインL1に接続するラインL22を介して、一次ラインL1を循環する四次処理水W4中に添加する。
二酸化マンガンは、下記式(5)のようにシュウ酸に溶解するため、系統に残留した二酸化マンガンをシュウ酸により除去することが可能である。
MnO2+(COOH)2→(COO)2Mn・・・(5)
シュウ酸による管内洗浄は、カチオン樹脂塔31への通水を行いながら実施する。
これは、カチオン樹脂に通水することで、溶解したマンガンイオンが除去されるためである。
この洗浄処理が完了したら、二次ラインL2中の第四弁V29を閉じ、第五弁V30を開いて、四次ラインL4に導入し、四次ラインL4に介装されたアニオン樹脂を充填したシュウ酸除去塔61にてシュウ酸の浄化(除去)を行い、次サイクルに移行する。
シュウ酸除去塔61は、アニオン樹脂以外に、アニオン樹脂とカチオン樹脂とを混合した混合樹脂を用いるようにしてもよい。
本実施例によれば、除染水分解工程S14の残留物である二酸化マンガンを分解除去することが可能であることから、系統(配管等)内に残留することを防止することが可能となる。
<第4の除染処理システム>
図6−1は、実施例4に係る除染処理システムの概略図である。図6−2は、実施例4に係る除染処理方法の工程図である。なお、実施例1乃至3の構成と同一部材については同一符号を付して、重複する説明は省略する。
図6−1に示すように、本実施例に係る除染処理システム10Dは、実施例1の除染処理システム10Aにおいて、さらに四次処理水W4に、過酸化水素51aを供給する過酸化水素供給部51と、シュウ酸52aを供給するシュウ酸供給部52とを備える。
実施例4においては、実施例2及び実施例3の過マンガン酸分解工程S15及び洗浄工程S16の操作を順次行い、過酸化水素51aとシュウ酸52aの併用処理により、残留物を処理するものである。
すなわち、先ず実施例2の図4−1の操作と同様に、過マンガン酸分解工程S15を実行し、過酸化水素51aを四次処理水W4に導入して、除染水分解工程S14の残留物である過剰な過マンガン酸を分解除去する。
次いで、実施例3の図5−1及び図5−2の操作と同様に、洗浄工程S16を実行し、シュウ酸52aを四次処理水W4に導入して、系統に残留した二酸化マンガンをシュウ酸により除去する。
この洗浄工程S16の処理が完了したら、実施例3と同様に、二次ラインL2中の第四弁V29を閉じ、第五弁V30を開いて、四次ラインL4に導入し、四次ラインL4に介装されたアニオン樹脂を充填したシュウ酸除去塔61にてシュウ酸の浄化(除去)を行い、次サイクルに移行する。
図7は、実施例1に係る除染処理システムに設置する分離部の概略図である。
実施例1の除染処理システム10Aでは、分離部41としてフィルタを用いたが、フィルタの代わりに沈降槽を用いた実施例について説明する。
図7に示すように、沈降槽70は、処理槽本体71の側面に三次処理水W3を導入する処理水導入口71aと、沈降処理後の四次処理水W4を排出する処理水排出口71bと、処理槽本体71内に沈降した沈殿物72を系外へ排出する沈殿物排出口71cとを備えている。
実施例1ではフィルタによる回収を行っているが、二酸化マンガンの粒子の粒径は非常に小さいため、フィルタを用いて捕集処理する場合、フィルタの目詰まりやポンプの圧力上昇等が起こる場合がある。
このため、本実施例では、フィルタによる回収に替えて、沈降槽70を用いて二酸化マンガンを沈殿物72として沈殿回収を行うようにしている。
ここで、二酸化マンガンの沈殿速度は、分程度のオーダーで沈殿するため、沈降槽70への三次処理水W3の導入流量として、例えば1.5m3/Hrとする場合、沈降槽70の容量は、数10L〜100L程度とするのが望ましい。
沈降槽70により除去した二酸化マンガンの沈殿物72は、除染処理を2サイクル処理した場合、数百g程度であるため、通常の廃棄処分が可能である。
本実施例によれば、実施例1のフィルタでの分離に較べて沈降槽70での回収による回収性向上を図ることができる。
すなわち、実施例1の場合では、フィルタにより、目詰まりによる交換が必要であるが、本実施例のように沈降槽70を設置することで、沈降槽70の下部から沈殿物72を抜くことができ、連続した処理が可能となる。
また、実施例2のように過酸化水素51aを添加することで、下記式(3)、(4)の分解反応が起こり、沈殿物の沈降性が良好となるので、より好ましいものとなる。
22→2H+O2+2e ・・・(3)
Mn O4 +3e+4H+O2 → MnO2↓+2H2O↓ ・・・(4)
10A〜10D 除染処理システム
11 除染対象物
12 除染槽
13 酸化剤供給部
13a 酸化剤
14 還元剤供給部
14a 還元剤
15 除染装置
31 カチオン樹脂塔
32A、32B 分析部
41 分離部
51 過酸化水素供給部
51a 過酸化水素
52 シュウ酸供給部
52a シュウ酸
61 シュウ酸除去塔
70 沈降槽
71a 処理水導入口
71b 処理水排出口
71c 沈殿物排出口
72 沈殿物
1 一次処理水
2 二次処理水
3 三次処理水
4 四次処理水

Claims (9)

  1. 除染対象物を浸漬させた除染槽に、酸化剤と還元剤とを順次添加した除染処理水を用い、酸化剤による一次処理水及び還元剤による二次処理水を生成しつつ、前記除染槽に両端が接続された一次ラインを介して循環処理する除染装置と、
    前記一次ラインから分岐され、前記二次処理水を導入し、再び一次ラインに戻る二次ラインと、
    前記二次ラインに介装され、前記二次処理水中に溶出した金属イオン及び放射性核種を除去して、三次処理水を得る除去装置と、
    前記除去装置通過後の還元剤が残留する三次処理水に、過マンガン酸を供給する過マンガン酸供給部と、
    前記過マンガン酸が供給された三次処理水中の分解生成物を分離し、四次処理水とする分離部と、
    を備えることを特徴とする除染処理システム。
  2. 請求項1において、
    前記四次処理水に、過酸化水素を供給する過酸化水素供給部を備えることを特徴とする除染処理システム。
  3. 請求項1又は2において、
    前記四次処理水に、シュウ酸を供給するシュウ酸供給部を備えることを特徴とする除染処理システム。
  4. 請求項3において、
    前記シュウ酸が供給された前記四次処理水中の残留シュウ酸を除去するシュウ酸除去塔を備えることを特徴とする除染処理システム。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一つにおいて、
    前記分離部が、固形物を捕集する捕集部材又は沈殿する沈殿装置であることを特徴とする除染処理システム。
  6. 除染対象物を酸化剤と還元剤とを順次添加した除染処理水を用いて一次処理及び二次処理を実行して除染処理した後、
    二次処理後の二次処理水中に溶出した金属イオン及び放射性核種を除去した三次処理水中に残留する還元剤を過マンガン酸により分解処理し、
    前記過マンガン酸が供給された三次処理水中の分解生成物を分離し、四次処理水とすることを特徴とする除染廃水の分解方法。
  7. 請求項6において、
    前記四次処理水に、過酸化水素を供給することを特徴とする除染廃水の分解方法。
  8. 請求項6又は7において、
    前記四次処理水に、シュウ酸を供給することを特徴とする除染廃水の分解方法。
  9. 請求項8において、
    前記シュウ酸が供給された四次処理水中の残留シュウ酸を除去することを特徴とする除染廃水の分解方法。
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