JP6970682B2 - 金属表面の除染作業からの排水を処理する方法、排水処理装置および排水処理装置の使用 - Google Patents

金属表面の除染作業からの排水を処理する方法、排水処理装置および排水処理装置の使用 Download PDF

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Description

本発明は、原子炉の一次冷却液回路内の金属表面の除染作業からの排水を処理する方法、排水処理装置、および原子炉の一次冷却液回路内の金属表面を除染する方法における上記排水処理装置の使用に関する。
原子炉は、その中に核燃料を含む燃料要素が配置されている原子炉容器を含む。一次冷却液回路を形成し、少なくとも1つの冷却液ポンプに接続され、加圧水型原子炉(PWR)または重水型原子炉の場合には蒸気発生器に接続される配管系が、上記原子炉容器に接続される。
上記冷却液回路の配管系は、通常、オーステナイト系FeCrNiステンレス鋼から形成されている。蒸気発生器の熱交換器表面は、Ni合金から形成されてもよい。更に、冷却液ポンプおよび他の構成要素のために、コバルト鋼および/または鋳造材料が使用されている。原子炉の動力操作の条件下で、すべてのこれらの物質は水に一部溶解性を示す。上記合金から浸出した金属イオンは冷却液の流れに入り、そこで放射性核種内に広がる中性子放射線によって、それらが部分的に変換される原子炉容器に到達する。次々に核種は、冷却液系全体の冷却液の流れによって分散され、冷却液系の金属表面上に、原子炉の運転中に形成する酸化物層に導入される。
運転時間の増加と共に、付着した活性化核種が蓄積し、冷却液系の構成要素上の放射能または線量率が増加する。構成要素に使用される合金の種類に依存して、酸化物層は、主成分として二価および三価の鉄を有する酸化鉄、および上記材料中の合金構成要素として存在する、クロムおよびニッケルなどの他の金属の酸化物を含有する。
原子炉系の構成要素上での点検、保守、修理および除去作業を実施することができる前に、作業員の放射線被ばくを低減するために、それぞれの構成要素の放射能の低減が必要とされる。これは、構成要素の表面上に存在する酸化物層を、染除方法によって、できる限り完全に除去することによって行われる。上記除染は、システム全体除染(FSD)として行われてもよい。この目的のために、全体の冷却液系、またはバルブによって分離された上記システムの一部分のいずれかを、水性洗浄溶液を充填し、除染する。部分的な除染において、上記システムの個々の構成要素を、上記洗浄溶液を含有する別の容器中で処理することができる。
全システム除染(FSD)の場合に、主要冷却液ポンプなどの発電所自体のポンプを用いて、処理溶液を一次冷却液回路内に循環させ、一次冷却液回路内に存在する圧力および温度制御用の発電所自体の装置を使用することが得策かもしれない。上記冷却液ポンプを作動させるために、上記ポンプは、封水を一次冷却液内に送達するガスケット部の内部冷却のために封水を供給することが必要である。これに必要な封水は、内部封水回路内の発電所構内運転システムまたは外部脱イオン水供給のいずれかによって提供される。手続的な理由のために、上記外部封水供給は、除染工程の酸化段階の間に優先的に行われる。この工程において、外部封水を一次冷却液回路に好ましくは脱イオン水の水質で供給する。非常に限定された量の外部から供給される封水だけが、上記システムの除染時に閉じた一次冷却液回路内に受け入れられることが可能であるので、供給された封水の量に対応する量の処理溶液は上記システムから排水として排出される必要がある。排出された処理液は、典型的には、放射能汚染された排水を低い量に維持するために、運転時に蒸発器で少量に濃縮する。
全システム除染の酸化段階の間の冷却液系内に導入された外部封水量は、数m/時間であってもよい。従って、処理液の数百m以下の必要量を蒸発させるために、大きな蒸発器容量を維持しなければならない。蒸発器のための高い投資コストに加えて、蒸発工程時に、高エネルギー消費に伴う追加コストが発生する。重水を冷却液として使用する重水型原子炉では、高価な重水のみを封水として使用することができ、従来技術を用いる場合に処理溶液の蒸発時に重水のかなりの損失を発生する可能性があるという事実から、追加コストが生じる。従って、このタイプの原子炉では、完全なシステムの除染は、経済的に実施することができない。
本発明の目的は、より対費用効果が高く、放射性廃棄物の生成が低減された、原子炉の一次冷却液回路中の金属表面の除染作業時に生じる排水を処理する方法を提供することである。
上記目的を達成するために、原子炉の一次冷却液回路中の金属表面の除染作業からの排水を処理する方法を提供し、上記方法は以下の工程:
(a)酸化剤を一次冷却液回路に導入して酸化溶液を生成し、上記酸化溶液を上記一次冷却液回路中に循環させて上記酸化溶液を金属表面と接触させる工程;
(b)上記工程(a)の間または上記工程(a)の後、所定量の酸化溶液を上記一次冷却液回路から上記一次冷却液回路と接続された還元域へ排出する工程;
(c)上記還元域において、上記酸化剤を還元剤と反応させて、上記酸化剤を含まない反応溶液を生成する工程;
(d)上記反応溶液をイオン交換樹脂に通して脱塩溶液を生成する工程;並びに
(e)上記脱塩溶液を上記一次冷却液内に戻すおよび/または一時的に貯蔵するおよび/または処分する工程;
を含む。
本発明の排水処理方法の工程(a)は、除染方法の従来の適用範囲内の酸化工程に相当する。本発明の方法によって、酸化工程の間または酸化工程を行った後、一次冷却液回路から排出した酸化溶液を処理し、複雑な後処理および/または蒸発を必要とすることなく、除染工程にリサイクルすることができる。更に、この技術は、従来技術に比べて少量の廃棄物のみを生成し、経済的利点だけでなく生態学的利点も提供する。
本発明者らは、除染方法の酸化工程の後の排水処理が、冷却システムからの冷却液ポンプの作動によって冷却システム内に導入された排水量を除去するのに適しており、および上記冷却システムに戻ることができるか、または処分することができるように処理するのに適していることを見出した。冷却液の排出部分に存在する酸化剤の還元剤を用いた処理には、反応相手の限定された分解生成物への短時間内の有効な変換を達成するように制御可能である概して迅速な酸化還元反応を含む。その低イオン交換により、得られる反応溶液は、どうしても除染方法を実施するのに必要であり、そのため発電所の構内設備として利用可能であるイオン交換器を用いた処理に対して安定性を有する。従って、蒸発器濃縮物などの更なる放射性廃棄物の生成を低減または回避することができる。
本明細書中で用いられる「酸化剤を含まない」とは、反応溶液中の酸化剤の濃度が、イオン交換樹脂に対して非臨界であり、好ましくは5mg/kgより低い値を有することを意味する。上記酸化剤の完全な変換を可能にするために、好ましくは還元剤をわずかに過剰に使用する。
酸化剤として、Ce4+、過マンガン酸およびそのアルカリ金属塩などの過マンガン酸塩、Hおよびそれらの塩またはOを使用してもよい。好ましい実施形態によれば、酸化剤は、過マンガン酸塩、好ましくは過マンガン酸である。過マンガン酸塩は、容易に入手可能であり、除染方法のための酸化剤として既に技術的に試験されている。
好ましい実施形態によれば、本発明の排水処理方法に用いられる還元剤は、アスコルビン酸、クエン酸またはシュウ酸などの脂肪族ジカルボン酸、およびそれらの混合物、特に好ましくは、シュウ酸である。シュウ酸は、酸化工程において金属表面上の酸化物層から分離された金属イオンに好適な錯化剤であることが知られている。また、シュウ酸は、反応生成物として二酸化炭素および水のみを生成するため、残留物なしで反応溶液から除去することができる。
一次冷却液回路は、封水供給部を有する少なくとも1つの冷却液ポンプを含んでもよい。冷却液ポンプに供給された封水は、一次冷却液中に送達される。酸化工程の間または後に一次冷却液回路から排出される所定量の酸化溶液は、好ましくは、一次冷却液に供給された封水の量に相当する。還元域に排出される酸化溶液の体積流量は、特に好ましくは、酸化工程時に冷却液ポンプによって一次冷却液中に排出される封水の体積流量に相当する。これにより、冷却システム内の一次冷却液の量を一定に保持し、還元域において規定された流量を設定する。また、これにより、排出された酸化溶液の連続的処理、および同時に一次冷却液回路内の一定の充填体を確保することができる。
別の実施形態では、還元域中に排出された酸化溶液は、緩衝容器中に一時的に貯蔵されても、バッチ内の還元域内で処理されてもよい。
より好ましくは、酸化剤を含まない反応溶液をイオン交換器に供給する前に、還元域における酸化剤の還元剤との本質的に完全な反応を保証するように、還元域の体積を還元剤と酸化剤の反応の反応時間に適合させる。このようにして、連続的な監視および還元域の制御を必要とすることなく、ほとんど努力せずに、酸化剤の本質的に完全な変換を確保することができる。
本発明の更なる要件は、原子炉の一次冷却液回路中の金属表面の除染作業からの排水を処理するための排水処理装置であり、上記装置は、
酸化剤を含む所定量の一次冷却液を一次冷却液回路から排出するために設けられた排出デバイス、
上記排出デバイスに接続され、還元剤を所定量の排出した一次冷却液に導入するための投薬点を含み、一次冷却液内において還元剤を酸化剤と反応させて反応溶液を生成する還元域、および
上記反応溶液を脱塩するための、還元域に接続された少なくとも1つのイオン交換器
を含む。
上記排水処理装置は、蒸発器を使用することなく、原子炉の一次冷却液回路中の金属表面の除染に使用される酸化溶液を処理および脱塩することを可能にし、エネルギー消費および生成した放射性廃棄物を大幅に低減させる。
有利な実施形態では、還元域は任意に連続運転される反応容器を含む。更なる反応容器を設けることにより、酸化剤の還元剤との反応をより容易に監視および制御することができる。また、排水処理装置を、より柔軟に設計することができ、かつそれぞれの原子炉の要求に適合することができる。連続運転される反応容器は、酸化溶液を一定に処理することができ、それによって一次冷却液回路から一定に排出することができ、脱イオン水として貯蔵するか、またはイオン交換器で処理した後、封水として戻すことができるという更なる利点を有する。
反応容器は、還元剤と酸化剤との本質的に完全な反応を確保するために、酸化溶液中に導入された還元剤の量ならびに撹拌槽型反応器中の反応溶液の滞留時間を制御することができるという利点を有する、必要に応じて連続的に運転される撹拌槽型反応器である。
有利な実施形態によれば、還元域は撹拌槽型反応器に接続された緩衝容器を更に含む。たとえ撹拌槽型反応器が断続的に運転されても、緩衝容器は冷却システムからの酸化溶液の連続排出を可能にする。あるいは、緩衝容器はまた、第1の撹拌槽型反応器に並列に接続された別の撹拌槽型反応器であってもよい。酸化剤の還元剤との反応が他の容器中で実施されている間、冷却液系から排出された酸化溶液の体積が完全に緩衝容器の内の1つに受け入れることができるように、撹拌槽型反応器および/または緩衝容器の体積を一致させる。
別の有利な実施形態によれば、上記反応容器は、連続運転が可能な管型流通反応器を含む。この場合、還元域の部分を、管型流通反応器として設計してもよい。
上記管型流通反応器の長さは、上記管型流通反応器の直径および反応溶液の流速に依存して決定してもよい。管型流通反応器の長さは、好ましくは、酸化剤が還元剤と本質的に完全に反応して上記酸化剤を含まない反応溶液を生成する、管型流通反応器中の反応溶液の滞留時間を達成するような寸法を有する。このようにして、それによって工程安全性を向上し、コストを低下する、更なる監視装置および制御装置の必要はない。
本発明の別の要件は、本発明の排水処理方法を実施するための本発明の排水処理装置の使用、好ましくは、1つの以上の金属酸化物および放射性同位体を含む層を有する原子炉の一次冷却液回路中の金属表面を除染する除染方法における排水処理装置の使用である。
除染方法が1つ以上の処理サイクルを含んでもよく、それぞれの処理サイクルが、酸化剤を一次冷却液回路中の一次冷却液内に導入して酸化溶液を生成し、上記酸化溶液を該一次冷却液回路中に循環させて該酸化溶液を金属表面と接触させる酸化工程;還元剤を酸化溶液中に導入し、上記酸化溶液中の酸化剤を還元する還元工程;および除染工程を含み、上記酸化工程において処理された金属表面を除染剤と接触させて、金属酸化物および放射性同位体の少なくとも一部を一次冷却液中に溶解して除染溶液を生成する。本発明によれば、上記酸化工程において生成した所定量の酸化溶液を排水処理装置内に排出する。
本発明に係る方法および排水処理装置は、特に好ましくは、加圧水型原子炉、沸騰水型原子炉または重水型原子炉の全システム除染に使用するのに好適である。上記酸化物層の化学構造および化学組成、並びに厚さは、FSDにおける全除染領域にわたって異なっていてもよく、FSDにおいて処理する除染領域の合計表面積が非常に大きいため、金属表面上に付着させた酸化物層を広げるのに特に長い酸化時間が必要である。本発明の方法は、特に、生じた放射性排水の量を低減するのに役立つ。重水型原子炉において、本発明の方法は、高い蒸発損失および更なる処理工程なしで高価な重水の回収を可能にする。
更なる利点および特徴が、添付の図面に関連した以下の説明から明らかになる。
管型流通反応器を有する本発明に係る排水処理装置の概略図である。 撹拌槽型反応器を有する本発明に係る排水処理装置の別の実施形態を示す。
図1に概略的に示された排水処理装置10は、原子炉14の一次冷却液回路12に接続され、1つの以上の金属酸化物および放射性同位体を含む層を有する一次冷却液回路12中の金属表面の除染作業からの排水を処理するために役立つ。一次冷却液回路12は、原子炉14の出力運転中に一次冷却液と接触しているすべてのシステムおよび構成要素を含む。特にこれらに限定されないが、冷却液配管、原子炉容器、蒸気発生器、並びに非常用および残留熱除去系、体積調整システムおよび炉水浄化系(図示せず)などの補助システムを含む。
一次冷却液回路12は、更に、一次冷却液および/または酸化工程における酸化溶液の循環のために設けられている主冷却液ポンプ20を含む。1つの主冷却液ポンプの代わりに、複数の主冷却液ポンプを運転することもできる。酸化溶液を一次冷却液回路12中に循環させるために、主冷却液ポンプ20に加えてまたはその代わりに、補助システムのポンプ、特に非常用および残留熱除去系のポンプ(図示せず)を使用することができる。
酸化溶液を所望の反応温度にするために使用してもよい。上記冷却液ポンプの少なくとも1つは、封水供給部を有する。
一次冷却液回路12の1つのみのループを図1に示しているが、本発明の排水処理装置10は、2つ以上のループを有する一次冷却液回路12を有する原子炉に用いることができると想定してもよい。
原子炉14は、特に加圧水型原子炉、沸騰水型原子炉または重水型原子炉として構成してもよい。
一次冷却液回路12に接続された排水処理装置10は、還元域16および排出デバイス18を含み、上記酸化溶液の一部を一次冷却液回路12から還元域16に排水として排出する。上記排出デバイス18は、例えば、制御弁を有するかまたは有さない、一次冷却液回路12の除染領域に直接組み込まれた三方弁および/または継手を含んでもよい。一次冷却液回路12内の体積流量および還元域16に排出される酸化溶液の流量の両方を調整することができることは有利である。
排出デバイス18において一次冷却液回路から排出された酸化溶液の一部を還元域16を通して送り込むのに役に立つポンプ22を、還元域16に提供する。
還元域16における酸化溶液の体積流量を測定および制御することができる流量計24を、ポンプ22の後に配置する。
投与ポンプ30によって還元剤を投薬デバイス28から還元域16に導入することができる投薬点26を、ポンプ22の下流に設ける。
還元剤を酸化溶液中の酸化剤と反応させて反応溶液を生成させる反応部32を、投薬点26の下流に設ける。
図1に示す実施形態において、反応部32は、酸化剤が還元剤と本質的に完全に反応するのに十分である管型流通反応器34内の反応溶液の滞留時間を達成するような長さを有する管型流通反応器34を有し、そして上記管型流通反応器を出る時、上記反応溶液は上記酸化剤を含まない。上記管型流通反応器の長さは、上記管型流通反応器の直径および反応溶液の流速に依存して決定される。
酸化剤を含まない反応溶液中に含まれる少なくとも放射性成分、好ましくは、そこに含まれる金属イオンが結合し、それによって反応溶液を脱塩および洗浄する、少なくとも1つのイオン交換器36を、還元域16の反応部32に接続する。脱塩によって処理された排水は、特に好ましくは脱イオン水の水質で提供される。
脱塩によって少なくとも放射性成分を含まない、イオン交換器36を出る上記溶液は、任意に接続点38で排出され、排水40に直接供給されてもよく、および/または、封水ポンプ44用の中間貯蔵容器42または脱イオン水用の別の貯蔵容器(図示せず)へ脱イオン水として通過させてもよい。上記他の貯蔵容器内に提供された脱イオン水は、例えば、一次冷却液の損失を補償するために使用してもよい。この実施形態は、以前から経済的理由のために重水の損失を低く保持すべきである、重水型原子炉の除染に特に好適である。
中間貯蔵容器42から、脱塩溶液は、封水ポンプ44によって外部封水として主冷却液ポンプ20へ供給することができ、このようにして一次冷却液としてまたは更なる処理薬品のための溶媒として再び一次冷却液回路12に使用できる。
一次冷却液回路12は、接続点48、50によってそれに接続された更なる外部の除染システム46を有してもよく、除染システムは、除染方法の各工程を監視および制御するために提供されてもよい。外部の除染システム46は、モジュラーデザインを有してもよく、特に、除染を実施するための酸化剤および除染剤などの処理化学物質用の1つ以上の貯蔵容器、処理化学物質を一次冷却液回路12に供給するための投薬デバイス、ポンプ、ヒータ、濾過デバイス、サンプリングシステム、1つ以上のイオン交換器、除染剤の光触媒分解用の紫外線反応装置、そして遠隔監視用インタフェース並びに処理溶液の物質固有濃度、pH、活性および他の方法パラメータを決定するための種々のセンサを含んでもよい。接続点48、50によって、外部の除染システム46を、任意に一次冷却液回路12に接続しても、または一次冷却液回路12から切り離してもよい。外部の除染システム46の設計および器具の使用は、除染時に構内機器の範囲に頼られているかどうか、または頼られていることに依存している。
好ましい実施形態では、本発明の排水処理装置10も同様に、外部の除染システム46中に組み込んでもよい。好ましくは、接続点48、50の内の1つを排出デバイス18としても用いてもよい。
図2に示す実施形態では、図1と同様の機能を有する構成要素に対して同様の参照番号を用いる。この点については、上記の説明を参照。
図2の実施形態において、反応部32は、その中で酸化剤を還元剤と反応させる第1の撹拌槽型反応器52を有する。第1の撹拌槽型反応器52に加えて、第1の撹拌槽型反応器52に並列に接続された第2の撹拌槽型反応器54が設けられている。この配列によって上記撹拌槽型反応器52、54の断続運転を可能にし、他の撹拌槽型反応器を一次冷却液回路12から排出された酸化溶液で充填している間、上記反応器の内の1つの中で酸化剤を還元剤と反応させる。酸化剤が還元剤と本質的に完全に反応するのに必要な上記1つの反応器中の反応溶液の滞留時間が、上記反応溶液で充填される上記の他の反応器に必要な時間より短くなるように、撹拌槽型反応器52、54の体積を一致させる。
また、第2の撹拌槽型反応器54は、第1の撹拌槽型反応器52に接続されており、撹拌槽型反応器52中の酸化剤の還元剤との反応が完了するまで一次冷却液回路12から排出される酸化溶液を受け入れる、簡単な緩衝容器として構成されてもよい。本実施形態では、還元剤を、撹拌槽型反応器52に直接添加することができる。
更に、撹拌槽型反応器52は、連続運転してもよい。この場合、緩衝容器または第2の撹拌槽型反応器54を省略してもよい。撹拌槽型反応器52は、次いで、撹拌槽型反応器52を通過して流れる反応溶液の体積流量が、結果として、酸化剤が還元剤と本質的に完全に反応し、酸化剤を含まない反応溶液を得るのに十分な滞留時間となるように設計されている。
以下、本発明の排水処理装置10を用いることができる除染方法を、最初に記載する。
1つの以上の金属酸化物および放射性同位体を含む層を有する、原子炉14の一次冷却液回路12中の金属表面の除染は、1つ以上の処理サイクルで行ってもよく、各サイクルは酸化工程、還元工程および除染工程、並びに任意に更なる処理工程を含む。
酸化剤を一次冷却液回路12中の一次冷却液内に導入して酸化溶液を生成することによって酸化工程を行い、上記酸化溶液は一次冷却液回路12中に循環させて上記酸化溶液を金属表面と接触させる。酸化剤を、外部の除染システム46または構内の体積制御システムを使用して、一次冷却液内へ供給してもよい。
上記酸化溶液は、同時に熱源として機能し、少なくとも主冷却液ポンプ20および/または一次冷却液回路12中に存在する更なる冷却液ポンプを用いて循環させてもよい。封水ポンプ44によって外部封水を供給することにより、上記主冷却液ポンプ20および/または更なる冷却液ポンプのシール気密性を酸化工程において保証する。上記酸化工程で用いられる封水は、上記主冷却液ポンプ20および/または更なる冷却液ポンプから一次冷却液中に送達され、それにより酸化工程時の一次冷却液の体積を増加する、脱イオン水である。は、このように酸化工程が使用されている間に一次冷却液の量を増加させる、主冷却液ポンプ20および/または一次冷却液中に更に冷却液ポンプから吐出される。
除染工程、および任意に他の処理工程において、処理溶液自体が封水として提供されてもよく、または上記処理液を外部ポンプ、例えば外部の除染システム46によって循環してもよい。
酸化溶液中の酸化剤の濃度は、好ましくは10〜800mg/Lの範囲内、より好ましくは100〜300mg/Lの範囲である。
金属表面上に付着された酸化物層は、通常、難溶性のスピネル構造中に、Cr(III)、Fe(II)およびFe(III)、並びにNi(II)を含む。酸化剤との接触により、金属表面上の酸化物層中のCr(III)およびFe(II)は、Cr(VI)およびFe(III)に酸化され、それによって上記層のスピネル構造を破壊する。本工程において、酸化剤として用いられる過マンガン酸塩(MnO )を二酸化マンガン(MnO)に還元する。容易に可溶性のクロム酸塩であるCr(VI)は、この相に溶解されているが、Fe(III)およびNi(II)はほとんど水和酸化物として金属表面上に残る。
酸化工程は、金属表面への新しい酸化剤の輸送によって限定され、それによって、特定の酸化物層の厚さのみ広げることができる拡散制御過程である。過マンガン酸塩を用いる場合、酸化剤の金属表面への拡散は、酸化時間を進める上記表面上に形成する二酸化マンガンによって更に遅くなる。これによって、結果的に、処理時間にわたってCr(VI)形成の連続的減少をもたらす。上記酸化工程は、典型的には数時間かかり、酸化溶液中においてCr(VI)濃度の増加が観察されなくなった場合に終了する。
上記除染方法では、酸化工程に次いで、酸化溶液中に含まれる残留酸化剤、および任意に過マンガン酸塩を使用する場合に生成される二酸化マンガンを一次冷却液回路12中で還元する還元工程が続く。用いられる還元剤は、脂肪族ジカルボン酸、好ましくはシュウ酸である。
還元剤としてシュウ酸を用いる場合、一般的な反応式は以下のとおりである。
2MnO +5H+6H → 2Mn2++10CO+8H
MnO+H+2H → Mn2++2CO+2H
シュウ酸を用いる還元により、排他的にCOおよびHOが得られ、マンガン過マンガン酸塩1モル当たり5モルのCOが生成され、二酸化マンガン1モル当たり2モルのCOが生成される。還元工程において形成されるCOは、例えば、外部の除染システムのサージタンクまたは一次冷却液回路12の低圧領域に回収されてもよく、対応するフィルタによって、そこから原子炉の運転時に生じる排気へ供給されてもよい。
酸化剤の濃度がそれ以上減少せず、および/または所定の限界値を下回った時に、還元工程が完了する。
還元工程に続く除染工程において、酸化工程において処理された金属表面を除染剤と接触させ、除染溶液を金属酸化物および放射性同位体の少なくとも一部を一次冷却液中に溶解して除染溶液を形成する。
除染剤としてシュウ酸を再度用いてもよい。一次冷却液回路12における還元工程から除染工程への移行は、従って、緩やかである。
除染剤としてシュウ酸を用いる場合は、Cr(VI)はCr(III)に還元され、除染溶液中にオキサラト錯体として残っている。任意に存在するNi(III)はNi(II)に還元され、Ni(II)オキサラト錯体として溶解されるが、鉄をFe(III)オキサラト錯体として溶解する。更に、除染溶液はまた、酸化物層から浸出した放射性同位体を含む。
除染溶液を含む金属イオンをカチオン交換樹脂上を通過させて、腐食生成物のFeとNiおよび酸化工程および放射性同位体からのMnと結合する。少量の放射性同位体およびCr(III)オキサラト錯体を、アニオン交換樹脂上に保持することができる。上記除染溶液はイオン交換樹脂上で絶えず洗浄されるので、放射能の冷却液システムへの再循環を防止し、現在の処理サイクルにおける放射線量の影響の効果的低減を達成する。除染溶液の活性の減少が観察されなくなった場合、1つの処理サイクルにおける除染工程が完了する。
後続の洗浄工程において、除染剤を金属イオンを除いた除染溶液から除去する。シュウ酸を除染剤として使用する場合、紫外線を用いる光触媒湿式酸化によって、シュウ酸をCOおよび水に分解することができる。並行して、除染溶液をイオン交換体上に連続的に通過させて、残留放射能および腐食生成物を除去する。除染溶液から還元成分の除去は、次の処理サイクルの形成のために提供され、次の酸化工程で使用される酸化剤の安定性を保証する。
最後の処置サイクルの終わりに、金属表面の線量率の所望の低減が達成されるとすぐに、洗浄されおよび残留除染剤を含まない除染溶液を、決定した限界伝導率に達成するまで混合床フィルタによって洗浄する。
排水処理装置10を用いて原子炉の一次冷却液回路中の金属表面の除染作業からの排水を処理する本発明の方法を、以下に詳細に記載する。
本発明によれば、前述の除染方法の酸化工程において生成された所定量の酸化溶液を一次冷却液回路12から排出し、一次冷却液回路に接続した排水処理装置10の還元域16において還元剤と反応させる。排水処理装置10における酸化溶液の変換は、一次冷却液回路12における酸化工程時に既に開始されていてもよい。
一次冷却液回路12から排出された所定量の酸化溶液は、冷却液ポンプ、特に主冷却液ポンプ20に供給され、酸化工程時に一次冷却液中に送達される封水の量に相当する。還元域16に流れ込む酸化溶液の体積流量は、特に酸化工程時に一次冷却液中に導入される封水の体積流量に相当する。上記ポンプ22および流量計24を用いて、還元域16における酸化溶液の流速を制御することができる。
還元域16中において、還元剤を投薬点26において投薬デバイス28によって酸化溶液中に導入し、投薬点26の後の反応部32において酸化剤を還元して、酸化剤を含まない反応溶液を形成する。
還元域16において、および前述の除染方法の還元工程において使用される還元剤は、同一であっても異なっていてもよい。両方の工程において、同一の還元剤を使用することが好ましい。還元域16において使用される還元剤は、好ましくは脂肪族ジカルボン酸、より好ましくはシュウ酸である。
上記還元剤によって、過マンガン酸塩(MnO )などの還元域16において酸化溶液中に含まれる残留量の酸化剤、および任意に還元域16に導入される二酸化マンガン(MnO)をMn2+に還元する。
化学量論量をわずかに超えるシュウ酸を用いることにより、反応部32で上記過マンガン酸塩、および任意に二酸化マンガンをMn(II)に完全に還元することができ、かつ後者を錯化して溶解したままとすることができる。酸化物層から浸出したCr(VI)は還元剤によりCr(III)に還元され、反応溶液中にオキサラト錯体として残る。酸化剤との反応により、シュウ酸を二酸化炭素COおよび水に変換する。
反応溶液からのCOのガス放出は、還元域16および/または反応部32を加圧することによって防止することができる。これにより、COを反応溶液中へ完全に溶解することができる。
反応部32に管型流通反応器34(図1)を使用する場合、イオン交換器36の後に十分な過圧ユニットを設置することが好ましい。
撹拌槽型反応器52などの反応容器を使用する場合(図2)、反応容器中で脱ガスを行ってもよく、COの主部を、対応するHEPAフィルタによって、原子力発電所の運転時に生じた排気に供給してもよい。
反応部32内の反応溶液の滞留時間が、還元域16における還元剤と酸化剤の本質的に完全な反応を確保するのに十分であるように、還元域16の体積を、好ましくは、還元剤と酸化剤の反応の反応時間に適合させる。還元剤と酸化剤の反応の反応時間は、実験的に確認することができる。本質的に一定量の冷却液を一次冷却液回路内で維持することができるように、還元域16の体積および反応部32内の反応溶液の滞留時間は、酸化工程時に一次冷却液に内に導入される外部封水の量および/または体積流量に依存して決定される。
管型流通反応器34を使用する場合、管型流通反応器34内の酸化剤および還元剤の滞留時間は、管型流通反応器34内の還元剤と酸化剤の本質的に完全な反応を確実にするために、管型流通反応器34の長さおよび/または反応溶液の流速によって制御することができる。酸化剤を含まない反応溶液は、次いで管型流通反応器34を出る。
撹拌槽型反応器52を使用する場合、撹拌槽型反応器の体積は、上記反応器内の反応溶液の滞留時間が、酸化剤が還元剤と本質的に完全に反応するのに十分であるような寸法に形成してもよい。撹拌槽型反応器52は、好ましくは連続運転される。断続運転の場合には、他の反応器54または緩衝容器を一次冷却液回路12から還元域16内へ排出された酸化溶液で充填する間に、上記反応器52中で酸化剤の完全な変換が達成されるように、その体積が一致している、緩衝容器または更なる撹拌槽型反応器54を更に設けてもよい。
酸化剤を含まない反応溶液を洗浄用のイオン交換器36内のイオン交換樹脂に通して、脱塩溶液を形成する。酸化工程からのMnおよび任意に反応溶液中に溶解した腐食生成物FeおよびNi、並びに放射性物質を、カチオン交換樹脂に結合させる。少量の放射性物質およびCr(III)をアニオン交換樹脂に結合させることができる。脱イオン水を生成するように脱塩を完全に行ってもよく、または、好ましくは、少なくとも排水中への上記溶液の処分を可能にする、処理溶液の所定の活性が得られるまで、部分的に行ってもよい。
酸化媒体を含まない反応溶液から、イオン交換器36に入る前またはその後に、フィルタによって、可能な粒子を洗浄して取り除いてもよい。
このようにして洗浄および脱塩を行った上記溶液を封水供給器を通過させてもよく、
主冷却液ポンプ20または更なる冷却液ポンプ用の封水として利用可能であり、かつ一次冷却液回路12に戻してもよい。追加的または代替的に、洗浄および脱塩された溶液は、完全にまたは部分的に配置してもよい。
実験室規模での排水処理の実施のため、酸化溶液中の過マンガン酸の最大濃度は約300ppmの量(mg/kg)であると仮定した。この濃度は、過マンガン酸塩を用いる除染方法に典型的に使用される酸化剤の量の上限値に相当し、従って保守的な仮定を構成する。
処理される酸化溶液の量は、酸化工程に必要な封水の量に相当し、酸化段階時に運転中である冷却液ポンプの数に依存する。一次冷却液回路における4つのすべての主冷却液ポンプが同時に運転中である場合、導入された封水の最大量は6m/時間である。
シュウ酸を、好ましくは溶液の形態で還元域中に供給した。除染方法に用いられるシュウ酸の原液の濃度は、水1m当たりシュウ酸二水和物100kgに相当する、水1kgあたりシュウ酸二水和物約100gである。この濃度では、温度T≧15℃でのシュウ酸の沈殿を除外する。
還元域へのシュウ酸溶液の供給速度は、酸化溶液中の過マンガン酸濃度および封水量に依存する。上記のように想定される最大の条件下で、約63.5L/時間である。これは、酸化溶液中の過マンガン酸をMn(II)に還元し、後者を錯化するのに化学量論的に必要であるシュウ酸の量に相当する。これにより、還元後の沈澱物の形成を回避する。シュウ酸の供給速度は、前述の初期パラメーから外れる場合に、新しく確認および/または適合させることができる。更に、イオン交換カラムの上流での伝導率測定により、供給速度の微調整を排水処理の実施時に行ってもよい。
連続的な管型流通反応器として機能するホースの必要な長さは、使用されるホースの直径、反応の完了に必要な滞留時間および流速に依存する。除染ホースに典型的に用いられる直径DN80をホース直径として選択した。所定の条件下および温度T≧85℃〜95℃で、シュウ酸との過マンガン酸の反応のための最大反応時間は2分間である。導入した封水の最大量6m/時間を考慮すると、必要なホース長さ約40メートルとなる。
前述の計算したパラメータを、パイロットプラント規模で試験した。ホース直径DN80の代わりに、直径DN25を有するホースをパイロットプラント試験に使用した。40mのホース長さを保持した。反応溶液の同じ滞留時間を達成するために、流速を500L/時間に設定した。ホース中の反応溶液の測定された滞留時間は、9秒(00:09)の標準偏差で、2分3秒(2:03)であった。シュウ酸溶液の流速調整供給速度は、5.25L/時間であった。過マンガン酸の濃度または反応温度などの他の処理パラメータは変更なしのままであった。過マンガン酸塩を含まない無色の溶液を、管型流通反応器として使用されるホースの出口で得た。
管型流通反応器として機能するホースにおける過マンガン酸の還元の実現可能性を、このように証明することができた。これは、算出した滞留時間は、過マンガン酸の完全な還元を達成するのに十分であることを確認した。溶解したままのイオンは、酸化工程の終了時に100mの過マンガン酸溶液当たり約250Lのイオン交換体必要量を示す。
本明細書に記載の管型流通反応器中でのシュウ酸を用いる還元による酸化溶液のコンディショニングの1つの利点は、生じた廃棄物の量および還元反応を実施する労力が、従来技術による蒸発器を用いる除染方法からの排水の処理に比べて、小さいことである。
従って、本発明は、全システム除染において生じる排水の量を処理するための十分な蒸発能力を持たない原子力施設のために、およびシステム除染時の数百mの範囲の多量の重水の除去が経済的ではない重水型原子炉のために、特に有用である。
10 … 排水処理装置
12 … 一次冷却液回路
14 … 原子炉
16 … 還元域
18 … 排水デバイス
20 … 冷却液ポンプ
22 … ポンプ
24 … 流量計
26 … 投薬点
28 … 投薬デバイス
30 … 投与ポンプ
32 … 反応部
34 … 管型流通反応器
36 … イオン交換器
38、48、50 … 接続点
40 … 排水
42 … 封水供給部
44 … 封水ポンプ
46 … 外部の除染システム
52、54 … 撹拌槽型反応器

Claims (17)

  1. (a)酸化剤を一次冷却液回路(12)中の一次冷却液内に導入して酸化溶液を生成し、該酸化溶液を該一次冷却液回路(12)中に循環させて該酸化溶液を金属表面と接触させる工程;
    (b)上記工程(a)の間または上記工程(a)の後、所定量の酸化溶液を該一次冷却液回路(12)から該一次冷却液回路(12)と接続された還元域(16)へ排出する工程;
    (c)該還元域(16)において、該酸化剤を還元剤と反応させて、該酸化剤を含まない反応溶液を生成する工程;
    (d)該反応溶液をイオン交換樹脂に通して脱塩溶液を生成する工程;並びに
    (e)該脱塩溶液を該一次冷却液内に戻すおよび/または一時的に貯蔵するおよび/または処分する工程;
    を含み、
    該還元域(16)が管型流通反応器(34)を含み、該管型流通反応器(34)における酸化剤および還元剤の滞留時間を制御して、該管型流通反応器(34)における酸化剤の還元剤との本質的に完全な反応を達成することを特徴とする、原子炉(14)の一次冷却液回路(12)中の金属表面の除染作業からの排水を処理する方法。
  2. 前記酸化剤が、過マンガン酸塩である、請求項1記載の方法。
  3. 前記還元剤が、脂肪族ジカルボン酸である、請求項1または2記載の方法。
  4. 前記一次冷却液回路(12)が、封水供給部(42)を有する少なくとも1つの冷却液ポンプ(20)を含み、前記酸化溶液を、該冷却液ポンプ(20)を用いて、該一次冷却液回路(12)内に循環させる、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 封水を前記冷却液ポンプ(20)に供給して一次冷却液内に送達し、前記一次冷却液回路(12)から排出された酸化溶液の所定量が該一次冷却液内に送達された封水の量に相当する、請求項4記載の方法。
  6. 前記還元域(16)内に排出された酸化溶液の体積流量が、上記工程(a)の間に、前記一次冷却液内に送達された封水の体積流量に相当する、請求項4または5記載の方法。
  7. 前記還元域(16)における滞留時間を酸化剤の還元剤との反応の反応時間に適合させて、該還元域(16)における酸化剤の還元剤との本質的に完全な反応を達成する、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
  8. 二酸化炭素のガス放出を防止することが要求される場合、前記還元域(16)を加圧する、請求項1〜のいずれか1項記載の方法。
  9. 酸化剤を含む所定量の一次冷却液を一次冷却液回路(12)から排出するために設けられた排出デバイス(18)、
    該排出デバイス(18)に接続され、還元剤を排出した所定量の一次冷却液に導入するための投薬点(26)を含み、反応溶液を生成するために一次冷却液内において還元剤を酸化剤と反応させるために設けられた還元域(16)、および
    該反応溶液を脱イオン化するための、還元域(16)に接続されたイオン交換器(36)
    を含み、
    該還元域(16)が、連続運転する反応器(34;52、54)を含み、
    該反応器が撹拌槽型反応器(52、54)であり、
    該還元域(16)が、該撹拌槽型反応器(52)と接続された緩衝容器を更に含む、原子炉(14)の一次冷却液回路(12)中の金属表面の除染作業からの排水を処理するための排水処理装置(10)。
  10. 前記一次冷却液回路(12)が、封水供給部(42)を有する少なくとも1つの冷却液ポンプ(20)を含む、請求項記載の排水処理装置。
  11. 前記反応器が管型流通反応器(34)を含む、請求項記載の排水処理装置。
  12. 前記管型流通反応器(34)は、酸化剤が還元剤と本質的に完全に反応する管型流通反応器(34)における反応溶液の滞留時間が達成されるような長さを有する、請求項11記載の排水処理装置。
  13. 前記原子炉(14)が、加圧水型原子炉、沸騰水型原子炉、または重水型原子炉として構築されている、請求項9〜12のいずれか1項記載の排水処理装置。
  14. 請求項1〜のいずれか1項記載の方法を実施するための、請求項9〜13のいずれか1項記載の排水処理装置(10)の使用。
  15. 除染方法が1つ以上の処理サイクルを含み、それぞれの処理サイクルが、酸化剤を一次冷却液回路中の一次冷却液内に導入して酸化溶液を生成し、該酸化溶液を該一次冷却液回路中に循環させて該酸化溶液を金属表面と接触させる酸化工程;還元剤を酸化溶液中に導入し、該酸化溶液中の酸化剤を還元する還元工程;および除染工程を含み、
    該酸化工程において処理された金属表面を除染剤と接触させて、金属酸化物および放射性同位体の少なくとも一部を一次冷却液中に溶解して除染溶液を生成し、
    該酸化工程において生成した所定量の酸化溶液を排水処理装置(10)内に排出する、放射性同位体だけでなく1つ以上の金属酸化物の層を有する、原子炉(14)の一次冷却液回路(12)中の金属表面の除染方法における請求項9〜13のいずれか1項記載の排水処理装置(10)の使用。
  16. 前記酸化剤が、過マンガン酸である、請求項2記載の方法。
  17. 前記還元剤が、シュウ酸である、請求項3記載の方法。
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