JP2016079890A - エンジンの冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の経路で構成されたエンジンの冷却水回路において、簡単な構造で各経路の通水状態を制御するための流量調整弁を備えた冷却装置を提供する。【解決手段】上流側、下流側の両方が通水シーンの互いに異なる複数の経路と接続される流量調整弁のロータ12内部に板状壁16によって区画した部分流路室15を設けることで、1つの流量調整弁で部品の大型化を抑制しながら複数の経路の通水状態を独立して制御できるようにした。【選択図】図4

Description

本発明は、複数の経路で構成された内燃機関の冷却水回路において、簡単な構造で各経路の通水状態を制御するための流量調整弁を備えた冷却装置に関する。
上記冷却装置として、例えば下記特許文献1のようなものが知られている。特許文献1に開示された冷却装置は、エンジン本体を通過する第1の経路とエキマニを通過する第2の経路を流量調整弁の一種である三方弁で合流させ、ヒータ経路へと流出させているものであり、三方弁の流入口側に設けられた2つの弁の開度をエンジンの運転状態に応じて変化させ、各経路からの流量比を調整し、効率よく暖機を行ないながらヒータにも熱を供給し、乗り心地の快適さも両立している。
特開2009−216028
しかしながら、空調用の経路だけでなく、他の経路に設けたEGRクーラなどの熱交換器についても、通水状態をエンジン運転状態に応じて適正に制御し、さらなる燃費向上を行なう場合、一つの流量調整弁だけで制御しようとすると、シリンダヘッドウォータージャケットや空調用経路のような開閉シーンの異なる複数の流入経路とラジエータ経路やオイルクーラ経路のような開閉シーンの異なる複数の流出経路への一つの流量調整弁に接続する必要がある。その場合、流入経路、流出経路ともに各々開閉制御するシーン(運転状態)が異なるため、入口側に弁構造を設けるだけでは流出させたくない経路にも冷却水が流出してしまい、同様に出口側に弁構造だけでも流入させたくない経路から冷却水が流入してしまうため、入口側と出口側の双方に弁構造を設ける必要があり、弁構造の追加による流量調整弁の大型化、あるいは、特許文献1にも開示されているように三方弁とは別に制御弁を設けることによる部品点数の増加といった問題がある。
本発明は、上述した問題点に対してなされたもので、1つの流量調整弁で部品の大型化を抑制しながら複数の経路の通水状態を制御可能することを課題とする。
本発明に係るエンジンの冷却装置は上述した課題を解決するために、
エンジンの冷却水回路に設けられ、回路を構成する経路の通水状態を切替可能な流量調整弁を備えたエンジンの冷却装置であって、流量調整弁は、内部空間を有し表面に連通孔を設けた円筒状のロータと、ロータを回転させるアクチュエータ、およびロータを回転可能に収容し、各経路と接続するための複数の冷却水入口と複数の冷却水出口を設けたケーシングから構成され、ロータを回転させてロータ表面に設けた連通孔とケーシングに設けた冷却水出口との重なり度合いを変化させることによって経路の通路面積を制御する弁構造を有し、ケーシングとロータとの隙間空間およびロータの内部空間は互いに連通し、冷却水が通過可能なメイン流路室を形成しており、メイン流路室は、ケーシングに設けた複数の冷却水入口と連通しており、冷却水入口から流入した冷却水をメイン流路室内でミックスし、ケーシングに設けた複数の冷却水出口の弁構造によって各経路に必要な流量に調整し供給するものであって、ロータは内部空間に、ロータ表面を形成する表面壁の一部と、内部空間内に設けた複数の板状壁によってメイン流路室から区画された少なくとも1つの部分流路室を有するものであって、部分流路室を形成するロータの表面壁は、少なくとも1つの部分流路室流入用連通孔と少なくとも1つの部分流路室流出用連通孔を有し、部分流路室流入用連通孔と部分流路室流出用連通孔が、ケーシングに設けられた部分流路室用冷却水入口および部分流路室用冷却水出口と重なるときのみ冷却水が出入りできるようになっており、部分流路室に接続される経路は、ロータを回転させることでメイン流路室を通過できるように切り替え可能とした。
本発明によれば、流量調整弁の中にメイン流路室と部分流路室を設け、部分流路室に接続された所定の経路が、ロータの回転によってメイン流路室にも接続できるよう切り替え可能としたことで、流量調整弁の上流、下流の両方側に通水タイミングが互いに異なる複数の経路と接続されている状況で、特定の熱交換器への冷却水の流通状態を所定の経路の冷却水のみで行いたい場合、部分流路室用冷却水入口および部分流路室用冷却水出口を部分流路室に設けた部分流路室流入用連通孔と部分流路室流出用連通孔に接続するだけでそれを可能とでき、メイン流路室の冷却水入口に弁構造を設けて通水状態を制限する必要がなく、流量調整弁の大型化を抑制しながら他の経路と独立した通水状態をつくることができる。また、部分流路室用冷却水入口はロータを回転させることでメイン流路室に接続でき、所定の経路と他の経路の冷却水をミックスさせ、各経路に分配するよう切り替えられるようにしているため、効率の良い熱交換を可能としている。
また、流量調整弁を、エンジンのウォータージャケットが少なくともシリンダヘッドの排気ポート周囲ウォータージャケットとその他ウォータージャケットとに区画されている複数系統ウォータージャケットを備えたエンジンに設けられるものであり、エンジンの冷却装置は、排気ポート周囲ウォータージャケットから空調システムを通過して冷却水回路内の所定位置へと戻る空調用経路を備え、燃焼室壁温が所定の低温状態であって、空調システムへの通水要求があった場合には、空調用経路を部分流路室と接続させて通水し、エンジンの燃焼室壁温が所定の高温状態であり、かつ空調システムへの通水要求があった場合には、ロータを回転させてメイン流路室に接続し、他のウォータージャケットと排気ポート周囲ウォータージャケットを通過した両方の冷却水をミックスさせるようにしている。
上記のような構成としたことで、例えば複数系統ウォータージャケットがラジエータ経路、EGRクーラ経路および排気ポート周囲ウォータージャケットと空調システムを接続した空調用経路を備えたエンジンであって、その他ウォータージャケットの経路と空調用経路を上流側の経路として、ラジエータ経路や、EGRクーラ経路を下流側経路とし、空調用経路を部分流路室と接続可能とすることにより、エンジン冷間時には、エンジン本体内部で壁温上昇を促進したい部位周辺のウォータージャケットを水停止状態としながら、空調システムには排気ポート周囲ウォータージャケットの熱を供給し、乗員の快適性を確保できるため、暖機促進と空調性能確保を両立できる。さらにエンジンの暖機完了後はロータを回転させることにより、空調用経路とその他ウォータージャケットを通過した冷却水を流量調整弁内でミックスし、排気ポート周囲ウォータージャケットを通過した冷却水をラジエータ経路およびEGRクーラ経路にも通水可能とすることで効率良く熱交換できる。
ここで暖機完了とは燃焼室壁温が所定値以上であることを基準として判定し、前記燃焼室壁温は、エンジン本体内部または前記流量調整弁内部に設けた水温センサまたは壁温センサから得られる情報やECUから得られるエンジン負荷など前記燃焼室壁温に関するパラメータを用いて推定する。
複数系統ウォータージャケットは、シリンダライナ壁周囲に設けたブロックウォータージャケットとシリンダヘッドの燃焼室壁上部のウォータージャケットとが連通した燃焼室周囲ウォータージャケットと排気ポートを形成する壁の上下に設けられた排気ポート周囲ウォータージャケットの2系統ウォータージャケットであることが望ましい。このような構成とすることで、例えばエンジン冷間時であって空調システムへの通水要求がある場合に、燃焼室周囲ウォータージャケットの通水を流量調整弁の制御によって禁止しながら、排気ポート周囲ウォータージャケットを流量調整弁内に設けた部分流路室に接続して空調システムに熱供給することができるため、燃焼室壁温の昇温促進と空調性能確保との両立が可能となる。また、排気ポート周囲ウォータージャケットが排気ポートを形成する壁の上下に設けられていることで、排気ガスの熱を効率よく空調システムに供給でき、高負荷運転時であって排気ガス温度の上昇を抑制する必要がある場合には、効率よく排気ポートを冷却できる。
流量調整弁はシリンダヘッド側面に設けた燃焼室周囲ウォータージャケットの出口に接続するように締結し、空調用経路は、上流側から前記排気ポート周辺ウォータージャケット、空調システム、流量調整弁の順で構成されている。空調システムと流量調整弁の接続状態は、エンジンの運転状態に応じて、流量調整弁に流入した冷却水がメイン流路室で燃焼室周囲ウォータージャケットを通過した冷却水とミックスされる場合と、部分流路室を通過する場合とが切り替え可能なように接続されていて、部分流路室と接続する部分流路室用冷却水流入口および部分流路室用冷却水出口は、ロータの回転軸と略平行に並べてレイアウトされている。このようにすることで、ロータ内に設けた部分流路室をロータ回転軸と平行に設けることができ、ロータ断面に占める部分流路室の割合を必要最小限にとどめることができる。これによりロータ表面において、空調経路を通過した冷却水と他の経路を通過した冷却水とをミックスさせるときの流量を制御するための連通孔を設けることのできる面積を広く確保することができ、連通孔の形状自由度を高めることができる。すなわち、流量制御の自由度を大きくとることができる。
以下、本発明の実施形態の一例について図を参照しつつ、説明する。
まず、実施に係るエンジンの冷却装置について図1、図2、図3、図4および図5を参照して説明する。
図1において、エンジンの冷却装置は、ウォーターポンプ6、エンジン本体1、流量調整弁4、ラジエータ7、EGRクーラ8、空調システム9から構成している。
図2に示すように、エンジン本体1のウォータージャケット構造としては、シリンダヘッド2のウォータージャケットが、燃焼室壁上部およびそこから延びるように形成された排気ポート32を形成する壁の一部の周囲に設けられた燃焼室周囲ウォータージャケット10と、排気ポート32を形成する壁の上下に設けられ、シリンダヘッド2の両端で連通している排気ポート周囲ウォータージャケット11の2系統ウォータージャケットとなっており、それぞれのウォータージャケット10,11はシリンダ列方向に延びる壁によって分離されている。なお、排気ポート周囲ウォータージャケット11は排気マニホールド(図示せず)に設けられたウォータージャケットと接続していても良い。また、図3には図示していないが、図1の回路図に示すように燃焼室周囲ウォータージャケット10は、シリンダブロック3のウォータージャケットと連通している。シリンダブロック3のフロント側(気筒列方向でトランスミッションの反対側)に設けられたウォーターポンプ6から圧送された冷却水は、2つの経路をたどってエンジン外に流出する。
第1の経路はシリンダブロック3の気筒周囲に設けたブロックウォータージャケットを周回し、シリンダヘッド2の燃焼室周囲ウォータージャケット10に流入、図3に示すようにシリンダヘッド2のリア側(気筒列方向でトランスミッション側)側面に設けたリア側冷却水出口27から流出するもので、第2の経路はウォーターポンプ6から圧送された冷却水が排気ポート周囲ウォータージャケット11に流入、排気ポート32を挟んでその上下をエンジンフロント側からリア側に向かって通過したのちに、図3に示すようにシリンダヘッド2の排気マニホールド締結面側に設けた排気マニホールド締結面側冷却水出口28から流出するようになっている。
リア側冷却水出口27は、シリンダヘッド2のリア側側面に締結された流量調整弁4に直接接続されており、排気マニホールド締結面側冷却水出口28は空調用経路26を介して流量調整弁4に接続されている。
流量調整弁4には、空調用経路26以外にラジエータ経路24、EGRクーラ経路25が接続され、過剰な熱交換が行われないように、エンジンの運転状態等に応じて、流量調整弁4によって適切な流量が通水されるように制御する。
図4に模式的に概略図で示すように、流量調整弁4は内部空間を有する円筒状のロータ12、それを回転させるためのアクチュエータ13、およびロータ12を回転可能に収容するケーシング14によって構成される流量調整弁4である。
図5において、流量調整弁4は、ケーシング14にリア側冷却水入口17、空調経路冷却水入口18、ラジエータ経路出口29、EGRクーラ経路出口30、および空調用経路出口31が設けられており、ロータ12の表面には、ケーシング14に設けられた冷却水出口の開口面積を調整する弁構造とするための連通孔20、21、22、37、38が設けられ、エンジンの運転状態に応じてアクチュエータ13でロータ12を回転させることで、冷却水出口の開口面積を変化させ、各経路の冷却水流量を制御する。
流量調整弁4の内部は、ケーシング14とロータ12の隙間空間と、ロータ12の内部空間とが連通したメイン流路室35があり、冷却水の通路となっている。
ロータ12の内部には、ロータ12表面を形成する表面壁36の一部分と、ロータ12の内部空間内に形成した4枚の板状壁16によってメイン流路室35から区画された部分流路室15を設けている。
この部分流路室15は、冷却水が流入するための部分流路室流入用連通孔20と冷却水が流出するための部分流路室流出用連通孔22を有し、部分流路室流入用連通孔20および部分流路室流出用連通孔22以外からは冷却水が出入りできないようになっている。各経路から流量調整弁4に流入した冷却水は、基本的には、メイン流路室35でミックスされた後、ロータ12の回転によって開度が調整された冷却水出口から流出するが、部分流路室15と接続することで、他の経路の冷却水とミックスさせずに流出させることができる。本実施例では、空調用経路26がこの部分流路室15に接続できるようにしている。
所定の経路の通水状態を他の経路の通水状態と独立させて制御するにあたって、このような部分流路室15を設けていることで、流量調整弁4のリア側冷却水入口17に弁構造を設ける必要がないため流量調整弁4の大型化を抑制することができ、リア側冷却水出口27が流量調整弁4に直接接続しているため、燃焼室壁温を推定するための水温センサ取付穴34を流量調整弁4に設けることができ、シリンダヘッドウォータージャケット内に水温センサ取付る構造が必要ない。
空調用経路26を部分流路室15に接続するエンジン運転状態としては、エンジン始動後冷間状態や低外気温時のように、燃焼室壁温の昇温促進や保温が必要な状態にありながら、空調システム9への通水要求がなされたときを想定している。このとき、燃焼室周囲ウォータージャケット10の通水を禁止しながら、空調用経路26の通水を許容することができ、燃焼室を高温に維持しながら、空調性能の確保も両立することができる。
上記のように部分流路室15を用いて通水するシーンは、あらゆる運転シーンの中の一部に過ぎず、基本的には各経路から流入した冷却水をメイン流路室35でミックスして流出する状態の方が主となる、流量調整弁4においては、この主となる通水状態における流量調整弁4内部の圧力損失を最小限に抑えるために、ロータ12をロータ回転軸19に対する鉛直断面をとった時の部分流路室15が占める面積を必要最小限にとどめる必要があり、そのための実施構造としては、ロータ12の回転軸方向と並行に延びた縦長の扇型断面形状をなすものであって、部分流路室流入用連通孔20と部分流路室流出用連通孔22をロータ12の回転軸と略平行に並べて配置している。そのためケーシング14に設ける部分流路室15に接続可能な冷却水入口18と冷却水出口31もロータ回転軸19と略平行に配置している。このような冷却水入口18および冷却水出口31の配置のため、空調用経路26の接続形態は、排気マニホールド締結面側冷却水出口28から空調システム9を介して、その下流側で流量調整弁4と接続するようにしている。
次に、本発明に係り、エンジン始動時から空調システム9への通水要求がなされた場合の流量調整弁4の制御方法について、図6、図7、図8、図9、図10および図11を用いて説明する。
図6は、実施形態に係る流量調整弁4の制御の一例を示すフローチャートである。
図7は、流量調整弁4のケーシングに設けた冷却水出口及び空調経路冷却水入口18の配置をケーシング展開図として示した模式図である。本図中においてリア側冷却水入口17は省略している。
図8は、実施例に係る冷却水回路全閉時のバルブ位置をロータ展開図として示したブロック図である。
図9は、実施例に係る部分流路室15のみ通水時のバルブ位置をロータ展開図として示したブロック図である。
図10は、実施例に係るEGRクーラ経路25と空調経路26を通水するときのバルブ位置をロータ展開図として示したブロック図である。
図11は、実施例に係る冷却水回路全開時のバルブ位置をロータ展開図として示したブロック図である。
図6において、エンジンの運転状態は、ECU(図示しない)から得られる運転情報および、燃焼室壁温をもとに判断し、このとき燃焼室壁温は水温や燃料噴射量などの燃焼室壁温の制御因子(パラメータ)をもとに推定したものとする。エンジン始動直後、流量調整弁4の全ての冷却水出口を閉じ、エンジンの暖機を促進する。この時、図8に示すようにバルブ位置を制御している。その後、空調システム9への通水要求を判断するステップに移行し、通水要求があった場合には、図9のようにバルブ位置を制御し、ケーシングに設けた空調用冷却水入口18および空調用冷却水出口31が、それぞれ部分流路室流入用連通孔20および部分流路室流出用連通孔22と重なり、空調用経路26が部分流路室15を通過する。空調システム9への通水要求がない場合は、この判断ステップを繰り返す。次に流量調整弁4内部に設けた水温センサ32およびECUより得られるエンジン運転状態の情報を用いて推定した燃焼室壁温Tとあらかじめ設定した壁温Tとを比較し、T>Tである場合には、図10のようにバルブ位置を制御して、EGRクーラ経路25を開き、EGRクーラ8にも通水を開始する。ここでTとは、燃焼状態が安定している温度をいう。このようなバルブ配置により、排気ポート周囲ウォータージャケット11から空調システム9に冷却水を供給しながら、燃焼室周囲ウォータージャケット10からEGRクーラ8での排気ガス冷却に必要な分だけの冷却水を通水できるため、燃焼室周囲ウォータージャケット10の壁面流速を最小限に留められ、燃焼室壁温をより高温に保持することができる。T<Tの場合には、この判断ステップを繰り返す。次にTとあらかじめ設定した壁温でありTよりも大きいTとを比較し、T>Tであれば図11のように空調用冷却水入口18は流入先切替用連通孔21接続し、EGRクーラ経路出口30はEGRクーラ経路用連通孔37と接続、ラジエータ経路出口29はラジエータ経路用連通孔38と接続され、全経路の冷却水が流量調整弁4でミックスされる。ここでTとは、冷却水が沸騰しうる温度のことである。このようなバルブ位置とすることで、燃焼室周囲ウォータージャケット10および排気ポート周囲ウォータージャケット11両方を通過した冷却水をラジエータ7に供給することができ、燃焼室壁および排気ポート壁を効率的に冷却することができる。T<Tの場合にはこの判断ステップを繰り返す。
なお、本実施例では空調用経路26と部分流路室15を接続するようにしているが、例えばエレキスロットルバルブやターボチャージャーのようにエンジン運転状態とは関係なく常に通水が必要なエンジン部品を接続していても良い。
実施形態に係るエンジンの冷却装置の概略を示す冷却水回路図である。 実施例に係るシリンダヘッドウォータージャケットをエンジンフロント側から見た断面図である。 実施例に係るシリンダヘッドに設けた冷却水出口の位置を示した概略図である。 冷却水回路においてエンジンの運転状態に応じて各経路の通水状態を制御する流量調整弁をシリンダヘッドに組付けた状態の概略図である。 は実施例に係る流量調整弁のケーシングをエンジンリア側から見た詳細図である。は実施例に係る流量調整弁のケーシングをエンジン側から見た詳細図である。は実施例に係る流量調整弁のロータの詳細図である。 実施形態に係る流量調整弁の制御の一例を示すフローチャートである。 流量調整弁のケーシングに設けた冷却水入出口及び部分流路室用冷却水入口の配置をケーシング展開図として示した模式図である。本図中においてリア側冷却水入口17は省略している。 実施例に係る冷却水回路全閉時のバルブ位置をロータ展開図として示したブロック図である。 実施例に係る部分流路室のみ通水時のバルブ位置をロータ展開図として示したブロック図である。 実施例に係るEGRクーラ経路と空調経路を通水するときのバルブ位置をロータ展開図として示したブロック図である。 実施例に係る冷却水回路全開時のバルブ位置をロータ展開図として示したブロック図である。
1 エンジン本体
2 シリンダヘッド
3 シリンダブロック
4 流量調整弁
5 弁構造
6 ウォーターポンプ
7 ラジエータ
8 EGRクーラ
9 空調システム
10 燃焼室周囲ウォータージャケット
11 排気ポート周囲ウォータージャケット
12 ロータ
13 アクチュエータ
14 ケーシング
15 部分流路室
16 板状壁
17 リア側冷却水入口
18 空調経路冷却水入口
19 ロータ回転軸
20 部分流路室流入用連通孔
21 流入先切替用連通孔
22 部分流路室流出用連通孔
23 シリンダヘッド締結面
24 ラジエータ経路
25 EGRクーラ経路
26 空調用経路
27 リア側冷却水出口
28 排気マニホールド締結面側冷却水出口
29 ラジエータ経路出口
30 EGRクーラ経路出口
31 空調用経路出口
32 排気ポート
33 吸気ポート
34 水温センサ取付穴
35 メイン流路室
36 表面壁
37 EGRクーラ経路用連通孔
38 ラジエータ経路用連通孔

Claims (4)

  1. エンジンの冷却水回路に設けられ、回路を構成する経路の通水状態を切替可能な流量調整弁を備えたエンジンの冷却装置において、
    前記流量調整弁は、内部空間を有し表面に連通孔を設けた円筒状のロータと、前記ロータを回転させるアクチュエータ、および前記ロータを回転可能に収容し、前記経路と接続するための複数の冷却水入口と複数の冷却水出口を設けたケーシングから構成され、前記ロータを回転させてロータ表面に設けた前記連通孔とケーシングに設けた前記複数の冷却水出口との重なり度合いを変化させることによって前記経路の通路面積を制御する弁構造を有し、前記ケーシングと前記ロータとの隙間空間および前記ロータの内部空間は互いに連通し、冷却水が通過可能なメイン流路室を形成しており、前記ケーシングに設けられ常時開放されてメイン流路室と連通した複数の冷却水入口から流入した冷却水を前記メイン流路室でミックスし、前記複数の冷却水出口に前記弁構造によって各経路に必要な流量に調整し供給するものであって、
    前記ロータは前記内部空間が、ロータ表面を形成する表面壁の一部分と前記内部空間内に設けた板状壁によって前記メイン流路室から区画された少なくとも1つの部分流路室を有するものであって、
    前記部分流路室を形成する前記表面壁は、少なくとも1つの部分流路室流入用連通孔と少なくとも1つの部分流路室流出用連通孔を有し、前記部分流路室流入用連通孔と前記部分流路室流出用連通孔が前記ケーシングに設けられた所定の冷却水入口および所定の冷却水出口と重なるときのみ冷却水が流通できるようになっており、
    前記部分流路室に接続される経路は、前記ロータを回転させ、前記所定の冷却水入口を前記ロータに設けた流入先切替用連通孔に接続することで前記メイン流路室を通過できるように切り替え可能であることを特徴とするエンジンの冷却装置。
  2. 前記エンジンのウォータージャケットは、少なくともシリンダヘッドの排気ポートを形成する壁の周囲に設けられた排気ポート周囲ウォータージャケットとその他ウォータージャケットとが区画されている複数系統のウォータージャケットを備えたエンジンに設けられたウォータージャケットであって、
    前記エンジンの冷却水回路は前記排気ポート周囲ウォータージャケットから空調システムを通って前記冷却水回路の所定位置に合流する空調用経路を備えており、エンジンの燃焼室壁温が所定の低温状態であって、空調システムへの通水要求があった場合には、前記空調用経路が前記部分流路室介して通水するように前記流量調整弁を制御し、エンジンの燃焼室壁温が所定の高温状態となり、かつ空調システムへの通水要求がある場合には、空調用経路がメイン流路室と接続するようにロータを回転させ、前記その他ウォータージャケットおよび前記排気ポート周囲ウォータージャケットを通過した冷却水を前記メイン流路室に流入するように前記流量調整弁を制御することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの冷却装置。
  3. 前記複数系統ウォータージャケットは、シリンダブロックのシリンダライナ壁周囲に設けられたウォータージャケットとシリンダヘッドの燃焼室壁上部のウォータージャケットとが連通した燃焼室周囲ウォータージャケットと、排気ポートを形成する壁の上下に設けられた排気ポート周囲ウォータージャケットにより構成されていることを特徴とする請求項2に記載のエンジンの冷却装置。
  4. 前記流量調整弁はシリンダヘッド側面に設けた前記燃焼室周囲ウォータージャケットの出口に隣接して設けられるものであって、
    前記空調用経路は、前記排気ポート周囲ウォータージャケット、前記空調システム、前前記流量調整弁の順で接続され、エンジン運転状態に応じてメイン流路室を通過する場合と前記部分流路室を通過する場合とが切り替え可能になっており、
    前記ケーシングに設けられ、前記部分流路室に接続するための冷却水流入口と冷却水流出口は、前記ロータ回転軸と略平行に並べて配置されていることを特徴とする請求項3に記載のエンジンの冷却装置。


















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