JP2016069716A - 被覆銅粒子及びその製造方法 - Google Patents

被覆銅粒子及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016069716A
JP2016069716A JP2014203242A JP2014203242A JP2016069716A JP 2016069716 A JP2016069716 A JP 2016069716A JP 2014203242 A JP2014203242 A JP 2014203242A JP 2014203242 A JP2014203242 A JP 2014203242A JP 2016069716 A JP2016069716 A JP 2016069716A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copper
copper particles
carboxylic acid
aliphatic carboxylic
coated copper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014203242A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6368925B2 (ja
Inventor
邦宏 福本
Kunihiro Fukumoto
邦宏 福本
優 小山
Masaru Koyama
優 小山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyoritsu Chemical and Co Ltd
Original Assignee
Kyoritsu Chemical and Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyoritsu Chemical and Co Ltd filed Critical Kyoritsu Chemical and Co Ltd
Priority to JP2014203242A priority Critical patent/JP6368925B2/ja
Priority to CN201580053024.6A priority patent/CN107073578B/zh
Priority to KR1020177010816A priority patent/KR102200822B1/ko
Priority to PCT/JP2015/076764 priority patent/WO2016052275A1/ja
Priority to TW104132187A priority patent/TWI648111B/zh
Publication of JP2016069716A publication Critical patent/JP2016069716A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6368925B2 publication Critical patent/JP6368925B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F1/00Metallic powder; Treatment of metallic powder, e.g. to facilitate working or to improve properties
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F1/00Metallic powder; Treatment of metallic powder, e.g. to facilitate working or to improve properties
    • B22F1/10Metallic powder containing lubricating or binding agents; Metallic powder containing organic material
    • B22F1/102Metallic powder coated with organic material
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F9/00Making metallic powder or suspensions thereof
    • B22F9/16Making metallic powder or suspensions thereof using chemical processes
    • B22F9/30Making metallic powder or suspensions thereof using chemical processes with decomposition of metal compounds, e.g. by pyrolysis
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B1/00Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B1/00Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors
    • H01B1/20Conductive material dispersed in non-conductive organic material
    • H01B1/22Conductive material dispersed in non-conductive organic material the conductive material comprising metals or alloys
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B13/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing conductors or cables
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B5/00Non-insulated conductors or conductive bodies characterised by their form
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F2301/00Metallic composition of the powder or its coating
    • B22F2301/10Copper

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Non-Insulated Conductors (AREA)

Abstract

【課題】耐酸化性と焼結性とに優れる表面処理銅粒子の提供。【解決手段】銅粒子と、銅粒子の表面に1nm2当り2.5〜5.2分子の密度で配置される脂肪族カルボン酸を含む被覆層と、を含む被覆銅粒子であり、脂肪族カルボン酸銅錯体を熱分解処理することで、銅イオンが還元されて金属銅粒子が生成し、金属銅粒子の表面に脂肪族カルボン酸が、例えば物理的に吸着することで、所定の被覆密度の脂肪族カルボン酸を含む被覆層が形成されて、所望の被覆銅粒子が得られる。【選択図】なし

Description

本発明は、被覆銅粒子及びその製造方法に関する。
近年の電子機器関連分野において、配線や保護膜等の光露光によるパターニングを必要とせずにミクロンクラスの微細配線をインクジェットや印刷法で直接形成させるプリンタブルエレクトロニクスと呼ばれる技術分野が注目されている。当初は、金や銀などの微粒子が中心であったが、金はコストの問題があり、銀はエレクトロマイグレーションの問題及び硫化ガス等による腐食などの耐蝕性に課題がある。これらの問題点を解決する手段として銅系材料が注目されている。銅系材料は、金や銀と同様に高い導電性を示し、エレクトロマイグレーションは銀と比較すると数段優れており、耐蝕性にも優れている。
貴金属である金や銀は比較的酸化を受けがたい特性を有しており、そのため、微粒子分散液を作製した際、含有される金属微粒子をその表面に酸化皮膜を形成しないで維持することが容易である。それに対して銅は、比較的酸化されやすい特性を有しており、粒子径が5μm以下の銅粒子、特に粒子径が200nm以下の微細な銅微粒子となるとサイズ効果と比表面積の関係で、その傾向はさらに顕著なものとなり、微粒子分散液を調整した際、含有される微粒子は、短時間でその表面は酸化膜で覆われた状態になり、更に経時的に酸化皮膜の厚みも増し、微粒子の粒子径の大半が酸化銅の表面酸化皮膜層へと変換されることも少なくない。また、200nm以下の銅微粒子の場合、粒子表面の活性が非常に高い状態になっており、窒素ガス等の不活性雰囲気下又は真空条件下において加熱焼成する方法においても、雰囲気に存在する微量の酸素で酸化が進行して、微粒子同士の焼結が阻害されることがある。さらには、焼成中の表面酸化皮膜層の増大は、焼成の最終段階で水素ガス等を用いて還元焼成を行う場合、還元時の体積収縮を大きくし、焼成密度の低下につながることがある。
一方、金属微粒子の技術が着目される理由のひとつにサイズ効果による融点降下がある。サイズ効果による融点降下は、金を例にとると融点は1,064℃だが、粒子径が2nmとなると約300℃となり、融点が電子材料等で使用可能な温度まで低下する。しかし、粒子径が20nmを超えると融点降下はほとんど認められないことが報告されている。したがって粒子径が2nm程度のシングルナノサイズであれば融点降下が十分期待できるが、銅の場合、酸化を防止する表面保護剤が必須であり、微粒子の比表面積の関係から表面保護剤の必要量は銅の体積の数倍以上となり、焼結時の大幅な体積収縮を引き起こし、高密度な焼結体を得ることが困難となる。これに対して、焼結段階において還元雰囲気下で金属酸化物よりシングルナノサイズの粒子を生成せしめて、サイズ効果による融点降下を利用して300℃〜400℃程度の温度で焼結を行う方法が知られている。
上記に関連して、酸化銅粒子を脂肪族モノカルボン酸の存在下で還元して得られる脂肪族モノカルボン酸で表面が被覆された銅微粒子分散液が知られており、低温での焼結性に優れるとされている(例えば、特許文献1参照)。また、銅粉の表面に脂肪酸の金属塩で形成した表面処理層を設けた表面処理銅粉が知られており、銅ペーストに加工した際にペースト粘度を低下させることができるとされている(例えば、特許文献2参照)。また、銅粉をカルボン酸含有有機溶媒で表面処理する銅ペースト用の銅粉の製造方法が知られており、銅ペーストの粘度を低下させることができるとされている(例えば、特許文献3参照)
また、酸化銅を還元して生成した金属銅に脂肪酸含有溶液を接触させて、金属銅の表面に脂肪酸の金属塩による表面処理層を形成する銅粉の製造方法が知られている(例えば、特許文献4参照)。
特開2013−047365号公報 特開2002−332502号公報 特開2004−225122号公報 特開2003−342621号公報
しかしながら、特許文献1に記載の銅微粒子分散液、特許文献2に記載の表面処理銅粉では、銅粒子の耐酸化性が充分に得られない傾向があった。また、特許文献2〜4に記載の銅粉では、銅粉の粒子径を十分に小さくすることが困難で、充分な焼結性が得られない傾向があった。
本発明は、以上の事情を鑑み、従来技術の問題点を解消し、従来技術では達成困難であった、優れた耐酸化性と焼結性とを併せ持つ被覆銅粒子及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の課題を解決すべく検討した結果、銅粒子の表面に特定の密度で脂肪族カルボン酸を配置することで、優れた耐酸化性と焼結性とを備える被覆銅粒子が得られることを見出した。
本発明は、以下の態様を包含する。
(1) 銅粒子と、銅粒子の表面に1nm当り2.5〜5.2分子の密度で配置される脂肪族カルボン酸を含む被覆層と、を含む被覆銅粒子である。
(2) 脂肪族カルボン酸の脂肪族基の炭素数が5〜17である(1)に記載の被覆銅粒子である。
(3) 脂肪族カルボン酸が銅表面に物理的に吸着している(1)又は(2)に記載の被覆銅粒子
(4) 被覆層が、脂肪族カルボン酸銅錯体の熱分解物である(1)〜(3)のいずれか1つに記載の被覆銅粒子である。
(5) 銅酸化物及び銅水酸化物の総含有率が5質量%以下である(1)〜(4)のいずれか1つに記載の被覆銅粒子である。
(6) 銅粒子の平均一次粒子径が、0.02〜5.0μmである(1)〜(5)のいずれか1つに記載の被覆銅粒子である。
(7) 媒体中で、脂肪族カルボン酸銅錯体を熱分解することを含む(1)〜(6)のいずれか1つに記載の被覆銅粒子の製造方法である。
(8) (1)〜(6)のいずれか1つに記載の被覆銅粒子と、媒体とを含む導電性組成物である。
(9) 基材と、基材上に配置され、(8)に記載の導電性組成物の熱処理物である配線パターン又は接合層と、を備える回路形成物である。
本発明によれば、従来技術では達成困難であった、優れた耐酸化性と焼結性とを併せ持つ被覆銅粒子及びその製造方法を提供することができる。
実施例1で作製した被覆銅粒子を製造直後に測定したXRD測定の結果である。 実施例1で作製した被覆銅粒子のSEM観察画像である。 実施例1で作製した被覆銅粒子のTof−SIMS測定の結果である。 実施例1で作製した被覆銅粒子のIRスペクトル測定の結果である。 実施例1で作製した被覆銅粒子のTG−DTA測定の結果である。 実施例2で作製した被覆銅粒子のSEM観察画像である。 実施例2で作製した被覆銅粒子のIRスペクトル測定の結果である。 実施例1で作製した被覆銅粒子を粉体の状態で大気中、25℃で2ヶ月保管後に測定したXRD測定の結果である。 比較例1で作製した被覆銅粒子の製造直後に測定したXRD測定と、大気中、25℃で2ヶ月保管後に測定したXRD測定の結果である。 比較例2で作製した被覆銅粒子のSEM観察画像である。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。さらに組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<被覆銅粒子>
本実施形態の被覆銅粒子は、銅粒子と、銅粒子の表面に1nm当り2.5〜5.2分子の密度で配置される脂肪族カルボン酸を含む被覆層と、を含む。
銅粒子の表面に特定の範囲の密度で脂肪族カルボン酸が配置されていることで、従来技術では達成困難であった、優れた耐酸化性と焼結性とを両立して達成することができる。その理由は明確ではないが、例えば以下のように考えることができる。例えば、「エマルジョンの科学(V) 花井哲也著」(調理科学、7巻、3号、1974年)に記載されているミリスチン酸の単分子表面膜の表面膜圧と分子面積の関係プロットから、約3.3〜5.4分子/nmの範囲は液体凝集膜領域であることが分かる。したがって、本実施形態の被覆銅粒子の表面においては、脂肪族カルボン酸が液体凝集膜に近いような単分子膜を形成しているため、優れた耐酸化性と焼結性とが達成されると考えられる。
本実施形態の被覆銅粒子は、銅粒子の表面が脂肪族カルボン酸を含む被覆層で被覆されている。銅粒子を被覆する脂肪族カルボン酸は、銅粒子の表面に局在して酸化や凝集を抑制する被覆材であり、焼結時に粒子表面から除去され、さらに焼結温度以下で分解又は揮発するため焼結により形成される銅皮膜中への残存が抑制される。さらに好ましい作用として、脂肪族カルボン酸が、銅粒子の表面で高密度に物理吸着しているため、脂肪族カルボン酸分子間には強固なファンデルヴァールス力が働き、会合力している。焼結時には温度上昇に伴って、被覆されている脂肪族カルボン酸のファンデルヴァールス力が減少するため、被覆密度が低下する。その結果、吸着していない被覆材が適度に除去され、被覆密度が低下した部分より良好な焼結性が発現すると考えられる。1nm当り2.5分子未満の低密度に脂肪族カルボン酸で被覆された銅粒子の場合は、このファンデルヴァールス力が働きにくいため、焼結時に脂肪族カルボン酸が揮発し易く焼結環境の微量な酸素で酸化されて焼結が阻害されやすいと考えられる。
また後述する製造方法で得られる被覆銅粒子は、粒子径が揃っているため、分散性に優れる。更に被覆銅粒子を構成する銅粒子の結晶子径とSEM観察径の差が小さいため、被覆銅粒子が複数の銅粒子の凝集により構成されておらず、凝集粒子境界部に被覆材や不純物、酸化層などが存在して、焼結を阻害することが抑制される。
被覆銅粒子を構成する銅粒子の粒子径は特に制限されず、目的等に応じて適宜選択することができる。例えば、銅粒子の平均一次粒子径は0.02〜5.0μmであり、0.02〜1.0μmとすることができ、0.02〜0.5μmとすることができ、0.02〜0.2μmとすることができる。
銅粒子の平均一次粒子径は、SEM観察による任意の20個の銅粒子の一次粒子径の算術平均値として算出される。なお、銅粒子の平均一次粒子径は、被覆銅粒子の平均一次粒子径と実質的に同一とみなすことができる。
銅粒子を構成する銅の純度は特に制限されず、目的等に応じで適宜選択することができる。銅粒子の純度は、例えば95質量%以上であり、97質量%以上であることが好ましい。また銅粒子に含まれる銅酸化物及び銅水酸化物の総含有率は、例えば5質量%以下であり、3質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることが特に好ましい。なお、銅酸化物は、酸化銅(II)及び亜酸化銅を含む。
銅粒子の形状は特に制限されず、目的等に応じて適宜選択することができる。銅粒子の形状は、略球状、板状、棒状等を挙げることができ、略球状であることが好ましい。
銅粒子の表面に配置される脂肪族カルボン酸の種類は特に制限されず、目的等に応じて適宜選択することができる。脂肪族カルボン酸が有するカルボキシ基数は特に制限されず、目的等に応じて適宜選択できる。カルボキシ基数は例えば1〜2であり、1であることが好ましい。
脂肪族カルボン酸は、飽和脂肪族カルボン酸であっても、不飽和脂肪族カルボン酸であってもよい。脂肪族カルボン酸が不飽和脂肪族カルボン酸の場合、不飽和脂肪族基に含まれる不飽和結合数は、例えば1〜3であり、1〜2が好ましい。
脂肪族カルボン酸に含まれる脂肪族基は、直鎖状でも分岐鎖状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。脂肪族基の炭素数は、例えば5以上であり、5〜21が好ましく、5〜17がより好ましく、7〜17がさらに好ましく、9〜17が特に好ましい。
脂肪族カルボン酸の沸点は、後述する製造方法における熱分解処理の温度よりも高いことが好ましい。具体的に脂肪族カルボン酸の沸点は、120℃以上であることが好ましく、130℃以上であることがより好ましい。沸点の上限値は特に制限されず、例えば、400℃以下である。沸点が400℃以下であると、被覆銅粒子の焼結性がより向上する傾向がある。
脂肪族カルボン酸として具体的には、オレイン酸、リノール酸等の不飽和脂肪族カルボン酸;ステアリン酸、ヘプタデカン酸、ラウリン酸、オクタン酸等の飽和脂肪族カルボン酸が例示され、これらからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
脂肪族カルボン酸は、1種単独でも2種以上を組合せて用いてもよい。
銅粒子の表面には、1nm当り2.5〜5.2分子の密度で脂肪族カルボン酸が、配置されている。すなわち、銅粒子の表面は、脂肪族カルボン酸を含む被覆層で被覆され、銅粒子表面における脂肪族カルボン酸の被覆密度が2.5〜5.2分子/nmである。脂肪族カルボン酸の被覆密度は、耐酸化性の観点から、3.0〜5.2分子/nmであることが好ましく、3.5〜5.2分子/nmであることがより好ましい。
銅粒子表面における脂肪族カルボンの被覆密度は以下のようにして算出することができる。被覆銅粒子について、特開2012−88242号公報に記載される方法に従って、LCを用いて表面に付着している有機成分を抽出し、成分分析を行う。また、TG−DTA測定(熱重量測定・示差熱分析)を行い、被覆銅粒子に含まれる有機成分量を測定する。次いでLCの分析結果と合わせて被覆銅粒子に含まれる脂肪族カルボン酸量を算出する。また、SEM画像観察により銅粒子の平均一次粒子径を測定する。
以上の分析結果から、被覆銅粒子1gに含まれる脂肪族カルボン酸の分子数は下記式(a)で表される。
[脂肪族カルボン酸の分子数]=Macid/(M/N) ・・・(a)
ここで、Macidは被覆銅粒子1gに含まれる脂肪族カルボン酸量(g)であり、Mは脂肪族カルボン酸の分子量(g/mol)であり、Nはアボガドロ定数である。
銅粒子の形状を球体と近似して、被覆銅粒子の質量から有機成分量を差し引いて銅粒子量MCu(g)から、被覆銅粒子1g中の銅粒子数は下式(b)で表される。
[銅粒子数]=MCu/[(4πr/3)×d×10−21] ・・・(b)
ここで、MCuは被覆銅粒子1gに含まれる銅粒子量(g)であり、rはSEM画像観察により算出した一次粒子径の半径(nm)であり、dは銅の密度である(d=8.94)。被覆銅粒子1gに含まれる銅粒子の表面積は式(b)から、下式(c)で表される。
[銅粒子の表面積(nm)]=[銅粒子数]×4πr ・・・(c)
以上から、脂肪族カルボン酸による銅粒子の被覆密度(分子/nm)は、(a)式及び(c)式を用いて、下記式(d)で算出される。
[被覆密度]=[脂肪族カルボン酸の分子数]/[銅粒子表面積] ・・・(d)
被覆銅粒子における脂肪族カルボン酸と銅粒子との結合状態は特に制限されず、イオン性結合であっても物理吸着であってもよい。脂肪族カルボン酸は、被覆銅粒子の焼結性の観点から、銅粒子の表面に物理吸着していることが好ましく、銅粒子の表面にカルボキシ基で物理吸着していることがより好ましい。
脂肪族カルボン酸が銅粒子へ物理吸着していることは、被覆銅粒子の表面組成を分析することで確認できる。具体的には、被覆銅粒子についてTof−SIMS表面分析を行い、実質的に遊離の脂肪族カルボン酸のみが検出され、63Cu又は65Cuと結合している脂肪族カルボン酸が実質的に検出されないことで確認することができる。ここで、63Cu又は65Cuと結合している脂肪族カルボン酸が実質的に検出されないとは、これらの検出量が遊離の脂肪族カルボン酸のみが検出量に対して、5%以下であること意味し、1%以下であることが好ましい。
また、脂肪族カルボン酸が、カルボキシ基で銅粒子の表面に物理吸着していることは、被覆銅粒子について、赤外吸収スペクトル測定を行い、実質的にカルボン酸−金属塩由来の伸縮振動ピークのみが観測され、遊離のカルボン酸に由来する伸縮振動ピークが実質的に観測されないことで確認することができる。
被覆銅粒子の粒子径は特に制限されず、目的等に応じて適宜選択することができる。被覆銅粒子の平均一次粒子径は例えば、0.02〜5.0μmであり、0.02〜1.0μmとすることができ、0.02〜0.5μmとすることができ、0.02〜0.2μmとすることができる。被覆銅粒子の平均一次粒子径は、SEM観察による任意の20個の被覆銅粒子の一次粒子径の算術平均値DSEMとして算出される。
また、被覆銅粒子の粒度分布の変動係数(標準偏差SD/平均一次粒子径DSEM)の値は例えば、0.01〜0.5であり、0.05〜0.3が好ましい。特に、後述する被覆銅粒子の製造方法で製造されていることで、粒度分布の変動係数が小さく、粒子径の揃った状態とすることができる。被覆銅粒子の粒度分布の変動係数が小さいことで、分散性に優れ、高濃度の分散物を作製できるという効果が得られる。
また、被覆銅粒子においては、粉体X線測定から求まる結晶粒子径DXRDのSEM観察による平均一次粒子径DSEMに対する比DXRD/DSEMが例えば、0.25〜1.00であり、0.5〜1.00が好ましい。特に、後述する被覆銅粒子の製造方法で製造されていることで、結晶粒子径と平均一次粒子径の差を小さくすることができる。これにより、耐酸化性により優れ、焼結性がより向上するという効果が得られる
被覆銅粒子は、耐酸化性に優れる。耐酸化性に優れることは例えば、製造してから所定時間後に、被覆銅粒子中における銅酸化物及び銅水酸化物の生成が抑制されていることで確認することができる。例えば、製造してから2か月後の被覆銅粒子中の銅酸化物及び銅水酸化物の総含有率は、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。
被覆銅粒子中における銅酸化物の生成は、被覆銅粒子のXRD測定により確認することができる。
本実施形態の被覆銅粒子は、耐酸化性と焼結性に優れるため、基材上に配線パターン等を形成する導電性組成物に好適に用いることができる。被覆銅粒子を含む導電性組成物の詳細については後述する。
<被覆銅粒子の製造方法>
被覆銅粒子の製造方法は、所望の被覆銅粒子が得られる限り特に限定されない。被覆銅粒子の製造方法は、脂肪族カルボン酸銅錯体を熱分解処理することを含むことが好ましい。被覆銅粒子の製造方法に適用される脂肪族カルボン酸銅錯体の構成は、所望の被覆銅粒子が得られる限り特に制限されない。脂肪族カルボン酸銅錯体は、ギ酸銅、アミノアルコール、脂肪族カルボン酸及び溶媒を含む反応液から形成されることが好ましく、ギ酸銅、アミノアルコール、炭素数が5以上の脂肪族基を有する脂肪族カルボン酸及び溶媒を含む反応液から形成されることがより好ましい。
脂肪族カルボン酸銅錯体を熱分解処理することで、銅イオンが還元されて金属銅粒子が生成する。次いで生成した金属銅粒子の表面に脂肪族カルボン酸が、例えば物理的に吸着することで、所定の被覆密度の脂肪族カルボン酸を含む被覆層が形成されて、所望の被覆銅粒子が得られる。
被覆銅粒子の製造方法は、脂肪族カルボン酸銅錯体を熱分解処理することに先立って、ギ酸銅、アミノアルコール、炭素数が5以上の脂肪族基を有する脂肪族カルボン及び溶媒を含む反応液を得ることを含むことが好ましく、アミノアルコールと溶媒とのSP値の差であるΔSP値が4.2以上であることがより好ましい。
すなわち、被覆銅粒子の製造方法は、ギ酸銅、アミノアルコール、炭素数が5以上の脂肪族基を有する脂肪族カルボン及び溶媒を含む反応液を得ることと、反応液中に生成する錯化合物を熱分解処理して金属銅を生成することと、を含み、アミノアルコールと溶媒とのSP値の差であるΔSP値が4.2以上である、脂肪族カルボン酸で表面が被覆された被覆銅粒子の製造方法であることが特に好ましい。
ギ酸銅を出発原料とし、液相中においてギ酸銅錯体の熱分解還元反応を進行させ、反応の進行に伴ってギ酸銅錯体から反応溶媒中にこれと相溶しないアミノアルコールが放出されることでWater−in−Oil Emulsion類似の新たな反応場を形成し、その中で継続的に銅の金属核を発生しつつ、核成長反応が進行することにより耐酸化性と焼結性に優れ、粒子径が制御されて粒度の揃った還元銅粒子が生成される。またギ酸銅錯体の熱分解速度が適切に制御されることで、溶質の供給が制御される。これにより金属核の成長が制御されて、より粒度の揃った還元銅粒子が生成される。
更に液相中に脂肪族カルボン酸が存在することで、物理吸着により脂肪族カルボン酸が生成した還元銅粒子を高密度に被覆する。こうして製造される被覆銅粒子は、酸化膜がほとんどない還元銅粒子で構成され、その表面を物理吸着により脂肪族カルボン酸が被覆しているため、耐酸化性と焼結性のバランスに優れている。これにより、被覆銅粒子の焼成工程において、銅粒子を被覆している有機保護剤である脂肪族カルボン酸が400℃以下の温度で除去され、水素ガスなどの還元雰囲気を用いるまでもなく、窒素置換等の手段で達成し得る低酸素雰囲気において、被覆銅粒子同士の焼結を行うことができる。このため、焼結に還元性雰囲気を必要とする従来の銅粒子では、適用が困難であった部位、例えば、水素脆化や水素との反応による変質が問題となる部位にも効果的に使用することができる。また、窒素置換リフロー炉などの既存の設備を利用して焼結させることができて、経済性の点においても優れる。
被覆銅粒子の製造方法に用いられる反応液は、ギ酸銅と、少なくとも1種のアミノアルコールと、少なくとも1種の脂肪族カルボン酸(好ましくは、炭素数が5以上の脂肪族基を有する脂肪族カルボン酸)と、溶媒とを含むことが好ましい。反応液は、必要に応じてその他の添加剤を更に含んでいてもよい。
(ギ酸銅)
ギ酸銅は2価の銅イオンと銅イオン1モルに対して2モルのギ酸イオンとから構成される。ギ酸銅は無水物であっても、水和物であってもよい。また、ギ酸銅は市販品を用いてもよく、新たに調製したものを用いてもよい。
ギ酸銅を熱分解して還元銅の微粒子を得る方法は、例えば、特公昭61−19682号公報などに開示されている。ギ酸は、通常のカルボン酸と異なり、還元性を有するので、ギ酸銅を熱分解すると2価の銅イオンを還元することができる。例えば、無水ギ酸銅は、不活性ガス中で加熱すると210℃〜250℃で熱分解して金属銅を生成することが知られている。
反応液中のギ酸銅の含有量は特に制限されず、目的等に応じて適宜選択することができる。反応液中のギ酸銅の含有量は、例えば、製造効率の観点から、1.0〜2.5モル/リットルであることが好ましく、1.5〜2.5モル/リットルであることがより好ましく、2.0〜2.5モル/リットルであることが特に好ましい。
(アミノアルコール)
アミノアルコールは、少なくとも1つのアミノ基を有するアルコール化合物であって、ギ酸銅と錯化合物を形成可能であれば特に制限されない。反応液中にアミノアルコールが存在することで、ギ酸銅から錯化合物が生成し、溶媒に可溶化することができる。
アミノアルコールは、モノアミノモノアルコール化合物であることが好ましく、アミノ基が無置換のモノアミノモノアルコール化合物であることがより好ましい。またアミノアルコールは、単座配位性のモノアミノモノアルコール化合物であることもまた好ましい。
アミノアルコールの沸点は特に制限されないが、熱分解処理の反応温度よりも、高いことが好ましい。具体的にはアミノアルコールの沸点は、120℃以上であることが好ましく、130℃以上であることがより好ましい。沸点の上限値は特に制限されず、例えば、400℃以下であり、300℃以下であることが好ましい。
更にアミノアルコールは、極性の観点から、SP値が11.0以上であることが好ましく、12.0以上であることがより好ましく、13.0以上であることが更に好ましい。アミノアルコールのSP値の上限値は特に制限されず、例えば18.0以下であり、17.0以下であることが好ましい。
ここでSP値とは、Hildebrandの定義によると、25℃における試料1mLあたりの分子間結合エネルギーEの平方根である。SP値の計算方法は『公益社団法人石油学会ホームページ』に記載される方法(http://sekiyu-gakkai.or.jp/jp/dictionary/petdicsolvent.html#solubility2)を採用した。具体的には以下のようにして算出される。
分子間結合エネルギーEは蒸発潜熱から気体エネルギーを差し引いた値である。蒸発潜熱Hbは、試料の沸点Tbとして下式で与えられる。
Hb = 21×(273+Tb)
このHb値から25℃におけるモル蒸発潜熱H25が下式で求められる。
25 = Hb×[1+0.175×(Tb−25)/100]
モル蒸発潜熱H25から分子間結合エネルギーEが下式より求められる。
E = H25−596
分子間結合エネルギーEから試料1mLあたりの分子間結合エネルギーEが下式により求められる。
= E×D/Mw
ここで、Dは試料の密度、Mwは試料の分子量であり、EよりSP値が下式により求められる。
SP =(E1/2
なお、OH基を含む溶剤は、OH基1基につき+1の補正が必要である。
〔例えば、三菱石油技資、No.42,p3,p11(1989)参照〕
アミノアルコールとして具体的には、2−アミノエタノール(沸点:170℃、SP値:14.54)、3−アミノ−1−プロパノール(沸点:187℃、SP値:13.45)、5−アミノ−1−ペンタノール(沸点:245℃、SP値:12.78)、DL−1−アミノ−2−プロパノール(沸点:160℃、SP値:12.74)、N−メチルジエタノールアミン(沸点:247℃、SP値:13.26)等が例示され、これらからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
アミノアルコールは1種単独でも2種以上を組合せて用いてもよい。
反応液におけるアミノアルコールの含有量は特に制限されず、目的等に応じて適宜選択することができる。アミノアルコールの含有量は、例えば、反応液中の銅イオンに対して1.5〜4.0倍モルの範囲が好ましく、1.5〜3.0倍モルの範囲がより好ましい。アミノアルコールの含有量が銅イオンに対して1.5倍モル以上であるとギ酸銅の溶解性が充分に得られ、反応に要する時間を短縮することができる。また4.0倍モル以下であると生成する被覆銅粒子の汚染を抑制することができる。
(脂肪族カルボン酸)
脂肪族カルボン酸は特に制限されず、目的等に応じて適宜選択することができる。なかでも、耐酸化性の観点から、脂肪族基の炭素数が5以上の脂肪族カルボン酸(以下、「長鎖カルボン酸」ともいう)であることが好ましい。脂肪族基は、直鎖状及び分岐鎖状のいずれであってもよく、また飽和脂肪族基及び不飽和脂肪族基のいずれであってもよい。脂肪族基の炭素数は5以上であるが、5以上17以下であることが好ましく、7以上17以下であることがより好ましい。脂肪族基の炭素数が5以上であると、粒度分布の指標となる変動率が小さくなる傾向がある。これは例えば、炭素鎖の長さが会合力を左右するファンデルワールス力の大きさと相関性が高いことで説明できる。すなわち、炭素鎖の長いカルボン酸は、会合力が強く、ミクロ反応場であるWater−in−oil Emulsion類似の相安定化に寄与することで粒子径の揃った銅粒子を効率よく製造できると考えられる。
また、脂肪族カルボン酸の沸点は、熱分解処理の温度よりも高いことが好ましい。具体的に脂肪族カルボン酸の沸点は、120℃以上であることが好ましく、130℃以上であることがより好ましい。沸点の上限値は特に制限されず、例えば、400℃以下である。沸点が400℃以下であると、被覆銅粒子の焼結性がより向上する傾向がある。
脂肪族カルボン酸として具体的には、オレイン酸、リノール酸、ステアリン酸、ヘプタデカン酸、ラウリン酸、オクタン酸等が例示され、これらからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
脂肪族カルボン酸は1種単独でも2種以上を組合せて用いてもよい。
反応液における脂肪族カルボン酸の含有量は、所望の被覆銅粒子が得られる限り、特に制限されない。脂肪族カルボン酸の含有量は、例えば、反応液中の銅イオンに対して2.5〜25モル%の範囲が好ましく、5.0〜15モル%の範囲がより好ましい。脂肪族カルボン酸の含有量が銅イオンに対して25モル%以下であると反応系の粘度上昇を抑制できる傾向がある。また脂肪族カルボン酸の含有量が銅イオンに対して2.5モル%以上であると、充分な反応速度が得られ生産性が向上する傾向があり、粒度分布の指標となる変動率が小さくなる傾向がある。
(溶媒)
反応液を構成する溶媒は、ギ酸による還元反応を過度に阻害せず、アミノアルコールとのSP値の差であるΔSP値が4.2以上となるように選択されることが好ましく、通常用いられる有機溶剤から適宜選択することができる。
アミノアルコールのSP値と溶媒のSP値との差であるΔSP値が4.2以上であると、形成される被覆銅粒子の粒度分布の幅がより狭い、粒子径の揃った被覆銅粒子が得られる。
ΔSP値は、反応場の形成性と被覆銅粒子の品質の観点から4.5以上が好ましく、5.0以上がより好ましい。ΔSP値の上限は特に制限されず、例えばΔSP値は11.0以下であり、10.0以下が好ましい。
溶媒のSP値は、アミノアルコールよりも小さいことがより好ましい。溶媒のSP値は11.0以下であることが好ましく、10.0以下であることがより好ましい。溶媒のSP値の下限は特に制限されず、例えば溶媒のSP値は、7.0以上であることが好ましい。
また、溶媒の沸点は、熱分解処理の温度よりも高いことが好ましい。具体的に溶媒の沸点は、120℃以上であることが好ましく、130℃以上であることがより好ましい。沸点の上限値は特に制限されず、例えば、沸点は400℃以下であり、300℃以下であることが好ましい。
さらに溶媒は、水と共沸混合物を形成可能な有機溶剤であることもまた好ましい。水と共沸混合物を形成可能であると、熱分解処理によって反応液中に生成した水を容易に反応系から除去することができる。
溶媒として具体的には、エチルシクロへキサン(沸点:132℃、SP値:8.18)、C9系シクロへキサン[丸善石油製、商品名:スワクリーン#150](沸点:149℃、SP値:7.99)、n−オクタン(沸点:125℃、SP値:7.54)等が例示され、これらからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
溶媒は1種単独でも2種以上を組合せて用いてもよい。
溶媒が2種以上の組合せである場合、アミノアルコールと相溶しない主溶剤と、アミノアルコールと相溶可能な補助溶剤とを含むことが好ましい。主溶剤の具体例は既述のとおりである。
補助溶剤の沸点の好ましい態様は、主溶剤と同様である。補助溶剤のSP値は主溶剤をよりも大きいことが好ましく、アミノアルコールと相溶する程度に大きいことがより好ましい。補助溶剤の具体例としては、EO系グリコールエーテル、PO系グリコールエーテル、ジアルキルグリコールエーテルなどのグリコールエーテルを挙げることができる。より具体的には、メチルジグリコール、イソプロピルグリコール、ブチルグリコール等のEO系グリコールエーテル;メチルプロピレンジグリコール、メチルプロピレントリグリコール、プロピルプロピレングリコール、ブチルプロピレングリコール等のPO系グリコールエーテル、ジメチルジグリコール等のジアルキルグリコールエーテルなどを挙げることができ、これらからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。なお、これらの補助溶剤は、いずれも日本乳化剤(株)等より入手可能である。
溶媒が2種以上の組合せである場合、溶媒のSP値は、溶媒に含まれるそれぞれの溶媒のSP値とモル容積とを考慮した平均SP値として算出される。具体的に平均SP値は、溶媒が溶媒1と溶媒2との2種からなる場合、下式により算出される。
δ=〔V×δ+V×δ〕/(V+V
δ:混合溶媒の平均SP値、δ:溶媒1のSP値、V:溶媒1のモル容積、δ:溶媒2のSP値、V:溶媒2のモル容積
反応液に含まれる溶媒量は、銅イオンの濃度が1.0〜2.5モル/リットルとなるように選択されることが好ましく、1.5〜2.5モル/リットルとなるように選択されることがより好ましい。反応液中の銅イオン濃度が1.0モル/リットル以上であると、生産性がより向上し、2.5モル/リットル以下であると、反応液の粘度の上昇が抑制され、良好な撹拌性が得られる。
(錯化合物)
ギ酸銅、アミノアルコール、脂肪族カルボン酸(好ましくは長鎖カルボン酸)及び溶媒を含む反応液からは、ギ酸銅に由来する錯化合物が生成する。錯化合物の構造は特に限定されず、1種のみからなっていてもよく、2種以上を含んでいてもよい。また、反応液中に存在する錯化合物は、熱分解処理の進行に伴い、その構成が変化してもよい。すなわち、熱分解処理の初期において主として存在する錯化合物と、熱分解処理の後期において主として存在する錯化合物は互いに構成が異なるものであってもよい。
反応液中に生成する錯化合物としては、銅イオンと配位子としてのギ酸イオン及びアミノアルコールを含むことが好ましい。配位子としてアミノアルコールを含むことで、錯化合物の熱分解温度が低下する。
反応液中に生成する錯化合物として具体的には、1個の銅イオンに2分子のギ酸イオンと2分子のアミノアルコールとが配位した錯化合物、1個の銅イオンに1分子のギ酸イオンと1分子の脂肪族カルボン酸と2分子のアミノアルコールとが配位した錯化合物等が挙げられる。
錯化合物は、熱分解処理の少なくとも初期においては、ギ酸銅、アミノアルコール及び脂肪族カルボン酸から形成される脂肪族カルボン酸銅錯体を含むことが好ましい。
反応液中に生成した錯化合物は、熱分解処理によって金属銅を生成する。熱分解処理の温度は錯化合物の構造等に応じて適宜選択すればよい。一般に、ギ酸銅の熱分解温度は約220℃であるが、ギ酸銅がアミノアルコールとともに錯化合物を形成することで、例えば、特開2008-013466号公報等に記載されているように、その熱分解温度は110〜120℃程度となると考えられる。したがって、熱分解処理の温度は100〜130℃であることが好ましく、110〜130℃であることがより好ましい。熱分解処理の温度が130℃以下であると、脂肪族カルボン酸とアミノアルコールとの脱水反応による酸アミドの生成が抑制され、得られる被覆銅粒子の洗浄性が向上する傾向がある。
錯化合物の熱分解処理により金属銅が生成し、生成した金属銅の表面に反応液中に存在する脂肪族カルボン酸が吸着することで、脂肪族カルボン酸で表面が被覆された被覆銅粒子を得ることができる。金属銅の表面への脂肪族カルボン酸の吸着は、物理吸着であることが好ましい。これにより被覆銅粒子の焼結性が向上する。錯化合物の熱分解処理において酸化銅の生成を抑制することで、脂肪族カルボン酸の物理吸着が促進される。
熱分解処理においては、錯化合物の熱分解反応に伴って生成する水の少なくとも一部を除去することが好ましい。熱分解処理において水の除去を行うことで、酸化銅の生成をより効率的に抑制することができる。
水の除去方法は特に制限されず、通常用いられる水分除去方法から適宜選択することができる。例えば、溶媒として水と共沸混合物を形成し得る有機溶剤を用いて、共沸により生成する水を除去することが好ましい。
熱分解処理の時間は、熱分解処理の温度等に応じて適宜選択すればよい。例えば30〜180分間とすることができる。また熱分解処理の雰囲気は、窒素雰囲気等の不活性雰囲気であることが好ましい。
被覆銅粒子の製造方法において、生成する被覆銅粒子の粒度分布を制御する因子としては、例えば、脂肪族カルボン酸の種類と添加量、ギ酸銅錯体の濃度及び混合溶媒の比率(主溶剤/補助溶剤)等で決定される。被覆銅粒子の大きさを制御する因子は、金属核発生数を支配する昇温速度、すなわち反応系への投入熱量とミクロ反応場の大きさと関係する攪拌速度を適切に保つことで揃えることができる。
被覆銅粒子の製造方法は、ギ酸銅、アミノアルコール、脂肪族カルボン酸及び溶媒を含む反応液を調製し、所望の温度で熱分解処理を行うという容易な操作で、粒子径が揃い、耐酸化性と焼結性に優れる被覆銅粒子を効率的に製造することができる。
被覆銅粒子の製造方法においては、粒度分布が狭い被覆銅粒子が得られる。これは、例えば、以下のように考えることができる。
すなわち、ギ酸銅を反応溶媒に可溶化するための錯化剤としてのアミノアルコールと溶媒とのSP値の差であるΔSP値を、例えば4.2以上とすることで、ギ酸銅アミノアルコール錯体又はギ酸の1分子が脂肪族カルボン酸で置換されたギ酸銅アミノアルコール錯体の状態では、溶解しているが、錯体が熱分解されて錯化剤であるアミノアルコールが遊離すると、遊離したアミノアルコールは溶媒とは相溶できず、2相を形成し始める。そして、遊離されたアミノアルコールは、ギ酸銅やギ酸銅アミノアルコール錯体と親和性が高く、ギ酸銅の新たなる錯化剤又は溶剤として振る舞い、極性の高い内核(液滴)を形成し、外側を極性の低い溶媒が取り囲むWater in oil Emulsion類似の2相構造を取るようになり、これがマイクロ反応場として機能すると推定される。
さらに反応系中の水も脂肪族カルボン酸の置換で脱離したギ酸もこのマイクロ反応場に存在している。マイクロ反応場の中に金属核、その成長粒子及び金属核の発生源であるギ酸銅アミノアルコール錯体、ギ酸の1分子が脂肪族カルボン酸で置換されたギ酸銅アミノアルコール錯体、水及びギ酸が隔離されて反応が進行する。脂肪族カルボン酸が金属銅成長粒子の被覆材として固定化され、減少するにつれて反応初期ではギ酸銅錯体の熱分解機構が後述する反応式1〜3で進行していたものが、次第に反応式4の機構で進行するようになり、発生ガス成分が変化してくる。マイクロ反応場では、反応式5に示す水によるギ酸銅アミノアルコール錯体の加水分解でCuOが生成するが、反応式6又は反応式7を経由して再び還元されるため、亜酸化銅や酸化銅を含まない銅粒子が製造可能となっている。また、マイクロ反応場に含まれる銅原子数が限定されているため、銅粒子の粒子径は一定に制御される。
(反応式1)
(HCOO)(HCOO)Cu2+・(HNCOH)+C1123COOH
→(C1123COO)(HCOO)Cu2+・(HNCOH)+HCOOH

(反応式2)
(C1123COO)(HCOO)Cu2+・(HNCOH)
→Cu:C1123COOH+2HNCOH+CO

(反応式3)
Cu:C1123COOH
↑↓
Cu+C1123COOH

(反応式4)
(HCOO)(HCOO)Cu2+・(HNCOH)
→Cu+2HNCOH+H+2CO

(反応式5)
(HCOO)(HCOO)Cu2+・(HNCOH)+H
→CuO+2HNCOH+2HCOOH

(反応式6)
2CuO+2HCOOH→CuO+HCOOH+HO+CO
→2Cu+2HO+2CO

(反応式7)
CuO+2HCOOH
→(HCOO)(HCOO)Cu2++H
そして、マイクロ反応場に、表面に酸化銅が形成されていない銅粒子が生成するため、マイクロ反応場に存在する脂肪族カルボン酸が物理吸着しやすくなり、粒子径が揃い、耐酸化性と焼結性に優れる被覆銅粒子が効率的に得られると考えることができる。
なお、上記反応式では便宜上、アミノアルコールをプロパノールアミン、脂肪族カルボン酸をラウリン酸として記載したが、これらに限定されないことは言うまでもない。
被覆銅粒子の製造方法は、熱分解処理後に、被覆銅粒子の洗浄工程、分離工程、乾燥工程等を更に有していてもよい。被覆銅粒子の洗浄工程としては、例えば、有機溶剤による洗浄工程を挙げることができる。洗浄工程に用いる有機溶剤としては、メタノール等のアルコール溶剤、アセトン等のケトン溶剤などを挙げることができる。これらは1種単独でも2種以上を組合せて用いてもよい。
<導電性組成物>
本実施形態の導電性組成物は、既述の被覆銅粒子の少なくとも1種と、媒体とを含む。導電性組成物は、配線パターン、接合層等の形成に好適に用いることができ、低温で、導電性に優れる配線パターン、接合層等を容易に形成することができる。
導電性組成物に含まれる媒体の構成は、導電性組成物の目的等に応じて適宜選択することができる。
例えば、導電性組成物がスクリーン印刷用である場合、媒体としては、炭化水素系溶剤、高級アルコール系溶剤、セロソルブ、セロソルブアセテート系溶剤等を挙げることができる。
また、スクリーン印刷用の導電性組成物の固形分濃度は、例えば、40〜95質量%とすることができる。ここで導電性組成物の固形分とは不揮発性成分の総量を意味する。
また例えば、導電性組成物がインクジェット印刷用である場合、媒体としては、炭化水素系溶剤、高級アルコール系溶剤、セロソルブ、セロソルブアセテート系溶剤等を挙げることができる。
インクジェット印刷用の導電性組成物の固形分濃度は、例えば、40〜90質量%とすることができる。
導電性組成物は、被覆銅粒子及び媒体に加えて、必要に応じてその他の添加剤を更に含むことができる。その他の添加剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等のカップリング剤、ポリエステル系分散剤、ポリアクリル酸系分散剤等の分散剤などを挙げることができる。
<回路形成物>
本実施形態の回路形成物は、基材と、基材上に配置される上記導電性組成物の熱処理物である配線パターン又は接合層とを備える。配線パターン又は接合層が上記導電性組成物から形成されることで、配線パターン又は接合層の導電性に優れる。また低温で配線パターン又は接合層を形成することができるため、基材の選択肢の自由度大きい。
基材の材質としては、例えば、ポリイミドフィルム、ガラス、セラミックス、金属等を挙げることができる。基材の厚みは特に制限されず、目的等に応じて適宜選択することができる。基材の厚みは例えば0.01〜5mmとすることができる。
配線パターンの形成は、例えば、基材上に導電性組成物を所望のパターンとなるように付与し、付与された導電性組成物を熱処理することで行うことができる。導電性組成物を用いることで、所望のパターンを有し、導電性に優れる配線パターンを、効率よく低温で形成することができる。
また接合層は、例えば、半導体素子がダイボンド接合で配置される領域であり、その形状、大きさ、厚み等は目的等に応じて適宜選択すればよい。
すなわち、回路形成物は、例えば、基材を準備する工程と、基材上に導電性組成物を付与する工程と、導電性組成物を熱処理する工程とを含む製造方法で製造できる。
導電性組成物の付与方法は特に制限されず、例えば、インクジェット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、ディスペンス法等で行うことができる。導電性組成物の付与量は目的等に応じて適宜選択でき、例えば、熱処理後の厚みが1〜100μmとなるようにすることができる。
導電性組成物の熱処理の温度は、例えば200〜600℃とすることができ、200〜450℃であることが好ましい。
熱処理の時間は、例えば1〜120分間とすることができ、1〜60分間であることが好ましい。
熱処理の雰囲気は、低酸素雰囲気であることが好ましい。低酸素雰囲気としては、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等を挙げることができる。また酸素濃度が1,000ppm以下であることが好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例で用いた試験方法の詳細を以下に示す。
<平均一次粒子径及び変動率の計算>
測定装置:日本電子製FE−EPMA JXA−8510F
平均一次粒子径:サンプル20点の平均値
変動率:サンプル20点の標準偏差/平均値で計算される値
<SEM画像観察>
測定装置:日本電子製FE−EPMA JXA−8510F
測定条件:加速電圧 6KV又は15KV
観察倍率 ×10,000〜×75,000
<粉体X線回折(XRD)測定>
測定器:島津製 XRD−6100
測定条件:ターゲット Cu
管電圧 40KV、管電流 30.0mA
<Tof−SIMS(飛行時間型2次イオン質量分析装置)測定>
測定器;ULVAC−PHI製 PHI TRIFT IV型
測定条件:1次イオン種 Au、加速電圧 30KV
<TG−DTA測定> 有機残分及び金属含有量の測定
測定装置:リガク製 TG8120
昇温速度:10℃/min
測定温度範囲:25℃〜600℃
測定雰囲気:窒素 100ml/min
<LC(液体クロマトグラフィー)測定>
測定器:Waters製 ACQUITY UPLC H−Class System
カラム:ACQUITY UPLC(R) BEH C18 1.7μm 2.1×50mm
測定温度:50℃
測定溶媒:水/アセトニトリル
流量:0.8mL/min
LC測定用のサンプルは以下のようにして調製した。
サンプル瓶に被覆銅粒子1g、アセトニトリル9mLを加えた。そこに0.36重量%塩酸水溶液1mLを加えた。この混合溶液を30min超音波照射処理して攪拌・混合した。抽出処理完了後、スラリー液を静置し固液分離した後、上清を採取した。その上清を0.2μmフィルターでろ過し、LC測定用のサンプルとした。
<赤外吸収スペクトル測定>
測定器:パーキンエルマー AutoIMAGE FT−IR Microscope
(実施例1)
攪拌機、温度計、還流冷却管、75mLディーンスターク管、窒素導入管を備えた3000mLガラス製四ツ口フラスコをオイルバスに設置した。そこへ、ギ酸銅無水物484g(3.1モル)と、ラウリン酸(関東化学社製)34.0g(0.055当量/ギ酸銅無水物)と、反応溶媒としてトリプロピレングリコールモノメチルエーテル(東京化成社製)150g(0.23当量/ギ酸銅無水物)及びスワクリーン150(ゴードー社製)562g(1.42当量/ギ酸銅無水物)とを添加し、200rpmで攪拌しながら混合した。窒素雰囲気下、液温度が50℃になるまで200rpmで加温攪拌した。そこへ、3−アミノ−1−プロパノール(東京化成社製)472g(2.00当量/ギ酸銅無水物)ゆっくり滴下した。滴下終了後、約1℃/minの昇温速度で液温度が120℃付近になるまで、340rpmで加温攪拌した。ディーンスターク管によりトラップされた水層は適時除去し、反応系内に還流されないようにした。液温度が上昇するにつれて、反応溶液は濃青色から茶褐色に変化し始め、炭酸ガスの発泡が生じた。炭酸ガスの発泡が収まったところを反応終点として、オイルバス温調を停止し、室温まで冷却した。
室温まで冷却後、メタノール(関東化学社製)550gを添加し、混合させた。この混合溶液を30分以上静置して、上澄みをデカンテーションし、沈殿物を得た。この沈殿物にメタノール(関東化学社製)550g、アセトン(関東化学社製)300gを添加し、混合した。この混合溶液を30分以上静置して、上澄みをデカンテーションし、沈殿物を得て、この操作を更にもう一回繰り返した。この沈殿物にメタノール(関東化学社製)550gを用いて共洗いしながら500mLナスフラスコに移した。30分以上静置して、上澄みをデカンテーションし、得られた沈殿物を回転式エバポレーターに設置し、40℃、1kPa以下で真空乾燥した。真空乾燥終了後、室温まで冷却し窒素置換しながら減圧解除し、194gの茶褐色の被覆銅粒子を得た。
(実施例2)
実施例1において、ラウリン酸の代わりにオレイン酸を用いたこと以外は実施例1と同様にして被覆銅粒子200gを得た。
(実施例3)
実施例1において、ラウリン酸の代わりにステアリン酸を用いたこと以外は実施例1と同様にして被覆銅粒子200gを得た。
(実施例4)
実施例1において、ラウリン酸68.1g、3−アミノ−1−プロパノール 712gに変更した以外は実施例1と同様にして被覆銅粒子200gを得た。
(実施例5)
実施例4において、昇温速度を約0.5℃/minに変更した以外は実施例4と同様にして被覆銅粒子200gを得た。実施例4より平均一次粒子径が大きいものを得た。
(比較例1)
特開2013−047365号公報の実施例1に記載の方法に準じて、以下のようにして被覆銅粒子を合成した。
銅化合物として亜酸化銅(I)(古河ケミカルズ社製)を71.5g(0.5モル)、被覆材として酢酸15.0g(250mmol)、還元剤としてヒドラジン・一水和物(和光純薬工業製〕25.0g(0.5モル)、溶媒としてイソプロパノールを500ml混合し、1,000mlの4ツ口フラスコに加えた。フラスコには、冷却器、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を取り付けた。窒素を200ml/minを通気しながら、攪拌しつつ70℃まで昇温させ、2時間加熱・攪拌を継続して亜酸化銅(I)を還元させ、被覆銅粒子分散液を得た。
被覆銅粒子分散液を桐山濾紙No.5Bで減圧濾過して、粉体を濾別した。濾別した粉体をメタノール(関東化学工業製)で3回洗浄して40℃、1kPa以下で減圧乾燥させ、室温まで冷却後に窒素置換をして取り出し、62gの茶褐色粉体を得た。
(比較例2)
特開2002−332502号公報の実施例に準じて以下のようにして表面処理銅粉を得た。50gのメタノール(関東化学工業製)中に平均一次粒子径672nmの銅粉25gとオレイン酸(日油製)0.025gとを加えて、攪拌混合して銅粉表面に表面処理層を形成した。その後、桐山濾紙No.5Bで減圧濾過して、粉体を濾別した。濾別した粉体にメタノール(関東化学工業製)25gを滴下することで、表面処理銅粉を濾過洗浄し、40℃、1kPa以下で減圧乾燥させ、室温まで冷却後に窒素置換をして取り出し、20gの茶褐色粉体を得た。
<評価>
上記で製造された被覆銅粒子を用いて脂肪族カルボン酸で被覆された被覆銅粒子の組成をあきらかにするために、粉体X線分析(XRD測定)、SEM画像観察、Tof−SIMS測定、TG−DTA測定及びLC測定等を実施した。
実施例1で製造された被覆銅粒子の核の構造と粒子径を調べるために粉体X線測定を実施した。粉体X線測定の結果を図1に示す。図1に示すように、還元銅由来のピーク(2θ=43.3°付近)が検出され、酸化銅(2θ=35.5°及び38.7°)、亜酸化銅(2θ=37.0°付近)は検出されなかった。この結果から、本実施形態による被覆銅粒子は酸化物層がなく、還元銅を核として形成されていることが分かる。
結晶粒子径を粉体X線の回折角度と半値幅からScherrerの式より算出した。Scherrerの式は式(1)で表される。
D=Kλ/(βcosθ)・・・(1)
ここで、Dは結晶粒子径、KはScherrer定数(球体と仮定し、K=1として代入)、λは測定X線の波長(CuKα:1.5418A)、βは式(2)で表される。
β=b−B・・・(2)
ここで、bはピークの半値幅、Bは装置の補正係数(B=0.114)である。
計算結果から、被覆銅粒子の結晶子径DXRDは31.3nmであった。SEM観察結果(図2)より算出した平均一次粒子径DSEMは59.2nmであるので、DXRD/DSEMを計算すると0.53となり、平均一次粒子径に対する結晶子径が比較的大きいことが分かる。
実施例1で得られた被覆銅粒子の表面組成を調べるためにTof−SIMS測定を実施した。Tof−SIMS測定の結果(図3)によると、ほぼ定量的にフリーのラウリン酸が検出された。63Cu及び65Cuと結合しているラウリン酸が検出されなかったことから、被覆銅粒子表面に存在するのは、おおかた物理的な吸着により被覆するラウリン酸であるとことが分かった。
実施例1で得られた被覆銅粒子について、銅粒子の表面を被覆しているラウリン酸がどのように金属表面に付着しているのか調べるために、赤外吸収(IR)スペクトル測定を行った。IRスペクトル測定結果(図4)によると、カルボン酸-金属塩由来の伸縮振動ピークのみが検出された。フリーのカルボン酸の伸縮振動ピークが見られなかったことから、ラウリン酸は単分子膜を形成し銅表面に物理吸着していることが示唆される。
実施例1で得られた被覆銅粒子において表面を被覆している有機成分量を調べるために、TG−DTA測定を実施した(図5)。TG−DTA測定結果から、加熱減量は1.79質量%であり、ラウリン酸の沸点付近ではほぼすべて脱離していることが分かる。この結果からもラウリン酸が物理的に吸着していることが示唆され、被覆銅粒子が低温焼結性を発現可能であると推測される。
実施例1で得られた被覆銅粒子に含まれる有機成分について、LC測定を行った。LC測定の結果によると、有機成分としてはラウリン酸が主として検出された。
銅粒子の表面を被覆している脂肪族カルボン酸の被覆密度を以下の方法で算出した。
LC測定の解析結果にしたがって、加熱減量成分の全量をラウリン酸とすると、被覆銅粒子に含まれるラウリン酸の分子数は式(3)で表される。
[ラウリン酸分子数] = Macid/(M/N) ・・・(3)
ここで、Macidは加熱減量測定質量値(g)、Mはラウリン酸分子量(g/mo
l)、Nはアボガドロ定数(6.02×1023本/mol)である。
SEM観測により算出した一次粒子径はほぼすべて還元銅由来とし、その形状は球体と仮定すると、銅粒子1g中の粒子数は式(4)で表される。
[1g中の粒子数]=MCu/[(4πr/3)×d×10−21]・・・(4)
ここで、MCuは加熱減量測定値より求められる質量計算値(g)、rはSEM観測により算出した一次粒子径の半径(nm)、dは密度である(銅の密度として代入した;d=8.94)。銅粒子1g中の粒子表面積は式(4)を用いて、式(5)で表される。
[1g中の銅粒子表面積(nm)]=[1g中の粒子数]×4πr・・・(5)
ラウリン酸による銅粒子の被覆密度(分子/nm)は、(3)式及び(5)式を用いて、式(6)で表される。
[被覆密度]=[ラウリン酸分子数]/[1g中の銅粒子表面積]・・・(6)
計算結果から、被覆銅粒子におけるラウリン酸の被覆密度は4.83分子/nmであった。
『化学と教育 40巻2号(1992年)ステアリン酸分子の断面積を求める−実験値と計算値−』より、ステアリン酸分子のVan der waals半径から最小面積が算出されており、その計算値から換算される飽和被覆面積理論値は約5.00分子/nmである。この理論値から、本実施形態の被覆銅粒子は比較的高密度にラウリン酸が粒子表面に吸着していると推測される。この濃密な被覆効果が、ラウリン酸被覆が化学吸着よりも弱い物理吸着であるにも関わらず、耐酸化性に優れている理由として考えられる。
次に実施例2で得られた被覆銅粒子について、上記と同様にして評価を行った。SEM観察(図6)及びXRD測定の結果から、平均一次粒子径は65.7nmであり、結晶子径は33.9nmであった。
またIRスペクトル測定結果(図7)によると、カルボン酸-金属塩由来の伸縮振動ピークのみが検出された。フリーのカルボン酸の伸縮振動ピークが見られなかったことから、オレイン酸は単分子膜を形成し銅表面に物理吸着していることが示唆される。
TG−DTA測定結果から、加熱減量は1.68質量%であり、オレイン酸の沸点付近ではほぼすべて脱離していることが分かった。
LC測定を行った。LC測定の結果によると、有機成分としてはオレイン酸が主として検出された。
実施例2で得られた被覆銅粒子について、銅粒子の表面を被覆しているオレイン酸の被覆密度を上記と同様にして算出したところ、3.53分子/nmであった。
オレイン酸は二重結合を有する不飽和脂肪酸であり、この二重結合の位置で曲がった分子構造をとっている。ラウリン酸のような飽和脂肪酸と比較して、オレイン酸が単分子膜を形成する際、その立体障害から液体膨張膜を形成しやすい。「エマルジョンの科学(V) 花井哲也著」(調理科学、7巻、3号、1974年)より、表面膜圧対分子面積の関係プロットから、水面上の表面膜モデルにおけるオレイン酸の被覆密度は約1.25分子/nmと算出できる。
これに対して、実施例2で製造された被覆銅粒子は、比較的高密度な被覆効果が見られ、液体凝集膜に近しい単分子膜を形成していることが分かった。
比較例2で得られた被覆銅粒子について、銅粒子の表面を被覆しているオレイン酸の被覆密度を上記と同様にして算出したところ、1.17分子/nmであった。
以上の評価を実施例3〜5についても行った。結果を下表にまとめて示す。
(試験例1) 耐酸化性の評価
実施例1で製造された直後の粉体X線測定結果(図1)と25℃、大気雰囲気下で2ヶ月貯蔵した後に同様に測定して酸化の進行の有無を確認した(図8)。2ヶ月後でも酸化成分は検出されず、本実施形態の被覆銅粒子は優れた耐酸化性を有することが確認された。
一方、比較例1で製造された直後の粉体X線測定結果と25℃、大気雰囲気下で2ヶ月貯蔵した後に同様に測定した結果を図9に示す。図9に示すように、比較例1の条件で製造された被覆銅粒子では、2カ月後に亜酸化銅に由来するシグナルが明確に観測された。

Claims (9)

  1. 銅粒子と、
    銅粒子の表面に1nm当り2.5〜5.2分子の密度で配置される脂肪族カルボン酸を含む被覆層と、を含む被覆銅粒子。
  2. 脂肪族カルボン酸の脂肪族基の炭素数が5〜17である請求項1に記載の被覆銅粒子。
  3. 脂肪族カルボン酸が銅表面に物理吸着している請求項1又は2に記載の被覆銅粒子。
  4. 被覆層が、脂肪族カルボン酸銅錯体の熱分解物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の被覆銅粒子。
  5. 銅酸化物及び銅水酸化物の総含有率が5質量%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の被覆銅粒子。
  6. 平均一次粒子径が0.02〜5.0μmである請求項1〜5のいずれか1項に記載の被覆銅粒子。
  7. 媒体中で、脂肪族カルボン酸銅錯体を熱分解することを含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の被覆銅粒子の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の被覆銅粒子と、媒体とを含む導電性組成物。
  9. 基材と、基材上に配置され、請求項8に記載の導電性組成物の熱処理物である配線パターン又は接合層と、を備える回路形成物。
JP2014203242A 2014-10-01 2014-10-01 被覆銅粒子及びその製造方法 Active JP6368925B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014203242A JP6368925B2 (ja) 2014-10-01 2014-10-01 被覆銅粒子及びその製造方法
CN201580053024.6A CN107073578B (zh) 2014-10-01 2015-09-18 被覆铜颗粒及其制造方法
KR1020177010816A KR102200822B1 (ko) 2014-10-01 2015-09-18 피복 구리 입자 및 그의 제조 방법
PCT/JP2015/076764 WO2016052275A1 (ja) 2014-10-01 2015-09-18 被覆銅粒子及びその製造方法
TW104132187A TWI648111B (zh) 2014-10-01 2015-09-30 Coated copper particles, a method for producing the same, and a conductive composition and circuit formation

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014203242A JP6368925B2 (ja) 2014-10-01 2014-10-01 被覆銅粒子及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016069716A true JP2016069716A (ja) 2016-05-09
JP6368925B2 JP6368925B2 (ja) 2018-08-08

Family

ID=55630315

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014203242A Active JP6368925B2 (ja) 2014-10-01 2014-10-01 被覆銅粒子及びその製造方法

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP6368925B2 (ja)
KR (1) KR102200822B1 (ja)
CN (1) CN107073578B (ja)
TW (1) TWI648111B (ja)
WO (1) WO2016052275A1 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019106739A1 (ja) * 2017-11-29 2019-06-06 国立大学法人北海道大学 低温焼結性銅粒子とそれを用いた焼結体の製造方法
JP2019099900A (ja) * 2017-11-28 2019-06-24 協立化学産業株式会社 被覆金属粒子、導電性組成物、導電体、接合用積層体、回路形成物及び焼結体の製造方法
JP2019164908A (ja) * 2018-03-19 2019-09-26 協立化学産業株式会社 導電性ペースト組成物、導電体、導電性ペースト組成物の塗工方法、及び導電体の製造方法
EP3712904A4 (en) * 2017-11-13 2021-08-25 Kyocera Corporation PASTE COMPOSITION, SEMICONDUCTOR DEVICE AND ELECTRONIC / ELECTRIC COMPONENT
JP7121884B1 (ja) 2021-03-29 2022-08-19 三菱マテリアル株式会社 銅粒子及びその製造方法

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019146412A1 (ja) * 2018-01-26 2019-08-01 日清エンジニアリング株式会社 銀微粒子の製造方法および銀微粒子
WO2019146411A1 (ja) * 2018-01-26 2019-08-01 日清エンジニアリング株式会社 微粒子の製造方法および微粒子
KR20220099976A (ko) 2019-11-18 2022-07-14 닛신 엔지니어링 가부시키가이샤 미립자의 제조 장치 및 미립자의 제조 방법
JP7380256B2 (ja) * 2020-01-28 2023-11-15 三菱マテリアル株式会社 接合用シート
JP7482214B2 (ja) * 2020-03-31 2024-05-13 三井金属鉱業株式会社 銅粒子及びその製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008013837A (ja) * 2006-07-10 2008-01-24 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 微小銅粉及びその製造方法
JP2008013466A (ja) * 2006-07-04 2008-01-24 Seiko Epson Corp ギ酸銅錯体、銅粒子の製造方法および配線基板の製造方法
JP2011032558A (ja) * 2009-08-04 2011-02-17 Harima Chemicals Inc 金属銅微粒子の製造方法
JP2012226841A (ja) * 2011-04-15 2012-11-15 Fukuda Metal Foil & Powder Co Ltd 銅超微粒子分散ペーストおよび導電膜の形成方法
JP2013159830A (ja) * 2012-02-06 2013-08-19 Toyota Central R&D Labs Inc 表面被覆金属ナノ粒子、およびその製造方法

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1061579C (zh) * 1995-03-08 2001-02-07 上海市合成树脂研究所 电磁屏蔽导电涂料用铜粉的制备方法
WO2002087809A1 (fr) * 2001-04-27 2002-11-07 Dowa Mining Co., Ltd. Poudre de cuivre pour pate electroconductrice a excellente resistance a l'oxydation et procede de preparation
JP3890205B2 (ja) 2001-05-10 2007-03-07 三井金属鉱業株式会社 銅ペースト用の表面処理銅粉、その表面処理銅粉の製造方法、その表面処理銅粉を用いた銅ペースト及びその銅ペーストを用いたプリント配線板
JP4195581B2 (ja) 2002-05-27 2008-12-10 三井金属鉱業株式会社 銅粉の製造方法及びその方法で得られた銅粉
JP4530617B2 (ja) 2003-01-23 2010-08-25 三井金属鉱業株式会社 銅ペースト用の銅粉の製造方法及びその製造方法により得られる銅ペースト用の銅粉
CN100542692C (zh) * 2003-07-09 2009-09-23 福莱金属公司 包覆金属颗粒
CN101232963B (zh) * 2005-07-25 2011-05-04 住友金属矿山株式会社 铜微粒分散液及其制造方法
KR100814295B1 (ko) * 2006-10-10 2008-03-18 삼성전기주식회사 구리 나노입자의 제조방법 및 그에 의해 제조된 구리나노입자
CN100556584C (zh) * 2007-03-26 2009-11-04 中南大学 一种导电浆料用铜粉的表面修饰方法
US8535573B2 (en) * 2007-11-05 2013-09-17 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. Copper fine particles, method for producing the same, and copper fine particle dispersion
JP6241908B2 (ja) * 2011-02-04 2017-12-06 国立大学法人山形大学 被覆金属微粒子とその製造方法
JP5848552B2 (ja) 2011-08-29 2016-01-27 日立金属株式会社 銅微粒子分散液の製造方法、銅微粒子の製造方法、銅微粒子分散液および銅微粒子
CN102601355A (zh) * 2012-03-20 2012-07-25 昆明理工大学 一种提高铜金粉耐腐蚀性的表面改性方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008013466A (ja) * 2006-07-04 2008-01-24 Seiko Epson Corp ギ酸銅錯体、銅粒子の製造方法および配線基板の製造方法
JP2008013837A (ja) * 2006-07-10 2008-01-24 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 微小銅粉及びその製造方法
JP2011032558A (ja) * 2009-08-04 2011-02-17 Harima Chemicals Inc 金属銅微粒子の製造方法
JP2012226841A (ja) * 2011-04-15 2012-11-15 Fukuda Metal Foil & Powder Co Ltd 銅超微粒子分散ペーストおよび導電膜の形成方法
JP2013159830A (ja) * 2012-02-06 2013-08-19 Toyota Central R&D Labs Inc 表面被覆金属ナノ粒子、およびその製造方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3712904A4 (en) * 2017-11-13 2021-08-25 Kyocera Corporation PASTE COMPOSITION, SEMICONDUCTOR DEVICE AND ELECTRONIC / ELECTRIC COMPONENT
US11859112B2 (en) 2017-11-13 2024-01-02 Kyocera Corporation Paste composition, semiconductor device, and electrical/electronic component
JP2019099900A (ja) * 2017-11-28 2019-06-24 協立化学産業株式会社 被覆金属粒子、導電性組成物、導電体、接合用積層体、回路形成物及び焼結体の製造方法
WO2019106739A1 (ja) * 2017-11-29 2019-06-06 国立大学法人北海道大学 低温焼結性銅粒子とそれを用いた焼結体の製造方法
JPWO2019106739A1 (ja) * 2017-11-29 2020-12-03 国立大学法人北海道大学 低温焼結性銅粒子とそれを用いた焼結体の製造方法
JP7006872B2 (ja) 2017-11-29 2022-01-24 国立大学法人北海道大学 低温焼結性銅粒子とそれを用いた焼結体の製造方法
US11590569B2 (en) 2017-11-29 2023-02-28 National University Corporation Hokkaido University Low-temperature sinterable copper particle and method for producing sintered body by using the same
JP2019164908A (ja) * 2018-03-19 2019-09-26 協立化学産業株式会社 導電性ペースト組成物、導電体、導電性ペースト組成物の塗工方法、及び導電体の製造方法
JP7121884B1 (ja) 2021-03-29 2022-08-19 三菱マテリアル株式会社 銅粒子及びその製造方法
WO2022209558A1 (ja) * 2021-03-29 2022-10-06 三菱マテリアル株式会社 銅粒子及びその製造方法
JP2022151975A (ja) * 2021-03-29 2022-10-12 三菱マテリアル株式会社 銅粒子及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN107073578B (zh) 2019-01-15
KR20170067785A (ko) 2017-06-16
TWI648111B (zh) 2019-01-21
KR102200822B1 (ko) 2021-01-12
TW201617152A (zh) 2016-05-16
JP6368925B2 (ja) 2018-08-08
WO2016052275A1 (ja) 2016-04-07
CN107073578A (zh) 2017-08-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6368925B2 (ja) 被覆銅粒子及びその製造方法
JP5926322B2 (ja) 被覆銅粒子及びその製造方法
JP6033485B2 (ja) 被覆銅粒子
JP5623861B2 (ja) 金属ナノ粒子分散組成物
US8784702B2 (en) Copper-containing nanoparticles and manufacturing method therefor
JP6979150B2 (ja) 被覆銀粒子とその製造方法、導電性組成物、および導電体
JP6716809B2 (ja) 銅ペースト組成物の製造方法
JP2014001443A (ja) 酸化物被覆銅微粒子及びその製造方法
JP2011032558A (ja) 金属銅微粒子の製造方法
JP6209249B2 (ja) 酸化物被覆銅微粒子の製造方法
TW201719678A (zh) 鎳粉及鎳糊
JP6873510B2 (ja) 複合粒子、銅ペースト組成物、および導電体
JP6938057B2 (ja) 被覆銀粒子とその製造方法、導電性組成物、および導電体
JP6892120B2 (ja) 被覆金属粒子、導電性組成物、導電体、接合用積層体、回路形成物及び焼結体の製造方法
JP5075708B2 (ja) 微粒子分散体の製造方法及びそれを使用して製造された金属又は金属化合物の微粒子分散体並びにそれを分散媒置換した微粒子分散液
JP5912888B2 (ja) 合金粒子の製造方法
JP2012087398A (ja) 金微粒子の製造方法
JP2011117025A (ja) 金属微粒子分散体の製造方法及び該製造方法を使用した後に分散媒置換する金属微粒子分散液の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180601

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180613

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6368925

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250