JP6892120B2 - 被覆金属粒子、導電性組成物、導電体、接合用積層体、回路形成物及び焼結体の製造方法 - Google Patents

被覆金属粒子、導電性組成物、導電体、接合用積層体、回路形成物及び焼結体の製造方法 Download PDF

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本発明は、被覆金属粒子、導電性組成物、導電体、接合用積層体、回路形成物及び焼結体の製造方法に関する。
金属粒子を含有する分散液を、インクジェットなど各種の印刷法により、配線パターン状に直接印刷することで、光露光によるパターニングを必要としない、プリンタブルエレクトロニクスが注目されている。
数十nm以下の金属粒子は、粒子径が小さくなるにつれて、バルクの金属とは異なる種々の物理的、化学的特性を示すことが知られている。例えば、金属粒子の融点は、粒子径が小さくなると、バルクの金属の融点よりも低くなることが知られている。そのため、焼結時の温度を低温化する点から、粒子径の小さい金属粒子を用いることが検討されている。
例えば特許文献1には、微細な粒子径を有し、かつ低温度での焼結性に優れる銅微粒子を含む銅微粒子分散液として、溶剤中に、保護剤として脂肪族モノカルボン酸で表面が被覆された銅微粒子が分散された特定の銅微粒子分散液が開示されている。
しかしながら特許文献1に開示された銅微粒子の製造方法では、銅微粒子表面に比較的厚い被覆層が形成され、粒子全体に対する有機物の割合が高くなっている。また、銅微粒子の耐酸化性は十分ではなかった。
本発明者らは特許文献2において、優れた耐酸化性と焼結性とを併せ持つ被覆銅粒子として、銅粒子と、銅粒子の表面に1nm当たり2.5〜5.2分子の密度で配置される脂肪族カルボン酸を含む被覆層とを含む被覆銅粒子及びその製造方法を開示している。特許文献2によれば、特定の製造方法により、被覆銅粒子の表面において脂肪族カルボン酸が上記特定の密度で配置され、銅粒子表面に物理吸着して単分子膜を形成し、その結果、優れた耐酸化性と焼結性を有する被覆銅粒子が得られるとされている。
特開2013−47365号公報 特開2016−69716号公報
特許文献2の被覆銅粒子を用いることにより、電気伝導性に優れた導電体を得ることができる。一方、本発明者らは鋭意検討の結果、当該被覆銅粒子を用いて形成された導電体に、ひび割れが生じることがあるとの知見を得た。当該ひび割れは導電体の膜厚に十分な厚さがある場合には問題とはならなかったが、導電体の更なる薄膜化の要請から、断線等の原因となりうることが考えられる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、電気伝導性に優れ、ひび割れが抑制された導電体を形成可能な被覆金属粒子、当該被覆金属粒子を含有する導電性組成物、電気伝導性に優れ、ひび割れが抑制された導電体、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る被覆金属粒子の一実施形態は、平均一次粒径が50nm以上の金属核粒子と、
前記金属核粒子の表面に1nm当り、2.5〜5.2分子の密度で配置された脂肪族カルボン酸及び脂肪族アルデヒドから選択される1種以上の分子とを含む。
前記被覆金属粒子の一実施形態は、前記脂肪族カルボン酸における脂肪族基が、炭素原子数が3〜10であって、不飽和結合を有しない脂肪族基である。
前記被覆金属粒子の一実施形態は、前記脂肪族カルボン酸における脂肪族基が、炭素原子数が3〜17であって、不飽和結合を有する脂肪族基である。
前記被覆金属粒子の一実施形態は、前記金属核粒子における金属酸化物及び金属水酸化物の総含有率が5質量%以下である。
前記被覆金属粒子の一実施形態は、前記金属核粒子が、銅、銀、金、及びニッケルより選択される1種以上の金属を含む粒子である。
本発明に係る導電性組成物の一実施形態は、前記本発明に係る被覆金属粒子と、媒体とを含有する。
前記導電性組成物の一実施形態は、更に金属粒子を含有する。
本発明に係る導電体の一実施形態は、前記本発明に係る導電性組成物の焼結体を含む。
本発明に係る焼結体の製造方法の一実施形態は、基材上に、前記本発明に係る導電性組成物を塗布し塗膜とする工程と、
前記塗膜を350℃以下の温度で焼結する工程と有する。
本発明に係る接合用積層体の一実施形態は、基材上に、前記本発明に係る導電性組成物の塗膜又はその焼結体を含む接合層を備える。
本発明に係る回路形成物の一実施形態は、基材上に、前記本発明に係る導電性組成物の焼結体をパターン状に備える。
本発明によれば、電気伝導性に優れ、ひび割れが抑制された導電体を形成可能な被覆金属粒子、当該被覆金属粒子を含有する導電性組成物、電気伝導性に優れ、ひび割れが抑制された導電体、及びその製造方法を提供することができる。
図1は、実施例1で得られた被覆銅粒子のSEM像である。 図2は、実施例2で得られた被覆銅粒子のSEM像である。 図3は、実施例3で得られた被覆銅粒子のSEM像である。 図4は、実施例4で得られた被覆銅粒子のSEM像である。 図5は、実施例5で得られた被覆銀粒子のSEM像である。 図6は、比較例1で得られた被覆銅粒子のSEM像である。 図7は、比較例2で得られた被覆銀粒子のSEM像である。 図8は、実施例1で得られた焼結膜のSEM像である。 図9は、実施例2で得られた焼結膜のSEM像である。 図10は、実施例3で得られた焼結膜のSEM像である。 図11は、実施例4で得られた焼結膜のSEM像である。 図12は、実施例5で得られた焼結膜のSEM像である。 図13は、比較例1で得られた焼結膜のSEM像である。 図14は、比較例2で得られた焼結膜のSEM像である。
以下、本発明に係る被覆金属粒子、導電性組成物、導電体、接合用積層体、回路形成物及び焼結体の製造方法について詳細に説明する。
[被覆金属粒子]
本発明に係る被覆金属粒子は、平均一次粒径が50nm以上の金属核粒子と、
前記金属核粒子の表面に1nm当り、2.5〜5.2分子の密度で配置された脂肪族カルボン酸及び脂肪族アルデヒドから選択される1種以上の分子とを含む。
上記本発明に係る被覆金属粒子によれば、優れた耐酸化性と焼結性とを併せ持ち、更に、当該被覆金属粒子の焼結体である導電体は、電気伝導性に優れ、ひび割れが抑制されている。
本発明の被覆金属粒子が上記のような効果を発揮する作用については、未解明な部分もあるが以下のように推定される。
本発明の被覆金属粒子は、金属核粒子の表面に脂肪族カルボン酸及び脂肪族アルデヒドが合計で1nm当たり2.5〜5.2分子の密度で配置されている。当該脂肪族カルボン酸は、金属核粒子の表面を被覆して、当該表面の酸化や、金属核粒子同士の凝集を抑制して媒体中の分散性を向上する。一方、前記脂肪族カルボン酸は、焼結時に金属核粒子表面から除去され、更に分解又は揮発するため、焼結体中の残存が抑制されて、電気伝導性に優れた導電体が得られる。
また、本発明の被覆金属粒子は、金属核粒子表面における脂肪族カルボン酸の密度が1nm当たり2.5〜5.2分子である。当該密度範囲は液体凝縮膜領域に近く、脂肪族カルボン酸が金属核表面上に単分子膜を形成していると推定される。そのため、金属核粒子表面を少ない有機物量で効率よく被覆していると推定され、その結果、耐酸化性に優れると共に、焼結時には脂肪族カルボン酸が効率よく除去されて焼結性に優れるものと推定される。本発明者らは、上記脂肪族カルボン酸の代わりに脂肪族アルデヒドを用いた場合も同様の効果が得られることを見出した。
一方、本発明者らは、このような被覆金属粒子を低温で焼結する観点から、粒子径の小さい金属核粒子を用いることを検討したところ、得られる導電体にひび割れが生じることがあるとの知見を得た。本発明者らはこのような知見に基づいて鋭意検討した結果、平均一次粒径が50nm以上の金属核粒子を用いることにより、導電体のひび割れが抑制されることが明らかとなった。平均一次粒径が50nm以上の金属核粒子は、焼結時に生じる体積収縮が、より小さな粒子径を有する金属核粒子と比較して、抑制されるものと推定される。このようなことから、本発明の被覆金属粒子によれば、優れた耐酸化性と焼結性とを併せ持ち、更に、電気伝導性に優れ、ひび割れが抑制された導電体が得られる。
<金属核粒子>
本発明において金属核粒子は、平均一次粒径が50nm以上のものが用いられる。平均一次粒径が50nm以上の金属核粒子を用いることにより、体積収縮が抑制されて、得られる導電体のひび割れを抑制することができる。導電体のひび割れを抑制し、電気伝導性に優れる点から、金属核粒子の平均一時粒径は中でも70nm以上であることが好ましく、90nm以上であることがより好ましい。また、低温焼結性及び分散性の点から、金属核粒子の平均一次粒径は、500nm以下であることが好ましく、400nm以下であることがより好ましく、300nm以下であることが更により好ましい。
なお、本発明において金属核粒子の平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察された任意の20個の金属核粒子の一次粒子径の算術平均値であり、例えば、解析ソフト(例えば、Win ROOF)を用いた円形分離による粒子計測により、測定することができる。
金属核粒子の材質は、焼結後に電気伝導性を有する金属であればよく、例えば、金、銀、銅、白金、アルミニウム、鉄、クロム、スズ、ニッケル、亜鉛、鉛、インジウム、ビスマス、ゲルマニウム、アンチモン、コバルト、パラジウム、ロジウム、モリブデン、タングステン、チタン、ジルコニウム、ガリウム、ヒ素、ホウ素、ケイ素、及びこれらの合金が挙げられる。電気伝導性の点から、中でも、銅、銀、金、及びニッケルより選択される1種以上の金属を含むことが好ましく、銀、又は銅であることがより好ましい。また、本発明の被覆金属粒子は、耐酸化性に優れていることから、金属核粒子として銅を好適に用いることができる。
被覆金属粒子が複数ある場合、含まれる各金属核粒子は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
金属核粒子は、本発明の効果を損なわない範囲で、金属酸化物、金属水酸化物、及びその他の不純物を含んでいてもよい。金属酸化物及び金属水酸化物の含有割合は、導電性の点から、金属核粒子に対して5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更により好ましい。また、導電性の点から、金属核粒子中の金属の純度は、95質量%以上であることが好ましく、97質量%以上であることがより好ましく、99質量%以上であることが更により好ましい。
金属核粒子の形状は、用途等に応じて適宜選択することができる。当該形上は、真球状を含む略球状、板状、棒状などが挙げられ、中でも、略球状であることが好ましい。なお、後述する被覆金属粒子の製造方法によれば、おおよそ球状に近似可能な略球状の金属核粒子が得られる。
<脂肪族カルボン酸>
本発明において脂肪族カルボン酸は、前記金属核粒子の表面に1nm当り、2.5〜5.2分子の密度で配置され、金属核粒子の分散性および酸化抑制効果を有するとともに、焼結時においては、容易に金属核粒子表面から除去され、更に分解又は揮発するため、焼結体中の残留が抑制されて、電気伝導性に優れた導電体が得られる。
脂肪族カルボン酸は、脂肪族化合物に1個又は2個以上のカルボキシ基が置換された構造を有する化合物であり、本発明においては、脂肪族化合物に1個のカルボキシ基が置換された構造、即ち、脂肪族炭化水素基と、1個のカルボキシ基を有する化合物が好ましい。本発明においては、通常、金属核粒子表面に、脂肪族カルボン酸のカルボキシ基が配置される。
脂肪族カルボン酸を構成する脂肪族炭化水素基は、直鎖、分枝、又は環状構造を有する炭化水素基であって、不飽和結合を有していてもよい。本発明においては、金属核粒子表面に所定の密度で単分子膜を形成しやすい点から、分枝及び環状構造を有しない、直鎖脂肪族炭化水素基であることが好ましい。不飽和結合は、二重結合であってもよく三重結合であってもよいが、二重結合であることが好ましい。また、脂肪族炭化水素基が不飽和結合を有する場合、その個数は、1分子中に1〜3個有することが好ましく、1〜2個有することがより好ましく、1個であることが更により好ましい。
本発明において脂肪族カルボン酸は、中でも、直鎖脂肪族炭化水素基の末端にカルボキシ基を有することが好ましい。
当該脂肪族カルボン酸において、脂肪族基の炭素原子数は、被覆金属粒子の分散性や、耐酸化性の点から、3以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましく、5以上であることが更により好ましい。一方、不飽和結合を有しない脂肪族基においては、炭素原子数が10以下であることが好ましく、8以下であることがより好ましい。炭素原子数が上記上限値以下であることにより、被覆金属粒子の焼結時に除去されやすく、電気伝導性に優れ、ひび割れがより抑制された導電体を得ることができる。なお、本発明において、脂肪族基の炭素原子数は、カルボキシ基を構成する炭素原子は含まないものとする。
一方、不飽和結合(中でも二重結合)を有する脂肪族基においては、炭素原子数が17以下であることが好ましく、16以下であることがより好ましく、15以下であることが更により好ましい。本発明者らは、不飽和結合を有する脂肪族基を有する脂肪族カルボン酸を用いた場合には、被覆金属粒子の低温焼結性が向上することを見出した。この作用については未解明な部分もあるが、加熱時に酸化作用などにより不飽和結合が開裂等しているものと推測される。そのため、炭素原子数が17以下であれば被覆金属粒子の焼結時に除去されやすく、電気伝導性に優れ、ひび割れがより抑制された導電体を得ることができる。不飽和結合(中でも二重結合)を有する脂肪族基は、上述の通り炭素原子数を多くすることができるため、分散性能に優れ、例えば、平均一次粒径が70nm以上の金属核粒子の分散性をより向上することができる。
好ましい脂肪族カルボン酸の具体例としては、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸などが挙げられる。脂肪族カルボン酸は1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
<脂肪族アルデヒド>
本発明においては、前記脂肪族カルボン酸の代わりに、又は、前記脂肪族カルボン酸と組み合わせて、前記金属核粒子表面に脂肪族アルデヒドを配置しても、脂肪族カルボン酸と同様に、電気伝導性に優れ、ひび割れが抑制された導電体を形成可能な被覆金属粒子が得られる。
脂肪族アルデヒドは、脂肪族化合物に1個又は2個以上のアルデヒド基が置換された構造を有する化合物であり、本発明においては、脂肪族化合物に1個のアルデヒド基が置換された構造、即ち、脂肪族炭化水素基と、1個のアルデヒド基を有する化合物が好ましい。本発明においては、通常、金属核粒子表面に、脂肪族アルデヒドのアルデヒド基が配置される。金属核粒子表面にアルデヒド基が配置されることにより、脂肪族アルデヒドの還元作用による、金属核粒子表面の酸化抑制や、汚染物質の洗浄効果が得られる。更に検討の結果、基材表面の異物や酸化物を除去する効果を有するものと推定された。
脂肪族アルデヒドを構成する脂肪族炭化水素基は、前記脂肪族カルボン酸と同様のものを選択することができる。
好ましい脂肪族アルデヒドの具体例としては、ブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、オクチルアルデヒド、ノニルアルデヒド、ヘキサデセニルアルデヒドなどが挙げられる。脂肪族アルデヒドは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
金属核粒子の表面には、脂肪族カルボン酸及び脂肪族アルデヒドから選択される1種以上の分子(以下、「脂肪族カルボン酸等」ということがある)が、前記金属核粒子の表面に1nm当り2.5〜5.2分子の密度で配置されている。すなわち、金属核粒子の表面は、脂肪族カルボン酸及び脂肪族アルデヒドから選択される1種以上の分子を含む被覆層で被覆され、その被覆密度が2.5〜5.2分子/nmである。分散性及び耐酸化性の点から、当該被覆密度が3.0〜5.2分子/nmであることが好ましく、3.5〜5.2分子/nmであることがより好ましい。
金属核粒子表面における脂肪族カルボン等の被覆密度は以下のようにして算出することができる。被覆金属粒子について、特開2012−88242号公報に記載される方法に従って、液体クロマトグラフィー(LC)を用いて表面に付着している有機成分を抽出し、成分分析を行う。また、TG−DTA測定(熱重量測定・示差熱分析)を行い、被覆金属粒子に含まれる有機成分量を測定する。次いでLCの分析結果と合わせて被覆金属粒子に含まれる脂肪族カルボン酸等の量を算出する。また、SEM画像観察により金属核粒子の平均一次粒子径を測定する。
以上の分析結果から、被覆金属粒子1gに含まれる脂肪族カルボン酸等の分子数は下記式(a)で表される。
[脂肪族カルボン酸等の分子数]=M/(M/N) ・・・(a)
ここで、Mは被覆金属粒子1gに含まれる脂肪族カルボン酸等の質量(g)であり、Mは脂肪族カルボン酸等の分子量(g/mol)であり、Nはアボガドロ定数である。2種以上の脂肪族カルボン酸等が含まれる場合には、各成分ごとに分子数を算出し、合計する。
金属核粒子の形状を球体と近似して、被覆金属粒子の質量から有機成分量を差し引いて金属核粒子の質量M(g)を求める。被覆金属粒子1g中の金属核粒子数は下式(b)で表される。
[金属核粒子数]=M/[(4πr/3)×d×10−21] ・・・(b)
ここで、Mは被覆金属粒子1gに含まれる金属粒子の質量(g)であり、rはSEM画像観察により算出した一次粒子径の半径(nm)であり、dは金属の密度である(銅の場合d=8.94)。被覆金属粒子1gに含まれる金属核粒子の表面積は式(b)から、下式(c)で表される。
[金属核粒子の表面積(nm)]=[金属核粒子数]×4πr ・・・(c)
以上から、脂肪族カルボン酸等による金属粒子の被覆密度(分子/nm)は、(a)式及び(c)式を用いて、下記式(d)で算出される。
[被覆密度]=[脂肪族カルボン酸等の分子数]/[金属核粒子の表面積]・・・(d)
被覆金属粒子における脂肪族カルボン酸等と金属核粒子との結合状態は、イオン性結合であっても物理吸着であってもよい。脂肪族カルボン酸等は、被覆金属粒子の焼結性の観点から、金属核粒子の表面に物理吸着していることが好ましく、金属核粒子の表面にカルボキシ基、又はアルデヒド基で物理吸着していることが好ましい。
脂肪族カルボン酸等が金属核粒子へ物理吸着していることは、被覆金属粒子の表面組成を分析することで確認できる。具体的には、被覆金属粒子について飛行時間型二次イオン質量分析法(Tof−SIMS)表面分析を行い、実質的に遊離の脂肪族カルボン酸等のみが検出され、金属原子と結合している脂肪族カルボン酸等が実質的に検出されないことで確認することができる。ここで、金属原子と結合している脂肪族カルボン酸等が実質的に検出されないとは、金属核粒子に付着している脂肪族カルボン酸等の質量と当量の遊離の脂肪族カルボン酸等が検出されるシグナル量に対して、5%以下であること意味し、1%以下であることが好ましい。
また、脂肪族カルボン酸等が、カルボキシ基、又はアルデヒド基で金属粒子の表面に物理吸着していることは、被覆金属粒子について、赤外吸収スペクトル測定を行い、実質的にC−O−金属塩由来の伸縮振動ピークのみが観測され、遊離のカルボン酸等(−C=O)に由来する伸縮振動ピークが実質的に観測されないことで確認することができる。
被覆金属粒子の粒子径は、用途等に応じて適宜選択することができる。被覆金属粒子の平均一次粒子径は、分散性、導電性、及びひび割れ抑制の観点から、0.05μm以上8μm以下であることが好ましく、0.07μm以上5μm以下であることがより好ましく、0.09μm以上2.5μm以下であることが更により好ましい。
被覆金属粒子の平均一次粒子径は、SEM観察による任意の20個の被覆金属粒子の一次粒子径の算術平均値DSEMとして算出される。
また、被覆金属粒子の粒度分布の変動係数(標準偏差SD/平均一次粒子径DSEM)の値は例えば、0.01〜0.5であり、0.05〜0.3が好ましい。特に、後述する被覆金属粒子の製造方法で製造されていることで、粒度分布の変動係数が小さく、粒子径の揃った状態とすることができる。被覆金属粒子の粒度分布の変動係数が小さいことで、分散性に優れ、高濃度の分散物を得ることが可能となる。
本発明の被覆金属粒子は、耐酸化性に優れる。耐酸化性に優れることは、製造してから所定時間後に、被覆金属粒子中における金属酸化物及び金属水酸化物の生成が抑制されていることで確認することができる。例えば、製造してから2か月後の被覆金属粒子中の金属酸化物及び金属水酸化物の総含有率は、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。
被覆金属粒子中における金属酸化物の生成は、被覆金属粒子のX線回折(XRD)測定により確認することができる。
本発明の被覆金属粒子は、耐酸化性と焼結性に優れ、得られる焼結体はひび割れが抑制される。そのため、基材上に配線パターン等を形成する導電性組成物に好適に用いることができる。
[被覆金属粒子の製造方法]
本発明の被覆金属粒子は、上記特定の金属核粒子となる金属を含む金属カルボン酸塩と、上記特定の脂肪族カルボン酸及び脂肪族アルデヒドから選択される1種以上の分子を用い、特開2016−69716号公報の段落0031から段落0066まで、及び段落0085の記載を参考にして製造することが好ましい。即ち、被覆金属粒子の好ましい製造方法は、金属カルボン酸塩と、脂肪族カルボン酸等と、媒体を含む反応液を準備し、当該反応液中で生成する錯化合物を熱分解処理して、金属核粒子の表面に肪族カルボン酸等が1nm当り2.5〜5.2分子の密度で配置された被覆金属粒子を得ることができる。
以下、上記の製造方法についてより具体的に説明する。
<反応液>
上記反応液は、金属核粒子となる金属を含む金属カルボン酸塩と、当該金属核粒子の表面に被覆する脂肪族カルボン酸等と、媒体とを含有するものであり、好ましくは更にアミノアルコールを含有し、必要に応じてさらに他の成分を含有してもよいものである。以下、反応液に含まれる成分について説明するが、脂肪族カルボン酸等については前記金属核粒子の表面に被複する脂肪族カルボン酸等と同様であるため、ここでの説明は省略する。
(金属カルボン酸塩)
前記金属カルボン酸塩におけるカルボン酸は、金属の種類や、金属カルボン酸塩の製造容易性などの観点から適宜選択することができる。カルボン酸としては、ギ酸、シュウ酸、クエン酸等が挙げられる。また金属の種類に応じて、カルボン酸の代わりに炭酸を用いてもよい、金属として銅を用いる場合には、金属カルボン酸塩としてギ酸銅を用いることが好ましい。また、金属として銀を用いる場合には、金属カルボン酸塩として、ギ酸銀、シュウ酸銀、炭酸銀、シュウ酸銀などが挙げられ、中でも熱分解温度が高いことから、シュウ酸銀を用いることが好ましい。金属カルボン酸塩を構成する金属については、前記金属核粒子と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
反応液中の金属カルボン酸塩の含有割合は適宜調整すればよい。被覆金属粒子の製造効率などの点から、0.5〜2.5モル/リットルであることが好ましく、1.5〜2.5モル/リットルであることがより好ましく、2.0〜2.5モル/リットルであることが更により好ましい。
また、反応液中の脂肪族カルボン酸等の含有割合は、反応液中の金属カルボン酸に対して2.5〜40モル%であることが好ましく、5.0〜20モル%であることがよりこのましい。上記上限値以下であれば、粘度の上昇が抑制される。一方、上記下限値以上とすることで、十分な反応速度が得られ、生産性が向上し、粒度の変動率が小さくなる傾向がある。
(アミノアルコール)
上記反応液中に、金属カルボン酸塩と錯形成可能なアミノアルコールを含有することが好ましい。金属カルボン酸塩とアミノアルコールとが錯形成することで、後述する溶剤への溶解性が向上する。
アミノアルコールは、少なくとも1つのアミノ基を有するアルコール化合物であってあればよい。アミノアルコールは、モノアミノモノアルコール化合物であることが好ましく、アミノ基が無置換のモノアミノモノアルコール化合物であることがより好ましい。またアミノアルコールは、単座配位性のモノアミノモノアルコール化合物であることもまた好ましい。
アミノアルコールの沸点は特に制限されないが、熱分解処理の反応温度よりも高いことが好ましく、具体的には沸点が、120℃以上であることが好ましく、130℃以上であることがより好ましい。沸点の上限値は特に制限されないが、例えば、400℃以下であり、300℃以下であることが好ましい。
更にアミノアルコールは、極性の観点から、SP値が11.0以上であることが好ましく、12.0以上であることがより好ましく、13.0以上であることが更に好ましい。アミノアルコールのSP値の上限値は、18.0以下であればよく、17.0以下が好ましい。
なお、本発明においてSP値は、Hildebrandの定義による溶解パラメータを用いるものとし、各化合物のSP値は適宜文献値を参照することができる。
好ましいアミノアルコール具体例としては、2−アミノエタノール(沸点:170℃、SP値:14.54)、3−アミノ−1−プロパノール(沸点:187℃、SP値:13.45)、5−アミノ−1−ペンタノール(沸点:245℃、SP値:12.78)、DL−1−アミノ−2−プロパノール(沸点:160℃、SP値:12.74)、N−メチルジエタノールアミン(沸点:247℃、SP値:13.26)等が挙げられる。
アミノアルコールの含有割合は、反応速度等の点から適宜調整すればよく、反応液中の金属イオンに対して1.5〜10倍モルであることが好ましく、1.5〜7倍モルであること画よりこのましい。アミノアルコールの含有割合が上記下限値以上であれば、金属カルボン酸塩の溶解性に優れて、反応性に優れている。一方、上記上限値以下であれば、被覆金属粒子への汚染が抑制される。
(媒体)
反応液を構成する媒体は、金属カルボン酸塩の金属の還元を阻害しないものの中から、適宜選択して用いることができる。当該媒体は、通常、有機溶剤である。媒体は、少なくともアミノアルコールと相溶性の低い主媒体を有し、必要に応じて、アミノアルコールと相溶可能な補助媒体を有していてもよい。
主媒体としては、中でも、使用するアミノアルコールのSP値と、当該主媒体のSP値の差(ΔSP値)が4.2以上であるものを選択することが好ましい。上記ΔSP値が4.2以上であると、形成される被覆金属粒子の粒度分布の幅がより狭い、粒子径の揃った被覆金属粒子が得られる。中でも、反応場の形成性と被覆金属粒子の品質の観点から、ΔSP値4.5以上が好ましく、5.0以上がより好ましい。ΔSP値の上限は特に限定されないが、11.0以下が好ましく、10.0以下がより好ましい。
主媒体のSP値は、アミノアルコールよりも小さいことがより好ましい。主媒体のSP値は11.0以下であることが好ましく、10.0以下であることがより好ましい。主媒体のSP値の下限は特に制限されないが、7.0以上であることが好ましい。
また、主媒体の沸点は、熱分解処理の温度よりも高いことが好ましい。具体的に主媒体の沸点は120℃以上が好ましく、130℃以上がより好ましい。沸点の上限値は特に制限されないが、沸点は、通常400℃以下であり、300℃以下であることが好ましい。
さらに主媒体は、水と共沸混合物を形成可能な有機溶剤であることもまた好ましい。水と共沸混合物を形成可能であると、熱分解処理によって反応液中に生成した水を容易に反応系から除去することができる。
このような好ましい主媒体としては、エチルシクロへキサン(沸点:132℃、SP値:8.18)、C9系シクロへキサン[丸善石油製、商品名:スワクリーン#150](沸点:149℃、SP値:7.99)、n−オクタン(沸点:125℃、SP値:7.54)等が挙げられる。媒体は、1種単独で、又は2種以上を組合せて用いることができる。
アミノアルコールと相溶可能な補助媒体としては、SP値が主媒体よりも大きいことが好ましく、アミノアルコールと相溶する程度に大きいことがより好ましい。また補助媒体の沸点は、前記主媒体と同様であることが好ましく、また、補助媒体は水と共沸混合物を形成可能な有機溶剤であることが好ましい。
このような好ましい補助媒体としては、EO(エチレンオキサイド)系グリコールエーテル、PO(プロピレンオキサイド)系グリコールエーテル、ジアルキルグリコールエーテルなどのグリコールエーテルを挙げることができる。より具体的には、メチルジグリコール、イソプロピルグリコール、ブチルグリコール等のEO系グリコールエーテル;メチルプロピレンジグリコール、メチルプロピレントリグリコール、プロピルプロピレングリコール、ブチルプロピレングリコール等のPO系グリコールエーテル、ジメチルジグリコール等のジアルキルグリコールエーテルなどが挙げられる。
主媒体、及び、補助媒体は、各々独立に、1種単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
2種以上を併用して用いる場合、主媒体のSP値、補助媒体のSP値は、各々独立に、モル容積の加重平均値を用いるものとする。
反応液に含まれる溶剤量は、金属カルボン酸塩の濃度が0.5〜2.5モル/リットルとなるように調整することが好ましく、1.5〜2.5モル/リットルとなるように調整することがより好ましい。反応液中の金属カルボン酸塩の濃度が1.0モル/リットル以上であると、生産性がより向上し、2.5モル/リットル以下であると、反応液の粘度の上昇が抑制され、良好な撹拌性が得られる。
<錯化合物>
反応液中に生成する錯化合物としては、金属イオンと、配位子としてカルボン酸及びアミノアルコールを含むことが好ましい。配位子としてアミノアルコールを含むことで、錯化合物の熱分解温度が低下する。例えば、ギ酸銅の熱分解温度は約220℃であるが、ギ酸銅がアミノアルコールとともに錯化合物を形成することで、その熱分解温度は110〜120℃程度となる。
反応液中に生成した錯化合物は、熱分解処理によって還元された金属を生成する。熱分解処理の温度は、上述の通りアミノアルコールが配位した錯化合物の熱分解温度を考慮して適宜調整すればよい。熱分解処理の温度を低く設定することにより、脂肪族カルボン酸とアミノアルコールとの脱水反応による酸アミドの生成が抑制され、得られる被覆金属粒子の洗浄性が向上する傾向がある。
錯化合物の熱分解処理により還元された金属が生成して成長し、得られた金属核粒子の表面に反応液中に存在する脂肪族カルボン酸等が吸着することで、脂肪族カルボン酸等で表面が被覆された被覆金属粒子が得られる。金属核粒子の表面への脂肪族カルボン酸の吸着は、物理吸着であることが好ましい。これにより被覆金属粒子の焼結性が向上する。錯化合物の熱分解処理において金属酸化物の生成を抑制することで、脂肪族カルボン酸の物理吸着が促進される。
被覆金属粒子の製造方法において、生成する被覆金属粒子の粒度分布を制御する因子としては、例えば、脂肪族カルボン酸等の種類と添加量、金属カルボン酸塩の濃度及び媒体の比率(主溶剤/補助溶剤)等で決定される。被覆銅粒子の大きさを制御する因子は、金属核発生数を支配する昇温速度、すなわち反応系への投入熱量とミクロ反応場の大きさと関係する攪拌速度を適切に保つことで揃えることができる。
[導電性組成物]
本発明に係る導電性組成物は、前記本発明の被覆金属粒子と、媒体とを含有するものであり、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて更に他の成分を含有してもよいものである。本発明の導電性組成物は、前記本発明の被覆金属粒子を含有することにより、電気伝導性に優れ、ひび割れが抑制された導電体を形成することができ、特に印刷により容易に配線バターンを形成することができる。
以下、導電性組成物に含まれる各成分について説明するが、被覆金属粒子については前述の通りであるため、ここでの説明は省略する。
<媒体>
媒体は、導電性組成物の印刷法などに応じて、公知の媒体の中から適宜選択することができる。
例えば、導電性組成物がスクリーン印刷用やインクジェット印刷用の場合、媒体として、炭化水素系溶剤、高級アルコール系溶剤、セロソルブ、セロソルブアセテート系溶剤等を好適に用いることができる。
スクリーン印刷用の導電性組成物の固形分濃度は、例えば、40〜95質量%とすることができる。また、インクジェット印刷用の導電性組成物の固形分濃度は、例えば、40〜90質量%とすることができる。ここで導電性組成物の固形分とは、媒体を除く各成分の総量を意味する。
<他の成分>
導電性組成物は、必要に応じて更に他の成分を含有してもよい。他の成分としては例えば、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等のカップリング剤、ポリエステル系分散剤、ポリアクリル酸系分散剤等の分散剤、ポリメタクリル酸系増粘剤等の増粘剤等が挙げられる。
また、本発明において導電性組成物は、更に金属粒子を含有してもよい。当該金属粒子は、前記金属核粒子よりも粒子径の大きい金属粒子を用いることが好ましい。この場合、被覆金属粒子は、金属粒子の焼結剤としての機能を有し、粒径の大きな金属粒子同士を焼結させるため、導電性が得られやすい。
金属粒子の材質は、前記金属核粒子で例示したものと同様のものとすることができる。金属粒子の材質は、前記金属核粒子と同一であってもよく、異なっていてもよい。
当該金属粒子を用いる場合、導電性組成物中の被覆金属粒子と、金属粒子との質量比(被覆金属粒子:金属粒子)は用途等に応じて適宜選択すればよい。焼結性と導電性との点から、10:90〜90:10が好ましく、30:70〜70:30がより好ましく、40:60〜60:40が更により好ましい。
[導電体、回路形成物及びこれら製造方法]
本発明の導電体は、前記本発明に係る導電性組成物の焼結体を含むことを特徴とする。また、本発明の回路形成物は、基材上に前記本発明に係る導電性組成物の焼結体を所定のパターン状に備えている。本発明の導電体は導電性組成物中の被覆金属粒子の焼結体を含むことにより、電気伝導性に優れ、ひび割れが抑制されている。そのため、例えば、薄膜であっても信頼性の高い導電体となる。
被覆金属粒子の焼結体の製造方法は特に限定されないが、薄膜とすることや、所望の回路パターンを容易に形成可能な点から、基材上に、前記本発明に係る導電性組成物を塗布し塗膜とする工程と、前記塗膜を350℃以下の温度で焼結する工程と有する、焼結体の製造方法が好ましい。また低温で配線パターン又は接合層を形成することができるため、基材の選択肢の自由度大きい。本発明の被覆金属粒子は、低温焼結性に優れているため、耐熱性の低い素子を接合する接合材料としても好適に用いることができる。
基材の材質は、用途等に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリイミド等の樹脂;ガラス;シリカ、アルミナ等のセラミックス;ステンレス、銅、チタン等の金属;シリコン等の半導体などが挙げられる。基材の形状は、特に限定されず、フィルム状や板状のものに限られるものではない。板状の基材を用いる場合はその厚みは特に限定されないが、例えば、0.01〜5mmとすることができる。また、基材として剥離性基材を用いてもよい。この場合、得られた導電体を剥離性基材から剥がして使用することができる。
導電性組成物を塗布方法は特に限定されず、公知の印刷方法の中から適宜選択して用いることができる。印刷方法としては、例えば、インクジェット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、ディスペンス法等が挙げられ、所望のパターン状に印刷してもよい。得られた塗膜は必要に応じて媒体を除去して乾燥してもよい。導電性組成物の塗膜の厚みは特に限定されず、導電体の用途等に応じて、例えば、熱処理後の厚みが1〜100μmとなるようにすることができる。
前記本発明の被覆金属粒子は低温で焼結することが可能であるため、本発明の焼結体の製造方法においては、塗膜の焼結温度を350℃以下とすることができる。塗膜の焼結温度の下限は、被覆金属粒子が焼結可能な温度であればよく、例えば200℃以上とすることができる。
焼結時間は、特に限定されず、例えば1〜120分間とすることができ、1〜60分間であることが好ましい。
また、焼結時の雰囲気は、金属粒子の材質等に応じて適宜選択することができる。例えば、金属粒子として銀や金などの比較的酸化しにくい材質を用いる場合には、低酸素雰囲気下であっても大気中であってもよい。また、金属粒子として銅などの比較的酸化しやすい材質を用いる場合は、低酸素雰囲気であることが好ましい。低酸素雰囲気は、炉内の空気を、窒素、アルゴン等の不活性ガスで置換することや、減圧することで得られる。
[接合用積層体]
また、本発明の接合用積層体は、基材上に、前記本発明に係る導電性組成物の塗膜又はその焼結体を含む接合層を備えることを特徴とする。本発明の接合用積層体によれば、例えば、接合層に素子を接合することができ、接合後、当該接合層は導電体として機能するため、素子を備えた回路形成物を容易に製造することができる。
接合用積層体において、前記接合層は、前記本発明に係る導電性組成物の塗膜であってもよく、当該塗膜を乾燥した乾燥塗膜であってもよく、また当該塗膜の焼結体であってもよい。いずれの場合であっても素子との接合強度に優れた接合体を得ることができる。
接合用積層体は、前記基材上に前述の塗布方法により導電性組成物の塗膜を形成し、必要に応じて乾燥し、また、必要に応じて焼結することで得ることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<SEM画像観察>
測定装置:日本電子製FE−EPMA JXA−8500F
測定条件:加速電圧 15〜20kV
観察倍率 ×1,500〜×30,000
<平均一次粒子径及び変動率の計算>
測定装置:日本電子製FE−EPMA JXA−8510F
平均一次粒子径:サンプル20点の平均値
変動率:サンプル20点の標準偏差/平均値で計算される値
<焼結実験>
オーブン装置:丸祥電器SPM100−16V
焼成条件:100℃ 1h保持後、任意℃(200〜350℃) 1h保持
雰囲気:不活性ガス(窒素)又は大気
<TG−DTA測定>
(銅粒子測定条件)
METTLER TOREDO社製
測定温度:室温(25℃)〜500℃
昇温条件:20℃/min
雰囲気:窒素又は大気
(銀粒子測定条件)
測定装置:リガク社製 TG8120
測定温度:25℃〜500℃
昇温速度:10℃/min
測定雰囲気:窒素又は大気
<試料厚み測定>
測定装置:Nikonリニアゲージ デジマイクロMF501
<体積固有抵抗値測定>
測定装置:株式会社共和理研K−705RS
測定条件:印加電流AUTO RANGE(628mA〜628nA)
計算:測定値を試料厚みで換算
[被覆金属粒子及び導電性組成物の製造]
(実施例1)
(1)被覆銅粒子Cu1の製造
攪拌機、温度計、還流冷却管、および窒素導入管を備えた3000mLガラス製四ツ口フラスコを150℃のオイルバス内に設置した。
上記フラスコ内に、ギ酸銅無水物484g(3.1モル)と、オクタン酸(関東化学社製)98g(0.2当量/ギ酸銅無水物)と、媒体(補助媒体)としてのトリプロピレングリコールモノメチルエーテル(東京化成社製)150g(0.2当量/ギ酸銅無水物)と、媒体(主媒体)としての石油系炭化水素(C9アルキルシクロヘキサン混合物)(ゴードー社製「スワクリーン150」)562g(1.4当量/ギ酸銅無水物)とを仕込んだ。窒素雰囲気下、上記フラスコ内の内容物をオイルバスで加温しながら、液温度が50℃になるまで、攪拌しながら、混合した。
上記混合物に対して、錯化剤として3−アミノ−1−プロパノール(東京化成社製)712g(3.0当量/ギ酸銅無水物)をゆっくり滴下した。滴下終了後、フラスコの内容物をオイルバスで加温して、液温度が120℃付近になるまで、攪拌しながら、混合した。液温度の上昇に伴って、反応液は濃青色から茶褐色に変化し、炭酸ガスの発泡が生じた。炭酸ガスの発泡が収まった時点を反応終点として、オイルバス温調を停止し、室温まで自然冷却した。
室温まで冷却した上記反応液に対して、メタノール(関東化学社製)1200gを添加し、混合した。得られた混合液を30分間以上静置した後、上澄み液をデカンテーションして、沈殿物を得た。上記沈殿物に対して、メタノール(関東化学社製)1200gと、アセトン(関東化学社製)390gとを添加し、混合した。得られた混合液を30分間以上静置した後、上澄み液をデカンテーションして、沈殿物を得た。これらの操作(メタノールおよびアセトンの添加とデカンテーション)をさらにもう一回繰り返した。
得られた沈殿物を、メタノール(関東化学社製)400gを用いて500mLナスフラスコに移した。これを30分間以上静置した後、上澄み液をデカンテーションした。
得られた沈殿物に対して、イソ酪酸3−ヒドロキシー2,2,4―トリメチルペンチル18gを添加し、混合した。その後、ナスフラスコを回転式エバポレータに設置し、内容物を減圧乾燥(真空乾燥)した。減圧乾燥(真空乾燥)後、室温まで自然冷却した後、ナスフラスコ内を窒素置換しながら減圧解除した。以上のようにして、200gの茶褐色粘稠体の被覆銅粒子Cu1を得た。
(2)銅ナノペーストP1の製造
被覆銅粒子Cu1を5.0g、銅粉を5.0g(三井金属社製、1200N)、イソ酪酸3−ヒドロキシー2,2,4―トリメチルペンチルを0.5g添加し、混練して、茶褐色粘稠体の銅ナノペーストP1(導電性組成物)を得た。
(実施例2)
(1)被覆銅粒子Cu2の製造
実施例1の(1)において、オクタン酸をオレイン酸(関東化学社製)96g(0.1当量/ギ酸銅無水物)に変更した以外は実施例1の(1)と同様にして、200gの被覆銅粒子Cu2得た。
(2)銅ナノペーストP2の製造
被覆銅粒子Cu2を5.0g、銅粉を5.0g(三井金属社製、1200N)、イソ酪酸3−ヒドロキシー2,2,4―トリメチルペンチルを0.5g添加し、混練して、茶褐色粘稠体の銅ナノペーストP2(導電性組成物)を得た。
(実施例3)
(1)被覆銅粒子Cu3の製造
実施例1の(1)において、オクタン酸をラウリン酸(関東化学社製)68g(0.1当量/ギ酸銅無水物)に変更した以外は、実施例1の(1)と同様にして200gの被覆銅粒子Cu3得た。
(2)銅ナノペーストP3の製造
被覆銅粒子Cu3を5.0g、銅粉を5.0g(三井金属社製、1200N)、イソ酪酸3−ヒドロキシー2,2,4―トリメチルペンチルを0.5g添加し、混練して、茶褐色粘稠体の銅ナノペーストP3 (導電性組成物)を得た。
(実施例4)
(1)被覆銅粒子Cu4の製造
実施例1の(1)において、オクタン酸をステアリン酸(関東化学社製)98g(0.1当量/ギ酸銅無水物)に変更した以外は、実施例1−1と同様にして200gの被覆銅粒子Cu4を得た。
(2)銅ナノペーストP4の製造
被覆銅粒子Cu4を5.0g、銅粉を5.0g(三井金属社製、1200N)、イソ酪酸3−ヒドロキシー2,2,4―トリメチルペンチルを0.5g添加し混練して、茶褐色粘稠体の銅ナノペーストP4(導電性組成物)を得た。
(実施例5)
(1)被覆銀粒子Ag1の製造
スターラーバー、温度計、および還流冷却管を備えた300mLガラス製ナスフラスコを100℃のオイルバス内に設置した。
上記フラスコ内に、シュウ酸銀無水物30g(0.1モル)と、ウンデカン酸(関東化学社製)6g(0.3当量/シュウ酸銀無水物)と、媒体(補助媒体)としてのトリプロピレングリコールモノメチルエーテル(東京化成社製)10g(0.5当量/シュウ酸銀無水物)と、媒体(主媒体)としての石油系炭化水素(C9アルキルシクロヘキサン混合物)(ゴードー社製「スワクリーン150」)54g(4.3当量/シュウ酸銀無水物)とを仕込んだ。窒素雰囲気下、上記フラスコ内の内容物をオイルバスで加温しながら、液温度が50℃になるまで、攪拌しながら混合した。
上記混合物に対して、錯化剤として3−アミノ−1−プロパノール(東京化成社製)52g(7.0当量/シュウ酸銀無水物)をゆっくり滴下した。滴下終了後、フラスコの内容物をオイルバスで加温して、液温度が85℃付近になるまで、攪拌しながら混合し、さらにこの温度での加熱攪拌を続けた。滴下終了後から3時間後にオイルバスの加熱を停止して反応を終了し、反応液を室温まで自然冷却した。
室温まで冷却した上記反応液に対して、メタノール(関東化学社製)160gを添加し、混合した。得られた混合液を30分間以上静置した後、上澄み液をデカンテーションして、沈殿物を得た。上記沈殿物に対して、メタノール(関東化学社製)80gと、アセトン(関東化学社製)80gとを添加し、混合した。得られた混合液を30分間以上静置した後、上澄み液をデカンテーションして、沈殿物を得た。これらの操作(メタノールおよびアセトンの添加とデカンテーション)をさらにもう一回繰り返した。
得られた沈殿物に対して、メタノール(関東化学社製)80gとイソ酪酸3−ヒドロキシー2,2,4―トリメチルペンチル1.7gとを添加し、混合した。これをナスフラスコに入れ、回転式エバポレータに設置し、内容物を減圧乾燥(真空乾燥)した。減圧乾燥(真空乾燥)後、室温まで自然冷却した後、ナスフラスコ内を窒素置換しながら減圧解除した。以上のようにして、18gの銀色の被覆銀粒子(Ag1)を得た。
(2)銀ナノペーストP5の作成
被覆銀粒子Ag1を5.0g、粒子径が約1μmの銀粉を5.0g(三井金属社製、SL01)、イソ酪酸3−ヒドロキシー2,2,4―トリメチルペンチルを0.5g添加し混練して、銀色粘稠体の銀ナノペーストP5(導電性組成物)を得た。
(比較例1)
(1)被覆銅粒子CuX1の製造
実施例1の(1)において、3−アミノプロパノールからDL−1−アミノー2−プロパノール(東京化成社製)(ギ酸銅無水物に対して3.0当量)に変更した以外は、実施例1の(1)と同様にして、70gの被覆銅粒子CuX1を得た。被覆銅粒子CuX1は、実施例1の被覆銅粒子と比較して、銅粒子の粒径が小さくなっている。
(2)銅ナノペーストPX1の製造
被覆銅粒子CuX1を5.0g、粒径が約2μmの銅粉を5.0g(三井金属社製、1200N)、イソ酪酸3−ヒドロキシー2,2,4―トリメチルペンチルを0.5g添加し、混練して、茶褐色粘稠体の銅ナノペーストPX1を得た。
(比較例2)
(1)被覆銀粒子Ag2の製造
実施例5の(1)において、3−アミノプロパノールをDL−1−アミノー2−プロパノール(東京化成社製)(シュウ酸銀無水物に対して3.5当量)に変更し、ウンデカン酸をオクタン酸(東京化成社製)(シュウ酸銀無水物に対して0.4当量)に変更した以外は、実施例5の(1)と同様にして、18gの被覆銀粒子Ag2を得た。被覆銀粒子Ag2は、実施例5の被覆銀粒子と比較して、銀粒子の粒径が小さくなっている。
(2)銀ナノペーストPX2の作成
被覆銀粒子Ag2を5.0g、粒子径が約1μmの銀粉を5.0g(三井金属社製、SL01)、イソ酪酸3−ヒドロキシー2,2,4―トリメチルペンチルを0.5g添加し混練して、銀色粘稠体の銀ナノペーストPX2(導電性組成物)を得た。
上記実施例及び比較例で得られた被覆金属粒子について、それぞれ前述の脂肪族カルボン等の被覆密度の算出方法に従って、金属核粒子の平均一次粒子径及び被覆密度を算出した。結果を表1に示す。なお、比較例2の被覆銀粒子は、図7のSEM像に示されるように、粒子径が小さいものが多く平均一次粒子径を確定できなかったが、被覆密度は5.2分子/nmを超過していた。
Figure 0006892120
<DTA測定>
上記実施例1〜4及び比較例1で得られた被覆銅粒子について、それぞれ前述の測定条件で示差熱(DTA)測定を行った。結果を表2に示す。
Figure 0006892120
表2に示されるように、平均一次粒子径がほぼ同等な実施例1〜4の比較では、概ね被覆化合物の炭素原子数が多くなるにつれて発熱ピーク温度は高くなる傾向にある。ラウリン酸とステアリン酸との比較では、ステアリン酸の焼結温度が低いようにみえるが、発熱ピーク温度付近において、ステアリン酸の残留が多く認められた。このことは、後述する実施例4の体積固有抵抗値が高いことからも推察された。脂肪族基の炭素原子数が同一のステアリン酸とオレイン酸との比較では、脂肪族基に不飽和結合を有するオレイン酸の焼結温度が低くなることが明らかとなった。焼結過程において、酸化還元反応等により不飽和結合部分が分解して、炭素鎖が短くなるものと推察された。被覆化合物がオレイン酸の実施例2では、体積固有抵抗値が低く、オレイン酸の残留が少ないものと推察された。
<焼結実験>
上記実施例及び比較例で得られた金属ナノペーストをそれぞれ、開口部が9mm四方で厚みが0.05mmのメタルマスクを用いてガラスプレートに塗工した。その塗工した試料は電気炉を用いて、実施例1〜4及び比較例1の銅ナノペーストについては、200℃、250℃及び350℃の3つの温度条件下でそれぞれ焼結させた。また、実施例5及び比較例1の銀ナノペーストについては、250℃の温度条件下で焼結させた。いずれもフィルム状の焼結膜が得られた。
得られた焼結膜の表面を上記SEM画像観察の条件で観察した。また、得られた焼結膜の体積固有抵抗値を上記体積固有抵抗値測定によりそれぞれ測定した。結果を表3に示す。
(ひび割れ評価基準)
A :長さが10μm未満のひび割れのみが観察された。
:長さが10μm以上100μm以下のひび割れが観察されたが、浅いものであった。
B :長さが10μm以上100μm以下のひび割れが観察された。
C :大きなひび割れが観察された。
上記ひび割れ評価がA、B又はBであれば、実用上問題なく使用できる。
Figure 0006892120
[結果のまとめ]
表3の結果に示されるように、粒子サイズが50nm以下の被覆金属粒子を用いた比較例1と2の焼結膜は、当該被覆金属粒子の体積収縮性が激しいため、焼結膜にひび割れが目立つものとなった。一方、平均一次粒径が50nm以上の金属核粒子を有する実施例1〜5の被覆金属粒子を用いた実施例1〜5の焼結膜は、ひび割れが抑制されることが明らかとなった。
また、実施例1、3及び4の比較から、同程度の粒子サイズであっても、被覆化合物の脂肪族炭素数が短くなると低温焼結条件においても20μΩ・cm以下の高電気伝導性を示すことが分かった。
また、実施例2の結果から、被覆化合物の脂肪族炭素数が長くても、分子内に不飽和結合を有することで焼結性が向上し、高電気伝導性を示すことが分かった。
一般的に量子サイズ効果による低融点降下型の金属ナノ粒子は、50nm未満の粒子サイズのもの、もしくは、焼結過程でそのようなナノ粒子を生成させるものが検討されてきた。そのような金属ナノ粒子は焼結時の体積収縮性が高く、得られる焼結膜にクラックが生じ、電気特性を悪化させる要因となりうる。本発明は、量子サイズ効果が発現できない粒子サイズの領域であっても、良好な焼結性を担保し、高い電気伝導性を発現できる技術である。

Claims (10)

  1. 平均一次粒径が50nm以上の金属核粒子と、
    前記金属核粒子の表面に1nm当り、2.5〜5.2分子の密度で配置された脂肪族カルボン酸とを含み、
    前記脂肪族カルボン酸が、オクタン酸又はウンデカン酸である、被覆金属粒子。
  2. 前記金属核粒子における金属酸化物及び金属水酸化物の総含有率が5質量%以下である、請求項1に記載の被覆金属粒子。
  3. 前記金属核粒子が、銅、銀、金、及びニッケルより選択される1種以上の金属を含む粒子である、請求項1又は2に記載の被覆金属粒子。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の被覆金属粒子と、媒体とを含有する、導電性組成物。
  5. 更に金属粒子を含有する、請求項4に記載の導電性組成物。
  6. 基材上に、請求項4又は5に記載の導電性組成物を塗布し塗膜とする工程と、
    前記塗膜を350℃以下の温度で焼結する工程と有する、焼結体の製造方法。
  7. 請求項4又は5に記載の導電性組成物の焼結体を含む、導電体の製造方法であって、
    基材上に、請求項4又は5に記載の導電性組成物を塗布し塗膜とする工程と、
    前記塗膜を350℃以下の温度で焼結する工程と有する、導電体の製造方法。
  8. 基材上に、請求項4又は5に記載の導電性組成物の塗膜を含む接合層を備える、接合用積層体。
  9. 基材上に、請求項4又は5に記載の導電性組成物の焼結体を含む接合層を備える、接合用積層体の製造方法であって、
    基材上に、請求項4又は5に記載の導電性組成物を塗布し塗膜とする工程と、
    前記塗膜を350℃以下の温度で焼結する工程と有する、接合用積層体の製造方法。
  10. 基材上に、請求項4又は5に記載の導電性組成物の焼結体をパターン状に備える、回路形成物の製造方法であって、
    基材上に、請求項4又は5に記載の導電性組成物をパターン状に印刷する工程と、
    前記導電性組成物を350℃以下の温度で焼結する工程と有する、回路形成物の製造方法。
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