JP2016068554A - 積層シート及び容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】幅広いシール温度条件でシールされても、安定してイージーピール性を発揮し得る積層シート等を提供する。
【解決手段】基材層と、該基材層の片面または両面に積層されたシール層を備え、
前記シール層は、ポリプロピレン系樹脂(A)と、スチレン系熱可塑性エラストマー(B)と、ポリエチレン系樹脂(C)及びポリスチレン系樹脂(D)から選択される少なくとも1つとを含有する樹脂組成物から形成され、前記シール層中の前記ポリプロピレン系樹脂(A)の含有割合が10質量%〜70質量%、前記スチレン系熱可塑性エラストマー(B)の含有割合が1質量%〜55質量%、前記ポリエチレン系樹脂(C)と前記ポリスチレン系樹脂(D)との合計の含有割合が29質量%〜89質量%である積層シート。
【選択図】 図2

Description

本発明は積層シート及び容器に関する。
近年、道具を使用せず簡易的に容器から食品を取り出したいという要望から、ゼリー、プリン、ヨーグルトなどのデザート容器や、惣菜や豆腐などの食品容器において手の力で蓋材を容易に開封することができるイージーピール(易開封性)容器の需要が高まってきている。
イージーピール容器は、容器の蓋材接着側に蓋材の主成分である樹脂と非相溶性の樹脂を添加することで、ヒートシール時に容器と蓋材とを完全に熱融着させず、手の力で容易に開封することができる程度のシール強度に設計されている。
この種の容器として、具体的には、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂製の蓋材に対してイージーピール性を発揮する容器が提案されている。
例えば、ポリプロピレン、プロピレンエチレンブテン1ターポリマー、ポリエチレン系樹脂、およびスチレン系ポリマーを特定の割合含んだ樹脂組成物から形成されたシール層を有した積層シートを熱成形してなる容器が提案されている(特許文献1参照)。
また、例えば、メタロセン触媒によって重合された直鎖状低密度ポリエチレンをベースとした表層を有した積層シートを熱成形してなる容器が提案されている(特許文献2参照)。
ところで、イージーピール容器に求められる性能として、蓋材が破断することなく手の力で容易に容器を開封できる(イージーピール性を発揮する)程度のシール強度が挙げられ、このシール強度に調整する必要がある。また、食品加工時や容器搬送時などに加わる衝撃で内容物が容器外に流出しないある程度のシール強度が挙げられ、これを確保する必要もある。また、使用する食品やユーザーによってヒートシールする温度が異なるため、幅広いシール温度条件で安定してイージーピール性を発揮させる必要もある。さらに、蓋材を剥離する際に樹脂の切れ端(毛羽立ち)が発生すると、これが内容物に混入したり、外観が損なわれたりするため、かかる毛羽立ちを抑制する必要もある。
特開2010−111087号公報 特開2011−079307号公報
しかし、上記特許文献1及び特許文献2に示すような積層シートでは、シール温度が高くなると、蓋材に対してシール強度が強くなり過ぎて、イージーピール性を発揮し得ない場合がある。また、蓋材を剥離する際に毛羽立ちが発生する場合もある。
上記事情に鑑み、本発明は、幅広いシール温度条件でシールされても、安定してイージーピール性を発揮し得、しかも、蓋材が剥離される際に毛羽立ちを抑制し得る積層シート及び容器を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく本発明者が鋭意検討を行った結果、積層シートおよびそれを熱成形してなる容器において、シール層を形成する樹脂組成物に、ポリプロピレン系樹脂(A)と、スチレン系熱可塑性エラストマー(B)と、ポリエチレン系樹脂(C)及びポリスチレン系樹脂(D)から選択される少なくとも1つとを含有させ、これらの含有割合を特定の範囲内とすることで、蓋材に対してイージーピール性を発揮させ得るシール強度と、シール強度の温度依存性の低減との双方を両立し得、さらには、蓋材が剥離される際に毛羽立ちも抑制され得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る積層シートは、
基材層と、該基材層の片面または両面に積層されたシール層とを備え、
前記シール層は、ポリプロピレン系樹脂(A)と、スチレン系熱可塑性エラストマー(B)と、ポリエチレン系樹脂(C)及びポリスチレン系樹脂(D)から選択される少なくとも1つとを含有する樹脂組成物から形成され、
前記シール層中の前記ポリプロピレン系樹脂(A)の含有割合が10質量%〜70質量%、
前記スチレン系熱可塑性エラストマー(B)の含有割合が1質量%〜55質量%、
前記ポリエチレン系樹脂(C)と前記ポリスチレン系樹脂(D)との合計の含有割合が29質量%〜89質量%である。
かかる構成によれば、シール層を形成する樹脂組成物が、ポリプロピレン系樹脂(A)と、スチレン系熱可塑性エラストマー(B)と、ポリエチレン系樹脂(C)及びポリスチレン系樹脂(D)から選択される少なくとも1つとを含有し、ポリプロピレン系樹脂(A)の含有割合、スチレン系熱可塑性エラストマー(B)の含有割合、及び、ポリエチレン系樹脂(C)と前記ポリスチレン系樹脂(D)との合計の含有割合がそれぞれ上記範囲内であることによって、幅広いシール温度条件でシールされても、安定してイージーピール性を発揮し得る。しかも、蓋材が剥離される際に毛羽立ちを抑制し得る。
また、上記構成の積層シートにおいては、
前記基材層が、ポリオレフィン系樹脂によって形成されていることが好ましい。
かかる構成によれば、基材層がポリオレフィン系樹脂によって形成されていることによって、基材層とシール層とを例えば共押出によって積層することが可能となる。これにより、基材層とシール層とを積層するための接着剤が不要となるため、積層シートが製造性に優れたものとなる。
また、上記構成の積層シートにおいては、
前記スチレン系熱可塑性エラストマー(B)がスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)であることが好ましい。
かかる構成によれば、ポリプロピレン系樹脂(A)との親和性が高く、シール強度のシール温度依存性をより低減し得る。
前記シール層が、離型剤をさらに含有することが好ましい。
かかる構成によれば、シール層が、離型剤を含有することによって、離型性を向上させ得る。
本発明に係る容器は、前記積層シートを熱成形してなり、且つ、
蓋材と熱融着される用途に使用される。
かかる構成によれば、上記積層シートを熱成形してなることによって、幅広いシール温度条件でシールされても、安定してイージーピール性を発揮し得る。また、蓋材が剥離される際の毛羽立ちが抑制されたイージーピール性を発揮し得る。
上記構成の容器においては、
前記蓋材の表面が、ポリプロピレン系樹脂によって形成されていることが好ましい。
かかる構成によれば、表面がポリプロピレン系樹脂によって形成されている蓋材と熱融着される用途に使用されることによって、より効果的にイージーピール性を発揮させ得る。
本発明によれば、幅広いシール温度条件でシールされても、安定してイージーピール性を発揮し得、しかも、蓋材が剥離される際に毛羽立ちを抑制し得る積層シート及び容器が提供される。
本発明の一実施形態の充填豆腐を示す斜視図。 本実施形態の豆腐容器を示す図であって、図2(a)は図1のA-A’線矢視断面図、図2(b)は破線X部拡大図。 実施例の積層シートについて、シール温度とシール強度との関係を示すグラフ 比較例の積層シートについて、シール温度とシール強度との関係を示すグラフ
本発明の積層シート及び容器の一実施形態を、豆腐が容器としての樹脂製容器に充填されてなる充填豆腐を例に挙げて、図面を参照しつつ説明する。
図1は、充填豆腐を示す斜視図であり、図2(a)はこの図1におけるA−A’線矢視断面図である。
また、図2(b)は、図2(a)において破線Xにて囲まれた領域を拡大して示すものである。
これらの図に示すように、この充填豆腐1は、豆腐TFと、該豆腐TFを収容する樹脂製容器(容器)10と、前記豆腐TFを密封すべく前記樹脂製容器10に被覆されている蓋材20とによって構成されている。
前記樹脂製容器10は、真空成形や圧空成型などといったシート成形法によって本実施形態の積層シートが成形加工されて形成されたものであり、該樹脂製容器10には、略正方形の底面部10bと、該底面部10bの外周に沿って立設された周側壁10wとによって豆腐TFを収容する略直方体形状の収容凹部が形成されている。
また、前記樹脂製容器10は、前記周側壁の10wの上端から外側に延びる鍔部10fを有している。
すなわち、前記樹脂製容器10には、収容凹部の略正方形の開口を取り巻くように前記鍔部10fが形成されている。
前記樹脂製容器10の形成に用いられた積層シート10aは、本実施形態においては、図2(b)に示されているようにシール面を構成するシール層10Lと、基材層10Lと、裏面層10Lとがこの順に積層されて形成されており、このように3層構造を有している。本実施形態の積層シート10aについては、後述する。
そして、前記樹脂製容器10は、この積層シート10aのシール層10Lの側を前記蓋材20に熱融着させるべくこのシール層10Lの側が内側となるように成形加工されたものである。
前記蓋材20としては、一般に充填豆腐の製造に利用されているものが例示でき、このような蓋材20としては、例えば、ヒートシール層20Lとガスバリア層20Lとの2層構造を有する積層シートによって形成されたものが挙げられる。
例えば、前記ヒートシール層20Lの形成に、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂といったポリオレフィン系樹脂が用いられ、前記ガスバリア層20Lの形成にポリエチレンテレフタレート樹脂といったポリエステル系樹脂や、ナイロン樹脂といったポリアミド系樹脂が用いられたものなどが従来広く用いられている。
なお、本明細書中において、“表面がポリエチレン系樹脂によって形成されている”との表現や“表面がポリプロピレン系樹脂によって形成されている”との表現については、表面がポリエチレン系樹脂のみによって形成されている場合や表面がポリプロピレン系樹脂のみによって形成されている場合のみを意図するものではなく、これらの樹脂が表面を構成する材料の一部として含まれている場合をも含む意図で用いているものである。
前記蓋材20は、通常、このポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂によって形成された表面側(ヒートシール層側)を樹脂製容器10の鍔部に熱融着させて豆腐の密封に用いられている。
本実施形態の充填豆腐1も、前記蓋材20のヒートシール層20Lと、前記鍔部10fを構成している積層シート10aのシール層10Lとが熱融着されることによって豆腐TFの密封がなされている。
この充填豆腐1において内部に密封されている豆腐TFは、豆乳と凝固剤とを含む液が前記樹脂製容器10の収容凹部に注入された後に、前記蓋材20が前記鍔部10fに熱融着されて密封状態とされ、該密封状態で加熱されて凝固されたものである。
なお、この凝固剤としては、塩化マグネシウムや硫酸カルシウムが一般に用いられており、求める豆腐の硬さや風味によってその使用量が調整されるものである。
また、この液には、豆腐に気泡が形成されることを防止すべく消泡剤なども含有される場合がある。
そして、形成された豆腐TFと蓋材20との間に空気を介在させると、豆腐の風味を長期間維持させることが困難になるおそれがあることから、通常、空気を追い出した状態で前記蓋材20による密封を実施し得るように、前記液が収容凹部から鍔部10fの上にまで溢れる状態でヒートシール層20Lとシール層10Lとの熱融着が実施される。
本実施形態の積層シート10aは、基材層10Lと、該基材層10Lの片面または両面に積層されたシール層10Lを備え、前記シール層10Lは、ポリプロピレン系樹脂(A)と、スチレン系熱可塑性エラストマー(B)と、ポリエチレン系樹脂(C)及びポリスチレン系樹脂(D)から選択される少なくとも1つとを含有し、前記シール層中の前記ポリプロピレン系樹脂(A)の含有割合が10質量%〜70質量%、前記スチレン系熱可塑性エラストマー(B)の含有割合が1質量%〜55質量%、前記ポリエチレン系樹脂(C)と前記ポリスチレン系樹脂(D)との合計の含有割合が29質量%〜89質量%である。
具体的には、本実施形態の積層シート10aは、基材層10Lの片面にシール層10Lを備え、基材層10Lにおけるシール層10Lと反対側の面に裏面層10Lをさらに備えている。
前記シール層10Lは、ポリプロピレン系樹脂(A)と、スチレン系熱可塑性エラストマー(B)と、ポリエチレン系樹脂(C)及びポリスチレン系樹脂(D)から選択される少なくとも1つとを含有する樹脂組成物によって形成されている。また、本実施形態では、前記樹脂組成物は、離型剤をさらに含有する。具体的には、前記シール層10Lは、ポリプロピレン系樹脂(A)と、スチレン系熱可塑性エラストマー(B)と、ポリエチレン系樹脂(C)及びポリスチレン系樹脂(D)から選択される少なくとも1つと、離型剤とを含有する樹脂組成物によって形成されている。
前記ポリプロピレン系樹脂(A)は、プロピレンモノマーのみが重合されたホモポリプロピレン樹脂であっても、プロピレンモノマーと例えばエチレンモノマー等の他の種類のモノマーとが重合されたランダムポリプロピレン樹脂であっても良い。ランダムポリプロピレン樹脂としては、例えば、エチレン成分を10質量%以下含有するランダムポリプロピレン樹脂が挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂(A)は、蓋材20と接着する接着成分として機能する。
シール強度を適切な強度に調整し得るという観点から、シール層全体(100質量%)に対するポリプロピレン系樹脂(A)の含有割合は、10質量%〜70質量%である。
ポリプロピレン系樹脂(A)の含有割合が10質量%未満であると、所望のシール強度に比べて弱くなる場合がある。ポリプロピレン系樹脂(A)の含有割合が70質量%よりも多くなると、シール強度がシール温度の上昇に伴い大きくなるため、所望のシール強度に比べて強くなる場合がある。
これに対し、ポリプロピレン系樹脂(A)の含有割合が10質量%〜70質量%であることによって、所望のシール強度に比べてシール強度が大き過ぎたり小さ過ぎたりすることを抑制し得る。
また、シール強度をより適切な強度に調整し得るという観点から、ポリプロピレン樹脂(A)の含有割合は、10質量%〜40質量%であることが好ましく、10質量%〜35質量%であることがより好ましく、15質量%〜35質量%であることがさらに好ましい。
また、具体的には、例えば、前記ポリプロピレン系樹脂(A)としては、チーグラー・ナッタ系触媒によって重合されたポリプロピレン樹脂や、メタロセン系触媒によって重合されたポリプロピレン樹脂等が挙げられる。
ここで、前記ポリプロピレン系樹脂(A)は、その融点が低いものほど、シール温度が低くても所望のシール強度を発揮することができ、これにより、幅広いシール温度条件でシールすることが可能となる傾向にある。
かかる観点を考慮すれば、前記ポリプロピレン系樹脂(A)は、チーグラー・ナッタ系触媒によって重合されたポリプロピレン樹脂よりも、メタロセン系触媒によって重合されたポリプロピレン樹脂の方が、低い融点を有する傾向にあるため、好ましい。
一般的に、チーグラー・ナッタ系触媒によって重合されたポリプロピレン樹脂は分散度(Mw/Mn)が4以上8以下程度、融点が130〜170℃程度であるのに対し、メタロセン系触媒によって重合されたポリプロピレン樹脂は分散度(Mw/Mn)が2以上4未満程度、融点が120〜160℃程度である。
前記ポリプロピレン系樹脂(A)がチーグラー・ナッタ系触媒によって重合されたポリプロピレン樹脂である場合には、前記ポリプロピレン系樹脂(A)の割合は10質量%〜66質量%が好ましい。
一方、前記ポリプロピレン系樹脂(A)がメタロセン系触媒によって重合されたポリプロピレン樹脂である場合には、前記ポリプロピレン系樹脂(A)の割合は19質量%〜70質量%が好ましい。
前記ポリプロピレン系樹脂(A)は、スチレン系熱可塑性エラストマー(B)に比べてシール強度の温度依存性が大きい。そこで、シール層10Lの温度依存性の低減が可能となるよう、シール層10Lは、スチレン系可塑性エラストマー(B)を含有する。
前記スチレン系熱可塑性エラストマー(B)は、ポリプロピレン系樹脂(A)同様、ポリプロピレン系樹脂製蓋材に接着する接着成分として働く。一方、スチレン系熱可塑性エラストマー(B)は、ポリプロピレン系樹脂(A)に比べてシール強度の温度依存性が小さい。よって、シール層10Lが前記ポリプロピレン樹脂(A)と共に前記スチレン系熱可塑性エラストマー(B)を含有していることによって、シール層10Lのシール強度のシール温度依存性を低減させ得る。
前記スチレン系熱可塑性エラストマー(B)は、スチレンや、o−メチルスチレンなどの芳香族ビニル炭化水素とブタジエン、イソプレンなどのジエン化合物とのブロックコポリマーである。その構造としては、ポリスチレン−ポリブタジエン(SB)およびポリスチレン−ポリイソプレン(SI)などの2元系ブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン(SBS)およびポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン(SIS)などの3元系ブロックコポリマーである。また、これらのブロックコポリマーを水素添加したスチレン−エチレンブテン−スチレン(SEBS)、スチレン−エチレンプロピレン−スチレン(SEPS)などの飽和型PS系BPが挙げられる。
上記の中でも、ポリプロピレン系樹脂(A)との親和性が高く、シール強度のシール温度依存性をより低減できるという観点から、スチレン系熱可塑性エラストマー(B)は、SEBSであることが特に好ましい。
スチレン系熱可塑性エラストマー(B)の含有割合は、シール層全体(100質量%)に対して1質量%〜55質量%である。
スチレン系熱可塑性エラストマー(B)の含有割合が1質量%未満であると、毛羽立ちの発生する頻度が高くなるほか、シール温度の上昇に伴いシール強度が大きくなり易く、さらに所望のシール強度に比べて弱くなる場合がある。スチレン系熱可塑性エラストマー(B)の含有割合が55質量%より多くなると所望のシール強度に比べてシール強度が強くなる場合があるほか、コストも高くなる。
これに対し、スチレン系熱可塑性エラストマー(B)の含有割合が1質量%〜55質量%であることによって、毛羽立ちの発生ならびに、シール強度が大きくなり過ぎたり小さくなり過ぎたりすることを抑制し得る。
かかるシール強度をより適切な強度とし得る点で、スチレン系熱可塑性エラストマー(B)の含有割合は、5質量%〜35質量%であることが好ましく、5質量%〜25質量%であることがより好ましく、10質量%〜25質量%であることがさらに好ましい。
また、前記ポリプロピレン系樹脂(A)がチーグラー・ナッタ系触媒によって重合されたポリプロピレン樹脂である場合には、前記スチレン系熱可塑性エラストマー(B)の割合は5質量%〜55質量%が好ましい。
一方、前記ポリプロピレン系樹脂(A)がメタロセン系触媒によって重合されたポリプロピレン樹脂である場合には、前記スチレン系熱可塑性エラストマー(B)の割合は1質量%〜52質量%が好ましい。
ポリエチレン系樹脂(C)及びポリスチレン系樹脂(D)は、蓋材20に対して接着を阻害する成分として働く。かかるポリエチレン系樹脂(C)及びポリスチレン系樹脂(D)の少なくとも1つを含有することによって、ポリプロピレン樹脂(A)及びスチレン系熱可塑性エラストマー(B)によって温度依存性が低減されたシール強度を、適切な強度に調整することができる。
シール層10Lは、ポリエチレン系樹脂(C)またはポリスチレン系樹脂(D)をそれぞれ単独で含有しても、双方含有してもよい。
ポリエチレン系樹脂(C)としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、アイオノマー樹脂、エチレン−αオレフィン共重合体の他、エチレンと共重合可能なビニル系モノマーとエチレンとの共重合体等が挙げられる。これらのうち、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)は、シール温度が高くなるとシール強度が強くなり過ぎる傾向があり、一方、高密度ポリエチレン(HDPE)及び低密度ポリエチレン(LDPE)は、シール温度が高くなってもシール強度が強くなり過ぎない傾向にある。かかる観点を考慮すれば、ポリエチレン系樹脂(C)は、高密度ポリエチレン(HDPE)または低密度ポリエチレン(LDPE)であることが好ましい。
ポリスチレン系樹脂(D)としては、例えば、芳香族ビニル単量体を主構成単位として形成される単独又は共重合体が挙げられる。ポリスチレン系樹脂(D)を形成するための芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、アルキル置換スチレン、α位にアルキル基が置換したα−アルキル置換スチレンなどが例示できる。これらの芳香族ビニル単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの単量体のうち、通常、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなど、特にスチレンが使用される。
前記芳香族ビニル単量体は、共重合可能な単量体と組み合わせて使用してもよい。共重合可能な単量体としては、例えば、不飽和多価カルボン酸又はその酸無水物、イミド系単量体、アクリル系単量体が例示できる。
ポリエチレン系樹脂(C)またはポリスチレン系樹脂(D)のうち少なくとも1種の含有割合は、シール強度を適切な強度に調整し得るという観点から、好ましくは29質量%〜89質量%であり、特に好ましくは50質量%〜75質量%である。
また、シール強度を適切な強度に調整し得るという観点から、シール層10Lがポリエチレン系樹脂(C)とポリスチレン系樹脂(D)との双方を含有する場合、シール層全体(100質量%)に対するポリエチレン系樹脂(C)の含有割合が15質量%〜65質量%、ポリスチレン系樹脂(D)の含有割合が5質量%〜20質量%であることが好ましく、ポリエチレン系樹脂(C)の含有割合が40質量%〜60質量%、ポリスチレン系樹脂(D)の含有割合が10質量%〜15質量%であることがより好ましい。
また、前記ポリプロピレン系樹脂(A)がチーグラー・ナッタ系触媒によって重合されたポリプロピレン樹脂である場合には、前記ポリプロピレン系樹脂(A)と前記スチレン系熱可塑性エラストマー(B)の合計割合(A+B)は、15質量%〜71質量%が好ましい。この場合、ポリエチレン系樹脂(C)とポリスチレン系樹脂(D)の合計割合(C+D)は29質量%〜85質量%が好ましい。
一方、前記ポリプロピレン系樹脂(A)がメタロセン系触媒によって重合されたポリプロピレン樹脂である場合には、ポリプロピレン系樹脂(A)とスチレン系熱可塑性エラストマーの合計割合(A+B)は20質量%〜71質量%が好ましい。この場合、ポリエチレン系樹脂(C)とポリスチレン系樹脂(D)の合計割合(C+D)は29質量%〜80質量%が好ましい。
本実施形態では、前記シール層10Lを形成する樹脂組成物は、離型剤をさらに含有する。
シール層10Lを形成する樹脂組成物が離型剤を含有することによって、シール層10Lの離型性を向上させ得る。豆腐TFを樹脂製容器10に充填する場合、樹脂製容器10と豆腐TFとの密着性が高いが、離型剤を含有することによって豆腐TFの取り出し易さを向上させることができる。なお、豆腐の他、ゼリー等の水分が多く柔らかいゲル状食品などの内容物を樹脂製容器10に充填する場合にも、豆腐TFを充填する場合と同様、該内容物の取り出し易さを向上させることができる。
離型剤としては、ステアリン酸モノグリセライドのようなモノグリセリン脂肪酸エステル類を挙げることができる。
このモノグリセリン脂肪酸エステル類は、豆腐の消泡剤などにも利用される成分であることから衛生面を考慮しても前記樹脂組成物に含有させる離型剤成分として特に好ましい物質であるといえる。
なお、このモノグリセリン脂肪酸エステル類をシール層10Lの形成に用いる樹脂組成物に含有させても、過度に含有させない限りにおいては、ヒートシール層20Lとの熱融着を阻害するおそれは低い。
離型剤の含有割合は、特に限定されるものではなく、適宜設定され得る。例えば、発揮される離型性の程度及びシール強度に及ぼす悪影響等を考慮すれば、シール層10Lの全体(100質量%)に対する離型剤の含有割合は、5質量%以下であることが好ましく、1質量%以上5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上3質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態のシール層10Lを形成する樹脂組成物においては、前記ポリプロピレン樹脂(A)、スチレン熱可塑性エラストマー(B)、ポリエチレン樹脂(C)及びポリスチレン(C)の合計の、シール層10L全体に対する含有割合が、90質量%〜100質量%であることが好ましい。
シール層10Lの厚みは、優れたシール強度をより確実に発揮させ得る点で、10μm以上であることが好ましい。一方、過度に厚くしても積層シート10aの厚みが増すばかりでそれ以上に厚みを増やす分に応じたシール強度を向上させることが難しくなる他、コストも高くなる。このような点を考慮すれば、シール層10Lの厚みは、100μm以下であることが好ましい。
前記基材層10Lは、積層シート10aの主体をなす層である。
かかる基材層10Lは、特に限定されるものではなく、樹脂シートの製造効率、コスト、樹脂製容器に求められる強度などから適宜選択され得る。
例えば、基材層10Lは、ポリオレフィン系樹脂によって形成されていることが好ましい。具体的には、ポリオレフィン系樹脂をベースポリマーとして含有する樹脂組成物によって形成されていることが好ましい。
また、ポリオレフィン系樹脂の中でも、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。
基材層10Lがポリプロピレン系樹脂をベースポリマーとして含有する樹脂組成物によって形成されていることによって、基材層10Lとシール層10Lとを例えば共押出によって積層することが可能となる。これにより、基材層10Lとシール層10Lとを積層するための接着剤が不要となるため、積層シートが製造性に優れたものとなる。
また、積層シート10aの脆性改善及び容器の成形性改善の観点から、基材層10Lは、ポリプロピレン系樹脂単独によって形成されているよりも、ポリプロピレン系樹脂に加えてポリエチレン系樹脂を含有する樹脂組成物によって形成されていることが好ましい。
基材層10Lの厚みは、積層シートのコシや成形時の加工性などの観点から、100μm以上1mm以下であることが好ましい。
また、基材層10Lは、容器の美観の向上を図る観点から、着色剤などを含有していてもよい。
前記裏面層10Lは、樹脂製容器10の外表面を構成する層であって、容器強度を向上させたり、耐傷つき性を改善したりするための層である。
裏面層10Lは、特に限定されるものではなく、積層シート10aの製造効率、コスト、樹脂製容器10に求められる強度などから適宜選択され得る。
例えば、シール層10Lと基材層10Lとの間の接着性の観点と同様の観点から、裏面層10Lは、ポリプロピレン系樹脂をベースポリマーとして含有する樹脂組成物によって形成されていることが好ましく、樹脂製容器10に優れた表面硬度を付与し得る点においてホモポリプロピレン樹脂をベースポリマーとして含有する樹脂組成物によって形成されていることが好ましい。
裏面層10Lの厚みは、積層シート10a(樹脂製容器10)に対する表面硬度の付与の観点から10μm以上100μm以下であることが好ましい。
本実施形態の積層シート10aの製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、押出し法によって連続的に製造することができる。かかる押出し法によって製造することは、製造コストの観点から好ましい。また、共押出し(3層同時押出し)して積層一体化させることが、工程の簡略化、層間の密着性向上などの観点からより好ましい製造方法である。
本実施形態の樹脂製容器10は、上記積層シート10aを熱成形してなり、蓋材20と熱融着される用途に使用される。これにより、上記積層シート10aを熱成形してなることによって、幅広いシール温度条件でシールされても、安定してイージーピール性を発揮し得る。
なお、本実施形態では、積層シート10aが、シール層10L、基材層10L及び裏面層10Lの3層から構成される態様を示すが、本発明においては、シール層10Lと基材層10Lとの2層から構成されても、シール層10Lと基材層10Lとを含む4層以上の層から構成されていても良い。
また、本実施形態においては、蓋材20との間に安定したシール強度を確保することが難しく、本発明の効果をより顕著に発揮させ得る点において樹脂製容器10として充填豆腐用容器を例示するが、本発明においては、樹脂製容器10を充填豆腐用容器に限定するものではない。
すなわち、本発明の積層シートを熱成形してなる容器は、従来品に比べて幅広いシール温度条件でイージーピール性を発揮するため、例えばプリン、ゼリーなどのデザート用容器、惣菜、豆腐など食品用容器、ジュースなどの飲料用容器、さらには薬品・化粧品などの包装容器として広く利用することができるイージーピール容器として好適である。
さらに、ここでは詳述しないが、積層シートや樹脂製容器に関する従来公知の技術事項を、本発明の効果が著しく損なわれない限りにおいて本発明の積層シートや樹脂製容器にも採用することが可能なものである。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<使用樹脂原料>
積層シートの製造に用いるべく下記表1の樹脂原料を使用した。
なお、MFR、密度、融点、分散度は、下記の方法によって測定した。
<MFRの測定>
本発明においては、MFRとは、JIS K7210に準拠して測定された値である。すなわち、該MFRは、JIS K7210に準拠して測定する。
(測定条件)
ポリプロピレン系樹脂(A):コードM(230℃、2.16kg荷重)
スチレン系熱可塑性エラストマー(B):コードM(230℃、2.16kg荷重)
ポリエチレン系樹脂(C):コードD(190℃、2.16kg荷重)
ポリスチレン系樹脂(D):コードH(200℃、5.00kg荷重)
<密度の測定>
本発明においては、密度とは、JIS K7112に準拠して測定された値を意味する。すなわち、該密度は、JIS K7112に準拠して測定する。
<融点の測定>
本発明においては、融点は、JIS K7121に準拠して測定された値である。すなわち、該融点は、JIS K7121に準拠して測定する。
<重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分散度(Mw/Mn)の測定>
本発明においては、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分散度(Mw/Mn)とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定したポリスチレン(PS)換算値及びそれから算出した値を意味する。すなわち、これらは、下記のように測定及び算出する。
具体的には、試料10mgを東ソー社製DF−8200付属の濾過容器(100μmポアサイズ)に封入する。試験管に濾過容器と0.05重量%BHT(ブチルヒドロキシトルエン)入りO−ジクロロベンゼン6mLを加え密栓し、東ソー社製DF−8200を用いて、160℃で5時間溶解させたものを測定試料とした。次の測定条件でクロマトグラフを用いて測定し、予め作成しておいた標準ポリスチレンの検量線から、各試料のMw及びMnを求め、得られた各平均分子量からMw/Mnを算出した。
使用装置:東ソー社製 HLC−8121GPC/HT
ガードカラム:東ソー社製 TSKguardcolumn HHR(S)HT 1本(7.5mmI.D.×7.5cm)×1本
カラム:東ソー社製 TSKgel GMHHR−H(S)HT(7.8mmI.D.×30cm)×2本
移動相:O−ジクロロベンゼン
サンプル流量:1.0mL/min
リファレンス流量:0.5mL/min
検出器:RI検出器
試料濃度:0.17wt%
注入量:300μL
測定時間:40min
サンプリングピッチ:300msec
・使用装置の各部の設定温度
溶媒ストッカ:50℃
システムオーブン:40℃
プレオーブン:145℃
カラムオーブン(カラム温度):145℃
サンプルテーブル:145℃
注入バルブ:145℃
トランスライン:145℃
廃液ライン:145℃
検出器:145℃
検量線用標準ポリスチレン試料は、昭和電工社製、商品名「shodex」重量平均分子量が5,620,000、3,120,000、1,250,000、442,000、131,000、54,000、17,000、7,660、2,900、1,320のものを用いた。
上記検量線用標準ポリスチレンをA(5,620,000、1,250,000、131,000、17,000、2,900)およびB(3,120,000、442,000、54,000、7,660、1,320)にグループ分けした後、Aを各々10mg秤量した後、O−ジクロロベンゼン50mLに溶解し、Bも各々10mg秤量した後、O−ジクロロベンゼン50mLに溶解した。作製したAおよびB溶解液を上記装置に300μL注入して測定し、得られた保持時間から較正曲線(三次式)を作成することによって、標準ポリスチレン検量線を得た。得られた検量線を用いて各試料のMw及びMnを求め、得られた各平均分子量からMw/Mnを算出した。
<積層シートの製造>
表2及び表3の配合に基づいて、基材層とシール層とを備えた積層シートを作製した。表2及び表3に記載した基材層の原料をメインの二軸押出機(口径:Φ=90mm)に供給し、表2及び表3に記載したシール層の原料をサブの単軸押出機(口径:Φ=50mm)に供給した。各押出機内において、押出温度230℃にて溶融混練し、積層ブロックにて積層し、ダイス巾1006mmのTダイよりシート状に押出した。押出した溶融物は冷却タッチロール(ロール温度50℃)にて冷却し、引取速度を調節して、厚み640μm(基材層厚み:615μm、シール層厚み:25μm)の二層の積層シートを製造した。
<蓋材>
下記シートシール層とガスバリア層とを有する蓋材(東洋紡株式会社製)を用いた。
ヒートシール層:無延伸ポリプロピレン(CPP) 厚み:40μm
ガスバリア層:ナイロン(Ny) 厚み:15μm
<ヒートシール>
前記製造方法にて作製した積層シートと前記蓋材とを、シリコンゴム製均熱ニップロールを備え持つ検査用ラミネート機にて、蓋材のヒートシール層と積層シートのシール層側とを合わせ、均熱ニップロール温度を180℃、200℃、220℃と変えながら、均熱ニップロールにて圧接させてヒートシールを実施した。そのときの引取速度は2.5m/min、均熱ニップロールのエアシリンダー圧は0.45MPaであった。
<シール強度測定>
前記ヒートシール方法にて蓋材と積層シートとを接着させたサンプルを幅15mm×長さ100mm(内ヒートシール部長さ30mm)の試験片に切断し、オリエンテック社製テンシロン万能材料試験機(型名:RTC−1310A)にて蓋材と積層シートの180°剥離試験を実施した。引張り速度は300mm/minとし、変位に対する荷重を測定した。試験数はn=5で、積分平均荷重の算術平均値をシール強度とした。
実施例1〜16のシール強度測定結果を図3に、比較例1〜7のシール強度測定結果を図4に示す。
<シール強度判定方法>
前記シール強度測定方法にて測定したシール強度において、シール強度が8.0N/15mm以上12.0N/15mm未満の場合を◎、6.0N/15mm以上8.0未満または12.0N/15mm以上14.0N/15mm未満の場合を○、4.0N/15mm以上6.0N/15mm未満または14.0N/15mm以上16.0N/15mm未満の場合を△、シール強度が4.0N/15mm未満または18.0N/15mm以上の場合を×と四段階で判定した。
シール強度が8.0N/15mm以上12.0N/15mm未満の場合、容器の密閉性が良く、開封感が特に優れている。シール強度4.0N/15mm未満の場合、蓋材と容器との接着が弱く、容器に衝撃が加わった際、容器から内容物が流出する恐れがある。シール強度が18.0N/15mmより大きい場合、適度な力で開封することが困難となり(イージーピール性を発揮せず)、又、剥離時に蓋材自体が破断する場合がある。
<離型性判定方法>
前記製造方法にて成形した積層シートを熱成形にて図1に示すような豆腐容器を作製した。豆腐メーカーにてこの豆腐容器に豆乳を充填した後、前記蓋材にてヒートシールして密封し、充填豆腐を製造した。製造した充填豆腐を、容器開口部を真下にして容器を振りながら取り出した。その際、容器内に充填豆腐が残っていない場合を◎、容器内に充填豆腐が一部残存している場合を○、容器を振っても容器から充填豆腐が出ない場合を△と三段階で判定した。
<毛羽立ち判定方法>
剥離試験後の剥離痕を目視にて観察し、毛羽立ちが発生していない場合を○、毛羽立ちが発生している場合を×と二段階で判定した。
<総合評価>
前記シール強度判定方法及び毛羽立ち判定方法うち、◎または○のみの場合を「非常に好適」、1つでも△の判定がある場合を「好適」、1つでも×の判定がある場合を「不適」と評価した。
実施例、比較例の各判定、及び、総合評価をまとめた結果を表4、5に示す。
図3に示すように、実施例1〜16では180〜220℃までのシール強度がイージーピールを発揮し得る4.0N/15mm以上18.0N/15mm未満であり、さらに、表4に示すように、毛羽立ちも発生していないことから、総合的に評価してイージーピール容器として「非常に好適」または「好適」と判断できる。また、離型剤を含有している積層シートの方が、離型剤を含有していない積層シートよりも離型性に優れることがわかった。
一方、図4に示すように、比較例1〜6では180〜220℃までのシール強度のいずれかが4.0N/15mm未満または18.0N/15mm以上であり、また、表5に示すように、比較例7では毛羽立ちが発生していることから、イージーピール容器として「不適」と判断された。
従って、シール層にポリプロピレン系樹脂(A)と、スチレン系熱可塑性エラストマー(B)と、ポリエチレン樹脂(C)及びポリスチレン樹脂(D)の少なくとも1つとを含有し、各含有割合を特定の範囲内とすることで、ポリプロピレン系樹脂製蓋材に対するシール強度とシール強度の温度依存性を制御することができ、幅が広いシール温度条件で安定してイージーピール性を発揮し、しかも、毛羽立ちを抑制することが分かった。
1 充填豆腐
10 樹脂製容器
10a 積層シート
10L シール層
10L 基材層
10L 裏面層
10b 底面部
10f 鍔部
10w 周側壁
20 蓋材
20L ヒートシール層
20L ガスバリア層
TF 豆腐

Claims (6)

  1. 基材層と、該基材層の片面または両面に積層されたシール層とを備え、
    前記シール層は、ポリプロピレン系樹脂(A)と、スチレン系熱可塑性エラストマー(B)と、ポリエチレン系樹脂(C)及びポリスチレン系樹脂(D)から選択される少なくとも1つとを含有する樹脂組成物によって形成され、
    前記樹脂組成物中の前記ポリプロピレン系樹脂(A)の含有割合が10質量%〜70質量%、
    前記スチレン系熱可塑性エラストマー(B)の含有割合が1質量%〜55質量%、
    前記ポリエチレン系樹脂(C)と前記ポリスチレン系樹脂(D)との合計の含有割合が29質量%〜89質量%である積層シート。
  2. 前記基材層が、ポリオレフィン系樹脂によって形成されている、請求項1に記載の積層シート。
  3. 前記スチレン系熱可塑性エラストマー(B)がスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)である、請求項1または2に記載の積層シート。
  4. 前記シール層が、離型剤をさらに含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の積層シート。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の積層シートを熱成形してなり、且つ、
    蓋材と熱融着される用途に使用される容器。
  6. 前記蓋材の表面が、ポリプロピレン系樹脂によって形成されている、請求項5に記載の容器。
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