JP6750400B2 - 積層体及びそれよりなる蓋材 - Google Patents
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Description
そして、その容器の開口部をシールする蓋材には、内容物の品質を確実に保護する密封性、及び、消費時に容易に開封することができる易開封性すなわちイージーピール性の両方が要求される。
この要求を満たす蓋材は、剥離機構の違いによって界面剥離タイプ、層間剥離タイプ、凝集破壊タイプに大別される。これらの中でも凝集破壊タイプの材料は、ヒートシール性樹脂からなるシーラント層(最内層)が、開封時に内部凝集破壊を生ずることによりイージーピール性を発現するものである。
しかし、これらの従来のヒートシール性樹脂は、開封時のシール剥離面に樹脂が繊維状に残存する、いわゆる「糸引き現象」を生じ易いという問題がある。また、シール強度のコントロールが難しく、シール強度が強すぎるために剥離しようとすると被着体の紙が破壊したり、あるいは、蓋材の層間剥離が生じて紙基材のみが剥がれてしまうという、いわゆる「紙剥け現象」を生じやすいという問題もある。
また、イージーピール性を確保するためにシール強度を小さくすると、密封性が損なわれるという問題もある。
さらには、ドメインを均質に分散させることが困難であり、シール強度や密封性が部分毎に異なり、剥離感にばらつきが生じるという問題がある。
とからなるヒートシール性共押出樹脂層であり、該ポリマーアロイ含有層が、内容物と接する最内層である、上記積層体、及びそれよりなる蓋材が、上記の課題を解決することを見出した。
(1)紙基材層、アルミニウム箔層及び2層共押出ヒートシール性樹脂層をこの順に有する積層体であって、該2層共押出ヒートシール性樹脂層は、ポリエチレン系樹脂に重合性芳香族ビニルモノマーを含浸重合した改質ポリエチレン系ポリマーアロイからなるか、 または、該ポリマーアロイと、未改質のポリエチレン系樹脂、未改質のポリスチレン系樹脂、未改質のポリプロピレン系樹脂から選択される1以上の樹脂を含む樹脂組成物からなるポリマーアロイ含有層と、
エチレン−メタクリル酸共重合体層とからなるヒートシール性共押出樹脂層であり、 該ポリマーアロイ含有層が、内容物と接する最内層である、上記積層体。
(2)上記積層体において、紙基材層側の面上、紙基材層とアルミニウム箔層との間、又は、アルミニウム箔層と2層共押出ヒートシール性樹脂層との間に、更に他の基材フィルム層を有する、上記(1)に記載の積層体。
(3)上記ポリマーアロイ含有層を、低密度ポリエチレンを表面にコートした基材と対向させてヒートシールした場合のシール強度が、5〜25N/15mm幅である、上記(1)又は(2)に記載の積層体。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の積層体からなる蓋材。
このような海島構造をとるシーラントを有する本発明の積層体は、優れた易開封性を発揮し、滑らかなピール感が得られ、糸引きや紙剥けが生じにくい。また、シール強度の制御が容易であり、種々の加工条件下で品質にばらつきが生じにくく、易開封性を損なわずに、良好な密封性を達成できる。
さらに、本発明の積層体は、経時劣化が生じにくく、長期にわたって良好なヒートシール性や滑り性を維持することができる。また、包装適性に優れ、夾雑シール性、ホットタック性、低温シール性に優れ、幅広い温度範囲でヒートシールを行うことができる。
すなわち本発明は、粒径1〜7mm程度のポリエチレン系樹脂の粒子中に重合性芳香族ビニルモノマーを含浸重合させることによって得られた特定の微分散粒子を主要な成分として用いることにより、開封時のシール剥離面に樹脂が繊維状に残存する「糸引き現象」を生じにくくすると共に、シール強度のコントロールや蓋材の層間剥離を防止して「紙剥け現象」を生じにくくする発明である。
また、イージーピール性を確保するためにシール強度を小さくしても密封性が損なわれることのない積層体や蓋材を得ることができる。
したがって、本発明の積層体は、カップラーメンのような、包装容器をそのまま食器と
して使用するため、裂けた蓋材が開封面に付着して残ることが問題となる内容物を包装するための包装材料として、特に、カップラーメン用容器の蓋材として、好適に使用することができる。
以下、本発明において使用される樹脂名は、業界において慣用されるものが用いられる。なお、本発明において、密度は「JIS K7112」に準拠した手法から測定したものである。
図1は、本発明の積層体の層構成についてその一例を示す概略的断面図である。
図1に示されるように、本発明の積層体は、紙基材1、アルミニウム箔2及びヒートシール性樹脂層6からなり、ヒートシール性樹脂層6は、EMAA層4と、ポリマーアロイ含有層5とを2層共押出してなる層である。必要に応じて、アルミニウム箔2とヒートシール性樹脂層6との間に、アンカーコート剤層3を設けてもよい。
本発明の積層体からなる蓋材を用いて容器を密封するには、ポリマーアロイ含有層5の側の接着面を、容器の被着面と対向するように重ね合せ、ヒートシールする。
別の態様において、図2に示されるように、本発明の蓋材を構成する積層体は、アルミニウム箔2とEMAA層4との間に、更に他の基材、例えば樹脂フィルム7等を積層してもよい。また、図示しないが、紙基材1とアルミニウム箔2との間に、更に他の基材を積層してもよい。
次に、本発明の積層体を構成する材料、その製造法等について説明する。
本発明において、紙基材としては、種々の賦型性、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を有する任意の紙を使用することができ、例えば、主強度材であり、強サイズ性の晒又は未晒の紙、あるいは、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙、ミルク原紙等の各種の紙を使用することができる。紙基材層は、これらの紙を複数層重ねてラミネートしたものであってもよい。任意の厚さのものを使用することができるが、例えば、坪量50〜100g/m2、好ましくは坪量70〜90g/m2である。なお、紙基材のアルミニウム箔を積層する側と反対側の表面に、例えば、文字、図形、記号等の所望の絵柄印刷層を任意に形成することができる。また、硝化綿等からなる表面保護層を設けてもよい。
紙基材の一方の面に、アルミニウム箔をラミネートする。これにより、外部への内容物の臭い漏れや、外部からの酸素及び水蒸気の浸入を抑え、また、遮光性を付与し、内容物の変質を防ぐことができる。
好適に使用されるアルミニウム箔の厚さは、6〜30μm程度、好ましくは6〜15μm程度である。
紙基材上にアルミニウム箔を積層するには、押出樹脂層を介してサンドイッチラミネート法により積層することができる。あるいは、接着剤層を介して、ドライラミネート法やウェットラミネート法により積層してもよい。サンドイッチラミネート法によれば、後述のヒートシール性樹脂層の積層及び巻取りまでを通して、すべて一工程で製造することが
できる。
上記アルミニウム箔の紙基材等を積層する側と反対側の表面に、ヒートシール性樹脂層を積層することにより、本発明の積層体を製造することができる。必要に応じて、例えば、容器とのシール強度が大きい場合に開封時の層間剥離を防ぐために、アルミニウム箔とヒートシール性樹脂層との間に、イソシアネート系、ポリエチレンイミン系等のアンカーコート剤からなる層を設けてもよい。
本発明において、ヒートシール性樹脂層は、EMAA層とポリマーアロイ含有層との2層を、上記アルミニウム箔の積層面上に共押出してなる層である。ここで、EMAA層は、アルミニウム箔と対向する側に位置し、ポリマーアロイ含有層は、積層体の最表面に位置して、内容物と接する最内層となる。
この順番で2層を共押出することにより、高い層間密着強度が得られ、ポリマーアロイ含有層の内部凝集破壊がスムーズに進むため、優れた易開封性が得られ、蓋材の開封時の紙剥けを防ぐことができる。
EMAA層は、アルミニウム箔とポリマーアロイ含有層との間に位置して層間の密着性を高め、さらに、積層フィルムにクッション性を付与する。したがって、本発明の積層体からなる蓋材は、容器の被着面に凹凸がある場合も、その凹凸を埋めて、良好な密封性が得られる。特に、被着材が紙容器である場合、紙容器のつなぎ目の段差を埋め、シール抜けを防ぐことができる。
好適に用いられるEMAAにおいて、エチレン由来の構造単位及びメタクリル酸由来の構造単位の割合は、ポリマーアロイ含有層の組成や蓋材の用途に応じて、当業者が任意に決定することができる。メタクリル酸由来の構造単位の割合が多く、この構造単位中に含まれるカルボキシル基の数が多いほど、極性が高まるため、アルミニウム箔との接着強度が高まる。また、エチレン由来の構造単位の割合が多いほど、アルミニウム箔との接着強度が低くなる。これに、必要ならば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、難燃化剤、着色剤等の慣用の添加剤を添加してもよい。
本発明において、EMAAとしては、例えば、三井・デュポンポリケミカル(株)製ニ
ュクレル(R)が好適に使用される。
ポリマーアロイ含有層は、積層体の最表面に位置して、容器の被着面と接着し、蓋材の開封時には、内部凝集破壊によるイージーピール性を発揮する層である。
本発明において、ポリマーアロイ含有層は、ポリエチレン系樹脂に、重合性芳香族ビニルモノマーを含浸重合することによって改質したポリエチレン系ポリマーアロイからなる。
また、このポリエチレン系ポリマーアロイには、微分散性をさらに向上させて糸引き現象を高度に防止するために、ポリスチレン系樹脂やポリエチレン系樹脂を添加してもよい。
そして特に、ポリエチレン系樹脂の粒子に重合性スチレン系モノマーを含浸重合させた改質ポリエチレン系ポリマーアロイに、該重合性スチレン系モノマーと同一系統のポリスチレン系樹脂を、微分散性を向上するために添加した樹脂組成物は好ましいものである。
上記のポリエチレン系樹脂としては、エチレン単独重合体、及び、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等が挙げられる。エチレン単独重合体及びエチレン−αオレフィン共重合体を特に好適に使用することができる。
また、重合性芳香族ビニルモノマーとしては、スチレン系モノマー、例えば、スチレン及びその誘導体、例えばメチルスチレン、イソプロピルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ドデシルスチレン、クロルスチレン等、及びこれらの混合物が挙げられる。
この含浸重合による改質オレフィン重合体は、重合性芳香族ビニルモノマーが鎖状のポリエチレン系樹脂に内蔵されて重合されたタイプのもの、重合性芳香族ビニルモノマーがグラフト重合したタイプのもの、スチレン重合型タイプのものの3タイプのもの同時並行的に合成される。
すなわち、均一に分散されたビニル単量体からの重合体を内蔵するオレフィン重合体、あるいはビニル単量体がオレフィン重合体にグラフトしたもの、あるいは、これらの混合物と考えられ、ビニル単量体独自の重合体粒子がオレフィン重合体と別個に存在するものではない。
したがって、これらのものはエチレンとスチレンの比率が異なった樹脂が同時に多数存在する重合率の異なる1種の樹脂と考えられることから、ポリエチレン系樹脂やポリエチレン系樹脂と良好な相溶性を有するものである。
ここで用いられるポリエチレン系樹脂としては、エチレン単独重合体、及び、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等が挙げられる。エチレン単独重合体及びエチレン−αオレフィン共重合体を特に好適に使用することができる。
ポリスチレン、あるいはこれらの2種以上のブレンド物である。又、混合して用いる他の成分としての前記ポリオレフィン系樹脂としては、前記ポリスチレン系樹脂との相溶性から線状低密度ポリエチレンを用いるが、他に、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等を用いることもできる。
そして、プロピレンと共重合されるオレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィンなどが挙げられる。
具体的には、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、メタロセン触媒系ポリプロピレン等が挙げられる。
ポリエチレン系樹脂と重合性芳香族ビニルモノマーとの割合は、所望のシール強度に応じて適宜に設定することができるが、例えば、ポリマーアロイ中、ポリエチレン系樹脂が30〜95質量%であり、重合性芳香族ビニルモノマー由来単位が5〜70質量%である。より好ましくは、ポリエチレン系樹脂が30〜70質量%であり、重合性芳香族ビニルモノマー由来単位が30〜70質量%である。
改質に際しては、水性溶媒中で、ポリエチレン系樹脂粒子、芳香族ビニルモノマー及び重合開始剤を混合撹拌し、粒子中に芳香族ビニルモノマー及び重合開始剤を含浸させる。必要に応じて、懸濁助剤を加えてもよい。
所望の含浸量となった後で、例えば、芳香族ビニルモノマーの70質量%以上、より好ましくは80質量%以上が含浸した後で、分散液を重合温度まで加熱する。これにより、ビニルモノマーが重合して、本発明のポリエチレン系ポリマーアロイが得られる。重合温度は、使用する重合開始剤の種類に応じて適宜に設定される。
このようにして得られるポリエチレン系ポリマーアロイは、芳香族ビニルモノマー由来単位が、ポリエチレン系樹脂にグラフト重合した状態で、且つ、均質にミクロ分散された状態で存在する。そのため、このポリマーアロイからなる層は、幅広い温度範囲でヒートシールが可能であり、安定して好適なシール強度が得られる。また、蓋材の剥離時にかかる応力が均一に分散されるため、優れた易開封性を発揮し、滑らかなピール感が得られる。
ポリエチレン系ポリマーアロイは、シール強度や押出加工性等の調節のために、未改質のポリプロピレン系樹脂を適宜にブレンドした樹脂組成物として使用してもよい。
ポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレン樹脂以外にも、モノマー単位としてプロピレンを主成分とし、エチレンと、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等のα−オ
レフィンと共重合した樹脂を好適に使用することができる。共重合体は、2元系、3元系、または4元系であってもよく、また、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
ポリマーアロイ含有層の層厚は、適宜に設定することができるが、安定した易開封性及び密封性を得るために、好ましくは5〜30μm、さらに好ましくは10〜20μmであることが好ましい。ポリマーアロイ含有層が薄過ぎると、シール強度が不安定になる。逆に厚過ぎると、剥離時に糸引きが発生し得るため好ましくない。
本発明の積層体は、蓋材として好適な密封性及び易開封性を示す。特に、ポリエチレン系樹脂を最内面にコートした容器に、ポリマーアロイ含有層側の面が対向するように重ね合せ、ヒートシールすることにより、優れた易開封性を保持したまま、十分な密封性を発揮することができる。そのため、本発明の積層体からなる蓋材は、各種包装用途に適用することができる。
例えば、カップラーメンやカップ焼きそば等のインスタント食品を密封包装するカップ状紙容器は、5N/15mm幅以上のシール強度が要求される。シール強度が5N/15mm幅より小さいと、カップ状紙容器の蓋材としては、気密性に劣り、内容物の保存性に欠ける。
なお、本発明において、シール強度は、後述の方法により測定される値である。
本発明の積層体は、包装容器の蓋材として好適に使用することができる。
被着材となる包装容器としては、被着面となる開口部に、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、エチレン・メタクリル酸共重合樹脂等からなる表層を有する種々の容器を使用することができる。例えば、紙基材上に前記樹脂を積層した積層紙からなるカップやトレー、前記樹脂を単独で使用し、射出成形又はシート成形した容器、前記樹脂を最内層又は最外層に有する多層射出成形容器もしくは多層シート成形容器、ブランク板を射出成形金型内に挿入して、フランジ部等の開口部に上記樹脂を射出成型して作製されるカップ型複合容器等を使用することができる。
本発明の積層体を蓋材として使用する包装容器を製造するには、樹脂層を最表層に有する容器開口部に、ポリマーアロイ含有層の面が接するように本発明の積層体を重ね合せ、ヒートシールすることによって行うことができる。
本発明の蓋材は、例えば、カップラーメンやカップ焼きそば等のインスタント食品、菓子等の内容物を密封するための包装容器の蓋材として、特に、カップラーメン等のインスタント食品を密封するカップ状紙容器の蓋材として、好適に使用することができる。
次に本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。
紙基材(坪量80g/m2)とアルミニウム箔(厚さ6μm)とを、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE、MFR3.4g/10分、厚さ15μm)を介するサンドイッチラミネート法によりラミネートした。
一方、ポリエチレン系樹脂にスチレンモノマーを含浸重合することによって改質したポリエチレン系ポリマーアロイ(三菱化学(株)製VMX(R)Y151F、MFR5.5g/10分、融点104℃、スチレンモノマー由来単位約30質量%)73質量部と、エチレン−プロピレンのランダム共重合体((株)プライムポリマー製F232W:MFR2.3g/10分、融点135℃)27質量部とを混合し、ポリマーアロイ含有層を構成する樹脂組成物を調製した。
紙基材/LDPE/アルミニウム箔/EMAA層/ポリマーアロイ含有層(シール面)
本願明細書において、「/」は層間の境界面を意味する。
ポリマーアロイ含有層として、ポリエチレン系樹脂にスチレンモノマーを含浸重合することによって改質したポリエチレン系ポリマーアロイ(三菱化学(株)製VMX(R)Y151F、MFR5.5g/10分、融点104℃)85質量部と、エチレン−プロピレンのランダム共重合体((株)プライムポリマー製F232W:MFR2.3g/10分、融点135℃)15質量部混合した樹脂組成物を使用し、それ以外は実施例1と同様にして下記の層構成の積層体を製造した。
紙基材/LDPE/アルミニウム箔/EMAA層/ポリマーアロイ含有層(シール面)
ポリマーアロイ含有層として、ポリエチレン系樹脂にスチレンモノマーを含浸重合することによって改質したポリエチレン系ポリマーアロイ(三菱化学(株)製VMX(R)Y60F、MFR2.8g/10分、融点112℃、スチレンモノマー由来単位約60質量%)を使用し、それ以外は実施例1と同様にして下記の層構成の積層体を製造した。
紙基材/LDPE/アルミニウム箔/EMAA層/ポリマーアロイ含有層(シール面)
紙基材(坪量80g/m2)とアルミニウム箔(厚さ6μm)とを、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE、MFR3.4g/10分、厚さ15μm)を介するサンドイッチラミネート法によりラミネートした。
一方、ポリエチレン系樹脂にスチレンモノマーを含浸重合することによって改質したポリエチレン系ポリマーアロイ(三菱化学(株)製VMX(R)Y151F、MFR5.5g/10分、融点104℃、スチレンモノマー由来単位約30質量%)85質量部と、
ポリスチレン系樹脂共重合体((株)旭化成ケミカルズ製アサフレックス815:MFR6.0g/10分、軟化点温度82℃)15質量部とを混合し、ポリマーアロイ含有層を構成する樹脂組成物を調製した。
実施例1と同様にして積層体及び包装体サンプルを製造した。ただし、ポリマーアロイ含有層の代わりに、LDPE(旭化成ケミカルズ(株)製サンテック(TM)LD M6545:MFR45.0g/10分、融点105℃)68質量部と、ポリブテン−1(三井化
学(株)製タフマー(R)BL4000:MFR1.8g/10分、融点125℃)32質量部とを混合してなる樹脂組成物を、EMAAとの共押出コーティングにより積層した。層構成は以下のとおりであった。
紙基材/LDPE/アルミニウム箔/EMAA層/LDPE・ポリブテン−1ブレンド層(シール面)
(1)シール強度の測定
上記実施例1〜4及び比較例1で製造した積層体のシール面と、LDPEを厚み40μmで表面にコートした紙基材とを対向させて、シール温度160℃、シール圧98kPa、シール時間1.0秒のシール条件でヒートシールし、サンプルを作製した。
このサンプルから15mm幅の短冊状試験片を切出し、引張試験機を用いて、剥離角度180°、引張速度300mm/分にて、各積層体についてそれぞれ5回ずつシール強度(N/15mm幅)を測定し、平均値を求めた。
上記実施例1〜4及び比較例1で製造した積層体を、直径110mmの円形であって、外周の一部につまみ片を設けた形状に打ち抜き、蓋材を製造した。得られた蓋材と、LDPEを厚み40μmで最内面にコートした紙カップ(容量500cc、直径100mm)とを用意し、蓋材のシール面が、紙カップの開口部周縁のフランジ部と対向するように重ね合せ、カップシーラーを用いて、シール温度160℃、シール圧300kPa、シール時間1.0秒のシール条件でヒートシールし、包装体サンプルを製造した。
JIS Z0238に定められる容器の破裂強さ試験に従って、各積層体についてそれぞれ15回ずつ、破裂時(ヒートシール部が開封し、空気漏れが起きた時点)の圧力(kPa)を測定し、平均値を求めた。
以下の表1に結果を示す。
これに対し、比較例1の積層体を用いた包装体サンプルは、破裂強さのばらつきが大きかった。
2.アルミニウム箔
3.アンカーコート剤層
4.EMAA層
5.ポリマーアロイ含有層
6.ヒートシール性樹脂層
7.樹脂フィルム
Claims (4)
- 紙基材層、アルミニウム箔層及び2層共押出ヒートシール性樹脂層をこの順に有する積層体であって、
該2層共押出ヒートシール性樹脂層は、ポリエチレン系樹脂に重合性芳香族ビニルモノマーを含浸重合した改質ポリエチレン系ポリマーアロイからなるか、又は
該ポリマーアロイと、未改質のポリエチレン系樹脂、未改質のポリスチレン系樹脂、未改質のポリプロピレン系樹脂から選択される1以上の樹脂を含む樹脂組成物からなるポリマーアロイ含有層と、
エチレン−メタクリル酸共重合体層とからなるヒートシール性共押出樹脂層であり、
上記の改質ポリエチレン系ポリマーアロイからなるか、又は上記のポリマーアロイ含有層の層厚は、5〜30μmであり、
上記のエチレン−メタクリル酸共重合体層の層厚は、20〜60μmであり、
該ポリマーアロイ含有層が、内容物と接する最内層である、上記積層体。 - 上記積層体において、紙基材層側の面上、紙基材層とアルミニウム箔層との間、又は、アルミニウム箔層と2層共押出ヒートシール性樹脂層との間に、更に他の基材フィルム層を有する、請求項1に記載の積層体。
- 上記ポリマーアロイ含有層を、低密度ポリエチレンを表面にコートした基材と対向させてヒートシールした場合のシール強度が、5〜20N/15mm幅である、請求項1又は2に記載の積層体。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体からなる蓋材。
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