JP2016064656A - 記録媒体 - Google Patents

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亮 田栗
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喬 杉浦
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友和 小竹
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Abstract

【課題】 マット感を有し、得られる画像の発色性が高い記録媒体を提供する。
【解決手段】 基材と、第1のインク受容層と、前記第1のインク受容層と隣接する第2のインク受容層とをこの順に有する記録媒体であって、前記第1のインク受容層は、平均粒子径50nm以下の無機粒子を含有し、かつ、第1のインク受容層における、前記平均粒子径が50nm以下の無機粒子の含有量が全無機粒子の総含有量に占める割合が、90質量%以上であり、前記第2のインク受容層は、平均粒子径3.2μm以上の非晶質シリカを含有することを特徴とする記録媒体。
【選択図】 なし

Description

本発明は記録媒体に関する。
インクジェット画像記録方法に用いられる記録媒体において、表面の光沢性が抑えられた、所謂「マット感」の高い面質の記録媒体(マット紙)に対する要望がある。一方で、このマット紙は、得られる画像の発色性が十分でないという技術課題があり、マット紙の画像発色性を向上する方法が検討されている。特許文献1には、500nm以下の平均二次粒子径の無機粒子を主体とする層の上に、平均二次粒子径1.5〜2.5μmの湿式シリカを主体とする層を設けることで、マット感を有しつつも、得られる画像の発色性が改善することが記載されている。
また、特許文献2には、樹脂被覆基材の上に、平均一次粒径が7nmである気相法シリカを含有するインク受容層(下層)と、平均一次粒径が3μmである湿式シリカを含有するインク受容層(上層)とを設けた記録媒体が例示されている。更に、特許文献3には、平均粒子径7.5μmのシリカを含有するインク受容層を有する記録媒体が例示されている。
特開2007−223306号公報 特開2003−291483号公報 特開2006−062228号公報
しかしながら、本発明者らの検討によると、特許文献1〜3に記載の記録媒体においては、色材として顔料を含有するインク(顔料インク)を用いた際の画像の発色性は改善したものの、色材として染料を含有するインク(染料インク)を用いた際の画像の発色性は十分ではなかった。したがって、本発明の目的は、マット感を有し、顔料インクだけでなく染料インクを用いた際にも得られる画像の発色性が高い記録媒体を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明にかかる記録媒体は、基材と、第1のインク受容層と、前記第1のインク受容層と隣接する第2のインク受容層とをこの順に有し、前記第1のインク受容層は、平均粒子径50nm以下の無機粒子を含有し、かつ、第1のインク受容層における、前記平均粒子径が50nm以下の無機粒子の含有量が全無機粒子の総含有量に占める割合が、90質量%以上であり、前記第2のインク受容層は、平均粒子径3.2μm以上の非晶質シリカを含有することを特徴とする。
本発明によれば、マット感を有し、得られる画像の発色性が高い記録媒体を提供することができる。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
無機粒子を含有する多孔質インク受容層を有する記録媒体において、マット感を発現させるためには、粒径の大きい粒子を用いる方法が一般的であるが、そういった粒径の大きい粒子で形成されたインク受容層は、粒子による光散乱の影響により、インク受容層の透明性が十分に得られず、インク受容層の内部に浸透することで定着する染料インクを用いた場合に、得られる画像の発色性が低くなってしまった。つまり、染料インクを用いた際の画像の発色性と、記録媒体のマット感は互いにトレードオフの関係にあった。
上述のように染料インクの画像の発色性に、インク受容層の透明性が大きく影響するのに対し、記録媒体の表面近傍に顔料が残留することで定着する顔料インクの場合、画像の発色性はインク受容層の透明性の影響を大きくは受けない。寧ろ、顔料インクの画像の発色性は、インク受容層の細孔径の大きさに影響を受ける。
そこで、本発明者らが、得られる画像の発色性が影響を受ける因子が大きく異なる染料インクと顔料インクの両方に対する発色性を向上し、更に、記録媒体のマット感を達成するために必要な構成を検討した結果、本発明の構成に至った。具体的には、基材と、平均粒子径50nm以下の無機粒子を含有し、その全無機粒子の総含有量に占める割合が90質量%以上である第1のインク受容層と、平均粒子径3.2μm以上の非晶質シリカを含有し、第1のインク受容層と隣接する第2のインク受容層とをこの順に有する記録媒体によって、上記本発明の効果が得られるものである。これは、以下の知見に基づく。
一般的に、インク受容層中の粒子の粒径を大きくする程、インク受容層の透明性は低下すると考えられているが、本発明者らが検討した結果、平均粒子径3.2μm以上の非晶質シリカを用いると、一度低下したインク受容層の透明性が上昇することが分かった。これは、粒径が大きくなるほど受容層内の非晶質シリカの粒子密度が低くなり、非晶質シリカ粒子と空気の界面の数が減少し、層内での光散乱が減少するためと考えられる。更に、平均粒子径3.2μm以上の非晶質シリカを含有するインク受容層(第2のインク受容層)より、基材側に隣接する層として、平均粒子径50nm以下の無機粒子を含有するインク受容層(第1のインク受容層)を設けることで、所望のマット感を維持しつつ、染料インクと顔料インクの何れに対しても高い画像の発色性が得られることが分かった。
[記録媒体]
まず、本発明における「マット感」について説明する。マット感を有する記録媒体とは、表面反射が小さく、どの角度から見ても光沢感が小さい記録媒体を意味する。より具体的には、表面の20°光沢度、60°光沢度、75°光沢度が何れも6.0%未満である記録媒体を意味する。
本発明の記録媒体は、基材と、第1のインク受容層と第2のインク受容層を含む少なくとも2層のインク受容層を有する。また、本発明の効果が得られる範囲であれば、第2のインク受容層上に別の層を設けてもよいし、第1のインク受容層と基材との間に別の層を設けてもよい。本発明においては、インクジェット記録方法に用いる記録媒体、即ち、インクジェット用記録媒体であることが好ましい。以下、本発明の記録媒体を構成する各成分について、それぞれ説明する。
<基材>
基材としては、基紙のみから構成されるものや、基紙と樹脂層を有するもの、即ち、基紙が樹脂で被覆されているものが挙げられる。本発明においては、基紙と樹脂層を有する基材、即ち、樹脂被覆基材を用いることが好ましい。その場合、樹脂層は、基紙の片面のみに設けられていてもよいが、両面に設けられていることが好ましい。
基紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じてポリプロピレンなどの合成パルプや、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維を加えて抄紙される。木材パルプとしては広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、広葉樹溶解パルプ(LDP)、針葉樹溶解パルプ(NDP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)などが挙げられる。これらは、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。木材パルプの中でも短繊維成分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPを用いることが好ましい。パルプとしては、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましい。また、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも好ましい。紙基材中には、サイズ剤、白色顔料、紙力増強剤、蛍光増白剤、水分保持剤、分散剤、柔軟化剤などを適宜添加してもよい。
本発明において、基紙のJIS P 8118で規定される紙密度は、0.6g/cm以上1.2g/cm以下であることが好ましい。更には、0.7g/cm以上1.2g/cm以下であることがより好ましい。
本発明において、基材が樹脂層を有する場合は、樹脂層の層厚は、10μm以上60μm以下であることが好ましい。尚、本発明において、樹脂層の層厚は、以下の方法で算出する。まず、記録媒体の断面をマイクロトームで切り出し、その断面を走査型電子顕微鏡で観察する。そして、樹脂層の任意の100点以上の層厚を測定し、その平均値を樹脂層の層厚とする。尚、本発明におけるその他の層の層厚も同様の方法で算出するものとする。
樹脂層に用いられる樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体などが挙げられる。これらの中でも、ポリオレフィン樹脂を用いることが好ましい。本発明において、ポリオレフィン樹脂とは、モノマーとしてオレフィンを用いた重合体を意味する。具体的には、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどの単重合体や共重合体が挙げられる。ポリオレフィン樹脂は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、ポリエチレンを用いることが好ましい。ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)を用いることが好ましい。樹脂層は、不透明度や白色度や色相を調整するために、白色顔料や蛍光増白剤や群青などを含有してもよい。中でも、不透明度を向上することができるため、白色顔料を含有することが好ましい。白色顔料としては、ルチル型又はアナターゼ型の酸化チタンが挙げられる。
本発明において、基材の第1のインク受容層側の表面の、JIS B 0601:2001で規定される粗さ曲線要素の二乗平均平方根傾斜R△qが0.1以上であることが好ましく、0.3以上であることがより好ましい。更に、R△qは2.0以下であることが好ましく、1.0以下であることがより好ましい。
<インク受容層>
本発明において、インク受容層は、上記基材の片面のみに設けられてもよく、両面に設けられてもよい。インク受容層の層厚は、18μm以上55μm以下であることが好ましい。本発明においては、インク受容層は2層でもよいし、3層以上の複層でもよい。以下の説明においては、第1のインク受容層を下層とし、第2のインク受容層を上層ともいう。
本発明において、インク受容層の乾燥塗工量は、18.0g/m以上55.0g/m以下であることが好ましく、18.0g/m以上50.0g/m以下であることがより好ましい。ここでいうインク受容層の乾燥塗工量とは、インク受容層が複層の場合は全ての層の合計の乾燥塗工量を意味する。以下、インク受容層に含有することができる材料について、それぞれ説明する。
(上層:第2のインク受容層)
本発明において、上層である第2のインク受容層の層厚は、1μm以上40μm以下であることが好ましく、2μm以上30μm以下がより好ましい。また、第2のインク受容層の塗工量は0.5g/m以上20g/m以下であることが好ましく、1.0g/m以上15g/m以下であることがより好ましい。
(1)非晶質シリカ
本発明に用いられる非晶質シリカとは、乾燥重量でSiO93%以上、Al約5%以下、NaO約5%以下を含む粒子であり、所謂ホワイトカーボン、シリカゲルや多孔性合成非晶質シリカなどがある。多孔性合成非晶質シリカの製造方法は、乾式法と湿式法に大別され、乾式法には燃焼法と加熱法がある。また、湿式法には沈澱法とゲル法と言われる製造方法がある。乾式燃焼法は一般に、気化させた四塩化ケイ素と水素を混合したものを1,600〜2,000℃の空気中で燃焼させる方法で気相法とも呼ばれる。湿式沈澱法は通常、ケイ酸ソーダと硫酸等を水溶液中で反応させて、SiOを沈澱させる方法で、反応温度や酸の添加速度等の条件によりシリカの比表面積や一次粒子径等を調整することができる。また、乾燥や粉砕条件で二次粒子径やシリカ物性が微妙に変化する。湿式ゲル法は一般にケイ酸ソーダと硫酸の同時添加等で反応させて製造されるもので、シリカ粒子同士の場合、たとえばシラノール基の脱水縮合が進んで三次元的なヒドロゲル構造になったものである。その特徴は、一次粒子が比較的小さいヒドロゲル構造であるため、比表面積の大きな二次粒子ができることであり、その一次粒子径の大きさを反応条件等を変えることにより調整し、吸油量の異なる二次粒子径を製造できる。本発明では、1種類の非晶質シリカを含有しても、2種類以上の非晶質シリカを含有してもよい。本発明においては、非晶質シリカが湿式法シリカであることが好ましい。また、非晶質シリカ以外の無機粒子を更に含有してもよい。
本発明においては、第2のインク受容層が含有する非晶質シリカの平均粒子径が3.2μm以上である必要がある。更には、第2のインク受容層が含有する非晶質シリカの平均粒子径は、3.2μm以上15.0μm以下であることが好ましく、4.0μm以上12.0μm以下であることがより好ましい。本発明における平均粒子径とは、記録媒体の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した際に、粒子として認識される最大単位の粒子の直径の平均値を意味する。より具体的には、記録媒体の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、任意の100個の粒子の直径を測定し、その数平均を算出することで得られる。非晶質シリカにおいては、一次粒子が会合して形成された二次粒子が観察されるため、上記「非晶質シリカの平均粒子径」とは、「非晶質シリカの平均二次粒子径」を意味する。3.2μmより小さいと、染料インクを用いた際の画像の発色性が低下する。15.0μmより大きいとインク受容層の結着性(粉落ち)が十分でない場合がある。尚、非晶質シリカの一次粒子径は1nm以上80nm以下であることが好ましく、2nm以上70nm以下であることがより好ましい。1nm未満であるとインク吸収性が悪化する場合があり、80nmより大きいと発色性が低下する場合がある。
第2のインク受容層の全無機粒子中に占める、粒子径が3.2μm以上の非晶質シリカの含有量は、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましい。
(2)バインダー
本発明において、第2のインク受容層は更にバインダーを含有することが好ましい。本発明において、バインダーとは、無機粒子を結着することができる材料を意味する。
本発明においては、第2のインク受容層における、バインダーの含有量が、非晶質シリカの含有量に対して、5.0質量%以上60.0質量%以下であることが好ましく、7.5質量%以上50.0質量%以下であることがより好ましい。5.0質量%より小さいと、インク受容層における無機粒子の結着性が十分でなく、所謂粉落ち現象が発生する場合がある。一方、60.0質量%より大きいと記録媒体のインク吸収性が十分に得られない場合がある。
バインダーとしては例えば、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、及びポリビニルアルコール、並びに、それらの誘導体;ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役重合体ラテックス;アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体などのアクリル系重合体ラテックス;エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックス;上記の重合体のカルボキシル基などの官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス;カチオン基を用いて上記重合体をカチオン化したもの;カチオン性界面活性剤を用いて上記重合体の表面をカチオン化したもの;カチオン性ポリビニルアルコール下で上記重合体を構成するモノマーを重合し、重合体の表面にポリビニルアルコールを分布させたもの;カチオン性コロイド粒子の懸濁分散液中で上記重合体を構成するモノマーを重合し、重合体の表面にカチオン性コロイド粒子を分布させたもの;メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂などの水性バインダー;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの重合体及び共重合体;ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂などの合成樹脂が挙げられる。これらのバインダーは、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
上記したバインダーの中でも、ポリビニルアルコールやポリビニルアルコール誘導体を用いることが好ましい。ポリビニルアルコール誘導体としては、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールなどが挙げられる。上記の中でも、ポリビニルアルコールが塗工液の安定性の観点から特に好ましい。ポリビニルアルコールの具体例としては、PVA235、PVA245、PVA145(以上、クラレ製)などを挙げることができる。
ポリビニルアルコールは、例えば、ポリ酢酸ビニルをけん化して合成することができる。ポリビニルアルコールのけん化度としては、80mol%以上100mol%以下が好ましく、85mol%以上100mol%以下がより好ましい。尚、けん化度とは、ポリ酢酸ビニルをけん化してポリビニルアルコールを得た際の、けん化反応によって生じた水酸基のモル数の割合であり、本発明においては、JIS−K6726の方法で測定した値を用いるものとする。また、ポリビニルアルコールの平均重合度は、1,500以上5,000以下が好ましく、2,000以上5,000以下がより好ましい。尚、本発明において平均重合度は、JIS−K6726の方法で求めた粘度平均重合度を用いるものとする。
インク受容層用塗工液を調製する際は、ポリビニルアルコールやポリビニルアルコール誘導体を水溶液として使用することが好ましい。その際、水溶液中のポリビニルアルコール及びポリビニルアルコール誘導体の固形分の含有量は、3質量%以上20質量%以下が好ましい。
(3)その他の添加剤
本発明において、第2のインク受容層は、これまで述べてきたもの以外のその他の添加剤を含有してもよい。具体的には、pH調整剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、界面活性剤、離型剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、染料定着剤、硬化剤、耐候材料などが挙げられる。
(下層:第1のインク受容層)
本発明において、下層である第1のインク受容層の層厚は、3μm以上55μm以下であることが好ましい。また、第1のインク受容層の塗工量は3g/m以上55g/m以下であることが好ましい。
(1)無機粒子
本発明において、第1のインク受容層は平均粒子径が50nm以下の無機粒子(以下、単に「無機粒子」ともいう)を含有する。無機粒子の平均粒子径は、1nm以上50nm以下が好ましく、更には、3nm以上30nm以下がより好ましく、5nm以上20nm以下が特に好ましい。本発明において、上記「無機粒子の平均粒子径」とは、「無機粒子の平均一次粒子径」を意味する。
本発明において、無機粒子は、分散剤によって分散されている状態で、インク受容層用の塗工液に用いられることが好ましい。分散状態での無機粒子の平均二次粒子径は、1nm以上1000nm以下が好ましく、更には、10nm以上800nm以下がより好ましく、50nm以上500nm以下が特に好ましい。尚、分散状態での無機粒子の平均二次粒子径は、動的光散乱法により測定することができる。
本発明において、第1のインク受容層の全無機粒子中に占める、平均粒子径が50nm以下の無機粒子の含有量(質量%)は、90質量%以上である必要がある。90質量%より小さいと、染料インクでの発色性が低下してしまう。
本発明に用いる無機粒子としては、例えば、アルミナ水和物、アルミナ、シリカ、コロイダルシリカ、二酸化チタン、ゼオライト、カオリン、タルク、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウムなどが挙げられる。これらの無機粒子は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。上記無機粒子の中でも、インクの吸収性が高い多孔質構造を形成することができるアルミナ水和物、アルミナ、シリカを用いることが好ましい。
インク受容層に用いるアルミナとしては、γ−アルミナ、α−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ、χ−アルミナなどを挙げることができる。これらの中でも、画像の光学濃度やインク吸収性の観点から、γ−アルミナを用いることが好ましい。具体例としては、AEROXIDE Alu C(EVONIK製)などを挙げることができる。
インク受容層に用いるアルミナ水和物は、
一般式(X):Al3−n(OH)2n・mH
(一般式(X)中、nは0、1、2、又は3であり、mは0以上10以下、好ましくは0以上5以下である。ただし、mとnは同時に0にはならない。)
により表されるものを好適に用いることができる。尚、mHOは、多くの場合、結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表すものであるため、mは整数でなくてもよい。また、アルミナ水和物を加熱するとmは0となり得る。
本発明においてアルミナ水和物は、公知の方法で製造することができる。具体的には、アルミニウムアルコキシドを加水分解する方法、アルミン酸ナトリウムを加水分解する方法、アルミン酸ナトリウムの水溶液に、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムの水溶液を加えて中和する方法などが挙げられる。
アルミナ水和物の結晶構造としては、熱処理する温度に応じて、非晶質、ギブサイト型、ベーマイト型が知られている。尚、アルミナ水和物の結晶構造は、X線回折法によって分析することができる。本発明においては、これらの中でも、ベーマイト型のアルミナ水和物又は非晶質のアルミナ水和物が好ましい。具体例としては、特開平7−232473号公報、特開平8−132731号公報、特開平9−66664号公報、特開平9−76628号公報などに記載されたアルミナ水和物や、市販品としてはDisperal HP14、HP18(以上、サソール製)などを挙げることができる。これらのアルミナ水和物は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
また、本発明において、アルミナ水和物のBET法で求められる比表面積が100m/g以上200m/g以下であることが好ましく、125m/g以上175m/g以下であることがより好ましい。ここでBET法とは、試料表面に大きさの分かっている分子やイオンを吸着させて、その吸着量から、試料の比表面積を測定する方法である。本発明においては、試料に吸着させる気体として、窒素ガスを用いる。
本発明に用いるアルミナ水和物及びアルミナは、水分散液としてインク受容層用塗工液に混合することが好ましく、その分散剤として酸を使用することが好ましい。酸としては、
一般式(Y):R−SO
(一般式(Y)中、Rは水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基、炭素数1以上3以下のアルケニル基の何れかを表す。Rは、オキソ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、及びアシル基で置換されていてもよい。)
で表されるスルホン酸を用いることが、画像の滲みを抑制する効果が得られるため好ましい。
インク受容層に用いるシリカは、その製法により湿式法と乾式法(気相法)に大別される。湿式法としては、ケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成し、これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る方法が知られている。一方、乾式法(気相法)としては、ハロゲン化珪素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)や、ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によって無水シリカを得る方法が知られている。本発明においては、乾式法(気相法)により得られるシリカ(以下、「気相法シリカ」ともいう)を用いることが好ましい。これは、気相法シリカは、比表面積が特に大きいので、インクの吸収性が特に高く、また、屈折率が低いので、インク受容層に透明性を付与でき、良好な発色性が得られるためである。具体的に、気相法シリカとしては、アエロジル(日本アエロジル製)、レオロシールQSタイプ(トクヤマ製)などが挙げられる。
本発明において、気相法シリカのBET法による比表面積は50m/g以上400m/g以下であることが好ましく、200m/g以上350m/g以下であることがより好ましい。
本発明において、アルミナ水和物、アルミナ、シリカは混合して使用してもよい。具体的には、アルミナ水和物、アルミナ、シリカから選択される少なくとも2種を、粉体状態で混合、分散して分散液とする方法が挙げられる。
(2)バインダー
本発明において、第1のインク受容層は更にバインダーを含有することが好ましい。
本発明においては、インク吸収性の観点から、第1のインク受容層における、バインダーの含有量が、無機粒子の含有量に対して、3.0質量%以上30.0質量%以下であることが好ましく、5.0質量%以上25.0質量%以下であることがより好ましい。
バインダーとしては、上記の第2のインク受容層に例示したものと同様のものを使用することができる。その中でも第1のインク受容層に用いるバインダーとしてはポリビニルアルコールが好ましい。
(3)架橋剤
本発明において、第1のインク受容層は更に架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤を含有することで、製造過程での受容層のクラックを防止でき、且つ、印刷インクの吸収性を高めることができる。
第1のインク受容層中の、架橋剤の含有量は、バインダーの含有量に対して、1質量%以上60質量%以下が好ましく、5質量%以上50質量%以下がより好ましい。
架橋剤としては、例えば、アルデヒド系化合物、メラミン系化合物、イソシアネート系化合物、ジルコニウム系化合物、アミド系化合物、アルミニウム系化合物、ホウ酸、及びホウ酸塩などが挙げられる。これらの架橋剤は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。特にバインダーとしてポリビニルアルコールやポリビニルアルコール誘導体を用いる場合は、上記した架橋剤の中でも、ホウ酸やホウ酸塩を用いることが好ましい。
ホウ酸としては、オルトホウ酸(HBO)、メタホウ酸、ジホウ酸などが挙げられる。ホウ酸塩としては、上記ホウ酸の水溶性の塩が好ましい。例えば、ホウ酸のナトリウム塩やカリウム塩などのホウ酸のアルカリ金属塩;ホウ酸のマグネシウム塩やカルシウム塩などのホウ酸のアルカリ土類金属塩;ホウ酸のアンモニウム塩などが挙げられる。これらの中でも、オルトホウ酸を用いることが、塗工液の経時安定性とクラックの発生を抑制する効果の観点から好ましい。
(4)その他の添加剤
本発明において、第1のインク受容層は、上記の第2のインク受容層に例示したものと同様の添加剤を含有してもよい。
(コロイダルシリカを含有する最表層)
本発明において、記録媒体は、インク受容層の結着性の観点から、コロイダルシリカを含有する最表層を有することが好ましい。コロイダルシリカの中でも、球状コロイダルシリカが、特にインク受容層の結着性が高く、更に、透明性がより高く得られる画像の発色性が高まるため好ましい。ここでいう「球状」とは走査型電子顕微鏡によって観察したときのコロイダルシリカ粒子(50個以上100個以下)の平均長径aと平均短径bの比b/aが0.80以上1.00以下の範囲に入ることを意味する。b/aは0.90以上1.00以下がより好ましく、0.95以上1.00以下が特に好ましい。更には、球状のカチオン性コロイダルシリカであることが好ましい。具体的に、球状のカチオン性コロイダルシリカとしては、スノーテックスAK、スノーテックスAK−L(以上、日産化学工業製)などが挙げられる。
また、コロイダルシリカの平均一次粒径は30nm以上100nm以下であることが好ましい。平均粒径が30nmより小さいとインク吸収性の向上効果が十分に得られない場合があり、100nmより大きいと透明性が低下して得られる画像の発色性の向上効果が十分に得られない場合がある。
最表層の塗工量は0.2g/m以上3.0g/m以下であることが好ましく、0.2g/m以上2.0g/m以下がより好ましい。0.2g/mより少ないとインク受容層の結着性の向上効果が十分に得られない場合があり、3.0g/mより多いとマット感の向上効果が十分に得られない場合がある。最表層の塗工厚は0.2μm以上3.0μm以下であることが好ましく、0.2μm以上2.0μm以下であることがより好ましい。また、最表層表面のJIS B 0601:2001で規定される粗さ曲線要素の二乗平均平方根傾斜R△qは0.3以上であることが好ましい。0.3より小さいと、マット感の向上効果が十分に得られない場合がある。
最表層におけるバインダーや架橋剤は、上記のインク受容層において例示した、バインダーや添加剤と同様のものを使用することができる。尚、前記インク受容層に含まれるバインダーと同じ種類のものを用いても、異なる種類のものを用いてもよい。
また、最表層は、平均二次粒子径が1μm以上の非晶質シリカを含有してもよい。その含有量は、最表層中の無機粒子の含有量に対して、50.0質量%以下であることが好ましく、40.0質量%以下であることがより好ましい。
[記録媒体の製造方法]
本発明において、記録媒体を製造する方法は、特に限定されないが、インク受容層用の塗工液を調製する工程、及び、インク受容層用塗工液を基材に塗工する工程を有する記録媒体の製造方法が好ましい。以下、記録媒体の製造方法について説明する。
<基材の作製方法>
本発明において、基紙の作製方法としては、一般的に用いられている抄紙方法を適用することができる。抄紙装置としては、例えば長網抄紙機、丸網抄紙機、円胴、ツインワイヤーなどが挙げられる。基紙の表面平滑性を高めるために、抄紙工程中又は抄紙工程後に、熱及び圧力を加えて表面処理してもよい。具体的な表面処理方法としては、マシンカレンダーやスーパーカレンダーといったカレンダー処理が挙げられる。
基紙の上に樹脂層を設ける方法、即ち、基紙を樹脂で被覆する方法としては、溶融押出法、ウェットラミネーション、ドライラミネーションなどが挙げられる。中でも、基紙の片面又は両面に溶融した樹脂を押し出しコーティングする溶融押出法が好ましい。例えば、搬送されてきた基紙と、押出ダイから押し出された樹脂を、ニップローラと冷却ローラとの間のニップ点において接触させ、ニップで圧着することで樹脂層を基紙上にラミネートする方法(押出コーティング方法ともいう)が広く採用されている。溶融押出法により、樹脂層を設ける際には、基紙と樹脂層の接着がより強固となるように、前処理を施してもよい。前処理としては、硫酸クロム酸混液による酸エッチング処理、ガス炎による火炎処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、グロー放電処理、アルキルチタネートなどのアンカーコート処理などが挙げられる。中でも、コロナ放電処理が好ましい。
また、樹脂被覆基材の表面を特定の凹凸を有するロールに押し付けることで、樹脂被覆紙の表面の形状をコントロールすることができる。
<インク受容層の形成方法>
本発明の記録媒体において、基材にインク受容層を形成する方法としては、例えば以下の方法を挙げることができる。まず、インク受容層用塗工液を調製する。そして、基材に上記塗工液を塗工及び乾燥することで、本発明の記録媒体を得ることができる。塗工液の塗工方法としては、カーテンコーター、エクストルージョン方式を用いたコーター、スライドホッパー方式を用いたコーターなどを用いることができる。尚、塗工時に、塗工液を加温してもよい。また、塗工後の乾燥方法としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤーなどの熱風乾燥機を使用する方法や、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波などを利用した乾燥機を使用する方法などが挙げられる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
[記録媒体の作製]
<基材の作製>
カナダ標準濾水度が450mLCSFのLBKP80部、カナダ標準濾水度が480mLCSFのNBKP20部、カチオン化澱粉0.60部、重質炭酸カルシウム10部、軽質炭酸カルシウム15部、アルキルケテンダイマー0.10部、カチオン性ポリアクリルアミド0.030部を混合し、固形分の含有量が3.0質量%となるように水を加えて、紙料を得た。次いで、紙料を長網抄紙機で抄造し、3段のウエットプレスを行った後、多筒式ドライヤーで乾燥した。その後、サイズプレス装置で乾燥後の固形分が1.0g/mとなるように酸化澱粉水溶液を含浸、乾燥させ、更に、マシンカレンダー仕上げをして、坪量が110g/m、ステキヒトサイズ度100秒、透気度50秒、ベック平滑度30秒、ガーレー剛度11.0mN、層厚が120μmの基紙を作製した。次いで、低密度ポリエチレン70部と、高密度ポリエチレン20部と、酸化チタン10部とからなる樹脂組成物を、乾燥塗工量が25g/mとなる様に、基紙の片面に塗工した。尚、この面を基材の表面とする。この表面を微細凹凸を有するロールに押し付けることで、樹脂被覆紙の表面のR△qが0.4となるように加工した。更に、低密度ポリエチレン50部と、高密度ポリエチレン50部とからなる樹脂組成物を、基紙のもう一方の面に塗工することで、基材を得た。
<第1のインク受容層用塗工液の調製>
(アルミナ水和物分散液の調製)
イオン交換水中に、アルミナ水和物 DISPERAL HP14(サソール製、平均粒径14nm)を固形分の含有量が25質量%となるように添加した。次に、アルミナ水和物の固形分100部に対して、メタンスルホン酸1.4部を加えて撹拌し、更に、アルミナ水和物の固形分の含有量が、21質量%となるようにイオン交換水を加え、アルミナ水和物分散液を得た。
(気相法シリカ分散液の調製)
イオン交換水中に、気相法シリカ AEROSIL300(EVONIC製、平均粒径7nm)を固形分の含有量が20質量%となるように添加した。次に、気相法シリカの固形分100部に対して、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドポリマー5.0部を加えて撹拌し、更に、気相法シリカの固形分の含有量が、15質量%となるようにイオン交換水を加え気相法シリカを得た。
(非晶質シリカ分散液の調製)
イオン交換水中に、非晶質シリカ(湿式シリカ、平均粒子径1.0μm)を固形分の含有量が25質量%となるように添加した。次に、非晶質シリカの固形分100部に対して、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドポリマー5.0部を加えて撹拌し、更に、非晶質シリカの固形分の含有量が、21質量%となるようにイオン交換水を加え、非晶質シリカ分散液を得た。
(第1のインク受容層用塗工液1−1の調製)
上記で調製したアルミナ水和物分散液と、ポリビニルアルコ−ル水溶液(PVA235(クラレ製)の固形分の含有量を8質量%に調製したもの)と、ホウ酸水溶液(固形分の含有量が3質量%)とを、固形分の比率(アルミナ水和物:ポリビニルアルコール:ホウ酸)が100:10:2となるように混合し、第1のインク受容層用塗工液1−1を得た。
(第1のインク受容層用塗工液1−2の調製)
上記で調製した気相法シリカ分散液と、ポリビニルアルコ−ル水溶液(PVA235(クラレ製)の固形分の含有量を8質量%に調製したもの)と、ホウ酸水溶液(固形分の含有量が3質量%)とを、固形分の比率(気相法シリカ:ポリビニルアルコール:ホウ酸)が100:23:5となるように混合し、第1のインク受容層用塗工液1−2を得た。
(第1のインク受容層用塗工液1−3の調製)
上記で調製したアルミナ水和物分散液、非晶質シリカ分散液、ポリビニルアルコ−ル水溶液(PVA235(クラレ製)の固形分の含有量を8質量%に調製したもの)と、ホウ酸水溶液(固形分の含有量が3質量%)とを、固形分の比率(アルミナ水和物:非晶質シリカ:ポリビニルアルコール:ホウ酸)が88:12:10:2となるように混合し、第1のインク受容層用塗工液1−3を得た。
<第2のインク受容層用塗工液の調製>
イオン交換水中に、非晶質シリカ(湿式シリカ)を固形分の含有量が25質量%となるように添加した。次に、非晶質シリカの固形分100部に対して、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドポリマー5.0部を加えて撹拌し、更に、非晶質シリカの固形分の含有量が、21質量%となるようにイオン交換水を加え、非晶質シリカ分散液を得た。
調製した非晶質シリカ分散液と、バインダー水溶液とを、固形分の比率(非晶質シリカ:ポリビニルアルコール)が表1の比率となるように混合し、第2のインク受容層用塗工液を得た。尚、表中のバインダーの種類のうち、「R−1130」は、シラノール変性ポリビニルアルコ−ル水溶液(R−1130(クラレ製)の固形分の含有量を8質量%に調製したもの)であり、「PVA235」はポリビニルアルコ−ル水溶液(PVA235(クラレ製)の固形分の含有量を8質量%に調製したもの)である。また、非晶質シリカの平均粒子径を上述の方法で測定し、表1に記載した。
<最表層用塗工液の調製>
コロイダルシリカ分散液(スノーテックスAK−L、日産化学製)と、シラノール変性ポリビニルアルコ−ル水溶液(R−1130(クラレ製)の固形分の含有量が8質量%)と、ホウ酸水溶液(固形分の含有量が3質量%)とを、固形分の比率(非晶質シリカ:ポリビニルアルコール:ホウ酸)が100:11:1.2となるように混合し、最表層用塗工液を得た。
<記録媒体の作製>
上記で得た第1のインク受容層用塗工液、第2のインク受容層用塗工液及び最表層用塗工液(それぞれ塗工液の温度:40℃)とを、基材上に、乾燥塗工量(g/m)が表2に記載の値となるように、スライドダイを用いて同時重複塗工し、150℃の熱風で乾燥することで、記録媒体を作製した。
[評価]
<得られる画像の発色性>
(染料インク)
得られた記録媒体のそれぞれの記録面に、インクジェットプリンター(商品名:MG8230、キヤノン製)を用いて、写真用紙 光沢ゴールド、色補正なしモードにて、ブラックのベタ印字を行った。これらの光学濃度を光学反射濃度計(商品名:530分光濃度計、X−Rite製)を用いてそれぞれ測定した。得られた光学濃度から、得られる画像の発色性の評価を行った。評価基準が以下の通りである。評価結果を表2に示した。
AA:1.70以上であった
A:1.65以上1.70未満であった
B:1.60以上1.65未満であった
C:1.60未満であった。
(顔料インク)
得られた記録媒体のそれぞれの記録面に、インクジェットプリンター(商品名:PRO9000II、キヤノン製)を用いて、写真用紙 光沢ゴールド、色補正なしモードにて、ブラックのベタ印字を行った。これらの光学濃度を光学反射濃度計(商品名:530分光濃度計、X−Rite製)を用いてそれぞれ測定した。得られた光学濃度から、得られる画像の発色性の評価を行った。評価基準が以下の通りである。評価結果を表2に示した。
A:1.45以上であった
B:1.45未満であった。
<記録媒体の表面のマット感>
得られた記録媒体に関して、光沢計VG2000(日本電色工業製)を用い、JIS Z 8741に規定される20度、60度、75度の鏡面光沢度を測定した。測定は記録媒体表面の任意の5点を選択して行い、その平均値を算出した。得られた鏡面光沢度から記録媒体の表面のマット感を評価した。評価基準は以下の通りである。評価結果を表2に示した。
AA:20度、60度、75度の鏡面光沢度の最大値が2.6%未満であった
A:20度、60度、75度の鏡面光沢度の最大値が2.6%以上3.5%未満であった
B:20度、60度、75度の鏡面光沢度の最大値が3.5%以上6.0%未満であった
C:20度、60度、75度の鏡面光沢度の最大値が6.0%以上であった。
<インク受容層の結着性>
得られた記録媒体上に黒紙を置き、その上から15g/cmの荷重をかけ、黒紙を一定速度で10cm引っ張ったときの黒紙への粉の付着量を黒紙の黒色光学濃度の残存率((粉付着前黒色光学濃度−粉付着後黒色光学濃度)/粉付着前黒色光学濃度)評価を行った。光学濃度は光学反射濃度計(商品名:530分光濃度計、X−Rite製)を用いてそれぞれ測定した。得られた光学濃度の残存率から、記録媒体のインク受容層の結着性の評価を行った。評価基準が以下の通りである。評価結果を表2に示した。
AA:光学濃度の残存率が85%以上であった
A:光学濃度の残存率が50%以上85%未満であった
B:光学濃度の残存率が50%未満であった。

Claims (7)

  1. 基材と、第1のインク受容層と、前記第1のインク受容層と隣接する第2のインク受容層とをこの順に有する記録媒体であって、
    前記第1のインク受容層は、平均粒子径50nm以下の無機粒子を含有し、かつ、第1のインク受容層における、前記平均粒子径が50nm以下の無機粒子の含有量が全無機粒子の総含有量に占める割合が、90質量%以上であり、
    前記第2のインク受容層は、平均粒子径3.2μm以上の非晶質シリカを含有することを特徴とする記録媒体。
  2. 前記基材が、樹脂被覆基材である請求項1に記載の記録媒体。
  3. 前記非晶質シリカが、湿式法シリカである請求項1又は2に記載の記録媒体。
  4. 前記第2のインク受容層の最表面に、更に、コロイダルシリカを含有する最表層を有する請求項1乃至3の何れか1項に記載の記録媒体。
  5. 前記最表層の塗工量が、0.2g/m以上3.0g/m以下である請求項4に記載の記録媒体。
  6. 前記最表層の層厚が、0.2μm以上3.0μm以下である請求項4または5に記載の記録媒体。
  7. 前記最表層表面の、JIS B 0601:2001で規定される粗さ曲線要素の二乗平均平方根傾斜R△qが0.3以上である請求項4乃至6の何れか1項に記載の記録媒体。
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