JP4579454B2 - インクジェット記録シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクを用いて記録するインクジェット記録シートに関するものである。さらに詳しくは、印字画像の鮮明性や耐水性、印刷強度に優れたインクジェット記録シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、騒音が少なく、現像や定着等のプロセスを必要とせず、且つ容易にフルカラー記録が行える各種プリンターに利用され、近年急速に普及してきている。特に、コンピューターにより発色画像が形成されることと、記録装置を比較的小型にすることができること、その装置の保守が容易であり、なおかつ駆動音及び記録音の発生が非常に低いという利点により、近年ファクシミリや各種プリンターの記録方式として利用されている。
【0003】
更に最近では、インクジェット記録方式の高速化・高精細化などの要求による、インクジェット記録装置の性能向上や用途拡大に伴い、インクジェット記録シートに対してもより高度な特性が求められている。
【0004】
インクジェット記録シートには、画像の印字濃度が高く色調が明るく鮮明であること、インクの吸収が早く印字画像の重なった場合においてもインクが流れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの縦方向や横方向への拡散が必要以上に大きくなく且つ周辺が滑らかであることなど、画像鮮明性に優れていることが要求される。
【0005】
また保存性に関しても、高湿度条件下や印字画像部が水に侵された場合にもインクが流れ出さないように、印字画像の耐水性に優れていることが要求される。
【0006】
このような要求を満たすために、いわゆるコート紙タイプは、支持体である紙の上にシリカなどの顔料を主体とするインク受容層を設けて、画像鮮明性などを向上させている。また、インク受容層にカチオン性高分子染料定着剤を含有することによって、印字画像の耐水性を向上させている。
【0007】
しかしながら、一般にインク受容層を構成する成分はコストが高く、コストを下げるためにインク受容層の塗工量を少なくすると、▲1▼インクの滲み、▲2▼インクの裏抜け、▲3▼耐水性の低下などの問題が生ずる。
【0008】
インクの滲みに関しては、塗工量を少なくすることによってインクの吸収容量が不足し、インク受容層で吸収しきれずにインクが溢れ出してしまうためと考えられる。特に、ドットの横方向への広がりが大きいと、インクの滲みが劣るということになる。
【0009】
インクの裏抜けは、インク受容層の吸収性だけでは不充分であり、支持体である原紙にまでインクの浸透が過剰になる現象である。広義に言うと、インクの裏抜けとは、インクの裏映りも含有される。原紙にまでインクが浸透すると、コックリング(記録シートが波打つ状態)という現象になる。
【0010】
耐水性の低下は、インク受容層中に含まれるカチオン性高分子染料定着剤の量が少ないことによって、アニオン性であるインクを定着するためのカチオン性成分が不足するためと考えられる。塗工量を下げると、塗工層中に含まれるカチオン性高分子染料定着剤の量が相対的に減少し、水に印字画像部が侵されると、インクの流れ出しという現象になる。インクの滲みと同様に、塗工量を少なくすることによって、インクの吸収容量が不足し、水に侵された場合に、インク受容層で吸収しきれずに、インクの溢れ出しが助長されてしまうためと考えられる。
【0011】
インク受容層の塗工量を多くすると、インク吸収容量も大きくなり、インクの吸収性が向上しインクの滲みも少なく、印字画像の鮮明性も良好となる。しかし、インク吸収性が向上する一方で、インクの吸収むらを生じやすいという問題がある。インクの吸収むらを改善するためには、2層以上の層構造を持たせる必要があるが、インク受容層を2層以上設けると、支持体との接着性やインク受容層自体の強度が悪いため、インク受容層の剥がれや粉落ちという問題が起こり、ヘッドノズルの目詰まりを生じさせてしまい、大きな印字障害となる。さらに、様々な情報媒体として使用されることを想定すると印刷強度が大きいことが要求される。インク受容層の剥がれや粉落ち、印刷強度を問題のない程度まで改良するために、バインダーの使用比率を高めていくとインク吸収能力が低下し、印字画像の鮮明性を損なう結果となってしまう。
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで本発明のインクジェット記録シートは、インクを用いて記録するインクジェット記録シートにおいて、インク受容層に含有させる顔料の種類、その含有比率及びインク受容層の層構造を制御して、インク受容層の剥がれ強度、顔料の高濃度分散性、インク吸収性、塗工層の平滑性、塗工性・乾燥性等の諸特性の向上を図ることにより、結果として印字画像の鮮明性や耐水性、印刷強度、生産効率のバランスが優れたインクジェット記録シートを提供することを目的とする。
【0013】
また本発明の第二の目的は、インク受容層下層の顔料の粒子径や比表面積を最適化して顔料の高濃度分散性、インク吸収性及び塗工層の平滑性をより向上させることで印字画像の鮮明性や耐水性、印刷強度、生産効率のバランスが特に優れたインクジェット記録シートを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェット記録シートは、セルロースパルプを主体とする支持体上にインク受容層を設けたインクジェット記録シートにおいて、該インク受容層は少なくとも上層及び下層からなる2層以上の塗工層により形成し、前記下層に設けた下層塗工層は、焼成クレーと合成非晶質シリカの重量比率が40/60〜100/0、かつ塗工量が3〜20g/mとなるように形成し、前記上層に設けた上層塗工層は、合成非晶質シリカと平均粒子径が0.5〜5μmの水酸化アルミニウム(但し、カップリング剤処理品を除く。)を含有する層を少なくとも一層以上を有し、前記合成非晶質シリカと水酸化アルミニウムを含有する層の合成非晶質シリカと水酸化アルミニウムの重量比率が80/20〜95/5であることを特徴とする。
【0015】
本発明のインクジェット記録シートは、前記下層塗工層の合成非晶質シリカの平均凝集粒子径は1〜20μmであり、前記下層塗工層の焼成クレーの比表面積は10〜25m2/gであることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の詳細について説明するが、本発明は以下に示す実施形態に限定して解釈されるものではない。
【0017】
本発明で使用される下層の顔料は、合成非晶質シリカ及び焼成クレーを使用することが望ましい。合成非晶質シリカは、インクの吸収性が良く、印字画像の鮮明性に優れる。しかし、支持体との接着性やインク受容層自体の強度が悪いため、インク受容層の剥がれや粉落ちという問題がある。また、合成非晶質シリカは高濃度分散が難しく、塗工及び乾燥工程における生産効率が劣るという問題がある。
【0018】
しかし、焼成クレーを使用することで高濃度分散ができるため、乾燥工程の効率化が可能である。焼成クレーの比率が多くなると、インクの吸収性がやや劣る傾向にあり、必要以上にインクを下層に吸収することで逆に印字の鮮明性を損なうことがあるものの、合成非晶質シリカを含有させずに焼成クレーのみを含有させて使用することも可能である。また、支持体との接着性やインク受容層自体の強度、生産性の観点から、焼成クレーを使用することが望ましい。
【0019】
上述の理由により、焼成クレーと合成非晶質シリカとを混合して下層顔料として使用する。焼成クレーと合成非晶質シリカの重量比率は40/60〜100/0の範囲が良く、さらに好ましくは50/50〜90/10である。焼成クレーが40より少ないと、高濃度分散ができないため、乾燥工程及び塗工工程における生産効率が悪くなるという問題がある。さらに下層顔料の焼成クレーの比表面積10〜25m2/gが好ましく、特に15〜20m2/gが好ましい。比表面積10m2/g未満では、インクの吸収性が悪くなる傾向にあり滲みが劣り、25m2/gを越えると、インクの吸収性は良いが、高濃度分散がしにくいという問題がある。
【0020】
一方、合成非晶質シリカの平均凝集粒子径は1〜20μmが好ましく、特に3〜15μmが好ましい。1μm未満では、分散濃度を上げることができないという問題があり、20μmを越えると、分散濃度には問題ないが、印字の鮮明性が劣ったり、塗工面の平滑性が損なわれ、表面のざらつき感(触感)が悪くなるなどの問題がある。
【0021】
下層の塗工量としては、3〜20g/m2の範囲が良く、さらに好ましくは5〜15g/m2である。3g/m2未満では、インクの吸収性が劣ることによってインクの滲みに問題が生ずる。20g/m2を越えると、インクの吸収性が良すぎるため、インクの滲みは良すぎて、文字が見づらかったり、べた印字部に均一に埋まらずに隙間が生じたりなどの問題がある。インク受容層の絶乾塗工量が少ないと、インクの裏抜けが悪くなる傾向にあり、インクの吸収性も下がり、印字画像の鮮明性も劣ることになる。下層の形成は特に限定するものではなく、一層あるいは多層に分けて塗工しても構わない。
【0022】
下層に使用するバインダーは、特に限定するものではなく、例えばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、水溶性ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラノール樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、その他のビニル系樹脂、アミド系樹脂、酸化澱粉、カゼイン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、シリコーン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、アルキド樹脂、クマロン−インデン樹脂などの樹脂及びエマルジョンが挙げられる。
【0023】
下層の顔料とバインダーの比率は、インク吸収性及びインク乾燥性、記録画像の鮮明性などを考慮して適宜決定されてよい。顔料として焼成クレーとシリカを用い、結着剤としてポリビニルアルコール樹脂及びアクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂を用いた組み合わせが好ましい。顔料とバインダーの重量配合比率は、100:100〜100:10が好ましく、さらに好ましくは100:60〜100:20である。
【0024】
バインダーの比率が100を越えると、インクの吸収性が悪くなり、モノクロ滲みや混色滲みが劣る傾向にある。バインダー成分が必要以上に多いと、顔料粒子の細孔を被覆してしまい、インクの吸収性を阻害するためである。バインダー成分が10より少ないと、顔料粒子を紙面に固着する作用力が弱まり、塗工層の粉落ちなどの問題を生じてしまう。
【0025】
本発明の構成によると、支持体である紙に下層のインク受容層を設ける。下層のインク受容層の形成は、インク受容層を形成する成分を適当な溶媒中に分散させて調液した塗工液を、例えばエアナイフコーティング法、コンマコーティング法、グラビアコーティング法、ダイコーティング法、ブレードコーティング法、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法などの塗工方法によって、支持体上に塗工して行うことができる。上層についても、上記のような塗工方法によって形成することができる。
【0026】
次に、本発明のインクジェット記録用紙のインク受容層は少なくとも2層以上から構成され、上層側に設けるインク受容層は合成非晶質シリカと水酸化アルミニウムを混合した層を少なくとも1層以上有することを特徴とする。
【0027】
上層において、合成非晶質シリカと水酸化アルミニウムの重量比率は、80/20〜95/5が好ましく、さらに好ましくは85/15〜95/5である。本発明で使用する水酸化アルミニウムは、平均粒子径が0.5〜5μmのものが好ましい。平均粒子径が0.5μm未満では、インク吸収性は良いが、高濃度分散しにくいという問題があり、平均粒子径が5μmを越えるとインク吸収性が劣るという問題がある。水酸化アルミニウムを使用すると、塗工液の分散性がよく固形分を高くでき、乾燥工程における効率化などコストメリットが期待できる。水酸化アルミニウムの重量比率を20より高くすると、印刷強度が良好になるが、印字画像が鮮明でなく白ボケたような印字になり好ましくない。水酸化アルミニウムの重量比率を5より低くすると、塗工液の分散性が悪く固形分を上げられない、印刷強度が劣るなどの問題がある。
【0028】
上層に用いられる合成非晶質シリカはインク吸収性及び印字画像の鮮明性を考慮して決めてよく、平均粒子径は1〜20μmが好ましく、特に3〜15μmが好ましい。
【0029】
上層に使用するバインダーは、特に限定するものではなく、例えばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、水溶性ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラノール樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂などの樹脂及びエマルジョンが挙げられる。
【0030】
上層の顔料とバインダーの比率は、インク吸収性及びインク乾燥性、記録画像の鮮明性などを考慮して適宜決定されてよい。バインダーとしてポリビニルアルコール樹脂及びアクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂を用いた組み合わせが好ましい。上層の顔料とバインダーの重量配合比率は、100:100〜100:10が好ましく、さらに好ましくは100:60〜100:20である。
【0031】
セルロースパルプを主体とする支持体である紙は、特に限定するものではないが、使用される内添サイズ剤及び外添サイズ剤としては、中性ロジンサイズ剤またはAKD、ASA、強化ロジンサイズ剤など各種公知のものが使用できる。サイズ剤を紙に内添及び外添する方法は、サイズ剤の種類によって適宜選択されて良い。
【0032】
抄紙機としては、丸網式、長網式いずれでも可能である。表面サイズ剤の処理は、サイズプレス、ゲートロール、メタリングサイズプレス、エアナイフコーター、ロッドコーターブレードコーターなどいずれも可能である。
【0033】
本発明で使用される填料は特に限定されるものではなく、各種公知の填料から使用できる。例えば、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、二酸化チタン、シリカなどを挙げることができ、これらを適宜選択して混合して併用できる。
【0034】
填料の歩留り向上剤、見た目の白さを向上させるための着色顔料や染料、蛍光染料などを使用できる。この歩留り向上剤として、例えば、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、カチオン化澱粉などを挙げることができる。さらに必要に応じて、抄紙工程における原料の発泡を防ぐために、消泡剤を添加することも可能である。
【0035】
本発明によるインク受容層には、インクジェット記録シートの特性を高めるために、他の成分が添加されてよい。例えば、インク受容層の耐水性向上及びインクの定着を付与するために、メラミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、アクリルアミド系樹脂、グリオキザール、炭酸ジルコニウムアンモニウム、第2級アンモニウム化合物、第3級アンモニウム化合物、第4級アンモニウム化合物などの染料定着剤を添加してもよい。また、インクジェット記録シートの生産性及び保存安定性などを考慮して、分散剤、蛍光染料、pH調整剤、消泡剤、界面活性剤、湿潤剤、保水剤、防腐剤などを添加してもよい。
【0036】
特に、インクの耐水性及びインクの定着を向上させる観点から、インク受容層に第2級アンモニウム化合物、第3級アンモニウム化合物、第4級アンモニウム化合物などのカチオン性高分子染料定着剤を含むことが好ましい。
【0037】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。無論、本発明はこれらに限定されるものではない。また、例中の部及び%は特に断らない限り、それぞれの重量部及び重量%を示す。
【0038】
(実施例1)
〔支持体〕広葉樹晒クラフトパルプL−BKPからなるパルプスラリー中の絶乾パルプ100%に対し、炭酸カルシウム(タマパールTP−121:奥多摩工業社製)5%、カチオン化でん粉(ケート308:日本NSC社製)0.8%、中性ロジンサイズ剤(NT−85:荒川化学社製)0.4%の配合で抄紙し、米坪80g/m2の原紙を抄造した。
〔下層のインク受容層〕平均粒子径3.3μmのシリカ(ミズカシルP−78A:水澤化学工業社製)60部、比表面積18m/gの焼成クレー(アンシレックス93:エンゲルハード社製)40部、ポリビニルアルコール(PVA−235:クラレ社製)10部、エチレン酢酸ビニル樹脂20部(ポリゾールEVA AD−6:昭和高分子社製)、カチオン性高分子染料定着剤(スミレッズレジン1001:住友化学社製)20部と水を混合した塗工液を得た。該インク受容層の塗工液を絶乾塗工量10g/m2となるように支持体上に塗工して、下層のインク受容層を設けたインクジェット記録シートを得た。
〔上層のインク受容層〕シリカ(ミズカシルP−78A:水澤化学工業社製)90部、水酸化アルミニウム(ハイジライトH−42M:昭和電工社製)10部、ポリビニルアルコール(PVA−235:クラレ社製)10部、エチレン酢酸ビニル樹脂20部(ポリゾールEVA AD−6:昭和高分子社製)、カチオン性高分子染料定着剤(スミレッズレジン1001:住友化学社製)20部と水を混合した塗工液を得た。該インク受容層の塗工液を絶乾塗工量6g/m2となるように下層のインク受容層を設けた上に塗工して、インクジェット記録シートを得た。
【0039】
(実施例2)
実施例1において、〔下層のインク受容層〕シリカ30部と焼成クレー70部の塗工液としたこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
【0040】
(実施例3)
実施例1において、〔下層のインク受容層〕シリカ0部と焼成クレー100部としたこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
【0041】
(実施例4)
実施例2において、〔上層のインク受容層〕シリカ80部と水酸化アルミニウム20部としたこと以外は実施例2と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
【0042】
(実施例5)
実施例2において、〔上層のインク受容層〕シリカ90部と水酸化アルミニウム10部としたこと及び〔下層のインク受容層〕の塗工液を絶乾塗工量6g/m2以外は実施例2と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
【0043】
(実施例6)
実施例2において、〔上層のインク受容層〕シリカ95部と水酸化アルミニウム5部としたこと以外は実施例2と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
【0044】
(実施例7)
実施例5において、〔下層のインク受容層〕の塗工液を絶乾塗工量10g/m2にしたこと以外は実施例5と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
【0045】
(実施例8)
実施例5において、〔下層のインク受容層〕の塗工液を絶乾塗工量15g/m2にしたこと以外は実施例5と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
【0046】
(比較例1)
実施例1において、〔下層のインク受容層〕シリカ100部と焼成クレー0部したこと及び〔上層のインク受容層〕シリカ100部と水酸化アルミニウム0部としたこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
【0047】
(比較例2)
比較例1において、〔上層のインク受容層〕シリカ90部と水酸化アルミニウム10部にしたこと以外は比較例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
【0048】
(比較例3)
実施例2において、〔上層のインク受容層〕シリカ90部、炭酸カルシウム(タマパールTP−121:奥多摩工業社製)10部、水酸化アルミニウム0部としたこと以外は実施例2と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
【0049】
(比較例4)
比較例3において、〔上層のインク受容層〕シリカ60部、水酸化アルミニウム40部、炭酸カルシウム0部としたこと以外は比較例3と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
【0050】
(比較例5)
比較例3において、〔上層のインク受容層〕シリカ100部、水酸化アルミニウム0部、炭酸カルシウム0部としたこと以外は比較例3と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
【0051】
このようにして得られたインクジェット記録シートにおいて、印字画像の鮮明性、耐水性、印刷強度をそれぞれ下記の方法で評価し、表1に示した。インクジェットプリンターは、エプソン社製PM−700C機で印字した。
【0052】
印字画像の鮮明性については印字画像が鮮明であるかを目視評価した。
◎:印字画像が非常に鮮明でコントラストがはっきりしている。
○:印字画像が鮮明でコントラストがある。
△:印字画像が鮮明であるがコントラストがあまりはっきりしなく、やや白ボケ気味である。
×:印字画像が鮮明でなく、白ボケ気味である。
【0053】
インク吸収性については、印字直後にインクの吸収状態を目視評価した。
◎:インクの濡れた状態が全くなく、非常にインクの乾燥性が良好である。
○:インクの濡れた状態が目立たず、インクの乾燥性が良好である。
△:インクの濡れた状態が二次色で生ずるなど、インクの乾燥性がやや悪い。
×:インクの濡れた状態が全般に生じ、インクの乾燥性が非常に悪い。
【0054】
耐水性についてはベタ印字部を水に5秒間浸し、濾紙でふき取り、インクの流れ出しを評価した。
◎:インクの流れ出しがなく、非常に耐水性が良好である。
○:インクの流れ出しが目立たず、耐水性が良好である。
△:インクの流れ出しが二次色で生ずるなど、耐水性がやや悪い。
×:インクの流れ出しが全般に生じ、耐水性が非常に悪い。
【0055】
印刷強度についてはRIテスターで、塗工層の印刷強度を評価した。
◎:塗工面の粉落ちがなく、ロールに紙粉が転写せず非常に良好である。
○:塗工面の粉落ちが少なく、ロールにも紙粉があまり転写せず良好である。
△:塗工面の粉落ちがややあり、ロールにも紙粉が少し転写している。
×:塗工面の粉落ちが多く、ロールにも紙粉がかなり転写している。
【0056】
【表1】
Figure 0004579454
【表2】
Figure 0004579454
表1及び表2の結果より明らかなように、本発明の実施例によって得られたインクジェット記録シートは、印字画像の鮮明性及び耐水性、インク吸収性、印刷強度に優れたインクジェット記録シートを提供するものであった。
【発明の効果】
【0057】
請求項1記載の発明では、インク受容層に含有させる顔料の種類、その含有比率及びインク受容層の層構造を制御して、インク受容層の剥がれ強度、顔料の高濃度分散性、インク吸収性、塗工層の平滑性、塗工性・乾燥性等の諸特性の向上を図ることにより、結果として印字画像の鮮明性や耐水性、印刷強度、生産効率のバランスが優れたインクジェット記録シートを提供することができた。
【0058】
また請求項2記載の発明では、インク受容層下層の顔料の粒子径や比表面積を最適化して顔料の高濃度分散性、インク吸収性及び塗工層の平滑性をより向上することで印字画像の鮮明性や耐水性、印刷強度、生産効率のバランスが特に優れたインクジェット記録シートを提供することができた。

Claims (2)

  1. セルロースパルプを主体とする支持体上にインク受容層を設けたインクジェット記録シートにおいて、
    該インク受容層は少なくとも上層及び下層からなる2層以上の塗工層により形成し、
    前記下層に設けた下層塗工層は、焼成クレーと合成非晶質シリカの重量比率が40/60〜100/0、かつ塗工量が3〜20g/mとなるように形成し、
    前記上層に設けた上層塗工層は、合成非晶質シリカと平均粒子径が0.5〜5μmの水酸化アルミニウム(但し、カップリング剤処理品を除く。)を含有する層を少なくとも一層以上を有し、前記合成非晶質シリカと水酸化アルミニウムを含有する層の合成非晶質シリカと水酸化アルミニウムの重量比率が80/20〜95/5であることを特徴とするインクジェット記録シート。
  2. 前記下層塗工層の合成非晶質シリカの平均凝集粒子径は1〜20μmであり、前記下層塗工層の焼成クレーの比表面積は10〜25m/gであることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録シート。
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